JP2024065810A - トイレットロール - Google Patents

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美沙 清水
康伸 大岡
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Abstract

【課題】長尺でロール重量が大きいトイレットロールであっても、トイレットペーパーのミシン目が不用意に切れたり、ミシン目以外の箇所で破れたりする等の不調がなく、使用感に優れるトイレットロールを提供する。【解決手段】原紙を2プライに積層したトイレットペーパーを巻き取ったトイレットロールであって、トイレットペーパーの1プライの坪量が10g/m2以上19g/m2以下、流れ方向の伸び率が6.0%以上14.0%以下、DMDTが300gf/25mm以上700gf/25mm以下であり、幅方向にミシン目を施されており、ミシン目のカット幅は0.9mm以上4.0mm以下、ボンド幅は0.5mm以上2.7mm以下、ミシン目強度は550gf/シート幅以上1100gf/シート幅以下であり、ロールの巻長が82m以上95m以下、ロール重量が180g以上350g以下である、トイレットロールを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、2プライのミシン目を有するトイレットペーパーを巻き取ったトイレットロールに関する。
トイレットペーパーは、主に4ロール、8ロール又は12ロール等を単位として包装されたものが市販されている。
これらの包装体は嵩張るため、購入時に持ち運べる量は限られており、一度に購入できる量は自ずと限度がある。また、家庭や職場、公共施設などにおいても保管スペースが限られている。
このようなことから、トイレットペーパーのシート1枚当りの坪量を低減し、巻長を長くした(長尺の)トイレットロールが開発されている。
一般に、トイレットロールは幅方向に沿ったミシン目を複数有しており、ミシン目でシート状にカットして使用するようになっている。しかしながら、長尺のトイレットロールは重いため、使い始めの際はトイレットロールの重さで回転しにくく、ミシン目強度(以下、タブ強度とも称する)が弱いと必要な長さのシートにカットする前に途中のミシン目で切れてしまうという問題がある。
一方で、ミシン目強度を強くすると、使い始めでは所望の長さでシートをカットしやすいが、使い終わりに近づいてロールが軽くなるとシートをカットしにくくなるため、ミシン目の強度を一定の範囲にしたものが開発されている。
坪量が低く、長尺のトイレットロールに関しては、例えば特許文献1には、複数枚のウェブを重ね合せた積層体をロール状に巻き取ってなるロール状トイレットペーパーであって、ウェブ1枚当りの坪量が8~13g/m2であり、ウェブを重ね合せた積層体の坪量が15~30g/m2であり、積層体を巻き取ったロールは、その巻き取り長さが60~100mであり、かつ、直径が100~115mmであることを特徴とするロール状トイレットペーパーが開示されている。
また、特許文献2には2プライの長尺のトイレットペーパーを巻き取ってロール状としたトイレットペーパーロールであって、各プライを構成するシートの坪量が10~14g/m2であり、各シートの長手方向の伸び率の差が2~10%であり、各シートがトイレットペーパーの幅方向縁部に形成されたコンタクトエンボスによって一体化され、直径が100~120mmであり、巻き長さが60~90mである、ことを特徴とするトイレットペーパーロールが開示されている。
また、ミシン目の強度を一定の範囲にしたトイレットペーパーに関しては、特許文献3及び特許文献4には、一方の面が凸部となり、対応する反対面が凹部となる凹凸を複数有するとともに、幅方向に沿ってミシン目を有する2プライのトイレットペーパーをロール状に巻き取ったトイレットロールであって、巻長が63~105m、巻直径が100~140mm、ロール幅114mm当たりのコアを含むロール質量が200~400g、ロール幅114mm当たりのミシン目のJIS P8113に基づく2プライの乾燥時の縦方向の引張強さDMDTが3.6~14.8N/114mmであるトイレットロールが開示されている。
特開2006-087703号公報 特開2013-208297号公報 特開2020-072991号公報 特開2017-205179号公報
ところで、ミシン目の切りやすさを考える際に、ミシン目の強度の値を使用することがあり、使用感との相関がみられる。しかし、長尺のトイレットロールの場合、ミシン目の強度を調節しても、実際使用する際の切りやすさは、使用感と異なることがあった。
この理由は、トイレットロールを使用するときに、シートを斜めから引っ張ってミシン目で切ることがあるためである。また、巻直径を一定の範囲にしたまま長尺にするには、紙厚を低くすることが必要であり、クレープ率を低くする調整をした際にシートの伸びが変わるためである。
さらに、巻長をより長くするために坪量を低くすると、これに伴い、強度も変わることがあり、ミシン目強度と使用感がより一致しないことがあった。そのため、従来のタブ強度試験の値のみでは、使用時のミシン目の切れやすさは必ずしも一致するとは限らず、適切なミシン目強度に調整することが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、長尺でロール重量が大きいトイレットロールであっても、トイレットペーパーのミシン目が不用意に切れたり、ミシン目以外の箇所で破れたりする等の不調がなく、使用感に優れるトイレットロールを提供することを目的とする。
発明者は鋭意検討を行い、原紙を2プライに積層したトイレットペーパーを、ロール状に巻き取ったトイレットロールにおいて、トイレットペーパーの1プライの坪量、流れ方向の伸び率、乾燥時のMD方向の引張強度をそれぞれ所定の数値範囲とし、更にトイレットペーパーの幅方向にミシン目を施した上で、ミシン目のカット幅、ボンド幅及びミシン目強度を規定し、かつ、ロールの巻長及びロール重量をそれぞれ所定の数値範囲内とすることで、トイレットペーパーのミシン目が不用意に切れたり、ミシン目以外の箇所で破れたりする等の不調がなく、使用感に優れるトイレットロールとすることができ、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、原紙を2プライに積層したトイレットペーパーを、ロール状に巻き取ったトイレットロールであって、前記トイレットペーパーの1プライの坪量が10g/m以上19g/m以下、流れ方向の伸び率が6.0%以上14.0%以下、JIS P 8113に基づく乾燥時のMD方向の引張強度(DMDT)が300gf/25mm以上700gf/25mm以下であり、前記トイレットペーパーは、流れ方向における略等間隔において、幅方向にミシン目を施されており、前記ミシン目のカット幅は0.9mm以上4.0mm以下、ボンド幅は0.5mm以上2.7mm以下、ミシン目強度は550gf/シート幅以上1100gf/シート幅以下であり、ロールの巻長が82m以上95m以下、ロール重量が180g以上350g以下であることを特徴とする、トイレットロールである。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載のトイレットロールであって、前記ミシン目におけるボンド率が24%以上57%以下であることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)に記載のトイレットロールであって、(前記ミシン目強度×前記流れ方向の伸び率)で求められる値が47.5以上96.0以下であることを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の態様は、(1)に記載のトイレットロールであって、前記トイレットペーパーの紙厚が0.5mm/10プライ以上1.50mm/10プライ以下であることを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の態様は、(1)に記載のトイレットロールであって、ロールの巻直径が100mm以上140mm以下であることを特徴とするものである。
(6)本発明の第6の態様は、(1)に記載のトイレットロールであって、前記トイレットペーパーにおける、JIS P 8113に基づく乾燥時のCD方向の引張強度(DCDT)が70gf/25mm以上400gf/25mm以下であることを特徴とするものである。
(7)本発明の第7の態様は、(1)に記載のトイレットロールであって、ロールのロール密度が0.16g/cm以上0.35g/cm以下であることを特徴とするものである。
(8)本発明の第8の態様は、(1)に記載のトイレットロールであって、前記トイレットペーパーは原紙がエンボス加工を施され、前記エンボス加工はシングルエンボスであることを特徴とするものである。
(9)本発明の第9の態様は、(1)に記載のトイレットロールであって、前記トイレットペーパーが脱墨パルプを含まないことを特徴とするものである。
本発明によれば、長尺でロール重量が大きいトイレットロールであっても、トイレットペーパーのミシン目が不用意に切れたり、ミシン目以外の箇所で破れたりする等の不調がなく、使用感に優れるトイレットロールを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るトイレットロールの外観を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
また、明細書中におけるMD方向とは、本発明のトイレットペーパーの製造時における製造方向(Machine Direction)であり、CD方向はMD方向に直交する方向(Cross Direction)である。そして、明細書中における流れ方向とは、トイレットペーパーの巻取り方向であり、トイレットペーパーの幅方向に垂直な方向である。MD方向及びCD方向との関係としては、MD方向が流れ方向と平行な方向であり、CD方向が幅方向と平行な方向であることが好ましい。
<トイレットロール>
図1は、本発明の一実施形態に係るトイレットロール1の外観を示す斜視図である。本発明の一実施形態に係るトイレットロール1は、原紙を2プライに積層したトイレットペーパー1xを、ロール状に巻き取ったトイレットロール1である。なお、原紙は積層時にナーリングや(プライボンド)グルーによる接着処理を施してもよい。
なお、図1に示すように、トイレットペーパー1x(以下、単にシートとも称する)の表面のうち、ロール外側に指向した表面をロール外周面1a(トイレットペーパー1xの表面)と称する。また、ロール中心部に指向した表面をロール内周面1b(トイレットペーパー1xの裏面)、巻き取られたトイレットペーパー1xの最外端部をトイレットペーパー1xの最外巻の端縁1eと称する。
(巻長及び巻直径)
トイレットロール1の巻長は82m以上95m以下である。巻長が82m未満であると、ロール重量が軽くなり、ミシン目1c以外の箇所で破れることがある。特に、巻長をより長くするために坪量を低くすると、後述するミシン目強度と使用感が一致しなくなり、適切なミシン目強度に調整することが困難になる。巻長が95mを超えると、ロール重量が重くなり、ミシン目1cが不用意に切れることがある。なお、巻長は82m以上92m以下であることが好ましく、82m以上88m以下であることがより好ましい。
また、トイレットロール1の巻直径DRは100mm以上140mm以下であることが好ましい。巻直径DRが100mm未満であると、巻長をそのままとすると、代わりに後述するロール密度が高くなるため、ミシン目1cが不用意に切れることがある。巻直径DRが140mmを超えると、巻長をそのままとすると、代わりにロール密度が低くなり、ミシン目1c以外の箇所で破れることがある。なお、トイレットロール1の巻直径DRは108mm以上132mm以下であることがより好ましく、112mm以上125mm以下であることが更に好ましい。
巻長は、トイレットペーパー1xの2箇所のミシン目1cの間を1枚と換算して、10枚分の長さを実測する。その後、トイレットロール1におけるトイレットペーパー1xの枚数を実測し、巻長は10枚分の長さとトイレットペーパー1xの枚数から比例計算で求める。例えば、10枚分の長さが1.80m、トイレットペーパー1xの枚数が150枚の場合、1.80m×(150/10)=27mとなる。
また、ロールの巻直径DRは、ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールールを用いて測定する。測定は、10個のトイレットロール1を測定し、測定結果を平均する。
(ミシン目)
トイレットペーパー1xは、流れ方向における略等間隔において、幅方向にミシン目1cを施されている。このとき、ミシン目1cのカット幅は0.9mm以上4.0mm以下、ボンド幅は0.5mm以上2.7mm以下である。カット幅が0.9mm未満であるか、ボンド幅が0.5mm未満であると、いずれもミシン目1cが不用意に切れたり、トイレットペーパー1xがミシン目1c以外の箇所で破れたりする。カット幅が4.0mmを超えるか、ボンド幅が2.7mmを超えると、いずれもミシン目1cが不用意に切れたり、トイレットペーパー1xがミシン目1c以外の箇所で破れたりする。
なお、ミシン目1cのカット幅は1.2mm以上2.6mm以下であることが好ましく、1.6mm以上2.1mm以下であることがより好ましい。ボンド幅は0.8mm以上2.1mm以下であることが好ましく、1.0mm以上1.6mm以下であることがより好ましい。ミシン目1cにおけるカット幅及びボンド幅は、いずれもトイレットペーパー1xのミシン目1cを定規又は顕微鏡で測定し、1つのミシン目1cにおける平均をそれぞれ算出することで求める。
また、ミシン目1cのボンド率は24%以上57%以下であることが好ましい。ボンド率が24%未満であると、ミシン目1cが不用意に切れることがある。ボンド率が57%を超えると、トイレットペーパー1xがミシン目1c以外の箇所で破れることがある。なお、ボンド率は31%以上51%以下であることがより好ましく、38%以上43%以下であることが更に好ましい。
ミシン目1cのボンド率は、1つのミシン目1cにおける(ボンド幅の合計/ミシン目1cが施された箇所のシート幅)から算出する。
さらに、ミシン目1cのミシン目強度は550gf/シート幅以上1100gf/シート幅以下である。ミシン目強度が550gf/シート幅未満であると、強度が弱く、ミシン目1cが不用意に切れることがある。ミシン目強度が1100gf/シート幅を超えると、強度が強すぎて、トイレットペーパー1xがミシン目1c以外の箇所で破れることがある。なお、ミシン目強度は650gf/シート幅以上1000gf/シート幅以下であることが好ましく、750gf/シート幅以上900gf/シート幅以下であることがより好ましい。
ミシン目強度は、後述する乾燥時の各々の方向の引張強度と同じく、いずれもJIS P 8113に準拠して測定する。試験片については、製品幅のサンプル(トイレットペーパー1x)を、MD方向に沿って半分に折ったもの試験片幅とする。引張速度は300/minの条件で、製品プライ(2プライ)のまま測定する。
(シート長及びシート幅)
2箇所のミシン目1cの間の長さ(トイレットペーパー1xの1枚分のシート長)は、100mm以上300mm以下が好ましく、130mm以上270mm以下がより好ましく、160mm以上240mm以下が更に好ましい。シート長が100mm未満であると、ミシン目1cが不用意に切れることがある。シート長が300mmを超えると、トイレットペーパー1xがミシン目1c以外の箇所で破れることがある。
また、トイレットペーパー1xのシート幅は、100mm以上120mm以下が好ましく、105mm以上117mm以下がより好ましく、110mm以上114mm以下が更に好ましい。シート幅が100mm未満であると、トイレットロール1が軽くなり、ミシン目1cを切るときの抵抗が小さくなりすぎて、トイレットペーパー1xがミシン目1cで切りにくくなる。シート幅が120mmを超えると、トイレットロール1がホルダーに収まらず、引き出すときに抵抗が大きくなり、ミシン目1cが不用意に切れることがある。
(ロール重量)
そして、トイレットロール1のロール重量は180g以上350g以下である。ロール重量が上記の数値範囲内であることにより、トイレットペーパーのミシン目1cが不用意に切れたり、ミシン目1c以外の箇所で破れたりする等の不調がなく、使用感に優れる長尺のトイレットロール1とすることができる。なお、ロール重量は200g以上320g以下であることが好ましく、250g以上300g以下であることがより好ましい。
上記数値範囲のロール重量は、トイレットロール1におけるコア(紙管)を含まないロール幅114mm当たりの1ロールの重量とする。ロール幅が114mmでない場合は、比例計算により114mm当たりの重量に換算する。
(コア外径)
本発明のトイレットロール1の芯の外径である、コア外径DIは特に限定されないが、30mm以上48mm以下であることが好ましく、33mm以上45mm以下であることがより好ましく、36mm以上42mm以下であることが更に好ましい。コア外径DIが上記の数値範囲内であることにより、トイレットペーパーのミシン目1cが不用意に切れたり、ミシン目1c以外の箇所で破れたりする等の不調がなく、使用感に優れるトイレットロール1とすることができる。
コア外径DIは、ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールールを用いて測定する。測定は、10個のトイレットロール1のコアを測定し、測定結果を平均する。
(ロール密度)
トイレットロール1のロール密度は0.16g/cm以上0.35g/cm以下であることが好ましい。ロール密度が0.16g/cm未満であると、巻が柔らかすぎて、トイレットペーパー1xがミシン目1c以外の箇所で破れることがある。ロール密度が0.35g/cmを超えると、巻固くなり、ミシン目1cが不用意に切れることがある。
なお、トイレットロール1のロール密度は0.18g/cm以上0.32g/cm以下であることがより好ましく、0.21g/cm以上0.29g/cm以下であることが更に好ましい。
ロール密度は、(ロール重量)÷(ロールの体積)で表される。ロール重量は、ロール幅114mm当たりのトイレットロール1の重量である。ロール体積は[{ロールの外径(巻直径DR)部分の断面積}-(コア外径DI部分の断面積)]×ロール幅(114mm当たりに換算する)で表される。例えば、ロール幅114mm当たりのロール重量(コアを除く)が285g、巻直径DRが119mm、コア外径DIが39mmの場合、ロール密度=0.25g/cmとなる。なお、トイレットロール1にコアが無い場合は、中心孔の直径をコア外径DIとする。
<トイレットペーパー>
本発明の一実施形態に係るトイレットペーパー1xに用いる原紙は、木材パルプ100質量%からなるものであってもよく、古紙パルプ、非木材パルプ、液体飲料用紙パック古紙等を含んでよい。しかし、品質の観点から木材パルプ以外のパルプや古紙等の含有率は50質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、最も好ましくは0質量%である。目標とする品質を得るためには、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)の含有率が5質量%以上55質量%以下であることが好ましく、15質量%以上45質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上35質量%以下であることが更に好ましい。また、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)の含有率が45質量%以上95質量%以下であることが好ましく、55質量%以上85質量%以下であることがより好ましく、65質量%以上80質量%以下であることが更に好ましい。なお、脱墨パルプは、含むことでトイレットペーパー1xのミシン目強度に影響を与えるおそれがあるため、含まないことが好ましい。
また、上述した紙料への添加剤としては、最終製品の要求品質に応じ、柔軟剤、嵩高剤、染料、分散剤、乾燥紙力増強剤、濾水向上剤、ピッチコントロール剤、吸水性向上剤等を用いることができる。なお、湿潤紙力増強剤は使用しないことが好ましいが、一時性湿潤紙力増強剤は使用してもよい。
(坪量)
本発明の一実施形態に係るトイレットペーパー1xの1プライの坪量は、10g/m以上19g/m以下である。トイレットペーパー1xの坪量が10g/m未満であると、トイレットペーパー1xの嵩が低すぎて、ミシン目1cが不用意に切れることがある。トイレットペーパー1xの坪量が19g/mを超えると、トイレットペーパー1xの嵩が高すぎて、トイレットペーパー1xがミシン目1c以外の箇所で破れることがある。
なお、トイレットペーパー1xの1プライの坪量は、12g/m以上17g/m以下であることが好ましく、13g/m以上15g/m以下であることがより好ましい。トイレットペーパー1xの1プライの坪量は、JIS P 8124に基づいて測定する。
(紙厚)
本発明の一実施形態に係るトイレットペーパー1xの紙厚は0.5mm/10プライ以上1.50mm/10プライ以下であることが好ましい。紙厚が0.5mm/10プライ未満であると、トイレットペーパー1xが薄すぎて、ミシン目1cが不用意に切れることがある。紙厚が1.50mm/10プライを超えると、トイレットペーパー1xが厚すぎて、トイレットペーパー1xがミシン目1c以外の箇所で破れることがある。また、クレープ率が低いと紙厚が低くなり、シートが伸びにくく、ミシン目1cが不用意に切れてしまう場合がある。一方、クレープ率が高いと紙厚が高くなり、ミシン目以外の箇所で破れる場合がある。なお、トイレットペーパー1xの紙厚は0.65mm/10プライ以上1.10mm/10プライ以下であることがより好ましく、0.70mm/10プライ以上0.95mm/10プライ以下であることが更に好ましい。
紙厚はシックネスゲージ(株式会社尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定する。測定条件は、測定荷重3.7kPa、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取る。そして、2プライのトイレットペーパー1xを5組重ねて、10枚分として測定を行ったものを10プライ分の紙厚として算出する。また、測定を10回繰り返して測定結果を平均したものを最終的な紙厚とする。
(流れ方向の伸び率)
また、本発明の一実施形態に係るトイレットペーパー1xの流れ方向の伸び率は6.0%以上14.0%以下である。伸び率が6.0%未満であると、トイレットペーパー1xの伸びが悪く、ミシン目1cが不用意に切れることがある。伸び率が14.0%を超えると、トイレットペーパー1xの伸びが良すぎて、トイレットペーパー1xがミシン目1c以外の箇所で破れることがある。
なお、流れ方向の伸び率は、7.0%以上13.0%以下であることが好ましく、8.0%以上12.0%以下であることがより好ましい。流れ方向の伸び率は、後述する乾燥時の各々の方向の引張強度と同じく、いずれもJIS P 8113に準拠して破断伸びを測定する。試験片幅は25mmで、ミシン目を含まないように測定する。引張速度は300/minの条件で、製品プライ(2プライ)のまま測定する。
なお、上述したクレープ率とは、クレーピング(クレープと言われる波状の皺をつけること)ともいい、紙を縦方向(抄紙機上のシート走行方向)に機械的に圧縮することである。そして、トイレットペーパー1xのウェブ(原紙)の製造の際、クレーピングドクターによりヤンキードライヤー上のウェブが剥がされ、リールパートで巻取られるが、ヤンキードライヤーとリールパートの速度差(リールパートの速度≦ヤンキードライヤーの速度)によりクレーピングドクターにてクレープ(皺)が形成される。
クレープ率の増減により、トイレットペーパー1xの流れ方向の伸び率を調整できる。流れ方向の伸び率が6.0%以上14.0%以下、好ましくは7.0%以上13.0%以下、より好ましくは8.0%以上12.0%以下になるよう、クレープ率を調整することが好ましい。
さらに、本発明の一実施形態に係るトイレットロール1及びトイレットペーパー1xにおいて、(ミシン目強度×流れ方向の伸び率)で求められる値が47.5以上96.0以下であることが好ましい。値が47.5未満であると、ミシン目1cが不用意に切れることがある。値が96.0を超えると、トイレットペーパー1xがミシン目1c以外の箇所で破れることがある。
なお、(ミシン目強度×流れ方向の伸び率)で求められる値は56.0以上88.0以下であることがより好ましく、60.0以上80.0以下であることが更に好ましい。
(DMDT及びDCDT)
トイレットペーパー1xの、JIS P 8113に基づく乾燥時におけるMD方向の引張強度DMDT(Dry Machine Direction Tensile Strength)は300gf/25mm以上700gf/25mm以下である。DMDTが300gf/25mm未満であると、強度が低すぎて、ミシン目1cが不用意に切れることがある。DMDTが700gf/25mmを超えると、強度が高すぎて、トイレットペーパー1xがミシン目1c以外の箇所で破れることがある。
なお、DMDTは370gf/25mm以上620gf/25mm以下であることが好ましく、440gf/25mm以上540gf/25mm以下であることがより好ましい。
また、トイレットペーパー1xの、乾燥時におけるCD方向の引張強度DCDT(Dry Cross Direction Tensile Strength)は70gf/25mm以上400gf/25mm以下であることが好ましい。DMDTが上記の数値範囲内であることにより、トイレットペーパーのミシン目1cが不用意に切れたり、ミシン目1c以外の箇所で破れたりする等の不調がなく、使用感に優れるトイレットロール1とすることができる。
なお、DCDTは90gf/25mm以上350gf/25mm以下であることがより好ましく、100gf/25mm以上220gf/25mm以下であることが更に好ましい。
乾燥時の各々の方向の引張強度は、いずれもJIS P 8113に準拠して測定される。試験片幅は25mm、引張速度は300mm/minの条件で、製品プライ数(2プライ)のまま測定する。
(エンボス)
本発明の一実施形態に係るトイレットペーパー1xの積層前の原紙には、エンボス加工が施されることが好ましい。エンボスについては、ロール外周面(1a)マイクロエンボス+ロール内周面(1b)マイクロエンボスのダブルエンボス、ロール外周面(1a)デコ(図柄=デコレーション)エンボス+ロール内周面(1b)エンボスなし、ロール外周面(1a)デコエンボス+ロール内周面(1b)マイクロエンボスのダブルエンボスといった組み合わせや、デコエンボスのシングルエンボス、あるいはエンボスなしの中から適宜選択できるが、中でもデコエンボスのシングルエンボスが好ましい。
なお、シングルエンボスとは、2枚の原紙を重ね合わせ、ロール外周面(1a)側からロール内周面(1b)と同時にエンボス加工を行うことによって、ロール外周面(1a)が凹部となり、ロール内周面(1b)が凸部となって、ぴったりと重なりあったエンボスを意味する。
また、トイレットペーパー1xのエンボスの深さは、特に限定されないが、3μm以上150μm以下であることが好ましく、5μm以上100μm以下であることがより好ましく、7μm以上50μm以下であることが更に好ましい。
エンボスの深さは、マイクロスコープを用いてエンボスの高低差を測定して求める。マイクロスコープとしては、株式会社KEYENCE社製の製品名「ワンショット3D測定マイクロスコープ VR-3100」を使用することができる。マイクロスコープの画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、製品名「VR-H1A」を使用することができる。また、測定条件は、倍率12倍、視野面積24mm×18mmの条件で測定する。なお、測定倍率と視野面積は、エンボスの大きさによって、適宜変更してもよい。エンボス深さは、特開2018-047133号公報に記されているエンボスパターンの深さの測定方法と同様に行う。
<トイレットロールの製造方法>
トイレットペーパー1x及びトイレットロール1の製造工程に関しては、例えば以下のように、(1)抄紙及びクレーピング、(2)エンボス加工、(3)ナーリング又はプライボンドグルーによるプライ接着、(4)ロール巻取り加工、の順で製造することができる。
以上説明したとおり、本実施形態によれば、長尺でロール重量が大きいトイレットロールであっても、トイレットペーパーのミシン目が不用意に切れたり、ミシン目以外の箇所で破れたりする等の不調がなく、使用感に優れるトイレットロールを提供することができる。
以下の実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
表1~3に示す各条件において、実施例1~23及び比較例1~10の、2プライのトイレットペーパー及びトイレットロールを作製し、以下の評価を行った。
各評価はJIS P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行った。また、下記の評価以外の各パラメーターは、上述した基準又は測定方法に従って行った。
(不用意にミシン目が切れないか)
モニター30人が実際にトイレットペーパーホルダー(紙巻器)に取り付けたトイレットロールからトイレットペーパー(シート)を引き出して、10シート目のミシン目で切ったとき、不用意にミシン目が切れないかを評価した。不用意にミシン目が切れることなく、所望のミシン目で切りやすいと評価したモニターの人数によって、4段階で評価した。
◎:所望のミシン目で切りやすいと評価したモニターが、28名以上
〇:所望のミシン目で切りやすいと評価したモニターが、25以上27名以下
△:所望のミシン目で切りやすいと評価したモニターが、21以上24名以下
×:所望のミシン目で切りやすいと評価したモニターが、20名以下
(シートがミシン目ではない箇所で破れないか)
モニター30人が実際にトイレットペーパーホルダー(紙巻器)に取り付けたトイレットロールからトイレットペーパー(シート)を引き出して、10シート目のミシン目で切ったとき、シートがミシン目ではない箇所で破れないかを評価した。ミシン目以外の箇所で破れることなく、ミシン目で確実に切ることができると評価したモニターの人数によって、4段階で評価した。
◎:ミシン目で確実に切ることができると評価したモニターが、28名以上
〇:ミシン目で確実に切ることができると評価したモニターが、25以上27名以下
△:ミシン目で確実に切ることができると評価したモニターが、21以上24名以下
×:ミシン目で確実に切ることができると評価したモニターが、20名以下
表1~3に、各実施例及び各比較例の条件及び評価結果を示す。
以上より、本実施例によれば長尺でロール重量が大きいトイレットロールであっても、トイレットペーパーのミシン目が不用意に切れたり、ミシン目以外の箇所で破れたりする等の不調がなく、使用感に優れるトイレットロールが得られることが少なくとも確認された。
1 トイレットロール
1a ロール外周面
1b ロール内周面
1c ミシン目
1e トイレットペーパーの最外巻の端縁
1x トイレットペーパー

Claims (9)

  1. 原紙を2プライに積層したトイレットペーパーを、ロール状に巻き取ったトイレットロールであって、
    前記トイレットペーパーの1プライの坪量が10g/m以上19g/m以下、流れ方向の伸び率が6.0%以上14.0%以下、JIS P 8113に基づく乾燥時のMD方向の引張強度(DMDT)が300gf/25mm以上700gf/25mm以下であり、
    前記トイレットペーパーは、流れ方向における略等間隔において、幅方向にミシン目を施されており、
    前記ミシン目のカット幅は0.9mm以上4.0mm以下、ボンド幅は0.5mm以上2.7mm以下、ミシン目強度は550gf/シート幅以上1100gf/シート幅以下であり、
    ロールの巻長が82m以上95m以下、ロール重量が180g以上350g以下であることを特徴とする、トイレットロール。
  2. 前記ミシン目におけるボンド率が24%以上57%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトイレットロール。
  3. (前記ミシン目強度×前記流れ方向の伸び率)で求められる値が47.5以上96.0以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトイレットロール。
  4. 前記トイレットペーパーの紙厚が0.5mm/10プライ以上1.50mm/10プライ以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトイレットロール。
  5. ロールの巻直径が100mm以上140mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトイレットロール。
  6. 前記トイレットペーパーにおける、JIS P 8113に基づく乾燥時のCD方向の引張強度(DCDT)が70gf/25mm以上400gf/25mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトイレットロール。
  7. ロールのロール密度が0.16g/cm以上0.35g/cm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトイレットロール。
  8. 前記トイレットペーパーは原紙にエンボス加工が施され、
    前記エンボス加工はシングルエンボスであることを特徴とする、請求項1に記載のトイレットロール。
  9. 前記トイレットペーパーが脱墨パルプを含まないことを特徴とする、請求項1に記載のトイレットロール。
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