JP2024066659A - フラッププローブ及びその使用 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置が制御されたInvasive Cleavage Assay(ICA)用のフラッププローブを提供する。【解決手段】ICA用のフラッププローブは、標的核酸に相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、前記フラッププローブにおいて、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置に、前記フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、フラッププローブ及びその使用に関する。具体的には、本発明は、Invasive Cleavage Assay(ICA)においてフラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御する方法、ICAに用いられるフラッププローブ、ICA用キット、及びICAによる標的核酸の検出方法に関する。
微量な解析対象分子の検出方法として、FRET(Fluorescence resonance energy transfer、蛍光共鳴エネルギー移動)を利用した方法が知られている。
例えば、遺伝子診断において、標的核酸を正確かつ迅速に検出、定量する手法が数多く存在する。その中でも、Invasive Cleavage Assay(ICA)は、操作性及び反応安定性が優れている(例えば、非特許文献1を参照。)。
ここで、図1を参照しながらICAについて説明する。図1は、ICAの一例を説明する模式図である。図1の例では、標的核酸100中のT(チミン)塩基101の存在を検出する。まず、標的核酸100に相補的なフラッププローブ110及び侵入プローブ120をハイブリダイズさせる。その結果、侵入プローブ120は、標的核酸100の、フラッププローブ110がハイブリダイズする位置に隣接する部位にハイブリダイズする。そして、侵入プローブ120の3’末端の少なくとも1塩基は、フラッププローブ110と標的核酸100がハイブリダイズしている領域141の5’末端の位置に侵入し、第1の三重鎖構造130が形成される。
続いて、第1の三重鎖構造130にフラップエンドヌクレアーゼを反応させると、第1の三重鎖構造130のフラップ部位140が切断され、核酸断片140が生成される。続いて、核酸断片140は、蛍光プローブ150にハイブリダイズして第2の三重鎖構造160を形成する。
図1の例では、蛍光プローブ150の5’末端には蛍光物質Fが結合されており、蛍光プローブ150の5’末端から数塩基3’側に消光物質Qが結合されている。蛍光物質Fと消光物質Qは空間的近傍に位置する。このため、蛍光物質Fが発する蛍光は、消光物質Qにより消光される。
続いて、第2の三重鎖構造160にフラップエンドヌクレアーゼを反応させると、第2の三重鎖構造160のフラップ部位170が切断され、核酸断片170が生成される。その結果、蛍光物質Fが消光物質Qから遊離し、励起光の照射により蛍光を発する。この蛍光を検出することにより、標的核酸100中のT(チミン)塩基101の存在を検出することができる。
Eis P. S. et al., "An invasive cleavage assay for direct quantitation of specific RNAs.", Nature Biotechnology, Vol. 19、Issue 7, pp. 673-676, 2001.
しかしながら、発明者らは、ICAにおいて、図1に示す三重鎖構造130で切断される核酸断片140は、主となる切断位置で切断された生成物に加えて、主となる切断位置の前後1塩基で切断された副生成物も存在することを見出した。これら副生成物の存在によって、適切な第2の三重鎖構造160が形成できず、ICAの反応効率が低下してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置が制御されたICA用のフラッププローブ、並びに、前記フラッププローブを用いたICAにおいてフラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御する方法、ICA用キット、及びICAによる標的核酸の検出方法を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) Invasive Cleavage Assayにおいてフラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御する方法であって、
前記フラッププローブは、標的核酸に相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、
前記フラッププローブにおいて、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置に、前記フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造を含む、方法。
(2) 前記フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造が、ホスホチオエート結合である、(1)に記載の方法。
(3) Invasive Cleavage Assayに用いられるフラッププローブであって、
前記フラッププローブは、標的核酸に相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、
前記フラッププローブにおいて、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置に、前記フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造を含む、フラッププローブ。
(4) 前記フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造が、ホスホチオエート結合である、(3)に記載のフラッププローブ。
(5) (3)又は(4)に記載のフラッププローブと、
侵入プローブと、
蛍光プローブと、
フラップエンドヌクレアーゼと、
を備え、
前記侵入プローブは、標的核酸に相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、前記フラッププローブの標的核酸に相補的な配列と、前記侵入プローブの前記標的核酸に相補的な配列は、異なる配列であり、且つ、前記フラッププローブと前記侵入プローブは標的核酸の隣接した位置にハイブリダイズし、
前記蛍光プローブは、蛍光物質及び消光物質で標識された一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、自己ハイブリダイゼーションにより5’側がヘアピン構造を形成し、3’側に前記フラッププローブがフラップエンドヌクレアーゼによって切断されて形成された核酸断片に相補的な配列を有し、該核酸断片のハイブリダイズにより、5’末端部分に三重鎖構造が形成され、前記三重鎖構造を認識したフラップエンドヌクレアーゼにより切断されて、前記蛍光物質及び前記消光物質が遊離し、励起光の照射により蛍光を発するものである、Invasive Cleavage Assay用キット。
(6) (3)又は(4)に記載のフラッププローブを用いることを含む、Invasive Cleavage Assayによる標的核酸の検出方法。
上記態様のフラッププローブによれば、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置が制御されたICA用のフラッププローブを提供することができる。上記態様の方法によれば、ICAにおいてフラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御することができる。上記態様のICA用キットは、前記フラッププローブを備えており、ICAにおいてフラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御することができる。上記態様のICAによる標的核酸の検出方法は、前記フラッププローブを用いており、ICAにおいてフラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御することができる。
Invasive Cleavage Assay(ICA)の一例を説明する模式図である。 実施例1の結果を示すグラフである。 実施例1の結果を示すグラフである。 実施例2の結果を示すグラフである。
≪ICA用のフラッププローブ≫
本実施形態のICA用のフラッププローブは、標的核酸に相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、
前記フラッププローブにおいて、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置に、前記フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造を含む。
本実施形態のICA用のフラッププローブは、上記構成を有することで、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御して、主となる切断位置で切断された生成物のみを優先的に生成することができ、主となる切断位置の前後一塩基で切断された副生成物の発生を抑制することができる。これにより、図1に示す第2の三重鎖構造160の形成に適した核酸断片140が生成されるため、ICAの反応性を向上させて、反応を高速化させることができる。
すなわち、一実施形態において、本発明は、ICAにおいてフラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御する方法であって、
前記フラッププローブは、標的核酸に相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、
前記フラッププローブにおいて、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置に、前記フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造を含む、方法を提供する。
上記実施形態の方法は、ICAにおいてフラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御する方法であって、
標的核酸、フラッププローブ、及び、侵入プローブを準備することと、
前記標的核酸、前記フラッププローブ、及び、前記侵入プローブを接触させることと、
前記接触による反応物にフラップエンドヌクレアーゼを接触させることと、を含み、
前記フラッププローブは、標的核酸に相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、
前記フラッププローブにおいて、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置に、前記フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造を含み、
前記侵入プローブは、標的核酸に相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、前記フラッププローブの標的核酸に相補的な配列と、前記侵入プローブの前記標的核酸に相補的な配列は、異なる配列であり、
前記フラッププローブと前記侵入プローブは標的核酸の隣接した位置にハイブリダイズし、三重鎖構造が形成され、フラップエンドヌクレアーゼは前記三重鎖構造を認識して、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置においてフラッププローブを切断し、核酸断片が切り出される方法であるということもできる。
また、上記実施形態の方法は、ICAの反応性を向上させる方法ということもできる。
なお、本明細書において、ICAの反応性が向上するとは、ICAの結果検出される蛍光シグナルが、より短時間に所定の値に到達することであってもよい。或いは、ICAの結果検出される蛍光シグナル強度が、より高い値に到達することであってもよい。或いは、ICAの結果検出されるバックグラウンドの蛍光シグナルがより低い値に維持されることであってもよい。
本実施形態のICA用のフラッププローブは、フラップエンドヌクレアーゼによって切断されることから、フラップエンドヌクレアーゼの基質であるということもできる。
フラップエンドヌクレアーゼとしては、フラップエンドヌクレアーゼ1(NCBIアクセッション番号:WP_011012561.1、Holliday junction 5’ flap endonuclease(GEN1)(NCBIアクセッション番号:NP_001123481.3)、excision repair protein(NCBIアクセッション番号:AAC37533.1等が挙げられる。
本実施形態のフラッププローブにおいて、フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造は、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置又は1塩基後の位置の核酸が含めばよく、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置の核酸及び1塩基後の位置の核酸の両方が含んでもよい。後述する実施例に示すように、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置の核酸がフラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造を含むことで、フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造を含まないフラッププローブよりもS/N比が最大となる時間が早くなる。
また、フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造は、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置に加えて、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の2、3、4、又は5塩基前後の位置の核酸が更に含んでもよい。
フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造としては、ホスホチオエート結合であることが好ましい。フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置の核酸において、ホスホジエステル結合がホスホチオエート結合に置換されていることで、フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性をフラッププローブに付与することができる。
なお、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置の核酸のホスホジエステル結合がホスホチオエート結合に置換されているとは、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置の核酸と、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の核酸との間のホスホジエステル結合がホスホチオエート結合に置換されていることを意味する。また、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基後の位置の核酸のホスホジエステル結合がホスホチオエート結合に置換されているとは、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基後の位置の核酸と、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の2塩基後の核酸との間のホスホジエステル結合がホスホチオエート結合に置換されていることを意味する。
また、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置の核酸をBridged Nucleic Acid(BNA)、又はLocked Nucleic Acid(LNA)に置換することで、フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性をフラッププローブに付与してもよい。
本実施形態のフラッププローブを形成する一本鎖オリゴヌクレオチドは、15塩基以上30塩基以下程度の長さを有していることが好ましい。また、標的核酸に相補的な配列は、8塩基以上20塩基以下程度の長さを有していることが好ましい。
本実施形態のフラッププローブを形成する一本鎖オリゴヌクレオチドにおいて、フラップエンドヌクレアーゼにより切断されるフラップ部位は、図1に示す核酸断片140に対応する。核酸断片140は、蛍光プローブ150にハイブリダイズして、第2の三重鎖構造160を形成することから、本実施形態のフラッププローブを形成する一本鎖オリゴヌクレオチドは、蛍光プローブ150の3’側に相補的な配列を有することが好ましい。蛍光プローブ150の3’側に相補的な配列は、8塩基以上15塩基以下程度の長さを有していることが好ましい。
<オリゴヌクレオチド>
本実施形態のフラッププローブを形成する一本鎖オリゴヌクレオチドは、本発明の効果が奏される限り特に限定されず、天然の核酸であってもよく、合成された核酸であってもよい。
天然の核酸としては、例えば、ゲノムDNA、mRNA、rRNA、hnRNA、miRNA、tRNA等が挙げられる。天然の核酸は、生体から回収されたものであってもよいし、生体と接触した水、有機物等から回収されたものであってもよい。天然の核酸の回収方法としては、フェノール/クロロホルム法等の公知の手法が挙げられる。
合成された核酸としては、例えば、合成DNA、合成RNA、cDNA等が挙げられる。
オリゴヌクレオチドの合成方法は特に限定されず、ホスホロアミダイト法によるDNA固相合成等の公知の化学的合成法等が挙げられる。
本実施形態のフラッププローブは、ホスホジエステル結合がホスホチオエート結合に置換された核酸等、フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造を含む核酸と、フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造を含まない核酸を用いて、上記合成方法により合成することができる。
ホスホジエステル結合がホスホチオエート結合に置換された核酸は、例えば、参考文献1(Lyer RP et al., “3H-1,2-Benzodithiole-3-one 1,1-Dioxide as an Improved Sulfurizing Reagent in the Solid-Phase Synthesis of Oligodeoxyribonucloside Phoshorothioates.”, J. Am. Chem. Soc. Vol. 112, pp. 1253-1254, 1990.)等に記載の方法を用いて、合成することができる。
具体的には、以下の反応式(A)に示すように、ジヌクレオチド(1)に3H-1,2-benzodithiole-3-one 1,1-dioxide(2)を反応させることで、合成することができる。反応式(A)中、Baseは塩基を示し、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル等の任意の塩基を示す。
Figure 2024066659000001
≪ICA用キット≫
本実施形態のICA用キットは、上述したフラッププローブと、
侵入プローブと、
蛍光プローブと、
フラップエンドヌクレアーゼと、
を備える。
本実施形態のICA用キットにおいて、フラッププローブ及びフラップエンドヌクレアーゼは、上記「フラッププローブ」に記載のものを用いることができる。
本実施形態のICA用キットは、上述したフラッププローブを備えることで、ICAにおいてフラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御して、主となる切断位置で切断された生成物のみを優先的に生成することができ、主となる切断位置の前後一塩基で切断された副生成物の発生を抑制することができる。その結果、図1に示す第2の三重鎖構造160の形成に適した核酸断片140が生成されるため、ICAの反応性を向上させて、反応を高速化させることができる。
<侵入プローブ>
侵入プローブは、標的核酸に相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチドからなる。侵入プローブは、標的核酸に相補的な配列のみからなる一本鎖オリゴヌクレオチドであることが好ましい。
フラッププローブの標的核酸に相補的な配列と、侵入プローブの標的核酸に相補的な配列は、異なる配列である。図1に示すようにフラッププローブ110と侵入プローブ120は標的核酸100の隣接した位置にハイブリダイズする。
侵入プローブを形成する一本鎖オリゴヌクレオチドは、15塩基以上30塩基以下程度の長さを有していることが好ましい。また、標的核酸に相補的な配列は、15塩基以上30塩基以下程度の長さを有していることが好ましい。
<蛍光プローブ>
蛍光プローブは、蛍光物質及び消光物質で標識された一本鎖オリゴヌクレオチドからなる。
蛍光プローブは、自己ハイブリダイゼーションにより5’側がヘアピン構造を形成し、3’側に前記フラッププローブがフラップエンドヌクレアーゼによって切断されて形成された核酸断片に相補的な配列を有し、該核酸断片のハイブリダイズにより、5’末端部分に三重鎖構造が形成され、前記三重鎖構造を認識したフラップエンドヌクレアーゼにより切断されて、前記蛍光物質及び前記消光物質が遊離し、励起光の照射により蛍光を発するものである。
ここで、自己ハイブリダイゼーションにより5’側がヘアピン構造を形成し、3’側に前記フラッププローブがフラップエンドヌクレアーゼによって切断されて形成された核酸断片のハイブリダイズにより、5’末端部分に三重鎖構造が形成される三重鎖構造は、図1に示す第2の三重鎖構造160に対応する。すなわち、3’側にハイブリダイズする、フラップエンドヌクレアーゼによって切断されて形成された核酸断片は、フラッププローブ110に由来するフラップ部位140に対応する。
蛍光プローブは、20塩基以上150塩基以下程度の長さを有していることが好ましい。また、ヘアピン構造を形成する塩基対の数は5個以上50個以下程度であることが好ましい。
(蛍光物質)
蛍光物質としては、特に限定されず、例えば、フルオレセイン(分子量332.3)、ATTO425(分子量401.45)、Alexa488(分子量534.47)、ATTO542(分子量914)、Yakima Y(分子量718.33)、Redmond R(分子量445.3)、ATTO643(分子量836)、Alexa647(分子量860)、Alexa680(分子量1050)、Alexa568(分子量694.7)、FAM(分子量332.3)、ATTO633(分子量652.2)、Cy5(分子量483.7)、HiLyte Fluor 647(分子量1205.6)、ATTO665(分子量723)、Alexa594(分子量722.8)、Cy3(分子量457.6)、ROX(分子量534.6)等が挙げられる。蛍光物質の分子量は350以上1100以下であることが好ましく、445以上1100以下であることがより好ましく、445以上914以下であることが更に好ましい。蛍光物質の分子量が上記の範囲であると、より高いシグナルノイズ比(S/N比)が得られる傾向にある。
(消光物質)
消光物質としては、使用する蛍光物質の蛍光を消光することができるものであれば特に限定されず、例えば、Black Hole Quencher(BHQ)(登録商標)-1、BHQ(登録商標)-2、BHQ(登録商標)-3、Tide Quencher 1(TQ1)、Tide Quencher 2(TQ2)、Tide Quencher 2WS(TQ2WS)、Tide Quencher 3(TQ3)、Tide Quencher 3WS(TQ3WS)、Tide Quencher 4(TQ4)、Tide Quencher 4WS(TQ4WS)、Tide Quencher 5(TQ5)、Tide Quencher 5WS(TQ5WS)、Tide Quencher 6WS(TQ6WS)、Tide Quencher 7WS(TQ7WS)、QSY35、QSY7、QSY9、QSY21、Iowa Black FQ、Iowa Black RQ等が挙げられる。消光物質としては、使用する蛍光物質の蛍光を消光することができるものを選択する。
蛍光物質が消光物質の空間的近傍にある場合、蛍光物質からの蛍光は消光物質により消光される。「蛍光を消光する」とは、次のような意味である。消光物質が存在しない場合において、励起光を蛍光物質に対して照射したときの、蛍光物質から発光する蛍光の強度をAとする。また、消光物質が蛍光物質の空間的近傍に存在する場合において、励起光を蛍光物質に対して照射したときの、蛍光物質から発光する蛍光の強度をBとする。ここで、「蛍光を消光する」とは、上記B/Aの値が、40%以下であることを意味する。
蛍光物質が消光物質の空間的近傍にある状態における、蛍光物質と消光物質距離との距離は、蛍光物質からの蛍光発光が消光物質により抑制される限り特に限定されず、10nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがより好ましく、2nm以下であることが更に好ましい。
侵入プローブ及び蛍光プローブを形成する一本鎖オリゴヌクレオチドは、本発明の効果が奏される限り特に限定されず、天然の核酸であってもよいし、合成された核酸であってもよい。核酸の種類としては、上記「フラッププローブ」において例示されたものと同様のものが挙げられる。
≪ICAによる標的核酸の検出方法≫
本実施形態のICAによる標的核酸の検出方法は、上述したフラッププローブを用いることを含む。
本実施形態のICAによる標的核酸の検出方法は、上述したフラッププローブを用いることで、ICAにおいてフラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御して、主となる切断位置で切断された生成物のみを優先的に生成することができ、主となる切断位置の前後一塩基で切断された副生成物の発生を抑制することができる。その結果、図1に示す第2の三重鎖構造160の形成に適した核酸断片140が生成されるため、ICAの反応性を向上させて、反応を高速化させることができる。
本実施形態のICAによる標的核酸の検出方法では、上記フラッププローブに加えて、侵入プローブ、蛍光プローブ、及びフラップエンドヌクレアーゼを用いることが好ましい。すなわち、一実施形態において、本発明は、上述したICA用キットを用いることを含む、ICAによる標的核酸の検出方法を提供する。
本実施形態の方法は、ICAによる標的核酸の検出方法であって、
フラッププローブ、侵入プローブ、及び蛍光プローブを準備することと、
標的核酸と、フラッププローブと、侵入プローブと、を接触させることと、
前記標的核酸と、前記フラッププローブと、前記侵入プローブとの接触による反応物にフラップエンドヌクレアーゼを接触させて、前記フラップエンドヌクレアーゼにより切断された第1の核酸断片を生成させることと、
前記第1の核酸断片と、前記蛍光プローブと、を接触させることと、
前記第1の核酸断片と、前記蛍光プローブとの接触による反応物にフラップエンドヌクレアーゼを接触させて、前記フラップエンドヌクレアーゼにより切断された第2の核酸断片を生成させることと、を含み、
前記フラッププローブは、標的核酸に相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、
前記フラッププローブにおいて、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置に、前記フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造を含み、
前記侵入プローブは、標的核酸に相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、前記フラッププローブの標的核酸に相補的な配列と、前記侵入プローブの前記標的核酸に相補的な配列は、異なる配列であり、
前記フラッププローブと前記侵入プローブは標的核酸の隣接した位置にハイブリダイズし、三重鎖構造が形成され、フラップエンドヌクレアーゼは前記三重鎖構造を認識して、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置においてフラッププローブを切断し、第1の核酸断片が切り出され、
前記蛍光プローブは、蛍光物質及び消光物質で標識された一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、自己ハイブリダイゼーションにより5’側がヘアピン構造を形成し、3’側に前記フラッププローブがフラップエンドヌクレアーゼによって切断されて形成された第1の核酸断片に相補的な配列を有し、該第1の核酸断片のハイブリダイズにより、5’末端部分に三重鎖構造が形成され、前記三重鎖構造を認識したフラップエンドヌクレアーゼにより切断されて、前記蛍光物質及び前記消光物質が遊離し、励起光の照射により蛍光を発するものである方法であるということもできる。
本実施形態の方法において、ICAは微小空間内で行うことが好ましい。具体的には、微小な複数のウェルを有するウェルアレイを有するデバイスを用いてICAを行うことが好ましい。
ウェルは、無処理でそのまま使用してもよく、目的に応じて、予めウェル内壁に抽出試薬、抗体等の検出試薬等を固定化する、ウェル開口部を脂質二重膜で覆う等の前処理を施してもよい。
デバイスは、流路を有していてもよく、流路を介してICAの反応溶液をウェルアレイのウェルに供給してもよい。
ウェルの直径は例えば3μm程度であってよく、ウェルの深さは例えば4.5μm程度であってよい。ウェルは、基材上に、三角格子状又は正方格子状を形成するように整列してウェルアレイを形成していてもよい。
基材の材質としては、例えば、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、シリコーン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、アモルファスフッ素樹脂等が挙げられる。
ウェルアレイにおけるウェルの個数は、1デバイスあたり10万個~600万個程度であることが好ましい。また、1ウェルあたりの容量は1fL~6pLであることが好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(フラッププローブの検討)
フラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置周辺の塩基のホスホジエステル結合をホスホチオエート結合に置換してフラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を付与し、該フラッププローブを用いてICAを行い、反応性を比較した。
下記表1に示す核酸断片を用いてICAを行なった。表1中の標的核酸(配列番号1)は検出対象となる核酸である。本実験例のICAでは標的核酸中の小文字で示したg(グアニン)の存在を検出した。フラッププローブ(配列番号2~6)及び侵入プローブ(配列番号7)は、それぞれ、標的核酸(配列番号1)に相補的な塩基配列を有している。
標的核酸(配列番号1)に、フラッププローブ(配列番号2~6)及び侵入プローブ(配列番号8)がそれぞれハイブリダイズすると、三重鎖構造が形成される。ここで、フラッププローブ(配列番号2~6)の「5’-CGCGCCGAGGC-3’」(配列番号9)は塩基対形成せず、フラップ部位を形成する。
フラップエンドヌクレアーゼは、上記三重鎖構造を認識して、フラッププローブ(配列番号2~6)を切断し、通常、核酸断片1(配列番号9)が切り出される。このとき、フラッププローブ標準(配列番号2)では、副生成物として、核酸断片1(配列番号9)よりも一塩基短い核酸断片2(配列番号10)や、核酸断片1(配列番号9)よりも一塩基長い核酸断片3(配列番号11)が切り出される。
Figure 2024066659000002
上記表1に示すフラッププローブ(配列番号2~6)の小文字で表記されたpは糖リン酸骨格中のホスホジエステル結合を示し、フラッププローブ10S、11S、12S、10S12S及び22S23S(配列番号3~6)における小文字のsはホスホチオエート結合を示す。蛍光プローブ(配列番号12)は蛍光物質が塩基に結合している蛍光プローブである。蛍光プローブにおけるFはAlexa Fluor(登録商標)488を表し、QはBHQ(登録商標)-1を表す。
蛍光プローブに、切り出された核酸断片1(配列番号9)がハイブリダイズした場合、上記表1において、蛍光プローブの小文字で表すt(チミン)残基は三重鎖構造を形成し、フラップエンドヌクレアーゼの基質となり、切断される。その結果、蛍光物質が消光物質から離れて、励起光の照射により蛍光シグナルが検出される。
まず、下記表2に示す組成で反応溶液をそれぞれ調製し微量試験チューブに入れた。続いて、チューブをリアルタイムPCR装置にセットし、66℃で60分間加熱したときの蛍光強度変化(励起波長490nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。また、比較のために、標的核酸の代わりに滅菌水を添加した反応溶液を調製し、同様の測定を行った。
Figure 2024066659000003
図2は、各フラッププローブを用いた場合の蛍光強度変化を測定した結果を示すグラフである。図2中、横軸は反応開始からの経過時間(秒)を示し、縦軸は蛍光強度(相対値)を示す。なお、各サンプルはそれぞれN=2で測定を行った。
図2に示すように、フラッププローブにおいて切断部位である5’末端から11番目の核酸の1塩基前後の位置、すなわち、5’末端から10番目の核酸及び5’末端から12番目の核酸のうち少なくともいずれか一方の核酸の糖リン酸骨格中のホスホジエステル結合をホスホチオエート結合に置換することで、蛍光強度の立ち上がりが早くなっており、ICAの反応性が向上することが明らかとなった。また、5’末端から10番目の核酸の糖リン酸骨格中のホスホジエステル結合をホスホチオエート結合に置換することで、蛍光強度の立ち上がりがより早くなる傾向がみられ、一方で、5’末端から12番目の核酸の糖リン酸骨格中のホスホジエステル結合をホスホチオエート結合に置換することで、標的核酸が存在しない条件下での蛍光強度(バックグラウンド)を抑えられる傾向がみられた。
また、上記表2に示す組成で反応溶液をそれぞれ調製し、ウェルアレイを備えた流体デバイスのウェルに導入した。ウェルアレイは約93万個のウェルを有しており、ウェル1つあたりの容積は約1683fLであった。
続いて、流体デバイスをアルミブロック恒温槽(型式「DTU-Mini」、タイテック社)にセットし、66℃で25分間加熱した後、顕微鏡(製品名「オールインワン蛍光顕微鏡」、型式「BZ-X810」、キーエンス社)を用いて観察した。
続いて、顕微鏡観察画像に基づいて、発光ウェル(S)及び未発光ウェル(N)を識別し、発光ウェル及び未発光ウェルの輝度を算出した。続いて、発光ウェルの輝度及び未発光ウェルの輝度の比、すなわち、S/N比を算出した。図3は、各フラッププローブを用いた場合のS/N比を示すグラフである。
図3に示すように、フラッププローブにおいて切断部位である5’末端から11番目の核酸の1塩基前後の位置、すなわち、5’末端から10番目の核酸及び5’末端から12番目の核酸のうち少なくともいずれか一方の核酸の糖リン酸骨格中のホスホジエステル結合をホスホチオエート結合に置換することで、S/N比が最大となる時間が、フラッププローブ標準(コントロール)を用いた場合よりも、数百秒早くなることが確かめられた。
以上の結果から、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置の核酸に、フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を付与することで、ICAの反応を高速化できることが示唆された。
[実施例2]
(フラッププローブの濃度の検討)
実施例1で良好な結果が得られたフラッププローブの濃度をふってICAを行い、反応性を比較した。
具体的には、フラッププローブ10S、12S、及び10S12Sについて、反応溶液中の濃度を0.5μM、1μM及び2μMとした以外は、上記実施例1と同様の方法を用いて、S/N比を算出した。また、コントロールとして、フラッププローブ標準について、反応溶液中の濃度を2μMとした条件においても同様にS/N比を算出した。図4は、異なる濃度の各フラッププローブを用いた場合のS/N比を示すグラフである。
図4に示すように、フラッププローブ10S及び12Sについては、0.5μMまで使用量を削減しても、S/N比が最大となる時間が、フラッププローブ標準を用いた場合よりも、早くなることが確かめられた。フラッププローブ10S12Sについては、1μMまで使用量を削減しても、S/N比が最大となる時間が、フラッププローブ標準を用いた場合よりも、早くなることが確かめられた。
以上の結果から、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置の核酸に、フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を付与し、ICAの反応が高速化されたことにより、フラッププローブの使用量を削減できることが示めされた。
本実施形態のフラッププローブによれば、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置が制御されたICA用のフラッププローブを提供することができる。本実施形態の方法によれば、ICAにおいてフラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御することができる。本実施形態のICA用キットは、前記フラッププローブを備えており、ICAにおいてフラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御することができる。本実施形態のICAによる標的核酸の検出方法は、前記フラッププローブを用いており、ICAにおいてフラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御することができる。
100…標的核酸、101…塩基、110…フラッププローブ、120…侵入プローブ、130…第1の三重鎖構造、140,170…フラップ部位(核酸断片)、141…領域、150…蛍光プローブ、151…ミスマッチ部位、160…第2の三重鎖構造、F…蛍光物質、Q…消光物質。

Claims (6)

  1. Invasive Cleavage Assayにおいてフラッププローブのフラップエンドヌクレアーゼによる切断位置を制御する方法であって、
    前記フラッププローブは、標的核酸に相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、
    前記フラッププローブにおいて、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置に、前記フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造を含む、方法。
  2. 前記フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造が、ホスホチオエート結合である、請求項1に記載の方法。
  3. Invasive Cleavage Assayに用いられるフラッププローブであって、
    前記フラッププローブは、標的核酸に相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、
    前記フラッププローブにおいて、フラップエンドヌクレアーゼによる切断位置の1塩基前の位置及び1塩基後の位置のうち少なくともいずれか一方の位置に、前記フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造を含む、フラッププローブ。
  4. 前記フラップエンドヌクレアーゼに対する切断耐性を有する構造が、ホスホチオエート結合である、請求項3に記載のフラッププローブ。
  5. 請求項3又は4に記載のフラッププローブと、
    侵入プローブと、
    蛍光プローブと、
    フラップエンドヌクレアーゼと、
    を備え、
    前記侵入プローブは、標的核酸に相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、前記フラッププローブの標的核酸に相補的な配列と、前記侵入プローブの前記標的核酸に相補的な配列は、異なる配列であり、且つ、前記フラッププローブと前記侵入プローブは標的核酸の隣接した位置にハイブリダイズし、
    前記蛍光プローブは、蛍光物質及び消光物質で標識された一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、自己ハイブリダイゼーションにより5’側がヘアピン構造を形成し、3’側に前記フラッププローブがフラップエンドヌクレアーゼによって切断されて形成された核酸断片に相補的な配列を有し、該核酸断片のハイブリダイズにより、5’末端部分に三重鎖構造が形成され、前記三重鎖構造を認識したフラップエンドヌクレアーゼにより切断されて、前記蛍光物質及び前記消光物質が遊離し、励起光の照射により蛍光を発するものである、Invasive Cleavage Assay用キット。
  6. 請求項3又は4に記載のフラッププローブを用いることを含む、Invasive Cleavage Assayによる標的核酸の検出方法。
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