JP2024064782A - 抵抗変化素子の書き込み回路、及び半導体装置 - Google Patents

抵抗変化素子の書き込み回路、及び半導体装置 Download PDF

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竜介 根橋
利司 阪本
信 宮村
旭 白
一訓 船橋
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Abstract

【課題】抵抗変化素子の抵抗状態を変化させる書き込み動作を行う際に、抵抗変化素子の素子破壊を抑制しつつ、書き込み時間を短縮する。【解決手段】書き込み電流経路30は、書き込み電圧Vwと接地電圧VSSとの間に抵抗変化素子R0と書き込みトランジスタM0とが直列に接続され、書き込み動作を行うための書き込み電流Iwが流れる。レプリカ電流経路20は、書き込みトランジスタM0と略同一特性のレプリカ書き込みトランジスタMR0のドレイン端子が電流源12に接続され、ソース端子が接地電圧VSSに接続され、書き込み電流Iwの電流値に基づいて設定されたレプリカ電流Iwrが流れる。差動アンプ11は、書き込み電圧Vwが反転入力端子に接続され、電流源12の出力端子の電圧が非反転入力端子に接続され、出力端子からの制御電圧Vbを書き込みトランジスタM0及びレプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート端子にそれぞれ供給する。【選択図】図5

Description

本発明は、抵抗変化素子を用いたメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の半導体装置に関し、特に、抵抗変化素子の抵抗状態を変化させる書き込み動作を行うための抵抗変化素子の書き込み回路に関するものである。
近年、印加される電圧の向きに応じて低抵抗状態と高抵抗状態との間で遷移して、電源が供給されていない状態でも設定された抵抗状態を保持可能な不揮発性の抵抗変化素子を用いたメモリやフィールドプログラマブルゲートアレイが知られている。
特許文献1、特許文献2、および非特許文献1には、配線層に形成された抵抗変化素子により、半導体集積回路の製造後に配線接続の変更を可能とするプログラマブル論理集積回路が開示されている。このようなプログラマブル論理集積回路によれば、製造後の回路の不具合の修正や仕様の変更、半導体集積回路の面積の縮小や電力性能比の向上、さらには、起動時の回路構成情報を読み出す動作の省略が可能となる。
非特許文献2には、配線層に形成された抵抗変化素子を用いた半導体メモリ回路が開示されている。抵抗変化素子を用いた半導体メモリ回路には、書き込み時間が短いという特徴がある。
ここで、抵抗変化素子を用いたメモリ回路に対するデータの書き込み方法として、正常にデータが書き込まれるまで、書き込み動作と、正常にデータが書き込まれたかを確認するための読み出し動作を繰り返すベリファイ書き込み方法が知られている。このようなベリファイ書き込みを行う際に、データの書き込みを繰り返す毎に徐々に書き込み電圧、書き込み電流、書き込みパルス幅を増加することにより、半導体プロセス起因の素子特性のばらつきや、動作電圧や環境温度の変動に対して、安定して書き込みが行うことができる技術が知られている(例えば非特許文献3参照。)。
特開2005-101535号公報 特許第6934258号公報
S.Kaeriyama et al., "A Nonvolatile Programmable Solid-Electrolyte Nanometer Switch", IEEE Journal of Solid-State Circuits,Vol.40(1),pp.168-176,(2005). M. Tada, "NanoBridge Technology for Embedded Nonvolatile Memory Application", IEEE International Memory Workshop, pp. 101-104., (2022). Y. Y. Chen et al., "Tailoring switching and endurance / retention reliability characteristics of HfO2 / Hf RRAM with Ti, Al, Si dopants," 2014 Symposium on VLSI Technology (VLSI-Technology): Digest of Technical Papers, 2014, pp. 1-2.
しかし、このような抵抗変化素子では、書き込み電圧が高すぎたり、書き込み電流が大きすぎたりすると、素子破壊が起きてしまう可能性がある。そのため、ベリファイ書き込みを行う場合には、半導体プロセス起因の素子特性ばらつき、動作電圧や環境温度の変動に対して、過剰な書き込み電圧や書き込み電流起因の素子の破壊が起きないように、十分マージンを設けた条件から書き込み動作を開始する必要がある。そのため、繰り返し回数が増加し、書き込み時間が増加するという課題がある。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、抵抗変化素子の抵抗状態を変化させる書き込み動作を行う際に、抵抗変化素子の素子破壊を抑制しつつ、書き込み時間を短縮することが可能な抵抗変化素子の書き込み回路、及び半導体装置を提供することである。
本発明の抵抗変化素子の書き込み回路は、2つの電極間に印加される電圧の向きに応じて抵抗状態が変化する抵抗変化素子に対して、抵抗状態を低抵抗状態から高抵抗状態に変化させる書き込み動作を行うための抵抗変化素子の書き込み回路であって、
前記抵抗変化素子に対する書き込み動作を行うための書き込み電圧と当該書き込み電圧よりも低い接地電圧との間に前記抵抗変化素子と書き込みトランジスタとが直列に接続され、前記抵抗変化素子の書き込み動作を行うための書き込み電流が流れる書き込み電流経路と、
電流源と、
前記書き込みトランジスタと略同一特性のレプリカ書き込みトランジスタを有し、前記レプリカ書き込みトランジスタのドレイン端子が前記電流源に接続され、前記レプリカ書き込みトランジスタのソース端子が前記接地電圧に接続され、前記抵抗変化素子に流したい書き込み電流の電流値に基づいて設定されたレプリカ電流が流れるレプリカ電流経路と、
前記書き込み電圧が反転入力端子に接続され、前記電流源の出力端子の電圧が非反転入力端子に接続され、出力端子から出力された制御電圧を前記書き込みトランジスタ及び前記レプリカ書き込みトランジスタのゲート端子にそれぞれ供給する差動増幅器とを有する。
本発明の他の抵抗変化素子の書き込み回路は、前記抵抗変化素子が、
活性電極である第1電極と、
不活性電極である第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、前記第1電極を構成する金属元素が拡散可能な固体電解質を含む抵抗変化層と、によって構成され、
前記第1電極の電位が前記第2電極よりも第1閾値電圧分だけ高くなると、前記第1電極を構成する金属元素が前記抵抗変化層に拡散することにより金属架橋が形成されて低抵抗状態となり、
前記第2電極の電位が前記第1電極よりも第2閾値電圧分だけ高くなると、前記抵抗変化層に形成された金属架橋が切断されることにより高抵抗状態となる素子であってもよい。
また、本発明の他の抵抗変化素子の書き込み回路は、前記レプリカ電流が、前記書き込み電流よりも大きな電流値に設定されるとともに、前記抵抗変化素子の低抵抗状態における抵抗値の値に応じて設定されるものであってもよい。
また、本発明の他の抵抗変化素子の書き込み回路は、前記レプリカ電流が、前記抵抗変化素子の低抵抗状態における抵抗値のばらつき範囲内に、前記抵抗変化素子において発生する発熱量が最大となる抵抗値が含まれるように設定されるものであってもよい。
また、本発明の抵抗変化素子の書き込み回路は、前記レプリカ電流が、前記抵抗変化素子の低抵抗状態における抵抗値のばらつき範囲よりも、前記抵抗変化素子において発生する発熱量が最大となる抵抗値が小さくなるように設定されるものであってもよい。
また、本発明の他の抵抗変化素子の書き込み回路は、前記レプリカ書き込みトランジスタのゲート幅とゲート長が、それぞれ、前記書き込みトランジスタのゲート幅とゲート長と略同一の場合に設定される前記レプリカ電流の電流値がIwrであり、前記書き込みトランジスタのゲート幅とゲート長の比が前記レプリカ書き込みトランジスタのゲート幅とゲート長の比のK倍である場合、前記レプリカ電流の電流値はIwr/Kに設定されるものであってもよい。
さらに、本発明の他の抵抗変化素子の書き込み回路は、2つの電極間に印加される電圧の向きに応じて抵抗状態が変化する抵抗変化素子とセルトランジスタとから構成される複数のメモリセルがビット線対とワード線の交点にそれぞれ配置された記憶装置において、前記抵抗変化素子に対して、抵抗状態を低抵抗状態から高抵抗状態に変化させる書き込み動作を行うための抵抗変化素子の書き込み回路であって、
カラム選択信号により選択されたビット線対に対して所定の電圧を印加するために配置され、前記抵抗変化素子に対する書き込み動作を行うための書き込み電圧に接続されたソース側カラムデコーダと、当該書き込み電圧よりも低い接地電圧に接続されたシンク側カラムデコーダとから構成されたカラムデコーダと、
ロウ選択信号により選択されたワード線に対して所定の電圧を印加するロウデコーダと、を備え、
前記書き込み電圧と前記接地電圧との間に、前記ソース側カラムデコーダ内の第1トランジスタと、前記セルトランジスタと、前記抵抗変化素子と、前記シンク側カラムデコーダ内の書き込みトランジスタと第2トランジスタとが直列に接続され、前記抵抗変化素子の書き込み動作を行うための書き込み電流が流れる書き込み電流経路が形成され、
さらに、電流源と、
前記第1トランジスタと略同一特性の第1レプリカトランジスタと、前記セルトランジスタと略同一特性のレプリカセルトランジスタと、前記書き込みトランジスタと略同一特性のレプリカ書き込みトランジスタと、前記第2トランジスタと略同一特性の第2レプリカトランジスタとが、前記電流源と前記接地電圧との間に直列に接続され、前記抵抗変化素子に流したい書き込み電流の電流値に基づいて設定されたレプリカ電流が流れるレプリカ電流経路と、
前記書き込み電圧が反転入力端子に接続され、前記電流源の出力端子の電圧が非反転入力端子に接続され、出力端子から出力された制御電圧を前記書き込みトランジスタ及びレプリカ書き込みトランジスタのゲート端子にそれぞれ供給する差動増幅器と、を備え、
前記第1トランジスタのゲート端子と前記第1レプリカトランジスタのゲート端子には、動作状態をオン状態とするための同一電圧のカラム選択信号が印加され、前記セルトランジスタのゲート端子と前記レプリカセルトランジスタのゲート端子には、動作状態をオン状態とするための同一電圧のロウ選択信号が印加され、前記第2トランジスタのゲート端子と前記第2レプリカトランジスタのゲート端子には、動作状態をオン状態とするための同一電圧のカラム選択信号が印加される。
また、本発明の他の抵抗変化素子の書き込み回路は、2つの電極間に印加される電圧の向きに応じて抵抗状態が変化する抵抗変化素子とセルトランジスタとから構成される複数のメモリセルがビット線対とワード線の交点にそれぞれ配置された記憶装置において、前記抵抗変化素子に対して、抵抗状態を低抵抗状態から高抵抗状態に変化させる書き込み動作を行うための抵抗変化素子の書き込み回路であって、
カラム選択信号により選択されたビット線対に対して所定の電圧を印加するために配置され、前記抵抗変化素子に対する書き込み動作を行うための書き込み電圧に接続されたソース側カラムデコーダと、当該書き込み電圧よりも低い接地電圧に接続されたシンク側カラムデコーダとから構成されたカラムデコーダと、
ロウ選択信号により選択されたワード線に対して所定の電圧を印加するロウデコーダと、を備え、
前記書き込み電圧と前記接地電圧との間に、前記ソース側カラムデコーダ内の第1トランジスタと、前記セルトランジスタと、前記抵抗変化素子と、前記シンク側カラムデコーダ内の第2トランジスタとが直列に接続され、前記抵抗変化素子の書き込み動作を行うための書き込み電流が流れる書き込み電流経路が形成され、
さらに、電流源と、
前記第1トランジスタと略同一特性の第1レプリカトランジスタと、前記セルトランジスタと略同一特性のレプリカセルトランジスタと、前記第2トランジスタと略同一特性の第2レプリカトランジスタとが、前記電流源と前記接地電圧との間に直列に接続され、前記抵抗変化素子に流したい書き込み電流の電流値に基づいて設定されたレプリカ電流が流れるレプリカ電流経路と、
前記書き込み電圧が反転入力端子に接続され、前記電流源の出力端子の電圧が非反転入力端子に接続され、出力端子から出力された制御電圧を前記レプリカセルトランジスタのゲート端子に供給するとともに、前記セルトランジスタのゲート端子に前記ロウデコーダを経由して供給する差動増幅器と、を備え、
前記第1トランジスタのゲート端子と前記第1レプリカトランジスタのゲート端子には、動作状態をオン状態とするための同一電圧のカラム選択信号が印加され、前記第2トランジスタのゲート端子と前記第2レプリカトランジスタのゲート端子には、動作状態をオン状態とするための同一電圧のカラム選択信号が印加される。
また、本発明の他の抵抗変化素子の書き込み回路は、前記レプリカ電流経路が、前記書き込みトランジスタと略同一特性のレプリカ書き込みトランジスタと選択トランジスタとを有し前記電流源の出力端子と前記接地電圧との間に並列に接続された複数の部分経路により構成されるようにしてもよい。
さらに、本発明の他の抵抗変化素子の書き込み回路は、前記複数の選択トランジスタのゲート端子にそれぞれ入力される選択信号により、前記複数の選択トランジスタのうち1つの選択トランジスタのみが導通状態となり、導通状態となる選択トランジスタが予め設定された時間毎に順次切り替わるように制御されるようにしてもよい。
本発明の半導体装置は、上記のいずれか1つの抵抗変化素子の書き込み回路が半導体集積回路として構成されている。
本発明によれば、抵抗変化素子の抵抗状態を変化させる書き込み動作を行う際に、抵抗変化素子の素子破壊を抑制しつつ、書き込み時間を短縮することが可能となる。
抵抗変化素子100の構造を説明するための図である。 抵抗変化素子100に対するセット動作を行う様子を説明するための図である。 抵抗変化素子100に対するリセット動作を行う様子を説明するための図である。 抵抗変化素子100の電圧・電流特性の変化を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路の構成を示す回路図である。 レプリカ書き込みトランジスタMR0におけるドレイン-ソース間電圧Vdsとドレイン-ソース間電流Idsの関係を例示する図である。 書き込みトランジスタM0が飽和領域で動作する場合におけるドレイン-ソース間電圧Vdsに対する、ドレイン-ソース間電流Idsの関係を例示する図である。 書き込みトランジスタM0が線形領域で動作する場合におけるドレイン-ソース間電圧Vdsに対する、ドレイン-ソース間電流Idsの関係を例示する図である。 抵抗RminとRmaxの間にRpmaxを設定した場合の、電力Pと抵抗変化素子R0の抵抗Rの関係を示す図である。 抵抗Rminに比べ、Rpmaxが小さくなるように設定した場合の、電力Pと抵抗変化素子R0の抵抗Rの関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態の半導体装置の機能構成を示すブロック図である。 セルアレイ44における1行1列のメモリセル50に対して書き込み動作をする際の回路のみを示す図である。 本発明の第2の実施形態の半導体装置においてリセット動作に関連する回路のみを示す回路図である。 比較例1の回路構成を示す図である。 比較例2の回路構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態の変形例において、1行1列のメモリセル50Aに対して書き込み動作をする際の回路のみを示す図である。 本発明の第2の実施形態の変形例においてリセット動作に関連する回路のみを示す回路図である。 比較例1、2、第2の実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路、第2の実施形態の変形例の抵抗変化素子の書き込み回路における、リセット動作時の書き込み電流Iwのばらつきを示す図である。 本発明の第3の実施形態の半導体装置における抵抗変化素子の書き込み回路について説明する。本実施形態の半導体装置の機能構成のブロック図である。 セルアレイ44における1行1列のメモリセル50Aに対して書き込み動作をする際の回路のみを示す図である。 本発明の第3の実施形態の半導体装置においてリセット動作に関連する回路のみを示す回路図である。 本発明の第4の実施形態の半導体装置における抵抗変化素子の書き込み回路の構成を示す回路図である。 選択信号SXBの波形の一例を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路について説明する前に、抵抗変化素子の構造について説明する。
抵抗変化素子100は、図1に示されるように、金属イオンが電界などによって自由に移動することのできる固体電解質93と、この固体電解質93を挟んで対向する第1電極91、及び第2電極92とを有する。第1電極91は、固体電解質93に対して金属イオンを供給可能な活性電極であり、例えば、銅(Cu)により構成されている。また、第2電極92は、固体電解質93に対して金属イオンを供給不可能な不活性電極であり、例えば、ルテニウム(Ru)により構成されている。そして、第1電極91は第1端子101に接続され、第2電極92は第2端子102に接続されている。
この抵抗変化素子100では、図2に示すように、第2電極92(第2端子102)をグランド電位として第1電極91(第1端子101)側に正電圧を印加すると、第1電極91の銅がイオン化して固体電解質93内に移動して電気化学反応により金属として析出する。析出した金属により、第1電極91と第2電極92との間に金属架橋(フィラメント、導電性パスとも呼ばれる。)が形成される。この時の電圧を第1閾値電圧、または、セット電圧と定義する。その結果、抵抗変化素子100は、高抵抗状態(オフ状態)から低抵抗状態(オン状態)に抵抗状態が遷移する。この高抵抗状態(オフ状態)から低抵抗状態(オン状態)に抵抗状態が遷移する動作はセット動作と呼ばれる。
逆に、この抵抗変化素子100では、図3に示されるように、第1電極91(第1端子101)をグランド電位として第2電極92(第2端子102)側に正電圧を印加すると、金属架橋を構成していた銅原子が銅電極である第1電極91側に回収され、金属架橋が切断される。その結果、抵抗変化素子100は、低抵抗状態(オン状態)から高抵抗状態(オフ状態)に抵抗状態が遷移する。この低抵抗状態(オン状態)から高低抵抗状態(オフ状態)に抵抗状態が遷移する動作はリセット動作と呼ばれる。なお、第1電極91と第2電極92との間の電気的接続が完全に切れる前の段階から第1電極91と第2電極92間の抵抗が大きくなったり静電容量が変化したりするなどの電気特性の変化が生じ、最終的に第2閾値電圧、または、リセット電圧により電気的接続が切断される。このオフ状態である高抵抗状態からオン状態である低抵抗状態とするには、再び第2電極92を接地して第1電極91に正電圧を印加すればよい(再セット動作)。
このように、抵抗変化素子100は、活性電極である第1電極91と、不活性電極である第2電極92と、第1電極91と第2電極92との間に配置され、第1電極91を構成する金属元素が拡散可能な固体電解質93を含む抵抗変化層と、によって構成されている。そして、抵抗変化素子100では、第1電極91の電位が第2電極92よりも第1閾値電圧分だけ高くなると、第1電極91を構成する金属元素が抵抗変化層に拡散することにより金属架橋が形成されて低抵抗状態となる。また、第2電極92の電位が第1電極91よりも第2閾値電圧分だけ高くなると、抵抗変化層に形成された金属架橋が切断されることにより高抵抗状態となる。
このようなバイポーラ特性を有する抵抗変化素子100の電圧・電流特性の変化を図4のグラフに示す。
この抵抗変化素子100は、図4に示すように、電圧を印加する方向を変えるだけで繰り返し抵抗状態を変化させることが可能であり、オン状態・オフ状態を維持するための電力を必要としない不揮発性を有している。そして、抵抗変化素子100は、オン状態では例えば1000Ω、オン状態では例えば100MΩ程度の抵抗値となるため、オン・オフ抵抗差が大きいという電気特性を有している。そのため、抵抗変化素子100を用いて、論理信号を切り替えるためのスイッチ素子を実現したり、データを記憶するためのメモリ回路を実現したりすることが可能である。
次に、このような抵抗変化素子100を低抵抗状態から高抵抗状態に遷移するリセット動作を行うための抵抗変化素子の書き込み回路について説明する。
なお、以下において説明する本実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路は、半導体装置上において半導体集積回路として構成される。
図5は本発明の第1の実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路の構成を示す回路図である。
本実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路は、2つの電極間に印加される電圧の向きに応じて抵抗状態が変化する抵抗変化素子R0に対して、抵抗状態を低抵抗状態から高抵抗状態に変化させる書き込み動作(リセット動作)を行うための回路である。
本実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路は、図5に示されるように、差動アンプ(差動増幅器)11と、電流源12と、レプリカ電流経路20と、書き込み電流経路30とから構成されている。
書き込み電流経路30は、抵抗変化素子R0に対する書き込み動作を行うための書き込み電圧Vwと、この書き込み電圧Vwよりも低い接地電圧VSSとの間に抵抗変化素子R0と書き込みトランジスタM0とが直列に接続され、抵抗変化素子R0の書き込み動作を行うための書き込み電流Iwが流れるように構成されている。
抵抗変化素子R0の第1端子は、書き込みトランジスタM0のドレイン端子に接続され、抵抗変化素子R0の第2端子には書き込み電圧Vwが印加される。また、書き込みトランジスタM0のソース端子は、接地電圧VSSに接続される。抵抗変化素子R0に対する書き込み動作を行うための書き込み電流Iwは、抵抗変化素子R0の第2端子と第1端子間を流れるとともに、書き込みトランジスタM0のソース端子とドレイン端子間を流れる。
抵抗変化素子R0は、第1端子と第2端子間を流れる書き込み電流Iwの極性、もしくは、第1端子と第2端子間に印加される電圧の極性により、第1端子と第2端子間の抵抗状態を低抵抗状態から高抵抗状態へ変化、もしくは、高抵抗状態から低抵抗状態へ変化する。
レプリカ電流経路20は、書き込みトランジスタM0と略同一特性のレプリカ書き込みトランジスタMR0を有し、レプリカ書き込みトランジスタMR0のドレイン端子が電流源12に接続され、レプリカ書き込みトランジスタMR0のソース端子が接地電圧VSSに接続され、抵抗変化素子R0に流したい書き込み電流Iwの電流値に基づいて設定されたレプリカ電流Iwrが流れるように構成されている。レプリカ電流Iwrは、レプリカ書き込みトランジスタMR0のソース端子とドレイン端子間を流れる。
差動アンプ11は、書き込み電圧Vwが反転入力端子に接続され、電流源12の出力端子の電圧が非反転入力端子に接続され、出力端子から出力された制御電圧Vbを書き込みトランジスタM0及びレプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート端子にそれぞれ供給するように構成されている。尚、差動アンプ11の入力インピーダンスは高く設定でき、差動アンプ11の入力端子に流れ込む電流は十分小さくできる。
電流源12は、レプリカ電流経路20に流れるレプリカ電流Iwrを供給する。
そして、電流源12、差動アンプ11、レプリカ電流経路20により、電圧制御回路10が構成されている。
次に、本実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路の動作について図面を参照して詳細に説明する。
まず、抵抗変化素子R0と書き込みトランジスタM0が直列に接続された書き込み電流経路30に書き込み電圧Vwを印加して、書き込みトランジスタM0を単純にオンさせた場合について説明する。
この場合、抵抗変化素子R0に流れる書き込み電流Iwは、抵抗変化素子R0の抵抗値、書き込みトランジスタM0のオン抵抗の抵抗値、書き込み電圧Vwの電圧値等により変動する。そして、これらの抵抗値、電圧値等は、半導体製造プロセス起因の素子特性のばらつき、動作電圧や環境温度のばらつき等により変化する。そのため、書き込み電流Iwも半導体製造プロセス起因の素子特性のばらつき、動作電圧や環境温度のばらつき等により変化する。そして、書き込み電流Iwが大きすぎると抵抗変化素子R0の素子破壊が発生してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路では、上述したような回路構成とすることにより、書き込み電流Iwを、半導体製造プロセス起因の素子特性のばらつき、動作電圧や環境温度のばらつき等による影響を受けることなく安定した電流値とすることにより、抵抗変化素子R0の素子破壊を抑制しつつ、書き込み時間を短縮することができるようにしている。
ここで、レプリカ電流Iwrは、抵抗変化素子R0に流そうとする書き込み電流Iwよりも大きな電流値に設定されるとともに、抵抗変化素子R0の低抵抗状態における抵抗値の値に応じて設定される。
例えば、書き込み電流Iwを数百μAとしたい場合に、電流源12の電流値を1mA程度に設定する。すると、電流源12の電流値に近い電流がレプリカ電流Iwrとしてレプリカ電流経路20に流れ、レプリカ電流Iwrに応じた書き込み電流Iwが書き込み電流経路30に流れる。
以下において、本実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路により、トランジスタのデバイスパラメータの変動等によりレプリカ電流Iwrが影響を受けずに安定的である理由について説明する。
制御電圧Vbは、差動アンプ11により、レプリカ電流経路20に印加される電圧Vwrを書き込み電圧Vwと同じ電圧に保つように制御される。具体的には、レプリカ書き込みトランジスタMR0がレプリカ電流Iwrを流している状態で、電圧Vwrが書き込み電圧Vwより高い場合、差動アンプ11は電圧Vwrと書き込み電圧Vwの電圧差に応じて制御電圧VbをΔVbだけ高くする。すると、レプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート-ソース間電圧はΔVbだけ高くなるので、レプリカ書き込みトランジスタMR0が一定のレプリカ電流Iwrを流すために、ドレイン-ソース間電圧は減少する。その結果、電圧Vwrは減少し、電圧Vwrは書き込み電圧Vwに近づくことになる。
図6に、レプリカ書き込みトランジスタMR0におけるドレイン-ソース間電圧Vdsとドレイン-ソース間電流Idsの関係を例示する。レプリカ書き込みトランジスタMR0の相互コンダクタンス(トランスコンダクタンス)をgm、出力抵抗をroとする。まず、図6中におけるドレイン-ソース間電流特性1上の点Aの状態にいる時に、ゲート-ソース間電圧がΔVbだけ高くなると、ΔIw=gm×ΔVbだけ電流が多い、ドレイン-ソース間電流特性2に変化する。電流源12からレプリカ電流Iwrが供給され、レプリカ書き込みトランジスタMR0はレプリカ電流Iwrを流すため、ドレイン-ソース間の電圧が-gm×ΔVb×roだけ変化した点Bの状態に移行する。つまり、電圧Vwrの変化ΔVwrは-gm×ΔVb×roである。
逆に、電圧Vwrが書き込み電圧Vwより低い場合、同様の動作が行われることにより、電圧Vwrは増加し、電圧Vwrは書き込み電圧Vwに近づく。上記の動作説明から明らかなように、レプリカ書き込みトランジスタMR0のデバイスパラメータの変動に対して、レプリカ電流Iwrと電圧Vwrは安定である。
また、レプリカ電流Iwrは書き込み電圧Vwの変動に対して安定である。なぜならば、書き込み電圧VwがΔVwだけ高くなると、レプリカ書き込みトランジスタMR0が一定のレプリカ電流Iwrを流すために、差動アンプ11は出力端子から出力する制御電圧VbをΔVbだけ減少させる。逆に電圧VwがΔVwだけ低くなると、レプリカ書き込みトランジスタMR0が一定の電流Iwrを流すために、差動アンプ11は出力端子から出力する制御電圧VbをΔVbだけ増加する。
このように、制御電圧Vbを用いることにより、書き込み電流Iwは書き込みトランジスタM0の製造プロセスや環境温度によるデバイスパラメータの変化に対して、安定性が向上する。説明のため、抵抗変化素子R0の抵抗値が十分低く、かつ、書き込みトランジスタM0のゲート長とレプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート長は同一であり、かつ、書き込みトランジスタM0のゲート幅とレプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート幅は同一であるものとして説明する。この場合、レプリカ電流経路20と、書き込み電流経路30はほぼ等価である。書き込みトランジスタM0は、レプリカ書き込みトランジスタMR0と同一特性であるため、トランジスタ間のローカルばらつきを除いて、グローバルばらつきや環境温度の変動による、デバイスパラメータの変動はほぼ同じであることが期待される。したがって、書き込み電流Iwの電流値は、レプリカ電流Iwrの電流値とほぼ同じ値となる。そして、上記でも説明したようにレプリカ電流Iwrの電流値はプロセスや環境温度によるデバイスパラメータの変動に対して安定であるので、書き込み電流Iwも、プロセスや環境温度によるデバイスパラメータの変動に対して安定となる。
また、書き込み電流Iwは書き込み電圧Vwに対しても、安定性が向上する。説明のため、抵抗変化素子R0の抵抗値が十分低く、かつ、書き込みトランジスタM0のゲート長とレプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート長は同一であり、かつ、書き込みトランジスタM0のゲート幅とレプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート幅は同一であるものとして説明する。この場合、レプリカ電流経路20と、書き込み電流経路30はほぼ等価である。したがって、書き込み電流Iwは、レプリカ電流Iwrとほぼ同じ値である。前述の通り、レプリカ電流Iwrは書き込み電圧Vwの変動に対して安定であるので、書き込み電流Iwも、書き込み電圧Vwの変動に対して安定となる。
尚、抵抗変化素子R0の抵抗値が0ではなく、有限の値Rの場合、書き込みトランジスタM0のソース―ドレイン間電圧は書き込み電圧Vwの電圧値から減少するため、書き込み電流Iwはレプリカ電流Iwrに比べ小さい。図7に、書き込みトランジスタM0が飽和領域で動作し、オン抵抗roの場合のドレイン-ソース間電圧Vdsに対する、ドレイン-ソース間電流Idsの関係を例示する。抵抗変化素子R0の抵抗値が0の場合、動作点は点Aの状態であり、前述の通り、ドレイン-ソース間電圧Vdsは書き込み電圧Vwとなり、ドレイン-ソース間電流Idsとしてレプリカ電流Iwrが流れる。これに対して、抵抗変化素子R0の抵抗値がRの場合、点Aに比べて、書き込みトランジスタM0のドレイン-ソース間電圧VdsはIw×Rだけ減少した点Bの状態に変化する。ドレイン-ソース間電流Idsは、点Aに比べて、電流ΔIw=(1/ro)×Iw×Rだけ減少する。したがって、レプリカ電流Iwrは抵抗変化素子R0に流そうとする目標の書き込み電流Iwに比べて、ΔIwだけ大きな電流値に設定しておくことが望ましい。
次に、図8に、書き込みトランジスタM0が線形領域で動作し、ゲート-ソース間電圧Vgsから閾値電圧Vthを引いた値が書き込み電圧Vwより小さい場合を示す。説明を簡単にするためオン抵抗roは無限大とした。抵抗変化素子R0の抵抗値が0の場合、点Aの状態であり、前述の通り、ドレイン-ソース間電圧Vdsは書き込み電圧Vwとなり、ドレイン-ソース間電流Idsはレプリカ電流Iwrと同じ電流値の書き込み電流Iwが流れる。抵抗変化素子R0の抵抗値がRの場合、点Aに比べて、ドレインーソース間電圧VdsはIw×Rだけ減少した点Bの状態に変化する。ドレイン-ソース間電流Idsは、点Aに比べて、電流ΔIw=0.5×β×((Vgs-Vth)-(Vw-Iw×R)2だけ減少する。βはプロセス定数やトランジスタのゲートサイズに依存した係数である。したがって、レプリカ電流Iwrはターゲットの書き込み電流Iwに比べて、ΔIwだけ大きな電流値に設定しておくことが望ましい。
尚、リセット動作時、抵抗変化素子R0で消費される電力Pによってジュール熱が発生し、そのジュール熱により、金属架橋の一部を切断できるようにレプリカ電流Iwrを設定してもよい。図9に、電力Pと抵抗変化素子R0の抵抗Rの関係を例示している。抵抗変化素子R0で消費される電力PはR×Iw2と表される。ここで、電力Pは、図7、もしくは、図8の点B、点C、点D、点Eを頂点とする四角形BCDEの面積に相当する。抵抗変化素子R0の抵抗値が十分小さい時、四角形BCDEの面積はほぼ0である。抵抗変化素子R0の抵抗値が大きくなると、面積BCDEは大きくなり、やがて面積BCDEは減少に転ずる。そのため、抵抗変化素子R0で消費される電力P(=R×Iw2)は、抵抗RがRpmaxの時に最大値をとる。ここで、半導体装置内の複数個の抵抗変化素子のばらつき範囲が抵抗Rminから抵抗Rmaxまでの分布を有する場合、図9に示すように抵抗RminとRmaxの間にRpmaxを設定する。このようにすることにより、抵抗値Rがばらついても、電力Pのばらつきは低く抑えることができる。また、電力Pの最大値Rpmax×Iw2が金属架橋の一部を切断できるように設定してもよい。
具体的には、レプリカ電流Iwrは、抵抗変化素子R0の低抵抗状態における抵抗値のばらつき範囲内に、抵抗変化素子R0において発生する発熱量(ジュール熱)が最大となる抵抗値が含まれるように設定するようにしてもよい。
また、図10に示すように抵抗Rminに比べ、Rpmaxが小さくなるように設定してもよい。金属架橋の形状を1本の円柱形状と仮定すると、抵抗値が低いほど金属架橋の太さが太く、熱的に安定で、金属架橋の一部を切断するためには、より大きなジュール熱が必要になると推測される。したがって、抵抗Rが小さいほど、高いジュール熱が得られるように、抵抗のRminに比べ、Rpmaxが小さくなるように設定する。また、抵抗Rminは、セット動作後の抵抗値の分布の最小値だけでなく、リセット動作後の抵抗値の分布の最小値を含めて決定してもよい。上述した特許文献2には、リセット時の不良モードとして、リセット動作によって、抵抗値が低くなる抵抗変化素子が発生することが開示されている。
具体的には、レプリカ電流Iwrは、抵抗変化素子R0の低抵抗状態における抵抗値のばらつき範囲よりも、抵抗変化素子R0において発生する発熱量が最大となる抵抗値が小さくなるように設定するようにしてもよい。
なお、書き込みトランジスタM0のゲート長とレプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート長は必ずしも同一である必要はない。また、書き込みトランジスタM0のゲート幅とレプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート幅は必ずしも同一である必要はない。例えば、書き込みトランジスタM0のゲート長L0と、ゲート幅W0の比(W0/L0)が、レプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート長LR0と、ゲート幅WR0の比(WR0/LR0)のK倍の場合、レプリカ電流IwrはIwr(K=1)/Kとすればよく、書き込み電流IwはIwr(K=1)となる。ここで、Iwr(K=1)は書き込みトランジスタM0のゲート長とレプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート長が同一であり、かつ、書き込みトランジスタM0のゲート幅とレプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート幅が同一である場合のレプリカ電流Iwrの値である。これにより、電圧制御回路10の消費電力を低減することができる。
このような場合には、レプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート幅とゲート長が、それぞれ、書き込みトランジスタM0のゲート幅とゲート長と略同一の場合に設定されるレプリカ電流Iwrの電流値をIwrとし、書き込みトランジスタM0のゲート幅とゲート長の比がレプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート幅とゲート長の比のK倍である場合、レプリカ電流Iwrの電流値はIwr/Kに設定される。
さらに、本実施形態では、抵抗変化素子R0に印加される最大電圧は書き込み電圧Vwに制限することができる。具体的には、書き込み電圧Vwは、抵抗変化素子R0と書き込みトランジスタM0で分圧されるが、抵抗変化素子R0の抵抗値が十分大きい場合、ほぼ書き込み電圧Vwと等しい電圧が抵抗変化素子R0に印加されることになる。特に、抵抗変化素子R0は抵抗変化比が大きいため、リセット動作時に、高抵抗状態に遷移して抵抗値が大きくなると、抵抗変化素子R0が破壊される可能性がある。したがって、書き込み電圧Vwは素子破壊が起きないような電圧に設定することが望ましい。書き込み電圧Vwは、半導体製造プロセス、動作電圧、環境温度に依存しないように一般的な電源回路により生成できるため、本実施形態の半導体装置は、半導体製造プロセス、動作電圧、環境温度に対して、安定して、書き込み電圧Vwを抵抗変化素子R0の素子破壊が起きないような電圧に容易に設定することができる。
尚、図1に示した第1の実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路を示す回路図において、抵抗変化素子R0が書き込みトランジスタM0のドレイン端子に接続されているが、必ずしもこの構成である必要はない。抵抗変化素子R0が書き込みトランジスタM0のソース端子に接続されるように構成してもよい。
尚、図1に示した第1の実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路を示す回路図において、抵抗変化素子R0の第1端子が、書き込みトランジスタM0のドレイン端子に接続されており、書き込み電流Iwが流れることにより、抵抗変化素子R0は低抵抗状態から、高抵抗状態へ遷移する場合について説明した。しかし、抵抗変化素子の第2端子が、書き込みトランジスタM0のドレイン端子に接続され、書き込み電流Iwが流れることにより、抵抗変化素子R0が高抵抗状態から、低抵抗状態へ遷移するような回路構成としてもよい。
このように、本実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路によれば、抵抗変化素子R0の素子破壊を抑制しつつ、半導体製造プロセス、環境温度、動作電圧に対して安定した書き込み電流Iwが実現される。その結果、抵抗変化素子R0に対して書き込み動作を行う際の、ベリファイ書き込みの書き込み電圧や電流のマージンを削減し、書き込み時間を短縮することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態の半導体装置について説明する。
本実施形態の半導体装置は、上述したような抵抗変化素子とセルトランジスタとから構成される複数のメモリセルがビット線対とワード線の交点にそれぞれ配置された記憶装置を構成したものである。そして、本実施形態における抵抗変化素子の書き込み回路は、このような構成の記憶装置において、抵抗変化素子に対して、抵抗状態を低抵抗状態から高抵抗状態に変化させる書き込み動作を行うための回路である。
まず、本実施形態の半導体装置の機能構成を図11に示したブロック図を参照して説明する。
本実施形態の半導体装置は、図11に示されるように、制御回路41と、ロウデコーダ42と、カラムデコーダ43と、セルアレイ44と、読み出し回路45と、電圧制御回路46とを備えている。
セルアレイ44は、複数のメモリセルから構成され、複数のビット線対BL、BLBと、複数のワード線WLに接続される。複数のメモリセルは、それぞれ抵抗変化素子とセルトランジスタとから構成され、ビット線対とワード線に接続される。
カラムデコーダ43は、複数のビット線対BL、BLBに接続される。カラムデコーダ43は、カラム選択信号に応じて、指定されたビット線対BL、BLBを選択し、所定の電圧を印加する。
つまり、カラムデコーダ43は、カラム選択信号により選択されたビット線対BL、BLBに対して所定の電圧を印加するために配置されている。
ロウデコーダ42は、複数のワード線WLに接続される。ロウデコーダ42は、ロウ選択信号に応じて、指定されたワード線WLを選択し、所定の電圧を印加する。つまり、ロウデコーダ42は、ロウ選択信号により選択されたワード線に対して所定の電圧を印加するように構成されている。
読み出し回路45は、カラムデコーダ43を介して、ビット線対BL、BLBに接続され、抵抗変化素子に読み出し電流を流すために、読み出し電圧を印加する。読み出し電流は抵抗変化素子の抵抗状態に応じて変化するので、リファレンス電流と比較することにより、抵抗変化素子の抵抗状態を判別する。読み出し回路45は読み出し結果を制御回路41に出力する。
制御回路41は、アドレス信号、書き込みデータ信号、コマンド信号などの外部制御信号を受け取り、読み出しデータを出力する。制御回路41は、アドレス信号に応じて、ロウ選択信号とカラム選択信号を生成してロウデコーダ42と、カラムデコーダ43にそれぞれ出力する。制御回路41は、外部制御信号に応じて、書き込み動作や読み出し動作を行うための内部制御信号を生成する。
電圧制御回路46は、安定した書き込みを実現するためのバイアス電圧Vb(SET)、Vb(RST)を生成する。
次に、セルアレイ44における1行1列のメモリセル50に対して書き込み動作をする際の回路のみを図12に示す。
セルアレイ44は、図12に示されるように、上下方向に延伸するビット線対BL0、BLB0と、左右方向に延伸するワード線WL0と、ビット線対BL0、BLB0とワード線WL0の交点に配置されるメモリセル50から構成される。メモリセル50は抵抗変化素子R0とセルトランジスタMCとから構成される。抵抗変化素子R0の第1端子がビット線BL0に、第2端子がセルトランジスタMCのソース端子、もしくは、ドレイン端子の一方に接続される。セルトランジスタMCのソース端子、もしくは、ドレイン端子の他方はビット線対の他方BLB0に接続される。セルトランジスタMCのゲート端子はワード線WL0に接続される。
カラムデコーダ43は、ソース側カラムデコーダ43Aと、シンク側カラムデコーダ43Bとから構成される。ソース側カラムデコーダ43Aは、抵抗変化素子R0に対する書き込み動作を行うための、セット動作時の書き込み電圧VSETと、リセット動作時の書き込み電圧VRSTに接続されている。また、シンク側カラムデコーダ43Bは、書き込み電圧VSET、VRSTよりも低い接地電圧VSSに接続されている。
ソース側カラムデコーダ43Aは、2つのトランジスタM1とM101を備える。トランジスタM1のソース端子はリセット動作時の書き込み電圧VRSTに接続され、ドレイン端子はビット線BLB0に接続され、ゲート端子はカラム選択信号C0B(RST)に接続される。トランジスタM101のソース端子はセット動作時の書き込み電圧VSETに接続され、ドレイン端子はビット線BL0に接続され、ゲート端子はカラム選択信号C0B(SET)に接続される。
シンク側カラムデコーダ43Bは、4つのトランジスタ、つまり、書き込みトランジスタM0と3つのトランジスタM2、M100、M103を備える。書き込みトランジスタM0のドレイン端子はビット線BL0に接続され、ソース端子はトランジスタM2のドレイン端子に接続され、ゲート端子はバイアス電圧Vb(RST)に接続される。トランジスタM2のソース端子は接地電圧VSSに接続され、ゲート端子はカラム選択信号C0(RST)に接続される。トランジスタM100のドレイン端子はビット線BLB0に接続され、ソース端子はトランジスタM102のドレイン端子に接続され、ゲート端子はバイアス電圧Vb(SET)に接続される。トランジスタM102のソース端子は接地電圧VSSに接続され、ゲート端子はカラム選択信号C0(SET)に接続される。
ロウデコーダ42は、トランジスタM4とM5から構成される。トランジスタM4のソース端子はワード線電圧VWLに接続され、ドレイン端子はワード線WL0に接続され、ゲート端子はロウ選択信号R0Bに接続される。トランジスタM5のソース端子は接地電圧VSSに接続され、ドレイン端子はワード線WL0に接続され、ゲート端子はロウ選択信号R0Bに接続される。
スタンバイ時、カラム選択信号C0(SET)、C0(RST)により、トランジスタM2とトランジスタM102は導通状態となり、ビット線対BL0、BLB0は接地される。カラム選択信号C0B(SET)、C0B(RST)により、トランジスタM1、M101は非導通状態となる。ロウ選択信号R0Bにより、トランジスタM5が導通状態、トランジスタM4が非導通状態となり、ワード線WL0が接地される。
セット動作時、抵抗変化素子R0が選択される場合、カラム選択信号C0(SET)により、トランジスタM102が導通状態となりビット線BLB0が接地される。カラム選択信号C0B(SET)により、トランジスタM101が導通状態となり、ビット線BL0がセット動作時の書き込み電圧VSETに接続される。そして、カラム選択信号C0(RST)、C0B(RST)により、トランジスタM2とトランジスタM1は非導通状態となる。そして、ロウ選択信号R0Bにより、トランジスタM5が非導通状態、トランジスタM4が導通状態となり、ワード線WL0がワード線電圧VWLに接続される。その結果、書き込み電流が、ビット線BL0から、抵抗変化素子R0とセルトランジスタMCを介して、ビット線BLB0へ流れる。
リセット動作時、抵抗変化素子R0が選択される場合、カラム選択信号C0(RST)により、トランジスタM2が導通状態となりビット線BL0が接地される。そして、カラム選択信号C0B(RST)により、トランジスタM1が導通状態となり、ビット線BLB0がリセット動作時の書き込み電圧VRSTに接続される。そして、カラム選択信号C0(SET)、C0B(SET)信号により、トランジスタM102とM101は非導通状態となる。そして、ロウ選択信号R0Bにより、トランジスタM5が非導通状態、トランジスタM4が導通状態となり、ワード線WL0がワード線電圧VWLに接続される。その結果、書き込み電流が、ビット線BLB0から、抵抗変化素子R0とセルトランジスタMCを介して、ビット線BL0へ流れる。
図13は、本発明の第2の実施形態の半導体装置においてリセット動作に関連する回路のみを示す回路図である。本実施形態の半導体装置は、書き込み電流Iwが流れる書き込み電流経路70と、電圧制御回路46とを備える。
書き込み電流経路70は、前述の通り、抵抗変化素子R0と、ソース側カラムデコーダ43A内のトランジスタM1と、メモリセル50内のセルトランジスタMCと、シンク側カラムデコーダ43B内の書き込みトランジスタM0とトランジスタM2を備える。抵抗変化素子R0の第1端子は、書き込みトランジスタM0のドレイン端子に接続される。書き込みトランジスタM0のソース端子は、トランジスタM2のドレイン端子に接続される。トランジスタM2のソース端子は、接地電圧VSSに接続される。トランジスタM1のソース端子はリセット動作時の書き込み電圧VRSTに接続され、ドレイン端子は、セルトランジスタMCのドレイン端子に接続される。セルトランジスタMCのソース端子は、抵抗変化素子R0の第2端子に接続される。つまり、書き込み電流経路70は、抵抗変化素子R0の第1端子と第2端子と、書き込みトランジスタM0のソース端子とドレイン端子と、トランジスタM1のソース端子とドレイン端子と、セルトランジスタMCのソース端子とドレイン端子と、トランジスタM2のソース端子とドレイン端子とが直列に接続される。
電圧制御回路46は、レプリカ電流Iwrを供給する電流源12と、差動アンプ11と、レプリカ電流Iwrが流れるレプリカ電流経路60を備える。
レプリカ電流経路60は、レプリカトランジスタMR1、レプリカセルトランジスタMRC、レプリカ書き込みトランジスタMR0、レプリカトランジスタMR2を備える。レプリカトランジスタMR1のソース端子はレプリカ電流経路60の第1端子に接続され、ドレイン端子は、レプリカセルトランジスタMRCのドレイン端子に接続される。レプリカセルトランジスタMRCのソース端子は、レプリカ書き込みトランジスタMR0のドレイン端子に接続される。レプリカ書き込みトランジスタMR0のソース端子は、レプリカトランジスタMR2のドレイン端子に接続される。MR2のソース端子はレプリカ電流経路60の第2端子に接続されるとともに、接地電圧VSSに接続される。つまり、レプリカ書き込みトランジスタMR0のソース端子とドレイン端子と、レプリカトランジスタMR1のソース端子とドレイン端子と、レプリカセルトランジスタMR2のソース端子とドレイン端子と、レプリカトランジスタMR2のソース端子とドレイン端子とが直列に接続される。
書き込み電流経路70の抵抗変化素子R0を無視して、抵抗値0とみなすと、レプリカ電流経路60の回路構成は、書き込み電流経路70の回路構成と等価となる。したがって、レプリカ電流経路60上のレプリカトランジスタは、書き込み経路70上のトランジスタと1対1の対応関係がある。
レプリカ電流経路60上の各レプリカトランジスタは、それぞれ、対応する書き込み電流経路70上のトランジスタと同一特性のトランジスタである。具体的には、書き込みトランジスタM0と、レプリカ書き込みトランジスタMR0は同一特性のトランジスタである。また、トランジスタM1と、レプリカトランジスタMR1は同一特性のトランジスタである。また、セルトランジスタMCと、レプリカセルトランジスタMRCは同一特性のトランジスタである。そして、トランジスタM2と、レプリカトランジスタMR2は同一特性のトランジスタである。
さらに、レプリカ電流経路60上の各レプリカトランジスタのゲート端子と、対応する書き込み電流経路70上のトランジスタのゲート端子には、それぞれのトランジスタの動作状態をオン状態にする同一の電圧が印加されている。具体的には、書き込みトランジスタM0のゲート端子と、レプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート端子には、それぞれ、差動アンプ11の出力端子から出力されるバイアス電圧Vb(RST)が印加されている。また、トランジスタM1のゲート端子と、レプリカトランジスタMR1のゲート端子には、トランジスタの動作状態をオン状態にする同一電圧のカラム選択信号C0Bと、レプリカカラム選択信号CRBがそれぞれ印加されている。また、セルトランジスタMCのゲート端子と、レプリカセルトランジスタMRCのゲート端子には、トランジスタの動作状態をオン状態にする同一電圧のワード線電圧VWLが印加されている。また、トランジスタM2のゲート端子と、レプリカトランジスタMR2のゲート端子には、トランジスタの動作状態をオン状態にする同一電圧のカラム選択信号C0と、レプリカカラム選択信号CRが印加されている。
このように、本実施形態の半導体装置では、書き込み電圧VRSTと接地電圧VSSとの間に、ソース側カラムデコーダ43A内のトランジスタM1と、セルトランジスタMCと、抵抗変化素子R0と、シンク側カラムデコーダ43B内の書き込みトランジスタM0とトランジスタM2とが直列に接続され、抵抗変化素子R0の書き込み動作を行うための書き込み電流Iwが流れる書き込み電流経路70が形成されている。
そして、レプリカ電流経路60は、トランジスタM1と略同一特性のレプリカトランジスタMR1と、セルトランジスタMCと略同一特性のレプリカセルトランジスタMRCと、書き込みトランジスタM0と略同一特性のレプリカ書き込みトランジスタMR0と、第2トランジスタM2と略同一特性のレプリカトランジスタMR2とが、電流源12と接地電圧VSSとの間に直列に接続されている。このレプリカ電流経路60は、抵抗変化素子R0に流したい書き込み電流Iwの電流値に基づいて設定されたレプリカ電流が流れるように構成されている。
差動アンプ11は、書き込み電圧VRSTが反転入力端子に接続され、電流源12の出力端子の電圧が非反転入力端子に接続され、出力端子から出力された制御電圧として機能するバイアス電圧Vb(RST)を書き込みトランジスタM0及びレプリカ書き込みトランジスタMR0のゲート端子にそれぞれ供給する。
本実施形態の半導体装置における抵抗変化素子の書き込み回路は、上記で説明した第1の実施形態と比較して、書き込み電流経路70とレプリカ電流経路60の回路構成は異なるものの、それ以外は同一の構成であるため、電流源12や差動アンプ11の接続関係の詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態の半導体装置における抵抗変化素子の書き込み回路について説明する前に、比較例1、比較例2という2つの比較例を示す。
先ず、比較例1の回路構成を図14に示す。比較例1は、書き込み電流経路70を備える。図14に示した書き込み電流経路70は、図13に示した第2の実施形態における書き込み電流経路70と同一の回路構成となっている。ただし、図14に示した比較例1には、電圧制御回路46は含まれておらず、書き込みトランジスタM0のゲート端子に印加されるバイアス電圧Vbが固定電圧である点が異なっている。
次に、比較例2の回路構成を図15に示す。比較例2は、書き込み電流経路70と、レプリカ電流経路80と、電流源12を備える。図15に示した書き込み電流経路70は、図13に示した第2の実施形態における書き込み電流経路70と同一の回路構成となっている。
レプリカ電流経路80はレプリカ書き込みトランジスタMR0を備える。レプリカ書き込みトランジスタMR0のドレイン端子はゲート端子に接続され、書き込み電流経路のトランジスタM0のゲート端子に接続され、電流源の出力端子に接続される。レプリカトランジスタのソース端子は接地電圧VSSに接続される。したがって、比較例2はカレントミラー回路を利用しており、書き込み電流Iwはレプリカ電流Iwrにより制御される。
次に、本実施形態の変形例を図16に示す。図16に示した本実施形態の変形例は、図13に示した第2の実施形態に対してメモリセル50がメモリセル50Aに置き換えられた構成となっている。メモリセル50A以外の回路構成に関しては、本実施形態と同じであるため、説明を省略する。
メモリセル50Aは、抵抗変化素子R0とセルトランジスタMCから構成される。抵抗変化素子R0の第2端子はビット線BLB0に接続され、第1端子がセルトランジスタMCのソース端子、もしくは、ドレイン端子の一方に接続される。セルトランジスタMCのソース端子、もしくは、ドレイン端子の他方はビット線対の他方BL0に接続される。セルトランジスタMCのゲート端子はワード線WL0に接続される。このようにメモリセル50Aは、図13に示したメモリセル50に対して、抵抗変化素子R0とセルトランジスタMCの接続位置が入れ替わっている点が異なっている。
図17は、本実施形態の変形例における、リセット動作に関連する回路のみを示す回路図である。図13に示した第2の実施形態に対して書き込み電流経路70が書き込み電流経路70Aに置き換えられた構成となっている。本実施形態の変形例は、書き込み電流経路70A以外に関して、本実施形態と同じであるため、説明を省略する。
書き込み電流経路70Aは、抵抗変化素子R0と、ソース側カラムデコーダ43A内のトランジスタM1と、メモリセル50A内のセルトランジスタMCと、シンク側カラムデコーダ43B内の書き込みトランジスタM0とトランジスタM2を備える。抵抗変化素子R0の第1端子と、セルトランジスタMCのドレイン端子は接続される。セルトランジスタMCのソース端子は書き込みトランジスタM0のドレイン端子に接続される。書き込みトランジスタM0のソース端子は、トランジスタM2のドレイン端子に接続される。トランジスタM2のソース端子は、接地電圧VSSに接続される。トランジスタM1のソース端子はリセット動作時の書き込み電圧VRSTに接続され、ドレイン端子は、抵抗変化素子R0の第2端子と接続される。つまり、書き込み電流経路70Aは、抵抗変化素子R0の第1端子と第2端子と、書き込みトランジスタM0のソース端子とドレイン端子と、トランジスタM1のソース端子とドレイン端子と、セルトランジスタMCのソース端子とドレイン端子と、トランジスタM2のソース端子とドレイン端子とが直列に接続される。
上記で説明した比較例1、2、本実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路、本実施形態の変形例の抵抗変化素子の書き込み回路における、リセット動作時の書き込み電流Iwのばらつきを図18に示す。
ここでは、トランジスタ特性、動作電圧、環境温度を変化させてシミュレーションを実施し、書き込み電流Iwを取得した。取得した書き込み電流の最大と最小値の差分を最小値で割った値をばらつきとした。さらに、図18に示すグラフの縦軸は比較例1の書き込み電流Iwのばらつきで規格化した。つまり、比較例1における書き込み電流Iwのばらつきを100%として、比較例2、本実施形態の抵抗変化素子の書き込み回路、本実施形態の変形例の抵抗変化素子の書き込み回路における書き込み電流Iwのばらつきの度合いを示している。
図18を参照すると、第2の実施形態と第2の実施形態の変形例は、比較例1と比較例2に比べ、書き込み電流Iwのばらつきが小さいことが分かる。したがって、本実施形態と本実施形態の変形例の半導体装置は、抵抗変化素子R0の素子破壊を抑制しつつ、半導体製造プロセス、環境温度、動作電圧に対して安定的な書き込み電流Iwを供給することができることが分かる。
また、第2の実施形態の変形例は、第2の実施形態に比べ、書き込み電流Iwのばらつきが小さいことが分かる。これは、第2の実施形態は、セルトランジスタMCのソース側に抵抗変化素子R0が接続されているため、ソース電位が高いことが原因と推測される。
シミュレーションでは、第2の実施形態のセルトランジスタMCとレプリカセルトランジスタMRCは線形領域で動作した。また、第2の実施形態の変形例のセルトランジスタMCとレプリカセルトランジスタMRCは線形領域で動作した。また、第2の実施形態の変形例のセルトランジスタMCのソース電圧に比べ、第2の実施形態のセルトランジスタMCのソース電圧の方が高く、オン抵抗は大きい状態にあった。レプリカセルトランジスタMRCのソース電位は、第2の実施形態の変形例のセルトランジスタMCのソース電位に近い値であった。確認のため、ワード線電圧VWL及びワード線WL0の電圧が0.1V低下した場合を観察すると、ゲート-ソース間電圧Vgsの変化量は同程度であった。基板バイアス効果を考慮したトランジスタの閾値電圧をVthとすると、オン抵抗は、1/(Vgs-Vth)に比例し、オン抵抗の変化量は1/(Vgs-Vth)2に比例するため、ソース電位の高い方がオン抵抗の変化量は大きくなる。
第2の実施形態では、レプリカ電流経路60上のトランジスタMRCのオン抵抗の変化量を相殺するように、レプリカ電流経路60上のレプリカ書き込みトランジスタMR0のオン抵抗は下がる。書き込み電流経路70上の書き込みトランジスタM0のオン抵抗も下がるものの、セルトランジスタMCのオン抵抗の上昇がより大きく、十分相殺できなかったと推測される。
一方、第2の実施形態の変形例は、レプリカ電流経路60上のレプリカセルトランジスタMRCのオン抵抗の変化量を相殺するように、レプリカ電流経路60上のレプリカ書き込みトランジスタMR0のオン抵抗は下がる。書き込み電流経路70A上の書き込みトランジスタM0のオン抵抗も下がり、セルトランジスタMCのオン抵抗の上昇をより効果的に相殺したと推測される。したがって、第2の実施形態の変形例のように、セルトランジスタMCのドレイン端子に抵抗変化素子R0を接続することは、リセット動作時に安定した書き込み電流Iwを提供する半導体装置に好適である。
このように、本実施形態の半導体装置によれば、抵抗変化素子R0の素子破壊を抑制しつつ、半導体製造プロセス、環境温度、動作電圧に対して安定的な書き込み電流Iwを供給することが可能となる。これにより、ベリファイ書き込みの書き込み電圧や電流のマージンを削減し、書き込み時間の短縮が期待される。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態の半導体装置における抵抗変化素子の書き込み回路について説明する。本実施形態の半導体装置の機能構成のブロック図を図19に示す。
本実施形態の半導体装置は、図19に示されるように、制御回路41と、ロウデコーダ142と、カラムデコーダ143と、セルアレイ44と、読み出し回路45と、電圧制御回路146とを備えている。図19に示したブロック図では、図11に示した第2の実施形態におけるブロック図に対して、ロウデコーダ42、カラムデコーダ43、電圧制御回路46が、それぞれ、ロウデコーダ142、カラムデコーダ143、電圧制御回路146に置き換えられている点のみが異なっている。そのため、第2の実施形態と重複する箇所は説明を省略する。
次に、セルアレイ44における1行1列のメモリセル50Aに対して書き込み動作をする際の回路のみを図20に示す。
セルアレイ44は、上下方向に延伸するビット線対BL0、BLB0と左右方向に延伸するワード線WL0と、ビット線対BL0、BLB0とワード線WL0の交点に配置されるメモリセル50Aから構成される。メモリセル50Aは抵抗変化素子R0とセルトランジスタMCから構成される。抵抗変化素子R0の第1端子がビット線BLB0に、第2端子がセルトランジスタMCのソース端子、もしくは、ドレイン端子の一方に接続される。セルトランジスタMCのソース端子、もしくは、ドレイン端子の他方はビット線対の他方のビット線BL0に接続される。セルトランジスタMCのゲート端子はワード線WL0に接続される。
カラムデコーダ143は、ソース側カラムデコーダ143Aと、シンク側カラムデコーダ143Bから構成される。ソース側カラムデコーダ143Aには、セット動作時の書き込み電圧VSETと、リセット動作時の書き込み電圧VRSTが供給される。シンク側カラムデコーダ143Bには、接地電圧VSSが供給される。
ソース側カラムデコーダ143Aは、2つのトランジスタM1、M101を備える。トランジスタM1のソース端子はリセット動作時の書き込み電圧VRSTに接続され、ドレイン端子はビット線BLB0に接続され、ゲート端子はカラム選択信号C0B(RST)に接続される。トランジスタM101のソース端子はセット動作時の書き込み電圧VSETに接続され、ドレイン端子はビット線BL0に接続され、ゲート端子はカラム選択信号C0B(SET)に接続される。
シンク側カラムデコーダ143Bは、2つのトランジスタM2、M102を備える。トランジスタM2のドレイン端子はビット線BL0に接続され、ソース端子は接地電圧VSSに接続され、ゲート端子はカラム選択信号C0(RST)に接続される。トランジスタM102のドレイン端子はビット線BLB0に接続され、ソース端子は接地電圧VSSに接続され、ゲート端子はカラム選択信号C0(SET)に接続される。
ロウデコーダ142は、トランジスタM4、M5、M6、M7から構成される。トランジスタM6のソース端子はバイアス電圧Vb(RST)に接続され、ドレイン端子はトランジスタM4のソース端子に接続され、ゲート端子はロウ選択信号R0B(RST)に接続される。トランジスタM7のソース端子はバイアス電圧Vb(SET)に接続され、ドレイン端子はトランジスタM4のソース端子に接続され、ゲート端子はロウ選択信号R0B(SET)に接続される。トランジスタM4のドレイン端子はワード線WL0に接続され、ゲート端子はロウ選択信号R0Bに接続される。トランジスタM5のソース端子は接地電圧VSSに接続され、ドレイン端子はワード線WL0に接続され、ゲート端子はロウ選択信号R0Bに接続される。
スタンバイ時、カラム選択信号C0(SET)、C0(RST)により、トランジスタM2とM102は導通状態となり、ビット線対BL0、BLB0は接地される。カラム選択信号C0B(SET)、C0B(RST)により、トランジスタM1、M101は非導通状態となる。そして、ロウ選択信号R0Bにより、トランジスタM5が導通状態となり、トランジスタM4が非導通状態となり、ワード線WL0が接地される。
セット動作時、抵抗変化素子R0が選択される場合、カラム選択信号C0(SET)により、トランジスタM102が導通状態となりビット線BLB0が接地される。そして、カラム選択信号C0B(SET)により、トランジスタM101が導通状態となり、ビット線BL0がセット動作時の書き込み電圧VSETに接続される。そして、カラム選択信号C0(RST)、C0B(RST)信号により、トランジスタM2とトランジスタM1は非導通状態となる。そして、ロウ選択信号R0B(SET)により、トランジスタM7が導通状態となる。そして、ロウ選択信号R0B(RST)により、トランジスタM6が非導通状態となる。そして、ロウ選択信号R0Bにより、トランジスタM5が非導通状態となり、トランジスタM4が導通状態となり、ワード線WL0がバイアス電圧Vb(SET)に接続される。その結果、書き込み電流が、ビット線BL0から、抵抗変化素子R0とセルトランジスタMCを介して、ビット線BLB0へ流れる。
また、リセット動作時、抵抗変化素子R0が選択される場合、カラム選択信号C0(RST)により、トランジスタM2が導通状態となりビット線BL0が接地される。そして、カラム選択信号C0B(RST)により、トランジスタM1が導通状態となり、ビット線BLB0がリセット動作時の書き込み電圧VRSTに接続される。そして、カラム選択信号C0(SET)、C0B(SET)により、トランジスタM102とトランジスタM101は非導通状態となる。そして、ロウ選択信号R0B(SET)により、トランジスタM7が非導通状態となる。そして、ロウ選択信号R0B(RST)により、トランジスタM6が導通状態となる。そして、ロウ選択信号R0Bにより、トランジスタM5が非導通状態となり、トランジスタM4が導通状態となり、ワード線WL0がバイアス電圧Vb(RST)に接続される。その結果、書き込み電流が、ビット線BLB0から、抵抗変化素子R0とセルトランジスタMCを介して、ビット線BL0へ流れる。
図21は、本発明の第3の実施形態の半導体装置においてリセット動作に関連する回路のみを示す回路図である。本実施形態の半導体装置は、書き込み電流Iwが流れる書き込み電流経路170と、電圧制御回路146とを備える。
書き込み電流経路170は、前述の通り、抵抗変化素子R0と、ソース側カラムデコーダ内143AのトランジスタM1と、メモリセル50A内のセルトランジスタMCと、シンク側カラムデコーダ143B内のトランジスタM2を備える。抵抗変化素子R0の第1端子は、セルトランジスタMCのドレイン端子に接続される。セルトランジスタMCのソース端子は、トランジスタM2のドレイン端子に接続される。トランジスタM2のソース端子は、接地電圧VSSに接続される。トランジスタM1のソース端子はリセット動作時の書き込み電圧VRSTに接続され、ドレイン端子は、抵抗変化素子R0の第2端子に接続される。つまり、書き込み電流経路170は、抵抗変化素子R0の第1端子と第2端子と、トランジスタM1のソース端子とドレイン端子と、セルトランジスタMCのソース端子とドレイン端子と、トランジスタM2のソース端子とドレイン端子とが直列に接続される。
電圧制御回路146は、レプリカ電流Iwrを供給する電流源12と、差動アンプ11と、レプリカ電流Iwrが流れるレプリカ電流経路160を備える。
レプリカ電流経路160は、レプリカトランジスタMR1、レプリカセルトランジスタMRC、レプリカトランジスタMR2を備える。レプリカトランジスタMR1のソース端子はレプリカ電流経路160の第1端子に接続され、ドレイン端子は、レプリカセルトランジスタMRCのドレイン端子に接続される。レプリカセルトランジスタMRCのソース端子は、レプリカトランジスタMR2のドレイン端子に接続される。レプリカトランジスタMR2のソース端子は接地電圧VSSに接続される。つまり、レプリカトランジスタMR1のソース端子とドレイン端子と、レプリカセルトランジスタMRCのソース端子とドレイン端子と、レプリカトランジスタMR2のソース端子とドレイン端子とが直列に接続される。
書き込み電流経路170の抵抗変化素子R0を無視して、抵抗値0とみなすと、レプリカ電流経路160の回路構成は、書き込み電流経路170の回路構成と等価になっている。したがって、レプリカ電流経路160上の各レプリカトランジスタは、それぞれ、書き込み電流経路170上の各トランジスタとそれぞれ1対1の対応関係がある。
レプリカ電流経路160上の各レプリカトランジスタは対応する書き込み電流経路170上の各トランジスタと同一特性のトランジスタである。具体的には、トランジスタM1と、レプリカトランジスタMR1は同一特性のトランジスタである。また、セルトランジスタMCと、レプリカセルトランジスタMRCは同一特性のトランジスタである。また、トランジスタM2と、レプリカトランジスタMR2は同一特性のトランジスタである。
さらに、レプリカ電流経路160上の各レプリカトランジスタのゲート端子と、対応する書き込み電流経路170上の各トランジスタのゲート端子には、トランジスタをON状態にする同一の電圧が供給可能である。具体的には、セルトランジスタMCのゲート端子と、レプリカセルトランジスタMRCのゲート端子には、それぞれ、差動アンプ11の出力端子から出力される制御電圧Vb(RST)が印加されている。また、トランジスタM1のゲート端子と、レプリカトランジスタMR1のゲート端子には、トランジスタの動作状態をオン状態にする同一電圧のカラム選択信号C0Bと、レプリカカラム選択信号CRBがそれぞれ印加されている。また、トランジスタM2のゲート端子と、レプリカトランジスタMR2のゲート端子には、トランジスタの動作状態をオン状態にする同一電圧のカラム選択信号C0と、レプリカカラム選択信号CRが印加されている。
このように、本実施形態の半導体装置では、書き込み電圧VRSTと接地電圧VSSとの間に、ソース側カラムデコーダ143A内のトランジスタM1と、セルトランジスタMCと、抵抗変化素子R0と、シンク側カラムデコーダ143B内のトランジスタM2とが直列に接続され、抵抗変化素子R0の書き込み動作を行うための書き込み電流Iwが流れる書き込み電流経路170が形成されている。
そして、レプリカ電流経路160は、トランジスタM1と略同一特性のレプリカトランジスタMR1と、セルトランジスタMCと略同一特性のレプリカセルトランジスタMRCと、トランジスタM2と略同一特性のレプリカトランジスタMR2とが、電流源12と接地電圧VSSとの間に直列に接続され、抵抗変化素子R0に流したい書き込み電流Iwの電流値に基づいて設定されたレプリカ電流Iwrが流れるように構成されている。
差動アンプ11は、書き込み電圧VRSTが反転入力端子に接続され、電流源12の出力端子の電圧が非反転入力端子に接続され、出力端子から出力された制御電圧として機能するバイアス電圧Vb(RST)をレプリカセルトランジスタMRCのゲート端子に供給するとともに、セルトランジスタMCのゲート端子にロウデコーダ142を経由して供給する。
本実施形態の半導体装置は、上記で説明した第1の実施形態と比較して、書き込み電流経路170とレプリカ電流経路160の回路構成は異なるものの、それ以外は同一の構成であるため、電流源12や差動アンプ11の接続関係の説明は省略する。
本実施形態の半導体装置によれば、メモリセル50A内のセルトランジスタMCのゲート電圧を直接制御することにより、効果的に半導体製造プロセス、環境温度、動作電圧に対してオン抵抗を安定化し、書き込み電流Iwを安定化することができる。メモリセル50A内のセルトランジスタMCは、トランジスタサイズが小さく、オン抵抗が高い傾向にあり、第2の実施形態のように、他のトランジスタのオン抵抗で相殺するには難しい場合があるため、メモリセル50A内のセルトランジスタMCのゲート電圧を直接制御する構成は、安定した書き込み電流Iwを提供する半導体装置に好適である。
このように、本実施形態の半導体装置によれば、抵抗変化素子R0の素子破壊を抑制しつつ、半導体製造プロセス、環境温度、動作電圧に対して安定的な書き込み電流Iwを供給することが可能となる。これにより、ベリファイ書き込みの書き込み電圧や電流のマージンを削減し、書き込み時間の短縮が期待される。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態の半導体装置における抵抗変化素子の書き込み回路について説明する。
図22は本発明の第4の実施形態の半導体装置における抵抗変化素子の書き込み回路の構成を示す回路図である。
本実施形態における半導体装置の抵抗変化素子の書き込み回路は、書き込み電流Iwが流れる書き込み電流経路130と、電圧制御回路110を備える。
書き込み電流経路130の第1端子には書き込み電圧Vwが印加され、第2端子には書き込み電圧Vwより低い接地電圧VSSが印加される。
書き込み電流経路130は、抵抗変化素子R0と、書き込みトランジスタM0と、トランジスタM1を備える。抵抗変化素子R0の第1端子は、書き込みトランジスタM0のドレイン端子に接続され、抵抗変化素子R0の第2端子は、トランジスタM1のドレイン端子に接続される。トランジスタM1のソース端子は、書き込み電流経路130の第1端子に接続されるとともに、書き込み電圧Vwに接続される。書き込みトランジスタM0のソース端子は、書き込み電流経路130の第2端子に接続されるとともに、接地電圧VSSに接続される。書き込み時、書き込み電流Iwは、抵抗変化素子R0の第1端子と第2端子間を流れるとともに、書き込み電流経路130上の書き込みトランジスタM0のソース端子とドレイン端子間を流れ、書き込み電流経路130上のトランジスタM1のソース端子とドレイン端子間を流れる。
電圧制御回路110は、レプリカ電流Iwrを供給する電流源12と、差動アンプ11と、レプリカ電流Iwrが流れるレプリカ電流経路120を備える。
本実施形態の半導体装置では、図5に示した第1の実施形態と比較して、書き込み電流経路130とレプリカ電流経路120の回路構成は異なるものの、それ以外は同一の回路構成であるため、電流源12や差動アンプ11の接続関係の説明は省略する。
レプリカ電流経路120の第1端子は電流源12の出力端子に接続され、さらに差動アンプ11の非反転入力端子に接続される。レプリカ電流経路120の第2端子は接地電圧VSSに接続される。
レプリカ電流経路120は、Nを2以上の整数として、N個の部分経路を備える。N個の部分経路の一端は、それぞれ、レプリカ電流経路120の第1端子に接続され、N個の部分経路の他端は、それぞれ、レプリカ電流経路120の第2端子に接続される。これにより、N個の部分経路は並列接続される。
N個の部分経路のうちのある部分経路Xは、書き込み電流経路130の書き込みトランジスタM0と同一特性の複数のレプリカ書き込みトランジスタMR0Xを備える。部分経路Xはさらに、書き込み電流経路130のトランジスタM1と同一特性の複数のレプリカトランジスタ(選択トランジスタ)MR1Xを備える。ここでXは1からNまでの整数である。レプリカ書き込みトランジスタMR0Xのドレイン端子は、レプリカトランジスタMR1Xのドレイン端子に接続され、レプリカ書き込みトランジスタMR0Xのソース端子は、レプリカ電流経路120の第2端子に接続される。レプリカトランジスタMR1Xのソース端子はレプリカ電流経路120の第1端子に接続される。レプリカ書き込みトランジスタMR0Xのゲート端子は制御電圧Vbに接続され、レプリカトランジスタMR1Xのゲート端子は選択信号SXBに接続される。
このように、レプリカ電流経路120は、書き込みトランジスタM0と略同一特性のレプリカ書き込みトランジスタMR0XとレプリカトランジスタMR1Xとを有し、電流源12の出力端子と接地電圧VSSとの間に並列に接続された複数の部分経路により構成されている。
そして、複数のレプリカトランジスタMR1Xのゲート端子にそれぞれ入力される選択信号SXBにより、複数のレプリカトランジスタMR1Xのうち1つのレプリカトランジスタのみが導通状態となり、導通状態となるレプリカトランジスタMR1Xが予め設定された時間T毎に順次切り替わるように制御される。
図23は、選択信号SXBの波形の一例を示している。時間T毎に、順次、一つの選択信号SXBが選択され、対応する部分経路のトランジスタMR1Xが導通状態となり、レプリカ電流Iwrが選択された部分経路に流れる。本実施形態における抵抗変化素子の書き込み回路は、N個の部分経路を備えているので、各部分経路において、レプリカ電流Iwrが流れている時間は1/Nに低減できる。これにより、ホットキャリアによるトランジスタの劣化等を抑制できる。そのため、本実施形態における抵抗変化素子の書き込み回路によれば、レプリカ電流経路120上のトランジスタの劣化を抑制し、トランジスタの信頼性を向上することにより、より安定した書き込み電流Iwを提供することができる。
このように、本実施形態の半導体装置によれば、抵抗変化素子R0の素子破壊を抑制しつつ、半導体製造プロセス、環境温度、動作電圧に対して安定的な書き込み電流を供給することが可能となる。これにより、ベリファイ書き込みの書き込み電圧や電流のマージンを削減し、書き込み時間の短縮が期待される。
10 電圧制御回路
11 差動アンプ
12 電流源
20 レプリカ電流経路
30 書き込み電流経路
41 制御回路
42 ロウデコーダ
43 カラムデコーダ
43A ソース側カラムデコーダ
43B シンク側カラムデコーダ
44 セルアレイ
45 読み出し回路
46 電圧制御回路
50 メモリセル
50A メモリセル
60 レプリカ電流経路
70 書き込み電流経路
70A 書き込み電流経路
80 レプリカ電流経路
91 第1電極(活性電極)
92 第2電極(不活性電極)
93 固体電解質
100 抵抗変化素子
101 第1端子
102 第2端子
110 電圧制御回路
120 レプリカ電流経路
130 書き込み電流経路
142 ロウデコーダ
143 カラムデコーダ
143A ソース側カラムデコーダ
143B シンク側カラムデコーダ
146 電圧制御回路
160 レプリカ電流経路
170 書き込み電流経路
Iwr レプリカ電流
Iw 書き込み電流
M0 書き込みトランジスタ
MR0 レプリカ書き込みトランジスタ
R0 抵抗変化素子
VSS 接地電圧
Vb 制御電圧
Vw 書き込み電圧

Claims (11)

  1. 2つの電極間に印加される電圧の向きに応じて抵抗状態が変化する抵抗変化素子に対して、抵抗状態を低抵抗状態から高抵抗状態に変化させる書き込み動作を行うための抵抗変化素子の書き込み回路であって、
    前記抵抗変化素子に対する書き込み動作を行うための書き込み電圧と当該書き込み電圧よりも低い接地電圧との間に前記抵抗変化素子と書き込みトランジスタとが直列に接続され、前記抵抗変化素子の書き込み動作を行うための書き込み電流が流れる書き込み電流経路と、
    電流源と、
    前記書き込みトランジスタと略同一特性のレプリカ書き込みトランジスタを有し、前記レプリカ書き込みトランジスタのドレイン端子が前記電流源に接続され、前記レプリカ書き込みトランジスタのソース端子が前記接地電圧に接続され、前記抵抗変化素子に流したい書き込み電流の電流値に基づいて設定されたレプリカ電流が流れるレプリカ電流経路と、
    前記書き込み電圧が反転入力端子に接続され、前記電流源の出力端子の電圧が非反転入力端子に接続され、出力端子から出力された制御電圧を前記書き込みトランジスタ及び前記レプリカ書き込みトランジスタのゲート端子にそれぞれ供給する差動増幅器と、
    を有する抵抗変化素子の書き込み回路。
  2. 前記抵抗変化素子は、
    活性電極である第1電極と、
    不活性電極である第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、前記第1電極を構成する金属元素が拡散可能な固体電解質を含む抵抗変化層と、によって構成され、
    前記第1電極の電位が前記第2電極よりも第1閾値電圧分だけ高くなると、前記第1電極を構成する金属元素が前記抵抗変化層に拡散することにより金属架橋が形成されて低抵抗状態となり、
    前記第2電極の電位が前記第1電極よりも第2閾値電圧分だけ高くなると、前記抵抗変化層に形成された金属架橋が切断されることにより高抵抗状態となる、
    請求項1記載の抵抗変化素子の書き込み回路。
  3. 前記レプリカ電流は、前記書き込み電流よりも大きな電流値に設定されるとともに、前記抵抗変化素子の低抵抗状態における抵抗値の値に応じて設定される請求項1記載の抵抗変化素子の書き込み回路。
  4. 前記レプリカ電流は、前記抵抗変化素子の低抵抗状態における抵抗値のばらつき範囲内に、前記抵抗変化素子において発生する発熱量が最大となる抵抗値が含まれるように設定される請求項3記載の抵抗変化素子の書き込み回路。
  5. 前記レプリカ電流は、前記抵抗変化素子の低抵抗状態における抵抗値のばらつき範囲よりも、前記抵抗変化素子において発生する発熱量が最大となる抵抗値が小さくなるように設定される請求項3記載の抵抗変化素子の書き込み回路。
  6. 前記レプリカ書き込みトランジスタのゲート幅とゲート長が、それぞれ、前記書き込みトランジスタのゲート幅とゲート長と略同一の場合に設定される前記レプリカ電流の電流値がIwrであり、前記書き込みトランジスタのゲート幅とゲート長の比が前記レプリカ書き込みトランジスタのゲート幅とゲート長の比のK倍である場合、前記レプリカ電流の電流値はIwr/Kに設定される請求項1記載の抵抗変化素子の書き込み回路。
  7. 2つの電極間に印加される電圧の向きに応じて抵抗状態が変化する抵抗変化素子とセルトランジスタとから構成される複数のメモリセルがビット線対とワード線の交点にそれぞれ配置された記憶装置において、前記抵抗変化素子に対して、抵抗状態を低抵抗状態から高抵抗状態に変化させる書き込み動作を行うための抵抗変化素子の書き込み回路であって、
    カラム選択信号により選択されたビット線対に対して所定の電圧を印加するために配置され、前記抵抗変化素子に対する書き込み動作を行うための書き込み電圧に接続されたソース側カラムデコーダと、当該書き込み電圧よりも低い接地電圧に接続されたシンク側カラムデコーダとから構成されたカラムデコーダと、
    ロウ選択信号により選択されたワード線に対して所定の電圧を印加するロウデコーダと、を備え、
    前記書き込み電圧と前記接地電圧との間に、前記ソース側カラムデコーダ内の第1トランジスタと、前記セルトランジスタと、前記抵抗変化素子と、前記シンク側カラムデコーダ内の書き込みトランジスタと第2トランジスタとが直列に接続され、前記抵抗変化素子の書き込み動作を行うための書き込み電流が流れる書き込み電流経路が形成され、
    さらに、電流源と、
    前記第1トランジスタと略同一特性の第1レプリカトランジスタと、前記セルトランジスタと略同一特性のレプリカセルトランジスタと、前記書き込みトランジスタと略同一特性のレプリカ書き込みトランジスタと、前記第2トランジスタと略同一特性の第2レプリカトランジスタとが、前記電流源と前記接地電圧との間に直列に接続され、前記抵抗変化素子に流したい書き込み電流の電流値に基づいて設定されたレプリカ電流が流れるレプリカ電流経路と、
    前記書き込み電圧が反転入力端子に接続され、前記電流源の出力端子の電圧が非反転入力端子に接続され、出力端子から出力された制御電圧を前記書き込みトランジスタ及びレプリカ書き込みトランジスタのゲート端子にそれぞれ供給する差動増幅器と、を備え、
    前記第1トランジスタのゲート端子と前記第1レプリカトランジスタのゲート端子には、動作状態をオン状態とするための同一電圧のカラム選択信号が印加され、前記セルトランジスタのゲート端子と前記レプリカセルトランジスタのゲート端子には、動作状態をオン状態とするための同一電圧のロウ選択信号が印加され、前記第2トランジスタのゲート端子と前記第2レプリカトランジスタのゲート端子には、動作状態をオン状態とするための同一電圧のカラム選択信号が印加される、
    抵抗変化素子の書き込み回路。
  8. 2つの電極間に印加される電圧の向きに応じて抵抗状態が変化する抵抗変化素子とセルトランジスタとから構成される複数のメモリセルがビット線対とワード線の交点にそれぞれ配置された記憶装置において、前記抵抗変化素子に対して、抵抗状態を低抵抗状態から高抵抗状態に変化させる書き込み動作を行うための抵抗変化素子の書き込み回路であって、
    カラム選択信号により選択されたビット線対に対して所定の電圧を印加するために配置され、前記抵抗変化素子に対する書き込み動作を行うための書き込み電圧に接続されたソース側カラムデコーダと、当該書き込み電圧よりも低い接地電圧に接続されたシンク側カラムデコーダとから構成されたカラムデコーダと、
    ロウ選択信号により選択されたワード線に対して所定の電圧を印加するロウデコーダと、を備え、
    前記書き込み電圧と前記接地電圧との間に、前記ソース側カラムデコーダ内の第1トランジスタと、前記セルトランジスタと、前記抵抗変化素子と、前記シンク側カラムデコーダ内の第2トランジスタとが直列に接続され、前記抵抗変化素子の書き込み動作を行うための書き込み電流が流れる書き込み電流経路が形成され、
    さらに、電流源と、
    前記第1トランジスタと略同一特性の第1レプリカトランジスタと、前記セルトランジスタと略同一特性のレプリカセルトランジスタと、前記第2トランジスタと略同一特性の第2レプリカトランジスタとが、前記電流源と前記接地電圧との間に直列に接続され、前記抵抗変化素子に流したい書き込み電流の電流値に基づいて設定されたレプリカ電流が流れるレプリカ電流経路と、
    前記書き込み電圧が反転入力端子に接続され、前記電流源の出力端子の電圧が非反転入力端子に接続され、出力端子から出力された制御電圧を前記レプリカセルトランジスタのゲート端子に供給するとともに、前記セルトランジスタのゲート端子に前記ロウデコーダを経由して供給する差動増幅器と、を備え、
    前記第1トランジスタのゲート端子と前記第1レプリカトランジスタのゲート端子には、動作状態をオン状態とするための同一電圧のカラム選択信号が印加され、前記第2トランジスタのゲート端子と前記第2レプリカトランジスタのゲート端子には、動作状態をオン状態とするための同一電圧のカラム選択信号が印加される、
    抵抗変化素子の書き込み回路。
  9. 前記レプリカ電流経路が、前記書き込みトランジスタと略同一特性のレプリカ書き込みトランジスタと選択トランジスタとを有し前記電流源の出力端子と前記接地電圧との間に並列に接続された複数の部分経路により構成された請求項1記載の抵抗変化素子の書き込み回路。
  10. 前記複数の選択トランジスタのゲート端子にそれぞれ入力される選択信号により、前記複数の選択トランジスタのうち1つの選択トランジスタのみが導通状態となり、導通状態となる選択トランジスタが予め設定された時間毎に順次切り替わるように制御される請求項9記載の抵抗変化素子の書き込み回路。
  11. 請求項1から10のいずれか1項記載の抵抗変化素子の書き込み回路が半導体集積回路として構成された半導体装置。
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