JP2024065284A - はく離ライナー - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコーン剥離層の厚さを抑制しつつ軽剥離性を確保するのに適したはく離ライナーを提供する。【解決手段】はく離ライナーXは、基材フィルム10と、シリコーン剥離層としての剥離層20とを備える。基材フィルム10は、第1面11と、当該第1面11とは反対側の第2面12とを有する。剥離層20は、基材フィルム10の第1面11上に配置されている。剥離層20は、100nm以下の厚さを有する。剥離層20の厚さに対する基材フィルム10の第1面11の最大高さ粗さRzの比率は、1以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、はく離ライナーに関する。
粘着シートの表面を被覆する保護材として、はく離ライナーが知られている。粘着シートは、例えば、当該粘着シートの片面または両面がはく離ライナーで被覆されたはく離ライナー付き粘着シートの形態で製造される。はく離ライナー付き粘着シートにおけるはく離ライナーは、粘着シートの使用時に当該粘着シートから剥離される。
はく離ライナーとしては、基材フィルムと、当該フィルム上のシリコーン剥離層とを備えるはく離ライナーが知られている。このようなはく離ライナーは、シリコーン剥離層側で粘着シートに貼り合わされる。そして、シリコーン剥離層により、粘着シートからのはく離ライナーの軽剥離性が確保される。このような、シリコーン剥離層付きのはく離ライナーに関する技術については、例えば下記の特許文献1に記載されている。
特開2013-244667号公報
はく離ライナーには、粘着シートの用途によっては、高度の軽剥離性が求められる。例えば、ディスプレイパネル用途の光学粘着シートのはく離ライナーには、高度の軽剥離性が求められる。そして、シリコーン剥離層付きはく離ライナーにおいては、シリコーン剥離層を厚くするほど、粘着シートからはく離ライナーを剥離するのに要する力(剥離力)を低減できる。
しかしながら、シリコーン剥離層付きはく離ライナーでは、シリコーン剥離層が厚いほど、粘着シートからのはく離ライナーの剥離時に、シリコーン剥離層から同層の形成材料(剥離層材料)が粘着シートに転写されやすい。粘着シートへの剥離層材料の転写は、粘着シートの粘着力低下の原因となり、好ましくない。粘着シートに転写された剥離層材料は、粘着シートにとっての異物であり、好ましくない。
また、このようなシリコーン剥離層付きはく離ライナーについて、本発明らは、次のような知見を得た。図4に示すように、はく離ライナー40において基材フィルム41上に形成されたシリコーン剥離層42の厚さは、微視的には、基材フィルム41の表面41aの表面粗さに応じてバラつきを有する。そのため、粘着シート50からの剥離力は、微視的には、シリコーン剥離層42の厚さのバラつきに応じてバラつきを有する。また、粘着シート50からはく離ライナー40を剥離するのに要する力においては、シリコーン剥離層42の薄肉部42a(周りよりも薄いために剥離力が大きい部分)での剥離力が支配的である。
本発明は、シリコーン剥離層の厚さを抑制しつつ軽剥離性を確保するのに適したはく離ライナーを提供する。
本発明[1]は、第1面と当該第1面とは反対側の第2面とを有する基材フィルムと、前記基材フィルムの前記第1面上に配置されたシリコーン剥離層とを備え、前記シリコーン剥離層が100nm以下の厚さを有し、前記シリコーン剥離層の厚さに対する前記第1面の最大高さ粗さRzの比率が1以下である、はく離ライナーを含む。
本発明[2]は、前記シリコーン剥離層の厚さに対する前記第1面の算術平均粗さRaの比率が0.1以下である、上記[1]に記載のはく離ライナーを含む。
本発明[3]は、第1面と当該第1面とは反対側の第2面とを有する基材フィルムと、前記基材フィルムの前記第1面上に配置されたシリコーン剥離層とを備え、前記シリコーン剥離層が100nm以下の厚さを有し、前記シリコーン剥離層の厚さに対する前記第1面の算術平均粗さRaの比率が0.1以下である、はく離ライナーを含む。
本発明[4]は、前記基材フィルムがフィラーレスフィルムである、上記[1]から[3]のいずれか一つに記載のはく離ライナーを含む。
本発明[5]は、前記基材フィルムがシクロオレフィンポリマーフィルムである、上記[1]から[4]のいずれか一つに記載のはく離ライナーを含む。
本発明のはく離ライナーは、上記のように、シリコーン剥離層の厚さが100nm以下と薄い。このようなはく離ライナーは、シリコーン剥離層側で粘着シートに貼り合わされた後、当該粘着シートからの剥離時に、粘着シートへのシリコーン剥離層材料の転写を抑制するのに適する。また、本発明のはく離ライナーは、上記のように、シリコーン剥離層の厚さに対する基材フィルムの第1面の最大高さ粗さRzの比率が1以下であるか、または、シリコーン剥離層の厚さに対する基材フィルムの第1面の算術平均粗さRaの比率が0.1以下である。基材フィルムの第1面(シリコーン剥離層が形成されている面)の平滑性がこの程度に高いことは、厚さ100nm以下と薄いシリコーン剥離層においても、同層の厚さのバラつきを抑制するのに適する。そのため、本発明のはく離ライナーは、シリコーン剥離層の厚さを抑制しつつ軽剥離性を確保するのに適する(平均厚さが同じシリコーン剥離層どうしの比較においては、同層の厚さのバラつきが小さいほど、剥離力に関して支配的な上述の薄肉部の厚さは大きく、従って、粘着シートからのはく離ライナーの総体的な剥離力は小さい)。
本発明のはく離ライナーの一実施形態の断面模式図である。 本発明のはく離ライナーを備えるはく離ライナー付き粘着シートの一例(片面はく離ライナー付き粘着シート)の断面模式図である。 本発明のはく離ライナーを備えるはく離ライナー付き粘着シートの他の例(両面はく離ライナー付き粘着シート)の断面模式図である。 粘着シートを被覆する従来のはく離ライナーの部分拡大断面模式図である。
本発明のはく離ライナーの一実施形態(第1の実施形態,第2の実施形態)としてのはく離ライナーXは、図1に示すように、基材フィルム10と、剥離層20とを、厚さ方向Hに順に備える。はく離ライナーXは、厚さ方向Hと直交する方向(面方向)に広がる。基材フィルム10は、可撓性を有する樹脂フィルムである。基材フィルム10は、第1面11と、当該第1面とは反対側の第2面12とを有する。剥離層20は、シリコーン剥離層である。剥離層20は、基材フィルム10の第1面11上に配置されている。剥離層20は、第1面11と接する。このようなはく離ライナーXは、粘着シートの保護材である。図2は、粘着シート30の片面をはく離ライナーXが被覆する場合を示す。図2に示すはく離ライナーX付きの粘着シート30において、はく離ライナーXは、粘着シート30の厚さ方向Hの一方面上に配置されている。図3は、粘着シート30の両面のそれぞれをはく離ライナーXが被覆する場合を示す。図3に示すはく離ライナーX付きの粘着シート30において、一方のはく離ライナーXは、粘着シート30の厚さ方向Hの一方面上に配置されている。他方のはく離ライナーXは、粘着シート30の厚さ方向Hの他方面上に配置されている。
第1の実施形態としてのはく離ライナーXにおいて、剥離層20は100nm以下の厚さHを有し、この厚さHに対する基材フィルム10の第1面11の最大高さ粗さRzの比率(Rz/H)は、1以下である。剥離層20の厚さHの測定方法は、具体的には、実施例に関して後述するとおりである。最大高さ粗さRzとは、粗さ評価の対象としての輪郭線において最も高い山の頂部と最も深い谷の底部との間の、高さ方向における距離である(JIS B0601:2001)。このような最大高さ粗さRzは、例えば、はく離ライナーの厚さ方向の断面に表れる基材フィルムの剥離層側表面において測定できる(後記の算術平均粗さRaについても同様である)。はく離ライナーの厚さ方向の断面に表れる基材フィルムの剥離層側表面は、電子顕微鏡によって観察して撮像できる。また、最大高さ粗さRzは、例えば、剥離層を形成する前の基材フィルムの表面においても測定できる(後記の算術平均粗さRaについても同様である)。第1面11の最大高さ粗さRzの測定方法は、具体的には、実施例に関して後述するとおりである。
剥離層20の厚さが100nm以下と薄いことは、はく離ライナーXが剥離層20側で粘着シート30に貼り合わされた後、粘着シート30からはく離ライナーXを剥離する時、剥離層20から粘着シート30への剥離層材料の転写を抑制するのに適する。また、上記の比率(Rz/H)が1以下であるほどに基材フィルム10の第1面11(剥離層20が形成されている面)の平滑性が高いことは、厚さ100nm以下の薄さを有する剥離層20においても、同層の厚さのバラつきを抑制するのに適する。そのため、第1の実施形態としてのはく離ライナーXは、剥離層20の厚さを抑制しつつ軽剥離性を確保するのに適する(平均厚さが同じシリコーン剥離層どうしの比較においては、同層の厚さのバラつきが小さいほど、シリコーン剥離層の剥離力に関して支配的な上述の薄肉部の厚さは大きく、従って、粘着シートからのはく離ライナーの総体的な剥離力は小さい)。具体的には、後記の実施例および比較例をもって示すとおりである。
剥離層20の厚さHは、剥離層材料の転写の抑制の観点から、好ましくは80nm以下、より好ましくは70nm以下、更に好ましくは60nm以下である。剥離層20の厚さHは、はく離ライナーXの軽剥離性の観点から、好ましくは20nm以上、より好ましくは30nm以上、更に好ましくは40nm以上である。
比率(Rz/H)は、剥離層20の厚さバラつきの抑制の観点から、好ましくは0.92以下、より好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.6以下である。比率(Rz/H)は、基材フィルム10に対する剥離層20の密着性を確保する観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上である。
第1面11の最大高さ粗さRzは、剥離層20の厚さバラつきの抑制の観点から、好ましくは100nm以下、更に好ましくは70nm以下、一層好ましくは50nm以下、特に好ましくは30nm以下である。第1面11の最大高さ粗さRzは、基材フィルム10に対する剥離層20の密着性を確保する観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上、更に好ましくは25nm以上である。第1面11の最大高さ粗さRzの調整方法としては、例えば、基材フィルムを形成する樹脂材料の種類および組成の調整、基材フィルムにおけるフィラーの有無およびフィラー含有量の調整が挙げられる。
剥離層20の厚さHに対する基材フィルム10の第1面11の算術平均粗さRaの比率(Ra/H)は、剥離層20の厚さバラつきの抑制の観点から、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.08以下、更に好ましくは0.06以下、特に好ましくは0.04以下である。比率(Ra/H)は、基材フィルム10に対する剥離層20の密着性を確保する観点から、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.02以上である。算術平均粗さRaとは、粗さ評価の対象としての輪郭線における高さ方向の平均位置からの高さ方向の距離(絶対値)の平均値である(JIS B0601:2001)。第1面11の最大高さ粗さRaの測定方法は、具体的には、実施例に関して後述するとおりである。
第1面11における算術平均粗さRaに対する最大高さ粗さRzの比率(Rz/Ra)は、剥離層20の厚さバラつきの抑制と、剥離層20によるはく離ライナーXの軽剥離性確保とのバランスの観点から、好ましくは10以上、より好ましくは15以上、更に好ましくは18以上であり、また、好ましくは30以下、より好ましくは28以下、更に好ましくは26以下、特に好ましくは24以下である。
第1面11の算術平均粗さRaは、剥離層20の厚さバラつきの抑制の観点から、好ましくは20nm以下、より好ましくは10nm以下、更に好ましくは5nm以下、特に好ましくは3nm以下である。第1面11の算術平均粗さRaは、基材フィルム10に対する剥離層20の密着性を確保する観点から、好ましくは0.2nm以上、より好ましくは0.5nm以上、更に好ましくは0.8nm以上、一層好ましくは1nm以上、特に好ましくは1.5nm以上である。第1面11の算術平均粗さRaの調整方法としては、例えば、基材フィルムを形成する樹脂材料の種類および組成の調整、基材フィルムにおけるフィラーの有無およびフィラー含有量の調整が挙げられる。
第2の実施形態としてのはく離ライナーXにおいては、剥離層20は100nm以下の厚さHを有し、この厚さHに対する基材フィルム10の第1面11の算術平均粗さRaの比率(Ra/H)は、0.1以下である。また、第2の実施形態としてのはく離ライナーXにおいては、第1の実施形態に関して上述した比率(Rz/H)は1を超えてもよい。比率(Ra/H)および比率(Rz/H)に関するこれらの構成以外は、第2の実施形態は第1の実施形態と同じである。
剥離層20の厚さが100nm以下と薄いことは、上述のように、剥離層20から粘着シート30への剥離層材料の転写を抑制するのに適する。また、上記の比率(Ra/H)が0.1以下であるほどに基材フィルム10の第1面11(剥離層20が形成されている面)の平滑性が高いことは、厚さ100nm以下の薄さを有する剥離層20においても、同層の厚さのバラつきを抑制するのに適する。そのため、第2の実施形態としてのはく離ライナーXも、第1の実施形態としてのはく離ライナーXと同様に、剥離層20の厚さを抑制しつつ軽剥離性を確保するのに適する。具体的には、後記の実施例および比較例をもって示すとおりである。
このような第2の実施形態において、比率(Ra/H)は、剥離層20の厚さバラつきの抑制の観点から、好ましくは0.08以下、より好ましくは0.06以下、更に好ましくは0.04以下である。比率(Ra/H)は、基材フィルム10に対する剥離層20の密着性を確保する観点から、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.02以上である。
基材フィルム10は、例えば、可撓性を有する樹脂フィルムである。基材フィルム10の樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、変性セルロース、ポリスチレン、およびポリカーボネートが挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー(COP)、エチレン・酢酸ビニル共重合体、および、エチレン・ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、およびポリブチレンテレフタレートが挙げられる。ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド6,6、および部分芳香族ポリアミドが挙げられる。変性セルロースとしては、例えばトリアセチルセルロース(TAC)が挙げられる。これら樹脂材料は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。基材フィルム10の材料としては、好ましくは、COPおよびPETからなる群より選択される少なくとも一つであり、より好ましくはCOPである。基材フィルム10は、好ましくは、COPフィルムまたはPETフィルムであり、より好ましくはCOPフィルムである。
基材フィルム10は、第1面11の平滑性を確保する観点から、好ましくはフィラーレスフィルムである。すなわち、基材フィルム10は、好ましくは、フィラーを含有しないか又は実質的に含有しない。基材フィルム10がフィラーを実質的に含有しないとは、基材フィルム10におけるフィラー含有割合が0.05質量%以下であることを意味するものとする。
基材フィルム10がフィラーを含有する場合、第1面11の平滑性を確保する観点から、当該フィラーは、好ましくはナノフィラーである。ナノフィラーとは、一次粒子の平均粒子径が100nm以下の粒子を意味する。基材フィルム10中のナノフィラーの平均粒子径は、好ましくは80nm以下、より好ましくは60nm以下、更に好ましくは50nm以下である。基材フィルム10中のナノフィラーの平均粒子径は例えば2nm以上である。
基材フィルム10の厚さHは、はく離ライナーXの強度を確保する観点からは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上である。また、はく離ライナーXにおいて適度な可撓性を確保する観点からは、基材フィルム10の厚さHは、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
基材フィルム10の厚さHに対する剥離層20の厚さHの比率(H/H)は、基材フィルム10と剥離層20との機能分担のバランスの観点から、好ましくは0.0005以上、より好ましくは0.0008以上であり、また、好ましくは0.01以下、より好ましくは0.008以下である。
基材フィルム10は、好ましくは、透明性を有する。基材フィルム10のヘイズは、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下である。基材フィルム10のヘイズは、例えば0.05%以上である。基材フィルム10のヘイズは、JIS K7136(2000年)に準拠して測定できる。基材フィルム10の全光線透過率は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。基材フィルム10の全光線透過率は、例えば100%以下である。全光線透過率は、JIS K 7375(2008年)に準拠して測定できる。
剥離層20は、はく離ライナーXの剥離性を確保するためのシリコーン剥離層である。剥離層20は、硬化性を有するシリコーン樹脂組成物の硬化物層である。シリコーン樹脂組成物は、例えば、硬化型のシリコーン樹脂と、硬化触媒と、溶媒とを含有する。
硬化型のシリコーン樹脂としては、重合性官能基を有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。重合性官能基としては、例えばアニケル基が挙げられる。アニケル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基およびヘキセニル基が挙げられる。また、硬化型のシリコーン樹脂は、付加反応型シリコーン樹脂であってもよいし、縮合反応型シリコーン樹脂であってもよい。縮合反応型シリコーン樹脂の市販品としては、例えば、信越化学工業製の「X-52-195」および「X-52-170」、並びに、東レ・ダウコーニング製の「SRX290」および「SRX244」が挙げられる。付加反応型シリコーン樹脂の市販品としては、例えば、信越化学工業製の「KS-847H」、「KM-3951」、「X-52-151」、「X-52-6068」および「X-52-6069」が挙げられる。
硬化触媒としては、白金触媒および有機スズ触媒が挙げられる。白金触媒としては、微粒子状白金、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、および、塩化白金酸のオレフィン錯体が挙げられる。有機スズ触媒としては、例えば、有機スズアシレート触媒が挙げられる。付加反応型シリコーン樹脂の硬化触媒としては、白金触媒が好ましい。白金触媒の市販品としては、例えば、信越化学工業製の「CAT-PM-10」が挙げられる。縮合反応型シリコーン樹脂の硬化触媒としては、有機スズ触媒が好ましい。有機スズ触媒の市販品としては、例えば、信越化学工業製の「CAT-PL10」が挙げられる。硬化触媒の量は、シリコーン樹脂100質量部あたり、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは7質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
溶媒としては、例えば、トルエン、n-ヘキサン、およびメチルエチルケトンが挙げられる。溶媒は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。シリコーン樹脂組成物の固形分の濃度は、例えば0.1~1質量%である。固形分には、シリコーン樹脂、硬化触媒、および、含有する場合には後記の架橋剤が含まれる。
シリコーン樹脂組成物は架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては、例えばハイドロジェンシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン)が挙げられる。ハイドロジェンシロキサンとしては、例えば、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン-メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン-メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、および、ポリ(ハイドロジェンシルセスキオキサン)が挙げられる。架橋剤は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。架橋剤の量は、シリコーン樹脂100質量部あたり、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。
はく離ライナーXの厚さは、はく離ライナーXの強度を確保する観点からは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上である。また、はく離ライナーXにおいて適度な可撓性を確保する観点からは、はく離ライナーXの厚さは、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
はく離ライナーXは、好ましくは、透明性を有する。はく離ライナーXのヘイズは、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下である。はく離ライナーXのヘイズは、例えば0.05%以上である。はく離ライナーXのヘイズは、JIS K7136(2000年)に準拠して測定できる。はく離ライナーXの全光線透過率は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。はく離ライナーXの全光線透過率は、例えば100%以下である。全光線透過率は、JIS K 7375(2008年)に準拠して測定できる。
はく離ライナーXは、例えば次のようにして製造できる。
まず、基材フィルム10を用意する。基材フィルム10は、例えば、溶融された樹脂材料をフィルムに成形することによって作製できる。成形の方法としては、例えば、押出成形、インフレーション成形、およびカレンダー成形が挙げられる。
次に、基材フィルム10上に、シリコーン剥離層20を形成する。具体的には、まず、基材フィルム10の第1面11上に、上述のシリコーン樹脂組成物を塗布して塗膜を形成する。次に、当該塗膜を乾燥させる。シリコーン樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、およびダイコートが挙げられる。塗膜の乾燥温度は、例えば50℃~200℃である。乾燥時間は、例えば5秒~20分である。
以上のようにして、はく離ライナーXを製造できる。
粘着シート30は、例えば、光学的に透明な粘着シート(光学粘着シート)である。粘着シート30は、所定の厚さのシート形状を有し、厚さ方向と直交する方向(面方向)に広がる。また、粘着シート30は、例えば、フレキシブルデバイスにおける光通過箇所に配置される光学的に透明な粘着シートである。フレキシブルデバイスとしては、例えば、フレキシブルディスプレイパネルが挙げられる。フレキシブルディスプレイパネルとしては、例えば、フォルダブルディスプレイパネルおよびローラブルディスプレイパネルが挙げられる。フレキシブルディスプレイパネルは、例えば、画素パネル、偏光フィルム、タッチパネルおよびカバーフィルムなどの要素を含む積層構造を有する。粘着シート30は、例えば、フレキシブルディスプレイパネルの製造過程において、積層構造に含まれる要素どうしの接合に、用いられる。
粘着シート30は、粘着剤組成物から形成されている。粘着剤組成物は、ベースポリマーを含む。ベースポリマーは、粘着性を発現させる粘着成分である。ベースポリマーとしては、例えば、アクリルポリマー、ポリウレタンポリマー、ポリアミドポリマー、およびポリビニルエーテルポリマーが挙げられる。ベースポリマーは、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。粘着シート30における良好な透明性および粘着性を確保する観点から、ベースポリマーとしては、好ましくはアクリルポリマーが用いられる。
アクリルポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルを50質量%以上の割合で含むモノマー成分の共重合体である。「(メタ)アクリル」は、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。(メタ)アクリル酸エステルとしては、好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられ、より好ましくは、アルキル基の炭素数が1~20である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル(即ちラウリルアクリレート)、(メタ)アクリル酸イソトリデシル、および(メタ)アクリル酸テトラデシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、好ましくは、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)と、ラウリルアクリレート(LA)と、アクリル酸n-ブチルとからなる群より選択される少なくとも一つである。モノマー成分における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合は、粘着シート30において粘着性等の基本特性を適切に発現させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、また、例えば99質量%以下である。
モノマー成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な共重合性モノマーを含んでもよい。共重合性モノマーとしては、例えば、極性基を有するモノマーが挙げられる。極性基含有モノマーとしては、例えば、ヒドロキシ基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、および窒素原子含有環を有するモノマーが挙げられる。極性基含有モノマーは、アクリルポリマーへの架橋点の導入、アクリルポリマーの凝集力の確保など、アクリルポリマーの改質に役立つ。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、および(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチルが挙げられる。ヒドロキシ基含有モノマーとしては、好ましくは、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルおよび(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチルからなる群より選択される少なくとも一つが用いられる。モノマー成分におけるヒドロキシ基含有モノマーの割合は、アクリルポリマーへの架橋構造の導入、および、粘着シート30における凝集力の確保の観点から、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上である。同割合は、アクリルポリマーの極性(粘着シート30における各種添加剤成分とアクリルポリマーとの相溶性に関わる)の調整の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
窒素原子含有環を有するモノマーとしては、例えば、N-ビニル-2-ピロリドン、N-メチルビニルピロリドン、N-ビニルピリジン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルピリミジン、N-ビニルピペラジン、N-ビニルピロール、N-ビニルイミダゾール、およびN-(メタ)アクリロイル-2-ピロリドンが挙げられる。窒素原子含有環を有するモノマーとしては、好ましくは、N-ビニル-2-ピロリドンが用いられる。モノマー成分における、窒素原子含有環を有するモノマーの割合は、粘着シート30における凝集力の確保、および、粘着シート30における対被着体密着力の確保の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上である。同割合は、アクリルポリマーのガラス転移温度の調整、および、アクリルポリマーの極性(粘着シート30における各種添加剤成分とアクリルポリマーとの相溶性に関わる)の調整の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
ベースポリマーは、好ましくは、架橋構造を有する。ベースポリマーへの架橋構造の導入方法としては、架橋剤と反応可能な官能基を有するベースポリマーと架橋剤とを粘着剤組成物に配合し、ベースポリマーと架橋剤とを粘着シート中で反応させる方法(第1の方法)、および、ベースポリマーを形成するモノマー成分に架橋剤としての多官能モノマーを含め、当該モノマー成分の重合により、ポリマー鎖に分枝構造(架橋構造)が導入されたベースポリマーを形成する方法(第2の方法)が、挙げられる。これら方法は、併用されてもよい。
上記第1の方法で用いられる架橋剤としては、例えば、ベースポリマーに含まれる官能基(ヒドロキシ基およびカルボキシ基など)と反応する化合物が挙げられる。そのような架橋剤としては、例えば、イソシアネート架橋剤、過酸化物架橋剤、およびエポキシ架橋剤が挙げられる。架橋剤は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。
上記第2の方法では、モノマー成分(架橋構造を導入するための多官能モノマーと他のモノマーとを含む)は、一度で重合させてもよいし、多段階で重合させてもよい。多段階重合の方法では、まず、ベースポリマーを形成するための単官能モノマーを重合させ(予備重合)、これによって部分重合物(低重合度の重合物と未反応のモノマーとの混合物)を含有するプレポリマー組成物を調製する。次に、プレポリマー組成物に架橋剤としての多官能モノマーを添加した後、部分重合物と多官能モノマーとを重合させる(本重合)。多官能モノマーとしては、例えば、エチレン性不飽和二重結合を1分子中に2個以上含有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能モノマーとしては、活性エネルギー線重合(光重合)によって架橋構造を導入可能な観点から、多官能アクリレートが好ましい。多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、および、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能(メタ)アクリレートとしては、好ましくは、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートが用いられる。
アクリルポリマーは、上述のモノマー成分を重合させることによって形成できる。重合方法としては、例えば、溶液重合、無溶剤での光重合(例えばUV重合)、塊状重合、および乳化重合が挙げられる。溶液重合の溶媒としては、例えば、酢酸エチルおよびトルエンが用いられる。また、重合の開始剤としては、例えば、熱重合開始剤および光重合開始剤が用いられる。
粘着剤組成物は、必要に応じて他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、溶剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、軟化剤、および酸化防止剤が挙げられる。溶媒としては、例えば、アクリルポリマーの重合時に必要に応じて用いられる重合溶媒、および、重合後に重合反応溶液に添加される溶媒が、挙げられる。当該溶媒としては、例えば、酢酸エチルおよびトルエンが用いられる。
粘着シート30は、例えば、上述の粘着剤組成物をはく離ライナーXの剥離層20上に塗布して塗膜を形成した後、当該塗膜を乾燥させることによって、製造できる。これにより、図2に示す片面はく離ライナー付き粘着シート30(片面にはく離ライナーXを有する)を製造できる。また、はく離ライナーX上の粘着シート30の露出面に、更なるはく離ライナーXの剥離層20側を貼り合わせることにより、図3に示す両面はく離ライナー付き粘着シート30(両面にはく離ライナーXを有する)を製造できる。
粘着シート30の厚さは、被着体に対する充分な粘着性を確保する観点およびハンドリング性の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上である。粘着シート30の厚さは、フレキシブルデバイスの薄型化の観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下である。
本発明について、以下に実施例を示して具体的に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。また、以下に記載されている配合量(含有量)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上述の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合量(含有量)、物性値、パラメータなどの上限(「以下」または「未満」として定義されている数値)または下限(「以上」または「超える」として定義されている数値)に代替できる。
〔実施例1〕
〈はく離ライナーの作製〉
まず、シリコーン剥離剤(品名「KS-847H」,付加反応型シリコーン樹脂,信越化学工業製)100質量部と、シリコーン硬化用白金触媒(品名「CAT-PL-50T」,信越化学工業製)3.3質量部と、溶媒とを混合して、シリコーン固形分濃度0.3質量%のシリコーン樹脂組成物を調製した。溶媒は、トルエン(出光石油化学製)と、n-ヘキサン(丸善石油化学製)と、メチルエチルケトン(出光興産製)との、重量比1:2:1の混合溶媒である。
次に、基材フィルムとしての厚さ50μmのシクロオレフィンポリマー(COP)フィルム(品名「ゼオノアフィルムZF14-050」,フィラーレス,日本ゼオン製)の片面に、上述のシリコーン樹脂組成物を塗布して塗膜を形成した。塗布には、ワイヤーバー#9を使用した。次に、熱風乾燥機により、基材フィルム上の塗膜を、130℃で1分間、加熱して乾燥させた。これより、基材フィルム上に、厚さ50nmのシリコーン剥離層を形成した。
以上のようにして、実施例1のはく離ライナーを作製した。実施例1のはく離ライナーは、基材フィルムとしてのCOPフィルム(厚さ50μm)とシリコーン剥離層(厚さ50nm)との積層構造を有する。
〈はく離ライナー付き粘着シートの作製〉
まず、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)78質量部と、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)18質量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)4質量部と、光重合開始剤(品名「イルガキュア184」,1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン,BASF製)0.035質量部と、第2光重合開始剤(品名「イルガキュア651」,2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン,BASF製)0.035質量部とを含む混合物に対して紫外線を照射し(重合反応)、プレポリマー組成物(重合率は約8%)を得た(プレポリマー組成物は、重合反応を経ていないモノマー成分を含有する)。紫外線照射は、組成物の粘度が約20Pa・sになるまで続けた。この粘度は、B型粘度計により、ローターNo.5、ローター回転数10rpmおよび温度30℃の条件で測定した値である。
次に、プレポリマー組成物100質量部と、架橋剤としての1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)0.15質量部と、光重合開始剤(品名「イルガキュア819」,ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド,BASF製)0.2質量部と、シランカップリング剤(品名「KBM-403」,3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,信越化学工業製)0.3質量部と、紫外線吸収剤(品名「Tinosorb S」,2,4-ビス-[{4-(4-エチルヘキシルオキシ)-4-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン,BASF製)1.4質量部とを混合し、紫外線硬化型の粘着剤組成物を得た。
次に、実施例1のはく離ライナー(第1はく離ライナー)のシリコーン剥離層上に、粘着剤組成物を塗布して塗膜を形成した。次に、はく離ライナー上の塗膜に、厚さ38μmのPETフィルムを第2はく離ライナーとして貼り合わせた。次に、塗膜に対して第2はく離ライナー側から紫外線を照射して塗膜を紫外線硬化させ、厚さ50μmの粘着剤層を形成した。紫外線照射では、照射光源としてブラックライトを用い、照射強度を6.5mW/cmとした。
以上のようにして、実施例1のはく離ライナー付き粘着シート(第1はく離ライナー/粘着シート/第2はく離ライナー)を作製した。
〔実施例2〕
基材フィルムとして厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(品名「ルミラー U403」,フィラーレス,東レ製)を用いたこと以外は、実施例1のはく離ライナーと同様にして、実施例2のはく離ライナーを作製した。実施例2のはく離ライナーは、基材フィルムとしてのPETフィルム(厚さ50μm)とシリコーン剥離層(厚さ50nm)との積層構造を有する。また、第1はく離ライナーとして実施例1のはく離ライナーの代わりに実施例2のはく離ライナーを用いたこと以外は、実施例1のはく離ライナー付き粘着シートと同様にして、実施例2のはく離ライナー付き粘着シートを作製した。
〔比較例1〕
基材フィルムとして厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(品名「ルミラー XD500P」,フィラー含有,東レ製)を用いたこと以外は、実施例1のはく離ライナーと同様にして、比較例1のはく離ライナーを作製した。比較例1のはく離ライナーは、基材フィルムとしてのPETフィルム(厚さ50μm)とシリコーン剥離層(厚さ50nm)との積層構造を有する。また、第1はく離ライナーとして実施例1のはく離ライナーの代わりに比較例1のはく離ライナーを用いたこと以外は、実施例1のはく離ライナー付き粘着シートと同様にして、比較例1のはく離ライナー付き粘着シートを作製した。
〔比較例2〕
基材フィルムとして厚さ50μmのPETフィルム(品名「ダイアホイル T100C50」,フィラー含有,三菱樹脂製)を用いたこと以外は、実施例1のはく離ライナーと同様にして、比較例2のはく離ライナーを作製した。比較例2のはく離ライナーは、基材フィルムとしてのPETフィルム(厚さ50μm)とシリコーン剥離層(厚さ50nm)との積層構造を有する。また、第1はく離ライナーとして実施例1のはく離ライナーの代わりに比較例2のはく離ライナーを用いたこと以外は、実施例1のはく離ライナー付き粘着シートと同様にして、比較例2のはく離ライナー付き粘着シートを作製した。
〔比較例3〕
基材フィルムとして厚さ75μmのPETフィルム(品名「XD3DA2」,フィラー含有,東レ製)を用いたこと以外は、実施例1のはく離ライナーと同様にして、比較例3のはく離ライナーを作製した。比較例3のはく離ライナーは、基材フィルムとしてのPETフィルム(厚さ75μm)とシリコーン剥離層(厚さ50nm)との積層構造を有する。また、第1はく離ライナーとして実施例1のはく離ライナーの代わりに比較例3のはく離ライナーを用いたこと以外は、実施例1のはく離ライナー付き粘着シートと同様にして、比較例3のはく離ライナー付き粘着シートを作製した。
〈基材フィルムの表面粗さ〉
実施例1,2および比較例1~3で用いた各基材フィルムについて、シリコーン剥離層を形成する前に、表面粗さを測定した。具体的には、非接触式の表面粗さ測定装置としての三次元光学プロファイラー(品名「NewView7300」,ZYGO製)により、23℃および相対湿度50%の環境下で、基材フィルムの第1面(シリコーン剥離層が形成される側の面)の形状を測定した。本測定では、測定用アプリケーションソフトとしてMicro7kを用い、対物レンズを10倍レンズとし、内部レンズを1.0倍レンズとし、視野サイズを0.70mm×0.52mmとした。そして、基材フィルムの表面形状に関して測定したデータに基づき、JIS B0601:2001に準拠する算術平均粗さRa(nm)および最大高さ粗さRz(nm)を算出した。その値を表1に示す。Raに対するRzの比率(Rz/Ra)も表1に示す。
〈シリコーン剥離層の厚さ〉
実施例1,2および比較例1~3の各はく離ライナーのシリコーン剥離層の厚さを、FE-TEM観察によって測定した。具体的には、まず、はく離ライナーのシリコーン剥離層表面に保護層を設けた後に当該はく離ライナーを冷却した状態で、FIBマイクロサンプリング法により、剥離層を薄片化加工して、断面観察用サンプルを作製した。FIBマイクロサンプリング法では、FIB装置(商品名「FB2200」,Hitachi製)を使用し、加速電圧を30kVとした。次に、断面観察用サンプルにおける剥離層の厚さを、FE-TEM観察によって測定した。FE-TEM観察では、FE-TEM装置(商品名「JEM-2800」,JEOL製)を使用し、加速電圧を200kVとした。観察領域(3mm幅)におけるシリコーン剥離層の厚さの平均値を、厚さH(nm)として表1に示す。また、厚さHに対する最大高さ粗さRzの比率(Rz/H)、および、厚さHに対する算術平均粗さRaの比率(Ra/H)も、表1に示す。
〈剥離力〉
実施例1,2および比較例1~3の各はく離ライナー付き粘着シートについて、粘着シートから第1はく離ライナーを剥離するための剥離力を測定した。
試験片の作製においては、まず、はく離ライナー付き粘着シートからサンプルシート(幅50mm×長さ100mm)を切り出した。次に、サンプルシートから第2はく離ライナーを剥離し、これによって露出した粘着シート露出面をガラス板に貼り合わせて、試験片を得た。
次に、試験片を23℃で60分間静置した後、試験片における第1はく離ライナーを粘着シートから剥離する剥離試験を実施し、剥離に要する力を剥離力として測定した。本測定では、引張り試験機(品名「オートグラフAG-50NX plus)」,島津製作所製)を使用し、測定温度を23℃とし、剥離角度を180°とし、引張速度を300mm/分とした。測定された剥離力(N/50mm)を表1に示す。
[評価]
実施例1,2のはく離ライナーのシリコーン剥離層と、比較例1~3のはく離ライナーのシリコーン剥離層とは、互いに、組成および厚さが同じである。しかし、実施例1,2のはく離ライナーにおいては、比較例1~3のはく離ライナーよりも、粘着シートに対して、より軽い剥離性が実現された。具体的には、次のとおりである。
比較例1~3の各はく離ライナーでは、厚さ100nm以下のシリコーン剥離層の厚さHに対する、基材フィルムの上述の最大高さ粗さRzの比率(Rz/H)が1を超える。また、比較例1~3の各はく離ライナーでは、厚さHに対する基材フィルムの上述の算術平均粗さRa(Ra/H)が0.1を超える。このような比較例1~3のはく離ライナーの、上述の粘着シートからの剥離力は、0.44N/50mm以上と大きかった。これに対し、実施例1,2の各はく離ライナーでは、厚さ100nm以下のシリコーン剥離層の厚さHに対する、基材フィルムの上述の最大高さ粗さRzの比率(Rz/H)が1以下である。また、実施例1,2の各はく離ライナーでは、厚さHに対する基材フィルムの上述の算術平均粗さRa(Ra/H)が0.1以下である。このような実施例1,2のはく離ライナーの、上述の粘着シートからの剥離力は、0.31N/50mm以下と小さかった。
Figure 2024065284000002
X はく離ライナー
H 厚さ方向
10 基材フィルム
11 第1面
12 第2面
20 剥離層(シリコーン剥離層)
30,50 粘着シート

Claims (5)

  1. 第1面と当該第1面とは反対側の第2面とを有する基材フィルムと、
    前記基材フィルムの前記第1面上に配置されたシリコーン剥離層とを備え、
    前記シリコーン剥離層が100nm以下の厚さを有し、
    前記シリコーン剥離層の厚さに対する前記第1面の最大高さ粗さRzの比率が1以下である、はく離ライナー。
  2. 前記シリコーン剥離層の厚さに対する前記第1面の算術平均粗さRaの比率が0.1以下である、請求項1に記載のはく離ライナー。
  3. 第1面と当該第1面とは反対側の第2面とを有する基材フィルムと、
    前記基材フィルムの前記第1面上に配置されたシリコーン剥離層とを備え、
    前記シリコーン剥離層が100nm以下の厚さを有し、
    前記シリコーン剥離層の厚さに対する前記第1面の算術平均粗さRaの比率が0.1以下である、はく離ライナー。
  4. 前記基材フィルムがフィラーレスフィルムである、請求項1から3のいずれか一つに記載のはく離ライナー。
  5. 前記基材フィルムがシクロオレフィンポリマーフィルムである、請求項1から3のいずれか一つに記載のはく離ライナー。
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