JP2024067453A - 被加工物の研削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リング状補強部の内周側面において、上側縁部でのチッピングと、下側縁部での割れと、の発生を低減する。【解決手段】チャックテーブルで保持された被加工物の径方向の中央部を研削ホイールで研削することで、円板状凹部と、円板状凹部を囲むリング状補強部と、を被加工物に形成する研削工程を備え、研削工程では、研削ホイールとチャックテーブルとを研削ホイールの回転軸方向に沿って相対的に移動させながら研削ホイールとチャックテーブルとをチャックテーブルの径方向の内側方向に相対的に移動させることにより、リング状補強部の内側の上側縁部が被加工物の一面の中心を通る被加工物の断面において凸型の弧状となり、リング状補強部の内側の下側縁部が同断面において凹型の弧状となり、且つ、上側縁部の下端と下側縁部の上端とが同断面において接続する様に、被加工物を研削する被加工物の研削方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、円板状の被加工物を研削する被加工物の研削方法に関する。
電子機器の小型化及び軽量化のためには、電子機器に搭載されるデバイスチップの薄化が求められる。薄化されたデバイスチップを製造するためには、例えば、ウェーハの表面側に複数のデバイスを形成した後、ウェーハの裏面側を研削することでウェーハを薄化する。
ウェーハの研削には、裏面側の全体を一様に研削する手法の他に、複数のデバイスが形成されている表面側のデバイス領域に対応する裏面側の中央部を研削することで、ウェーハの裏面側の中央部に円板状凹部を形成する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この手法により、デバイス領域に対応する裏面側の中央部を薄化しつつ、ウェーハの外周部に比較的厚いリング状補強部を残すことができる。この研削手法は、TAIKO(登録商標)とも呼ばれている(以下、便宜的にTAIKOプロセスと称する)。
TAIKOプロセスを採用すれば、裏面側の全体を一様に研削して薄化する場合に比べて、薄化後のウェーハの強度を向上できると共に、ウェーハの反りを低減できる。それゆえ、ウェーハの薄化後の搬送、加工等が容易になる。
しかし、TAIKOプロセスを採用する場合、リング状補強部の内周側面における上側縁部において、研削砥石の外周側面との衝突によりチッピングが形成されやすい。このチッピングは、ウェーハの割れの原因になる。
また、TAIKOプロセスに従った研削工程の後、ウェットエッチング工程が後続する場合、このチッピングに薬液が入り込むことで、リング状補強部の内周側面の上側縁部に凹凸が形成される。上側縁部の凹凸は、ウェットエッチング工程の後、ウェーハの裏面側の全体に金属膜を形成する場合に、金属膜の形成不良の原因となる。
更に、上側縁部の凹凸は、円板状凹部に倣う様にウェーハの裏面側の全体に樹脂製のダイシングテープを貼り付ける場合に、貼付不良の原因となる。この様に、リング状補強部の内周側面における上側縁部に形成されるチッピングは、様々な問題につながる。
ところで、通常のTAIKOプロセスにより円板状凹部を形成すると、リング状補強部の内周側面における下側縁部では、円板状凹部の内周側面と底面とが略直交するので、応力が集中しやすい。それゆえ、リング状補強部の内周側面における下側縁部では、割れが発生しやすい。
特開2007-19461号公報
本発明は係る問題点に鑑みてなされたものであり、リング状補強部の内周側面において、上側縁部でのチッピングの発生と、下側縁部での割れの発生と、を低減することを目的とする。
本発明の一態様によれば、円板状の被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、該被加工物を円板状のチャックテーブルで保持する保持工程と、該保持工程の後に、該チャックテーブルで保持された該被加工物の径方向の中央部を研削ホイールで研削することで、円板状凹部と、該円板状凹部を囲むリング状補強部と、を該被加工物に形成する研削工程と、を備え、該研削工程では、該研削ホイールと該チャックテーブルとを該研削ホイールの回転軸方向に沿って相対的に移動させながら該研削ホイールと該チャックテーブルとを該チャックテーブルの径方向の内側方向に相対的に移動させることにより、該リング状補強部のうち該被加工物の径方向の内側に位置する上側縁部が該被加工物の一面の中心を通る該被加工物の断面において凸型の弧状となり、該リング状補強部のうち該被加工物の径方向の内側に位置する下側縁部が該断面において凹型の弧状となり、且つ、該上側縁部の下端と該下側縁部の上端とが該断面において接続する様に、該被加工物を研削することを特徴とする被加工物の研削方法が提供される。
好ましくは、該研削工程では、該上側縁部と該下側縁部との接続点を中心に該断面において該上側縁部の外形を180°回転させると該上側縁部の外形が該下側縁部の外形と一致する様に、該被加工物を研削する。
また、好ましくは、該研削工程では、該断面において該上側縁部の曲率半径が該下側縁部の曲率半径と一致する様に、該被加工物を研削する。
また、好ましくは、該研削工程では、該断面における該下側縁部の半径と該上側縁部の半径との各々が、該円板状凹部の深さよりも小さくなる様に、該被加工物を研削する。
被加工物の一面の中心を通る断面において、リング状補強部の上側縁部を凸型の弧状とすることで、研削中において研削砥石の外周側面が内周側面の上端部に略衝突しなくなる。それゆえ、上側縁部でのチッピングの発生を低減できる。
また、同断面において、リング状補強部の下側縁部を凹型の弧状とすることで、円板状凹部の内周側面と底面とが略直交する場合に比べて下側縁部において応力が集中し難くなるので、下側縁部での割れの発生を低減できる。
更に、上側縁部の下端と下側縁部の上端とを接続させることにより、上側縁部の下端と下側縁部の上端とが離れている場合に比べて、円板状凹部の深さ方向において曲面を形成できる領域を増やすことができる。
被加工物の研削方法のフロー図である。 被加工物等の斜視図である。 保持工程を示す一部断面側面図である。 チャックテーブル及び研削ユニットの一部断面側面図である。 研削工程を示す一部断面側面図である。 研削工程を示す上面図である。 図7(A)は研削工程の前半部を示す一部断面側面図であり、図7(B)は研削工程の後半部を示す一部断面側面図である。 研削工程後の図6のAA断面図である。 図9(A)は第1比較例に係る研削後の被加工物の一部断面側面図であり、図9(B)は第2比較例に係る研削後の被加工物の一部断面側面図である。 図10(A)は第1の実施形態の第1変形例に係る研削工程後の被加工物の一部断面側面図であり、図10(B)は第1の実施形態の第2変形例に係る研削工程後の被加工物の一部断面側面図である。 第2の実施形態の研削工程後の被加工物の一部断面側面図である。
(第1の実施形態)添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態における円板状の被加工物11(図2参照)の研削方法のフロー図である。第1の実施形態では、保持工程S10及び研削工程S20を順次行い、被加工物11を研削する。
まず、被加工物11等について説明する。図2は、被加工物11等の斜視図である。被加工物11は、円板状の基板13を含む。基板13は、例えば、シリコン単結晶基板であるが、これに限定されるものではない。基板13は、窒化ガリウム、炭化ケイ素等の化合物半導体材料で形成されている単結晶基板であってもよい。
基板13は、例えば、約300mmの径と、約775μmの厚さと、を有するが、径及び厚さはこの数値に限定されるものではない。被加工物11の表面11a側には、複数の分割予定ライン(ストリート)15が格子状に設定されている。
複数の分割予定ライン15で区画された矩形状の各領域には、IC(Integrated Circuit)等のデバイス17が形成されている。なお、デバイス17の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等に制限はない。
複数のデバイス17が形成された表面11a側の所定領域は、デバイス領域と称される。このデバイス領域に対応する裏面11b側の円形領域がTAIKOプロセスにおける被研削領域となる。
被加工物11を研削する前には、デバイス17の保護等を目的として、被加工物11と略同径の樹脂製の保護テープ19を表面11a側に貼り付ける。保護テープ19は、例えば、基材層及び粘着層の積層構造を有し、粘着層が表面11aに貼り付けられる。
しかし、保護テープ19は、粘着層を有さず基材層のみを有してもよい。この場合、保護テープ19は、熱圧着により表面11aに貼り付けられる。保護テープ19が貼り付けられた被加工物11は、研削装置2(図3参照)で研削される。
図3に示す様に、研削装置2は、円板状のチャックテーブル4を有する。チャックテーブル4は、非多孔質のセラミックスで形成された円板状の枠体6を含む。枠体6の上面側には、円形の凹部が形成されている。
この凹部には、多孔質のセラミックスで形成された円板状の多孔質板8が固定されている。多孔質板8の上面は、外周部に比べて中央部が所定値(例えば、10μm以上30μm以下)だけ突出した円錐形状を有する。なお、図3では、説明の便宜上、多孔質板8の形状が誇張されている。
多孔質板8の上面と、枠体6の上面とは、略面一であり、保護テープ19を介して被加工物11を吸引保持するための保持面4aとして機能する。枠体6の内部には、多孔質板8に接続する流路が設けられており、この流路には、バルブ(不図示)等を介して、真空ポンプ等の吸引源(不図示)が接続されている。
それゆえ、多孔質板8の上面に保護テープ19を介して被加工物11を載置し、次いで、吸引源からの負圧を多孔質板8に伝達させると、被加工物11は、保持面4aの形状に倣って保持面4aで吸引保持される。
枠体6の下部には、チャックテーブル4を回転させるためのモータ等の回転駆動源(不図示)が設けられている。チャックテーブル4は、回転駆動源の動力により、回転軸4bの周りで回転可能である。図3では、回転軸4bを一点鎖線で示す。
回転軸4bは、保持面4aの一部が、Z軸方向に直交するXY平面と略平行(例えば、略水平)となる様に、角度調節機構(不図示)によりZ軸方向(即ち、鉛直方向、上下方向、又は、後述する研削ホイール16の回転軸方向)に対して微小角度だけ傾けられている。
チャックテーブル4、回転駆動源、角度調節機構等は、Z軸方向に直交するX軸方向に沿って移動可能な移動板(不図示)を有するボールねじ式のX軸方向移動機構(不図示)によって支持されている。
この移動板をX軸方向に沿って移動させると、チャックテーブル4、回転駆動源、角度調節機構等は、一体的にX軸方向に沿って移動する。チャックテーブル4の上方には、研削ユニット10が設けられている(図4参照)。
図4に示す様に、研削ユニット10は、長手部がZ軸方向に沿って配置された円筒状のスピンドルハウジング(不図示)を含む。スピンドルハウジングには、ボールねじ式のZ軸方向移動機構(不図示)が連結されており、スピンドルハウジングは、Z軸方向移動機構によりZ軸方向に沿って移動する。
それゆえ、研削ホイール16とチャックテーブル4とは、X軸方向移動機構により、X軸方向に沿って相対的に移動可能であり、更に、Z軸方向移動機構により、Z軸方向に沿って相対的に移動可能である。
スピンドルハウジングの内側の空間には、円柱状のスピンドル12の一部が回転可能に収容されている。スピンドル12の長手方向も、Z軸方向に沿って配置されている。スピンドル12の上端部の近傍には、モータ等の回転駆動源(不図示)が設けられている。
スピンドル12の下端部は、スピンドルハウジングの下端部よりも下方に突出している。スピンドル12の下端部には、被加工物11よりも小径の円板状のマウント14が固定されている。
マウント14の下面側には、円環状の研削ホイール16が固定されている。研削ホイール16は、アルミニウム合金等の金属で形成された円環状のホイール基台18aを含む。ホイール基台18aの下面側には、ホイール基台18aの周方向に沿って複数の研削砥石18bが略等間隔で環状に配置されている。
研削砥石18bは、cBN(cubic boron nitride)、ダイヤモンド等で形成された砥粒と、砥粒を固定するためのビトリファイドボンド、レジンボンド等のボンド材と、を含むセグメント砥石である。
各研削砥石18bの下面は、略同じ高さ位置に配置されている。スピンドル12(即ち、研削ホイール16の回転軸)を回転させると、各研削砥石18bの下面の軌跡により、円環状の研削面が形成される。
円環状の研削面の外径は、被加工物11の半径以上且つ直径以下である。研削ホイール16は、研削面の外径が被加工物11の半径よりも少しだけ大きくなる様に、被加工物11の大きさに応じて選定される。
研削ホイール16の近傍には、研削砥石18b等に対して研削水(代表的には、純水)を供給可能な研削水供給ノズル(不図示)が設けられている。研削時には、研削領域で発生する熱や研削屑の除去に、この研削水が利用される。
研削装置2で基板13を研削する際には、まず、図3で示す様にチャックテーブル4で被加工物11を吸引保持する(保持工程S10)。図3は、第1の実施形態における保持工程S10を示す一部断面側面図である。
保持工程S10の後に、図4に示す様に、研削ユニット10の直下にチャックテーブル4を移動させる。具体的には、1つの研削砥石18bの外周側面が、裏面11bにおける被研削領域の外周縁に位置する様に(図6参照)、研削ホイール16の直下にチャックテーブル4を移動させる。
そして、チャックテーブル4と研削ホイール16とをそれぞれ所定方向に回転させると共に、研削水供給ノズルから研削水を供給する。図4は、研削工程S20の開始時におけるチャックテーブル4及び研削ユニット10の一部断面側面図である。
加えて、研削ユニット10の下降(即ち、研削送り)を開始する。そして、研削面が裏面11bに接触したら、研削ユニット10を下降させながら、チャックテーブル4の径方向の内側方向に研削ホイール16が移動する様にチャックテーブル4を移動させる(研削工程S20)。
図5は、研削工程S20を示す一部断面側面図であり、特に、研削面が裏面11bに接触するタイミングを示している。図6は、図5の上面図である。但し、図6では、環状に配置された複数の研削砥石18bを除いて研削ユニット10を省略し、裏面11bにおける被研削領域の外周端部を破線で示している。
例えば、チャックテーブル4の回転数は、100rpm以上600rpm以下(代表的には、300rpm)に設定され、研削ホイール16の回転数は、1000rpm以上7000rpm以下(代表的には、4000rpm)に設定される。
また、研削工程S20では、研削ユニット10のZ軸方向の下降速度(研削送り速度)(図5の下向き矢印参照)と、チャックテーブル4のX軸方向の移動速度(図5の左向き矢印参照)と、例えば、0μm/s以上10μm/s以下の範囲で変化させる。
特に、第1の実施形態の研削工程S20では、研削面のX軸方向の最外位置18cがXZ断面において所定の2つの円弧に沿って移動する様に、研削ユニット10のZ軸方向の下降速度と、チャックテーブル4のX軸方向の移動速度とを、それぞれ変化させる(図7(A)及び図7(B)参照)。
図7(A)は、表面(一面)11aの中心を通り表面11aに直交する平面での断面において研削工程S20の前半部S22を示す一部断面側面図である。図7(A)では、回転している複数の研削砥石18bを便宜的に略四角で示し、研削面を18dで示す。
図7(A)に示す様に、研削工程S20の前半部S22では、リング状補強部23のうち被加工物11の径方向の内側且つ上側に位置する上側縁部23aと、円板状凹部25(図8参照)の上半分と、が徐々に形成される。
このとき、上側縁部23aが凸型の四分の一円弧となる(即ち、弧状となる)様に、研削ユニット10のZ軸方向の下降速度と、チャックテーブル4のX軸方向の移動速度とを、適宜調整する。
第1の実施形態において、仕上がり時の研削深さ21(即ち、円板状凹部25の深さ(図8参照))は、500μmである。また、上側縁部23aの円弧の半径は、仕上がり時の研削深さ21の半分深さ21aに等しく、250μmである。つまり、上側縁部23aの円弧の半径は、円板状凹部25の深さよりも小さい。
リング状補強部23の上側縁部23aを凸型の弧状とすることで、研削中において研削砥石18bの外周側面が円板状凹部25の内周側面の上端部に略衝突しなくなる。それゆえ、上側縁部23aでのチッピングの発生を低減できる。
研削工程S20の前半部S22が完了したら、研削工程S20の後半部S24を行う(図7(B)参照)。図7(B)は、図7(A)と同じ断面において研削工程S20の後半部S24を示す一部断面側面図である。図7(B)でも、回転している複数の研削砥石18bを便宜的に略四角で示し、研削面を18dで示す。
図7(B)に示す様に、研削工程S20の後半部S24では、リング状補強部23のうち被加工物11の径方向の内側且つ下側に位置する下側縁部23bと、円板状凹部25の下半分と、が徐々に形成される。
このとき、下側縁部23bが凹型の四分の一円弧となる(即ち、弧状となる)様に、研削ユニット10のZ軸方向の下降速度と、チャックテーブル4のX軸方向の移動速度とを、適宜調整する。
第1の実施形態において、下側縁部23bの円弧の半径は、仕上がり時の研削深さ21の半分深さ21aに等しい(即ち、250μmである)。つまり、下側縁部23bの円弧の半径は、円板状凹部25の深さよりも小さい。
リング状補強部23の下側縁部23bを凹型の弧状とすることで、円板状凹部25の内周側面と底面とが略直交する場合に比べて下側縁部23bにおいて応力が集中し難くなるので、下側縁部23bでの割れの発生を低減できる。
図8は、研削工程S20後の図6のAA断面図である。なお、AA断面は、図7(A)及び図7(B)と同様に、表面11aの中心を通り表面11aに直交する平面での断面である。
図8に示す様に、研削工程S20では、被加工物11の径方向の中央部を研削ホイール16で研削することで、被加工物11の径方向においてリング状補強部23の内側に、基板13の裏面11b側の中央部が薄化された薄化領域27を形成する。
特に、第1の実施形態の研削工程S20では、円板状凹部25と、円板状凹部25を囲むリング状補強部23と、を形成すると共に、上側縁部23aの下端23aと、下側縁部23bの上端23bと、が接続する様に、被加工物11を研削する。
下端23a及び上端23bを接続させることにより、下端23a及び上端23bが円筒状の側面31(図9(A)参照)を介して接続されている場合に比べて、円板状凹部25の深さ方向において曲面を形成できる領域を増やすことができる。
また、図8に示す様に、上側縁部23aと下側縁部23bとの接続点(即ち、下端23a,上端23b)を中心に、上側縁部23aの外形を180°回転させると、上側縁部23aの外形は下側縁部23bの外形と一致する。
更に、上側縁部23aの半径は、下側縁部23bの半径と一致する。即ち、上側縁部23a及び下側縁部23bは、同じ曲率半径を有する。それゆえ、下端23a及び上端23bが円筒状の側面31を介して接続されている場合に比べて、上側縁部23a及び下側縁部23bの半径をそれぞれ大きくできる。
上側縁部23aの半径を大きくすることは、上側縁部23aでのチッピングを減少させる上で効果的であり、下側縁部23bの半径を大きくすることは、下側縁部23bでの応力の集中を低減する上で効果的である。
(比較例)図9(A)は、第1比較例に係る研削後の被加工物11の一部断面側面図である。第1比較例では、上側縁部23aの下端23aと、下側縁部23bの上端23bとが、円筒状の側面31を介して接続されている。
図9(A)に示す比較例では、図8に示す第1の実施形態に比べて、円筒状の側面31の形成に伴い上側縁部23aの半径が小さくなるので、上側縁部23aにおいてチッピングが増加する可能性がある。また、下側縁部23bの半径が小さくなるので、応力の集中を低減する効果が低減される。
図9(B)は、第2比較例に係る研削後の被加工物11の一部断面側面図である。第2比較例でも、上側縁部23aの下端23aと、下側縁部23bの上端23bとが、円筒状の側面31を介して接続されている。
しかし、第2比較例の上側縁部23a及び下側縁部23bの半径は、図8に示す第1の実施形態の上側縁部23a及び下側縁部23bの半径に比べて大きく、より具体的には、仕上がり時の研削深さ21よりも十分に大きい。
この場合、上側縁部23aの上端23aは、傾きが不連続となる様に裏面11bとつながるので、上側縁部23aでは、チッピングが発生しやすくなる。また、下側縁部23bの下端23bは、傾きが不連続となる様に円板状凹部25の底面とつながるので、下端23b近傍では、応力が集中しやすくなる。
これに対して、図8に示す本実施形態では、下側縁部23bの半径と上側縁部23aの半径との各々が、円板状凹部25の仕上がり時の研削深さ21よりも小さいので、円板状凹部25の底面と下側縁部23bの下端とを略連続にでき、裏面11bと上側縁部23aの上端とを略連続にできる。
(第1の実施形態の変形例)次に、第1の実施形態の変形例について説明する。図10(A)は、第1の実施形態の第1変形例に係る研削工程S20後の被加工物11の一部断面側面図である。
図10(A)に示す上側縁部23a及び下側縁部23bの間には、円筒状の側面31が形成されていない。上側縁部23aの半径は、下側縁部23bの半径よりも大きいが、上側縁部23a及び下側縁部23bは、それぞれ四分の一円弧で構成されている。
しかし、図10(A)に示す下側縁部23bの半径は、図8に示す第1の実施形態の下側縁部23bの半径に比べて小さいので、下側縁部23bでは応力が集中しやすい。
図10(B)は、第1の実施形態の第2変形例に係る研削工程S20後の被加工物11の一部断面側面図である。図10(B)に示す上側縁部23a及び下側縁部23bの間にも、円筒状の側面31が形成されていない。
上側縁部23a及び下側縁部23bは、それぞれ四分の一円弧で構成されている。図10(B)に示す下側縁部23bの半径は、上側縁部23aの半径よりも大きいので、図10(A)の例に比べれば、下側縁部23bでの応力の集中を低減できる。しかし、上側縁部23aでは、チッピングが増加する可能性がある。
(第2の実施形態)次に、第2の実施形態について説明する。図11は、第2の実施形態の研削工程S20後の被加工物11の一部断面側面図である。第2の実施形態の研削工程S20でも、第1の実施形態と同様に、上側縁部23a及び下側縁部23bの間に円筒状の側面31は形成されない。
但し、上側縁部23a及び下側縁部23bは、真円ではなく楕円の四分の一の弧で形成されている。上側縁部23aを構成する楕円の長軸の長さは、仕上がり時の研削深さ21に略等しい。
また、上側縁部23aを構成する楕円の短軸の長さ21bは、仕上がり時の研削深さ21よりも小さい。同様に、下側縁部23bも、仕上がり時の研削深さ21の長さと同じ長さの長軸と、長さ21bの短軸と、を有する。
上側縁部23a及び下側縁部23bは、図11に示す断面において、その接続点(即ち、上側縁部23aの下端23a,下側縁部23bの上端23b)を中心に、上側縁部23aの外形を180°回転させると、上側縁部23aの外形は下側縁部23bの外形と一致する様に形成されている。
第2の実施形態の研削工程S20でも、研削ユニット10のZ軸方向の下降速度と、チャックテーブル4のX軸方向の移動速度とを、適宜調整することにより、楕円の四分の一の弧にそれぞれ対応する上側縁部23a及び下側縁部23bを形成する。
図11に示す下側縁部23bの下端23b近傍の曲率半径は、図8の例に比べて小さいので、応力の集中を低減する効果は劣るが、被加工物11の径方向におけるリング状補強部23の幅を小さくできるので、同径方向における薄化領域27の面積を広くできる。即ち、デバイス領域として使用可能な有効領域を広くできるという利点がある。
その他、上述の実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。例えば、チャックテーブル4の保持面4aは、円錐形状に代えて双凹形状とすることもできる。双凹形状の保持面4aは、図3と同様の切断面でチャックテーブル4を見た場合、径方向の中心と両端部との間が凹んでいる。
双凹形状の保持面4aで被加工物11を吸引保持した上で、TAIKOプロセスに従って被加工物11を研削する場合、円錐形状の保持面4aを有するチャックテーブル4を用いる場合に比べて、薄化領域27の平坦性(TTV(total thickness variation))を向上できるという利点がある。
2:研削装置、4:チャックテーブル、4a:保持面、4b:回転軸
6:枠体、8:多孔質板、10:研削ユニット、12:スピンドル、14:マウント
11:被加工物、11a:表面(一面)、11b:裏面
13:基板、15:分割予定ライン
16:研削ホイール
18a:ホイール基台、18b:研削砥石、18c:最外位置、18d:研削面
17:デバイス、19:保護テープ
21:仕上がり時の研削深さ、21a:半分深さ、21b:長さ、23:リング状補強部
23a:上側縁部、23a:下端、23a:上端
23b:下側縁部、23b:上端、23b:下端
25:円板状凹部、27:薄化領域、31:側面
S10:保持工程、S20:研削工程、S22:前半部、S24:後半部

Claims (4)

  1. 円板状の被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、
    該被加工物を円板状のチャックテーブルで保持する保持工程と、
    該保持工程の後に、該チャックテーブルで保持された該被加工物の径方向の中央部を研削ホイールで研削することで、円板状凹部と、該円板状凹部を囲むリング状補強部と、を該被加工物に形成する研削工程と、
    を備え、
    該研削工程では、
    該研削ホイールと該チャックテーブルとを該研削ホイールの回転軸方向に沿って相対的に移動させながら該研削ホイールと該チャックテーブルとを該チャックテーブルの径方向の内側方向に相対的に移動させることにより、該リング状補強部のうち該被加工物の径方向の内側に位置する上側縁部が該被加工物の一面の中心を通る該被加工物の断面において凸型の弧状となり、該リング状補強部のうち該被加工物の径方向の内側に位置する下側縁部が該断面において凹型の弧状となり、且つ、該上側縁部の下端と該下側縁部の上端とが該断面において接続する様に、該被加工物を研削することを特徴とする被加工物の研削方法。
  2. 該研削工程では、該上側縁部と該下側縁部との接続点を中心に該断面において該上側縁部の外形を180°回転させると該上側縁部の外形が該下側縁部の外形と一致する様に、該被加工物を研削することを特徴とする請求項1に記載の被加工物の研削方法。
  3. 該研削工程では、該断面において該上側縁部の曲率半径が該下側縁部の曲率半径と一致する様に、該被加工物を研削することを特徴とする請求項1又は2に記載の被加工物の研削方法。
  4. 該研削工程では、該断面における該下側縁部の半径と該上側縁部の半径との各々が、該円板状凹部の深さよりも小さくなる様に、該被加工物を研削することを特徴とする請求項1又は2に記載の被加工物の研削方法。
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