JP2024079352A - 配管部材、及び、雨樋システム - Google Patents
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Abstract
【課題】デザイン性と排水性能を両立させやすい、配管部材及び雨樋システムを提供する。【解決手段】水平方向に延びる第1配管とDL型エルボの間に取り付けられる配管部材は、第1開口及び第2開口を有する直管部と、直管部の内周面から突出し、第1開口から第2開口に向かって、直管部の中心軸に対して旋回して延びるフィンと、を備え、直管部の中心軸の方向から見て、直管部の径方向でのフィンの高さは、直管部の内径の30%以上50%以下であり、フィンは、第1開口側の第1端部と第2開口側の第2端部とを有し、直管部の中心軸の方向から見て、第1端部と直管部の中心軸とを結ぶ直線と、第2端部と直管部の中心軸とを結ぶ直線との間の角度は、140度以上180度以下であり、フィンの第2端部は、直管部においてDL型エルボの受口内に位置する部分にある。【選択図】図2A
Description
本開示は、配管部材、及び、雨樋システムに関する。
特許文献1は、配管のエルボで生じるタービュランス又はキャビテーションを低減する技術を開示する。特許文献1の開示によれば、エルボの前に、プレローテータを配置する。プレローテータは、流体を軸の周りに回転させるために、回転羽根を備える(特許文献1の図6B参照)。
特許文献1に記載される技術で使用可能なエルボとしては、例えばLL型エルボ(90°大曲エルボ)やDL型エルボ(90°エルボ)がある。LL型エルボは、曲率半径が大きいために圧力損失が少なく排水性能を向上させやすいが、サイズが大きく、デザイン性に劣る。DL型エルボは、曲率半径が小さいためにサイズが小さくデザイン性に優れているが、エルボ内の位置によっては圧力損失が生じやすい。これより、デザイン性と排水性能を両立させることに関して改善の余地があるといえる。
本開示は、デザイン性と排水性能を両立させやすい、配管部材及び雨樋システムを提供する。
本開示の一態様にかかる配管部材は、水平方向に延びる第1配管、鉛直方向に延びる第2配管、及び前記第1配管と前記第2配管とを連結するDL型エルボとを備える配管システムの一部として、前記第1配管と前記DL型エルボの間に取り付けられる配管部材であって、前記配管システムの上流側に向けられる第1開口及び前記配管システムの下流側に向けられる第2開口を有し、前記DL型エルボの上流側の流路の少なくとも一部を規定する直管部と、前記直管部の内周面から突出し、前記第1開口から前記第2開口に向かって、前記直管部の中心軸に対して旋回して延びるフィンと、を備え、前記直管部の中心軸の方向から見て、前記直管部の径方向での前記フィンの高さは、前記直管部の内径の30%以上50%以下であり、前記フィンは、前記第1開口側の第1端部と前記第2開口側の第2端部とを有し、前記直管部の中心軸の方向から見て、前記第1端部と前記直管部の中心軸とを結ぶ直線と、前記第2端部と前記直管部の中心軸とを結ぶ直線との間の角度は、140度以上180度以下であり、前記フィンの前記第2端部は、前記直管部において前記DL型エルボの受口内に位置する部分にある。
本開示の一態様にかかる雨樋システムは、前記配管部材を含む雨樋システムであって、建物からの雨水の落とし口に配置されるドレンと、前記落とし口に接続される竪樋と、前記落とし口と前記竪樋との間にある呼び樋と、前記呼び樋の上流側の端部を前記落とし口に接続する第1DL型エルボと、前記呼び樋の下流側の端部を前記竪樋の上流側の端部に接続する第2DL型エルボと、を備え、前記配管部材は、前記呼び樋の少なくとも一部を構成する。
本開示の態様は、デザイン性と排水性能を両立させやすくなる。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。以下の実施の形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、各要素の寸法比率は図面に図示された比率に限られるものではない。
[1.実施の形態]
[1.1 実施の形態1]
[1.1.1 構成]
図1は、実施の形態1にかかる雨樋システム1の構成例の概略図である。雨樋システム1は、配管システムの一種である。雨樋システム1は、建物10の屋根10aからの雨水を受けて、地面20のます部21に流す。ます部21に集められた雨水は、ます部21から埋設管22を通って雨水管に流れ出る。建物10は、例えば、店舗、オフィス、工場、ビル、学校、福祉施設又は病院等の非住宅施設、及び戸建住宅、集合住宅、又は戸建住宅若しくは集合住宅の各住戸等の住宅施設の建物である。非住宅施設には、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、百貨店、ホテル、旅館、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅及び空港等も含む。
[1.1 実施の形態1]
[1.1.1 構成]
図1は、実施の形態1にかかる雨樋システム1の構成例の概略図である。雨樋システム1は、配管システムの一種である。雨樋システム1は、建物10の屋根10aからの雨水を受けて、地面20のます部21に流す。ます部21に集められた雨水は、ます部21から埋設管22を通って雨水管に流れ出る。建物10は、例えば、店舗、オフィス、工場、ビル、学校、福祉施設又は病院等の非住宅施設、及び戸建住宅、集合住宅、又は戸建住宅若しくは集合住宅の各住戸等の住宅施設の建物である。非住宅施設には、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、百貨店、ホテル、旅館、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅及び空港等も含む。
図1の雨樋システム1は、軒樋2と、竪樋3と、ドレン4と、呼び樋6と、第1エルボ7aと、第2エルボ7bと、補助竪樋8と、を備える。
軒樋2は、建物10の屋根10aからの雨水を受ける。軒樋2は、建物10の屋根10aの下に設置される。軒樋2は、長尺の桶状である。図1の軒樋2は、底壁2aを有する。底壁2aに落とし口2bがある。
ドレン4は、軒樋2の落とし口2bに配置される。ドレン4は、落とし口2bでの渦の発生及び空気の巻き込みを低減する。ドレン4は、サイフォン現象の発生に寄与し得る。ドレン4は、周知の構成であってよい。
竪樋3は、落とし口2bから雨水を排水するために設置される。竪樋3は、落とし口2bからの雨水を垂直に流すための流路を形成する。竪樋3は、上流側の端部3aと下流側の端部3bとを有する。上流側の端部3aは、竪樋3において落とし口2bに接続される端部(図1での上端部)である。下流側の端部3bは、竪樋3において、ます部21に挿入される端部(図1での下端部)である。図1では、竪樋3とます部21との隙間からます部21内に雨水が流入しないように排水管カバー31が配置される。
図1では、竪樋3は、控金具32a,32b,32cにより建物10の壁面10bに固定される。なお、地面20から竪樋3の上端までの距離[mm]、竪樋3の上端から一番上の控金具32aまでの距離[mm]、地面20から一番下の控金具32cまでの距離[mm]、一般に、200mm以上300mm以下である。控金具32a,32b,32c間のピッチ[mm]は、一般に、800mm以上1200mm以下であり、一定の場合には1000mm以下とされる。竪樋3と壁面10bとの間の距離は、一般に、30mm以上100mm以下である。
雨樋システム1では、竪樋3は、落とし口2bに直接的に接続されていない。雨樋システム1では、竪樋3は、呼び樋6、第1エルボ7a及び第2エルボ7bを介して、落とし口2bに接続される。
呼び樋6は、落とし口2bから竪樋3に建物10からの雨水を流すための部分である。呼び樋6は、建物10からの雨水の落とし口2bと竪樋3との間にある。呼び樋6は、落とし口2bからの雨水を略水平に流すための流路を形成する。
呼び樋6は、上流側の端部6aと下流側の端部6bとを有する。上流側の端部6aは、呼び樋6において落とし口2bに接続される端部(図1での左端部)である。下流側の端部6bは、呼び樋6において竪樋3に接続される端部(図1での右端部)である。
第1エルボ7aは、呼び樋6の上流側の端部6aを落とし口2bに接続する。第1エルボ7aは、必ずしも呼び樋6の上流側の端部6aを落とし口2bに直接的に接続する部材ではなく、呼び樋6の上流側の端部6aを落とし口2bに他の部材を介して間接的に接続する部材であってよい。第1エルボ7aの材料は、例えば、硬質ポリ塩化ビニルである。第1エルボ7aは、竪樋3及び呼び樋6等の管材を第1エルボ7aに接続するための受口71a,72aを有する。受口71a,72aの中心軸間の角度は、例えば、JIS K 6739「排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手」で規定される91.17°である。第1エルボ7aの管軸を含む平面での、第1エルボ7aの内周側及び外周側の角部は、R形状である。
第2エルボ7bは、呼び樋6の下流側の端部6bを竪樋3の上流側の端部3aに接続する。第2エルボ7bは、必ずしも呼び樋6の下流側の端部6bを竪樋3の上流側の端部3aに直接的に接続する部材ではなく、呼び樋6の下流側の端部6bを竪樋3の上流側の端部3aに他の部材を介して間接的に接続する部材であってよい。第2エルボ7bの材料は、例えば、硬質ポリ塩化ビニルである。第2エルボ7bは、竪樋3及び呼び樋6等の管材を第2エルボ7bに接続するための受口71b,72bを有する。受口71b,72bの中心軸間の角度は、例えば、JIS K 6739「排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手」で規定される91.17°である。第2エルボ7bの管軸を含む平面での、第2エルボ7bの内周側及び外周側の角部は、R形状である。
第1エルボ7aの寸法及び第2エルボ7bの寸法は、例えば、JIS K 6739「排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手」の規格に沿って設定されてよい。本実施形態の第1エルボ7aと第2エルボ7bはともに、JIS K 6739で規定される90°エルボである。90°エルボは、エルボ(DL)やDL型エルボと称してもよい。第2エルボ7bがDL型エルボであれば、第1エルボ7aはDL型エルボとは異なる形状のエルボであってもよい。
補助竪樋8は、落とし口2bから第1エルボ7aに建物10からの雨水を垂直に流すための部分である。補助竪樋8は、落とし口2bと第1エルボ7aとの間にある。補助竪樋8は、直管状である。補助竪樋8の管軸に直交する断面は円形状である。補助竪樋8の材料は、硬質ポリ塩化ビニルである。補助竪樋8の寸法、例えば、外形と厚さは、JIS K 6741「硬質ポリ塩化ビニル管」の硬質ポリ塩化ビニル管(一般)の規格に沿って設定されてよい。図1の補助竪樋8は、落とし口2bと第1エルボ7aとの間に、補助竪樋8の管軸の方向が上下方向(鉛直方向)に一致するように配置される。
補助竪樋8は、上流側の端部8aと下流側の端部8bとを有する。上流側の端部8aは、補助竪樋8において落とし口2bに接続される端部(図1での上端部)である。下流側の端部8bは、補助竪樋8において、第1エルボ7aに接続される端部(図1での下端部)である。
図1の呼び樋6は、横菅61と、配管部材5と、を備える。
横菅61は、呼び樋6の流路の一部を構成する。本実施の形態では、横管61の内側面で囲まれる内部空間が、呼び樋6の流路の一部となる。本実施の形態では、横管61は、呼び樋6の上流側の部分である。横管61は、直管状である。横管61の管軸に直交する断面は円形状である。横管61の材料は、硬質ポリ塩化ビニルである。横管61の寸法、例えば、外形と厚さは、JIS K 6741「硬質ポリ塩化ビニル管」の硬質ポリ塩化ビニル管(一般)の規格に沿って設定されてよい。横管61の上端側の端部が、呼び樋6の上流側の端部6aである。
配管部材5は、水平方向に延びる第1配管(呼び樋6)、鉛直方向に延びる第2配管(竪樋3)、及び第1配管(呼び樋6)と第2配管(竪樋3)とを連結するDL型エルボ(第2エルボ7b)とを備える配管システム(雨樋システム1)の一部を構成する。配管部材5は、配管部材5の管軸の周りに旋回するような水流(旋回流)を生み出す。配管部材5は、流体を旋回させるための旋回部材であるといえる。図1の呼び樋6では、配管部材5は、横菅61の下流側の端部6bに接続される。これによって、配管部材5は、呼び樋6の横菅61と第2エルボ7bとの間にある。つまり、配管部材5は、第2エルボ7bの上流側にある。配管部材5は、第2エルボ7bの受口71bに直接取り付けられる。
雨樋システム1では、雨水の排水時には、第1エルボ7a又は第2エルボ7bで圧力損失が生じ得る。例えば、第2エルボ7bにおいて、図1に示すように、第2エルボ7bの角部の内周側の部位P1では、内部圧力が低くなり、流速が速くなる。一方で、第2エルボ7bの角部の外周側の部位P2では、内部圧力が高くなり、流速が遅くなる。このような内部圧力及び流速の不均一さは、圧力損失を引き起こし、排水性能を低下させる一因となる。特に第2エルボ7bがDL型エルボである場合、JIS K 6739で規定される90°大曲エルボ(エルボ(LL))に比べて、サイズが小さくデザイン性に優れているものの、部位P1における内部圧力が低くなりやすく、圧力損失も大きくなりやすい。
雨樋システム1では、配管部材5を備えることによって、DL型エルボである第2エルボ7bに、配管部材5を通過することで旋回流が生じた雨水を流入させることができる。雨水に旋回流が生じていることで、第2エルボ7bでの内部圧力及び流速の不均一さを軽減し、圧力損失を低下させ、これによって、排水性能を向上させることができる。特に第2エルボ7bの部位P1(低圧部)に水流を送り込みやすくなり、デザイン性に優れたDL型エルボを用いながら、内部圧力及び流速の不均一さを軽減して排水性能を向上させることができ、デザイン性と排水性能を両立させることができる。
以下、配管部材5について、図2A~図5を参照して更に詳細に説明する。
図2A、図2Bはそれぞれ、配管部材5の構成例の斜視図である。図3は、配管部材5の正面図である。図4は、配管部材5の背面図である。図5は、図3のX-X線の断面図である。図6は、図2BのY-Y線の断面図である。
図2A、図2Bの配管部材5は、直管部51と、フィン52と、受口53とを備える。本実施の形態において、直管部51と、フィン52と、受口53とは、連続一体に形成される。配管部材5の材料は、硬質ポリ塩化ビニルである。
直管部51は、筒状である。特に、本実施の形態において、直管部51は、円筒状である。直管部51の中心軸C1に直交する面内での直管部51の外周形状及び内周形状は円形状である。直管部51は、第1開口51aと、第2開口51bと、内周面51cとを有する。第1開口51a及び第2開口51bは、直管部51の中心軸C1の方向の両端部にある。直管部51において内周面51cで囲まれる内部空間は、流路を規定する。本実施の形態において、配管部材5は、第2エルボ7bの上流側にあるため、直管部51は、第2エルボ7bの上流側の流路の少なくとも一部を規定する。直管部51の中心軸C1の方向に直交する面内での外周形状及び内周形状は、第1開口51aから第2開口51bに向かって変化しない。直管部51の寸法、例えば、外形と厚さは、JIS K 6741「硬質ポリ塩化ビニル管」の硬質ポリ塩化ビニル管(一般)の規格に沿って設定されてよい。
第1開口51aは、雨樋システム1の上流側に向けられる。つまり、第1開口51aは流体が入る流入口である。本実施の形態において、第1開口51aは、落とし口2bに流路的に接続される。ここで、「第1開口51aが落とし口2bに流路的に接続される」とは、落とし口2bと第1開口51aとの間で流体の流出入が生じるように、第1開口51aが落とし口2bに接続されることをいう。図1では、第1開口51aは、呼び樋6の横菅61、第1エルボ7a及び補助竪樋8を介して間接的に、落とし口2bに接続されている。
第2開口51bは、雨樋システム1の下流側に向けられる。つまり、第2開口51bは流体が出る流出口である。本実施の形態において、第2開口51bは、ます部21に流路的に接続される。ここで、「第2開口51bがます部21に流路的に接続される」とは、ます部21と第2開口51bとの間で流体の流出入が生じるように、第2開口51bがます部21に接続されることをいう。図1では、第2開口51bは、第2エルボ7b及び竪樋3を介して間接的に、ます部21に接続されている。
受口53は、配管部材5を呼び樋6の横菅61に接続するために設けられる。受口53は、直管部51の第1開口51a側の端部に設けられる。図2Aに示すように、受口53は、直管部51の第1開口51aを囲う円筒状である。本実施の形態において、受口53の外径は、直管部51の外径より大きい。受口53の内径は、直管部51の内径より大きい。受口53の長さ、外径、及び内径は、例えば、JIS K 6739「排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手」の規格に沿って設定されてよい。
フィン52は、第1開口51aから直管部51に流入する流体に、旋回流を生じさせるために設けられる。フィン52は、第1開口51aから第2開口51bに向かって、中心軸C1に対して旋回するように延びている。フィン52が第1開口51aから第2開口51bに向かって旋回する方向を旋回方向R1とする。本実施形態の旋回方向R1は、第1開口51aから第2開口51bに向かって反時計回りであるが、時計回りであってもよい。
フィン52は、第1開口51a側の端部としての第1端部52aと、第2開口51b側の端部としての第2端部52bを有する。第1端部52aはフィン52の始点であり、第2端部52bはフィン52の終点である。
本実施の形態において、フィン52の始点から終点までの旋回角度は、140度以上180度以下である。具体的には、図3、図4に示すように、直管部51の中心軸C1の方向から見て、第1端部52aと直管部51の中心軸C1とを結ぶ第1直線L11と、第2端部52bと直管部51の中心軸C1とを結ぶ第2直線L12との間の角度θ1は、140度以上180度以下である。本実施の形態において、θ1は例えば、約144度である。
角度θ1を140度以上にすることで、フィン52が水流を旋回させる効果を大きく発揮することができる。角度θ1を180度以下にすることで、フィン52が直管部51の流路断面を塞ぐ領域の割合が過剰に大きくなることを抑制し、異物の詰まりを抑制できる。
本実施の形態において、フィン52は、3つの部分62、64、66を有する。具体的には、図5に示すように、フィン52は、第1開口51aから第2開口51bに向かって順に、第1部分62、第2部分64、第3部分66を有する。
第1部分62は、第1端部52aを有し、フィン52の上流部分に相当する。第2部分64は、第1部分62と第3部分66とを繋ぎ、フィン52の中間部分に相当する。第3部分66は、第2端部52bを有し、フィン52の下流部分に相当する。
図5は、図3のX-X線の断面図であり、これは、配管部材5を、直管部51の径方向D1(図3及び図4参照)から見た断面図でもある。ここでの径方向D1は、フィン52の第2部分64(フィン52の旋回方向R1の中央部を含む。)に向かう方向であればよい。図5に示すように、第1部分62は、直管部51の内周面51cに接続される側の基端部68Aと、内周面51cから離れる側の先端部70Aとを有する。第2部分64は、直管部51の内周面51cに接続される側の基端部68Bと、内周面51cから離れる側の先端部70Bとを有する。第3部分66は、直管部51の内周面51cに接続される側の基端部68Cと、内周面51cから離れる側の先端部70Cとを有する。
基端部68A、68B、68Cは、直管部51の内周面51cにおいて互いに接続されており、フィン52の基端部68を構成する。先端部70A、70B、70Cは、直管部51の内周面51cから離れた位置で互いに接続されており、フィン52の先端部70を構成する。
本実施の形態の基端部68は、第1開口51aから第2開口51bに向かって、滑らかに湾曲する曲線形状を有する。これにより、基端部68の周辺を流れる水流に対する抵抗を少なくして、圧力損失を低減することができる。
本実施の形態の先端部70は、3つに分かれた先端部70A、70B、70Cのそれぞれで異なる形状・傾斜を有する。
第1部分62の先端部70Aは、直管部51の径方向D1から見て、第1開口51aから第2開口51bに向かって、直管部51の中心軸C1に近付く方向に傾斜して延びる。第2部分64の先端部70Bは、直管部51の径方向D1から見て、第1開口51aから第2開口51bに向かって、直管部51の中心軸C1に直交せずに交差して延びる。第3部分66の先端部70Cは、直管部51の径方向D1から見て、第1開口51aから第2開口51bに向かって、直管部51の中心軸C1から離れる方向に傾斜して延びる。
第1部分62の先端部70Aを径方向D1から見たときに中心軸C1に近付く方向に傾斜させることで、フィン52の第1部分62に当たる水流を旋回させる効果をより発揮しやすくなる。第2部分64の先端部70Bを径方向D1から見たときに中心軸C1に交差させることで、フィン52の第2部分64に当たる水流をより旋回させやすくなる。第3部分66の先端部70Cを径方向D1から見たときに中心軸C1から遠ざかる方向に傾斜させることで、フィン52の第3部分66に当たる水流を旋回させる効果をより発揮しやすくなる。
第2部分64の先端部70Bは、直管部51の径方向D1から見て、第1部分62の先端部70Aおよび第3部分66の先端部70Cよりも、直管部51の中心軸C1に対する傾斜角度が小さい。直管部51の中心軸C1に対する傾斜角度に関して、先端部70Bの傾斜角度を先端部70A、70Cの傾斜角度よりも小さくすることで、フィン52の第2部分64に当たる水流をより緩やかに旋回させやすくなり、圧力損失を低減することができる。
図3、図4、図5に示すように、第2部分64の先端部70Bは、第1開口51aから第2開口51bに向かって、中心軸C1に対して間隔を空けて旋回するように延びる。先端部70Bが旋回する方向は、フィン52の旋回方向R1と同じ方向である。先端部70Bを中心軸C1に対して旋回させることで、フィン52の第2部分64に当たる水流をより旋回させやすくなる。
上述した基端部68および先端部70を有するフィン52は板状に構成されるとともに、対向する2つの主面が滑らかに湾曲した曲面形状を有し、水流に対する圧力損失を低減することができる。
図3、図4に示すように、直管部51の中心軸C1の方向から見て、径方向D1でのフィン52の第2部分64の高さH1は、直管部51の内径A1(図5参照)の30%以上50%以上である。第2部分64は第1開口51aから第2開口51bに向かって延びており、いずれの位置においても高さH1が直管部51の内径A1(図5参照)の30%以上50%以上である。本実施の形態では、第2部分64の高さH1は第1開口51aから第2開口51bに向かって概ね一定である。このような場合に限らず例えば、直管部51の内径A1の30%以上50%以上の範囲内で増減してもよい。
このように、フィン52における第2部分64の高さH1を所定範囲に収めることで、水流を旋回させる効果を大きく発揮しながら、異物の詰まりを抑制することができる。
第1部分62は、第1端部52aから立ち上がり、第1開口51aから第2開口51bに向かって高さが漸増する。第3部分66は、第2端部52bに向けて終端し、第1開口51aから第2開口51bに向かって高さが漸減する。第1部分62と第3部分66は、第2部分64に接続される位置でそれぞれ第2部分64の高さH1と同じ高さになる。
本実施の形態では、直管部51の中心軸C1に垂直な断面において、フィン52の基端部68と先端部70とを結ぶ直線が延びる方向を±10度以内に制限している。図6の断面図では、フィン52の第2部分64の断面が表れており、第2部分64の基端部68Bと先端部70Bとを結ぶ直線L13と、基端部68Bと中心軸C1とを結ぶ直線L14が互いに重なっている。すなわち、直線L13と直線L14との間の角度は略0度であり、±10度以内に収まっている。図示を省略しているが、フィン52の第1部分62および第3部分66においても同様に、直管部51の中心軸C1に垂直な断面で、フィン52の基端部68と先端部70とを結ぶ直線と、フィン52の基端部68と直管部51の中心軸C1とを結ぶ直線との間の角度は±10度以内である。本実施の形態では、フィン52の全体において、フィン52の基端部68と先端部70とを結ぶ直線と、フィン52の基端部68と直管部51の中心軸C1とを結ぶ直線は概ね重なっており、2つの直線同士の角度を略0度に近付けている。このような場合に限らず、±10度以内の範囲で2つの直線同士の角度を変化させてもよい。
このように、直管部51の中心軸C1に垂直な断面でフィン52の傾きを所定範囲内に収めることで、フィン52の全体にわたって安定した旋回効果を得やすくなり、排水性能の向上につながる。
本実施の形態ではさらに、フィン52の始点である第1端部52aから終点である第2端部52bまでの、直管部51の中心軸C1の方向での距離を所定範囲内に制限している。具体的には、図5に示すように、第1端部52aから第2端部52bまでの、中心軸C1の方向での距離A2は、直管部51の内径A1の150%以上250%以内である。
フィン52の管軸方向の距離A2を内径A1の150%以上とすることで、水流を旋回させる距離を確保することができ、排水性能を向上できる。距離A2を内径A1の250%以内とすることで、配管部材5が管軸方向に過剰に長くなることを抑制して、配管部材5をコンパクト化することができる。これにより、排水性能の向上とコンパクト化を両立させることができる。
図7は、配管部材5を第2エルボ7bの受口71bに取り付けた状態を示す概略縦断面図である。図7に示すように、配管部材5を第2エルボ7bの受口71bに取り付けた取付状態において、フィン52の第2端部52bは、第2エルボ7bの受口71bの内部に配置される。フィン52の第2端部52bは、直管部51において、DL型エルボである第2エルボ7bの受口71b内に位置する部分にある。
このように、第2端部52bを第2エルボ7bの受口71b内に配置することで、第2エルボ7bにより近い位置で旋回流を生じさせることができ、旋回流による部位P1(低圧部)への水流の送り込み効果が高くなり、排水性能を向上させることができる。
フィン52において、各角部はR形状とされており、これによって、フィン52での圧力損失を低減するようにしている。特に図3に示すように、フィン52の最も上流側に位置する角部である、第1端部52aと先端部70との間の角部73もR形状である。フィン52の最も上流側の角部73をR形状とすることで、水流がフィン52に当たり始める箇所での抵抗を小さくして、圧力損失を低減することができる。
次に、配管部材5の作用について説明する。図8は、配管部材5の作用の説明図である。直管部51の第1開口51aから直管部51の中に流体(例えば、雨水)が流入すると、流体は、フィン52において最も上流側に位置する第1部分62に当たる。フィン52の第1部分62は、直管部51の第1開口51aから直管部51の内に侵入した流体を、フィン52の旋回方向R1に沿って旋回させる向きに誘導する(図8の矢印B1参照)。フィン52の第2部分64および第3部分66も旋回方向R1に旋回する形状のため、流体をフィン52の旋回方向R1に沿って旋回させる向きに誘導する(図8の矢印B1参照)。これによって、流体に、矢印B1で示すような旋回流が生じ得る。そのため、配管部材5は、第2エルボ7bに、旋回流が生じた雨水を流入させることができる。雨水に旋回流が生じていることで、旋回流がない場合に比べて第2エルボ7bでの内部圧力及び流速の不均一さが軽減され、圧力損失が低下し、これによって、排水性能が向上し得る。特に、DL型エルボである第2エルボ7bの低圧部に相当する部位P1(図7参照)に水を流入させやすくなり、内部圧力及び流速の不均一さをより効果的に軽減することができる。
このように、実施の形態1の配管部材5によれば、エルボの前に旋回の流れを造出することにより、エルボ内部の流れを整流する(均一にする)ことができる。つまり、雨樋システム1の大きな圧力損失源である、エルボの圧力損失が旋回流によって低減できることで、排水性能の向上が可能である。この排水性能の向上の効果は、配管部材5の内部が満水に近い状態であるほど高くなり得る。
配管部材5では、図3及び図4に示すように、直管部51の中心軸C1の方向から見て、フィン52が存在しない領域には空間S1が形成される。空間S1により、雨樋システム1に侵入した異物をスムーズに排出できて、異物が詰まる可能性を低減できる。
雨樋システム1において、第2エルボ7bの受口71bに配管部材5を取り付けるだけで排水性能の向上が可能である。つまり、従来構成に対してエルボの上流側に後付部材として配管部材5を付加することでエルボでの圧力損失を低減して排水性能を向上できる。そのため、雨樋システム1において、エルボの仕様変更をする必要がない。
図7に示す取付状態では、フィン52の終点である第2端部52bがフィン52における最下部に位置するように、配管部材5が第2エルボ7bの受口71bに取り付けられる。このような取付位置によれば、第2エルボ7bの低圧部に相当する部位P1に水流をより流しやすくなり、排水性能をさらに向上させることができる。
図9は、配管部材5を第2開口51b側から見た斜視図である。図9に示すように、配管部材5の外周面には、目印74が設けられている。目印74は、配管部材5において、第2端部52bがフィン52の最下部に位置する向きを示すためのものである。目印74は例えば、印刷やエンボス加工等の任意の手段で設けられてもよい。本実施の形態の目印74は、直管部51の外周面で第2端部52bに対応する位置に設けられる。
配管部材5を第2エルボ7bの受口71に取り付ける作業者は目印74を認識することで、フィン52の終点である第2端部52bの位置を確認することができる。作業者は、目印74が鉛直下方を向くように配管部材5を第2エルボ7bの受口71bに取り付けることで、図7に示すように、フィン52の終点である第2端部52bがフィン52の最下部に位置するように取り付けることができる。これにより、配管部材5による排水性能の向上効果をより大きく奏することができる。
[1.1.2 効果等]
以上述べた配管部材5は、水平方向に延びる第1配管(呼び樋6)、鉛直方向に延びる第2配管(竪樋3)、及び第1配管(呼び樋6)と第2配管(竪樋3)とを連結するDL型エルボ(第2エルボ7b)とを備える配管システム(雨樋システム1)の一部を構成する。配管部材5は、配管システム(雨樋システム1)の上流側に向けられる第1開口51a及び配管システム(雨樋システム1)の下流側に向けられる第2開口51bを有し、エルボ7bの上流側の流路の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51の内周面51cから突出し、第1開口51aから第2開口51bに向かって、直管部51の中心軸C1に対して旋回して延びるフィン52と、を備える。直管部51の中心軸C1の方向から見て、直管部51の径方向D1でのフィン52の高さH1は、直管部51の内径A1の30%以上50%以下であり、フィン52は、第1開口51a側の第1端部52aと第2開口51b側の第2端部52bとを有し、直管部51の中心軸C1の方向から見て、第1端部52aと直管部51の中心軸C1とを結ぶ直線L11と、第2端部52bと直管部51の中心軸C1とを結ぶ直線L12との間の角度は、140度以上180度以下であり、フィン52の第2端部52bは、直管部51においてDL型エルボ(第2エルボ7b)の受口71b内に位置する部分にある。この構成は、デザイン性と排水性能を両立させることができる。
以上述べた配管部材5は、水平方向に延びる第1配管(呼び樋6)、鉛直方向に延びる第2配管(竪樋3)、及び第1配管(呼び樋6)と第2配管(竪樋3)とを連結するDL型エルボ(第2エルボ7b)とを備える配管システム(雨樋システム1)の一部を構成する。配管部材5は、配管システム(雨樋システム1)の上流側に向けられる第1開口51a及び配管システム(雨樋システム1)の下流側に向けられる第2開口51bを有し、エルボ7bの上流側の流路の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51の内周面51cから突出し、第1開口51aから第2開口51bに向かって、直管部51の中心軸C1に対して旋回して延びるフィン52と、を備える。直管部51の中心軸C1の方向から見て、直管部51の径方向D1でのフィン52の高さH1は、直管部51の内径A1の30%以上50%以下であり、フィン52は、第1開口51a側の第1端部52aと第2開口51b側の第2端部52bとを有し、直管部51の中心軸C1の方向から見て、第1端部52aと直管部51の中心軸C1とを結ぶ直線L11と、第2端部52bと直管部51の中心軸C1とを結ぶ直線L12との間の角度は、140度以上180度以下であり、フィン52の第2端部52bは、直管部51においてDL型エルボ(第2エルボ7b)の受口71b内に位置する部分にある。この構成は、デザイン性と排水性能を両立させることができる。
配管部材5において、直管部51の中心軸C1に垂直な断面で、フィン52の基端部68と先端部70とを結ぶ直線L13と、フィン52の基端部68と直管部51の中心軸C1とを結ぶ直線L14との間の角度は、±10度以内である。この構成は、排水性能を向上できる。
配管部材5において、第1端部52aから第2端部52bまでの、直管部51の中心軸C1の方向での距離A2は、直管部51の内径A1の150%以上250%以内である。この構成は、排水性能の向上とコンパクト化を両立させることができる。
配管部材5において、フィン52は、第1部分62と、第2部分64と、第3部分66とを有し、第1部分62は、第1端部52aを含み、第3部分66は、第2端部52bを含み、第2部分64は、第1部分62と第3部分66とを繋ぐ。この構成は、フィン52の形状を様々に異ならせることができる。
配管部材5において、第1部分62の先端部70Aは、直管部51の径方向D1から見て、第1開口51aから第2開口51bに向かって、直管部51の中心軸C1に近付く方向に傾斜して延びる。この構成は、水流を旋回させる効果を大きくできる。
配管部材5において、第3部分66の先端部70Cは、直管部51の径方向D1から見て、第1開口51aから第2開口51bに向かって、直管部51の中心軸C1から遠ざかる方向に傾斜して延びる。この構成は、水流を旋回させる効果を大きくできる。
配管部材5において、第2部分64の先端部70Bは、直管部51の径方向D1から見て、第1開口51aから第2開口51bに向かって、直管部51の中心軸C1と直交せずに交差して延びる。この構成は、水流を旋回させる効果を大きくできる。
配管部材5において、第2部分64の先端部70Bは、第1開口51aから第2開口51bに向かって、直管部51の中心軸C1に対して間隔を空けて旋回するように延びる。この構成は、水流を旋回させる効果を大きくできる。
配管部材5において、第2部分64の先端部70Bは、直管部51の径方向D1から見て、第1部分62の先端部70Aおよび第3部分66の先端部70Cよりも、直管部51の中心軸C1に対する傾斜角度が小さい。この構成は、圧力損失を低減できる。
配管部材5において、直管部51の中心軸C1の方向から見て、直管部51の径方向D1での第2部分64の高さは、直管部51の内径A1の30%以上50%以下である。この構成は、異物の詰まりを抑制しながら水流を旋回させる効果を大きくできる。
配管部材5において、フィン52の基端部68は、直管部51の径方向D1から見て、第1開口51aから第2開口51bに向かって、湾曲する。この構成は、圧力損失を低減できる。
配管部材5において、フィン52の第1端部52aと先端部70との間の角部73はR形状を有する。この構成は、圧力損失を低減できる。
配管部材5において、フィン52において第2端部52bがフィン52の最下部に位置する向きを示す目印74をさらに有する。この構成は、排水性能の向上につながる。
以上述べた雨樋システム1は、配管部材5を含む。雨樋システム1は、建物10からの雨水の落とし口2bに配置されるドレン4と、落とし口2bに接続される竪樋3と、落とし口2bと竪樋3との間にある呼び樋6と、呼び樋6の上流側の端部6aを落とし口2bに接続する第1DL型エルボ(第1エルボ7a)と、呼び樋6の下流側の端部6bを竪樋3の上流側の端部3aに接続する第2DL型エルボ(第2エルボ7b)と、を備える。配管部材5は、呼び樋6の少なくとも一部を構成する。この構成は、デザイン性と排水性能を両立させることができる。
[2.変形例]
本開示の実施の形態は、上記実施の形態に限定されない。上記実施の形態は、本開示の課題を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施の形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示の実施の形態は、上記実施の形態に限定されない。上記実施の形態は、本開示の課題を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施の形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
一変形例において、フィンの一部又は全部の形状及び大きさは、上記の実施の形態と異なっていてよい。例えば、フィンにリブやスリットが設けられてもよい。
一変形例において、フィンの数は特に限定されない。フィンの数は、1つのみ又は2以上であってもよい。
一変形例において、配管部材は、受口を備えていなくてもよい。配管部材は、直管部の長さが縦管又は横菅として利用可能な長さであるように構成されてよい。
一変形例において、直管部の中心軸C1の方向におけるフィンの位置は、特に限定されず、下流側の第2端部が直管部において第2エルボ7bの受口71b内に位置する部分にあればよい。
一変形例において、直管部とリブとは、連続一体に形成されていなくてもよい。直管部とリブとは別体であってよい。直管部とリブとは組み立て等により機械的に結合されてよい。直管部とリブの材料とは異なっていてもよい。
一変形例において、配管部材の材料は、必ずしも硬質ポリ塩化ビニルでなくてもよい。配管部材の材料は、雨樋システム等の配管システムに求められる要件にしたがって決定されてよく、例えば、ポリエチレン等の合成樹脂であってもよい。
一変形例において、呼び樋6は、上記の実施の形態の例と異なる構成を有してよい。呼び樋6は、横菅61及び配管部材5に加えて、その他の部材を有し得る。別の例では、呼び樋6は、配管部材5が、呼び樋6の上流型の端部であってよい。例えば、図1では、配管部材5が第1エルボ7aに直接的に接続されてよい。呼び樋6は、配管部材5のみで構成されてよい。つまり、配管部材5が、呼び樋6の流路全部を構成してよい。呼び樋6は、配管部材5と第2エルボ7bとの間に、別の横管を備えてよい。
一変形例において、雨樋システム1は、必ずしも軒樋2を備えていなくてもよい。例えば、建物10がバルコニーのような落とし口を備える構造を有する場合には、竪樋3が建物10の落とし口に接続されてよい。
以上述べた配管部材5は、図1の雨樋システム1等の雨樋システム以外の配管システムにも利用可能である。配管システムの例としては、上水道又は下水道のための配管システム、工場等の施設内において目的の流体を搬送数ための配管システムが挙げられる。つまり、配管システムで搬送する流体は、雨水に限定されない。特に、配管部材5,5Aは、水平方向に延びる第1配管、鉛直方向に延びる第2配管、及び第1配管と第2配管とを連結するエルボとを備える配管システムにおいて、エルボでの圧力損失を低減させて排水性能を向上させるために、利用可能である。
[3.態様]
上記実施の形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。
上記実施の形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。
第1の態様は、水平方向に延びる第1配管、鉛直方向に延びる第2配管、及び前記第1配管と前記第2配管とを連結するDL型エルボとを備える配管システムの一部として、前記第1配管と前記DL型エルボの間に取り付けられる配管部材であって、前記配管システムの上流側に向けられる第1開口及び前記配管システムの下流側に向けられる第2開口を有し、前記DL型エルボの上流側の流路の少なくとも一部を規定する直管部と、前記直管部の内周面から突出し、前記第1開口から前記第2開口に向かって、前記直管部の中心軸に対して旋回して延びるフィンと、を備え、前記直管部の中心軸の方向から見て、前記直管部の径方向での前記フィンの高さは、前記直管部の内径の30%以上50%以下であり、前記フィンは、前記第1開口側の第1端部と前記第2開口側の第2端部とを有し、前記直管部の中心軸の方向から見て、前記第1端部と前記直管部の中心軸とを結ぶ直線と、前記第2端部と前記直管部の中心軸とを結ぶ直線との間の角度は、140度以上180度以下であり、前記フィンの前記第2端部は、前記直管部において前記DL型エルボの受口内に位置する部分にある。この態様は、デザイン性と排水性能を両立させることができる。
第2の態様は、第1の態様に基づく配管部材である。第2の態様において、前記直管部の中心軸に垂直な断面で、前記フィンの基端部と先端部とを結ぶ直線と、前記フィンの基端部と前記直管部の中心軸とを結ぶ直線との間の角度は、±10度以内である。この態様は、排水性能を向上できる。
第3の態様は、第1~第2の態様のいずれか一つに基づく配管部材である。第3の態様において、前記第1端部から前記第2端部までの、前記直管部の中心軸の方向での距離は、前記直管部の内径の150%以上250%以内である。この態様は、排水性能の向上とコンパクト化を両立させやすい。
第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか一つに基づく配管部材である。第4の態様において、前記フィンは、第1部分と、第2部分と、第3部分とを有し、前記第1部分は、前記第1端部を含み、前記第3部分は、前記第2端部を含み、前記第2部分は、前記第1部分と前記第3部分とを繋ぐ。この態様は、フィンの形状を様々に異ならせることができる。
第5の態様は、第4の態様に基づく配管部材である。第5の態様において、前記第1部分の先端部は、前記直管部の径方向から見て、前記第1開口から前記第2開口に向かって、前記直管部の中心軸に近付く方向に傾斜して延びる。この態様は、水流を旋回させる効果を大きくできる。
第6の態様は、第4~第5の態様のいずれか一つに基づく配管部材である。第6の態様において、前記第3部分の先端部は、前記直管部の径方向から見て、前記第1開口から前記第2開口に向かって、前記直管部の中心軸から遠ざかる方向に傾斜して延びる。この態様は、水流を旋回させる効果を大きくできる。
第7の態様は、第4~第6の態様のいずれか一つに基づく配管部材である。第7の態様において、前記第2部分の先端部は、前記直管部の径方向から見て、前記第1開口から前記第2開口に向かって、前記直管部の中心軸と直交せずに交差して延びる。この態様は、水流を旋回させる効果を大きくできる。
第8の態様は、第4~第7の態様のいずれか一つに基づく配管部材である。第8の態様において、前記第2部分の先端部は、前記第1開口から前記第2開口に向かって、前記直管部の中心軸に対して間隔を空けて旋回するように延びる。この態様は、水流を旋回させる効果を大きくできる。
第9の態様は、第4~第8の態様のいずれか一つに基づく配管部材である。第9の態様において、前記第2部分の先端部は、前記直管部の径方向から見て、前記第1部分の先端部および前記第3部分の先端部よりも、前記直管部の中心軸に対する傾斜角度が小さい。この態様は、圧力損失を低減できる。
第10の態様は、第4~第9の態様のいずれか一つに基づく配管部材である。第10の態様において、前記直管部の中心軸の方向から見て、前記直管部の径方向での前記第2部分の高さは、前記直管部の内径の30%以上50%以下である。この態様は、異物の詰まりを抑制しながら水流を旋回させる効果を大きくできる。
第11の態様は、第1~第10の態様のいずれか一つに基づく配管部材である。第11の態様において、前記フィンの基端部は、前記直管部の径方向から見て、前記第1開口から前記第2開口に向かって、湾曲する。この態様は、圧力損失を低減できる。
第12の態様は、第1~第11の態様のいずれか一つに基づく配管部材である。第12の態様において、前記フィンの前記第1端部と前記先端部との間の角部はR形状を有する。この態様は、圧力損失を低減できる。
第13の態様は、第1~第12の態様のいずれか一つに基づく配管部材である。第13の態様において、前記フィンにおいて前記第2端部が前記フィンの最下部に位置する向きを示す目印をさらに有する。この態様は、排水性能の向上につながる。
第14の態様は、第1~第13の態様のいずれか一つの配管部材を含む雨樋システムである。前記雨樋システムは、建物からの雨水の落とし口に配置されるドレンと、前記落とし口に接続される竪樋と、前記落とし口と前記竪樋との間にある呼び樋と、前記呼び樋の上流側の端部を前記落とし口に接続する第1DL型エルボと、前記呼び樋の下流側の端部を前記竪樋の上流側の端部に接続する第2DL型エルボと、を備え、前記配管部材は、前記呼び樋の少なくとも一部を構成する。この態様は、デザイン性と排水性能を両立させることができる。
上記の第2~第13の態様は任意の要素である。
本開示は、配管部材、及び、雨樋システムに適用可能である。具体的には、水平方向に延びる第1配管と鉛直方向に延びる第2配管とを連結するDL型エルボを有する配管システムの一部を構成する配管部材、及び、雨水の排水のための雨樋システムに、本開示は適用可能である。
1 雨樋システム
3 竪樋(第2配管)
4 ドレン
5 配管部材
51 直管部
51a 第1開口
51b 第2開口
51c 内周面
52 フィン
52a 第1端部
52b 第2端部
6 呼び樋(第1配管)
7a 第1エルボ(第1DL型エルボ)
7b 第2エルボ(第2DL型エルボ)
71a、71b、72a、72b 受口
A1 内径
C1 中心軸
D1 径方向
H1 高さ
θ1 角度
L11、L12、L13、L14 直線
3 竪樋(第2配管)
4 ドレン
5 配管部材
51 直管部
51a 第1開口
51b 第2開口
51c 内周面
52 フィン
52a 第1端部
52b 第2端部
6 呼び樋(第1配管)
7a 第1エルボ(第1DL型エルボ)
7b 第2エルボ(第2DL型エルボ)
71a、71b、72a、72b 受口
A1 内径
C1 中心軸
D1 径方向
H1 高さ
θ1 角度
L11、L12、L13、L14 直線
Claims (14)
- 水平方向に延びる第1配管、鉛直方向に延びる第2配管、及び前記第1配管と前記第2配管とを連結するDL型エルボとを備える配管システムの一部として、前記第1配管と前記DL型エルボの間に取り付けられる配管部材であって、
前記配管システムの上流側に向けられる第1開口及び前記配管システムの下流側に向けられる第2開口を有し、前記DL型エルボの上流側の流路の少なくとも一部を規定する直管部と、
前記直管部の内周面から突出し、前記第1開口から前記第2開口に向かって、前記直管部の中心軸に対して旋回して延びるフィンと、
を備え、
前記直管部の中心軸の方向から見て、前記直管部の径方向での前記フィンの高さは、前記直管部の内径の30%以上50%以下であり、
前記フィンは、前記第1開口側の第1端部と前記第2開口側の第2端部とを有し、
前記直管部の中心軸の方向から見て、前記第1端部と前記直管部の中心軸とを結ぶ直線と、前記第2端部と前記直管部の中心軸とを結ぶ直線との間の角度は、140度以上180度以下であり、
前記フィンの前記第2端部は、前記直管部において前記DL型エルボの受口内に位置する部分にある、
配管部材。 - 前記直管部の中心軸に垂直な断面で、前記フィンの基端部と先端部とを結ぶ直線と、前記フィンの基端部と前記直管部の中心軸とを結ぶ直線との間の角度は、±10度以内である、
請求項1に記載の配管部材。 - 前記第1端部から前記第2端部までの、前記直管部の中心軸の方向での距離は、前記直管部の内径の150%以上250%以内である、
請求項1に記載の配管部材。 - 前記フィンは、第1部分と、第2部分と、第3部分とを有し、
前記第1部分は、前記第1端部を含み、
前記第3部分は、前記第2端部を含み、
前記第2部分は、前記第1部分と前記第3部分とを繋ぐ、
請求項1に記載の配管部材。 - 前記第1部分の先端部は、前記直管部の径方向から見て、前記第1開口から前記第2開口に向かって、前記直管部の中心軸に近付く方向に傾斜して延びる、
請求項4に記載の配管部材。 - 前記第3部分の先端部は、前記直管部の径方向から見て、前記第1開口から前記第2開口に向かって、前記直管部の中心軸から遠ざかる方向に傾斜して延びる、
請求項4に記載の配管部材。 - 前記第2部分の先端部は、前記直管部の径方向から見て、前記第1開口から前記第2開口に向かって、前記直管部の中心軸と直交せずに交差して延びる、
請求項4に記載の配管部材。 - 前記第2部分の先端部は、前記第1開口から前記第2開口に向かって、前記直管部の中心軸に対して間隔を空けて旋回するように延びる、
請求項4に記載の配管部材。 - 前記第2部分の先端部は、前記直管部の径方向から見て、前記第1部分の先端部および前記第3部分の先端部よりも、前記直管部の中心軸に対する傾斜角度が小さい、
請求項4に記載の配管部材。 - 前記直管部の中心軸の方向から見て、前記直管部の径方向での前記第2部分の高さは、前記直管部の内径の30%以上50%以下である、
請求項4に記載の配管部材。 - 前記フィンの基端部は、前記直管部の径方向から見て、前記第1開口から前記第2開口に向かって、湾曲する、
請求項1に記載の配管部材。 - 前記フィンの前記第1端部と先端部との間の角部はR形状を有する、
請求項1に記載の配管部材。 - 前記フィンにおいて前記第2端部が前記フィンの最下部に位置する向きを示す目印をさらに有する、
請求項1に記載の配管部材。 - 請求項1~13のいずれか一つに配管部材を含む雨樋システムであって、
建物からの雨水の落とし口に配置されるドレンと、
前記落とし口に接続される竪樋と、
前記落とし口と前記竪樋との間にある呼び樋と、
前記呼び樋の上流側の端部を前記落とし口に接続する第1DL型エルボと、
前記呼び樋の下流側の端部を前記竪樋の上流側の端部に接続する第2DL型エルボと、
を備え、
前記配管部材は、前記呼び樋の少なくとも一部を構成する、
雨樋システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2022192247A JP2024079352A (ja) | 2022-11-30 | 2022-11-30 | 配管部材、及び、雨樋システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Family Applications (1)
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