JP2024501990A - 化合物、これを含むコーティング組成物、これを用いた有機発光素子及びその製造方法 - Google Patents

化合物、これを含むコーティング組成物、これを用いた有機発光素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、化学式1で表される化合物、上記化学式1で表される化合物を含むコーティング組成物、これを用いた有機発光素子及びその製造方法に関する。

Description

本明細書は、2021年3月25日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0038765号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に組み込まれる。
本明細書は、化合物、上記化合物を含むコーティング組成物、上記コーティング組成物を用いて形成された有機発光素子及びその製造方法に関する。
有機発光現象は、特定の有機分子の内部プロセスによって電流が可視光に転換される例の一つである。有機発光現象の原理は次の通りである。アノードとカソードとの間に有機物層を位置させたとき、両電極の間に電流をかけると、カソードとアノードからそれぞれ電子と正孔が有機物層に注入される。有機物層に注入された電子と正孔とは再結合してエキシトン(exciton)を形成し、このエキシトンが再び基底状態に落ちるときに光を出す。このような原理を用いる有機発光素子は、一般に、カソードとアノード及びその間に位置した有機物層、例えば正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層などを含む有機物層から構成されることができる。
従来は、有機発光素子を製造するために蒸着工程を主に使用してきている。しかしながら、蒸着工程で有機発光素子の製造時、材料の損失が多く発生するという問題点があって、これを解決するために、材料の損失が少なくて生産効率を増大させることができる溶液工程を通じて素子を製造する技術が開発されており、溶液工程時に使用されることができる物質の開発が求められている。
溶液工程用の有機発光素子で使用される物質は、次のような性質を持たなければならない。
第一に、貯蔵可能な均質な溶液を形成できなければならない。商用化した蒸着工程用物質の場合、結晶性が良くて溶液によく溶けないか、溶液を形成しても、結晶がよくできるため、貯蔵期間によって溶液の濃度勾配が変わるか、不良素子を形成する可能性が高い。
第二に、溶液工程に使用される物質は、薄膜形成時、孔や凝集現象が発生せず、均一な厚さの薄膜を形成できるように、コーティング性に優れなければならない。
第三に、溶液工程が行われる層は、他の層を形成する工程で使用される溶媒及び物質に対する耐性を有するべきであり、有機発光素子の製造時に電流効率に優れ、寿命特性に優れることが求められる。
したがって、当該技術分野では、新しい有機物の開発が求められている。
本発明は、溶液工程のための化合物及びこれを用いて形成された有機発光素子を提供することが目的である。
本発明の一実施態様は、下記化学式1で表される化合物を提供する。
上記化学式1において、
R1~R19は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、重水素、フルオロ基、フルオロアルキル基、シアノ基、又は置換もしくは非置換のアルキル基であり、
Arは、置換もしくは非置換のn1+1価のアリール基であり、
Xは、硬化基であり、
m1は、1~3の整数であり、m1が2以上の場合、2以上の括弧内の置換基は、互いに同一であるか異なっており、
n1は、1~5の整数であり、n1が2以上の場合、2以上の括弧内の置換基は、互いに同一であるか異なっている。
また、本発明の他の実施態様は、上記化合物を含むコーティング組成物を提供する。
また、本発明の他の実施態様は、第1の電極;第2の電極;及び上記第1の電極と上記第2の電極との間に備えられる1層以上の有機物層を含み、上記有機物層のうちの1層以上は、上述したコーティング組成物又はその硬化物を含む有機発光素子を提供する。
最後に、本発明の他の実施態様は、基板を準備するステップ;上記基板上に第1の電極を形成するステップ;上記第1の電極上に1層以上の有機物層を形成するステップ;及び上記有機物層上に第2の電極を形成するステップを含み、上記有機物層を形成するステップは、上記コーティング組成物を用いて1層以上の有機物層を形成するステップを含む、有機発光素子の製造方法を提供する。
本発明の一実施態様に係る化合物は、有機発光素子の有機物層の製造時、溶液工程用材料として使用可能であって素子の大面積化が可能であり、低い駆動電圧、高い発光効率及び高い寿命特性を有する素子を提供することができる。
本発明の化合物は、ボロン陰イオンを中心に結合された4個の置換基のうちの1以上が、他の置換基と互いに異なる構造を有する非対称構造を有することで、4個の置換基がいずれも同じ構造を有する対称構造の化合物よりも溶媒に対する溶解度が高くて、溶液工程用材料としてより好適である。
また、本発明の化合物は、非対称構造を有しながら、ビニル基を含む置換基であるXがArに結合されることで、ビニル基を含む置換基であるXが単一分子中に外郭に位置して他の単一分子のビニル基と会って結合する確率が高くなり、硬化に有利である。
本明細書の一実施態様に係る有機発光素子の例を示すものである。 化合物1で陽イオンのMass測定図である。 化合物1で陰イオンのMass測定図である。 化合物2のNMR測定図である。 化合物3のNMR測定図である。 化合物4のNMR測定図である。 実験例1で測定された膜保持率関連データである。 化学式A-CのMSスペクトルである。 化学式AのMSスペクトルである。 化合物5のNMR測定図である。 化合物6のNMR測定図である。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本明細書の一実施態様は、下記化学式1で表される化合物を提供する。
上記化学式1において、
R1~R19は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、重水素、フルオロ基、フルオロアルキル基、シアノ基、又は置換もしくは非置換のアルキル基であり、
Arは、置換もしくは非置換のn1+1価のアリール基であり、
Xは、硬化基であり、
m1は、1~3の整数であり、m1が2以上の場合、2以上の括弧内の置換基は、互いに同一であるか異なっており、
n1は、1~5の整数であり、n1が2以上の場合、2以上の括弧内の置換基は、互いに同一であるか異なっている。
本明細書において、ある部材が他の部材「上に」位置しているというとき、これはある部材が他の部材に接している場合だけでなく、両部材の間にまた他の部材が存在する場合も含む。
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
本明細書の一実施態様において、上記化学式1の化合物は、ホウ素陰イオン周りにフルオロ基及び/又はフルオロアルキル基が結合されたフェニル基が結合されることで、化合物内に電子が不足になって共に使用される物質から電子を奪うようになる。これによって、上記化学式1の化合物とともに使用される物質で正孔の生成が円滑になるという効果がある。
本明細書の一実施態様は、上記化学式1の化合物は、適当な有機溶媒に対して溶解性を有する化合物が好ましい。
本明細書の一実施態様に係る化合物は、ボロン陰イオンを中心に結合された4個の置換基のうちの1以上が他の置換基と互いに異なる構造を有する非対称構造を有することで、4個の置換基がいずれも同じ構造を有する対称構造の化合物よりも溶媒に対する溶解度が高くて、溶液工程用材料として好適である。
また、本明細書の一実施態様に係る化合物の場合、溶液塗布法によって有機発光素子を製造することができ、素子の大面積化ができる。
また、本発明の化合物は、非対称構造を有しながら、ビニル基を含む置換基であるXがArに結合されることで、ビニル基を含む置換基であるXが単一分子中に外郭に位置して他の単一分子のビニル基と会って結合する確率が高くなり、硬化に有利である。
以下、本明細書の置換基を詳細に説明する。
本明細書において、
は、他の置換基又は結合部に結合される部位を意味する。
本明細書において、上記「置換」という用語は、化合物の炭素原子に結合された水素原子が他の置換基に換えられることを意味し、置換される位置は、水素原子が置換される位置、すなわち、置換基が置換可能な位置であれば限定されず、2以上置換される場合、2以上の置換基は、互いに同一であるか異なっていてもよい。
本明細書において、「置換もしくは非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;ニトリル基;アルキル基;シクロアルキル基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アリール基;及びヘテロ環基からなる群より選択された1個以上の置換基で置換されている、もしくは非置換であるか、上記例示された置換基のうちの2以上の置換基が連結された置換基で置換されている、もしくは非置換であることを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基」は、ビフェニル基であってもよい。すなわち、ビフェニル基は、アリール基であってもよく、2個のフェニル基が連結された置換基と解釈されることができる。
本明細書において、ハロゲン基は、フルオロ基(-F)、クロロ基(-Cl)、ブロモ基(-Br)又はヨード基(-I)である。
本明細書において、上記アルキル基は、直鎖又は分枝鎖であってもよく、炭素数は、特に限定されないが、1~60であってもよく、一実施態様によれば、上記アルキル基の炭素数は1~40であってもよい。他の実施態様によれば、上記アルキル基の炭素数は1~20である。上記アルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基などがあるが、これらに限定されない。
本明細書において、上記アルキレン基は、2価のアルキル基であることを除き、上述したアルキル基の説明を引用することができる。
本明細書において、フルオロアルキル基は、フルオロ基で置換されたアルキル基を意味し、具体的な例としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基などがあるが、これに限定されない。
本明細書において、シクロアルキル基は、特に限定されないが、炭素数3~60であってもよく、一実施態様によれば、上記シクロアルキル基の炭素数は3~40である。他の実施態様によれば、上記シクロアルキル基の炭素数は3~20である。上記シクロアルキル基の具体的な例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などがあるが、これに限定されるものではない。
本明細書において、上記アルコキシ基は、直鎖又は分枝鎖であってもよい。上記アルコキシ基の炭素数は、特に限定されないが、炭素数1~20であってもよい。上記アルコキシ基の具体的な例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本明細書において、上記アリール基は、特に限定されないが、炭素数6~60であってもよく、単環式アリール基又は多環式アリール基であってもよい。一実施態様によれば、上記アリール基の炭素数は6~30である。一実施態様によれば、上記アリール基の炭素数は6~20である。上記アリール基が単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などであってもよいが、これに限定されるものではない。上記多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、ペリレニル基、トリフェニル基、クリセニル基、フルオレニル基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本明細書において、フルオレニル基は、置換されることができ、置換基2個が互いに結合してスピロ構造を形成することができる。
上記フルオレニル基が置換される場合、
などのスピロフルオレニル基、
(9,9-ジメチルフルオレニル基)、及び

(9,9-ジフェニルフルオレニル基)などの置換されたフルオレニル基になることができる。但し、これに限定されるものではない。
本明細書において、上記アリーレン基は、2価基のアリール基であることを除き、上述したアリール基の説明を引用することができる。
本明細書において、ヘテロ環基は、異種原子として、N、O、P、S、Si及びSeのうちの1個以上を含むヘテロ環基であって、炭素数は特に限定されないが、炭素数2~60であってもよい。一実施態様によれば、上記ヘテロ環基の炭素数は2~30である。他の実施態様によれば、上記ヘテロ環基の炭素数は2~20である。ヘテロ環基の例としては、ピリジル基、ピロール基、ピリミジル基、ピリダジニル基、フラニル基、チオフェン基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾフラン基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
本明細書において、ヘテロアリール基は、芳香族であることを除き、上述したヘテロ環基に関する説明が適用されることができる。
本明細書において、上記アリールオキシ基でアリール基は、上述したアリール基に関する説明が適用される。
本明細書の一実施態様において、R1~R19は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、重水素、フルオロ基、フルオロアルキル基、シアノ基、又は置換もしくは非置換のアルキル基である。
本明細書の一実施態様において、R1~R19は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、重水素、フルオロ基、炭素数1~10のフルオロアルキル基、シアノ基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基である。
本明細書の一実施態様において、上記R1~R19は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、フルオロ基又はフルオロアルキル基である。
他の実施態様において、上記R1~R19は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、フルオロ基又は炭素数1~10のフルオロアルキル基である。
他の実施態様によれば、上記R1~R19は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、フルオロ基又はトリフルオロメチル基である。
他の実施態様によれば、上記R1~R15は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、フルオロ基又はトリフルオロメチル基である。
他の実施態様によれば、上記R3、R8及びR13は、トリフルオロメチル基である。
他の実施態様によれば、上記R1、R2、R4~R7、R9~R12、R14及びR15は、フルオロ基である。
本明細書の一実施態様において、上記m1は、1~3の整数であり、m1が2以上の場合、2以上の括弧内の置換基は、互いに同一であるか異なっている。
他の実施態様によれば、上記m1は、1又は2であり、m1が2の場合、2個の括弧内の置換基は、互いに同一であるか異なっている。
本明細書の一実施態様によれば, 上記化学式1は、下記化学式2又は3で表される。
上記化学式2及び3において、
R1~R15、Ar、X及びn1は、化学式1で定義した通りであり、
R21~R28は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、重水素、フルオロ基、フルオロアルキル基、シアノ基、又は置換もしくは非置換のアルキル基である。
本明細書の一実施態様によれば、上記R21~R28は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、フルオロ基又はフルオロアルキル基である。
他の実施態様によれば、上記R21~R28は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、フルオロ基又は炭素数1~10のフルオロアルキル基である。
他の実施態様において、上記R21~R28は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、フルオロ基又はトリフルオロメチル基である。
他の実施態様において、上記R21~R28は、フルオロ基である。
本明細書の一実施態様において、上記Arは、置換もしくは非置換のn1+1価のアリール基である。
他の実施態様によれば、上記Arは、置換もしくは非置換の炭素数6~30のn1+1価のアリール基である。
他の実施態様において、上記Arは、炭素数6~30のn1+1価のアリール基である。
他の実施態様によれば、上記Arは、置換もしくは非置換のn1+1価のフェニル基である。
他の実施態様において、上記Arは、n1+1価のフェニル基である。
本明細書の一実施態様において、上記化学式1は、下記化学式4で表される。
上記化学式4において、
R1~R19、X、n1及びm1は、化学式1で定義した通りであり、
R101は、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリール基;又は置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
n2は、0~4の整数であり、n2が2以上の場合、2以上のR101は、互いに同一であるか異なっており、n1+n2は、1~5である。
本明細書の一実施態様によれば、上記R101は、水素又は重水素である。
本明細書の一実施態様において、上記n2は、0~3の整数である。
本明細書の一実施態様によれば、上記化学式2は、下記化学式5又は6で表される。
上記化学式5及び6において、
R1~R15、X及びn1は、化学式1で定義した通りであり、
R21~R28は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、フルオロ基又はフルオロアルキル基であり、
R101は、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリール基;又は置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
n2は、0~4の整数であり、n2が2以上の場合、2以上のR101は、互いに同一であるか異なっており、n1+n2は、1~5である。
本明細書の一実施態様によれば、上記Xは、硬化基である。このとき、硬化基は、隣り合う化合物の硬化基同士が化学的に反応して結合を形成し、これにより分子が大きくなって硬化を進行させることができる置換基を意味し、これを追加反応が可能な追加反応可能基、又は隣り合う化合物同士が架橋を形成する架橋形成基と呼ぶこともできる。
本明細書の一実施態様において、上記硬化基は、隣り合う化合物の硬化基同士が化学的に反応することができれば、特に限定しないが、開環反応が可能な脂肪族環基、及びエチレン性不飽和基のうちの少なくとも一つを含むことができる。
本明細書の一実施態様において、上記硬化基は、下記化学式7-1~7-5のうちのいずれか一つである、化合物:
上記化学式7-1~7-5において、
L1は、直接結合;O;S;置換もしくは非置換のc+1価のアルキル基;置換もしくは非置換のc+1価のアリール基;又は置換もしくは非置換のc+1価のヘテロ環基であり、
L2~L5は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、直接結合;O;S;置換もしくは非置換のアルキレン基;置換もしくは非置換のアリーレン基;又は置換もしくは非置換の2価のヘテロ環基であり、
L6は、O又は置換もしくは非置換のアルキレン基であり、
R200~R202及びR209~R211は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン基又は置換もしくは非置換のアルキル基であり、
R203は、置換もしくは非置換のアルキル基であり、
R204~R207は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、重水素又は置換もしくは非置換のアルキル基であり、
R208は、置換もしくは非置換のアルキル基又は置換もしくは非置換のアリール基であり、
cは、1又は2であり、cが2の場合、括弧内の構造は、互いに同一であるか異なっており、
k1~k5は、それぞれ1~4の整数であり、
k1が2以上の場合、L1は互いに同一であるか異なっており、
k2が2以上の場合、L2は互いに同一であるか異なっており、
k3が2以上の場合、L3は互いに同一であるか異なっており、
k4が2以上の場合、L4は互いに同一であるか異なっており、
k5が2以上の場合、L5は互いに同一であるか異なっている。
本明細書の一実施態様において、k1が2以上の場合、L1が、Oが連続して結合して-O-O-を形成するか、Sが連続して結合して-S-S-を形成するか、-O-S-を形成することを除く。
本明細書の一実施態様において、k2が2以上の場合、L2が、Oが連続して結合して-O-O-を形成するか、Sが連続して結合して-S-S-を形成するか、-O-S-を形成することを除く。
本明細書の一実施態様において、k3が2以上の場合、L3が、Oが連続して結合して-O-O-を形成するか、Sが連続して結合して-S-S-を形成するか、-O-S-を形成することを除く。
本明細書の一実施態様において、k4が2以上の場合、L4が、Oが連続して結合して-O-O-を形成するか、Sが連続して結合して-S-S-を形成するか、-O-S-を形成することを除く。
本明細書の一実施態様において、k5が2以上の場合、L5が、Oが連続して結合して-O-O-を形成するか、Sが連続して結合して-S-S-を形成するか、-O-S-を形成することを除く。
本明細書の一実施態様によれば、上記Xは、置換もしくは非置換のアルケニル基;又は置換もしくは非置換のアルケニル基で置換されたアリール基である。
本明細書の一実施態様によれば、上記Xは、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基;又は置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基で置換されたアリール基である。
本明細書の一実施態様によれば、上記Xは、置換もしくは非置換の炭素数2~5のアルケニル基;又は置換もしくは非置換の炭素数2~5のアルケニル基で置換されたアリール基である。
本明細書の一実施態様によれば、上記Xは、置換もしくは非置換のエテニル基;置換もしくは非置換のプロペニル基;又は置換もしくは非置換のブテニル基;又は置換もしくは非置換のエテニル基、置換もしくは非置換のプロペニル基、又は置換もしくは非置換のブテニル基で置換されたアリール基である。
他の本明細書の一実施態様によれば、上記Xは、ビニル基(-CH=CH)又はビニル基(-CH=CH)で置換されたアリール基である。
他の実施態様において、上記Xは、ビニル基(-CH=CH)、又は1以上のビニル基(-CH=CH)で置換された炭素数6~30のアリール基である。
他の実施態様によれば、上記Xは、ビニル基(-CH=CH)、1以上のビニル基(-CH=CH)で置換されたフェニル基又は1以上のビニル基(-CH=CH)で置換されたナフチル基である。
他の実施態様によれば、上記Xは、ビニル基(-CH=CH)、1個のビニル基(-CH=CH)で置換されたフェニル基、2個のビニル基(-CH=CH)で置換されたフェニル基又はビニル基(-CH=CH)で置換されたナフチル基である。
他の実施態様において、上記Xは、下記構造の中から選択される。
は、結合される部位である。
本明細書において、上記化学式1の化合物は、ボロンに結合された4個の置換基のうちの一つが-Ar-(X)n1(X=硬化基)の末端基を有するボロン化合物であり、上記末端基によって非対称構造を有することが特徴である。対称性がある化合物に比べて、上記化学式1の化合物は、硬化基であるXがより外郭に位置して低い硬化温度を有するようになり、硬化が容易であり、硬化を維持するのに有利である。特に、硬化基であるXがビニル基であるか、ビニル基で置換されたアリール基の場合、硬化が相対的に容易であるという長所がある。特に、メチル基で置換されたビニル基
よりも硬化温度が低いという長所がある。具体的に、メチル基で置換されたビニル基は、水素のみで置換されたビニル基よりもメチル基が占める空間(steric hindrance)が存在し、このためビニルとビニルとが結合する硬化の過程で、メチル基によって妨げられ、メチル基が置換されていないビニル基よりも硬化が容易でない。
本明細書の一実施態様によれば、上記n1は、1~5の整数であり、n1が2以上の場合、2以上の括弧内の置換基は、互いに同一であるか異なっている。
他の実施態様において、上記n1は、1又は2であり、n1が2の場合、2個のXは、互いに同一であるか異なっている。
本明細書の一実施態様において、上記化学式1は、下記化合物のうちのいずれか一つで表される。
本明細書の一実施態様によれば、上記化合物は、対イオンをさらに含む。このとき、対イオンの種類は、特に限定されず、下記構造式のうちのいずれか一つの陽イオンを含むことができる。
上記構造式において、X~X32は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;重水素;シアノ基;ニトロ基;ハロゲン基;-COOR104;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のフルオロアルキル基;又は置換もしくは非置換のアリール基であるか、下記硬化基群の中から選択される硬化基であり、
104は、水素;重水素;又は置換もしくは非置換のアルキル基であり、
aは1又は2であり、bは0又は1であり、a+b=2であり、
100~X124は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;重水素;シアノ基;ニトロ基;ハロゲン基;-COOR105;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のフルオロアルキル基;又は置換もしくは非置換のアリール基であるか、下記硬化基群の中から選択される硬化基であり、
上記R105は、置換もしくは非置換のアルキル基であり、
[硬化基群]
上記R30~R32は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;又は置換もしくは非置換のヘテロ環基であるか、隣り合う基は、互いに結合して、置換もしくは非置換の環を形成し、
は、結合される部位である。
本明細書の一実施態様によれば、上記R30~R32は、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基;置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基;置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基;又は置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロ環基であるか、隣り合う基は、互いに結合して、置換もしくは非置換のヘテロ環を形成する。
本明細書の一実施態様によれば、上記R30~R32のうち隣り合う基は、互いに結合する場合、ヘテロ元素として中心のSを含むヘテロ環を形成し、上記ヘテロ環は、置換又は非置換されることができる。
本明細書の一実施態様によれば、上記R30~R32のうち隣り合う基は、互いに結合する場合、テトラヒドロチオフェン、チオフェン、ベンゾチオフェン又はジベンゾチオフェンを形成することができ、上記環は、置換又は非置換されることができる。
本明細書の一実施態様によれば、上記陽イオンは、下記構造式のうちのいずれか一つの陽イオンを含むことができる。
上記X300~X317は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;又は置換もしくは非置換のヘテロ環基であるか、隣り合う基が互いに結合して、置換もしくは非置換の環を形成する。
本明細書の一実施態様によれば、上記陽イオンの構造式は、下記陽イオンのうちのいずれか一つであってもよい。
本明細書の一実施態様によれば、上記化合物は、下記構造のうちのいずれか一つで表される。
本明細書の一実施態様に係る化合物は、後述する製造方法のように製造されることができる。後述する製造方法において、置換基は、当該技術分野に知られている方法によって結合されることができ、置換基の種類、位置又は個数は、当該技術分野に知られている技術に応じて変更されることができる。
本明細書の一実施態様において、上述した化合物を含むコーティング組成物を提供する。
本明細書の一実施態様において、上記コーティング組成物は、上記化学式1の化合物及び溶媒を含む。
本明細書の一実施態様において、 上記コーティング組成物は、液状であってもよい。上記「液状」は、常温及び常圧で液体状態であることを意味する。
本明細書の一実施態様において、上記溶媒は、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン(Isophorone)、テトラロン(Tetralone)、デカロン(Decalone)、アセチルアセトン(Acetylacetone)などのケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテートなどのエステル系溶媒;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2-ヘキサンジオールなどの多価アルコール及びその誘導体;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノールなどのアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒;及びN-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒;テトラリンなどの溶媒が例示されるが、本願発明の一実施態様に係る化学式1の化合物を溶解又は分散させることができる溶媒であればよく、これらに限定されない。
他の実施態様において、上記溶媒は、1種単独で使用するか、又は2種以上の溶媒を混合して使用することができる。
本明細書の一実施態様において、上記コーティング組成物は、上記化学式1の化合物と共に追加化合物をさらに含むことができる。
他の実施態様によれば、上記コーティング組成物は、上記化学式1の化合物をドーパントとして含み、上記追加化合物をホストとして含む。このとき、上記化学式1の化合物と追加化合物との質量比(化学式1の化合物:追加化合物)は、1:9~5:5であってもよい。
他の実施態様において、上記追加化合物は、アリールアミン系化合物であってもよく、ビニル基が置換されたアリールアミン系化合物であってもよい。上記化学式1の化合物とビニル基が置換されたアリールアミン系化合物とを共に使用する場合、互いに硬化温度が類似していて反応性が良いという利点がある。
上記追加化合物の一例としては、下記化合物が挙げられるが、これに限定されない。
上記コーティング組成物の粘度は、常温(約25℃)で2cP~15cPである。 上記粘度を満足する場合、素子の製造に容易である。
本明細書はまた、上記コーティング組成物を用いて形成された有機発光素子を提供する。
本明細書に係る有機発光素子は、多様な電子装置に含まれて使用されることができる。例えば、上記電子装置は、ディスプレイパネル、タッチパネル、太陽光モジュール、照明装置などであってもよく、これに限定されない。
本明細書の一実施態様において、第1の電極;第2の電極;及び上記第1の電極と上記第2の電極との間に備えられる1層以上の有機物層を含み、上記有機物層のうちの1層以上は、上記コーティング組成物又はその硬化物を含み、上記コーティング組成物の硬化物は、上記コーティング組成物が熱処理又は光処理によって硬化した状態である。
本明細書の一実施態様において、上記コーティング組成物又はその硬化物を含む有機物層は、正孔輸送層又は正孔注入層である。
本明細書の一実施態様において、上記コーティング組成物又はその硬化物を含む有機物層は、電子輸送層又は電子注入層である。
他の実施態様において、上記コーティング組成物又はその硬化物を含む有機物層は、発光層である。
他の実施態様において、上記コーティング組成物又はその硬化物を含む有機物層は、発光層であり、上記発光層は、上記化合物を発光層のホストとして含む。
他の実施態様において、上記コーティング組成物又はその硬化物を含む有機物層は、発光層であり、上記発光層は、上記化合物を発光層のドーパントとして含む。
本明細書の一実施態様において、上記有機発光素子は、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電子阻止層、正孔阻止層、正孔輸送及び正孔注入を同時にする層及び電子輸送及び電子注入を同時にする層からなる群より選択される1層又は2層以上をさらに含む。
本明細書の一実施態様において、上記第1の電極はアノードであり、第2の電極はカソードである。
他の実施態様によれば、上記第1の電極はカソードであり、第2の電極はアノードである。
他の実施態様において、有機発光素子は、基板上にアノード、1層以上の有機物層及びカソードが順次積層された構造(normal type)の有機発光素子であってもよい。
他の実施態様において、有機発光素子は、基板上にカソード、1層以上の有機物層及びアノードが順次積層された逆方向構造(inverted type)の有機発光素子であってもよい。
本明細書の有機発光素子の有機物層は、単層構造からなることもできるが、2層以上の有機物層が積層された多層構造からなることができる。例えば、本発明の有機発光素子は、有機物層として正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層、電子阻止層、正孔輸送及び正孔注入を同時にする層、電子輸送及び電子注入を同時にする層などを含む構造を有することができる。ところが、有機発光素子の構造はこれに限定されず、より少ない数の有機層を含むことができる。
例えば、本明細書の一実施態様に係る有機発光素子の構造は、図1に例示されている。
図1には、基板101上にアノード201、正孔注入層301、正孔輸送層401、 発光層501、電子輸送及び電子注入を同時にする層601及びカソード701が順次積層された有機発光素子の構造が例示されている。
上記図1は、有機発光素子を例示したものであり、これに限定されない。
上記有機発光素子が複数個の有機物層を含む場合、上記有機物層は、同一の物質又は異なる物質から形成されることができる。
本明細書の有機発光素子は、有機物層のうちの1層以上が上記化学式1の化合物を含むコーティング組成物を用いて形成することを除き、当該技術分野に知られている材料と方法で製造されることができる。
例えば、本明細書の有機発光素子は、基板上に、アノード、有機物層及びカソードを順次積層させることで製造することができる。このとき、スパッタリング法(sputtering)や電子ビーム蒸着法(e-beam evaporation)のようなPVD(physical Vapor Deposition)法を用いて、基板上に金属又は導電性を有する金属酸化物又はこれらの合金を蒸着させてアノードを形成し、その上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送及び電子注入を同時にする層などを含む有機物層を、溶液工程、蒸着工程などを通じて形成した後、その上にカソードとして使用できる物質を蒸着させることで製造されることができる。このような方法以外にも、基板上に、カソード物質から有機物層、アノード物質を順に蒸着させて、有機発光素子を作製することができる。
本明細書はまた、上記コーティング組成物を用いて形成された有機発光素子の製造方法を提供する。
具体的に、本明細書の一実施態様において、基板を準備するステップ;上記基板上に第1の電極を形成するステップ;上記第1の電極上に1層以上の有機物層を形成するステップ;及び上記有機物層上に第2の電極を形成するステップを含み、上記有機物層を形成するステップは、上記コーティング組成物を用いて1層以上の有機物層を形成するステップを含む。
本明細書の一実施態様において、上記コーティング組成物を用いて1層以上の有機物層を形成するステップは、スピンコーティング法を用いる。
他の実施態様において、上記コーティング組成物を用いて1層以上の有機物層を形成するステップは、印刷法を用いる。
本明細書の態様において、上記印刷法は、例えば、インクジェット印刷、ノズル印刷、オフセット印刷、転写印刷又はスクリーン印刷などがあるが、これらに限定されない。
本明細書の一実施態様に係るコーティング組成物は、構造的な特性から溶液工程が好適であって、印刷法によって形成されることができるので、素子の製造時に時間及び費用的に経済的であるという効果がある。
本明細書の一実施態様において、上記コーティング組成物を用いて1層以上の有機物層を形成するステップは、上記第1の電極又は1層以上の有機物層上にコーティング組成物をコーティングするステップ;及び上記コーティングされたコーティング組成物を熱処理又は光処理するステップを含む。
本明細書の一実施態様において、上記熱処理するステップは、熱処理を通じて行われることができ、熱処理するステップでの熱処理温度は、85℃~250℃であり、一実施態様によれば、100℃~250℃であってもよく、他の実施態様において、150℃~250℃であってもよい。
他の実施態様において、上記熱処理するステップでの熱処理時間は、1分~2時間であり、一実施態様によれば、10~2時間であってもよく、他の実施態様において、10分~90分であってもよい。
上記コーティング組成物を用いて形成された有機物層を形成するステップにおいて、上記熱処理又は光処理ステップを含む場合には、コーティング組成物に含まれた複数個の上記化合物が架橋を形成して薄膜化された構造が含まれた有機物層を提供することができる。この場合、上記コーティング組成物を用いて形成された有機物層の表面の上に他の層を積層するとき、溶媒によって溶解されるか、形態学的に影響を受けるか分解されることを防止することができる。
したがって、上記コーティング組成物を用いて形成された有機物層が熱処理又は光処理ステップを含んで形成された場合には、溶媒に対する抵抗性が増加して溶液蒸着及び架橋方法を繰り返し行って多層を形成することができ、安定性が増加して素子の寿命特性を増加させることができる。
上記アノード物質としては、通常、有機物層への正孔注入が円滑になるように、仕事関数の大きい物質が好ましい。本発明で使用されることができるアノード物質の具体的な例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属又はこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:Al又はSNO:Sbのような金属と酸化物との組み合わせ;ポリ(3-メチルチオフェン)、 ポリ[3,4-(エチレン-1,2-ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロール及びポリアニリンのような導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
上記カソード物質としては、通常、有機物層への電子注入が容易になるように、仕事関数の小さい物質であることが好ましい。カソード物質の具体的な例としては、バリウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ及び鉛のような金属又はこれらの合金;LiF/Al又はLiO/Alのような多層構造物質などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
上記正孔注入層は、電極から正孔を注入する層であって、正孔注入物質としては、正孔を輸送する能力を有してアノードからの正孔注入の効果、発光層又は発光材料に対して優れた正孔注入の効果を有し、発光層で生成された励起子の電子注入層又は電子注入材料への移動を防止し、また、薄膜形成能力に優れた化合物が好ましい。正孔注入物質のHOMO(highest occupied molecular orbital)が、アノード物質の仕事関数と周辺有機物層のHOMOとの間であることが好ましい。正孔注入物質の具体的な例としては、上述した化学式1の化合物、金属ポルフィリン(porphyrin)、オリゴチオフェン、アリールアミン系の有機物、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン系の有機物、キナクリドン(quinacridone)系の有機物、ペリレン(perylene)系の有機物、アントラキノン及びポリアニリンとポリチオフェン系の導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
上記正孔輸送層は、正孔注入層から正孔を受取して発光層まで正孔を輸送する層であって、正孔輸送物質としては、アノードや正孔注入層から正孔を輸送されて発光層に移すことができる物質であって、正孔に対する移動性の大きい物質が好適である。具体的な例としては、アリールアミン系の有機物、導電性高分子、及び共役部分と非共役部分とが共にあるブロック共重合体などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
上記正孔輸送及び正孔注入を同時にする層は、上述した正孔輸送層及び正孔注入層の材料を含むことができる。
上記発光物質としては、正孔輸送層と電子輸送層から正孔と電子をそれぞれ輸送されて結合させることで可視光線領域の光を出すことができる物質であって、蛍光や燐光に対する量子効率の良い物質が好ましい。具体的な例としては、8-ヒドロキシ-キノリンアルミニウム錯体(Alq);カルバゾール系化合物;二量体化スチリル(dimerized styryl)化合物;BAlq;10-ヒドロキシベンゾキノリン-金属化合物;ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール及びベンゾイミダゾール系の化合物;ポリ(p-フェニレンビニレン)(PPV)系の高分子;スピロ(spiro)化合物;ポリフルオレン、ルブレンなどがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
上記発光層は、ホスト材料及びドーパント材料を含むことができる。ホスト材料は、縮合芳香族環誘導体又はヘテロ環含有化合物などがある。具体的に、縮合芳香族環誘導体としては、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、ナフタレン誘導体、ペンタセン誘導体、フェナントレン化合物、フルオランテン化合物などがあり、ヘテロ環含有化合物としては、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、梯子状フラン化合物、ピリミジン誘導体などがあるが、これに限定されない。
上記ドーパント材料としては、芳香族アミン誘導体、スチリルアミン化合物、ホウ素錯体、フルオランテン化合物、金属錯体などがある。具体的に、芳香族アミン誘導体としては、置換もしくは非置換のアリールアミノ基を有する縮合芳香族環誘導体であって、アリールアミノ基を有するピレン、アントラセン、クリセン、ペリフランテンなどがあり、スチリルアミン化合物としては、置換もしくは非置換のアリールアミンに少なくとも1個のアリールビニル基が置換されている化合物であって、アリール基、シリル基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリールアミノ基からなる群より1又は2以上選択される置換基が置換もしくは非置換される。具体的に、スチリルアミン、スチリルジアミン、スチリルトリアミン、スチリルテトラアミンなどがあるが、これに限定されない。また、金属錯体としては、イリジウム錯体、白金錯体などがあるが、これに限定されない。
上記電子輸送層は、電子注入層から電子を受け取って発光層まで電子を輸送する層であって、電子輸送物質としては、カソードから電子をよく注入されて発光層に移すことができる物質であって、電子に対する移動性の大きい物質が好適である。具体的な例としては、8-ヒドロキシキノリンのAl錯体;Alqを含む錯体;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン-金属錯体などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。電子輸送層は、従来技術に従って使用されたように、任意の所望のカソード物質と共に使用することができる。特に、適切なカソード物質の例は、低い仕事関数を有し、アルミニウム層又はシルバー層のような通常の物質である。具体的に、セシウム、バリウム、カルシウム、イッテルビウム及びサマリウムであり、各場合、アルミニウム層又はシルバー層と同様である。
上記電子注入層は、電極から電子を注入する層であって、電子注入物質としては、電子を輸送する能力を有し、カソードからの電子注入の効果、発光層又は発光材料に対して優れた電子注入の効果を有し、発光層で生成された励起子の正孔注入層への移動を防止し、また、薄膜形成能力に優れた化合物が好ましい。具体的には、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントロンなどとそれらの誘導体、金属錯体化合物及び含窒素5員環誘導体などがあるが、これに限定されない。
上記電子輸送及び電子注入を同時にする層は、上述した電子輸送層及び電子注入層の材料を含むことができる。
上記金属錯体化合物としては、8-ヒドロキシキノリナトリチウム、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)亜鉛、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)銅、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)マンガン、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)ガリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)亜鉛、ビス(2-メチル-8-キノリナト)クロロガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(o-クレゾラート)ガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(1-ナフトラト)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(2-ナフトラト)ガリウムなどがあるが、これに限定されない。
上記正孔阻止層は、正孔のカソードへの到達を阻止する層であり、一般に、正孔注入層と同一の条件で形成されることができる。具体的に、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、BCP、アルミニウム錯体(aluminum complex)などがあるが、これに限定されない。
上記電子阻止層は、電子のアノード到達を沮止する層であって、当該技術分野で知られている物質を使用することができる。
本明細書に係る有機発光素子は、使用される材料によって、前面発光型、後面発光型又は両面発光型であってもよい。
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例を挙げて詳細に説明する。ところが、本発明に係る実施例は、種々の他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下で記述する実施例に限定されるものとは解釈されない。本明細書の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
<合成例>
合成例1. 化合物1の合成
1)合成例1-1
1,4-ジブロモテトラフルオロベンゼン5g(16.2406 mmol)、4-ビニルフェニルボロン酸1,201mg(8.1203mmol)、リン酸三カリウム(KPO)4,137mg(19.4487mmol、10mLの蒸留水) 及び1,2-ジメトキシエタン40mLをフラスコに投入して、30分間窒素置換した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)375mg(0.3248mmol)をフラスコに投入して、80℃の条件で8時間の間撹拌した。常温に冷却して水40mLを投入して、酢酸エチル30mLで3回抽出して有機層を得た。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥しろ過して、ろ液を得た。有機溶媒を除去し、100%ヘキサンでカラム精製して、目標化合物(4-ブロモ-2,3,5,6-テトラフルオロ-4’-ビニル-1,1’-ビフェニル)1.7gを得た。
2)合成例1-2
1-ブロモ-2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン4,574mg(15.4026mmol)、ジエチルエーテル50mLをフラスコに投入して、1時間の間-78℃の条件で撹拌した。n-ブチルリチウム(n-BuLi)6.16mL(15.4206mmol、2.5M)をゆっくりフラスコに投入して、-78℃の条件で1時間の間撹拌した。トリクロロボラン5.13mL(5.1342mmol、1Mヘプタン)を-78℃でゆっくり加え1時間の間撹拌して、トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液を得た。この溶液は、-78℃ですぐ次の反応に精製過程なしに使用した。
3)合成例1-3
4-ブロモ-2,3,5,6-テトラフルオロ-4’-ビニル-1,1’-ビフェニル1.7g(5.1342mmol)とジエチルエーテル17mLをフラスコに投入して、-78℃の条件で30分間撹拌した。-78℃でn-ブチルリチウム2.05mL(5.1342mmol、2.5M)を投入して、-78℃の条件で1時間の間撹拌した。この溶液を先立って準備したトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液に-78℃の条件で投入した。ゆっくり常温に自然昇温させながら一晩撹拌した。水50mLを投入して反応を終結させ、ジクロロメタン50mLで3回抽出して有機層を得た。有機層を乾燥して酢酸エチル/ヘキサン50%、100%、ジクロロメタン100%に溶出液を変更しながらカラム精製して、目標化合物(リチウム(2,3,5,6-テトラフルオロ-4’-ビニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート)2.6gを得た。
4)合成例1-4
リチウム(2,3,5,6-テトラフルオロ-4’-ビニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート)2.6g(2.8256mmol)、アセトン(Act)15mL及び水15mLをフラスコに投入して、30分間撹拌した。(4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウムブロミド1,180mg(2.8256mmol)をフラスコに投入して、2時間の間強く撹拌した。ジクロロメタン15mLで3回抽出して有機層を得て、有機溶媒を除去した。50%、100%酢酸エチル/ヘキサン、100%ジクロロメタンで順次カラム精製して、化合物1{(4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウム(2,3,5,6-テトラフルオロ-4’-ビニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート}2.5gが得られた。
上記化合物1で陽イオンのMass測定図を下記図2に示し、陰イオンのMass測定図を下記図3に示す。
合成例2. 化合物2の合成
1)合成例2-1
4,4’-ジブロモオクタフルオロビフェニル5g(10.9666mmol)、 4-ビニルフェニルボロン酸1,623mg(10.9666mmol)、リン酸三カリウム2,793mg(13.1599mmol、7mLの蒸留水)及び1,2-ジメトキシエタン30mLをフラスコに投入して、30分間窒素置換した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)253mg(0.2193mmol)をフラスコに投入して、80℃の条件で8時間の間撹拌した。常温に冷却して水30mLを投入し、酢酸エチル30mLで3回抽出して有機層を得た。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥しろ過して、ろ液を得た。有機溶媒を除去し、100%ヘキサンでカラム精製して、目標化合物(4-ブロモ-2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタフルオロ-4’’-ビニル-1,1’:4’,1’’-ターフェニル)3gを得た。
2)合成例2-2
トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液は、上述した合成例1-2と同様に準備した。
(4-ブロモ-2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタフルオロ-4’’-ビニル-1,1’:4’,1’’-ターフェニル)3g(6.2608mmol)とジエチルエーテル20mLをフラスコに投入して、-78℃で30分間撹拌した。-78℃のフラスコにn-ブチルリチウム2.50mL(6.2608mmol、2.5M)を投入して、1時間の間撹拌した。フラスコの溶液を他のフラスコに準備された-78℃のトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液に徐々に投入した。ゆっくり常温に自然昇温させながら一晩撹拌した。水20mLを投入して反応を終結させ、ジクロロメタン20mLで3回抽出して有機層を得た。有機層を乾燥して、酢酸エチル/ヘキサン50%、100%、ジクロロメタン100%に溶出液を変更しながらカラム精製して、目標化合物(リチウム(2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタフルオロ-4’’-ビニル-[1,1’:4’,1’’-ターフェニル]-4-イル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート)4.1gを得た。
3)合成例2-3
リチウム(2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタフルオロ-4’’-ビニル-[1,1’:4’,1’’-ターフェニル]-4-イル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート4.1g(3.8382mmol)、アセトン30mLと水30mLをフラスコに投入して、30分間撹拌した。(4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウムブロミド1,430mg(3.8382mmol)をフラスコに投入して、2時間の間強く撹拌した。ジクロロメタン30mLで3回抽出して有機層を得て、有機溶媒を除去した。50%、100%酢酸エチル/ヘキサン、100%ジクロロメタンで順次カラム精製して、化合物2 {4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウム(2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタフルオロ-4’’-ビニル-[1,1’:4’,1’’-ターフェニル]-4-イル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート}4.2gが得られた。
上記化合物2のNMR測定図を図4に示す。
m/z:1061.02(100.0%)、1062.02(44.3%)、1060.02(24.8%)、1061.03(11.0%)、1063.03(5.0%)、1063.03(4.6%)、1062.03(1.8%)、1064.03(1.3%)
合成例3. 化合物3の合成
1)合成例3-1
上記5’-ブロモ-[1,1’:3’,1’’-ターフェニル]-4,4’’-ジカルバルデヒド化合物は、文献「Nature Communications, 10(1), 1-9, 2019」を参照して合成した。
2)合成例3-2
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(CHPPhBr)11,248mg(31.4870mmol)とテトラヒドロフラン(THF)80mLをフラスコに投入して、0℃の条件で30分間撹拌した。n-ブチルリチウム12.05mL(30.118mmol、2.5M)をフラスコにゆっくり投入して、0℃で1時間の間撹拌した。準備しておいた5’-ブロモ-[1,1’:3’,1’’-ターフェニル]-4,4’’-ジカルバルデヒド5g(13.6900mmol)、テトラヒドロフラン50mL水溶液をゆっくりフラスコに投入して、0℃で30分間撹拌した。フラスコを常温に徐々に上げながら2時間の間撹拌した。水を100mL投入して反応を終結させ、100mLの酢酸エチルで3回抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥してろ過した。有機溶媒を除去し、10%酢酸エチル/ヘキサンでシリカカラム精製して、目標化合物(5’-ブロモ-4,4’’-ジビニル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル)4,580mgを得た。
3)合成例3-3
5’-ブロモ-4,4’’-ジビニル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル 4,580mg(12.6771mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(BPin)4,185mg(16.4803mmol)、酢酸カリウム(KOAc)3,732mg(38.0138mmol)とジオキサン42mLをフラスコに投入して窒素充填した。[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dppf)Cl)311mg(0.3803mmol)をフラスコに投入して、80℃の条件で16時間撹拌した。常温にフラスコを冷却して水40mLを投入した。酢酸エチル40mLで3回抽出した。硫酸ナトリウムで有機層を乾燥してろ過した。有機溶媒を除去し、20%酢酸エチル/ヘキサンでシリカカラム精製して、目標化合物(2-(4,4’’-ジビニル-[1,1’:3’,1’’-ターフェニル]-5’-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン)4,600mgを得た。
4)合成例3-4
トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液は、上述した合成例1-2と同様に準備した。
2-(4,4’’-ジビニル-[1,1’:3’,1’’-ターフェニル]-5’-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン4,600mg(11.2648mmol)、ジエチルエーテル38mLをフラスコに投入して、-78℃で30分間撹拌した。-78℃のフラスコにn-ブチルリチウム4.51mL(11.2648mmol、2.5M)を投入して、1時間の間撹拌した。フラスコの溶液を他のフラスコに準備された-78℃のトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液に徐々に投入した。ゆっくり常温に自然昇温させながら一晩撹拌した。水38mLを投入して反応を終結させ、ジクロロメタン30mLで3回抽出して有機層を得た。有機層を乾燥して、酢酸エチル/ヘキサン50%、100%、ジクロロメタン100%に溶出液を変更しながらカラム精製して、目標化合物(リチウム(2’’,2’’’,3’’,3’’’,5’’,5’’’,6’’,6’’’-オクタフルオロ-4-ビニル-5’-(4-ビニルフェニル)-[1,1’:3’,1’’:4’’,1’’’-クォーターフェニル]-4’’’-イル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート)8.2gを得た。
5)合成例3-5
リチウム(2’’,2’’’,3’’,3’’’,5’’,5’’’,6’’,6’’’-オクタフルオロ-4-ビニル-5’-(4-ビニルフェニル)-[1,1’:3’,1’’:4’’,1’’’-クアテルフェニル]-4’’’-イル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート8.2g(6.5787mmol)、ジクロロメタン(MC)33mLと水33mLをフラスコに投入して、30分間撹拌した。(4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウムブロミド2,748mg(6.5787mmol)をフラスコに投入して、2時間の間強く撹拌した。ジクロロメタン30mLで3回抽出して有機層を得て、有機溶媒を除去した。50%、100%酢酸エチル/ヘキサン、100%ジクロロメタンで順次カラム精製して、化合物3 ((4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウム (2’’,2’’’,3’’,3’’’,5’’,5’’’,6’’,6’’’-オクタフルオロ-4-ビニル-5’-(4-ビニルフェニル)-[1,1’:3’,1’’:4’’,1’’’-クォーターフェニル]-4’’’-イル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート)6.7gを得た。
上記化合物3のNMR測定図を図5に示す。
m/z:1239.10(100.0%)、1240.10(59.5%)、1238.10(24.8%)、1241.10(17.4%)、1239.10 (14.8%)、1242.11(3.3%)、1240.11(2.9%)、1240.11(1.4%)
合成例4. 化合物4の合成
1)合成例4-1
5-ブロモイソフタルアルデヒド (5g、23.4709mmol)とCHBrPPh(30.75g、70.4126mmol)をテトラヒドロフラン[THF]に入れ、次いでカリウムtert-ブトキシド[t-BuOK、potassium tert-butoxide](8.0g、70.4126mmol)を0℃で入れて1時間撹拌させた。水で反応を中断させ、酢酸エチル[EA]で抽出した。集めた有機溶液にMgSO(magnesium sulfate)を入れて乾燥させてろ過した後、有機溶媒を真空回転濃縮機で除去した。残余物をカラム精製して、目標化合物を4.1g得た。
2)合成例4-2
1-ブロモ-3,5-ジビニルベンゼン(4.1g、19.6088mmol)をジオキサンに入れて、酢酸カリウム(KOAc)(5.8g、58.8264mmol)とビス(ピナコラート)ジボロン(6.5g、25.4914mmol)を追加で投入後、常温で30分間窒素バブリングした。ここに [1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(717mg、0.9804mmol)を投入して、80℃の条件で16時間の間撹拌した。水で反応を中断させ、酢酸エチルで抽出した。集めた有機溶液に硫酸マグネシウムを入れて乾燥させてろ過した後、有機溶媒を真空回転濃縮機で除去した。残余物をカラム精製して、目標化合物を3.9g得た。
3)合成例4-3
2-(3,5-ジビニルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(3.9g、15.2255mmol)を1,2-ジメトキシエタンに入れて、リン酸三カリウム(KPO、8.2g、38.6727mmol)と1,4-ジブロモ-2,3,5,6-テトラフルオロベンゼン(9.4g、30.4509mmol)を追加で投入した後、30分間窒素バブリングした。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh、704mg、0.6090mmol)を投入して、80℃の条件で9時間の間撹拌する。水で反応を中断させ、酢酸エチルで抽出した。集めた有機溶液に硫酸マグネシウムを入れて乾燥させてろ過した後、有機溶媒を真空回転濃縮機で除去した。残余物をカラム精製して、目標化合物を3.4g得た。
4)合成例4-4
トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液は、上述した合成例1-2と同様に準備した。
4-ブロモ-2,3,5,6-テトラフルオロ-3’,5’-ジビニル-1,1’-ビフェニル (2g、5.5999mmol)をジエチルエーテルに入れて、-78℃の条件で1時間撹拌した。n-ブチルリチウム(2.35mL、5.8799mmol、2.5M)をゆっくり投入して、-78℃の条件で1時間の間撹拌した。作られた溶液をゆっくり準備しておいたトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液に投入して、-78℃から常温にゆっくり昇温しながら一晩撹拌した。水で反応を中断させ、酢酸エチルで抽出した。集めた有機溶液の溶媒を真空回転濃縮機で除去した。酢酸エチル50%、酢酸エチル100%、ジクロロメタン100%の順にカラム精製して、目標化合物を3.2g得た。
5)合成例4-5
リチウム(2,3,5,6-テトラフルオロ-3’,5’-ジビニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート(3.2g、3.3820mmol)をジクロロメタンと水(体積比=1:1)の混合溶媒36mlに入れて30分間撹拌した。(4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウムクロリド(1260mg、3.3820mmol)を投入して、強く1時間の間撹拌した。水で反応を中断させ、ジクロロメタンで抽出した。集めた有機溶液の溶媒を真空回転濃縮機で除去した。酢酸エチル50%、酢酸エチル100%、ジクロロメタン100%の順にカラム精製して、最終化合物を3g得た。
上記化合物4のNMR測定図を図6に示す。
m/z:939.04(100.0%)、940.04(30.3%)、938.04(24.8%)、940.04(9.7%)、939.05(5.6%)、939.05(4.3%)、941.05(4.1%)、941.05(3.6%)、940.05(1.6%)
合成例5. 比較化合物1の合成
1)合成例5-1
(トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液は、上述した合成例1-2と同様に準備した。)4-ブロモスチレン 5g(27.3149mmol)、ジエチルエーテル90mLをフラスコに投入して、-78℃で30分間撹拌した。-78℃のフラスコにn-ブチルリチウム10.9mL(27.3149mmol、2.5M)を投入して、1時間の間撹拌した。フラスコの溶液を他のフラスコに準備された-78℃のトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液に徐々に投入した。ゆっくり常温に自然昇温させながら一晩撹拌した。水90mLを投入して反応を終結させ、ジクロロメタン90mLで3回抽出して有機層を得た。有機層を乾燥して、酢酸エチル/ヘキサン50%、100%、ジクロロメタン100%に溶出液を変更しながらカラム精製して、目標化合物(リチウムトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)(4-ビニルフェニル)ボレート)7.5gを得た。
2)合成例5-2
リチウムトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)(4-ビニルフェニル)ボレート7.5g(9.7139mmol)、ジクロロメタン50mL、水50mLをフラスコに投入して、30分間撹拌した。 (4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウムブロミド4,508mg(9.7139mmol)をフラスコに投入して、2時間の間強く撹拌した。ジクロロメタン50mLで3回抽出して有機層を得て、有機溶媒を除去した。50%、100%酢酸エチル/ヘキサン、100%ジクロロメタンで順次カラム精製して、比較化合物1(((4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウムトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)(4-ビニルフェニル)ボレート)7.3gを得た。
合成例6. 比較化合物2の合成
1)合成例6-1
(トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液は、上述した合成例1-2と同様に準備した。)1-ブロモ-2,3,5,6-テトラフルオロ-4-ビニルベンゼン5g(19.6071mmol)、ジエチルエーテル65mLをフラスコに投入して、-78℃で30分間撹拌した。-78℃のフラスコにn-ブチルリチウム7.84mL(19.6071mmol、2.5M)を投入して、1時間の間撹拌した。フラスコの溶液を他のフラスコに準備された-78℃のトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液に徐々に投入した。ゆっくり常温に自然昇温させながら一晩撹拌した。水60mLを投入して反応を終結させ、ジクロロメタン60mLで3回抽出して有機層を得た。有機層を乾燥して、酢酸エチル/ヘキサン50%、100%、ジクロロメタン100%に溶出液を変更しながらカラム精製して、目標化合物(リチウムトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-ビニルフェニル)ボレート)10gを得た。
2)合成例6-2
リチウムトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-ビニルフェニル)ボレート10g(8.6488mmol)、ジクロロメタン43mL、水43mLをフラスコに投入して、30分間撹拌した。(4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウムブロミド3,613mg(8.6488mmol)をフラスコに投入して、2時間の間強く撹拌した。ジクロロメタン40mLで3回抽出して有機層を得て、有機溶媒を除去した。50%、100%酢酸エチル/ヘキサン、100%ジクロロメタンで順次カラム精製して、比較化合物2((4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウムトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-ビニルフェニル)ボレート)6.5gを得た。
合成例7. 比較化合物3の合成
1)合成例7-1
(トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液は、上述した合成例1-2と同様に準備した。)3-(4-ブロモ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエン5g(15.1007mmol)、ジエチルエーテル50mLをフラスコに投入して、-78℃で30分間撹拌した。-78℃のフラスコにn-ブチルリチウム6.04 mL(15.1007mmol、2.5M)を投入して、1時間の間撹拌した。フラスコの溶液を他のフラスコに準備された-78℃のトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液に徐々に投入した。ゆっくり常温に自然昇温させながら一晩撹拌した。水50mLを投入して反応を終結させ、ジクロロメタン50mLで3回抽出して有機層を得た。有機層を乾燥して、酢酸エチル/ヘキサン50%、100%、ジクロロメタン100%に溶出液を変更しながらカラム精製して、目標化合物(リチウム (4-(ビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエン-3-イル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート)9.8gを得た。
2)合成例7-2
リチウム(4-(ビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエン-3-イル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート9.8 g(10.6504mmol)、ジクロロメタン50mL、水50mLをフラスコに投入して、30分間撹拌した。(4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウムブロミド4,449mg(10.6504mmol)をフラスコに投入して、2時間の間強く撹拌した。ジクロロメタン50mLで3回抽出して有機層を得て、有機溶媒を除去した。50%、100%酢酸エチル/ヘキサン、100%ジクロロメタンで順次カラム精製して、比較化合物3((4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウム(4-(ビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエン-3-イル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート)7.2gを得た。
合成例8. 比較化合物4の合成
1)合成例8-1
4-ブロモ-2,3,5,6,-テトラフルオロ-4’-ビニル-1,1’-ビフェニル10g(30.2014mmol)、ジエチルエーテル100mLをフラスコに投入して、-78℃の条件で30分撹拌した。n-ブチルリチウム12.08mL(30.2014mmol)をフラスコにゆっくり投入して、-78℃の条件で1時間の間撹拌した。ボロントリクロリド6.95 mL(6.9463mmol、1M)をゆっくり投入して、-78℃から常温にゆっくり昇温しながら一晩撹拌した。水100mLをフラスコに投入して、酢酸エチル100mLで3回抽出して、有機層を得た。有機溶媒を除去し、酢酸エチル/ヘキサン50%、100%、ジクロロメタン100%に溶出液を変更しながらカラム精製して、目標化合物(リチウムテトラキス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4’-ビニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)ボレート)6.3gを得た。
2)合成例8-2
リチウムテトラキス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4’-ビニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)ボレート6.3 g(6.1610mmol)、ジクロロメタン30mL、水30mLをフラスコに投入して、30分間撹拌した。(4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウムブロミド2,574mg(6.1610mmol)をフラスコに投入して、2時間の間強く撹拌した。ジクロロメタン30mLで3回抽出して有機層を得て、有機溶媒を除去した。50%、100%酢酸エチル/ヘキサン、100%ジクロロメタンで順次カラム精製して、比較化合物4((4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウムテトラキス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4’-ビニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)ボレート)7.2gを得た。
合成例9. 化合物Aの合成
1)化学式A-Bの製造
化学式A-A(9g、27.9mmol)と4-ホルミルベンゼンボロン酸(4.18g、27.9mmol)を無水テトラヒドロフラン(THF)(100mL)に溶かした後、Pd(PPh(0.32g、0.28mmol)と2M炭酸カリウム(KCO/HO)水溶液70mlを入れて、6時間の間還流させた。反応溶液を常温に冷ました後、有機層を抽出した。反応液を濃縮させてエチルアルコール(EtOH)で再結晶して、化学式A-B(8.9g、収率92%)を得た。MS: [M+H]=348
2)化学式A-Cの製造
上記1)ステップで製造した化学式A-B(8.2g、23.6mmol)をクロロホルム(200mL)に溶かして、N-ブロモスクシンイミド(4.15g、23.6mmol)を添加した後、5時間常温で撹拌した。反応溶液に蒸留水を入れて終了させ、有機層を抽出した。反応液を濃縮させてエチルアルコール(EtOH)で再結晶して、化学式A-C(8.25g、収率82%)を得た。MS:[M+H]=427
図8は、上記化学式A-CのMSスペクトルを示す図である。
3)化学式A-Dの製造
上記2)ステップで製造した化学式A-C(3.1g、8.85mmol)にジヒドロキシエテン(1.1g、17.7mmol)をトルエン50mlに溶解させた後、150℃で48時間の間撹拌した。反応溶液にエタノールを加えた後、沈殿を形成させた。形成されたアイボリー固体をろ過して、エタノールで洗浄した後、真空乾燥して、化学式A-D(2.8g、収率80.2%)を得た。MS:[M+H]=469
4)化学式A-Eの製造
上記3)ステップで製造した化学式A-D(3g、7.04mmol)、N4,N4’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]4,4’ジアミン(N4,N4'-diphenyl-[1,1'-biphenyl]-4,4'-diamine)(0.99g、2.93mmol)をキシレン40mlに溶解させ、ナトリウムtert-ブトキシド(0.68g、7.04mmol)、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0)0.13g(0.23mmol)、50wt%トリ-tert-ブチルホスフィントルエン溶液0.11ml(0.23mmol)を添加した後、5時間の間窒素気流下で還流させた。
反応溶液に蒸留水を入れて反応を終了させ、有機層を抽出した。n-ヘキサン/テトラヒドロフラン=6/1溶媒でカラム分離した後、エチルアルコール(EtOH)に撹拌してからろ過した後、真空乾燥して、化学式A-E(2.92g、収率48%)を得た。MS:[M+H]=1027
5)化学式Aの製造
(ブロモメチル)トリフェニルホスホニウムブロミド((Bromomethyl)triphenylphosphonium Bromide(2.55g、5.85mmol))をテトラヒドロフラン(THF)100mL溶かした後、-78℃で1eq.のn-ブチルリチウム(n-BuLi)(ヘキサン中2.5M、2.34mL、5.85mmol)を入れて20分間撹拌した。反応温度を0℃に昇温した後、上記4)ステップで製造した化学式A-E(2g、1.95mmol)を反応物に入れて、同一の温度で1時間の間撹拌した。反応溶液に蒸留水を入れて終了させ、有機層を抽出した。反応液を濃縮させてメチレンクロリド(MC)に溶かした後、エタルアルコール(EtOH)で再結晶して、化学式A(1.28g、収率64%)を得た。MS:[M+H]=1023
図9は、化学式AのMSスペクトルを示す図である。
合成例10.化合物5の合成
1)合成例10-1
5-ブロモイソフタルアルデヒド(5g、23.4709mmol)とCHBrPPh(30.75g、70.4126mmol)をテトラヒドロフラン[THF]に入れて、次いでカリウムtert-ブトキシド[t-BuOK、potassium tert-butoxide](8.0g、70.4126mmol)を0℃で入れて1時間撹拌させた。水で反応を中断させ、酢酸エチル[EA]で抽出した。集めた有機溶液にMgSO(magnesium sulfate)を入れて乾燥させてろ過した後、有機溶媒を真空回転濃縮機で除去した。残余物をカラム精製して、目標化合物を4.1g得た。
2)合成例10-2
1-ブロモ-3,5-ジビニルベンゼン(4.1g、19.6088mmol)をジオキサンに入れて、酢酸カリウム(KOAc)(5.8g、58.8264mmol)とビス(ピナコラート)ジボロン(6.5g、25.4914mmol)を追加で投入後、常温で30分間窒素バブリングした。ここに[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(717mg、0.9804mmol)を投入して、80℃の条件で16時間の間撹拌した。水で反応を中断させ、酢酸エチルで抽出した。集めた有機溶液に硫酸マグネシウムを入れて乾燥させてろ過した後、有機溶媒を真空回転濃縮機で除去した。残余物をカラム精製して、目標化合物を3.9g得た。
3)合成例10-3
2-(3,5-ジビニルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(3.9g、15.2255mmol)を1,2-ジメトキシエタンに入れて、リン酸三カリウム(KPO、8.2g、38.6727mmol)と4,4’-ジブロモ-2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタフルオロ-1,1’-ビフェニル(13.883g、30.4509mmol)を追加で投入した後、30分間窒素バブリングした。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(704mg、0.6090mmol)を投入して、80℃の条件で9時間の間撹拌する。水で反応を中断させ、酢酸エチルで抽出した。集めた有機溶液に硫酸マグネシウムを入れて乾燥させてろ過した後、有機溶媒を真空回転濃縮機で除去した。残余物をカラム精製して、4-ブロモ-2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタフルオロ-3’’,5’’-ジビニル-1,1’:4’,1’’-ターフェニルを4.1g得た。
4)合成例10-4
トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液は、上述した合成例1-2と同様に準備した。
4-ブロモ-2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタフルオロ-3’’,5’’-ジビニル-1,1’:4’,1’’-ターフェニル(2.829g、5.5999mmol)をジエチルエーテルに入れて、-78℃の条件で1時間撹拌した。n-ブチルリチウム(2.35mL、5.8799mmol、2.5M)をゆっくり投入して、-78℃の条件で1時間の間撹拌した。作られた溶液をゆっくり、準備しておいたトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液に投入して、-78℃から常温にゆっくり昇温しながら一晩撹拌した。水で反応を中断させ、酢酸エチルで抽出した。集めた有機溶液の溶媒を真空回転濃縮機で除去した。酢酸エチル50%、酢酸エチル100%、ジクロロメタン100%の順にカラム精製して、目標化合物を3.0g得た。
5)合成例10-5
リチウム(2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタフルオロ-3’’,5’’-ジビニル-[1,1’:4’,1’’-ターフェニル]-4-イル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート(3.0g、2.7416mmol)をジクロロメタンと水(体積比=1:1)の混合溶媒36mlに入れて、30分間撹拌した。(4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウムクロリド(1022mg、2.7416mmol)を投入して、強く1時間の間撹拌した。水で反応を中断させ、ジクロロメタンで抽出した。集めた有機溶液の溶媒を真空回転濃縮機で除去した。酢酸エチル50%、酢酸エチル100%、ジクロロメタン100%の順にカラム精製して、[化合物5]を3.4g得た。
上記化合物5のNMR測定図を図10に示す。
m/z:1424.08(100.0%)、1425.08(63.8%)、1423.08(24.8%)、1426.09(17.1%)、1424.09(15.9%)、1427.09(4.1%)、1425.09(3.3%)、1426.09(2.9%)、1425.09(1.7%)、1426.09(1.0%)
合成例11. 化合物6の合成
1)合成例11-1
(E)-1-ブロモ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)ベンゼン(5.0g、25.3704mmol)をジオキサンに入れて、酢酸カリウム(KOAc)(7.47g、76.1112mmol)とビス(ピナコラート)ジボロン(8.38g、32.9815mmol)を追加で投入後、常温で30分間窒素バブリングした。 ここに[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1035mg、1.2685mmol)を投入して、80℃の条件で16時間の間撹拌した。水で反応を中断させ、酢酸エチルで抽出した。集めた有機溶液に硫酸マグネシウムを入れて乾燥させてろ過した後、有機溶媒を真空回転濃縮機で除去した。 残余物をカラム精製して、目標化合物を4.5g得た。
2)合成例11-2
(E)-4,4,5,5-テトラメチル-2-(4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェニル)-1,3,2-ジオキサボロラン(4.5g、18.4320mmol)を1,2-ジメトキシエタンに入れて、リン酸三カリウム(KPO、9.9 g、46.8174mmol)と4,4’-ジブロモ-2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタフルオロ-1,1’-ビフェニル(16.807g、36.8640mmol)を追加で投入した後、30分間窒素バブリングした。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(852mg、0.7373mmol)を投入して、80℃の条件で9時間の間撹拌する。水で反応を中断させ、酢酸エチルで抽出した。集めた有機溶液に硫酸マグネシウムを入れて乾燥させてろ過した後、有機溶媒を真空回転濃縮機で除去した。残余物をカラム精製して、(E)-4-ブロモ-2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタフルオロ-4’’-(プロパ-1-エン-1-イル)-1,1’:4’,1’’-ターフェニルを5.6g得た。
3)合成例11-3
トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液は、上述した合成例1-2と同様に準備した。
(E)-4-ブロモ-2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタフルオロ-4’’-(プロパ-1-エン-1-イル)-1,1’:4’,1’’-ターフェニル(5.6g、11.3547mmol)をジエチルエーテルに入れて、-78℃の条件で1時間撹拌した。n-ブチルリチウム(4.77mL、11.9224mmol、2.5M)をゆっくり投入して、-78℃の条件で1時間の間撹拌した。作られた溶液をゆっくり準備しておいたトリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボラン溶液に投入して、-78℃から常温にゆっくり昇温しながら一晩撹拌した。水で反応を中断させ、酢酸エチルで抽出した。集めた有機溶液の溶媒を真空回転濃縮機で除去した。酢酸エチル50%、酢酸エチル100%、ジクロロメタン100%の順にカラム精製して、目標化合物を7.4g得た。
4)合成例11-4
リチウム(E)-(2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタフルオロ-4’’-(プロパ-1-エン-1-イル)-[1,1’:4’,1’’-ターフェニル]-4-イル)トリス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート(7.4g、6.8377mmol)をジクロロメタン(MC)と水(体積比=1:1)の混合溶媒36mlに入れて、30分間撹拌した。 (4-イソプロピルフェニル)(p-トリル)ヨードニウムクロリド (2548mg、6.8377mmol)を投入して、強く1時間の間撹拌した。水で反応を中断させ、ジクロロメタンで抽出した。集めた有機溶液の溶媒を真空回転濃縮機で除去した。酢酸エチル50%、酢酸エチル100%、ジクロロメタン100%の順にカラム精製して、[化合物6]を5.4g得た。
上記化合物6のNMR測定図を図11に示す。
m/z:1412.08(100.0%)、1413.08(62.7%)、1411.08(24.8%)、1414.09(16.5%)、1412.09(15.6%)、1415.09(3.9%)、1413.09(3.2%)、1414.09(2.8%)、1413.09(1.6%)
<実施例>
実施例1
コーティング組成物は、下記表1に記載したようにコーティング組成物を混合し、具体的に、コーティング組成物1は、本願発明の下記化合物1で表されるpドーピング物質とホスト化合物[化合物A]及びシクロヘキサノンを混合して生成した。このとき、化合物1、化合物A及び有機溶媒の重量比は2:8:490の重量比で混合して、コーティング組成物を生成した。
上記コーティング組成物1をスピンコーティングしてコーティング層を形成し、 フィルムを250℃以下で焼成した。
実施例2
コーティング組成物2は、本願発明の化合物1の代わりに化合物2を使用したこと以外には、上記コーティング組成物1と同様に生成し、上記コーティング組成物2をスピンコーティングしてコーティング層を形成し、フィルムを250℃以下で焼成した。
実施例3
コーティング組成物3は、本願発明の化合物1の代わりに化合物3を使用したこと以外には、上記コーティング組成物1と同様に生成し、上記コーティング組成物3をスピンコーティングしてコーティング層を形成し、フィルムを250℃以下で焼成した。
実施例4
コーティング組成物4は、本願発明の化合物1の代わりに化合物4を使用したこと以外には、上記コーティング組成物1と同様に生成し、上記コーティング組成物4をスピンコーティングしてコーティング層を形成し、フィルムを250℃以下で焼成した。
実施例5
コーティング組成物5は、本願発明の化合物1の代わりに化合物5を使用したこと以外には、上記コーティング組成物1と同様に生成し、上記コーティング組成物5をスピンコーティングしてコーティング層を形成し、フィルムを250℃以下で焼成した。
比較例1
コーティング組成物6は、本願発明の化合物1の代わりに比較化合物1を使用したこと以外には、上記コーティング組成物1と同様に生成し、上記コーティング組成物6をスピンコーティングしてコーティング層を形成し、フィルムを250℃以下で焼成した。
比較例2
コーティング組成物7は、本願発明の化合物1の代わりに比較化合物2を使用したこと以外には、上記コーティング組成物1と同様に生成し、上記コーティング組成物7をスピンコーティングしてコーティング層を形成し、フィルムを250℃以下で焼成した。
比較例3
コーティング組成物8は、本願発明の化合物1の代わりに比較化合物3を使用したこと以外には、上記コーティング組成物1と同様に生成し、上記コーティング組成物8をスピンコーティングしてコーティング層を形成し、フィルムを250℃以下で焼成した。
比較例4
コーティング組成物9は、本願発明の化合物1の代わりに比較化合物4を使用したこと以外には、上記コーティング組成物1と同様に生成し、上記コーティング組成物9をスピンコーティングしてコーティング層を形成し、フィルムを250℃以下で焼成した。
実施例6
コーティング組成物10は、本願発明の化合物1の代わりに化合物6を使用したこと以外には、上記コーティング組成物1と同様に生成し、上記コーティング組成物10をスピンコーティングしてコーティング層を形成し、フィルムを250℃以下で焼成した。
実施例7
コーティング組成物11は、本願発明の化合物1の代わりに化合物7を使用したこと以外には、上記コーティング組成物1と同様に生成し、上記コーティング組成物11をスピンコーティングしてコーティング層を形成し、フィルムを250℃以下で焼成した。
実施例8
コーティング組成物12は、本願発明の化合物1の代わりに化合物8を使用したこと以外には、上記コーティング組成物1と同様に生成し、上記コーティング組成物12をスピンコーティングしてコーティング層を形成し、フィルムを250℃以下で焼成した。
実施例1~8及び比較例1~4を通じて、膜が形成されることを確認した。
<実験例1>
化合物1、化合物3、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8及び比較化合物1~4に対する膜保持率を確認するために、下記のような方法で形成された膜の紫外可視吸収スペクトル(UV-vis absorption spectrum)を測定した。
上記膜保持率は、シクロヘキサノンを使用して化合物1、化合物3、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8及び比較化合物1~4の溶媒耐性を評価した。具体的に、上記製造した化合物1、化合物3、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8及び比較化合物1~4をそれぞれ4wt%でシクロヘキサノンに溶かした溶液を製造した後、 これをスピンコーティングで石英(quartz)基板に100nmの厚さでコーティングした。その後、窒素雰囲気で30分間190℃~200℃の間の温度で熱処理した後、紫外可視吸収スペクトル(UV-vis absorption spectrum)を測定した。次いで、同一のサンプルをシクロヘキサノンに10分間浸漬してから取り出して、溶媒を乾燥した後、再び紫外可視吸収スペクトル(UV-vis absorption spectrum)を測定した。
このとき、膜保持率を確認できる溶媒浸漬後の化合物1及び比較化合物1~4に対する紫外可視吸収スペクトル(UV-vis absorption spectrum)を図7に示し、化合物1、化合物3、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8及び比較化合物1~4に対する最大吸収波長である350nmでの吸光度を下記表2に比較した。
素子作製過程で熱処理時に硬化されながら膜が保持される。吸光度が高いほど膜に相対的にさらに残余することを意味する。図7及び表2を通じて、比較化合物を使用した比較例1~4の場合、相対的に化合物1を使用した実施例1に比べて、膜が保持されずに洗い出される部分のため、吸光度が相対的に低いことを確認することができる。
<実験例2>
P-ドーピング物質として合成された化合物1~3、化合物5及び比較化合物4を下記表3に記載したそれぞれの溶媒に対し重量比5wt%で溶かして、溶解度を確認した。
上記実験結果を通じて、比較化合物4に比べて非対称性を有する本明細書の化合物が、比較的、非極性溶媒にもよく溶ける特性を有することを確認することができる。溶液工程の有機発光素子で、工程上インク溶媒を選択するとき、ホストとドーパントをいずれも溶解できなければならない。このような面で、ドーパントの溶解度が重要となるが、本発明の化合物の場合、より多様な溶媒に対して溶解度を有して、溶媒選択の幅が広くなるという長所がある。
101:基板
201:アノード
301:正孔注入層
401:正孔輸送層
501:発光層
601:電子輸送及び電子注入を同時にする層
701:カソード

Claims (17)

  1. 下記化学式1で表される化合物:
    前記化学式1において、
    R1~R19は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、重水素、フルオロ基、フルオロアルキル基、シアノ基、又は置換もしくは非置換のアルキル基であり、
    Arは、置換もしくは非置換のn1+1価のアリール基であり、
    Xは、硬化基であり、
    m1は、1~3の整数であり、m1が2以上の場合、2以上の括弧内の置換基は、互いに同一であるか異なっており、
    n1は、1~5の整数であり、n1が2以上の場合、2以上の括弧内の置換基は、互いに同一であるか異なっている。
  2. 前記硬化基は、下記化学式7-1~7-5のうちのいずれか一つである、請求項1に記載の化合物:
    前記化学式7-1~7-5において、
    L1は、直接結合;O;S;置換もしくは非置換のc+1価のアルキル基;置換もしくは非置換のc+1価のアリール基;又は置換もしくは非置換のc+1価のヘテロ環基であり、
    L2~L5は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、直接結合;O;S;置換もしくは非置換のアルキレン基;置換もしくは非置換のアリーレン基;又は置換もしくは非置換の2価のヘテロ環基であり、
    L6は、O又は置換もしくは非置換のアルキレン基であり、
    R200~R202及びR209~R211は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン基又は置換もしくは非置換のアルキル基であり、
    R203は、置換もしくは非置換のアルキル基であり、
    R204~R207は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、重水素、又は置換もしくは非置換のアルキル基であり、
    R208は、置換もしくは非置換のアルキル基又は置換もしくは非置換のアリール基であり、
    cは、1又は2であり、cが2の場合、括弧内の構造は、互いに同一であるか異なっており、
    k1~k5は、それぞれ1~4の整数であり、
    k1が2以上の場合、L1は互いに同一であるか異なっており、
    k2が2以上の場合、L2は互いに同一であるか異なっており、
    k3が2以上の場合、L3は互いに同一であるか異なっており、
    k4が2以上の場合、L4は互いに同一であるか異なっており、
    k5が2以上の場合、L5は互いに同一であるか異なっている。
  3. Xは、置換もしくは非置換のアルケニル基;又は置換もしくは非置換のアルケニル基で置換されたアリール基である、請求項1に記載の化合物。
  4. 前記化学式1は、下記化学式2又は3で表されるものである、請求項1に記載の化合物:
    前記化学式2及び3において、
    R1~R15、Ar、X及びn1は、化学式1で定義した通りであり、
    R21~R28は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、重水素、フルオロ基、フルオロアルキル基、シアノ基、又は置換もしくは非置換のアルキル基である。
  5. 前記Arは、置換もしくは非置換の炭素数6~30のn1+1価のアリール基である、請求項1に記載の化合物。
  6. 前記化学式1は、下記化学式4で表されるものである、請求項1に記載の化合物:
    前記化学式4において、
    R1~R19、X、n1及びm1は、化学式1で定義した通りであり、
    R101は、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリール基;又は置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
    n2は、0~4の整数であり、n2が2以上の場合、2以上のR101は、互いに同一であるか異なっており、n1+n2は、1~5である。
  7. 前記化学式1は、下記化学式5又は6で表されるものである、請求項1に記載の化合物:
    前記化学式5及び6において、
    R1~R15、X及びn1は、化学式1で定義した通りであり、
    R21~R28は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、重水素、フルオロ基、フルオロアルキル基、シアノ基、又は置換もしくは非置換のアルキル基であり、
    R101は、水素;重水素;ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリール基;又は置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
    n2は、0~4の整数であり、n2が2以上の場合、2以上のR101は、互いに同一であるか異なっており、n1+n2は、1~5である。
  8. 前記Xは、下記構造の中から選択されるものである、請求項1に記載の化合物:
    は、結合される部位である。
  9. Xは、ビニル基;又はビニル基で置換されたアリール基である、請求項1に記載の化合物。
  10. R1~R19は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、フルオロ基又はフルオロアルキル基である、請求項1に記載の化合物。
  11. 前記化合物は、対イオンをさらに含むものである、請求項1に記載の化合物。
  12. 前記化学式1で表される化合物が、下記化合物のうちのいずれか一つである、請求項1に記載の化合物:
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物を含むコーティング組成物。
  14. 第1の電極;
    第2の電極;及び
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に備えられる1層以上の有機物層を含み、
    前記有機物層のうちの1層以上は、請求項13に記載のコーティング組成物又はその硬化物を含むものである、有機発光素子。
  15. 前記コーティング組成物又はその硬化物を含む有機物層は、正孔輸送層又は正孔注入層である、請求項14に記載の有機発光素子。
  16. 基板を準備するステップ;
    前記基板上に第1の電極を形成するステップ;
    前記第1の電極上に1層以上の有機物層を形成するステップ;及び
    前記有機物層上に第2の電極を形成するステップを含み、
    前記有機物層を形成するステップは、請求項13に記載のコーティング組成物を用いて1層以上の有機物層を形成するステップを含む、有機発光素子の製造方法。
  17. 前記コーティング組成物を用いて1層以上の有機物層を形成するステップは、
    前記第1の電極上に前記コーティング組成物をコーティングするステップ;及び
    前記コーティングされたコーティング組成物を熱処理又は光処理するステップを含む、請求項16に記載の有機発光素子の製造方法。
JP2023539360A 2021-03-25 2022-03-25 化合物、これを含むコーティング組成物、これを用いた有機発光素子及びその製造方法 Pending JP2024501990A (ja)

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