JP2022035857A - 発泡性ウレタン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機フィラーを実質的に含有せずに、燃え広がり難い性質を備えるポリウレタン発泡体を製造するための発泡性ウレタン樹脂組成物を提供することを課題とする。【解決手段】フタル酸系ポリエステルポリオールを含有するポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、室温で液状の難燃剤、発泡剤、及び触媒を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、前記発泡性ウレタン樹脂組成物は、実質的に無機フィラーを含有していなく、吹き付け用途に用いられる、発泡性ウレタン樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性ウレタン樹脂組成物に関する。
ポリウレタン発泡体は、その優れた断熱性を利用して、マンション等の集合住宅、戸建住宅、商業ビル等の建築物の天井、屋根、壁面などの断熱や結露防止に実用されている。 ポリウレタン発泡体は、軽量であるものの、有機物であるため燃えやすい。これを改善するため、難燃剤などをポリウレタン発泡体に含有させ、難燃性を高めたポリウレタン発泡体が用いられている。例えば、特許文献1では、ポリリン酸アンモニウム、ウレア誘導体、ポリオール、イソシアネートを用いて得られる難燃性ポリウレタンフォームであって、該難燃性ポリウレタンフォームが、ポリオール100重量部に対して5~150重量部の範囲のポリリン酸アンモニウム及び0.001~15重量部の範囲のウレア誘導体が用いられることで得られることを特徴とする難燃性ポリウレタンフォームが記載されている。
特開2015-151524号公報
近年、断熱材として建築物に用いられるポリウレタン発泡体に起因する火災が比較的多く報告されている。このような問題を改善するため、優れた難燃性を有するのみならず、出火した際に、燃え広がり難い性質を備えるポリウレタン発泡体の開発が期待されている。
一方で、例えば、固体難燃剤などの無機フィラーを多く配合させることにより、ポリウレタン発泡体に燃え広がり難い性質を付与できることが期待されるが、無機フィラーを配合すると、ポリウレタン発泡体を製造するための発泡性ウレタン樹脂組成物の保管時において沈殿物が生じて取り扱い性が悪化したり、あるいは、発泡性ウレタン樹脂組成物を吹き付けて使用する際に用いる装置が摩耗し易くなったりするなどの不具合が生じる。
そこで本発明は、無機フィラーを実質的に含有せず、難燃性が良好であり、かつ燃え広がり難い性質を備えるポリウレタン発泡体を製造するための発泡性ウレタン樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、フタル酸系ポリエステルポリオールを含有するポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、室温で液状の難燃剤、発泡剤、及び触媒を含み、かつ無機フィラーを実質的に含有しない発泡性ウレタン樹脂組成物であることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]~[11]を提供する。
[1]フタル酸系ポリエステルポリオールを含有するポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、室温で液状の難燃剤、発泡剤、及び触媒を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、前記発泡性ウレタン樹脂組成物は、実質的に無機フィラーを含有していなく、吹き付け用途に用いられる、発泡性ウレタン樹脂組成物。
[2]前記触媒がウレタン化触媒及び三量化触媒を含み、前記発泡性ウレタン樹脂組成物中の前記ウレタン化触媒の配合量は、ポリオール化合物100質量部に対して、0.3~22質量部であり、前記発泡性ウレタン樹脂組成物中の前記三量化触媒の配合量は、ポリオール化合物100質量部に対して、0.3~15質量部である、[1]に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[3]前記ウレタン化触媒と前記三量化触媒との配合量比は、10:1~1:10である、[2]に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[4]前記ウレタン化触媒は、ビスマス系触媒を含有する、[2]又は[3]に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[5]前記ウレタン化触媒は、イミダゾール系触媒を含有する、[2]~[4]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[6]前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて、5分間加熱したときの総発熱量が8MJ/m以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[7]前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて、5分間加熱したときの最高発熱速度が120kW/m以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[8]前記ポリオール化合物が、ポリエーテル系ポリオール及びフタル酸系ポリエステルポリオールを含み、フタル酸系ポリエステルポリオールの含有量が、ポリオール化合物全量基準で50質量%以上である、[1]~[7]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[9]前記発泡剤が水を含み、前記水の含有量は、前記ポリオール化合物100質量部に対して1.5質量部以下である、[1]~[8]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[10]前記発泡剤がハイドロフルオロオレフィンを含有する、[1]~[9]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[11]イソシアネートインデックスが150~700である、[1]~[10]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
本発明によれば、保管時に沈殿物が生じ難く、取り扱い性に優れ、かつ使用時に用いる吹き付け装置などの摩耗を抑制することができる発泡性ウレタン樹脂組成物を提供することができる。これに加えて、該発泡性ウレタン樹脂組成物は、難燃性が良好であり、かつ火災が生じたときなどに、燃え広がり難い性質を備えるポリウレタン発泡体を形成することができる。
[発泡性ウレタン樹脂組成物]
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、フタル酸系ポリエステルポリオールを含有するポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、室温で液状の難燃剤、発泡剤、及び触媒を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、発泡性ウレタン樹脂組成物は、無機フィラーを実質的に含有しない、発泡性ウレタン樹脂組成物である。
(無機フィラー)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、無機フィラーを実質的に含有しない。無機フィラーを実質的に含有しないことにより、保管時に沈殿物が生じ難く、取り扱い性に優れ、かつ使用時に用いる機具などの摩耗を抑制することができる発泡性ウレタン樹脂組成物を提供することができる。
ここで、無機フィラーを実質的に含有しないとは、発泡性ウレタン樹脂組成物全量基準において、無機フィラーの含有量が、5質量%以下、好ましくは1質量%以下であることを意味する。
なお、無機フィラーとは、粒子状又は繊維状などの無機系の化合物であり、例えば、金属、金属酸化物、金属水酸化物、セラミックなどが挙げられ、固体難燃剤、固体難燃剤以外の無機充填剤などが例示される。
上記固体難燃剤は、23℃において固体状の難燃剤であり、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸塩、ピロアンチモン酸塩等のアンチモン含有難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物系難燃剤、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ素含有難燃剤、ホスフィン酸系難燃剤、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、赤燐などが挙げられる。
また、固体難燃剤以外の無機充填剤としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカパルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素パルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムポレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
(ポリオール化合物)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物に含まれるポリオール化合物は、フタル酸系ポリエステルポリオールを含有するものである。発泡性ウレタン樹脂組成物に含まれるポリオール化合物がフタル酸系ポリエステルポリオールを含有することで、得られるポリウレタン発泡体の難燃性を高めることができ、さらに燃え広がり難い性質を確保しやすくなる。
フタル酸系ポリエステルポリオールは、o-フタル酸(フタル酸)、m-フタル酸(イソフタル酸)及びp-フタル酸(テレフタル酸)から選択されるフタル酸とグリコールの縮合物である。
グリコールとしては、特に限定されるものではないが、エチレングリコール、プロピレングリコール及びジエチレングリコール等のポリエステルポリオールの構成成分として公知の低分子量脂肪族グリコールを使用することが好ましい。
ポリオール化合物に含有するフタル酸系ポリエステルポリオールとしては、ポリウレタン発泡体の難燃性を高める観点、及び、燃え広がらない性能を高める観点から、p-フタル酸とグリコールの縮合物である、p-フタル酸系ポリエステルポリオールを含むことがより好ましい。
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体において、ポリウレタン発泡体の難燃性を高める観点、及び、燃え広がらない性能を高める観点から、ポリオール化合物全量基準における、フタル酸系ポリエステルポリオールの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%である。
フタル酸系ポリエステルポリオールの水酸基価は、100~350mgKOH/gであることが好ましく、150~300mgKOH/gであることがより好ましい。
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、フタル酸系ポリエステルポリオール以外のその他のポリオール化合物を含んでもよい。その他のポリオール化合物は、特に限定されないが、例えば、ポリエーテルポリオール及びフタル酸系ポリエステルポリオール以外のその他のポリエステルポリオール等が挙げられ、中でも、ポリエーテルポリオールが好ましい。その他のポリオール化合物として、ポリエーテルポリオールを使用することで、ウレタン発泡時の施工性や対象物との接着性を向上させることができる。
<ポリエーテルポリオール>
ポリエーテルポリオールは、2個以上の活性水素原子を有する開始剤に、アルキレンオキサイドを開環付加重合させて得られたポリオキシアルキレンポリオールである。開始剤としては、具体的には、脂肪族多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール類、ペンタエリスリトール等の4官能アルコール類、シュクロース類、ソルビトール類などの糖類)、脂肪族アミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ネオペンチルジアミンなどのアルキレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン)、芳香族アミン(例えば、アニリン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、マンニッヒ縮合物等)などが挙げられ、これらはそれぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
ポリエーテルポリオールは、ウレタン発泡時に注入時における成型性及び吹付け時における施工性を高める観点から、トリレンジアミン系ポリエーテルポリオール、マンニッヒ系ポリエーテルポリオール、シュクロース系ポリエーテルポリオール及びソルビトール系ポリエーテルポリオールから選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらポリエーテルポリオールを使用する場合、その含有量は、成型性、難燃性及び燃え広がり難い性質を確保する観点から、ポリオール化合物全量基準において、5~40質量%であることが好ましく、10~30質量%であることがより好ましい。
なお、上記トリレンジアミン系ポリエーテルポリオールとは、開始剤としてトリレンジアミンを用いて得られたポリエーテルポリオールのことである。シュクロース系ポリエーテルポリオール、ソルビトール系ポリエーテルポリオールも同様である。
上記マンニッヒ系ポリエーテルポリオールとは、マンニッヒ反応を利用して得られるものであって、分子内に2個以上の水酸基を有するマンニッヒ縮合物、又はそのようなマンニッヒ縮合物に、アルキレンオキサイドを付加させたポリエーテルポリオールである。より具体的には、フェノール及びそのアルキル置換誘導体の少なくともいずれか、ホルムアルデヒド及びアルカノールアミンのマンニッヒ反応により得られたマンニッヒ縮合物、又はこの化合物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオールである。
ポリエーテルポリオールの水酸基価は、200~1,000mgKOH/gであることが好ましく、300~600mgKOH/gであることがより好ましく、330~470mgKOH/gであることがさらに好ましい。水酸基価は、JIS K1557-1:2007に準拠して測定される値である。
<その他のポリエステルポリオール>
その他のポリエステルポリオールとしては、公知のジカルボン酸とグリコールの縮合物であれば特に限定されないが、例えば、ナフタレンジカルボン酸等のフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸とグリコールの縮合物が挙げられる。
その他のポリエステルポリオールの水酸基価は、100~400mgKOH/gであることが好ましく、150~350mgKOH/gであることがより好ましい。
(ポリイソシアネート化合物)
発泡性ウレタン樹脂組成物に含有されるポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2個以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系などの各種ポリイソシアネート化合物を用いることができる。好ましくは、取扱の容易さ、反応の速さ、得られるポリウレタン発泡体の物理特性が優れていること、および低コストであることなどから、液状ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を用いることが好ましい。液状MDIとしては、クルードMDI(ポリメリックMDIともいう)が挙げられる。液状MDIの具体的な市販品としては、「44V-10」,「44V-20」(住化コベストロウレタン株式会社製)、「ミリオネートMR-200」(日本ポリウレタン工業)などが挙げられる。また、ウレトンイミン含有MDI(例えば、市販品として「ミリオネートMTL」:日本ポリウレタン工業製)などでもよい。また、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート活性基の一部を水酸基含有化合物と反応させ、予めポリオールとの親和性を高めた処置を施したものを使用してもよい。液状MDIに加えて、他のポリイソシアネート化合物を併用してもよく、併用するポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの技術分野において公知のポリイソシアネート化合物は限定なく使用可能である。
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物のイソシアネートインデックスの範囲は、好ましくは150~700であり、より好ましくは200~650であり、さらに好ましくは250~600である。イソシアネートインデックスがこのような範囲であると、難燃性を良好にし、かつ燃え広がり難い性質を確保しやすくなる。
イソシアネートインデックス(INDEX)は、以下の方法にて算出される。
INDEX=イソシアネートの当量数÷(ポリオールの当量数+水の当量数)×100
ここで、
・イソシアネートの当量数=ポリイソシアネートの使用部数×NCO含有率(%)×100/NCO分子量
・ポリオールの当量数=OHV×ポリオールの使用部数÷KOHの分子量、OHVはポリオールの水酸基価(mgKOH/g)、
・水の当量数=水の使用部数×水のOH基の数/水の分子量
である。なお上記式において、使用部数の単位は重量(g)であり、NCO基の分子量は42、NCO含有率はポリイソシアネート化合物中のNCO基の割合を質量%で表したものであり、上記式の単位換算の都合上KOHの分子量は56,100とし、水の分子量は18、水のOH基の数は2とする。
(液状の難燃剤)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物には、室温で液状の難燃剤を含有する。ここで室温とは23℃を意味することとする。液体の難燃剤を含有することにより、難燃性を良好にし、燃え広がり難い性質を確保し、かつ液体であることにより、発泡性ウレタン樹脂組成物の使用時に用いる機具などの摩耗を抑制することができる。
液体の難燃剤として、例えば、モノリン酸エステル及び縮合リン酸エステル等のリン酸エステル系難燃剤が挙げられる。
モノリン酸エステルとしては、特に限定されないが、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート及びトリス(β-クロロプロピル)ホスフェート等が挙げられる。
縮合リン酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(商品名CR-733S)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名CR-741)、芳香族縮合リン酸エステル(商品名CR747)等が挙げられる。
液状の難燃剤の含有量は、ポリオール化合物100質量部に対して5~100質量部であることが好ましく、10~80質量部であることがより好ましく、20~70質量部であることがさらに好ましい。
(発泡剤)
発泡剤の具体例としては、例えば、水、低沸点の炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素化合物、フッ素化合物、ハイドロクロロフルオロカーボン化合物、ハイドロフルオロカーボン、エーテル化合物、ハイドロフルオロオレフィンなどが挙げられる。さらに、発泡剤としては、これらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
上記低沸点の炭化水素としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等が挙げられる。
上記塩素化脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等が挙げられる。
上記フッ素化合物としては、例えば、CHF3、CH22、CH3F等が挙げられる。
上記ハイドロクロロフルオロカーボン化合物としては、例えば、トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン、ジクロロモノフルオロエタン(例えば、HCFC141b(1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン)、HCFC22 (クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン))等が挙げられる。
上記ハイドロフルオロカーボンとしては、HFC-245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン)、HFC-365mfc(1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン)等が挙げられる。
上記エーテル化合物としては、例えば、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。
上記ハイドロフルオロオレフィンとしては、例えば、HFO-1233zd(E)(トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン)、HFO-1234yf(2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン)、HFO-1336mzz(Z)(シス―1,1,1,4,4,4、-ヘキサフルオロブタ-2-エン)、HFO-1224yd(Z)等が挙げられる。
本発明においては、発泡剤は水を含むことが好ましく、より詳細には、上記した低沸点の炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素化合物、フッ素化合物、ハイドロクロロフルオロカーボン化合物、ハイドロフルオロカーボン、エーテル化合物、及びハイドロフルオロオレフィンから選択される少なくともいずれかの化合物と水を併用した発泡剤が好ましい。水としては、例えば、イオン交換水及び蒸留水等を適宜用いることができる。ポリオール化合物100質量部に対する水の量は、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、そして好ましくは2.0質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下である。水の含有量がこれら下限値以上であると、発泡性ウレタン樹脂組成物を発泡させやすくなり、密度を所望の範囲に調整しやすくなる。また、水の含有量がこれら上限値以下であると、難燃性を良好にし、かつ燃え広がり難い性質を確保しやすくなる。
本発明においては、発泡剤はハイドロフルオロオレフィンを含有することが好ましく、ハイドロフルオロオレフィンと上記した水とを共に含有することがより好ましい。難燃性を向上させる観点から、ポリオール化合物100質量部に対するハイドロフルオロオレフィンの量は、10~50質量部が好ましく、15~45質量部がより好ましく、25~44質量部がさらに好ましい。
(触媒)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、触媒を含有する。触媒は、例えばウレタン化触媒及び三量化触媒の一方又は両方を含有してもよく、両方を含有することが好ましい。なお、発泡性ウレタン樹脂組成物に含まれる触媒は、本発明における無機フィラーに該当しないものとする。
<ウレタン化触媒>
ウレタン化触媒は、ポリオール成分とポリイソシアネートとの反応を促進させる触媒である。ウレタン化触媒としては、例えば、金属系触媒及びアミン系触媒等が挙げられ、金属系触媒とアミン系触媒との併用が好ましい。金属系触媒とアミン系触媒とを併用することで、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を混合した後、直ちに反応及び発泡することになり、初期活性を良好にすることができる。ウレタン化触媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を使用することができる。
《金属系触媒》
金属系触媒としては、ビスマス、錫、鉛、銅、亜鉛、コバルト及びニッケル等からなる金属塩が挙げられ、ビスマス及び錫から選択される金属塩がより好ましく、初期活性を良好にする観点から、ビスマス塩であることがさらに好ましい。即ち、金属系触媒は、ビスマス系触媒であることが好ましい。金属塩は、有機酸金属塩であることが好ましく、より好ましくは炭素数5以上のカルボン酸の金属塩である。カルボン酸は、炭素数5以上であることで、発泡剤、特にハイドロフルオロオレフィンとの安定性が良好となる。また、カルボン酸の炭素数は、触媒活性などの観点から、18以下が好ましく、12以下がより好ましい。カルボン酸は、脂肪族カルボン酸であることが好ましく、飽和脂肪族カルボン酸がより好ましい。カルボン酸は、直鎖であってもよいし、分岐構造を有してもよいが、分岐構造を有することが好ましい。
カルボン酸の具体例としては、オクチル酸、ラウリル酸、バーサチック酸、ペンタン酸及び酢酸などが挙げられ、これらのなかではオクチル酸が好ましい。すなわち、遷移金属塩は、オクチル酸の金属塩が好ましい。これらカルボン酸は、上記の通り直鎖状であってもよいが、分岐構造を有してもよい。なお、分岐構造を有するオクチル酸としては、2-エチルヘキサン酸が挙げられる。
カルボン酸の金属塩としては、カルボン酸のビスマス塩、カルボン酸のスズ塩が好ましく、中でもオクチル酸のビスマス塩が好ましい。また、カルボン酸の金属塩は、アルキル金属のカルボン酸塩であってもよい。例えば、カルボン酸スズ塩はジアルキルスズカルボン酸塩などであってもよく、好ましくはジオクチルスズカルボン酸塩などである。
カルボン酸の金属塩の具体例としては、ビスマストリオクテート、ジオクチルスズバーサテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチル酸スズ等が挙げられ、好ましくはビスマストリス(2-エチルヘキサノエート)、ビスマストリオクテート、ジオクチルスズバーサテート、より好ましくはビスマストリス(2-エチルヘキサノエート)、ビスマストリオクテートである。
《アミン系触媒》
アミン系触媒としては、例えば、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリンビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’-トリメチルアミノエチル-エタノールアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N-メチル-N’,N’-ジメチルアミノエチルピペラジン、1-メチルイミダゾール、1、2-ジメチルイミダゾール、1-イソブチル-2メチルイミダゾール、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物などのイミダゾール系化合物、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、ジアザビシクロウンデセン、グアニジン誘導体、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、トリプロピルアミン等が挙げられる。またこれらアミノ化合物の酸ブロック化物を使用することもできる。ここで、アミノ化合物の酸ブロック化物としては、例えば、アミノ化合物を、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチル酸、2-エチルヘキサン酸等のカルボン酸にてブロックしたものが挙げられる。
発泡性ウレタン樹脂組成物におけるウレタン化触媒の配合量に特に限定はないが、ポリオール化合物100質量部に対して、0.3~22質量部の範囲であることが好ましく、1~20質量部の範囲であることがより好ましく、3~18質量部の範囲であることがさらに好ましい。上記範囲内とすることで、適度な反応速度で、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応を促進できる。
ウレタン化触媒としてビスマス系触媒を含有する場合、発泡性ウレタン樹脂組成物におけるビスマス系触媒の配合量に特に限定はないが、ポリオール化合物100質量部に対して、0.1~15質量部の範囲であることが好ましく、0.3~13質量部の範囲であることがより好ましく、0.5~11質量部の範囲であることがさらに好ましい。
ウレタン化触媒としてイミダゾール化合物を含有する場合、発泡性ウレタン樹脂組成物におけるイミダゾール化合物の配合量に特に限定はないが、ポリオール化合物100質量部に対して、1~15質量部の範囲であることが好ましく、2~13質量部の範囲であることがより好ましく、3~11質量部の範囲であることがさらに好ましい。
<三量化触媒>
三量化触媒は、イソシアヌレート結合を形成する三量化を促進する触媒である。ポリウレタン樹脂は、三量化が促進されることで、ポリウレタンフォームの難燃性が向上する。
三量化触媒としては、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4-ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン等の芳香族化合物、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、2-エチルヘキサン酸カリウム、2-エチルヘキサン酸ナトリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩、2-エチルアジリジン等のアジリジン類、ナフテン酸鉛、オクチル酸鉛等の鉛化合物、ナトリウムメトキシド等のアルコラート化合物、カリウムフェノキシド等のフェノラート化合物、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の3級アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等を使用することができる。アンモニウム塩としては、2,2-ジメチルプロパン酸などカルボン酸のアンモニウム塩が挙げられ、より具体的にはカルボン酸4級アンモニウム塩が挙げられる。
三量化触媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を使用することができる。
三量化触媒の配合量は特に限定されないが、ポリオール化合物100質量部に対して、0.3~15質量部の範囲であることが好ましく、1~13質量部の範囲であることがより好ましく、2~11質量部の範囲であることが更に好ましい。三量化触媒の量を上記範囲内とすることで、イソシアヌレート結合が適度に形成され、難燃性が向上する。
また、発泡性ウレタン樹脂組成物における触媒の合計量は、ウレタンの硬化速度及び難燃性を向上させる観点から、ポリオール化合物100質量部に対して、0.5~30質量部が好ましく、1~25質量部がより好ましく、2~22質量部がさらに好ましい。発泡性ウレタン樹脂組成物における触媒の合計量が上記下限値以上であることによって、クリームタイムが短くなり(例えば6秒以下)、発泡性ウレタン樹脂組成物を吹き付け用途に用いた場合に液だれを防ぐことができる。また、発泡性ウレタン樹脂組成物における触媒の合計量が上記上限値以下であることによって、発泡性ウレタン樹脂組成物の難燃性の効果を良好に発揮することができる。
また、発泡性ウレタン樹脂組成物におけるウレタン化触媒と三量化触媒との配合量比は、10:1~1:10であることが好ましく、8:2~2:8であることがより好ましく、7:3~3:7であることがさらに好ましい。ウレタン化触媒と三量化触媒との配合量比が上記範囲内であることで、ウレタンの硬化速度及び難燃性をバランスよく向上させることができる。
(整泡剤)
発泡性ウレタン樹脂組成物は、必要に応じて整泡剤を含有することができる。整泡剤としては、分子内に極性部分と非極性部分を有し界面活性効果を備える化合物を好適に使用することができ、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン整泡剤、及び、オルガノポリシロキサン等のシリコーン整泡剤などの界面活性剤が挙げられる。また、シリコーン整泡剤としては、ポリジメチルシロキサンとポリエチレングリコールのグラフト共重合体を含むものでもよい。
整泡剤の含有量は、ポリオール化合物100質量部に対して、0.01~10質量部であることが好ましく、0.1~8質量部であることがより好ましく、0.5~5質量部であることが更に好ましい。整泡剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を使用することができる。
発泡性ウレタン樹脂組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、添加剤として、例えば、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、染料、ガス捕集剤及び粘着付与樹脂等を含むことができる。
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、1液型でもよいが、本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とが反応して硬化するため、その粘度は時間と共に変化する。そこで該組成物を使用する前は、該組成物を二以上に分割して、該組成物が反応して硬化することを防止しておく。そして該組成物を使用する際に、二以上に分割しておいた該組成物を混合することが好ましい。
なお本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物を二以上に分割するときは、二以上に分割された該組成物のそれぞれの成分単独では硬化が始まらず、該組成物のそれぞれの成分を混合した後に硬化反応が始まるようにそれぞれの成分を分割すればよい。通常、該組成物を、ポリオール化合物を含有するポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物を含有するポリイソシアネート組成物とに分割する2液型が好ましい。なお、本明細書において、発泡性ウレタン樹脂組成物は、2液型の場合など2以上に分割されている場合には、2以上に分割されたものも包含するものとする。
上記した室温で液状の難燃剤、発泡剤、触媒、及び必要に応じて配合される整泡剤は、ポリオール組成物に含有されていてもよいし、ポリイソシアネート組成物に含有されていてもよいし、ポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物とは別に提供されてもよいが、ポリオール組成物に含有されることが好ましい。
(ポリオール組成物の粘度)
ポリオール組成物の25℃における粘度は、特に限定されないが、2,000mPa・s以下であることが好ましく、1,000mPa・s以下であることが好ましい。ポリオール液剤の粘度を上記上限値以下とすることで、発泡性ウレタン樹脂組成物の流動性も良好となり、混合不良などを抑制することができる。ポリオール組成物の粘度は、例えば使用するポリオール化合物の分子量などにより適宜調整できる。なお、ポリオール組成物の粘度は、B型粘度計を使用し、温度25℃にて測定したものである。
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、発泡及び硬化させることによってポリウレタン発泡体を形成することができる。
ポリウレタン発泡体に起因する火災は、溶接・溶断時の火花や火球(高温に熱された鉄の塊)によるところが大きい。本発明者の知見によれば、特に火球はポリウレタン発泡体に接触すると、樹脂を溶かしながら内部に進行し、その結果、ポリウレタン発泡体の内部から発火・延焼をさせる危険性があることが判明した。下記熱鋼球評価は、溶接・溶断時のポリウレタン発泡体起因の火災を再現・評価したものであり、ポリウレタン発泡体が燃え広がり難いかどうかを評価することができる。
(熱鋼球評価)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体について、以下(1)~(3)の手順で、鋼球の沈み込み距離及び溶融直径距離を測定する。
(1)ポリウレタン発泡体を、各辺の寸法が50mm×50mm×50mmである立方体に切り出し、試験体とする。
(2)800℃に温度設定した電気炉内に、直径10.0mm、重量4.15gの鋼球を入れ、鋼球全体が均一に加熱され、赤色に変化するまで、10分以上放置し、鋼球温度を800℃とした。なお鋼球は新品のものを用いる。
(3)23℃雰囲気下にて、上記(2)で加熱した鋼球を直ちに、上記(1)の試験体の上部の中心に載せて、鋼球の沈み込みが完了するまで放置する。次いで、十分に冷却された試験体の断面を裁断して、鋼球の沈み込み距離を測定する。
なお、本熱鋼球評価において、鋼球を加熱した後、試験体上に載せるまでの時間は1秒以内である。また鋼球としては、SUS304製の鋼球を使用する。
また、電気炉に関しては、例えば、炉内寸法120mm×150mm×100mmの小型プログラム電気炉(製品名:MMF-1、アズワン社製)を使用する。
上記熱鋼球評価において、試験体には、鋼球の沈み込みにより、試験体の上面から内部に渡って空洞が形成される。鋼球の沈み込み距離は、試験体の上面に対して垂直方向の空洞の最大距離を意味する。なお、熱による変色があるものの形状を保持している部分については、上記沈み込み距離の測定対象にはしないものとする。
また、溶融直径距離は、試験体の上面に、加熱された鋼球により形成された穴の直径である。なお、該穴の直径は、試験体の上面に形成された穴の形状が円形であれば、その円の直径を意味し、穴の形状が楕円形であれば、長径を意味することとする。また穴の形状が円形及び楕円形以外の形状であれば、その形状の任意の二点間の最大距離を、穴の直径とする。なお、鋼球が該試験体の表層に留まり、試験体が溶融せずに上面に空洞が発生しなかった場合は、炭化又は変色した部分の直径を、空洞が形成された場合と同様に測定する。
発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体は、熱鋼球評価における鋼球の沈み込み距離が10mm以下であることが好ましい。鋼球の沈み込み距離が10mmを超えると、ポリウレタン発泡体が、火災などに晒された場合に燃え広がりやすく、延焼を有効に防止することが困難になる。延焼を有効に防止する観点から、鋼球の沈み込み距離は、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは3mm以下、さらに好ましくは0mmである。
発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体は、熱鋼球評価における溶融直径距離が15mm以下であることが好ましい。溶融直径距離が15mm以下であることにより、ポリウレタン発泡体が、火災などに晒された場合に燃え広がりにくくなり、延焼を有効に防止することができる。延焼を有効に防止する観点から、溶融直径距離は、好ましくは14mm以下であり、より好ましくは13mm以下、さらに好ましくは12mm以下である。なお、溶融直径距離は0mm以上である。
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体の熱鋼球評価における鋼球沈み込み距離及び溶融直径距離が上記した所定の範囲であることにより、ポリウレタン発泡体が、火災などに晒された場合に燃え広がり難くすることができる。
なお、鋼球沈み込み距離及び溶融直径距離は、発泡性ウレタン樹脂組成物に含有されるポリオール化合物の種類、水の含有量などを調整することによって、所望の値に調節することができる。
(垂直燃焼評価)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、以下(1)~(3)の手順で垂直燃焼性を評価した。
(1)ポリウレタン発泡体を、各辺の寸法が100mm×10mm×10mmである棒状サンプルを切り出し、試験体とする。
(2)垂直に保持した棒状サンプルの下端を、炎長さ20mmのプロパンガスバーナーに10秒間接炎させる。
(3)上記(2)で接炎させた棒状サンプルの展炎状態を評価する。
発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体は、垂直燃焼評価における展炎状態としては、炎の到達距離が100mm以下となるものが好ましい。展炎状態としての炎が100mm以下であることにより、ポリウレタン発泡体が、火災などに晒された場合に燃え広がりにくくなり、延焼を有効に防止することができる。延焼を有効に防止する観点から、展炎状態としての炎は、好ましくは75mm以下であり、より好ましくは50mm以下である。
(総発熱量)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて5分間加熱したときの総発熱量が8MJ/m以下であることが好ましい。総発熱量が8MJ/m以下であることにより、本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体は、所定の難燃性を有する。所定の難燃性を有し、かつ上記したように鋼球沈み込み距離及び溶融直径距離が一定値以下であることにより、難燃性を有し、かつ燃え広がらない性質を兼ね備えたポリウレタン発泡体となり、火災時の延焼をより有効に防止することができる。
ポリウレタン発泡体の難燃性をより向上させる観点から、上記総発熱量は、7.8MJ/m以下であることが好ましく、7.5MJ/m以下であることがより好ましい。
(最高発熱速度)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて5分間加熱したときの最高発熱速度が120kW/m以下であることが好ましい。最高発熱速度が120kW/m以下であることにより、本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体は、所定の難燃性を有する。また、最高発熱速度及び総発熱量を共に上記のとおり調整することにより、より難燃性は向上する。
所定の難燃性を有し、かつ上記したように鋼球沈み込み距離及び溶融直径距離が一定値以下であることにより、難燃性を有し、かつ燃え広がらない性質を兼ね備えたポリウレタン発泡体となり、火災時の延焼をより有効に防止することができる。
ポリウレタン発泡体の難燃性をより向上させる観点から、上記最高発熱速度は、98kW/m以下であることが好ましく、95kW/m以下であることがより好ましい。
上記総発熱量及び最高発熱速度は、コーンカロリーメーター試験により得られ、詳細には実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、上記コーンカロリーメーター試験の際、試験に供したポリウレタン発泡体がコーンカロリーメーターのスパーク点火器に接触しない程度の形状安定性を有することが好ましい。
なお、コーンカロリーメーター試験におけるポリウレタン発泡体は、実施例にて記載する条件で作製したものを使用する。具体的には、ポリウレタン発泡体をハンドミキシング発泡で作製したものと、ポリウレタン発泡体を吹付け発泡で作製したものを使用する。
(初期活性)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物のクリームタイムは、特に限定されないが、10℃液温時において、6秒以下であることが好ましく、5秒以下であることがより好ましく、4秒以下であることがさらに好ましい。クリームタイムが上記範囲内であることで、初期活性が良好であり、発泡性ウレタン樹脂組成物を吹き付け用途に用いた場合に液だれを防ぐことができる。
なお、クリームタイムとは、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を撹拌混合し始めてから、混合物がクリーム状に白濁し、膨張を開始する直前までの時間をいう。
なお、クリームタイムの測定を行うポリウレタン発泡体は、実施例にて記載するハンドミキシング発泡で作製したものを使用する。
[ポリウレタン発泡体]
本発明のポリウレタン発泡体は、上記した発泡性ウレタン樹脂組成物から形成されてなるものであり、具体的には、発泡性ウレタン樹脂組成物を発泡及び硬化させて得られるものである。
(密度)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体の密度は、特に限定されないが、20~200kg/mの範囲であることが好ましい。密度を200kg/m以下とすることで、ポリウレタン発泡体が軽量となり、構造物への施工性が高まる。また、20kg/m以上とすることで、所望の難燃性を発現しやすくなる。これら観点から、ポリウレタン発泡体の密度は、25~100kg/mの範囲であることがより好ましく、25~80kg/mの範囲であることがさらに好ましい。ポリウレタン発泡体の密度は、JIS K7222に準拠して測定できる。
なお、密度の測定を行うポリウレタン発泡体は、実施例にて記載するハンドミキシング発泡で作製したものを使用する。
本発明の発泡体は、特に限定されないが、例えば2液型の発泡性ウレタン樹脂組成物などのように2以上に分割される場合には、例えば、予め各成分を混合して調製されたポリオール組成物、及びポリイソシアネート組成物などの2以上に分割されたものを作製しておき、それらを混合して、発泡させることで得ることができる。各成分の混合及び発泡は、公知の方法により行うことができる。例えば高圧発泡機、低圧発泡機、吹き付け発泡機、ハンドミキサーなど公知の装置を用いて得ることができる。また、1液型の場合には、発泡性ウレタン樹脂組成物を構成する各成分を混合して得た発泡性ウレタン樹脂組成物を公知の方法で発泡させる方法が挙げられる。
(用途)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物、及び上記したポリウレタン発泡体の用途は、特に限定されないが、建築物、家具、自動車、電車及び船等の構造物などの空洞に吹き付けて充填する用途に用いたり、該構造物に対して吹き付ける用途に用いたりすることができる。中でも、構造物に対して吹き付ける用途、すなわち、吹き付け用の発泡性ウレタン樹脂組成物として用いることが好ましい。
吹き付けは、吹き付け装置(例えばGRACO社製:A-25)及びスプレーガン(例えばガスマー社製:Dガン)を利用して実施することができる。一般的な吹き付け装置及びスプレーガンは、発泡原液のイソシアネートとポリオールの容量比を均等に反応させて吹付けるので、発泡原液は容量比でイソシアネートが1.0に対し、ポリオールが0.8~1.2の範囲で反応させることができる。吹き付けは、別容器に入ったポリオール組成物とポリイソシアネート組成物を吹き付け装置内で温度調整し、スプレーガンの先端で両者を衝突混合させ、混合液をエア圧によりミスト化することで実施できる。吹き付け装置及びスプレーガンは公知であり、市販品を使用することができる。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
各実施例及び比較例において使用した各成分の詳細は次の通りである。
(1)ポリオール化合物
・p-フタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:RFK-509、水酸基価=200mgKOH/g)
・p-フタル酸系ポリエステルポリオール(日立化成社製、製品名:SV-208、水酸基価=235mgKOH/g)
・マンニッヒ系ポリエーテルポリオール(第一工業製薬社製、製品名:DK3776、水酸基価=350mgKOH/g)
・トリレンジアミン系ポリエーテルポリオール(三井化学社製、製品名:GR-40A、水酸基価=400mgKOH/g)
・シュクロース系ポリエーテルポリオール(AGC社製、製品名:EL-100S、水酸基価=450mgKOH/g)
・ソルビトール系ポリエーテルポリオール(三井化学社製、製品名:アクトコールSOR400、水酸基価=400mgKOH/g)
・エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール(AGC社製、製品名:エクセノール750ED、水酸基価=760mgKOH/g)
(2)液状の難燃剤
・リン酸エステル系難燃剤<トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート>、(大八化学社製、製品名:TMCPP)
(3)整泡剤
・シリコーン系整泡剤(東レダウコーニング社製、製品名:SH-193)
(4)触媒
(i)三量化触媒
・4級アンモニウム塩<2,2-ジメチルプロパン酸テトラメチルアンモニウム塩>、(エボニックジャパン社製、製品名:TMR-7)、濃度45~55質量%
(ii)ウレタン化触媒
・イミダゾール化合物<1,2-ジメチルイミダゾール>、(花王社製、製品名:カオーライザーNO390)、濃度65~75質量%
・ビスマス化合物<ビスマストリス(2-エチルヘキサノエート)>、(Shepherd Chemical社製、製品名:BiCAT8210)、濃度80~90質量%
(5)発泡剤
・水
・HFO-1233zd<ハイドロフルオロオレフィン>(ハネウェル製、製品名:ソルスティスLBA)
(6)ポリイソシアネート化合物
・MDI(住化コベストロウレタン(株)製、製品名:44V-20)
各実施例及び比較例において作製したポリウレタン発泡体の発泡法の詳細は次の通りである。
<ハンドミキシング発泡>
各実施例及び比較例で作製したポリウレタン発泡体は、ポリプロピレンビーカー内に、表1に示す配合でポリオール化合物、液状難燃剤、整泡剤、触媒、発泡剤を混合して得た混合物とポリイソシアネート化合物を(合計量は200g、液温は10℃)を投入しラボディスパーで3秒間攪拌する。その後直ちに厚さ12.5mmの石膏ボード上に散布しポリウレタン発泡体を得る。
<吹付け発泡>
各実施例及び比較例で作製したポリウレタン発泡体は、上記と同様に表1に従う配合を吹付け装置(GRACO社製:A-25)及びスプレーガン(ガスマー社製:Dガン)を利用して、発泡性ウレタン樹脂組成物を12.5mm石膏ボードに吹き付けてポリウレタン発泡体を得る。なお、この時の原液温度は40℃とした。
各物性及び性状の測定方法は、以下のとおりである。
[熱鋼球評価]
各実施例及び比較例で作製したポリウレタン発泡体について、以下(1)~(3)の手順で、鋼球の沈み込み距離及び溶融直径距離を測定した。
(1)ポリウレタン発泡体を、各辺の寸法が50mm×50mm×50mmである立方体に切り出し、試験体とした。
(2)800℃に温度設定した電気炉内に、直径10.0mm、重量4.15gの鋼球を入れ、鋼球全体が均一に加熱され、赤色に変化するまで、15分放置し、鋼球温度を800℃とした。なお鋼球は新品のものを用いた。
(3)23℃雰囲気下にて、上記(2)で加熱した鋼球を直ちに、上記(1)の試験体の上部の中心に載せて、鋼球の沈み込みが完了するまで放置した。次いで、十分に冷却された試験体の断面を裁断して、鋼球の沈み込み距離を測定した。
なお、本熱鋼球評価において、鋼球を加熱した後、試験体上に載せるまでの時間は1秒以内である。また鋼球としては、SUS304製の鋼球を使用した。
また、電気炉に関しては、例えば、炉内寸法120mm×150mm×100mmの小型プログラム電気炉(製品名:MMF-1、アズワン社製)を使用した。
得られた鋼球の沈み込み距離及び溶融直径距離から、下記のとおり、燃え広がらない性質の良し悪しを判断した。
≪熱鋼球評価基準≫
〇・・鋼球の沈み込み距離が5mm以下であり、かつ溶融直径距離が15mm以下
△・・鋼球の沈み込み距離が5mm超10mm以下
×・・上記「〇」、「△」以外の場合
[垂直燃焼評価]
各実施例及び比較例で作製したポリウレタン発泡体を、以下(1)~(3)の手順で垂直燃焼性を評価した。
(1)ポリウレタン発泡体を、各辺の寸法が100mm×10mm×10mmである棒状サンプルを切り出し、試験体とする。
(2)垂直に保持した棒状サンプルの下端を、炎長さ20mmのプロパンガスバーナーに接炎させる。
(3)上記(2)で接炎させた棒状サンプルの展炎状態を評価する。
≪垂直燃焼評価基準≫
〇・・展炎状態としての炎が100mm未満
△・・展炎状態としての炎が100mm以上
×・・展炎状態としての炎が100mm以上かつ燃焼残渣がほとんど残らない
[最高発熱速度、総発熱量]
石膏ボードを下地として接着したポリウレタン発泡体を縦10cm、横10cmおよび厚み3.25cm(内石膏ボード12.5mm)に切断して、コーンカロリーメーター試験用サンプルを準備し、コーンカロリーメーター試験を行った。該試験用サンプルを、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて5分間加熱したときの最高発熱速度及び総発熱量を測定した。
[初期活性評価]
各実施例及び比較例で作製した発泡性ウレタン樹脂組成物のクリームタイムは、以下の方法により評価した。ポリプロピレンビーカー内に、表1に示す配合でポリオール化合物、液状難燃剤、整泡剤、触媒、発泡剤を混合して得た混合物とポリイソシアネート化合物を(合計量は200g、液温は10℃)を投入しラボディスパーで3秒間攪拌した。得られた混合物について下記要領でクリームタイムを測定し、評価した。
≪クリームタイム≫
上記方法により作製した発泡性ウレタン樹脂組成物のクリームタイム(10℃液温時)を測定した。クリームタイムが短いものは、初期活性が良好であり、発泡性ウレタン樹脂組成物を吹き付け用途に用いた場合に液だれを防ぐことができる。クリームタイムは、肉眼で混合物の溶液の色が変色を始めた時間として測定できる。
〇・・クリームタイムが4秒以下
△・・クリームタイムが4秒超6秒以下
×・・クリームタイムが6秒超
[密度]
各実施例及び比較例で作製した発泡性ウレタン樹脂組成物の密度は、それぞれJIS K7222:2005に準拠して測定した。
[実施例1]
表1の配合に従い、ポリオール化合物、液状の難燃剤、整泡剤、触媒、発泡剤を1000mLポリプロピレンビーカーに計りとり、20℃、10秒間ハンドミキサーで攪拌しポリオール組成物を作製した。その後10℃に冷却した該ポリオール組成物に対して同じく10℃に温調したポリイソシアネート組成物(ポリイソシアネート化合物)を加えて発泡性ウレタン樹脂組成物とし、該組成物をラボディスパーで3秒間攪拌し、ポリウレタン発泡体を作製した。該ポリウレタン発泡体を用いて、上記した熱鋼球評価を行った。また、最高発熱速度、総発熱量、初期活性評価及び垂直燃焼評価についても、上記した手順で評価した。各種評価結果を表1に示した。
[実施例2~18、比較例1~2]
配合を表1のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン発泡体を得た。該ポリウレタン発泡体を用いて、上記した熱鋼球評価を行った。また、最高発熱速度、総発熱量、初期活性評価及び垂直燃焼評価についても、上記した手順で評価した。各種評価結果を表1に示した。なお、実施例2及び4は吹付け発泡による評価である。
Figure 2022035857000001
各実施例で示されているように、本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物により形成されたポリウレタン発泡体は、最高発熱速度及び総発熱量が低い値となり、垂直燃焼評価が良好であることから難燃性に優れることが分かった。また、本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物により形成されたポリウレタン発泡体は、鋼球沈み込み距離及び溶融直径距離が短いことより、燃え広がり難い性質を備えていることが分かった。さらに、本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、実質的に無機フィラーを含んでいないため、保管時に沈殿物が生じ難く、取り扱い性に優れ、かつ使用時に用いる吹き付け装置などの摩耗を抑制することができる。さらに、本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、初期活性が良好であり、吹き付け用途に用いた場合に液だれを防ぐことができる。

Claims (11)

  1. フタル酸系ポリエステルポリオールを含有するポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、室温で液状の難燃剤、発泡剤、及び触媒を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、
    前記発泡性ウレタン樹脂組成物は、実質的に無機フィラーを含有していなく、吹き付け用途に用いられる、発泡性ウレタン樹脂組成物。
  2. 前記触媒がウレタン化触媒及び三量化触媒を含み、
    前記発泡性ウレタン樹脂組成物中の前記ウレタン化触媒の配合量は、ポリオール化合物100質量部に対して、0.3~22質量部であり、
    前記発泡性ウレタン樹脂組成物中の前記三量化触媒の配合量は、ポリオール化合物100質量部に対して、0.3~15質量部である、請求項1に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  3. 前記ウレタン化触媒と前記三量化触媒との配合量比は、10:1~1:10である、請求項2に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  4. 前記ウレタン化触媒は、ビスマス系触媒を含有する、請求項2又は3に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  5. 前記ウレタン化触媒は、イミダゾール系触媒を含有する、請求項2~4のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  6. 前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて、5分間加熱したときの総発熱量が8MJ/m以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  7. 前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて、5分間加熱したときの最高発熱速度が120kW/m以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  8. 前記ポリオール化合物が、ポリエーテル系ポリオール及びフタル酸系ポリエステルポリオールを含み、フタル酸系ポリエステルポリオールの含有量が、ポリオール化合物全量基準で50質量%以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  9. 前記発泡剤が水を含み、前記水の含有量は、前記ポリオール化合物100質量部に対して1.5質量部以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  10. 前記発泡剤がハイドロフルオロオレフィンを含有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
  11. イソシアネートインデックスが150~700である、請求項1~10のいずれか1項に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
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