JP2024086141A - ダンパー、防振工具ホルダ - Google Patents

ダンパー、防振工具ホルダ Download PDF

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Abstract

Figure 2024086141000001
【課題】不具合の発生を抑制しつつ高圧のクーラントを流通させることができるダンパーを提供する。
【解決手段】筒状のケースと、筒状の錘と、筒状の支持体と、キャップと、を有するダンパー。キャップは、キャップ本体と、支持筒部と、キャップ貫通孔と、を有する。キャップ貫通孔には、支持体の軸方向一方側の端部が挿入されている。錘は、第1ザグリ部と、第2ザグリ部とを有する。錘は、第1バネ材を介してキャップに支持され、第2バネ材を介して支持体に支持される。中心軸を含む断面視において、第1バネ材は、前記キャップにおいて互いに異なる方向を向く2つの面に接する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ダンパーおよび防振工具ホルダに関する。
従来から、例えば特許文献1に開示されるように、工作機械における工具の振動を減衰するダンパーが知られている。特許文献1記載のダンパーは、軸方向に延びるパイプの外周に、ばね部材を介してダンパー本体が支持されている。ダンパーオイルは、支持体とダンパー本体との間に注入される。
特許第3145706号公報
ダンパーは、特許文献1にも記載されるように、筒状の筐体に収容されて使用される。このような使用形態において、ダンパーのパイプに高圧のクーラントを流通させると、パイプと筐体の接続部分からクーラントが漏出し、ダンパー本体と筐体との隙間にクーラントが溜まってしまう場合があった。ダンパー本体の外周面と筐体の内周面との間にクーラントが入り込むと、ダンパー本体の動きが阻害され、防振性能が低下してしまう不具合が発生する。
本発明は、不具合の発生を抑制しつつ高圧のクーラントを流通させることができるダンパーを提供することを目的の一つとする。
(1)本発明の一態様によれば、中心軸回りに回転可能であり、工作機械の主軸と切削工具との間に設置可能なダンパーが提供される。前記ダンパーは、軸方向に延びる筒状のケースと、前記ケース内に収容される筒状の錘と、前記錘の貫通孔に挿入され軸方向に延びる筒状の支持体と、前記ケースの軸方向一方側の端部に固定され前記支持体を支持するキャップと、を有する。前記キャップは、前記ケースの開口部に固定されるキャップ本体と、前記キャップ本体の軸方向他方側の面から軸方向他方側に突出する支持筒部と、前記キャップ本体と前記支持筒部とを軸方向に貫通するキャップ貫通孔と、を有する。前記キャップ貫通孔には、前記支持体の軸方向一方側の端部が挿入されている。前記錘は、前記貫通孔の軸方向一方側の開口部に位置する第1ザグリ部と、軸方向他方側の開口部に位置する第2ザグリ部とを有する。前記錘は、前記第1ザグリ部内に配置される第1バネ材を介して前記キャップに支持され、前記第2ザグリ部内に配置される第2バネ材を介して前記支持体に支持される。中心軸を含む断面視において、前記第1バネ材は、前記キャップにおいて互いに異なる方向を向く2つの面に接する。
(2)(1)において、前記第1バネ材は、前記支持筒部と前記キャップ本体とが接続される角部に位置する構成としてもよい。
(3)(1)または(2)において、前記第1バネ材は、前記支持筒部の軸方向他方側の端部よりも軸方向一方側に位置する構成としてもよい。
(4)(1)から(3)のいずれか1つにおいて、前記キャップは、前記キャップ本体の軸方向他方側を向く面から軸方向一方側へ凹むキャップ凹部を有し、前記錘の軸方向一方側の端部は、前記キャップ凹部内に挿入される構成としてもよい。
(5)本発明の一態様によれば、工作機械の主軸に取り付け可能なホルダ本体と、前記ホルダ本体に連結される(1)~(4)のいずれか1つに記載のダンパーと、を備える防振工具ホルダが提供される。
本発明の一態様によれば、ダンパー本体の外周面と筐体の内周面との間にクーラントが入り込みダンパー本体の動きが阻害され、防振性能が低下してしまう不具合の発生を抑制しつつ高圧のクーラントを流通させることができるダンパーが提供される。
図1は、第1実施形態のダンパーを備える防振工具ホルダの側面図である。 図2は、第1実施形態のダンパーの側面図である。 図3は、第1実施形態のダンパーの一部断面を含む側面図である。 図4は、第1実施形態の変形例を示すダンパーの部分断面図である。 図5は、第2実施形態のダンパーの一部断面を含む側面図である。 図6は、第2実施形態の変形例を示すダンパーの部分断面図である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のダンパー2を備える防振工具ホルダ1の側面図である。図2は、ダンパー2の側面図である。図3は、ダンパー2の一部断面を含む側面図である。この一部断面図は中心軸Oを含む平面で切断した断面を示す図であり、図4、5、6もまた全て中心軸Oを含む断面図である。
防振工具ホルダ1は、中心軸Oに沿って延びる。防振工具ホルダ1の一方の端部には切刃を有する切削工具8が取り付けられる。防振工具ホルダ1の他方の端部は、工作機械の回転駆動主軸に取り付けられる。本明細書では、防振工具ホルダ1の中心軸Oに沿う方向を軸方向、中心軸Oに直交する方向を径方向、中心軸Oを中心に周回する方向を周方向と言う。防振工具ホルダ1の切削工具8が取り付けられる側を先端側、防振工具ホルダ1の工作機械に取り付けられる側を後端側と言う。
切削工具8が取り付けられた防振工具ホルダ1は、回転駆動主軸の軸回りに回転させられることによって、切削工具8により被加工部材に対して切削加工を行う。
防振工具ホルダ1は、軸方向に沿って並ぶダンパー2とホルダ本体3とを備える。
2は、鋼材や超硬合金等の金属材料により形成されている。ダンパー2は、中心軸Oに沿って延びる円柱状である。図2に示すように、ダンパー2は、円柱状のケース21と、ケース21の先端側に固定されるキャップ22とを有する。
ケース21は、概略円筒状のケース本体21aと、ケース本体21aの後端面から後端側へ突出する装置側連結部21bとを有する。キャップ22は、ケース本体21aの先端側の開口部を塞ぐキャップ本体22aと、キャップ本体22aの先端面から先端側へ突出する工具側連結部22bとを有する。
ダンパー2の先端の工具側連結部22bに、フライス等の切削工具8が取り付けられる。切削工具8は、図1に示すように、ボディ8aと、ボディ8aにねじ止めされる複数の切削インサート7とを有する。工具側連結部22bと切削工具8との連結形態は、切削工具8の種類等に応じて選択可能である。工具側連結部22bと切削工具8との間に、他の中継部品を介在させてもよい。
ダンパー2の後端の装置側連結部21bは、図2に示すように、ケース本体21aの後端面から後端側へ延びる円柱状の接続部121と、接続部121の後端面から後端側へ延びる雄ねじ部122とを有する。接続部121は、後述するホルダ本体3先端の凹部に嵌合する。雄ねじ部122は、後述するホルダ本体3のねじ穴に螺合可能な円柱状の軸部である。
ホルダ本体3は、鋼材や超硬合金等の金属材料により形成されている。ホルダ本体3は、中心軸Oに沿って延びる。ホルダ本体3は、先端側に位置する円柱部3Aと、後端側にテーパー部3Bとを有する。
円柱部3Aは、円柱部3Aの先端面から軸方向へ凹む図示略の凹部と、この凹部の底面から後端側へ凹むねじ穴とを有する。円柱部3A先端の凹部には、ダンパー2の接続部121が嵌合される。凹部の奥に位置するねじ穴には、ダンパー2の雄ねじ部122が締め込まれる。ねじ穴の内径と雄ねじ部122の外径は、ホルダ本体3の円柱部3Aおよびダンパーの外径との比率によって適宜設定される。円柱部3Aは、本実施形態では断面積が一定の円柱形状で示しているが、テーパー部3B側からダンパー2側へ向かって細くなるようなテーパー形状としてもよい。
テーパー部3Bは、汎用の工作機械の回転駆動主軸に片持ち式で着脱可能に取り付けられる。テーパー部3Bは、基端側へ行くほど先細るテーパー形状の円錐部31と、円錐部31の底部に位置し、上記円柱部3Aに連結される一対の円板部32と、を有する。一対の円板部32は、中心軸Oと同軸の円板状であり、円柱部3A及び円錐部31の最大直径よりも大径である。
上述したように、ダンパー2とホルダ本体3は、ホルダ本体3先端のねじ穴に対してダンパー2の雄ねじ部122を螺合させることによって互いに接合される。本実施形態では、一例として、ホルダ本体3にねじ穴を設け、ダンパー2に雄ねじ部122を設けているが、この関係は逆転しても良い。ダンパーとホルダ本体3との固定方法として、ねじ止め以外の固定方法を用いてもよい。
ダンパー2は、図3に示すように、ケース21の内部に、切削時の振動を抑制する機構を有する。ダンパー2は、軸方向に延びる筒状のケース21と、ケース21内に収容される筒状の錘25と、錘25の貫通孔25aに挿入され軸方向に延びる筒状の支持体26と、ケース21の先端側(軸方向一方側)の端部に固定され支持体26を支持するキャップ22と、を有する。
ケース21は、ケース本体21aの先端側に開口して後端側へ凹む凹部21dを有する。ケース21は、凹部21dの底面に開口して後端側へ延びるケース貫通孔21eを有する。ケース貫通孔21eは、ケース21を軸方向に貫通し、ケース貫通孔21eの後端側は、装置側連結部21bの雄ねじ部122の後端面に開口する。ケース貫通孔21eは、中心軸Oを中心として軸方向に延びる。ケース貫通孔21eの内部には、支持体26を軸方向に固定する固定パイプ24が挿入されている。
支持体26は、中心軸Oを中心として軸方向に延びる筒状のシャフト部26aと、シャフト部26aの後端側(軸方向他方側)の端部から径方向に広がるフランジ部26bと、シャフト部26aとフランジ部26bとを軸方向に貫通する支持体貫通孔26cと、を有する。
フランジ部26bの外径は、ケース21の凹部21dの内径とほぼ一致する。フランジ部26bは、支持体26の後端側部分の径方向への移動を制限する。また、本実施形態の場合、フランジ部26bの先端側に隣接して、フランジ部26bよりも小径の小径フランジ部26dが形成されている。小径フランジ部26dは、中心軸Oを中心とする円板状である。
シャフト部26aは、小径フランジ部26dの先端側を向く面から先端側に向かって延びる。シャフト部26aの先端部の外周面に、雄ねじ部26eが形成されている。
キャップ22は、ケース21の開口部21cに固定されるキャップ本体22aと、キャップ本体22aの後端側(軸方向他方側)を向く面22cから軸方向他方側に突出する支持筒部22dと、キャップ本体22aと工具側連結部22bと支持筒部22dとを軸方向に貫通するキャップ貫通孔22eと、を有する。
キャップ本体22aは、ケース21の開口部21cに挿入される連結部123と、ケース21の外側に位置する蓋部124とを有する。連結部123の外径は、ケース21の凹部21dの内径とほぼ一致する。連結部123の外周面に雄ねじ部22hが形成されている。ケース21の凹部21dの内周面には雌ねじ部21fが形成されており、連結部123の雄ねじ部22hが凹部21dの雌ねじ部21fに締め込まれることで、キャップ22がケース21に固定される。蓋部124の外径は、ケース本体21aの外径にほぼ一致する。
支持筒部22dは、中心軸Oを中心とする円筒状である。支持筒部22dの外径は、キャップ本体22aの連結部123の外径よりも小さい。
キャップ貫通孔22eは、中心軸Oを中心として軸方向に延びる。キャップ貫通孔22eの内周面には、雌ねじ部22fが形成されている。雌ねじ部22fは、キャップ貫通孔22eの後端側部分には形成されていない。キャップ貫通孔22eのうち、支持筒部22dの内周面となる部位に、径方向外側へ凹む凹溝22gが形成されている。凹溝22g内にOリングなどからなるシール材29が配置される。
キャップ貫通孔22eには、キャップ22の後端側から、支持体26の先端側(軸方向一方側)の端部が挿入される。支持体26のシャフト部26a先端部の雄ねじ部26eが、キャップ貫通孔22e内の雌ねじ部22fにねじ込まれる。シャフト部26aの外周面のうち、雄ねじ部26eよりも後端側に位置する領域に、シール材29が接触する。シール材29は、シャフト部26aの外周面と、キャップ貫通孔22eの外周面との隙間を封止する。これにより、ケース21内の空間と、キャップ貫通孔22eとの間が封止される。
支持体26の支持体貫通孔26cの後端側の開口部には、ケース貫通孔21e内に配置された固定パイプ24の先端が押しつけられる。固定パイプ24は、支持体26を先端側に向かって押す状態でケース21に固定される。具体的には、ケース貫通孔21eの内部において、固定パイプ24の後端を貫通孔付きの止めねじなどで固定する。支持体26は、キャップ22と固定パイプ24とによって軸方向に固定される。
支持体26がケース21に固定された状態において、ケース貫通孔21eの内部空間は、固定パイプ24の内部空間に繋がっており、固定パイプ24の内部空間は、支持体26の支持体貫通孔26cの内部空間に繋がっている。さらに、支持体貫通孔26cの内部空間がキャップ貫通孔22eの内部空間に繋がっている。これにより、ダンパー2を軸方向に貫くクーラント流路が構成されている。
ダンパー2のクーラント流路は、後端側において、装置側連結部21bを介して連結されるホルダ本体3のクーラント流路と接続される。先端側において、ダンパー2のクーラント流路は、工具側連結部22bを介して連結される切削工具8のクーラント流路に接続される。これにより、防振工具ホルダ1において、ホルダ本体3の後端からクーラントを供給すると、供給されたクーラントは、ホルダ本体3からダンパー2を経由して切削工具8に供給され、切削インサート7の刃先に噴射される。
錘25は、軸方向に延びる円筒状であり、錘25を軸方向に貫通する貫通孔25aを有する。錘25は、例えばタングステンなどの重金属からなる。錘25は、支持体26のシャフト部26aを径方向外側から囲む。すなわち、支持体26は、錘25の貫通孔25aに挿入されている。
錘25は、貫通孔25aの先端側(軸方向一方側)の開口部に位置する第1ザグリ部25bと、貫通孔25aの後端側(軸方向他方側)の開口部に位置する第2ザグリ部25cとを有する。第1ザグリ部25bおよび第2ザグリ部25cは、それぞれ、貫通孔25aの両端の開口部を径方向に拡張する軸方向視で円形状の凹部である。第1ザグリ部25bの内周面および第2ザグリ部25cの内周面は、いずれも中心軸O回りの円筒面である。
錘25の先端側は、第1ザグリ部25b内に配置される第1バネ材27を介してキャップ22に支持される。第1バネ材27は、キャップ22の支持筒部22dとキャップ本体22aとが接続される角部に位置する。第1バネ材27は、第1ザグリ部25bの内周面および底面と、支持筒部22dの外周面と、キャップ本体22aの後端側を向く面22cとに接触する。
錘25の後端側は、第2ザグリ部25c内に配置される第2バネ材28を介して支持される。第2バネ材28は、支持体26の小径フランジ部26dとフランジ部26bとが隣接する角部に位置する。第2バネ材28は、第2ザグリ部25cの内周面および底面と、支持体26の小径フランジ部26dの外周面およびフランジ部26bの先端側を向く面とに接触する。
支持体26の外周面と錘25の貫通孔25aとの隙間23にダンパー液が封入される。ダンパー液が封入される空間の両端は、第1バネ材27および第2バネ材28により封止される。第1バネ材27および第2バネ材28は、錘25を支持する弾性体であり、かつダンパー液を封止するシール機能を有する部材である。また、キャップ貫通孔22eの内周面と、支持体26のシャフト部26aの外周面との隙間は、シール材29により封止される。これにより、支持筒部22dから後端側へクーラントが漏出した場合でも、クーラントが錘25の外周に達する可能性を低減できる。その結果、クーラント漏れによる防振性能の低下が生じにくくなる。
上記構成を備える本実施形態の防振工具ホルダ1では、切削工具8を用いた切削加工時に、ホルダ本体3からダンパー2を介して切削工具8にクーラントを供給できる。近年、切削温度の上昇を抑え、切削速度を高めるために、高圧クーラントを用いた切削が注目されている。しかし、従来のダンパーでは、内部に高圧のクーラントを流通させることが想定されていなかった。そのため、クーラントの圧力を高めると、防止機構内部の部品同士の隙間からクーラントが漏出する不具合が生じた。
これに対して、本実施形態のダンパー2では、支持体26とキャップ貫通孔22eとの隙間を封止するシール材29を、キャップ22に設けた。これにより、シャフト部26aの外周面を伝って後端側へ逆流するクーラントを、シール材29によって遮断することができる。これにより、クーラントがケース21内部空間に流入するのを抑制できる。錘25の周囲にクーラントが溜まると、錘25の運動が阻害され、防振機能を低下させるが、本実施形態では、このような動作不良の発生を抑制できる。
また本実施形態のダンパー2では、第1バネ材27が、キャップ22の後端側を向く面22cと、支持筒部22dの外周面の2面に接する位置に保持されている。すなわち、第1バネ材27は、キャップ22において互いに異なる方向を向く2つの面に接している。この構成によれば、仮にシール材29を通過してクーラントがケース21内に漏出したとしても、支持筒部22dの後端の開口部から漏れ出たクーラントが錘25の外周に達するには、支持筒部22dの外周面と、キャップ22の後端側を向く面22cとを経由して、錘25の外周面に回り込まねばならない。第1バネ材27とキャップ22との隙間は非常に狭く、また、錘25の外周までのクーラントの移動経路も長いため、漏れ出たクーラントが錘25の外周に到達しにくくなる。したがって、仮にクーラントの漏出が生じたとしても防振性能低下が生じにくい構造である。
本実施形態では、支持体26は、先端側(軸方向一方側)の端部に雄ねじ部26eを有し、雄ねじ部26eは、キャップ貫通孔22eの内周面に設けられる雌ねじ部22fに噛み合わされ、シール材29は、雌ねじ部22fよりも後端側(軸方向他方側)に配置される。この構成によれば、支持体26とキャップ22との軸方向の位置を、ねじによって容易に調整できる。シール材29をねじ部分よりも後端側に配置することで、支持体26の外周面と、キャップ貫通孔22eの内周面との距離が近い位置を封止できる。
本実施形態では、シール材29の先端側(軸方向一方側)の端部は、第1バネ材27の先端側(軸方向一方側)の端部よりも後端側(軸方向他方側)に位置する。この構成によれば、切削加工時の振動がシール材29に伝わりにくくなり、より安定にクーラントを封止できる。
本実施形態では、第1バネ材27は、支持筒部22dの後端側(軸方向他方側)の端部よりも先端側(軸方向一方側)に位置する。これにより、万が一、シール材29でクーラントが止められず、支持筒部22dから後端側へクーラントが漏出した場合でも、クーラントが錘25の外周に達するまでの距離を長くすることができる。クーラント漏れによる防振性能の低下が生じにくくなる。
本実施形態では、シール材29は、キャップ貫通孔22eの内周面に位置する凹溝22g内に配置される。支持体26とキャップ22との軸方向の相対位置が変わった場合でもシール材29の軸方向位置は動かないため、支持体26の位置によらず安定したシール性能を得やすい。
(第1実施形態の変形例)
図4は、第1実施形態の変形例を示すダンパー2の部分断面図である。
変形例のダンパー2は、シール材29の配置が第1実施形態と異なる。具体的に、図4に示す変形例のダンパー2では、支持体26のシャフト部26aの外周面に凹溝26gが設けられている。シール材29は、支持体26の凹溝26g内に配置される。シール材29は、支持体26のシャフト部26aがキャップ貫通孔22eにねじ込まれたときに、支持筒部22dの内周面と径方向に対向する位置に設けられる。
変形例のダンパー2では、シャフト部26aにシール材29が取り付けられているので、シャフト部26aの雄ねじ部26eを、キャップ貫通孔22eの雌ねじ部22fにねじ込む際に、シール材29と雌ねじ部22fとが接触しない。ねじ山との接触によるシール材29の破損を回避できる。シール材29によって安定にクーラントを封止できる。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態のダンパー2Aの一部断面を含む側面図である。
第2実施形態のダンパー2Aは、図1に示す防振工具ホルダ1に適用可能である。
第2実施形態の説明では、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略し、主として異なる点について説明する。
第2実施形態のダンパー2Aは、第1実施形態と異なる形状のキャップ22Aおよび錘25を備える。
キャップ22Aは、第1実施形態のキャップ22と同様に、キャップ本体22aと、工具側連結部22bと、支持筒部22dと、キャップ貫通孔22eと、を有しており、さらに、キャップ本体22aの後端側(軸方向他方側)を向く面22cから先端側(軸方向一方側)へ凹むキャップ凹部125を有する。
キャップ凹部125は、後端側から軸方向に見て円環状の溝である。キャップ凹部125の内周側の壁面は、支持筒部22dの外周面の一部である。すなわち、キャップ凹部125が形成されることにより、支持筒部22dが、第1実施形態と比べて軸方向に長く形成されている。
キャップ凹部125の外周側の壁面は、キャップ本体22aの連結部123の外周面よりも径方向内側に位置する。キャップ凹部125の底面は、中心軸Oに直交する方向に広がり、後端側を向く平坦面である。本実施形態の場合、連結部123の雄ねじ部22hは、キャップ凹部125の径方向外側に位置する。すなわち、本実施形態のキャップ本体22aは、後端側を向く面の外周部に、後端側に向かって突出する円筒状の外筒部126を有する。
第1バネ材27は、キャップ凹部125内に配置される。第1バネ材27は、支持筒部22dとキャップ本体22aとが接続される角部に位置する。錘25Aは、第1バネ材27を介してキャップ22Aに支持される。錘25Aは、第1ザグリ部25bにおいて第1バネ材27に接触する。錘25Aは、先端部25dの外径が、第1実施形態の錘25の先端部の外径よりも小さくなっている。錘25Aの先端部25dは、キャップ凹部125内に挿入される。錘25Aの先端部25dは、径方向において、支持筒部22dと、外筒部126との間に位置する。
上記構成を備える本実施形態のダンパー2Aによれば、第1実施形態のダンパー2と比較して,錘25Aの先端を、より先端側に配置することができる。これにより、錘25Aと、ダンパー2Aの先端部に連結される切削工具8との軸方向の距離を小さくすることができる。このような構成の第2実施形態のダンパー2Aでは、第1実施形態のダンパー2よりも優れた防振性能を得られることが、本発明者の検証により確認されている。
(第2実施形態の変形例)
図6は、第2実施形態の変形例を示すダンパー2Aの部分断面図である。
変形例のダンパー2Aは、シール材29の配置が第2実施形態と異なる。具体的に、図6に示す変形例のダンパー2Aでは、支持体26のシャフト部26aの外周面に凹溝26gが設けられている。シール材29は、支持体26の凹溝26g内に配置される。シール材29は、支持体26のシャフト部26aがキャップ貫通孔22eにねじ込まれたときに、支持筒部22dの内周面と径方向に対向する位置に設けられる。
変形例のダンパー2Aでは、シャフト部26aにシール材29が取り付けられているので、シャフト部26aの雄ねじ部26eを、キャップ貫通孔22eの雌ねじ部22fにねじ込む際に、シール材29と雌ねじ部22fとが接触しない。ねじ山との接触によるシール材29の破損を回避できる。シール材29によって安定にクーラントを封止できる。
1…防振工具ホルダ、2,2A…ダンパー、3…ホルダ本体、8…切削工具、21…ケース、21c…開口部、21f,22f…雌ねじ部、22,22A…キャップ、22a…キャップ本体、22c…キャップ本体の軸方向他方側を向く面、22d…支持筒部、22e…キャップ貫通孔、22g,26g…凹溝、22h,26e…雄ねじ部、23…隙間、25,25A…錘、25a…貫通孔、25b…第1ザグリ部、25c…第2ザグリ部、26…支持体、27…第1バネ材、28…第2バネ材、29…シール材、125…キャップ凹部、O…中心軸

Claims (5)

  1. 中心軸回りに回転可能であり、工作機械の主軸と切削工具との間に設置可能なダンパーであって、
    軸方向に延びる筒状のケースと、前記ケース内に収容される筒状の錘と、前記錘の貫通孔に挿入され軸方向に延びる筒状の支持体と、前記ケースの軸方向一方側の端部に固定され前記支持体を支持するキャップと、を有し、
    前記キャップは、前記ケースの開口部に固定されるキャップ本体と、前記キャップ本体の軸方向他方側の面から軸方向他方側に突出する支持筒部と、前記キャップ本体と前記支持筒部とを軸方向に貫通するキャップ貫通孔と、を有し、
    前記キャップ貫通孔には、前記支持体の軸方向一方側の端部が挿入されており、
    前記錘は、前記貫通孔の軸方向一方側の開口部に位置する第1ザグリ部と、軸方向他方側の開口部に位置する第2ザグリ部とを有し、
    前記錘は、前記第1ザグリ部内に配置される第1バネ材を介して前記キャップに支持され、前記第2ザグリ部内に配置される第2バネ材を介して前記支持体に支持され、
    中心軸を含む断面視において、前記第1バネ材は、前記キャップにおいて互いに異なる方向を向く2つの面に接する
    、ダンパー。
  2. 前記第1バネ材は、前記支持筒部と前記キャップ本体とが接続される角部に位置する、
    請求項1に記載のダンパー。
  3. 前記第1バネ材は、前記支持筒部の軸方向他方側の端部よりも軸方向一方側に位置する、請求項1または2に記載のダンパー。
  4. 前記キャップは、前記キャップ本体の軸方向他方側を向く面から軸方向一方側へ凹むキャップ凹部を有し、
    前記錘の軸方向一方側の端部は、前記キャップ凹部内に挿入される、
    請求項1または2に記載のダンパー。
  5. 工作機械の主軸に取り付け可能なホルダ本体と、
    前記ホルダ本体に連結される請求項1または2に記載のダンパーと、
    を備える、防振工具ホルダ。
JP2022201116A 2022-12-16 ダンパー、防振工具ホルダ Pending JP2024086141A (ja)

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