JP2024068722A - 保護シート、及び、電子部品装置の製造方法 - Google Patents

保護シート、及び、電子部品装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水を含む液体によって容易に除去される保護層を備え、且つ、被保護面の保護中は基材層が保護層と比較的強く密着し、保護シートを取り除くときは基材層を容易にはく離できる保護シートなどを提供することを課題としている。【解決手段】水溶性高分子化合物を含む保護層と、該保護層の一方の面に重なる基材層と、を備え、前記保護層と前記基材層との間のはく離力は、室温において20.0N/50mm以上であり、220℃で1時間の加熱後において0.5N/50mm以下である、保護シートなどを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、基板の被保護面に貼り合わされる保護層を有する保護シートに関する。また、本発明は、前記保護シートの保護層を基板の被保護面に貼り合わせた後に保護シートを除去する工程を含む電子部品装置の製造方法に関する。
従来、電子部品装置を製造するために用いられる保護シートが知られている。この種の保護シートは、例えば、電子部品装置の被保護面に貼り合わされる保護層と、保護層の一方の面に重なった基材層とを備える。
この種の保護シートは、例えば、電子部品装置の製造方法の工程中に使用される。この種の電子部品装置の製造方法では、例えば、被加工材としての素子等を基板の一方の面に搭載して仮固定する工程と、基板の他方の面(被保護面)に保護シートの保護層を貼り付ける工程と、搭載された素子等に加工を加える工程と、基板から素子等を取り外す工程と、基板から保護層を除去する工程とを備える。例えばこのように、保護シートは、いったん基板に貼り付けられた後に、基板から取り除かれて使用される。
上記のような電子部品装置の製造方法で用いる保護シートとしては、例えば、けん化度が55mol%以下のオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂組成物で形成された保護層と、基材層とを備える保護シートが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の保護シートは、保護層が基板の一方の面(被保護面)に貼り付けられて使用され得る。特許文献1に記載の保護シートの基材層は、離型フィルムである場合を除き、保護層との密着性が比較的高い。
特許文献1に記載の保護シートによれば、仮固定時に保護層が良好な粘着性を有し、しかも、仮固定後に保護層を水で除去できる。
特開2021-161735号公報
ところが、特許文献1に記載の保護シートでは、基材層と保護層との密着性が比較的高いことから、保護シートを取り除くときに基材層を保護層からはく離しようとしても、斯かるはく離が困難となる。
このような問題を防ぐべく、水を含む液体によって保護層が容易に除去され、しかも、被保護面の保護中は基材層が保護層と比較的強く密着し、保護シートを取り除くときは基材層を容易にはく離できる保護シートが要望されている。
しかしながら、水を含む液体によって容易に除去される保護層を備え、且つ、被保護面の保護中は基材層が保護層と比較的強く密着し、保護シートを取り除くときは基材層を容易にはく離できる保護シートについては、未だ十分に検討されているとはいえない。
そこで、本発明は、水を含む液体によって容易に除去される保護層を備え、且つ、被保護面の保護中は基材層が保護層と比較的強く密着し、保護シートを取り除くときは基材層を容易にはく離できる保護シートを提供することを課題とする。また、上記の保護シートを用いる電子部品装置の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る保護シートは、
水溶性高分子化合物を含む保護層と、該保護層の一方の面に重なる基材層と、を備え、
前記保護層と前記基材層との間のはく離力は、室温において20.0N/50mm以上であり、220℃で1時間の加熱後において0.5N/50mm以下であることを特徴とする。
本発明に係る電子部品装置の製造方法は、
基板の少なくとも一方の被保護面を保護シートで保護した後に前記保護シートを除去する仮保護工程を含む、電子部品装置の製造方法であって、
前記保護シートは、水溶性高分子化合物を含む保護層と、該保護層の一方の面に重なる基材層と、を備え、前記保護層と前記基材層との間のはく離力は、室温において20.0N/50mm以上であり、220℃で1時間の加熱後において0.5N/50mm以下であり、
前記仮保護工程は、前記被保護面に前記保護シートの前記保護層を貼り合わせる第1工程と、前記被保護面から前記保護シートを取り除く第2工程とを有し、
前記第2工程は、前記保護層を加熱した後に前記保護層から前記基材層をはく離する工程と、水を含む液体によって前記保護層の少なくとも一部を溶解させて前記保護層を取り除く工程とを有することを特徴とする。
本発明に係る保護シートは、水を含む液体によって容易に除去される保護層を備え、且つ、被保護面の保護中は基材層が保護層と比較的強く密着し、保護シートを取り除くときは基材層を容易にはく離できる。
本発明に係る電子部品装置の製造方法では、上記の保護シートを用いるため、被保護面の保護中は基材層が保護層と比較的強く密着し、保護シートを取り除くときは基材層を容易にはく離でき、且つ、水を含む液体によって保護シートが容易に除去される。
本実施形態の保護シートを厚さ方向に切断した模式断面図。 電子部品装置の製造方法で用いる基板(ガラス基板)を厚さ方向に切断した模式断面図。 電子部品装置の製造方法の第1例における第1工程後の様子を表す模式図。 電子部品装置の製造方法の第1例における搭載工程後の様子を表す模式図。 電子部品装置の製造方法の第1例において電子部品を引き離す様子を表す模式図 電子部品装置の製造方法の第1例における第2工程のはく離工程の様子を表す模式図。 電子部品装置の製造方法の第1例における第2工程の除去工程の様子を表す模式図。 電子部品装置の製造方法の第2例における第1工程の様子を表す模式図。 電子部品装置の製造方法の第2例における第1工程後の様子を表す模式図。 電子部品装置の製造方法の第2例におけるバックグラインド工程の様子を表す模式図 電子部品装置の製造方法の第2例におけるバックグラインド工程後の様子を表す模式図。 電子部品装置の製造方法の第2例における第2工程のはく離工程の様子を表す模式図。 電子部品装置の製造方法の第2例における第2工程の除去工程の様子を表す模式図。
以下、本発明に係る保護シートの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、図面における図は模式図であり、実物における縦横の長さ比と必ずしも同じではない。
本実施形態の保護シート1は、図1に示すように、
水溶性高分子化合物を含む保護層12と、該保護層12の一方の面に重なる基材層11と、を備える。
保護層12と基材層11との間のはく離力は、室温において20.0N/50mm以上であり、220℃で1時間の加熱後において0.5N/50mm以下である。
本実施形態の保護シート1は、例えば、基板の保護される一方の面(以下、被保護面とも称する)に貼り付けられて使用される。具体的には、保護層12が基板の一方の面に貼り付けられて使用される。
保護シート1は、例えば、被着体である基板の被保護面を一時的に保護するために使用される。被着体である基板としては、例えば、ガラス基板、シリコンウエハ、ステンレス鋼(SUS)基板、又は、セラミック製基板などが挙げられる。
保護層12は、被着体である基板の被保護面に密着できる密着性を有する。保護シート1の保護層12を被着体である基板の被保護面に重ねることによって、被保護面に重なった保護層12を除去するまで、被保護面に異物が付着することなどを防止できる。
また、保護シート1は、例えば上記のごとく被保護面を一時的に保護するために使用された後、水を含む液体によって容易に除去される。
なお、保護シート1を被着体である基板に貼り合わせて使用する保護シート1の使用方法については、後に詳しく説明する。
[保護シートの基材層]
基材層11は、例えば樹脂フィルムで構成されている。基材層11は、1種の樹脂を含んでもよく、複数種の樹脂を含んでもよい。基材層11は、樹脂を95質量%以上含むことが好ましく、98質量%以上含むことがより好ましい。
基材層11に含まれる樹脂としては、極性基を有する樹脂が挙げられる。極性基を有する樹脂を基材層11が含むことにより、基材層11の表面における濡れ性が向上する。換言すると、基材層11の表面自由エネルギーが高まり得る。
基材層11と保護層12との密着性がより良好になり得るという点で、基材層11の表面における濡れ性は、比較的高いことが好ましい。
上記の極性基を有する樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂(PETなど)、ポリイミド樹脂、又は、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。斯かる樹脂としては、ポリイミド樹脂及びポリエステル樹脂のうち少なくとも一方が好ましい。
例えば、基材層11は、ポリイミド樹脂フィルムであってもよく、ポリアミドイミド樹脂フィルムであってもよく、ポリエステル樹脂フィルムであってもよい。
基材層11における保護層12と接する面は、未処理面であることが好ましい。換言すると、保護層12と接する基材層11の片面は、離型処理などが施されず、表面自由エネルギーが比較的高い状態であることが好ましい。
基材層11の厚さは、特に限定されないが、例えば1μm以上100μm以下である。斯かる厚さは、3μm以上であってもよく、5μm以上であってもよい。また、斯かる厚さは、40μm以下であってもよい。なお、基材層11が積層体である場合、上記の厚さは、積層体の総厚さである。
[保護シートの保護層]
保護層12は、水溶性高分子化合物を含む。水溶性高分子化合物は、親水基を分子中に有する。保護層12は、水溶性高分子化合物を90質量%以上含むことが好ましく、95質量%以上含むことがより好ましく、99質量%以上含むことがさらに好ましい。これにより、水を含む液体によって、保護層12がより容易に除去され得る。
水溶性高分子化合物は、斯かる水溶性高分子化合物の薄膜(厚さ50μm以下)を40℃の水に浸漬するとすべて溶解するような水溶性を有する。
保護層12は、所定以上の親水性を有する。保護層12が所定以上の親水性を有すると、通常、上記の保護層12の少なくとも一部は、水を含む液体に溶解する。保護層12は、所定以上の親水性を有するため、水を含む液体と接触したときに少なくとも一部が溶解して、基板の表面から除去されるように構成されている。
保護層12の親水性として、保護層12の吸水率が指標となり得る。保護層12の吸水率は、2.0質量%以上であることが好ましい。これにより、保護層12が、水を含む液体にさらに溶解しやすくなる。上記吸水率は、例えば、水溶性高分子化合物中の親水基の含有割合を高めることによって、高めることができる。保護層12の吸水率は、例えば10.0質量%以下であってもよい。
上記の保護層12の吸水率は、カールフィッシャー法の電量滴定法を用いた測定値から求められる。具体的には、温度23℃、湿度50RH%の環境下で定常状態となった試験サンプルを、水分気化装置によって150℃で3分間加熱しつつ、気化された水分について測定を行う。上記加熱後の試験サンプルの質量に対する、測定された水分量の割合から、上記吸水率を求める。
加熱前における保護層12の複素粘度η[Pa・s](60℃で測定)に対する、加熱後における保護層12の複素粘度η[Pa・s](60℃で測定)は、5%以下であることが好ましい。即ち、加熱後の複素粘度の維持率は、5%以下であることが好ましい。これにより、加熱前よりも加熱後において保護層12の複素粘度がより小さい値となる。従って、被保護面の保護中は基材層11が保護層12と比較的強く密着し、保護シートを取り除くときは基材層11をより容易にはく離できる。なお、220℃で1時間の加熱処理を採用したときの値が、上記の「加熱後における保護層の複素粘度」である。
例えば、保護層12に含まれる水溶性高分子化合物の分子量を大きくすることによって、上記の加熱後の複素粘度の維持率を高くできる(複素粘度の変化を小さくできる)。一方、例えば、保護層12に含まれる水溶性高分子化合物の分子量を小さくすることによって、上記の維持率を低くできる(複素粘度の変化を大きくできる)。
加熱前における保護層12の複素粘度η[Pa・s]は、60℃において例えば、10,000[Pa・s]以上11,250[Pa・s]以下である。また、加熱後(220℃1時間)における保護層12の複素粘度η[Pa・s]は、60℃において例えば、40[Pa・s]以上90[Pa・s]以下である。特に、ポリオキシエチレン構造を分子中に有する水溶性高分子化合物(後に詳述)を採用した場合に、加熱前及び加熱後における保護層12の複素粘度ηが、それぞれ上記のごとき範囲となり得る。
保護層12の複素粘度は、以下の測定方法で得られた粘弾性測定値から算出される。
加熱前の保護層12の粘弾性測定では、保護層12の一部(加熱前)を取り出して、120℃で10分間乾燥処理を施す。その後、厚さが0.5mmよりやや大きくなるように、シート状の測定サンプルを作製する。60℃における複素粘度の測定値(η )[Pa・s]を読み取る。
測定装置:レオメータ
(例えば、ThermoFicher社製「RheoStress6000」)
測定温度:50℃から80℃へ昇温(昇温速度10℃/分)
測定周波数:1Hz(1/秒)
測定モード:振動モード
測定ギャップ:0.1mm
測定端子:測定面が直径8mmのパラレルプレート
一方、加熱後の保護層12の粘弾性測定では、保護シート1の保護層12をガラス板に貼り付けた状態で220℃で1時間加熱処理する。加熱処理の後、保護シート1の基材層11をはく離して、ガラス板の表面に残った保護層の一部を測定サンプルとして、上記と同様に粘弾性を測定する。60℃における複素粘度の測定値(η )[Pa・s]を読み取る。
加熱処理前の複素粘度に対する加熱処理後の複素粘度の比(保護層の複素粘度の維持率)は、以下の算出式によって求められる。
複素粘度の維持率(%)=(η /η )×100
上記の保護シート1において、保護層12の厚さは、特に限定されないが、例えば1μm以上100μm以下である。斯かる厚さは、3μm以上であってもよく、5μm以上であってもよい。また、斯かる厚さは、40μm以下であってもよい。なお、保護層12が積層体である場合、上記の厚さは、積層体の総厚さである。
本実施形態において、保護層12に含まれる上記水溶性高分子化合物の親水基は、例えば、ポリオキシエチレン基(ポリオキシエチレン構造)である。上記の水溶性高分子化合物としては、少なくともポリエチレンオキシド構造を分子中に有する水溶性高分子化合物が好ましい。
上記の水溶性高分子化合物が、分子中に親水基としてポリオキシエチレン構造を有することにより、加熱前よりも加熱後において保護層12のはく離力が十分に小さくなる。従って、被保護面の保護中は基材層11が保護層12と比較的強く密着し、保護シート1を取り除くときは基材層11をより容易にはく離できる。
例えば、保護層12は、ポリオキシエチレン構造のみを分子中に有するポリエチレンオキシド(PEO)(例えば分子量5万以上)を上記の水溶性高分子化合物として含んでもよい。一方、保護層12は、ポリオキシエチレン構造とポリオキシプロピレン構造とを分子中に有する、ポリアルキレンオキシド共重合体(例えば分子量5万以上)を上記の水溶性高分子化合物として含んでもよい。
ポリアルキレンオキシド共重合体は、ポリオキシエチレン構造のブロックと、ポリオキシプロピレン構造のブロックとを分子中に有するブロック共重合体であってもよく、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合体であってもよい。
上記の水溶性高分子化合物が、ポリオキシエチレン構造に加え、ポリオキシプロピレン構造を分子中に有することにより、保護層12の被保護面に対する密着性がより高まり得る。また、保護層12の耐熱性がより高まり得る。
上記のポリオキシエチレン構造を分子中に有する水溶性高分子化合物の質量平均分子量Mwは、1,000,000(100万)以下であることが好ましい。質量平均分子量Mwが1,000,000以下であることにより、上記の水溶性高分子化合物は、十分に低い軟化点を有することができる。これにより、低温における保護層12の被保護面に対する密着性がより良好になり得る。また、水を含む液体によって、被保護面から保護層12をより短時間で効率良く除去できる。なお、質量平均分子量Mwは、例えば5万以上であってもよい。
本実施形態の保護層12は、上述した配合成分の他に、例えば界面活性剤、可塑剤などをさらに含んでもよい。
保護層12は、基板の被保護面に密着できる密着性を有する。また、保護層12は、加熱される前において、基材層11に密着できる密着性を有する。
一方、保護層12は、加熱された後において、基材層11との密着性が低くなる。
保護層12の基材層11に対する密着性は、保護層12と基材層11との間のはく離力によって示される。保護層12と基材層11との間のはく離力は、室温(加熱前)において20.0N/50mm以上であり、220℃で1時間の加熱後において0.5N/50mm以下である。従って、被保護面を保護層12によって保護している間は、基材層11が保護層12と比較的強く密着し、保護シート1を取り除くときは、基材層11を容易にはく離できる。
保護層12と基材層11との間の室温(23℃)における上記のはく離力は、21.0N/50mm以上であってもよく、22.0N/50mm以上であってもよい。なお、斯かるはく離力は、30.0N/50mm以下であってもよい。斯かるはく離力の数値は、加熱処理(220℃1時間)を保護層12に施す前における値である。
これに対して、加熱処理(220℃1時間)後において、保護層12の室温(23℃)における上記のはく離力は、0.4N/50mm以下であってもよい。なお、斯かるはく離力は、0.05N/50mmより大きくてもよい。
上記のはく離力は、例えば保護層12に含まれる水溶性高分子化合物の分子量を大きくすることによって、大きくできる。一方、例えば保護層12に含まれる水溶性高分子化合物の分子量を小さくすることによって、上記のはく離力を小さくできる。
(加熱前における保護層と基材層との間のはく離力)
上記の加熱処理前のはく離力は、以下の測定条件で測定される。
まず、保護層12を貼り付ける被着体として、裏打ちテープ(具体例は後述)を用意する。次に、10mm幅となるように保護シートを加工して、測定用サンプルを作製する。
保護シート1の保護層12と、裏打ちテープとを貼り合わせる。貼り合わせは、室温において、10mm/秒の速度で実施する。
その後、23℃の雰囲気下において、180°のはく離角度且つ300mm/minのはく離速度で、裏打ちテープ及び基材層11の端部をつかみ、はく離を実施する。保護層12と裏打ちテープとの間ではく離する場合のはく離力を測定する。保護層12と基材層11との間のはく離力は、この場合に測定されたはく離力よりも、大きいといえる。なお、測定装置として、例えば「オートグラフ(SHIMADZU社製)」を使用できる。
上記の裏打ちテープとしては、所定範囲の粘着力を有するテープを使用する。具体的には、ステンレス板(SUS板)に対する粘着力が11.0[N/19mm]以上23.0[N/19mm]以下の粘着力を有するテープを、上記の裏打ちテープとしてとして採用する。斯かる粘着力は、以下のようにして測定される。
測定法:JIS Z0237に準ずる
被着体:ステンレス板
粘着時の圧着条件:2kg重さのローラーを用いて5mm/秒の速さで1往復
はく離条件:300mm/分の速度で180°はく離
なお、上記の裏打ちテープとしては、例えば、製品名「エレップホルダー ELP BT-315(日東電工社製)を採用できる。
(加熱後における保護層と基材層との間のはく離力)
一方、上記の加熱処理後のはく離力は、以下の測定条件で測定される。
まず、保護層12を貼り付ける耐熱性を有する被着体として、厚さが0.9mm程度のガラス板を用意する。
次に、10mm幅となるように保護シートを加工して、測定用サンプルを作製する。保護層12における一方の面(基材層11と重なっていない面)と、上記のガラス板とを貼り合わせる。貼り合わせは、90℃、10mm/秒の条件で実施する。そして、ガラス板に保護シート(基材層11及び保護層12)を貼り付けた状態で、220℃で1時間の加熱処理を行う。その後、23℃の雰囲気下において、180°のはく離角度且つ300mm/minのはく離速度で、基材層11の端部をつかんだ状態でガラス板から基材層11をはく離してはく離力を測定する。はく離時には、保護層12が凝集破壊を起こしつつ、基材層11をはく離できる場合が多い。なお、測定装置として、例えば「オートグラフ(SHIMADZU社製)」を使用できる。
本実施形態の保護シート1は、使用される前の状態において、保護層12の一方の面(基材層11と重なっていない保護層12の片面)を覆うはく離ライナーを備えてもよい。はく離ライナーは、保護層12を保護するために用いられ、保護層12を例えば基板に貼り付ける直前にはく離される。
本実施形態の保護シート1は、例えば以下のようにして、一般的な方法によって製造できる。
まず、水を含む溶媒に、水溶性高分子化合物を溶解させる。溶解させるときに、加熱してもよい。溶媒としては、水以外に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒としては、任意の割合で水に溶解する水性有機溶媒が好ましい。斯かる水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
次に、上記のごとく調製した高分子溶液を基材層11に塗布(塗工)する。塗布した後、溶媒が揮発する温度で加熱することにより、基材層11に重なった保護層12を形成する。
このようにして保護シート1を製造できるが、保護シートの製造方法は、上記のごとく例示した方法に限定されない。
保護シート1は、例えば、電子部品装置を製造するための補助用具として使用される。保護シート1は、例えば、電子部品装置を製造する工程中で一時的に使用される。そのため、製造された電子部品装置は、保護シート1の基材層11又は保護層12を備えないこととなり得る。
電子部品装置は、例えば、半導体チップを備える半導体集積回路などの半導体装置であってもよく、相補型MOS(CMOS)を有するシステムLSIを備える装置であってもよく、又は、機械要素部品、センサ、アクチュエータ、若しくは電子回路を1つのシリコン基板、ガラス基板、若しくは有機材料基板などの上に微細加工技術によって集積化したデバイス(MEMS Micro Electro Mechanical Systems)などを備える装置であってもよい。なお、製造される電子部品装置は、配線基板を備える装置であってもよい。
<電子部品装置を製造するときの保護シートの使用方法>
続いて、本実施形態の保護シート1の使用方法について説明する。具体的には、上記の保護シート1を使用して、電子部品装置を製造する方法の実施形態の例について説明する。換言すると、上記のごとき電子部品装置を製造するために使用される保護シート1の使用方法の具体例について説明する。
本実施形態の電子部品装置の製造方法は、
基板の少なくとも一方の被保護面を保護シート1で保護した後に前記保護シート1を除去する仮保護工程を含む、電子部品装置の製造方法であって、
前記保護シート1は、水溶性高分子化合物を含む保護層12と、該保護層12の一方の面に重なる基材層11と、を備え、前記保護層12と前記基材層11との間のはく離力は、室温において20.0N/50mm以上であり、220℃で1時間の加熱後において0.5N/50mm以下であり、
前記仮保護工程は、前記被保護面に前記保護シート1の前記保護層12を貼り合わせる第1工程と、前記被保護面から前記保護シート1を取り除く第2工程とを有し、
前記第2工程は、前記保護層12を加熱した後に前記保護層12から前記基材層11をはく離する工程(はく離工程)と、水を含む液体によって前記保護層12の少なくとも一部を溶解させて前記保護層12を取り除く工程(除去工程)とを有する。
本実施形態の電子部品装置の製造方法では、上述した保護シート1を用いて電子部品装置を製造する。
以下、第1例及び第2例を具体例として挙げて、本実施形態の電子部品装置の製造方法を説明する。
<第1例の電子部品装置の製造方法>
以下、被保護面を有する基板としてガラス基板Gを用い、電子部品装置を製造する電子部品装置の製造方法を具体例として挙げて、斯かる製造方法について図面を参照しつつ詳しく説明する。斯かる製造方法では、例えば、一般的にファンアウト型パッケージ技術と称される技術を利用して、電子部品装置を製造する。斯かる製造方法では、チップを先に作製する、いわゆるチップファースト方式を採用できる。
第1例では、第1工程と第2工程との間に、基板の片面に電子部品を搭載する搭載工程を実施する。
第1工程では、例えば図2A及び図2Bに示すように、ガラス基板Gの片面の少なくとも一部に、保護シート1の保護層12を貼り合わせる。
ガラス基板Gは、例えば無アルカリガラス(二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、アルカリ土類金属酸化物などが主成分)、石英ガラス、又は、結晶化ガラスなどであってもよい。ガラス基板Gの厚さは、例えば、20μm以上10,000μm以下であってもよい。
搭載工程では、例えば図2Cに示すように、仮接着層Kを介して少なくとも1つの電子部品Dをガラス基板Gの片面側に搭載する。電子部品Dを搭載する面は、ガラス基板Gにおいて保護シート1が貼り合わされた面とは反対側の面である。なお、電子部品Dの搭載において、ガラス基板Gと電子部品Dとは直接接触しなくてもよい。
電子部品Dとしては、例えば、半導体素子を含む部品、液晶表示素子を含む部品、又は、太陽電池素子(セル)を含む部品などが挙げられる。
半導体素子としては、例えば、半導体集積回路、大規模集積回路、ディスクリート、発光ダイオード、又は、受光素子などが挙げられる。
電子部品Dは、例えば図2Cに示すように、半導体チップC、半導体チップCに貼り付いたダイボンド層S、回路配線H、及び、回路配線Hと電気的に接続された端子Tなどを有する。
仮接着層Kは、例えば、活性エネルギー線の照射によって架橋反応を起こすアクリル樹脂などを含む。これにより、仮接着層Kは、粘着性が低下するように構成されている。
搭載工程では、例えば、仮接着層Kをガラス基板Gに貼り付けてから、仮接着層Kを介してガラス基板Gに電子部品Dを搭載してもよい。また、搭載工程では、例えば、液状の仮接着層用組成物の塗布によってガラス基板Gの表面上に仮接着層Kを成膜してから、成膜された仮接着層Kを介してガラス基板Gに電子部品Dを搭載してもよい。
搭載工程の後に、電子部品Dを覆うように熱硬化性樹脂J(モールド樹脂)を塗布した後、加熱処理によって熱硬化性樹脂Jの硬化反応を進行させ、電子部品Dの少なくとも表面部分を封止する加熱処理を実施してもよい。
上記の加熱処理では、熱硬化性樹脂Jとして、例えばエポキシ樹脂などを用いる。加熱処理は、例えば100℃以上250℃以下の温度で実施される。加熱処理の継続時間は、例えば10分間以上10時間以下である。
本実施形態の製造方法では、上記の加熱処理の後、例えば図2Dに示すように、仮接着層Kが付着した状態の電子部品Dをガラス基板Gから引き離すデボンド工程を実施できる。その後、例えば、取り出した電子部品Dに対して加工工程(後に詳述)を実施できる。
上記のデボンド工程では、上記のごとく仮接着層Kの接着力を弱めるために、例えば、活性エネルギー線(例えば赤外線)の照射によってアブレーションを起こすように設計された仮接着層Kを用いる。この場合、活性エネルギー線(例えば赤外線)を仮接着層Kに照射すると、仮接着層Kに含まれる成分の少なくとも一部が昇華又は蒸発する。
詳しくは、ガラス基板Gの一方の面に保護シート1が重なった状態で、赤外線等が少なくとも仮接着層Kに照射される。例えば、保護シート1が配置されている方から赤外線等を照射して、保護シート1を経た赤外線等が仮接着層Kに届く。これにより、仮接着層Kに対してアブレーション加工を施す。アブレーション加工された仮接着層Kの接着力は、弱まるため、仮接着層Kとガラス基板Gとの間で容易に剥離することができる。
第2工程のはく離工程では、例えば図2Eに示すように、保護層12をガラス基板Gの表面から取り除く前に、はく離によって基材層11を保護層12の表面から取り除く。
第2工程のはく離工程では、基材層11と保護層12との密着性を低下させるために、少なくとも保護層12に対して加熱処理を施す。加熱処理では、例えば温度を100℃以上300℃以下とし、加熱処理時間を30秒間以上120分間以下とする。
基材層11を保護層12の表面からはく離する前に、上記のごとき加熱処理を施すことによって、保護層12のはく離力が大幅に低下する。具体的には、220℃で1時間の加熱処理後において、保護層12と基材層11との間のはく離力は0.5N/50mm以下に低下する。よって、被保護面を保護層12によって保護している間は、基材層11が保護層12と比較的強く密着し、保護シート1を取り除くときは、基材層11を容易にはく離できる。
第2工程の除去工程では、例えば図2Fに示すように、水を含む液体と接触したときに保護層12の少なくとも一部が溶解することにより、ガラス基板Gの表面から保護層12が除去される。
第2工程の除去工程では、撹拌されている上記液体のなかに保護層12を浸積して、保護層12に液体を接触させてもよい。又は、ノズル等から噴射された液体を、保護層12に接触させてもよい。上記液体の温度は、特に限定されず、例えば10℃以上90℃以下に設定されてもよい。
水を含む液体は、水を含む液状物質であれば、特に限定されない。斯かる液体は、水を30質量%以上含んでもよく、50質量%以上含んでもよく、70質量%以上含んでもよく、80質量%以上含んでもよく、90質量%以上含んでもよい。
上記液体は、水の他に、水に溶解する成分を含んでもよい。斯かる成分としては、例えば、水溶性有機溶媒が挙げられる。斯かる水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのプロパノール、又は、t-ブタノールなどのブタノールといった、炭素数4以下の1価アルコールが挙げられる。
除去工程によって片面から保護シート1が除去されたガラス基板Gは、例えば上述した工程を繰り返して実施するために再利用され得る。
本実施形態の製造方法では、デボンド工程によってガラス基板Gから取り外された電子部品Dに対して、例えば加工工程をさらに実施する。
加工工程では、電子部品Dの構成部材などに対して加工を施す。加工工程では、例えば、切断加工、研削加工、研磨加工、穴あけ加工といった加工処理を実施できる。例えば、加熱処理によって硬化した樹脂に対して研削加工(グラインド加工)を施すことができる。これにより、封止樹脂(硬化樹脂)の一部を削って、電子部品の端子Tを露出させることができる。
その後、加工工程では、再配線を形成する再配線加工処理、及び、形成した再配線上にバンプを形成するバンプ形成加工といった各加工をさらに実施することができる。さらに、ダイジング加工を実施して、チップ領域の外側に配線を引き出した電子部品装置を得ることができる。
次に、本実施形態の電子部品装置の製造方法の第2例について詳しく説明する。なお、第2例について、第1例と同様の説明は繰り返さない。第2例において、特に言及しない限り、第1例と同様の操作が行われ得る。
<第2例の電子部品装置の製造方法>
以下、被保護面を有する基板としてシリコンウエハSを用いて、電子部品装置として半導体集積回路を製造する半導体装置の製造方法を具体例として挙げて、斯かる製造方法について図面を参照しつつ詳しく説明する。
一般的に、半導体装置の製造方法は、高集積の電子回路によってベアウエハの片面側に回路面を形成する前工程と、回路面が形成された半導体ウエハから半導体チップを切り出して組立てを行う後工程とを備える。
後工程では、例えば、回路面が形成された基板としてのウエハS(半導体ウエハ)を小さい半導体チップ(ダイ)へ小片化し、その後、小片となった半導体チップを被着体に接合すること等によって、半導体集積回路(半導体装置)を組み立てる。
第2例の製造方法は、回路面が形成された半導体ウエハS(基板)から半導体チップを切り出して、斯かる半導体チップを有する半導体装置を組立てる組立工程を備える。
斯かる組立工程は、半導体ウエハSの少なくとも一方の面であって回路構成要素のいずれかが形成された回路面に、前記回路構成要素を保護するために保護シート1の保護層12を重ね合わせて回路面(被保護面Sa)を保護する上記の第1工程(図3A及び図3B参照)と、
半導体ウエハS及び保護シート1が積層された状態で、半導体ウエハSにおける回路構成要素が配置されていない面に対して研削加工を施し、半導体ウエハSの厚さを薄くするバックグラインド工程(図3C及び図3D参照)と、
厚さが薄くなった半導体ウエハS及び保護シート1の積層物から、保護シート1を取り除く上記の第2工程(図3E乃至図3F参照)と、を備える。
第2例の製造方法において、第1工程、第2工程のはく離工程及び除去工程は、第1例の製造方法と同様にして実施できる。
第2例の製造方法の組立工程は、厚さが薄くなった半導体ウエハSをダイボンドシートに貼り付ける工程(マウント工程)を有してもよい。
また、第2例の製造方法の組立工程は、面方向に間隔を空けるように半導体ウエハS及びダイボンドシート30の積層物を小片化して複数の小片を作製する工程(ダイシング工程)を有してもよい。
また、第2例の製造方法の組立工程は、作製された複数の小片を取り出す工程(ピックアップ工程)を有してもよい。
半導体ウエハSは、複数の半導体チップを得られるように構成されている。詳しくは、半導体ウエハSは、面に沿う複数の方向(例えば面に沿う方向であって互いに直交する方向)に間隔をそれぞれ空けるように分割されて小片化されることによって、複数の半導体チップを作製できるように構成されている。また、半導体ウエハSは、回路構成要素の少なくとも1種が配置された回路面を一方の面に有する。
第1工程では、例えば図3A及び図3Bに示すように、半導体ウエハSの上記一方の回路面に保護層12を重ね合わせる。保護工程では、例えば、保護層12を上記回路面に重ね合わせ、基材層11を介して保護層12を半導体ウエハSに押し付けることによって、上記回路面に保護層12を貼り付ける。
半導体ウエハSの回路面に保護層12を重ね合わせることによって、保護層12が除去されるまで、回路面を保護層12によって保護できる。よって、保護層12で覆われた半導体ウエハSの回路面にゴミ等が付着することを防止できる。
バックグラインド工程では、図3Cに示すように、半導体ウエハSが所定の厚さになるまで研削パッドPによる研削加工(バックグラインド加工)を施す。研削加工によって半導体ウエハSの厚さは、所定の厚さまで薄くなる。
バックグラインド工程においては、半導体ウエハSに、保護層12及び基材層11を貼り付けた状態で、半導体ウエハSに対して研削加工を施すことができる。研削加工時に加わる力は、半導体ウエハSを介して保護層12及びに伝わるが、保護層12の粘着力によって、半導体ウエハSと基材層11との間の界面ではく離が起こることが抑制される。換言すると、一般的なバックグラインドテープを別途使用しなくても、本実施形態の保護シート1を使用することによって、上記のごとき研削加工を実施できる。
研削加工では、半導体ウエハSの研削に伴って破片などの異物が生じ得る。このとき、保護層12によって半導体ウエハSの被保護面が保護されているため、被保護面に異物が付着することを抑制できる。
第2工程のはく離工程では、例えば図3Eに示すように、半導体ウエハSに貼り付いた保護層12と、基材層11との間のはく離によって、基材層11を取り除く。
第2工程の除去工程では、例えば図3Fに示すように、半導体ウエハSに貼り付いた保護層12に、水を含む液体を接触させることにより、保護層12の少なくとも一部を溶解させ、保護層12を除去する。
第2例の製造方法では、続く以下の工程によって、半導体ウエハSを小片化してもよい。
マウント工程では、厚さが薄くなり保護シートが取り除かれた半導体ウエハSを、例えば、ダイシングテープに重ねられたダイボンドシートに貼り付ける
ダイシング工程を実施する場合、例えばブレードダイシング加工によって半導体ウエハSのダイシングを行うことができる。ブレードダイシング加工は、例えばダイシングブレードを用いて、常法に従い行われる。ブレードダイシング加工で使用されるダイシング装置としては、特に限定されず、従来公知の装置を使用できる。
ピックアップ工程では、小片化されてなる半導体チップ及びダイボンドシートの小片をダイシングテープからはく離する。このようにピックアップ工程を行うときに、半導体チップに貼り付いたダイボンドシートの小片が、ダイシングテープの粘着剤シートから容易にはく離される必要がある。ダイシングテープは、このような性能を良好に発揮できるように設計されている。
さらに、ダイボンドシートの小片が貼り付いた状態の半導体チップを被着体に接着させてもよい。
本実施形態の保護シート及び電子部品装置の製造方法は上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の保護シート及び電子部品装置の製造方法に限定されない。
即ち、一般的な保護シート及び電子部品装置の製造方法において用いられる種々の形態が、本発明の効果を損ねない範囲において、採用され得る。
本明細書によって開示される事項は、以下のものを含む。
(1)
水溶性高分子化合物を含む保護層と、該保護層の一方の面に重なる基材層と、を備え、
前記保護層と前記基材層との間のはく離力は、室温において20.0N/50mm以上であり、220℃で1時間の加熱後において0.5N/50mm以下である、保護シート。
(2)
前記加熱の前における前記保護層の60℃での複素粘度に対する、前記加熱の後における前記保護層の60℃での複素粘度が、5%以下である、上記(1)に記載の保護シート。
(3)
前記水溶性高分子化合物が、ポリオキシエチレン構造を分子中に有する、上記(1)又は(2)に記載の保護シート。
(4)
前記加熱の前における前記保護層の複素粘度η[Pa・s]が10,000[Pa・s]以上11,250[Pa・s]以下であり、前記加熱の後における前記保護層の複素粘度η[Pa・s]が40[Pa・s]以上90[Pa・s]以下である、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の保護シート。
(5)
基板の少なくとも一方の被保護面を保護シートで保護した後に前記保護シートを除去する仮保護工程を含む、電子部品装置の製造方法であって、
前記保護シートは、水溶性高分子化合物を含む保護層と、該保護層の一方の面に重なる基材層と、を備え、前記保護層と前記基材層との間のはく離力は、室温において20.0N/50mm以上であり、220℃で1時間の加熱後において0.5N/50mm以下であり、
前記仮保護工程は、前記被保護面に前記保護シートの前記保護層を貼り合わせる第1工程と、前記被保護面から前記保護シートを取り除く第2工程とを有し、
前記第2工程は、前記保護層を加熱した後に前記保護層から前記基材層をはく離する工程と、水を含む液体によって前記保護層の少なくとも一部を溶解させて前記保護層を取り除く工程とを有する、電子部品装置の製造方法。
次に、実験例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
以下のようにして、保護シートを製造した。
<基材層の材質>
[A-1]
ポリイミド樹脂フィルム 厚さ25μm
製品名「カプトン」東レ・デュポン社製
[A-2]
表面未処理ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム 厚さ38μm
製品名「ルミラー #38-S10」東レ社製
[a-1]
表面離型処理ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム 厚さ38μm
製品名「ダイアホイルMRA」三菱ケミカル社製
<保護層の配合原料>
(水溶性高分子化合物)
[B-1]
ポリエチレンオキサイド単独重合体
製品名「アルコックス R-150」明成化学工業社製
(質量平均分子量Mw=約20万)
[B-2]
ポリエチレンオキサイド-ポリプロピレンオキサイド ランダム共重合
製品名「アルコックス EP1010N」明成化学工業社製
(質量平均分子量Mw=約10万)
(非水溶性高分子化合物)
[b-1]
ポリエステル系はく離ライナー/シリコーン系粘着剤/ポリイミドフィルムの積層構造
製品名「TRM6250L」 日東電工社製
各実施例及び各比較例における保護シートの構成を表1にそれぞれ示す。
(実施例1~3)
各水溶性高分子化合物を水に分散させ、さらに90℃に加熱し、撹拌することによって高分子溶液を調製した。
次に、アプリケータを用いて、各基材層の片面に、上記の高分子溶液を塗工した。110℃で2分間乾燥することにより、基材層上に保護層を形成した。
このようにして、表1に示す構成の保護シート(10μm厚さ)を製造した。
(比較例1、2)
比較例1については、基材層と保護層とを貼り合わせて保護シートを製造した。なお、保護層のポリイミドフィルム側を基材層と接触させた。
比較例2については、水溶性高分子化合物を含む高分子溶液を、基材層に塗工することが不可能であったため、保護シートを製造できなかった。
[保護層の物性(複素粘度)測定]
上述した測定方法に従って、保護層の複素粘度を評価した。加熱処理前(X)、及び、220℃で1時間の加熱処理後(Y)の粘弾性測定の結果から、複素粘度(η 、η )の測定値をそれぞれ読み取った。さらに、加熱処理前の複素粘度に対する加熱処理後の複素粘度の比の百分率[(η /η )×100](加熱後の複素粘度の維持率ともいう)を算出した。結果を表1に示す。
<塗工性>
高分子溶液を基材層に塗工したときに、塗工が可能であるか否かを目視によって確認した。結果を表1に示す。
<保護層と基材層との間のはく離力(保護層と基材層との密着性)(加熱前)>
測定装置として「オートグラフ(SHIMADZU社製)」を使用して、180°はく離試験によって、以下のようにして保護層と基材層との密着性を評価した。
保護シートの保護層に、裏打ちテープ(製品名「エレップホルダー ELP BT-315 日東電工社製」)を貼り合わせた。貼り合わせ時の温度は室温であり、貼り合わせ速度は10mm/秒であった。
裏打ちテープ及び基材層の端部をつかみ、180°はく離を実施した。保護層の少なくとも一部が基材層側に残る場合、密着性「有」と判定した。一方、保護層の全てが裏打ちテープ側に残る場合、密着性「無」と判定した。加熱前における上記試験のはく離力の結果を表1に示す。
評価試験のすべてにおいて、保護層の少なくとも一部が基材層側に残ったことから、保護層と基材層との間のはく離力は、測定された各はく離力(裏打ちテープと保護層との間のはく離力)よりも大きいといえる。従って、保護層と基材層との間のはく離力は、少なくとも21.0[N/50mm]よりも大きいといえる。
<保護層と基材層との間のはく離力測定(加熱後)>
以下のようにして保護層と基材層との間のはく離力をそれぞれ測定した。
大ささが76mm×52mmであり、厚さが0.9mm程度のガラス板(松浪硝子社製)を用意した。次に、10mm幅となるように加工した保護シートの保護層と、ガラス板とを貼り合わせた。貼り合わせは、90℃、10mm/秒の条件で実施した。このようにして測定用積層体を作製した。
ガラス板に保護シート(基材層及び保護層)を貼り付けた状態で、測定用積層体に対して、220℃で1時間の加熱処理を行った。
続いて、保護シートの基材層の端部をつかんだ状態で、基材層を保護層からはく離した。具体的には、23℃の雰囲気下において、180°のはく離角度且つ300mm/minのはく離速度で、基材層をガラス板からはく離してはく離力を測定した。測定装置として、「オートグラフ(SHIMADZU社製)」を使用した。
保護層の少なくとも一部をガラス板表面に残しつつ(保護層が凝集破壊しつつ)基材層を容易にはく離できた場合、はく離可能と判定した。一方、5.0N/50mm以上の大きなはく離力を要した場合、はく離困難と判定した。結果を表1に示す。
<水洗後の糊残りの有無の確認>
上記の<保護層と基材層との間のはく離力測定(加熱後)>に記載した方法に従って、基材層を取り除いた。その後、25℃の水で5分間、高圧洗浄法によって保護層を取り除く処理を行った。
保護層がガラス基板上(ガラス板上)に残った場合を「糊残り有」と判定し、保護層が残らなかった場合を「糊残り無」と判定した。結果を表1に示す。
上記の結果から把握されるように、実施例の保護シートは、比較例の保護シートに比べて、被保護面の保護中は基材層が保護層と比較的強く密着し、保護シートを取り除くときは基材層を容易にはく離できた。また、水によって保護層がより簡便に除去できた。
実施例の保護シートでは、水溶性高分子化合物を含む保護層と、基材層との間のはく離力は、室温において20.0N/50mm以上であり、220℃で1時間の加熱後において0.5N/50mm以下である。
このような実施例の保護シートを、電子部品装置の製造において使用することによって、電子部品装置を効率良く製造することができる。
例えば、被保護面を有する基板を一時的に保護するために、基板にいったん貼り付けられて使用される実施例のごとき保護シートは、加熱される前では比較的高い密着性を有し、一方、加熱された後では密着性が低下する。よって、加熱前には、保護層が基板に貼り付いて保護作用を発揮し、加熱後には、保護層から基材層が容易にはく離されて除去される。しかも、保護層は水を含む液体によって容易に除去される。よって、実施例のごとき保護シートを使用することにより、電子部品装置を効率良く製造することができる。
本発明の保護シートは、例えば、半導体装置などの電子部品装置を製造するときの補助用具として、好適に使用される。
本発明の電子部品装置の製造方法は、例えば、半導体装置などの電子部品装置を製造するときに、好適に使用される。
1:保護シート、
11:基材層、 12:保護層、
G:ガラス基板、 D:電子部品、 K:仮接着層、
S:シリコンウエハ(半導体ウエハ)。

Claims (4)

  1. 水溶性高分子化合物を含む保護層と、該保護層の一方の面に重なる基材層と、を備え、
    前記保護層と前記基材層との間のはく離力は、室温において20.0N/50mm以上であり、220℃で1時間の加熱後において0.5N/50mm以下である、保護シート。
  2. 前記加熱の前における前記保護層の60℃での複素粘度に対して、前記加熱の後における前記保護層の60℃での複素粘度が、5%以下である、請求項1に記載の保護シート。
  3. 前記水溶性高分子化合物が、ポリオキシエチレン構造を分子中に有する、請求項1又は2に記載の保護シート。
  4. 基板の少なくとも一方の被保護面を保護シートで保護した後に前記保護シートを除去する仮保護工程を含む、電子部品装置の製造方法であって、
    前記保護シートは、水溶性高分子化合物を含む保護層と、該保護層の一方の面に重なる基材層と、を備え、前記保護層と前記基材層との間のはく離力は、室温において20.0N/50mm以上であり、220℃で1時間の加熱後において0.5N/50mm以下であり、
    前記仮保護工程は、前記被保護面に前記保護シートの前記保護層を貼り合わせる第1工程と、前記被保護面から前記保護シートを取り除く第2工程とを有し、
    前記第2工程は、前記保護層を加熱した後に前記保護層から前記基材層をはく離する工程と、水を含む液体によって前記保護層の少なくとも一部を溶解させて前記保護層を取り除く工程とを有する、電子部品装置の製造方法。


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