JP2024022743A - 被加工物の研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】円盤状の被加工物の外周部と他の部分との厚みに大きな差を生じさせることがない新たな被加工物の研磨方法を提供する。【解決手段】被加工物の研磨方法であって、第1チャックテーブルの第1保持面で被加工物よりも直径が大きな円盤状の板を保持する第1保持ステップと、切削ブレードを第1チャックテーブルに保持された板に切り込ませて第1チャックテーブルを回転させることにより、被加工物を収容できる円形状の開口部を有する補助リングを形成する補助リング形成ステップと、第2チャックテーブルの第2保持面で被加工物と補助リングとを保持する第2保持ステップと、第2チャックテーブルを回転させながら、回転させた研磨パッドを被加工物と補助リングとに接触させることにより、被加工物と補助リングとを研磨する研磨ステップと、を含む。【選択図】図3
Description
本発明は、円盤状の被加工物を研磨する際に適用される被加工物の研磨方法に関する。
小型で軽量なデバイスチップを実現するために、集積回路等のデバイスが表面側に設けられた円盤状のウェーハを薄く加工する機会が増えている。例えば、ウェーハの表面側をチャックテーブルで保持し、砥粒を含む研削砥石が固定された研削ホイールと、チャックテーブルと、を互いに回転させて、純水等の液体を供給しながらウェーハの裏面側に研削砥石を押し当てることで、ウェーハは研削され薄くなる。
ところで、上述のような砥粒を含む研削砥石でウェーハが研削されると、微細な傷や歪が被研削面に発生し、ウェーハの力学的な強度(例えば、抗折強度)が不足し易い。そこで、ウェーハが研削された後には、被研削面に発生した微細な傷や歪を除去するために、不織布や高分子発泡体(発泡ポリウレタン等)でなる柔らかい研磨パッドにより被研削面の全体が研磨される。
この研磨パッドは、被研削面の全体に接触できるように、一般的には、ウェーハよりも大きな円盤状に構成されている。そのため、研磨パッドで被研削面の全体を研磨すると、研磨パッドの一部が被研削面からウェーハの外周側へと回り込み、ウェーハは、この外周側からも研磨される。その結果、ウェーハの外周部が他の部分に比べて薄くなり、デバイスチップの品質が低下してしまうことがあった。
この問題を解決するために、デバイスが設けられているデバイス領域と、デバイス領域を囲む環状の外周余剰領域と、の境界の部分でウェーハを切断し、その後、切断された環状の外周余剰領域とともにデバイス領域を研磨する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、ウェーハから切断された環状の外周余剰領域によって研磨パッドが支持され、デバイス領域の外周側へと回り込み難くなる。つまり、デバイス領域の外周部と他の部分との厚みに差が生じ難くなる。
しかしながら、一般的なウェーハでは、デバイス領域を十分に広く確保できるように、環状の外周余剰領域の幅が極めて狭くなっている。そして、このような場合には、切断された環状の外周余剰領域とともにデバイス領域を研磨したとしても、デバイス領域の外周部と他の部分との厚みに大きな差が生じてしまうことがあった。
よって、本発明の目的は、円盤状の被加工物の外周部と他の部分との厚みに大きな差を生じさせることがない新たな被加工物の研磨方法を提供することである。
本発明の一側面によれば、円盤状の被加工物を研磨する際に適用される被加工物の研磨方法であって、第1保持面に対して交差する回転軸で回転できるように構成された第1チャックテーブルの該第1保持面で、該被加工物よりも直径が大きな円盤状の板を保持する第1保持ステップと、該第1チャックテーブルの回転軸に対して交差する回転軸で回転させた切削ブレードを該第1チャックテーブルに保持された該板に切り込ませて該第1チャックテーブルを回転させることにより、該被加工物を収容できる円形状の開口部を有する補助リングを形成する補助リング形成ステップと、第2保持面に対して交差する回転軸で回転できるように構成された第2チャックテーブルの該第2保持面で、該補助リングの該開口部に該被加工物が収容されるように該被加工物と該補助リングとを保持する第2保持ステップと、該第2チャックテーブルを回転させながら、該第2保持面に対して交差する回転軸で回転させた研磨パッドを該被加工物と該補助リングとに接触させることにより、該被加工物と該補助リングとを研磨する研磨ステップと、を含む被加工物の研磨方法が提供される。
好ましくは、該補助リング形成ステップでは、3mm以上30mm以下の幅を有する該補助リングを形成する。また、好ましくは、該補助リング形成ステップでは、該被加工物の直径と該開口部と直径との差が1mm以上2mm以下となる該補助リングを形成する。また、好ましくは、該補助リングとなる該板の材質は、該被加工物の材質と同じである。
本発明の一側面にかかる被加工物の研磨方法では、円盤状の被加工物よりも直径が大きな円盤状の板から、被加工物を収容できる円形状の開口部を有する補助リングを形成し、この補助リングを用いて被加工物を研磨するので、被加工物の研磨に適した幅を持つ補助リングを得ることができ、被加工物の外周部と他の部分との厚みに大きな差を生じさせることがなくなる。
また、本発明の一側面にかかる被加工物の研磨方法では、被加工物よりも直径が大きな板を第1チャックテーブルで保持し、その後、第1チャックテーブルに保持された板に切削ブレードを切り込ませて第1チャックテーブルを回転させることにより、補助リングを形成するので、被加工物の研磨に適した幅を持つ補助リングを簡単に得ることができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる被加工物の研磨方法で研磨(研磨加工)される円盤状の被加工物11を模式的に示す斜視図である。図1に示されるように、被加工物11は、例えば、シリコン(Si)等の半導体を主な材料として構成される円盤状のウェーハであり、円形状の表面11aと、表面11aとは反対側の円形状の裏面11bと、表面11aと裏面11bとを接続する外周面11cと、を有している。
被加工物11の表面11a側は、互いに交差する複数のストリート(分割予定ライン)13で複数の小領域に区画されており、各小領域には、集積回路(IC:Integrated Circuit)等のデバイス15が形成されている。被加工物11の外周面11cを含む一部の領域には、ノッチ等と呼ばれ被加工物11の向き(結晶方位等)を示す切り欠き部11dが設けられている。
この被加工物11の裏面11b側は、砥粒を含む研削砥石で既に研削されており、微細な傷や歪が被加工物11の裏面11bに発生している。本実施形態では、被加工物11の裏面11bに残る微細な傷や歪を除去するために、裏面11bの全体が、柔らかい研磨パッドで研磨される。
なお、本実施形態では、シリコン等の半導体を主な材料として含む円盤状のウェーハが被加工物11として用いられるが、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等は、この態様に制限されない。例えば、他の半導体、セラミックス、樹脂、金属等を主な材料として含む基板等が被加工物11として用いられ得る。
同様に、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等も、上述の態様に制限されない。被加工物11には、デバイス15や切り欠き部11d等が形成されていなくてもよい。また、被加工物11の裏面11b側は、必ずしも砥粒を含む研削砥石によって研削されていなくてよい。
本実施形態の被加工物の研磨方法では、まず、上述のような被加工物11を研磨する際に使用される補助リングが形成される。図2は、補助リングへと加工される円盤状の板21を模式的に示す斜視図であり、図3は、板21から補助リング31が形成される様子を模式的に示す斜視図である。
図2に示されるように、板21は、その直径D2が被加工物11の直径D1(図1参照)よりも大きい円盤状に構成されており、円形状の表面21aと、表面21aとは反対側の円形状の裏面21bと、表面21aと裏面21bとを接続する外周面21cと、を有している。この板21の厚みは、本実施形態では、被加工物11の厚みと同程度となるように調整されている。
ただし、板21の厚みは、これに限定されず、被加工物11の裏面11bを適切に研磨できる範囲にあればよい。例えば、被加工物11の表面11a側だけにバックグラインドテープ等の保護部材が貼付され、その状態で被加工物11の裏面11bが研磨される場合等には、保護部材の厚み等を考慮して、研磨時の被加工物11の裏面11bの高さと、板21から形成される補助リングの被研磨面(上面)の高さと、が同程度(高低差が10μm以下)となるように、板21の厚みが決定される。
板21は、代表的には、被加工物11と同様の材質で構成されている。具体的には、板21を構成する主な材料が、被加工物11を構成する主な材料と同じである。そのため、板21から形成される補助リングは、被加工物11と同様に研磨される。ただし、板21から形成される補助リングを被加工物11と同様に研磨できるようであれば、板21を構成する主な材料は、被加工物11を構成する主な材料とは異なっていてもよい。
板21から補助リング31を形成する際には、例えば、図3に示される切削装置2が使用される。切削装置2は、板21を保持できるように構成された第1チャックテーブル4を備えている。第1チャックテーブル4は、例えば、ステンレス鋼に代表される金属で構成された円盤状の枠体を含む。枠体の上面側には、円形状の開口を上端に持つ凹部が設けられている。この凹部には、セラミックス等を用いて多孔質の円盤状に構成された保持板が固定されている。
枠体の上面と、保持板の上面とで、板21を保持するための第1保持面4aが形成されている。保持板の下面側は、枠体の内部に設けられた流路や、枠体の外部に配置されたバルブ等を介して、エジェクタ等の吸引源に接続されている。そのため、板21の裏面21b等を第1保持面4aに接触させて、バルブを開き、吸引源の負圧を作用させれば、板21は、負圧の吸引力で第1チャックテーブル4に保持される。
枠体の下部には、モーター等の回転駆動源(不図示)が接続されており、第1チャックテーブル4は、この回転駆動源の動力により、第1保持面4aに対して概ね垂直に交差する回転軸の周りに回転する。また、枠体は、例えば、第1チャックテーブル移動機構(不図示)に支持されており、第1チャックテーブル4は、この第1チャックテーブル移動機構の動力により、第1保持面4aに対して概ね平行な第1送り方向に沿って移動する。
第1チャックテーブル4の上方には、切削ユニット6が配置されている。切削ユニット6は、筒状のスピンドルハウジング8を備えている。スピンドルハウジング8の内側の空間には、柱状のスピンドル(不図示)が収容されている。このスピンドルの軸心(回転軸)は、第1チャックテーブル4の第1保持面4aに対して概ね平行である。つまり、スピンドルの軸心(回転軸)は、第1チャックテーブル4の回転軸に対して交差している。
スピンドルの一端側は、スピンドルハウジング8から外部に露出している。このスピンドルの一端側には、砥粒を含む切り刃を備えた切削ブレード10が装着されている。スピンドルの他端側には、モーター等の回転駆動源(不図示)が接続されており、スピンドルの一端側に装着された切削ブレード10は、この回転駆動源が生じる動力により、スピンドルの軸心の周りに回転する。切削ブレード10の傍には、切削ブレード10や板21等に対して水等の液体を供給できるノズル(不図示)が配置されている。
スピンドルハウジング8は、例えば、切削ユニット移動機構(不図示)に支持されており、切削ユニット6は、この切削ユニット移動機構の動力により、第1保持面4aに対して概ね平行で第1送り方向に対して概ね垂直な第2送り方向と、第1保持面4aに対して概ね垂直な第3送り方向と、に沿って移動する。
補助リング31を形成する際には、まず、第1チャックテーブル4の第1保持面4aにより板21が保持される(第1保持ステップ)。具体的には、例えば、板21の裏面21bを第1保持面4aに接触させ、吸引源が動作している状態で、バルブが開かれる。これにより、板21は、負圧の吸引力によって第1チャックテーブル4に保持され、表面21aが上方に露出する。なお、板21の裏面21bには、予めダイシングテープ等の支持部材が貼付されてもよい。
第1チャックテーブル4の第1保持面4aにより板21が保持された後には、回転させた切削ブレード10を板21に切り込ませることで、補助リング(環状の補助部材)31が形成される(補助リング形成ステップ)。具体的には、まず、第1チャックテーブル4の回転軸を中心とする円形状の切断予定ライン21dの上方に切削ブレード10が配置されるように、第1チャックテーブル4の位置と切削ユニット6の位置との関係が、第1送り方向及び第2送り方向において調整される。なお、この調整は、第1チャックテーブル移動機構と切削ユニット移動機構とにより行われる。
次に、切削ブレード10(スピンドル)の回転と、ノズルからの液体の供給と、が開始される。そして、切削ブレード10の下端の位置(高さ)が板21の裏面11bの位置(高さ)よりも僅かに低くなるように、鉛直方向における切削ユニット6の位置が、切削ユニット移動機構により調整される。
その後、第1チャックテーブル4が回転する。つまり、本実施形態では、第1チャックテーブル4の回転軸に対して交差する回転軸で回転している切削ブレード10が第1チャックテーブル4に保持された板21に切り込んだ状態で、第1チャックテーブル4が回転軸の周りに回転する。第1チャックテーブル4の回転量が1周(360°)を超えると、板21は、切断予定ライン21dに沿って切断され、補助リング31と、円盤状の廃材33と、に分離される。
ここで、円形状の切断予定ライン21dの直径D3は、形成される補助リング31の開口部31d(図4参照)の直径が被加工物11の直径D1よりも1mm以上2mm以下の長さだけ大きくなるように、設定されることが望ましい。代表的には、被加工物11の直径D1と、切断予定ライン21dの直径D3と、の差が1mm以上2mm以下となるように、切断予定ライン21dの直径D3が設定される。
また、板21の直径D2は、3mm以上30mm以下の幅(外周縁から内周縁までの距離)を持つ補助リング31が得られるように、設定されることが望ましい。本実施形態では、板21の直径D2と切断予定ライン21dの直径D3との差が3mm以上30mm以下となるように、板21の直径D2と切断予定ライン21dの直径D3とが設定される。これにより、切断予定ライン21dで板21を切断するだけで、3mm以上30mm以下の幅を有する補助リング31が得られる。
ただし、板21の直径D2は、切断予定ライン21dの直径D3との差が30mmよりも大きくなるように設定されてもよい。この場合には、所望する幅の補助リング31が得られるように、径方向で切断予定ライン21dよりも外側に設定される別の切断予定ラインで板21が更に切断される。
このような大きさの補助リング31を用いると、研磨パッドは、被加工物11の外周部よりも外側の領域で補助リング31に支持され、被加工物11の外周側に回り込み難くなる。これにより、被加工物11の適切な研磨が実現される。なお、板21の表面21aの一部は、補助リング31の表面31aとなり、板21の裏面21bの一部は、補助リング31の裏面31bとなり、板21の外周面21cは、補助リング31の外周面31cとなる。
補助リング31が形成された後には、この補助リング31を用いて、被加工物11が化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)等の方法で研磨される。本実施形態では、被加工物11と補助リング31との適切な位置の関係が実現されるように、被加工物11と補助リング31とに支持部材が貼付される(支持部材貼付ステップ)。図4は、被加工物11と補助リング31とに支持部材41が貼付される様子を模式的に示す斜視図である。
支持部材41は、代表的には、補助リング31の外縁の直径(つまり、外周面31cが形成する円の直径)と概ね同等の直径を持つ円形状のテープ(フィルム)、樹脂基板等である。つまり、支持部材41は、円形状の表面41aと、表面41aとは反対側の円形状の裏面41bと、を有している。この支持部材41の表面41a側には、被加工物11及び補助リング31に対して接着力を示す接着層が設けられている。
よって、図4に示されるように、被加工物11の表面11aと補助リング31の裏面31bとに支持部材41の表面41a側を密着させると、支持部材41は、被加工物11の表面11aと補助リング31の裏面31bとに貼付される。本実施形態では、補助リング31の開口部31dに被加工物11が収容されるように被加工物11と補助リング31との位置の関係が調整された状態で、被加工物11と補助リング31とに支持部材41が貼付される。これにより、被加工物11と補助リング31との位置の関係が支持部材41によって固定される。
被加工物11と補助リング31とに支持部材41が貼付された後には、被加工物11と補助リング31とが研磨される。図5は、被加工物11と補助リング31とが研磨される様子を模式的に示す断面図である。被加工物11と補助リング31とを研磨する際には、例えば、図5に示される研磨装置22が使用される。
研磨装置22は、被加工物11と補助リング31とを保持できるように構成された第2チャックテーブル24を備えている。第2チャックテーブル24は、例えば、セラミックス等により構成された円盤状の枠体26を含む。枠体26の上面26a側には、円形状の開口を上端に持つ凹部26bが設けられている。この凹部26bには、セラミックス等を用いて多孔質の円盤状に構成された保持板28が固定されている。
枠体26の上面26aと、保持板28の上面28aとで、被加工物11と補助リング31とを保持するための第2保持面24aが形成されている。保持板28の下面側は、枠体26の内部に設けられた流路や、枠体26の外部に配置されたバルブ等を介して、エジェクタ等の吸引源に接続されている。そのため、支持部材41の裏面41b等を第2保持面24aに接触させて、バルブを開き、吸引源の負圧を作用させれば、支持部材41は、負圧の吸引力で第2チャックテーブル24に保持される。
枠体26の下部には、モーター等の回転駆動源(不図示)が接続されており、第2チャックテーブル24は、この回転駆動源の動力により、第2保持面24aに対して概ね垂直に交差する回転軸の周りに回転する。また、枠体26は、例えば、第2チャックテーブル移動機構(不図示)に支持されており、第2チャックテーブル24は、この第2チャックテーブル移動機構の動力により、第2保持面24aに対して概ね平行な方向に沿って移動する。
第2チャックテーブル24の上方には、研磨ユニット30が配置されている。研磨ユニット30は、例えば、筒状のスピンドルハウジング(不図示)を含む。スピンドルハウジングの内側の空間には、柱状のスピンドル32が収容されている。スピンドル32の軸心(回転軸)は、第2チャックテーブル24の第2保持面24aに対して交差している。
スピンドル32の下端側は、スピンドルハウジングから外部に露出している。このスピンドル32の下端部には、例えば、円盤状のマウント34が固定されている。マウント34の下面側には、円盤状の研磨パッド36が、ボルト(不図示)等によって装着されている。
研磨パッド36は、例えば、砥粒を含まない不織布や高分子発泡体(発泡ポリウレタン等)で円盤状に構成され、その中央部には、砥粒を含んだ研磨用の液体(研磨液)の供給に使用される研磨液供給口(不図示)が設けられている。研磨液供給口は、マウント34やスピンドル32に設けられた流路等を介して研磨液供給源に接続されている。なお、研磨パッド36は、砥粒を含んでいてもよい。その場合には、研磨用の液体として、砥粒を含まない液体等が使用される。
スピンドル32の上端側には、モーター等の回転駆動源(不図示)が接続されており、マウント34等を介してスピンドル32の下端側に装着された研磨パッド36は、この回転駆動源が生じる動力により、スピンドル32の軸心の周りに回転する。スピンドルハウジングは、例えば、ボールねじ式の研磨ユニット移動機構(不図示)によって支持されており、研磨ユニット30は、この研磨ユニット移動機構が生じる動力により、第2保持面24aに対して概ね垂直に交差する方向に沿って移動する。
被加工物11を補助リング31とともに研磨する際には、まず、第2チャックテーブル24の第2保持面24aにより被加工物11と補助リング31とが保持される(第2保持ステップ)。具体的には、例えば、支持部材41の裏面41bを第2保持面24aに接触させ、吸引源が動作している状態で、バルブが開かれる。これにより、支持部材41は、負圧の吸引力によって第2チャックテーブル24に保持される。つまり、被加工物11と補助リング31とが支持部材41を介して第2チャックテーブル24に保持される。
第2チャックテーブル24の第2保持面24aにより被加工物11と補助リング31とが保持された後には、回転させた研磨パッド36を被加工物11と補助リング31とに接触させることで、被加工物11と補助リング31とが研磨される(研磨ステップ)。具体的には、まず、研磨ユニット30の直下に第2チャックテーブル24が移動する。より具体的には、上方から見て第2チャックテーブル24に保持された被加工物11の全体が研磨パッド36と重なるように、第2チャックテーブル移動機構が第2チャックテーブル24の水平方向の位置を調整する。
その後、第2チャックテーブル24と研磨パッド36とがそれぞれ回転し、研磨ユニット30(研磨パッド36)が下降する。つまり、研磨パッド36と被加工物11とが相互に回転している状態で、研磨ユニット移動機構が研磨ユニット30を第2保持面24aに対して概ね垂直に交差する方向に沿って移動させる。なお、この際には、研磨液供給口から、被加工物11や補助リング31、研磨パッド36等に研磨用の液体が供給される。
これにより、図5に示されるように、研磨パッド36が被加工物11の裏面11bの全体及び補助リング31の表面31aに上方から接触し、被加工物11の裏面11bと補助リング31の表面31aとが研磨される。本実施形態では、被加工物11の周囲を囲むように補助リング31が配置されている。そのため、研磨パッド36は、被加工物11の外周部よりも外側の領域で補助リング31に支持され、被加工物11の外周側に回り込み難い。よって、被加工物11の外周部が被加工物11の他の部分に比べて大幅に薄くなることもない。
なお、被加工物11の外周側への研磨パッド36の回り込みを十分に防止することができるように、被加工物11と補助リング31との隙間は、被加工物11の全周で0.5mm以上1mm以下に調整されることが望ましい。つまり、上述のような隙間が実現されるように被加工物11と補助リング31との位置の関係が調整された状態で、被加工物11と補助リング31とに支持部材41が貼付されることが望ましい。これにより、被加工物11の外周部の厚みが全周で概ね均一になる。
以上のように、本実施形態にかかる被加工物の研磨方法では、円盤状の被加工物11よりも直径が大きな円盤状の板21から、被加工物11を収容できる円形状の開口部31dを有する補助リング(環状の補助部材)31を形成し、この補助リング31を用いて被加工物11を研磨するので、被加工物11の研磨に適した幅を持つ補助リング31を得ることができ、被加工物11の外周部と他の部分との厚みに大きな差を生じさせることがなくなる。
また、本実施形態にかかる被加工物の研磨方法では、被加工物11よりも直径が大きな板21を第1チャックテーブル4で保持し、その後、第1チャックテーブル4に保持された板21に切削ブレード10を切り込ませて第1チャックテーブル4を回転させることにより、補助リング31を形成するので、被加工物11の研磨に適した幅を持つ補助リング31を簡単に得ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態の記載に制限されず種々変更して実施され得る。例えば、上述した実施形態では、被加工物11と補助リング31とに支持部材41が貼付され、被加工物11と補助リング31とが支持部材41を介して一体化された状態で研磨されているが、被加工物11と補助リング31とには、支持部材41が貼付されなくてもよい。
この場合には、例えば、被加工物11を吸引して保持できる第1保持部と、補助リング31を吸引して保持できる第2保持部と、を独立した態様で備える第2チャックテーブルが使用され得る。このような構造の第2チャックテーブルを用いることで、被加工物11と補助リング31とが共通の第2チャックテーブルで確実に保持されるので、被加工物11と補助リング31とに支持部材41が貼付されなくとも、被加工物11の適切な研磨が可能になる。
また、上述した実施形態では、第1チャックテーブル4と切削ユニット6とを含む切削装置2と、第2チャックテーブル24と研磨ユニット30とを含む研磨装置22と、が併用されているが、これらが一体になった加工装置が使用されてもよい。その場合には、第1チャックテーブル4が第2チャックテーブル24として使用されてもよいし、第2チャックテーブル24が第1チャックテーブル4として使用されてもよい。つまり、第1チャックテーブル4と第2チャックテーブル24との一方は、省略され得る。
その他、上述の実施形態及び変形例にかかる構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施され得る。
11 :被加工物
11a :表面
11b :裏面
11c :外周面
11d :切り欠き部
13 :ストリート(分割予定ライン)
15 :デバイス
21 :板
21a :表面
21b :裏面
21c :外周面
21d :切断予定ライン
31 :補助リング(環状の補助部材)
31a :表面
31b :裏面
31c :外周面
31d :開口部
33 :廃材
2 :切削装置
4 :第1チャックテーブル
4a :第1保持面
6 :切削ユニット
8 :スピンドルハウジング
10 :切削ブレード
22 :研磨装置
24 :第2チャックテーブル
24a :第2保持面
26 :枠体
26a :上面
26b :凹部
28 :保持板
28a :上面
30 :研磨ユニット
32 :スピンドル
34 :マウント
36 :研磨パッド
41 :支持部材
41a :表面
41b :裏面
11a :表面
11b :裏面
11c :外周面
11d :切り欠き部
13 :ストリート(分割予定ライン)
15 :デバイス
21 :板
21a :表面
21b :裏面
21c :外周面
21d :切断予定ライン
31 :補助リング(環状の補助部材)
31a :表面
31b :裏面
31c :外周面
31d :開口部
33 :廃材
2 :切削装置
4 :第1チャックテーブル
4a :第1保持面
6 :切削ユニット
8 :スピンドルハウジング
10 :切削ブレード
22 :研磨装置
24 :第2チャックテーブル
24a :第2保持面
26 :枠体
26a :上面
26b :凹部
28 :保持板
28a :上面
30 :研磨ユニット
32 :スピンドル
34 :マウント
36 :研磨パッド
41 :支持部材
41a :表面
41b :裏面
Claims (4)
- 円盤状の被加工物を研磨する際に適用される被加工物の研磨方法であって、
第1保持面に対して交差する回転軸で回転できるように構成された第1チャックテーブルの該第1保持面で、該被加工物よりも直径が大きな円盤状の板を保持する第1保持ステップと、
該第1チャックテーブルの回転軸に対して交差する回転軸で回転させた切削ブレードを該第1チャックテーブルに保持された該板に切り込ませて該第1チャックテーブルを回転させることにより、該被加工物を収容できる円形状の開口部を有する補助リングを形成する補助リング形成ステップと、
第2保持面に対して交差する回転軸で回転できるように構成された第2チャックテーブルの該第2保持面で、該補助リングの該開口部に該被加工物が収容されるように該被加工物と該補助リングとを保持する第2保持ステップと、
該第2チャックテーブルを回転させながら、該第2保持面に対して交差する回転軸で回転させた研磨パッドを該被加工物と該補助リングとに接触させることにより、該被加工物と該補助リングとを研磨する研磨ステップと、を含む被加工物の研磨方法。 - 該補助リング形成ステップでは、3mm以上30mm以下の幅を有する該補助リングを形成する請求項1に記載の被加工物の研磨方法。
- 該補助リング形成ステップでは、該被加工物の直径と該開口部と直径との差が1mm以上2mm以下となる該補助リングを形成する請求項1又は請求項2に記載の被加工物の研磨方法。
- 該補助リングとなる該板を構成する主な材料は、該被加工物を構成する主な材料と同じである請求項1又は請求項2に記載の被加工物の研磨方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022126048A JP2024022743A (ja) | 2022-08-08 | 2022-08-08 | 被加工物の研磨方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022126048A JP2024022743A (ja) | 2022-08-08 | 2022-08-08 | 被加工物の研磨方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024022743A true JP2024022743A (ja) | 2024-02-21 |
Family
ID=89930522
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2022126048A Pending JP2024022743A (ja) | 2022-08-08 | 2022-08-08 | 被加工物の研磨方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2024022743A (ja) |
-
2022
- 2022-08-08 JP JP2022126048A patent/JP2024022743A/ja active Pending
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