JP2024072981A - 有機金属錯体、及び有機発光素子 - Google Patents

有機金属錯体、及び有機発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】有機発光素子の色純度と発光効率の向上を図る。【解決手段】配位子としてナフトイソキノリン環とナフタレン環とが環状に結合されている配位子を有することにより、半値全幅が小さく、発光効率の高い有機金属錯体を有機化合物層に含有させて有機発光素子を構成する。【選択図】なし

Description

本発明は、発光スペクトルの半値全幅(FWHM)が小さく、高い発光効率を示す有機金属錯体、及び該有機金属錯体を含有する有機化合物層を有する有機発光素子、該有機発光素子を有する装置、機器に関する。
有機発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、或いは有機EL素子とも呼ぶ)は、第一電極と第二電極とこれら電極間に配置される有機化合物層とを有する電子素子である。これら一対の電極から電子及びホールを注入することにより、有機化合物層中の発光性有機化合物の励起子を生成し、該励起子が基底状態に戻る際に、有機発光素子は光を放出する。有機発光素子の最近の進歩は著しく、低駆動電圧、多様な発光波長、高速応答性、発光デバイスの薄型化・軽量化が可能であることが挙げられる。
現在、有機EL素子の発光効率を向上させる試みとして、燐光発光を用いることが提案されている。燐光発光を用いた有機EL素子は、蛍光発光のものよりも理論上約4倍の発光効率向上が期待される。従って、現在までに燐光発光性の有機金属錯体の創出が盛んに行われている。イリジウム錯体は燐光発光性の有機金属錯体の代表であるが、その燐光発光スペクトルは一般的にFWHMが広いことが課題であった。近年では、FWHMを小さくする試みがなされているが、FWHMを小さくすることによる色純度向上と発光効率の向上とを両立することは困難であることが知られている。特許文献1には発光効率が高い燐光発光材料として下記の化合物Aが、特許文献2には発光スペクトルのピーク幅が小さい化合物として下記の化合物Bが記載されている。
Figure 2024072981000001
特開2009-114137号公報 特開2021-176839号公報
特許文献1に記載の化合物Aは、発光効率が高い化合物であるが、発光スペクトルのFWHMが大きく、色純度が不十分であった。特許文献2に記載の化合物Bは、発光スペクトルのFWHMが小さいものの、発光効率が不十分であった。
燐光発光材料の発光スペクトルを急峻化してFWHMを小さくしようとすると、発光効率が下がってしまうことが知られており、発光スペクトルがFWHMを小さく、且つ高い発光効率の有機金属錯体が求められていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、発光スペクトルのFWHMが小さく且つ発光効率の高い有機金属錯体を提供することである。
本発明は、下記一般式[1]で表されることを特徴とする有機金属錯体である。
MLmL’nL”p [1]
前記一般式[1]において、Mは遷移金属であり、L、L’、L”はそれぞれ異なる配位子を表す。
mは1乃至3の整数、nは0乃至2の整数、pは0乃至2の整数であり、m+n+p=3である。 MLmは下記一般式[2]で表される。
Figure 2024072981000002
前記一般式[2]において、R11乃至R18は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換の複素環基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアミノ基、シリル基、シアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
Yは、CRR’、SiRR’、S、SO、SO2、NR、O、Se、PRR’、PO、SeO2から選ばれ、前記R及び前記R’は置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ハロゲン原子からそれぞれ独立に選ばれる。
1乃至X8は、炭素原子、窒素原子からそれぞれ独立に選ばれ、前記X1乃至前記X8が炭素原子の場合、当該炭素原子はアルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。前記X1乃至前記X8のうち隣り合う二つのXが炭素原子の場合、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
*、**は、環構造であるCY1との結合位置を示す。
CY1は、下記一般式[3-1]乃至[3-3]のいずれかで表される。
Figure 2024072981000003
前記一般式[3-1]乃至[3-3]において、R21乃至R26は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換の複素環基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアミノ基、シリル基、シアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
9乃至X14は炭素原子、窒素原子からそれぞれ独立に選ばれ、前記X9乃至前記X14が炭素原子の場合、当該炭素原子はアルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。前記X9乃至前記X14のうち隣り合う二つのXが炭素原子の場合、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
*、**は、イソキノリン環との結合位置を示す。
ML’n及びML”pは、下記一般式[4]及び[5]からそれぞれ独立に選ばれる。
Figure 2024072981000004
前記一般式[4]及び[5]において、R31乃至R38及びR41乃至R43は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。
本発明によれば、発光スペクトルのFWHMが小さく、且つ発光効率の高い有機金属錯体を提供できる。
(a)本発明の一実施形態に係る表示装置の画素の一例を表す概略断面図である。(b)本発明の一実施形態に係る有機発光素子を用いた表示装置の一例の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る撮像装置の一例を表す模式図である。(b)本発明の一実施形態に係る電子機器の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。(b)折り曲げ可能な表示装置の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る照明装置の一例を示す模式図である。(b)本発明の一実施形態に係る車両用灯具を有する自動車の一例を示す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係るウェアラブルデバイスの一例を示す模式図である。(b)本発明の一実施形態に係るウェアラブルデバイスの一例で、撮像装置を有する形態を示す模式図である。
本実施形態に係る有機金属錯体は、下記一般式[1]で表される。
MLmL’nL”p [1]
前記式[1]において、Mは遷移金属であり、L、L’、L”はそれぞれ異なる配位子を表す。
mは1乃至3の整数、nは0乃至2の整数、pは0乃至2の整数であり、m+n+p=3である。
MLmは下記一般式[2]で表される。
Figure 2024072981000005
前記一般式[2]において、R11乃至R18は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換の複素環基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアミノ基、シリル基、シアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
Yは、CRR’、SiRR’、S、SO、SO2、NR、O、Se、PRR’、PO、SeO2から選ばれ、前記R及び前記R’は、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ハロゲン原子からそれぞれ独立に選ばれる。
1乃至X8は、炭素原子、窒素原子からそれぞれ独立に選ばれ、前記X1乃至前記X8が炭素原子の場合、当該炭素原子はアルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。前記X1乃至前記X8のうち隣り合う二つのXが炭素原子の場合、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
*、**は、環構造であるCY1との結合位置を示す。
CY1は、下記一般式[3-1]乃至[3-3]のいずれかで表される。
Figure 2024072981000006
前記一般式[3-1]乃至[3-3]において、R21乃至R26は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換の複素環基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアミノ基、シリル基、シアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
9乃至X14は、炭素原子、窒素原子からそれぞれ独立に選ばれ、前記X9乃至前記X14が炭素原子の場合、当該炭素原子はアルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。前記X9乃至前記X14のうち隣り合う二つのXが炭素原子の場合、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
*、**は、イソキノリン環との結合位置を示す。
ML’n及びML”pは、下記一般式[4]及び[5]からそれぞれ独立に選ばれる。
Figure 2024072981000007
前記一般式[4]及び[5]において、R31乃至R38及びR41乃至R43は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。
前記一般式[2]においてX1乃至X8、[3-1]乃至[3-3]においてX9乃至X14、のそれぞれについて、隣り合う二つのXが炭素原子で互いに結合して環構造を形成した場合、該環は、脂環、芳香環、複素環のいずれであってもよく、環構造を構成する縮環の数は、1乃至3であってもよく、1であることが好ましい。
前記X5が窒素原子である場合には、有機金属錯体の最高被占軌道(HOMO)が深くなるので、発光波長が短波長化する。
前記X11が窒素原子である場合には、有機金属錯体の最低空軌道(LUMO)が低くなるので、発光波長が長波長化する。
一般式[2]において、好ましくは、CY1は、一般式[3-1]で表され、Yは、CRR’、SiRR’、S、SO、SO2、NR、O、Seから選ばれ、前記R及び前記R’は、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ハロゲン原子からそれぞれ独立に選ばれる構造である。係る構造であることで、他の位置に環構造を形成するよりも、発光効率がより高い有機金属錯体となるためである。また、係る構造においては、X1乃至X14が全て炭素原子であることで、有機金属錯体の安定性が高くなり、好ましい。
一般式[5]において、R41、R43がアルキル基である場合、該アルキル基は炭素原子数1以上8以下のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、-CH(C252が挙げられる。R41乃至R43をかさ高い置換基とすることで、有機金属錯体の耐熱性、昇華性を向上できる場合がある。特に、R41、R42、R43の組み合わせが、イソプロピル基、水素原子、イソプロピル基の組み合わせ、-CH(C252、水素原子、-CH(C252の組み合わせ、t-ブチル基、水素原子、t-ブチル基の組み合わせ、エチル基、水素原子、メチル基の組み合わせが好ましい。
本実施形態において、遷移金属原子(一般式[1]におけるM)は、3価であってよく、具体的には、Ir、Co、Ru、Os、Rh、Re等が挙げられ、Irであることが好ましい。
一般式[2]におけるR11乃至R18、[3-1]乃至[3-3]におけるR21乃至R26、[4]におけるR31乃至R38、[5]におけるR41乃至R43として挙げられた、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アラルキル基、アミノ基、シリル基、及び、これらに置換していても良い置換基について、具体的に説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等であるが、これらに限定されるものではない。ハロゲン原子の中でもフッ素原子が好ましい。
アルキル基としては、炭素原子数1以上10以下のアルキル基が挙げられ、炭素原子数1以上8以下がより好ましく、炭素原子数1以上4以下であることがさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルコキシ基としては、炭素原子数1以上10以下のアルコキシ基が挙げられ、炭素原子数1以上6以下であることがより好ましく、炭素原子数1以上4以下であることがさらに好ましい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2-エチル-ヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アミノ基としては、無置換、又は、アルキル基、アリール基、アミノ基のいずれかで置換されたアミノ基が挙げられ、上記置換基としてのアルキル基、アリール基、アミノ基は、さらにハロゲン原子で置換されていても良く、上記アリール基、アミノ基はアルキル基で置換基されていても良い。さらに、アミノ基は置換したアルキル基が互いに結合して環を形成してよい。具体的には、N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N、N-ジメチルアミノ基、N、N-ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、N-ベンジルアミノ基、N-メチル-N-ベンジルアミノ基、N、N-ジベンジルアミノ基、アニリノ基、N、N-ジフェニルアミノ基、N、N-ジナフチルアミノ基、N、N-ジフルオレニルアミノ基、N-フェニル-N-トリルアミノ基、N、N-ジトリルアミノ基、N-メチル-N-フェニルアミノ基、N、N-ジアニソリルアミノ基、N-メシチル-N-フェニルアミノ基、N、N-ジメシチルアミノ基、N-フェニル-N-(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、N-フェニル-N-(4-トリフルオロメチルフェニル)アミノ基、N-ピペリジル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アリール基としては、炭素原子数6以上18以下のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基等が挙げられる。
複素環基としては、炭素原子数3以上15以下の複素環基が挙げられる。複素環基の複素原子として、窒素、硫黄、酸素が挙げられる。具体的には、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基、フラニル基、チオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アリールオキシ基としては、フェノキシ基、チエニルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アラルキル基はアリール基で置換されたアルキル基であるが、該アルキル基としては、炭素原子数1以上10以下、さらには炭素原子数1以上8以下がより好ましく、炭素原子数1以上4以下がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに、係るアルキル基に置換されたアリール基としては、炭素原子数6以上18以下のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基等が挙げられる。
シリル基としては、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アラルキル基は、重水素原子で置換されていても良く、アルキル基の水素原子が重水素原子に置換された例として、-CD3、-CD2CH3、-CD2CD3等が挙げられるが、これらに限られない。
上記アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アラルキル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、臭素が挙げられ、フッ素原子が好ましく、特に、アルキル基の水素がフッ素原子で置換されたトリフッ化メチル基(-CF3)、ペンタフルオロエチル基(-C25)が好ましい。
上記アミノ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基は、アルキル基を置換基として有していてもよく、該アルキル基は、炭素原子数1以上10以下が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、t-ブチル基が挙げられる。
上記アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アラルキル基は、アリール基、複素環基、アミノ基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基等を置換基として有していても良い。好ましくは、アリール基は炭素原子数6以上12以下が好ましく、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基が挙げられる。複素環基は、炭素原子数3以上9以下が好ましく、複素原子として、窒素、硫黄、酸素が好ましい。具体的には、ピリジル基、ピロリル基が挙げられる。アミノ基は、さらにアルキル基、アリール基で置換されていても良く、該アルキル基は互いに結合して環を形成していてもよい。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が、アリールオキシ基としてはフェノキシ基が挙げられる。
本実施形態に係る有機金属錯体は、発光スペクトルの半値全幅(FWHM)が小さく、発光効率の高い有機EL材料を提供できる。ここで、イリジウム錯体のような燐光発光材料の発光量子収率を高効率化するには、錯体の励起状態における遷移双極子モーメントを増大させ振動子強度を向上させることが有効である。本実施形態におけるナフトイソキノリン(NIQ)環を持つイリジウム錯体によると、共役面の重心を金属原子からより遠ざかる方向に共役を拡張しているので錯体の励起状態において、金属原子から配位子へ移る電子の移動距離が長くなり、遷移双極子モーメントを増大させ、振動子強度を向上させることができる。これにより発光効率が高い有機金属錯体となる。ここで、一般式[1]で表される有機金属錯体のFWHM及び振動子強度は、電子状態計算ソフトウェアであるGaussian09*Revision C.01を用いて基底状態の構造最適化計算を行なうことで算出できる。その際、量子化学計算法として、密度汎関数法(Density Functional Theory)を採用し、汎関数にはLC-BLYPを用いた。基底関数はGaussian 09、 Revision C.01では6-31+**を用いることで実行できる。
Gaussian 09、Revision C.01、M.J.Frisch、G.W.Trucks、H.B.Schlegel、G.E.Scuseria、M.A.Robb、J.R.Cheeseman、G.Scalmani、V.Barone、B.Mennucci、G.A.Petersson、H.Nakatsuji、M.Caricato、X.Li、H.P.Hratchian、A.F.Izmaylov、J.Bloino、G.Zheng、J.L.Sonnenberg、M.Hada、M.Ehara、K.Toyota、R.Fukuda、J.Hasegawa、M.Ishida、T.Nakajima、Y.Honda、O.Kitao、H.Nakai、T.Vreven、J.A.Montgomery、Jr.J.E.Peralta、F.Ogliaro、M.Bearpark、J.J.Heyd、E.Brothers、K.N.Kudin、V.N.Staroverov、T.Keith、R.Kobayashi、J.Normand、K.Raghavachari、A.Rendell、J.C.Burant、S.S.Iyengar、J.Tomasi、M.Cossi、N.Rega、J.M.Millam、M.Klene、J.E.Knox、J.B.Cross、V.Bakken、C.Adamo、J.Jaramillo、R.Gomperts、R.E.Stratmann、O.Yazyev、A.J.Austin、R.Cammi、C.Pomelli、J.W.Ochterski、R.L.Martin、K.Morokuma、V.G.Zakrzewski、G.A.Voth、P.Salvador、J.J.Dannenberg、S.Dapprich、A.D.Daniels、O.Farkas、J.B.Foresman、J.V.Ortiz、J.Cioslowski、and D.J.Fox、Gaussian、Inc.Wallingford CT、2010.
ここで、特許文献1及び2に記載の化合物A乃至F、本実施形態に係る後述の例示化合物102、181、154について、振動子強度とFWHMを計算した。計算結果を表1に示す。表1中、「n.d.」は、「収束せず」を意味する。例示化合物102は、一般式[1]において、mが2、nが1であり、一般式[2]において、CY1が一般式[3-1]で表され、R11乃至R18及びR21乃至R26が水素原子、X1乃至X14が炭素原子、YがC(CH32であり、MがIr、L’が一般式[5]で表され、該一般式[5]においてR41とR43がイソペンチル基、R42が水素原子である3,7-ジエチルノナン-4,6-ジオンである。例示化合物102は、Irに結合するNIQ環とナフチル基とが、C(CH32を介して結合している主配位子を二つと、3,7-ジエチルノナン-4,6-ジオンからなる補助配位子を1つ有する有機金属錯体である。
Figure 2024072981000008
Figure 2024072981000009
表1に示したように、計算上、例示化合物102の振動子強度は、化合物Aの振動子強度の1.1倍、化合物Bの振動子強度の1.6倍であることがわかる。このことより、例示化合物102が有するNIQ環が有機金属錯体の遷移双極子モーメントを増大させ、振動子強度の増大とそれに伴う発光効率の向上に作用していることが分かる。また、FWHMに着目すると、化合物Aは計算では収束せず、励起状態と基底状態の構造変化が大きいことが示唆される。有機金属錯体の発光スペクトルがブロードになるのは、有機金属錯体の基底状態における構造と励起状態における構造との差が原因である。即ち、基底状態と励起状態において構造の差が小さいものは発光スペクトルのブロード化が抑制され、FWHMが小さくなる。このことより、化合物Aの発光スペクトルはブロードであり、FWHMも大きいことが予測できる。一方で、例示化合物102のようなNIQ環とナフタレン環が環状に結合されている配位子を有するイリジウム錯体は、化合物として剛直な構造になっているため基底状態と励起状態との構造変化が低減されている。そのため、環状の配位子を有する本実施形態に係る有機金属錯体は発光スペクトルのFWHMが小さい。この時、FWHMは35nm以下が好ましい。また、同じ環状の配位子を有する化合物Bと比較しても、例示化合物102はNIQ環による更なる剛直な構造でFWHMがより小さくなるため、例示化合物102は高効率且つ高色純度の両立に好適な有機金属錯体であることを見出した。表1の計算結果においても、NIQ環を有する本実施形態に係る例示化合物181と例示化合物154は、化合物A乃至Fのどの化合物よりもFWHMが小さくなることが分かった。
以下に本実施形態に係る有機金属錯体の具体的な構造式を例示する。ただし、本実施形態に係る有機金属錯体は、これらに限定されるものではない。
Figure 2024072981000010
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Figure 2024072981000012
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Figure 2024072981000030
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Figure 2024072981000034
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Figure 2024072981000039
Figure 2024072981000040
以上の例示化合物のうち、NIQ環を有する主配位子を3つ有する有機金属錯体群は、分子の対称性が高いため安定な有機金属錯体である。また、NIQ環を有する主配位子が2つ、補助配位子を1つ有する化合物群は分子量が低いため、蒸着温度を低くできる効果がある。その中でも、補助配位子として2-フェニルピリジンを含む有機金属錯体は、適当なNIQ環を含む主配位子と補助配位子の適切な組み合わせにより、分子安定性と蒸着温度のバランスが取れた化合物として好適に用いることができる。
上記の全ての有機金属錯体において、NIQ環を含む主配位子が発光に寄与し、その結果、堅牢性の高い環状配位子が分子内の構造変化を抑制し、また、良好な遷移双極子モーメントの向きと長さが振動子強度の増強を実現し、半値全幅(FWHM)の低減と高い発光効率を示す。
次に、本実施形態の有機発光素子について説明する。本実施形態の有機発光素子は、第一電極と第二電極と、これら電極間に配置される有機化合物層とを少なくとも有する。第一電極及び第二電極は、一方が陽極で他方が陰極である。本実施形態の有機発光素子において、有機化合物層は発光層を有していれば単層であってもよいし複数層からなる積層体であってもよい。ここで有機化合物層が複数層からなる積層体である場合、有機化合物層は、発光層の他に、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等を有してもよい。また発光層は、単層であってもよいし、複数の層からなる積層体であってもよい。
本実施形態の有機発光素子において、上記有機化合物層の少なくとも一層が本実施形態に係る有機金属錯体を含有する。具体的には、本実施形態に係る有機金属錯体は、上述した発光層、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等のいずれかに含まれている。本実施形態に係る有機金属錯体は、好ましくは、発光層に含まれる。
本実施形態の有機発光素子において、本実施形態に係る有機金属錯体が発光層に含まれる場合、発光層は、本実施形態に係る有機金属錯体のみからなる層であってもよいし、本実施形態に係る有機金属錯体と他の化合物とからなる層であってもよい。ここで、発光層が本実施形態に係る有機金属錯体と他の化合物とからなる層である場合、本実施形態に係る有機金属錯体は、発光層のホストとして使用してもよいし、ゲストとして使用してもよい。また発光層に含まれ得るアシスト材料として使用してもよい。ここでホストとは、発光層を構成する化合物の中で質量比が最も大きい化合物である。またゲストとは、発光層を構成する化合物の中で質量比がホストよりも小さい化合物であって、主たる発光を担う化合物である。またアシスト材料とは、発光層を構成する化合物の中で質量比がホストよりも小さく、ゲストの発光を補助する化合物である。尚、アシスト材料は、第2のホストとも呼ばれている。ホストを第一有機化合物、アシスト材料を第二有機化合物と呼ぶこともできる。
本実施形態に係る有機金属錯体をゲストとして用いる場合、ホストである第一有機化合物は、有機金属錯体よりも最低励起一重項エネルギー、最低励起三重項エネルギーが高い。また、アシスト材料である第二有機化合物の最低励起三重項エネルギーは、有機金属錯体の最低励起三重項エネルギーよりも高く、第一有機化合物の最低励起三重項エネルギーよりも低いことが好ましい。
本実施形態に係る有機金属錯体を発光層のゲストとして用いる場合、発光層中における該有機金属錯体の含有量は0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
本発明者等は種々の検討を行い、本実施形態に係る有機金属錯体を、発光層のホスト又はゲストとして、特に、発光層のゲストとして用いると、高効率で高輝度な発光出力を呈し、且つ極めて耐久性が高い素子が得られることを見出した。この発光層は単層でも複層でも良いし、ゲストとは異なる発光色の発光材料を含むことで、発光色の調整を行うことができる。尚、複層とは発光層とは別の発光層とが積層している状態を意味する。この場合、有機発光素子の発光色は白色でもよいし、中間色でもよい。白色の場合、本実施形態に係る有機金属錯体を含む発光層の発光色とは異なる発光色の発光層を複層しても良い。また、成膜方法も蒸着もしくは塗布成膜で行う。
本実施形態に係る有機金属錯体が発光層に含まれる場合、発光層と第二電極との間、発光層と第一電極との間、の少なくとも一方に、有機化合物からなる層を有していても良く、具体的には、電荷移動層や電荷ブロッキング層である。電荷移動層や電荷ブロッキング層は、いずれも発光層よりも最低励起三重項エネルギーが高いことが好ましく、炭化水素化合物からなることが好ましい。
本実施形態に係る有機金属錯体は、本実施形態の有機発光素子を構成する発光層以外の有機化合物層の構成材料として使用することができる。具体的には、電子輸送層、電子注入層、ホール輸送層、ホール注入層、ホールブロッキング層等の構成材料として用いてもよい。
ここで、本実施形態に係る有機金属錯体以外にも、必要に応じて従来公知の低分子系及び高分子系のホール注入性化合物或いはホール輸送性化合物、ホスト材料、アシスト材料、発光性化合物、電子注入性化合物或いは電子輸送性化合物等をあわせて使用することができる。以下にこれらの化合物例を挙げる。
ホール注入輸送性材料としては、陽極からのホールの注入を容易にし、且つ注入されたホールを発光層へ輸送できるようにホール移動度が高い材料が好ましい。また有機発光素子中において結晶化等の膜質の劣化を抑制するために、ガラス転移点温度が高い材料が好ましい。ホール注入輸送性能を有する低分子及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、アリールカルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。さらに上記のホール注入輸送性材料は、電子ブロッキング層にも好適に使用される。以下に、ホール注入輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2024072981000041
上記にホール注入輸送性材料として挙げた中でも、HT16乃至HT18は、陽極に接する層に用いることで駆動電圧を低減することができる。HT16は広く有機発光素子に用いられている。HT16に隣接する有機化合物層に、HT2、HT3、HT4、HT5、HT6、HT10、HT12を用いてもよい。また、一つの有機化合物層に複数の材料を用いてもよい。
主に発光機能に関わる発光材料としては、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8-キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。
以下に、発光材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2024072981000042
Figure 2024072981000043
発光材料が炭化水素化合物である場合、エキサイプレックス形成による発光効率低下や、発光スペクトルの変化による色純度低下を低減できるので、好ましい。
炭化水素化合物とは炭素と水素のみで構成される化合物であり、上記の例示化合物の中ではBD7、BD8、GD5乃至GD9、RD1である。
発光材料は5員環を含む縮合多環である場合、イオン化ポテンシャルが高いため、酸化しにくく、高耐久な寿命の素子となるため好ましい。上記の例示化合物の中ではBD7、BD8、GD5乃至GD9、RD1である。
発光層に含まれるホスト或いはアシスト材料としては、芳香族炭化水素化合物もしくはその誘導体の他、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、トリス(8-キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体等が挙げられる。
以下に、発光層に含まれるホスト或いはアシスト材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2024072981000044
ホスト材料が炭化水素化合物である場合、本実施形態に係る有機金属錯体が電子やホールをトラップし易くなるため高効率化の効果が大きく好ましい。上記の例示化合物の中ではEM1乃至EM26である。
電子輸送性材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することができるものから任意に選ぶことができ、ホール輸送性材料のホール移動度とのバランス等を考慮して選択される。電子輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、クリセン誘導体、アントラセン誘導体等)が挙げられる。さらに上記の電子輸送性材料は、ホールブロッキング層にも好適に使用される。
以下に、電子輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2024072981000045
電子注入性材料としては、陰極からの電子注入が容易に可能なものから任意に選ぶことができ、ホール注入性とのバランス等を考慮して選択される。有機化合物としてn型ドーパント及び還元性ドーパントも含まれる。例えば、フッ化リチウム等のアルカリ金属を含む化合物、リチウムキノリノール等のリチウム錯体、ベンゾイミダゾリデン誘導体、イミダゾリデン誘導体、フルバレン誘導体、アクリジン誘導体が挙げられる。
また上記の電子輸送性材料と合わせて用いることもできる。
発光層以外の有機化合物層(ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、ホールブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等)には、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスを用いることができる。またドライプロセスに代えて、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により層を形成するウェットプロセスを用いることもできる。
ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて成膜することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
〔インク組成物〕
本実施形態に係る有機金属錯体は、有機溶媒に対する溶解性がよいので、発光性インク組成物として使用することができる。また、係るインク組成物を用いることにより、本実施形態の有機発光素子を構成する有機化合物からなる層、特に発光層を塗布法により作製することが可能となり、比較的安価で大面積の素子を容易に作製できる。係るインク組成物は、本実施形態に係る有機金属錯体と、溶媒とを含有する。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、ジオキサン、メチルナフタレン、テトラヒドロフラン、ジグライム、1,2-ジクロロベンゼン、1,2-ジクロロプロパン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、均一な厚みを有する薄膜が得られ易い点で、適度の蒸発速度を有するもの、具体的には沸点が70℃乃至200℃程度の有機溶剤を用いることが好ましい。
また、本実施形態の発光性インク組成物は、他に添加剤となる化合物を含んでもよい。具体的には、機金属錯体が含まれる有機化合物層の機能によって選択され、例えば、公知なホスト或いはアシスト材料、ホール輸送性材料、発光材料、電子輸送性材料等が挙げられる。
発光性インク組成物における有機金属錯体の含有量は、インク組成物中に、好ましくは、0.05質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは、0.1質量%以上5質量%以下である。
上記インク組成物を用いて、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法、インクジェット法、ノズルコート法、キャスティング法、グラビア印刷法等にて発光層を成膜することができる。
〔有機発光素子の構成〕
有機発光素子は、基板の上に、絶縁層、第一電極、有機化合物層、第二電極を形成して設けられる。第二電極の上には、保護層、カラーフィルタ、マイクロレンズ等を設けてもよい。カラーフィルタを設ける場合は、保護層との間に平坦化層を設けてもよい。平坦化層はアクリル樹脂等で構成することができる。カラーフィルタとマイクロレンズとの間において、平坦化層を設ける場合も同様である。
以下に、有機発光素子の有機化合物層以外の各部材について説明する。
<基板>
基板は、石英、ガラス、シリコンウエハ、樹脂、金属等が挙げられる。また、基板上には、トランジスタなどのスイッチング素子や配線を備え、その上に絶縁層を備えてもよい。絶縁層としては、第一電極との間に配線が形成可能なように、コンタクトホールを形成可能で、且つ接続しない配線との絶縁を確保できれば、材料は問わない。例えば、ポリイミド等の樹脂、酸化シリコン、窒化シリコンなどを用いることができる。
<電極>
第一電極、第二電極は、一方が陽極、他方が陰極である。有機発光素子が発光する方向に電界を印加する場合に、電位が高い電極が陽極であり、他方が陰極である。また、発光層にホールを供給する電極が陽極であり、電子を供給する電極が陰極であるということもできる。
陽極の構成材料としては仕事関数がなるべく大きいものが良い。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン、等の金属単体やこれらを含む混合物、或いはこれらを組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。またポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用できる。
これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
反射電極として用いる場合には、例えばクロム、アルミニウム、銀、チタン、タングステン、モリブデン、又はこれらの合金、積層したものなどを用いることができる。上記の材料にて、電極としての役割を有さない、反射膜として機能することも可能である。また、透明電極として用いる場合には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛などの酸化物透明導電層などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。電極の形成には、フォトリソグラフィ技術を用いることができる。
一方、陰極の構成材料としては仕事関数の小さなものがよい。例えばリチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体又はこれらを含む混合物が挙げられる。或いはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えばマグネシウム-銀、アルミニウム-リチウム、アルミニウム-マグネシウム、銀-銅、亜鉛-銀等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。中でも銀を用いることが好ましく、銀の凝集を低減するため、銀合金とすることがさらに好ましい。銀の凝集が低減できれば、合金の比率は問わない。例えば、銀:他の金属が、1:1、3:1等であってもよい。
陰極は、ITOなどの酸化物導電層を使用してトップエミッション素子としてもよいし、アルミニウム(Al)などの反射電極を使用してボトムエミッション素子としてもよいし、特に限定されない。陰極の形成方法としては、特に限定されないが、直流及び交流スパッタリング法などを用いると、膜のカバレッジがよく、抵抗を下げやすいためより好ましい。
<保護層>
第二電極の上に、保護層を設けてもよい。例えば、第二電極上に吸湿剤を設けたガラスを接着することで、有機化合物層に対する水等の浸入を低減し、表示不良の発生を低減することができる。また、別の実施形態としては、第二電極上に窒化ケイ素等のパッシベーション膜を設け、有機化合物層に対する水等の浸入を低減してもよい。例えば、第二電極を形成後に真空を破らずに別のチャンバーに搬送し、CVD法で厚さ2μmの窒化ケイ素膜を形成することで、保護層としてもよい。CVD法の成膜の後で原子堆積法(ALD法)を用いた保護層を設けてもよい。ALD法による膜の材料は限定されないが、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等であってもよい。ALD法で形成した膜の上に、さらにCVD法で窒化ケイ素を形成してよい。ALD法による膜は、CVD法で形成した膜よりも小さい膜厚であってもよい。具体的には、50%以下、さらには、10%以下であってもよい。
<カラーフィルタ>
保護層の上にカラーフィルタを設けてもよい。例えば、有機発光素子のサイズを考慮したカラーフィルタを別の基板上に設け、それと有機発光素子を設けた基板と貼り合わせてもよいし、上記で示した保護層上にフォトリソグラフィ技術を用いて、カラーフィルタをパターニングしてもよい。カラーフィルタは、高分子で構成されてよい。
<平坦化層>
カラーフィルタと保護層との間に平坦化層を有してもよい。平坦化層は、下の層の凹凸を低減する目的で設けられる。目的を制限せずに、材質樹脂層と呼ばれる場合もある。平坦化層は有機化合物で構成されていてもよく、低分子であっても、高分子であってもよいが、高分子であることが好ましい。
平坦化層は、カラーフィルタの上下に設けられていてもよく、その構成材料は同じであっても異なってもよい。具体的には、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
<マイクロレンズ>
有機発光装置は、その光出射側にマイクロレンズ等の光学部材を有してもよい。マイクロレンズは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等で構成されうる。マイクロレンズは、有機発光装置から取り出す光量の増加、取り出す光の方向の制御を目的としてよい。マイクロレンズは、半球の形状を有してもよい。半球の形状を有する場合、当該半球に接する接線のうち、絶縁層と平行になる接線があり、その接線と半球との接点がマイクロレンズの頂点である。マイクロレンズの頂点は、任意の断面図においても同様に決定することができる。つまり、断面図におけるマイクロレンズの半円に接する接線のうち、絶縁層と平行になる接線があり、その接線と半円との接点がマイクロレンズの頂点である。
また、マイクロレンズの中点を定義することもできる。マイクロレンズの断面において、円弧の形状が終了する点から別の円弧の形状が終了する点までの線分を仮想し、当該線分の中点がマイクロレンズの中点と呼ぶことができる。頂点、中点を判別する断面は、絶縁層に垂直な断面であってもよい。
<対向基板>
平坦化層の上には、対向基板を有してもよい。対向基板は、前述の基板と対応する位置に設けられるため、対向基板と呼ばれる。対向基板の構成材料は、前述の基板と同じであってもよい。対向基板は、前述の基板を第一基板とした場合、第二基板であってもよい。
〔有機発光素子を備えた装置の構成〕
<画素回路>
本実施形態に係る有機発光素子を備えた発光装置は、有機発光素子に接続されている画素回路を有してもよい。画素回路は、第一の有機発光素子、第二の有機発光素子をそれぞれ独立に発光制御するアクティブマトリックス型であってもよい。アクティブマトリックス型の回路は電圧プログラミングであっても、電流プログラミングであってもよい。駆動回路は、画素毎に画素回路を有する。画素回路は、有機発光素子、有機発光素子の発光輝度を制御するトランジスタ、発光タイミングを制御するトランジスタ、発光輝度を制御するトランジスタのゲート電圧を保持する容量、有機発光素子を介さずにGNDに接続するためのトランジスタを有してもよい。
発光装置は、表示領域と、表示領域の周囲に配されている周辺領域とを有する。表示領域には画素回路を有し、周辺領域には表示制御回路を有する。画素回路を構成するトランジスタの移動度は、表示制御回路を構成するトランジスタの移動度よりも小さくてもよい。
画素回路を構成するトランジスタの電流電圧特性の傾きは、表示制御回路を構成するトランジスタの電流電圧特性の傾きよりも小さくてもよい。電流電圧特性の傾きは、いわゆるVg-Ig特性により測定できる。
画素回路を構成するトランジスタは、第一の有機発光素子などの有機発光素子に接続されているトランジスタである。
<画素>
本実施形態に係る有機発光素子を備えた発光装置は、複数の画素を有する。画素は互いに他と異なる色を発光する副画素を有する。副画素は、例えば、それぞれRGBの発光色を有してもよい。
画素は、画素開口とも呼ばれる領域が、発光する。この領域は第一領域と同じである。画素開口は15μm以下であってもよく、5μm以上であってもよい。より具体的には、11μm、9.5μm、7.4μm、6.4μm等であってもよい。副画素間は、10μm以下であってもよく、具体的には、8μm、7.4μm、6.4μmであってもよい。
画素は、平面図において、公知の配置形態をとりうる。例えは、ストライプ配置、デルタ配置、ペンタイル配置、ベイヤー配置であってもよい。副画素の平面図における形状は、公知のいずれの形状をとってもよい。例えば、長方形、ひし形等の四角形、六角形、等である。もちろん、正確な図形ではなく、長方形に近い形をしていれば、長方形に含まれる。副画素の形状と、画素配列と、を組み合わせて用いることができる。
〔有機発光素子の用途〕
本実施形態に係る有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも、電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルタを有する発光装置等の用途がある。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する画像入力部を有し、入力された情報を処理する情報処理部を有し、入力された画像を表示部に表示する画像情報処理装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、タッチパネル機能を有してもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は、赤外線方式でも、静電容量方式でも、抵抗膜方式であっても、電磁誘導方式であってもよく、特に限定されない。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
次に、図面を参照しながら本実施形態に係る表示装置について説明する。
図1は、本実施形態の有機発光素子と、この有機発光素子に接続されるトランジスタとを有する表示装置の例を示す断面模式図である。
図1(a)は、本実施形態に係る表示装置の構成要素である画素の一例である。画素は、副画素10を有している。副画素はその発光により、10R、10G、10Bに分けられている。発光色は、発光層から発光される波長で区別されても、副画素から出射する光がカラーフィルタ等により、選択的透過又は色変換が行われてもよい。それぞれの副画素は、層間絶縁層1の上に反射電極である第一電極2、第一電極2の端を覆う絶縁層3、第一電極2と絶縁層3とを覆う有機化合物層4、第二電極5、保護層6、カラーフィルタ7を有している。第一電極2と有機化合物層4と第二電極5とで有機発光素子が構成される。
層間絶縁層1は、その下層又は内部にトランジスタ、容量素子を配されていてもよい。トランジスタと第一電極2は不図示のコンタクトホール等を介して電気的に接続されていてもよい。
絶縁層3は、バンク、画素分離膜とも呼ばれる。第一電極2の端を覆っており、第一電極2を囲って配されている。絶縁層3の配されていない部分が、有機化合物層4と接し、発光領域となる。
第二電極5は、透明電極であっても、反射電極であっても、半透過電極であってもよい。
保護層6は、有機化合物層4に水分が浸透することを低減する。保護層6は、一層のように図示されているが、複数層であってもよい。層ごとに無機化合物層、有機化合物層があってもよい。
カラーフィルタ7は、その色により7R、7G、7Bに分けられる。カラーフィルタは、不図示の平坦化膜上に形成されていてもよい。また、カラーフィルタ上に不図示の樹脂保護層を有してもよい。また、カラーフィルタは、保護層6上に形成されていてもよい。またはガラス基板等の対向基板上に設けられた後に、貼り合わせられてもよい。
図1(b)の表示装置は、有機発光素子26とトランジスタの一例としてTFT18を有している。具体的には、ガラス、シリコン等の基板11とその上部に絶縁層12が設けられ、該絶縁層12の上に、ゲート電極13、ゲート絶縁膜14、半導体層15、ドレイン電極16、ソース電極17を有するTFT18が配置されている。TFT18の上部には絶縁膜19が設けられ、該絶縁膜19に設けられたコンタクトホール20を介して有機発光素子26を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
尚、有機発光素子26に含まれる電極(陽極21、陰極23)とTFT18に含まれる電極(ソース電極17、ドレイン電極16)との電気接続の方式は、図1(b)に示される態様に限られるものではない。つまり陽極21、陰極23のうちいずれか一方と、ソース電極17、ドレイン電極16のいずれか一方とが電気接続されていればよい。TFTは、薄膜トランジスタを指す。
陰極23の上には有機発光素子の劣化を低減するための第一の保護層24や第二の保護層25が設けられている。
本実施形態に係る有機発光素子26はTFT18により発光輝度が制御され、有機発光素子26を複数面内に設けることでそれぞれの発光輝度により画像を表示することができる。
図1(b)の表示装置ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えて他のスイッチング素子を用いてもよい。
また図1(b)の表示装置に使用されるトランジスタは、基板の絶縁性表面上に活性層を有するTFTに限らず、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタでもよい。また、活性層としては、アモルファスシリコン、微結晶シリコンなどの非単結晶シリコン、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体であってもよい。
また、低温ポリシリコンで形成されているトランジスタや、Si基板等の基板上に形成されたアクティブマトリクスドライバーであってもよい。基板上とは、その基板内ということもできる。基板内にトランジスタを設けるか、TFTを用いるかは、表示部の大きさによって選択され、例えば0.5インチ程度の大きさであれば、Si基板上に有機発光素子を設けることが好ましい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
図2は、本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。表示装置1000は、上部カバー1001と、下部カバー1009と、の間に、タッチパネル1003、表示パネル1005、フレーム1006、回路基板1007、バッテリー1008、を有している。タッチパネル1003及び表示パネル1005は、フレキシブルプリント回路FPC1002、1004が接続されている。回路基板1007には、トランジスタがプリントされている。バッテリー1008は、表示装置が携帯機器でなければ、設けなくてもよいし、携帯機器であっても、別の位置に設けてもよい。
本実施形態に係る表示装置は、赤色、緑色、青色を有するカラーフィルタを有してもよい。カラーフィルタは、当該赤色、緑色、青色がデルタ配列で配置されてもよい。
本実施形態に係る表示装置は、携帯端末の表示部に用いられてもよい。その際には、表示機能と操作機能との双方を有してもよい。携帯端末としては、スマートフォン等の携帯電話、タブレット、ヘッドマウントディスプレイ等が挙げられる。
本実施形態に係る表示装置は、複数のレンズを有する光学部と、当該光学部を通過した光を受光する撮像素子とを有する撮像装置の表示部に用いられてもよい。撮像装置は、撮像素子が取得した情報を表示する表示部を有してもよい。また、表示部は、撮像装置の外部に露出した表示部であっても、ファインダ内に配置された表示部であってもよい。撮像装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラであってもよい。
図3(a)は、本実施形態に係る撮像装置の一例を表す模式図である。撮像装置1100は、ビューファインダ1101、背面ディスプレイ1102、操作部1103、筐体1104を有している。ビューファインダ1101は、本実施形態に係る表示装置を有してもよい。その場合、表示装置は、撮像する画像のみならず、環境情報、撮像指示等を表示してよい。環境情報には、外光の強度、外光の向き、被写体の動く速度、被写体が遮蔽物に遮蔽される可能性等であってもよい。
撮像に好適なタイミングはわずかな時間なので、少しでも早く情報を表示した方がよい。従って、本実施形態の有機発光素子を用いた表示装置を用いるのが好ましい。有機発光素子は応答速度が速いからである。有機発光素子を用いた表示装置は、表示速度が求められる、これらの装置、液晶表示装置よりも好適に用いることができる。
撮像装置1100は、不図示の光学部を有する。光学部は複数のレンズを有し、筐体1104内に収容されている撮像素子に結像する。複数のレンズは、その相対位置を調整することで、焦点を調整することができる。この操作を自動で行うこともできる。撮像装置は光電変換装置と呼ばれてもよい。光電変換装置は逐次撮像するのではなく、前画像からの差分を検出する方法、常に記録されている画像から切り出す方法等を撮像の方法として含むことができる。
図3(b)は、本実施形態に係る電子機器の一例を表す模式図である。電子機器1200は、表示部1201と、操作部1202と、筐体1203を有する。筐体1203は、回路、当該回路を有するプリント基板、バッテリー、通信部、を有してもよい。操作部1202は、ボタンであってもよいし、タッチパネル方式の反応部であってもよい。操作部は、指紋を認識してロックの解除等を行う、生体認識部であってもよい。通信部を有する電子機器は通信機器ということもできる。電子機器は、レンズと、撮像素子とを備えることでカメラ機能をさらに有してもよい。カメラ機能により撮像された画像が表示部に映される。電子機器としては、スマートフォン、ノートパソコン等が挙げられる。
図4は、本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。図4(a)は、テレビモニタやPCモニタ等の表示装置である。表示装置1300は、額縁1301を有し表示部1302を有する。表示部1302には、本実施形態に係る発光装置が用いられてよい。
額縁1301と、表示部1302を支える土台1303を有している。土台1303は、図4(a)の形態に限られない。額縁1301の下辺が土台を兼ねてもよい。
また、額縁1301及び表示部1302は、曲がっていてもよい。その曲率半径は、5000mm以上6000mm以下であってもよい。
図4(b)は本実施形態に係る表示装置の他の例を表す模式図である。図4(b)の表示装置1310は、折り曲げ可能に構成されており、いわゆるフォルダブルな表示装置である。表示装置1310は、第一表示部1311、第二表示部1312、筐体1313、屈曲点1314を有する。第一表示部1311と第二表示部1312とは、本実施形態に係る発光装置を有してもよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、つなぎ目のない1枚の表示装置であってもよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、屈曲点で分けることができる。第一表示部1311、第二表示部1312は、それぞれ異なる画像を表示してもよいし、第一及び第二表示部とで一つの画像を表示してもよい。
図5(a)は、本実施形態に係る照明装置の一例を表す模式図である。照明装置1400は、筐体1401と、光源1402と、回路基板1403と、光学フィルタ1404と、光拡散部1405と、を有している。光源1402は、本実施形態に係る有機発光素子を有している。光学フィルタ1404は光源の演色性を向上させるフィルタであってもよい。光拡散部1405は、ライトアップ等、光源1402の光を効果的に拡散し、広い範囲に光を届けることができる。光学フィルタ1404、光拡散部1405は、照明の光出射側に設けられてもよい。必要に応じて、最外部にカバーを設けてもよい。
照明装置は例えば室内を照明する装置である。照明装置は白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってもよい。それらを調光する調光回路を有してもよい。照明装置は本実施形態の有機発光素子とそれに接続される電源回路を有している。電源回路は、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。また、白とは色温度が4200Kで昼白色とは色温度が5000Kである。照明装置はカラーフィルタを有してもよい。
また、本実施形態に係る照明装置は、放熱部を有してもよい。放熱部は装置内の熱を装置外へ放出するものであり、比熱の高い金属、液体シリコーン等が挙げられる。
図5(b)は、本実施形態に係る移動体の一例である自動車の模式図である。当該自動車は灯具の一例であるテールランプを有する。自動車1500は、テールランプ1501を有し、ブレーキ操作等を行った際に、テールランプを点灯する形態であってもよい。
テールランプ1501は、本実施形態に係る有機発光素子を有している。テールランプは、有機発光素子を保護する保護部材を有してもよい。保護部材はある程度高い強度を有し、透明であれば材料は問わないが、ポリカーボネート等で構成されることが好ましい。ポリカーボネートにフランジカルボン酸誘導体、アクリロニトリル誘導体等を混ぜてよい。
自動車1500は、車体1503、それに取り付けられている窓1502を有してもよい。窓は、自動車の前後を確認するための窓でなければ、透明なディスプレイであってもよい。当該透明なディスプレイは、本実施形態に係る有機発光素子を有してもよい。この場合、有機発光素子が有する電極等の構成材料は透明な部材で構成される。
本実施形態に係る移動体は、船舶、航空機、ドローン等であってもよい。移動体は、機体と当該機体に設けられた灯具を有している。灯具は、機体の位置を知らせるための発光を行う。灯具は本実施形態に係る有機発光素子を有する。
図6を参照して、上述の各実施形態の表示装置の適用例について説明する。表示装置は、例えばスマートグラス、HMD、スマートコンタクトのようなウェアラブルデバイスとして装着可能なシステムに適用できる。このような適用例に使用される撮像表示装置は、可視光を光電変換可能な撮像装置と、可視光を発光可能な表示装置とを有する。
図6(a)は、1つの適用例に係る眼鏡1600(スマートグラス)を説明する。眼鏡1600のレンズ1601の表面側に、CMOSセンサやSPADのような撮像装置1602が設けられている。また、レンズ1601の裏面側には、上述した各実施形態の表示装置が設けられている。
眼鏡1600は、制御装置1603をさらに備える。制御装置1603は、撮像装置1602と各実施形態に係る表示装置に電力を供給する電源として機能する。また、制御装置1603は、撮像装置1602と表示装置の動作を制御する。レンズ1601には、撮像装置1602に光を集光するための光学系が形成されている。
図6(b)は、1つの適用例に係る眼鏡1610(スマートグラス)を説明する。眼鏡1610は、制御装置1612を有しており、制御装置1612に、図6(a)の撮像装置1602に相当する撮像装置と、表示装置とが搭載される。レンズ1611には、制御装置1612内の撮像装置と、表示装置からの発光を投影するための光学系が形成されており、レンズ1611には画像が投影される。制御装置1612は、撮像装置及び表示装置に電力を供給する電源として機能すると共に、撮像装置及び表示装置の動作を制御する。制御装置は、装着者の視線を検知する視線検知部を有してもよい。視線の検知は赤外線を用いてよい。赤外発光部は、表示画像を注視しているユーザーの眼球に対して、赤外光を発する。発せられた赤外光の眼球からの反射光を、受光素子を有する撮像部が検出することで眼球の撮像画像が得られる。平面視における赤外発光部から表示部への光を低減する低減手段を有することで、画像品位の低下を低減する。
赤外光の撮像により得られた眼球の撮像画像から表示画像に対するユーザーの視線を検出する。眼球の撮像画像を用いた視線検出には任意の公知の手法が適用できる。一例として、角膜での照射光の反射によるプルキニエ像に基づく視線検出方法を用いることができる。
より具体的には、瞳孔角膜反射法に基づく視線検出処理が行われる。瞳孔角膜反射法を用いて、眼球の撮像画像に含まれる瞳孔の像とプルキニエ像とに基づいて、眼球の向き(回転角度)を表す視線ベクトルが算出されることにより、ユーザーの視線が検出される。
本実施形態に係る表示装置は、受光素子を有する撮像装置を有し、撮像装置からのユーザーの視線情報に基づいて表示装置の表示画像を制御してよい。
具体的には、表示装置は、視線情報に基づいて、ユーザーが注視する第一の視界領域と、第一の視界領域以外の第二の視界領域とを決定される。第一の視界領域、第二の視界領域は、表示装置の制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定したものを受信してもよい。表示装置の表示領域において、第一の視界領域の表示解像度を第二の視界領域の表示解像度よりも高く制御してもよい。つまり、第二の視界領域の解像度を第一の視界領域よりも低くしてもよい。
また、表示領域は、第一の表示領域、第一の表示領域とは異なる第二の表示領域とを有し、視線情報に基づいて、第一の表示領域及び第二の表示領域から優先度が高い領域を決定される。第一の視界領域、第二の視界領域は、表示装置の制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定したものを受信してもよい。優先度の高い領域の解像度を、優先度が高い領域以外の領域の解像度よりも高く制御してもよい。つまり優先度が相対的に低い領域の解像度を低くしてもよい。
尚、第一の視界領域や優先度が高い領域の決定には、AIを用いてもよい。AIは、眼球の画像と当該画像の眼球が実際に視ていた方向とを教師データとして、眼球の画像から視線の角度、視線の先の目的物までの距離を推定するよう構成されたモデルであってもよい。AIプログラムは、表示装置が有しても、撮像装置が有しても、外部装置が有してもよい。外部装置が有する場合は、通信を介して、表示装置に伝えられる。
視認検知に基づいて表示制御する場合、外部を撮像する撮像装置を更に有するスマートグラスに好ましく適用できる。スマートグラスは、撮像した外部情報をリアルタイムで表示することができる。
以上説明した通り、本実施形態に係る有機発光素子を用いた装置を用いることにより、良好な画質で、長時間表示にも安定な表示が可能になる。
〔含まれる構成〕
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
下記一般式[1]で表されることを特徴とする有機金属錯体。
MLmL’nL”p [1]
〔前記式[1]において、Mは遷移金属であり、L、L’、L”はそれぞれ異なる配位子を表す。
mは1乃至3の整数、nは0乃至2の整数、pは0乃至2の整数であり、m+n+p=3である。 MLmは下記一般式[2]で表される。
Figure 2024072981000046
前記一般式[2]において、R11乃至R18は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換の複素環基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアミノ基、シリル基、シアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
Yは、CRR’、SiRR’、S、SO、SO2、NR、O、Se、PRR’、PO、SeO2から選ばれ、前記R及び前記R’は、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ハロゲン原子からそれぞれ独立に選ばれる。
1乃至X8は、炭素原子、窒素原子からそれぞれ独立に選ばれ、前記X1乃至前記X8が炭素原子の場合、当該炭素原子はアルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。前記X1乃至前記X8のうち隣り合う二つのXが炭素原子の場合、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
*、**は、環構造であるCY1との結合位置を示す。
CY1は、下記一般式[3-1]乃至[3-3]のいずれかで表される。
Figure 2024072981000047
前記一般式[3-1]乃至[3-3]において、R21乃至R26は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換の複素環基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアミノ基、シリル基、シアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
9乃至X14は、炭素原子、窒素原子からそれぞれ独立に選ばれ、前記X9乃至前記X14が炭素原子の場合、当該炭素原子はアルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。前記X9乃至前記X14のうち隣り合う二つのXが炭素原子の場合、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
*、**は、イソキノリン環との結合位置を示す。
ML’n及びML”pは、下記一般式[4]及び[5]からそれぞれ独立に選ばれる。
Figure 2024072981000048
前記一般式[4]及び[5]において、R31乃至R38及びR41乃至R43は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。〕
(構成2)
前記一般式[2]において、CY1は、前記一般式[3-1]で表され、Yは、CRR’、SiRR’、S、SO、SO2、NR、O、Seから選ばれ、前記R及び前記R’は、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ハロゲン原子からそれぞれ独立に選ばれることを特徴とする構成1に記載の有機金属錯体。
(構成3)
前記一般式[1]において、Mは、Irであることを特徴とする構成1又は2に記載の有機金属錯体。
(構成4)
前記一般式[1]において、Yは、CRR’であり、前記R及び前記R’は、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、及びハロゲン原子からそれぞれ独立に選ばれることを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載の有機金属錯体。
(構成5)
前記一般式[1]において、X1乃至X14は、全て炭素原子であることを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載の有機金属錯体。
(構成6)
前記一般式[1]において、X5は、窒素原子であることを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載の有機金属錯体。
(構成7)
前記一般式[1]において、X11は、窒素原子であることを特徴とする構成1乃至4、6のいずれかに記載の有機金属錯体。
(構成8)
発光スペクトルの半値全幅は、35nm以下であることを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載の有機金属錯体。
(構成9)
前記一般式[1]において、R11乃至R18は、水素原子、重水素原子、アリール基からそれぞれ独立に選ばれることを特徴とする構成1乃至8のいずれかに記載の有機金属錯体。
(構成10)
構成1乃至9のいずれか一項に記載の有機金属錯体と、溶媒とを含有することを特徴とする発光性インク組成物。
(構成11)
第一電極と、第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に配置されている有機化合物層と、を有する有機発光素子であって、
前記有機化合物層は、構成1乃至9のいずれかに記載の有機金属錯体を含有することを特徴とする有機発光素子。
(構成12)
前記有機化合物層は発光層を有し、前記発光層は、前記有機金属錯体と、前記有機金属錯体よりも最低励起一重項エネルギー及び最低励起三重項エネルギーが大きい第一有機化合物と、を含有することを特徴とする構成11に記載の有機発光素子。
(構成13)
前記発光層は、前記第一有機化合物とは異なる第二有機化合物を含有し、前記第二有機化合物は最低励起三重項エネルギーが、前記第一有機化合物の最低励起三重項エネルギーよりも小さく、且つ前記有機金属錯体の最低励起三重項エネルギーよりも大きいことを特徴とする構成12に記載の有機発光素子。
(構成14)
前記有機化合物層は、前記発光層と前記第二電極との間に、最低励起三重項エネルギーが前記発光層よりも大きい、有機化合物からなる層を有することを特徴とする構成12又は13に記載の有機発光素子。
(構成15)
前記有機化合物からなる層は、炭化水素化合物からなることを特徴とする構成14に記載の有機発光素子。
(構成16)
前記有機化合物層は、前記発光層と前記第一電極との間に、最低励起三重項エネルギーが前記発光層よりも大きい、有機化合物からなる層を有することを特徴とする構成12乃至15のいずれかに記載の有機発光素子。
(構成17)
前記有機化合物からなる層は、炭化水素化合物からなることを特徴とする構成16に記載の有機発光素子。
(構成18)
複数の画素を有し、前記複数の画素の少なくとも一つが、構成11乃至17のいずれかに記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されたトランジスタと、を有することを特徴とする表示装置。
(構成19)
複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部と、を有し、
前記表示部は構成11乃至17のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする撮像装置。
(構成20)
構成11乃至17のいずれかに記載の有機発光素子を有する表示部と、前記表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられ、外部と通信する通信部と、を有することを特徴とする電子機器。
(構成21)
構成11乃至17のいずれかに記載の有機発光素子を有する光源と、前記光源が発する光を透過する光拡散部又は光学フィルタと、を有することを特徴とする照明装置。
(構成22)
構成11乃至17のいずれかに記載の有機発光素子を有する灯具と、前記灯具が設けられた機体と、を有することを特徴とする移動体。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
本実施形態に係る有機金属錯体は、例えば下記の合成方法により合成できる。下記は例として例示化合物102の合成方法を示している。
Figure 2024072981000049
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
Tf2O:トリフルオロメタンスルホン酸無水物
(Bpin)2:ビス(ピナコラート)ジボロン
Pd(PPh32Cl2:ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド
KOAc:酢酸カリウム
Pd(PPh34:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
以下、上記合成方法について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<中間体1の合成>
Figure 2024072981000050
窒素雰囲気下、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチル(0.50g、2.47mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(0.60g、4.94mmol)を15mLのCH2Cl2に溶かして氷浴で撹拌した。等圧滴下ロートでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.40g、4.96mmol)を10分かけて滴下して氷浴のまま3時間撹拌した。反応の進行に伴い白色固体が析出した。
反応溶液に0.5M塩酸水溶液10mLをゆっくりと加えて分液し有機層洗浄した。この操作を3回繰り返した。
有機層を濃縮すると白色固体が析出したのでMeOHで洗浄しながらろ過で集めると中間体1を0.80g得た。収率は97%であった。
<中間体2の合成>
Figure 2024072981000051
窒素雰囲気下で、中間体1(0.80g、2.39mmol)、KOAc(0.70g、7.18mmol)、(Bpin)2(1.82g、7.18mmol)、Pd(PPh32Cl2(0.084g、0.12mmol)を15mLの超脱水1,4-ジオキサンに溶かして110℃で3時間加熱撹拌を行った。
反応溶液を放冷し少量のジオキサンで洗浄しながらセライトろ過を行い、得られたろ液を濃縮すると黒色油状物質が得られた。これを少量のMeOHで洗浄しながら氷浴で撹拌すると灰色の固体が析出したので、ろ過で集めて中間体2を0.72g得た。収率は96%であった。
<中間体3の合成>
Figure 2024072981000052
窒素雰囲気下で、中間体2(0.3g、0.96mmol)、1-クロロナフト[2,1-f]イソキノリン(0.17g、0.64mmol)、Na2CO3(0.20g、1.89mmol)、Pd(PPh34(40mg、34.6μmol)を、15mLのトルエン、1mLのEtOH、0.5mLのH2Oの混合液に溶かして70℃で5時間加熱撹拌を行った。反応溶液を放冷しクロロホルムと水で分液し、有機層を抽出した。有機層を濃縮すると茶色の油状物質が得られた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン~20%酢酸エチル/トルエン)で精製し、中間体3を50mg得た。収率は19%であった。
<中間体4の合成>
Figure 2024072981000053
窒素雰囲気下で、中間体3(50mg、0.12mmol)を5mLの超脱水THFに溶かし、氷浴で撹拌した。反応溶液に1.0MのCH3MgBr/THF溶液(1.0mL、1.0mmol)を加えて12時間撹拌した。飽和NH4Cl水溶液をゆっくりと滴下して反応を停止させた。クロロホルムと水で分液し有機層を抽出した。有機層を濃縮すると茶色の油状物質を中間体4として45mg得た。収率は90%であった。
<中間体5の合成>
Figure 2024072981000054
窒素雰囲気下で、中間体4(45mg、0.11mmol)を2mLのトリフルオロメタンスルホン酸に溶かして130℃で5時間加熱撹拌を行った。反応溶液を放冷し、氷浴しながらNaOH水溶液で反応溶液を中和した後、クロロホルムで有機層を抽出した。有機層を濃縮すると茶色の油状物質が得られた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)で精製し、中間体5を20mg得た。収率は47%であった。
<中間体6の合成>
Figure 2024072981000055
窒素雰囲気下で、中間体5(20mg、51μmol)、IrCl3・H2O(7.1mg、22.4μmol)を、2mLの2-エトキシエタノールと1mLのH2Oの混合液に溶かして120℃で12時間加熱撹拌を行った。反応溶液を放冷し、析出した赤色固体をろ過で集めて中間体6を15mg得た。収率は73%であった。
<例示化合物102の合成>
Figure 2024072981000056
窒素雰囲気下で、中間体6(15mg、7.4μmol)、Na2CO3(5mg、47μmol)、3,7-ジエチルノナン-4,6-ジオン(10mg、47μmol)、を0.5mLの2-エトキシエタノールに溶かして120℃で12時間加熱撹拌を行った。反応溶液を放冷し、0.5mLのH2Oを加えて析出した赤色固体をろ過で集め、例示化合物102を5mg得た。収率は28%であった。
(実施例2乃至12,比較例1乃至比較例3)
実施例1と同様の方法で、本実施形態に係る有機金属錯体、及び前述の表1に挙げた化合物A乃至化合物Cを合成した。
(光学特性評価)
上記実施例1乃至12、比較例1乃至3の各有機金属錯体をそれぞれトルエンに1.0×10-5M濃度で溶解させ、これを5分間N2バブリングした後に発光スペクトルのFWHMと発光量子収率を測定し、化合物BのFWHMと発光量子収率をそれぞれ1として相対値を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2024072981000057
表2に示した通り、NIQ環を有する実施例の有機金属錯体は、比較例の有機金属錯体に比べて、FWHM及び発光量子収率について、両方が優れているか、或いは、どちらかが劣っている場合であっても他方が大幅に向上しており、総合的に光学特性が優れていた。特に、例示化合物102はFWHMが最も小さくなり、発光量子収率は最も高い値を示した。
4:有機化合物層、8,26:有機発光素子、10:副画素、1000,1300,1310:表示装置、1100:撮像装置、1104,1203,1313:筐体、1200:電子機器、1201,1302,1311,1312:表示部、1402:光源、1404:光学フィルタ、1405:光拡散部

Claims (22)

  1. 下記一般式[1]で表されることを特徴とする有機金属錯体。
    MLmL’nL”p [1]
    〔前記式[1]において、Mは遷移金属であり、L、L’、L”はそれぞれ異なる配位子を表す。
    mは1乃至3の整数、nは0乃至2の整数、pは0乃至2の整数であり、m+n+p=3である。 MLmは下記一般式[2]で表される。
    Figure 2024072981000058
    前記一般式[2]において、R11乃至R18は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換の複素環基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアミノ基、シリル基、シアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
    Yは、CRR’、SiRR’、S、SO、SO2、NR、O、Se、PRR’、PO、SeO2から選ばれ、前記R及び前記R’は置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ハロゲン原子からそれぞれ独立に選ばれる。
    1乃至X8は、炭素原子、窒素原子からそれぞれ独立に選ばれ、前記X1乃至前記X8が炭素原子の場合、当該炭素原子はアルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。前記X1乃至前記X8のうち隣り合う二つのXが炭素原子の場合、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
    *、**は、環構造であるCY1との結合位置を示す。
    CY1は、下記一般式[3-1]乃至[3-3]のいずれかで表される。
    Figure 2024072981000059
    前記一般式[3-1]乃至[3-3]において、R21乃至R26は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換の複素環基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアミノ基、シリル基、シアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
    9乃至X14は、炭素原子、窒素原子からそれぞれ独立に選ばれ、前記X9乃至前記X14が炭素原子の場合、当該炭素原子はアルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。前記X9乃至前記X14のうち隣り合う二つのXが炭素原子の場合、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
    *、**は、イソキノリン環との結合位置を示す。
    ML’n及びML”pは、下記一般式[4]及び[5]からそれぞれ独立に選ばれる。
    Figure 2024072981000060
    前記一般式[4]及び[5]において、R31乃至R38及びR41乃至R43は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。〕
  2. 前記一般式[2]において、CY1は、前記一般式[3-1]で表され、Yは、CRR’、SiRR’、S、SO、SO2、NR、O、Seから選ばれ、前記R及び前記R’は、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ハロゲン原子からそれぞれ独立に選ばれることを特徴とする請求項1に記載の有機金属錯体。
  3. 前記一般式[1]において、Mは、Irであることを特徴とする請求項1に記載の有機金属錯体。
  4. 前記一般式[1]において、Yは、CRR’であり、前記R及び前記R’は、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、及びハロゲン原子からそれぞれ独立に選ばれることを特徴とする請求項1に記載の有機金属錯体。
  5. 前記一般式[1]において、X1乃至X14は、全て炭素原子であることを特徴とする請求項1に記載の有機金属錯体。
  6. 前記一般式[1]において、X5は、窒素原子であることを特徴とする請求項1に記載の有機金属錯体。
  7. 前記一般式[1]において、X11は、窒素原子であることを特徴とする請求項1に記載の有機金属錯体。
  8. 発光スペクトルの半値全幅は、35nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機金属錯体。
  9. 前記一般式[1]において、R11乃至R18は、水素原子、重水素原子、アリール基からそれぞれ独立に選ばれることを特徴とする請求項1に記載の有機金属錯体。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の有機金属錯体と、溶媒とを含有することを特徴とする発光性インク組成物。
  11. 第一電極と、第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に配置されている有機化合物層と、を有する有機発光素子であって、
    前記有機化合物層は、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の有機金属錯体を含有することを特徴とする有機発光素子。
  12. 前記有機化合物層は発光層を有し、前記発光層は、前記有機金属錯体と、前記有機金属錯体よりも最低励起一重項エネルギー及び最低励起三重項エネルギーが大きい第一有機化合物と、を含有することを特徴とする請求項11に記載の有機発光素子。
  13. 前記発光層は、前記第一有機化合物とは異なる第二有機化合物を含有し、前記第二有機化合物は最低励起三重項エネルギーが、前記第一有機化合物の最低励起三重項エネルギーよりも小さく、且つ前記有機金属錯体の最低励起三重項エネルギーよりも大きいことを特徴とする請求項12に記載の有機発光素子。
  14. 前記有機化合物層は、前記発光層と前記第二電極との間に、最低励起三重項エネルギーが前記発光層よりも大きい、有機化合物からなる層を有することを特徴とする請求項12に記載の有機発光素子。
  15. 前記有機化合物からなる層は、炭化水素化合物からなることを特徴とする請求項14に記載の有機発光素子。
  16. 前記有機化合物層は、前記発光層と前記第一電極との間に、最低励起三重項エネルギーが前記発光層よりも大きい、有機化合物からなる層を有することを特徴とする請求項12に記載の有機発光素子。
  17. 前記有機化合物からなる層は、炭化水素化合物からなることを特徴とする請求項16に記載の有機発光素子。
  18. 複数の画素を有し、前記複数の画素の少なくとも一つが、請求項11に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されたトランジスタと、を有することを特徴とする表示装置。
  19. 複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部と、を有し、
    前記表示部は請求項11に記載の有機発光素子を有することを特徴とする撮像装置。
  20. 請求項11に記載の有機発光素子を有する表示部と、前記表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられ、外部と通信する通信部と、を有することを特徴とする電子機器。
  21. 請求項11に記載の有機発光素子を有する光源と、前記光源が発する光を透過する光拡散部又は光学フィルタと、を有することを特徴とする照明装置。
  22. 請求項11に記載の有機発光素子を有する灯具と、前記灯具が設けられた機体と、を有することを特徴とする移動体。
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