JP2024064795A - マルチビタミン含有ソフトカプセル剤 - Google Patents

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晴菜 内野(友部)
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誠 遠藤
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和之 海野
紗弥 森
義之 下川
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Abstract

【課題】ビタミンB12類の安定性が向上した、マルチビタミン含有ソフトカプセル剤を提供する。【解決手段】少なくともビタミンB12類と、アスコルビン酸又はその塩を含有するマルチビタミン含有ソフトカプセル剤であって、カプセル皮膜の水分含量が8質量%以下である、ソフトカプセル剤。【選択図】なし

Description

本発明は、少なくともビタミンB12類と、アスコルビン酸又はその塩を含有するマルチビタミン含有ソフトカプセル剤に関する。
必須ビタミン類は生体内で合成されないため、経口又は経腸管栄養補給が困難な患者に対して、高カロリー輸液療法により患者に必要な他の必須成分と共に投与されている。一般にビタミン類は複数種が同時に投与されるため、複数種を配合するビタミン製剤が総合ビタミン製剤として実用化されている。
ビタミンB12類は、水溶性ビタミンの一種であり、ビタミンB12類欠乏症、巨赤芽球性貧血、広節裂頭条虫症、悪性貧血、吸収不全症候群、眼精疲労、栄養性貧血、妊娠性貧血、神経痛等の症状の予防又は改善、肌荒れ改善等に有効であることが知られており、飲食品、口腔ケア製品、医薬品、化粧料等で使用されている。一方、ビタミンC類に属するアスコルビン酸類は、ビタミン補給効果、抗酸化効果、抗疲労回復効果、しみ・そばかす緩和効果等を有するビタミン類であり、アスコルビン酸類もまた数多くの医薬品、医薬部外品、化粧料等に配合されている。
一方、ビタミンB12類は光等により分解され易く安定性が悪いことが知られており、ビタミンB12類を含む製品を実用化する上では、ビタミンB12類に対して安定性を備えさせることが不可欠になっている。その方法として、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを配合すること(特許文献1)、ビタミンE類を配合した懸濁溶液とし、pHを4以上に調整すること(特許文献2)等が報告されている。
特開平9-052832号公報 特開2006-143613号公報
本発明は、ビタミンB12類の安定性が向上した、マルチビタミン含有ソフトカプセル剤を提供することに関する。
本発明者らは、複数種のビタミン類を配合するソフトカプセル剤において、ビタミンB12類の安定性がアスコルビン酸又はその塩の存在によって特に不安定になることを見出し、カプセル皮膜の水分含量を調整することにより、ビタミンB12類が安定化したマルチビタミン含有ソフトカプセル剤を製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の1)~6)に係るものである。
1)少なくともビタミンB12類と、アスコルビン酸又はその塩を含有するマルチビタミン含有ソフトカプセル剤であって、カプセル皮膜の水分含量が8質量%以下である、ソフトカプセル剤。
2)カプセル皮膜の水分含量が3質量%以上である、1)のソフトカプセル剤。
3)カプセル皮膜の水分含量が7質量%以下である、2)のソフトカプセル剤。
4)アスコルビン酸又はその塩が、アスコルビン酸ナトリウムである、1)~3)のいずれかのソフトカプセル剤。
5)ビタミンB12類がシアノコバラミン又はその塩である、1)~3)のいずれかのソフトカプセル剤。
6)少なくともビタミンB12類と、アスコルビン酸又はその塩を含有するマルチビタミン含有ソフトカプセル剤において、カプセル皮膜の水分含量を8質量%以下に調整する、前記ビタミンB12類の安定化方法。
本発明によれば、ビタミンB12類が安定化されたマルチビタミン含有ソフトカプセル剤を製造することができる。
本発明において、ソフトカプセル剤とは、ゼラチン等のフィルム形成成分を主成分とする皮膜に、薬物を油脂に溶解した配合液を封入したものをいう。
本発明のマルチビタミン含有ソフトカプセル剤は、薬物として、少なくともビタミンB12類と、アスコルビン酸又はその塩を含む、複数のビタミン類を含有する。
ビタミンB12類とは、ビタミンB12(シアノコバラミン)、その誘導体、及びそれらの塩を指す。
本発明で使用されるビタミンB12類の種類については、医薬品、医薬部外品、食品(健康食品、特定保健用食品、機能性表示食品、サプリメント等)に配合可能であれば特に限定されない。例えば、ビタミンB12の誘導体としては、メチルコバラミン、ヒドロキソコバラミン、アデノシルコバラミン、アクアコバラミン等が挙げられる。
ビタミンB12及びその誘導体の塩としては、例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等のカルボン酸塩;メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等の有機スルホン酸塩;塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩等が挙げられる。
これらのビタミンB12類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明において、ビタミンB12類は、好ましくはシアノコバラミン又はその塩であり、より好ましくはシアノコバラミンである。
本発明のマルチビタミン含有ソフトカプセル剤におけるビタミンB12類の配合量は、当該ソフトカプセル剤の製品形態に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.72~60μg、好ましくは1~30μg、より好ましくは1~15μgが挙げられる。
本発明のマルチビタミン含有ソフトカプセル剤において配合されるアスコルビン酸又はその塩は、医薬品、医薬部外品、食品(健康食品、特定保健用食品、機能性表示食品、サプリメント等)に配合可能であれば特に限定されず、アスコルビン酸の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩等が挙げられる。 本発明のマルチビタミン含有ソフトカプセル剤において、アスコルビン酸又はその塩は、ビタミンB12類の安定性の点から、好ましくはアスコルビン酸の塩であり、より好ましくはアスコルビン酸のナトリウム塩又はカリウム塩であり、より好ましくはアスコルビン酸ナトリウムである。
本発明のマルチビタミン含有ソフトカプセル剤におけるアスコルビン酸又はその塩の配合量は、当該ソフトカプセル剤の製品形態に応じて適宜設定すればよいが、アスコルビン酸として、例えば、30~1000mg、好ましくは30~500mg、より好ましくは30~200mgが挙げられる。
本発明のマルチビタミン含有ソフトカプセル剤においては、上記ビタミンB12類とアスコルビン酸又はその塩以外のビタミン類又はビタミン様物質がさらに配合され得る。
斯かるビタミン類又はビタミン様物質としては、ビタミンB1誘導体(塩酸フルスルチアミン、塩酸ジセチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン 等)、ビタミンB1(塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩等)、ビタミンB2(リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン等)、ビタミンB6(塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール等)、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、ビタミンE(d-α-トコフェロール、コハク酸d-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウム、酢酸d-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール等)、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ビタミンB5(パントテン酸カルシウム)、葉酸、ビタミンB7又はビタミンH(ビオチン)、ビタミンA(レチノール、レチナール、レチノイン酸)又はβ-カロテン、ビタミンP(ルチン、ヘスペリジン、ケルセチン等)、ガンマーオリザノール、オロチン酸、グルクロノラクトン、グルクロン酸アミド、ヨクイニン等が挙げられる。
このうち、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB5(パントテン酸カルシウム)、ビタミンE、ビタミンB7、β-カロテン、ビタミンP(ルチン)を含むのが好ましい。
本発明のマルチビタミン含有ソフトカプセル剤は、上記薬物を油脂に溶解・分散した配合液を、皮膜に封入することにより製剤化される。
「油脂」としては、中鎖脂肪酸トリグリセリド(以下、「MCT」とも記す)、トリカプリリン、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、植物油等が挙げられる。ここで、植物油としては、ヤシ油、オリーブ油、菜種油、落下生油、コーン油、大豆油、綿実油、ぶどう油、紅花油等が挙げられる。
油脂の量は特に限定されないが、1カプセル当たり10~1000mgであることが好ましく、20~800mgであることがより好ましく、30~300mgであることが特に好ましい。
カプセル皮膜は、構成成分として、フィルム形成成分、可塑剤、さらに必要に応じて遮光剤、付着防止剤等を含む。
フィルム形成成分には、各種ゼラチン等の動物由来成分であっても、各種水溶性高分子等の非動物由来成分であってもよく、これら成分を任意の割合で1種以上配合して用いることができる。動物由来成分とは、牛、羊、豚、鶏、魚等の皮、骨、腱等の主タンパク成分であるコラーゲン由来原料を適切に処理し抽出することにより得られるコラーゲンの変性体で、アルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、化学修飾ゼラチン等が挙げられるが、コラーゲンの由来や処理方法は特に限定されない。化学修飾ゼラチンとしては、その修飾様式は特に限定されないが、ゼラチンのアミノ基とコハク酸、フタル酸、酢酸等の物質を反応させて製造したものを用いることができる。化学修飾ゼラチンに用いるゼラチンはアルカリ処理ゼラチンでも酸処理ゼラチンであってもよい。非動物由来成分としては、寒天、カラギーナン、アルギン酸、カッパ-2カラゲニン(特許4558721号公報)等の海藻から抽出又は処理して得られる多糖類、ローストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム、カシアガム、タラビーンガム等の植物種子より得られる多糖類、アラビアガム、トラガントガム、アーモンドガム、ダムソンガム等の植物が分泌する多糖類、ペクチン、アラビノガラクタン、グルコマンナン等の植物から抽出される多糖類、ジェランガム、キサンタンガム、プルラン、デキストラン、カードラン等の微生物から得られる多糖類、結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等繊維素粘質物等が挙げられる。
可塑剤としては、グリセリン類(例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等)、糖アルコール(ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、シクリトール等)、グリコール類(プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等)、二糖類、オリゴ糖等が挙げられ、これらの1種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
遮光剤としては、酸化チタン、三二酸化鉄(ベンガラ)、黄色三二酸化鉄、黄酸化鉄、酸化亜鉛等の金属酸化物、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸等の無機化合物、カラメル、カカオ、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄色5号アルミニウムレーキ、食用緑色3号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレーキ、銅クロロフィリンナトリウム等の食用色素等が挙げられる。
カプセル皮膜は、上記の皮膜構成成分に適量の水を添加し、加熱下(70~90℃、好ましくは80℃前後)で混合、撹拌することにより皮膜液を調製し、成型、乾燥することにより形成される。
カプセル剤における皮膜の乾燥は、例えば、回転ドラム式乾燥機等を用いて行うことができ、乾燥の温度、時間等の条件は、内容物に含まれる成分及びカプセル皮膜に含まれる成分の種類により適宜調整することができる。例えば、乾燥温度は15℃~35℃程度、湿度は10%RH~50%RH程度、乾燥時間は0.5~2日程度が挙げられる。
本発明のマルチビタミン含有ソフトカプセル剤においては、カプセル皮膜の水分量が8質量%以下に調整される。斯かる水分量は好ましくは7質量%以下、より好ましくは6質量%以下であり、また、カプセルの強度品質確保の観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは4質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。
カプセル皮膜の水分量を8質量%以下に調整することによりビタミンB12類が安定化され、アスコルビン酸又はその塩によるビタミンB12類の分解が抑制される。
水分量は、後述する実施例に示すように、乾燥減量試験法を用いて、皮膜の乾燥前後の重量を測定することで算出することができる。
水分量の調整は、上記皮膜製造の乾燥工程における乾燥条件を調整すること、例えば、測定された数値が目的の水分値よりも高ければ、乾燥条件を厳しくすることによって、達成される。
ソフトカプセルの製法は、ロータリーダイ式ソフトカプセル成型機を使用し、カプセル皮膜組成物から左右1対の回転ドラム上で延伸して皮膜用シートを形成したのち、皮膜用シート表面にセグメントで適切な温度を与え、回転するダイロールを用いて皮膜用シートを所定の形状に成型すると同時に皮膜用シートを接着させながら内容物が充填されるロータリーダイ式ソフトカプセル製剤でも、1対の平板金型の片方の平板金型の上に皮膜用シートを載せ、その上に内容物を載せ、更に皮膜用シートを被せ、最後にもう一方の金型を載せたのちに、プレスして所定の形に成型される平板式ソフトカプセル製剤、又は、同芯円上に存在する二重ノズルから同時に吐出したカプセル皮膜組成物と内容液を一定速で流れる冷却液中に滴下して形成されるシームレス式ソフトカプセル製剤でもよいが、ロータリーダイ式ソフトカプセル製剤であることが、製造可能な内容液の範囲が広い点、形ならびに大きさの選択自由度が高い点、生産性の観点等から好ましい。
斯くして、製造される本発明のマルチビタミン含有ソフトカプセル剤は、アスコルビン酸又はその塩が共存する場合においてもビタミンB12類の含量低下が抑制され、品質性及び安定性に優れたマルチビタミン含有ソフトカプセル剤であると云える。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
調製例
(1)ソフトカプセル製剤の内容物の調製
ミツロウ、MCT(中鎖脂肪酸油)を約65℃で加熱溶解した後、60℃以下まで冷却し、レシチン、ビタミンEを加えて混合し、さらに40℃まで冷却した後、カロテン、ビオチン、チアミン硝酸塩、リボフラビン、パントテン酸カルシウム、ルチン、シアノコバラミン、そして本発明品1及び比較品1ではL-アスコルビン酸ナトリウム、本発明品2及び比較品2ではL-アスコルビン酸を加え攪拌した。その後、湿式粉砕(コロイドミル)処理、篩過、脱泡を行い、内容物を調製した。
(2)ソフトカプセル皮膜への充填
ソフトカプセル皮膜は、ゼラチン100重量部、グリセリン35重量部、水80重量部からなり、ゼラチン溶液を80℃で溶解、脱泡した後、約10時間静置してロータリーダイ式ソフトカプセル充填機(オバールNo.6)を用いて、ゼラチン溶液を厚さ約0.9mmの薄膜にし、冷却することによってゼラチンシートを作製し、該ゼラチンシートを左右からロール金型に通して、セグメントで約40℃の熱を加えてゼラチンシートを接着させながら打ち抜く直前にポンプで(1)の内容物を充填し、打ち抜いて成型されたものを乾燥することによりソフトカプセル剤を製造した。乾燥時間を調整することで、皮膜水分6質量%と10質量%のサンプルを製造した。
<ソフトカプセル皮膜水分値の測定>
ソフトカプセルの皮膜水分値は、乾燥減量試験法を用いて測定した。試料の作製は、まず、カプセル皮膜に画鋲を用いて穴を開け、ペンチで掴み内容物を搾り出し、鋏で4つに裁断した。続いて、n-ヘキサン(関東化学(株))100gをボウルに量り取り、その中に皮膜サンプルを入れ、超音波洗浄器(MCD-2P、アズワン(株))を用いて約30秒超音波処理を行うことで内容物を洗浄し、得られた皮膜サンプルを鋏で約2mm程度に細かく裁断することで、試料を得た。測定は、あらかじめ105℃で恒量化した秤量瓶を用意し、デシケーター内で約30分間放冷しておき、試料約1gを秤量瓶に精秤し、なるべく平らにした後、105℃の恒温器(送風定温恒温器DN410、ヤマト科学)に2時間5分入れて乾燥させ、乾燥終了後、デシケーター内で約30分間放冷し、重量を測定した。得られた値から以下の計算式を用いて皮膜水分値を求めた。
試験例
本発明品1、2及び比較品1、2をアルミパウチ袋に入れ、シーラーで密閉し、室温40℃、湿度75%の恒温恒湿槽に4カ月間保存し、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月経過ごとにサンプルを取出し、下記の試験方法によりビタミンB12濃度を測定した。
ソフトカプセル剤中のビタミンB12濃度の測定は、食品表示基準について(令和4年30月30日,消食表第128号,消費者庁次長通知,別添 栄養成分等の分析方法等)に記載の方法に準じて、微生物学的定量法により実施した。
表2より、本発明品1におけるビタミンB12濃度は、室温40℃、湿度75%で保存後も、1カ月、2カ月経過時点では残存率104.9%と減衰は認められず、4カ月保存後も残存率49.4%と減衰率は半分程度に抑えられており、ビタミンB12の安定性に優れていることが確認された。
本発明品2におけるビタミンB12濃度は、保存3カ月経過時点では残存率が48.4%と減衰率が半分程度に抑えられており、保存4カ月経過時点でも残存率は39.0%であり、実施例1と比較すると若干劣るものの、ビタミンB12の安定性は保てていることがわかった。
一方、皮膜水分が10%である比較品1は、保存1カ月経過時点でのビタミンB12の残存率が58.5%と、保存直後から減衰が認められ、保存4カ月経過時点では残存率6.1%と減衰が著しく進行しており、ビタミンB12の安定性が不十分である可能性が示唆された。
同様に比較品2も、保存1カ月経過時点でのビタミンB12の残存率が55.2%と、保存直後から減衰が認められ、保存4カ月経過時点では残存率2.5%と減衰が著しく進行しており、ビタミンB12の安定性が不十分である可能性が示唆された。
以上の結果より、マルチビタミン含有ソフトカプセル剤におけるビタミンB12の安定化には、皮膜水分を抑えることが重要であることがわかった。さらに、ビタミンCをアスコルビン酸ナトリウムにすることで、ビタミンB12の安定性がより高まることが確認された。

Claims (6)

  1. 少なくともビタミンB12類と、アスコルビン酸又はその塩を含有するマルチビタミン含有ソフトカプセル剤であって、カプセル皮膜の水分含量が8質量%以下である、ソフトカプセル剤。
  2. カプセル皮膜の水分含量が3質量%以上である、請求項1記載のソフトカプセル剤。
  3. カプセル皮膜の水分含量が7質量%以下である、請求項2記載のソフトカプセル剤。
  4. アスコルビン酸又はその塩が、アスコルビン酸ナトリウムである、請求項1~3のいずれか1項記載のソフトカプセル剤。
  5. ビタミンB12類がシアノコバラミン又はその塩である、請求項1~3のいずれか1項記載のソフトカプセル剤。
  6. 少なくともビタミンB12類と、アスコルビン酸又はその塩を含有するマルチビタミン含有ソフトカプセル剤において、カプセル皮膜の水分含量を8質量%以下に調整する、前記ビタミンB12類の安定化方法。
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