JP2024071497A - 発泡性ウレタン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】収縮し難く、かつ燃え広がり難い性質を備えるポリウレタン発泡体を製造するための発泡性ウレタン樹脂組成物を提供することを課題とする。【解決手段】ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、室温で液状の難燃剤、整泡剤、発泡剤、及び触媒を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、前記発泡性ウレタン樹脂組成物は、樹脂微粒子含有ポリオールを含み、前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体の熱鋼球評価における鋼球の沈み込み距離が10mm以下である、発泡性ウレタン樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性ウレタン樹脂組成物に関する。
ポリウレタン発泡体は、その優れた断熱性を利用して、マンション等の集合住宅、戸建住宅、商業ビル等の建築物の天井、屋根、壁面などの断熱や結露防止に実用されている。 ポリウレタン発泡体は、軽量であるものの、有機物であるため燃えやすい。これを改善するため、難燃剤などをポリウレタン発泡体に含有させ、難燃性を高めたポリウレタン発泡体が用いられている。例えば、特許文献1では、ポリリン酸アンモニウム、ウレア誘導体、ポリオール、イソシアネートを用いて得られる難燃性ポリウレタンフォームであって、該難燃性ポリウレタンフォームが、ポリオール100重量部に対して5~150重量部の範囲のポリリン酸アンモニウム及び0.001~15重量部の範囲のウレア誘導体が用いられることで得られることを特徴とする難燃性ポリウレタンフォームが記載されている。
特開2015-151524号公報
近年、断熱材として建築物に用いられるポリウレタン発泡体に起因する火災が比較的多く報告されている。このような問題を改善するため、優れた難燃性を有するのみならず、出火した際に、燃え広がり難い性質を備えるポリウレタン発泡体の開発が期待されている。
一方で、ポリウレタン発泡体は使用環境によっては、収縮しやすいという問題点もある。収縮すると、発泡体の強度や熱伝導率などの性能に影響を及ぼし、長期的な使用が困難となる。
そこで本発明は、収縮し難く、かつ燃え広がり難い性質を備えるポリウレタン発泡体を製造するための発泡性ウレタン樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、前記ポリオール化合物が樹脂微粒子含有ポリオールを含み、熱鋼球評価において特定の値を示す発泡性ウレタン樹脂組成物により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]~[14]を提供する。
[1]ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、室温で液状の難燃剤、発泡剤、及び触媒を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、前記ポリオール化合物は、樹脂微粒子含有ポリオールを含み、前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体の下記の熱鋼球評価における鋼球の沈み込み距離が10mm以下である、発泡性ウレタン樹脂組成物。
(熱鋼球評価)
(1)ポリウレタン発泡体を各辺50mmの立方体に切り出し、試験体とする。
(2)ブンゼンバーナー(外炎長70mm)のバーナー口から30mmの地点に金網を置き、該金網上に、直径10.0mm、重量4.15gの鋼球を載せて、鋼球全体が赤色に変化するまで、少なくとも5分以上加熱し、鋼球温度を630℃とする。
(3)23℃雰囲気下にて、上記(2)で加熱した鋼球を直ちに、上記(1)の試験体の上部の中心に載せて、鋼球の沈み込みが完了するまで放置する。次いで、十分に冷却された試験体の断面を裁断して、鋼球の沈み込み距離及び溶融直径距離を測定する。
[2]前記熱鋼球評価における鋼球の沈み込み距離が5mm以下かつ溶融直径距離が15mm以下である、上記[1]に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[3]前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて、5分間加熱したときの総発熱量が8MJ/m以下である、上記[1]又は[2]に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[4]前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて、5分間加熱したときの最高発熱速度が200kW/m以下である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[5]前記樹脂微粒子含有ポリオールは、樹脂微粒子を含有するアミン系ポリエーテルポリオールである、上記[1]~[4]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[6]前記樹脂微粒子は、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、含フッ素アクリロニトリル、α-エチルアクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、アクリルモノマー類からなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[7]前記発泡性ウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物、室温で液状の難燃剤、発泡剤、及び触媒を含むポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物とを含み、前記ポリオール組成物全量基準における前記樹脂微粒子の含有量が、0.01質量%以上である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[8]前記ポリオール化合物が、フタル酸系ポリエステルポリオールを含有する、上記[1]~[7]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[9]前記フタル酸系ポリエステルポリオールと樹脂微粒子含有ポリオールの重量比(フタル酸系ポリエステルポリオール/樹脂微粒子含有ポリオール)が、95/5~55/45である、上記[8]に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[10]前記発泡剤が水を含み、前記水の含有量が、ポリオール化合物100質量部に対して1.5質量部以下である、上記[1]~[9]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[11]前記発泡剤がハイドロフルオロオレフィンを含む、上記[1]~[10]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[12]前記触媒が三量化触媒を含有する、上記[1]~[11]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[13]イソシアネートインデックスが150~700である、上記[1]~[12]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[14]無機フィラーを実質的に含有しない、上記[1]~[13]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
本発明によれば、収縮し難く、かつ火災が生じたときなどに、燃え広がり難い性質を備えるポリウレタン発泡体を形成し得る発泡性ウレタン樹脂組成物を提供することができる。
[発泡性ウレタン樹脂組成物]
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、室温で液状の難燃剤、発泡剤、及び触媒を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、前記ポリオール化合物は、樹脂微粒子含有ポリオールを含み、前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体の下記の熱鋼球評価における鋼球の沈み込み距離が10mm以下である、発泡性ウレタン樹脂組成物である。
(熱鋼球評価)
(1)ポリウレタン発泡体を各辺50mmの立方体に切り出し、試験体とする。
(2)ブンゼンバーナー(外炎長70mm)のバーナー口から30mmの地点に金網を置き、該金網上に、直径10.0mm、重量4.15gの鋼球を載せて、鋼球全体が赤色に変化するまで、少なくとも5分以上加熱し、鋼球温度を630℃とする。鋼球温度は、前記のとおり加熱した鋼球を、金網上から放射温度測定に影響のない別の台に移動させて、測定した。鋼球温度は放射温度計(キーエンス製:FT-H40K)を使用し、用いた鋼球の放射係数を0.45として、放射温度計の表示値を0.45で除した値を評価温度(630℃)とした。なお鋼球は新品のものを用いた。
(3)23℃雰囲気下にて、上記(2)で加熱した鋼球を直ちに、上記(1)の試験体の上部の中心に載せて、鋼球の沈み込みが完了するまで放置する。次いで、十分に冷却された試験体の断面を裁断して、鋼球の沈み込み距離及び溶融直径距離を測定する。
なお、本熱鋼球評価において、鋼球を加熱した後、測温するまでの時間は1秒以内であり、測温後直ちに、鋼球を試験体上に載せている。したがって、上記鋼球温度(630℃)は、試験体上に鋼球を載せるときの鋼球の温度とみなすことができる。
上記熱鋼球評価において、鋼球の直径及び重量に関して、直径が10.0±0.5mm、重量は4.15±0.3g、鋼球温度は放射温度計による測定値が600~650℃の範囲内であれば、その他の条件を上記のとおりとすることにより、同等の熱鋼球評価となるため、このような直径、重量、鋼球温度の範囲で実施してもよい。
また、外炎長とは、バーナー口の中心部から直上方向の炎の長さを意味する。
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体の熱鋼球評価における鋼球沈み込み距離及び溶融直径距離を上記した所定の範囲とすることにより、ポリウレタン発泡体が、火災などに晒された場合に燃え広がり難くすることができる。
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体は、熱鋼球評価における鋼球の沈み込み距離が10mm以下である。鋼球の沈み込み距離が10mmを超えると、ポリウレタン発泡体が、火災などに晒された場合に燃え広がりやすく、延焼を有効に防止することが困難になる。延焼を有効に防止する観点から、鋼球の沈み込み距離は、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは3mm以下、さらに好ましくは0mmである。
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体は、熱鋼球評価における溶融直径距離が15mm以下であることが好ましい。溶融直径距離が15mm以下であることにより、ポリウレタン発泡体が、火災などに晒された場合に燃え広がりにくくなり、延焼を有効に防止することができる。延焼を有効に防止する観点から、溶融直径距離は、好ましくは14mm以下であり、より好ましくは13mm以下、さらに好ましくは12mm以下である。なお、溶融直径距離は0mm以上である。
鋼球沈み込み距離及び溶融直径距離は、発泡性ウレタン樹脂組成物に含有されるポリオール化合物の種類、水の含有量などを調整することによって、所望の値に調節することができる。
熱鋼球評価において、試験体には、鋼球の沈み込みにより、試験体の上面から内部に渡って空洞が形成される。鋼球の沈み込み距離は、試験体の上面に対して垂直方向の空洞の最大距離を意味する(熱により変色はするが形状を保持している部分は対象としない)。また、溶融直径距離は、試験体の上面に、加熱された鋼球により形成された穴の直径である。なお、該穴の直径は、試験体の上面に形成された穴の形状が円形であれば、その円の直径を意味し、穴の形状が楕円形であれば、長径を意味することとする。また穴の形状が円形及び楕円形以外の形状であれば、その形状の任意の二点間の最大距離を、穴の直径とする。なお試験体が溶融せず上面に空洞が発生しなかった場合、炭化や変色した部分の直径を同様に測定する。
なお、熱鋼球評価におけるポリウレタン発泡体は、実施例にて記載する条件で作製したものを使用する。
(総発熱量)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて5分間加熱したときの総発熱量が8MJ/m以下であることが好ましい。総発熱量が8MJ/m以下であることにより、本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体は、所定の難燃性を有する。所定の難燃性を有し、かつ上記したように鋼球沈み込み距離及び溶融直径距離が一定値以下であることにより、難燃性を有し、かつ燃え広がらない性質を兼ね備えたポリウレタン発泡体となり、火災時の延焼をより有効に防止することができる。
ポリウレタン発泡体の難燃性をより向上させる観点から、上記総発熱量は、7.8MJ/m以下であることが好ましく、7.5MJ/m以下であることがより好ましい。
(最高発熱速度)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて5分間加熱したときの最高発熱速度が200kW/m以下であることが好ましい。最高発熱速度が200kW/m以下であることにより、本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体は、所定の難燃性を有する。また、最高発熱速度及び総発熱量を共に上記のとおり調整することにより、より難燃性は向上する。
所定の難燃性を有し、かつ上記したように鋼球沈み込み距離及び溶融直径距離が一定値以下であることにより、難燃性を有し、かつ燃え広がらない性質を兼ね備えたポリウレタン発泡体となり、火災時の延焼をより有効に防止することができる。
ポリウレタン発泡体の難燃性をより向上させる観点から、上記最高発熱速度は、150kW/m以下であることが好ましく、130kW/m以下であることがより好ましい。
上記総発熱量及び最高発熱速度は、コーンカロリーメーター試験により得られ、詳細には実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、上記コーンカロリーメーター試験の際、試験に供したポリウレタン発泡体がコーンカロリーメーターのスパーク点火器に接触しない程度の形状安定性を有することが好ましい。
(ポリオール化合物)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物に含まれるポリオール化合物は、樹脂微粒子含有ポリオールを含む。これにより、発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体が、使用時に収縮するのを防止しやすくなる。またコーンカロリー試験に対しても、膨張を抑制しやすくなり、高温時の寸法安定性が高くなる。この理由は定かではないが、樹脂微粒子含有ポリオールを用いることにより、発泡体中の連続気泡の割合が増加するためではないかと推察される。なお、SEMにて発泡体を観察すると、微粒子により破壊されたと思われる穴を確認することができる。
樹脂微粒子としては、特に限定されないが、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、含フッ素アクリロニトリル、α-エチルアクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、アクリルモノマー類からなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体であることが好ましい。これらの中でも、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、スチレン、及び含フッ素アクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーの重合体であることが好ましく、アクリロニトリルの重合体が好ましい。
アクリルモノマー類は、(メタ)アクリレートなどが挙げられ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。これ以外にも、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有の(メタ)アクリレートなども用いることができる。さらに、アクリルモノマー類としては、含フッ素系のモノマーであってもよい。含フッ素系のモノマーとしては、例えば、上記アルキル(メタ)アクリレートや水酸基含有(メタ)アクリレートなどのモノマーであって、モノマーを構成する1又は2以上の水素原子がフッ素原子に置換されたモノマーが挙げられる。
なお、アクリレート及びメタクリレートの一方又は両方を、(メタ)アクリレートと総称する。
ポリオール組成物全量基準における前記樹脂微粒子の含有量は、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上である。樹脂微粒子の含有量が、これら下限値以上であるとポリウレタン発泡体の収縮を抑えやすくなる。ポリオール組成物全量基準における前記樹脂微粒子の含有量は、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。
なお、本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、好ましくは、ポリオール化合物、室温で液状の難燃剤、発泡剤、及び触媒を含むポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物とを含み、該ポリオール組成物及びポリイソシアネート化合物とを混合して製造される。
ポリオール化合物全量基準における、樹脂微粒子含有ポリオールの含有量は、好ましくは3~40質量%であり、より好ましくは4~35質量%であり、さらに好ましくは5~30質量%であり、さらに好ましくは8~30質量%である。樹脂微粒子含有ポリオールの含有量がこれら下限値以上であると、ポリウレタン発泡体の収縮を抑えやすくなり、これら上限値以下であると、ポリウレタン発泡体の燃え広がらない性質を高めやすくなる。
樹脂微粒子を含有するポリオールの種類としては、特に制限されず、例えば、後述するポリオールを使用することができる。中でも、ポリウレタン発泡体の収縮を抑えつつ、適度な反応性を得る観点から、樹脂微粒子含有ポリオールとしては、樹脂微粒子を含有するポリエーテルポリオールが好ましく、中でも樹脂微粒子を含有するアミン系ポリエーテルポリオールがより好ましい。該アミン系ポリエーテルポリオールとしては、例えば、後述するトリレンジアミン系ポリエーテルポリオール(TDA系ポリエーテルポリオール)、マンニッヒ系ポリエーテルポリオールなどが好ましい。
また、同様の観点から、樹脂微粒子を含有するポリエーテルポリオールの水酸基価は、好ましくは250~550mgKOH/g、より好ましくは300~500mgKOH/gである。さらに、樹脂微粒子を含有するポリエーテルポリオールの官能基数(水酸基の数)は2~4が好ましい。
なお、水酸基価は、JIS K1557-1:2007に準拠して測定される値である。
樹脂微粒子含有ポリオールは、公知の方法により製造することができる。例えば塊状重合法や溶液重合法などにより製造した樹脂を粉砕して微粒子化し、必要に応じて分級して得られた樹脂微粉末をポリオールに添加混合する方法、エマルジョン重合法により得られた樹脂微粒子を含むエマルジョンをそのまま添加する方法、ポリオールにモノマーを溶解ないし分散し、AIBNやBPO等のラジカル重合開始剤を添加して加熱し、重合させて樹脂微粒子含有ポリオールとする方法などが例示される。これらの中でもポリオール中にて重合して樹脂微粒子を形成する方法が、長期間放置しても粒子が沈降しにくく、安定なポリオール組成物が得られることから、最も好ましい。
以下、ポリエーテルポリオールについて説明するが、これらポリエーテルポリオールは、上記した樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオールにおけるポリエーテルポリオールであってもよいし、樹脂微粒子を含有しないポリエーテルポリオールであってもよい。
<ポリエーテルポリオール>
ポリエーテルポリオールは、2個以上の活性水素原子を有する開始剤に、アルキレンオキサイドを開環付加重合させて得られたポリオキシアルキレンポリオールである。開始剤としては、具体的には例えば、脂肪族多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどのグリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリンなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどの4官能アルコール類、シュクロース類、ソルビトール類などの糖類)、脂肪族アミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ネオペンチルジアミンなどのアルキレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン)、芳香族アミン(例えば、アニリン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、マンニッヒ縮合物など)などが挙げられ、これらはそれぞれ1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリウレタン発泡体の難燃性を高める観点から、トリレンジアミン系ポリエーテルポリオール、マンニッヒ系ポリエーテルポリオールなどのアミン系ポリエーテルポリオール、シュクロース系ポリエーテルポリオール、ソルビトール系ポリエーテルポリオールが好ましい。
なお、上記トリレンジアミン系ポリエーテルポリオールとは、開始剤としてトリレンジアミンを用いて得られたポリエーテルポリオールのことである。シュクロース系ポリエーテルポリオール、ソルビトール系ポリエーテルポリオールも同様である。
上記マンニッヒ系ポリエーテルポリオールとは、マンニッヒ反応を利用して得られるものであって、分子内に2個以上の水酸基を有するマンニッヒ縮合物、又はそのようなマンニッヒ縮合物に、アルキレンオキサイドを付加させたポリエーテルポリオールである。より具体的には、フェノール及びそのアルキル置換誘導体の少なくともいずれか、ホルムアルデヒド及びアルカノールアミンのマンニッヒ反応により得られたマンニッヒ縮合物、又はこの化合物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオールである。
ポリエーテルポリオールの水酸基価は、200~1,000mgKOH/gであることが好ましく、300~600mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基価は、JIS K1557-1:2007に準拠して測定される値である。
<ポリエステルポリオール>
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物に含まれるポリオール化合物は、ポリエステルポリオールを含有することが好ましい。
ポリエステルポリオールは、芳香族ポリエステルポリオールおよび脂肪族ポリエステルポリオールなどが挙げられるが、得られるポリウレタン発泡体の難燃性を考慮した場合、芳香族ポリエステルポリオールを使用することが好ましい。芳香族ポリエステルポリオールは、o-フタル酸(フタル酸)、m-フタル酸(イソフタル酸)、p-フタル酸(テレフタル酸)、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸とグリコールの縮合物であることが好ましい。中でも、ポリウレタン発泡体の難燃性を高める観点、上記した鋼球沈み込み距離及び溶融直径距離の値を小さくし、燃え広がらない性能を高める観点から、ポリオール化合物は、フタル酸とグリコールとの縮合物である、フタル酸系ポリエステルポリオールを含むことが好ましく、p-フタル酸とグリコールの縮合物である、p-フタル酸系ポリエステルポリオールを含むことがより好ましい。
グリコールとしては、特に限定されるものではないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のポリエステルポリオールの構成成分として公知の低分子量脂肪族グリコールを使用することが好ましい。
上記した鋼球沈み込み距離及び溶融直径距離の値を小さくし、燃え広がらない性能を高める観点から、ポリオール成分全量基準における、フタル酸系ポリエステルポリオールの含有量は、好ましくは60~97質量%であり、より好ましくは65~95質量%である。
本発明において、収縮し難く、かつ燃え広がり難いポリウレタン発泡体を得る観点から、発泡性ウレタン樹脂組成物に含有されるポリオール化合物は、樹脂微粒子含有ポリオール及びフタル酸系ポリエステルポリオールを含むことが好ましい。ここで、フタル酸系ポリエステルポリオールと樹脂微粒子含有ポリオールの重量比(フタル酸系ポリエステルポリオール/樹脂微粒子含有ポリオール)は、95/5~55/45であることが好ましく、90/10~60/40であることがより好ましい。
ポリエステルポリオールの水酸基価は、特に制限されないが、ポリウレタン発泡体の燃え広がらない性質を高める観点から、100~400mgKOH/gであることが好ましく、150~350mgKOH/gであることがより好ましい。
(ポリイソシアネート化合物)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物に含有されるポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2個以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系などの各種ポリイソシアネート化合物を用いることができる。好ましくは、取扱の容易さ、反応の速さ、得られるポリウレタン発泡体の物理特性が優れていること、および低コストであることなどから、液状ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を用いることが好ましい。液状MDIとしては、クルードMDI(ポリメリックMDIともいう)が挙げられる。液状MDIの具体的な市販品としては、「44V-10」,「44V-20」(住化コベストロウレタン株式会社製)、「ミリオネートMR-200」(日本ポリウレタン工業)などが挙げられる。また、ウレトンイミン含有MDI(例えば、市販品として「ミリオネートMTL」:日本ポリウレタン工業製)などでもよい。液状MDIに加えて、他のポリイソシアネート化合物を併用してもよく、併用するポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの技術分野において公知のポリイソシアネート化合物は限定なく使用可能である。
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物のイソシアネートインデックスの範囲は、好ましくは150~700であり、より好ましくは200~650であり、さらに好ましくは250~600である。イソシアネートインデックスがこのような範囲であると、上記した熱鋼球評価における鋼球の沈み込み距離及び溶融直径距離を所望の範囲に調整しやすくなる。
イソシアネートインデックス(INDEX)は、以下の方法にて算出される。
INDEX=イソシアネートの当量数÷(ポリオールの当量数+水の当量数)×100
ここで、
イソシアネートの当量数=ポリイソシアネートの使用部数×NCO含有率(%)×100/NCO分子量
ポリオールの当量数=OHV×ポリオールの使用部数÷KOHの分子量、OHVはポリオールの水酸基価(mgKOH/g)、
水の当量数=水の使用部数×水のOH基の数/水の分子量
である。なお上記式において、使用部数の単位は重量(g)であり、NCO基の分子量は42、NCO含有率はポリイソシアネート化合物中のNCO基の割合を質量%で表したものであり、上記式の単位換算の都合上KOHの分子量は56,100とし、水の分子量は18、水のOH基の数は2とする。
(液状の難燃剤)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物には、室温で液状の難燃剤を含有する。ここで室温とは23℃を意味することとする。液体の難燃剤を含有することにより、上記した鋼球沈み込み距離及び溶融直径距離を所望の範囲に調整しやすくなり、かつ液体であることにより、発泡性ウレタン樹脂組成物の使用時に用いる機具などの摩耗を抑制することができる。
液体の難燃剤として、例えば、モノリン酸エステル、縮合リン酸エステル等のリン酸エステル系難燃剤が挙げられる。
モノリン酸エステルとしては、特に限定されないが、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェートなどが挙げられる。
縮合リン酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(商品名CR-733S)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名CR-741)、芳香族縮合リン酸エステル(商品名CR747)などが挙げられる。
液状の難燃剤の含有量は、ポリオール化合物100質量部に対して5~100質量部であることが好ましく、10~80質量部であることがより好ましく、20~70質量部であることがさらに好ましい。
(整泡剤)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、必要に応じて整泡剤を含有する。整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン整泡剤等の界面活性剤等が挙げられるが、分子内に極性部分と非極性部分を有するような構造をもっていれば界面活性効果が得られるため、上記種類に捕らわれることはない。また、シリコーン整泡剤としては、ポリジメチルシロキサンとポリエチレングリコールのグラフト共重合体を含むものでもよい。
整泡剤の含有量は、ポリオール化合物100質量部に対して0.01~10質量部であることが好ましく、0.1~8質量部であることがより好ましく、0.5~5質量部であることがさらに好ましい。整泡剤は一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
(発泡剤)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、発泡剤を含有する。発泡剤の具体例としては、例えば、水、低沸点の炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素化合物、フッ素化合物、ハイドロクロロフルオロカーボン化合物、ハイドロフルオロカーボン、エーテル化合物、ハイドロフルオロオレフィンなどが挙げられる。さらに、発泡剤としては、これらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
上記低沸点の炭化水素としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等が挙げられる。
上記塩素化脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等が挙げられる。
上記フッ素化合物としては、例えば、CHF3、CH22、CH3F等が挙げられる。
上記ハイドロクロロフルオロカーボン化合物としては、例えば、トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン、ジクロロモノフルオロエタン(例えば、HCFC141b(1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン)、HCFC22 (クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン))等が挙げられる。
上記ハイドロフルオロカーボンとしては、HFC-245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン)、HFC-365mfc(1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン)等が挙げられる。
上記エーテル化合物としては、例えば、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。
上記ハイドロフルオロオレフィンとしては、例えば、HFO-1233zd(E)(トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン)、HFO-1234yf(2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン)、HFO-1336mzz(Z)(シス―1,1,1,4,4,4、-ヘキサフルオロブタ-2-エン)等が挙げられる。
本発明においては、発泡剤は水を含むことが好ましく、より詳細には、上記した低沸点の炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素化合物、フッ素化合物、ハイドロクロロフルオロカーボン化合物、ハイドロフルオロカーボン、エーテル化合物、及びハイドロフルオロオレフィンから選択される少なくともいずれかの化合物と水を併用した発泡剤が好ましい。水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水などを適宜用いることができる。ポリオール化合物100質量部に対する水の量は、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、そして好ましくは2.0質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下であり、さらに好ましくは1.1質量部以下である。水の含有量がこれら下限値以上であると、発泡性ウレタン樹脂組成物を発泡させやすくなり、密度を所望の範囲に調整しやすくなる。また、水の含有量がこれら上限値以下であると、ポリウレタン発泡体の熱鋼球評価における鋼球の沈み込み距離及び溶融直径距離を上記した所望の範囲に調整しやすくなる。
本発明においては、発泡剤はハイドロフルオロオレフィンを含有することが好ましく、ハイドロフルオロオレフィンと上記した水とを共に含有することがより好ましい。ポリオール化合物100質量部に対するハイドロフルオロオレフィンの量は、10~60質量部が好ましく、15~50質量部がより好ましく、25~45質量部がさらに好ましい。
(触媒)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、触媒を含有する。触媒は、例えばウレタン化触媒及び三量化触媒の一方又は両方を含有してもよく、両方を含有することが好ましい。なお、発泡性ウレタン樹脂組成物に含まれる触媒は、本発明における無機フィラーに該当しないものとする。
ウレタン化触媒は、ポリオール成分とポリイソシアネートとの反応を促進させる触媒である。具体的には、アミノ化合物、錫化合物、ビスマス化合物、アセチルアセトン金属塩が挙げられる。
前記アミノ化合物としては、例えば、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリンビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’-トリメチルアミノエチル-エタノールアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N-メチル-N’,N’-ジメチルアミノエチルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、ジアザビシクロウンデセン、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、1-メチルイミダゾール、トリメチルアミノエチルピペラジン、トリプロピルアミン等が挙げられる。
また、錫化合物としては、例えば、オクチル酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。ビスマス化合物としては、ネオデカン酸ビスマス、オクチル酸ビスマスなどが挙げられる。
アセチルアセトン金属塩としては、例えば、アセチルアセトンアルミニウム、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンベリリウム、アセチルアセトンクロム、アセチルアセトンインジウム、アセチルアセトンマンガン、アセチルアセトンモリブデン、アセチルアセトンチタン、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトンバナジウム、アセチルアセトンジルコニウム等が挙げられる。
ウレタン化触媒は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
発泡性ウレタン樹脂組成物におけるウレタン化触媒の配合量に特に限定はないが、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.3~10質量部の範囲であることが好ましく、0.5~8質量部の範囲であることがより好ましく、1~5質量部の範囲であることが更に好ましい。上記範囲内とすることで、適度な反応速度で、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応を促進できる。なお、ウレタン樹脂100質量部とは、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物の合計100質量部を意味する。
三量化触媒は、イソシアヌレート結合を形成する三量化を促進する触媒である。ポリウレタン樹脂は、三量化が促進されることで、ポリウレタンフォームの難燃性が向上する。
三量化触媒としては、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4-ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン等の芳香族化合物、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、2-エチルヘキサン酸カリウム、2-エチルヘキサン酸ナトリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩、2-エチルアジリジン等のアジリジン類、ナフテン酸鉛、オクチル酸鉛等の鉛化合物、ナトリウムメトキシド等のアルコラート化合物、カリウムフェノキシド等のフェノラート化合物、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の3級アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等を使用することができる。
三量化触媒は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
三量化触媒の配合量は特に限定されないが,ウレタン樹脂100質量部に対して、0.3~10質量部の範囲であることが好ましく、0.5~8質量部の範囲であることがより好ましく、0.8~5質量部の範囲であることが更に好ましい。三量化触媒の量を上記範囲内とすることで、イソシアヌレート結合が適度に形成され、難燃性が向上する。
また、触媒の合計量は、ウレタンの硬化速度や難燃性を向上させる観点から、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.5~20質量部が好ましく、1~16質量部がより好ましく、2~10質量部がさらに好ましい。
なお、これら三量化触媒及びウレタン化触媒は、本発明における後述する無機フィラーに該当するものではない。
発泡性ウレタン樹脂組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、添加剤として、例えば、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、熱・光安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等を含むことができる。
(無機フィラー)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、無機フィラーを実質的に含有しないことが好ましい。無機フィラーを実質的に含有しないことにより、保管時に沈殿物が生じ難く、取り扱い性に優れ、かつ使用時に用いる機具などの摩耗を抑制することができる発泡性ウレタン樹脂組成物を提供することができる。
ここで、無機フィラーを実質的に含有しないとは、発泡性ウレタン樹脂組成物全量基準において、無機フィラーの含有量が、5質量%以下、好ましくは1質量%以下であることを意味する。
なお、無機フィラーとは、粒子状又は繊維状などの無機系の化合物であり、例えば、金属、金属酸化物、金属水酸化物、セラミックなどが挙げられ、固体難燃剤、固体難燃剤以外の無機充填剤などが例示される。
上記固体難燃剤は、23℃において固体状の難燃剤であり、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸塩、ピロアンチモン酸塩等のアンチモン含有難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物系難燃剤、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ素含有難燃剤、ホスフィン酸系難燃剤、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、赤燐などが挙げられる。
また、固体難燃剤以外の無機充填剤としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカパルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素パルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムポレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とが反応して硬化するため、その粘度は時間と共に変化する。そこで発泡性ウレタン樹脂組成物を使用する前は、発泡性ウレタン樹脂組成物を二以上に分割して、発泡性ウレタン樹脂組成物が反応して硬化することを防止しておく。そして発泡性ウレタン樹脂組成物を使用する際に、二以上に分割しておいた発泡性ウレタン樹脂組成物を一つにまとめることが好ましい。
なお発泡性ウレタン樹脂組成物を二以上に分割するときは、二以上に分割された発泡性ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分単独では硬化が始まらず、発泡性ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分を混合した後に硬化反応が始まるようにそれぞれの成分を分割すればよい。通常、発泡性ウレタン樹脂組成物を、ポリオール化合物を含有するポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物を含有するポリイソシアネート組成物とに分割する。
上記した室温で液状の難燃剤、発泡剤、触媒、及び必要に応じて配合される整泡剤は、ポリオール組成物に含有されていてもよいし、ポリイソシアネート組成物に含有されていてもよいし、ポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物とは別に提供されてもよいが、ポリオール組成物に含有されることが好ましい。
発泡性ウレタン樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、予め混練して調製されたポリオール組成物、及びポリイソシアネート組成物を作製しておき、両者を混合する方法、発泡性ウレタン樹脂組成物を構成する各成分を混練する方法などが挙げられるが、通常は、ポリオール組成物、及びポリイソシアネート組成物を混合することにより製造される。各成分の混合は、公知の方法により行うことができ、例えば、高圧発泡機、低圧発泡機、吹付け発泡機及びハンドミキサー等の公知の装置を用いることにより得ることができる。
(ポリオール組成物の粘度)
ポリオール組成物の20℃における粘度は、特に限定されないが、2,000mPa・s以下であることが好ましく、1,000mPa・s以下であることが好ましい。ポリオール液剤の粘度を上記上限値以下とすることで、発泡性ウレタン樹脂組成物の流動性も良好となり、混合不良などを抑制することができる。ポリオール組成物の粘度は、例えば使用するポリオール化合物の分子量などにより適宜調整できる。なお、ポリオール組成物の粘度は、B型粘度計を使用し、温度20℃にて測定したものである。
(用途)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物の用途は特に限定されないが、建築物、家具、自動車、電車、船等の構造物などの空洞に充填する用途に用いたり、該構造物に対して吹き付ける用途に用いたりすることができる。中でも、構造物に対して吹き付ける用途、すなわち、吹き付け用の発泡性ウレタン樹脂組成物として用いることが好ましい。
吹き付けは、吹き付け装置(例えばGRACO社製:A-25)及びスプレーガン(例えばガスマー社製:Dガン)を利用して実施することができる。一般的な吹き付け装置及びスプレーガンは、発泡原液のイソシアネートとポリオールの容量比を均等に反応させて吹付けるので、発泡原液は容量比でイソシアネートが1.0に対し、ポリオールが0.8~1.2の範囲で反応させることができる。吹き付けは、別容器に入ったポリオール組成物とポリイソシアネート組成物を吹き付け装置内で温度調整し、スプレーガンの先端で両者を衝突混合させ、混合液をエア圧によりミスト化することで実施できる。吹き付け装置及びスプレーガンは公知であり、市販品を使用することができる。
[ポリウレタン発泡体]
本発明のポリウレタン発泡体は、上記した発泡性ウレタン樹脂組成物から形成されてなるものであり、具体的には、発泡性ウレタン樹脂組成物を発泡及び硬化させて得られるものである。
ポリウレタン発泡体は、熱鋼球評価における鋼球の沈み込み距離が10mm以下である。鋼球の沈み込み距離が10mmを超えると、ポリウレタン発泡体が、火災などに晒された場合に燃え広がりやすく、延焼を有効に防止することが困難になる。延焼を有効に防止する観点から、鋼球の沈み込み距離は、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは3mm以下であり、さらに好ましくは2mm以下、よりさらに好ましくは0mmである。なお、鋼球の沈み込み距離は0mm以上である。鋼球沈み込み距離の評価方法については上記したとおりである。
ポリウレタン発泡体は、熱鋼球評価における溶融直径距離が15mm以下であることが好ましい。溶融直径距離が15mmを超えると、ポリウレタン発泡体が、火災などに晒された場合に燃え広がりやすく、延焼を有効に防止することが困難になる。延焼を有効に防止する観点から、溶融直径距離は、好ましくは14mm以下であり、より好ましくは13mm以下、さらに好ましくは12mm以下である。なお、溶融直径距離は0mm以上である。
ところで、ポリウレタン発泡体に起因する火災は、溶接・溶断時の火花や火球(高温に熱された鉄の塊)によるところが大きい。本発明者らの知見によれば、特に火球はポリウレタン発泡体に接触すると、樹脂を溶かしながら内部に進行し、その結果、ポリウレタン発泡体の内部から発火・延焼をさせる危険性があることが判明した。上記熱鋼球評価は、溶接・溶断時のポリウレタン発泡体起因の火災を再現・評価したものであり、ポリウレタン発泡体が燃え広がり難いかどうかを評価することができる。
ポリウレタン発泡体の密度は、特に限定されないが、20~200kg/mの範囲であることが好ましい。密度を200kg/m以下とすることで、ポリウレタン発泡体が軽量となり、構造物への施工性が高まる。また、20kg/m以上とすることで、所望の難燃性を発現しやすくなる。これら観点から、ポリウレタン発泡体の密度は、25~100kg/mの範囲であることがより好ましく、25~80kg/mの範囲であることがさらに好ましい。ポリウレタン発泡体の密度は、JIS K7222に準拠して測定できる。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
各実施例及び比較例において使用した各成分の詳細は次の通りである。
(1)ポリオール化合物
(i)樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオール
・樹脂微粒子含有PPG1(水酸基価=315mgKOH/g) 樹脂微粒子はアクリロニトリルの重合体、ポリエーテルポリオールの種類はマンニッヒ系ポリエーテルポリオール、微粒子0.5~1.2wt%
・樹脂微粒子含有PPG2(水酸基価=385mgKOH/g) 樹脂微粒子はアクリロニトリルの重合体、ポリエーテルポリオールの種類はTDA系ポリエーテルポリオール、微粒子0.5~1.2wt%
なお、樹脂微粒子含有PPG1及びPPG2における樹脂微粒子の含有量は、それぞれ上記のとおり0.5~1.2wt%であったが、表1には1.0wt%と表示した。
(ii)樹脂微粒子を含有しないポリエーテルポリオール
・シュクロース系ポリエーテルポリオール(三井化学社製、製品名:GR84、水酸基価=450mgKOH/g)
・ソルビトール系ポリエーテルポリオール(三井化学社製、製品名:アクトコールSOR400、水酸基価=400mgKOH/g)
・エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール(AGC株式会社製、製品名:エクセノール750ED、水酸基価=760mgKOH/g)
(iii)ポリエステルポリオール
・p-フタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成社製、製品名:RFK-505、水酸基価=250mgKOH/g)
(2)液状の難燃剤
・リン酸エステル系難燃剤<トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート>、(大八化学社製、製品名:TMCPP)
(3)整泡剤
・シリコーン系整泡剤(東レダウコーニング社製、製品名:SH-193)
(4)触媒
(i)三量化触媒
・4級アンモニウム塩(エボニックジャパン社製、製品名:TMR-7)
(ii)ウレタン化触媒
・イミダゾール化合物、(花王社製、製品名:KL No.390)
・ビスマス化合物、(日東化成社製、製品名:ネオスタンU-600)
(5)発泡剤
・水
・HFO-1233zd<ハイドロフルオロオレフィン>(ハネウェル製、製品名:ソルスティスLBA)
(6)ポリイソシアネート化合物
・MDI(住化コベストロウレタン(株)製、製品名:44V-20)
各物性及び性状の測定方法は、以下のとおりである。
[熱鋼球評価]
各実施例及び比較例で作製したポリウレタン発泡体について、以下(1)~(3)の手順で、鋼球の沈み込み距離及び溶融直径距離を測定した。
(1)ポリウレタン発泡体を各辺50mmの立方体に切り出し、試験体とした。
(2)ブンゼンバーナー(外炎長70mm)のバーナー口から30mmの地点に金網を置き、該金網上に、直径10.0mm、重量4.15gの鋼球(SUS304)を載せて、鋼球全体が赤色に変化するまで、7分間加熱し、鋼球温度を630℃とした。鋼球温度は、前記のとおり加熱した鋼球を、金網上から放射温度測定に影響のない別の台に移動させて、測定した。鋼球温度は、放射温度計(キーエンス製:FT-H40K)を使用し、用いた鋼球の放射係数を0.45として測定して、放射温度計の表示値を0.45で除した値を評価温度(630℃)とした。なお鋼球は新品のものを用いた。
(3)23℃雰囲気下にて、上記(2)で加熱した鋼球を直ちに、上記(1)の試験体の上部の中心に載せて、鋼球の沈み込みが完了するまで放置した。次いで、23℃で30分放置することにより十分に冷却された試験体の断面を裁断して、鋼球の沈み込み距離及び溶融直径距離を測定した。
得られた鋼球の沈み込み距離及び溶融直径距離から、下記のとおり、燃え広がらない性質の良し悪しを判断した。
≪熱鋼球評価基準≫
〇・・鋼球の沈み込み距離が5mm以下であり、かつ溶融直径距離が15mm以下
△・・鋼球の沈み込み距離が5mm以下であり、かつ溶融直径距離が15mm超
×・・上記「〇」、「△」以外の場合
[最高発熱速度、総発熱量]
各実施例及び比較例で作製したポリウレタン発泡体の最高発熱速度、総発熱量は、以下の方法により評価した。ポリプロピレンビーカー内に、表1に示す配合でポリオール化合物、液状難燃剤、整泡剤、触媒、発泡剤を混合して得た混合物とポリイソシアネート化合物を(合計量は200g、液温は10℃)を投入しラボディスパーで3秒間攪拌する。その後直ちに厚さ12.5mmの石膏ボード上に散布しポリウレタン発泡体を得る。石膏ボードを下地として接着したポリウレタン発泡体を縦10cm、横10cmおよび厚み3.25cm(内石膏ボード12.5mm)に切断して、コーンカロリーメーター試験用サンプルを準備し、以下の通りコーンカロリーメーター試験を行った。該試験用サンプルを、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて5分間加熱したときの最高発熱速度及び総発熱量を測定した。なお、ポリウレタン発泡体の作製方法は上記方法以外に、吹付け装置及びスプレーガンを利用して、発泡性ウレタン樹脂組成物を構造物に吹き付ける方法で行っても同様の数値が得られた。
[収縮の評価]
各実施例及び比較例で得られたポリウレタン発泡体を、縦10cm、横10cm、厚さ7cmに加工し、これを40℃、RH95%の条件で3日間保管した。
以下の式により、縦横のそれぞれの長さの保持率を求めこれらを平均して形状保持率とした。形状保持率100%の場合は、全く収縮していないことを意味する。
保持率=100×(3日間保管後の一辺の長さ)/(保管前の一辺の長さ)。
〇・・形状保持率が95%以上100%以下
×・・95%未満
[実施例1]
表1の配合に従い、ポリオール化合物、液状の難燃剤、整泡剤、触媒、発泡剤を1000mLポリプロピレンビーカーに計りとり、20℃、10秒間ハンドミキサーで攪拌しポリオール組成物を作製した。その後10℃に冷却した該ポリオール組成物に対して同じく10℃に温調したポリイソシアネート組成物(ポリイソシアネート化合物)を加えて発泡性ウレタン樹脂組成物とし、該組成物をラボディスパーで3秒間攪拌し、ポリウレタン発泡体を作製した。該ポリウレタン発泡体を用いて、上記した熱鋼球評価を行った。また、最高発熱速度、総発熱量、形状保持率についても、上記した手順で評価した。各種評価結果を表1に示した。
[実施例2~5、比較例1~5]
配合を表1のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン発泡体を得た。該ポリウレタン発泡体を用いて、上記した熱鋼球評価を行った。また、最高発熱速度、総発熱量、形状保持率についても、上記した手順で評価した。各種評価結果を表1に示した。
各実施例で示されているように、本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物により形成されたポリウレタン発泡体は、鋼球沈み込み距離及び溶融直径距離が短いことより、燃え広がり難い性質を備えていることが分かった。さらに、本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物により形成されたポリウレタン発泡体は、収縮し難いことが分かった。すなわち、燃え広がり難い性質と、収縮し難い性質を共に有するポリウレタン発泡体が得られた。
これに対して、比較例の発泡性ウレタン樹脂組成物により形成されたポリウレタン発泡体は、樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオールを含有しておらず、収縮し易いことが分かった。

Claims (14)

  1. ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、室温で液状の難燃剤、発泡剤、及び触媒を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、
    前記ポリオール化合物は、樹脂微粒子含有ポリオールを含み、
    前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体の下記の熱鋼球評価における鋼球の沈み込み距離が10mm以下である、発泡性ウレタン樹脂組成物。
    (熱鋼球評価)
    (1)ポリウレタン発泡体を各辺50mmの立方体に切り出し、試験体とする。
    (2)ブンゼンバーナー(外炎長70mm)のバーナー口から30mmの地点に金網を置き、該金網上に、直径10.0mm、重量4.15gの鋼球を載せて、鋼球全体が赤色に変化するまで、少なくとも5分以上加熱し、鋼球温度を630℃とする。
    (3)23℃雰囲気下にて、上記(2)で加熱した鋼球を直ちに、上記(1)の試験体の上部の中心に載せて、鋼球の沈み込みが完了するまで放置する。次いで、十分に冷却された試験体の断面を裁断して、鋼球の沈み込み距離及び溶融直径距離を測定する。
  2. 前記熱鋼球評価における鋼球の沈み込み距離が5mm以下かつ溶融直径距離が15mm以下である、請求項1に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  3. 前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて、5分間加熱したときの総発熱量が8MJ/m以下である、請求項1又は2に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  4. 前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて、5分間加熱したときの最高発熱速度が200kW/m以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  5. 前記樹脂微粒子含有ポリオールは、樹脂微粒子を含有するアミン系ポリエーテルポリオールである、請求項1~4のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  6. 前記樹脂微粒子は、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、含フッ素アクリロニトリル、α-エチルアクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、アクリルモノマー類からなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体である、請求項1~5のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  7. 前記発泡性ウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物、室温で液状の難燃剤、発泡剤、及び触媒を含むポリオール組成物とポリイソシアネート化合物とを含み、
    前記ポリオール組成物全量基準における前記樹脂微粒子の含有量が、0.01質量%以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  8. 前記ポリオール化合物が、フタル酸系ポリエステルポリオールを含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  9. 前記フタル酸系ポリエステルポリオールと樹脂微粒子含有ポリオールの重量比(フタル酸系ポリエステルポリオール/樹脂微粒子含有ポリオール)が、95/5~55/45である、請求項8に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  10. 前記発泡剤が水を含み、前記水の含有量が、ポリオール化合物100質量部に対して1.5質量部以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  11. 前記発泡剤がハイドロフルオロオレフィンを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  12. 前記触媒が三量化触媒を含有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  13. イソシアネートインデックスが150~700である、請求項1~12のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  14. 無機フィラーを実質的に含有しない、請求項1~13のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
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