JP2024074286A - 容器詰めナトリウム含有飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、所定濃度のナトリウムを含む飲料に特有な「後引き」が抑制された容器詰めナトリウム含有飲料、及びその製造方法等を提供することにある。【解決手段】ナトリウム濃度が260mg/L以上であり、かつ、1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体を5億個/L以上含有する、容器詰めナトリウム含有飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、「乳酸菌」及び/又は「プラズマサイトイド樹状細胞を活性化し得る細菌」の死菌体等を含む容器詰めナトリウム含有飲料、及びその製造方法等に関する。より詳細には、所定濃度のナトリウムを含む容器詰め飲料において、特有な「後引き」が飲用時に生じるところ、かかる特有な「後引き」が抑制された容器詰めナトリウム含有飲料、及びその製造方法等に関する。
自然免疫系は主として細菌感染またはウイルス感染におけるプライマリーレスポンスを担い、中でも樹状細胞は強力かつ重要な構成細胞である。また、樹状細胞のうち、プラズマサイトイド樹状細胞(形質細胞様樹状細胞、pDC:plasmacytoid dendritic cell)は、ウイルスに対して増殖阻害活性を示すI型インターフェロン(type I interferon)等の様々なインターフェロン(IFN)の主要な産生細胞であり、抗ウイルス生体防御において極めて重要な役割を有する(特許文献1)。
一方、従来から、発汗等により失われる水分とナトリウム成分を補給する飲料として、スポーツドリンクが種々上市されている。この他に、近年では、熱中症予防等に適した経口補水飲料にも注目が高まっており、種々上市されている。
前述のようなナトリウム含有飲料には、ナトリウムに由来する後引き感が生じることが知られている(特許文献2)。特許文献2には、ナトリウム含有飲料において、炭酸ガス圧を3.5ガスボリューム以上とすることによって、前述の後引き感などを改善できる旨が記載されている。
しかし、ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)である容器詰めナトリウム含有飲料において、かかる容器詰めナトリウム含有飲料に「乳酸菌」及び/又はプラズマサイトイド樹状細胞を活性化し得る細菌」の死菌体を所定濃度で含有させることによって、ナトリウムに由来する後引きを抑制できることは、これまでに知られていなかった。
国際公開2012/091081パンフレット 特開2022-144523号公報
本発明の課題は、所定濃度のナトリウムを含む飲料に特有な「後引き」が抑制された容器詰めナトリウム含有飲料、及びその製造方法等を提供することにある。
本発明者らは、本発明の課題を解決すべく、鋭意検討した結果、所定濃度のナトリウムを含む飲料に、1種又は2種以上の「乳酸菌」及び/又は「プラズマサイトイド樹状細胞を活性化し得る細菌」の死菌体を5億個/L以上(例えば100億個/L以上)含有させると、前述の「後引き」を抑制できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば以下の発明等が提供される。
(1)ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)であり、かつ、1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有する、容器詰めナトリウム含有飲料;
(2)乳酸菌が、ラクトバチルス(Lactobacillus)属細菌、ストレプトコッカス(Streptococcus)属細菌、ラクトコッカス(Lactococcus)属細菌、ロイコノストック(Leuconostoc)属細菌、ペディオコッカス(Pediococcus)属細菌、及び、エンテロコッカス(Enterococcus)属細菌からなる群から選択される1種又は2種以上である、上記(1)に記載の容器詰めナトリウム含有飲料;
(3)乳酸菌が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805株であることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の容器詰めナトリウム含有飲料;
(4)1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を100億個/L以上(例えば300億個/L以上)含有することを特徴とする、上記(1)~(3)のいずれかに記載の容器詰めナトリウム含有飲料;
(5)pHが2~7である、上記(1)~(4)のいずれかに記載の容器詰めナトリウム含有飲料;
(6)乳成分を含有しない、上記(1)~(5)のいずれかに記載の容器詰めナトリウム含有飲料;
(7)果汁をさらに含有する、上記(1)~(6)のいずれかに記載の容器詰めナトリウム含有飲料;
(8)乳酸菌が、ラクトバチルス(Lactobacillus)属細菌、ストレプトコッカス(Streptococcus)属細菌、ラクトコッカス(Lactococcus)属細菌、ロイコノストック(Leuconostoc)属細菌、ペディオコッカス(Pediococcus)属細菌、エンテロコッカス(Enterococcus)属細菌、オエノコッカス(Oenococcus)属細菌、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属細菌、ワイセラ(Weissella)属細菌、及び、テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)属細菌からなる群から選択される1種又は2種以上である、上記(1)~(7)のいずれかに記載の容器詰めナトリウム含有飲料;
(9)乳酸菌が、ラクトバチルス・ラムノーサスであることを特徴とする、上記(8)に記載の容器詰めナトリウム含有飲料;
(10)ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)であり、かつ、プラズマサイトイド樹状細胞を活性化し得る1種又は2種以上の細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有する、容器詰めナトリウム含有飲料;
(11)ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、プラズマサイトイド樹状細胞を活性化し得る1種又は2種以上の細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の製造方法;
(12)ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の製造方法;
(13)ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、プラズマサイトイド樹状細胞を活性化し得る1種又は2種以上の細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の飲用時の後引きを抑制する方法;や、
(14)ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の飲用時の後引きを抑制する方法;
本発明によれば、また、以下の発明等が提供される。
[1]ナトリウム濃度が300mg/L以上であり、かつ、1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を100億個/L以上含有する、容器詰めナトリウム含有飲料;
[2]乳酸菌が、ラクトバシラス(Lactobacillus)属細菌、ストレプトコッカス(Streptoco ccus)属細菌、ラクトコッカス(Lactococcus)属細菌、ロイコノストック(Leuconostoc )属細菌、ペディオコッカス(Pediococcus)属細菌、及び、エンテロコッカス(Enteroc occus)属細菌からなる群から選択される1種又は2種以上である、上記[1]に記載の容器詰めナトリウム含有飲料;
[3]乳酸菌が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805株であることを特徴とする、上記[1]又は上記[2]に記載の容器詰めナトリウム含有飲料;
[4]1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を300億個/L以上含有することを特徴とする、上記[1]~上記[3]のいずれかに記載の容器詰めナトリウム含有飲料;
[5]pHが2~7である、上記[1]~上記[4]のいずれかに記載の容器詰めナトリウム含有飲料;
[6]乳成分を含有しない、上記[1]~上記[5]のいずれかに記載の容器詰めナトリウム含有飲料;
[7]果汁をさらに含有する、上記[1]~上記[6]のいずれかに記載の容器詰めナトリウム含有飲料;
[8]ナトリウム濃度が300mg/L以上である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を100億個/L以上含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の製造方法;
[9]ナトリウム濃度が300mg/L以上である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を100億個/L以上含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の飲用時の後引きを抑制する方法;
本発明によれば、所定濃度のナトリウムを含む飲料に特有な「後引き」(以下、本明細書において単に「後引き」とも表示する)が抑制された容器詰めナトリウム含有飲料、及びその製造方法等を提供することができる。
図1は、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805株と、該株と同等の株(該株に由来する株および該株が由来する株)との間の関係を示す図である。
本発明は、
[1]ナトリウム濃度が260mg/L以上であり、かつ、プラズマサイトイド樹状細胞を活性化し得る1種又は2種以上の細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有する、容器詰めナトリウム含有飲料(以下、「本発明1の飲料」とも表示する。);
[2]ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)であり、かつ、1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有する、容器詰めナトリウム含有飲料(以下、「本発明2の飲料」とも表示する。);
[3]ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、プラズマサイトイド樹状細胞を活性化し得る1種又は2種以上の細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の製造方法(以下、「本発明1の製造方法」とも表示する。);
[4]ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の製造方法(以下、「本発明2の製造方法」とも表示する。);
[5]ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、プラズマサイトイド樹状細胞を活性化し得る1種又は2種以上の細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の飲用時の後引きを抑制する方法(以下、「本発明1の抑制方法」とも表示する。);
[6]ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の飲用時の後引きを抑制する方法(以下、「本発明2の抑制方法」とも表示する。);
などの実施態様を含んでいる。
(pDCを活性化し得る細菌)
本発明1における「pDCを活性化し得る細菌」(以下、「本発明1における細菌」とも表示する。)とは、特に限定されず、例えば、pDCを活性化し得る乳酸菌、酢酸菌、エシェリヒア属菌、バチルス属菌又は藍色細菌などをいい、乳酸菌、酢酸菌、及び、バチルス属菌からなる群から選択される1種又は2種以上の細菌が挙げられる。本発明1における細菌は、死菌体である。
本発明1における「pDCを活性化し得る細菌」は、IFNの産生を誘導し得る。IFNとしては、Type I IFN(I型インターフェロン)、Type II IFN(II型インターフェロン)またはType III IFN(III型インターフェロン)の少なくとも1以上であることが好ましい。Type I IFNはウイルス感染に有効とされるサイトカインをいい、例えば、IFN-α(例えば、1、2、4、5、6、7、8、10、13、14、16、17または21等のサブタイプを含む)またはIFN-β等が含まれる。Type II IFNにはIFN-γが含まれ、Type III IFNにはIFN-λが含まれる。本発明1における「pDCを活性化し得る細菌」は、少なくともType I IFNの産生誘導活性を有するものが好ましい。
本発明1における「pDCを活性化し得る細菌」が産生を誘導し得るIFNは、Type I IFN、Type II IFNまたはType III IFNのいずれかに属するIFNであれば特に限定されないが、IFN-α、IFN-βおよびIFN-λからなる群から選択される一種以上であることが好ましく、IFNの内の少なくとも一種がIFN-αであることがより好ましく、IFNの内の少なくとも一種がIFN-αであり、かつ、IFN-α、IFN-βおよびIFN-λからなる群から選択される二種以上であることがさらに好ましく、二種以上のIFNの内の少なくとも二種がIFN-αおよびIFN-βであることが特に好ましい。
細菌が、pDCを活性化し得るか否かは、細菌をpDCに供したときに、pDCが細菌を貪食するか、細菌を貪食したpDC表面に細胞突起が出現するか、又は細菌を貪食したpDCがIFN(Type I IFNおよび/またはType III IFN等)を産生するかによって、確認することができる。
pDCの貪食又はpDC表面の細胞突起の出現については、例えば、顕微鏡観察又はフローサイトメトリーなどによる観察によって確認することができ、好ましくは、蛍光色素を修飾した細菌をpDCに供したあとで、当該pDCを観察することが挙げられる。
IFN(Type I IFNおよび/またはType III IFN等)の産生については、例えば、細菌をマウス等の哺乳類の骨髄細胞から誘導したpDCの共存下で培養した場合に、培養系内のIFN-αまたはIFN-β等のIFN量または濃度を測定することにより確認できる。
IFN濃度は、具体的には、下記(i)~(iv)の手順で測定することにより確認できる。
(i)赤血球除去したマウス由来骨髄細胞を、下記の組成に調製したRPMI培地に1×10個/mLとなるように懸濁し、細胞懸濁液を調製する。
<培地の組成>
・10体積%FBS
・100U/mL ペニシリン/ストレプトマイシン
・1mM ピルビン酸ナトリウム
・2.5mM HEPES
・1質量%MEM NEAA
・50μM β-メルカプトエタノール
・100ng/mL Flt-3L
(ii)調製した細胞懸濁液を1mLずつ播種し、COインキュベータ内で37℃、5体積%COにて1週間培養してpDCを誘導する。
(iii)誘導されたpDCを含む骨髄細胞を、2×10個/mLとなるように懸濁し、200μLずつ96ウェルプレートに播種し、PBSで1mg/mLの濃度となるように調整した乳酸菌懸濁液を2μLずつ添加する。
(iv)24時間後に培養上清を回収し、IFN-α測定キットを用いてELISA法によりIFN-α濃度を測定する。
本発明1における「pDCを活性化し得る細菌」は、「終濃度が10μg/mLの該細菌」と、「マウスの骨髄から回収して100ng/mL Flt3-Lを含む細胞培養培地で7日間培養して得られる、pDCを含む、終濃度が2×10個/mLの骨髄細胞」とを24時間共培養することで30pg/mL(好ましくは50pg/mL、より好ましくは60pg/mL、より好ましくは70pg/mL、80pg/mL、90pg/mL、100pg/mL、150pg/mL、さらに好ましくは200pg/mL、210pg/mL、220pg/mL、230pg/mL、240pg/mL、250pg/mL、さらにより好ましくは300pg/mL、400pg/mL、500pg/mL、600pg/mL、700pg/mL、特に好ましくは800pg/mL)以上のIFN-αを産生する指標で表されるものとすることができる。
本発明1の「pDCを活性化し得る細菌」におけるpDC活性化としては、CD80、CD86またはMHC classII等の活性化マーカーの発現を促進し得ることが挙げられる。
上記の「pDCを活性化し得る乳酸菌」としては、特に限定されないが、例えば、オエノコッカス(Oenococcus)属菌、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属菌、ワイセラ(Weissella)属菌、テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)属菌、ラクトコッカス(Lactococcus)属菌、ロイコノストック(Leuconostoc)属菌、ペディオコッカス(Pediococcus)属菌、ストレプトコッカス(Streptococcus)属菌、エンテロコッカス(Enterococcus)属菌、及び、ラクトバチルス(Lactobacillus)属菌が挙げられ、オエノコッカス(Oenococcus)属菌、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属菌、ワイセラ(Weissella)属菌、テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)属菌、ラクトコッカス(Lactococcus)属菌、ロイコノストック(Leuconostoc)属菌、ペディオコッカス(Pediococcus)属菌、エンテロコッカス(Enterococcus)属菌、及び、ラクトバチルス(Lactobacillus)属菌が好ましく挙げられる。
なお、本発明におけるラクトバチルス属細菌は、ラクトバチルス属の再分類前にラクトバチルス属に分類されていた細菌を含む。例えば、ラクトバチルス属の再分類に伴い新たにアセチラクトバチルス(Acetilactobacillus)属、アグリラクトバチルス(Agrilactobacillus)属、アミロラクトバチルス(Amylolactobacillus)属、アピラクトバチルス(Apilactobacillus)属、ボンビラクトバチルス(Bombilactobacillus)属、コンパニラクトバチルス(Companilactobacillus)属、デラグリオア(Dellaglioa)属、フルクチラクトバチルス(Fructilactobacillus)属、フルフリラクトバチルス(Furfurilactobacillus)属、ホルザプフェリア(Holzapfelia)属、ラクチカゼイバチルス(Lacticaseibacillus)属、ラクチプランチバチルス(Lactiplantibacillus)属、ラピジラクトバチルス(Lapidilactobacillus)属、ラチラクトバチルス(Latilactobacillus)属、レンチラクトバチルス(Lentilactobacillus)属、レビラクトバチルス(Levilactobacillus)属、リジラクトバチルス(Ligilactobacillus)属、リモシラクトバチルス(Limosilactobacillus)属、リコリリラクトバチルス(Liquorilactobacillus)属、ロイゴラクトバチルス(Loigolactobacillus)属、パララクトバチルス(Paralactobacillus)属、パウチラクトバチルス(Paucilactobacillus)属、シュレイフェリラクトバチルス(Schleiferilactobacillus)属、セクンジラクトバチルス(Secundilactobacillus)属等に分類された細菌を含む。
上記のオエノコッカス属菌としては、例えば、オエノコッカス・オエニ(Oenococcus oeni)等が挙げられる。オエノコッカス属菌の具体例としては、オエノコッカス・オエニJCM6125等が挙げられる。
上記のビフィドバクテリウム属菌としては、例えば、ビフィドバクテリウム・アニマリス・サブスピーシズ・ラクティス(Bifidobacterium animalis subsp. lactis)およびビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス(Bifidobacterium longum subsp. infantis)等が挙げられる。ビフィドバクテリウム属菌の具体例としては、ビフィドバクテリウム・アニマリス・サブスピーシズ・ラクティスJCM10602およびビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスJCM1222等が挙げられる。
上記のワイセラ属菌としては、例えば、ワイセラ・パラメセンテロイデス(Weissella paramesenteroides)およびワイセラ・ビリデスセンス(Weissella viridescens)等が挙げられる。ワイセラ属菌の具体例としては、ワイセラ・パラメセンテロイデスJCM9890およびワイセラ・ビリデスセンスJCM1174等が挙げられる。
上記のテトラジェノコッカス属菌としては、例えば、テトラジェノコッカス・ハロフィルス(Tetragenococcus halophilus)等が挙げられる。テトラジェノコッカス属菌の具体例としては、テトラジェノコッカス・ハロフィルスNRIC0098等が挙げられる。
上記のラクトコッカス属菌としては、例えば、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス(Lactococcus lactissubsp. lactis)、ラクトコッカス・ガルビエアエ(Lactococcus garvieae)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエ(Lactococcus lactis subsp. hordniae)およびラクトコッカス・プランタラム(Lactococcus plantarum)等が挙げられる。
上記のラクトコッカス属菌の具体例としては、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM5805、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスNBRC12007、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスNRIC1150、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM20101、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM7638、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスATCC11454、ラクトコッカス・ガルビエアエNBRC100934、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスJCM16167、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスNBRC100676、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエJCM1180およびラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエJCM11040およびラクトコッカス・プランタラムJCM11056等が挙げられる。
上記のロイコノストック属菌としては、例えば、ロイコノストック・カーノサム(Leuconostoc carnosum)およびロイコノストック・ラクティス(Leuconostoc lactis)等が挙げられる。ロイコノストック属菌の具体例としては、ロイコノストック・カーノサムJCM9695およびロイコノストック・ラクティスNBRC12455等が挙げられる。
上記のペディオコッカス属菌としては、例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、ペディオコッカス・セリコーラ(Pediococcus cellicola)、ペディオコッカス・クラウッセニー(Pediococcus claussenii)、ペディオコッカス・ダムノサス(Pediococcus damnosus)、ペディオコッカス・エタノーリデュランス(Pediococcus ethanolidurans)、ペディオコッカス・イノピナタス(Pediococcus inopinatus)、ペディオコッカス・パルヴルス(Pediococcus parvulus)、ペディオコッカス・スティレッシー(Pediococcus stilesii)等が挙げられる。ペディオコッカス属菌の具体例としては、例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシJCM8797、ペディオコッカス・アシディラクティシK15およびペディオコッカス・ダムノサスJCM5886等が挙げられる。
上記のストレプトコッカス属菌としては、例えば、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)等が挙げられる。ストレプトコッカス属菌の具体例としては、ストレプトコッカス・サーモフィラスSBC8781等が挙げられる。
上記のエンテロコッカス属菌としては、例えば、エンテロコッカス・アルセディニス(Enterococcu salcedinis)等が挙げられる。
上記のラクトバチルス属菌としては、例えば、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・デルブルエッキ(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・フルクティヴォランス(Lactobacillus fructivorans)、ラクトバチルス・ヒルガルディー(Lactobacillus hilgardii)、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・パラケフィリ(Lactobacillus parakefiri)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ペントーサス(Lactobacillus pentosus)が挙げられる。
ラクトバチルス属菌の具体例としては、ラクトバチルス・パラカゼイKW3110、ラクトバチルス・パラカゼイMCC1849、ラクトバチルス・ラムノーサスGG、ラクトバチルス・ラムノーサスGG、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505、ラクトバチルス・ガセリSBT2055、ラクトバチルス・アシドフィルスL-92、ラクトバチルス・ブルガリクスOLL1073R-1、ラクトバチルス・パラケフィリ(新分類ではレンチラクトバチルス・パラケフィリ)JCM8573、ラクトバチルス・プランタラム(新分類ではラクチプランチバチルス・プランタラム)L-137、ラクトバチルス・ペントーサス(新分類ではラクチプランチバチルス・ペントーサス)ONRICb0240等が挙げられる。
上記の「pDCを活性化し得る酢酸菌」としては、特に限定されないが、例えば、グルコンアセトバクター(Gluconacetobacter)属菌、アセトバクター(Acetobacter)属菌、グルコノバクター(Gluconobacter)属菌などが挙げられ、好ましくはグルコンアセトバクター属菌が挙げられ、より好ましくはグルコンアセトバクター・ハンゼニイが挙げられ、さらに好ましくはグルコンアセトバクター・ハンゼニイGK-1が挙げられる。
上記の「pDCを活性化し得るバチルス属菌」としては、特に限定されないが、例えば、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)等が挙げられる。バチルス属細菌の具体例としては、例えば、バチルス・コアグランスSANK70258等が挙げられる。
(乳酸菌の死菌体)
本発明2においては1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を用いる。
「乳酸菌」とは、分類学的に乳酸菌と認定されたものの全ての総称であり、属、種、株などで限定されるものではない。かかる「乳酸菌」としては、糖を乳酸発酵して多量の乳酸(好ましくは、消費した糖の50%以上の乳酸)を生成する細菌が挙げられ、ラクトバチルス(Lactobacillus)属細菌、ストレプトコッカス(Streptococcus)属細菌、ラクトコッカス(Lactococcus)属細菌、ロイコノストック(Leuconostoc)属細菌、ペディオコッカス(Pediococcus)属細菌、エンテロコッカス(Enterococcus)属細菌、オエノコッカス(Oenococcus)属細菌、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属細菌、ワイセラ(Weissella)属細菌、テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)属細菌が挙げられる。
本発明2に用いる死菌体の乳酸菌の属や種は特に制限されないが、ラクトバチルス属細菌、ストレプトコッカス属細菌、ラクトコッカス属細菌、ロイコノストック属細菌、ペディオコッカス属細菌、エンテロコッカス属細菌、ラクトバチルス属細菌、ストレプトコッカス属細菌、ラクトコッカス属細菌、ロイコノストック属細菌、ペディオコッカス属細菌、エンテロコッカス属細菌、オエノコッカス(Oenococcus)属細菌、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属細菌、ワイセラ(Weissella)属細菌、及び、テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)属細菌からなる群から選択される1種又は2種以上の細菌が挙げられ、また、ラクトバチルス属細菌、ストレプトコッカス属細菌、ラクトコッカス属細菌、ロイコノストック属細菌、ペディオコッカス属細菌、エンテロコッカス属細菌からなる群から選択される1種又は2種以上の細菌が挙げられ、好ましくは、ラクトコッカス属細菌、及び、ラクトバチルス属細菌からなる群から選択される1種又は2種以上の細菌が挙げられ、より好ましくは、ラクトコッカス・ラクティス、及び、ラクトバチルス・パラカゼイからなる群から選択される1種又は2種以上の細菌が挙げられ、さらに好ましくはラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスからなる群から選択される1種又は2種以上の細菌が挙げられる。
本発明2における死菌体の、より具体的な好ましい態様として、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)(ラクトバチルス・アシドフィルスL-92等)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)(ラクトバチルス・ブルガリクスOLL1073R-1等)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ラクティス(Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)(ラクトバチルス・パラカゼイKW3110及びラクトバチルス・パラカゼイMCC1849等)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)(ラクトバチルス・ガセリSBT2055)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum;新たな分類ではLactiplantibacillus plantarum)(ラクトバチルス・プランタラムL-137等)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシーズ・ラムノーサス(Lactobacillus casei subsp. rhamnosus)(ラクトバチルス・ラムノーサスGG、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505等)、ラクトバチルス・ペントーサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・フルクティヴォランス(Lactobacillus fructivorans)、ラクトバチルス・ヒルガルディー(Lactobacillus hilgardii)、ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM5805、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスNBRC12007、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスNRIC1150、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM20101、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM7638、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスATCC11454等)、ラクトコッカス・ラクティス・バイオバリアント・ダイアセチラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスJCM16167、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスNBRC100676等)、ラクトコッカス・ラフィノラクティス(Lactococcus raffinolactis)、ラクトコッカス・ピシウム(Lactococcus piscium)、ラクトコッカス・プランタラム(Lactococcus plantarum)(ラクトコッカス・プランタラムJCM11056等)、ラクトコッカス・ガルビエアエ(Lactococcus garvieae)(ラクトコッカス・ガルビエアエNBRC100934等)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ホールドニアエ(Lactococcus lactis subsp. hordniae)(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエJCM1180、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエJCM11040等)、ロイコノストック・メセントロイデス・サブスピーシス・クレモリス(Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris)(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスJCM16167、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスNBRC100676等)、ロイコノストック・ラクチス(Leuconostoc lactis)(ロイコノストック・ラクチスNBRC12455等)、ロイコノストック・カーノサム(Leuconostoc carnosum)(ロイコノストック・カーノサムJCM9695等)、ペディオコッカス・ダムノサス(Pediococcus damnosusStreptococcussalivarius)(ペディオコッカス・ダムノサスJCM5886等)、ペディオコッカスペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)(ペディオコッカス・アシディラクティシJCM8797及びペディオコッカス・アシディラクティシK15等)、ペディオコッカス・セリコーラ(Pediococcus cellicola)、ペディオコッカス・クラウッセニー(Pediococcus claussenii)、ペディオコッカス・エタノーリデュランス(Pediococcus ethanolidurans)、ペディオコッカス・イノピナタス(Pediococcus inopinatus)、ペディオコッカス・パルヴルス(Pediococcus parvulus)、ペディオコッカス・スティレッシー(Pediococcus stilesii)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・アルセディニス(Enterococcus alcedinis)、オエノコッカス・オエニ(Oenococcus oeni)(オエノコッカス・オエニJCM6125等)、ビフィドバクテリウム・アニマリス・サブスピーシズ・ラクティス(Bifidobacterium animalis subsp. lactis)(ビフィドバクテリウム・アニマリス・サブスピーシズ・ラクティスJCM10602等)、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス(Bifidobacterium longum subsp. infantis)(ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスJCM1222等)、ワイセラ・パラメセンテロイデス(Weissella paramesenteroides)(ワイセラ・パラメセンテロイデスJCM9890等)、ワイセラ・ビリデスセンス(Weissella viridescens)(ワイセラ・ビリデスセンスJCM1174等)、及び、テトラジェノコッカス・ハロフィルス(Tetragenococcus halophilus)(テトラジェノコッカス・ハロフィルスNRIC0098等)からなる群から選択される1種又は2種以上の細菌の死菌体が挙げられ、また、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)(ラクトバチルス・アシドフィルスL-92等)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)(ラクトバチルス・ブルガリクスOLL1073R-1等)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ラクティス(Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)(ラクトバチルス・パラカゼイKW3110及びラクトバチルス・パラカゼイMCC1849等)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)(ラクトバチルス・ガセリSBT2055)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・パラケフィリ(Lactobacillus parakefiri;新たな分類ではLentilactobacillus parakefiri)(ラクトバチルス・パラケフィリJCM8573等)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum;新たな分類ではLactiplantibacillus plantarum)(ラクトバチルス・プランタラムL-137等)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシーズ・ラムノーサス(Lactobacillus casei subsp. rhamnosus)(ラクトバチルス・ラムノーサスGG、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505等)、ラクトバチルス・ペントーサス(Lactobacillus pentosus;新たな分類ではLactiplantibacillus pentosus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・フルクティヴォランス(Lactobacillus fructivorans)、ラクトバチルス・ヒルガルディー(Lactobacillus hilgardii)、ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM5805、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスNBRC12007、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスNRIC1150、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM20101、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM7638、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスATCC11454等)、ラクトコッカス・ラクティス・バイオバリアント・ダイアセチラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスJCM16167、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスNBRC100676等)、ラクトコッカス・ラフィノラクティス(Lactococcus raffinolactis)、ラクトコッカス・ピシウム(Lactococcus piscium)、ラクトコッカス・プランタラム(Lactococcus plantarum)(ラクトコッカス・プランタラムJCM11056等)、ラクトコッカス・ガルビエアエ(Lactococcus garvieae)(ラクトコッカス・ガルビエアエNBRC100934等)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ホールドニアエ(Lactococcus lactis subsp. hordniae)(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエJCM1180、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエJCM11040等)、ロイコノストック・メセントロイデス・サブスピーシス・クレモリス(Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris)(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスJCM16167、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスNBRC100676等)、ロイコノストック・ラクチス(Leuconostoc lactis)(ロイコノストック・ラクチスNBRC12455等)、ロイコノストック・カーノサム(Leuconostoc carnosum)(ロイコノストック・カーノサムJCM9695等)、ペディオコッカス・ダムノサス(Pediococcus damnosus)(ペディオコッカス・ダムノサスJCM5886等)、ペディオコッカス ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)(ペディオコッカス・アシディラクティシJCM8797及びペディオコッカス・アシディラクティシK15等)、ペディオコッカス・セリコーラ(Pediococcus cellicola)、ペディオコッカス・クラウッセニー(Pediococcus claussenii)、ペディオコッカス・エタノーリデュランス(Pediococcus ethanolidurans)、ペディオコッカス・イノピナタス(Pediococcus inopinatus)、ペディオコッカス・パルヴルス(Pediococcus parvulus)、ペディオコッカス・スティレッシー(Pediococcus stilesii)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、及び、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)からなる群から選択される1種又は2種以上の細菌の死菌体が挙げられ、好ましくは、ラクトバチルス・アシドフィラス、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ラクティス、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピー
シーズ・デルブルッキー、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ジョンソニ、ラクトバチルス・パラケフィリ(ラクトバチルス・パラケフィリJCM8573等)、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシーズ・ラムノーサス(ラクトバチルス・ラムノーサスGG、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505等)、ラクトバチルス・ペントーサス、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・フルクティヴォランス、ラクトバチルス・ヒルガルディー、ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィラス、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティス、ラクトコッカス・ラクティス・バイオバリアント・ダイアセチラクティス、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・クレモリス、ラクトコッカス・ラフィノラクティス、ラクトコッカス・ピシウム、ラクトコッカス・プランタラム、ラクトコッカス・ガルビエアエ、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ホールドニアエ、ロイコノストック・メセントロイデス・サブスピーシス・クレモリス、及び、ロイコノストック・ラクチスからなる群から選択される1種又は2種以上の細菌の死菌体が挙げられ、より好ましくは、ラクトバチルス・アシドフィラス、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ラクティス、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・デルブルッキー、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ジョンソニ、ラクトバチルス・パラケフィリ(ラクトバチルス・パラケフィリJCM8573等)、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシーズ・ラムノーサス(ラクトバチルス・ラムノーサスGG、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505等)、ラクトバチルス・ペントーサス、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・フルクティヴォランス、ラクトバチルス・ヒルガルディー、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティス、ラクトコッカス・ラクティス・バイオバリアント・ダイアセチラクティス、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・クレモリス、ラクトコッカス・ラフィノラクティス、ラクトコッカス・ピシウム、ラクトコッカス・プランタラム、ラクトコッカス・ガルビエアエ、及び、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ホールドニアエからなる群から選択される1種又は2種以上の細菌の死菌体が挙げられ、さらに好ましくは、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティス、ラクトバチルス・パラカゼイ、及び、ラクトバチルス・ラムノーサス(ラクトバチルス・ラムノーサスGG、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505等)からなる群から選択される1種又は2種以上の細菌の死菌体が挙げられ、また、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティス、及び、ラクトバチルス・パラカゼイからなる群から選択される1種又は2種以上の細菌の死菌体が挙げられ、より好ましくは、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM20101、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスNBRC12007、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスNRIC1150、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM7638、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスATCC11454、ラクトバチルス・パラカゼイKW3110、及び、ラクトバチルス・パラカゼイMCC1849からなる群から選択される1種又は2種以上の細菌の死菌体が挙げられ、特に好ましくは、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805、ラクトバチルス・パラカゼイKW3110、及び、ラクトバチルス・パラカゼイMCC1849からなる群から選択される1種又は2種以上の細菌の死菌体が挙げられ、より好ましくはラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805が挙げられる。
また、本発明2に用いる死菌体の乳酸菌の属や種の他の好ましい態様として、ラクトコッカス属細菌、及び、ラクトバチルス属細菌からなる群から選択される1種又は2種以上の細菌が挙げられ、好ましくは、ラクトコッカス・ラクティス、及び、ラクトバチルス・ラムノーサスからなる群から選択される1種又は2種以上の細菌が挙げられ、より好ましくはラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティス、及び、ラクトバチルス・ラムノーサスからなる群から選択される1種又は2種以上の細菌が挙げられる。
本発明2における死菌体の、より具体的な、他の好ましい態様として、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティス、ラクトコッカス・ラクティス・バイオバリアント・ダイアセチラクティス、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・クレモリス、ラクトコッカス・ラフィノラクティス、ラクトコッカス・ピシウム、ラクトコッカス・プランタラム、ラクトコッカス・ガルビエアエ、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ホールドニアエ、ラクトバチルス・アシドフィラス、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ラクティス、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・デルブルッキー、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ジョンソニ、ラクトバチルス・パラケフィリ(ラクトバチルス・パラケフィリJCM8573等)、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシーズ・ラムノーサス(ラクトバチルス・ラムノーサスGG、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505等)、ラクトバチルス・ペントーサス、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・フルクティヴォランス、及び、ラクトバチルス・ヒルガルディーからなる群から選択される1種又は2種以上の細菌の死菌体が挙げられ、好ましくは、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティス、及び、ラクトバチルス・ラムノーサスからなる群から選択される1種又は2種の細菌の死菌体が挙げられ、より好ましくは、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM20101、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスNBRC12007、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスNRIC1150、ラクトバチルス・ラムノーサスGG、及び、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505からなる群から選択される1種又は2種以上の細菌の死菌体が挙げられ、特に好ましくは、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805、及び、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505から選択される1種又は2種の細菌の死菌体が挙げられ、さらに好ましくは、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805の死菌体、又は、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505の死菌体が挙げられる。
本発明2における死菌体の、別の好ましい態様として、ラクトコッカス属細菌からなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられ、好ましくは、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM5805、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスNBRC12007、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスNRIC1150、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM20101、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM7638、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスATCC11454、ラクトコッカス・ガルビエアエNBRC100934、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスJCM16167、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスNBRC100676、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエJCM1180、及び、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエJCM11040からなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられる。
本明細書において挙げられている死菌体の菌株について、本発明(すなわち、本発明1及び/又は本発明2)では、所定濃度のナトリウムを含む飲料に、死菌体を所定濃度で含有させた場合に、特有な後引きに対する抑制効果を奏する限り、前記菌株と同等の菌株も、その菌株に含まれる。ここで、同等の菌株とは、上記の菌株から由来している菌株または上記の菌株が由来する菌株若しくはその菌株の子孫菌株をいう。同等の菌株は他の菌株保存機関に保存されている場合もある。図1に、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805に由来する菌株、及び、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805が由来する菌株を示す。図1に記載のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805の同等の菌株も、所定濃度のナトリウムを含む飲料に、死菌体を所定濃度で含有させた場合に、特有な後引きに対する抑制効果を奏する限り、本発明の死菌体として用いることができる。本明細書において、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805(ラクトコッカス・ラクティスJCM5805)という場合、これらの同等の菌株も含む。また、本明細書において、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505という場合、これらの同等の菌株も含む。また、上記の乳酸菌株のうち、JCM菌株は、理化学研究所・バイオリソースセンター・微生物材料開発室(茨城県つくば市高野台3丁目1番地の1)から、NBRC菌株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構生物遺伝資源部門(千葉県木更津市かずさ鎌足2丁目5番8号)から、NRIC菌株は、東京農業大学・菌株保存室(東京都世田谷区桜丘1丁目1番1号)から、ATCC菌株は、American type culture collection(米国)から、それぞれ入手することができる。
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805菌株は上記の通り理化学研究所・バイオリソースセンター・微生物材料開発室から入手することができるが、本発明では理化学研究所・バイオリソースセンター・微生物材料開発室以外の保存機関に保存された、JCM5805菌株の同一菌株を使用することができる。具体的には、JCM5805菌株の同一菌株を、独立行政法人製品評価技術基盤機構生物遺伝資源部門(千葉県木更津市かずさ鎌足2丁目5番8号)、東京農業大学・菌株保存室(東京都世田谷区桜丘1丁目1番1号)およびAmerican type culture collection(米国)等から入手することができる。
本明細書における「乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体」は、乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体である限り特に制限されず、乾燥物であっても、非乾燥物であってもよいが、乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体の保存安定性の観点から乾燥物であることが好ましく、例えば乾燥粉末が好適に挙げられる。
乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体の調製方法は特に制限されず、例えば、乳酸菌及び/又は本発明1における細菌を培養した培地を殺菌してから、ろ過、遠心分離等により菌体を集菌する方法や、乳酸菌及び/又は本発明1における細菌を培養した培地から、ろ過、遠心分離等により菌体を集菌してから、殺菌する方法などを挙げることができ、必要に応じてさらに乾燥処理や破砕処理を行うことができる。
なお、殺菌の手段は特に制限されず、加熱のみならず、紫外線やγ線照射など、菌を死滅させる常套手段を用いることができる。また、飲料調製時の殺菌処理にて、飲料中の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌を死滅させてもよい。
本発明において、容器詰めナトリウム含有飲料における1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体の菌体濃度としては、特に制限されないが、乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体の合計で、例えば5億個/L以上(好ましくは10億個/L以上又は50億個/L以上)、100億個/L以上であることが挙げられ、特有な後引きに対してより多くの抑制効果を得る観点から、好ましくは200億個/L以上、より好ましくは250億個/L以上、さらに好ましくは300億個/L以上、又は、400億個/L以上、なおさらに好ましくは500億個/L以上、1000億個/L以上、2000億個/L以上、又は、4000億個/L以上が挙げられる。また、容器詰めナトリウム含有飲料における1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体の菌体濃度の上限としては、特に制限されないが、乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体の合計で、例えば8兆個/L以下、6兆個/L以下、4兆個/L以下、2兆個/L以下、1兆個/L以下、5000億個/L以下、3500億個/L以下、2000億個/L以下、1750億個/L以下、1500億個/L以下などが挙げられる。これらの下限値および上限値は、下限値および上限値として設定可能な組合せの範囲内で、それぞれ任意に組み合わせることができる。
容器詰めナトリウム含有飲料における乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体の菌体濃度は、飲料に配合する乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体の量を調整することによって、調整することができる。
なお、容器詰めナトリウム含有飲料中の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体の個数の測定方法としては、公知の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の菌数測定法が特に制限なく挙げられ、例えば、直接鏡検法、粒子電気的検知帯法、PCR法またはフローサイトメトリー法等が挙げられ、フローサイトメトリー法が好ましく挙げられる。
(ナトリウム)
本発明における容器詰めナトリウム含有飲料のナトリウム濃度は、260mg/L以上(例えば300mg/L以上)である。本明細書における「ナトリウム濃度」とは、容器詰めナトリウム含有飲料中の水分に溶解しているナトリウムの濃度を意味する。したがって、例えば、固形物である乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体に含まれるナトリウムは、本明細書におけるナトリウム濃度には考慮されない。
本発明における容器詰めナトリウム含有飲料のナトリウム濃度としては、260mg/L以上(例えば300mg/L以上)である限り、特に制限されないが、特有な後引きがより強くなり、本発明の意義をより多く享受する観点から、好ましくは270mg/L以上、より好ましくは280mg/L以上、さらに好ましくは300mg/L以上、より好ましくは350mg/L以上、400mg/L以上、又は、450mg/L以上、さらに好ましくは500mg/L以上、さらに好ましくは800mg/L以上、より好ましくは1000mg/L以上が挙げられる。
また、容器詰めナトリウム含有飲料におけるナトリウム濃度の上限としては、特に制限されないが、例えば5000mg/L以下、3000mg/L以下、1000mg/L以下などが挙げられる。これらの下限値および上限値は、下限値および上限値として設定可能な組合せの範囲内で、それぞれ任意に組み合わせることができる。
容器詰めナトリウム含有飲料におけるナトリウム濃度は、飲料に配合する、ナトリウム、ナトリウム化合物、及び、ナトリウム含有組成物からなる群から選択される1種又は2種以上の量などを調整することによって、調整することができる。
なお、容器詰めナトリウム含有飲料中のナトリウム濃度の測定方法としては、公知の測定法が特に制限なく挙げられ、例えば、原子吸光光度法、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES法)、イオンクロマトグラフ法等が挙げられる。
上記のナトリウム化合物としては、水溶性のナトリウム化合物が好ましく挙げられ、中でも、塩化ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、グルコン酸ナトリウムが好ましく挙げられ、その中でも塩化ナトリウムがさらに好ましく挙げられる。また、上記のナトリウム含有組成物としては、前述のナトリウム化合物を含有する組成物が挙げられる。前述のナトリウム化合物やナトリウム組成物としては、市販されているものを用いることができる。
(任意成分)
本発明の容器詰めナトリウム含有飲料は、例えば、酸味料、香料、色素、甘味料、果汁、酸化防止剤、保存料、安定剤(増粘安定剤など)、乳成分、乳化剤、及び、pH調整剤のいずれか1つ又は2つ以上を含んでいなくてもよいが、含んでいてもよい。また、本発明の容器詰めナトリウム含有飲料の一態様として、ヨーグルトフレーバー(すなわち、ヨーグルト香料)が配合されている飲料であってもよいが、本発明の意義をより多く享受する観点から、飲料中のヨーグルトフレーバーの濃度が0.35重量%以下、0.3重量%以下、0.25重量%以下、0.2重量%以下、0.15重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下であることが好ましく、ヨーグルトフレーバーが配合されていない飲料であることが最も好ましく挙げられる。ヨーグルトフレーバーとしては、例えば、最新香料辞典(2010年5月10日)P319に記載の発酵乳のフレーバーが挙げられる。ヨーグルトフレーバーが配合されている飲料として、「ヨーグルトテイスト」や、「ヨーグルト味」といった表示が付された飲料が挙げられる。また、本発明の容器詰めナトリウム含有飲料は、安定剤を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよいが、安定剤を含んでいる場合、飲料中の安定剤の濃度として、0.5重量%以下、0.45重量%以下、0.4重量%以下、0.35重量%以下、0.3重量%以下、0.28重量%以下、0.25重量%以下、0.2重量%以下、0.15重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.03重量%以下、0.01重量%以下が挙げられる。
上記の「酸味料」としては、クエン酸、リン酸、グルコン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸、又はそれらの塩が挙げられ、クエン酸又はその塩が好ましく挙げられる。かかる塩としては、ナトリウム塩、カルシウム塩が好ましく挙げられる。酸味料を用いる場合、容器詰めナトリウム含有飲料における酸味料の濃度として、例えば、0.0005~0.5重量%や、0.001~0.3重量%が挙げられる。
上記の「甘味料」としては、果糖、ブドウ糖、タガトース、アラビノース等の単糖、乳糖、トレハロース、麦芽糖、ショ糖等の二糖、粉末水あめ中の単糖、二糖等といった結晶性糖類;や、マルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等のオリゴ糖;水あめ、異性化液糖(例えば果糖ブドウ糖液糖)等の非結晶性糖類;マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール等の糖アルコール;スクラロース、ステビア、甘草抽出物、ソーマチン、グリチルリチン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK等の高甘味度甘味料;を挙げることができ、甘味の自然さの観点から、糖類(結晶性糖類及び非結晶性糖類)が好ましく挙げられ、また、カロリーの低さの観点から、糖アルコールや高甘味度甘味料が好ましく挙げられる。甘味料を用いる場合、容器詰めナトリウム含有飲料における甘味料の濃度としては特に制限されないが、甘味料が糖類である場合、例えば、0.1~10重量%や、0.5~8重量%が挙げられ、甘味料が糖アルコールや高甘味度甘味料の場合、ショ糖換算の甘味度で0.1~10重量%や、0.5~8重量%となる濃度が挙げられる。
上記の「果汁」の種類は特に限定されないが、例えば、ブドウ果汁、ブルーベリー果汁、ラズベリー果汁、レッドラズベリー果汁、柑橘類果汁(グレープフルーツ果汁、レモン果汁、オレンジ果汁、ライム果汁、ミカン果汁、ユズ果汁、カボス果汁、イヨカン果汁、カシス果汁等)、リンゴ果汁、モモ果汁、スイカ果汁、イチゴ果汁、メロン果汁、熱帯果実果汁(ライチ果汁、パイナップル果汁、グァバ果汁、バナナ果汁、マンゴー果汁、アセロラ果汁、パパイヤ果汁、パッションフルーツ果汁等)、及び、その他の果汁(ウメ果汁、ナシ果汁、アンズ果汁、スモモ果汁、キウイフルーツ果汁、サクランボ果汁、クリ果汁等)からなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられ、ブドウ果汁、柑橘類果汁、及び、熱帯果実果汁からなる群から選択される1種又は2種以上が好ましく挙げられ、ブドウ果汁、グレープフルーツ果汁、及び、ライチ果汁からなる群から選択される1種又は2種がより好ましく挙げられる。果汁を用いる場合、容器詰めナトリウム含有飲料における果汁の濃度としては特に制限されないが、例えばストレート換算で0.01~30重量%、0.1~30重量%、1~25重量%、3~20重量%などが挙げられる。
(乳成分)
本明細書において「乳成分」とは、乳脂肪及び/又は無脂乳固形分を意味する。乳成分や、乳成分含有組成物として、具体的には、生乳又はその加工品(例えば、濃厚牛乳、低脂肪乳、脱脂乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、全脂粉乳、調製粉乳、脱脂粉乳、練乳、発酵乳、クリーム、チーズ、バター、ホエイパウダー、バターミルクパウダー等)が挙げられる。乳成分は含んでいなくても、含んでいてもよいが、本発明の課題がより顕著となり発明の意義を享受しやすい点から、飲料中の乳固形分の濃度が3.0%未満、2.8重量%未満、2.5重量%以下、2.0重量%以下、1.5重量%以下、1.0重量%以下、0.75重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下であることが好ましく、乳成分を含んでいないことが最も好ましい。
(pH)
本発明における容器詰めナトリウム含有飲料のpHとしては特に制限されないが、例えば2~7、好ましくは2.5~7、より好ましくは3~6、さらに好ましくは4~6が挙げられる。
該pHの調整は、容器詰めナトリウム含有飲料の香味設計に応じて、pH調整剤を用いること等により行うことができる。
容器詰めナトリウム含有飲料のpHは、20℃におけるpHを指し、pHメーター(例えば、本体機器「HM-41X」;電極「ST-5741C」;いずれも東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて常法により測定することができる。
(炭酸ガス)
本発明の容器詰めナトリウム含有飲料は、炭酸飲料でなくてもよいが、炭酸飲料であってもよい。本明細書における「炭酸飲料」としては、飲料のガス圧が0.05~0.5MPaである炭酸飲料が挙げられ、好ましくは0.1~0.3MPa、0.15~0.3MPa、又は0.15~0.25MPaである炭酸飲料が挙げられる。
本明細書において、ガス圧とは、1気圧、20℃における容器詰めナトリウム含有飲料のガス内圧力をいう。その測定は、試料を20℃とした後、ガス内圧力計を取り付け、一度活栓を開いてガス抜き(スニフト)操作を行い、直ちに活栓を閉じてから激しく振とうし、圧力が一定の値になった時の値をMPaに換算することにより行うことができる。
(本発明の飲料)
本発明の飲料としては、ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)であり、かつ、1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有する、容器詰めナトリウム含有飲料である限り特に制限されない。
本発明の飲料は、容器詰めナトリウム含有飲料であって、ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)であり、かつ、1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体及び/又は本発明1における細菌を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有すること以外は、用いる製造原料、製造方法並びに製造条件において、通常の「容器詰めナトリウム含有飲料」と特に相違する点はない。
本発明の飲料の種類としては、容器詰めナトリウム含有飲料である限り特に制限されず、例えば、清涼飲料水が挙げられ、中でも、スポーツ飲料、果実飲料、炭酸飲料が好ましく挙げられ、中でも、スポーツ飲料、果実飲料がより好ましく挙げられる。
本発明の飲料は、「容器詰めナトリウム含有飲料」の一般的な製造方法において、いずれかの段階で、1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)とし、かつ、ナトリウム濃度を260mg/L以上(例えば300mg/L以上)に調整することによって製造することができる。
本発明の飲料は、容器詰飲料である。かかる容器としては、ペットボトル、ポリプロピレンボトル、ポリ塩化ビニルボトル等の樹脂ボトル容器;ビン容器;缶容器;等の容器が挙げられる。
本発明の飲料は、加熱殺菌処理がなされていなくてもよいが、保存性向上の観点から、加熱殺菌処理がなされていてもよい。加熱殺菌処理の方法や条件としては、容器詰飲料などの飲料に使用される通常の方法や条件を用いることができる。
(本発明の製造方法)
本発明の製造方法としては、ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の製造方法である限り特に制限されない。
本発明の飲料は、1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)とし、かつ、ナトリウム濃度を260mg/L以上(例えば300mg/L以上)とすること以外は、容器詰めナトリウム含有飲料の従来公知の製造方法にしたがって製造することができる。
飲料中に、1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)を含有させる方法として、より具体的には、容器詰めナトリウム含有飲料の製造に際して、前記飲料の製造原料(例えば、「水」、「ナトリウムを260mg/L以上(例えば300mg/L以上)含有する水」、あるいは「水に、任意成分の一部又は全部をさらに含有させた水」)に、1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有させる方法が挙げられる。あるいは、「1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体」及び「ナトリウム、ナトリウム化合物、及び、ナトリウム含有組成物からなる群から選択される1種又は2種以上」を、水に含有させる、又は、任意成分の一部又は全部と同時に水に含有させる方法等も挙げられる。
飲料中のナトリウム濃度を260mg/L以上(例えば300mg/L以上)とする方法(好ましくは調整する方法)として、より具体的には、容器詰めナトリウム含有飲料の製造に際して、前記飲料の製造原料(例えば、「水」、「1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有する水」、あるいは「水に、任意成分の一部又は全部をさらに含有させた水」)に、「ナトリウム、ナトリウム化合物、及び、ナトリウム含有組成物からなる群から選択される1種又は2種以上」を含有させて、飲料中のナトリウム濃度を260mg/L以上(例えば300mg/L以上)とする方法が挙げられる。あるいは、「1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体」及び「1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体」及び「ナトリウム、ナトリウム化合物、及び、ナトリウム含有組成物からなる群から選択される1種又は2種以上」を、水に含有させる、又は、任意成分の一部又は全部と同時に水に含有させる方法等も挙げられる。
本発明の製造方法においては、乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体と、ナトリウムを必須成分として飲料に含有させる。本発明の製造方法としては、任意成分として、酸味料、香料、色素、甘味料、果汁、酸化防止剤、保存料、増粘安定剤、乳化剤、及び、pH調整剤のいずれか1つ又は2つ以上をさらに含有させてもよい。
本発明の製造方法においては、本発明の飲料を製造し得る限り、製造原料を含有させる順序等は特に制限されない。製造原料が混合されている液を調製した後、容器に充填して密封し、本発明の飲料を得ることができる。
本発明の製造方法において、加熱殺菌処理は行わなくてもよいが、保存性向上の観点から、加熱殺菌処理がなされていてもよい。加熱殺菌処理する方法としては、特に制限されず、例えば、高温短時間殺菌法(HTST法)、パストライザー殺菌法、超高温加熱処理法(UHT法)、レトルト殺菌法等を挙げることができる。
(本発明の抑制方法)
本発明の抑制方法としては、ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の飲用時の後引きを抑制する方法である限り特に制限されない。
飲料中に、1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体を5億個/L以上(例えば10億個/L以上、100億個/L以上)を含有させる方法や、飲料中のナトリウム濃度を260mg/L以上(例えば300mg/L以上)とする方法は、上記の(本発明の製造方法)に記載した方法と同様の方法を用いることができる。
(特有な後引きの抑制)
本発明の飲料は、ナトリウム濃度が260mg/L以上(例えば300mg/L以上)である容器詰めナトリウム含有飲料における、飲用時の特有な後引きが抑制された飲料である。
本明細書における上記の「後引き」あるいは「特有な後引き」とは、ナトリウムに由来するえぐみの後引き感を意味する。
本発明において、本発明における「特有な後引きが抑制された」飲料とは、1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体を含まないこと以外は、同種の原料を同じ最終濃度となるように用いて同じ製法で製造した飲料(以下、「コントロール飲料」とも表示する。)と比較して、飲用時の特有な後引きが抑制された飲料を意味する。
ある飲料における「特有な後引き」が、どの程度であるかや、コントロール飲料と比較してどのようであるか(例えば、抑制されているかどうか)は、訓練されたパネルであれば、容易かつ明確に決定することができる。評価の基準や、パネル間の評価のまとめ方は、一般的な方法を用いることができる。本発明における官能を評価するパネルの人数は1名であってもよいが、客観性がより高い評価を得る観点から、パネルの人数の下限を、例えば2名以上、好ましくは4名以上とすることができ、また、評価試験をより簡便に実施する観点から、パネルの人数の上限を、例えば20名以下、10名以下、7名以下とすることができる。パネルが2名以上の場合の各飲料の特有な後引きの評価は、例えば、その飲料の特有な後引きについてのパネル全員の評価の平均を採用してもよいし、パネルのうち最も低い評価を採用してもよい。各評価基準に評価点が付与されている場合、パネル全員の評価点の平均値をその飲料の特有な後引きの評価として採用してもよいし、パネルのうち最も低い評価点を採用してもよい。前述のように、評価点の平均値を採用する場合は、その平均値の小数第1位又は第2位(好ましくは小数第2位)を四捨五入した値を採用してもよい。なお、パネルが2名以上である場合には、各パネルの評価のばらつきを低減するために、実際の官能評価試験を行う前に、各パネルの評価基準ができるだけ揃うように評価基準を共通化する作業を行っておくことが好ましい。かかる共通化作業としては、本発明における特有な後引きの程度が既知の複数種の標準飲料の官能を各パネルで評価した後、その評価点を比較し、各パネルの評価基準に大きな解離が生じないように確認することが挙げられる。また、このような評価基準に関する事前の共通化作業により、各パネルによる特有な後引きの評価の標準偏差が0.5以内となるようにしておくことが好ましい。
ある飲料における、本発明における特有な後引きが、どの程度であるかの評価は、例えば、後述の実施例の表1に記載の評価基準(1点から5点の5段階評価)等を用いた方法と同様の方法、好ましくは、後述の実施例の表1に記載の評価基準(1点から5点の5段階評価)等を用いた方法と同じ方法を好適に用いることができる。より具体的には、複数のパネルで、1点から5点の5段階評価で官能評価試験を行って、それらの評価点の平均点(好ましくは、小数第2位を四捨五入した値)を、その飲料の特有な後引きの程度と評価する方法を好適に用いることができる。このような方法で特有な後引きを評価した場合に、コントロール飲料と比較して、特有な後引きの程度が低下した飲料を、特有な後引きが抑制された飲料とすることができる。また、後述の実施例の表1に記載の評価基準(1点から5点の5段階評価)で特有の後引きの評価平均点(小数第2位を四捨五入した値)が、コントロール飲料の特有の後引きの評価平均点(小数第2位を四捨五入した値)よりも高い飲料、好適には、コントロール飲料の特有の後引きの評価平均点(小数第2位を四捨五入した値)と比較して、好ましくは0.5点以上、より好ましくは0.9点以上、さらに好ましくは1.3点以上、より好ましくは1.7点以上高い飲料も、特有な後引きが抑制された飲料として挙げられる。
(総合香味の維持)
本発明の飲料は、総合香味が維持された飲料(例えば、総合香味がやや良好又は良好である飲料)であることが好ましく、総合香味が向上した飲料であることがより好ましい。本明細書において「総合香味」とは、ナトリウム由来の特有な後引き以外の、飲料の総合的な香味を意味し、中でも、ナトリウム由来の塩味が過度でないこと、及び、乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体に由来する培地臭が過度でないことからなる群から選択される1種又は2種が好ましく挙げられる。
本発明において、本発明における「総合香味が維持された」飲料としては、飲料として、総合香味が不良又はやや不良でない飲料が挙げられる。本発明において、本発明における「総合香味が向上した」飲料としては、1種又は2種以上の乳酸菌及び/又は本発明1における細菌の死菌体を含まないこと以外は、同種の原料を同じ最終濃度となるように用いて同じ製法で製造した飲料(以下、「コントロール飲料」とも表示する。)と比較して、総合香味が向上した飲料が挙げられる。
ある飲料における「総合香味」が、どの程度であるかや、コントロール飲料と比較してどのようであるか(例えば、向上しているかどうか)は、訓練されたパネルであれば、容易かつ明確に決定することができる。評価の基準や、パネル間の評価のまとめ方は、一般的な方法を用いることができる。本発明における官能を評価するパネルの人数は1名であってもよいが、客観性がより高い評価を得る観点から、パネルの人数の下限を、例えば2名以上、好ましくは4名以上とすることができ、また、評価試験をより簡便に実施する観点から、パネルの人数の上限を、例えば20名以下、10名以下、7名以下とすることができる。パネルが2名以上の場合の各飲料の総合香味の評価は、例えば、その飲料の総合香味についてのパネル全員の評価の平均を採用してもよいし、パネルのうち最も低い評価を採用してもよい。各評価基準に評価点が付与されている場合、パネル全員の評価点の平均値をその飲料の総合香味の評価として採用してもよいし、パネルのうち最も低い評価点を採用してもよい。前述のように、評価点の平均値を採用する場合は、その平均値の小数第1位又は第2位(好ましくは小数第2位)を四捨五入した値を採用してもよい。なお、パネルが2名以上である場合には、各パネルの評価のばらつきを低減するために、実際の官能評価試験を行う前に、各パネルの評価基準ができるだけ揃うように評価基準を共通化する作業を行っておくことが好ましい。かかる共通化作業としては、本発明における総合香味の程度が既知の複数種の標準飲料の官能を各パネルで評価した後、その評価点を比較し、各パネルの評価基準に大きな解離が生じないように確認することが挙げられる。また、このような評価基準に関する事前の共通化作業により、各パネルによる総合香味の評価の標準偏差が0.5以内となるようにしておくことが好ましい。
ある飲料における、本発明における総合香味が、どの程度であるかの評価は、例えば、後述の実施例の表2に記載の評価基準(1点から4点の4段階評価)等を用いた方法と同様の方法、好ましくは、後述の実施例の表2に記載の評価基準(1点から4点の4段階評価)等を用いた方法と同じ方法を好適に用いることができる。より具体的には、複数のパネルで、1点から4点の4段階評価で官能評価試験を行って、それらの評価点の平均点(好ましくは、小数第2位を四捨五入した値)を、その飲料の総合香味の程度と評価する方法を好適に用いることができる。また、後述の実施例の表2に記載の評価基準(1点から4点の4段階評価)にて評価した場合の総合香味の評価平均点(小数第2位を四捨五入した値)が2点超、好ましくは2.4点以上、より好ましくは2.4点超である飲料を、「総合香味が維持された」飲料として挙げることができる。また、後述の実施例の表2に記載の評価基準(1点から4点の4段階評価)にて評価した場合の総合香味の評価平均点(小数第2位を四捨五入した値)が、コントロール飲料の総合香味の評価平均点(小数第2位を四捨五入した値)よりも高い飲料、好ましくは0.3点以上高い飲料、より好ましくは0.5点以上高い飲料、さらに好ましくは0.8点以上高い飲料を、「総合香味が向上した」飲料として挙げることができる。
以下に、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[試験1]ナトリウム含有飲料における、飲用時の「後引き」の発生の確認
飲料にナトリウムを含有させることにより、飲料の香味にどのような影響を与えるかを調べるために以下の試験を行った。
(1.ナトリウム含有飲料のサンプル飲料の調製)
ナトリウム濃度、液糖濃度、及び、クエン酸濃度が後述の表3記載の濃度になるように、精製塩(塩化ナトリウム)、果糖ブドウ糖液糖、及び、クエン酸をイオン交換水に含有させて、試験例1~8の各サンプル飲料を調製した。
(2.官能評価試験)
得られた試験例1~8のサンプル飲料の飲用時の、ナトリウム由来の「後引き」(すなわち、ナトリウムに由来するえぐみの後引き感)の程度について、訓練した専門パネル7名によって、以下の表1の評価基準で官能評価試験を行った。なお、1点と2点の後引きの程度の差、2点と3点の後引きの程度の差、3点と4点の後引きの程度の差、4点と5点の後引きの程度の差は、それぞれ同程度とした。
Figure 2024074286000001
なお、表1の評価基準において、ナトリウム由来の「後引き」の課題があると判断することができる評価点の一例として、2点以下又は2点未満が挙げられる。
また、前述の試験例1~8のサンプル飲料の総合的な香味(総合香味)について、訓練した専門パネル7名によって、以下の表2の評価基準で官能評価試験を行った。なお、1点と2点の総合香味の程度の差、2点と3点の総合香味の程度の差、3点と4点の総合香味の程度の差、4点と5点の総合香味の程度の差は、それぞれ同程度とした。
Figure 2024074286000002
なお、表2の評価基準において、総合香味において課題があると判断することができる評価点の一例として、2点以下が挙げられる。
ナトリウム由来の「後引き」の評価結果と、総合香味の評価結果を表3に示す。
Figure 2024074286000003
表3の結果から分かるように、ナトリウム濃度が300mg/L以上であると、ナトリウム由来の「後引き」の課題が生じ、その「後引き」はナトリウム濃度に依存的に強くなることが示された。また、ナトリウム濃度が例えば800mg/L以上であると、ナトリウム由来の塩味が過度となり、総合香味がおおむね不良となることが示された。
[試験2]乳酸菌の死菌体を含有させることによる、「後引き」への影響
乳酸菌の死菌体を含有させることが、ナトリウム含有飲料におけるナトリウム由来の「後引き」等にどのような影響を与えるかを調べるために以下の試験を行った。
(1.ナトリウム含有飲料のサンプル飲料の調製)
ナトリウム濃度、液糖濃度、クエン酸濃度、及び、乳酸菌の死菌体の濃度が後述の表4記載の濃度になるように、精製塩(塩化ナトリウム)、果糖ブドウ糖液糖、クエン酸、及び、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM5805の乾燥死菌体粉末(表4中において、乳酸菌の種類をJCM5805と記載)をイオン交換水に含有させて、試験例9~17の各サンプル飲料を調製した。また、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM5805の乾燥死菌体粉末を用いないこと以外は同様の方法により、試験例6のサンプル飲料を調製した。
(2.官能評価試験)
得られた試験例6、9~17のサンプル飲料の飲用時の、ナトリウム由来の「後引き」の程度と、総合的な香味(総合香味)について、訓練した専門パネル7名によって、試験1における官能評価試験と同じ評価基準で官能評価試験を行った。
ナトリウム由来の「後引き」の評価結果と、総合香味の評価結果を表4に示す。
Figure 2024074286000004
表4の結果から分かるように、ナトリウム含有飲料に、乳酸菌の死菌体を100億個/L以上含有させると、ナトリウム由来の「後引き」に対する抑制効果が得られることが示された。
なお、ナトリウム含有飲料に、乳酸菌の死菌体を50000億個/L含有させた場合は、乳酸菌由来の培地臭が強くなり、総合香味は不良となることが分かった(試験例17)。後引きに対して得られる抑制効果の程度と、総合香味の程度とのバランスの観点から、乳酸菌の死菌体は、好ましくは100~10000億個/L、より好ましくは200~10000億個/L又は200~5000億個/L、さらに好ましくは500~2000億個/Lであることが示された。
[試験3]乳酸菌の種類の違いによる、「後引き」の抑制効果への影響
乳酸菌の種類の違いが、「後引き」の抑制効果等に対してどのような影響を与えるかを調べるために以下の試験を行った。
(1.ナトリウム含有飲料のサンプル飲料の調製)
ナトリウム濃度、液糖濃度、クエン酸濃度、及び、乳酸菌の死菌体の濃度が後述の表5記載の濃度になるように、精製塩(塩化ナトリウム)、果糖ブドウ糖液糖、クエン酸、及び、乳酸菌の死菌体の粉末(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM5805の乾燥死菌体粉末(表5中において、乳酸菌の種類をJCM5805と記載)、ラクトバチルス・パラカゼイMCC1849の乾燥死菌体粉末(表5中において、乳酸菌の種類をMCC1849と記載)、又は、ラクトバチルス・パラカゼイKW3110の乾燥死菌体粉末(表5中において、乳酸菌の種類をKW3110と記載))をイオン交換水に含有させて、試験例14、18、19の各サンプル飲料を調製した。なお、ラクトバチルス・パラカゼイMCC1849の乾燥死菌体粉末には、マルトデキストリンも含まれており、マルトデキストリンが後引きの抑制効果に影響していないことを示すために、マルトデキストリンを配合した試験例20のサンプル飲料を調製した。
(2.官能評価試験)
得られた試験例14、18~20のサンプル飲料の飲用時の、ナトリウム由来の「後引き」の程度と、総合的な香味(総合香味)について、訓練した専門パネル7名によって、試験1における官能評価試験と同じ評価基準で官能評価試験を行った。
ナトリウム由来の「後引き」の評価結果と、総合香味の評価結果を表5に示す。
Figure 2024074286000005
表5の結果から分かるように、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805以外の乳酸菌の死菌体を用いた場合であっても、ナトリウム由来の「後引き」に対する抑制効果が得られることが示された。また、表5の結果から分かるように、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805の死菌体を用いた場合は、他の乳酸菌の死菌体を用いた場合よりも、ナトリウム由来の「後引き」に対する抑制効果、及び、総合香味の向上効果をより多く得られることが示された。
なお、マルトデキストリンを配合した試験例20における後引きや総合香味の評価が、表1の試験例6のそれらの評価とほぼ変わらなかったことから、マルトデキストリンには、後引きの抑制効果や、総合香味の向上効果は無いことが示された。この結果から、試験例18で確認された後引きの抑制効果や、総合香味の向上効果は、マルトデキストリンの効果ではなく、ラクトバチルス・パラカゼイMCC1849の死菌体粉末による効果であることが示された。
[試験4]種類の異なる乳酸菌の乳酸菌数による、「後引き」の抑制効果への影響
種類の異なる乳酸菌の乳酸菌数の違いが、「後引き」の抑制効果等に対してどのような影響を与えるかを調べるために以下の試験を行った。
(1.ナトリウム含有飲料のサンプル飲料の調製)
ナトリウム濃度、液糖濃度、クエン酸濃度、及び、乳酸菌の死菌体の濃度が後述の表6記載の濃度になるように、精製塩(塩化ナトリウム)、果糖ブドウ糖液糖、クエン酸、及び、乳酸菌の死菌体の粉末(ラクトバチルス・パラカゼイMCC1849の乾燥死菌体粉末(表6中において、乳酸菌の種類をMCC1849と記載)、又は、ラクトバチルス・パラカゼイKW3110の乾燥死菌体粉末(表6中において、乳酸菌の種類をKW3110と記載))をイオン交換水に含有させて、試験例21~24の各サンプル飲料を調製した。また、乳酸菌の乾燥死菌体粉末を用いないこと以外は同様の方法により、試験例6のサンプル飲料を調製した。
(2.官能評価試験)
得られた試験例6、21~24のサンプル飲料の飲用時の、ナトリウム由来の「後引き」の程度と、総合的な香味(総合香味)について、訓練した専門パネル7名によって、試験1における官能評価試験と同じ評価基準で官能評価試験を行った。
ナトリウム由来の「後引き」の評価結果と、総合香味の評価結果を表6に示す。
Figure 2024074286000006
表6の結果から分かるように、ラクトバチルス・パラカゼイのKW3110やMCC1849の死菌体が250億個/Lである場合は、ナトリウム由来の「後引き」に対する抑制効果、及び、総合香味の向上効果のいずれも得られなかったが、KW3110やMCC1849の死菌体が300億個/Lである場合は、ナトリウム由来の「後引き」に対する抑制効果、及び、総合香味の向上効果が得られることが示された。また、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805の死菌体が200億個/Lの場合(表4の試験例10)や、500億個/Lの場合(表4の試験例11)の結果と、表6の試験例22、試験例24の結果から、乳酸菌の死菌体が300億個/L以上の場合は、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティス、ラクトバチルス・パラカゼイを始めとして、乳酸菌の種類にかかわらず、ナトリウム由来の「後引き」に対する抑制効果、及び、総合香味の向上効果が得られるであろうことが示された。
なお、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805の死菌体が200億個/Lである場合は、ナトリウム由来の「後引き」に対する抑制効果、及び、総合香味の向上効果が得られたこと(表4の試験例10)を考慮すると、JCM5805は、ナトリウム由来の「後引き」に対する抑制効果、及び、総合香味の向上効果に関して、KW3110やMCC1849と比較して、顕著な効果を有していることが示された。
[試験5]果汁存在下における、「後引き」の抑制効果の確認
乳酸菌の死菌体を含有させることによる、後引きへの抑制効果等が、果汁の存在下でも得られるかを調べるために以下の試験を行った。
(1.ナトリウム含有飲料のサンプル飲料の調製)
ナトリウム濃度、液糖濃度、クエン酸濃度、果汁濃度、及び、乳酸菌の死菌体の濃度が後述の表7記載の濃度になるように、精製塩(塩化ナトリウム)、果糖ブドウ糖液糖、クエン酸、各果汁及び、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805の乾燥死菌体粉末(表7中において、乳酸菌の種類をJCM5805と記載)をイオン交換水に含有させて、試験例26及び27の各サンプル飲料を調製した。また、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805の乾燥死菌体粉末を用いないこと以外は同様の方法により、試験例25のサンプル飲料を調製した。
なお、ホワイトグレープ果汁としては、糖度68°Bxのホワイトグレープ果汁を用い、グレープフルーツ果汁としては、糖度64.5°Bxの透明なグレープフルーツ果汁を用い、ライチ果汁としては、糖度70°Bxの透明なライチ果汁を用いた。また、果汁中にもナトリウムは含まれているが、果汁中のナトリウムは微量であること、及び、試験例25~27のサンプル飲料における果汁の含有割合も低いことから、試験例25~27のサンプル飲料においては、果汁由来のナトリウムはサンプル飲料中のナトリウム濃度にほとんど影響しない。
(2.官能評価試験)
得られた試験例25~27のサンプル飲料の飲用時の、ナトリウム由来の「後引き」の程度と、総合的な香味(総合香味)について、訓練した専門パネル7名によって、試験1における官能評価試験と同じ評価基準で官能評価試験を行った。
ナトリウム由来の「後引き」の評価結果と、総合香味の評価結果を表7に示す。
Figure 2024074286000007
表7の結果から分かるように、乳酸菌の死菌体を含有させることによる、後引きへの抑制効果及び総合香味の向上効果は、果汁の存在下でも得られることが示された。
[試験6]pHの違いによる、「後引き」の抑制効果への影響
pHの違いが、「後引き」の抑制効果等に対してどのような影響を与えるかを調べるために以下の試験を行った。
(1.ナトリウム含有飲料のサンプル飲料の調製)
ナトリウム濃度、液糖濃度、クエン酸濃度、及び、乳酸菌の死菌体の濃度が後述の表8記載の濃度になるように、精製塩(塩化ナトリウム)、果糖ブドウ糖液糖、クエン酸、各果汁及び、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805の乾燥死菌体粉末(表8中において、乳酸菌の種類をJCM5805と記載)をイオン交換水に含有させて、試験例14及び28の各サンプル飲料を調製した。また、クエン酸を用いないこと以外は同様の方法により、試験例29のサンプル飲料を調製した。
(2.官能評価試験)
得られた試験例14、28~29のサンプル飲料の飲用時の、ナトリウム由来の「後引き」の程度と、総合的な香味(総合香味)について、訓練した専門パネル7名によって、試験1における官能評価試験と同じ評価基準で官能評価試験を行った。
ナトリウム由来の「後引き」の評価結果と、総合香味の評価結果を表8に示す。
Figure 2024074286000008
表8の結果から分かるように、ナトリウム含有飲料のpHが約3.7でない場合であっても、ナトリウム含有飲料に乳酸菌の死菌体を含有させると、ナトリウム由来の「後引き」に対する抑制効果、及び、総合香味の向上効果が得られることが示された。
[試験7]乳成分の有無による、飲用時の「後引き」の発生の有無への影響
ナトリウム含有飲料に乳成分を含有させることにより、飲料の「後引き」の発生にどのような影響を与えるかを調べるために以下の試験を行った。
(1.ナトリウム含有飲料のサンプル飲料の調製)
ナトリウム濃度、液糖濃度、クエン酸濃度、脱脂粉乳濃度、及び、安定剤が後述の表9記載の濃度になるように、精製塩(塩化ナトリウム)、果糖ブドウ糖液糖、クエン酸、脱脂粉乳、及び、安定剤をイオン交換水に含有させて、試験例6、30、31の各サンプル飲料を調製した。
Figure 2024074286000009
表9の結果から分かるように、乳成分の含有濃度が高くなるにしたがって、ナトリウム由来の「後引き」の課題が低減していき、課題があまり問題とならない方向に変化していくことが示された。このことから、本発明の意義は、乳成分の含有濃度が低いナトリウム含有飲料、好ましくは乳成分を含まないナトリウム含有飲料において、より多く享受できることが示された。
[試験8]ヨーグルトフレーバーの有無による、飲用時の「後引き」の発生の有無への影響
ナトリウム含有飲料にヨーグルトフレーバーを含有させることにより、飲料の「後引き」の発生にどのような影響を与えるかを調べるために以下の試験を行った。
(1.ナトリウム含有飲料のサンプル飲料の調製)
ナトリウム濃度、液糖濃度、クエン酸濃度、及び、ヨーグルトフレーバーが後述の表10記載の濃度になるように、精製塩(塩化ナトリウム)、果糖ブドウ糖液糖、クエン酸、及び、ヨーグルトフレーバーをイオン交換水に含有させて、試験例6、32の各サンプル飲料を調製した。
Figure 2024074286000010
表10の結果から分かるように、ヨーグルトフレーバーを含有する試験例32では、ナトリウム由来の「後引き」の評価が4.0(後引きがほぼない)であり、ナトリウム由来の「後引き」の課題がほぼないことが示された。このことから、本発明の意義は、ヨーグルトフレーバーを含まないナトリウム含有飲料において、より多く享受できることが示された。
[試験9]ナトリウム濃度がより低いナトリウム含有飲料における、「後引き」の発生の確認
上記試験1におけるナトリウム含有飲料よりも、ナトリウム濃度が低いナトリウム含有飲料において、後引きの発生がどのようであるかを調べるために以下の試験を行った。
(1.ナトリウム含有飲料のサンプル飲料の調製)
ナトリウム濃度、液糖濃度、及び、クエン酸濃度が後述の表11記載の濃度になるように、精製塩(塩化ナトリウム)、果糖ブドウ糖液糖、及び、クエン酸をイオン交換水に含有させて、試験例3、4、33、34の各サンプル飲料を調製した。
(2.官能評価試験)
得られた試験例3、4、33、34のサンプル飲料の飲用時の、ナトリウム由来の「後引き」の程度と、総合的な香味(総合香味)について、訓練した専門パネル7名によって、試験1における官能評価試験と同じ評価基準で官能評価試験を行った。
ナトリウム由来の「後引き」の評価結果と、総合香味の評価結果を表11に示す。
Figure 2024074286000011
表11の結果から分かるように、ナトリウム濃度が260~280mg/Lの場合のように、300mg/L未満の場合であっても、ナトリウム由来の「後引き」の問題が生じ、その「後引き」はナトリウム濃度に依存的に強くなることが示された。
[試験10]より低濃度の乳酸菌の死菌体による、「後引き」の抑制効果の確認
乳酸菌の死菌体がより低濃度であっても、「後引き」の抑制効果等が得られるかを調べるために以下の試験を行った。
(1.ナトリウム含有飲料のサンプル飲料の調製)
ナトリウム濃度、液糖濃度、クエン酸濃度、及び、乳酸菌の死菌体の濃度が後述の表12記載の濃度になるように、精製塩(塩化ナトリウム)、果糖ブドウ糖液糖、クエン酸、及び、乳酸菌の死菌体の粉末(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805の乾燥死菌体粉末(表12中において、乳酸菌の種類をJCM5805と記載))をイオン交換水に含有させて、試験例6、9、35、36の各サンプル飲料を調製した。
(2.官能評価試験)
得られた試験例6、9、35、36のサンプル飲料の飲用時の、ナトリウム由来の「後引き」の程度と、総合的な香味(総合香味)について、訓練した専門パネル7名によって、試験1における官能評価試験と同じ評価基準で官能評価試験を行った。
ナトリウム由来の「後引き」の評価結果と、総合香味の評価結果を表12に示す。
Figure 2024074286000012
表12の結果から、乳酸菌濃度が100億個/L、50億個/L、又は10億個/Lの場合のように、乳酸菌の死菌体がより低濃度な場合であっても、「後引き」の抑制効果等が得られることが示された。
[試験11]種類の異なる乳酸菌による、「後引き」の抑制効果への影響
種類の異なる乳酸菌が、「後引き」の抑制効果等に対してどのような影響を与えるか等を調べるために以下の試験を行った。
(1.ナトリウム含有飲料のサンプル飲料の調製)
ナトリウム濃度、液糖濃度、クエン酸濃度、及び、乳酸菌の死菌体の濃度が後述の表13記載の濃度になるように、精製塩(塩化ナトリウム)、果糖ブドウ糖液糖、クエン酸、及び、乳酸菌の死菌体の粉末(ラクトバチルス・ラムノーサスの乾燥死菌体粉末(表13中において、乳酸菌の種類をラクトバチルス・ラムノーサスと記載))をイオン交換水に含有させて、試験例37~40の各サンプル飲料を調製した。また、乳酸菌の乾燥死菌体粉末を用いないこと以外は同様の方法により、試験例6のサンプル飲料を調製した。
(2.官能評価試験)
得られた試験例6、37~40のサンプル飲料の飲用時の、ナトリウム由来の「後引き」の程度と、総合的な香味(総合香味)について、訓練した専門パネル7名によって、試験1における官能評価試験と同じ評価基準で官能評価試験を行った。
ナトリウム由来の「後引き」の評価結果と、総合香味の評価結果を表13に示す。
Figure 2024074286000013
表13の結果から、乳酸菌の種類がラクトバチルス・ラムノーサスであっても、死菌体によって、「後引き」の抑制効果等が得られることが示された。また、50億個/L、10億個/L又は5億個/Lの場合のように、乳酸菌の死菌体濃度がより低濃度な場合であっても、「後引き」の抑制効果等が十分に得られることが示された。
本発明によれば、所定濃度のナトリウムを含む飲料に特有な「後引き」が抑制された容器詰めナトリウム含有飲料、及びその製造方法等を提供することができる。

Claims (14)

  1. ナトリウム濃度が260mg/L以上であり、かつ、1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を5億個/L以上含有する、容器詰めナトリウム含有飲料。
  2. 乳酸菌が、ラクトバチルス(Lactobacillus)属細菌、ストレプトコッカス(Streptococcus)属細菌、ラクトコッカス(Lactococcus)属細菌、ロイコノストック(Leuconostoc)属細菌、ペディオコッカス(Pediococcus)属細菌、及び、エンテロコッカス(Enterococcus)属細菌からなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載の容器詰めナトリウム含有飲料。
  3. 乳酸菌が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805株であることを特徴とする、請求項1に記載の容器詰めナトリウム含有飲料。
  4. 1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を100億個/L以上含有することを特徴とする、請求項1に記載の容器詰めナトリウム含有飲料。
  5. pHが2~7である、請求項1に記載の容器詰めナトリウム含有飲料。
  6. 乳成分を含有しない、請求項1に記載の容器詰めナトリウム含有飲料。
  7. 果汁をさらに含有する、請求項1~6のいずれかに記載の容器詰めナトリウム含有飲料。
  8. ナトリウム濃度が260mg/L以上であり、かつ、1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を5億個/L以上含有する、容器詰めナトリウム含有飲料であって、前記乳酸菌が、ラクトバチルス(Lactobacillus)属細菌、ストレプトコッカス(Streptococcus)属細菌、ラクトコッカス(Lactococcus)属細菌、ロイコノストック(Leuconostoc)属細菌、ペディオコッカス(Pediococcus)属細菌、エンテロコッカス(Enterococcus)属細菌、オエノコッカス(Oenococcus)属細菌、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属細菌、ワイセラ(Weissella)属細菌、及び、テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)属細菌からなる群から選択される1種又は2種以上である、前記容器詰めナトリウム含有飲料。
  9. 乳酸菌が、ラクトバチルス・ラムノーサスであることを特徴とする、請求項8に記載の容器詰めナトリウム含有飲料。
  10. ナトリウム濃度が260mg/L以上であり、かつ、プラズマサイトイド樹状細胞を活性化し得る1種又は2種以上の細菌の死菌体を5億個/L以上含有する、容器詰めナトリウム含有飲料。
  11. ナトリウム濃度が260mg/L以上である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、プラズマサイトイド樹状細胞を活性化し得る1種又は2種以上の細菌の死菌体を5億個/L以上含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の製造方法。
  12. ナトリウム濃度が260mg/L以上である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を5億個/L以上含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の製造方法。
  13. ナトリウム濃度が260mg/L以上である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、プラズマサイトイド樹状細胞を活性化し得る1種又は2種以上の細菌の死菌体を5億個/L以上含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の飲用時の後引きを抑制する方法。
  14. ナトリウム濃度が260mg/L以上である容器詰めナトリウム含有飲料の製造において、飲料中に、1種又は2種以上の乳酸菌の死菌体を5億個/L以上含有させることを特徴とする、前記容器詰めナトリウム含有飲料の飲用時の後引きを抑制する方法。
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