JP2024082405A - 活性エネルギー線硬化型コーティング剤、及び積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐擦傷性、耐スクラッチ性、耐薬品性、耐汚染性、及び耐候性を兼備した活性エネルギー線硬化型コーティング剤、及び該活性エネルギー線硬化型コーティング剤を用いた積層体の製造方法を提供する。【解決手段】活性エネルギー線硬化型化合物、及び無機微粒子を含む活性エネルギー線硬化型コーティング剤であって、(1)及び(2)を満たすことを特徴とする活性エネルギー線硬化型コーティング剤。(1)活性エネルギー線硬化型化合物が多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)を含有し、平均官能基数が2.5~4.5の範囲である。(2)無機微粒子として、シリカ(C)とシリカ以外の無機微粒子(D)とを、其々活性エネルギー線硬化型化合物全量に対して1~15質量%の範囲で含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型コーティング剤、及び該コーティング剤を用いた積層体の製造方法に関する。
建築内装材、あるいは建具の表面には、木目柄等の印刷を施した化粧シートが多く用いられている。この化粧シートの表層には保護や美装を目的としたコーティング剤が塗装されており、これらのコーティング剤には、擦れや引っ掻きによる傷付きを防ぐ「耐擦傷性、耐スクラッチ性」、薬品付着による劣化を防ぐ「耐薬品性」、各種汚染物質からの汚れを防ぐ「耐汚染性」、紫外線等による劣化を防ぐ「耐候性」が主として求められる。
一方で、ウレタンアクリレートと多官能モノマーを用いた硬化型樹脂層の膜厚が10~50μmである建材用化粧シート(例えば特許文献1参照)、タックフリー性を有する3官能以上のウレタンアクリレート樹脂と特定の光重合開始剤を用いたプラスチック基材向けコーティング用紫外線硬化型塗料組成物(例えば特許文献2参照)、4官能以上のウレタンアクリレート、3官能モノマー、無機微粒子及び光重合開始剤を用いた光硬化性トップコート樹脂組成物(例えば特許文献3参照)、ウレタンアクリレート、3官能以上のアクリレート、特定の光重合開始剤、及び溶媒を使用しない紫外線硬化型コート剤組成物(例えば特許文献4参照)、特定のアクリルアクリレートとシリカを含有する低光沢コーティング剤(例えば特許文献5参照)等が知られている。
しかし近年では、建築部材の更なる高耐久化が要求されており、耐擦傷性、耐スクラッチ性、耐薬品性、耐汚染性、耐候性全てを兼備した高機能なコーティング剤は得られていないのが現状である。
特許4723704号公報 特許6941747号公報 特開2022-55408号公報 特許6658184号公報 特許6637950号公報
本発明が解決しようとする課題は、耐擦傷性、耐スクラッチ性、耐薬品性、耐汚染性、及び耐候性を兼備した活性エネルギー線硬化型コーティング剤、及び該活性エネルギー線硬化型コーティング剤を用いた積層体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、特定の活性エネルギー線硬化型化合物、及び特定の無機微粒子を適量含む活性エネルギー線硬化型コーティング剤が前記課題を解決することを見出した。
即ち本発明は、活性エネルギー線硬化型化合物、及び無機微粒子を含む活性エネルギー線硬化型コーティング剤であって、(1)及び(2)を満たすことを特徴とする活性エネルギー線硬化型コーティング剤を提供する。
(1)活性エネルギー線硬化型化合物が多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)を含有し、平均官能基数が2.5~4.5の範囲である。
(2)無機微粒子として、シリカ(C)とシリカ以外の無機微粒子(D)とを、其々活性エネルギー線硬化型化合物全量に対して1~15質量%の範囲で含有する。
また本発明は、前記多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)が活性エネルギー線硬化型化合物全量の10~50質量%、前記多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)が活性エネルギー線硬化型化合物全量の50~90質量%含まれる活性エネルギー線硬化型コーティング剤を提供する。
また本発明は、前記多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)の一部、又は全部にグリセリン骨格を有する化合物を含む活性エネルギー線硬化型コーティング剤を提供する。
また本発明は、前記シリカを除く無機微粒子(D)がアルミノケイ酸塩である活性エネルギー線硬化型コーティング剤を提供する。
また本発明は、更に数平均分子量が10,000~80,000である繊維素系樹脂(E)を活性エネルギー線硬化型化合物全量に対し1~10質量%含有する活性エネルギー線硬化型コーティング剤を提供する。
また本発明は、基材上に、前記活性エネルギー線硬化型コーティング剤のコーティング膜を形成する工程(I)と、前記コーティング膜上に、活性エネルギー線照射する工程(II)とを、この順に有することを特徴とする積層体の製造方法を提供する。
本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤は、耐擦傷性、耐スクラッチ性、耐薬品性、耐汚染性、及び耐候性を兼備することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤は、活性エネルギー線硬化型化合物、及び無機微粒子を含有する活性エネルギー線硬化型コーティング剤であって、(1)及び(2)を満たすことを必須とする。
(1)活性エネルギー線硬化型化合物が多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)を含有し、平均官能基数が2.5~4.5の範囲である。
(2)無機微粒子として、シリカ(C)とシリカ以外の無機微粒子(D)とを、其々活性エネルギー線硬化型化合物全量に対して1~15質量%の範囲で含有する。
本発明において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの一方または両方をいう。
(活性エネルギー線硬化型化合物)
本発明で使用する活性エネルギー線硬化型化合物は、活性エネルギー線で硬化しうる(以後単に「活性エネルギー線硬化性」と称する場合がある)(メタ)アクリロイル基を有する化合物のことを指し、多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)と多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)を含有する。
(多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A))
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、イソシアネート基含有モノマーと水酸基含有モノマーとを縮合して得られるウレタン樹脂の末端を、アクリル基又はメタクリル基で修飾した樹脂であり、本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤に用いられるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、両末端をアクリル基又はメタクリル基で修飾した二官能以上の多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを必須とする。これにより耐久性のある活性エネルギー線硬化型コーティング剤が得られる。
前記多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の添加量としては、活性エネルギー線硬化型化合物全量の10~50質量%が好ましい。50質量%以下であれば極度な粘度上昇を抑制でき塗膜形成が容易となる。
(多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B))
前記多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が挙げられる。
なお本発明において「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基またはメタクリロイル基の一方または両方を指す。また「(メタ)アクリロイル基を有する化合物」を(メタ)アクリレートと称する場合もある。「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの一方または両方をいう。
((メタ)アクリロイル基を有する化合物)
本発明で使用する(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、特に限定はなく公知の活性エネルギー線硬化性化合物のなかでも2官能以上の多官能型を使用することができる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート、グリセリン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また更に、2官能以上の(メタ)アクリレートにあたるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物 (DPHAと略する場合がある)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTAと略する場合がある)、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドを付加して得たトリオールのトリ(メタ)アクリレートであるトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート等を使用してもよい。前記トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加体トリ(メタ)アクリレートとしては、代表的なものとしてトリメチロールプロパンエチレンオキサイド(以後エチレンオキサイドを「EO」と称する場合がある)変性(n≒3)トリアクリレートが挙げられる。
更に、(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、重合性オリゴマーでもよい。重合性オリゴマーとしては、アミン変性ポリエーテルアクリレート、アミン変性エポキシアクリレート、アミン変性脂肪族アクリレート、アミン変性ポリエステルアクリレート、アミノ(メタ)アクリレートなどのアミン変性アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオレフィン(メタ)アクリレート、ポリスチレン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)の添加量としては、活性エネルギー線硬化型化合物全量の50~90質量%が好ましい。多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)が50質量%以上であれば、残り前記多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)を添加する事ができ耐久性のある活性エネルギー線硬化型コーティング剤が得られる。
本発明で使用する活性エネルギー線硬化型化合物は、多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)と多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)を含有し、平均官能基数が2.5~4.5の範囲である事を必須とする。
(平均官能基数)
本発明において、平均官能基数とは、前記活性エネルギー線硬化性コーティング剤が含有する活性エネルギー線硬化型化合物である多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)、及びその他の(メタ)アクリロイル基含有化合物の重合性不飽和基数を数値化したものである。活性エネルギー線硬化型化合物を複数種類含有する場合は、各々を活性エネルギー線硬化型化合物(X1)~活性エネルギー線硬化型化合物(Xn)と表現する。この場合、平均官能基数は次の式(1)で表される。
Figure 2024082405000001


式(1)において、Fiは、活性エネルギー線硬化型化合物(X1)~活性エネルギー線硬化型化合物(Xn)の各々の重合性不飽和基数(活性エネルギー線硬化型化合物が(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば、重合性不飽和基は(メタ)アクリロイル基である。以後単に「官能基」と称する場合がある)であり、Miは、活性エネルギー線硬化型化合物(X1)~活性エネルギー線硬化型化合物(Xn)の各々の質量部であり、Mは、前記活性エネルギー線硬化性コーティング剤が含有する活性エネルギー線硬化型化合物(X1)~活性エネルギー線硬化型化合物(Xn)の質量部の和である。
多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)と多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)を含有する活性エネルギー線硬化型化合物の平均官能基数が2.5以上であれば耐薬品性が保持でき4.5以下であれば耐スクラッチ性が保持される傾向となる。
(グリセリン骨格を有するアクリレート)
また、本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤で使用する前記多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)は、その一部、又は全量がグリセリン骨格を有する化合物であってもよい。
グリセリン骨格を有するアクリレートとしては、(メタ)アクリロイル基を2~4個有する化合物である事が好ましく、(メタ)アクリロイル基を3、4個有する化合物であればより好ましい。
具体的には、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタアクリレート、エチレンオキサイド変性グリセリンジアクリレート、エチレンオキサイド変性グリセリンジメタアクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリンジアクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリンジメタアクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリントリメタアクリレート、エチレンオキサイド変性グリセリントリアクリレート、エチレンオキサイド変性グリセリントリメタアクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリントリメタアクリレート、ジグリセリンアクリレート、エチレンオキサイド変性ジグリセリンアクリレート、プロピレンオキサイド変性ジグリセリンアクリレートが挙げられる。
市販品としては、一般社団法人日本有機資源協会よりバイオマス度(製品に含まれるバイオマス原料の含有率(乾燥重量割合))が35%の認定を取得している東亜合成株式会社製 グリセリンジアクリレート「アロニックス M-920(植物原料の比率45%)」、グリセリントリアクリレート「アロニックス M-930(植物原料の比率37%)」が好ましい。前記植物原料の比率は、東亜合成グループ研究年報26TREND2020第23号の記載に基付けば、植物由来原料骨格の分子量÷全分子量×100によるものである。また、前記エチレンオキサイド変性ジグリセリンアクリレートとしては、東亜合成株式会社製「アロニックス M-460(植物原料の比率25%)」が挙げられる。
なかでも、グリセリントリアクリレート「アロニックス M-930」、エチレンオキサイド変性ジグリセリンアクリレート「アロニックス M-460」を添加する事で、活性エネルギー線硬化型コーティング剤の耐候性が保持される傾向となり好ましい。
また、これらは植物原料の比率が高く、二酸化炭素の環境排出を抑制するカーボンニュートラルな材料(バイオマス)としても好ましい。
更に本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤は、数平均分子量が10,000~80,000である繊維素系樹脂を、活性エネルギー線硬化型コーティング剤全質量に対し1~10質量%含有する事がより好ましい。
数平均分子量が10,000~80,000である繊維素系樹脂を1~10質量%含有することで、特に耐薬品性が向上する傾向となる。
更に、本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤の粘度調整の為に、(メタ)アクリル基含有化合物である単官能モノマーを使用してもよい。
前記単官能モノマーとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(繊維素系樹脂)
繊維素系樹脂としては、例えばセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートその他のセルロースエステル樹脂、ニトロセルロース(硝化綿ともいう)、ヒドロキシアルキルセルロース、およびカルボキシアルキルセルロース等が挙げられる。セルロースエステル樹脂はアルキル基を有することが好ましく、当該アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していてもよい。
セルロース系樹脂としては、上記のうちセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、およびニトロセルロースが好ましい。更に、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートであればより好ましい。
分子量としては数平均分子量で10,000~80,000のものが好ましく、20,000~40,000が更に好ましい。また、ガラス転移温度が120℃~180℃であるものが好ましい。前記多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、多官能型(メタ)アクリレートモノマーとの併用により耐薬品性が向上することが期待できる。また、多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、グリセリン骨格を有するアクリレートとの併用により耐候性、耐擦傷性、耐スクラッチ性が向上する傾向となる。
前記繊維素系樹脂は、活性エネルギー線硬化型コーティング剤全質量に対し1~10質量%含有する事が好ましく、バイオマス原料としても使用できる。
(光重合開始剤)
本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤は、通常光重合開始剤を使用するが電子線等の開始剤を必要としない硬化方法を選択する場合はその限りではない。使用する光重合開始剤としては、公知のものを使用すればよい。
中でもラジカル重合タイプの光重合開始剤が好ましく、活性エネルギー線硬化性化合物溶解時に溶解液の着色が無く、経時による黄変の少ないα-ヒドロキシアルキルケトン系光重合開始剤が挙げられる。α-ヒドロキシアルキルケトン系光重合開始剤としては例えば、1-フェニル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-i-プロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。更にフェニルグリオキソレート系光重合開始剤も好ましい。フェニルグリオキソレート系光重合開始剤としては例えばメチルベンゾイルフォルマート等を挙げることができる。中でも、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましい。
また、その他のラジカル重合タイプの光重合開始剤としては紫外線の中でも長波長領域に吸収波長を有するモノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を適宜、組合わせて使用してもよい。モノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては活性エネルギー線硬化性化合物への溶解時に着色するビスアシルフォスフィンオキサイド類は除き、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6-ジメトキシベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6-ジクロロベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-フェニルフォスフィン酸メチルエステル、2-メチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル等のモノアシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられ、特に、これらの中でも、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイドは、385nmや395nmに発光波長を有するUV-LEDの発光波長領域に合致するUV吸収波長を有することで、好適な硬化性が得られ、且つ、硬化皮膜の黄変が少ない点でより好ましい。
前記した光重合開始剤を用いる場合は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記光重合開始剤の総計の添加量は、活性エネルギー線硬化型コーティング剤全質量の0.01~15.0質量%の範囲であることが好ましい。0.01質量%以上であれば良好な硬化性が得られる。また、15.0質量%以下とする事で、コーティング剤としての流動性が長時間維持され、良好な加工性、作業性が担保できる。
更に、脂肪族アミン誘導体及び/又は安息香酸アミン誘導体から選ばれる3級アミン化合物を増感剤として添加することによって、硬化速度を速めることもできる。3級アミン化合物は、反応性を高め、酸素による反応阻害を阻止することで知られている。好適な3級アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの遊離アルキルアミン、2-エチルヘキシル-4-ジメチルアミノベンゾエート、エチル-4-ジメチルアミノベンゾエートなどの芳香族アミン、およびポリマー性不飽和アミン(例えば、(メタ)アクリレート化アミン類)などの活性エネルギー線重合性化合物は、低臭気性、低揮発性、および硬化によってポリマーマトリックス中に組み込むことができる能力によって黄ばみが抑制される性質があることから、好ましいとされる。
前記3級アミン化合物は、活性エネルギー線硬化型コーティング剤全質量の好ましくは、0.1~10質量%、より好ましくは、0.3~3質量%の量で用いる事ができる。
(無機微粒子)
本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤は無機微粒子として、シリカ(C)とシリカ以外の無機微粒子(D)とを含有することを必須とする。
(シリカ(C))
本発明で使用するシリカは、特に限定はなく公知のシリカを使用することができる。本発明において平均粒子径はレーザー回折法により測定した値とする。
シリカとして具体的には、非晶性シリカがより好ましい。前記非晶性シリカとしては、珪藻土、活性白土等が挙げられ、非晶性シリカの中でも合成非晶性シリカとしては乾式シリカ、湿式シリカ、シリカゲル等が使用できる。中でもケイ酸ソーダ水溶液の酸またはアルカリ金属塩による中和、分解反応によって製造された湿式シリカが好ましい。前記湿式シリカは表面処理されたものを使用することもできる。シリカ粒子を表面処理する方法は、特に制限は無く公知の方法であれば良い。ワックスやシランカップリング剤で表面処理されたものが挙げられる。湿式シリカは、前記表面処理されたものと表面処理されていないものとを複数混合して用いてもよい。
前記湿式シリカの平均粒子径としては平均粒子径1~15μmが好ましく、より好ましくは1.5~8μmである。平均粒子径が1μm以上であれば増粘が著しく上昇する事が抑制できコーティングに適した粘度が得られる。また、平均粒子径が15μm以下であればシリカが塗膜表層に配向する効果により充分なマット感が得られる。
シリカの含有率は、活性エネルギー線硬化型化合物全量の1~15質量%である事を必須とする。該含有率が1質量%以上15質量%以下であれば、コーティング剤として塗工可能な粘度、及び耐擦傷性、耐スクラッチ性を保持する傾向となる。
(シリカ以外の無機微粒子(D))
本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤では更にシリカ以外の無機微粒子(D)を併用する事を必須とする。前記無機微粒子としては具体的には、シリコーン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス、アルミノケイ酸塩等を挙げる事ができる。中でもアルミノケイ酸塩が耐擦傷性、耐スクラッチ性が向上する点で好ましい。
アルミノケイ酸塩をはじめとする無機微粒子(D)の含有率は、活性エネルギー線硬化型化合物全量の1~15質量%を必須とする。該含有率が1質量%以上15質量%以下であれば、コーティング剤として塗工可能な粘度、及び耐擦傷性、耐スクラッチ性を保持する傾向となる。
本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤は、必要に応じて有機溶剤を添加する事ができる。
(有機溶剤)
有機溶剤としては、使用する活性エネルギー線硬化型コーティング剤を溶解する溶剤であればいずれも使用できる。
例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n-ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル等、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類等が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤は、塗工性の観点から、後述の本発明のコーティング膜の製造方法において塗工可能な粘度に有機溶剤等を用いて調整しておくことが好ましい。粘度としては30~10000mPa・sに調整するのが好ましく、30~5000mPa・sであればより好ましい。
(その他の樹脂)
更に、必要に応じて公知のバインダー樹脂を併用することもできる。例えば、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル-ビニルイソブチルエーテル共重合樹脂、ロジン系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などを挙げることができる。
(添加剤)
その他本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤は、必要に応じて重合禁止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、ワックス、乾燥剤、増粘剤、垂れ止め剤、可塑剤、分散剤、沈降防止剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含有することが可能である。
特に耐候性を高める為に紫外線吸収剤や光安定剤が耐候添加剤として有用であり、紫外線吸収剤としてはヒドロキシフェニルトリアジン系のものが、光安定剤としてはヒンダードアミン系のものが好ましい。
紫外線吸収剤の添加量としては本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤全量の0.1~3質量%が、光安定性の添加量としては本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤全量の0.1~3質量%が好ましい。
(活性エネルギー線硬化型コーティング剤の製造)
本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤は、多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、多官能型(メタ)アクリレートモノマー、シリカ、シリカ以外の無機微粒子、繊維素系樹脂、光重合開始剤、耐候添加剤、有機溶剤、その他各種添加剤などを混合練肉・分散することにより製造することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
コーティング剤中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、塗工物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
(コーティング膜の形成方法)
本発明の本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤は、公知の塗布・印刷方式でコーティング膜を形成することができる。具体的な例としては、コーティング方法としては、たとえばロールコーター、グラビアコーター、グラビアオフセットコーター、フレキソコーター、エアドクターコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、トランスファロールコーター、キスコーター、カーテンコーター、キャストコーター、スプレイコーター、ダイコーター、オフセット印刷機、スクリーン印刷機等を適宜採用することができる。
前記形成方法で形成したコーティング膜は、使用するコーティング剤が有機溶剤を含有する場合は溶剤を乾燥炉等で乾燥させた後、活性エネルギー線で硬化させて硬化させたコーティング膜を得る事が出来る。
(基材)
本発明で使用する基材は特に限定なく使用できる。たとえば建材用の化粧シートであれば、化粧シートに使用する汎用の基材シートを基材として使用することができる。
基材シートとしては特に限定はなく、一般的な化粧シートに汎用の熱可塑性樹脂により形成されたシート(フィルム)や紙を使用する。
熱可塑性樹脂により形成されたシート(フィルム)としては、例えば、ポリエチレン、エチレン-αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、アイオノマー、アクリル酸エステル系重合体、メタアクリル酸エステル系重合体等が挙げられる。前記基材シートは、これら樹脂を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることにより形成されていてもよい。
前記基材シートは着色されていてもよく、また必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤が含まれていてもよい。また基材シートの厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般には20~300μmが好ましい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。例えば、コロナ放電処理を行う場合には、基材シート表面の表面張力が30dyne以上、好ましくは40dyne以上となるようにすればよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
また化粧シート向け紙基材を例に挙げれば、例えば、薄葉紙、普通紙、強化紙、樹脂含浸紙等の紙質シート、チタン紙、等が挙げられる。
また化粧板に汎用される木質化粧板等を基材としてもよい。木質化粧板の木質基材としては、従来から化粧板や家具、建築部材等の木質基材として使用されている合板、パーティクルボード、ハードボード、MDF等の公知のものが挙げられる。またこれらの公知基材はどのような製法で得られたものであるかは問わない。
更に、基材として使用できる不燃材としては、石膏ボード、石膏板、珪酸カルシウム板等を素材とした開孔ボード建材等、陶器、磁器、せっ器、土器、硝子、琺瑯などのセラミックス板、鉄板、亜鉛メッキ鋼板、ポリ塩化ビニルゾル塗布鋼板、アルミニウム板、銅板などの金属板を挙げることができる。
(工程(I))
使用目的に応じ前記基材から選ばれた基材上に、本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤を前記コーティング方式の何れかを用いてコーティング膜を形成する。
(工程(II))
次いで前記コーティング膜に活性エネルギー線照射する。前記活性エネルギー線としては、紫外線でも電子線でも構わない。
紫外線照射は公知の方法で行うことができる。例えば、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、紫外線発光ダイオード(UV-LED)、カーボンアーク、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、複写用高圧水銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線を照射する。
紫外線の積算光量は20~1000mJ/cmの範囲であることが、本発明の効果を最大限に発揮でき好ましい。なかでも積算光量が40~800mJ/cmの範囲であることがなお好ましい。
20mJ/cm以上であれば硬化効率がよく、1000mJ/cm以下であれば、発熱による基材の損傷などを防ぐ事も出来る。
一方、電子線を使用する場合は、電子線照射装置を使用する。照射量は、10~230kGy程度が好ましく、10~100kGy程度がより好ましい。電子線照射の場合の雰囲気下は、酸素濃度2%以下であることが好ましい。
このようにして得たコーティング膜の膜厚は、0.1~100μmの範囲であることが好ましく、0.5~50μmの範囲が最も好ましい。この膜厚の範囲であることで、本発明の効果を最大限に発揮できる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤を用いた積層体は、前述の化粧シート等建築材料用途のみならず、家具、車内装、楽器、事務用品、スポーツ用品、玩具等の表面塗装用途に幅広く展開され得る。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。尚、以下実施例中にある部、質量部とは、質量%を表す。
本発明におけるGPCによる数平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR-Nを4本使用。
カラム温度:40℃。
移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。
流速:1.0ml/分。
試料濃度:1.0重量%。
試料注入量:100マイクロリットル。
検出器:示差屈折計。
また、シリカ、ガラスビーズ、及びアルミノケイ酸の平均粒子径は日機装株式会社製ナノ粒子粒度分布測定器Nanotrac UPA EX-150を使って測定した。
(活性エネルギー線硬化型コーティング剤の調整)
〔実施例1〕
多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(平均アクリロイル基数:2、EBECRYL9270、ダイセル・オルネクス社製社製)を20質量部、多官能型(メタ)アクリレートモノマー(TPGDA、トリプロピレングリコールジアクリレート、2官能モノマー MIRAMER M-220 MIWON社製)を30質量部、多官能型(メタ)アクリレートモノマー(EO-TMPTA、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、3官能モノマー MIRAMER M-3130 MIWON社製)を50質量部、光重合開始剤1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「Omnirad 184」(IGM社製)5質量部、艶消し剤湿式シリカ「サイリシア350」(平均粒子径3.9μm、富士シリシア化学株式会社製)10質量部、ガラスビーズ(EBM-10、平均粒子径5μm ポッターズ社製)5質量部、耐候添加剤としてヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤1質量部、ヒンダードアミン系光安定剤2質量部、メチルエチルケトン15質量部、酢酸エチル15質量部の合計153質量部を攪拌機で1時間撹拌混合することで、活性エネルギー線硬化型コーティング剤(1)を作製した。
尚、活性エネルギー線硬化型コーティング剤(1)中の活性エネルギー線硬化型化合物の平均官能基数は2.5である。
〔実施例2~15、比較例1~7〕
表1~5に示す配合に従って、実施例1と同様の手順にて各活性エネルギー線硬化型コーティング剤を作製した。
<工程(I)によるコーティング膜の形成>
基材としてポリプロピレンフィルム(オカモト(株)社製)を用い、バーコーターを使用して前記実施例1~15、比較例1~7で作製した活性エネルギー線硬化型コーティング剤を膜厚10μmにて其々塗工した。
<工程(II)による紫外線照射>
次いで、空冷高圧水銀灯(出力120W/cm 1灯)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置(株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーション)を使用し、前記塗工物をコンベア上に載せ、大気下にてランプ直下(照射距離11cm)を分速25メートルの速度で通過させることによりコーティング膜を硬化させた。
紫外線照射量は紫外線積算光量計(株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーション製 工業用UVチェッカー UVR-N1)を用いて60mJ/cmである事を確認した。
〔評価方法〕
本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤、及び作製した積層体の評価方法を示す。
〔評価項目1:耐傷性〕
得られたコーティング膜の表面に、スチールウール(日本スチールウール株式会社製 「BON STAR No.0000」)を1500gの荷重をかけて10往復させ、コーティング膜への傷の入り方を4段階の基準を設け評価した。
(評価基準)
◎:傷が全く無く、変化が見られない。
〇:摩擦面の光沢に変化が生じるが、線状の傷は見られない。
△:線状の傷が摩擦面の50%未満の範囲に生じている。
×:線状の傷が摩擦面の50%以上の範囲に生じている。
〔評価項目2:耐スクラッチ性〕
木材合板にコーティング剤塗工フィルムを接着して試験片を作成し、ガードナー社製のスクラッチテスターを用いてホフマンスクラッチ試験を行った。
コーティング膜への傷付きが生じた時点での荷重を4段階評価した。
(評価基準)
◎:300グラム以上で傷付きが発生した。
〇:250グラムで傷付きが発生した。
△:200グラムで傷付きが発生した。
×:200グラム未満で傷付きが発生した。
〔評価項目3:耐薬品性〕
コーティング膜の表面にろ紙を置き、薬品を十分含ませ、時計皿で被覆して24時間静置した後に塗膜を観察した。薬品としては、石油ベンジン、ナフサ、ラッカーシンナーを用いた。
試験後、コーティング膜の状態を目視にて4段階評価した。
(評価基準)
◎:全ての薬品において変化が見られない。
○:1つの薬品について変化が生じた。
△:2つの薬品について変化が生じた。
×:全ての薬品について変化が生じた。
〔評価項目4:耐汚染性〕
汚染物質をコーティング膜表面に塗布し、24時間静置後、アルコールを含むウェスで表面を拭き取り汚染物の残存具合を目視にて観察した。汚染物質としては、青インク、靴墨、カレーを用いた。
試験後、コーティング膜の汚染状態を目視にて4段階評価した。
(評価基準)
◎:全ての汚染物質について残存は見られない。
○:1つの汚染物質について残存が見られた。
△:2つの汚染物質について残存が見られた。
×:全ての汚染物質について残存が見られた。
〔評価項目5:耐候性〕
岩崎電気製、促進耐候性試験機アイUVテスターSUV-W262(メタルハライドランプ)を用いメタルハライドランプ式耐候性試験を行った。試験条件は照射温度63℃、紫外線照度60mW/cmにて、照射20時間、結露4時間を繰り返すサイクルとした。
目視観察により、コーティング膜に変化が生じた時間を4段階評価した。
(評価基準)
◎:360時間以上変化が無かった。
○:240時間以上~360時間未満で変化が見られた。
△:120時間以上~240時間未満で変化が見られた。
×:120時間未満で変化が見られた。
各活性エネルギー線硬化型コーティング剤の組成、活性エネルギー線硬化型化合物の平均官能基数、及び作製した積層体の評価結果を表1~5に示す。
尚、表中の数値は、全て質量部、又は質量%であり。空欄は未配合であることを示す。
Figure 2024082405000002
Figure 2024082405000003
Figure 2024082405000004
Figure 2024082405000005
Figure 2024082405000006
表中の略語を下記に示す。
・EBCRYL 9270 多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、平均アクリロイル基数:2、ダイセル・オルネクス社製
・テスラック 2350 多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、平均アクリロイル基数:3、 日立化成株式会社製
・紫光 UV-7600B 多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、平均アクリロイル基数:6、 三菱ケミカル株式会社製
・MIRAMER M-142 単官能アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、 MIWON社製
・MIRAMER M-220 2官能アクリレートモノマー、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、MIWON社製
・MIRAMER M-3130 3官能アクリレートモノマー、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(EO変性TMPTA)、MIWON社製
・アロニックス M-930 3官能アクリレートモノマー、グリセリントリアクリレート、東亞合成株式会社製
・アロニックス M-460 4官能アクリレートモノマー、エチレンオキサイド変性グリセリントリアクリレート、東亞合成株式会社製
・MIRAMER M-600 6官能アクリレートモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、MIWON社製
・サイリシア350:艶消しシリカ(平均粒子径3.9μm)、富士シリシア化学株式会社製
・EMB-10: ガラスビーズ、平均粒子径5μm、 ポッターズ社製
・シルトン JC-50:アルミノケイ酸、平均粒子径5μm、 水澤化学工業株式会社製
・CAB-381-01:セルロースアセテートブチレート、EASTMAN CHEMICAL社製
・Omnirad184:光重合開始剤 1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、IGM Resins B.V.社製
本発明の活性エネルギー線硬化型コーティング剤は、耐擦傷性、耐スクラッチ性、耐薬品性、耐汚染性、及び耐候性を兼備した結果となった。

Claims (6)

  1. 活性エネルギー線硬化型化合物、及び無機微粒子を含む活性エネルギー線硬化型コーティング剤であって、(1)及び(2)を満たすことを特徴とする活性エネルギー線硬化型コーティング剤。
    (1)活性エネルギー線硬化型化合物が多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)を含有し、平均官能基数が2.5~4.5の範囲である。
    (2)無機微粒子として、シリカ(C)とシリカ以外の無機微粒子(D)とを、其々活性エネルギー線硬化型化合物全量に対して1~15質量%の範囲で含有する。
  2. 前記多官能型ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)が活性エネルギー線硬化型化合物全量の10~50質量%、前記多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)が活性エネルギー線硬化型化合物全量の50~90質量%含まれる請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型コーティング剤。
  3. 前記多官能型(メタ)アクリレートモノマー(B)の一部、又は全部にグリセリン骨格を有する化合物を含む請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型コーティング剤。
  4. 前記シリカを除く無機微粒子(D)がアルミノケイ酸塩である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型コーティング剤。
  5. 更に、数平均分子量が10,000~80,000である繊維素系樹脂(E)を活性エネルギー線硬化型化合物全量に対し1~10質量%含有する請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型コーティング剤。
  6. 基材上に、活性エネルギー線硬化型コーティング剤のコーティング膜を形成する工程(I)と、前記コーティング膜上に、活性エネルギー線照射する工程(II)とを、この順に有することを特徴とする積層体の製造方法であって、活性エネルギー線硬化型コーティング剤が、請求項1~5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型コーティング剤であることを特徴とする積層体の製造方法。
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