JP2024073281A - 補強ユニット、捕捉体、堰堤及び堰堤の補強方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】堰堤を最新の設計基準を満たすように補強すること。【解決手段】一対の非越流部(1)と、一対の非越流部(1)の間に設けられた捕捉体(3)とを備える透過型の堰堤(100)は、捕捉体(3)における流水方向上流側に面する部位に取り付けられた補強ユニット(8)を備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、補強ユニット、捕捉体、堰堤及び堰堤の補強方法に関する。
河川の土石流対策工として、上流から流れてくる岩石や流木等を捕捉する捕捉体を備えた堰堤(砂防堰堤)が知られている。堰堤は、河川の両岸からそれぞれ突き出た一対の非越流部を備えており、非越流部の間には水を通す開口部が設けられている。
捕捉体は、開口部に設けられており、径の小さい土砂や水を通過させつつ、径の大きな岩石や流木等を捕捉する。捕捉体は、河川の流れ方向において上流側に面する上流側ユニットと、下流側に面する下流側ユニットとを有しており、両ユニットは互いに上方に向かうにつれて近づくように傾斜して延び、その上端部近傍において互いに連結されている。捕捉体は、開口部の幅方向にわたって設けられており、その下端部においてコンクリート基礎に取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。
捕捉体は、開口部に設けられており、径の小さい土砂や水を通過させつつ、径の大きな岩石や流木等を捕捉する。捕捉体は、河川の流れ方向において上流側に面する上流側ユニットと、下流側に面する下流側ユニットとを有しており、両ユニットは互いに上方に向かうにつれて近づくように傾斜して延び、その上端部近傍において互いに連結されている。捕捉体は、開口部の幅方向にわたって設けられており、その下端部においてコンクリート基礎に取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。
近年、土砂災害は大規模化しており、従来の設計基準では大規模化する土砂災害に対応することが困難であり、今後求められる設計基準も強化される傾向にある。この場合、新たに構築する堰堤に関しては設計基準を満たすように構築すれば問題ないが、既設の堰堤は設計基準を満たさないため、堰堤として機能させることが難しいという問題がある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、堰堤を最新の設計基準を満たすように補強することができる技術を提供することを目的とする。
本発明に係る一態様は、一対の非越流部と、前記一対の非越流部の間に設けられた捕捉体とを備える透過型の堰堤の補強ユニットであって、前記捕捉体における流水方向上流側に面する部位に取り付けられていることを特徴とする。
また、前記捕捉体は、流水方向上流側に設けられ、流水に含まれる物体を捕捉する上流側ユニットと、流水方向下流側に設けられ、前記上流側ユニットに連結された下流側ユニットと、を備え、前記補強ユニットは、前記上流側ユニットに取り付けられていることが好ましい。
また、前記補強ユニットは、前記上流側ユニットに連結する前記連結機構を備えることが好ましい。
また、前記上流側ユニットは、縦材と、横材とを備え、前記補強ユニットは、前記連結機構を介して前記縦材に取り付けられていることが好ましい。
また、前記補強ユニットは、縦方向に延びる第1の部材と、横方向に延びる第2の部材とを備え、前記第1の部材は、前記連結機構を介して前記縦材に取り付けられていることが好ましい。
また、前記第1の部材は、前記縦材よりも強度が高いことが好ましい。
また、前記連結機構は、前記上流側ユニットに着脱自在に連結されていることが好ましい。
本発明に係る一態様は、捕捉体であって、流水方向上流側に設けられ、流水に含まれる物体を捕捉する上流側ユニットと、流水方向下流側に設けられ、前記上流側ユニットに連結された下流側ユニットと、前記上流側ユニットに取り付けられた補強ユニットと、を備えることを特徴とする。
本発明に係る一態様は、堰堤であって、一対の非越流部と、前記一対の非越流部の間に設けられた捕捉体とを備える透過型の堰堤と、前記捕捉体における流水方向上流側に面する部位に取り付けられた上記の補強ユニットと、を備えることを特徴とする。
本発明に係る一態様は、一対の非越流部と、前記一対の非越流部の間に設けられた捕捉体とを備える堰堤の補強方法であって、前記捕捉体における流水方向上流側に面する部位に補強ユニットを取り付ける工程を有することを特徴とする。
また、前記捕捉体は、流水方向上流側に設けられ、流水に含まれる物体を捕捉する上流側ユニットと、流水方向下流側に設けられ、前記上流側ユニットに連結された下流側ユニットと、を備え、前記補強ユニットは、連結機構を備え、前記連結機構を介して前記補強ユニットを前記上流側ユニットに取り付けることが好ましい。
また、前記上流側ユニットは、縦材と、横材とを備え、前記補強ユニットは、縦方向に延びる第1の部材と、横方向に延びる第2の部材とを備え、前記連結機構を介して前記第1の部材を前記縦材に連結することが好ましい。
本発明に係る一態様によれば、堰堤を最新の設計基準を満たすように補強することができる。
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<堰堤の構成>
図1に示すように、堰堤100は、一般に透過型堰堤と呼ばれるものであり、一対の非越流部1と、開口部2と、捕捉体3と、を備えている。なお、以下において、縦方向は堰堤100の高さ方向(河川の深さ方向)Hをいい、横方向は堰堤100の高さ方向に直交する堰堤100の幅方向(河川の幅方向)Wをいうものとする。
<堰堤の構成>
図1に示すように、堰堤100は、一般に透過型堰堤と呼ばれるものであり、一対の非越流部1と、開口部2と、捕捉体3と、を備えている。なお、以下において、縦方向は堰堤100の高さ方向(河川の深さ方向)Hをいい、横方向は堰堤100の高さ方向に直交する堰堤100の幅方向(河川の幅方向)Wをいうものとする。
非越流部1は、例えば、コンクリートにより形成された壁体であり、袖部とも呼ばれる。一対の非越流部1は、それぞれ、河川の両岸から河川を横断するように河川の中央に向かって延びている。一対の非越流部1の間には、所定の間隔があけられており、開口部2が形成されている。非越流部1は、河床に形成された基礎にコンクリートが上方に向かって打設されることにより構築されている。なお、非越流部1は、ソイルセメントで構築してもよい。
開口部2は、一対の非越流部1間に形成された空間であり、捕捉体3が設置される。これにより、土石流に含まれる大きな岩石や流木を捕捉体3で捕捉しつつ、水、砂、小礫等を通過させる。開口部2の底部には、基礎21が形成されている。基礎21は、河床に形成されており、例えば、コンクリート又はソイルセメントによって形成されている。
図2から図5に示すように、捕捉体3は、河川の上流から流れてくる流水を通すとともに、大きな岩石や流木といった物体を捕捉するものであり、開口部2において、開口部2の基礎21に取り付けられている。捕捉体3は、非越流部1に取り付けられていてもよい。
捕捉体3は、上流側ユニット6と、下流側ユニット7と、補強ユニット8と、を備えている。
ここで、捕捉体3は、既設の堰堤における捕捉体を補強ユニット8で補強したものである。補強ユニット8が設けられる理由としては、既設の堰堤が従来の設計基準で構築されており、更新された現状の設計基準を満たしていない場合に、補強ユニット8で補強することにより、現状の設計基準を満たすようにするためである。
捕捉体3は、上流側ユニット6と、下流側ユニット7と、補強ユニット8と、を備えている。
ここで、捕捉体3は、既設の堰堤における捕捉体を補強ユニット8で補強したものである。補強ユニット8が設けられる理由としては、既設の堰堤が従来の設計基準で構築されており、更新された現状の設計基準を満たしていない場合に、補強ユニット8で補強することにより、現状の設計基準を満たすようにするためである。
上流側ユニット6は、河川の上流側に面するように設けられており、堰堤100の上流側から流れてきた土石流に含まれる岩石や流木等の物体を捕捉する機能部材である。すなわち、上流側ユニット6は、土石流の衝撃が直接作用するユニットである。
上流側ユニット6は、堰堤100を平面視した際に、河川を横切る方向(堰堤100の幅方向)Wに沿って直線状に設けられている。
図2に示すように、上流側ユニット6は、複数の縦材61と、複数の横材62と、を備えている。
上流側ユニット6は、堰堤100を平面視した際に、河川を横切る方向(堰堤100の幅方向)Wに沿って直線状に設けられている。
図2に示すように、上流側ユニット6は、複数の縦材61と、複数の横材62と、を備えている。
縦材61は、その上端が下端よりも河川の下流側に位置するように、堰堤100の高さ方向Hに対して傾斜するように設けられており、河川の幅方向Wに沿って並んで配置されている。縦材61は、下端が基礎21に埋設されている。隣接する縦材61間の間隔は、土石流の発生時に捕捉すべき岩石の径よりも小さくしておくことが好ましい。また、隣接する縦材61間の間隔は、捕捉体3の幅方向一端から他端にわたって全て同じ間隔としてもよいし、捕捉体3の幅方向中央付近のみ間隔を狭くする等、想定される土石流の規模に応じて自由に変更可能である。
縦材61は、例えば、円筒状に形成された複数の鋼管によって構成されており、各鋼管は、各端部がフランジ部を介して互いに連結されている。なお、各鋼管は、フランジ部を設けることなく、端部同士を溶接にて連結してもよいが、土石流衝突後の交換作業を考慮すると、フランジ部を用いた連結が好ましい。
各縦材61は、その延在方向に沿った複数の位置で横材62を支持している。すなわち、縦材61には、その高さ方向に沿って所定の間隔をあけて複数の横材62が溶接等によって接合されている。
各縦材61の下端部は、基礎21に埋設されており、その結果、縦材61の下端部が基礎部21に立設されている。
縦材61は、例えば、円筒状に形成された複数の鋼管によって構成されており、各鋼管は、各端部がフランジ部を介して互いに連結されている。なお、各鋼管は、フランジ部を設けることなく、端部同士を溶接にて連結してもよいが、土石流衝突後の交換作業を考慮すると、フランジ部を用いた連結が好ましい。
各縦材61は、その延在方向に沿った複数の位置で横材62を支持している。すなわち、縦材61には、その高さ方向に沿って所定の間隔をあけて複数の横材62が溶接等によって接合されている。
各縦材61の下端部は、基礎21に埋設されており、その結果、縦材61の下端部が基礎部21に立設されている。
横材62は、堰堤100の幅方向Wに沿って設けられており、堰堤100の高さ方向Hに沿って並んで配置されている。各横材62は、全ての縦材61にわたって縦材61の延在方向に直交する方向に延びるように配置されている。隣接する横材62間の間隔は、土石流の発生時に捕捉すべき岩石の径よりも小さくしておくことが好ましい。また、隣接する横材62間の間隔は、捕捉体3の上端から下端にわたって全て同じ間隔としてもよいし、捕捉体3の上方のみ間隔を狭くする等、想定される土石流の規模に応じて自由に変更可能である。
横材62は、例えば、円筒状に形成された複数の鋼管によって構成されている。一部の横材62は、隣接する縦材61の間で隙間ができるように分断されている。ここで、一部の横材62において、各鋼管は、フランジ部を設けることなく、端部同士を溶接にて連結してもよいが、土石流衝突後の交換作業を考慮すると、フランジ部を用いた連結が好ましい。他の横材62は、複数の鋼管が隣接する縦材61の間でフランジ部を用いて連結されている。横材62を構成する鋼管は、その一端が縦材61に溶接等によって接合されている。
横材62は、例えば、円筒状に形成された複数の鋼管によって構成されている。一部の横材62は、隣接する縦材61の間で隙間ができるように分断されている。ここで、一部の横材62において、各鋼管は、フランジ部を設けることなく、端部同士を溶接にて連結してもよいが、土石流衝突後の交換作業を考慮すると、フランジ部を用いた連結が好ましい。他の横材62は、複数の鋼管が隣接する縦材61の間でフランジ部を用いて連結されている。横材62を構成する鋼管は、その一端が縦材61に溶接等によって接合されている。
下流側ユニット7は、上流側ユニット6から見て河川の下流側に設けられている。下流側ユニット7は、上流側ユニット6に連結されており、上流側ユニット6に作用する土石流の衝撃荷重が伝達され、捕捉体3を支持する。
下流側ユニット7は、複数の縦材71、72と、複数の横材73と、を備えている。
縦材71は、その上端が下端よりも河川の上流側に位置するように、堰堤100の高さ方向Hに対して傾斜するように設けられており、河川の幅方向Wに沿って並んで配置されている。縦材71は、河川の幅方向Wに沿って並んで配置されている。縦材71は、河川の流れ方向において、上流側ユニット6の縦材61に対向する位置に設けられている。縦材71は、下端が基礎21に埋設されており、上端が縦材61にその上端近傍で連結されている。縦材71は、全ての縦材61に対向する位置に設けられている。なお、縦材71は、いくつかの縦材61に対向する位置に設けられているだけでもよい。
縦材71は、例えば、円筒状に形成された複数の鋼管によって構成されており、各鋼管は、各端部がフランジ部を介して互いに連結されている。なお、各鋼管は、フランジ部を設けることなく、端部同士を溶接にて連結してもよいが、土石流衝突後の交換作業を考慮すると、フランジ部を用いた連結が好ましい。
下流側ユニット7は、複数の縦材71、72と、複数の横材73と、を備えている。
縦材71は、その上端が下端よりも河川の上流側に位置するように、堰堤100の高さ方向Hに対して傾斜するように設けられており、河川の幅方向Wに沿って並んで配置されている。縦材71は、河川の幅方向Wに沿って並んで配置されている。縦材71は、河川の流れ方向において、上流側ユニット6の縦材61に対向する位置に設けられている。縦材71は、下端が基礎21に埋設されており、上端が縦材61にその上端近傍で連結されている。縦材71は、全ての縦材61に対向する位置に設けられている。なお、縦材71は、いくつかの縦材61に対向する位置に設けられているだけでもよい。
縦材71は、例えば、円筒状に形成された複数の鋼管によって構成されており、各鋼管は、各端部がフランジ部を介して互いに連結されている。なお、各鋼管は、フランジ部を設けることなく、端部同士を溶接にて連結してもよいが、土石流衝突後の交換作業を考慮すると、フランジ部を用いた連結が好ましい。
縦材72は、その上端が下端よりも河川の上流側に位置するように、堰堤100の高さ方向Hに対して傾斜するように設けられており、河川の幅方向Wに沿って並んで配置されている。縦材72は、縦材71と対をなすように、河川の幅方向Wに沿って並んで配置されている。縦材72は、河川の流れ方向において、上流側ユニット6の縦材61に対向する位置に設けられている。縦材72は、河川の流れ方向において、縦材61と縦材71との間に位置するように設けられている。縦材72は、下端が基礎21に埋設されており、上端が縦材61にその中央近傍で連結されている。縦材72は、全ての縦材61に対向する位置に設けられている。なお、縦材72は、いくつかの縦材61に対向する位置に設けられているだけでもよい。
縦材72は、例えば、円筒状に形成された複数の鋼管によって構成されており、各鋼管は、各端部がフランジ部を介して互いに連結されている。なお、各鋼管は、フランジ部を設けることなく、端部同士を溶接にて連結してもよいが、土石流衝突後の交換作業を考慮すると、フランジ部を用いた連結が好ましい。
なお、下流側ユニット7は、一種類の縦材71を備えた構成でもよいし、複数種類の縦材71,72,・・・を備えた構成でもよい。
縦材72は、例えば、円筒状に形成された複数の鋼管によって構成されており、各鋼管は、各端部がフランジ部を介して互いに連結されている。なお、各鋼管は、フランジ部を設けることなく、端部同士を溶接にて連結してもよいが、土石流衝突後の交換作業を考慮すると、フランジ部を用いた連結が好ましい。
なお、下流側ユニット7は、一種類の縦材71を備えた構成でもよいし、複数種類の縦材71,72,・・・を備えた構成でもよい。
横材73は、河川の流れ方向に沿って配置されており、縦材61と縦材71と縦材72とを連結する。横材73は、一端が縦材61及び縦材72に連結され、他端が縦材71に連結されている。横材73は、一端が縦材61の中央近傍に連結されるとともに、縦材72の上端に連結されており、他端が縦材71の中央近傍に連結されている。
横材73は、例えば、円筒状に形成された複数の鋼管によって構成されており、各鋼管は、各端部がフランジ部を介して互いに連結されている。なお、各鋼管は、フランジ部を設けることなく、端部同士を溶接にて連結してもよいが、土石流衝突後の交換作業を考慮すると、フランジ部を用いた連結が好ましい。
横材73は、例えば、円筒状に形成された複数の鋼管によって構成されており、各鋼管は、各端部がフランジ部を介して互いに連結されている。なお、各鋼管は、フランジ部を設けることなく、端部同士を溶接にて連結してもよいが、土石流衝突後の交換作業を考慮すると、フランジ部を用いた連結が好ましい。
補強ユニット8は、捕捉体3における河川の流れ方向上流側に面する部位、すなわち、上流側ユニット6に取り付けられている。
補強ユニット8は、複数の縦材81と、複数の横材82と、複数の連結機構83と、を備えている。
縦材81は、縦方向に延びる第1の部材であり、その上端が下端よりも河川の下流側に位置するように、堰堤100の高さ方向Hに対して傾斜するように設けられており、河川の幅方向Wに沿って並んで配置されている。縦材81は、基礎21に立設されている。縦材81は、連結機構83を介して上流側ユニット6の縦材61に連結されているため、縦材81は、河川の流れ方向に沿って縦材61に対向する位置に設けられている。隣接する縦材81間の間隔は、縦材61と同様、土石流の発生時に捕捉すべき岩石の径よりも小さくしておくことが好ましい。また、隣接する縦材81間の間隔は、補強ユニット8の幅方向一端から他端にわたって全て同じ間隔としてもよいし、補強ユニット8の幅方向中央付近のみ間隔を狭くする等、想定される土石流の規模に応じて自由に変更可能である。
縦材81は、例えば、円筒状に形成された複数の鋼管によって構成されており、各鋼管は、各端部がフランジ部を介して互いに連結されている。なお、各鋼管は、フランジ部を設けることなく、端部同士を溶接にて連結してもよいが、土石流衝突後の交換作業を考慮すると、フランジ部を用いた連結が好ましい。
例えば、縦材81は、縦材61よりも強度が高くなるように形成されている。具体的には、縦材81は、縦材61の鋼管径以上の鋼管径となるように構成され、縦材61の板厚以上の板厚となるように構成されている。なお、必ずしも縦材81が縦材61以上の鋼管径、板厚を有している必要はなく、補強ユニット8として設計上必要な強度を満たしているのであれば、縦材81の鋼管径のみを縦材61の鋼管径以上としてもよいし、縦材81の板厚のみを縦材61の板厚以上としてもよい。また、縦材81の鋼管径及び板厚を縦材61の鋼管径及び板厚以下しながらも、縦材81の数量を大幅に増やすことで補強ユニット8の強度を高めるようにしてもよい。
各縦材81は、その延在方向に沿った複数の位置で横材82を支持している。すなわち、縦材81には、その高さ方向に沿って所定の間隔をあけて複数の横材82が溶接等によって接合されている。
各縦材81の下端部は、基礎21にベースプレート22及びアンカー23を用いて連結されており、その結果、縦材81の下端部が基礎部21に立設されている。なお、縦材81の下端部を基礎21に連結した後、縦材81の下端部周辺に所定の厚さまでコンクリートを打設することで、アンカー23の保護と縦材81の下端部の強度を高めるようにしてもよい。
補強ユニット8は、複数の縦材81と、複数の横材82と、複数の連結機構83と、を備えている。
縦材81は、縦方向に延びる第1の部材であり、その上端が下端よりも河川の下流側に位置するように、堰堤100の高さ方向Hに対して傾斜するように設けられており、河川の幅方向Wに沿って並んで配置されている。縦材81は、基礎21に立設されている。縦材81は、連結機構83を介して上流側ユニット6の縦材61に連結されているため、縦材81は、河川の流れ方向に沿って縦材61に対向する位置に設けられている。隣接する縦材81間の間隔は、縦材61と同様、土石流の発生時に捕捉すべき岩石の径よりも小さくしておくことが好ましい。また、隣接する縦材81間の間隔は、補強ユニット8の幅方向一端から他端にわたって全て同じ間隔としてもよいし、補強ユニット8の幅方向中央付近のみ間隔を狭くする等、想定される土石流の規模に応じて自由に変更可能である。
縦材81は、例えば、円筒状に形成された複数の鋼管によって構成されており、各鋼管は、各端部がフランジ部を介して互いに連結されている。なお、各鋼管は、フランジ部を設けることなく、端部同士を溶接にて連結してもよいが、土石流衝突後の交換作業を考慮すると、フランジ部を用いた連結が好ましい。
例えば、縦材81は、縦材61よりも強度が高くなるように形成されている。具体的には、縦材81は、縦材61の鋼管径以上の鋼管径となるように構成され、縦材61の板厚以上の板厚となるように構成されている。なお、必ずしも縦材81が縦材61以上の鋼管径、板厚を有している必要はなく、補強ユニット8として設計上必要な強度を満たしているのであれば、縦材81の鋼管径のみを縦材61の鋼管径以上としてもよいし、縦材81の板厚のみを縦材61の板厚以上としてもよい。また、縦材81の鋼管径及び板厚を縦材61の鋼管径及び板厚以下しながらも、縦材81の数量を大幅に増やすことで補強ユニット8の強度を高めるようにしてもよい。
各縦材81は、その延在方向に沿った複数の位置で横材82を支持している。すなわち、縦材81には、その高さ方向に沿って所定の間隔をあけて複数の横材82が溶接等によって接合されている。
各縦材81の下端部は、基礎21にベースプレート22及びアンカー23を用いて連結されており、その結果、縦材81の下端部が基礎部21に立設されている。なお、縦材81の下端部を基礎21に連結した後、縦材81の下端部周辺に所定の厚さまでコンクリートを打設することで、アンカー23の保護と縦材81の下端部の強度を高めるようにしてもよい。
横材82は、横方向に延びる第2の部材であり、堰堤100の幅方向Wに沿って設けられており、堰堤100の高さ方向Hに沿って並んで配置されている。各横材82は、全ての縦材81にわたって縦材81の延在方向に直交する方向に延びるように配置されている。隣接する横材82間の間隔は、土石流の発生時に捕捉すべき岩石の径よりも小さくしておくことが好ましい。また、隣接する横材82間の間隔は、補強ユニット8の上端から下端にわたって全て同じ間隔としてもよいし、補強ユニット8の上方のみ間隔を狭くする等、想定される土石流の規模に応じて自由に変更可能である。隣接する横材82間の間隔は、上流側ユニット6の横材62の間隔と同じであってもよいし、異っていてもよい。
横材82は、例えば、円筒状に形成された複数の鋼管によって構成されている。ここで、横材82において、各鋼管は、フランジ部を設けることなく、端部同士を溶接にて連結してもよいが、土石流衝突後の交換作業を考慮すると、フランジ部を用いた連結が好ましい。例えば、横材82は、横材62よりも強度が高くなるように形成されている。具体的には、横材82は、横材62の鋼管径以上の鋼管径となるように構成され、横材62の板厚以上の板厚となるように構成されている。なお、必ずしも横材82が横材62以上の鋼管径、板厚を有している必要はなく、補強ユニット8として設計上必要な強度を満たしているのであれば、横材82の鋼管径のみを横材62の鋼管径以上としてもよいし、横材82の板厚のみを横材62の板厚以上としてもよい。また、横材82の鋼管径及び板厚を横材62の鋼管径及び板厚以下しながらも、横材82の数量を大幅に増やすことで補強ユニット8の強度を高めるようにしてもよい。
横材82は、複数の鋼管が隣接する縦材81の間でフランジ部を用いて連結されている。横材82を構成する鋼管は、その一端が縦材81に溶接等によって接合されている。
横材82は、例えば、円筒状に形成された複数の鋼管によって構成されている。ここで、横材82において、各鋼管は、フランジ部を設けることなく、端部同士を溶接にて連結してもよいが、土石流衝突後の交換作業を考慮すると、フランジ部を用いた連結が好ましい。例えば、横材82は、横材62よりも強度が高くなるように形成されている。具体的には、横材82は、横材62の鋼管径以上の鋼管径となるように構成され、横材62の板厚以上の板厚となるように構成されている。なお、必ずしも横材82が横材62以上の鋼管径、板厚を有している必要はなく、補強ユニット8として設計上必要な強度を満たしているのであれば、横材82の鋼管径のみを横材62の鋼管径以上としてもよいし、横材82の板厚のみを横材62の板厚以上としてもよい。また、横材82の鋼管径及び板厚を横材62の鋼管径及び板厚以下しながらも、横材82の数量を大幅に増やすことで補強ユニット8の強度を高めるようにしてもよい。
横材82は、複数の鋼管が隣接する縦材81の間でフランジ部を用いて連結されている。横材82を構成する鋼管は、その一端が縦材81に溶接等によって接合されている。
連結機構83は、上流側ユニット6と補強ユニット8とを着脱自在に連結するものである。
連結機構83は、連結材84と、フランジ85と、締結具86と、を備えている。
連結材84は、一端が縦材81に取り付けられており、縦材81及び横材82の延在方向に直交する方向に延びている。連結材84は、例えば、鋼管によって構成されている。連結材84は、縦材81の延在方向に沿って所定の間隔をあけて複数設けられている。各連結材84の他端には、フランジ85が取り付けられている。
フランジ85は、例えば、平面視円形状又は矩形状の鋼板から形成されている。フランジ85は、その中心が連結材84の軸心と一致するように連結材84に溶接等により接合されている。フランジ85の周縁近傍には、その周縁に沿って複数の孔が形成されている。この孔は、締結具を挿通するための孔である。
締結具86は、例えば、Uボルト87及びナット88から構成されている。Uボルト87は、その長手方向中央の湾曲部分が上流側ユニット6の縦材61に引っ掛けられ、両端部がフランジ85の孔に挿通されている。Uボルト87の両端部にはねじ溝が形成されており、このねじ溝にナット88を螺合させることにより、フランジ85と縦材61とを連結することができる。これにより、縦材81は、連結機構83を介して縦材61に取り付けられている。なお、Uボルト87に代えて、両端にねじ溝を有するワイヤーロープを用いてもよい。
連結材84の径、フランジ85の大きさ、締結具86の数は、上流側ユニット6及び補強ユニット8の大きさに応じて適宜変更可能である。
連結機構83は、連結材84と、フランジ85と、締結具86と、を備えている。
連結材84は、一端が縦材81に取り付けられており、縦材81及び横材82の延在方向に直交する方向に延びている。連結材84は、例えば、鋼管によって構成されている。連結材84は、縦材81の延在方向に沿って所定の間隔をあけて複数設けられている。各連結材84の他端には、フランジ85が取り付けられている。
フランジ85は、例えば、平面視円形状又は矩形状の鋼板から形成されている。フランジ85は、その中心が連結材84の軸心と一致するように連結材84に溶接等により接合されている。フランジ85の周縁近傍には、その周縁に沿って複数の孔が形成されている。この孔は、締結具を挿通するための孔である。
締結具86は、例えば、Uボルト87及びナット88から構成されている。Uボルト87は、その長手方向中央の湾曲部分が上流側ユニット6の縦材61に引っ掛けられ、両端部がフランジ85の孔に挿通されている。Uボルト87の両端部にはねじ溝が形成されており、このねじ溝にナット88を螺合させることにより、フランジ85と縦材61とを連結することができる。これにより、縦材81は、連結機構83を介して縦材61に取り付けられている。なお、Uボルト87に代えて、両端にねじ溝を有するワイヤーロープを用いてもよい。
連結材84の径、フランジ85の大きさ、締結具86の数は、上流側ユニット6及び補強ユニット8の大きさに応じて適宜変更可能である。
<堰堤を補強する方法>
次に、既設の堰堤を補強する方法(捕捉体を補強する方法)について説明する。
図2に示す堰堤100を補強する際には、図3に示すように、補強ユニット8を工場等で予め製造しておき、複数に分割された状態で補強対象の堰堤まで搬送する。そして、図6に示すように、補強ユニット8の連結材84に取り付けられたフランジ85を上流側ユニット6の縦材61に突き当てる。縦材81は、その下端部を基礎21にベースプレート22及びアンカー23を用いて連結する。なお、縦材81の下端部を基礎21に連結した後、縦材81の下端部周辺に所定の厚さまでコンクリートを打設することで、アンカー23の保護と縦材81の下端部の強度を高めるようにしてもよい。また、縦材81の下端部は、新たに構築した基礎21に埋設するようにしてもよい。
次に、Uボルト87の湾曲部分を縦材61に引っ掛け、Uボルト87の両端部をフランジ85の孔に挿通する。このとき、Uボルト87の両端部にはナット88を螺合させておき、Uボルト87の両端部をフランジ85の孔に挿通した後、別のナット88をUボルト87の両端部に螺合させる。すなわち、Uボルト87の両端部は、二つのナット88でフランジ85を挟み込み、ナット88を締め付けることでUボルト87を介してフランジ85を縦材61に連結することができる。これにより、補強ユニット8は、上流側ユニット6に連結される。
分割された補強ユニット8は、横材82の鋼管同士、縦材81の鋼管同士を連結することにより、構築することができる。
以上の工程をもって、上流側ユニット6と下流側ユニット7だけでは新たな設計基準を満たすことができない既設の堰堤を、当該設計基準を満たすように補強することができる。
次に、既設の堰堤を補強する方法(捕捉体を補強する方法)について説明する。
図2に示す堰堤100を補強する際には、図3に示すように、補強ユニット8を工場等で予め製造しておき、複数に分割された状態で補強対象の堰堤まで搬送する。そして、図6に示すように、補強ユニット8の連結材84に取り付けられたフランジ85を上流側ユニット6の縦材61に突き当てる。縦材81は、その下端部を基礎21にベースプレート22及びアンカー23を用いて連結する。なお、縦材81の下端部を基礎21に連結した後、縦材81の下端部周辺に所定の厚さまでコンクリートを打設することで、アンカー23の保護と縦材81の下端部の強度を高めるようにしてもよい。また、縦材81の下端部は、新たに構築した基礎21に埋設するようにしてもよい。
次に、Uボルト87の湾曲部分を縦材61に引っ掛け、Uボルト87の両端部をフランジ85の孔に挿通する。このとき、Uボルト87の両端部にはナット88を螺合させておき、Uボルト87の両端部をフランジ85の孔に挿通した後、別のナット88をUボルト87の両端部に螺合させる。すなわち、Uボルト87の両端部は、二つのナット88でフランジ85を挟み込み、ナット88を締め付けることでUボルト87を介してフランジ85を縦材61に連結することができる。これにより、補強ユニット8は、上流側ユニット6に連結される。
分割された補強ユニット8は、横材82の鋼管同士、縦材81の鋼管同士を連結することにより、構築することができる。
以上の工程をもって、上流側ユニット6と下流側ユニット7だけでは新たな設計基準を満たすことができない既設の堰堤を、当該設計基準を満たすように補強することができる。
以上のような補強ユニット8、捕捉体3、堰堤100及び堰堤100の補強方法によれば、従来の設計基準で構築された堰堤においても、補強ユニット8を用いて捕捉体を補強することができ、従来よりも強化された設計基準に対応した堰堤として機能させることができる。
これにより、補強ユニット8を捕捉体3に取り付けるという簡単な作業で捕捉体3を強化し、堰堤100の強度を向上させることができるので、既設の堰堤を有効利用することができる。よって、設計基準が強化されるたびに新たな堰堤を構築したり、既設の堰堤を作り直すといった、施工期間が長く、コストがかかる作業を極力減らすことができる。
また、既設の捕捉体3の上流側ユニット6に補強ユニット8を取り付けるだけで良いので、補強ユニット8のために、堰堤100に新たな改良を施す必要がなく、簡単な施工方法で捕捉体3を補強することができる。
また、補強ユニット8は、捕捉体3に取り付けることができればよいので、縦材81や横材82の配置や数量に大きな制約を受けることがない。そのため、既設の捕捉体3の大きさ、鋼管の径や板厚等を把握した上で工場にて予め適切な仕様で製作することができるので、施工現場での作業効率を格段に向上させることができる。
また、補強ユニット8は、連結機構83により上流側ユニット6に着脱自在に連結されているので、土石流の衝突により補強ユニット8が損傷しても、補強ユニット8のみを簡単に交換することができる。
これにより、補強ユニット8を捕捉体3に取り付けるという簡単な作業で捕捉体3を強化し、堰堤100の強度を向上させることができるので、既設の堰堤を有効利用することができる。よって、設計基準が強化されるたびに新たな堰堤を構築したり、既設の堰堤を作り直すといった、施工期間が長く、コストがかかる作業を極力減らすことができる。
また、既設の捕捉体3の上流側ユニット6に補強ユニット8を取り付けるだけで良いので、補強ユニット8のために、堰堤100に新たな改良を施す必要がなく、簡単な施工方法で捕捉体3を補強することができる。
また、補強ユニット8は、捕捉体3に取り付けることができればよいので、縦材81や横材82の配置や数量に大きな制約を受けることがない。そのため、既設の捕捉体3の大きさ、鋼管の径や板厚等を把握した上で工場にて予め適切な仕様で製作することができるので、施工現場での作業効率を格段に向上させることができる。
また、補強ユニット8は、連結機構83により上流側ユニット6に着脱自在に連結されているので、土石流の衝突により補強ユニット8が損傷しても、補強ユニット8のみを簡単に交換することができる。
<変形例>
図7、図8に示すような補強ユニット9としてもよい。ここで、補強ユニット9が上記の補強ユニット8と異なる点は、連結機構93の構成であるため、以下では連結機構93について詳細に説明する。捕捉ユニット8と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
連結機構93は、上流側ユニット6と補強ユニット9とを着脱自在に連結するものである。
連結機構93は、連結材94と、係合部材95,96と、締結具97と、を備えている。
連結材94は、一端が縦材81に取り付けられており、縦材81及び横材82の延在方向に直交する方向に延びている。連結材94は、例えば、鋼管によって構成されている。連結材94は、縦材81の延在方向に沿って所定の間隔をあけて複数設けられている。各連結材94の他端には、係合部材95が取り付けられている。
係合部材95は、例えば、鋼板から形成されており、連結材94の他端に溶接等によって接合されている、係合部材95は、上流側ユニット6の縦材61の補強ユニット8側の外縁に沿って追随するように湾曲形成された湾曲部95aと、湾曲部95aの両端部に形成され、締結部97が挿通される孔が形成された平坦部95bとを有している。
係合部材96は、例えば、鋼板から形成されており、縦材61の下流側ユニット7側の外縁に沿って追随するように湾曲形成された湾曲部96aと、湾曲部96aの両端部に形成され、締結部97が挿通される孔が形成された平坦部96bとを有している。係合部材96は、係合部材95とほぼ同じ大きさに形成されており、二つの係合部材95,96の湾曲部95a,96aで縦材61の外縁を囲むように形成されている。このとき、二つの係合部材95,96の平坦部95b,96bは、互いの孔が対向する。
締結具97は、例えば、ボルト98及びナット99から構成されている。ボルト98は、係合部材95,96を縦材61に嵌め込んだ際に、互いの平坦部95b,96bに形成された孔に挿通されている。ボルト98の一端部にはねじ溝が形成されており、このねじ溝にナット99を螺合させることにより、係合部材95と係合部材96とが縦材61を挟み込んだ状態で連結される。これにより、縦材81は、連結機構93を介して縦材61に取り付けられている。
連結材94の径、係合部材95,96の大きさや曲率、締結具97の数は、上流側ユニット6及び補強ユニット8の大きさに応じて適宜変更可能である。
図7、図8に示すような補強ユニット9としてもよい。ここで、補強ユニット9が上記の補強ユニット8と異なる点は、連結機構93の構成であるため、以下では連結機構93について詳細に説明する。捕捉ユニット8と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
連結機構93は、上流側ユニット6と補強ユニット9とを着脱自在に連結するものである。
連結機構93は、連結材94と、係合部材95,96と、締結具97と、を備えている。
連結材94は、一端が縦材81に取り付けられており、縦材81及び横材82の延在方向に直交する方向に延びている。連結材94は、例えば、鋼管によって構成されている。連結材94は、縦材81の延在方向に沿って所定の間隔をあけて複数設けられている。各連結材94の他端には、係合部材95が取り付けられている。
係合部材95は、例えば、鋼板から形成されており、連結材94の他端に溶接等によって接合されている、係合部材95は、上流側ユニット6の縦材61の補強ユニット8側の外縁に沿って追随するように湾曲形成された湾曲部95aと、湾曲部95aの両端部に形成され、締結部97が挿通される孔が形成された平坦部95bとを有している。
係合部材96は、例えば、鋼板から形成されており、縦材61の下流側ユニット7側の外縁に沿って追随するように湾曲形成された湾曲部96aと、湾曲部96aの両端部に形成され、締結部97が挿通される孔が形成された平坦部96bとを有している。係合部材96は、係合部材95とほぼ同じ大きさに形成されており、二つの係合部材95,96の湾曲部95a,96aで縦材61の外縁を囲むように形成されている。このとき、二つの係合部材95,96の平坦部95b,96bは、互いの孔が対向する。
締結具97は、例えば、ボルト98及びナット99から構成されている。ボルト98は、係合部材95,96を縦材61に嵌め込んだ際に、互いの平坦部95b,96bに形成された孔に挿通されている。ボルト98の一端部にはねじ溝が形成されており、このねじ溝にナット99を螺合させることにより、係合部材95と係合部材96とが縦材61を挟み込んだ状態で連結される。これにより、縦材81は、連結機構93を介して縦材61に取り付けられている。
連結材94の径、係合部材95,96の大きさや曲率、締結具97の数は、上流側ユニット6及び補強ユニット8の大きさに応じて適宜変更可能である。
<堰堤を補強する方法>
次に、既設の堰堤を補強する方法(捕捉体を補強する方法)について説明する。
図7、図8に示す堰堤100を補強する際には、補強ユニット9を工場等で予め製造しておき、複数に分割された状態で補強対象の堰堤まで搬送する。そして、補強ユニット9の連結材94に取り付けられた係合部材95の湾曲部95aを上流側ユニット6の縦材61に突き当てる。このとき、湾曲部95aは、縦材61の外縁に追随するように形成されているので、係合部材95は、縦材61の補強ユニット9側に嵌まり込んだ状態となる。
次に、係合部材96を係合部材95とは反対側(下流側ユニット7側)から縦材61に突き当てる。このとき、湾曲部96aは、縦材61の外縁に追随するように形成されているので、係合部材96は、縦材61の下流側ユニット7側に嵌まり込んだ状態となる。
この状態において、係合部材95の平坦部95bの孔と係合部材96の平坦部96bの孔とが対向しているので、これらの孔にボルト98を挿通し、ナット99をボルト98のねじ溝に螺合させる。これにより、連結機構93を介して補強ユニット9の縦材81を縦材61に連結することができ、補強ユニット9は、上流側ユニット6に連結される。
縦材81は、その下端部を基礎21にベースプレート22及びアンカー23を用いて連結する。なお、縦材81の下端部を基礎21に連結した後、縦材81の下端部周辺に所定の厚さまでコンクリートを打設することで、アンカー23の保護と縦材81の下端部の強度を高めるようにしてもよい。また、縦材81の下端部は、新たに構築した基礎21に埋設するようにしてもよい。
分割された補強ユニット9は、横材82の鋼管同士、縦材81の鋼管同士を連結することにより、構築することができる。
以上の工程をもって、上流側ユニット6と下流側ユニット7だけでは新たな設計基準を満たすことができない既設の堰堤を、当該設計基準を満たすように補強することができる。
次に、既設の堰堤を補強する方法(捕捉体を補強する方法)について説明する。
図7、図8に示す堰堤100を補強する際には、補強ユニット9を工場等で予め製造しておき、複数に分割された状態で補強対象の堰堤まで搬送する。そして、補強ユニット9の連結材94に取り付けられた係合部材95の湾曲部95aを上流側ユニット6の縦材61に突き当てる。このとき、湾曲部95aは、縦材61の外縁に追随するように形成されているので、係合部材95は、縦材61の補強ユニット9側に嵌まり込んだ状態となる。
次に、係合部材96を係合部材95とは反対側(下流側ユニット7側)から縦材61に突き当てる。このとき、湾曲部96aは、縦材61の外縁に追随するように形成されているので、係合部材96は、縦材61の下流側ユニット7側に嵌まり込んだ状態となる。
この状態において、係合部材95の平坦部95bの孔と係合部材96の平坦部96bの孔とが対向しているので、これらの孔にボルト98を挿通し、ナット99をボルト98のねじ溝に螺合させる。これにより、連結機構93を介して補強ユニット9の縦材81を縦材61に連結することができ、補強ユニット9は、上流側ユニット6に連結される。
縦材81は、その下端部を基礎21にベースプレート22及びアンカー23を用いて連結する。なお、縦材81の下端部を基礎21に連結した後、縦材81の下端部周辺に所定の厚さまでコンクリートを打設することで、アンカー23の保護と縦材81の下端部の強度を高めるようにしてもよい。また、縦材81の下端部は、新たに構築した基礎21に埋設するようにしてもよい。
分割された補強ユニット9は、横材82の鋼管同士、縦材81の鋼管同士を連結することにより、構築することができる。
以上の工程をもって、上流側ユニット6と下流側ユニット7だけでは新たな設計基準を満たすことができない既設の堰堤を、当該設計基準を満たすように補強することができる。
<その他>
なお、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更してもよい。
なお、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更してもよい。
例えば、捕捉体3は、上記の構成に限らず、上流側ユニット6と下流側ユニット7の双方を縦材と横材を格子状に組み立てた捕捉体としてもよく、補強ユニット8,9は、このような単純な構造の捕捉体を備える堰堤にも適用可能である。
また、補強ユニット8,9は、連結後に設計基準を満たすものであれば、縦材81と縦材61とを連結する構造に限らず、縦材81と横材62とを連結する構造、横材82と縦材61とを連結する構造、横材82と横材62とを連結する構造であってもよい。
また、上流側ユニット6の横材62は、途中で分断されていなくてもよく、縦材61のように鋼管が連続した構成としてもよい。
また、補強ユニット8の横材82は、上流側ユニット6の横材62のように、途中で分断されていてもよい。
また、補強ユニット8,9は、連結後に設計基準を満たすものであれば、縦材81と縦材61とを連結する構造に限らず、縦材81と横材62とを連結する構造、横材82と縦材61とを連結する構造、横材82と横材62とを連結する構造であってもよい。
また、上流側ユニット6の横材62は、途中で分断されていなくてもよく、縦材61のように鋼管が連続した構成としてもよい。
また、補強ユニット8の横材82は、上流側ユニット6の横材62のように、途中で分断されていてもよい。
1 非越流部
2 開口部
21 基礎
22 ベースプレート
23 アンカー
3 捕捉体
6 上流側ユニット
61 縦材
62 横材
7 下流側ユニット
71,72 縦材
73 横材
8,9 補強ユニット
81 縦材
82 横材
83,93 連結機構
84,94 連結材
85 フランジ
86,97 締結具
87 Uボルト
88 ナット
95,96 係合部材
95a,96a 湾曲部
95b,96b 平坦部
98 ボルト
99 ナット
100 堰堤
2 開口部
21 基礎
22 ベースプレート
23 アンカー
3 捕捉体
6 上流側ユニット
61 縦材
62 横材
7 下流側ユニット
71,72 縦材
73 横材
8,9 補強ユニット
81 縦材
82 横材
83,93 連結機構
84,94 連結材
85 フランジ
86,97 締結具
87 Uボルト
88 ナット
95,96 係合部材
95a,96a 湾曲部
95b,96b 平坦部
98 ボルト
99 ナット
100 堰堤
Claims (12)
- 一対の非越流部と、前記一対の非越流部の間に設けられた捕捉体とを備える透過型の堰堤の補強ユニットであって、
前記捕捉体における流水方向上流側に面する部位に取り付けられていることを特徴とする補強ユニット。 - 前記捕捉体は、流水方向上流側に設けられ、流水に含まれる物体を捕捉する上流側ユニットと、流水方向下流側に設けられ、前記上流側ユニットに連結された下流側ユニットと、を備え、
前記補強ユニットは、前記上流側ユニットに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の補強ユニット。 - 前記補強ユニットは、前記上流側ユニットに連結する前記連結機構を備えることを特徴とする請求項2に記載の補強ユニット。
- 前記上流側ユニットは、縦材と、横材とを備え、
前記補強ユニットは、前記連結機構を介して前記縦材に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の補強ユニット。 - 前記補強ユニットは、縦方向に延びる第1の部材と、横方向に延びる第2の部材とを備え、
前記第1の部材は、前記連結機構を介して前記縦材に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の補強ユニット。 - 前記第1の部材は、前記縦材よりも強度が高いことを特徴とする請求項5に記載の補強ユニット。
- 前記連結機構は、前記上流側ユニットに着脱自在に連結されていることを特徴とする請求項3から6までのいずれか一項に記載の補強ユニット。
- 流水方向上流側に設けられ、流水に含まれる物体を捕捉する上流側ユニットと、
流水方向下流側に設けられ、前記上流側ユニットに連結された下流側ユニットと、
前記上流側ユニットに取り付けられた補強ユニットと、
を備えることを特徴とする捕捉体。 - 一対の非越流部と、前記一対の非越流部の間に設けられた捕捉体とを備える透過型の堰堤と、
前記捕捉体における流水方向上流側に面する部位に取り付けられた補強ユニットと、
を備えることを特徴とする堰堤。 - 一対の非越流部と、前記一対の非越流部の間に設けられた捕捉体とを備える堰堤の補強方法であって、
前記捕捉体における流水方向上流側に面する部位に補強ユニットを取り付ける工程を有することを特徴とする堰堤の補強方法。 - 前記捕捉体は、流水方向上流側に設けられ、流水に含まれる物体を捕捉する上流側ユニットと、流水方向下流側に設けられ、前記上流側ユニットに連結された下流側ユニットと、を備え、
前記補強ユニットは、連結機構を備え、
前記連結機構を介して前記補強ユニットを前記上流側ユニットに取り付けることを特徴とする請求項10に記載の堰堤の補強方法。 - 前記上流側ユニットは、縦材と、横材とを備え、
前記補強ユニットは、縦方向に延びる第1の部材と、横方向に延びる第2の部材とを備え、
前記連結機構を介して前記第1の部材を前記縦材に連結することを特徴とする請求項11に記載の堰堤の補強方法。
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2022
- 2022-11-17 JP JP2022184394A patent/JP2024073281A/ja active Pending
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