JP2024500502A - 多元共重合によるポリアミドの製造方法、これによって製造されたポリアミドおよびこれを含む組成物 - Google Patents

多元共重合によるポリアミドの製造方法、これによって製造されたポリアミドおよびこれを含む組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、多元共重合によるポリアミドの製造方法、これによって製造されたポリアミドおよびこれを含む組成物に関する。本発明の実施形態による共重合ポリアミドおよびこれを含む組成物は、優れた機械的物性、低温特性およびガスバリア特性を示すことができる。

Description

本発明は、多元共重合によるポリアミドの製造方法、これによって製造されたポリアミドおよびこれを含む組成物に関する。具体的には、本発明は、低分子量のポリアミド塩とラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸の共重合によるポリアミドの製造方法、これによって製造されたポリアミドおよびこれを含む組成物に関する。
ポリアミド(polyamide)は、主鎖にアミド(-CO-NH-)単位を含む重合体をいう。ポリアミドは、それぞれ同じ反応基(例えば、-NHまたは-COOH)を2つ含有する2官能性の2個の異なる単量体単位から製造されるか、それぞれアミノ基1つとカルボキシル基1つを含有するか、これらの基を形成可能な2官能性の1個の単量体単位から製造することができる。例えば、ポリアミドは、ジアミンとジカルボン酸の縮合重合反応、アミノカルボン酸の縮合重合反応またはラクタム(lactam)の開環重合反応によって製造することができる。
ポリアミドは分子構造によって脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、および脂環族ポリアミドに分類され、その分子構造によって剛性、耐摩擦性、耐磨耗性、耐油性、耐溶剤性などの物性に優れている。
一方、互いに異なる特性を示す2つのポリアミドをブレンドしてそれぞれの物性を補完しようとする試みがあった。例えば、韓国公開特許第10-2012-0034742号公報においては、PA MXD.10とPA 6.10の2つのポリアミドを押出機で混合して優れた弾性率を有する成形品を製造した。しかし、該2つのポリアミドが化学的に完全に結合しないので、加工温度の低減や低温特性の改善には限界があった。
韓国公開特許第10-2012-0034742号公報
本発明の目的は、多元共重合によってポリアミドを製造する方法、これによって製造され、優れた物性を示す共重合ポリアミドおよびこれを含む組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、(1)ジアミンとジカルボン酸を縮合重合してポリアミド塩を製造する段階と、(2)ラクタム(lactam)またはα,ω-アミノカルボン酸とポリアミド塩を共重合する段階と、を含み、ジアミンに対するジカルボン酸の当量比が1.05~1.0であり、ラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸に対するポリアミド塩のモル比が96:4~50:50である共重合ポリアミドの製造方法を提供する。
本発明の実施形態で、上記の段階(1)において、ジカルボン酸はシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸からなる群より選択される脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸からなる群より選択される脂環式ジカルボン酸;およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸からなる群より選択される芳香族ジカルボン酸のうちの少なくとも1つを含み得る。好ましくは、ジカルボン酸がセバシン酸(sebacic acid)であり得る。
本発明の実施形態で、上記の段階(1)において、ジアミンはエチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカン、1,15-ジアミノペンタデカン、1,16-ジアミノヘキサデカン、1,17-ジアミノヘプタデカン、1,18-ジアミノオクタデカン、1,19-ジアミノノナデカン、1,20-ジアミノエイコサン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタンからなる群より選択される脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタンからなる群より選択される脂環式ジアミン;およびキシレンジアミンである芳香族ジアミンのうちの少なくとも1つを含み得る。好ましくは、ジアミンがm-キシレンジアミン(m-xylenediamine)であり得る。
本発明の実施形態で、上記の段階(1)の縮合重合は150~200℃の温度で1~3時間行うことができる。
本発明の実施形態で、上記の段階(1)で得られるポリアミド塩は1~2の相対粘度(硫酸)を有し得る。
本発明の実施形態で、上記の段階(2)において、ラクタムはラウロラクタム(laurolactam)、カプロラクタム(caprolactam)、ピペリドン(piperidinone)、ピロリドン(pyrrolidone)、エナントラクタム(enantholactam)、カプリルラクタム(capryllactam)、プロピオラクタム(propiolactam)、バレロラクタム(valerolactam)、ヘプタノラクタム(heptanolactam)、オクタノラクタム(octanolactam)、ノナノラクタム(nonanolactam)、デカノラクタム(decanolactam)、ウンデカノラクタム(undecanolactam)およびドデカノラクタム(dodecanolactam)からなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。好ましくは、ラクタムはカプロラクタムである。
本発明の実施形態で、上記の段階(2)において、α,ω-アミノカルボン酸はアミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、11-アミノウンデカン酸および12-アミノドデカン酸からなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。
本発明の実施形態で、上記の段階(2)の共重合は、耐熱安定剤および触媒としてリン系化合物の存在下で行うことができる。より具体的には、リン系化合物は、次亜リン酸化合物または亜リン酸化合物であり得る。
本発明の実施形態で、上記の段階(2)の共重合は、1~5barの圧力および250~300℃の温度で1~3時間行われる第1次共重合、および0.001~0.5barの圧力および200~300℃の温度で0.1~12時間行われる第2次共重合を含み得る。
本発明の他の実施形態で、上記の製造方法によって製造され、(a)ラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸から誘導された第1構造単位;(b)芳香族ジアミンまたは芳香族ジカルボン酸から誘導された第2構造単位;および(c)炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジアミンまたは炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸から誘導された第3構造単位を含む共重合ポリアミドであって、第1構造単位の含有量が50~96モル%であり、第2構造単位および第3構造単位の総含有量が4~50モル%である、共重合ポリアミドが提供される。
本発明の実施形態で、共重合ポリアミドが(d)炭素数2~9個の脂肪族または脂環族ジアミンまたは炭素数2~9個の脂肪族または脂環族ジカルボン酸から誘導された第4構造単位をさらに含み得る。
本発明の実施形態で、共重合ポリアミドが2.0~5.0の相対粘度(硫酸)を有し得る。
本発明のさらに他の実施形態で、(A)本発明の実施形態による共重合ポリアミド4~50重量%;(B)ラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸から製造されるホモポリアミド50~96重量%;および(C)衝撃補強剤0~20重量%を含む共重合ポリアミド組成物が提供される。
本発明の実施形態で、衝撃補強剤(C)としては、無水マレイン酸(maleic anhydride)がグラフトされたエチレン-プロピレンゴム、エチレン-1-ブテンゴム、エチレン-ブチレンゴム、エチレン-1-ペンテンゴム、エチレン-1-ヘキセンゴム、エチレン-1-ヘプテンゴム、エチレン-1-オクテンゴムおよびエチレン-4-メチル-1-ペンテンゴムからなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。好ましくは、衝撃補強剤(C)は無水マレイン酸がグラフトされたエチレン-ブチレンゴムである。
本発明の実施形態で、ポリアミド組成物は、成分(A)~(C)100重量部に対して3重量部以下の含有量で添加剤(D)をさらに含み得る。
この時、添加剤(D)は、酸化防止剤、耐熱安定剤、中和剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、スリップ剤、顔料および染料からなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。
具体的な実施形態で、添加剤(D)はフェノール系(phenol)酸化防止剤、BHT(butylated Hydroxytoluene)、Irganox 1098、Irganox 1076、Irganox 1010およびIrganox 3114から選択される1次酸化防止剤、Irgafos 168である2次酸化防止剤および次亜リン酸ナトリウム(NaPO)である耐熱安定剤を含み得る。
本発明のさらに他の実施形態で、前記共重合ポリアミドまたは前記共重合ポリアミド組成物を成形して製造する共重合ポリアミドの成形品が提供される。
本発明の実施形態で、共重合ポリアミドの成形品は自動車部品、環境素材、タンクライナー、容器、建築資材、電気電子部品、宇宙/航空、ドーロン、食品および機能性包装、ハウジング、エネルギー素材用であり得る。
本発明の実施形態による共重合ポリアミドおよびこれを含む組成物は優れた機械的物性、低温特性およびガスバリア特性を示すことができる。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
共重合ポリアミドの製造方法
本発明の実施形態による共重合ポリアミドの製造方法は、(1)ジアミンとジカルボン酸を縮合重合してポリアミド塩を製造する段階と、(2)ラクタム(lactam)またはα,ω-アミノカルボン酸とポリアミド塩を共重合する段階と、を含み、ジアミンに対するジカルボン酸の当量比が1.05~1.0であり、ラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸に対するポリアミド塩のモル比が96:4~50:50である共重合ポリアミドの製造方法を提供する。
段階(1)
上記の段階(1)で、ジアミンとジカルボン酸を縮合重合してポリアミド塩を製造する。
まず、ポリアミド塩の製造のための単量体の1つであるジカルボン酸は固体状態で反応器に充填された後に溶融するか、または別途の溶融タンクで予め溶融した後、所定量が反応器内に充填される。
ここで、ポリアミド塩の製造のために使用される反応器は特に限定されないが、撹拌機を備えた攪拌タンク反応器(stirred tank-reactor)であり得る。ここで、撹拌機はジアミンとジカルボン酸の反応混合物を十分に攪拌できるものであれば、その種類は特に限定されない。本発明の一実施形態で、撹拌機がヘリカルリボン型(helical ribbon type)またはアンカー型(anchor type)であり得る。
本発明の実施形態で、ポリアミド塩の製造に使用されるジカルボン酸の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸からなる群より選択される脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸からなる群より選択される脂環式ジカルボン酸;およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸からなる群より選択される芳香族ジカルボン酸が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。好ましくは、ジカルボン酸はセバシン酸(sebacic acid)である。
反応器内の溶融ジカルボン酸を撹拌機で攪拌しながら、パージ(purge)ラインを通して窒素などの不活性ガスを供給して反応器内を十分にパージする。
その後、反応器内の温度をアミド化反応が実質的に行われる150~200℃の温度で加熱する。具体的には、反応器内の温度は、ジアミンが添加される間の生成物であるポリアミド塩が反応系全体の均一な流動性を確保するために溶融状態に維持するように設定される。
次に、ポリアミド塩の製造のための単量体の他の1つであるジアミンを連続的または断続的に反応器内に添加する。この時、ジアミンは、ジアミン供給タンクから定量ポンプを用いて反応器内に流入する。ここで、ジアミン供給タンクおよび定量ポンプはジアミンを反応器に定量供給できるものであれば、その具体的な種類および構成は特に限定されない。
本発明の実施形態で、ポリアミド塩の製造に使用されるジアミンの例としては、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカン、1,15-ジアミノペンタデカン、1,16-ジアミノヘキサデカン、1,17-ジアミノヘプタデカン、1,18-ジアミノオクタデカン、1,19-ジアミノノナデカン、1,20-ジアミノエイコサン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタンからなる群より選択される脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタンからなる群より選択される脂環式ジアミン;およびキシレンジアミンの芳香族ジアミンが挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。好ましくは、ジアミンはm-キシレンジアミン(m-xylenediamine)である。
ジアミンは反応混合物を溶融状態に維持しながら反応が徐々に行われるように0.5~4時間添加することが好ましい。
本発明の実施形態で、上記の段階(1)で、ジアミンに対するジカルボン酸の当量比は1.05~1.0である。ジアミンに対するジカルボン酸の当量比が上記の範囲内である時縮合重合を適切に行うことができる。
ジアミンを全て添加した時の反応器内の温度が150~250℃となるように反応器内の温度を調節することが好ましい。この時、反応器内の温度上昇率は、アミド化反応熱、凝縮水気化潜熱、供給熱量などによって決定されるので、ジアミンの添加速度は、ジアミンが全て加された時、反応器内温度が上記の範囲となるように調節することが好ましい。
本発明の実施形態で、上記の段階(1)の縮合重合は、150~250℃の温度で1~3時間行うことができる。
本発明の実施形態で、上記の段階(1)で得られるポリアミド塩は1~2の相対粘度(硫酸)を有し得る。ポリアミド塩の相対粘度が上記の範囲内である時段階(2)で共重合を適切に行うことができる。
上記の段階(1)で得られたポリアミド塩をエタノール溶媒を使用して十分に洗浄して未反応単量体を除去し、ろ紙やろ過網を用いてろ過した後、約50℃の真空オーブンで乾燥させることができる。
段階(2)
上記の段階(2)において、ラクタム(lactam)またはα,ω-アミノカルボン酸とポリアミド塩を共重合して共重合ポリアミドを製造する。
段階(1)で製造されたポリアミド塩をラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸単量体および選択的に耐熱安定剤兼触媒であるリン系化合物と共に反応器に充填する。
段階(2)の共重合は、段階(1)で使用された反応器または別途の反応器内で行うことができる。
本発明の実施形態で、共重合ポリアミドの製造に使用されるラクタムは、炭素数3~20個のラクタムであり得る。このようなラクタムの例としては、ラウロラクタム(laurolactam)、カプロラクタム(caprolactam)、ピペリドン(piperidinone)、ピロリドン(pyrrolidone)、エナントラクタム(enantholactam)、カプリルラクタム(capryllactam)、プロピオラクタム(propiolactam)、バレロラクタム(valerolactam)、ヘプタノラクタム(heptanolactam)、オクタノラクタム(octanolactam)、ノナノラクタム(nonanolactam)、デカノラクタム(decanolactam)、ウンデカノラクタム(undecanolactam)およびドデカノラクタム(dodecanolactam)が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。好ましくは、ラクタムはカプロラクタムである。
本発明の実施形態で、共重合ポリアミドの製造にラクタムの代わりにα,ω-アミノカルボン酸を使用することができる。この時、α,ω-アミノカルボン酸の例としては、アミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、11-アミノウンデカン酸および12-アミノドデカン酸が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
本発明の実施形態で、上記の段階(2)において、ラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸に対するポリアミド塩のモル比は96:4~50:50である。ラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸に対するポリアミド塩のモル比が上記の範囲内である時共重合ポリアミドが優れた物性を示すことができる。
本発明の実施形態で、上記の段階(2)の共重合は、耐熱安定剤兼触媒としてリン系化合物の存在下で行うことができる。ここで、リン系化合物は、耐熱安定剤として作用して生成される共重合ポリアミドの変色を防止する一方、触媒として作用して生成される共重合ポリアミドの重合度を高める役割を果たす。
リン系化合物は、次亜リン酸化合物(ホスフィン酸化合物または亜ホスホン酸化合物ともいう)または亜リン酸化合物(ホスホン酸化合物ともいう)であり得るが、これらに特に限定されるものではない。リン系化合物は、金属塩またはアルカリ金属塩であり得る。
次亜リン酸化合物の例としては、次亜リン酸;次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウムなどの次亜リン酸金属塩;次亜リン酸エチル、ジメチルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸エチルなどの次亜リン酸化合物;フェニル亜ホスホン酸ナトリウム、フェニル亜ホスホン酸カリウム、フェニル亜ホスホン酸リチウムなどのフェニル亜ホスホン酸金属塩などが挙げられる。
亜リン酸化合物の具体的な例としは、亜リン酸、ピロ亜リン酸;亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウムなどの亜リン酸金属塩;亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスホン酸ジエチルなどの亜リン酸化合物;エチルホスホン酸ナトリウム、エチルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸リチウムなどのフェニルホスホン酸金属塩などが挙げられる。
好ましくは、リン系化合物は次亜リン酸ナトリウム(NaPO)である。
リン系化合物の含有量は、重合後に得られる理論的重合体の総重量を基準にして0.3~1.0重量%であり、好ましくは0.5~0.7重量%であり得る。
反応器に共重合の原料を全て充填した後、パージラインを通して窒素などの不活性ガスを供給して反応器内を十分にパージする。
本発明の実施形態で、上記の段階(2)の共重合は、第1次共重合と第2次共重合を含み得る。
ここで、第1次共重合は、反応物が溶融した状態で縮合重合が行われ、低粘度のポリアミドを得る段階である。
具体的には、第1次共重合は1~5barの圧力と250~300℃の温度で1~3時間行うことができる。
第2次共重合は、低粘度ポリアミドを減圧条件下の溶融状態または固体状態で重合してより高粘度のポリアミドを得る段階である。
具体的には、第2次共重合は0.001~0.5barの圧力と200~300℃の温度で0.1~12時間行うことができる。
共重合ポリアミド
本発明の実施形態による共重合ポリアミドは、上記の製造方法によって製造され、(a)ラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸から誘導された第1構造単位;(b)芳香族ジアミンまたは芳香族ジカルボン酸から誘導された第2構造単位;および(c)炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジアミンまたは炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸から誘導された第3構造単位を含み、第1構造単位の含有量は50~96モル%であり、第2構造単位および第3構造単位の総含有量は4~50モル%である。
本発明の実施形態で、共重合ポリアミドは、本発明の実施形態による製造方法によって製造されたものであるため、本発明の実施形態による製造方法の段階(1)でジアミンとジカルボン酸が縮合重合されて形成された構造単位、および段階(2)でラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸が重合されて形成される構造単位を全て含み得る。
具体的には、共重合ポリアミドの第1構造単位は、ラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸から誘導されたものである。ここで、ラクタムとα,ω-アミノカルボン酸は、前記共重合ポリアミドの製造方法の項目で説明した通りである。
共重合ポリアミドにおいて、第1構造単位の含有量は50~96モル%である。第1構造単位の含有量が上記の範囲内である時共重合ポリアミドが優れた物性を示すことができる。
また、共重合ポリアミドの第2構造単位は、芳香族ジアミンまたは芳香族ジカルボン酸から誘導されたものである。ここで、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸は、前記共重合ポリアミドの製造方法の項目で説明した通りである。具体的には、芳香族ジアミンはキシレンジアミンを含むことができ、芳香族ジカルボン酸はフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、またはナフタレンジカルボン酸を含み得る。
また、共重合ポリアミドの第3構造単位は、炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジアミンまたは炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸から誘導されたものである。ここで、炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジアミンと炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸は、前記共重合ポリアミドの製造方法の項目で説明した通りである。
具体的には、炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジアミンは、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカン、1,15-ジアミノペンタデカン、1,16-ジアミノヘキサデカン、1,17-ジアミノヘプタデカン、1,18-ジアミノオクタデカン、1,19-ジアミノノナデカン、1,20-ジアミノエイコサン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタンまたはビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタンを含むことができ、炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸は、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸またはオクタデカン二酸を含み得る。
共重合ポリアミドにおいて、第2構造単位および第3構造単位の総含有量は4~50モル%である。第2構造単位および第3構造単位の総含有量が上記の範囲内である時共重合ポリアミドが優れた物性を示すことができる。
本発明の実施形態で、共重合ポリアミドは(d)炭素数2~9個の脂肪族または脂環族ジアミンまたは炭素数2~9個の脂肪族または脂環族ジカルボン酸から誘導された第4構造単位をさらに含み得る。ここで、炭素数2~9個の脂肪族または脂環族ジアミンと炭素数2~9個の脂肪族または脂環族ジカルボン酸は、前記共重合ポリアミドの製造方法の項目で説明した通りである。
具体的には、炭素数2~9個の脂肪族または脂環族ジアミンは、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナンまたはシクロヘキサンジアミンを含むことができ、炭素数2~9個の脂肪族または脂環族ジカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸またはシクロヘキサンジカルボン酸を含み得る。
共重合ポリアミドのうちの第4構造単位の含有量は20モル%以下であり得る。
本発明の実施形態で、共重合ポリアミドは2.0~5.0の相対粘度(硫酸)を有し得る。共重合ポリアミドの相対粘度が上記の範囲内である時優れた物性を示すことができる。
共重合ポリアミド組成物
本発明の実施形態による共重合ポリアミド組成物は(A)本発明の実施形態による共重合ポリアミド4~50重量%;(B)ラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸から製造されるホモポリアミド50~96重量%;および(C)衝撃補強剤0~20重量%を含む。
本発明の実施形態による共重合ポリアミド組成物は、本発明の実施形態による共重合ポリアミド(A)を含む。ここで、共重合ポリアミド(A)は、前記共重合ポリアミドの項目で説明した通りである。
共重合ポリアミド組成物中の共重合ポリアミド(A)の含有量は4~50重量%である。共重合ポリアミド(A)の含有量が上記の範囲内である時組成物に優れた物性を示すことができる。
本発明の実施形態による共重合ポリアミド組成物は、ラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸から製造されるホモポリアミド(B)を含む。ここで、ホモポリアミド(B)はラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸から製造されるものであれば、その種類および製造方法は特に限定されない。ラクタムとα,ω-アミノカルボン酸は、前記共重合ポリアミドの製造方法の項目で説明した通りである。
共重合ポリアミド組成物中のホモポリアミド(B)の含有量は50~96重量%である。ホモポリアミド(B)の含有量が上記の範囲内である時組成物に優れた物性を示すことができる。
また、本発明の実施形態による共重合ポリアミド組成物は衝撃補強剤(C)を含み得る。
本発明の実施形態で、衝撃補強剤(C)は、無水マレイン酸(maleic anhydride)がグラフトされた熱可塑性弾性体であり得る。より具体的には、衝撃補強剤(C)は、無水マレイン酸がグラフトされたエチレン-プロピレンゴム、エチレン-1-ブテンゴム、エチレン-ブチレンゴム、エチレン-1-ペンテンゴム、エチレン-1-ヘキセンゴム、エチレン-1-ヘプテンゴム、エチレン-1-オクテンゴムおよびエチレン-4-メチル-1-ペンテンゴムからなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。好ましくは、衝撃補強剤(C)は無水マレイン酸がグラフトされたエチレン-ブチレンゴムである。
無水マレイン酸がグラフトされた熱可塑性弾性体中の無水マレイン酸の含有量は0.1~1重量%であり得る。
共重合ポリアミド組成物中の衝撃補強剤(C)の含有量は0~20重量%である。
本発明の実施形態で、共重合ポリアミド組成物は、成分(A)~(C)100重量部に対して3重量部以下の含有量で添加剤(D)をさらに含み得る。この時、添加剤(D)は酸化防止剤、耐熱安定剤、中和剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、スリップ剤、顔料および染料からなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。
例示的な一実施形態で、添加剤(D)は、ラジカルを除去して加工熱安定性を改善する1次酸化防止剤であるフェノール系(phenol)酸化防止剤、BHT(butylated Hydroxytoluene)、Irganox 1098、Irganox 1076、Irganox 1010、Irganox 3114、1次酸化防止剤によって生成された過酸化物を分解する2次酸化防止剤のリン系(phosphite)酸化防止剤としてIrgafos 168の中から選択される少なくとも1つの酸化防止剤を含み得る。
例示的な一実施形態で、添加剤(D)は、リン系耐熱安定剤である次亜リン酸ナトリウム(NaPO)を含み得る。
本発明の実施形態による共重合ポリアミド組成物を製造する方法は特に限定されず、本発明の属する技術分野で公知のポリアミド組成物の製造方法をそのまま、または適切に変形して使用することができ、上述した樹脂成分と化合物を特に順序制限なしに所望の順序により自由に選択して混合することができる。
具体的には、例えば、上述した各樹脂と添加剤などを必要な量だけ1軸/2軸押出機を用いて160~230℃の温度で溶融および押出してペレット形態の共重合ポリアミド組成物を製造することができる。
また、本発明のさらに他の実施形態により、本発明の共重合ポリアミドまたは共重合ポリアミド組成物を成形して製造される共重合ポリアミドの成形品が提供される。
本発明の実施形態による共重合ポリアミドまたは共重合ポリアミド組成物から成形品を製造する方法は特に限定されず、本発明の属する技術分野で公知の方法を使用することができる。例えば、本発明の実施形態による共重合ポリアミドまたは共重合ポリアミド組成物を射出成形、押出成形、キャスト成形、ブロー成形、回転成形、フィルム成形などの通常の方法で成形して共重合ポリアミドの成形品を製造することができる。
本発明の実施形態による共重合ポリアミドの成形品は、優れた機械的物性、低温特性およびガスバリア特性を示す。したがって、該共重合ポリアミドの成形品は、自動車部品、環境素材、水素タンクライナーなどのタンクライナー、容器、建築資材、電気電子部品、宇宙/航空、ドーロン、食品および機能性包装、ハウジング、エネルギー素材(バッテリー、風力/太陽発電)用として有用に使用することができる。
実施例1-1
撹拌機を備えた反応器にセバシン酸340gを充填し、窒素で反応器内をパージしながら150℃で加熱してセバシン酸を溶融した。溶融したセバシン酸を攪拌して気化する成分を蒸留しながら、滴下漏斗(dropping funnel)を用いてm-キシレンジアミン(m-XDA)204gを2時間にわたって滴下し、反応混合物を1時間攪拌して反応させた。反応生成物をエタノール2リットルで洗浄し、ろ過した後、乾燥させてポリアミド塩を得た。得られたポリアミド塩の相対粘度(硫酸)は1.5であった。
撹拌機を備えた反応器に上記で得られたポリアミド塩160g、カプロラクタム1,440gおよび次亜リン酸ナトリウム(NaPO)12.43gを入れて、窒素で反応器内をパージしながら240℃で加熱して反応混合物を溶融した。
反応器の圧力を4bar以下に維持した状態で反応混合物を10rpm以上の速度で攪拌しながら260℃で加熱して3時間反応させた。次に、真空ポンプを用いて反応器の圧力を0.01barに維持した状態で反応混合物を260℃で1時間反応させた。反応終了後、反応器内を窒素でパージし、冷却して共重合ポリアミドを得た。得られた共重合ポリアミドの相対粘度(硫酸)は3.7であった。
実施例1-2
実施例1-1で得られたポリアミド塩1,181gとカプロラクタム418gを使用したことを除いては、実施例1-1と同様の方法で共重合ポリアミドを得た。得られた共重合ポリアミドの相対粘度(硫酸)は4.0であった。
比較例1-1
フラスコを真空状態で70℃に維持してフラスコ内の水分を除去した。フラスコの真空状態を解除した後、カプロラクタム(CL)500g、水素化ナトリウム(NaH)0.318g、エチレンビス-ステアロアミド(ethylene bis-stearamide)18.85gを入れて、真空下で温度を165℃まで上げた。反応温度を240℃に設定し、窒素ガスを入れながら前記原料が溶融しながら発生する水素ガスを除去した。トルエンジイソシアネート(TDI)2.30gを注入し、20分間反応させた。20分経過後、ギ酸水溶液(ギ酸:蒸留水=1:1、v/v)50mlをフラスコに入れて反応を終了し、重合されたポリアミド485gを得た。得られたポリアミドの相対粘度(硫酸)は2.9であった。
試験例
前記実施例および比較例で得られたポリアミド樹脂の物性を以下の方法で測定し、その結果を表1に示す。
それぞれのポリアミド樹脂または組成物の相対粘度はUFIT AG社製のUVS basic装置を用いて25℃で測定した。具体的には、樹脂または組成物1gを96%HSO100mlに溶解した。粘度計内の一定の区間での落下時間を測定し、HSO基準溶液の落下時間tと各サンプルの落下時間tを測定した後、t/tを樹脂の相対粘度(RV)で求めた。
また、それぞれのポリアミド樹脂または組成物を射出して試験片を製作し、引張特性はISO 527、衝撃特性はISO 179/1eAの方法で測定した。
実施例2-1
実施例1-1で得られた共重合ポリアミド10g、カプロラクタムから製造されたポリアミド(PA6、相対粘度2.9)72.5gおよび無水マレイン酸がグラフトされたエチレン-ブチレンゴム(三菱ケミカル、MH5020C)17.5gに1次酸化防止剤としてIrganox1098 0.1g、2次酸化防止剤としてIrgafos168 0.5gおよびリン系耐熱安定剤(NaHPO)0.25gを添加した後、押出機を用いて250℃で押出して共重合ポリアミド組成物を製造した。
実施例2-2
実施例1-2で得られた共重合ポリアミドとカプロラクタムから製造されたポリアミドを使用したことを除いては、実施例2-1と同様の方法で共重合ポリアミド組成物を製造した。
前記実施例で得られた共重合ポリアミド組成物の物性を上記の方法で測定し、その結果を表2に示す。
上記表1および表2から確認されるように、本発明の実施形態による共重合ポリアミドおよびこれを含む組成物は、引張特性および耐衝撃特性などの機械的物性に優れる。
本発明の実施形態で、上記の段階(1)において、ジアミンはエチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカン、1,15-ジアミノペンタデカン、1,16-ジアミノヘキサデカン、1,17-ジアミノヘプタデカン、1,18-ジアミノオクタデカン、1,19-ジアミノノナデカン、1,20-ジアミノエイコサン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタンからなる群より選択される脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタンからなる群より選択される脂環式ジアミン;およびキシレンジアミンである芳香族ジアミンのうちの少なくとも1つを含み得る。好ましくは、ジアミンがm-キシレンジアミン(m-xylylenediamine)であり得る。
具体的な実施形態で、添加剤(D)はフェノール系(phenol)酸化防止剤、BHT(butylated Hydroxytoluene)、Irganox 1098、Irganox 1076、Irganox 1010およびIrganox 3114から選択される1次酸化防止剤、Irgafos 168である2次酸化防止剤および次亜リン酸ナトリウム(NaH PO)である耐熱安定剤を含み得る。
本発明の実施形態で、ポリアミド塩の製造に使用されるジアミンの例としては、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカン、1,15-ジアミノペンタデカン、1,16-ジアミノヘキサデカン、1,17-ジアミノヘプタデカン、1,18-ジアミノオクタデカン、1,19-ジアミノノナデカン、1,20-ジアミノエイコサン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタンからなる群より選択される脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタンからなる群より選択される脂環式ジアミン;およびキシレンジアミンの芳香族ジアミンが挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。好ましくは、ジアミンはm-キシレンジアミン(m-xylylenediamine)である。
好ましくは、リン系化合物は次亜リン酸ナトリウム(NaH PO)である。
また、共重合ポリアミドの第2構造単位は、芳香族ジアミンまたは芳香族ジカルボン酸から誘導されたものである。ここで、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸は、前記共重合ポリアミドの製造方法の項目で説明した通りである。具体的には、芳香族ジアミンはキシレンジアミンを含むことができ、芳香族ジカルボン酸はフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、またはナフタレンジカルボン酸を含み得る。
例示的な一実施形態で、添加剤(D)は、リン系耐熱安定剤である次亜リン酸ナトリウム(NaH PO)を含み得る。
実施例1-1
撹拌機を備えた反応器にセバシン酸340gを充填し、窒素で反応器内をパージしながら150℃で加熱してセバシン酸を溶融した。溶融したセバシン酸を攪拌して気化する成分を蒸留しながら、滴下漏斗(dropping funnel)を用いてm-キシレンジアミン(m-XDA)204gを2時間にわたって滴下し、反応混合物を1時間攪拌して反応させた。反応生成物をエタノール2リットルで洗浄し、ろ過した後、乾燥させてポリアミド塩を得た。得られたポリアミド塩の相対粘度(硫酸)は1.5であった。
撹拌機を備えた反応器に上記で得られたポリアミド塩160g、カプロラクタム1,440gおよび次亜リン酸ナトリウム(NaH PO)12.43gを入れて、窒素で反応器内をパージしながら240℃で加熱して反応混合物を溶融した。

Claims (21)

  1. (1)ジアミンとジカルボン酸を縮合重合してポリアミド塩を製造する段階と、(2)ラクタム(lactam)またはα,ω-アミノカルボン酸とポリアミド塩を共重合する段階と、を含み、ジアミンに対するジカルボン酸の当量比が1.05~1.0であり、ラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸に対するポリアミド塩のモル比が96:4~50:50である、共重合ポリアミドの製造方法。
  2. 上記の段階(1)において、ジカルボン酸はシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸からなる群より選択される脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸からなる群より選択される脂環式ジカルボン酸;およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸からなる群より選択される芳香族ジカルボン酸のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の共重合ポリアミドの製造方法。
  3. 上記の段階(1)において、ジアミンはエチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカン、1,15-ジアミノペンタデカン、1,16-ジアミノヘキサデカン、1,17-ジアミノヘプタデカン、1,18-ジアミノオクタデカン、1,19-ジアミノノナデカン、1,20-ジアミノエイコサン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタンからなる群より選択される脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタンからなる群より選択される脂環式ジアミン;およびキシレンジアミンである芳香族ジアミンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の共重合ポリアミドの製造方法。
  4. 上記の段階(1)で、ジカルボン酸はセバシン酸であり、ジアミンはm-キシレンジアミンである、請求項1に記載の共重合ポリアミドの製造方法。
  5. 上記の段階(1)の縮合重合が160~250℃の温度で1~3時間行われる、請求項1に記載の共重合ポリアミドの製造方法。
  6. 上記の段階(1)で得られるポリアミド塩が1~2の相対粘度(硫酸)を有する、請求項1に記載の共重合ポリアミドの製造方法。
  7. 上記の段階(2)において、ラクタムはラウロラクタム(laurolactam)、カプロラクタム(caprolactam)、ピペリドン(piperidinone)、ピロリドン(pyrrolidone)、エナントラクタム(enantholactam)、カプリルラクタム(capryllactam)、プロピオラクタム(propiolactam)、バレロラクタム(valerolactam)、ヘプタノラクタム(heptanolactam)、オクタノラクタム(octanolactam)、ノナノラクタム(nonanolactam)、デカノラクタム(decanolactam)、ウンデカノラクタム(undecanolactam)およびドデカノラクタム(dodecanolactam)からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の共重合ポリアミドの製造方法。
  8. 上記の段階(2)において、α,ω-アミノカルボン酸はアミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、11-アミノウンデカン酸および12-アミノドデカン酸からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の共重合ポリアミドの製造方法。
  9. 上記の段階(2)の共重合は、耐熱安定剤および触媒としてリン系化合物の存在下で行われる、請求項1に記載の共重合ポリアミドの製造方法。
  10. リン系化合物は次亜リン酸化合物または亜リン酸化合物である、請求項9に記載の共重合ポリアミドの製造方法。
  11. 段階(2)の共重合は、1~5barの圧力と250~300℃の温度で1~3時間行われる第1次共重合、および0.001~0.5barの圧力と200~300℃の温度で0.1~12時間行われる第2次共重合を含む、請求項1に記載の共重合ポリアミドの製造方法。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の製造方法によって製造され、(a)ラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸から誘導された第1構造単位;(b)芳香族ジアミンまたは芳香族ジカルボン酸から誘導された第2構造単位;および(c)炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジアミンまたは炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸から誘導された第3構造単位を含む共重合ポリアミドであって、第1構造単位の含有量が50~96モル%であり、第2構造単位および第3構造単位の総含有量が4~50モル%である、共重合ポリアミド。
  13. (d)炭素数2~9個の脂肪族または脂環族ジアミンまたは炭素数2~9個の脂肪族または脂環族ジカルボン酸から誘導された第4構造単位をさらに含む、請求項12に記載の共重合ポリアミド。
  14. 2.0~5.0の相対粘度(硫酸)を有する、請求項12に記載の共重合ポリアミド。
  15. (A)請求項12に記載の共重合ポリアミド4~50重量%;(B)ラクタムまたはα,ω-アミノカルボン酸から製造されるホモポリアミド50~96重量%;および(C)衝撃補強剤0~20重量%を含む、共重合ポリアミド組成物。
  16. 衝撃補強剤(C)としては、無水マレイン酸(maleic anhydride)がグラフトされたエチレン-プロピレンゴム、エチレン-1-ブテンゴム、エチレン-ブチレンゴム、エチレン-1-ペンテンゴム、エチレン-1-ヘキセンゴム、エチレン-1-ヘプテンゴム、エチレン-1-オクテンゴムおよびエチレン-4-メチル-1-ペンテンゴムからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項15に記載の共重合ポリアミド組成物。
  17. 成分(A)~(C)100重量部に対して3重量部以下の含有量で添加剤(D)をさらに含む、請求項15に記載の共重合ポリアミド組成物。
  18. 添加剤(D)は酸化防止剤、耐熱安定剤、中和剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、スリップ剤、顔料および染料からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項17に記載の共重合ポリアミド組成物。
  19. 添加剤(D)はフェノール系(phenol)酸化防止剤、BHT(butylated Hydroxytoluene)、Irganox 1098、Irganox 1076、Irganox 1010およびIrganox 3114から選択される1次酸化防止剤、Irgafos 168である2次酸化防止剤および次亜リン酸ナトリウム(NaPO)である耐熱安定剤を含む、請求項18に記載の共重合ポリアミド組成物。
  20. 請求項12に記載の重合ポリアミドまたは請求項15に記載の共重合ポリアミド組成物を成形して製造される、共重合ポリアミドの成形品。
  21. 自動車部品、環境素材、タンクライナー、容器、建築資材、電気電子部品、宇宙および航空、ドーロン、食品および機能性包装、ハウジング、エネルギー素材用である、請求項20に記載の共重合ポリアミドの成形品。
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