JP2024067815A - ガラス繊維製造用ノズル、ガラス繊維製造装置およびガラス繊維製造方法 - Google Patents

ガラス繊維製造用ノズル、ガラス繊維製造装置およびガラス繊維製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】扁平形状などの非円形断面を有する異形断面ガラス繊維を安定的に製造する。【解決手段】ガラス繊維製造用ノズル5は、ノズル孔の短径方向で対向する一対の長壁部と、前記ノズル孔の長径方向で対向する一対の短壁部とを備える。一対の長壁部の少なくとも一方に切欠き部54が形成されている。切欠き部54は、長壁部51の基端部側から先端部側に向かうに連れて長径方向Yの中央部から長径方向Yの一端部側に移行する第一部分54aと、長壁部51の基端部側から先端部側に向かうに連れて長径方向Yの中央部から長径方向Yの他端部側に移行する第二部分54bとを備える。第一部分54aおよび第二部分54bのそれぞれが、2段以上の段数を有する階段形状をなす。【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス繊維の製造技術の改良に関するものである。
断面が長円形や楕円形のような扁平形状などの異形断面(非円形断面)を有するガラス繊維(以下、「異形断面ガラス繊維」という場合がある)は、樹脂と混合して複合化した場合に高い補強効果を実現できることから、さまざまな分野で利用されている。
この種の異形断面ガラス繊維は、ノズルから溶融ガラスを引き出しながら冷却することにより製造されるのが一般的である。この際、ノズル先端部のノズル孔の形状が製造されるガラス繊維の断面形状の基礎を形作ることから、異形断面ガラス繊維の製造する場合、ノズル先端部においてノズル孔が扁平状とされることが多い。
しかしながら、扁平状のノズル孔を有するノズルを使用したとしても、ノズルから引き出される溶融ガラスの粘度が低すぎれば、ノズルの先端部で表面張力により溶融ガラスの断面が丸くなりやすく、所期の異形断面ガラス繊維を製造できなくなる。
そこで、例えば、特許文献1に開示のノズルでは、溶融ガラスが流出するノズル先端部において、扁平状のノズル孔の短径方向で対向する一対の長壁部の凹状の切欠き部を設けている。これにより、溶融ガラスが、切欠き部を介して外気と接触して冷却され、ノズルの先端部にある溶融ガラスの粘度が高まる。その結果、異形断面ガラス繊維を製造しやすくなることが期待できる。
特開2003-48742号公報
特許文献1に開示のように、切欠き部の形状を略矩形状とした場合、ノズルの先端部で溶融ガラスが表面張力により丸まろうとする力を十分に抑制できず、異形断面ガラス繊維を安定的に製造できない場合がある。
以上の実情に鑑み、本発明は、扁平形状などの非円形断面を有する異形断面ガラス繊維を安定的に製造することを課題とする。
(1) 上記課題を解決するために創案された本発明に係るガラス繊維製造用ノズルは、溶融ガラスが流出する扁平状のノズル孔と、ノズル孔を囲む壁部とを備え、壁部が、ノズル孔の短径方向で対向する一対の長壁部と、ノズル孔の長径方向で対向する一対の短壁部とを有するガラス繊維製造用ノズルであって、一対の長壁部の少なくとも一方に切欠き部が形成されており、切欠き部は、長壁部の基端部側から先端部側に向かうに連れて長径方向の中央部から長径方向の一端部側に移行する第一部分と、長壁部の基端部側から先端部側に向かうに連れて長径方向の中央部から長径方向の他端部側に移行する第二部分とを備え、第一部分および第二部分のそれぞれが、2段以上の段数を有する階段形状をなすことを特徴とする。
このようにすれば、溶融ガラスが、切欠き部を介して外気と接触して冷却される。また、切欠き部が階段形状をなすため、切欠き部と接する溶融ガラスが表面張力により丸まろうとする際に、階段形状が溶融ガラスの丸まろうとする力に対して抵抗を付与する。特に、切欠き部の階段形状に含まれる角部が、溶融ガラスに対して大きな抵抗を付与する。したがって、切欠き部による冷却効果と、切欠き部の階段形状による抵抗付与効果との相乗効果により、溶融ガラスが丸まろうとする力が確実に抑制される。その結果、扁平形状などの非円形断面を有する異形断面ガラス繊維を安定的に製造できる。
(2) 上記(1)の構成において、第一部分の階段形状の段数と、第二部分の階段形状の段数とが、それぞれ2段であり、第一部分の階段形状の段数および第二部分の階段形状の段数を、長壁部の基端部側から順に数えた場合に、第一部分のn(ただし、nは0~2の整数)段目の高さが、第二部分のn段目の高さと同じであることが好ましい。
このようにすれば、ノズルの製造コストを下げることができる。
(3) 上記(2)の構成において、第一部分および第二部分の0段目の幅寸法の合計値が、第一部分および前記第二部分の1段目の幅寸法の合計値よりも大きいことが好ましい。
このようにすれば、長径方向の中央部における切欠き部の開口面積を大きくできるため、切欠き部の階段形状による抵抗付与効果を維持しつつ、切欠き部による冷却効果を高めることができる。つまり、溶融ガラスが丸まろうとする力がより抑制される。
(4) 上記(2)又は(3)の構成において、第一部分および第二部分の0段目の幅寸法の合計値が、第一部分および第二部分の2段目の幅寸法の合計値の1/2以上であることが好ましい。
このようにすれば、長径方向の中央部における切欠き部の開口面積を大きくできるため、切欠き部の階段形状による抵抗付与効果を維持しつつ、切欠き部による冷却効果を高めることができる。つまり、溶融ガラスが丸まろうとする力がより抑制される。
(5) 上記(2)~(4)のいずれかの構成において、第一部分および第二部分の0段目の幅寸法の合計値が、第一部分および第二部分の1段目の幅寸法の合計値よりも大きく、第一部分および第二部分の1段目の幅寸法の合計値が、第一部分および第二部分の2段目の幅寸法の合計値よりも大きいことが好ましい。
このようにすれば、溶融ガラスに大きな抵抗を付与する階段形状に含まれる角部を、長径方向の外側に集中的に位置させることができるため、溶融ガラスが丸まろうとする力がより抑制される。
(6) 上記(2)~(5)のいずれかの構成において、第一部分および第二部分の0段目の高さを基準とした1段目の高さ寸法が、第一部分および第二部分の1段目の高さを基準とした2段目の高さ寸法よりも大きいことが好ましい。
このようにすれば、長径方向の中央部における切欠き部の開口面積を大きくできるため、切欠き部の階段形状による抵抗付与効果を維持しつつ、切欠き部による冷却効果を高めることができる。つまり、溶融ガラスが丸まろうとする力がより抑制される。
(7) 上記課題を解決するために創案された本発明に係るガラス繊維製造装置は、上記(1)~(6)のいずれかの構成を有するノズルが底部に複数設けられたブッシングを備えることを特徴とする。
このようにすれば、上述の対応する構成と同様の作用効果を享受できる。
(8) 上記課題を解決するために創案された本発明に係るガラス繊維製造方法は、上記(1)~(6)のいずれかの構成を有するノズルを用いて、ガラス繊維を製造することを特徴とする。
このようにすれば、上述の対応する構成と同様の作用効果を享受できる。
本発明によれば、異形断面ガラス繊維を安定的に製造できる。
本発明の第一実施形態に係るガラス繊維製造装置を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係るノズルを示す斜視図である。 図2のA矢視図である。 本発明の第二実施形態に係るノズルを示す、図2のA矢視図に対応する側面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
<第一実施形態>
(ガラス繊維製造装置)
図1に示すように、第一実施形態に係るガラス繊維製造装置は、ガラス溶融炉1と、ガラス溶融炉1に接続されたフォアハース2と、フォアハース2に接続されたフィーダー3とを備えている。ここで、図1に示すXYZからなる直交座標系において、X方向およびY方向は水平方向であり、Z方向が鉛直方向である。
フィーダー3の底部は、ブッシング4によって構成されている。ブッシング4は、ブッシングブロック等を介してフィーダー3に取り付けられている。ブッシング4の底部には、複数のノズル5が設けられている。
ガラス溶融炉1、フォアハース2、フィーダー3、ブッシング4およびノズル5は、少なくとも一部が白金又は白金合金(例えば、白金ロジウム合金)により形成されている。なお、ノズル5の詳細構造については後述する。
各ノズル5の近傍には、溶融ガラスGを冷却する冷却手段を設けてもよい。冷却手段としては、内部に冷媒(例えば冷却水)を流通させる冷却管、空気流を誘導して冷却作用を及ぼす冷却フィンなどが挙げられる。
(ガラス繊維製造方法)
本実施形態に係るガラス繊維製造方法では、上記のガラス繊維製造装置を用いる。詳細には、図1に示すように、本製造方法では、溶融ガラスGが、ガラス溶融炉1からフォアハース2を通じてフィーダー3に供給されると共に、フィーダー3内に貯留される。フィーダー3内に貯留された溶融ガラスGは、ブッシング4に設けられた複数のノズル5から下方に引き出され、ガラス繊維(モノフィラメント)Gmが製造される。この際、成形温度における溶融ガラスGの粘度は、102.0~103・5dPa・s(好ましくは102.5~103・3dPa・s)の範囲内に設定される。なお、成形温度における溶融ガラスGの粘度は、ノズル5に流入する位置における溶融ガラスGの粘度とする。ガラス繊維Gmの表面には、図示しないアプリケータにより集束剤が塗布されると共に、100~10000本のガラス繊維Gmが、1本のストランドGsに紡糸される。紡糸されたストランドGsは、巻き取り装置のボビン6に繊維束Grとして巻き取られる。ストランドGsは、例えば、1~20mm程度の所定長に切断され、チョップドストランドとして利用される。
溶融ガラスGの粘度を調整するために、フォアハース2、フィーダー3およびブッシング4の中から選ばれた一つ又は複数の要素を通電加熱などで加熱してもよい。
溶融ガラスGのガラス材質は特に限定されるものではないが、例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス、ARガラス、Cガラスなどを用いることができる。
(ノズル)
図2~図3に示すように、本実施形態に係るノズル5は、X方向で対向する一対の長壁部51と、Y方向で対向する一対の短壁部52と、長壁部51と短壁部52で区画形成された扁平状のノズル孔53とを備える。なお、ノズル孔53の長径方向はY方向と一致しており、ノズル孔53の短径方向はX方向と一致している。以下では、Y方向を長径方向Y、X方向を短径方向Xという場合がある。
ノズル孔53の形状は、特に限定されるものではないが、本実施形態では長径方向Yに細長い長方形である。
短壁部52の短径方向Xの両端部のそれぞれには、長壁部51の長径方向Yの一端部が接続されている。一対の短壁部52の内面および一対の長壁部51の内面は、ノズル孔53の周方向において連続している。
短壁部52の短径方向Xの寸法は、長壁部51の長径方向Yの寸法よりも短い。短壁部52の短径方向Xの寸法は、長壁部51の長径方向Yの寸法の0.1~0.5倍であることが好ましく、0.2~0.4倍であることがさらに好ましい。
一対の長壁部51のそれぞれには、切欠き部54が設けられている。
切欠き部54は、長壁部51の基端部側から先端部側に向かうに連れて長径方向Yの中央部から長径方向Yの一端部側に移行する第一部分54aと、長壁部51の基端部側から先端部に向かうに連れて長径方向Yの中央部から長径方向Yの他端部側に移行する第二部分54bとを備える。ここで、本実施形態では、切欠き部54のうち、長壁部51の長径方向Yの中心線CLを境界とする一方側を第一部分54a、他方側を第二部分54bとする。また、長壁部51の基端部は、ノズル5をフィーダー3の底部に取り付けた状態における長壁部51の上端部と一致し、長壁部54の先端部は、ノズル5をフィーダー3の底部に取り付けた状態における長壁部51の下端部と一致する。以下の説明では、基端部側を上端部、先端部側を下端部という場合がある。
第一部分54aおよび第二部分54bのそれぞれは、2段以上の段数を有する階段形状をなす。本実施形態では、第一部分54aの階段形状の段数と、第二部分54bの階段形状の段数とが、2段である場合を説明する。なお、第一部分54aおよび第二部分54bのそれぞれについて、長壁部51の基端部側(上端部側)から順に、0段目、1段目、2段目とする。
第一部分54aおよび第二部分54bのそれぞれは、0段目として、横方向(例えば水平方向Y)に延びる0段目横部55a,55bを備える。
第一部分54aおよび第二部分54bのそれぞれは、1段目として、横方向に延びる1段目横部56a,56bと、0段目横部55a,55bの外端と1段目横部56a,56bの内端との間を繋ぐ縦方向(例えば鉛直方向Z)に延びる1段目縦部57a,57bとを備える。0段目横部55a,55bの外端と1段目縦部57a,57bの上端とが交わる位置には角部C0a,C0bが形成される。1段目縦部57a,57bの下端と1段目横部56a,56bの内端とが交わる位置には角部C1a,C1bが形成される。角部C0a,C0bの角度θ0a,θ0bおよび角部C1a,C1bの角度θ1a,θ1bは、90°である。
第一部分54aおよび第二部分54bのそれぞれは、2段目として、横方向に延びる2段目横部58a,58bと、1段目横部56a,56bの外端と2段目横部58a,58bの内端との間を繋ぐ縦方向に延びる2段目縦部59a,59bとを備える。1段目横部56a,56bの外端と2段目縦部59a,59bの上端とが交わる位置には角部C2a,C2bが形成される。2段目縦部59a,59bの下端と2段目横部58a,58bの内端とが交わる位置には角部C3a,C3bが形成される。角部C2a,C2bの角度θ2a,θ2bおよび角部C3a,C3bの角度θ3a,θ3bは、90°である。
以上のような構成によれば、ノズル5の先端部において、溶融ガラスGが、切欠き部54を介して外気と接触して冷却される。また、切欠き部54が階段形状をなすため、切欠き部54と接する溶融ガラスGが表面張力により丸まろうとする際に、階段形状が溶融ガラスGの丸まろうとする力(溶融ガラスGを長径方向Yの中央側に引き寄せる力)に対して抵抗を付与する。特に、切欠き部54の階段形状に含まれる角部C0a~C3a,C0b~C3bが、溶融ガラスGに対して大きな抵抗を付与する。したがって、切欠き部54による冷却効果と、切欠き部54の階段形状による抵抗付与効果との相乗効果により、溶融ガラスGが丸まろうとする力が確実に抑制される。その結果、扁平形状などの異形断面を有するガラス繊維Gmを安定的に製造できる。特に、高い扁平比(鉛直方向Zと直交する断面における横寸法/縦寸法)を有するガラス繊維Gmを製造しやすくなる。
第一部分54aのn(ただし、nは0~2の整数)段目の高さと、第二部分54bのn段目の高さとは、同じである。つまり、第一部分54aの0段目横部55aと、第二部分54bの0段目横部55bとは、同じ高さである。第一部分54aの1段目横部56aと、第二部分54bの1段目横部56bとは、同じ高さである。第一部分54aの2段目横部58aと、第二部分54bの2段目横部58bとは、同じ高さである。このようにすれば、ノズル5の加工が容易となり、ノズル5の製造コストを下げることができる。
第一部分54aの0段目横部55aの幅寸法W0aと、第二部分54bの0段目横部55bの幅寸法W0bとの合計値(W0a+W0b)は、第一部分54aの2段目横部58aの幅寸法W2aと、第二部分54bの2段目横部58bの幅寸法W2aとの合計値(W2a+W2b)の1/2以上であることが好ましい。このようにすれば、長径方向Yの中央部における切欠き部54の開口面積を大きくできるため、切欠き部54の階段形状による抵抗付与効果を維持しつつ、切欠き部54による冷却効果を高めることができる。つまり、溶融ガラスGが丸まろうとする力がより抑制される。
第一部分54aの0段目横部55aの幅寸法W0aと、第二部分54bの0段目横部55bの幅寸法W0bとの合計値(W0a+W0b)は、第一部分54aの1段目横部56aの幅寸法W1aと、第二部分54bの1段目横部56bの幅寸法W1bとの合計値(W1a+W1b)よりも大きいことが好ましい。また、第一部分54aの1段目横部56aの幅寸法W1aと、第二部分54bの1段目横部56bの幅寸法W1bとの合計値(W1a+W1b)は、第一部分54aの2段目横部58aの幅寸法W2aと、第二部分54bの2段目横部58bの幅寸法W2bとの合計値(W2a+W2b)よりも大きいことが好ましい。このように(W0a+W0b)>(W1a+W1b)>(W2a+W2b)とすれば、溶融ガラスGに対して大きな抵抗を付与する角部C0a~C3a,C0b~C3bを長径方向Yの外側に集中的に位置させることができる、その結果、表面張力によって溶融ガラスGが丸まろうとする力がより抑制される。
0段目横部55a,55bの高さを基準とした1段目横部56a,56bの高さ寸法H1は、1段目横部56a,56bの高さを基準とした2段目横部58a,58bの高さ寸法H2よりも大きいことが好ましい。具体的には、H1はH2の1.5倍以上であることが好ましい。このようにすれば、長径方向Yの中央部における切欠き部54の開口面積を大きくできるため、切欠き部54の階段形状による抵抗付与効果を維持しつつ、切欠き部54による冷却効果を高めることができる。つまり、溶融ガラスGが丸まろうとする力がより抑制される。
第一部分54aの2段目横部58aの幅寸法W2aと、第二部分54bの2段目横部58bの幅寸法W2bとの合計値(W2a+W2b)は、0.5mm以上であることが好ましい。
切欠き部54のうち、角部C2a,C3a,C3b,C2bの4点で規定される四角形状の第二開口部(下段開口部)の面積は、角部C0a,C1a,C1b,C0bの4点で規定される四角形状の第一開口部(上段開口部)の面積の1.5倍以下であることが好ましい。本実施形態のように、第一開口部および第二開口部がそれぞれ矩形状の場合は、例えば、第一開口部の面積は(W0a+W0b)×H1で求められ、第二開口部の面積は(W0a+W0b+W1a+W1b)×H2で求められる。
第一部分54aの0段目横部55aの幅寸法W0aと、第二部分54bの0段目横部55bの幅寸法W0bとの合計値(W0a+W0b)は、ノズル5の全幅Wの0.3~0.6倍であることが好ましい。
第一部分54aの1段目横部56aの幅寸法W1aと、第二部分54bの1段目横部56bの幅寸法W1bとの合計値(W1a+W1b)は、ノズル5の全幅Wの0.2~0.5倍であることが好ましい。
第一部分54aの2段目横部58aの幅寸法W2aと、第二部分54bの2段目横部58bの幅寸法W2bとの合計値(W2a+W2b)は、ノズル5の全幅Wの0.2~0.5倍であることが好ましい。
<第二実施形態>
(ノズル)
第二実施形態では、ノズルの変形例を説明する。図4に示すように、本実施形態に係るノズル5では、角部C0a~C3aの角度θ0a~θ3aおよびC0b~C3bの角度θ0b~θ3bが、90°超となっている。つまり、角部C0a~C3aの角度θ0a~θ3aおよびC0b~C3bの角度θ0b~θ3bは、第一実施形態のように、90°の場合に限定されない。換言すれば、縦部57a,59a,57b,59bは、鉛直方向Zと平行な場合に限定されず、鉛直方向Zの下方に向かうに連れて長径方向Yの外側に移行するように傾斜していてもよい。
角部C0a~C3aの角度θ0a~θ3aおよびC0b~C3bの角度θ0b~θ3bは、90°~150°であることが好ましく、90°~135°であることがより好ましい。なお、角部C0a~C3aの角度θ0a~θ3aの一部を90°とし、残りを90°超としてよい。ただし、溶融ガラスGの流れが、第一部分54aと第二部分54bとで不均一になるのを抑制する観点からは、対応する角部は互いに同じ角度であることが好ましい。つまり、角部C0aおよび角部C0bは同じ角度であることが好ましい。角部C1aおよび角部C1bは同じ角度であることが好ましい。角部C2aおよび角部C2bは同じ角度であることが好ましい。角部C3aおよび角部C3bは同じ角度であることが好ましい。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の形態において実施することができる。
上記の実施形態では、一対の長壁部51のそれぞれに切欠き部54を設ける場合を説明したが、いずれか一方の長壁部51のみに切欠き部54を設けるようにしてもよい。
上記の実施形態において、横部55a,56a,58a,55b,56b,58bは、水平方向に対して傾斜していてもよい。ただし、溶融ガラスGの流れが、第一部分54aと第二部分54bとで不均一になるのを抑制する観点からは、第一部分54aおよび第二部分54bは、切欠き部54の中心線CLに対して線対称形状を有することが好ましい。
上記の実施形態において、角部C0a~C3aの角度θ0a~θ3aおよびC0b~C3bの角度θ0b~θ3bは、90°未満であってもよい。つまり、角度θ0a~θ3a,θ0b~θ3bは、特に限定されるものではなく、溶融ガラスGの粘度、溶融ガラスGの引出速度、外気温度などに応じて適宜調整できる。
上記の実施形態において、第一部分54aの階段形状の段数と、第二部分54bの階段形状の段数とが、3段以上であってもよい。この場合、以下の(1)~(5)の構成をさらに備えることが好ましい。
(1) 第一部分54aの階段形状の段数と、第二部分54bの階段形状の段数とが、それぞれm(ただし、mは、3以上の整数)であり、第一部分54aの階段形状の段数および第二部分54bの階段形状の段数を、長壁部51の基端部側から順に数えた場合に、第一部分54aのk(ただし、kは0~mの整数)段目の高さが、第二部分54bのk段目の高さと同じである。
(2) 上記(1)の構成において、第一部分54aおよび第二部分54bの0段目の幅寸法の合計値が、第一部分54aおよび第二部分54bの1段目の幅寸法の合計値よりも大きい。
(3) 上記(1)又は(2)の構成において、第一部分54aおよび第二部分54bの0段目の幅寸法の合計値が、第一部分54aおよび第二部分54bのm段目の幅寸法の合計値の1/2以上である。
(4) 上記(1)~(3)のいずれかの構成において、第一部分54aおよび第二部分54bの(k-1)段目の幅寸法の合計値が、第一部分54aおよび第二部分54bのk段目の幅寸法の合計値よりも大きい。
(5) 上記(1)~(4)のいずれかの構成において、第一部分54aおよび第二部分54bの(k-1)段目の高さを基準としたk段目の高さ寸法が、第一部分54aおよび第二部分54bのk段目の高さを基準とした(k+1)段目の高さ寸法よりも大きい。
1 ガラス溶融炉
2 フォアハース
3 フィーダー
4 ブッシング
5 ノズル
6 ボビン
51 長壁部
52 短壁部
53 ノズル孔
54 切欠き部
54a 第一部分
54b 第二部分
55a,56a,58a 横部
55b,56b,58b 横部
57a,59a 縦部
57b,59b 縦部
C0a,C1a,C2a,C3a 角部
C0b,C1b,C2b,C3b 角部
CL 中心線
G 溶融ガラス
Gm ガラス繊維
Gr 繊維束
Gs ストランド
X 短径方向(水平方向)
Y 長径方向(水平方向)
Z 鉛直方向

Claims (8)

  1. 溶融ガラスが流出する扁平状のノズル孔と、前記ノズル孔を囲む壁部とを備え、前記壁部が、前記ノズル孔の短径方向で対向する一対の長壁部と、前記ノズル孔の長径方向で対向する一対の短壁部とを有するガラス繊維製造用ノズルであって、
    前記一対の長壁部の少なくとも一方に切欠き部が形成されており、
    前記切欠き部は、前記長壁部の基端部側から先端部側に向かうに連れて前記長径方向の中央部から前記長径方向の一端部側に移行する第一部分と、前記長壁部の前記基端部側から前記先端部側に向かうに連れて前記長径方向の前記中央部から前記長径方向の他端部側に移行する第二部分とを備え、
    前記第一部分および前記第二部分のそれぞれが、2段以上の段数を有する階段形状をなすことを特徴とするガラス繊維製造用ノズル。
  2. 前記第一部分の前記階段形状の段数と、前記第二部分の前記階段形状の段数とが、それぞれ2段であり、
    前記第一部分の前記階段形状の段数および前記第二部分の前記階段形状の段数を、前記長壁部の前記基端部側から順に数えた場合に、前記第一部分のn(ただし、nは0~2の整数)段目の高さが、前記第二部分のn段目の高さと同じである請求項1に記載のガラス繊維製造用ノズル。
  3. 前記第一部分および前記第二部分の0段目の幅寸法の合計値が、前記第一部分および前記第二部分の1段目の幅寸法の合計値よりも大きい請求項2に記載のガラス繊維製造用ノズル。
  4. 前記第一部分および前記第二部分の0段目の幅寸法の合計値が、前記第一部分および前記第二部分の2段目の幅寸法の合計値の1/2以上である請求項2に記載のガラス繊維製造用ノズル。
  5. 前記第一部分および前記第二部分の0段目の幅寸法の合計値が、前記第一部分および前記第二部分の1段目の幅寸法の合計値よりも大きく、
    前記第一部分および前記第二部分の1段目の幅寸法の合計値が、前記第一部分および前記第二部分の2段目の幅寸法の合計値よりも大きい請求項2に記載のガラス繊維製造用ノズル。
  6. 前記第一部分および前記第二部分の0段目の高さを基準とした1段目の高さ寸法が、前記第一部分および前記第二部分の1段目の高さを基準とした2段目の高さ寸法よりも大きい請求項2に記載のガラス繊維製造用ノズル。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のノズルが底部に複数設けられたブッシングを備えることを特徴とするガラス繊維製造装置。
  8. 請求項1~6のいずれか1項に記載のノズルを用いて、ガラス繊維を製造することを特徴とするガラス繊維製造方法。
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