JP2024081577A - コラーゲン分解抑制剤、及び口腔用組成物 - Google Patents

コラーゲン分解抑制剤、及び口腔用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】コラゲナーゼによるコラーゲンの分解を好適に抑制する。
【解決手段】コラーゲン分解抑制剤は、α-リポ酸、ジヒドロリポ酸、トロロックス、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、ポリオキシエチレンアルキル(12~14)スルホコハク酸二ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、塩化デシルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、及び1-ヘキサデカンスルホン酸ナトリウムのうち少なくともいずれか一つを含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、コラーゲン分解抑制剤、及び口腔用組成物に関する。
特許文献1は、ビタミンB6、及びグリチルリチン酸ジカリウムを所定の質量比で含有する組成物について記載している。この組成物を用いることによって、コラーゲンを分解する酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼ(以下、MMPともいう。)の産生を抑制することを記載している。また、MMPは、コラゲナーゼとも呼ばれる。
特開2022-167656号公報
ところで、コラゲナーゼが過剰に産生されると、歯肉や歯の象牙質に含まれるコラーゲンが分解されやすくなって、歯周病や、象牙質のう蝕が進行しやすくなることが知られている。コラゲナーゼによるコラーゲンの分解を好適に抑制することが求められている。
上記課題を解決するためのコラーゲン分解抑制剤は、α-リポ酸、ジヒドロリポ酸、トロロックス、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、ポリオキシエチレンアルキル(12~14)スルホコハク酸二ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、塩化デシルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、及び1-ヘキサデカンスルホン酸ナトリウムのうち少なくともいずれか一つを含有することを要旨とする。
上記コラーゲン分解抑制剤において、歯の象牙質に含まれるコラーゲンの分解を抑制することが好ましい。
上記課題を解決するための口腔用組成物は、α-リポ酸、ジヒドロリポ酸、トロロックス、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、ポリオキシエチレンアルキル(12~14)スルホコハク酸二ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、塩化デシルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、及び1-ヘキサデカンスルホン酸ナトリウムのうち少なくともいずれか一つを含有し、コラーゲン分解抑制用であることを要旨とする。
本発明のコラーゲン分解抑制剤、及び口腔用組成物によると、コラゲナーゼによるコラーゲンの分解を好適に抑制することができる。
本発明に係るコラーゲン分解抑制剤、及び口腔用組成物を具体化した実施形態について説明する。
なお、コラーゲン分解抑制剤、及び口腔用組成物は同様の成分を含有しているため、以下では、コラーゲン分解抑制剤について説明する。
なお、本発明において、口腔用組成物とは、主として口腔内で使用することを目的とするものを意味するものとする。使用後は口腔内から排出される口腔用製剤だけでなく、摂取可能な飲食品も含むものとする。コラーゲン分解抑制剤は、口腔内で使用することを目的とするものに限定されない。
コラーゲン分解抑制剤は、α-リポ酸、ジヒドロリポ酸、トロロックス、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、ポリオキシエチレンアルキル(12~14)スルホコハク酸二ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、塩化デシルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、及び1-ヘキサデカンスルホン酸ナトリウムのうち少なくともいずれか一つを含有する。
コラーゲン分解抑制剤が、上記成分のうち少なくともいずれか一つを含有することによって、一種類の成分であってもコラーゲンの分解を好適に抑制することができる。
以下、コラーゲン分解抑制剤を構成する各成分について説明する。
<各成分>
α-リポ酸は、カプリル酸ともいうオクタン酸の6位と8位の炭素がジスルフィド結合によって環状に繋がれた構造を有している。α-リポ酸は、チオクト酸とも呼ばれる。α-リポ酸は、(R)-α-リポ酸と、(S)-α-リポ酸の2種類が存在しており、いずれであってもよい。α-リポ酸としては、特に制限されず、公知のα-リポ酸を用いることができる。
ジヒドロリポ酸は、リポ酸の還元体である。ジヒドロリポ酸は、カプリル酸ともいうオクタン酸の6位と8位にそれぞれチオールが置換した構造を有している。ジヒドロリポ酸としては、特に制限されず、公知のジヒドロリポ酸を用いることができる。
トロロックスは、ビタミンEの誘導体であり、2,5,7,8-テトラメチル-6-ヒドロキシクロマン-2-カルボン酸とも呼ばれる。トロロックスとしては、特に制限されず、公知のトロロックスを用いることができる。
ラウリル硫酸ナトリウム及びテトラデシル硫酸ナトリウムは、硫酸エステル型のアニオン性界面活性剤の一種である。
塩化ベンザルコニウムは、カチオン性界面活性剤の一種である。
塩化デシルピリジニウム及び塩化セチルピリジニウムは、ピリジン環を有する4級アンモニウム化合物である。
テトラデセンスルホン酸ナトリウム及び1-ヘキサデカンスルホン酸ナトリウムは、スルホン酸型のアニオン性界面活性剤の一種である。
ポリオキシエチレンアルキル(12~14)スルホコハク酸二ナトリウムは、スルホコハク酸型のアニオン性界面活性剤の一種である。
コラーゲン分解抑制剤は、上記成分のうちいずれか一つのみを含有してもよいし、二つ以上を適宜組み合わせて含有してもよい。
コラーゲン分解抑制剤中の上記の各成分の含有量は特に制限されない。α-リポ酸、ジヒドロリポ酸、トロロックス、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル(12~14)スルホコハク酸二ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、及び1-ヘキサデカンスルホン酸ナトリウムの含有量は、例えば0.1質量%以上5質量%以下である。以下では、コラーゲン分解抑制剤における各成分の含有量について「質量%」を「%」に省略して表記する。これらの各成分の含有量の上限値は、4%であることが好ましく、より好ましくは2%である。これらの各成分の含有量の下限値は、0.5%であることが好ましく、より好ましくは1%である。当該範囲の上限値又は下限値は、例えば0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、又は4.5%であってもよい。
塩化ベンザルコニウム、塩化デシルピリジニウム、及び塩化セチルピリジニウムの含有量は、例えば0.005%以上1%以下である。これらの各成分の含有量の上限値は、0.75%であることが好ましく、より好ましくは0.5%である。これらの各成分の含有量の下限値は、0.01%であることが好ましく、より好ましくは0.02%である。当該範囲の上限値又は下限値は、例えば0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、又は1.0%であってもよい。
なお、コラーゲン分解抑制剤が、上記の各成分のうち二つ以上を含有する場合は、合計の含有量が上記数値範囲内であることが好ましい。
<その他成分>
コラーゲン分解抑制剤は、適用目的、形態、用途等に応じて、前述した成分以外のその他成分、例えば、薬効成分、界面活性剤、研磨剤、湿潤剤、増粘剤、安定化剤、防腐剤、甘味剤、pH調整剤、酸化防止剤、香料、着色剤等を配合してもよい。これら各成分は、コラーゲン分解抑制剤に配合される公知のものを使用することができる。これらの成分は、それぞれ一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
薬効成分としては、例えば殺菌剤、血行促進剤、抗炎症剤、出血改善剤、組織修復剤、再石灰化剤、知覚過敏抑制剤等が挙げられる。
薬効成分の具体例としては、例えば殺菌剤として、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン等のカチオン性殺菌剤、ドデシルジアミノエチルグリシン等の両性殺菌剤、トリクロサン(2’,4,4’-トリクロロ-2-ヒドロキシ-ジフェニルエーテル)等のハロゲン化ジフェニルエーテルや、イソプロピルメチルフェノール等のフェノール系殺菌剤、ヒノキチオールが挙げられる。
血行促進剤として、酢酸dl-α-トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテックエンザイム)等の酵素が挙げられる。
抗炎症剤として、イプシロンアミノカプロン酸、グリチルリチン酸ジカリウム等が挙げられる。
出血改善剤として、トラネキサム酸、アスコルビン酸等が挙げられる。
組織修復剤として、アラントイン等が挙げられる。
再石灰化剤として、フッ化ナトリウム等のフッ素化合物が挙げられる。
知覚過敏抑制剤としては、硝酸塩(硝酸カリウム)、乳酸アルミニウム、ハイドロキシアパタイト、フッ化スズ、アルギニン等が挙げられる。
その他、水溶性溶媒で抽出された植物抽出物、クロロフィル、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、硝酸カリウム等が挙げられる。
界面活性剤の具体例としては、例えば非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
(非イオン性界面活性剤)
非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、ステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、ラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート20ともいう。)、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート60ともいう。)、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート80ともいう。)等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ラウリルグリコシド、デシルグリコシド等のアルキルグリコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(酸化エチレンの平均付加モル数が10、20、40、60のもの)、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。
(アニオン性界面活性剤)
アニオン性界面活性剤の具体例としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム等のアシルアミノ酸塩、ココイルメチルタウリンナトリウム等が挙げられる。
(カチオン性界面活性剤)
カチオン性界面活性剤の具体例としては、例えばココイルアルギニンエチルPCA、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモウニム等の第4級アルキルアンモニウム塩、グルコン酸クロルヘキシジン等が挙げられる。
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤の具体例としては、例えばN-ラウリルジアミノエチルグリシン、N-ミリスチルジエチルグリシン等のアミノ酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、N-アルキル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩、及び2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のベタイン系両性界面活性剤等が挙げられる。
研磨剤の具体例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、酸化チタン、非晶質シリカ、結晶質シリカ、研磨性シリカ、増粘性シリカ、アルミノシリケート、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、レジン等が挙げられる。上記シリカは、無水ケイ酸とも呼ばれる。
湿潤剤の具体例としては、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、水、アルコール等が挙げられる。
増粘剤の具体例としては、例えばポリアクリル酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル等が挙げられる。増粘剤は、粘結剤ともいう。
安定化剤の具体例としては、例えばエデト酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、乳酸カルシウム、ラノリン、トリアセチン、ヒマシ油、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
防腐剤の具体例としては、例えば1,2-ジブロモ-2、4-ジシアノブタン、感光素、イソチアゾロン誘導体、ヒダントイン誘導体、パラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノール等が挙げられる。
甘味剤の具体例としては、例えばサッカリン、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、ステビア抽出物、パラチノース、パラチニット、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトール等が挙げられる。
pH調整剤の具体例としては、例えばクエン酸、リン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、酒石酸、グリセロリン酸、酢酸、硝酸、又はこれらの化学的に可能な塩、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
酸化防止剤の具体例としては、例えばトコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
香料は、天然香料や合成香料であってもよい。また、単品香料や調合香料であってもよい。
香料の具体例としては、例えばl-メントール、d-カルボン、アネトール、オイゲノール、サリチル酸メチル、リモネン、オシメン、n-デシルアルコール、シトロネロール、α-テルピネオール、メチルアセテート、シトロネリルアセテート、メチルオイゲノール、シネオール、リナロール、エチルリナロール、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、ピメント油、d-カンフル、d-ボルネオール、ウイキョウ油、ケイヒ油、シンナムアルデヒド、ハッカ油、バニリン等が挙げられる。
着色剤の具体例としては、例えば緑色1号、緑色3号、青色1号、黄色4号、黄色5号、赤色102号、赤色3号等の法定色素、銅クロロフィンナトリウム、酸化チタン等が挙げられる。
<コラーゲン分解抑制剤の適用形態、剤形、用途>
コラーゲン分解抑制剤の適用形態は、特に限定されず、例えば医薬品、指定医薬部外品、化粧品として使用することができる。
コラーゲン分解抑制剤の剤形は、特に制限されず、例えば水、アルコール等の溶媒を含有することにより、軟膏剤、ペースト剤、パスタ剤、スプレー剤、ジェル剤、液剤、懸濁剤、ガム剤等に適用することができる。
溶媒として用いられる水の種類は特に限定されず、たとえば蒸留水、純水、超純水、精製水、水道水等を用いることができる。溶媒として用いられるアルコールの種類は特に限定されず、例えばエタノールを用いることができる。水とアルコールを混合して用いることもできる。
コラーゲン分解抑制剤の用途としては、歯の象牙質に含まれるコラーゲンの分解抑制用(コラーゲン分解抑制用)に用いることができる。また、歯肉に含まれるコラーゲンの分解抑制用(コラーゲン分解抑制用)に用いることもできる。また、具体的な用途として、例えば舌部を含めた口腔内塗布剤、歯肉抗炎症剤、歯周病治療剤、義歯装着剤、インプラントケア剤、歯磨剤、洗口剤等に用いることもできる。歯磨剤としては、例えば練歯磨剤、粉歯磨剤、液体歯磨剤、潤性歯磨剤等に用いることができる。
<作用及び効果>
本実施形態のコラーゲン分解抑制剤の作用及び効果について説明する。
(1)α-リポ酸、ジヒドロリポ酸、トロロックス、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、ポリオキシエチレンアルキル(12~14)スルホコハク酸二ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、塩化デシルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、及び1-ヘキサデカンスルホン酸ナトリウムのうち少なくともいずれか一つを含有する。したがって、コラゲナーゼによるコラーゲンの分解を好適に抑制することができる。また、コラーゲンの分解を好適に抑制することによって、歯周病や、象牙質のう蝕の進行を好適に抑制することが可能になる。
(2)歯の象牙質に含まれるコラーゲンの分解を抑制するコラーゲン分解抑制剤である。歯の象牙質に含まれるコラーゲンが分解されることによって生じる歯の損耗や破折を好適に抑制することができる。
以下、本発明の構成、及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。
<試験例1>
表1に示す実施例1~3、比較例1~4のコラーゲン分解抑制剤を常法に従って製造した。具体的には、表1に示す成分の濃度が1質量%となるように水に溶解して、コラーゲン分解抑制剤としての水溶液を作製した。なお、比較例4は、水のみを用いた。
(評価試験)
実施例1~3、及び比較例1~4のコラーゲン分解抑制剤について、コラーゲン分解抑制能を評価した。評価方法、及び評価結果について以下に示す。
(コラーゲン分解抑制能の評価方法)
以下の手順で、象牙質ブロックの作製、及びコラーゲン分解試験を行った。
(象牙質ブロックの作製)
まず、牛抜去歯を用意した。牛抜去歯の象牙質部分に対して、マイクロカッターを用いて、約5mm×約5mmの四角形状で、厚さ約6mmの歯片を切り出した。
この歯片を、ポリメチルメタクリレート樹脂(以下、PMMAともいう。)に埋没させた。耐水研磨紙を用いて象牙質ブロックの表面を研磨し、象牙質部分の表面出しを行った。具体的には、上記約5mm×約5mmの四角形状部分が露出するように表面出しを行った。以上の手順によって、PMMAに歯片が埋設した象牙質ブロックを作製した。
(コラーゲン分解試験)
表面出しを行った象牙質部分の表面のうち、約半分の表面(以下、基準面ともいう。)に市販のマニキュアを塗布して基準面を被覆した。
次に、象牙質ブロックを0.87Mのクエン酸溶液25mL中に室温5時間浸漬して、脱灰処理を行った。脱灰処理を行うことによって、象牙質部分におけるマニキュアで被覆されていない表面(以下、処理面ともいう。)において、象牙質部分に含まれるミネラル成分を除去した。ミネラル成分を除去することによって、象牙質部分に含まれるコラーゲンを露出させた。
次に、市販のコラゲナーゼとして、Collagenase, Type 1 (Worthington社製)と、人工唾液を用意した。コラゲナーゼの濃度が約200U/mLとなるように、コラゲナーゼを人工唾液に溶解させて、コラゲナーゼ溶液を作製した。なお、人工唾液の組成は、塩化カルシウム(CaCl):1.5mM、リン酸水素カリウム(KHPO):0.9mM、塩化カリウム(KCl):130nM、HEPES:20mMであり、pH7.0に調整した。
実施例1~3、及び比較例1~4のコラーゲン分解抑制剤と、コラゲナーゼ溶液とを、体積比で1:1となるように混合して、試験溶液を調製した。調製した試験溶液のpHが酸性の場合、1M水酸化ナトリウム水溶液を用いて試験溶液のpHが7付近になるように調整した。
各試験溶液の温度を37℃に保持した状態で、各試験溶液2mLに、象牙質ブロックを浸漬させた。浸漬は24時間行った。浸漬後、アセトンを用いて象牙質部分の基準面を被覆するマニキュアを除去した。
象牙質部分の処理面は、コラゲナーゼによってコラーゲンが分解されやすい。コラーゲンが分解されると、処理面における象牙質部分の厚さが、基準面における象牙質部分の厚さよりも小さくなる。公知のレーザー顕微鏡を用いて基準面と処理面の高さ変化を測定し、この高さ変化を分解深度とした。分解深度について、以下の基準で評価した。なお、分解深度の値が小さいほど、コラーゲンの分解が抑制されていることを意味しており、コラーゲン分解抑制能が優れていることを意味する。
・分解深度の評価基準
◎◎(特に優れる):分解深度が60μm以下である場合
◎(優れる):分解深度が60μmを超えて、80μm以下である場合
○(良好):分解深度が80μmを超えて、100μm以下である場合
△(可):分解深度が100μmを超えて、200μm以下である場合
×(不可):分解深度が200μmを超える場合
(評価結果)
表1より、比較例1~4は、いずれも分解深度が200μmを超えていた。これに対し、実施例1~3は、いずれも分解深度が100μm以下であった。特に実施例3は、分解深度が60μm以下であり、コラーゲン分解抑制能が優れることが確認された。
<試験例2>
表2に示す実施例4~11、比較例5~12のコラーゲン分解抑制剤を常法に従って製造した。具体的には、表2に示す成分の濃度が1質量%となるように水に溶解して、コラーゲン分解抑制剤としての水溶液を作製した。なお、比較例12は、水のみを用いた。
試験例1に記載される方法と同様の方法にて、コラーゲン分解抑制能を評価した。結果を表2に示す。
(評価結果)
表2より、比較例5~11は、いずれも分解深度が200μmを超えていた。これに対し、実施例4~11は、いずれも分解深度が150μm以下であった。特に実施例4~10は、分解深度が60μm以下であり、コラーゲン分解抑制能が優れることが確認された。

Claims (3)

  1. α-リポ酸、ジヒドロリポ酸、トロロックス、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、ポリオキシエチレンアルキル(12~14)スルホコハク酸二ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、塩化デシルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、及び1-ヘキサデカンスルホン酸ナトリウムのうち少なくともいずれか一つを含有することを特徴とするコラーゲン分解抑制剤。
  2. 歯の象牙質に含まれるコラーゲンの分解を抑制する請求項1に記載のコラーゲン分解抑制剤。
  3. α-リポ酸、ジヒドロリポ酸、トロロックス、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、ポリオキシエチレンアルキル(12~14)スルホコハク酸二ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、塩化デシルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、及び1-ヘキサデカンスルホン酸ナトリウムのうち少なくともいずれか一つを含有し、コラーゲン分解抑制用であることを特徴とする口腔用組成物。
JP2023109321A 2022-12-06 2023-07-03 コラーゲン分解抑制剤、及び口腔用組成物 Pending JP2024081577A (ja)

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