JP2024077788A - 結合装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】結合のための抵抗を抑える。【解決手段】結合装置10はオス側金具20とメス側金具22とを備える。メス側金具22がケーシング60と複数のメス側柱状部材62,62,62,62と配置体64と環状部材66とを有している。複数のメス側柱状部材62,62,62,62は、ケーシング60に形成される柱状空間内に収容され、かつ、同一円周上に配置される。その同一円周は、柱状空間の中心軸108上に中心が配置されるものである。この場合、メス側金具クリアランスCが同一円周の径方向についての環状部材66の幅Aより大きい。メス側金具クリアランスCは、柱状空間内の同一円周上に複数のメス側柱状部材62,62,62,62が配置されるときのケーシング60の内周面とメス側柱状部材62,62,62,62の同一円周の中心側の側面から見た裏側面124,126との最小隙間である。【選択図】図8
Description
本発明は、結合装置に関する。
特許文献1は接合構造を開示する。この接合構造は、第1の部材と第2の部材どうしを、互いの接合面を合わせた状態で接合する構造である。この接合構造においては、接合具が第1の部材の内部に埋設される。接合具は、ケーシング内に複数のメス側柱状部材が軸方向に移動可能に収納されてなる。ケーシングの内周面は、軸方向一端から他端に向けて内径が拡径する。この接合構造においては、第1の部材の接合面に第2の部材の接合面を合わせられる。この接合構造においては、第2の部材に形成された貫通孔が、接合具と略同軸的に一致させられる。この接合構造においては、少なくとも一端にねじ部が形成されたオス側柱状部材が、他端部側から第2の部材の貫通孔に貫通させられる。そのオス側柱状部材は接合具の複数のメス側柱状部材を径方向に離しながら進入する。この接合構造においては、そのオス側柱状部材のねじ部にねじ込んだナットを第2の部材に締め付けることによりそのオス側柱状部材を第2の部材側に引き寄せてその他端部を接合具に係止させる。特許文献1に開示された接合構造は、セグメント等の部材どうしの少しの位置ずれがあっても締結が容易で、かつ作業性にも優れる。
しかしながら、特許文献1に開示された接合構造には、オス側柱状部材を複数のメス側柱状部材の中央の隙間に挿入するための抵抗が高くなりやすいという問題点がある。本発明は、このような問題を解決するものである。本発明の目的は、結合のための抵抗を抑えることにある。
図面に基づき本発明の結合装置が説明される。なおこの欄で図中の符号を使用したのは発明の内容の理解を助けるためであって内容を図示した範囲に限定する意図ではない。
上述された課題を解決するために、本発明のある局面に従うと、結合装置10,12は、オス側金具20,24と、メス側金具22とを備える。オス側金具20,24が、柱状のオス側柱状部材40を有している。メス側金具22が、ケーシング60と、複数のメス側柱状部材62,62,62,62と、配置体64と、環状部材66とを有している。ケーシング60は空間形成部82を有している。空間形成部82は柱状空間を形成する。ケーシング60の一端にオス側柱状部材40の進入口100が形成されている。この進入口100は柱状空間に連通する。複数のメス側柱状部材62,62,62,62は柱状空間内に収容される。配置体64は、次に述べられる同一円周上に複数のメス側柱状部材62,62,62,62を配置する。その同一円周は、柱状空間の中心軸108上に中心が配置されるものである。複数のメス側柱状部材62,62,62,62は、柱状空間の中心軸108方向への移動が可能となるように配置体64によって配置される。環状部材66は、複数のメス側柱状部材62,62,62,62を束ねる。ケーシング60の進入口100の中心が柱状空間の中心軸108上に配置されている。メス側柱状部材62が、溝部122を有している。溝部122は同一円周の中心側の側面から見た裏側に配置される。溝部122は、同一円周の周方向の一端から他端までにわたる。環状部材66は、複数のメス側柱状部材62,62,62,62それぞれの溝部122に嵌まることで複数のメス側柱状部材62,62,62,62を束ねる。この場合、メス側金具クリアランスCが同一円周の径方向についての環状部材66の幅Aより大きい。メス側金具クリアランスCは、配置体64によって柱状空間内の同一円周上に複数のメス側柱状部材62,62,62,62が配置されるときの空間形成部82の内周面とメス側柱状部材62,62,62,62の同一円周の中心側の側面から見た裏側面124,126との最小隙間である。
進入口100を介してケーシング60の内部の複数のメス側柱状部材62,62,62,62の間にオス側柱状部材40が進入させられ得る。一方、環状部材66は、複数のメス側柱状部材62,62,62,62それぞれの溝部122に嵌まることで複数のメス側柱状部材62,62,62,62を束ねる。オス側柱状部材40がケーシング60の内部へ進入したとき、そのオス側柱状部材40の進入位置が複数のメス側柱状部材62,62,62,62に囲まれる空間に対し偏っていることがある。そのオス側柱状部材40の進入方向が柱状空間の中心軸108に対して傾いていることもある。それらの場合、そのオス側柱状部材40は複数のメス側柱状部材62,62,62,62のいずれかのみを押したり複数のメス側柱状部材62,62,62,62のいずれかを押し上げたりする。それらの際、メス側柱状部材62の動きに伴って環状部材66が溝部122から出ることがあり得る。環状部材66が溝部122から出た場合、メス側金具クリアランスCが同一円周の径方向についての環状部材66の幅Aより大きいと、環状部材66は空間形成部82の内周面に接触しない。環状部材66が空間形成部82の内周面に接触しないとその接触が妨げとなってメス側柱状部材62の動きが抑制されることもなくなる。その結果、本発明のある局面に従う結合装置10,12は、オス側金具20,24とメス側金具22との結合のための抵抗を抑え得る。
また、上述された溝部122の深さBが同一円周の径方向についての環状部材66の幅Aより大きいことが望ましい。この場合、複数のメス側柱状部材62,62,62,62のいずれかが押し上げられても溝部122によって形成される溝から環状部材66が出難くなる。環状部材66が出難くなると、環状部材66が空間形成部82の内周面に接触し難くなる。環状部材66が空間形成部82の内周面に接触し難くなるとその接触が妨げとなってメス側柱状部材62の動きが抑制されることもなくなる。その結果、本発明のある局面に従う結合装置10,12は、オス側金具20,24とメス側金具22との結合のための抵抗を抑え得る。
また、上述されたメス側金具クリアランスCが、同一円周の径方向についての環状部材66の幅Aとケーシング60の進入口100に進入するオス側柱状部材40の柱状空間の中心軸108に対する最大偏心量との和以下であることが望ましい。
オス側柱状部材40の進入位置が複数のメス側柱状部材62,62,62,62に囲まれる空間に対し偏っているとする。その場合、その偏心量すなわちオス側柱状部材40の柱状空間の中心軸108に対する同一円周の径方向についての距離の分だけ、複数のメス側柱状部材62,62,62,62のうちオス側柱状部材40に押されたものの移動量は大きくなる。ここで言う移動量は、同一円周の径方向についてのものを意味する。その移動量が大きくなると、その分、そのメス側柱状部材62は空間形成部82の内周面に近づく。メス側金具クリアランスCはその分大きい方が望ましい。しかしながら、メス側金具クリアランスCが大きくなることは空間形成部82の内径が大きくなる原因となる。メス側金具クリアランスCが、同一円周の径方向についての環状部材66の幅Aとケーシング60の進入口100に進入するオス側柱状部材40の柱状空間の中心軸108に対する最大偏心量との和以下であるとする。この場合、空間形成部82の内径を必要以上に大きくすることなく、メス側金具クリアランスCの大きさに応じてメス側柱状部材62が空間形成部82の内周面に接触する可能性を抑えることができる。
また、上述されたメス側柱状部材62が、凹凸部120を溝部122に加えて有していることが望ましい。凹凸部120は同一円周の中心側の側面に配置される。この場合、メス側金具クリアランスCが、次に述べられる和以下であることが望ましい。その和は、同一円周の径方向についての環状部材66の幅Aとケーシング60の進入口100に進入するオス側柱状部材40の柱状空間の中心軸108に対する最大偏心量と凹凸部120における凹凸の高さとの和である。
オス側柱状部材40の進入位置が複数のメス側柱状部材62,62,62,62に囲まれる空間に対し偏っているとする。その場合、その偏心量すなわちオス側柱状部材40の柱状空間の中心軸108に対する同一円周の径方向についての距離の分だけ、複数のメス側柱状部材62,62,62,62のうちオス側柱状部材40に押されたものの移動量は大きくなる。ここで言う移動量は、同一円周の径方向についてのものを意味する。メス側柱状部材62が凹凸部120を有しており、かつ、オス側柱状部材40が十分に柔らかいと、その凹凸部120は複数のメス側柱状部材62,62,62,62の間に進入したオス側柱状部材40の外周面に食い込む。十分に食い込みが生じる場合、上述された移動量は、メス側柱状部材62が凹凸部120を有していない場合と同様となる。メス側柱状部材62が凹凸部120を有しており、かつ、オス側柱状部材40が柔らかくないと、その凹凸部120は複数のメス側柱状部材62,62,62,62の間に進入したオス側柱状部材40の外周面に食い込まない。この場合、上述された移動量は、凹凸部120における凹凸の高さの分多くなる。その移動量が大きくなると、その分、そのメス側柱状部材62は空間形成部82の内周面に近づく。メス側金具クリアランスCはその分大きい方が望ましい。しかしながら、メス側金具クリアランスCが大きくなることは空間形成部82の内径が大きくなる原因となる。メス側金具クリアランスCが、次に述べられる和以下であるとする。その和は、同一円周の径方向についての環状部材66の幅Aとケーシング60の進入口100に進入するオス側柱状部材40の柱状空間の中心軸108に対する最大偏心量と凹凸部120における凹凸の高さとの和である。この場合、空間形成部82の内径を必要以上に大きくすることなく、メス側金具クリアランスCの大きさに応じてメス側柱状部材62が空間形成部82の内周面に接触する可能性を抑えることができる。
本発明によれば、結合のための抵抗を抑え得る。
以下、本発明が図面に基づき詳細に説明される。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付される。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[構成の説明]
図1は、本実施形態にかかる結合装置10の構成が示される図である。図1において、後述されるメス側金具22の一部は切り欠かれている。図1に基づいて、本実施形態にかかる結合装置10の構成が説明される。
図1は、本実施形態にかかる結合装置10の構成が示される図である。図1において、後述されるメス側金具22の一部は切り欠かれている。図1に基づいて、本実施形態にかかる結合装置10の構成が説明される。
本実施形態にかかる結合装置10は、オス側金具20と、メス側金具22とを備える。本実施形態にかかる結合装置10のオス側金具20とメス側金具22とは、互いに異なる図示されないセグメントの各々に固定される。オス側金具20とメス側金具22とが結合されることに伴い、これらが固定されているセグメントの対が互いに結合されることとなる。「セグメント」とはシールドトンネルの壁面の一部となる周知の部材のことである。
図2は、本実施形態にかかるオス側金具20の図である。図2において、後述される保持アンカー42の一部は切り欠かれている。図2に基づいて、本実施形態にかかるオス側金具20の構成が説明される。
本実施形態にかかるオス側金具20は、オス側柱状部材40と、保持アンカー42とを有する。オス側柱状部材40の形状は柱状である。オス側柱状部材40の一端には雄ねじが形成されている。その雄ねじは保持アンカー42に形成されている雌ねじにねじ込まれる。保持アンカー42はセグメント内に埋め込まれる。オス側柱状部材40の他端はメス側金具22の内部に進入する。これによってオス側金具20とメス側金具22とが結合されることとなる。
図3は、本実施形態にかかるメス側金具22の図である。図3において、後述されるケーシング60と環状部材66と板状部材110とについては断面が示されている。図3に基づいて、本実施形態にかかるメス側金具22の構成が説明される。
本実施形態にかかるメス側金具22は、ケーシング60と、複数のメス側柱状部材62,62,62,62と、配置体64と、複数の環状部材66,66とを有している。
ケーシング60は、複数のメス側柱状部材62,62,62,62と、複数の環状部材66と、配置体64の一部とを収容する。ケーシング60の具体的構成は後述される。
複数のメス側柱状部材62,62,62,62はケーシング60内に進入したオス側柱状部材40を把持する。本実施形態の場合、ケーシング60内には4本のメス側柱状部材62が収容される。メス側柱状部材62の具体的構成も後述される。
配置体64は、ケーシング60内に複数のメス側柱状部材62,62,62,62を配置する。複数のメス側柱状部材62,62,62,62は、配置体64によってケーシング60内での移動が可能となるように配置される。本実施形態の場合、配置体64は、板状部材110と、弾性体112と、蓋部114と、長ボルト116と、ナット118とを有している。板状部材110と弾性体112と蓋部114とはケーシング60内に収容される。板状部材110は、弾性体112から受けた力を複数のメス側柱状部材62,62,62,62へ伝える。本実施形態にかかる板状部材110の形状は周知の平座金と同様である。弾性体112は板状部材110へ力を加える。そのために弾性体112は予め圧縮されている。本実施形態にかかる弾性体112は周知のコイルバネからなる。蓋部114は、予め圧縮されている弾性体112を支持する。本実施形態の場合、蓋部114の外周には雄ねじが形成されている。長ボルト116の一端は蓋部114に固定されている。長ボルト116の他端は雄ねじとなっている。ナット118は、長ボルト116の他端の雄ねじにねじ込まれる。
環状部材66は、複数のメス側柱状部材62,62,62,62を束ねる。本実施形態にかかる環状部材66は一部が切り欠かれている周知の金属製リングからなる。この金属製リングは線材が曲げられてなるものである。
図4は、本実施形態にかかるケーシング60の断面図である。図4に示されるように、本実施形態にかかるケーシング60は、接続部80と、空間形成部82と、連結部84とを有している。
接続部80は、ケーシング60の一端に配置される。接続部80は、進入口100と、柱状部材誘導面102とを形成する。オス側金具20のオス側柱状部材40が進入口100を貫通することとなる。柱状部材誘導面102は、進入口100へ近づくにつれ窄まる面を形成する。したがって、柱状部材誘導面102はこれに囲まれる空間を形成することとなる。
空間形成部82は接続部80に連なる。空間形成部82は柱状空間を形成する。したがって、この柱状空間は進入口100に連通することとなる。その柱状空間内には、複数のメス側柱状部材62,62,62,62と、配置体64のうち上述された板状部材110と弾性体112とが収容される。その柱状空間は、柱状部材誘導面102が形成する空間を介して進入口100に連通する。本実施形態の場合、その柱状空間は円柱状である。本実施形態の場合、その柱状空間の中心軸108は柱状部材誘導面102が囲む空間の中心および進入口100の中心を通る。
連結部84は、配置体64をケーシング60の空間形成部82に連結する。本実施形態の場合、連結部84には雌ねじが形成されている。上述されたように、配置体64の蓋部114の外周に雄ねじが形成されている。その雄ねじが連結部84の雌ねじにねじ込まれる。これにより配置体64は空間形成部82に連結される。
図5は、本実施形態にかかる複数のメス側柱状部材62,62,62,62が環状部材66,66によって束ねられている状況が示される図である。図5に基づいて、本実施形態にかかるメス側柱状部材62,62,62,62の構成が説明される。
本実施形態の場合、配置体64の弾性体112が板状部材110を介して複数のメス側柱状部材62,62,62,62をケーシング60の柱状部材誘導面102に押付けている。それら複数のメス側柱状部材62,62,62,62は2本の環状部材66,66によって束ねられている。それら複数のメス側柱状部材62,62,62,62は互いに接触している。これにより、それら複数のメス側柱状部材62,62,62,62はケーシング60内において同一円周上に配置されることとなる。
本実施形態における「同一円周上」とは、複数の部材のうち構造が共通する部分が、空間上の一点からの距離が等しくなるように配置されることを言う。本実施形態においては、その空間上の一点は「同一円周の中心」と称される。その同一円周の中心を中心とする仮想上の円の円周が延びる方向は「同一円周の周方向」と称される。その同一円周の中心からその仮想上の円の円周上の各点へ向かう方向は「同一円周の径方向」と称される。
上述されたように、本実施形態の場合、複数のメス側柱状部材62,62,62,62はケーシング60内において同一円周上に配置される。本実施形態の場合、その同一円周の中心は、柱状空間の中心軸108上に配置される。上述されたように、本実施形態の場合、配置体64の弾性体112が板状部材110を介して複数のメス側柱状部材62,62,62,62をケーシング60の柱状部材誘導面102に押付けている。これにより、複数のメス側柱状部材62,62,62,62は、ケーシング60内での柱状空間の中心軸108方向への移動が可能となるように配置されることとなる。
本実施形態にかかるメス側柱状部材62は、凹凸部120と、溝部122の対と、溝端外周面形成部124,124の対と、溝間外周面形成部126と、テーパ面形成端部128とを有している。
凹凸部120は、ケーシング60内で同一円周の中心側の側面に配置される。凹凸部120は凹凸を形成する。その凹凸は同一円周の周方向に沿って延びている。その凹凸は柱状空間の中心軸108方向に並んでいる。溝部122は、ケーシング60内で同一円周の中心側の側面から見た裏側に配置される。溝部122は、同一円周の周方向の一端から他端までにわたる。溝端外周面形成部124および溝間外周面形成部126は、ケーシング60内で同一円周の中心側の側面から見た裏側面に配置される。溝端外周面形成部124の対は、溝部122,122の対を挟むように配置される。溝間外周面形成部126は、溝部122,122の対に挟まれるように配置される。溝端外周面形成部124および溝間外周面形成部126は、平滑な面を形成する。テーパ面形成端部128は、メス側柱状部材62の端に配置される。テーパ面形成端部128は、複数のメス側柱状部材62,62,62,62が束ねられるとき、他のメス側柱状部材62,62,62のテーパ面形成端部128と共にテーパ面を形成する。テーパ面形成端部128は、ケーシング60内において柱状部材誘導面102に対向するように配置される。
本実施形態の場合、溝部122の底部は曲率半径が一定な円弧状の曲面となっている。複数のメス側柱状部材62,62,62,62がケーシング60内において同一円周上に配置されているので、同一円周の中心からそれらの溝部122までの距離は等しい。したがって、環状部材66はそれら複数のメス側柱状部材62,62,62,62それぞれの溝部122に嵌まり得る。ここではその距離は「溝底半径」と称される。本実施形態においては、複数のメス側柱状部材62,62,62,62の溝部122の底部が形成する円の中心に同一円周の中心が配置される場合、環状部材66の内径はその溝底半径の2倍より少し小さい。その結果、それら複数のメス側柱状部材62,62,62,62の溝部122に環状部材66が嵌まるとき、環状部材66はそれら複数のメス側柱状部材62,62,62,62によって少し拡げられている。このことによって生じる環状部材66の弾性変形に伴い、それら複数のメス側柱状部材62,62,62,62は環状部材66から力を受ける。その結果、それら複数のメス側柱状部材62,62,62,62は環状部材66によって束ねられることとなる。
図6は、本実施形態にかかるメス側金具22の溝部122付近の断面図である。本実施形態の場合、メス側金具クリアランスCは、以下の3つの要件を満たすものとなっている。それら3つの要件のうち1つ目は、同一円周の径方向についての環状部材66の幅Aよりも大きいというものである。それら3つの要件のうち2つ目は、溝部122が形成する溝の深さBよりも大きいというものである。なお、本実施形態の場合、溝部122の深さBは環状部材66の幅Aより深い。言うまでもないことだが、同一円周の径方向に直交する方向についての環状部材66の幅Aはその溝の幅Dより小さい。それら3つの要件のうち3つ目は、同一円周の径方向についての環状部材66の幅Aとケーシング60の進入口100に進入するオス側柱状部材40の柱状空間の中心軸108に対する最大偏心量と凹凸部120における凹凸の高さとの和以下であるというものである。なお、本実施形態において「メス側金具クリアランス」とは、空間形成部82が形成する柱状空間の中心軸108上に同一円周の中心が配置されその同一円周上に複数のメス側柱状部材62,62,62,62が配置されている際の空間形成部82の内周面とメス側柱状部材62の溝端外周面形成部124および溝間外周面形成部126との最小隙間を言う。
[製造方法の説明]
本実施形態にかかる結合装置10は、次の工程を経て製造される。その第一の工程は、メス側金具22を構成する各部品とオス側金具20を構成する各部品とを周知の方法で形成するというものである。その第二の工程は、ケーシング60内に複数のメス側柱状部材62,62,62,62と複数の環状部材66と板状部材110と弾性体112とを収容するというものである。その第三の工程は、保持アンカー42の雌ねじにオス側柱状部材40の雄ねじをねじ込むというものである。
本実施形態にかかる結合装置10は、次の工程を経て製造される。その第一の工程は、メス側金具22を構成する各部品とオス側金具20を構成する各部品とを周知の方法で形成するというものである。その第二の工程は、ケーシング60内に複数のメス側柱状部材62,62,62,62と複数の環状部材66と板状部材110と弾性体112とを収容するというものである。その第三の工程は、保持アンカー42の雌ねじにオス側柱状部材40の雄ねじをねじ込むというものである。
[使用方法の説明]
本実施形態にかかる結合装置10は、次に述べられる手順で使用される。すなわち、本実施形態にかかる結合装置10が備えるオス側金具20とメス側金具22とは、互いに異なるセグメントに予め固定される。その固定のための手段は周知なのでここではその詳細な説明は繰り返されない。次いで、周知の手段によりそれらオス側金具20とメス側金具22とはセグメントごと近づけられる。それらオス側金具20とメス側金具22とが近づくと、オス側金具20のオス側柱状部材40はメス側金具22に形成されている進入口100内へ進入する。オス側柱状部材40が進入口100を経由して柱状空間に到達すると、その先端は複数のメス側柱状部材62,62,62,62における同一円周の中心を通過する。これに伴い、それら複数のメス側柱状部材62,62,62,62はオス側柱状部材40の先端によって押し拡げられる。その後、オス側柱状部材40が進めないほどオス側金具20とメス側金具22とが接近すると、本実施形態にかかる結合装置10の接続が完了する。
本実施形態にかかる結合装置10は、次に述べられる手順で使用される。すなわち、本実施形態にかかる結合装置10が備えるオス側金具20とメス側金具22とは、互いに異なるセグメントに予め固定される。その固定のための手段は周知なのでここではその詳細な説明は繰り返されない。次いで、周知の手段によりそれらオス側金具20とメス側金具22とはセグメントごと近づけられる。それらオス側金具20とメス側金具22とが近づくと、オス側金具20のオス側柱状部材40はメス側金具22に形成されている進入口100内へ進入する。オス側柱状部材40が進入口100を経由して柱状空間に到達すると、その先端は複数のメス側柱状部材62,62,62,62における同一円周の中心を通過する。これに伴い、それら複数のメス側柱状部材62,62,62,62はオス側柱状部材40の先端によって押し拡げられる。その後、オス側柱状部材40が進めないほどオス側金具20とメス側金具22とが接近すると、本実施形態にかかる結合装置10の接続が完了する。
[効果の説明]
本実施形態にかかる結合装置10は、結合のための抵抗を抑え得る。以下、その理由が説明される。
本実施形態にかかる結合装置10は、結合のための抵抗を抑え得る。以下、その理由が説明される。
図7は、本実施形態にかかるオス側金具20とメス側金具22とが接続されつつある状況が示される図である。オス側金具20のオス側柱状部材40はメス側金具22の空間形成部82が形成する柱状空間の中心軸108上を進むとは限らない。図7に示されているように、オス側柱状部材40は柱状空間の中心軸108と平行に進むことがある。本実施形態においては、このようにオス側柱状部材40が進むことは「偏心」と称される。その際すなわちケーシング60の進入口100にオス側柱状部材40が進入する際の、柱状空間の中心軸108に対する同一円周の径方向についての距離が偏心量Eとなる。その最大値が上述された最大偏心量である。
オス側柱状部材40が偏心している場合、複数のメス側柱状部材62,62,62,62に近づいたオス側柱状部材40はそれら複数のメス側柱状部材62,62,62,62のいずれかを押すこととなる。それに伴い押されたメス側柱状部材62は移動しようとする。一方、押されていないメス側柱状部材62は移動しようとしない。押されたメス側柱状部材62が移動しようとすることに伴い、移動しようとするメス側柱状部材62の溝部122から出る方向の力が環状部材66にかかる。
弾性体112から受けた力を板状部材110が複数のメス側柱状部材62,62,62,62へ伝えることでその力は緩和される。しかしながら、環状部材66が溝部122から出ることを抑えきれない場合、環状部材66がその溝部122から出ることとなる。
仮に環状部材66がその溝部122から出たとしても、本実施形態にかかる結合装置10においては、環状部材66と空間形成部82の内周面との間に隙間がある。メス側金具クリアランスCが環状部材66の幅Aよりも大きいためである。環状部材66と空間形成部82の内周面との間に隙間があるので、オス側柱状部材40が偏心している際に環状部材66と空間形成部82の内周面とが接触することは回避される。その回避があるので、オス側柱状部材40が進み辛い状況も回避される。その結果、本実施形態にかかる結合装置10においては結合のための抵抗が抑えられる。
図8は、本実施形態にかかるメス側柱状部材62が押し上げられている状況が示される図である。オス側金具20のオス側柱状部材40はメス側金具22の空間形成部82が形成する柱状空間の中心軸108と平行に進むとは限らない。図8に示されているように、オス側柱状部材40はその進行方向が柱状空間の中心軸108と角度をなすように進むことがある。本実施形態においては、このようにオス側柱状部材40が進むことは「斜め挿入」と称される。
この場合、複数のメス側柱状部材62,62,62,62に近づいたオス側柱状部材40はそれら複数のメス側柱状部材62,62,62,62のいずれかの端を押し上げようとする。それに伴い押されたメス側柱状部材62の端は柱状部材誘導面102に沿ってスライドする。これによりメス側柱状部材62の溝端外周面形成部124および溝間外周面形成部126は空間形成部82の内周面に近づく。その際、オス側柱状部材40に端が押し上げられようとしたメス側柱状部材62の溝端外周面形成部124および溝間外周面形成部126と空間形成部82の内周面との間には隙間がある。メス側金具クリアランスCが環状部材66の幅Aよりも大きいためである。
メス側柱状部材62の溝端外周面形成部124および溝間外周面形成部126と空間形成部82の内周面との間に隙間があるので、斜め挿入の際に溝端外周面形成部124および溝間外周面形成部126と空間形成部82の内周面とが接触することは回避される。その回避があるので、オス側柱状部材40が進み辛い状況も回避される。その結果、本実施形態にかかる結合装置10においては結合のための抵抗が抑えられる。
本実施形態にかかる結合装置10においては、メス側金具クリアランスCが上述された3つの要件を満たす。上述されたように、これら3つの要件のなかには、同一円周の径方向についての環状部材66の幅Aとケーシング60の進入口100に進入するオス側柱状部材40の柱状空間の中心軸108に対する最大偏心量と凹凸部120における凹凸の高さとの和以下であるというものがある。この要件が満たされることで、ケーシング60のサイズ特に空間形成部82の内径が抑えられている。その結果、ケーシング60のサイズが必要以上に大きくなることは防止される。
〈変形例の説明〉
上述された結合装置10は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものである。上述された結合装置10は、本発明の技術的思想の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
上述された結合装置10は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものである。上述された結合装置10は、本発明の技術的思想の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
例えば、溝端外周面形成部124および溝間外周面形成部126と空間形成部82の内周面との接触を回避できる可能性を高めることが重視される場合、次に述べられる要件は満たされなくてもよい。その要件は、メス側金具クリアランスCが同一円周の径方向についての環状部材66の幅Aとケーシング60の進入口100に進入するオス側柱状部材40の柱状空間の中心軸108に対する最大偏心量と凹凸部120における凹凸の高さとの和以下であるという要件である。
また、メス側柱状部材62は凹凸部120を有していなくてもよい。その場合、上述された要件は、メス側金具クリアランスCが同一円周の径方向についての環状部材66の幅Aとケーシング60の進入口100に進入するオス側柱状部材40の柱状空間の中心軸108に対する最大偏心量との和以下であるというものであってもよい。
また、溝部122の深さBは同一円周の径方向についての環状部材66の幅A以下であってもよい。ただし、溝部122の深さBは同一円周の径方向についての環状部材66の幅Aの半分を超えることが望ましい。
また、オス側金具とメス側金具との具体的な構成は上述したものに限定されない。図9は、上述された実施形態の変形例にかかる結合装置12の構成が示される図である。この結合装置12は、オス側金具24と、メス側金具22とを備える。このオス側金具24は、オス側柱状部材40と、ソケット44と、長ボルト46とを有する。ソケット44は、両端に雌ねじが形成された筒状の部材である。オス側柱状部材40の雄ねじが、それらソケット44の両端の雌ねじの一方にねじ込まれる。それらソケット44の両端の雌ねじの他方には、長ボルト46の先端に形成された雄ねじがねじ込まれる。この結合装置12のその他の構成は上述された実施形態にかかる結合装置10と同様である。したがってその詳細な説明はここでは繰り返されない。
10,12…結合装置
20,24…オス側金具
22…メス側金具
40…オス側柱状部材
42…保持アンカー
44…ソケット
46,116…長ボルト
60…ケーシング
62…メス側柱状部材
64…配置体
66…環状部材
80…接続部
82…空間形成部
84…連結部
100…進入口
102…柱状部材誘導面
108…中心軸
110…板状部材
112…弾性体
114…蓋部
118…ナット
120…凹凸部
122…溝部
124…溝端外周面形成部
126…溝間外周面形成部
128…テーパ面形成端部
20,24…オス側金具
22…メス側金具
40…オス側柱状部材
42…保持アンカー
44…ソケット
46,116…長ボルト
60…ケーシング
62…メス側柱状部材
64…配置体
66…環状部材
80…接続部
82…空間形成部
84…連結部
100…進入口
102…柱状部材誘導面
108…中心軸
110…板状部材
112…弾性体
114…蓋部
118…ナット
120…凹凸部
122…溝部
124…溝端外周面形成部
126…溝間外周面形成部
128…テーパ面形成端部
Claims (4)
- オス側金具と、
メス側金具とを備え、
前記オス側金具が柱状のオス側柱状部材を有しており、
前記メス側金具が、
柱状空間を形成する空間形成部を有しており、前記柱状空間に連通する前記オス側柱状部材の進入口が一端に形成されているケーシングと、
前記柱状空間内に収容されている複数のメス側柱状部材と、
前記柱状空間の中心軸上に中心が配置される同一円周上に前記複数のメス側柱状部材を前記柱状空間の中心軸方向への移動が可能となるように配置する配置体と、
前記複数のメス側柱状部材を束ねる環状部材とを有しており、
前記ケーシングの前記進入口の中心が前記柱状空間の中心軸上に配置されている結合装置であって、
前記メス側柱状部材が、前記同一円周の中心側の側面から見た裏側に配置され前記同一円周の周方向の一端から他端までにわたる溝部を有しており、
前記環状部材が、前記複数のメス側柱状部材それぞれの前記溝部に嵌まることで前記複数のメス側柱状部材を束ね、
前記配置体によって前記柱状空間内の前記同一円周上に前記複数のメス側柱状部材が配置されるときの前記空間形成部の内周面と前記メス側柱状部材の前記同一円周の中心側の側面から見た裏表面との最小隙間であるメス側金具クリアランスが前記同一円周の径方向についての前記環状部材の幅より大きいことを特徴とする結合装置。 - 前記溝部の深さが前記同一円周の径方向についての前記環状部材の幅より大きいことを特徴とする請求項1に記載の結合装置。
- 前記メス側金具クリアランスが、前記同一円周の径方向についての前記環状部材の幅と前記ケーシングの前記進入口に進入する前記オス側柱状部材の前記柱状空間の中心軸に対する最大偏心量との和以下であることを特徴とする請求項1に記載の結合装置。
- 前記メス側柱状部材が、前記同一円周の中心側の側面に配置される凹凸部を前記溝部に加えて有しており、
前記メス側金具クリアランスが、前記同一円周の径方向についての前記環状部材の幅と前記ケーシングの前記進入口に進入する前記オス側柱状部材の前記柱状空間の中心軸に対する最大偏心量と前記凹凸部における凹凸の高さとの和以下であることを特徴とする請求項1に記載の結合装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022189944A JP2024077788A (ja) | 2022-11-29 | 2022-11-29 | 結合装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022189944A JP2024077788A (ja) | 2022-11-29 | 2022-11-29 | 結合装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024077788A true JP2024077788A (ja) | 2024-06-10 |
Family
ID=91377374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022189944A Pending JP2024077788A (ja) | 2022-11-29 | 2022-11-29 | 結合装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2024077788A (ja) |
-
2022
- 2022-11-29 JP JP2022189944A patent/JP2024077788A/ja active Pending
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