JP2023049160A - 被加工物の研削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面側にデバイスが設けられた板状の被加工物を裏面側から研削する際に、研削が完了するまでの時間を大幅に長くすることなくデバイスが破損する確率を低く抑えられる被加工物の研削方法を提供する。【解決手段】被加工物の研削方法であって、第1研削ホイールと第1保持面との距離が第1チャックテーブルの回転軸に近い中央側に比べて第1チャックテーブルの回転軸から遠い外縁側で広くなるように第1研削ホイールの回転軸と第1チャックテーブルの回転軸とのなす角度が調整された状態で、被加工物を裏面側から研削し、円板状の第1薄板部と第1薄板部を囲む環状の第1厚板部とを被加工物に形成する第1研削ステップを含む。【選択図】図3

Description

本発明は、ウェーハのような板状の被加工物を研削する際に適用される被加工物の研削方法に関する。
小型で軽量なデバイスチップを実現するために、集積回路等のデバイスが表面側に設けられたウェーハを薄く加工する機会が増えている。例えば、ウェーハの表面側をチャックテーブルで保持し、砥粒を含む砥石(研削砥石)が固定された研削ホイールと、チャックテーブルと、を互いに回転させて、純水等の液体を供給しながらウェーハの裏面に砥石を押し当てることで、このウェーハを研削して薄くできる。
ところで、上述の方法によりウェーハの全体を薄くすると、ウェーハの剛性が大幅に低下して、後工程でのウェーハの取り扱いが難しくなる。そこで、デバイスが設けられたウェーハの中央側(内側)の領域を研削し、外縁側(外側)の領域を研削せずにそのまま残すことで、研削後のウェーハの剛性を十分な高さに保つ技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この技術では、まず、ある程度の大きさの砥粒を含む砥石が固定された研削ホイールを用いて、ウェーハの中央側の領域を粗く研削し、円板状の薄板部と、薄板部を囲む環状の厚板部と、をウェーハに形成する。このように、大きな砥粒を含む砥石が固定された研削ホイールを用いれば、相対的に小さな砥粒を含む砥石が固定された研削ホイールを用いる場合に比べて、ウェーハの研削に要する時間を短くできる。
一方で、大きな砥粒を含む砥石が固定された研削ホイールを用いてウェーハを研削すると、この研削に起因する傷や歪を含むダメージ層が被研削面側に生成されて、薄板部の力学的な強度(抗折強度)が不足し易い。そこで、ウェーハを粗く研削した後には、相対的に小さな砥粒を含む砥石が固定された研削ホイールを用いて薄板部を更に研削し、ダメージ層を除去している。
特開2009-176896号公報
ところで、薄板部を研削してダメージ層を除去する際に研削ホイールが厚板部の側面等に接触すると、この厚板部が欠けてしまうことがある。よって、ダメージ層を除去する際には、研削ホイールを厚板部に接触させないように、薄板部の中央側の領域だけを研削している。しかしながら、この方法では、薄板部の外縁側の領域(厚板部との境界に近い領域)にダメージ層が残ってしまう。そして、その結果、後の搬送等の際に、残ったダメージ層からウェーハの表面側にクラックが伸長し、デバイスが破損し易かった。
薄板部を厚くして表面側のデバイスからダメージ層までの距離を十分に大きくすれば、ダメージ層から伸長するクラックに起因するデバイスの破損を防ぐことはできる。ところが、この場合には、薄板部を最終的な厚さまで薄くするために、相対的に小さな砥粒を含み単位時間当たりに除去できる量が少ない砥石が固定された研削ホイールを用いてウェーハの多くの部分を除去しなくてはならない。つまり、研削の完了までに要する時間が大幅に長くなってしまう。
よって、本発明の目的は、表面側にデバイスが設けられた板状の被加工物を裏面側から研削する際に、研削が完了するまでの時間を大幅に長くすることなくデバイスが破損する確率を低く抑えられる被加工物の研削方法を提供することである。
本発明の一側面によれば、回転するスピンドルに装着された研削ホイールを用いて、複数のデバイスが表面側に設けられた板状の被加工物を該表面とは反対の裏面側から研削する被加工物の研削方法であって、該被加工物の該表面に保護部材を貼付する貼付ステップと、該保護部材を介して該被加工物が第1チャックテーブルの第1保持面に保持され、且つ、砥粒を含む第1研削砥石を備えた第1研削ホイールと該第1保持面との距離が該第1チャックテーブルの回転軸に近い中央側に比べて該第1チャックテーブルの回転軸から遠い外縁側で広くなるように該第1研削ホイールの回転軸と該第1チャックテーブルの回転軸とのなす角度が調整された状態で、該第1研削ホイールと該第1チャックテーブルとを回転させながら、該第1研削ホイールと該第1チャックテーブルとを該第1保持面と交差する方向に相対的に移動させて該被加工物を該裏面側から研削し、円板状の第1薄板部と該第1薄板部を囲む環状の第1厚板部とを該被加工物に形成する第1研削ステップと、該第1研削ステップの後に、該保護部材を介して該被加工物が第2チャックテーブルの第2保持面に保持され、且つ、該第1研削砥石に比べて小さな砥粒を含む第2研削砥石を備えた第2研削ホイールと該第2保持面との該第2チャックテーブルの回転軸に近い中央側での距離と、該第2チャックテーブルの回転軸から遠い外縁側での距離と、の差が、該第1研削ホイールと該第1保持面との該第1チャックテーブルの回転軸に近い中央側での距離と、該第1チャックテーブルの回転軸から遠い外縁側での距離と、の差に比べて小さくなるように該第2研削ホイールの回転軸と該第2チャックテーブルの回転軸とのなす角度が調整された状態で、該第2研削ホイールと該第2チャックテーブルとを回転させながら、該第2研削ホイールと該第2チャックテーブルとを該第2保持面と交差する方向に相対的に移動させて該第1薄板部を該裏面側から研削し、該第1薄板部よりも直径が小さく薄い円板状の第2薄板部と該第2薄板部を囲む環状の第2厚板部とを該第1薄板部に形成する第2研削ステップと、を含む被加工物の研削方法が提供される。
好ましくは、該第1チャックテーブルは、該第2チャックテーブルとして用いられる。また、好ましくは、該第1研削ステップでは、該第1研削ステップにおいて該第1薄板部の外縁側に発生する傷又は歪を含むダメージ層から伸長するクラックが該デバイスに達しない厚さの該第1薄板部を形成する。
本発明の一側面にかかる被加工物の研削方法では、砥粒を含む第1研削砥石を備える第1研削ホイールと第1チャックテーブルの第1保持面との距離が、第1チャックテーブルの回転軸に近い中央側に比べて、第1チャックテーブルの回転軸から遠い外縁側で広くなるように、第1研削ホイールの回転軸と第1チャックテーブルの回転軸とのなす角度が調整された状態で、被加工物を研削し、円板状の第1薄板部と第1薄板部を囲む環状の第1厚板部とを被加工物に形成するので、第1薄板部の外縁側が中央側に比べて厚くなる。
そして、その後、第1研削砥石に比べて小さな砥粒を含む第2研削砥石を備える第2研削ホイールと第2チャックテーブルの第2保持面との第2チャックテーブルの回転軸に近い中央側での距離と、第2チャックテーブルの回転軸から遠い外縁側での距離と、の差が、第1研削ホイールと第1保持面との第1チャックテーブルの回転軸に近い中央側での距離と、第1チャックテーブルの回転軸から遠い外縁側での距離と、の差に比べて小さくなるように、第2研削ホイールの回転軸と第2チャックテーブルの回転軸とのなす角度が調整された状態で、第1薄板部を研削し、第1薄板部よりも直径が小さく薄い円板状の第2薄板部と第2薄板部を囲む環状の第2厚板部とを第1薄板部に形成するので、第1薄板部に形成された傷又は歪を含むダメージ層を除去しながら、第1薄板部に比べて外縁側と中央側との厚さの差が小さい第2薄板部を形成できる。
また、本発明の一側面にかかる被加工物の研削方法では、第2厚板部として被加工物に残留する第1薄板部の外縁側が第1薄板部の中央側に比べて厚く、第2厚板部(つまり、第1薄板部の外縁側)に形成されたダメージ層から被加工物の表面までの距離が十分に離れるので、後の搬送等の際に、第2厚板部のダメージ層から被加工物の表面側にクラックが伸長してデバイスが破損する可能性も低くなる。
更に、本発明の一側面にかかる被加工物の研削方法では、外縁側に比べて中央側が薄い第1薄板部を形成するので、全体が厚い第1薄板部を第2薄板部へと加工する場合に比べて、第2研削ホイールによって除去される被加工物の体積が小さくなる。よって、デバイスから第2厚板部(第1薄板部の外縁側)のダメージ層までの距離を十分に大きくしたとしても、研削が完了するまでの時間が大幅に長くならずに済む。このように、本発明の一側面にかかる被加工物の研削方法によれば、研削が完了するまでの時間を大幅に長くすることなくデバイスが破損する確率を低く抑えられる。
図1は、板状の被加工物に保護部材が貼付される様子を模式的に示す斜視図である。 図2は、保護部材を介して被加工物がチャックテーブルに保持される様子を模式的に示す断面図である。 図3は、第1研削ホイールにより被加工物が研削される様子を模式的に示す断面図である。 図4は、第1研削ホイールにより研削された後の被加工物の一部を模式的に示す断面図である。 図5は、第2研削ホイールにより被加工物の第1薄板部が研削される様子を模式的に示す断面図である。 図6は、第2研削ホイールにより第1薄板部が研削された後の被加工物の一部を模式的に示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。本実施形態にかかる被加工物の研削方法では、まず、研削の対象となる板状の被加工物に保護部材を貼付する(貼付ステップ)。図1は、板状の被加工物11に保護部材21が貼付される様子を模式的に示す斜視図である。
被加工物11は、代表的には、シリコン(Si)等の半導体でなる円板状のウェーハである。この被加工物11の表面11a側は、互いに交差する複数の分割予定ライン(ストリート)13で複数の小領域に区画されており、各小領域には、IC(Integrated Circuit)等のデバイス15が形成されている。本実施形態では、この被加工物11のデバイス15が形成された領域(デバイス領域)に対応する部分を、表面11aとは反対の裏面11b側から研削して被加工物11の一部を薄くする。
なお、本実施形態では、シリコン等の半導体でなる円板状のウェーハを被加工物11としているが、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば、他の半導体、セラミックス、樹脂、金属等の材料でなる基板を被加工物11として用いることもできる。同様に、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。
被加工物11に貼付される保護部材21は、代表的には、被加工物11と概ね同等の直径を持つ円形のテープ(フィルム)、樹脂基板、被加工物11と同種又は異種のウェーハ等である。この保護部材21の表面21a側には、被加工物11に対する接着力を示す接着層(不図示)が設けられている。
そのため、保護部材21の表面21a側を被加工物11に密着させることで、保護部材21を被加工物11に貼付できる。本実施形態では、図1に示されるように、保護部材21の表面21a側を被加工物11の表面11aに密着させて、被加工物11の表面11aに保護部材21を貼付する。これにより、被加工物11を裏面11b側から研削する際に表面11aに加わる衝撃を緩和して、デバイス15等を保護できる。
被加工物11の表面11aに保護部材21を貼付した後には、保護部材21を介して被加工物11をチャックテーブルの保持面で保持する(保持ステップ)。つまり、被加工物11に貼付されている保護部材21の裏面21b側をチャックテーブルで保持する。図2は、保護部材21を介して被加工物11がチャックテーブル4に保持される様子を模式的に示す断面図である。なお、以下の各工程では、図2等に示される研削装置2が使用される。
研削装置2は、被加工物11を保持できるように構成されたチャックテーブル(第1チャックテーブル、第2チャックテーブル)4を備えている。チャックテーブル4は、例えば、セラミックスやステンレス鋼等を用いて形成された円板状の枠体6を含む。枠体6の上面側には、円形状の開口を上端に持つ凹部6aが形成されている。この凹部6aには、セラミックス等を用いて多孔質の円板状に形成された保持板8が固定されている。
保持板8の上面8aは、例えば、円錐の側面に相当する形状に構成されており、保護部材21を保持する保持面として機能する。本実施形態では、この上面(第1保持面、第2保持面)8aに保護部材21の裏面21bを接触させる。保持板8の下面側は、枠体6の内部に設けられた流路6bや、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
そのため、保持板8の上面8aに保護部材21の裏面21bを接触させて、バルブを開き、吸引源の負圧を作用させることにより、この保護部材21の裏面21bがチャックテーブル4により吸引される。つまり、被加工物11は、表面11a側に貼付されている保護部材21を介してチャックテーブル4により保持される。
そして、図2に示すように、被加工物11の裏面11b側が上方に露出する。なお、図2等では、保持板8の上面8aの形状が誇張されているが、実際には、円錐の頂点に相当する上面8aの頂点8bと、上面8aの外周縁と、の高さの差(高低差)が最大で10μm~30μm程度である。
枠体6の下部には、モーター等の回転駆動源(不図示)が連結されている。チャックテーブル4は、この回転駆動源が生じる力によって、頂点8bが回転の中心となるように、鉛直方向に沿う回転軸、又は鉛直方向に対して僅かに傾いた回転軸の周りに回転する。また、枠体6は、チャックテーブル移動機構(不図示)によって支持されており、チャックテーブル4は、このチャックテーブル移動機構が生じる力によって、水平方向に移動する。
保護部材21を介して被加工物11をチャックテーブル4で保持した後には、例えば、被加工物11のデバイス15が形成された領域(デバイス領域)に対応する領域を、裏面11b側から粗く研削する(第1研削ステップ)。図3は、被加工物11が粗く研削される様子を示す断面図である。なお、図3では、説明の便宜上、一部の要素が側面により示されている。
図3等に示すように、研削装置2のチャックテーブル4の上方には、第1研削ユニット(粗研削ユニット)10が配置されている。第1研削ユニット10は、例えば、筒状のスピンドルハウジング(不図示)を含む。スピンドルハウジングの内側の空間には、柱状のスピンドル12が収容されている。
スピンドル12の下端部には、例えば、被加工物11や保護部材21よりも直径の小さな円板状のマウント14が設けられている。マウント14の外周部には、このマウント14を厚さの方向に貫通する複数の穴(不図示)が形成されており、各穴には、ボルト16等が挿入される。マウント14の下面には、マウント14と概ね直径が等しい円板状の第1研削ホイール(粗研削ホイール)18が、ボルト16等によって固定されている。
第1研削ホイール18は、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属を用いて形成された円板状のホイール基台20を含む。ホイール基台20の下面には、このホイール基台20の周方向に沿って複数の第1研削砥石(粗研削砥石)22が固定されている。第1研削砥石22は、例えば、ダイヤモンド等でなる大きめの砥粒が樹脂等でなる結合剤中に分散された構造を有している。
この第1研削砥石22を含む第1研削ホイール18を用いると、単位時間当たりに被加工物11を除去できる量が多くなる一方で、被加工物11の被研削面側に傷又は歪を含むダメージ層が形成され易くなる。スピンドル12の上端側には、モーター等の回転駆動源(不図示)が連結されている。第1研削ホイール18は、この回転駆動源が生じる力によって、鉛直方向に沿う回転軸、又は鉛直方向に対して僅かに傾いた回転軸の周りに回転する。
第1研削ホイール18の傍、又は第1研削ホイール18の内部には、第1研削砥石22等に対して研削用の液体(代表的には、水)を供給できるように構成されたノズル(不図示)が設けられている。スピンドルハウジングは、例えば、第1研削ユニット移動機構(不図示)によって支持されており、第1研削ユニット10は、この第1研削ユニット移動機構が生じる力によって、鉛直方向に移動する。
第1研削ユニット10(第1研削ホイール18)で被加工物11を研削する際には、例えば、第1研削ユニット10の直下にチャックテーブル4を移動させる。具体的には、デバイス15が形成された領域の直上に第1研削ホイール18(全ての第1研削砥石22)が配置されるように、チャックテーブル移動機構でチャックテーブル4を水平方向に移動させる。
また、図3に示されるように、第1研削ホイール18(第1研削砥石22)とチャックテーブル4(保持板8の上面8a)との距離が、チャックテーブル4の回転軸に近い中央側に比べて、チャックテーブル4の回転軸から遠い外縁側で広くなるように、第1研削ホイール18の回転軸とチャックテーブル4の回転軸とのなす角度を調整する。調整の方法に特段の制限はないが、例えば、チャックテーブル4の回転軸の傾きと、第1研削ホイール18の回転軸の傾きと、の一方又は両方を調整すると良い。
なお、本実施形態では、第1研削ユニット10の直下にチャックテーブル4を移動させた後に、第1研削ホイール18の回転軸とチャックテーブル4の回転軸とのなす角度を調整しているが、第1研削ホイール18の回転軸とチャックテーブル4の回転軸とのなす角度を調整した後に、第1研削ユニット10の直下にチャックテーブル4を移動させても良い。もちろん、被加工物11をチャックテーブル4で保持する前に、第1研削ホイール18の回転軸とチャックテーブル4の回転軸とのなす角度を調整しておいても良い。
そして、チャックテーブル4と第1研削ホイール18とをそれぞれ回転させて、ノズルから液体を供給しながら第1研削ユニット10(第1研削ホイール18)を下降させる。つまり、第1研削ホイール18とチャックテーブル4とを上面8aと交差する方向に相対的に移動させて、第1研削ホイール18により被加工物11を研削する。第1研削ユニット10を下降させる速さ(研削送り速度)は、被加工物11に対して第1研削砥石22が適切な圧力で押し当てられる範囲に調整される。
図4は、第1研削ホイール18により研削された後の被加工物11の一部を模式的に示す断面図である。上述のように、被加工物11のデバイス15が形成された領域に対応する領域を裏面11b側から研削することで、図4に示されるように、デバイス15が形成された領域に対応する円板状の第1薄板部11cと、第1薄板部11cを囲む環状の第1厚板部11dと、を被加工物11に形成することができる。
本実施形態では、上述の通り、砥粒を含む第1研削砥石22を備える第1研削ホイール18とチャックテーブル4の上面8aとの距離が、チャックテーブル4の回転軸に近い中央側に比べて、チャックテーブル4の回転軸から遠い外縁側で広くなるように、第1研削ホイール18の回転軸とチャックテーブル4の回転軸とのなす角度が調整された状態で、被加工物11が研削されている。よって、第1薄板部11cの外縁側は、中央側に比べて厚くなる。
なお、第1薄板部11cの裏面11b側の部分(被研削面)には、傷又は歪を含むダメージ層11eが形成される。よって、少なくとも、被加工物11に残留する第1薄板部11cの外縁側は、後の搬送等の際にダメージ層11eからクラックが伸長したとしても、表面11a側のデバイス15にクラックが達しない程度の厚さに形成されることが望ましい。例えば、被加工物11がシリコンでなるウェーハの場合には、第1薄板部11cの外縁側を150μm以上、好ましくは200μm以上の厚さに形成することで、ダメージ層11eから伸長するクラックが実質的にデバイス15に達しなくなる。
具体的な研削の条件に大きな制限はない。効率の良い被加工物11の研削を実現するためには、チャックテーブル4の回転数を、100rpm~600rpm、代表的には、300rpmに設定し、第1研削ホイール18の回転数を、1000rpm~7000rpm、代表的には、4500rpmに設定すると良い。
また、第1研削ユニット10(第1研削ホイール18)の下降の速さを、0.8μm/s~10μm/sに設定すると良い。更に、研削の進行に合わせて、第1研削ユニット10の下降の速さを変更しても良い。代表的には、研削の進行に合わせて、6.0μm/s、3.0μm/s、及び1.0μm/sの3段階の速さを順に設定する。
被加工物11を裏面11b側から研削し、円板状の第1薄板部11cと、第1薄板部11cを囲む環状の第1厚板部11dと、を形成した後には、第1薄板部11cを裏面11b側からより高い精度で研削する(第2研削ステップ)。図5は、被加工物11が高い精度で研削される様子を示す断面図である。なお、図5では、説明の便宜上、一部の要素が側面により示されている。
図5に示されるように、研削装置2のチャックテーブル4の上方には、第1研削ユニット10とは別の第2研削ユニット(仕上げ研削ユニット)24が配置されている。第2研削ユニット24は、例えば、筒状のスピンドルハウジング(不図示)を含む。スピンドルハウジングの内側の空間には、柱状のスピンドル26が収容されている。
スピンドル26の下端部には、例えば、被加工物11や保護部材21よりも直径の小さな円板状のマウント28が設けられている。マウント28の外周部には、このマウント28を厚さの方向に貫通する複数の穴(不図示)が形成されており、各穴には、ボルト30等が挿入される。マウント28の下面には、マウント28と概ね直径が等しい円板状の第2研削ホイール(仕上げ研削ホイール)32が、ボルト30等によって固定されている。
第2研削ホイール32は、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属を用いて形成された円板状のホイール基台34を含む。ホイール基台34の下面には、このホイール基台34の周方向に沿って複数の第2研削砥石(仕上げ研削砥石)36が固定されている。第2研削砥石36は、例えば、ダイヤモンド等でなる小さめの砥粒が樹脂等でなる結合剤中に分散された構造を有している。具体的には、第2研削砥石36に含まれる砥粒の大きさ(代表的には、平均粒径)は、第1研削砥石22に含まれる砥粒の大きさに比べて小さい。
この第2研削砥石36を含む第2研削ホイール32を用いると、単位時間当たりに被加工物11を除去できる量が少なくなる一方で、被加工物11の被研削面側に傷又は歪を含むダメージ層が形成され難くなる。スピンドル26の上端側には、モーター等の回転駆動源(不図示)が連結されている。第2研削ホイール32は、この回転駆動源が生じる力によって、鉛直方向に沿う回転軸、又は鉛直方向に対して僅かに傾いた回転軸の周りに回転する。
第2研削ホイール32の傍、又は第2研削ホイール32の内部には、第2研削砥石36等に対して研削用の液体(代表的には、水)を供給できるように構成されたノズル(不図示)が設けられている。スピンドルハウジングは、例えば、第2研削ユニット移動機構(不図示)によって支持されており、第2研削ユニット24は、この第2研削ユニット移動機構が生じる力によって、鉛直方向に移動する。
第2研削ユニット24(第2研削ホイール32)で第1薄板部11cを研削する際には、まず、第2研削ユニット24の直下にチャックテーブル4を移動させる。具体的には、第1薄板部11cの直上に第2研削ホイール32(全ての第2研削砥石36)が配置されるように、チャックテーブル移動機構でチャックテーブル4を水平方向に移動させる。
また、図5に示されるように、第2研削ホイール32(第2研削砥石36)とチャックテーブル4(保持板8の上面8a)とのチャックテーブル4の回転軸に近い中央側での距離と、チャックテーブル4の回転軸から遠い外縁側での距離と、の差が、上述した粗い研削の際の第1研削ホイール18(第1研削砥石22)とチャックテーブル4(保持板8の上面8a)とのチャックテーブル4の回転軸に近い中央側での距離と、チャックテーブル4の回転軸から遠い外縁側での距離と、の差に比べて小さくなるように、第2研削ホイール32の回転軸とチャックテーブル4の回転軸とのなす角度を調整する。
本実施形態では、図5に示されるように、第2研削ホイール32(第2研削砥石36)とチャックテーブル4(保持板8の上面8a)とのチャックテーブル4の回転軸に近い中央側での距離と、チャックテーブル4の回転軸から遠い外縁側での距離と、の差が、十分に小さくなるように(実質的にゼロになるように)、第2研削ホイール32の回転軸とチャックテーブル4の回転軸とのなす角度を調整する。調整の方法に特段の制限はないが、例えば、チャックテーブル4の回転軸の傾きと、第2研削ホイール32の回転軸の傾きと、の一方又は両方を調整すると良い。
なお、本実施形態では、第2研削ユニット24の直下にチャックテーブル4を移動させた後に、第2研削ホイール32の回転軸とチャックテーブル4の回転軸とのなす角度を調整しているが、第2研削ホイール32の回転軸とチャックテーブル4の回転軸とのなす角度を調整した後に、第2研削ユニット24の直下にチャックテーブル4を移動させても良い。もちろん、被加工物11をチャックテーブル4で保持する前に、第2研削ホイール32の回転軸とチャックテーブル4の回転軸とのなす角度を調整しておいても良い。
そして、チャックテーブル4と第2研削ホイール32とをそれぞれ回転させて、ノズルから液体を供給しながら第2研削ユニット24(第2研削ホイール32)を下降させる。つまり、第2研削ホイール32とチャックテーブル4とを上面8aと交差する方向に相対的に移動させる。第2研削ユニット24を下降させる速さ(研削送り速度)は、被加工物11に対して第2研削砥石36が適切な圧力で押し当てられる範囲に調整される。
図6は、第2研削ホイール32により第1薄板部11cが研削された後の被加工物11の一部を模式的に示す断面図である。上述のように、第1薄板部11cを裏面11b側から研削することで、図6に示されるように、第1薄板部11cよりも直径が小さく薄い円板状の第2薄板部11fと第2薄板部11fを囲む環状の第2厚板部11gとを第1薄板部11cに形成することができる。
本実施形態では、上述の通り、第1研削砥石22に比べて小さな砥粒を含む第2研削砥石36を備える第2研削ホイール32とチャックテーブル4の上面8aとのチャックテーブル4の回転軸に近い中央側での距離と、チャックテーブル4の回転軸から遠い外縁側での距離と、の差が、粗い研削の際の第1研削ホイール18とチャックテーブル4の上面8aとのチャックテーブル4の回転軸に近い中央側での距離と、チャックテーブル4の回転軸から遠い外縁側での距離と、の差に比べて小さくなるように、第2研削ホイール32の回転軸とチャックテーブル4の回転軸とのなす角度が調整された状態で、第1薄板部11cを研削している。よって、第1薄板部11cに形成された傷又は歪を含むダメージ層11eを除去しながら、第1薄板部11cに比べて外縁側と中央側との厚さの差が小さい第2薄板部11fを形成できる。
具体的な研削の条件に大きな制限はない。効率が良く精度の高い被加工物11の研削を実現するためには、チャックテーブル4の回転数を、100rpm~600rpm、代表的には、300rpmに設定し、第2研削ホイール32の回転数を、1000rpm~7000rpm、代表的には、4000rpmに設定すると良い。
なお、この第2研削ホイール32による研削では、外縁側に比べて中央側が薄い第1薄板部11cを研削するので、全体が厚い第1薄板部を第2薄板部へと加工する場合に比べて、第2研削ホイール32によって除去される被加工物11の体積が小さくなる。そのため、例えば、第1薄板部11cの外縁側を研削する段階では、全体が厚い第1薄板部を研削する場合に比べて、第2研削ユニット24の下降の速さを高めることが可能である。
例えば、本実施形態では、第1薄板部11cの外縁側を研削する段階での第2研削ユニット24の下降の速さを、0.8μm/s~5.0μm/sに設定し、第1薄板部11cの外縁側と中央側との両方を研削する段階での第2研削ユニット24の下降の速さを、0.1μm/s~0.8μm/sに設定する。
すなわち、第1薄板部11cの外縁側を研削する段階での第2研削ユニット24の下降の速さを、第1薄板部11cの外縁側と中央側との両方を研削する段階での第2研削ユニット24の下降の速さよりも大きくする。代表的には、研削の進行に合わせて、1.5μm/s、1.3μm/s、0.6μm/s、及び0.3μm/sの4段階の速さを順に設定する。これにより、研削に要する時間を短くして効率を高めながら、第2薄板部11fに形成される傷や歪の量を十分に少なくできる。つまり、研削の完了までに要する時間を大幅に長くすることなく、新たなダメージ層の発生を防止できる。
なお、第2研削ホイール32により研削されない第2厚板部11g(第1薄板部11cの外縁側)には、ダメージ層11eが残留することになるものの、このダメージ層11eから表面11a側のデバイス15までの距離は、十分に大きい。よって、後の搬送等の際に、残留したダメージ層11eから表面11a側のデバイス15に達するクラックが伸長する確率も、十分に低くなる。
ところで、上述したダメージ層11eを被加工物11の第2薄板部11fに残留させないためには、この第2研削ホイール32(第2研削砥石36)を用いて被加工物11(第1薄板部11c)を十分に研削する必要がある。具体的には、ダメージ層11eを完全に除去するために第2研削ホイール32で除去すべき厚さがA以上の場合には、第1薄板部11cの最も薄い中央側で除去すべき厚さがA以上となる。
そのため、研削の際に第2研削ホイール32を下降させる距離(第2研削ホイール32を用いる研削で除去される厚さ)をBとすると、ダメージ層11eを第2薄板部11fに残留させないためには、第1薄板部11cの外縁側と中央側との高低差を(B-A)以下にすることが求められる。例えば、ダメージ層11eを完全に除去するために必要な研削の厚さAが30μm、第2研削ホイール32を下降させる距離Bが100μmの場合には、高低差の上限(B-A)は、70μmとなる。
第1薄板部11cの外縁側と中央側との高低差の下限には大きな制限はないが、この高低差が小さくなり過ぎると、第2研削ユニット24の下降の速さを高め難くなり、本実施形態にかかる被加工物の研削方法の効果が低下する。よって、高低差の下限は、(B-A-30μm)程度が望ましい。
つまり、上述した粗い研削(第1研削ステップ)では、形成される第1薄板部11cの外縁側と中央側との高低差が(B-A-30μm)~(B-A)となるように、チャックテーブル4の回転軸と第1研削ホイール18の回転軸とのなす角度を調整することが望ましい。
次に、本実施形態にかかる被加工物の研削方法の効果を確認するために行った実施例及び比較例について説明する。実施例及び比較例では、約725μmの厚さの被加工物を研削して約100μmの厚さの第2薄板部が得られるまでに要する研削の時間をそれぞれ確認した。実施例では、まず、第1研削ホイール18を用いて被加工物11を研削し、200μmの厚さの第1薄板部11cと、725μmの厚さの第1厚板部11dと、を形成した。
被加工物11を研削する際に第1研削ホイール18を下降させる速さ(研削送り速度)は、研削の進行に合わせて、6.0μm/s、3.0μm/s、及び1.0μm/sの順に設定された。各速さで第1研削ホイール18を下降させた距離(つまり、研削で除去される厚さ)は、6.0μm/sの速さで465μm、3.0μm/sの速さで30μm、1.0μm/sの速さで30μmであった。チャックテーブル4の回転軸と第1研削ホイール18の回転軸とのなす角度は、第1薄板部11cの外縁側と中央側との高低差が約70μmとなるように調整された。
その後、第2研削ホイール32を用いて第1薄板部11cを研削し、約100μmの厚さの第2薄板部11fを形成した。第1薄板部11cを研削する際に第2研削ホイール32を下降させる速さ(研削送り速度)は、研削の進行に合わせて、1.5μm/s、1.3μm/s、0.6μm/s、及び0.3μm/sの順に設定された。各速さで第2研削ホイール32を下降させた距離は、1.5μm/s速さで30μm、1.3μm/sの速さで30μm、0.6μm/sの速さで30μm、0.3μm/sの速さで10μmであった。チャックテーブル4の回転軸と第2研削ホイール32の回転軸とのなす角度は、第2薄板部11fの外縁側と中央側との高低差が実質的にゼロとなるように調整された。この実施例では、研削の時間の合計が約244sとなった。
比較例でも、第1研削ホイール18を用いて被加工物を研削し、200μmの厚さの第1薄板部と、725μmの厚さの第1厚板部と、を形成した。被加工物を研削する際に第1研削ホイール18を下降させる速さ(研削送り速度)は、研削の進行に合わせて、6.0μm/s、3.0μm/s、及び1.0μm/sの順に設定された。各速さで第1研削ホイール18を下降させた距離は、6.0μm/sの速さで465μm、3.0μm/sの速さで30μm、1.0μm/sの速さで30μmであった。ただし、チャックテーブル4の回転軸と第1研削ホイール18の回転軸とのなす角度は、第1薄板部の外縁側と中央側との高低差が実質的にゼロとなるように調整された。
その後、第2研削ホイール32を用いて第1薄板部を研削し、約100μmの厚さの第2薄板部を形成した。第1薄板部を研削する際に第2研削ホイール32を下降させる速さ(研削送り速度)は、研削の進行に合わせて、0.6μm/s、及び0.3μm/sの順に設定された。各速さで第2研削ホイール32を下降させた距離は、0.6μm/sの速さで90μm、0.3μm/sの速さで10μmであった。チャックテーブル4の回転軸と第2研削ホイール32の回転軸とのなす角度は、第2薄板部の外縁側と中央側との高低差が実質的にゼロとなるように調整された。比較例では、研削の時間の合計が約301sとなった。つまり、実施例では、研削の時間の合計が比較例より57sほど短くなった。
以上のように、本実施形態にかかる被加工物の研削方法では、砥粒を含む第1研削砥石22を備える第1研削ホイール18とチャックテーブル(第1チャックテーブル)4の保持板8の上面(第1保持面)8aとの距離が、チャックテーブル(第1チャックテーブル)4の回転軸に近い中央側に比べて、チャックテーブル(第1チャックテーブル)4の回転軸から遠い外縁側で広くなるように、第1研削ホイール18の回転軸とチャックテーブル(第1チャックテーブル)4の回転軸とのなす角度が調整された状態で、被加工物11を研削し、円板状の第1薄板部11cと第1薄板部11cを囲む環状の第1厚板部11dとを被加工物11に形成するので、第1薄板部11cの外縁側が中央側に比べて厚くなる。
そして、その後、第1研削砥石22に比べて小さな砥粒を含む第2研削砥石36を備える第2研削ホイール32とチャックテーブル(第2チャックテーブル)4の保持板8の上面(第2保持面)8aとのチャックテーブル(第2チャックテーブル)4の回転軸に近い中央側での距離と、チャックテーブル(第2チャックテーブル)4の回転軸から遠い外縁側での距離と、の差が、第1研削ホイール18とチャックテーブル(第1チャックテーブル)4の保持板8の上面(第1保持面)8aとのチャックテーブル(第1チャックテーブル)4の回転軸に近い中央側での距離と、チャックテーブル(第1チャックテーブル)4の回転軸から遠い外縁側での距離と、の差に比べて小さくなるように、第2研削ホイール32の回転軸とチャックテーブル(第2チャックテーブル)4の回転軸とのなす角度が調整された状態で、第1薄板部11cを研削し、第1薄板部11cよりも直径が小さく薄い円板状の第2薄板部11fと第2薄板部11fを囲む環状の第2厚板部11gとを第1薄板部11cに形成するので、第1薄板部11cに形成された傷又は歪を含むダメージ層11eを除去しながら、第1薄板部11cに比べて外縁側と中央側との厚さの差が小さい第2薄板部11fを形成できる。
また、本実施形態にかかる被加工物の研削方法では、第2厚板部11gとして被加工物11に残留する第1薄板部11cの外縁側が第1薄板部11cの中央側に比べて厚く、第2厚板部11g(つまり、第1薄板部11cの外縁側)に形成されたダメージ層11eから被加工物11の表面11aまでの距離が十分に離れるので、後の搬送等の際に、第2厚板部11gのダメージ層11eから被加工物11の表面11a側にクラックが伸長してデバイス15が破損する可能性も低くなる。
更に、本実施形態にかかる被加工物の研削方法では、外縁側に比べて中央側が薄い第1薄板部11cを形成するので、全体が厚い第1薄板部を第2薄板部へと加工する場合に比べて、第2研削ホイール32によって除去される被加工物11の体積が小さくなる。よって、デバイス15から第2厚板部11g(第1薄板部11cの外縁側)のダメージ層11eまでの距離を十分に大きくしたとしても、研削が完了するまでの時間が大幅に長くならずに済む。このように、本実施形態にかかる被加工物の研削方法によれば、研削が完了するまでの時間を大幅に長くすることなくデバイス15が破損する確率を低く抑えられる。
なお、本発明は、上述した実施形態の記載に制限されず種々変更して実施可能である。例えば、上述した実施形態では、チャックテーブル4で保持した被加工物11を第1研削ホイール18で研削した後に、同じチャックテーブル4で保持した被加工物11を第2研削ホイール32で研削している。つまり、第1研削ホイール18で被加工物11を研削する際の第1チャックテーブルを、そのまま、第2研削ホイール32で被加工物11を研削する際の第2チャックテーブルとして用いている。
これに対して、チャックテーブル4で保持した被加工物11を第1研削ホイール18で研削した後に、チャックテーブル4とは別のチャックテーブルで保持した被加工物11を第2研削ホイール32で研削することもできる。つまり、第1研削ホイール18で被加工物11を研削する際の第1チャックテーブルと、第2研削ホイール32で被加工物11を研削する際の第2チャックテーブルと、は別のものでも良い。同様に、本発明にかかる被加工物の研削方法は、複数の研削装置を用いて行われても良い。
その他、上述の実施形態及び変形例にかかる構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 :被加工物
11a :表面
11b :裏面
11c :第1薄板部
11d :第1厚板部
11e :ダメージ層
11f :第2薄板部
11g :第2厚板部
13 :分割予定ライン(ストリート)
15 :デバイス
21 :保護部材
21a :表面
21b :裏面
2 :研削装置
4 :チャックテーブル(第1チャックテーブル、第2チャックテーブル)
6 :枠体
6a :凹部
6b :流路
8 :保持板
8a :上面(第1保持面、第2保持面)
8b :頂点
10 :第1研削ユニット(粗研削ユニット)
12 :スピンドル
14 :マウント
16 :ボルト
18 :第1研削ホイール(粗研削ホイール)
20 :ホイール基台
22 :第1研削砥石(粗研削砥石)
24 :第2研削ユニット(仕上げ研削ユニット)
26 :スピンドル
28 :マウント
30 :ボルト
32 :第2研削ホイール(仕上げ研削ホイール)
34 :ホイール基台
36 :第2研削砥石(仕上げ研削砥石)

Claims (3)

  1. 回転するスピンドルに装着された研削ホイールを用いて、複数のデバイスが表面側に設けられた板状の被加工物を該表面とは反対の裏面側から研削する被加工物の研削方法であって、
    該被加工物の該表面に保護部材を貼付する貼付ステップと、
    該保護部材を介して該被加工物が第1チャックテーブルの第1保持面に保持され、且つ、砥粒を含む第1研削砥石を備えた第1研削ホイールと該第1保持面との距離が該第1チャックテーブルの回転軸に近い中央側に比べて該第1チャックテーブルの回転軸から遠い外縁側で広くなるように該第1研削ホイールの回転軸と該第1チャックテーブルの回転軸とのなす角度が調整された状態で、該第1研削ホイールと該第1チャックテーブルとを回転させながら、該第1研削ホイールと該第1チャックテーブルとを該第1保持面と交差する方向に相対的に移動させて該被加工物を該裏面側から研削し、円板状の第1薄板部と該第1薄板部を囲む環状の第1厚板部とを該被加工物に形成する第1研削ステップと、
    該第1研削ステップの後に、該保護部材を介して該被加工物が第2チャックテーブルの第2保持面に保持され、且つ、該第1研削砥石に比べて小さな砥粒を含む第2研削砥石を備えた第2研削ホイールと該第2保持面との該第2チャックテーブルの回転軸に近い中央側での距離と、該第2チャックテーブルの回転軸から遠い外縁側での距離と、の差が、該第1研削ホイールと該第1保持面との該第1チャックテーブルの回転軸に近い中央側での距離と、該第1チャックテーブルの回転軸から遠い外縁側での距離と、の差に比べて小さくなるように該第2研削ホイールの回転軸と該第2チャックテーブルの回転軸とのなす角度が調整された状態で、該第2研削ホイールと該第2チャックテーブルとを回転させながら、該第2研削ホイールと該第2チャックテーブルとを該第2保持面と交差する方向に相対的に移動させて該第1薄板部を該裏面側から研削し、該第1薄板部よりも直径が小さく薄い円板状の第2薄板部と該第2薄板部を囲む環状の第2厚板部とを該第1薄板部に形成する第2研削ステップと、を含む被加工物の研削方法。
  2. 該第1チャックテーブルは、該第2チャックテーブルとして用いられる請求項1に記載の被加工物の研削方法。
  3. 該第1研削ステップでは、該第1研削ステップにおいて該第1薄板部の外縁側に発生する傷又は歪を含むダメージ層から伸長するクラックが該デバイスに達しない厚さの該第1薄板部を形成する請求項1又は請求項2に記載の被加工物の研削方法。
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