JP2021001111A - ガラス繊維集合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】異形断面ガラス繊維の製造技術の改良に関するもので、ノズルの熱変形を抑えつつ成形時の溶融ガラスの粘度を適正に調整し、安定的に成形した異形断面ガラス繊維集合体を提供する。【解決手段】複数本のガラス繊維Gmからなるガラス繊維集合体Gsであって、ガラス繊維Gmは、断面が扁平形状をなす異形断面を有し、断面の扁平比のばらつきσを扁平比の平均値で割った値の百分率は15%以下である。異形断面ガラス繊維製造用ノズル5は、溶融ガラスGが流出する先端部において、扁平状のノズル孔と、ノズル孔の短径方向で対向する一対の第1の壁部と、ノズル孔の長径方向で対向する一対の第2の壁部と、を備え、一対の第1の壁部のそれぞれは、先端側に向かうに連れて長径方向の開口幅が漸次拡大する凹状の切欠き部を有することを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、異形断面ガラス繊維の製造技術の改良に関するものである。
断面が長円形や楕円形のような扁平形状などの非円形断面を有する異形断面ガラス繊維は、樹脂と混合して複合化した場合に高い補強効果を実現できることから、さまざまな分野で利用されている。
この種の異形断面ガラス繊維は、ノズルから溶融ガラスを引き出しながら冷却することにより製造されるのが一般的である。この際、ノズル先端部のノズル孔の形状が製造されるガラス繊維の断面形状の基礎を形作ることから、異形断面ガラス繊維の製造する場合、ノズル先端部においてノズル孔が扁平状とされることが多い。
しかしながら、扁平状のノズル孔を有するノズルを使用したとしても、ノズルから引き出される溶融ガラスの粘度が低すぎれば、ノズル先端部の直下で表面張力により溶融ガラスの断面が丸くなるように形成されやすく、所期の異形断面ガラス繊維を製造することができなくなる。
そこで、例えば、特許文献1の図18〜20に開示のノズルでは、溶融ガラスが流出するノズル先端部において、扁平状のノズル孔の短径方向で対向する一対の長壁部のそれぞれに凹状の切欠き部を設け、この凹状の切欠き部により冷却して溶融ガラスの粘度を調整している。
ところで、特許文献1の図18〜20に開示の切欠き部は、基端側(溶融ガラスの流入側)の開口幅と先端側(溶融ガラスの流出側)の開口幅が実質的に同じ矩形状である。そのため、切欠き部を設けたノズル先端部の強度が必然的に弱くなる。特に、矩形状の切欠き部の開口面積を大きくするために、長壁部の略全域に矩形状の切欠き部を設けた場合、切欠き部を除くノズル先端部の残余部が、実質的にノズル孔の長径側で対向する一対の短壁部のみになるため、ノズル先端部の強度低下はより顕著になる。
しかしながら、ノズルの内部には高温の溶融ガラスが流通するとともに周辺温度も高いため、上述のようにノズル先端部の強度が低いと、短壁部が外側に広がるなどの熱変形が生じるおそれがある。この場合、ノズル先端部におけるノズル孔の形状変形を伴うことから、成形されるガラス繊維の形状にばらつきが大きくなり、安定的な成形が難しくなる。
以上の実情に鑑み、本発明は、ノズルの熱変形を抑えつつ成形時の溶融ガラスの粘度を適正に調整し、異形断面ガラス繊維を安定的に成形することを課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る異形断面ガラス繊維製造用ノズルは、溶融ガラスが流出する先端部において、扁平状のノズル孔と、ノズル孔の短径方向で対向する一対の第1の壁部と、ノズル孔の長径方向で対向する一対の第2の壁部と、を備えた異形断面ガラス繊維製造用ノズルであって、一対の第1の壁部のそれぞれは、先端側に向かうに連れて長径方向の開口幅が漸次拡大する凹状の切欠き部を有することを特徴とする。
このような構成によれば、切欠き部の開口幅が先端側に向かうに連れて漸次拡大するため、ノズル先端部において、切欠き部を除く第1の壁部の残余部の基端側面積はその先端側面積よりも大きくなる。その結果、基端側における第1の壁部の強度が十分確保され、切欠き部を設けたノズル先端部が熱変形しにくくなる。そして、このようにノズル強度を確保した状態で、先端側の切欠き部の開口幅は大きくなるので、切欠き部の開口面積も十分に確保できる。そのため、両側の切欠き部を通じて溶融ガラスを十分に冷却することができる。その結果、ノズル先端部における溶融ガラスの粘度が高くなり、ノズルから引き出される溶融ガラスの断面が表面張力によって丸まりにくくなる。したがって、上記構成を備えたノズルによって異形断面ガラス繊維を製造すれば、扁平形状などの非円形断面を有する異形断面ガラス繊維を安定的に成形することが可能となる。特に、一対の第1の壁部のそれぞれに切欠き部を有するため、ばらつきが少ない異形断面ガラス繊維を得ることができる。
上記の構成において、切欠き部は、第1の壁部のうち、長径方向の中央部のみに形成されていることが好ましい。このようにすれば、第1の壁部の長径方向の両端部には切欠き部が形成されない。そのため、第1の壁部の先端側の強度も確保しやすくなり、ノズルの熱変形をより確実に防止することができる。
上記の構成において、切欠き部が、三角形状、台形状、および弦と弧からなる弓形状の中から選択された1つの形状であってもよい。特に、台形状や半円形などの弓形状が、切欠き部に鋭角部が形成されないため好ましい。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る異形断面ガラス繊維製造装置は、上記の構成を適宜備えたノズルが底部に複数設けられたブッシングを備えていることを特徴とする。このような構成によれば、既に述べた対応する構成と同様の効果を享受することができる。
上記の構成において、ノズルの切欠き部に対向するように、冷却手段が配置されていることが好ましい。このようにすれば、切欠き部を通じて溶融ガラスをより効率的に冷却することができる。
上記の構成において、長径方向を同一方向に向けた複数のノズルを長径方向に延びる同一直線上に配置してなるノズル列が、平行に複数列配置されるとともに、冷却手段が、隣接するノズル列の間に、ノズル列と平行に配置されていてもよい。このようにすれば、冷却手段の数を減らしつつ、ブッシングにノズルを密に配置できるため、異形断面ガラス繊維を効率よく製造することができる。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る異形断面ガラス繊維製造方法は、扁平状のノズル孔と、ノズル孔の短径方向で対向する一対の第1の壁部と、ノズル孔の長径方向で対向する一対の第2の壁部と、を備えたノズルを用いて異形断面ガラス繊維を製造する異形断面ガラス繊維製造方法であって、ノズルは、一対の第1の壁部のそれぞれに、先端側に向かうに連れて長径方向の開口幅が漸次拡大する凹状の切欠き部を有することを特徴とする。このような構成によれば、既に述べた対応する構成と同様の効果を享受することができる。
上記の構成において、溶融ガラスはEガラスであってもよい。このようにすれば、Eガラスは失透しにくいガラスであるため、異形断面ガラス繊維の生産性が向上するという利
点がある。
点がある。
上記の構成において、成形温度において、溶融ガラスは、102.0〜103.5dPa・sの粘度を有することが好ましい。すなわち、103.5dPa・s以下であれば、溶融ガラスの粘度が高くなりすぎないため、ガラス繊維の成形性を良好に維持することができる。また、102.0dPa・s以上であれば、溶融ガラスの粘度が低くなりすぎないため、溶融ガラスが表面表力によって円形断面に戻ろうとする力が弱められ、ガラス繊維の扁平比(長径寸法/短径寸法)を高めることができる。
以上の本発明によれば、ノズルの熱変形を抑えつつ成形時の溶融ガラスの粘度を適正に調整し、異形断面ガラス繊維を安定的に成形することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面に基づいて説明する。
(異形断面ガラス繊維の製造装置及び製造方法の一実施形態)
図1に示すように、本実施形態に係る異形断面ガラス繊維製造装置は、ガラス溶融炉1と、ガラス溶融炉1に接続されたフォアハース2と、フォアハース2に接続されたフィーダー3とを備えている。ここで、図1に示すXYZからなる直交座標系において、X方向及びY方向は水平方向であり、Z方向が鉛直方向である(以下、同様)。
図1に示すように、本実施形態に係る異形断面ガラス繊維製造装置は、ガラス溶融炉1と、ガラス溶融炉1に接続されたフォアハース2と、フォアハース2に接続されたフィーダー3とを備えている。ここで、図1に示すXYZからなる直交座標系において、X方向及びY方向は水平方向であり、Z方向が鉛直方向である(以下、同様)。
溶融ガラスGは、ガラス溶融炉1からフォアハース2を通じてフィーダー3に供給されると共に、フィーダー3内に貯留される。図1では1つのフィーダー3を図示しているが、ガラス溶融炉1には複数のフィーダー3が接続されていてもよい。
この実施形態では、溶融ガラスGはEガラスからなるが、Dガラス、Sガラス、ARガラス、Cガラス等の他のガラス材質であってもよい。
フィーダー3の底部は、ブッシング4によって構成されている。ブッシング4は、ブッシングブロック等を介してフィーダー3に取り付けつけられている。ブッシング4の底部には、複数のノズル5が設けられている。各ノズル5の近傍には冷却手段としての冷却管6が設けられている。
ブッシング4に設けられた複数のノズル5からフィーダー3内に貯留された溶融ガラスGが下方に引き出され、ガラス繊維(モノフィラメント)Gmが製造される。この際、成形温度における溶融ガラスGの粘度は、102.0〜103.5dPa・s(好ましくは102.5〜103.3dPa・s)の範囲内に設定される。なお、成形温度における溶融ガラスGの粘度は、ノズル5に流入する位置における溶融ガラスGの粘度とする。ガラス繊維Gmの表面には、図示しないアプリケータにより集束剤が塗布されるとともに、100〜10000本が1本のストランドGsに紡糸される。紡糸されたストランドGsは、巻き取り装置のボビン7に繊維束Grとして巻き取られる。ストランドGsは、例えば、1〜20mm程度の所定長に切断され、チョップドストランドとして利用される。
ガラス溶融炉1、フォアハース2、フィーダー3、ブッシング4、ノズル5及び冷却管6は、少なくとも一部が白金又は白金合金(例えば、白金ロジウム合金)により形成されている。
溶融ガラスGの粘度を調整するために、フォアハース2、フィーダー3およびブッシング4の中から選ばれた一又は複数の要素を通電加熱などで加熱してもよい。
図2及び図3に示すように、ノズル5は、先端部(下側部分)において、X方向で対向する一対の長壁部(第1の壁部)51と、Y方向で対向する一対の短壁部(第2の壁部)52と、長壁部51と短壁部52で区画形成された扁平状のノズル孔53とを備えている。各々の長壁部51には切欠き部54が設けられており、ノズル孔53の一部が切欠き部54を通じてノズル5の外部空間に連通している。この実施形態では、ノズル孔53の長径方向はY方向と一致しており、ノズル孔53の短径方向はX方向と一致している。また、この実施形態では、短壁部52のX方向寸法は長壁部51のY方向寸法よりも短い。もちろん、壁部51,52のこれら寸法関係は特に限定されるものではない。
冷却管6は、その内部に流体としての冷却水Fを循環させて冷却作用を及ぼすようになっている。冷却管6は、板状体であって、その板面が上下方向に沿うように配置されている。なお、冷却管6は、この実施形態では、ブッシング4の底部に一体的に設けられているが、ブッシング4の底部から離して設けてもよい。また、冷却管6は、円管状体であってもよい。冷却管6の高さ位置は、溶融ガラスGの冷却条件に応じて適宜調整することができる。例えば、冷却管6は、ノズル5から引き出された溶融ガラスGに直接対面しないようにノズル5の先端よりも上方に配置されていてもよいし、ノズル5とノズル5から引き出された溶融ガラスGの双方に跨るように配置されていてもよい。冷却手段は、冷却管6に限らず、空気流を誘導して冷却作用を及ぼす冷却フィンなどであってもよい。冷却手段は、必須の構成ではなく省略してもよい。
この実施形態では、図3に示すように、ブッシング4の底部において、複数のノズル列LがX方向に間隔を置いて平行に配置されている。各ノズル列Lは、ノズル孔53の長径方向をY方向に向けた複数のノズル5をY方向に延びる同一直線上に配置することで構成される。冷却管6は、X方向に隣接するノズル列Lの間に、ノズル列Lと平行に配置されている。これにより、冷却管6がノズル5の切欠き部54に対向し、切欠き部54を通じてノズル5内を流通する溶融ガラスGが冷却されるようになっている。具体的には、ノズル5の先端部において、溶融ガラスGは冷却管6によって1000℃以上の温度から急激に冷却される。なお、冷却管6は、ブッシング4やノズル5を冷却し、これらの熱劣化を抑えて耐久性を高める機能もある。
(ノズルの第1の実施形態)
図4(a)〜(d)に示すように、ノズル5の各々の長壁部51に設けられた切欠き部54は、先端側に向かうに連れてY方向の開口幅Wが漸次拡大する。この実施形態では、各々の長壁部51,51に設けられた切欠き部54,54は、同一寸法の三角形状であり、かつ、長壁部51のうちY方向の両端部を除く中央部のみに形成されている。詳細には、切欠き部54は、長壁部51の中心線M1上に頂点T1を有し、かつ、中心線M1に対して対称な二等辺三角形状(正三角形状を含む)である。頂角θ1は、例えば40〜150°(好ましくは60〜120°)である。また、この実施形態では、ノズル孔53は、扁平な長円形(又は楕円)であり、Z方向で一定の形状である。図4(d)に示すように、ノズル5の先端部において、ノズル孔53は、Y方向寸法(長径寸法)aに対するX方向寸法(短径寸法)bの比率(a/b)が1.5〜20(好ましくは3〜10)の範囲である。
図4(a)〜(d)に示すように、ノズル5の各々の長壁部51に設けられた切欠き部54は、先端側に向かうに連れてY方向の開口幅Wが漸次拡大する。この実施形態では、各々の長壁部51,51に設けられた切欠き部54,54は、同一寸法の三角形状であり、かつ、長壁部51のうちY方向の両端部を除く中央部のみに形成されている。詳細には、切欠き部54は、長壁部51の中心線M1上に頂点T1を有し、かつ、中心線M1に対して対称な二等辺三角形状(正三角形状を含む)である。頂角θ1は、例えば40〜150°(好ましくは60〜120°)である。また、この実施形態では、ノズル孔53は、扁平な長円形(又は楕円)であり、Z方向で一定の形状である。図4(d)に示すように、ノズル5の先端部において、ノズル孔53は、Y方向寸法(長径寸法)aに対するX方向寸法(短径寸法)bの比率(a/b)が1.5〜20(好ましくは3〜10)の範囲である。
このような構成によれば、ノズル5の切欠き部54に起因する形状変形を抑えつつ、切欠き部54の開口面積も十分に確保できる。したがって、扁平形状などの非円形断面を有する異形断面を有するガラス繊維Gmを安定的に成形可能となる。換言すれば、製造されたガラス繊維Gmの断面形状のばらつきが小さくなる。
ノズル5は、先端部において長壁部51と短壁部52によって区画形成された扁平状のノズル孔53を有していれば、基端部(上側部分)の形状は先端部の形状と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ノズル5の切欠き部54の形状は種々変形可能である。以下、その変形例を説明する。
(ノズルの第2の実施形態)
図5(a)〜(d)に示すように、各々の長壁部51,51に設けられた切欠き部54,54は、同一寸法の三角形状であり、かつ、長壁部51の基端側ではY方向の一部領域に形成されるとともに、長壁部51の先端側ではY方向の全領域に形成されていてもよい。詳細には、この実施形態では、切欠き部54は、長壁部51の中心線M2上に頂点T2を有し、かつ、中心線M2に対して対称な二等辺三角形状である。頂角θ2は、例えば90〜165°(好ましくは100〜150°)である。なお、この実施形態では、ノズル孔53は扁平な長円形であり、Z方向で一定の形状である。
図5(a)〜(d)に示すように、各々の長壁部51,51に設けられた切欠き部54,54は、同一寸法の三角形状であり、かつ、長壁部51の基端側ではY方向の一部領域に形成されるとともに、長壁部51の先端側ではY方向の全領域に形成されていてもよい。詳細には、この実施形態では、切欠き部54は、長壁部51の中心線M2上に頂点T2を有し、かつ、中心線M2に対して対称な二等辺三角形状である。頂角θ2は、例えば90〜165°(好ましくは100〜150°)である。なお、この実施形態では、ノズル孔53は扁平な長円形であり、Z方向で一定の形状である。
(ノズルの第3の実施形態)
図6(a)〜(d)に示すように、各々の長壁部51,51に設けられた切欠き部54,54は、同一寸法の弓形状であり、かつ、長壁部51のうちY方向の両端部を除く中央部のみに形成されていてもよい。詳細には、この実施形態では、切欠き部54は、長壁部51の中心線M3上に頂点T3を有し、かつ、中心線M3に対して対称な半円形状(弦の長さが直径となる弓形状)である。曲率半径R3は、例えば0.5〜5mm未満(好ましくは2〜4mm)である。なお、切欠き部54は、弦の長さが円の直径未満となる弓形状であってもよいし、円弧ではない凹状の曲線であってもよい。また、この実施形態では、ノズル孔53は扁平な長円形であり、Z方向で一定の形状である。
図6(a)〜(d)に示すように、各々の長壁部51,51に設けられた切欠き部54,54は、同一寸法の弓形状であり、かつ、長壁部51のうちY方向の両端部を除く中央部のみに形成されていてもよい。詳細には、この実施形態では、切欠き部54は、長壁部51の中心線M3上に頂点T3を有し、かつ、中心線M3に対して対称な半円形状(弦の長さが直径となる弓形状)である。曲率半径R3は、例えば0.5〜5mm未満(好ましくは2〜4mm)である。なお、切欠き部54は、弦の長さが円の直径未満となる弓形状であってもよいし、円弧ではない凹状の曲線であってもよい。また、この実施形態では、ノズル孔53は扁平な長円形であり、Z方向で一定の形状である。
(ノズルの第4の実施形態)
図7(a)〜(d)に示すように、各々の長壁部51,51に設けられた切欠き部54,54は、同一寸法の弓形状であり、かつ、長壁部51の基端側ではY方向の一部領域に形成されるとともに、長壁部51の先端側ではY方向の全領域に形成されていてもよい。詳細には、この実施形態では、切欠き部54は、長壁部51の中心線M4上に頂点T4を有し、かつ、中心線M4に対して対称で弦の長さが円の直径未満となる弓形状である。曲率半径R4は、例えば5〜20mm(好ましくは5〜10mm)である。なお、切欠き部54は、半円形状であってもよいし、円弧ではない凹状の曲線であってもよい。また、この実施形態では、ノズル孔53は扁平な長円形であり、Z方向で一定の形状である。
図7(a)〜(d)に示すように、各々の長壁部51,51に設けられた切欠き部54,54は、同一寸法の弓形状であり、かつ、長壁部51の基端側ではY方向の一部領域に形成されるとともに、長壁部51の先端側ではY方向の全領域に形成されていてもよい。詳細には、この実施形態では、切欠き部54は、長壁部51の中心線M4上に頂点T4を有し、かつ、中心線M4に対して対称で弦の長さが円の直径未満となる弓形状である。曲率半径R4は、例えば5〜20mm(好ましくは5〜10mm)である。なお、切欠き部54は、半円形状であってもよいし、円弧ではない凹状の曲線であってもよい。また、この実施形態では、ノズル孔53は扁平な長円形であり、Z方向で一定の形状である。
(ノズルの第5の実施形態)
図8(a)〜(d)に示すように、各々の長壁部51,51に設けられた切欠き部54,54は、同一寸法の台形状であり、かつ、長壁部51のうちY方向の両端部を除く中央部のみに形成されていてもよい。詳細には、この実施形態では、切欠き部54は、長壁部51の中心線M5上に上底の中心点T5を有し、かつ、中心線M5に対して対称な等脚台形状(上底が下底よりも短い)である。内角θ5(上底の両側の内角)は、例えば90°超〜160°(好ましくは110°〜150°)である。なお、この実施形態では、ノズル孔53は扁平な長円形であり、Z方向で一定の形状である。
図8(a)〜(d)に示すように、各々の長壁部51,51に設けられた切欠き部54,54は、同一寸法の台形状であり、かつ、長壁部51のうちY方向の両端部を除く中央部のみに形成されていてもよい。詳細には、この実施形態では、切欠き部54は、長壁部51の中心線M5上に上底の中心点T5を有し、かつ、中心線M5に対して対称な等脚台形状(上底が下底よりも短い)である。内角θ5(上底の両側の内角)は、例えば90°超〜160°(好ましくは110°〜150°)である。なお、この実施形態では、ノズル孔53は扁平な長円形であり、Z方向で一定の形状である。
(ノズルの第6の実施形態)
図9(a)〜(d)に示すように、各々の長壁部51,51に設けられた切欠き部54,54は、同一寸法の台形状であり、かつ、長壁部51の基端側ではY方向の一部領域に形成されるとともに、長壁部51の先端側ではY方向の全領域に形成されていてもよい。詳細には、この実施形態では、切欠き部54は、長壁部51の中心線M6上に上底の中心点T6を有し、かつ、中心線M6に対して対称な等脚台形状である。内角θ6(上底の両側の内角)は、例えば90°超〜160°(好ましくは110°〜150°)である。なお、この実施形態では、ノズル孔53は扁平な長円形であり、Z方向で一定の形状である。
図9(a)〜(d)に示すように、各々の長壁部51,51に設けられた切欠き部54,54は、同一寸法の台形状であり、かつ、長壁部51の基端側ではY方向の一部領域に形成されるとともに、長壁部51の先端側ではY方向の全領域に形成されていてもよい。詳細には、この実施形態では、切欠き部54は、長壁部51の中心線M6上に上底の中心点T6を有し、かつ、中心線M6に対して対称な等脚台形状である。内角θ6(上底の両側の内角)は、例えば90°超〜160°(好ましくは110°〜150°)である。なお、この実施形態では、ノズル孔53は扁平な長円形であり、Z方向で一定の形状である。
また、ノズル孔53の形状は種々変形可能である。以下にその変形例となる実施形態を説明する。なお、切欠き部54の形状は、図4(a)に示した三角形状を例にとって説明するが、これに限定されるものではなく、上述した変形例のような切欠き部54の形状を有するものであってもよい。
(ノズルの第7の実施形態)
図10(a)〜(d)に示すように、ノズル5の基端部において、ノズル孔53は、Y方向に細長いスリット部53aと、スリット部53aの両端部に設けられ、スリット部53aよりもX方向の寸法が大きい拡大部53bとを有していてもよい。具体的には、この実施形態では、ノズル孔53は、拡大部53bが円形状をなすダンベル形状である。図10(d)に示すように、切欠き部54が形成されるノズル5の先端部において、Y方向の流路面積が実質的に同じになるようにノズル孔53の形状を変化させてもよい(図示例では長円形)。この場合、図10(b)及び(c)に示す基端部のノズル孔53の流路は、図10(d)に示す先端部のノズル孔53の流路内に全て含まれるものとする。なお、ノズル5の先端部においても、ノズル孔53を同一形状のダンベル形状としてもよい。
図10(a)〜(d)に示すように、ノズル5の基端部において、ノズル孔53は、Y方向に細長いスリット部53aと、スリット部53aの両端部に設けられ、スリット部53aよりもX方向の寸法が大きい拡大部53bとを有していてもよい。具体的には、この実施形態では、ノズル孔53は、拡大部53bが円形状をなすダンベル形状である。図10(d)に示すように、切欠き部54が形成されるノズル5の先端部において、Y方向の流路面積が実質的に同じになるようにノズル孔53の形状を変化させてもよい(図示例では長円形)。この場合、図10(b)及び(c)に示す基端部のノズル孔53の流路は、図10(d)に示す先端部のノズル孔53の流路内に全て含まれるものとする。なお、ノズル5の先端部においても、ノズル孔53を同一形状のダンベル形状としてもよい。
(ノズルの第8の実施形態)
図11(a)〜(d)に示すように、ノズル5の基端部において、ノズル孔53は、Y方向の中心から両端部に向かって流路面積が漸次拡大する面積変化部53cを有していてもよい。具体的には、この実施形態では、ノズル孔53は2つの二等辺三角形のそれぞれの頂点を突き合わせ、かつ、頂角の二等分線を同一直線上(Y方向)に配置した形状である。図11(d)に示すように、切欠き部54が形成されるノズル5の先端部において、Y方向の流路面積が実質的に同じになるようにノズル孔53の形状を変化させてもよい(図示例では矩形状)。この場合、図11(b)及び(c)に示す基端部のノズル孔53の流路は、図11(d)に示す先端部のノズル孔53の流路内に全て含まれるものとする。
図11(a)〜(d)に示すように、ノズル5の基端部において、ノズル孔53は、Y方向の中心から両端部に向かって流路面積が漸次拡大する面積変化部53cを有していてもよい。具体的には、この実施形態では、ノズル孔53は2つの二等辺三角形のそれぞれの頂点を突き合わせ、かつ、頂角の二等分線を同一直線上(Y方向)に配置した形状である。図11(d)に示すように、切欠き部54が形成されるノズル5の先端部において、Y方向の流路面積が実質的に同じになるようにノズル孔53の形状を変化させてもよい(図示例では矩形状)。この場合、図11(b)及び(c)に示す基端部のノズル孔53の流路は、図11(d)に示す先端部のノズル孔53の流路内に全て含まれるものとする。
(ノズルの第9の実施形態)
図12(a)〜(d)に示すように、ノズル孔53は、Z方向で一定の形状となる矩形状であってもよい。
図12(a)〜(d)に示すように、ノズル孔53は、Z方向で一定の形状となる矩形状であってもよい。
(ノズルの第10の実施形態)
図13(a)〜(d)に示すように、ノズル5の基端部において、ノズル孔53は複数のノズル孔53dに分割されていてもよい。詳細には、ノズル孔53dは円形状であり、Y方向の両端部と中心部に間隔を置いて設けられている。図13(d)に示すように、切欠き部54が形成されるノズル5の先端部において、分割された複数のノズル孔53dが一つに合流するようにノズル孔53の形状を変化させてもよい(図示例では長円形)。この場合、図13(b)及び(c)に示す基端部のノズル孔53の流路は、図13(d)に示す先端部のノズル孔53の流路内に全て含まれるものとする。
図13(a)〜(d)に示すように、ノズル5の基端部において、ノズル孔53は複数のノズル孔53dに分割されていてもよい。詳細には、ノズル孔53dは円形状であり、Y方向の両端部と中心部に間隔を置いて設けられている。図13(d)に示すように、切欠き部54が形成されるノズル5の先端部において、分割された複数のノズル孔53dが一つに合流するようにノズル孔53の形状を変化させてもよい(図示例では長円形)。この場合、図13(b)及び(c)に示す基端部のノズル孔53の流路は、図13(d)に示す先端部のノズル孔53の流路内に全て含まれるものとする。
(ノズルの第11の実施形態)
図14(a)〜(d)に示すように、ノズル5の基端部において、ノズル孔53は、流路面積の大きい大面積部53eと、流路面積の小さい小面積部53fとをY方向に交互に有していてもよい。詳細には、この実施形態では、円形状の大面積部53eがY方向の両端部と中心部に設けられおり、隣り合う大面積部53eの間に、両側の大面積部53eと接するように円形状の小面積部53fが設けられている。図14(d)に示すように、切欠き部54が形成されるノズル5の先端部において、Y方向の流路面積が実質的に同じになるようにノズル孔53の形状を変化させてもよい(図示例では長円形)。この場合、図14(b)及び(c)に示す基端部のノズル孔53の流路は、図14(d)に示す先端部のノズル孔53の流路内に全て含まれるものとする。
図14(a)〜(d)に示すように、ノズル5の基端部において、ノズル孔53は、流路面積の大きい大面積部53eと、流路面積の小さい小面積部53fとをY方向に交互に有していてもよい。詳細には、この実施形態では、円形状の大面積部53eがY方向の両端部と中心部に設けられおり、隣り合う大面積部53eの間に、両側の大面積部53eと接するように円形状の小面積部53fが設けられている。図14(d)に示すように、切欠き部54が形成されるノズル5の先端部において、Y方向の流路面積が実質的に同じになるようにノズル孔53の形状を変化させてもよい(図示例では長円形)。この場合、図14(b)及び(c)に示す基端部のノズル孔53の流路は、図14(d)に示す先端部のノズル孔53の流路内に全て含まれるものとする。
(ノズルの第12の実施形態)
図15(a)〜(d)に示すように、ノズル5の基端部において、ノズル孔53は、Y方向の中心から両端部に向かって流路面積が漸次縮小する面積変化部53gを有していてもよい。具体的には、この実施形態では、ノズル孔53の形状はひし形状である。この場合、図15(d)に示すように、切欠き部54が形成されるノズル5の先端部において、Y方向の流路面積が実質的に同じになるようにノズル孔53の形状を変化させてもよい(図示例では長円形)。この場合、図15(b)及び(c)に示す基端部のノズル孔53の流路は、図15(d)に示す先端部のノズル孔53の流路内に全て含まれるものとする。
図15(a)〜(d)に示すように、ノズル5の基端部において、ノズル孔53は、Y方向の中心から両端部に向かって流路面積が漸次縮小する面積変化部53gを有していてもよい。具体的には、この実施形態では、ノズル孔53の形状はひし形状である。この場合、図15(d)に示すように、切欠き部54が形成されるノズル5の先端部において、Y方向の流路面積が実質的に同じになるようにノズル孔53の形状を変化させてもよい(図示例では長円形)。この場合、図15(b)及び(c)に示す基端部のノズル孔53の流路は、図15(d)に示す先端部のノズル孔53の流路内に全て含まれるものとする。
以上のような製造装置のノズル5から溶融ガラスGを引き出して製造されたガラス繊維Gmは、図16(a)及び(b)に示すように、断面(引き出し方向に垂直な横断面)が扁平形状をなす異形断面を有する。この実施形態では、ガラス繊維Gmの断面における長径をA、短径をBとした場合に、断面形状の扁平比(A/B)が1.5〜20(好ましくは3〜10)の範囲内となっている。そして、このようなガラス繊維GmからなるストランドGsであれば、例えば3mm長に切断してチョップドストランドとすれば、電子制御デバイスの筐体など寸法精度の要求の厳しい部品を得るために必要な複合材の強化材として好適な性質を有する。そのため、射出成形後の筐体の歪みを低減したり、強度を向上したりする効果が得られる。
また、この実施形態では、ガラス繊維Gmの扁平比のばらつきσを扁平比の平均値で割った値を百分率で表すと、15%以下である。すなわち、ばらつきが少ないガラス繊維Gmを得ることができる。なお、ガラス繊維Gmの扁平比のばらつきσを扁平比の平均値で割った値を百分率で表した値は、10%以下であることがより好ましい。
ここで、ガラス繊維Gmの扁平比は次のように測定する。まず、ガラス繊維Gmの断面を観察するため、Kulzer社製の常温硬化樹脂テクノビットにガラス繊維Gmを垂直に埋設し、樹脂硬化後に研磨を行う。次に、偏光顕微鏡でガラス繊維Gmの断面形状を観察するとともに、三谷商事株式会社製画像処理ソフトWinROOFを用いて観察したガラス繊維Gmの長径および短径のそれぞれの長さを測定し、扁平比(長径/短径)を算出する。また、扁平比のばらつきσは50本のガラス繊維Gmの断面を観察して得た扁平比から算出した標準偏差とする。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の形態において実施することができる。
(実施例1)
図8(a)〜(d)に示したノズル5を、長壁部51が平行になるように直線上に100個配列したブッシングを用いて、溶融ガラスの粘度が103.0dPa・sとなる温度で紡糸を行った。得られたガラス繊維の断面形状を観察したところ、扁平比(長径/短径)の平均は4.8であり、そのばらつきσは0.14であった。その結果、σを扁平比の平均値で割った値(百分率)は2.9%であった。また、1週間生産を継続した後もノズルの変形は認められなかった。
図8(a)〜(d)に示したノズル5を、長壁部51が平行になるように直線上に100個配列したブッシングを用いて、溶融ガラスの粘度が103.0dPa・sとなる温度で紡糸を行った。得られたガラス繊維の断面形状を観察したところ、扁平比(長径/短径)の平均は4.8であり、そのばらつきσは0.14であった。その結果、σを扁平比の平均値で割った値(百分率)は2.9%であった。また、1週間生産を継続した後もノズルの変形は認められなかった。
(実施例2)
図15(a)〜(d)に示したノズル5を、長壁部51が平行になるように直線上に100個配列したブッシングを用いて、溶融ガラスの粘度が103.0dPa・sとなる成形温度で紡糸を行った。得られたガラス繊維断面形状を観察したところ、扁平比の平均が2.8であり、そのばらつきσは0.24であった。その結果、σを扁平比の平均値で割った値(百分率)は8.5%であった。また、1週間生産を継続した後もノズルの変形は認められなかった。
図15(a)〜(d)に示したノズル5を、長壁部51が平行になるように直線上に100個配列したブッシングを用いて、溶融ガラスの粘度が103.0dPa・sとなる成形温度で紡糸を行った。得られたガラス繊維断面形状を観察したところ、扁平比の平均が2.8であり、そのばらつきσは0.24であった。その結果、σを扁平比の平均値で割った値(百分率)は8.5%であった。また、1週間生産を継続した後もノズルの変形は認められなかった。
(実施例3)
図8(a)〜(d)に示したノズル5を、長壁部51が平行になるように直線上に100個配列したブッシングと、ノズル5の長壁部51と平行に配置された冷却フィンとを用いて、溶融ガラスの粘度が103.0dPa・sとなる成形温度で紡糸を行った。得られたガラス繊維の断面形状を観察したところ、扁平比の平均は5.0であり、そのばらつきσは0.10であった。その結果、σを扁平比の平均値で割った値(百分率)は2%であった。また、1週間生産を継続した後もノズルの変形は認められなかった。
図8(a)〜(d)に示したノズル5を、長壁部51が平行になるように直線上に100個配列したブッシングと、ノズル5の長壁部51と平行に配置された冷却フィンとを用いて、溶融ガラスの粘度が103.0dPa・sとなる成形温度で紡糸を行った。得られたガラス繊維の断面形状を観察したところ、扁平比の平均は5.0であり、そのばらつきσは0.10であった。その結果、σを扁平比の平均値で割った値(百分率)は2%であった。また、1週間生産を継続した後もノズルの変形は認められなかった。
(比較例1)
図17(a)〜(d)に示すノズル101を、長壁部102が平行になるように直線上に100個設けられたブッシングを用いて、溶融ガラスの粘度が103.0dPa・sとなる成形温度で紡糸を行った。ノズル101は、長壁部102と短壁部103を備え、長壁部102に矩形状の切欠き部105を有する。ノズル孔104は長円形であり、上下方向で一定の形状である。得られたガラス繊維の断面形状を観察したところ、扁平比の平均は2.2であり、そのばらつきσは0.27であった。その結果、σを扁平比の平均値で割った値(百分率)は12.2%であった。また、1週間生産を継続した後にノズルの変形が認められた。
図17(a)〜(d)に示すノズル101を、長壁部102が平行になるように直線上に100個設けられたブッシングを用いて、溶融ガラスの粘度が103.0dPa・sとなる成形温度で紡糸を行った。ノズル101は、長壁部102と短壁部103を備え、長壁部102に矩形状の切欠き部105を有する。ノズル孔104は長円形であり、上下方向で一定の形状である。得られたガラス繊維の断面形状を観察したところ、扁平比の平均は2.2であり、そのばらつきσは0.27であった。その結果、σを扁平比の平均値で割った値(百分率)は12.2%であった。また、1週間生産を継続した後にノズルの変形が認められた。
(比較例2)
図18(a)〜(b)に示すノズル201を、長壁部202が平行になるように直線上に100個設けられたブッシングを用いて、溶融ガラスの粘度が103.0dPa・sとなる成形温度で紡糸を行った。ノズル201は、長壁部202と短壁部203を備えているが、長壁部202及び短壁部203のいずれにも切欠き部を有していない。ノズル孔204は長円形であり、上下方向で一定である。得られたガラス繊維の断面形状を観察したところ、扁平比の平均は1.8であり、そのばらつきσは0.11であった。その結果、σを扁平比の平均値で割った値(百分率)は6%であった。なお、1週間生産を継続した後もノズル先端部の変形は認められなかった。
図18(a)〜(b)に示すノズル201を、長壁部202が平行になるように直線上に100個設けられたブッシングを用いて、溶融ガラスの粘度が103.0dPa・sとなる成形温度で紡糸を行った。ノズル201は、長壁部202と短壁部203を備えているが、長壁部202及び短壁部203のいずれにも切欠き部を有していない。ノズル孔204は長円形であり、上下方向で一定である。得られたガラス繊維の断面形状を観察したところ、扁平比の平均は1.8であり、そのばらつきσは0.11であった。その結果、σを扁平比の平均値で割った値(百分率)は6%であった。なお、1週間生産を継続した後もノズル先端部の変形は認められなかった。
以上のように、実施例1〜3では、切欠き部の効果によりガラス繊維の扁平比の平均が大きくなるとともに、切欠き部の形状の適正化を図りノズル先端部に変形が生じないため、ばらつきσも小さくなるという良好な結果を得た。これに対し、比較例1では、切欠き部の効果によりガラス繊維の扁平比の平均は大きくなるものの、切欠き部の形状が不適正でノズル先端部に変形が生じたため、ばらつきσが大きくなるという結果を得た。また、比較例2では、切欠き部がないため、実施例1〜3に比べて、扁平比の平均が小さくなるという結果を得た。したがって、本発明によれば、ノズルの変形を抑えつつ、異形断面ガラス繊維を安定的に成形可能であることが確認できる。
1 ガラス溶融炉
2 フォアハース
3 フィーダー
4 ブッシング
5 ノズル
51 長壁部
52 短壁部
53 ノズル孔
54 切欠き部
6 冷却管
7 ボビン
G 溶融ガラス
Gm ガラス繊維
Gs ストランド
Gr 繊維束
W 切欠き部の開口幅
F 冷却水
2 フォアハース
3 フィーダー
4 ブッシング
5 ノズル
51 長壁部
52 短壁部
53 ノズル孔
54 切欠き部
6 冷却管
7 ボビン
G 溶融ガラス
Gm ガラス繊維
Gs ストランド
Gr 繊維束
W 切欠き部の開口幅
F 冷却水
Claims (2)
- 複数本のガラス繊維からなるガラス繊維集合体であって、
前記ガラス繊維は、断面が扁平形状をなす異形断面を有し、
前記断面の扁平比のばらつきσを扁平比の平均値で割った値の百分率は15%以下であるガラス繊維集合体。 - 前記断面の扁平比は1.5〜20である請求項1に記載のガラス繊維集合体。
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WO2024038547A1 (ja) * | 2022-08-18 | 2024-02-22 | 日東紡績株式会社 | 扁平断面ガラス繊維、及び、ガラス再生材料を含むガラス原料からの扁平断面ガラス繊維の製造方法 |
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