JP2024092216A - 燃料電池車両 - Google Patents

Abstract

【課題】燃料電池車両において、軽量で車体の構造強度を向上させる。【解決手段】車両１００であって、車両前後方向に延びる一対のサイドレール１１Ｌ、１１Ｒと、一対のサイドレール１１Ｌ、１１Ｒの下側で一対のサイドレール１１Ｌ、１１Ｒを車両幅方向に接続する下クロスメンバ３０と、下クロスメンバ３０の上に搭載された水素タンク２１、２２と、水素タンク２１、２２の上側で一対のサイドレール１１Ｌ、１１Ｒを車両幅方向に接続する上クロスメンバ５０と、を備える。【選択図】図４

Description

本発明は、燃料電池車両の構造に関する。

特許文献１には、燃料電池車両に水素タンクを保持する構造が開示されている。この構造は、車体の構造部材に四角い枠状のタンク搭載フレームを固定し、タンク搭載フレームから拘束バンドで水素タンクを吊り下げるものである。

特開２０２２－２９６２１号公報

特許文献１に記載された構造では、車体の構造部材の他にタンク搭載フレームを設ける必要があることから、車両の重量が増加してしまうという場合があった。また、水素タンクが吊り下げられるスペースに強度部材を配置していないので、車体の構造部材の強度を十分高くできない場合があった。

そこで、本発明は、燃料電池車両において、軽量で車体の構造強度を向上させることを目的とする。

本発明の燃料電池車両は、車両前後方向に延びる一対のサイドレールと、一対の前記サイドレールの下側で一対の前記サイドレールを車両幅方向に接続する下クロスメンバと、前記下クロスメンバの上に搭載された少なくとも１つの水素タンクと、前記水素タンクの上側で一対の前記サイドレールを車両幅方向に接続する上クロスメンバと、を備えること、を特徴とする。

本発明では、サイドレールを水素タンク支持構造に利用するので、特許文献１に記載の構造のように、車体の構造部材と別個にタンク搭載フレームを設ける場合よりも燃料電池車両の重量を軽くすることができる。また、上クロスメンバと下クロスメンバを設けることにより、車体フレームの剛性を向上させることができる。

本発明の燃料電池車両において、前記上クロスメンバと前記下クロスメンバは、車両前後方向の異なる位置に配置されてもよい。

これにより、車体フレームの剛性を向上させることができる。

本発明の燃料電池車両において、前記水素タンクは、円筒形状で、長手方向が車両前後方向となるように前記下クロスメンバの上に搭載され、前記上クロスメンバは、前記水素タンクの円筒形状に沿って上に凸に湾曲してもよい。

このように、上クロスメンバを水素タンクの円筒形状に沿って上に凸に湾曲させるので、車両の低床化を図りつつ、水素タンクの最低地上高さを高くすることができる。

本発明の燃料電池車両において、前記水素タンクは、円筒形状で、長手方向が車両前後方向となるように前記下クロスメンバの上に複数本並べて搭載され、前記上クロスメンバは、各前記水素タンクの車両幅方向の位置を規定するように、各前記水素タンクの円筒形状に沿って上に凸に湾曲してもよい。

これにより、簡便な構成で水素タンクの車両幅方向の位置を規定することができる。

本発明の燃料電池車両において、前記水素タンクは、円筒形状で、長手方向が車両前後方向となるように前記下クロスメンバの上に複数本並べて搭載され、前記下クロスメンバは、各前記サイドレールの車両幅方向外側の面に取り付けられて各前記サイドレールから下方向に向かって延びる各ブラケットと、各前記ブラケットの間を車両幅方向に接続するクロスレールと、を含み、各前記ブラケットの各下端と前記クロスレールの上面には、各前記水素タンクの車両幅方向の位置を規定するストッパがそれぞれ設けられてもよい。

これにより、水素タンクの車両幅方向の位置を規定することができる。

本発明は、燃料電池車両において、軽量で車体の構造強度を向上させることができる。

実施形態の燃料電池車両の側面図である。 実施形態の燃料電池車両のフレームと上クロスメンバと下クロスメンバを示す平面図であって、図1に示すＡ－Ａ視である。 実施形態の燃料電池車両のフレームと上クロスメンバと下クロスメンバと水素タンクとを示す側面図である。 実施形態の燃料電池車両のフレームと上クロスメンバと下クロスメンバと水素タンクとを前方から見た立面図であって、図２に示すＢ－Ｂ視である。 他の実施形態の燃料電池車両のフレームと上クロスメンバと下クロスメンバと水素タンクとを前方から見た立面図である。

以下、図面を参照しながら実施形態の車両１００について説明する。車両１００は、燃料電池２０によって走行する燃料電池車両である。尚、各図に示す矢印ＦＲ、矢印ＵＰ、矢印ＲＨは、車両１００の前側、上側、右側をそれぞれ示している。また、各矢印ＦＲ、ＵＰ、ＲＨの反対方向は、後側、下側、左側を示す。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両１００の前後方向の前後、左右方向の左右、上下方向の上下を示すものとする。

図１に示すように、車両１００は、フレーム１０の上にボデー１８が搭載されるフレーム車両である。フレーム１０の上には、車両１００のフロア１９が取り付けられている。車両１００には、燃料電池２０と、駆動用モータ２３と、２つの水素タンク２１、２２が搭載されている。また、フレーム１０には、下クロスメンバ３０、４０と、上クロスメンバ５０とが取り付けられている。水素タンク２１、２２は円筒形で、両端に半球の鏡板が取り付けられている。水素タンク２１、２２は長手方向が車両前後方向となるように車両１００に搭載されている。

図１、２に示すように、フレーム１０は、車両前後方向に延びる左サイドレール１１Ｌと、右サイドレール１１Ｒと、左右のサイドレール１１Ｌ、１１Ｒの間を車両幅方向に接続する第１クロスメンバ１２～第６クロスメンバ１７とで構成されている。フレーム１０は、はしご型の骨格部材である。左右のサイドレール１１Ｌ、１１Ｒは、車両幅方向内側が開放された溝形断面部材である。

フレーム１０の車両中央部に設けられた第３クロスメンバ１４と、第４クロスメンバ１５との間には、前方の下クロスメンバ３０と、後方の下クロスメンバ４０とが設けられている。以下、前方の下クロスメンバ３０の構成について説明する。

図２から図４に示すように、前方の下クロスメンバ３０は、ブラケット３３と、下クロスレール３９とで構成される。ブラケット３３は、左右のサイドレール１１Ｌ，１１Ｒの車両幅方向外側の面に取り付けられて左右のサイドレール１１Ｌ，１１Ｒから下方向に向かって延びる部材である。下クロスレール３９は、両側のブラケット３３の各下端の間を車両幅方向に接続する溝形断面の長手部材である。

図３、４に示すように、車両左側のブラケット３３は、上ブラケット３１と、下ブラケット３２とで構成されている。上ブラケット３１は、溝形部３１Ａと底板３１Ｂとで構成される閉断面部材である。上ブラケット３１は、ボルト３５とナット３８とで左右のサイドレール１１Ｌ、１１Ｒの車両幅方向外側の面に取り付けられている。

車両左側の下ブラケット３２は、外板３２Ａと、前板３２Ｂと、後板３２Ｃと、蓋板３２Ｄと、内板３２Ｅとで構成される、下ブラケット３２の前板３２Ｂと後板３２Ｃとはボルト３６で上ブラケット３１の下部に固定されている。前板３２Ｂの下部と後板３２Ｃの下部との間には、下クロスレール３９がボルト３７で固定されている。下クロスレール３９の上面には、水素タンク２１、２２が搭載されている。

前板３２Ｂと後板３２Ｃの下半部は、車両幅方向内側に突出しており、端部は下側に向かって傾斜している。傾斜部と突出部の上面には蓋板３２Ｄが取り付けられている。傾斜部に取り付けられた蓋板３２Ｄの上面は、左側の水素タンク２２の左斜め下を車両幅方向に保持する。

車両右側のブラケット３３は、車両左側のブラケット３３と左右対称である。同様に
、車両右側の上ブラケット３１、下ブラケット３２も、車両左側の上ブラケット３１、下ブラケット３２と左右対称である。

車両右側の下ブラケット３２の蓋板３２Ｄの上面は、右側の水素タンク２１の右斜め下を車両幅方向に保持する。

下クロスレール３９の中央には、タンク受け座３４が取り付けられている。タンク受け座３４は、台形の前板３４Ａと、台形の後板３４Ｂと、上板３４Ｅと、左傾斜板３４Ｃと、右傾斜板３４Ｄとで構成されている。左傾斜板３４Ｃの上面は、左側の水素タンク２２の右斜め下を車両幅方向に保持する。また、右傾斜板３４Ｄの上面は、右側の水素タンク２１の左斜め下を車両幅方向に保持する。

従って、車両左側の下ブラケット３２の下半部の蓋板３２Ｄと、車両右側の下ブラケット３２の下半部の蓋板３２Ｄと、タンク受け座３４とは、水素タンク２１、２２の車両幅方向の位置を規定するストッパを構成する。

後方の下クロスメンバ４０は、前方の下クロスメンバ３０と同様の構成である。図２に示すように、左右のサイドレール１１Ｌ、１１Ｒの第４クロスメンバ１５の前方車両幅方向内側には補強板１１Ｃが取り付けられている。後方の下クロスメンバ４０は、左右のサイドレール１１Ｌ、１１Ｒと各補強板１１Ｃにボルト３５Ａで固定されている点が前方の下クロスメンバ３０と異なるのみで、それ以外の構成は、先に説明した前方の下クロスメンバ３０と同一の構成である。

図２に示すように、上クロスメンバ５０は、前側の下クロスメンバ３０と、後ろ側の下クロスメンバ４０との間に配置されている。このように、上クロスメンバ５０は、下クロスメンバ３０、４０と車両前後方向の異なる位置に配置されている。

図２から図４に示すように、上クロスメンバ５０は、上クロスブラケット５１と、上クロスレール５２とで構成される。図４に示すように、上クロスブラケット５１は、Ｌ字断面部材で、フランジ５１Ａ、５１Ｂの両端が溝形の左右のサイドレール１１Ｌ、１１Ｒのフランジの間に取り付けられている。上クロスレール５２は、フランジ５１Ａに接続されている。上クロスレール５２は、丸パイプで構成されている。図４に示すように、上クロスレール５２は、フランジ５１Ａから車両幅方向斜め上方向に延びた後、水素タンク２１、２２の上端に沿って車両幅方向に延びる。このように、上クロスレール５２は、水素タンク２１、２２の円筒形状に沿って上に凸に湾曲している。そして、上クロスメンバ５０は、下クロスメンバ３０、４０と共に水素タンク２１、２２を上下から囲むように左右のサイドレール１１Ｌ、１１Ｒに接続されている。

以上、説明したように、車両１００では、下クロスレール３９は、ブラケット３３により左右のサイドレール１１、１１Ｒよりも低い位置に配置されている。また、上クロスレール５２が左右のサイドレール１１Ｌ、１１Ｒから上方向に湾曲して左右のサイドレール１１Ｌ、１１Ｒを接続している。これにより、フレーム１０のねじり強度を向上させることができる。また、左右のサイドレール１１Ｌ、１１Ｒを水素タンク２１、２２の支持構造に利用するので、特許文献１に記載の構造のように、車体の構造部材と別個にタンク搭載フレームを設ける場合よりも車両１００の重量を軽くすることができる。

また、車両１００では、上クロスレール５２が水素タンク２１、２２の円筒形状に沿って上に凸に湾曲している。これにより、車両１００の低床化を図りつつ、水素タンク２１、２２の最低地上高さを高くすることができる。

また、車両左側の下ブラケット３２の下半部の蓋板３２Ｄと、車両右側の下ブラケット３２の下半部の蓋板３２Ｄと、タンク受け座３４とが水素タンク２１、２２の車両幅方向の位置を規定するので、水素タンク２１、２２を車両幅方向に安定して保持することができる。

以上説明した車両１００は、２本の水素タンク２１、２２を搭載しているとして説明したが、１本の水素タンクを搭載するように構成してもよい。この場合、下クロスレール３９の上の水素タンクの両側の位置にそれぞれタンク受け座３４を設けるようにしてもよい。また、３本以上の複数本の水素タンクを搭載するようにしてもよい。この場合、下クロスレール３９の上の水素タンクの間の位置にそれぞれタンク受け座３４を設けるようにしてもよい。

次に図５を参照しながら、他の実施形態の車両２００について説明する。車両２００は、車両１００と同様、燃料電池２０を搭載する燃料電池車両である。先に図１から図４を参照して説明した車両１００と同一の部位には同一の符号を付して説明は省略する。

車両２００は、車両１００の上クロスメンバ５０を図５に示す上クロスメンバ６０としたものである。図５に示すように、上クロスメンバ６０は、上クロスレール６２と、上クロスブラケット５１とで構成されている。上クロスレール６２は、水素タンク２１、２２の車両幅方向の位置を規定するように、水素タンク２１、２２の円筒形状に沿って上に凸に湾曲する２つの湾曲部６３を有している。これにより、車両１００の低床化を図りつつ、水素タンク２１、２２の最低地上高さを高くすることができる。また、上クロスメンバ６０が車両左側の下ブラケット３２の下半部の蓋板３２Ｄと、車両右側の下ブラケット３２の下半部の蓋板３２Ｄと、タンク受け座３４と同様、水素タンク２１、２２の車両幅方向の位置を規定するので、水素タンク２１、２２を車両幅方向に安定して保持することができる。

以上説明した車両２００は、２本の水素タンク２１、２２を搭載しているとして説明したが、１本の水素タンクを搭載するように構成してもよい。この場合、上クロスレール６２は、１本の水素タンクの円筒形状に沿って上に凸に湾曲する１つの湾曲部６３を有する。また、３本以上の複数本の水素タンクを搭載するようにしてもよい。この場合、上クロスレール６２は、複数本の水素タンクの各円筒形状に沿って上に凸に湾曲する複数の湾曲部６３を有する。

１０ フレーム、１１Ｃ 補強板、１１Ｌ 左サイドレール、１１Ｒ 右サイドレール、１２～１７ 第１クロスメンバ～第６クロスメンバ、１８ ボデー、１９ フロア、２０ 燃料電池、２１、２２ 水素タンク、２３ 駆動用モータ、３０、４０ 下クロスメンバ、３１ 上ブラケット、３１Ａ 溝形部、３１Ｂ 底板、３２ 下ブラケット、３２Ａ 外板、３２Ｂ、３４Ａ 前板、３２Ｃ、３４Ｂ 後板、３２Ｄ 蓋板（ストッパ）、３２Ｅ 内板、３３ ブラケット、３４ タンク受け座（ストッパ）、３４Ｃ 左傾斜板、３４Ｄ 右傾斜板、３４Ｅ 上板、３５、３５Ａ、３６、３７ ボルト、３８ ナット、３９ 下クロスレール、５０、６０ 上クロスメンバ、５１ 上クロスブラケット、５１Ａ、５１Ｂ フランジ、５２、６２ 上クロスレール、６３ 湾曲部、１００、２００ 車両。

Claims (5)

1. 燃料電池車両であって、
   車両前後方向に延びる一対のサイドレールと、
   一対の前記サイドレールの下側で一対の前記サイドレールを車両幅方向に接続する下クロスメンバと、
   前記下クロスメンバの上に搭載された少なくとも１つの水素タンクと、
   前記水素タンクの上側で一対の前記サイドレールを車両幅方向に接続する上クロスメンバと、を備えること、
   を特徴とする燃料電池車両。
2. 請求項１に記載の燃料電池車両であって、
   前記上クロスメンバと前記下クロスメンバは、車両前後方向の異なる位置に配置されていること、
   を特徴とする燃料電池車両。
3. 請求項１又は２に記載の燃料電池車両であって、
   前記水素タンクは、円筒形状で、長手方向が車両前後方向となるように前記下クロスメンバの上に搭載され、
   前記上クロスメンバは、前記水素タンクの円筒形状に沿って上に凸に湾曲していること、
   を特徴とする燃料電池車両。
4. 請求項１又は２に記載の燃料電池車両であって、
   前記水素タンクは、円筒形状で、長手方向が車両前後方向となるように前記下クロスメンバの上に複数本並べて搭載され、
   前記上クロスメンバは、各前記水素タンクの車両幅方向の位置を規定するように、各前記水素タンクの円筒形状に沿って上に凸に湾曲していること、
   を特徴とする燃料電池車両。
5. 請求項１又は２に記載の燃料電池車両であって、
   前記水素タンクは、円筒形状で、長手方向が車両前後方向となるように前記下クロスメンバの上に複数本並べて搭載され、
   前記下クロスメンバは、
   各前記サイドレールの車両幅方向外側の面に取り付けられて各前記サイドレールから下方向に向かって延びる各ブラケットと、
   各前記ブラケットの間を車両幅方向に接続するクロスレールと、を含み、
   各前記ブラケットの各下端と前記クロスレールの上面には、各前記水素タンクの車両幅方向の位置を規定するストッパがそれぞれ設けられていること、
   を特徴とする燃料電池車両。