JP2024080060A - 二次電池用の集電体及び二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 二次電池に用いられる集電体として、軽量、且つ、性能劣化が少なく長寿命な集電体と、当該集電体を用いた二次電池が期待されている。【解決手段】二次電池用の集電体は、樹脂膜1Aと、樹脂膜1Aの第1面上に接して配置された第1金属膜1Bと、樹脂膜1Aの第2面上に接して配置された第2金属膜1Cとを備え、樹脂膜1Aは、酸変性ポリオレフィンを含み、且つ、評価指標が所定条件を満たしている。酸変性ポリオレフィンは、金属との接着性に優れる材料であり、中間層を介在させることなく、これらが強固に接着され、薄く、軽量なものとなる。樹脂膜の両面上には第1金属膜及び第2金属膜が配置されており、厚み方向の構造の対称性が増加し、応力を緩和している。特に、評価指標が特定の条件を満たす場合、接着性のみならず、電解液耐性も高くなる。【選択図】 図2

Description

本開示は、二次電池用の集電体及び二次電池に関する。
特許文献1~特許文献3は、リチウムイオン電池等に用いられる集電体を開示している。集電体の正極材料としてアルミニウム(Al)、負極材料として銅(Cu)が知られている。特許文献4~特許文献8は、ポリプロピレン膜を開示している。樹脂膜を挟む一対の金属膜を備えた集電体は、金属単体で構成した集電体よりも、軽量化することができる。例えば、特許文献3に記載された集電体は、ポリプロピレン膜の両面に、無機絶縁膜からなる中間層を介して、金属膜を配置している。リチウムイオン電池においては、LiPF/エチレンカーボネート含有溶媒など、リチウムイオンを含む電解液が用いられる。また、近年では、その他のアルカリ金属イオン電池や、マグネシウムイオン電池等の二次電池も知られている。
特開2001-319695号公報 特開2019-102429号公報 特開2021-82612号公報 国際公開2013/146367号 特開2008-238438号公報 特表2020-520127号公報 国際公開2006/123530号 特開2019-167513号公報
リチウムイオン電池等の二次電池に用いられる集電体として、さらに、軽量、且つ、性能劣化が少なく長寿命な集電体と、当該集電体を用いた二次電池が期待されている。
本開示の二次電池用の集電体は、樹脂膜と、前記樹脂膜の第1面上に接して配置された第1金属膜と、前記樹脂膜の第2面上に接して配置された第2金属膜と、を備え、前記樹脂膜は、酸変性ポリオレフィンを含み、且つ、以下の条件:0.02≦(X1/X2)≦0.2、1≦(Y1/Y2)≦19を満たしている。
X1は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1716cm-1付近に存在するC=O伸縮由来のピーク強度である。X2は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1456cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度である。Y1は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1377cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度である。Y2は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの721cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度である。
本開示の二次電池は、容器と、前記容器内に充填された電解液と、前記容器内に配置された第1集電体と、前記容器内に配置された第2集電体と、前記容器内に配置されたセパレータと、前記第1集電体と前記セパレータの間に配置された正極活物質と、前記第2集電体と前記セパレータの間に配置された負極活物質と、を備えた電池において、前記第1集電体又は前記第2集電体は、本開示の集電体である。
酸変性ポリオレフィンは、金属との接着性に優れる材料である。樹脂膜として、酸変性ポリオレフィンを用いた場合には、樹脂膜と金属膜との間の接着性が増加するので、中間層を介在させることなく、これらが強固に接着される。したがって、この集電体は、薄く、軽量なものとなる。更に、樹脂膜の両面上に第1金属膜及び第2金属膜が配置されており、厚み方向の構造の対称性が増加しているので、樹脂膜にかかる応力を緩和させることができ、電解液に対する金属膜のデラミネーションを抑制することができ、性能劣化が少なく長寿命な集電体となる。
特に、第1評価指標X(=X1/X2)と、第2評価指標Y(=Y1/Y2)が、上記条件を満たす場合、接着性のみならず、電解液耐性も高くなる。樹脂膜の材料としては、主成分であるマトリックス樹脂としてのポリプロピレンに、副成分としての酸変性ポリオレフィンを添加して混合した樹脂が挙げられる。第1評価指標Xに寄与するC=O結合を含む酸変性ポリオレフィンの添加により接着性は増加するが、電解液耐性もバランス良く向上させるために、第1評価指標Xに加えて、(CH)及び(CH)に相関する第2評価指標Yも規定した。少なくとも、樹脂膜が、100質量部の樹脂膜に対して、5質量部以上20質量部以下の酸変性ポリオレフィンと、50質量部以上90質量部以下のホモポリマーのポリプロピレンを含む場合、接着性及び電解液耐性が向上することが確認された。好適には、酸変性ポリオレフィンは、無水マレイン酸変性ポリプロピレンである。集電体の性能劣化が少なくなれば、集電体及びこれを用いた二次電池は、長寿命なものとなる。
本発明の二次電池用の集電体及び二次電池は、軽量、且つ、性能劣化が少なく長寿命なものとなる。
図1は、二次電池の構成を示す図である。 図2は、第1集電体の断面構造を示す図である。 図3は、第2集電体の断面構造を示す図である。 図4は、双極集電体を含む二次電池の構成を示す図である。 図5は、実験結果を示す図表である。 図6は、各サンプルの第1評価指標X及び第2評価指標Yの関係を示す図表である。 図7は、各サンプルの第3評価指標TMの関係を示す図表である。 図8は、二軸延伸法で形成した樹脂膜を示差走査型熱量計により測定したグラフである。 図9は、無延伸法で形成した樹脂膜を示差走査型熱量計により測定したグラフである。
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附することとし、重複する説明は省略する。
図1は、二次電池の構成を示す図である。
二次電池100は、容器10の内部に、第1集電体1と、正極活物質2と、セパレータ3と、負極活物質4と、第2集電体5とを備えている。容器10内には、電解液6が充填されている。正極活物質2は、第1集電体1の上側の表面上に設けられ、セパレータ3を介して、負極活物質4に対向している。負極活物質4は、第2集電体5の下側の表面上に設けられている。第1集電体1は、正極用電極T1に電気的に接続されている。第2集電体5は、負極用電極T2に電気的に接続されている。二次電池には、様々な形状があり、表面積を増加させるため、容器内部の層構造体を巻回することもできる。
二次電池は、充放電に金属イオンが関与する金属イオン電池であってもよく、代表的な金属イオンは、リチウムイオンである。活物質は、二次電池において、化学エネルギーと電気エネルギーとを変換するための酸化還元反応を行う物質である。
正極活物質2としては、例えば、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウムなどが知られている。負極活物質4としては、黒鉛(グラファイト)やシリコン系材料が知られている。セパレータ3は、電解液を含む材料であり、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂に複数の孔を設けた樹脂膜を利用することができる。
電解液6は、金属イオンを含む導電性のある溶液である。本例の電解液6は、リチウムイオンを含む溶液であり、1モル濃度(1M)の六フッ化リン酸リチウム(LiPF)をエチレンカーボネート含有溶媒内に溶解した溶液である。溶媒としては、ジメチルカーボネート(DMC)などを用いることもできる。
容器10の材料は、電解液に対する耐性があれば、特に限定されないが、アルミニウム合金などを用いることができる。
正極用電極T1及び負極用電極T2の材料として、一般的な電極材料を用いることができる。一般的な電極材料として、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)などが知られている。
図2は、第1集電体の断面構造を示す図である。
第1集電体1は、二次電池用の集電体である。第1集電体1は、樹脂膜1Aと、樹脂膜1Aの第1面上に接して配置された第1金属膜1Bと、樹脂膜1Aの第2面上に接して配置された第2金属膜1Cとを備えている。
樹脂膜1Aは、酸変性ポリオレフィンを含んでいる。酸変性ポリオレフィンは、金属との接着性に優れる材料である。樹脂膜1Aとして、酸変性ポリオレフィンを用いた場合には、樹脂膜1Aと第1金属膜1Bとの間の接着性が増加する。同様に、樹脂膜1Aと第2金属膜1Cとの間の接着性も増加する。したがって、樹脂膜1Aと第1金属膜1Bとの間の膜の間、及び、樹脂膜1Aと第2金属膜1Cとの間に、無機絶縁膜などの中間層を介在させることなく、これらを強固に接着することができる。したがって、この集電体は、薄く、軽量なものとなる。なお、金属膜を、樹脂膜1Aの片側面のみに形成した構造の集電体も可能である。樹脂膜1Aの両面上に金属膜が配置される場合、厚み方向の構造の対称性が増加するので、樹脂膜にかかる応力を緩和させることができ、電解液に対する金属膜のデラミネーションを抑制することができる。
第1金属膜1B及び第2金属膜1Cの材料は、正極用金属材料であり、例示的には、それぞれアルミニウム(Al)である。正極用金属材料は、電解液に含まれる金属イオンとの合金を形成しにくい材料であればよい。
なお、樹脂膜1Aと、第1金属膜1B及び第2金属膜1Cとの形成方法は、以下の通りである。まず、蒸着ターゲットであるアルミニウム(Al)を用意する。次に、蒸着ターゲットを、窒化硼素(BN)と二硼化チタン(TiB)を主成分とするセラミックボート内に配置する。蒸着ターゲットに対向する位置には、樹脂膜が配置されている。樹脂膜と蒸着ターゲットとの間には、シャッターが配置されている。セラミックボートは、真空チャンバー内に配置されている。真空ポンプによって、真空チャンバー内の気圧を減少させ、真空(1×10-2Pa以下)にする。次に、ボートに電流を流し、ジュール熱によってボートを1200℃以上に加熱し、アルミニウムからなる蒸着ターゲット材料を蒸発させ、樹脂膜の表面上に、金属膜を形成する。なお、1×10-2Paの圧力下で、水晶振動子により、成膜レートをモニタリングし、ボートへの通電後、成膜レートが、1(nm/sec)に到達した後、シャッターを開き、金属膜の厚みが1μmになるように成膜を行う。
図3は、第2集電体5の断面構造を示す図である。
第2集電体5は、二次電池用の集電体である。第2集電体5は、樹脂膜5Aの第1面上に接して配置された第1金属膜5Bと、樹脂膜5Aの第2面上に接して配置された第2金属膜5Cと、を備えている。
樹脂膜5Aの材料は、樹脂膜1Aと同一であり、酸変性ポリオレフィンを含んでおり、樹脂膜5Aと第1金属膜5Bとを強固に接着することができる。樹脂膜5Aと第2金属膜5Cとを強固に接着することができる。したがって、この集電体は、軽量、且つ、電解液にさらされてもデラミネーションしないものとなる。
第1金属膜5B及び第2金属膜5Cの材料は、負極用金属材料であり、例示的には、それぞれ銅(Cu)である。負極用金属材料は、電解液に含まれる金属イオンとの合金を形成しにくい材料であればよい。
なお、樹脂膜5Aと、第1金属膜5B及び第2金属膜5Cとの接着方法は、以下の通りである。まず、樹脂膜の表面上にシード層を形成する。シード層の形成には、真空マグネトロンスパッタ法を用いることができる。ターゲット材料としての銅をスパッタリングすることにより、これに対向した位置に配置された樹脂膜上にシード層を形成することができる。銅のスパッタリングは、真空チャンバー内に設置された銅ターゲットに対し、Arガスを導入し、0.5Pa程度の真空状態で、プラズマを発生させスパッタリングを行う。
例示的なシード層の厚みは、50nm程度である。次に、電解メッキを用いることで、シード層上に銅層を形成することができる。電解めっきにより形成される銅層の例示的な厚みは、1μmである。
また、第1面を正極(または負極)とし、第2面を負極(または正極)の様に樹脂を挟んで極性の異なる金属を形成することで双極集電体とすることもできる。この場合、構成部材を減らすことができる。
図4は、双極集電体を含む二次電池の構成を示す図である。
同図に示す二次電池100Aは、図1に示した二次電池100と比較して、構成部材を減らすことができる。容器内部に配置した二次電池の数を複数にしたものである。2個以上の二次電池を直列接続する場合、隣接する二次電池の間の集電体を共通化して、双極集電体とすることができる。二次電池100Aにおける、その他の構成は、図1に示したものと同一である。
第1の二次電池は、第1集電体1、正極活物質2、セパレータ3、負極活物質4、双極集電体7から構成される。第1の二次電池は、図1に示された二次電池において、第2集電体5を、双極集電体7に置換したものである。第2の二次電池は、双極集電体7、正極活物質2X、セパレータ3X、負極活物質4X、第2集電体5Xから構成される。第2の二次電池は、図1に示された二次電池において、第1集電体1を、双極集電体7に置換したものであり、正極活物質2X、セパレータ3X、負極活物質4X、第2集電体5Xの構造は、それぞれ、正極活物質2、セパレータ3、負極活物質4、第2集電体5と同一である。
双極集電体7は、第1の二次電池の負極活物質4と、第2の二次電池の正極活物質2Xとの間に介在する。双極集電体7は、金属イオン電池用の集電体であり、樹脂膜7Aの第1面上に接着した第1金属膜7Bと、樹脂膜7Aの第2面上に接着した第2金属膜7Cとを備えている。双極集電体7の第1金属膜7Bは、上側の正極活物質2Xに接触し、双極集電体7の第2金属膜7Cは、下側の負極活物質4に接触している。樹脂膜7Aの材料は、図2及び図3に示した第1及び第2集電体における樹脂膜1A,5Aの材料と同一である。双極集電体7における第1金属膜7Bの材料は、正極用金属材料であり、例示的には、アルミニウム(Al)である。双極集電体7における第2金属膜7Cの材料は、負極用金属材料であり、例示的には、銅(Cu)である。なお、双極集電体7においては、電池を構成する部品点数を削減できる。
以上、説明したように、上述の集電体を用いた二次電池は、容器10と、容器10内に充填された電解液6と、容器10内に配置された第1集電体1と、容器10内に配置された第2集電体5、容器10内に配置されたセパレータ3と、第1集電体1とセパレータ3の間に配置された正極活物質2と、第2集電体5とセパレータ3の間に配置された負極活物質4とを備えた金属イオン電池において、第1集電体1又は第2集電体5(又は双極集電体7)は、樹脂膜と、樹脂膜の第1面上に接して配置された第1金属膜と、を備え、樹脂膜は、酸変性ポリオレフィンを含んでいる。
上記の集電体は、薄く、軽量であるため、これを備える二次電池も同様の効果を奏する。なお、電解液耐性が高い場合、すなわち、電解液にさらされても、デラミネーションが生じにくい場合、二次電池は、軽量であり、且つ、性能劣化が少なく長寿命なものとなる。なお、軽量とは、単位体積あたりの重量エネルギー密度(重さと厚みに依存)が高いことを意味する。また、二次電池の集電体において、樹脂膜の第2面上に接着した第2金属膜を更に備えることが好ましく、厚み方向の構造の対称性が増加し、電解液に対する金属膜のデラミネーションを抑制することができる。特に、後述する樹脂膜の第1評価指標X(=X1/X2)と、第2評価指標Y(=Y1/Y2)が、所定条件(0.02≦(X1/X2)≦0.2、1≦(Y1/Y2)≦19)を満たす場合、接着性のみならず、電解液耐性も高くなる。
なお、X1は、樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1716cm-1付近に存在するC=O伸縮由来のピーク強度である。X2は、樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1456cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度である。Y1は、樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1377cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度である。Y2は、樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの721cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度である。
特に、第1評価指標X(=X1/X2)と、第2評価指標Y(=Y1/Y2)が、上記条件を満たす場合、接着性のみならず、電解液耐性も高くなる。樹脂膜の材料としては、主成分であるマトリックス樹脂としてのポリプロピレンに、副成分としての酸変性ポリオレフィンを添加して混合した樹脂が挙げられる。第1評価指標に寄与するC=O結合を含む酸変性ポリオレフィン(酸変性ポリプロピレン、特に、無水マレイン酸変性ポリプロピレン)の添加により接着性は増加するが、電解液耐性もバランス良く向上させるために、第1評価指標と(CH)及び(CH)に相関する第2評価指標の双方を規定した。少なくとも、樹脂膜が、100質量部の樹脂膜に対して、5質量部以上20質量部以下の酸変性ポリオレフィンと、50質量部以上90質量部以下のホモポリマーのポリプロピレンを含む場合、接着性及び電解液耐性が向上することが確認された。樹脂膜が、100質量部の当該樹脂膜に対して、5質量部以上10質量部以下の酸変性ポリオレフィンと、50質量部以上90質量部以下のホモポリマーのポリプロピレンを含む場合、接着性及び電解液耐性が向上することが確認された。好適には、酸変性ポリオレフィンは、無水マレイン酸変性ポリプロピレンである。樹脂膜は、エチレンとプロピレンを共重合させたコポリマーのポリプロピレンを含むことができるが、含まなくてもよく、この場合は、100質量部の樹脂膜に対して、45質量部以下のコポリマーのポリプロピレンを含む場合に、接着性及び電解液耐性を向上させることができる。集電体の性能劣化が少なくなれば、集電体及びこれを用いた二次電池は、長寿命なものとなる。
次に、上述の集電体に用いられる樹脂膜について、更に説明する。
樹脂膜を構成する酸変性ポリオレフィンは、電荷分布に偏りがある官能基(酸の極性基)を、ポリオレフィンに導入して、接着性を増加させた樹脂である。ポリオレフィンの好適な一例としてのポリプロピレンは、側鎖にメチル基(CH)を有しているが、グラフト反応により、メチル基に代えて、官能基(カルボキシル基)を導入すると、金属との間の接着性が増加する。特に、ジカルボン酸としての無水マレイン酸を備えた無水マレイン酸変性ポリプロピレンは、金属との接着強度が高い材料である。したがって、樹脂膜を構成する酸変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸変性ポリプロピレンである場合、樹脂膜と金属膜との間の接着性が高くなる。したがって、この集電体は、薄く、軽量なものとなる。
なお、二次電池用の集電体において、無水マレイン酸変性ポリプロピレンは、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)であることが好ましい。二軸延伸ポリプロピレンは、ポリプロピレン樹脂膜を、縦及び横の二軸方向に沿って機械的に引き延ばすことで製造された樹脂膜であり、結晶配向性が高い。二軸延伸ポリプロピレンは、無延伸ポリプロピレン(CPP)よりも、機械的強度等が高く、したがって、電池作製プロセスにおいて破断しにくく集電体が壊れにくいという効果がある。特に、後述する樹脂膜の第1評価指標X(=X1/X2)と、第2評価指標Y(=Y1/Y2)が、所定条件(0.05≦(X1/X2)≦0.2、1.2≦(Y1/Y2)≦8.2)を満たしていることが好ましい。この集電体は、電解液にさらされてもデラミネーションしにくいものとなる。特に、この条件を満たす場合、接着性及び電解液耐性が、更に高くなる。
更に、樹脂膜は、以下の関係:4.4℃≦(Tm1-Tm2)を満たしていることが好ましい。なお、Tm1は、第1回目において、樹脂膜が融解するまで昇温し、この昇温時において、示差走査型熱量計により計測される融解ピーク温度であり、Tm2は、第1回目の昇温後に、樹脂膜が再結晶化するまで冷却し、樹脂膜が融解するまで、第2回目の昇温を行い、この昇温時において、示差走査型熱量計により計測される融解ピーク温度である。第3評価指標TM=(Tm1-Tm2)が、下限値(=4.4℃)以上の場合、樹脂膜の結晶配向性が高く、機械的強度が高くなるという効果がある。結晶配向性の高い樹脂膜は、二軸延伸を行うことにより得ることができる。
集電体に用いられる第1金属膜及び第2金属膜は、Al、Cu、Fe、Zn、及びNiからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含むことが好ましい。これらの金属膜は、効率的に電荷を集めることができる。第1及び第2金属膜の材料は、選択された金属を含む合金であってもよく、金属膜は適当な不純物を含んでもよい。
(実施例)
次に、様々な樹脂膜を用いた集電体を評価した。
(1)評価対象試料
評価に用いた集電体の樹脂膜の厚みR1=4μm(延伸)~70μm(無延伸)、第1金属膜の材料はアルミニウム(Al)、厚みM1=1μm、第2金属膜の材料はアルミニウム(Al)、厚みM2=1μmである。第1金属膜及び第2樹脂膜は、以下の形成方法と条件により、樹脂膜上に形成した。
(形成方法・条件)
まず、樹脂膜をコロナ放電処理機内に設置し、樹脂膜の表面をコロナ放電処理する。コロナ放電を発生させる高周波の周波数は約40kHzである。コロナ放電処理により、樹脂膜の表面エネルギーが高くなる。次に、真空チャンバー内に、表面処理後の樹脂膜を導入する。真空チャンバー内には、蒸着源として、アルミニウムからなる金属材料が設置される。この金属材料を蒸発させて、樹脂膜上に金属膜を形成する。実験においては、ボート型の蒸発源を用いた。また、樹脂膜上に第1金属膜を形成した後、樹脂膜上に第2金属膜を形成するが、これらの金属膜は、同時に形成することもできる。なお、コロナ放電処理は、接着性の向上に寄与するが、当該処理が無い場合においても、実施例1~10の接着性は高くなる。
各実施例/比較例においては、以下の第1樹脂材料、第2樹脂材料、第3樹脂材料を混合し、混錬・溶融させて、200℃から230℃の範囲において、押し出し、無延伸フィルムを得た。二軸延伸フィルムは、無延伸フィルムを二軸延伸装置により延伸したものである。このようにして、評価対象試料の樹脂膜を作製した。
第1樹脂材料は、ポリプロピレン樹脂(PP)であり、日本ポリプロ株式会社製のポリプロピレン樹脂「ノバテック(登録商標)FY6C」(商品名)を用いた。第1樹脂材料は、ホモポリマーである。
第2樹脂材料は、コポリマー(二元共重合体)であり、サンアロマー株式会社社製のランダムコポリマー「PC741R」(商品名)を用いた。ランダムコポリマーは、プロピレンとエチレンとをランダムに共重合したものである。
第3樹脂材料は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MAH-PP)であり、理研ビタミン株式会社社製の「MG670P」(商品名)を用いた。第3樹脂材料の酸価は21.4mgKOH/g、粘度は332.8[Pa・s](180℃)である。
各実施例の樹脂膜の形成において、二軸延伸フィルムは、樹脂材料を、混錬・溶融、押し出した後に形成される無延伸フィルムを、二軸延伸装置を用いて、延伸することにより、形成した。無延伸フィルムは、樹脂材料を、混錬・溶融、押し出した後に形成される樹脂膜である。樹脂膜の二軸延伸は、押し出される樹脂膜の走行方向である縦方向(MD)と、これに垂直は横方向(TD)に沿って行われる。詳説すれば、押し出し後の樹脂フィルムは、まず、縦方向(MD)に延伸され、続いて、横方向(TD)に沿って延伸される(逐次延伸)。二軸延伸装置(テーブルテンター)による延伸は、各材料の軟化点において行った。
[実施例1]
実施例1においては、ポリプロピレンからなる第1樹脂材料を70質量部、コポリマーからなる第2樹脂材料を25質量部、及び、無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる第3樹脂材料を5質量部用意し、これらの樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される無延伸フィルム(樹脂膜)を、テーブルテンターにより、二軸方向に沿って、逐次延伸し、二軸延伸フィルムを形成した。すなわち、この無延伸フィルムを、縦方向に沿って3倍に延伸した後、横方向に沿って3.9倍に延伸した。
[実施例2]
実施例2においては、ポリプロピレンからなる第1樹脂材料を90質量部、コポリマーからなる第2樹脂材料を5質量部、及び、無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる第3樹脂材料を5質量部用意し、これらの樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される無延伸フィルム(樹脂膜)を、テーブルテンターにより、二軸方向に沿って、逐次延伸し、二軸延伸フィルムを形成した。すなわち、この無延伸フィルムを、縦方向に沿って3倍に延伸した後、横方向に沿って3.9倍に延伸した。
[実施例3]
実施例3においては、ポリプロピレンからなる第1樹脂材料を90質量部、コポリマーからなる第2樹脂材料を0質量部、及び、無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる第3樹脂材料を10質量部用意し、これらの樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される無延伸フィルム(樹脂膜)を、テーブルテンターにより、二軸方向に沿って、逐次延伸し、二軸延伸フィルムを形成した。すなわち、この無延伸フィルムを、縦方向に沿って3倍に延伸した後、横方向に沿って3.9倍に延伸した。
[実施例4]
実施例4においては、ポリプロピレンからなる第1樹脂材料を50質量部、コポリマーからなる第2樹脂材料を45質量部、及び、無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる第3樹脂材料を5質量部用意し、これらの樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される無延伸フィルム(樹脂膜)を、テーブルテンターにより、二軸方向に沿って、逐次延伸し、二軸延伸フィルムを形成した。すなわち、この無延伸フィルムを、縦方向に沿って3倍に延伸した後、横方向に沿って3.9倍に延伸した。
[実施例5]
実施例5においては、実施例1と同一の樹脂材料を用意し、これらの樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される樹脂膜を延伸せず、無延伸フィルムが形成された。
[実施例6]
実施例6においては、実施例2と同一の樹脂材料を用意し、これらの樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される樹脂膜を延伸せず、無延伸フィルムが形成された。
[実施例7]
実施例7においては、実施例3と同一の樹脂材料を用意し、これらの樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される樹脂膜を延伸せず、無延伸フィルムが形成された。
[実施例8]
実施例8においては、実施例4と同一の樹脂材料を用意し、これらの樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される樹脂膜を延伸せず、無延伸フィルムが形成された。
[実施例9]
実施例9においては、ポリプロピレンからなる第1樹脂材料を85質量部、コポリマーからなる第2樹脂材料を0質量部、及び、無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる第3樹脂材料を15質量部用意し、これらの樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される樹脂膜を延伸せず、無延伸フィルムが形成された。
[実施例10]
実施例10においては、ポリプロピレンからなる第1樹脂材料を80質量部、コポリマーからなる第2樹脂材料を0質量部、及び、無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる第3樹脂材料を20質量部用意し、これらの樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される樹脂膜を延伸せず、無延伸フィルムが形成された。
[比較例1]
比較例1においては、ポリプロピレンからなる第1樹脂材料を0質量部、コポリマーからなる第2樹脂材料を95質量部、及び、無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる第3樹脂材料を5質量部用意し、これらの樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される樹脂膜を延伸せず、無延伸フィルムが形成された。
[比較例2]
比較例2においては、ポリプロピレンからなる第1樹脂材料を0質量部、コポリマーからなる第2樹脂材料を97質量部、及び、無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる第3樹脂材料を3質量部用意し、これらの樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される樹脂膜を延伸せず、無延伸フィルムが形成された。
[比較例3]
比較例3においては、ポリプロピレンからなる第1樹脂材料を0質量部、コポリマーからなる第2樹脂材料を90質量部、及び、無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる第3樹脂材料を10質量部用意し、これらの樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される無延伸フィルム(樹脂膜)を、テーブルテンターにより、二軸方向に沿って、逐次延伸し、二軸延伸フィルムを形成した。すなわち、この無延伸フィルムを、縦方向に沿って3倍に延伸した後、横方向に沿って3.9倍に延伸した。
[比較例4]
比較例4においては、ポリプロピレンからなる第1樹脂材料を0質量部、コポリマーからなる第2樹脂材料を95質量部、及び、無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる第3樹脂材料を5質量部用意し、これらの樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される無延伸フィルム(樹脂膜)を、テーブルテンターにより、二軸方向に沿って、逐次延伸し、二軸延伸フィルムを形成した。すなわち、この無延伸フィルムを、縦方向に沿って3倍に延伸した後、横方向に沿って3.9倍に延伸した。
[比較例5]
比較例5においては、ポリプロピレンからなる第1樹脂材料を0質量部、コポリマーからなる第2樹脂材料を100質量部、及び、無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる第3樹脂材料を0質量部用意し、この樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される無延伸フィルム(樹脂膜)を、テーブルテンターにより、二軸方向に沿って、逐次延伸し、二軸延伸フィルムを形成した。すなわち、この無延伸フィルムを、縦方向に沿って3倍に延伸した後、横方向に沿って3.9倍に延伸した。
[比較例6]
比較例6においては、ポリプロピレンからなる第1樹脂材料を100質量部、コポリマーからなる第2樹脂材料を0質量部、及び、無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる第3樹脂材料を0質量部用意し、この樹脂材料を混錬・溶融し、押し出したのち、この時に形成される無延伸フィルム(樹脂膜)を、テーブルテンターにより、二軸方向に沿って、逐次延伸し、二軸延伸フィルムを形成した。すなわち、この無延伸フィルムを、縦方向に沿って3倍に延伸した後、横方向に沿って3.9倍に延伸した。
[比較例7]
比較例7においては、樹脂膜材料として、ホットメルト材(倉敷紡績株式会社のホットメルト材(商品名:クランベターG-5)を用いた。この材料は、上述のポリプロピレン混合材料ではなく、多量のカルボニル基を含むエステル系ホットメルト材であり、接着性に優れている。
なお、上記の樹脂材料の代わりに、これらと同等の物性を有する樹脂材料を用いた場合においても、各実施例と同様の効果を奏するので、本発明は、これらの樹脂材料のみに制限されるものではない。
(2)評価装置と評価指標
(2-1)試料評価
(フーリエ変換赤外線分光装置)
フーリエ変換赤外線分光装置を用いて、評価対象試料の評価を行った。フーリエ変換赤外線分光装置は、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製の「iZ10」(製品名)を用い、以下の指標を評価した。
(第1評価指標X)
第1評価指標Xは、樹脂膜に含まれるカルボニル基(C=O)の含有比率を反映する指標である。第1評価指標Xは、以下のX1、X2の値を用いて、X=X1/X2で与えられる。
・X1は、樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1716cm-1付近に存在するC=O伸縮由来のピーク強度である。
・X2は、樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1456cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度である。
(第2評価指標Y)
第2評価指標Yは、樹脂膜に含まれるメチル基(CH)の含有比率を反映する指標である。第2評価指標Yは、以下のY1、Y2の値を用いて、Y=Y1/Y2で与えられる。
・Y1は、樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1377cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度である。
・Y2は、樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの721cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度である。
なお、赤外線吸収スペクトルの説明において、「付近」は、目的の赤外線吸収スペクトルの波数の±5cm-1を意味するものとする。
(示差走査型熱量計)
示差走査型熱量計は、株式会社日立ハイテクサイエンス製のDSC7000X(製品名)を用い、以下の指標を評価した。
(第3評価指標TM)
第3評価指標TMは、樹脂膜の結晶配向性を反映する指標であり、結晶配向性が高いほど、値が大きくなる。第3評価指標TMは、以下のTm1、Tm2の値を用いて、TM=Tm1-Tm2で与えられる。
・Tm1は、第1回目において、樹脂膜が融解するまで昇温し、この昇温時において、示差走査型熱量計により計測される融解ピーク温度である。
・Tm2は、第1回目の昇温後に、樹脂膜が再結晶化するまで冷却し、樹脂膜が融解するまで、第2回目の昇温を行い、この昇温時において、示差走査型熱量計により計測される融解ピーク温度である。
(2-2)特性評価
(i)接着性の評価
樹脂膜の接着性を、テープ密着およびT字剥離試験により評価した。使用するテープは、コーテック株式会社製のISOテープKT-SP3209(商品名)を用い、T字剥離強度測定装置として、株式会社島津製作所製のオートグラフAGS-X(製品名)を用いた。サンプルの表面(金属膜の表面)に、テープを貼り、オートグラフで測定可能なT字状態に加工し、T字剥離評価を行った。
接着性の評価基準は、以下の通りである。
・評価Aは、上記評価方法において、テープに金属膜がついてこない場合を示す。すなわち、テープ密着強度より、金属膜と樹脂膜との密着強度の方が高く、テープと金属膜との間で剥離が生じる場合を示す。
・評価Bは、上記評価方法において、テープにより金属膜が剥離されるが、その剥離強度が、剥離応力が0.5N/mm~6N/mmあると数値化できる場合を示す。
・評価Cは、上記評価方法において、テープにて金属膜が簡単に剥離され、剥離強度が数値化されない程度に弱い場合、すなわち、剥離応力が0.5N/mm未満の場合を示す。
(ii)電解液耐性の評価
樹脂膜の電解液耐性について、評価した。電解液は、1モル濃度(1M)の六フッ化リン酸リチウム(LiPF)のエチレンカーボネート含有溶媒である。電解液耐性の評価方法として、85℃の電解液内に、集電体を72時間漬け、72時間後の状態を観察した。
電解液耐性の評価基準は、以下の通りである。
・評価Aは、上記評価方法において、デラミネーションせず、綿棒でこすっても外観異常をきたさない場合を示す。
・評価Bは、上記評価方法において、デラミネーションはしないが、綿棒でこすると剥がれる場合を示す。
・評価Cは、上記評価方法において、デラミネーションを起こす場合を示す。
・N/Dは、評価Cと同等であるが、評価値が得られなかった場合を示す。
(iii)総合評価
総合評価においては、樹脂膜と金属層との間の接着性を優先的な評価基準とし、以下のような総合評価ランクを定める。
総合評価A:接着性が評価A、電解液耐性が評価A。
総合評価B:接着性が評価A、電解液耐性が評価B。
総合評価C:接着性が評価A、電解液耐性が評価C。
総合評価D:接着性が評価B、電解液耐性が評価C。
総合評価E:接着性が評価C、電解液耐性が評価C。
(3)評価結果
図5は、各サンプル毎の評価結果を示す図表であり、図6は、各サンプルの第1評価指標X及び第2評価指標Yの関係を示す図表であり、図7は、各サンプルの第3評価指標TMの関係を示す図表である。
また、実施例1~実施例10の樹脂膜は、以下の条件を満たしている。この条件を満たす場合、接着性及び電解液耐性が、高くなることが確認された。これらの実施例のサンプルは、総合評価が評価B以上となる。
0.02≦第1評価指標X(=X1/X2)≦0.2
1≦第2評価指標Y(=Y1/Y2)≦19
すなわち、実施例1~実施例10の第1評価指標X及び第2評価指標Yは、以下の通りである。
・実施例1の第1評価指標X=0.050、第2評価指標Y=8.20
・実施例2の第1評価指標X=0.104、第2評価指標Y=3.53
・実施例3の第1評価指標X=0.199、第2評価指標Y=2.78
・実施例4の第1評価指標X=0.150、第2評価指標Y=1.20
・実施例5の第1評価指標X=0.021、第2評価指標Y=5.43
・実施例6の第1評価指標X=0.035、第2評価指標Y=4.74
・実施例7の第1評価指標X=0.050、第2評価指標Y=8.79
・実施例8の第1評価指標X=0.030、第2評価指標Y=1.10
・実施例9の第1評価指標X=0.134、第2評価指標Y=15.19
・実施例10の第1評価指標X=0.181、第2評価指標Y=19.19
なお、上記関係式に用いた数値に関して、実施例5の第1評価指標Xは、厳密には0.021であるが、小数点の第3位を四捨五入して、下限値を0.02とした。実施例3の第1評価指標Xは、厳密には0.199であるが、小数点の第3位を四捨五入して、上限値を0.2とした。実施例8の第2評価指標Yは、厳密には1.10であるが、小数点の第1位を四捨五入して、下限値を1とした。実施例10の第2評価指標Yは、厳密には19.19であるが、小数点の第1位を四捨五入して、上限値を19とした。
また、実施例1~実施例4に示されるように、樹脂膜が、二軸延伸された樹脂膜であり、且つ、以下の条件を満たしている場合、接着性及び電解液耐性が、更に高くなることが確認された。これらの実施例のサンプルは、総合評価が評価Aとなる。
0.05≦第1評価指標X(=X1/X2)≦0.2
1.2≦第2評価指標Y(=Y1/Y2)≦8.2
なお、実施例1~実施例4に対応する第2評価指標Yの範囲は、より正確な範囲を示すため、小数点の第1位までの値を採用したが、小数点の第1位を四捨五入しても、少なくとも総合評価B以上の効果は得られると考えられる。
なお、二軸延伸ポリプロピレンは、結晶配向性が高く、機械的強度が、無延伸ポリプロピレンよりも高い。したがって、この集電体は、電解液にさらされてもデラミネーションしにくく、機械的にも強いものとなる。
なお、実施例1の第1評価指標Xは、0.05であり、下限値を与えている。実施例3の第1評価指標Xは、上述のように0.2であり、上限値を与えている。実施例4の第2評価指標Yは、1.2であり下限値を与えている。実施例1の第2評価指標Yは8.2であり上限値を与えている。
また、実施例1~実施例4では、接着性及び電解液耐性が高いが、二軸延伸された樹脂膜は、以下の関係:4.4℃≦(第3評価指標TM=Tm1-Tm2)を満たしていた(図7参照)。すなわち、実施例1~実施例4の第3評価指標TMは、以下の通りである。
・実施例1の第3評価指標TM=4.5
・実施例2の第3評価指標TM=4.4
・実施例3の第3評価指標TM=5.3
・実施例4の第3評価指標TM=6
無延伸フィルムの場合は、第3評価指標TMは、負の値となる。すなわち、実施例5~実施例10の第3評価指標TMは、以下の通りである。
・実施例5の第3評価指標TM=-3.2
・実施例6の第3評価指標TM=-1
・実施例7の第3評価指標TM=-2.2
・実施例8の第3評価指標TM=-1.2
・実施例9の第3評価指標TM=-0.9
・実施例10の第3評価指標TM=-1.9
実施例4の第3評価指標TM=6(℃)であるが、第3評価指標TMが6以上の場合であっても、結晶配向性が高くなるので、電解液耐性に対する効果は、評価Aとなると考えられる。したがって、第3評価指標TM=(Tm1-Tm2)が、下限値(=4.4℃)以上の場合、樹脂膜の結晶配向性が高く、機械的強度が高くなり、且つ、接着性及び電解液耐性が高いものとなる。
なお、実施例1~実施例10の場合、樹脂膜が、100質量部の樹脂膜に対して、5質量部以上20質量部以下の酸変性ポリオレフィン(無水マレイン酸変性ポリプロピレン)と、50質量部以上90質量部以下のホモポリマーのポリプロピレンを含んでいる。第1評価指標Xは、酸変性ポリオレフィンにおけるC=O結合(カルボニル基)の寄与を示しており、第2評価指標Yは、メチル基(CH)及びメチレン基(CH)に相関する。比較例1~比較例4に示されるように、単に、無水マレイン酸変性ポリプロピレンを用いたのみでは、電解液耐性が向上しないことが分かる。ホモポリマーの質量部を下限値以上に設定することで、第1評価指標X及び第2評価指標Yが好適範囲内になり、接着性及び電解液耐性の双方が向上している。
この現象について考察すると、樹脂膜におけるエチレン含有率が閾値を超えて増加すると、第2評価指標Yが低下し、特に、LiPF/エチレンカーボネート含有溶媒のように、エチレンを含む電解液に対する親和性が高くなり、また、樹脂膜におけるエチレンがプロピレンの連鎖を阻害して結晶性が低下するので、電解液耐性が減少すると考えられる。したがって、ホモポリマー以外の樹脂材料、詳細には、エチレンと共重合していないポリオレフィン樹脂材料を用いた場合においても、電解液耐性を向上させることができると考えられる。実際、比較例1~5のように、樹脂膜がプロピレンとエチレンの共重合体からなるコポリマーを閾値(95質量部)以上含有する場合は、第2評価指標Yが小さくなり、電解液耐性は低下している(評価C)。一方、実施例1~10に示されるように、エチレンを含むコポリマー含有率が、十分に低い(45質量部以下)場合には、電解液耐性は評価A又は評価Bとなっている。したがって、樹脂膜が、コポリマーを含む場合であっても、樹脂膜が、100質量部の樹脂膜に対して、45質量部以下のコポリマー(エチレン・ポリプロピレン共重合体)を含むように設定すれば、接着性及び電解液耐性を向上させることができる。また、比較例5、比較例6に示されるように、樹脂膜が無水マレイン酸変性ポリプロピレンを含まない場合は、接着性は評価Cとなる。比較例7に示されるように、樹脂膜が無水マレイン酸変性ポリプロピレンに含まれるC=O結合を含んでいる場合、接着性は評価Aとなるが、電解液耐性は評価Cとなる。したがって、接着性及び電解液耐性の双方を向上させるためには、各パラメータを上述の範囲内に設定することが好ましい。
なお、上述の実施例の第1金属膜(及び第2金属膜)は、アルミニウム(Al)であったが、他の金属膜であっても、接着性は同等の効果が得られる。なぜならば、樹脂膜と金属膜の接着性は、樹脂膜における官能基と金属膜の表面状態で決定されるが、金属膜の表面は、樹脂膜との結合に必要な結合手を有しているからである。特に、Al以外の金属材料であっても、酸化物生成エネルギーが、Cuよりも低い金属であれば、同様の接着性を有すると考えられる。かかる観点から、好適には、上述の第1金属膜及び第2金属膜の少なくとも一方は、Al、Cu、Fe、Zn、及びNiからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含むことが好ましい。第1金属膜及び第2金属膜は、同一の材料からなり、且つ、それぞれがAl、Cu、Fe、Zn、及びNiからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含むことが、更に好ましい。これらの金属膜は、効率的に電荷を集めることができる。第1及び第2金属膜の材料は、選択された金属を含む合金であってもよく、金属膜は適当な不純物を含んでもよい。
なお、第1及び第2金属膜として、銅(Cu)を用いた場合の例示としては、集電体の樹脂膜の厚みR1=4μm、第1金属膜の材料は銅(Cu)、厚みM1=1μm、第2金属膜の材料は銅(Cu)、厚みM2=1μmとすることができる。また、双極集電体を形成する場合、上述のAl形成方法とCu形成方法を用いることができる。
第3評価指標TMについて、補足説明を行う。
図8は、二軸延伸法で形成した樹脂膜(実施例1)を示差走査型熱量計(DSC)により測定したグラフである。横軸は樹脂膜の温度(℃)を示し、縦軸はDSCの熱流(mW/mg)を示している。UP1は、第1回目の昇温時のデータを示し、DOWN1は、その後の第1回目の降温時のデータを示し、UP2は、第2回目の昇温時のデータを示している。第1回目の昇温時の下向きのピーク時の温度をTm1とし、第2回目の昇温時の下向きのピーク時の温度をTm2とする。
同図の例では、Tm1=144.5(℃)であり、Tm2=140(℃)であった。TM=(Tm1-Tm2)=4.5(℃)である。
比較例6の場合、Tm1=170.4(℃)であり、Tm2=164.8(℃)であった。TM=(Tm1-Tm2)=5.6(℃)である。
図9は、無延伸法で形成した樹脂膜(実施例5)を示差走査型熱量計により測定したグラフである。横軸は樹脂膜の温度(℃)を示し、縦軸はDSCの熱流(mW/mg)を示している。UP1は、第1回目の昇温時のデータを示し、DOWN1は、その後の第1回目の降温時のデータを示し、UP2は、第2回目の昇温時のデータを示している。第1回目の昇温時の下向きのピーク時の温度をTm1とし、第2回目の昇温時の下向きのピーク時の温度をTm2とする。
同図の例では、Tm1=137.3(℃)であり、Tm2=140.5(℃)であった。TM=(Tm1-Tm2)=-3.2(℃)である。
以上の例示に示されるように、実施例1~10においては、第3評価指標TM=(Tm1-Tm2)が、下限値(=4.4℃)(実施例2)以上の場合、樹脂膜の結晶配向性が高く、二軸延伸ポリプロピレンであると判定できる。この場合、機械的強度が高くなるという効果がある。したがって、二次電池用の集電体において、樹脂膜は、以下の関係を満たしていることが好ましい。
4.4℃≦TM=(Tm1-Tm2)。
なお、比較例3~6に示されるように、二軸延伸をした場合には、第3評価指標TMが4.2℃以上となり、正の値となる。
また、上記においては、樹脂膜と金属膜とは、真空成膜法を用いて形成したが、樹脂膜への金属膜形成方法としては、金属箔の熱圧着、無電解メッキ法などがあり、接着性は樹脂膜と金属膜との間の界面における分子間結合によるものであるから、これらの接着方法を用いた場合においても、同様の作用効果があると考えられる。
また、リチウムイオン電池の例について説明したが、集電体における密着性と機械的強度は、電解液が異なっても同様の関係になるため、上述の集電体は、リチウムイオン電池以外のアルカリ金属イオン電池や、マグネシウムイオン電池等の二次電池にも、適用することができる。
なお、酸変性ポリオレフィン樹脂におけるポリオレフィンの種類としては、ポリプロピレンの他、ポリプロピレン、ポリブテンなどがあるが、金属との界面における接着性を決定する官能基を有していれば、酸変性ポリエチレン、酸変性ポリブテンなども、接着性が高くなる。また、ポリオレフィンとグラフト反応する官能基としての酸の種類としては、無水マレイン酸、マレイン酸、無水フマル酸、フマル酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アコニット酸、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジルメタクリレート、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート等の分子内に反応性の不飽和二重結合を有する酸などが挙げられる。また、プロピレンとエチレンや1-ブテンなどのα―オレフィンとの共重合体の中で、ランダムポリプロピレンは接着性が高いことが知られているので、かかるポリプロピレンに、官能基をグラフト反応させた酸変性ポリプロピレンも接着性が高くなる。また、グラフト反応する官能基として不飽和ジカルボン酸がマレイン酸である場合に、一例として、無水マレイン酸ポリプロピレンにおけるマレイン酸含量は0.5質量%以上5.0質量%以下のものを利用することもできる。
なお、フッ素とリチウムを含む電解液との反応を抑制するためには、樹脂材料は水分が少ない方が好ましい。酸変性ポリオレフィンは、ポリエチレンテレフタレートや、ポリイミドよりも吸水性が低いので、好ましい。また、上述の例では、酸変性ポリプロピレンなどの酸変性ポリオレフィンを用いた場合において、接着性が向上する旨を説明した。また、上述の樹脂膜は、酸変性ポリオレフィンの他に、ホモポリマーのポリオレフィン(ポリプロピレン)、ランダムポリプロピレンを含んでいる場合も、同様の作用効果が得られる。また、特に、樹脂膜が、100質量部の樹脂膜に対して、5質量部以上20質量部以下の酸変性ポリオレフィン(酸変性ポリプロピレン、特に、無水マレイン酸変性ポリプロピレン)と、50質量部以上90質量部以下のホモポリマーのポリプロピレンを含む場合、この特定樹脂膜は、金属膜との接触界面に存在すれば効果が得られる。また、樹脂膜全体は、一対の特定種類の樹脂膜(上記の酸変性ポリオレフィンを含む樹脂膜)を外層とし、その他の種類の樹脂膜を内層とする二種三層構造を有していても良い。
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。また、以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的本明細書において説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
1…第1集電体、2…正極活物質、3…セパレータ、4…負極活物質、5…第2集電体、6…電解液、7…双極集電体、10…容器、100…二次電池。

Claims (7)

  1. 樹脂膜と、
    前記樹脂膜の第1面上に接して配置された第1金属膜と、
    前記樹脂膜の第2面上に接して配置された第2金属膜と、
    を備え、
    前記樹脂膜は、
    酸変性ポリオレフィンを含み、且つ、
    以下の条件:
    0.02≦(X1/X2)≦0.2、
    1≦(Y1/Y2)≦19
    を満たしており、
    X1は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1716cm-1付近に存在するC=O伸縮由来のピーク強度、
    X2は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1456cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度、
    Y1は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1377cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度、
    Y2は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの721cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度、
    である二次電池用の集電体。
  2. 前記樹脂膜は、
    二軸延伸された樹脂膜であり、且つ、
    以下の条件:
    0.05≦(X1/X2)≦0.2、
    1.2≦(Y1/Y2)≦8.2
    を満たしている、
    請求項1に記載の二次電池用の集電体。
  3. 前記樹脂膜は、以下の関係:
    4.4℃≦(Tm1-Tm2)、
    を満たしており、
    Tm1は、第1回目において、前記樹脂膜が融解するまで昇温し、この昇温時において、示差走査型熱量計により計測される融解ピーク温度であり、
    Tm2は、前記第1回目の昇温後に、前記樹脂膜が再結晶化するまで冷却し、前記樹脂膜が融解するまで、第2回目の昇温を行い、この昇温時において、示差走査型熱量計により計測される融解ピーク温度である、
    請求項2に記載の二次電池用の集電体。
  4. 前記樹脂膜が、100質量部の前記樹脂膜に対して、5質量部以上20質量部以下の酸変性ポリオレフィンと、50質量部以上90質量部以下のホモポリマーのポリプロピレンを含む、
    請求項1に記載の二次電池用の集電体。
  5. 前記酸変性ポリオレフィンは、無水マレイン酸変性ポリプロピレンである、
    請求項4に記載の二次電池用の集電体。
  6. 前記第1金属膜及び前記第2金属膜の少なくとも一方は、Al、Cu、Fe、Zn、及びNiからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含む、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の二次電池用の集電体。
  7. 容器と、
    前記容器内に充填された電解液と、
    前記容器内に配置された第1集電体と、
    前記容器内に配置された第2集電体と、
    前記容器内に配置されたセパレータと、
    前記第1集電体と前記セパレータの間に配置された正極活物質と、
    前記第2集電体と前記セパレータの間に配置された負極活物質と、
    を備えた二次電池において、
    前記第1集電体又は前記第2集電体は、
    樹脂膜と、
    前記樹脂膜の第1面上に接して配置された第1金属膜と、
    前記樹脂膜の第2面上に接して配置された第2金属膜と、
    を備え、
    前記樹脂膜は、
    酸変性ポリオレフィンを含み、且つ、
    以下の条件:
    0.02≦(X1/X2)≦0.2、
    1≦(Y1/Y2)≦19
    を満たしており、
    X1は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1716cm-1付近に存在するC=O伸縮由来のピーク強度、
    X2は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1456cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度、
    Y1は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1377cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度、
    Y2は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの721cm-1付近に存在するCH由来のピーク強度、
    である二次電池。
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