JP2024093922A - 施工システム及び造形物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】現場でスラリー同士を混合しながらも作業性に優れる施工システムを提供すること。【解決手段】水硬性結合材及び水を含む主材スラリーを供給する第1供給部10と、水硬性結合材を硬化させる成分及び水を含む硬化材スラリーを供給する第2供給部20と、主材スラリーと、硬化材スラリーと、を合流させて混合し混合スラリーを得る混合部40と、混合スラリーを吐出する吐出部60と、を備える施工システムを提供する。【選択図】図1

Description

本開示は、施工システム及び造形物の製造方法に関する。
目的とする造形物の三次元データを元にして、樹脂、金属、及びセラミックス等の材料を積層する積層造形法が知られている。積層造形法としては、造形材料を直接ノズルなどの開口部を通して押し出しながら積み重ねていく材料押出方式のものが知られており、近年では、セメント及び粘土鉱物スラリーを用いることが検討されている。例えば、特許文献1では、セメント質混錬物を押し出して造形するにあたり、セメント質混錬物の流動性を所定の範囲に調整する技術が提案されている。
特開2017-185645号公報
硬化材成分を含むセメント混錬物は、時間の経過に伴って硬化するためスラリーの流動性を長時間保持することができない。このため、調製したセメント混錬物を短時間のうちに使用する必要がある。一方で、例えば建築現場においては、工期が数日間所要する場合も有り、このような場合、調製したセメント混錬物が余ると廃棄等の対応が必要になる。このため現場での作業量が増加する傾向にある。そこで、本開示では、現場でスラリー同士を混合しながらも作業性に優れる施工システム及び造形物の製造方法を提供する。
本開示の一側面は、水硬性結合材及び水を含む主材スラリーを供給する第1供給部と、前記水硬性結合材を硬化させる成分及び水を含む硬化材スラリーを供給する第2供給部と、前記主材スラリーと、前記硬化材スラリーと、を合流させて混合し混合スラリーを得る混合部と、前記混合スラリーを吐出する吐出部と、を備える、施工システムを提供する。
上記施工システムは、主材スラリーと硬化材スラリーとが互いに異なる供給部から供給される。このため、主材スラリーと硬化材スラリーとを個別に保管することができる。したがって、これらを混合する前の状態で長期間に亘って主材スラリーと硬化材スラリーとを安定的に保管することができる。そして、主材スラリーと硬化材スラリーとを混合する混合部と、混合スラリーを吐出する吐出部とを備えることから、主材スラリーと硬化材スラリーとを混合後、速やかに吐出して吐出物、積層体、造形物等を製造することができる。したがって、混合スラリーを長期間保存したり、混合スラリーの余剰が発生したりすることを抑制することができる。よって、上記施工システムは、現場でスラリー同士を混合しながらも作業性に優れる。
本開示の一側面は、水硬性結合材及び水を含む主材スラリーを供給する第1供給工程と、前記水硬性結合材を硬化させる成分及び水を含む硬化材スラリーを供給する第2供給工程と、前記主材スラリーと、前記硬化材スラリーと、を合流させて混合し混合スラリーを得る混合工程と、前記混合スラリーを吐出して積層する積層工程と、前記混合スラリーの積層体を硬化させて造形物を得る硬化工程と、を有する、造形物の製造方法を提供する。
上記製造方法は、主材スラリーの供給と硬化材スラリーの供給とを個別の工程で行うことができる。このため、主材スラリーと硬化材スラリーとを個別に保管することができる。したがって、これらを混合する前の状態で長期間に亘って主材スラリーと硬化材スラリーとを安定的に保管することができる。そして、主材スラリーと硬化材スラリーとを混合する混合工程と、混合スラリーを吐出して積層する積層工程と、積層体を硬化させて造形物を得る硬化工程とを有する。このため、主材スラリーと硬化材スラリーとを混合後、速やかに吐出して積層し、硬化して造形物を製造することができる。したがって、混合スラリーを長期間保存したり、混合スラリーの余剰が発生したりすることを抑制することができる。よって、上記製造方法は、現場でスラリー同士を混合しながらも作業性に優れる。
本開示によれば、現場でスラリー同士を混合しながらも作業性に優れる施工システム及び造形物の製造方法を提供することができる。
施工システムの一例を示す図である。 ミキサーの一例を示す分解斜視図である。 図2のミキサーの軸方向断面図である。 (A)は図3のIV(a)-IV(a)線断面図であり、(B)は図3のIV(b)-IV(b)線断面図である。 (A)は図3のV(a)-V(a)線断面図であり、(B)は図3のV(b)-V(b)線断面図であり、(C)は図3のV(c)-V(c)線断面図である。 (A)及び(B)は、別の例のミキサーにおけるエレメントを示す図である。 さらに別の例のミキサーにおけるエレメントを示す図である。 (A)~(F)は、実施例1~5及び比較例1で得られた吐出物の状態を示す写真である。 (A)は実施例4の吐出物(1時間経過後)を示す写真であり、(B)は実施例5の吐出物(1時間経過後)を示す写真である。 主材スラリーのみを実施例1~5の混合部に導入して送液したときの吐出量と送液ポンプの吐出圧との関係を示す図である。 (A)はスタティックミキサ(CH)中を主材スラリーが流通している状態を示す写真であり、(B)は別のスタティックミキサ(MS)中を主材スラリーが流通している状態を示す写真である。
本開示の実施形態を以下に説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す符号の向きを基準とする位置関係に基づくものとする。各要素の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。「a~b」で例示する数値範囲は、下限をa、上限をbとし、a,bを含む数値範囲である。各数値範囲の上限又は下限をいずれかの実施例の数値で置き換えたものも、本開示に含まれる。複数の材料が例示されている場合、そのうちの一種を単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
一実施形態に係る施工システムは、水硬性結合材及び水を含む主材スラリーを供給する第1供給部と、水硬性結合材を硬化させる成分及び水を含む硬化材スラリーを供給する第2供給部と、主材スラリーと硬化材スラリーとを合流させて混合し混合スラリーを得る混合部と、混合スラリーを吐出する吐出部と、を備える。吐出部から吐出された吐出物を積層し、積層体が硬化することによって造形物を得ることができる。このように、この施工システムは、二液型硬化型組成物を用いた積層体又は造形物の施工システムということができる。或いは、主材スラリー及び硬化材スラリーを用いる二液型の3Dプリンタシステムということもできる。主材スラリーと硬化材スラリーの例を以下に説明する。
<主材スラリー>
主材スラリーは水硬性結合材と水とを配合して調製することができる。水硬性結合材とは、セメントを含み水硬性を示す材料であり、混和材を含んでいてもよい。セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント及び耐硫酸塩ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、高炉セメントやフライアッシュセメントなどの各種混合セメントが挙げられる。これらのセメントのうちの1種のみを用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。この中でも、積層造形用水硬性組成物スラリーの硬化特性を良好にする観点からは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント及び超早強ポルトランドセメントからなる群から選ばれる少なくとも1種のポルトランドセメントを用いることがより好ましい。
主材スラリーに含まれる水は特に限定されず、例えば、水道水、蒸留水、脱イオン水等であってよい。主材スラリー中の水の含有量は、水硬性結合材の総量に対して、好ましくは15~60質量%、より好ましくは20~50質量%、さらに好ましくは25~45質量%である。
混和材としては、高炉スラグ微粉末(例えば、JISA6206:2013「コンクリート用高炉スラグ微粉末」に適合するもの)、石灰石微粉末、シリカフューム(例えば、JISA6207:2016「コンクリート用シリカフューム」で規定されるもの)、フライアッシュ(例えば、JISA6201:2015「コンクリート用フライアッシュ」で規定されるもの)、メタカオリン、珪石粉、膨張材などの各種混和材が挙げられる。その中でも、主材スラリー及び混合スラリーの送液性、及び流動性保持時間(可使時間)を長くする観点から、高炉スラグ微粉末及びシリカフュームを含むことが好ましい。
高炉スラグ微粉末は、JISA6206:2013「コンクリート用高炉スラグ微粉末」に適合するものが好ましい。高炉スラグ微粉末のブレーン比表面積は、好ましくは2500~10000cm/g、より好ましくは3000~9000cm/g、さらに好ましくは4000~8000cm/gである。
水硬性結合材が混和材を含む場合、水硬性結合材の総量に対する混和材の含有量は、例えば1~99質量%であり、好ましくは10~90質量%、より好ましくは30~70質量%である。混和材の含有量が上記範囲にあることで、主材スラリーの好適な送液性や流動性保持時間を実現することができる。
主材スラリーは遅延剤を含んでいてよい。遅延剤としては、特に制限はなく、オキシカルボン酸類、糖類、及び無機系遅延剤等が挙げられる。遅延剤は、オキシカルボン酸類を含むことが好ましい。オキシカルボン酸類は、オキシカルボン酸及びその塩の総称である。オキシカルボン酸としては、例えば、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、ヘプトン酸等を挙げることができる。
オキシカルボン酸の塩としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等、及びアルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)を挙げることができる。これらのうち、凝結遅延効果、入手容易性及び価格の面から、ナトリウム塩を含むことが好ましく、グルコン酸ナトリウムを含むことがより好ましい。オキシカルボン酸及びその塩は、1種、又は2種類以上の成分を併用して用いることができる。
主材スラリーが遅延剤を含む場合、遅延剤の含有量は、主材スラリー中の水硬性結合材の総量に対して、好ましくは0.05~1.5質量%であり、より好ましくは0.1~1.0質量%であり、さらに好ましくは0.2~0.8質量%である。遅延剤の含有量を上記範囲とすることで、好適な流動性保持時間(可使時間)を得ることができる。
主材スラリーは、水硬性結合材、遅延剤及び水以外に、骨材、減水剤、増粘剤、消泡剤、繊維等を含有してもよい。
主材スラリーにおける骨材は、細骨材を含んでよく、JISA5308:2019等に規定されるコンクリート用骨材、建材等に使用される珪砂等を含んでよい。骨材の粒子径は、主材スラリー、積層造形用セメントスラリーの送液性の観点から、好ましくは1mm未満、より好ましくは0.5mm未満である。骨材の粒子径はJISZ8801―1:2019に規定される目開き寸法の異なる数個の篩を用いて測定することができる。主材が骨材を含む場合、主材中の骨材の含有量は、水硬性結合材と骨材との総量に対して、例えば1~80質量%であり、好ましくは20~70質量%、より好ましくは30~70質量%である。
主材スラリーは、減水剤を含むことによって、送液性を一層向上することができる。減水剤としては、例えば、ポリカルボン酸系減水剤等が挙げられる。ポリカルボン酸系減水剤の具体例としては、ポリエーテル・ポリカルボン酸系減水剤、変性ポリカルボン酸系減水剤等が挙げられる。これらのうちの1種を単独で、又は2種類以上を併用して用いてもよい。減水剤の含有量は、主材スラリー中の水硬性結合材の総量に対して、好ましくは0.05~1.0質量%であり、より好ましくは0.05~0.7質量%であり、さらに好ましくは0.1~0.5質量%である。減水剤の含有量を上記範囲とすることで、送液性をより向上することができる。
主材スラリーは、増粘剤を含むことによって、材料分離を抑制することができる。増粘剤としては、例えば、セルロース系増粘剤、デンプン系増粘剤、グアーガム系増粘剤、ビニル系増粘剤等の有機系増粘剤、及び、ベントナイト、カオリナイト、タルク等の無機系増粘剤が挙げられる。これらのうちの1種を単独で、又は2種類以上を併用して用いてよい。増粘剤の含有量は、主材スラリー中の水硬性結合材の総量に対して、好ましくは0.01~1.0質量%であり、より好ましくは0.02~0.5質量%、さらに好ましくは0.04~0.3質量%である。
主材スラリーは、消泡剤を含むことによって、混合スラリーの硬化物の強度発現性を向上することができる。消泡剤としては、公知のものを用いることができる。消泡剤の具体例としては、例えば、鉱油系、シリコーン系、アルコール系、ポリエーテル系等の合成物質又は植物由来の天然物質等であってよく、分散性及び持続性の観点から、好ましくはポリエーテル系の消泡剤及び鉱油系の消泡剤である。これらのうちの1種を単独で、又は2種類以上を併用して用いてよい。
消泡剤の含有量は、主材スラリー中の水硬性結合材の総量に対して、好ましくは0.01~1.0質量%であり、より好ましくは0.05~0.7質量%であり、さらに好ましくは0.1~0.4質量%である。
主材スラリーの流動性は、「JISR5201:2015セメントの物理試験方法」に記載のフロー試験により評価することができる。15回の落下運動後のフロー値としては、140mm以上が好ましく、より好ましくは150mm以上が好ましく、さらに好ましくは170mm以上である。主材スラリーのフロー値を調節する方法としては、例えば水と水硬性結合材の比率、骨材の比率、減水剤の含有量等の配合により調節することができる。
<硬化材スラリー>
硬化材スラリーは、水硬性結合材を硬化させる成分及び水を含む。硬化材スラリーは、例えば粉末状の硬化材(プレミックス粉)に水を添加して調製してもよい。硬化材スラリーに含まれる水は特に限定されず、例えば、水道水、蒸留水、脱イオン水等であってよい。硬化材スラリーにおける水の含有量は、硬化材スラリーの総量に対して、5~50質量%であってよく、10~40質量%であってよく、15~35質量%であってもよい。
水硬性結合材を硬化させる成分としては、急結剤及びゲル化剤が挙げられる。急結剤としてはミョウバン、硫酸塩(硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム)、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム)、チオシアン酸カルシウム、及び塩化カルシウムが挙げられる。ミョウバンは、1価の陽イオンの硫酸塩と、3価の金属イオンの硫酸塩との複塩である。ミョウバンは、特に限定されず、例えば、カリミョウバン、アンモニウムミョウバン、ナトリウムミョウバン、鉄ミョウバン、クロムミョウバン、及びそれらの無水物(焼ミョウバン)等であってよい。これらのうち、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。入手容易性及び価格の面、さらには水を含み硬化材スラリーを調節する場合の観点からは、急結剤はカリミョウバンを含むことが好ましい。
ミョウバンの平均粒子径は、0.01~1.0mmであってよく、好ましくは0.02~0.3mm、より好ましくは0.03~0.2mm、さらに好ましくは0.04~0.1mmである。ミョウバンの粒度が上記範囲にあることで、主材スラリーとの混合時に凝集を生じ難くして、混合性を向上することができる。
ミョウバンの平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により測定される体積基準の頻度分布から求める。レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置としては、例えば(株)島津製作所製、「SALD-2200」を用いて乾式条件で測定する。ミョウバンの平均粒子径は、上記測定で得られた粒子径に対する体積基準の頻度の関係から、粒子径の対数値についてその粒子径に対する体積基準の頻度を重みとする加重平均値として算出される。
硬化材スラリーにおける急結剤の含有量は、硬化材スラリーの総量に対して、好ましくは3~12質量%、より好ましくは4~10質量%、さらに好ましくは5~8質量%である。急結剤の含有量が上記範囲にあることで、好適な速硬性、強度発現性を得ることができる。
ゲル化剤としては、塩基性アルミニウム塩が挙げられる。塩基性アルミニウム塩は、アルミニウムイオンと、2~6個の炭素原子を有するヒドロキシ酸イオンとを含む塩基性塩である。ここで、塩基性塩とは、水酸化物イオン(OH)を含む塩である。言い換えれば、塩基性アルミニウム塩は、アルミニウムとヒドロキシ酸との塩におけるアニオンの一部を水酸化物イオンで置換したものである。塩基性アルミニウム塩は、一般式:Al(OH)3-xで表すことができる。ここで、x及びbは、塩基性アルミニウム塩が全体として電気的に中性となるように選択される。塩基性アルミニウム塩を使用することにより、フロックの形成を抑制することができるため、特に混合性を向上させることができる。
塩基性アルミニウム塩に含まれるヒドロキシ酸イオンが有する炭素原子の個数は、2~4個であると好ましく、2又は3個であるとより好ましく、3個であるとさらに好ましい。塩基性アルミニウム塩としては、塩基性乳酸アルミニウム、塩基性ヒドロキシ酢酸アルミニウム、塩基性クエン酸アルミニウム、塩基性酒石酸アルミニウム等が挙げられ、塩基性乳酸アルミニウムが好ましい。これらは水和物であってもよい。塩基性アルミニウム塩は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
塩基性乳酸アルミニウムは、一般式Al(OH)3-x(Lac.acid)(0<x<3)で表される化合物であり、Al/乳酸がモル比で0.3~2.0のものが好ましい。なお、Lac.acidは乳酸イオンである。塩基性乳酸アルミニウムは、水和物であってもよい。市販されている塩基性乳酸アルミニウムとしては、例えば、「タキセラムM160-P」(多木化学株式会社製)等が挙げられ、これらを用いることができる。
ゲル化剤の含有量は、硬化材スラリーの総量に対して、好ましくは0.5~5.0質量%、より好ましくは0.8~4.0質量%、さらに好ましくは1.0~3.0質量%である。硬化材スラリーが急結剤(ミョウバン)及びゲル化剤(塩基性アルミニウム塩)を含有する場合、ゲル化剤の含有量は、急結剤とゲル化剤との合計量に対して、好ましくは10~40質量%、より好ましくは15~35質量%、さらに好ましくは20~30質量%であってよい。急結剤及びゲル化剤の含有量が当該範囲であると、主材スラリーと混合した際に好適な積層性や速硬性が得られると共に、異常凝結又は強度発現性の低下を抑制できる傾向にある。
硬化材スラリーは、急結剤及びゲル化剤以外に、シリカ質粉末、骨材、消泡剤、増粘剤、減水剤、繊維等を含有してもよい。シリカ質粉末の種類は特に限定されず、シリカを含む粉末であればよい。例えば、シリカフューム(例えば、JISA6207:2016「コンクリート用シリカフューム」で規定されるもの)、フライアッシュ(例えば、JISA6201:2015「コンクリート用フライアッシュ」で規定されるもの)、珪石粉、及びメタカオリン等が挙げられる。
硬化材スラリーがシリカ質粉末を含むことにより、硬化材スラリー及び混合スラリーの送液性、積層性、及び硬化体の強度発現性をより向上することができる。シリカ質粉末のBET比表面積は、好ましくは10m/g以上、より好ましくは、15m/g以上である。
硬化材スラリーがシリカ質粉末を含む場合、シリカ質粉末の含有量は、主材スラリー中の水硬性結合材の総量に対して、好ましくは5~100質量%であり、より好ましくは7~70質量%であり、さらに好ましくは10~50質量%である。硬化材スラリーにおけるシリカ質粉末の含有量は、硬化材スラリーの総量に対して、好ましくは5~60質量%であり、より好ましくは10~55質量%であり、さらに好ましくは15~50質量%である。
骨材は、細骨材を含んでよく、JISA5308:2019等に規定されるコンクリート用骨材や、建材等に使用される珪砂が好ましい。骨材の粒子径は、硬化材スラリー、混合スラリーの送液性の観点から、好ましくは1mm未満、より好ましくは0.5mm未満である。砂の粒子径はJISZ8801-1:2019に規定される目開き寸法の異なる数個の篩を用いて測定することができる。硬化材スラリーが骨材を含む場合、硬化材スラリーにおける骨材の含有量は、硬化材スラリーの総量に対して、10~50質量%であり、好ましくは15~45質量%、さらに好ましくは20~40質量%である。
硬化材スラリーは、消泡剤及び増粘剤を含んでもよい。消泡剤及び増粘剤は、主材スラリーの説明で挙げたものであってよい。
<施工システムの例>
図1に示す施工システムの例は、主材スラリーを供給する第1供給部10と、水硬性結合材を硬化させる成分及び水を含む硬化材スラリーを供給する第2供給部20と、主材スラリーと硬化材スラリーとを合流させる合流部30と、合流部30で生成した合流スラリーを混合する混合部40と、合流部30と混合部40とを接続する流路32と、混合部40の下流に設けられる吐出部60と、吐出部60から吐出される吐出物の位置を調整する位置調整部70と、を備える。
第1供給部10は、主材スラリーを収容する第1収容部12と、第1送液ポンプ14とを備える。第2供給部20は、硬化材スラリーを収容する第2収容部22と、第2送液ポンプ24とを備える。第1収容部12及び第2収容部22に収容される主材スラリー及び硬化材スラリーの含有成分は上述したとおりである。第1収容部12及び第2収容部22は、搬送可能な容器、タンクローリー、又は地上に設置されたタンクであってもよい。
第1送液ポンプ14及び第2送液ポンプ24としては、各種ポンプを用いることができる。このうち、第1送液ポンプ14及び第2送液ポンプ24は無脈動ポンプであることが好ましく、無脈動定量ポンプであることがより好ましい。これによって、主材スラリー及び硬化材スラリーの混合比を安定的に一定にすることができる。したがって、吐出物、積層体及び造形物の品質を十分に高くすることができる。
第1送液ポンプ14及び第2送液ポンプ24によって、第1収容部12及び第2収容部から送液される主材スラリー及び硬化材スラリーは、合流部30で合流して合流スラリー(以下、単に「スラリー」という。)となる。主材スラリーに対する硬化材スラリーの混合比は、体積基準で0.1~0.5であってよく、0.2~0.4であってもよい。合流部30で生成したスラリーは混合部40に導入される。
混合部40は、作業性を一層向上する観点から、インラインミキサを有することが好ましく、設備の簡素化及び軽量化の観点からスタティックミキサを有することがより好ましい。スタティックミキサは、駆動部を有しないミキサーであり、静的ミキサー又は静止型混合器とも称される。スタティックミキサは、駆動部を有しないことから軽量で施工システムの構造を簡素化することができる。このため、施工現場での取り扱い性に優れ、作業性を一層向上することができる。
混合部40がスタティックミキサであれば、図1に示されるように位置調整部70に取り付けて、吐出部60とともに円滑に移動することができる。このため、合流部30から吐出部60までの長さを十分に短くして、流路32内に滞留するスラリー量を低減することができる。このため、主材スラリー及び硬化材スラリーの成分を変更したり、施工を中断したりする場合に生じる材料ロスを十分に低減することができる。
スタティックミキサとしては、円筒体と当該円筒体の内部に設けられるエレメントとを有し、旋回、分割、反転及び再合流等の混合原理によって、主材スラリー及び硬化材スラリーに由来する各成分を混合するものを用いることができる。エレメントは、円筒体の中心軸方向に沿って同一形状を有する繰り返し単位が複数連なって構成されるものであってよい。繰り返し単位は、スラリーが流通する流通孔を有することが好ましい。これによって、スラリーの閉塞を抑制してスタティックミキサにおける圧力損失を十分に低減し、十分な吐出量を確保することができる。
流通孔はスラリーの流通方向を変えるものであってよいし、スタティックミキサ内で一旦分離したスラリーの流れを合流させるものであってもよい。このような流通孔を有することによって、最終的に得られる混合スラリー(吐出物)に含まれる材料の分離を抑制し、混合状態の均一性に優れる混合スラリー(吐出物)を得ることができる。
スタティックミキサの一例を図2、図3及び図4に示す。図2に示すように、スタティックミキサ40Aは、円筒体45と円筒体45の内部に挿入されるエレメント41とを備える。エレメント41は一体的に構成されており、エレメント41は、円筒体45に対して挿抜可能に構成される。
図3に示すように、円筒体45の両端部には、円筒体45よりも小さい内径を有するフランジ47A,47Bが取り付けられる。フランジ47A,47Bの内径は、エレメント41の外径(プレート部42A,42Cの長さ)よりも小さくなっている。これによって、エレメント41は、円筒体45の内部に保持される。フランジ47A,47Bは、円筒体45に着脱可能に構成される。したがって、例えばスタティックミキサ40A内をスラリーが流通した後、円筒体45からエレメント41を抜き出して、洗浄作業によって円筒体45の内部及びエレメント41の付着物を円滑に除去することができる。スラリーの流通方向に特に制限はないが、これ以降では、フランジ47A側からフランジ47B側に向かって(図2では左上から右下に向かう方向に対応する。)スラリーが流通する場合について説明する。
図2に示すように、エレメント41は、円筒体45の中心軸CL方向に沿って同一形状を有する繰り返し単位42がスラリーの流通方向に沿って複数(図2,図3では6個)連なって構成される。繰り返し単位42は、スラリーが流通する流通孔43を含む有孔部42B(42D)と、円筒体45の直径方向に直交する主面MP(MP)を有し、中心軸CL方向に沿ってスラリーの流路を2つに区画するプレート部42A(42C)と、を含む。各繰り返し単位42に含まれるプレート部42A(42C)は、図3、図4(A)及び図4(B)に示されるように、中心軸CLを遮るように設けられる。
プレート部42A,42Cの端部Eと円筒体45の内壁との間隔(クリアランス)は、小さい方が好ましく、端部Eと円筒体45の内壁とは互いに接していてもよい。これによって、スラリーに含まれる骨材等が端部Eと円筒体45の内壁に詰まることを抑制することができる。図4(A),(B)に示すような径方向断面でみたときに、円筒体45の内径に対するプレート部42A,42Cの長さの比は、好ましくは0.9~1.0であり、より好ましくは0.95~0.99である。
図2に戻り、互いに隣り合う繰り返し単位42におけるプレート部42A,42Cの主面MP,主面MPのそれぞれの向きは、円筒体45の中心軸CL回りに90°ずれている。このため、図2及び図3においては、プレート部42Aが縦置きに、プレート部42Cが横置きになるように配置されている。エレメント41では、このように主面の向きが異なるプレート部42A,42Cが交互に設けられている。このような構成を有することによって、スラリーを十分に混合して、混合状態の均一性に優れる混合スラリーを得ることができる。このような混合スラリーを用いて形成される吐出物は、高いゴム硬度を有し短時間で積層して造形物を速やかに製造することができる。
プレート部42A,42Cの間における有孔部42B,42Dは、それぞれ4つの爪状部材で構成される。有孔部42Dは、図5(A),(B),(C)に示されるように、4つの爪状部材NV,NV,NB,NBで構成される。これと同様に、有孔部42Bは、爪状部材NB,NB,NV,NVで構成される。流通孔43は、4つの爪状部材NV,NV,NB,NB(NB,NB,NV,NV)に取り囲まれて構成される。図2に示すように、流通孔43は、プレート部42A,42Cの端部Eよりも、円筒体45の中心軸CL寄りに形成されている。
図2に示されるように、爪状部材NV,NVの基端は、縦置きになるように設けられているプレート部42Aの一方の側縁(上流側の側縁)に縦方向に並ぶように接続されている。爪状部材NVの先端は、横置きになるように設けられているプレート部42Cの一方の主面(上面)の角部に接続され、爪状部材NVの先端はプレート部42Cの他方の主面(下面)の角部に接続されている。爪状部材NV,NVは、それぞれの基端から先端に向かうにつれて互いに離れるように形成されている。
図2,図3に示されるように、爪状部材NB,NBの基端は、横置きになるように設けられているプレート部42Cの一方の側縁(下流側の側縁)に横方向に並ぶように接続されている。爪状部材NBの先端は、縦置きになるように設けられているプレート部42Aの一方の主面MPの角部に接続され、爪状部材NBの先端はプレート部42Aの他方の主面の角部に接続されている。爪状部材NB,NBは、それぞれの基端から先端に向かうにつれて互いに離れるように形成されている。
図2に示されるように、爪状部材NB,NBの基端は、横置きになるように設けられているプレート部42Cの他方の側縁(上流側の側縁)に横方向に並ぶように接続されている。爪状部材NBの先端は、縦置きになるように設けられているプレート部42Aの一方の主面の角部に接続され、爪状部材NBの先端はプレート部42Aの他方の主面の角部に接続されている。爪状部材NB,NBは、それぞれの基端から先端に向かうにつれて互いに離れるように形成されている。
図2,図3に示されるように、爪状部材NV,NVの基端は、縦置きになるように設けられているプレート部42Aの一方の側縁(下流側の側縁)に縦方向に並ぶように接続されている。爪状部材NVの先端は、横置きになるように設けられているプレート部42Cの一方の主面(上面)の角部に接続され、爪状部材NVの先端はプレート部42Cの他方の主面(下面)の角部に接続されている。爪状部材NV,NVは、それぞれの基端から先端に向かうにつれて互いに離れるように形成されている。
スラリーが図3のフランジ47A側からスタティックミキサ40A内に流入すると、上流側に位置するプレート部42Aによってスラリーは2つの流れに分かれる。その後、2つの流れはプレート部42Aの下流側に隣接する有孔部42Bに流入する。そうすると、有孔部42Bを構成する4つの爪状部材NB,NB,NV,NVによって、2つの流れは流通孔43に流入して合流して1つの流れになる。その後、有孔部42Bの下流側に隣接するプレート部42Cによって再び2つの流れに分かれる。その後、2つの流れはプレート部42Cの下流側に隣接する有孔部42Dに流入する。そうすると、有孔部42Dを構成する4つの爪状部材NV,NV,NB,NBによって、2つの流れは流通孔43に流入して合流して1つの流れになる。このように、スラリーはスタティックミキサ40A内で、分離と合流とを繰り返すことになる。これによって、スラリーは十分に混合され、混合状態の均一性が十分に高い混合スラリーが得られる。
さらに、図5(A),(B),(C)に示されるように、各有孔部42D(42B)における流通孔43は、その径方向断面の形状が、スラリーの流通方向に沿って連続的に変わる。流通孔43を流通するスラリーは、各爪状部材NV,NV,NB,NB(NB,NB,NV,NV)に衝突することによって流通方向が変わる。このように流通方向が変わることによって、スラリーはさらに十分に混合され、混合状態の均一性が一層向上した混合スラリーが得られる。
エレメント41は、一つのプレート部と一つの有孔部とで構成される繰り返し単位42を6つ有する。この繰り返し単位42の個数は特に限定されず、5個以下であってもよいし、7個以上であってもよい。繰り返し単位42の個数を多くすれば、混合性が向上し、混合スラリーの組成のばらつきを一層低減することができる。ただし、スタティックミキサ40Aで生じる圧力損失が大きくなる傾向にある。このため、十分な混合性が得られる範囲で繰り返し単位42を少なくすれば、吐出部60からの混合スラリーの吐出量を大きくして造形物80を短時間で製造することができる。
エレメント41では、隣り合う繰り返し単位42が円筒体の中心軸回りに90°ずれているが、これに限定されない。例えば、隣り合う繰り返し単位42は中心軸回りにずれることなく全て同じ向きに連なっていてもよいし、90°とは異なる角度でずれていてもよい。隣り合う繰り返し単位42が円筒体の中心軸回りにずれていることによって、混合状態の均一性に一層優れる混合スラリー(吐出物)を得ることができる。
スタティックミキサにおけるエレメントの別の例を図6(A),(B)に示す。この例では、上述の例とはエレメントの形状が異なっている。この例のエレメント50は、図6(A)に示す繰り返し単位50Aと図6(B)の繰り返し単位50Bが流通方向に沿って交互に並んで構成される。繰り返し単位50Aと繰り返し単位50Bは、同じ形状を有しているが、その向きが中心軸回りに90°ずれている。このような繰り返し単位50A,50Bは、交互に図2に示す円筒体45内に配置される。繰り返し単位50A,50Bの数は特に限定されない。繰り返し単位50Aと繰り返し単位50Bの間には、中空状のリング部材を配置してもよい。これによって、円筒体45の内部に、円筒体45と同心円状に円筒状部材53とリング部材とが配置される。
繰り返し単位50Aは、円筒状部材53と、その中央部に井桁状になるように組まれた複数の棒状部材51A,51B,52A,52Bと、を有する。中央部は、第1の方向に沿って所定の間隔で2列に並べられた棒状部材51A,51Bと、第2の方向に沿って所定の間隔で2列に並べられた棒状部材52A,52Bと、を有する。隣り合う棒状部材51Aの間、及び、隣り合う棒状部材51Bの間には、一組の棒状部材52A,52Bが挿入されている。このようにして、各繰り返し単位50A,50Bには、4本の棒状部材で取り囲まれる流通孔43Aが複数形成されている。
隣り合う棒状部材52Aの間に形成される流通孔43Aと、隣り合う51Aの間に形成される流通孔43Aを通過するスラリーの流通方向は互いに異なる。このように各繰り返し単位50A,50Bは、流通方向が互いに異なる複数の流通孔43Aを有する。このような構造を有することによって、スラリーを十分に混合することができる。さらに、繰り返し単位50Aと繰り返し単位50Bは中心軸回りに90°ずれて配置されている。このような構造を有することによって、スラリーを一層十分に混合することができる。また、繰り返し単位50Aと繰り返し単位50Bの間に配置されるリング部材の中空部において、スラリーの複数の流れが合流する。このように、スラリーの分離と合流とが繰り返されることによって、混合状態の均一性が向上する。
スタティックミキサにおけるエレメントのさらに別の例を図7に示す。この例のエレメント55は、矩形板を中心軸CL回りに螺旋状に捩じった形状の螺旋状エレメントである。エレメント55は、時計回りに180°捩じれた第1捩れ部54と反時計回りに180°捩じれた第2捩れ部56とが、90°ずつ位相をずらして交互に設けられている。第1捩れ部54及び第2捩れ部56が、それぞれ繰り返し単位を構成している。このようなエレメント55を図2に示すような円筒体45内に設けた場合、スラリーは、90°位相がずれた第1捩れ部54と第2捩れ部56によって、時計回りと反時計回りの旋回を繰り返す。これによって、スラリーが十分に混合される。なお、エレメント55は、スラリーが流通する流通孔を有していない。
各エレメント41,50,55は、金属又は合成樹脂等の粗材を切削加工して作製してもよいし、金属を溶接して作製してもよい。また、アルミナ等のセラミックスを用いて3Dプリンタで一体成形してもよい。
図1に戻り、混合部40で得られた混合スラリーは、吐出部60から吐出され、積層される。このようにして形成される積層体を硬化させることによって、硬化体を含む造形物80を得ることができる。吐出部60は例えばノズルであってよい。硬化体はセメント硬化体であってよい。吐出部60の位置は位置調整部70によって調整される。このため、種々の形状を有する造形物80を得ることができる。造形物80は、特に限定されず、例えば建築物及び構造物等が挙げられる。例えば、コンクリート二次製品、埋設型枠、公園又はキャンプ場等に設置される建物及びベンチ等が挙げられる。
混合部40は吐出部60とともに、混合スラリーの吐出位置を調整する位置調整部70によって移動可能であってよい。これによって、混合部40と吐出部60との間の距離を短くして、施工終了時に発生する混合スラリーのロスを十分に低減することができる。混合部40及び吐出部60を動かして混合スラリーの吐出位置を調整する位置調整部70は、例えばロボットアームであってよく、ガントリークレーンであってもよい。これによって、造形物80が大型であっても円滑に製造することができる。
上述の施工システムは、主材スラリーと硬化材スラリーとを混合部40で混合後、速やかに混合スラリーを吐出部60から吐出して造形物80を製造することができる。したがって、混合スラリーを長期間保存したり、混合スラリーの余剰が発生したりすることを抑制することができる。また、吐出部60から吐出される混合スラリーの混合状態の均一性が十分に高いため、ゴム硬度が高く、保形性に優れる吐出物及び積層体を得ることができる。したがって、寸法精度に優れる造形物80を製造することができる。
一実施形態に係る造形物の製造方法は、水硬性結合材及び水を含む主材スラリーを供給する第1供給工程と、水硬性結合材を硬化させる成分及び水を含む硬化材スラリーを供給する第2供給工程と、主材スラリーと、硬化材スラリーと、を合流させて混合し混合スラリーを得る混合工程と、混合スラリーを吐出して積層する積層工程と、混合スラリーの積層体を硬化させて造形物を得る硬化工程と、を有する。主材スラリー及び硬化材スラリーの成分は上述したとおりである。
上記製造方法は、図1に示す施工システムを用いて行ってもよいし、別の施工システムを用いて行ってもよい。図1に示す施工システムを用いる場合、第1供給工程及び第2供給工程は、第1供給部10及び第2供給部20で行うことができる。混合工程は、合流部30及び混合部40を用いて行うことができる。積層工程は吐出部60及び位置調整部70を用いて行うことができる。硬化工程では、吐出した吐出物を大気環境下で硬化させればよい。したがって、各工程は、上述の施工システムの説明内容に基づいて行うことができる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されない。例えば、混合部40は、スタティックミキサに限定されず、ダイナミックミキサであってもよい。また、同一種類のミキサを複数用いてもよいし、二種以上のミキサを組み合わせて用いてもよい。
本開示は以下の内容を含む。
[1]水硬性結合材及び水を含む主材スラリーを供給する第1供給部と、
前記水硬性結合材を硬化させる成分及び水を含む硬化材スラリーを供給する第2供給部と、
前記主材スラリーと、前記硬化材スラリーと、を合流させて混合し混合スラリーを得る混合部と、
前記混合スラリーを吐出する吐出部と、を備える、施工システム。
[2]前記混合部はスタティックミキサを有する、[1]に記載の施工システム。
[3]前記スタティックミキサは、円筒体と前記円筒体の内部に設けられるエレメントとを有し、
前記エレメントは、前記円筒体の中心軸方向に沿って同一形状を有する繰り返し単位が複数連なって構成され、
前記繰り返し単位は、前記主材スラリーと前記硬化材スラリーとを含むスラリーが流通する流通孔を有する、[2]に記載の施工システム。
[4]前記繰り返し単位は、前記流通孔を含む有孔部と、前記円筒体の直径方向に直交する主面を有し、前記中心軸方向に沿って流路を2つに区画するプレート部と、を含み、
前記有孔部における前記流通孔は、前記プレート部の端部よりも、前記円筒体の中心軸寄りに形成されている、[3]に記載の施工システム。
[5]互いに隣り合う前記繰り返し単位における前記プレート部の前記主面のそれぞれの向きは、前記円筒体の中心軸回りに90°ずれている、[4]に記載の施工システム。
[6]前記第1供給部及び前記第2供給部は無脈動ポンプを有する、[1]~[5]のいずれか一つに記載の施工システム。
[7]前記吐出部から吐出された前記混合スラリーを積層して造形物を作製する、[1]~[6]のいずれか一つに記載の施工システム。
[8]前記吐出部の位置を調整する位置調整部を有する、[1]~[7]のいずれか一つに記載の施工システム。
[9]水硬性結合材及び水を含む主材スラリーを供給する第1供給工程と、
前記水硬性結合材を硬化させる成分及び水を含む硬化材スラリーを供給する第2供給工程と、
前記主材スラリーと、前記硬化材スラリーと、を合流させて混合し混合スラリーを得る混合工程と、
前記混合スラリーを吐出して積層する積層工程と、
前記混合スラリーの積層体を硬化させて造形物を得る硬化工程と、を有する、造形物の製造方法。
[10]前記混合工程ではスタティックミキサを用いて前記混合スラリーを得る、[9]に記載の造形物の製造方法。
[11]前記硬化材スラリーがミョウバンと塩基性アルミニウム塩とを含み、
前記塩基性アルミニウム塩が、アルミニウムイオンと、2~6個の炭素原子を有するヒドロキシ酸イオンとを含む塩基性塩である、[9]又は[10]に記載の造形物の製造方法。
以下、本開示の内容を、実施例及び比較例を参照して以下に詳細に説明する。ただし、本開示は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1~5,比較例1,2)
以下の原材料を準備した。
<材料>
・セメント:早強ポルトランドセメント(UBE三菱セメント株式会社製)
・混和材1:高炉スラグ微粉末(高炉スラグ微粉末4000、ブレーン比表面積4670cm/g)
・混和材2:シリカフューム(EFACO(商品名)、巴工業株式会社製、BET比表面積:16.9m/g)
・減水剤1:ポリエーテル・ポリカルボン酸系高性能減水剤(MELFLUX 6681F(商品名)、BASFジャパン株式会社製)
・減水剤2:ポリカルボン酸系高性能減水剤(マイティ21P(商品名)、花王株式会社製)
・増粘剤:水溶性メチルセルロース系増粘剤(マーポローズ90MP-300T(商品名)、松本油脂株式会社製)
・遅延剤:グルコン酸ナトリウム(試薬)
・細骨材1:鹿島珪砂6号(高野商事株式会社製、平均粒子径:0.21mm)
・細骨材2:N70号(日瓢礦業株式会社製、平均粒子径:0.16mm)
・水:水道水
・急結剤:市販のカリミョウバン(平均粒子径:0.06mm)
・ゲル化剤:塩基性乳酸アルミニウム(タキセラムM-160P(商品名)、多木化学株式会社製)
・シリカ質粉末:シリカフューム(EFACO(商品名)、巴工業株式会社製、BET比表面積:16.9m/g)
・消泡剤:アデカネートB115F(商品名)、株式会社ADEKA製
表1中の粉体原料をあらかじめ乾式混合し、プレミックス粉を調製した。表1中の数値は質量(g)を示している。これに表1の量の水を加えてホバートミキサで30秒間低速で練り混ぜた後、撹拌を30秒間休止し、容器側面や底面に付着した粉体やペーストをかき落とした。休止後、中速で90秒間練り混ぜ、30分間静置した。静置後、再度中速で90秒間練り混ぜて主材スラリーを調製した。
表2中の粉体原料をあらかじめ乾式混合し、プレミックス粉を調製した。表2中の数値は質量(g)を示している。これに表2の量の水を加えてホバートミキサで30秒間低速で練り混ぜた後、撹拌を30秒間休止し、容器側面や底面に付着した粉体やペーストをかき落とした。休止後、高速で120秒間練り混ぜ、硬化材スラリーを調製した。
Figure 2024093922000002
Figure 2024093922000003
<混合スラリーの調製と吐出物の形成>
図1に示すような施工システムを準備した。第1送液ポンプ14及び第2送液ポンプ24として、市販の無脈動定量ポンプ(モーノポンプ(商品名)、兵神装備株式会社製)を用いた。混合部40として、表3に示す3種類の市販のスタティックミキサを準備した。
Figure 2024093922000004
CHは、概ね図2~図5と同様の構造を有していた。PRのエレメントは、概ね図6と同様の構造を有していた。NTのエレメントは、概ね図7と同様の構造を有していた。各エレメントに含まれる繰り返し単位の数は、表3に示すとおりであった。これらのスタティックミキサを用いて、各実施例の混合部を表4のとおり構成した。実施例1における「CH+CH」とは、表3の「CH」を2つ直列に接続したことを示している。実施例2における「NT+CH」は、表3の「NT」と「CH」を一つずつ直列に接続したことを示している。
表4に示す混合部を備える実施例1~5及び比較例1の各施工システムを用いて、混合部の下流側に取り付けられた吐出部(ノズル)から混合スラリーを吐出して吐出物を形成した。比較例1は混合部がなく、その代わりに筒状の配管を設けた。主材スラリーに対する硬化材スラリーの混合比は、体積基準で1/3とした。吐出部からの吐出量は2L/minで一定とした。各実施例及び比較例1で混合スラリーを吐出した直後の吐出物の外観は図8に示すとおりであった。図8中の(A)~(F)に対応する実施例番号及び比較例番号は表4に示すとおりである。吐出物の混合状態の均一性を以下の基準で評価した。評価結果は表4に示すとおりであった。吐出部から混合スラリーを吐出する際の混合部の上流における流路32の圧力(吐出圧)は表4に示すとおりであった。なお、圧力は主材スラリー、硬化材スラリーのポンプ直後の最大圧力を意味する。いずれの実施例、比較例においても、圧力が最大値を示すのは、主材スラリーのポンプ直後であった。
A:混合状態のばらつきがなく、外観が十分に均一であった。
B:混合状態のばらつきが殆どなく、外観がほぼ均一であった。
C:混合状態に少々ばらつきがあり、外観が不均一な部分があった。
D:全体的に十分に混合されておらず、材料が分離していた。
Figure 2024093922000005
実施例1~5では、スラリー同士を混合しながらも、吐出物を得る際の作業性に優れることが確認された。吐出物を観察すると、図8及び表4に示すとおり、比較例1では材料が分離していた。実施例4,5では、外観が不均一な部分が有り、その部分では十分にスラリー同士が混合されていなかった。実施例1~3では、スラリー同士が十分に混合されており、混合状態のばらつきは殆ど生じていなかった。表4に示す結果から、圧力が高い(混合部の圧力損失が大きい)方が、混合状態の均一性が向上することが確認された。ただし、ホース、送液ポンプといった施工システムを構成する部品の破損を抑制する観点から、圧力は高くなり過ぎないことが望まれる。また、一般的な送液ポンプでは、圧力損失が大きくなると、混合スラリーの吐出量が減少して作業効率が低下する傾向にある。このため、高い作業効率と良好な混合状態を両立する観点からは、実施例1及び実施例2が好適であると考えられる。実施例1,2では双方ともに混合状態の均一性の評価結果は「B」であったが、両者を対比すると、実施例1の方が、均一性が高かった。実施例1は実施例2よりも圧力(圧力損失)が小さいことから、実施例1の方が実施例2よりも作業効率を高くして且つ混合状態を良くすることができる。
各実施例及び比較例で上述のとおり形成した吐出物を1時間放置して外観の変化を確認した。図9(A)は1時間放置後の実施例4の吐出物であり、図9(B)は1時間放置後の実施例5の吐出物である。実施例5では吐出物がダレていることが確認された。これに対し、実施例4では吐出物のダレが発生してらず十分に形状が維持されていた。このことから、混合状態の均一性を向上する観点では、NTよりもCHの方が優位であることが確認された。
<圧力の評価>
表5に示す配合で主材スラリーを調製した。この主材スラリーのみを実施例1~5の混合部に導入して混合部の上流における圧力(送液ポンプの吐出圧)を測定した。吐出量と吐出圧の関係は、図10に示すとおりであった。この結果からも、実施例3の吐出圧が最も高くなることが確認された。
Figure 2024093922000006
<送液状態の検証>
表3に示すCHとマーキュリーサプライシステムス株式会社製のスタティックミキサ(型式:005-082、以下「MS」と称する。)に、表5の主材スラリーを導入して送液状態を目視で観察した。図11(A)がCHであり、図11(B)がMSである。図11(A)では主材スラリーの材料分離は観察されなかった。これに対し、図11(B)では、螺旋状に材料分離が生じた。これは、MSの螺旋状のエレメントと円筒体の内壁部との隙間(クリアランス)において水硬性結合材ペーストの先流れが生じたことが要因である。CHでは上流側の送液ポンプの吐出圧は0.25Maであったが、MSでは0.4MPaであった。このことから、MSよりもCHの方が混合状態の均一性に優れるうえ、スラリーの送液量も多くできることが確認された。
<ゴム硬度の評価>
実施例1~5の施工システムを用いて調製した混合スラリーを、それぞれφ125mm×H25mmのステンレス製シャーレに充填し、表面をスクレーパーで平らに均した。ラップで表面を覆って、デュロメーター「アスカーゴム硬度計F型」(高分子計器株式会社製)をゆっくりと置き、目盛を読み取った。非特許文献(前堀伸平ほか、材料押出方式の3Dプリンティングに適した無機系材料の開発、セメント・コンクリート、No.884,pp.9-15,2020年10月)に示されるように、静置状態のゴム硬度計の読み値と積層可能高さには一定の関係性が認められるため、ゴム硬度は積層性の指標となり得る。吐出してから5分間経過後と30分間経過後のゴム硬度計の読み値は表6に示すとおりであった。
<速硬性の評価>
JIS R 5201:2015の「セメントの物理試験方法」に準拠して、ビカー針装置を用いて、実施例1~5の吐出物の始発時間を測定した。結果は表6に示すとおりであった。始発時間とは、材料がダレなどの変形を生じず自立性が十分確保されるまでの時間を意味する。
<強度発現性の評価>
実施例1~5の施工システムを用いて調製した混合スラリーを、2層に分けて型枠に流し込み、各層を突き棒で10回突いた後表面を均して型詰めを行い、40mm×40mm×160mmの供試体を作製した。JIS R 5201:2015の「セメントの物理試験方法」に準拠して、各供試体の材齢1日及び7日の圧縮強度試験及び曲げ強さ試験を行った。型枠の脱型は材齢1日強度測定の直前に行い、その後は20℃、50RH%の条件下で気中養生を行った。結果は表6に示すとおりであった。
Figure 2024093922000007
表6中、スタティックミキサを用いた実施例1~5のうち、実施例1は最も高いゴム硬度を有していた。曲げ強度及び圧縮強度は実施例3が最も高く、実施例1及び実施例2も、比較的高い値であった。実施例1~5の施工システムはいずれも作業性に優れていた。
表6の比較例2は、スタティックミキサの代わりにホバートミキサを用いて、主材スラリーと硬化材スラリーを30秒間低速で練り混ぜ、撹拌を30秒間休止してかき落としを行った後、低速で60秒間練り混ぜて混合スラリーを調整したものである。この混合スラリーを用いたこと以外は、実施例1~5と同様にして上述の各評価を行った。比較例2の各評価結果は表6に示すとおりであったが、この施工システムは吐出部を有していないため、優れた作業性を実現することはできなかった。
10…第1供給部、12…第1収容部、14…第1送液ポンプ、20…第2供給部、22…第2収容部、24…第2送液ポンプ、30…合流部、32…流路、40…混合部、40A…スタティックミキサ、41,50,55…エレメント、42,50A,50B…繰り返し単位、42A,42C…プレート部、42B,42D…有孔部、43,43A…流通孔、45…円筒体、47A,47B…フランジ、50…エレメント、51A,51B,52A,52B…棒状部材、53…円筒状部材、54…第1捩れ部、56…第2捩れ部、60…吐出部、70…位置調整部、80…造形物、CL…中心軸、E…端部、MP,MP…主面、NB,NB,NB,NB,NV,NV,NV,NV…爪状部材。

Claims (11)

  1. 水硬性結合材及び水を含む主材スラリーを供給する第1供給部と、
    前記水硬性結合材を硬化させる成分及び水を含む硬化材スラリーを供給する第2供給部と、
    前記主材スラリーと、前記硬化材スラリーと、を合流させて混合し混合スラリーを得る混合部と、
    前記混合スラリーを吐出する吐出部と、を備える、施工システム。
  2. 前記混合部はスタティックミキサを有する、請求項1に記載の施工システム。
  3. 前記スタティックミキサは、円筒体と前記円筒体の内部に設けられるエレメントとを有し、
    前記エレメントは、前記円筒体の中心軸方向に沿って同一形状を有する繰り返し単位が複数連なって構成され、
    前記繰り返し単位は、前記主材スラリーと前記硬化材スラリーとを含むスラリーが流通する流通孔を有する、請求項2に記載の施工システム。
  4. 前記繰り返し単位は、前記流通孔を含む有孔部と、前記円筒体の直径方向に直交する主面を有し、前記中心軸方向に沿って流路を2つに区画するプレート部と、を含み、
    前記有孔部における前記流通孔は、前記プレート部の端部よりも、前記円筒体の中心軸寄りに形成されている、請求項3に記載の施工システム。
  5. 互いに隣り合う前記繰り返し単位における前記プレート部の前記主面のそれぞれの向きは、前記円筒体の中心軸回りに90°ずれている、請求項4に記載の施工システム。
  6. 前記第1供給部及び前記第2供給部は無脈動ポンプを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の施工システム。
  7. 前記吐出部から吐出された前記混合スラリーを積層して造形物を作製する、請求項1~5のいずれか一項に記載の施工システム。
  8. 前記吐出部の位置を調整する位置調整部を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の施工システム。
  9. 水硬性結合材及び水を含む主材スラリーを供給する第1供給工程と、
    前記水硬性結合材を硬化させる成分及び水を含む硬化材スラリーを供給する第2供給工程と、
    前記主材スラリーと、前記硬化材スラリーと、を合流させて混合し混合スラリーを得る混合工程と、
    前記混合スラリーを吐出して積層する積層工程と、
    前記混合スラリーの積層体を硬化させて造形物を得る硬化工程と、を有する、造形物の製造方法。
  10. 前記混合工程ではスタティックミキサを用いて前記混合スラリーを得る、請求項9に記載の造形物の製造方法。
  11. 前記硬化材スラリーがミョウバンと塩基性アルミニウム塩とを含み、
    前記塩基性アルミニウム塩が、アルミニウムイオンと、2~6個の炭素原子を有するヒドロキシ酸イオンとを含む塩基性塩である、請求項9又は10に記載の造形物の製造方法。
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