JP2024073083A - 転炉吹錬方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吹錬中において、安価にフォーミングを鎮静させる転炉吹錬方法を提供する。【解決手段】上吹きランスを有する炉半径R(mm)の転炉型の精錬炉における転炉吹錬方法として、スラグがない仮想的な静止浴面の表面積のうちの上吹きランス噴流の浴面衝突領域(以降、火点と称す)の割合S1/S2が0.5以上、かつ1つの周縁孔から吹き付けられるジェットの浴面衝突領域(火点)における炉中心から最も遠い点と炉中心との距離Iが炉半径Rの0.85倍以下となるように、前記上吹きランスから溶銑に向けて酸素ガスのジェットを吹き付けて吹錬を行う。【選択図】図3

Description

本発明は、フォーミングを抑制するための転炉吹錬方法に関する。
転炉プロセスでは、炉内に酸素を吹き込むことによって溶湯中の不純物を除去しながら昇温し、吹錬後の溶湯の成分濃度および温度を指定された範囲内に収まるように制御される。このとき、上吹きランスから吹き付けられた酸素と溶鉄中の炭素とが反応してCOガスが発生し、このCOガスにより、スラグが泡立つ現象(以下、フォーミング)が起こる。フォーミングによるスラグの膨張量が大きいと、炉からスラグが溢出する現象(以下、スロッピング)が起こってしまう。スロッピングが起こると、鉄歩留りの低下を引き起こすだけではなく、操業中断を招いたりするため、スラグのフォーミングを鎮静または抑制する方法が検討されている。スラグのフォーミングを鎮静させる方法としては、一般的には、フォーミングしたスラグに鎮静材を投入することが行われている。
特許文献1には、スラグのフォーミングを抑制する方法として、上吹きランスから送酸開始後3分以内に炭材を投入する方法が開示されている。また、特許文献2には、スラグのフォーミングを鎮静させる方法として、スラグの上部から棒体の挿入及び引抜きを行うことで、スラグにガス抜き用の開口を形成する方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、フォーミングの鎮静方法として、ジェット流をスラグ表面に衝突させ、その時に生じる衝突力によってスラグ表層部分にガス気泡抜気孔を形成し、スラグ中に滞留したガス気泡を抜気する方法が開示されている。さらに、特許文献4には、吹錬処理が行われていない待機状態でフォーミングを鎮静させる方法として、フォーミングした場合に、上吹きランスからガスを吹き込む方法が開示されている。さらに、特許文献5には、上吹きランスには中心軸の周囲に配置されているノズルの孔数が7~13個のものを用い、ガス(ジェット)の溶銑への侵入比が0.3~1.0、かつランス前圧が1.0~2.0MPaGとなる条件で吹錬を行う方法が開示されている。
特許第3888313号公報 特開平10-183217号公報 特許第6221705号公報 特開2019-94522号公報 特開2021-147669号公報
瀬川清:鉄冶金反応工学p.94(1977)
非吹錬時のフォーミングと比較して、吹錬中は精錬反応が活発に進行しており、フォーミングも激しい状態となっている。そのため、吹錬中のフォーミングを鎮静させるためには、鎮静材を投入する方法では大量の鎮静材が必要となり、フォーミングを鎮静させたとしても、コストの観点から鎮静した利得が十分に得られない可能性がある。
また、特許文献1に記載の方法では、スラグのフォーミングを未然に抑える方法であるが、実際にフォーミングが発生した場合には対応することができない。また、特許文献3に記載の方法では、フォーミングを鎮静させるために、高圧でガスを吹き付けることが可能な通常とは異なる上吹きランスを設置しなければならない。そのため、多くのコストがかかってしまう。さらに、特許文献4に記載の方法は、吹錬処理が行われていない状態でフォーミングを鎮静させる方法であるため、吹錬時に発生するフォーミングには対応することができない。
本発明は前述の問題点を鑑み、吹錬中において、安価にフォーミングを鎮静させる転炉吹錬方法を提供することを目的とする。
転炉型の精錬処理において、上吹きランスから酸素ガスを吹き付けた際、酸素ジェットはスラグを貫通して溶鉄に衝突する。本発明者らは、まず、スラグのフォーミングが抑制されるメカニズムについて検討した。転炉型の精錬処理において上吹きランスからガスを吹き付けると、ジェットはスラグを貫通して溶銑に衝突する。このとき、ジェット流の側面からスラグが巻き込まれ、巻き込まれたスラグ中の気泡がジェットによって物理的に破壊される。このため、上吹きランスからガスを吹き付けることによって、ある程度のフォーミング抑制効果があると考えられる。そこで、本発明者らは、ジェット流にスラグが巻き込まれる現象に着目し、より多くのスラグを巻き込むことで、フォーミング抑制効果を増大させることができる点に着目した。
そこで本発明者らは、フォーミングを抑制できる詳細な条件について検討した。その結果、炉断面積に占める上吹きランス噴流の浴面衝突領域(以降、火点と称す)の割合が増加すると、ジェット流の側面から巻き込まれるスラグ量が増加し、フォーミング抑制効果を増大させることがわかった。また、本発明者らは、上吹きランス噴流と炉壁との空間が狭いと、理論的にその分ジェット流に巻き込まれるスラグの量が少なくなり、スラグ巻き込み破泡効果を十分に享受できないと推測し、この知見に基づき、火点における炉中心から最も遠い点と炉壁の耐火物との距離をある程度確保することで、フォーミング抑制効果を増大できることを見出し、本発明に至った。
本発明は以下のとおりである。
(1)
上吹きランスを有する炉半径R(mm)の転炉型の精錬炉における転炉吹錬方法であって、(4)式で規定される火点面積S1が(1)式を満足し、かつ(3)式に規定される、前記上吹きランスから吹き付けられるジェットの火点における炉中心から最も遠い点と炉中心との距離Iが(2)式を満足するように、前記上吹きランスから溶銑に向けて酸素ガスのジェットを吹き付けて吹錬を行うことを特徴とする転炉吹錬方法。
1≧0.5S2 (1)
I≦0.85R (2)
I=PCD/2+Htan(θ+α) (3)
1=n×π×[H{tan(θ+α)-tan(θ-α)}/2]2 (4)
ここで、S2はスラグがない仮想的な前記溶銑の静止浴面の表面積(mm2)を表す。PCDはナット座ピッチ直径(mm)、θはノズル傾斜角(deg)、αはジェットの広がり半角(deg)を表す。Hは前記溶銑の静止浴面から前記上吹きランスのノズル先端までの距離(mm)を表し、nは前記上吹きランスの先端における周縁孔の数(個)を表す。
(2)
前記上吹きランスからジェットを前記溶銑に向けて吹き付ける際に、以下の(5)式及び(6)式で算出される、前記ジェットの吹き付けによる前記溶銑の静止浴面からのくぼみの深さL(mm)と前記溶銑の静止浴深さL0(mm)との比L/L0が0.04以上となる条件で吹錬を行うことを特徴とする上記(1)に記載の転炉吹錬方法。
L=Lh×exp(-0.78×H/Lh) (5)
h=54.1×(Q/(n×d))2/3 (6)
ここで、Qは上吹き噴射流量(Nm3/hr)を表す。
本発明によれば、吹錬中において、安価にフォーミングを鎮静させる転炉吹錬方法を提供することができる。
本発明の実施形態で用いる精錬炉の構造を説明するための図である。 上吹きランスの先端部分の詳細な構造例を示す模式図である。 1つの周縁孔から吹き付けられるジェットの浴面衝突領域(火点)における炉中心から最も遠い点と炉中心との距離Iを説明するための図である。 比L/L0と二次燃焼率との関係を示す図である。
以下、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る吹錬中でのスラグのフォーミングの鎮静方法について説明する。ここで吹錬処理は、脱珪吹錬、脱燐吹錬、脱炭吹錬のいずれであってもよく、これらを一連に行う吹錬処理も含まれる。
精錬炉1は、図1に示すように、炉体11と上吹きランス2とを有している。上吹きランス2は、鉛直方向(図1の上下方向)に昇降可能なランスである。炉体11は、上部に開口部12が形成された精錬容器であり、内側は耐火物に覆われている。なお、炉体11の底部には、複数の底吹き羽口6が設けられ、この底吹き羽口6から攪拌用のガスが炉体11内に吹き込まれる。上吹きランス2には、上端側に接続されるガス供給経路(不図示)から酸素ガスが供給され、上吹きランス2の下端に形成される少なくとも一つのノズル孔から酸素ガスのジェット3がスラグ4および溶鉄5に向けて噴射される。
図2は、上吹きランス2の先端部分の詳細な構造例を示す模式図である。図2(a)は、上吹きランス2の先端部分の断面構造例を示し、図2(b)は、上吹きランス2を鉛直方向の下側から見た構造例を示している。図2(a)において、上吹きランス2は外筒、中管および内管の三重管で構成され、範囲21はノズル出口径、範囲22はノズル傾斜角を表している。なお、図2(a)では、ラバールノズルの例を示しているが、ストレートノズルであってもよく、ランス仕様に関しては、特に規定はない。
また、図2(b)において、範囲23は周縁孔、範囲24は中心孔、範囲25はPCD(Pitch Circle Diameter)を表している。PCDとは、ナット座ピッチ直径のことであり、同心円周上に沿って存在する周縁孔23の中心点を結ぶ円の直径のことである。図2(b)に示すように、上吹きランス2は先端部分に中心孔24を有しており、中心軸の周囲には、複数のノズルの出口である複数の周縁孔23があり、同心円状に配置されている。なお、周縁孔23は必ずしも同一円周上に配置する必要はなく、また、必ずしも等間隔に配置する必要もない。さらに、図2(b)では中心孔24を有しているノズルを例示したが、中心孔を有していなくてもよい。
ここで、図3を参照しながら各パラメータについて説明する。Hは溶鉄の静止浴面から上吹きランス2のノズル先端までの距離(mm)を表す。厳密には、Hは溶鉄の静止浴面から上吹きランス2のノズル出口の中心までの距離である。Rは炉半径(mm)を表し、PCDは前述したようにナット座ピッチ直径(mm)を表す。また、θはノズル傾斜角(deg)、αはジェットの広がり半角(deg)を表す。なお、炉半径Rは主に溶鉄の静止浴面での半径を指している。
また、ジェット3の発達領域では、ジェット3の速度が減少するとともにジェットの範囲が広がり、1つの周縁孔から吹き付けられるジェットの浴面衝突領域(火点)における炉中心から最も遠い点と炉中心との距離Iは、以下の(3)式により算出され、火点における炉中心から最も近い点と炉中心との距離I'は、以下の(7)式により算出される。
I =PCD/2+Htan(θ+α) ・・・(3)
I'=PCD/2+Htan(θ-α) ・・・(7)
ここで、1つの周縁孔から吹き付けられるジェットの火点が円形であると仮定すると、1つの周縁孔から吹き付けられるジェットの火点の半径rは以下の(8)式により算出される。
r=(I-I')/2=H×{tan(θ+α)-tan(θ-α)}/2・・(8)
さらに、すべての周縁孔からのジェットによって形成される火点がそれぞれ重ならないと仮定した場合、それぞれの周縁孔からのジェットによって形成される火点の面積を合計した火点面積S1は、周縁孔の数をnとすると、以下の(4)式により算出される。
1=n×π×[H{tan(θ+α)-tan(θ-α)}/2]2 ・・・(4)
次に、本実施形態におけるフォーミングを抑制するための条件について説明する。本発明者らは、まず、スラグがない仮想的な静止浴面の表面積S2のうちの上吹きランス噴流の浴面衝突領域(火点)の割合S1/S2、および火点における炉中心から最も遠い点と炉中心との距離Iとスロッピングの発生率との関係を調べるために実験を行った。実験では、送酸速度を一定とし、上吹きランスの高さH、上吹きランスの周縁孔の数n、ノズル傾斜角θを変化させた。その結果、すべての周縁孔からのジェットによって形成される火点がそれぞれ重ならないと仮定した場合の合計の火点面積S1と、スラグがない仮想的な静止浴面の表面積S2との関係で、フォーミングの抑制効果が見られた。また、火点における炉中心から最も遠い点と炉中心との距離Iについても、フォーミングの抑制効果に関係があることがわかった。
以上の結果から、以下の(1)式かつ(2)式の条件を満たす場合に、スロッピングの発生率が低下することが確認された。以下、その理由について説明する。
1≧0.5S2 ・・・(1)
I≦0.85R ・・・(2)
すべての周縁孔からのジェットによって形成される火点がそれぞれ互いに重ならないと仮定した場合の火点面積S1は、スラグがない仮想的な静止浴面の表面積S2の半分以上とする。火点面積S1がそれよりも小さいと、ジェット流の側面から巻き込まれるスラグ量が少なくなり、巻き込まれるスラグ中の気泡の破壊効果が小さくなり、フォーミングを十分に抑制できなくなる。なお、実際には、各周縁孔からのジェットによって形成される火点の一部が互いに重なり合う場合もある。このため、各周縁孔によって形成される火点を合わせた実際の火点面積は火点面積S1よりも小さくなる場合がある。スラグがない仮想的な静止浴面の表面積S2の半分を火点面積S1の下限値としたのは、このような火点の重なりを考慮した結果である。
また、火点における炉中心から最も遠い点と炉中心との距離Iは、0.85R以下とする。距離Iが0.85Rを超えると、火点の外側(距離Iよりも遠い部分)のスラグ量が少なくなり、その分ジェット流の側面から巻き込まれるスラグ量が少なくなってしまう。したがって、本実施形態においては、上記(2)式の条件を満たすように上吹きランスから溶銑面に向けてジェットを吹き付けるものとする。
また、本実施形態で用いる上吹きランスにおける周縁孔の個数nについては特に限定はしないが、火点面積を大きくするという観点から多い方が好ましいが、一方で、個数が多すぎると火点の重なりが大きくなり、火点面積を大きくする効果が飽和する。そのため、8~12個とすることが好ましい。
続いて、ガス(ジェット)の溶銑への侵入比について説明する。図1における、ガスの吹き付けによる溶銑の静止浴面からのくぼみの深さL(mm)は、非特許文献1に記載された計算方法に基づいて、以下の(5)式及び(6)式によって定義することができる。本実施形態においては、非特許文献1に記載されている補正項kを0.8(一定値)とした場合のL値を用いている。
L=Lh×exp(-0.78×H/Lh) ・・・(5)
h=54.1×(Q/(n×d))2/3 ・・・(6)
ここで、Hは溶銑の静止浴面から上吹きランスのノズル先端までの距離(ランス高さ)(mm)を表し、Qは上吹き噴射流量(Nm3/hr)を表す。nは上吹きランスの周縁孔数(個)を表し、dはノズル出口径(mm)を表す。
また、本実施形態においては、安定操業を行うための条件として、くぼみの深さL(mm)と溶銑の静止浴深さL0(mm)との比L/L0に着目する。ここで、比L/L0は、ガス(ジェット)の溶銑への侵入比であり、炉内反応を適切に制御する上で重要なパラメータである。本発明者らは、この比L/L0と二次燃焼率との相関性を調べるために、ガス(ジェット)の溶銑への侵入比を変えた実験を行い、その結果を図4に示す。図4は、比L/L0と二次燃焼率との関係を示しており、比L/L0が小さくなるほど、二次燃焼率が増加し、炉内耐火物の溶損が懸念されることがわかる。以上のように比L/L0と二次燃焼率の関係を調査した結果、比L/L0が0.04未満だと耐火物が溶損することが確認された。よって、比L/L0は0.04以上に制御することが好ましい。
以上のように本実施形態においては、吹錬中において、安価にフォーミングを鎮静させる方法として、上記(1)式および(2)式の条件を満たすような上吹きランスを用い、かつ上記(1)式および(2)式の条件を満たすようにランス高さを調整することにより、吹錬中のフォーミングを安価に抑えることができる。また、好ましくは比L/L0を0.04以上に制御することにより、炉内耐火物の損傷も抑えることができる。
なお、本実施形態においては、周縁孔がすべて同心円状に配置されている場合を例に説明したが、前述したように、周縁孔23は必ずしも同一円周上でなくてもよく、また、必ずしも等間隔に配置されていなくてもよい。また、ノズル傾斜角θについても、すべての周縁孔で同一でなくてもよい。ここで、すべての周縁孔が同一円周上でない場合やノズル傾斜角が周縁孔によって異なる場合、火点における炉中心から最も遠い点と炉中心との距離Iは周縁孔によって異なるため、それぞれの周縁孔での距離Iの間の平均値を用いて(2)式の条件を満たすようにする。
転炉吹錬において、上吹きランスは、通常、転炉炉体の中心軸上に設置される。本実施形態は、上吹きランスが転炉炉体の中心軸上に設置される場合について記載したが、寸法精度上、中心軸上からずれる場合であっても構わない。意図的にずらして設置する場合においても適用される。その場合、火点面積S1および距離Iは幾何学的形状を考慮して計算すればよい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
実験では、図1に示したような精錬炉として、炉半径R=2500mm、炉高さ7900mmのものを用いた。そして、溶銑およびスクラップを合計で250t装入し、さらに脱燐材を添加してPCD=250mmの上吹きランスから20000Nm3/hの流量で酸素ガスを溶銑に向けて吹き付け、脱燐吹錬を行った。実験では、PCDは固定し、ノズル出口径d(mm)、ノズル傾斜角θ(deg)、ランス高さH(mm)を変更した。実施例4では、ノズル孔数が10で、PCD=250mmの上吹きランスであって、10孔のノズルの傾斜角が交互に15°と22°にした上吹きランスを用いた。また、ジェットの広がり半角αは10°であった。実験結果を表1に示す。
実験では、吹錬中のスロッピング状況、吹錬後の炉内耐火物状況で評価した。スロッピングにより大量のスラグが溢れ出た状況の場合を×、スロッピングが生じていない場合は○と評価した。また、吹錬後の炉内耐火物状況については目視にて評価し、激しく溶損した場合は×、溶損が確認された場合は△、異常がなければ○と評価した。
表1中の下線は、本発明の条件を満たしていない数値を表している。実施例1~5は、いずれもスロッピング状況において問題はなかった。なお、実施例1~4では、さらに比L/L0が0.04以上であったため、耐火物の溶損も確認されなかった。
一方、比較例1は、火点面積S1の割合が小さかったため、スロッピングが発生した。比較例2は、距離Iが大きすぎたため、十分なフォーミング抑制効果を得られず、同様に、スロッピングが発生した。なお、比較例2では、距離Iが大きすぎたが、酸素ジェットが炉壁に衝突していなかったため、耐火物への影響は小さかった。比較例3も同様に、距離Iが大きすぎたため、十分なフォーミング抑制効果を得られず、スロッピングが発生した。また、比較例3では、酸素ジェットが炉壁に衝突していなかったが、比L/L0が0.04未満であったため、耐火物の溶損が確認された。
1 精錬炉
2 上吹きランス
3 ジェット
4 スラグ
5 溶鉄
6 底吹き羽口
11 炉体
12 開口部
21 ノズル出口径
22 ノズル傾斜角
23 周縁孔
24 中心孔
25 PCD

Claims (2)

  1. 上吹きランスを有する炉半径R(mm)の転炉型の精錬炉における転炉吹錬方法であって、(4)式で規定される火点面積S1が(1)式を満足し、かつ(3)式に規定される、前記上吹きランスから吹き付けられるジェットの火点における炉中心から最も遠い点と炉中心との距離Iが(2)式を満足するように、前記上吹きランスから溶銑に向けて酸素ガスのジェットを吹き付けて吹錬を行うことを特徴とする転炉吹錬方法。
    1≧0.5S2 (1)
    I≦0.85R (2)
    I=PCD/2+Htan(θ+α) (3)
    1=n×π×[H{tan(θ+α)-tan(θ-α)}/2]2 (4)
    ここで、S2はスラグがない仮想的な前記溶銑の静止浴面の表面積(mm2)を表す。PCDはナット座ピッチ直径(mm)、θはノズル傾斜角(deg)、αはジェットの広がり半角(deg)を表す。Hは前記溶銑の静止浴面から前記上吹きランスのノズル先端までの距離(mm)を表し、nは前記上吹きランスの先端における周縁孔の数(個)を表す。
  2. 前記上吹きランスからジェットを前記溶銑に向けて吹き付ける際に、以下の(5)式及び(6)式で算出される、前記ジェットの吹き付けによる前記溶銑の静止浴面からのくぼみの深さL(mm)と前記溶銑の静止浴深さL0(mm)との比L/L0が0.04以上となる条件で吹錬を行うことを特徴とする請求項1に記載の転炉吹錬方法。
    L=Lh×exp(-0.78×H/Lh) (5)
    h=54.1×(Q/(n×d))2/3 (6)
    ここで、Qは上吹き噴射流量(Nm3/hr)を表す。
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