JP2024065018A - プレス成形装置及びプレス成形方法、ガラスレンズブランク及びガラスレンズ並びにその製造方法 - Google Patents

プレス成形装置及びプレス成形方法、ガラスレンズブランク及びガラスレンズ並びにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】一対の成形型を離間させるときに安定してプレス成形品の離型促進を図ることができるプレス成形装置及びプレス成形方法、ガラスレンズブランク及びガラスレンズ並びにその製造方法を提供する。【解決手段】第1の成形面を有する第1の成形型と、第2の成形面を有する第2の成形型と、前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方に臨むように、前記第1の成形型と前記第2の成形型の少なくとも一方に設けられた離型促進部材と、を有し、前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面によりプレス成形素材をプレスしてプレス成形品を成形した後、前記第1の成形型と前記第2の成形型を離間させるときに、前記離型促進部材が前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方から前記プレス成形品を押し出して離型を促進させるものである、ことを特徴とするプレス成形装置。【選択図】図3

Description

本発明は、プレス成形装置及びプレス成形方法、ガラスレンズブランク及びガラスレンズ並びにその製造方法に関する。
特許文献1には、プレス成形素材であるガラス塊を加熱、軟化するための軟化炉、及び、軟化炉内でガラス塊を搬送するための搬送装置を有するガラス塊加熱装置が記載される。軟化炉は、ガラス塊を搬出するための搬出口外側の上部及び側方部を蔽うカバーを有する。搬送装置は、搬出口から搬出したガラス塊をカバーで覆われた領域内で下降させてプレス成形工程へ送るための送り機構を有する。
特許文献2、3には、ガラス製光学素子またはガラス製光学素子を精密プレス成形するための精密プレス成形用プリフォームを、研削、研磨により作製するためのガラス母材の製造方法が記載される。
特許文献2の方法では、加熱、軟化したガラス素材を、対向する第1の型と第2の型を備えたプレス成形型を用いて、ガラス素材の粘度が10dPa・s以下のときにプレス成形する。また、第1の型の成形面、第2の型の成形面の少なくとも一方が通気性を有する凸面である。
特許文献3の方法では、胴型と、胴型に嵌め込まれた状態で互いに対向してガラス素材をプレスする上型と下型とを備えたプレス成形型を用いて、加熱、軟化したガラス素材をプレス成形型内に導入し、プレス成形する。また、胴型のうち、上型が嵌め込まれる部分の内径よりも下型が嵌め込まれる部分の内径が小さい。
特開2007-210863号公報 特開2010-254514号公報 特開2010-254515号公報
しかしながら、本発明者の鋭意研究によると、特許文献1、3に記載の装置および方法では、一対の成形型(例えば上型と下型)を接近させてプレス成形素材をプレスすることによりプレス成形品を成形した後、一対の成形型を離間させるとき(例えば上型を上昇させ且つ/又は下型を下降させたとき)に、プレス成形品が一対の成形型の一方(例えば上型と下型の一方)に密着して吸い付いてしまうという点で、改良の余地がある。
また、特許文献2に記載の装置、方法では、最初は上型に設けた細孔が機能してプレス成形品の上型への吸い付きを防止することができるが、繰り返しプレス成形を行うと、成形面に形成した細孔の入り口が押し広げられ、ガラスが細孔に入り込み細孔を塞いでしまう。その結果、プレス成形品が上型に密着して吸い付いてしまう問題が生じる。
このように、特許文献1-3のいずれの場合も、プレス成形品の吸い付きという点で、改良の余地がある。
本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、一対の成形型を離間させるときに安定してプレス成形品の離型促進を図ることができるプレス成形装置及びプレス成形方法、ガラスレンズブランク及びガラスレンズ並びにその製造方法を提供することを目的とする。
本実施形態のプレス成形装置は、第1の成形面を有する第1の成形型と、第2の成形面を有する第2の成形型と、前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方に臨むように、前記第1の成形型と前記第2の成形型の少なくとも一方に設けられた離型促進部材と、を有し、前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面によりプレス成形素材をプレスしてプレス成形品を成形した後、前記第1の成形型と前記第2の成形型を離間させるときに、前記離型促進部材が前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方から前記プレス成形品を押し出して離型を促進させるものである、ことを特徴とする。
前記離型促進部材は、前記第1の成形面に臨むように前記第1の成形型に設けられた第1の離型促進部材を有し、前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面により前記プレス成形素材をプレスして前記プレス成形品を成形した後、前記第1の成形型と前記第2の成形型を離間させるときに、前記第1の離型促進部材が前記第1の成形面から前記プレス成形品を押し出して離型を促進させるものであってもよい。
前記第1の成形型は、前記第1の成形面の中央部を含んだ所定領域を貫通する第1の貫通孔を有し、前記第1の離型促進部材は、前記第1の貫通孔に挿入されて前記第1の成形面の中央部に露出し、前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面により前記プレス成形素材をプレスして前記プレス成形品を成形する際に、前記プレス成形品に、前記第1の成形面と、前記第1の貫通孔に挿入されて前記第1の成形面の中央部に露出した前記第1の離型促進部材と、前記第1の成形面と前記第1の離型促進部材の境界部とを反映した第1の痕跡が残されてもよい。
前記第1の痕跡は、前記第1の貫通孔に挿入された前記第1の離型促進部材に対応する第1の中央島部と、前記第1の貫通孔を除いた前記第1の成形面に対応する第1の包囲島部と、前記第1の中央島部と前記第1の包囲島部の境界に位置する第1のパーティングラインとを有してもよい(規定されてもよい)。
前記離型促進部材は、前記第1の成形面に臨むように前記第1の成形型に設けられた第1の離型促進部材と、前記第2の成形面に臨むように前記第2の成形型に設けられた第2の離型促進部材と、を有し、前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面により前記プレス成形素材をプレスして前記プレス成形品を成形した後、前記第1の成形型と前記第2の成形型を離間させるときに、前記第1の離型促進部材が前記第1の成形面から前記プレス成形品を押し出して離型を促進させ、前記第2の離型促進部材が前記第2の成形面から前記プレス成形品を押し出して離型を促進させるものであってもよい。
前記第1の成形型は、前記第1の成形面の中央部を含んだ所定領域を貫通する第1の貫通孔を有し、前記第1の離型促進部材は、前記第1の貫通孔に挿入されて前記第1の成形面の中央部に露出し、前記第2の成形型は、前記第2の成形面の中央部を含んだ所定領域を貫通する第2の貫通孔を有し、前記第2の離型促進部材は、前記第2の貫通孔に挿入されて前記第2の成形面の中央部に露出し、前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面により前記プレス成形素材をプレスして前記プレス成形品を成形する際に、前記プレス成形品に、前記第1の成形面と、前記第1の貫通孔に挿入されて前記第1の成形面の中央部に露出した前記第1の離型促進部材と、前記第1の成形面と前記第1の離型促進部材の境界部とを反映した第1の痕跡、及び、前記第2の成形面と、前記第2の貫通孔に挿入されて前記第2の成形面の中央部に露出した前記第2の離型促進部材と、前記第2の成形面と前記第2の離型促進部材の境界部とを反映した第2の痕跡が残されてもよい。
前記第1の痕跡は、前記第1の貫通孔に挿入された前記第1の離型促進部材に対応する第1の中央島部と、前記第1の貫通孔を除いた前記第1の成形面に対応する第1の包囲島部と、前記第1の中央島部と前記第1の包囲島部の境界に位置する第1のパーティングラインとを有し(規定され)、前記第2の痕跡は、前記第2の貫通孔に挿入された前記第2の離型促進部材に対応する第2の中央島部と、前記第2の貫通孔を除いた前記第2の成形面に対応する第2の包囲島部と、前記第2の中央島部と前記第2の包囲島部の境界に位置する第2のパーティングラインとを有してもよい(規定されてもよい)。
前記第1の成形型と前記第2の成形型の少なくとも一方は、前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方の外周側に位置する段部を有してもよい。
前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方は、前記プレス成形品に凹面を成形してもよい。
前記プレス成形素材は、プレス成形用ガラス素材であり、前記プレス成形品は、ガラスレンズブランクであってもよい。
本実施形態のプレス成形方法は、第1の成形面を有する第1の成形型と、第2の成形面を有する第2の成形型と、前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方に臨むように、前記第1の成形型と前記第2の成形型の少なくとも一方に設けられた離型促進部材と、を有するプレス成形装置によるプレス成形方法であって、前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面によりプレス成形素材をプレスしてプレス成形品を成形した後、前記第1の成形型と前記第2の成形型を離間させるときに、前記離型促進部材が前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方から前記プレス成形品を押し出して離型を促進させる、ことを特徴とする。
前記プレス成形素材は、プレス成形用ガラス素材であり、前記プレス成形品は、ガラスレンズブランクであってもよい。
本実施形態のガラスレンズブランクは、第1、第2の面を有するガラスレンズブランクであって、前記第1、第2の面の少なくとも一方に、中央島部と、包囲島部と、前記中央島部と前記包囲島部の境界に位置するパーティングラインとを有する(によって規定される)痕跡が形成される、ことを特徴とする。
前記第1、第2の面のうち、前記痕跡が形成される面は凹面であり、前記第1、第2の面の両面が凹面である両凹形状、前記第1、第2の面の一方の面が凹面であり他方の面が凸面であるメニスカス形状、又は、前記第1、第2の面の一方の面が凹面であり他方の面が平面である平凹形状であってもよい。
前記第1、第2の面の少なくとも一方の側方に位置するとともに、前記第1、第2の面と交差する方向に延びる段部を有してもよい。
本実施形態のガラスレンズは、上述したいずれかのガラスレンズブランクの前記第1、第2の面のうち、少なくとも、前記痕跡が形成される面に対して研削・研磨処理を施した、ことを特徴とする。
本実施形態のガラスレンズブランクの製造方法は、第1の成形面を有する第1の成形型と、第2の成形面を有する第2の成形型と、前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方に臨むように、前記第1の成形型と前記第2の成形型の少なくとも一方に設けられた離型促進部材と、を有するガラスレンズブランクの製造装置によるガラスレンズブランクの製造方法であって、前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面によりプレス成形用ガラス素材をプレスして前記ガラスレンズブランクを成形した後、前記第1の成形型と前記第2の成形型を離間させるときに、前記離型促進部材が前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方から前記ガラスレンズブランクを押し出して離型を促進させ、前記ガラスレンズブランクが、第1、第2の面を有し、前記第1、第2の面の少なくとも一方に、中央島部と、包囲島部と、前記中央島部と前記包囲島部の境界に位置するパーティングラインとを有する(によって規定される)痕跡が形成される、ことを特徴とする。
本実施形態のガラスレンズの製造方法は、上述したいずれかのガラスレンズブランクの製造方法により製造した前記ガラスレンズブランクの前記第1、第2の面のうち、少なくとも、前記痕跡が形成される面に対して研削・研磨処理を施す、ことを特徴とする。
本発明によれば、一対の成形型を離間させるときに安定してプレス成形品の離型促進を図ることができるプレス成形装置及びプレス成形方法、ガラスレンズブランク及びガラスレンズ並びにその製造方法を提供することができる。
従来のリヒートプレス成形の技術課題の第1の例を示す図である。 従来のリヒートプレス成形の技術課題の第2の例を示す図である。 プレス成形装置の第1実施形態を示す図である。 第1実施形態のプレス成形品の一例を示す図である。 上型と離型ロッドよるプレス成形品の上面のプレス成形部分を拡大して示す図である。 プレス成形装置の第2実施形態を示す図である。 第2実施形態のプレス成形品の一例を示す図である。 プレス成形品の球欠が金型(成形型)への吸い付き易さ(吸い付き難さ)に与える影響の一例を示す図である。
≪リヒートプレス成形≫
本実施形態のプレス成形品は、ガラスインゴッド(好ましくは光学ガラスのインゴット)を賽の目に切断して、プレス成形品と等しい重量を有するカットピース、ガラスゴブ等と呼ばれるプレス成形用ガラス素材を作成し、加熱、軟化、プレスして成形した光学レンズのブランク等のガラス成形品(ガラスレンズブランク)を意味している。このような成形方法(成形品)を「リヒートプレス成形(リヒートプレス成形品)」や再加熱プレス成形(再加熱プレス成形品)と呼ぶ。上述した特許文献1は、リヒートプレス成形(再加熱プレス成形)に使用する装置の一例が記載されている。
リヒートプレス成形(再加熱プレス成形)では、リヒートプレス成形品(再加熱プレス成形品)に研削・研磨処理を施すことにより、最終的な光学素子(光学レンズ等)となる。すなわち、ガラスレンズブランクに研削・研磨処理を施すことによりガラスレンズとなる。この点、ガラスプリフォームをプレス成形することで最終的な光学素子(光学レンズ等)となるガラスモールドレンズ(GMO)とは異なっている(一線を画している)。ちなみに、リヒートプレス成形(再加熱プレス成形)を行う主体(業者、メーカ)と、その後の研削・研磨処理を施す主体(業者、メーカ)とは、互いに異なっていてもよい。
このように、ガラスモールドレンズ(GMO)で使用するガラスプリフォームは、表面形状や重量等が最終製品を考慮した精度で製造されるのに対して、本実施形態で想定するリヒートプレス成形(再加熱プレス成形)で使用するプレス成形用ガラス素材は、最終製品の重量に研削・研磨処理により除去することになるガラスの重量を加えた重量とすること、表面に窒化ホウ素などの離型剤が塗布されていること等が異なっている。また、ガラスモールドレンズ(GMO)に使用するガラスには、低温軟化性が求められるのに対し、リヒートプレス成形(再加熱プレス成形)で使用するガラスにはこのような制約がないという点でも異なっている。
≪従来のリヒートプレス成形の技術課題≫
リヒートプレス成形において、メニスカス形状(一方の面が凸面で他方の面が凹面)や両凹形状、平凹形状(一方の面が凹面で他方の面が平面)のプレス成形品を製造する場合、プレス成形品の凹面と金型(成形型)との間に発生した負圧で、金型(成形型)にプレス成形品が吸い付く場合がある。プレス成形品の凸面にも同様の事象が生じる場合がある。
一般的にリヒートプレス成形品は表面の凹凸が大きいので、プレス後のガラスの収縮により金型(成形型)との間に隙間ができて負圧が解除される場合もある。しかしながら、金型(成形型)の成形面の外周に段部があり、この段部によって外部からのエアーの侵入が阻害される場合は、金型(成形型)へのプレス成形品の吸い付きを防止できないことが多い(段部が密閉促進平面部として機能してしまう)。
ここで、プレス成形品と金型(成形型)との間に負圧が発生する原因は、プレス直後のガラスの温度がTg(ガラス転移温度)以上であり、金型(例えば、ステンレス、球状黒鉛鋳鉄)の膨張係数よりも大きいことが挙げられる。そのため、プレス後のガラス冷却によりガラスが収縮し、金型をガラスが挟み込む現象が発生する。一方、金型はガラスからの熱量が移動して膨張するので、金型とガラスの挟み込みは更に強くなる。そのため、両者の密着が強くなり、金型とプレス成形品の収縮差により発生した隙間が負圧になる。
さらに、金型(成形型)へのプレス成形品の吸い付き易さ(吸い付き難さ)は、プレス成形品の曲面の形状にも影響を受ける。プレス成形品の曲面の球欠が大きく曲面の曲率半径Rが小さいほど、金型(成形型)にプレス成形品が吸い付き易くなり、プレス成形品の曲面の球欠が小さく曲面の曲率半径Rが大きいほど、金型(成形型)にプレス成形品が吸い付き難くなる。
例えば、段付きプレス成形品であるか否か、プレス成形品の球欠の大小に応じた金型(成形型)へのプレス成形品の吸い付き易さ(吸い付き難さ)は、以下のようになる。
段付き+球欠大>段付き+球欠小>段付き>段なし+球欠大
図8A-図8Cを参照して、プレス成形品の球欠が金型(成形型)への吸い付き易さ(吸い付き難さ)に与える影響について更に説明する。以下では、プレス成形品が、球面レンズを製造するためのガラスレンズブランクである場合を想定する。図8A-図8Cにおいて、光軸となる中心軸を含むガラスレンズブランクの断面において球面の輪郭線と輪郭線の両端を結ぶ直線を含む形状を実線で描いている。図8A、図8B、図8Cは、それぞれ、球面の曲率の中心と輪郭線の端を結ぶ一点鎖線と中心軸のなす角が20°、30°、45°の3パターンを例示している。上記の角度が20°を超えると、成形型にプレス成形品が吸い付きやすくなり、上記の角度が30°を超えると(例えば45°になると)、より一層、成形型にプレス成形品が吸い付きやすくなる。従って、本実施形態のプレス成形装置及びプレス成形方法(後述する離型促進部材を使用する態様)は、上記の角度が20°を超える場合に好適であり、上記の角度が30°を超える場合(例えば45°である場合)により好適である。
プレス成形品の段付き形状が金型(成形型)への吸い付き易さ(吸い付き難さ)に与える影響について更に説明する。本実施形態のプレス成形装置及びプレス成形方法は、例えば、両凸形状のプレス成形品の作製時よりも、凹面を有するプレス成形品の作製時により顕著な効果を奏する。大きな効果が得られるのは、両凹形状、メニスカス形状のプレス成形品の作製時である。段付き形状部(段部)は、凹面の周囲に形成されることが多く、凸面の周囲に形成されることは少ない。これは、段付き形状部(段部)がレンズをレンズホルダに固定するときの位置決め基準面として利用されることに起因する。段付き形状部(段部)があると、プレス後に成形型の成形面とプレス成形品との間に成形雰囲気(ほとんどの場合、大気)が進入しにくいため密着状態が解除されずに吸い付きが起こりやすくなる。例えば、上述した位置決め基準面としての観点からは、プレス成形品(ガラスレンズブランク)の中心軸と、段付き形状部(段部)の延伸軸とは、互いに平行であることが好ましい。しかし、プレス成形品(ガラスレンズブランク)の中心軸と、段付き形状部(段部)の延伸軸とが平行に近付けば近づくほど(例えば±20°以下、±10°以下、±5°以下、±1°以下となるほど)、段付き形状部(段部)による密着状態が解除されにくくなる。
図1A、図1Bは、従来のリヒートプレス成形の技術課題の第1の例を示す図である。成形面1Aを有する上型1と、成形面2Aを有する下型2と、上型1と下型2が嵌め込まれる胴型3とを有するプレス成形装置が描かれている。上型1の成形面1Aの外周には、段部1Bが成形されている。上型1と下型2を接近させて成形面1Aと成形面2Aによりプレス成形素材をプレスすると、上型1(成形面1A)側が凹面、下型2(成形面2A)側が凸面、且つ、上型1(成形面1A)側の凹面の外周に段部1Bに対応する段部が配置されたメニスカス形状のプレス成形品4が成形される。この場合、上型1と下型2を接近させて成形面1Aと成形面2Aによりプレス成形素材をプレスしてプレス成形品4を成形した後、上型1と下型2を離間させるとき(上型1を上昇させるとき)に、プレス成形品4が上型1の成形面1Aに密着して吸い付いてしまう(上型1と一緒に持ち上げられてしまう)。
図2A、図2B、図2Cは、従来のリヒートプレス成形の技術課題の第2の例を示す図である。図2では、上型1の成形面1Cを凸面成形用とし、下型2の成形面2Bを凹面成形用とし、下型2の成形面2Bの外周に段部2Cを成形している。上型1と下型2を接近させて成形面1Cと成形面2Bによりプレス成形素材をプレスすると、上型1(成形面1C)側が凸面、下型2(成形面2B)側が凹面、且つ、下型2(成形面2B)側の凹面の外周に段部2Cに対応する段部が配置されたメニスカス形状のプレス成形品5が成形される。この場合、上型1と下型2を離間させるとき(上型1を上昇させるとき)に、プレス成形品5が上型1の成形面1Cに密着して吸い付いてしまう(上型1と一緒に持ち上げられてしまう)という現象がなくなる。また、下型2(成形面2B)上のプレス成形品5は、ガラス取り出しまでの間にプレス品上面が冷却され、吸い付いている側のプレス品のRが大きくなるので、下型2(成形面2B)からプレス成形品5が離型する問題も発生しない。しかしながら、図2Aに示すように、下型2の成形面2Bが凸面となっていることから、プレス前のカットピース(プレス成形素材)6のセンタリング不良が発生して、歩留まりが低下するという問題がある。
≪第1実施形態のプレス成形装置≫
図3A、図3B、図3C、図3Dは、従来のリヒートプレス成形の技術課題を解決した第1実施形態のプレス成形装置100を示している。
プレス成形装置100は、上型(第1の成形型)10と、下型(第2の成形型)20と、上型10と下型20が嵌め込まれる胴型30とを有している。
上型10の下面には、凹面成形用の成形面(第1の成形面)11と、成形面11の外周に位置する段部12とが形成されている。下型20の上面には、凸面成形用の成形面(第2の成形面)21が形成されている。
プレス成形装置100は、成形面(第1の成形面)11に臨むように、上型(第1の成形型)10に設けられた離型ロッド(離型促進部材)(第1の離型ロッド、第1の離型促進部材)40を有している。
上型(第1の成形型)10は、成形面(第1の成形面)11の中央部を含んだ所定領域を上下に貫通する貫通孔(第1の貫通孔)13と、貫通孔13の上端部から外周側に拡径する拡径段部14とを有している。
離型ロッド(第1の離型ロッド)40は、貫通孔(第1の貫通孔)13に挿入されて成形面(第1の成形面)11の中央部に露出している。離型ロッド40は、上型10の貫通孔13に上下方向のスライドを許容する最小クリアランスで嵌め込まれる摺動ロッド41と、摺動ロッド41の先端部に設けられた押出成形面42とを有している。摺動ロッド41の押出成形面42と反対側には、周方向に拡径する拡径段部43が設けられている。
上型10と離型ロッド40は、それぞれ、別の駆動系(駆動機構)により上下動(昇降)される。上型10の貫通孔13に離型ロッド40の摺動ロッド41が嵌め込まれた状態で、上型10の拡径段部14と離型ロッド40の拡径段部43が当接する位置が、上型10と離型ロッド40の下端移動規制位置となる。一方、上型10の貫通孔13に離型ロッド40の摺動ロッド41が嵌め込まれた状態で、上型10の拡径段部14から離型ロッド40の拡径段部43が上方に離れる(浮き上がる)ように移動することもできる。例えば、上型10の拡径段部14から離型ロッド40の拡径段部43が上方に離れた(浮き上がった)状態で、拡径段部43の上方に位置する空気注入室44に微弱な空気を注入する(吹き込む)ことにより、上型10に対して離型ロッド40を下方に移動させることができる。
上記のように構成されたプレス成形装置100では、図3Aに示すように、上型10(離型ロッド40)と下型20の離間状態で、下型20の成形面21に光学ガラス製のカットピース(プレス成形素材、プレス成形用ガラス素材)50を載置する。その後、図3Bに示すように、上型10(離型ロッド40)を下降させて、上型10の成形面11と下型20の成形面21によりカットピース(プレス成形用ガラス素材)50をプレスして、プレス成形品(リヒートプレス成形品、再加熱プレス成形品、ガラスレンズブランク)60が成形される。プレス成形品(ガラスレンズブランク)60の一方の面(上面)と他方の面(下面)を「第1の面」と「第2の面」と呼んでもよい。図3A、図3B、図3C、図3Dに示す成形は、研削・研磨処理により凹メニスカスレンズを作製するための光学レンズブランク(ガラスレンズブランク)である。上型10の成形面11がブランク60の凹面を形成し、下型20の成形面21がブランク60の凸面を形成する。これらの凹面、凸面を研削・研磨処理してレンズの光学機能面(レンズ面)を形成する(ガラスレンズが製造される)。
図3A、図3Bに示すようにして上型10と下型20を接近させて成形面11と成形面21によりカットピース50をプレスしてプレス成形品60を成形した後、図3Cに示すように、上型10と下型20を離間させるときに(例えば上型10が上昇するのと同時、上昇する少し前、上昇する少し後のタイミングで)、離型ロッド40が上型10の成形面11(成形面11の中央の貫通孔13)から下方に突出することにより、離型ロッド40の押出成形面42がプレス成形品60を押し出して離型を促進させる(下方に振り落とす)。これにより、図3Dに示すように、上型10と下型20を離間させるとき(上型10を上昇させるとき)に、プレス成形品60が上型10の成形面11に密着して吸い付いてしまう(上型10と一緒に持ち上げられてしまう)ことを確実に防止することができる。
金型(成形型)によるプレス成形品の挟み込みはプレス面の周囲で発生することが多いため、離型ロッド40の押出成形面42がプレス成形品60の上面中央部を押し出すことで、効果的な離型作用を促進することができる。
ところで、プレス成形品60の上面(凹面)の形状に注目すると、プレス成形品60の上面の中央部は、離型ロッド40の押出成形面42によってプレスされており、プレス成形品60の上面の周辺部は、上型10の貫通孔13を除いた成形面11によってプレスされており、プレス成形品60の上面の中央部と周辺部は、離型ロッド40の押出成形面42と、上型10の貫通孔13を除いた成形面11とによって区画されている。
すなわち、上型10と下型20を接近させて成形面11と成形面21によりカットピース50をプレスしてプレス成形品60を成形する際に、プレス成形品60の上面に、成形面11と、貫通孔13に挿入されて成形面11の中央部に露出した離型ロッド40(押出成形面42)と、成形面11と離型ロッド40(押出成形面42)の境界部とを反映した第1の痕跡が残される。この第1の痕跡は、貫通孔13に挿入された離型ロッド40(押出成形面42)に対応する中央島部(第1の中央島部)(例えば中央円形部)と、貫通孔13を除いた成形面11に対応する包囲島部(第1の包囲島部)(例えば周辺環状部)と、中央島部と包囲島部の境界に位置するパーティングライン(第1のパーティングライン)(例えば環状ライン)とを有している。すなわち、メニスカス形状のガラスレンズブランク60の凹面に中央島部と包囲島部が形成され、中央島部と包囲島部の境界にパーティングラインが形成される。
図4A、図4Bは、第1実施形態のプレス成形品の一例を示す図である。図4A、図4Bにおいて、プレス成形品60の下面には、下型20の成形面21による凸面形状が成形されている。プレス成形品60の上面には、押出成形面42に対応する中央円形部(中央島部、第1の中央島部)61と、貫通孔13を除いた成形面11に対応する周辺環状部(包囲島部、第1の包囲島部)62と、中央円形部61と周辺環状部62の境界に位置するパーティングライン(第1のパーティングライン)63とが成形されている。
図4Aの例では、中央円形部61が周辺環状部62に対する凹面61Aとなっており、図4Bの例では、中央円形部61が周辺環状部62に対する凸面61Bとなっている。図4Aの場合、プレス成形品60(凹メニスカスレンズのガラスレンズブランク)をカーブジェネレータで加工する際に、砥石の外周部が先当たり(外当たり)し、図4Bの場合、プレス成形品60(凹メニスカスレンズのガラスレンズブランク)をカーブジェネレータで加工する際に、砥石の中心部が先当たり(内当たり)する。プレス成形品60の流通段階では、砥石の外当たり・内当たりの要望が存在するところ、離型ロッド40の押出成形面42を調整して凹面61Aと凸面61Bを使い分けることで、上記の要望に応えることが可能になる。
このように、プレス成形品60の上面には、中央円形部61と周辺環状部62とパーティングライン63による痕跡(第1の痕跡)が残る。この痕跡は、その後の研削・研磨処理により除去されるが、プレス成形品60の流通段階では、プレス成形品60の上下を判別するための指標(目印)として利用することができる。例えば、多数のプレス成形品を研削・研磨の後工程に供給するとき、プレス成形品の決まった面にパーティングラインがあることを以って、プレス成形品の上下の2つの面を正確に見分けることができる。
なお、第1の痕跡の形状には自由度があり、種々の設計変更が可能である。例えば、中央島部の形状を円形以外(例えば三角や四角)にし、包囲島部の形状を環状以外(例えば三角や四角を包囲する任意の形状)にし、パーティングラインの形状を中央島部と包囲島部に応じた任意の形状に設定してもよい。
図5A、図5Bは、上型10(成形面11)と離型ロッド40(押出成形面42)によるプレス成形品60の上面のプレス成形部分を拡大して示す図である。図5Aは、成形面11の直径に対する押出成形面42の直径が相対的に大きい場合を例示しており、図5Bは、成形面11の直径に対する押出成形面42の直径が相対的に小さい場合を例示している。
図5A、図5Bにおいて、成形面11の直径をX[mm]と定義し、押出成形面42の直径をY[mm]と定義したとき、0.1<Y/X<0.5を満足することが好ましい。この条件式を満足することで、プレス成形品を変形させないで確実に離型を促進させることができる。条件式の上限を超えると、押出成形面の外周部で吸い付きが発生しやすくなってしまう。条件式の下限を超えると、摺動ロッドが押し出されたときにプレス成形品が変形しやすくなってしまう。なお、成形面11の直径Xは、プレス成形品60の周辺環状部(包囲島部)62の直径(外径)と読み替えてもよく、押出成形面42の直径Yは、プレス成形品60の中央円形部(中央島部)61の直径(外径)と読み替えてもよい。一方、X≦Yとすると、中央円形部(中央島部)と周辺環状部(包囲島部)の境界(パーティングライン)がプレス成形品の成形面の外側に形成される。凹面を有するガラスレンズブランクでは、パーティングラインが凹面の外側に形成される。凹面をカーブジェネレータで研削加工するとき、凹面を一様に研削することができる。凹面に傷や欠陥がある場合、凹面を一様に研削することにより傷や欠陥をより完全に除去しやすくなる。
上型10の成形面11の曲率半径と、離型ロッド40の押出成形面42の曲率半径は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。上型10の成形面11の曲率半径と離型ロッド40の押出成形面42の曲率半径を異ならせる場合、一方の曲率半径を基準としたとき、他方の曲率半径が一方の曲率半径の所定範囲内に収まるように設定してもよい。なお、上型10の成形面11の曲率半径は、プレス成形品60の周辺環状部(包囲島部)62の曲率半径と読み替えてもよく、離型ロッド40の押出成形面42の曲率半径は、プレス成形品60の中央円形部(中央島部)61の曲率半径と読み替えてもよい。
≪第2実施形態のプレス成形装置≫
図6A、図6B、図6C、図6Dは、第2実施形態のプレス成形装置100を示している。第1実施形態では、上型10に離型ロッド40を設けていたが、第2実施形態では、上型10に離型ロッド40を設けるのに加えて、下型20に離型ロッド70を設けている。第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
第2実施形態では、下型20の成形面(第2の成形面)21が凸面成形用の成形面であり、成形面21の外周に段部22が形成されている。図6A、図6B、図6C、図6Dに示されているように、以下、両凹レンズのガラスレンズブランクの成形を例に説明する。両凹レンズのガラスレンズブランクの一方の面(上面)と他方の面(下面)を「第1の面」と「第2の面」と呼んでもよい。
プレス成形装置100は、成形面(第2の成形面)21に臨むように、下型(第2の成形型)20に設けられた離型ロッド(離型促進部材)(第2の離型ロッド、第2の離型促進部材)70を有している。
下型(第2の成形型)20は、成形面(第2の成形面)21の中央部を含んだ所定領域を上下に貫通する貫通孔(第2の貫通孔)23と、貫通孔23の下端部から外周側に拡径する拡径段部24とを有している。
離型ロッド(第2の離型ロッド)70は、貫通孔(第2の貫通孔)23に挿入されて成形面(第2の成形面)21の中央部に露出している。離型ロッド70は、下型20の貫通孔23に上下方向のスライドを許容する最小クリアランスで嵌め込まれる摺動ロッド71と、摺動ロッド71の先端部に設けられた押出成形面72とを有している。摺動ロッド71の押出成形面72と反対側には、周方向に拡径する拡径段部73が設けられている。
下型20と離型ロッド70は、それぞれ、別の駆動系(駆動機構)により上下動(昇降)される。下型20の貫通孔23に離型ロッド70の摺動ロッド71が嵌め込まれた状態で、下型20の拡径段部24と離型ロッド70の拡径段部73が当接する位置が、下型20と離型ロッド70の上端移動規制位置となる。一方、下型20の貫通孔23に離型ロッド70の摺動ロッド71が嵌め込まれた状態で、下型20の拡径段部24から離型ロッド70の拡径段部73が下方に離れる(沈み込む)ように移動することもできる。例えば、下型20の拡径段部24から離型ロッド70の拡径段部73が下方に離れた(沈み込んだ)状態で、拡径段部73の下方に位置する空気注入室74に微弱な空気を注入する(吹き込む)ことにより、下型20に対して離型ロッド70を上方に移動させることができる。
上記のように構成されたプレス成形装置100では、図6Aに示すように、上型10(離型ロッド40)と下型20(離型ロッド70)の離間状態で、下型20の成形面21にカットピース(プレス成形素材)50を載置する。その後、図6Bに示すように、上型10(離型ロッド40)を下降させて、上型10の成形面11(離型ロッド40の押出成形面42を含む)と下型20の成形面21(離型ロッド70の押出成形面72を含む)によりカットピースをプレスして、プレス成形品(リヒートプレス成形品、再加熱プレス成形品、ガラスレンズブランク)60が成形される。
図6A、図6Bに示すようにして上型10と下型20を接近させて成形面11と成形面21によりカットピース50をプレスしてプレス成形品60を成形した後、図6Cに示すように、上型10と下型20を離間させるときに(例えば上型10が上昇するのと同時、上昇する少し前、上昇する少し後のタイミングで)、離型ロッド40が上型10の成形面11(成形面11の中央の貫通孔13)から下方に突出することにより、離型ロッド40の押出成形面42がプレス成形品60を押し出して離型を促進させる(下方に振り落とす)。これにより、上型10と下型20を離間させるとき(上型10を上昇させるとき)に、プレス成形品60が上型10の成形面11に密着して吸い付いてしまう(上型10と一緒に持ち上げられてしまう)ことを確実に防止することができる。さらに、図6Dに示すように、離型ロッド70が下型20の成形面21(成形面21の中央の貫通孔23)から上方に突出することにより、離型ロッド70の押出成形面72がプレス成形品60を押し出して離型を促進させる(上方に持ち上げる)。これにより、プレス成形品60が下型20の成形面21に密着して吸い付いてしまうことを確実に防止することができる。
金型(成形型)によるプレス成形品の挟み込みはプレス面の周囲で発生することが多いため、離型ロッド70の押出成形面72がプレス成形品60の下面中央部を押し出すことで、効果的な離型作用を促進することができる。
ところで、プレス成形品60の下面(凹面)の形状に注目すると、プレス成形品60の下面の中央部は、離型ロッド70の押出成形面72によってプレスされており、プレス成形品60の下面の周辺部は、下型20の貫通孔23を除いた成形面21によってプレスされており、プレス成形品60の下面の中央部と周辺部は、離型ロッド70の押出成形面72と、下型20の貫通孔23を除いた成形面21とによって区画されている。
すなわち、上型10と下型20を接近させて成形面11と成形面21によりカットピース50をプレスしてプレス成形品60を成形する際に、プレス成形品60の下面に、成形面21と、貫通孔23に挿入されて成形面21の中央部に露出した離型ロッド70(押出成形面72)と、成形面21と離型ロッド70(押出成形面72)の境界部とを反映した第2の痕跡が残される。この第2の痕跡は、貫通孔23に挿入された離型ロッド70(押出成形面72)に対応する中央島部(第2の中央島部)(例えば中央円形部)と、貫通孔23を除いた成形面21に対応する包囲島部(第2の包囲島部)(例えば周辺環状部)と、中央島部と包囲島部の境界に位置するパーティングライン(第2のパーティングライン)(例えば環状ライン)とを有している。
図7は、第2実施形態のプレス成形品の一例を示す図である。プレス成形品60の上面には、押出成形面42に対応する中央円形部(中央島部、第1の中央島部)61と、貫通孔13を除いた成形面11に対応する周辺環状部(包囲島部、第1の包囲島部)62と、中央円形部61と周辺環状部62の境界に位置するパーティングライン(第1のパーティングライン)63とが成形されている。プレス成形品60の下面には、押出成形面72に対応する中央円形部(中央島部、第2の中央島部)64と、貫通孔23を除いた成形面21に対応する周辺環状部(包囲島部、第2の包囲島部)65と、中央円形部64と周辺環状部65の境界に位置するパーティングライン(第2のパーティングライン)66とが成形されている。
中央円形部61は、周辺環状部62に対する凹面と凸面のいずれであってもよく、中央円形部64は、周辺環状部65に対する凹面と凸面のいずれであってもよい。前者(凹面)とした場合、プレス成形品60をカーブジェネレータで加工する際に、砥石の外周部が先当たり(外当たり)し、後者(凸面)とした場合、プレス成形品60をカーブジェネレータで加工する際に、砥石の中心部が先当たり(内当たり)する。プレス成形品60の流通段階では、砥石の外当たり・内当たりの要望が存在するところ、離型ロッド40の押出成形面42及び離型ロッド70の押出成形面72を調整して凹面と凸面を使い分けることで、上記の要望に応えることが可能になる。
このように、プレス成形品60の上面には、中央円形部61と周辺環状部62とパーティングライン63による痕跡(第1の痕跡)が残り、プレス成形品60の下面には、中央円形部64と周辺環状部65とパーティングライン66による痕跡(第2の痕跡)が残る。この痕跡は、その後の研削・研磨処理により除去されるが、プレス成形品60の流通段階では、プレス成形品60の上下を判別するための指標(目印)として利用することができる。例えば、多数のプレス成形品を研削・研磨の後工程に供給するとき、プレス成形品の決まった面にパーティングラインがあることを以って、プレス成形品の上下の2つの面を正確に見分けることができる。とりわけ、上型10と下型20に段部12と段部22が設けられている場合、上下面の離型促進部(離型ロッド40、70)の形状を変更することで近似Rの判別を行うことができる。
なお、第2の痕跡の形状には自由度があり、種々の設計変更が可能である。例えば、中央島部の形状を円形以外(例えば三角や四角)にし、包囲島部の形状を環状以外(例えば三角や四角を包囲する任意の形状)にし、パーティングラインの形状を中央島部と包囲島部に応じた任意の形状に設定してもよい。
下型20の成形面21の曲率半径と、離型ロッド70の押出成形面72の曲率半径は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。下型20の成形面21の曲率半径と離型ロッド70の押出成形面72の曲率半径を異ならせる場合、一方の曲率半径を基準としたとき、他方の曲率半径が一方の曲率半径の所定範囲内に収まるように設定してもよい。なお、下型20の成形面21の曲率半径は、プレス成形品60の周辺環状部(包囲島部)65の曲率半径と読み替えてもよく、離型ロッド70の押出成形面72の曲率半径は、プレス成形品60の中央円形部(中央島部)64の曲率半径と読み替えてもよい。
このように、本実施形態のプレス成形装置は、第1の成形面を有する第1の成形型と、第2の成形面を有する第2の成形型と、前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方に臨むように、前記第1の成形型と前記第2の成形型の少なくとも一方に設けられた離型促進部材と、を有している。そして、前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面によりプレス成形素材をプレスしてプレス成形品を成形した後、前記第1の成形型と前記第2の成形型を離間させるときに、前記離型促進部材が前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方から前記プレス成形品を押し出して離型を促進させる。これにより、一対の成形型(第1、第2の成形型)を離間させるときに安定してプレス成形品の離型促進を図ることができる。本実施形態のプレス成形装置は、ガラス(ガラスレンズブランク)のプレス成形に好適であり、光学レンズ(ガラスレンズ)の製造により好適である。さらに、互いに表裏の位置関係にある2つの面のうち少なくとも一方の面が凹面(一方の面のみ凹面、両方の面とも凹面)である光学レンズのブランク(ガラスレンズブランク)の製造により好適である。一方の面が凹面、他方の面が凸面の光学レンズのブランク(ガラスレンズブランク)はメニスカスレンズの母材として好適であり、両方の面がともに凹面の光学レンズのブランク(ガラスレンズブランク)は両凹レンズの母材として好適である。
また、本実施形態のガラスレンズブランクは、第1、第2の面(例えば上面と下面)を有するガラスレンズブランクであって、第1、第2の面の少なくとも一方に、中央島部と、包囲島部と、中央島部と包囲島部の境界に位置するパーティングラインとを有する(によって規定される)痕跡(例えば第1、第2の痕跡)が形成されてもよい。
ガラスレンズブランクは、第1、第2の面のうち、痕跡が形成される面が凹面であり、第1、第2の面の両面が凹面である両凹形状、第1、第2の面の一方の面が凹面であり他方の面が凸面であるメニスカス形状、又は、第1、第2の面の一方の面が凹面であり他方の面が平面である平凹形状であってもよい。
ガラスレンズブランクは、第1、第2の面の少なくとも一方の側方に位置するとともに、第1、第2の面と交差する方向(例えば直交する方向)に延びる段部を有してもよい。
本実施形態のガラスレンズは、上述したいずれかのガラスレンズブランクの第1、第2の面のうち、少なくとも、痕跡が形成される面に対して研削・研磨処理を施したものである。通常、ガラスレンズブランクの第1、第2の面の両方に研削・研磨処理を施し、この研削・研磨処理によって痕跡(例えば第1、第2の痕跡)が除去される。
本実施形態のガラスレンズブランクの製造方法は、第1の成形面を有する第1の成形型と、第2の成形面を有する第2の成形型と、第1の成形面と第2の成形面の少なくとも一方に臨むように、第1の成形型と第2の成形型の少なくとも一方に設けられた離型促進部材と、を有するガラスレンズブランクの製造装置によるガラスレンズブランクの製造方法であって、第1の成形型と第2の成形型を接近させて第1の成形面と第2の成形面によりプレス成形用ガラス素材をプレスしてガラスレンズブランクを成形した後、第1の成形型と第2の成形型を離間させるときに、離型促進部材が第1の成形面と第2の成形面の少なくとも一方からガラスレンズブランクを押し出して離型を促進させ、ガラスレンズブランクが、第1、第2の面を有し、第1、第2の面の少なくとも一方に、中央島部と、包囲島部と、中央島部と包囲島部の境界に位置するパーティングラインとを有する(によって規定される)痕跡が形成されるものである。
本実施形態のガラスレンズの製造方法は、上述したいずれかのガラスレンズブランクの製造方法により製造したガラスレンズブランクの第1、第2の面のうち、少なくとも、痕跡が形成される面に対して研削・研磨処理を施すものである。
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
例えば、上記の実施形態では、上型と下型(第1の成形型と第2の成形型)の少なくとも一方が、第1の成形面と第2の成形面の少なくとも一方の外周側に位置する段部を有する場合を例示して説明したが、そのような段部を具備しない成形型についても本実施形態のプレス成形装置、プレス成形方法及びプレス成形品を適用することができる。
例えば、上記の実施形態では、第1の成形面と第2の成形面の少なくとも一方がプレス成形品に凹面を成形する場合(例えばメニスカス形状や両凹形状)を例示して説明したが、そのような凹面を具備しないプレス成形品(例えば両凸形状や平凸形状)についても本実施形態のプレス成形装置、プレス成形方法及びプレス成形品を適用することができる。
100 プレス成形装置(ガラスレンズブランクの製造装置)
10 上型(第1の成形型)
11 成形面(第1の成形面)
12 段部
13 貫通孔(第1の貫通孔)
14 拡径段部
20 下型(第2の成形型)
21 成形面(第2の成形面)
22 段部
23 貫通孔(第2の貫通孔)
24 拡径段部
30 胴型
40 離型ロッド(離型促進部材)(第1の離型ロッド、第1の離型促進部材)
41 摺動ロッド
42 押出成形面
43 拡径段部
44 空気注入室
50 カットピース(プレス成形素材、プレス成形用ガラス素材)
60 プレス成形品(リヒートプレス成形品、再加熱プレス成形品、ガラスレンズブランク)
61 中央円形部(中央島部、第1の中央島部)
61A 凹面
61B 凸面
62 周辺環状部(包囲島部、第1の包囲島部)
63 パーティングライン(第1のパーティングライン)
64 中央円形部(中央島部、第2の中央島部)
65 周辺環状部(包囲島部、第2の包囲島部)
66 パーティングライン(第2のパーティングライン)
70 離型ロッド(離型促進部材)(第2の離型ロッド、第2の離型促進部材)
71 摺動ロッド
72 押出成形面
73 拡径段部
74 空気注入室

Claims (18)

  1. 第1の成形面を有する第1の成形型と、
    第2の成形面を有する第2の成形型と、
    前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方に臨むように、前記第1の成形型と前記第2の成形型の少なくとも一方に設けられた離型促進部材と、
    を有し、
    前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面によりプレス成形素材をプレスしてプレス成形品を成形した後、前記第1の成形型と前記第2の成形型を離間させるときに、前記離型促進部材が前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方から前記プレス成形品を押し出して離型を促進させるものである、
    ことを特徴とするプレス成形装置。
  2. 前記離型促進部材は、前記第1の成形面に臨むように前記第1の成形型に設けられた第1の離型促進部材を有し、
    前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面により前記プレス成形素材をプレスして前記プレス成形品を成形した後、前記第1の成形型と前記第2の成形型を離間させるときに、前記第1の離型促進部材が前記第1の成形面から前記プレス成形品を押し出して離型を促進させるものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
  3. 前記第1の成形型は、前記第1の成形面の中央部を含んだ所定領域を貫通する第1の貫通孔を有し、
    前記第1の離型促進部材は、前記第1の貫通孔に挿入されて前記第1の成形面の中央部に露出し、
    前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面により前記プレス成形素材をプレスして前記プレス成形品を成形する際に、前記プレス成形品に、前記第1の成形面と、前記第1の貫通孔に挿入されて前記第1の成形面の中央部に露出した前記第1の離型促進部材と、前記第1の成形面と前記第1の離型促進部材の境界部とを反映した第1の痕跡が残される、
    ことを特徴とする請求項2に記載のプレス成形装置。
  4. 前記第1の痕跡は、前記第1の貫通孔に挿入された前記第1の離型促進部材に対応する第1の中央島部と、前記第1の貫通孔を除いた前記第1の成形面に対応する第1の包囲島部と、前記第1の中央島部と前記第1の包囲島部の境界に位置する第1のパーティングラインとを有する、
    ことを特徴とする請求項3に記載のプレス成形装置。
  5. 前記離型促進部材は、
    前記第1の成形面に臨むように前記第1の成形型に設けられた第1の離型促進部材と、
    前記第2の成形面に臨むように前記第2の成形型に設けられた第2の離型促進部材と、
    を有し、
    前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面により前記プレス成形素材をプレスして前記プレス成形品を成形した後、前記第1の成形型と前記第2の成形型を離間させるときに、前記第1の離型促進部材が前記第1の成形面から前記プレス成形品を押し出して離型を促進させ、前記第2の離型促進部材が前記第2の成形面から前記プレス成形品を押し出して離型を促進させるものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
  6. 前記第1の成形型は、前記第1の成形面の中央部を含んだ所定領域を貫通する第1の貫通孔を有し、
    前記第1の離型促進部材は、前記第1の貫通孔に挿入されて前記第1の成形面の中央部に露出し、
    前記第2の成形型は、前記第2の成形面の中央部を含んだ所定領域を貫通する第2の貫通孔を有し、
    前記第2の離型促進部材は、前記第2の貫通孔に挿入されて前記第2の成形面の中央部に露出し、
    前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面により前記プレス成形素材をプレスして前記プレス成形品を成形する際に、前記プレス成形品に、前記第1の成形面と、前記第1の貫通孔に挿入されて前記第1の成形面の中央部に露出した前記第1の離型促進部材と、前記第1の成形面と前記第1の離型促進部材の境界部とを反映した第1の痕跡、及び、前記第2の成形面と、前記第2の貫通孔に挿入されて前記第2の成形面の中央部に露出した前記第2の離型促進部材と、前記第2の成形面と前記第2の離型促進部材の境界部とを反映した第2の痕跡が残される、
    ことを特徴とする請求項5に記載のプレス成形装置。
  7. 前記第1の痕跡は、前記第1の貫通孔に挿入された前記第1の離型促進部材に対応する第1の中央島部と、前記第1の貫通孔を除いた前記第1の成形面に対応する第1の包囲島部と、前記第1の中央島部と前記第1の包囲島部の境界に位置する第1のパーティングラインとを有し、
    前記第2の痕跡は、前記第2の貫通孔に挿入された前記第2の離型促進部材に対応する第2の中央島部と、前記第2の貫通孔を除いた前記第2の成形面に対応する第2の包囲島部と、前記第2の中央島部と前記第2の包囲島部の境界に位置する第2のパーティングラインとを有する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のプレス成形装置。
  8. 前記第1の成形型と前記第2の成形型の少なくとも一方は、前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方の外周側に位置する段部を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
  9. 前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方は、前記プレス成形品に凹面を成形する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
  10. 前記プレス成形素材は、プレス成形用ガラス素材であり、
    前記プレス成形品は、ガラスレンズブランクである、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
  11. 第1の成形面を有する第1の成形型と、
    第2の成形面を有する第2の成形型と、
    前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方に臨むように、前記第1の成形型と前記第2の成形型の少なくとも一方に設けられた離型促進部材と、
    を有するプレス成形装置によるプレス成形方法であって、
    前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面によりプレス成形素材をプレスしてプレス成形品を成形した後、前記第1の成形型と前記第2の成形型を離間させるときに、前記離型促進部材が前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方から前記プレス成形品を押し出して離型を促進させる、
    ことを特徴とするプレス成形方法。
  12. 前記プレス成形素材は、プレス成形用ガラス素材であり、
    前記プレス成形品は、ガラスレンズブランクである、
    ことを特徴とする請求項11に記載のプレス成形方法。
  13. 第1、第2の面を有するガラスレンズブランクであって、
    前記第1、第2の面の少なくとも一方に、中央島部と、包囲島部と、前記中央島部と前記包囲島部の境界に位置するパーティングラインとを有する痕跡が形成される、
    ことを特徴とするガラスレンズブランク。
  14. 前記第1、第2の面のうち、前記痕跡が形成される面は凹面であり、
    前記第1、第2の面の両面が凹面である両凹形状、前記第1、第2の面の一方の面が凹面であり他方の面が凸面であるメニスカス形状、又は、前記第1、第2の面の一方の面が凹面であり他方の面が平面である平凹形状である、
    ことを特徴とする請求項13に記載のガラスレンズブランク。
  15. 前記第1、第2の面の少なくとも一方の側方に位置するとともに、前記第1、第2の面と交差する方向に延びる段部を有する、
    ことを特徴とする請求項13に記載のガラスレンズブランク。
  16. 請求項13に記載のガラスレンズブランクの前記第1、第2の面のうち、少なくとも、前記痕跡が形成される面に対して研削・研磨処理を施した、
    ことを特徴とするガラスレンズ。
  17. 第1の成形面を有する第1の成形型と、
    第2の成形面を有する第2の成形型と、
    前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方に臨むように、前記第1の成形型と前記第2の成形型の少なくとも一方に設けられた離型促進部材と、
    を有するガラスレンズブランクの製造装置によるガラスレンズブランクの製造方法であって、
    前記第1の成形型と前記第2の成形型を接近させて前記第1の成形面と前記第2の成形面によりプレス成形用ガラス素材をプレスして前記ガラスレンズブランクを成形した後、前記第1の成形型と前記第2の成形型を離間させるときに、前記離型促進部材が前記第1の成形面と前記第2の成形面の少なくとも一方から前記ガラスレンズブランクを押し出して離型を促進させ、
    前記ガラスレンズブランクが、第1、第2の面を有し、前記第1、第2の面の少なくとも一方に、中央島部と、包囲島部と、前記中央島部と前記包囲島部の境界に位置するパーティングラインとを有する痕跡が形成される、
    ことを特徴とするガラスレンズブランクの製造方法。
  18. 請求項17に記載のガラスレンズブランクの製造方法により製造した前記ガラスレンズブランクの前記第1、第2の面のうち、少なくとも、前記痕跡が形成される面に対して研削・研磨処理を施す、
    ことを特徴とするガラスレンズの製造方法。
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