JP2024000311A - 蛍光物質及び消光物質で標識された一本鎖オリゴヌクレオチド - Google Patents

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Abstract

【課題】Invasive Cleavage Assay(ICA)におけるバックグラウンドの上昇を抑制する技術を提供する。【解決手段】蛍光物質及び消光物質で標識された一本鎖オリゴヌクレオチドであって、自己ハイブリダイゼーションにより5’側がヘアピン構造を形成し、3’側に相補的な塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドがハイブリダイズすると、5’末端部分に三重鎖構造が形成され、前記三重鎖構造を認識したフラップエンドヌクレアーゼにより切断されて、前記蛍光物質と前記消光物質とが遊離し、励起光の照射により蛍光を発するものであり、前記ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含む、一本鎖オリゴヌクレオチド。【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光物質及び消光物質で標識された一本鎖オリゴヌクレオチドに関する。
微量な解析対象分子の検出方法として、FRET(Fluorescence resonance energy transfer、蛍光共鳴エネルギー移動)を利用した方法が知られている。
例えば、遺伝子診断において、標的核酸を正確かつ迅速に検出、定量する手法が数多く存在する。その中でも、Invasive Cleavage Assay(ICA)は、操作性及び反応安定性が優れている(例えば、非特許文献1を参照。)。
ここで、図1を参照しながらICAについて説明する。図1は、ICAの一例を説明する模式図である。図1の例では、標的核酸100中のT(チミン)塩基101の存在を検出する。まず、標的核酸100に相補的なフラッププローブ110及び侵入プローブ120をハイブリダイズさせる。その結果、侵入プローブ120は、標的核酸100の、フラッププローブ110がハイブリダイズする位置に隣接する部位にハイブリダイズする。そして、侵入プローブ120の3’末端の少なくとも1塩基は、フラッププローブ110と標的核酸100がハイブリダイズしている領域141の5’末端の位置に侵入し、第1の三重鎖構造130が形成される。
続いて、第1の三重鎖構造130にフラップエンドヌクレアーゼを反応させると、第1の三重鎖構造130のフラップ部位140が切断され、核酸断片140が生成される。続いて、核酸断片140は、核酸断片150にハイブリダイズして第2の三重鎖構造160を形成する。
図1の例では、核酸断片150の5’末端には蛍光物質Fが結合されており、核酸断片150の5’末端から数塩基3’側に消光物質Qが結合されている。蛍光物質Fと消光物質Qは空間的近傍に位置する。このため、蛍光物質Fが発する蛍光は、消光物質Qにより消光される。
続いて、第2の三重鎖構造160にフラップエンドヌクレアーゼを反応させると、第2の三重鎖構造160のフラップ部位170が切断され、核酸断片170が生成される。その結果、蛍光物質Fが消光物質Qから遊離し、励起光の照射により蛍光を発する。この蛍光を検出することにより、標的核酸100中のT(チミン)塩基101の存在を検出することができる。
特開2004-309405号公報
Eis P. S. et al, An invasive cleavage assay for direct quantitation of specific RNAs, Nature Biotechnology, 19 (7), 673-676, 2001.
発明者らは、図1に例示するようなICAにおいては、遺伝子多型又は遺伝子変異特異的なシグナルに加えて、バックグラウンドのシグナルが上昇する場合があることを見出した。バックグラウンドのシグナルの上昇は擬陽性判定につながり、遺伝子診断における誤判定をもたらす危険因子といえる。そこで、本発明は、ICAにおけるバックグラウンドの上昇を抑制する技術を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を含む。
[1]蛍光物質及び消光物質で標識された一本鎖オリゴヌクレオチドであって、自己ハイブリダイゼーションにより5’側がヘアピン構造を形成し、3’側に相補的な塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドがハイブリダイズすると、5’末端部分に三重鎖構造が形成され、前記三重鎖構造を認識したフラップエンドヌクレアーゼにより切断されて、前記蛍光物質と前記消光物質とが遊離し、励起光の照射により蛍光を発するものであり、前記ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含む、一本鎖オリゴヌクレオチド。
[2]前記蛍光物質が、5’末端のヌクレオチド残基に標識されており、前記消光物質が、前記相補的でない塩基対を構成するヌクレオチド残基のうち、より5’側に位置するヌクレオチド残基に標識されている、[1]に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
[3]5’末端のヌクレオチド残基の塩基がピリミジン塩基である、[1]又は[2]に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
[4]前記蛍光物質よりも3’側に前記消光物質が標識されており、フラップエンドヌクレアーゼにより切断された場合に、前記蛍光物質を含むオリゴヌクレオチド断片が遊離する、[1]~[3]のいずれかに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
[5]ICAにおけるバックグラウンドの上昇を抑制する方法であって、ICAの反応液に、蛍光基質を添加する工程を含み、前記蛍光基質は、蛍光物質及び消光物質で標識された一本鎖オリゴヌクレオチドであり、前記一本鎖オリゴヌクレオチドは、自己ハイブリダイゼーションにより5’側がヘアピン構造を形成し、3’側に相補的な塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドがハイブリダイズすると、5’末端部分に三重鎖構造が形成され、前記三重鎖構造を認識したフラップエンドヌクレアーゼにより切断されて、前記蛍光物質と前記消光物質とが遊離し、励起光の照射により蛍光を発するものであり、前記ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含むものである、方法。
本発明によれば、ICAにおけるバックグラウンドの上昇を抑制する技術を提供することができる。
図1は、Invasive Cleavage Assay(ICA)の一例を説明する模式図である。 図2(a)及び(b)は、実験例1の結果を示すグラフである。
[一本鎖オリゴヌクレオチド]
一実施形態において、本発明は、蛍光物質及び消光物質で標識された一本鎖オリゴヌクレオチドであって、自己ハイブリダイゼーションにより5’側がヘアピン構造を形成し、3’側に相補的な塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドがハイブリダイズすると、5’末端部分に三重鎖構造が形成され、前記三重鎖構造を認識したフラップエンドヌクレアーゼにより切断されて、前記蛍光物質と前記消光物質とが遊離し、励起光の照射により蛍光を発するものであり、前記ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含む、一本鎖オリゴヌクレオチドを提供する。
本実施形態の一本鎖オリゴヌクレオチドは、ICA用の蛍光基質であり、フラップエンドヌクレアーゼの基質であるということもできる。フラップエンドヌクレアーゼとしては、フラップエンドヌクレアーゼ1(NCBIアクセッション番号:WP_011012561.1、Holliday junction 5’ flap endonuclease(GEN1)(NCBIアクセッション番号:NP_001123481.3)、excision repair protein(NCBIアクセッション番号:AAC37533.1等が挙げられる。
ここで、自己ハイブリダイゼーションにより5’側がヘアピン構造を形成し、3’側に相補的な塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドがハイブリダイズすると、5’末端部分に形成される三重鎖構造は、図1に示す第2の三重鎖構造160に対応する。すなわち、3’側に相補的な塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドは、フラップ部位140に由来する核酸断片140に対応する。
実施例において後述するように、ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含むことにより、ICAにおけるバックグラウンドの上昇を抑制することができる。
本実施形態の一本鎖オリゴヌクレオチドにおいて、相補的でない塩基対の数は、1~3であってもよく、1又は2であってもよく、1であってもよい。
本明細書において、ICAにおけるバックグラウンドとは、例えば、標的核酸の非存在下でICAを行った場合に検出される蛍光シグナルを意味する。ICAにおけるバックグラウンドの上昇を抑制するとは、ICAの結果検出されるバックグラウンドの蛍光シグナルがより低い値に維持されることを意味する。
本実施形態の一本鎖オリゴヌクレオチドは、20~150塩基程度の長さを有していることが好ましい。また、ヘアピン構造を形成する塩基対の数は5~50個程度であることが好ましい。
(蛍光物質)
蛍光物質としては、特に限定されず、例えば、フルオレセイン、ATTO425、Alexa488、ATTO542、Yakima Y、Redmond R、ATTO643、Alexa647、Alexa680、Alexa568、FAM、ATTO633、Cy5、HiLyte Fluor 647、ATTO663等が挙げられる。
本実施形態の一本鎖オリゴヌクレオチドは、蛍光物質が5’末端のヌクレオチド残基に標識されており、消光物質が、相補的でない塩基対を構成するヌクレオチド残基のうち、より5’側に位置するヌクレオチド残基に標識されていることが好ましい。
実施例において後述するように、このような蛍光基質を用いてICAを行うことにより、バックグラウンドを顕著に抑制することができる。
(消光物質)
消光物質としては、使用する蛍光物質の蛍光を消光することができるものであれば特に限定されず、例えば、Black Hole Quencher(BHQ)(登録商標)-1、BHQ(登録商標)-2、BHQ(登録商標)-3、Tide Quencher 1(TQ1)、Tide Quencher 2(TQ2)、Tide Quencher 2WS(TQ2WS)、Tide Quencher 3(TQ3)、Tide Quencher 3WS(TQ3WS)、Tide Quencher 4(TQ4)、Tide Quencher 4WS(TQ4WS)、Tide Quencher 5(TQ5)、Tide Quencher 5WS(TQ5WS)、Tide Quencher 6WS(TQ6WS)、Tide Quencher 7WS(TQ7WS)、QSY35、QSY7、QSY9、QSY21、Iowa Black FQ、Iowa Black RQ等が挙げられる。消光物質としては、使用する蛍光物質の蛍光を消光することができるものを選択する。
蛍光物質が消光物質の空間的近傍にある場合、蛍光物質からの蛍光は消光物質により消光される。「蛍光を消光する」とは、次のような意味である。消光物質が存在しない場合において、励起光を蛍光物質に対して照射したときの、蛍光物質から発光する蛍光の強度をAとする。また、消光物質が蛍光物質の空間的近傍に存在する場合において、励起光を蛍光物質に対して照射したときの、蛍光物質から発光する蛍光の強度をBとする。ここで、「蛍光を消光する」とは、上記B/Aの値が、40%以下であることを意味する。
蛍光物質が消光物質の空間的近傍にある状態における、蛍光物質と消光物質距離との距離は、蛍光物質からの蛍光発光が消光物質により抑制される限り特に限定されず、10nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがより好ましく、2nm以下であることが更に好ましい。
(オリゴヌクレオチド)
本実施形態の蛍光基質を形成する一本鎖オリゴヌクレオチドは、本発明の効果が奏される限り特に限定されず、天然の核酸であってもよいし、合成された核酸であってもよい。
天然の核酸としては、例えば、ゲノムDNA、mRNA、rRNA、hnRNA、miRNA、tRNA等が挙げられる。天然の核酸は、生体から回収されたものであってもよいし、生体と接触した水、有機物等から回収されたものであってもよい。天然の核酸の回収方法としては、フェノール/クロロホルム法等の公知の手法が挙げられる。
合成された核酸としては、例えば、合成DNA、合成RNA、cDNA、Bridged Nucleic Acid(BNA)、Locked Nucleic Acid(LNA)等が挙げられる。
核酸の合成方法は特に限定されず、ホスホロアミダイト法によるDNA固相合成等の公知の化学的合成法、公知の核酸増幅方法、逆転写反応等が挙げられる。核酸増幅方法としては、例えば、PCR法、LAMP法、SMAP法、NASBA法、RCA法等が挙げられる。
本実施形態の蛍光基質において、5’末端のヌクレオチド残基の近傍に蛍光物質が配置されており、5’末端のヌクレオチド残基の塩基がピリミジン塩基であることが好ましい。プリン塩基には蛍光物質の蛍光を消光する傾向がある。このため、5’末端のヌクレオチド残基の塩基がピリミジン塩基であれば、蛍光物質の蛍光の消光が抑制され、好ましい。
[ICAにおけるバックグラウンドの上昇を抑制する方法]
一実施形態において、本発明は、ICAにおけるバックグラウンドの上昇を抑制する方法であって、ICAの反応液に、ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含む蛍光基質を添加する工程を含む方法を提供する。
ICAの蛍光基質は、蛍光物質及び消光物質で標識された一本鎖オリゴヌクレオチドであって、自己ハイブリダイゼーションにより5’側がヘアピン構造を形成し、3’側に相補的な塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドがハイブリダイズすると、5’末端部分に三重鎖構造が形成され、前記三重鎖構造を認識したフラップエンドヌクレアーゼにより切断されて、前記蛍光物質と前記消光物質とが遊離し、励起光の照射により蛍光を発するものである。
本実施形態の方法において、ICA、蛍光物質、消光物質、オリゴヌクレオチド等については上述したものと同様である。
本実施形態の方法において、蛍光基質は、蛍光物質が5’末端のヌクレオチド残基に標識されており、消光物質が、相補的でない塩基対を構成するヌクレオチド残基のうち、より5’側に位置するヌクレオチド残基に標識されていることが好ましい。
本実施形態の方法において、蛍光基質は、5’末端のヌクレオチド残基の近傍に蛍光物質が配置されており、5’末端のヌクレオチド残基の塩基がピリミジン塩基であることが好ましい。
本実施形態の方法において、蛍光基質は、蛍光物質よりも3’側に消光物質が標識されており、フラップエンドヌクレアーゼにより切断された場合に、蛍光物質を含むオリゴヌクレオチド断片が遊離するものであることが好ましい。
本実施形態の方法において、ICAは微小空間内で行うことが好ましい。具体的には、微小な複数のウェルを有するウェルアレイを有するデバイスを用いてICAを行うことが好ましい。
ウェルは、無処理でそのまま使用してもよいし、目的に応じて、予めウェル内壁に抽出試薬、抗体等の検出試薬等を固定化する、ウェル開口部を脂質二重膜で覆う等の前処理を施してもよい。
デバイスは、流路を有していてもよく、流路を介してICAの反応液をウェルアレイのウェルに供給してもよい。
ウェルの直径は例えば3μm程度であってよく、ウェルの深さは例えば4.5μm程度であってよい。ウェルは、基材上に、三角格子状又は正方格子状を形成するように整列してウェルアレイを形成していてもよい。
基材の材質としては、例えば、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、シリコーン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、アモルファスフッ素樹脂等が挙げられる。
ウェルアレイにおけるウェルの個数は、1デバイスあたり10万個~600万個程度であることが好ましい。また、1ウェルあたりの容量は1fL~6pLであることが好ましい。
[実験例1]
(蛍光基質の検討)
ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含まない蛍光基質と、ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含む蛍光基質を用いてICAを行い、反応性を比較した。
下記表1及び表2に示す核酸断片を用いてICAを行った。表1中の標的核酸(配列番号1)は検出対象となる核酸である。本実験例のICAでは標的核酸中の小文字で示したg(グアニン)の存在を検出する。フラッププローブ(配列番号2)及び侵入プローブ(配列番号3)は、それぞれ、標的核酸(配列番号1)に相補的な塩基配列を有している。
標的核酸(配列番号1)に、フラッププローブ(配列番号2)及び侵入プローブ(配列番号3)がそれぞれハイブリダイズすると、三重鎖構造が形成される。ここで、フラッププローブ(配列番号2)の小文字部分「5’-cgcgccgaggc-3’」(配列番号4)は塩基対形成せず、フラップ部位を形成する。
フラップエンドヌクレアーゼは、上記三重鎖構造を認識して、フラッププローブ(配列番号2)を切断し、核酸断片(配列番号4)が切り出される。
Figure 2024000311000001
Figure 2024000311000002
上記表2に示す蛍光基質1(配列番号5)は、ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含まない蛍光基質であり、具体的には下記式(1)のような構造を有する。蛍光基質1におけるFはフルオレセインを表し、QはBHQ(登録商標)-1を表す。下記式(1)に示すように、蛍光基質1は、ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含まない。
Figure 2024000311000003
上記表2に示す蛍光基質2(配列番号6)は、ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含む蛍光基質であり、具体的には下記式(2)のような構造を有する。蛍光基質2におけるFはフルオレセインを表し、QはBHQ(登録商標)-1を表す。下記式(2)に示すように、蛍光基質2は、ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含む。下記式(2)において、四角で囲んだT(チミン)残基及びG(グアニン)残基は互いに相補的でない。
Figure 2024000311000004
蛍光基質1又は蛍光基質2に、切り出された核酸断片(配列番号4)がハイブリダイズした場合、上記表2において、蛍光基質1又は蛍光基質2の太文字で表すT(チミン)残基は三重鎖構造を形成し、フラップエンドヌクレアーゼの基質となり、切断される。その結果、蛍光物質が消光物質から離れて、励起光の照射により蛍光シグナルが検出される。
まず、下記表3に示す組成で反応溶液を調製し微量試験チューブに入れた。続いて、チューブをリアルタイムPCR装置にセットし、66℃で60分間加熱したときの蛍光強度変化(励起波長490nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。また、比較のために、標的核酸の代わりに滅菌水を添加した反応溶液を調製し、同様の測定を行った。
Figure 2024000311000005
図2(a)は、蛍光基質1を用いた場合の蛍光強度変化を測定した結果を示すグラフである。また、図2(b)は、蛍光基質2を用いた場合の蛍光強度変化を測定した結果を示すグラフである。図2(a)及び(b)中、横軸は反応開始からの経過時間(秒)を示し、縦軸は蛍光強度(相対値)を示す。
その結果、ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含む蛍光基質2を用いた場合、蛍光基質1を用いた場合と比較して、ICA法におけるバックグラウンドの上昇が顕著に抑制されることが明らかとなった。
本発明によれば、ICAにおけるバックグラウンドの上昇を抑制することができる。
100…標的核酸、101…塩基、110…フラッププローブ、120…侵入プローブ、130…第1の三重鎖構造、140,170…フラップ部位(核酸断片)、141…領域、150…核酸断片、151…ミスマッチ部位、160…第2の三重鎖構造、F…蛍光物質、Q…消光物質。

Claims (5)

  1. 蛍光物質及び消光物質で標識された一本鎖オリゴヌクレオチドであって、
    自己ハイブリダイゼーションにより5’側がヘアピン構造を形成し、3’側に相補的な塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドがハイブリダイズすると、5’末端部分に三重鎖構造が形成され、前記三重鎖構造を認識したフラップエンドヌクレアーゼにより切断されて、前記蛍光物質と前記消光物質とが遊離し、励起光の照射により蛍光を発するものであり、
    前記ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含む、一本鎖オリゴヌクレオチド。
  2. 前記蛍光物質が、5’末端のヌクレオチド残基に標識されており、
    前記消光物質が、前記相補的でない塩基対を構成するヌクレオチド残基のうち、より5’側に位置するヌクレオチド残基に標識されている、請求項1に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
  3. 5’末端のヌクレオチド残基の塩基がピリミジン塩基である、請求項1又は2に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
  4. 前記蛍光物質よりも3’側に前記消光物質が標識されており、フラップエンドヌクレアーゼにより切断された場合に、前記蛍光物質を含むオリゴヌクレオチド断片が遊離する、請求項1又は2に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
  5. Invasive Cleavage Assay(ICA)におけるバックグラウンドの上昇を抑制する方法であって、
    ICAの反応液に、蛍光基質を添加する工程を含み、
    前記蛍光基質は、蛍光物質及び消光物質で標識された一本鎖オリゴヌクレオチドであり、
    前記一本鎖オリゴヌクレオチドは、自己ハイブリダイゼーションにより5’側がヘアピン構造を形成し、3’側に相補的な塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドがハイブリダイズすると、5’末端部分に三重鎖構造が形成され、前記三重鎖構造を認識したフラップエンドヌクレアーゼにより切断されて、前記蛍光物質と前記消光物質とが遊離し、励起光の照射により蛍光を発するものであり、前記ヘアピン構造の内部に相補的でない塩基対を含むものである、方法。
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