JP2024073811A - 鮮度保持袋、包装体および鮮度保持方法 - Google Patents

鮮度保持袋、包装体および鮮度保持方法 Download PDF

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Abstract

【課題】青果物の鮮度を効果的に保持できる技術を提供する。【解決手段】本発明の包装体は、合成樹脂フィルムの両端を貼り合わせて筒状にし、一方を閉じることで得られた青果物を収容する袋本体10と、背貼り部20と、を備える鮮度保持袋100であって、背貼り部20は、袋本体10の外部と内部とを連通する連通領域30を有し、以下の条件Iを満たすように構成されている。条件I:背貼り部20の任意の場所を巾15mmに切り出して試験片を作製し、万能材料試験機を用いて、引っ張り速度50mm/minで、当該試験片を巾方向に垂直な方向にT型剥離したときの最大荷重(N)の標準偏差が5N以上20N以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、鮮度保持袋、包装体および鮮度保持方法に関する。
野菜、果物等の青果物は、収穫された後も呼吸作用を持続している。このため、収穫後の貯蔵、流通または保存中に、青果物自身の呼吸によりエネルギーを消費し鮮度劣化を引き起こす。そこで、青果物の鮮度保持方法としては、青果物の呼吸を適度に抑制して鮮度を保持する方法が知られている。このような青果物の鮮度保持に使用される包装袋は、MA(Modified Atmosphere)包装として知られている。
例えば、特許文献1には、合成樹脂フィルムからなる包装袋に貫通孔を形成することが開示されている。また、特許文献2には、無孔のフィルムからなる袋の熱シール部の少なくとも一部に未接着部を設け、未接着部に生じる微細空隙を通じて袋内の青果物を呼吸させることが開示されている。
特開平6-46749号公報 特開2000-59号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載される従来の包装袋においては青果物を高水準で鮮度保持する点において改善の余地があった。
本発明者は、ガス等が透過できる連通路を背貼り部に設けた包装袋に着目したところ、連通路を背貼り部に設けた包装袋であっても、効果的に青果物の鮮度を保持できる場合とそうでない場合とがあることを見出した。そこで、さらに検討を進めたところ、連通路は背貼り部における非シール領域となるため、背貼り部の剥離強度を制御することで連通路によるガス透過性が制御されうることを知見し、効果的に青果物の鮮度を保持できる場合とそうでない場合とを区別すべく、新たな指標を考案した。
すなわち、本発明によれば、以下の鮮度保持袋に関する技術が提供される。
[1] 合成樹脂フィルムの両端を貼り合わせて筒状にし、一方を閉じることで得られた青果物を収容する袋本体と、背貼り部と、を備える鮮度保持袋であって、
前記背貼り部は、前記袋本体の外部と内部とを連通する連通領域を有し、
以下の条件Iを満たすように構成された、鮮度保持袋。
条件I:前記背貼り部の任意の場所を巾15mmに切り出して試験片を作製し、万能材料試験機を用いて、引っ張り速度50mm/minで、当該試験片を巾方向に垂直な方向にT型剥離したときの最大荷重(N)の標準偏差が5.0N以上20N以下である。
[2] [1]に記載の鮮度保持袋において、
前記最大荷重(N)の平均が5.0~50Nである、鮮度保持袋。
[3] [1]または[2]に記載の鮮度保持袋において、
前記背貼り部の幅が2~700mmである、鮮度保持袋。
[4] [1]乃至[3]いずれか一つに記載の鮮度保持袋において、
前記連通領域が複数であって、当該連通領域の個数が、前記背貼り部の平面視における面積10cm当たり0.50~250個である、鮮度保持袋。
[5] [1]乃至[3]いずれか一つに記載の鮮度保持袋において、
前記背貼り部の前記袋本体側の端部における、隣り合う前記連通領域の間隔が、1.0~300mmである、鮮度保持袋。
[6] [1]乃至[4]いずれか一つに記載の鮮度保持袋において、
前記背貼り部の長さ方向において、前記連通領域と、接合領域とが交互に繰り返し配置されることで幾何学模様を構成する、鮮度保持袋。
[7][6]に記載の鮮度保持袋において、
前記幾何学模様の模様構成単位は、直線、矩形、円形、および曲線の中から選ばれる1または2以上を含む、鮮度保持袋。
[8] [1]乃至[7]いずれか一つに記載の鮮度保持袋において、
前記背貼り部は、前記袋本体とは反対側に、前記背貼り部の上端から下端に亘る帯状の非シール部を有する、鮮度保持袋。
[9] [8]に記載の鮮度保持袋において、
前記帯状の非シール部の幅が1~40mmである、鮮度保持袋。
[10] [1]乃至[9]いずれか一つに記載の鮮度保持袋において、
前記合成樹脂フィルムの厚さは、20~200μmである、鮮度保持袋。
[11] [1]乃至[10]いずれか一つに記載の鮮度保持袋において、
前記合成樹脂フィルムは、ポリエチレン、エチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリアミド樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含むフィルム、あるいは当該フィルムを含む多層フィルムである、鮮度保持袋。
[12] [1]乃至[11]いずれか一つに記載の鮮度保持袋の袋本体に青果物を収容した、包装体。
[13] [1]乃至[11]いずれか一つに記載の鮮度保持袋の袋本体に青果物を収容し、青果物を保存する、鮮度保持方法。
本発明によれば、青果物の鮮度を効果的に保持できる技術が提供できる。
本実施形態の鮮度保持包装袋を模式的に示した斜視図である。 本実施形態の鮮度保持包装袋の変形例を模式的に示した斜視図である。 本実施形態の鮮度保持包装袋の製造手順を模式的に示した斜視図である。
本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。また、数値範囲の下限値及び上限値は、それぞれ他の数値範囲の下限値及び上限値と任意に組み合わせられる。
本明細書に例示する各成分及び材料は、特に断らない限り、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本明細書中、鮮度保持袋の背貼り部の長さ方向を重力方向に平行にしたとき、「上」とは鮮度保持袋の開口がある方向を意図し、「下」とは鮮度保持袋の開口とは反対側、すなわち鮮度保持袋の底がある方向を意図する。
また、本明細書中、鮮度保持袋を包装袋とも称して説明する。
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
<鮮度保持袋>
図1は、本実施形態の鮮度保持袋100の一態様を示す模式斜視図である。
図1に示すように、鮮度保持袋100は、合成樹脂フィルムの両端を貼り合わせて筒状にし、一方の開口を閉じることで得られた青果物を収容する袋本体10と、背貼り部20と、を備え、上部に青果物を出し入れするための開口を有する。
袋本体10は、下端にシール部11を備えることで、袋の底部を形成している。
背貼り部20は、合成樹脂フィルムの両端を貼り合わせることで形成され、袋本体10と接合する端部21と、袋本体10とは反対側となる端部22を有し、下端にシール部25を備える。また、本実施形態において、背貼り部20は、袋本体10の外部と内部とを連通する連通領域30を有する。
本実施形態の鮮度保持袋100は、以下の条件Iを満たすように構成されている。
条件I:背貼り部20の任意の場所を巾15mmに切り出して試験片を作製し、万能材料試験機を用いて、引っ張り速度50mm/minで、当該試験片を巾方向に垂直な方向にT型剥離したときの最大荷重(N)の標準偏差が5.0N以上20N以下である。
ここで、条件Iの背貼り部20の所定の最大荷重の標準偏差とは、背貼り部20における最大荷重のバラツキを表している。背貼り部20における最大荷重の標準偏差を5.0N以上20N以下とすることにより、青果物の鮮度保持効果を向上することができる。かかる理由の詳細は明らかではないが、背貼り部20において連通領域30が配置された領域は、非シール領域となる。そのため、背貼り部20の一部を巾方向に垂直な方向にT型剥離したときの最大荷重にバラツキがあることは連通領域30によるガス等透過性が変動し得ることを意図する。すなわち、最大荷重の標準偏差を制御することで、連通領域30を有する包装袋内での青果物の呼吸および包装袋内のガス濃度も制御され、青果物にとって鮮度が保持されやすい条件が保持されると推測される。
条件Iにおいて、当該最大荷重(N)の標準偏差は、好ましくは6N以上であり、より好ましくは7N以上である。
一方、当該最大荷重(N)の標準偏差は、20N以下であり、好ましくは19N以下であり、さらに好ましくは18N以下であり、さらに好ましくは15N以下である。
また、条件Iにおいて、当該最大荷重(N)の平均が、好ましくは5.0~50Nであり、より好ましくは5.5~40Nであり、さらに好ましくは10~35Nである。
条件Iの最大荷重(N)の標準偏差は、例えば、背貼り部20に連通領域30が非直線であったり、分岐しているものであったり、背貼り部20に連通領域30がランダムに配置されている等して調整される。
条件Iにおいて、背貼り部20の切り出しは、任意の場所であり、複数個所であることが好ましく、3か所以上であることがより好ましい。また、切り出し場所は、背貼り部20の長さ方向において、ランダムであってもよいが、3か所以上を切り出す点から、例えば、3~25cm間隔で行うことが好ましい。
以下、本実施形態の鮮度保持袋100の他の構成について説明する。
[合成樹脂フィルム]
本実施形態の鮮度保持袋100は、合成樹脂フィルムから構成される。これにより、青果物等の適度な呼吸を得つつ、MA効果を得ることができる。また、臭気を抑制する等し、青果物の良好な外観を保持しやすくなる。
合成樹脂フィルムは、青果物を外部から視認できる観点から、透明または半透明であることが好ましく、透明であることがより好ましい。また、青果物を特定する等の目的で印刷が施されたものであってもよい。
合成樹脂フィルムを構成する樹脂は、青果物等の包装に用いることができるものであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。
例えば、合成樹脂フィルムは、ポリエチレン、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのエチレン系共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、(メタ)アクリル樹脂、ポリ乳酸などのポリエステル樹脂、およびナイロンなどのポリアミド樹脂からなる群より選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
なかでも、後述の水蒸気透過度、酸素透過度を適切に制御できる観点から、ポリエチレン、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリ乳酸、およびナイロンであることが好ましい。
合成樹脂フィルムの成形方法は、特に限定されないが、押出、インフレーション、カレンダーリング等の方法が用いられる。樹脂フィルムを成形する際、必要に応じて、防曇剤等の添加物を混練してもよく、1種または2種類以上の樹脂をブレンドしてもよい。
また、合成樹脂フィルムに、延伸処理やアニーリングなどを施してもよく、さらに、ヒートシール性を付与するためシーラント層を設けたものでもよい。
合成樹脂フィルムの厚みは、20~200μmであることが好ましく、20~100μmであることがより好ましく、20~50μmであることがさらに好ましい。
合成樹脂フィルムは、単層として用いてもよいし、2層以上の多層構造として用いてもよい。
[背貼り部20]
本実施形態において、背貼り部20は、上記の合成樹脂フィルムの両端を貼り合わせることで得られるシール領域である。背貼り部20は、接着された両端にわたって袋本体10から突出して形成される。すなわち、背貼り部20は、鮮度保持袋100の上端から下端に亘って突出している。突出した背貼り部20は、袋本体10に沿って倒れて袋本体10に被さる態様となって使用されてもよい。
背貼り部20の幅は、鮮度保持袋100の大きさに応じて適宜調整されるが、好ましくは2~50mmであり、より好ましくは3~40mmであり、さらに好ましくは5~30mmである。背貼り部20の幅を上記下限値以上とすることにより、連通領域30を備えつつも、鮮度保持袋100の形状を保持するためのシール強度を向上できる。背貼り部20の幅を上記上限値以下とすることにより、鮮度保持効果を保持しやすくなる。
図1に示すように、背貼り部20は接合領域31と、非接合領域からなる連通領域31とを有する。本実施形態において接合領域31は、背貼り部20の端部21から端部22に亘って設けられている。
ただし、接合領域31は、背貼り部20の端部21から端部22に亘って設けられているものに限られない。
例えば、図2に示すように、背貼り部20は、袋本体10とは反対側の端部22に、鮮度保持袋100の上端から下端に亘る帯状の非シール部35を有してもよい。
帯状の非シール部35は、合成樹脂フィルムの端部同士を貼り合わせて筒状にした際に、貼り合わされなかった合成樹脂フィルムの端部に相当する。また、非シール部35の下端は、貼り合わされ、シール部25を形成していてもよい。
帯状の非シール部35の幅が1~20mmであることが好ましく、3~10mmであることがより好ましい。
鮮度保持袋101においても、上記の条件を満たすことで鮮度保持効果を得ることができる。この場合、非シール領域35は予めカットし、連通領域30の端部を露出させておくことが好ましい。
[連通領域30]
本実施形態の連通領域30とは、背貼り部20に設けられるものであり、袋本体10と外部とを連通できる領域である。これにより、袋本体10に出入りする酸素ガス、二酸化炭素ガス、水蒸気量が制御され、青果物の鮮度を保持しやすくなる。連通領域30は、背貼り部20を貼り合わせる際に、非貼り合わせ領域を設けることで形成することができる。
連通領域30として具体的には、以下の例が挙げられる。
本実施形態において、連通領域30は、背貼り部20の端部21から端部22に亘って設けられ、一本の流路となっている。
連通領域30が一本の流路である場合、その道のり長さは0.5~50mmであることが好ましく、1~30mmであることがより好ましく、2~20mmであることがさらに好ましい。
なお、道のり長さは、連通領域30の中央をたどった時の平均の長さとする。
ただし、連通領域30は、一本の流路でつながるものに限られず、枝分かれした流路であってもよい。
連通領域30が枝分かれした流路である場合、その道のり長さは、最短の道のりを意図し、0.5~50mmであることが好ましく、1~30mmであることがより好ましく、2~20mmであることがさらに好ましい。
また、図1に示すように、本実施形態の連通領域30は、非直線状であり、S字状の一本の流路であって、端部21から端部22にわたって幅が広がるように設けられている。
すなわち、本実施形態の連通領域30は、その平面視において、背貼り部20の一方の端部21から他方の端部22に亘って、不均一な幅の流路となっている。
連通領域30の平均幅は、0.1~10mmであることが好ましく、0.2~5mmであることがより好ましく、0.2~3mmであることがさらに好ましい。
ただし、連通流路20は、非直線状であるものに限られず、直線状、非直線状、およびこれらの組み合わせであってもよい。また、連通領域30の幅は、均等な幅の流路、平行な直線または非直線状の流路であってもよい。
例えば、連通領域31は、直線状の一本の流路であって、端部21から端部22にわたって幅が広がるように設けられていてもよい。
また、図1に示すように、本実施形態の連通領域30は、背貼り部20に2個設けられている。また、連通領域30は等間隔で設けられていることが好ましく、その間隔(ピッチP)は、背貼り部20の袋本体10との接合辺(背貼り部20の端部21)において、1.0~300mmであることが好ましく、1.5~200mmであることがより好ましく、2.0~150mmであることがさらに好ましい。
ただし、連通領域30の数は、これに限られない。連通領域30は、複数であることが好ましく、背貼り部20において、3~200個であってもよく、50~100個であってもよい。
この場合、複数の連通領域30の個数は、背貼り部20の平面視における面積10cm当たり、0.1~280個であることが好ましく、0.3~250個であることがより好ましい。
図1に示すように、本実施形態の連通領域30は、互いに同じ形状、同じ大きさ・長さの流路が繰り返し配置されている。
ただし、複数の連通領域30の形状、大きさ・長さ等は互いに異なるものであってもよく、複数の連通領域が組み合わされた一つの繰り返し単位を形成していてもよい。
この場合、少なくとも一つの繰り返し単位が、背貼り部20の平面視における面積10cm当たり、0.1~280個であることが好ましく、0.3~250個であることがより好ましく、1~150個であることがさらに好ましい。
また、少なくとも一つの繰り返し単位は等間隔で設けられていることが好ましく、その間隔(ピッチP)は、背貼り部20の袋本体10との接合辺(背貼り部20の端部21)において、1.0~300mmであることが好ましく、1.5~200mmであることがより好ましく、2.0~150mmであることがさらに好ましい。
また、複数の連通領域30は、接合部領域31と交互に繰り返し配置されることで、背貼り部20に幾何学模様を構成してもよい。すなわち、接合領域31と連通領域30とが、背貼り部20の長手方向に規則的に配列される。
幾何学模様の模様構成単位は、直線、矩形、円形、および曲線の中から選ばれる1または2以上を含むものが挙げられる。
(形成方法)
連通領域30の形成方法としては、例えば、図3(a)に示すように、袋本体10の内側となる面同士が対向するように、合成樹脂フィルムの両端を重ね合わせ、その後、図3(b)に示すように連通領域30を除く領域を接着する。接着方法は、加熱による熱融着、超音波による融着など、公知の方法が挙げられる。
[袋本体10]
本実施形態において、袋本体10は、上記の合成樹脂フィルムの両端を貼り合わせて筒状にし、筒状の一方を貼り合わせる等したシール部11により底部を形成して得られた青果物を収容するための袋体であり、鮮度保持袋100の背貼り部20を除く領域である。
袋本体10を構成する合成樹脂フィルムの23℃、60%RHにおける酸素透過度は、青果物の呼吸を保持し、鮮度を保持する観点から、好ましくは200cc/(m・day・atm)以上であり、より好ましくは500cc/(m・day・atm)以上であり、さらに好ましは800cc/(m・day・atm)以上であり、ことさら好ましくは1000cc/(m・day・atm)以上である。
一方、合成樹脂フィルムの23℃、60%RHにおける酸素透過度は、青果物の品質保持、鮮度保持する観点から、好ましくは10000cc/(m・day・atm)以下であり、より好ましくは7000cc/(m・day・atm)以下であり、さらに好ましくは4000cc/(m・day・atm)以下であり、ことさらに好ましくは3000cc/(m・day・atm)以下である。
袋本体10を構成する合成樹脂フィルムの40℃における水蒸気透過度は、青果物の呼吸による水蒸気を放出する観点から、好ましくは1g/(m・day)以上であり、より好ましくは3g/(m・day)以上である。
一方、合成樹脂フィルムの40℃における水蒸気透過度は、青果物の呼吸を抑制する観点から、好ましくは300g/(m・day)以下であり、より好ましくは100g/(m・day)以下であり、さらに好ましくは50g/(m・day)以下であり、ことさらに好ましくは10g/(m・day)以下である。
水蒸気透過度は、JIS Z 0208(カップ法)に準拠した方法によって測定することができる。
また、本実施形態において、袋本体10を構成する合成樹脂フィルムの酸素透過度および水蒸気透過度は、上記の連通領域30を含まない袋本体10における酸素透過度および水蒸気透過度を意図する。この場合、合成樹脂フィルムの材料の選択、合成樹脂フィルムの製造方法、合成樹脂フィルムの層構造、貫通孔の有無及び貫通孔の平均径、数などを制御することによって、調整することができる。
なお、本実施形態の袋本体10は、貫通孔が形成されていてもよいが、貫通孔を有さないものであってもよい。貫通孔の有無により、水蒸気透過度、酸素透過度がさらに調整できるようになる。
貫通孔の平面形状としては、たとえば、円形、多角形、またはスリットであってもよい。スリットとは、包装材を構成する合成樹脂シートを貫通している切り込み、細隙であって、直線、曲線、L字型、×印などであってもよく、その長さ等も特に限定されない。
貫通孔の平均直径は10μm~800μmであることが好ましく、20μm~500μmであることがより好ましく、50μm~200μmであることがさらに好ましい。この場合、貫通孔の平均直径は、貫通孔の開孔面積から貫通孔を正円として算出される。
上記の貫通孔は、合成樹脂フィルムを袋状に作製する前後の少なくとも一方において設けることができる。
<包装体>
本実施形態の包装体は、上記の鮮度保持袋100により青果物を収容したものである。包装体は、鮮度保持袋100の開口部を密封したものであることが好ましい。
上記の密封は、たとえば、袋の開口部にヒートシール処理を施したり、バックシーリングテープ、結束帯、輪ゴム、またはかしめ等の部材を用いて密封してもよい。
また本実施形態において、青果物100gあたりの前記包装体の内表面積が100~5000cmであることが好ましく、200~1000cmがより好ましく、250~800cmがさらに好ましく、300~600cmがことさらに好ましい。
また、本実施形態において、包装体は、環境温度2~25℃で保管することが好適である。ただし、用途、流通条件などに応じて、温度変化があっても構わない。
[青果物]
本実施形態の包装体は、鮮度保持袋100内に青果物を収容する。
青果物としては、特に限定されないが、例えば、オオバ、ホウレンソウ、コマツナ、ミズナ、ミブナ、アスパラガス、クウシンサイ、レタス、タイム、セージ、パセリ、イタリアンパセリ、ローズマリー、オレガノ、レモンバーム、チャイブ、ラベンダー、サラダバーネット、ラムズイヤー、ロケット、ダンディライオン、ナスタチューム、バジル、ルッコラ、クレソン、モロヘイヤ、セロリ、ケール、ネギ、キャベツ、ハクサイ、シュンギク、サラダナ、サンチュ、フキ、ナバナ、チンゲンサイ、ミツバ、セリ、メキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ミョウガ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ラディッシュ、カブ、サツマイモ、ジャガイモ、ナガイモ、ヤマイモ、サトイモ、ジネンジョ、ヤマトイモ、ピーマン、パプリカ、シシトウ、キュウリ、ナス、トマト、ミニトマト、カボチャ、ゴーヤ、オクラ、スィートコーン、エダマメ、サヤエンドウ、サヤインゲン、ソラマメ、菌茸類などが挙げられる。また、柑橘、りんご、ナシ、ブドウ、ブルーベリー、柿、イチゴなどの果実類や切花なども有効である。また、これらをカットした状態、いわゆるカット野菜、カットフルーツにも有効である。
なお、カット野菜とは、田畑で収穫された野菜の食用ではない部分、例えば、根っこ、茎、または花等が除去され、食べやすさや見た目を良好にするために公知の方法でカットされた非加熱の野菜を意味する。
<鮮度保持方法>
本実施形態の鮮度保持方法は、上記の鮮度保持袋100により青果物を収容することで、青果物の鮮度を保持する方法である。青果物を収容後、鮮度保持袋100の開口部は密封されることが好ましい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
次に、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<測定>
・条件Iの測定
背貼り部の任意の場所を巾15mmに切り出して試験片を作製し、万能材料試験機を用いて、引っ張り速度50mm/minで、当該試験片を巾方向に垂直な方向にT型剥離したときの最大荷重(N)を測定した。
試験片は、背貼り部の上辺から5~6.5cm(巾15mm)、11.5~13.0cm(巾15mm)、18~19.5cm(巾15mm)の3か所で箇所で切り出し、3つの試験片について測定した。
万能材料試験機としては、エー・アンド・デイ社製の「万能材料試験機(型番:TENSILON RTG-1310)」を用いた。
・23℃、60%RHにおける酸素透過度(cc/m・day・atm)の測定
(1)窒素ガスの封入
表1に示す原材料・厚みからなる合成樹脂フィルムを用いて測定用の袋を作製し、ヒートシール等で袋を密封した後、アスピレーター等を用いて袋を脱気した。脱気は、袋の両面が貼りつくまで行った。次に、この袋に白硬注射筒を用いて窒素ガス(純度99.9%以上)を充填した。窒素ガスの注入量は、袋サイズに合わせ、注入した窒素ガスによって袋を構成するフィルムにテンションがかからず、かつ僅かにゆるんでいる範囲で極力多く入れ、当該白硬注射筒の目盛りを用いて測定した。なお、窒素ガスの脱気および注入は、例えば、注射針を袋に突き刺して行った。注射針を刺す際は、袋を構成するフィルムに両面テープを貼り、この上にさらにポリプロピレンフィルム製の粘着テープ(以下「PPテープ」という)を貼り付けた。また、注射針を抜いた後は、速やかにPPテープで針孔を塞いだ。袋に貼るテープは、4.5cm以下の面積に収まるようにした。
また、袋を構成するフィルムが微細孔フィルムの場合は、テープで当該微細孔を塞がないようにした。
(2)初期酸素濃度測定
窒素ガス充填直後(t=0)の袋内の初期酸素濃度(C0)を測定した。袋内のガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフィー(TCD)で袋内の初期酸素濃度(C0)を求めた。C0は0.2%以下であり、これを超える場合は、作業をやり直した。酸素濃度測定のためのサンプリングガスは、10cc以下とした。ガスクロマトグラフィーに注入する場合は、1cc程度の一定量を注入した。また、標準ガス(酸素約1%と約10%を含む2点以上)の測定も同量のガスを注入して行い、検量線を作成した。
(3)袋の保管
初期酸素濃度を測定した袋は、23℃、60%RH(恒温恒湿庫)で保管した。このとき、袋の上に物が乗ったり、恒温恒湿庫のファンの風が袋に直撃しないように静置した。
(4)保管中の袋内酸素濃度の測定及び酸素透過速度の計算
袋内酸素濃度の測定は、窒素ガス充填直後と3時間以上経過後に酸素濃度が1%以上7%以下の範囲内で2点以上の合計3~5点測定し、経過時間t(hr)と袋内酸素濃度間に比例関係(相関係数が0.98以上)が成り立つ必要がある。相関係数が成り立たない場合は再試験を行った。袋を構成するフィルムの酸素透過速度が大きすぎて袋内酸素濃度の上昇が速すぎ、この条件をクリアできない場合は、フィルムの一部を酸素透過速度が測定しているフィルムより小さく既知である同じ材質のフィルムと張り合わせて袋を作成して同様に行えばよい。この際、袋の表面積は既知である別のフィルムと貼り合わせた部分は除き、求められた酸素透過速度より既知のフィルム部分の酸素透過速度を差し引いたものが測定フィルムの酸素透過速度とした。
酸素透過速度は、経過時間が長いほうの値を用いて以下の計算式(i)を計算した。
F=1.143×(Ct-C0)×V/t (i)
F:酸素透過速度(cc/袋・day・atm)
Ct:窒素ガス充填後t時間後における袋内酸素濃度(%)
C0:窒素ガス充填直後の袋内酸素濃度(%)
V:充填した窒素ガスの量(cc)
t:ガス充填時からの経過時間(hr)
<実施例、比較例>
(1)鮮度保持袋の作製
表1に示す鮮度保持袋となるように、合成樹脂フィルムを用いて、連通領域を有する背貼り部をつきの袋を公知の方法で作製した。
原材料は、以下のものを用いた。
・OPP;二軸延伸ポリプロピレンフィルム
・PE;ポリエチレンフィルム
なお、比較例2は、ナイロンフィルム(15μm)にPE(40μm)をラミネートして合成樹脂フィルムを準備し、PEが内側になるようにして袋を作製した。
(2)鮮度保持効果の評価
得られた鮮度保持袋に用いて、表1に示す青果物を入れ、開口部をヒートシールして閉じ、青果物入り包装体を得た。
得られた包装体を一日ごとに上下を反転させて、これを表1に示す条件で保管したのち、保管前の新鮮な状態(初期)を基準として、鮮度保持効果について、以下の評価基準に従い評価した。
・評価基準
<臭い>
◎:初期と差無し
〇:僅かに異臭を感じるが青果物のにおいの方が強い
△:青果物のにおいより異臭の方が強い
×:強い異臭
<外観(青果物)>
◎:初期と差無し
〇:初期よりも10%程度変色している
△:初期よりも30%程度変色している
×:初期よりも50%以上変色している
<食味>
◎:初期と差無し
〇:僅かに味が薄くなったが青果物本来の味がする
△:青果物本来の味が明確に薄くなった
×:まずい
Figure 2024073811000002

Claims (13)

  1. 合成樹脂フィルムの両端を貼り合わせて筒状にし、一方を閉じることで得られた青果物を収容する袋本体と、背貼り部と、を備える鮮度保持袋であって、
    前記背貼り部は、前記袋本体の外部と内部とを連通する連通領域を有し、
    以下の条件Iを満たすように構成された、鮮度保持袋。
    条件I:前記背貼り部の任意の場所を巾15mmに切り出して試験片を作製し、万能材料試験機を用いて、引っ張り速度50mm/minで、当該試験片を巾方向に垂直な方向にT型剥離したときの最大荷重(N)の標準偏差が5.0N以上20N以下である。
  2. 請求項1に記載の鮮度保持袋において、
    前記最大荷重(N)の平均が5.0~50Nである、鮮度保持袋。
  3. 請求項1または2に記載の鮮度保持袋において、
    前記背貼り部の幅が2~50mmである、鮮度保持袋。
  4. 請求項1または2に記載の鮮度保持袋において、
    前記連通領域が複数であって、当該連通領域の個数が、前記背貼り部の平面視における面積10cm当たり0.50~250個である、鮮度保持袋。
  5. 請求項1または2に記載の鮮度保持袋において、
    前記背貼り部の前記袋本体側の端部における、隣り合う前記連通領域の間隔が、1.0~300mmである、鮮度保持袋。
  6. 請求項1または2に記載の鮮度保持袋において、
    前記背貼り部の長さ方向において、前記連通領域と、接合領域とが交互に繰り返し配置されることで幾何学模様を構成する、鮮度保持袋。
  7. 請求項6に記載の鮮度保持袋において、
    前記幾何学模様の模様構成単位は、直線、矩形、円形、および曲線の中から選ばれる1または2以上を含む、鮮度保持袋。
  8. 請求項1または2に記載の鮮度保持袋において、
    前記背貼り部は、前記袋本体とは反対側に、前記背貼り部の上端から下端に亘る帯状の非シール部を有する、鮮度保持袋。
  9. 請求項8に記載の鮮度保持袋において、
    前記帯状の非シール部の幅が1~40mmである、鮮度保持袋。
  10. 請求項1または2に記載の鮮度保持袋において、
    前記合成樹脂フィルムの厚さは、20~200μmである、鮮度保持袋。
  11. 請求項1または2に記載の鮮度保持袋において、
    前記合成樹脂フィルムは、ポリエチレン、エチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリアミド樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含むフィルム、あるいは当該フィルムを含む多層フィルムである、鮮度保持袋。
  12. 請求項1または2に記載の鮮度保持袋の袋本体に青果物を収容した、包装体。
  13. 請求項1または2に記載の鮮度保持袋の袋本体に青果物を収容し、青果物を保存する、鮮度保持方法。
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