JP2024064141A - 排ガス処理用の制御装置及び方法並びにco2回収システム - Google Patents

排ガス処理用の制御装置及び方法並びにco2回収システム Download PDF

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Abstract

【課題】熱機関からの排ガスよりCO2を高効率で分離する。【解決手段】対象機器(1)において、熱機関(11)からの排ガスを貯めるタンク(21)が複数設けられ且つ排ガスの流入先を複数のタンク間で切り替える切り替え弁(20)が設けられる。各タンクの出力弁(23)が設けられる。対応する出力弁が開状態に制御されたタンク内の蓄積ガスがCO2分離装置(30)に導かれる。処理部は、複数のタンクの何れかを対象タンクに設定して対象タンクに対して単位動作を実行する。単位動作において、処理部は、排ガスを切り替え弁を通じて対象タンクに導き、これによって対象タンク内に排ガスを貯めた後、対象タンクに対する排ガスの流入を停止しつつ対象タンクの出力弁を閉状態から開状態に切り替える。処理部は、複数のタンクに対する単位動作の実行タイミングを互いに異ならせつつ単位動作を各タンクに対して実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス処理用の制御装置及び方法並びにCO回収システムに関する。
車両の内燃機関の作動により発生した排ガス中のCOを車両内に設置されたCO吸収部に吸収させる技術が研究されている(例えば下記特許文献1参照)。
CO分離膜を用いれば、COを含むガスからCOを分離することができる。一定濃度のCOを含むガスをCO分離膜に供給する場合、供給ガス流量の増大に伴い、基本的に透過ガス流量も増大する。透過ガス流量はCO分離膜を透過したガスの流量(従ってCOのガスの流量)である。しかしながら、CO分離膜の特性上、透過ガス流量が或る一定量にまで高まると供給ガス流量が増大に対して透過ガス流量が殆ど増大しなくなる(非特許文献1参照)。
特開2007-177684号公報 "平成29年度CO2分離回収技術の研究開発事業(二酸化炭素分離膜モジュール実用化研究開発事業)"、[online]、平成31年2月、次世代型膜モジュール技術研究組合 、[令和4年10月7日検索]、インターネット<URL:https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H29FY/010496.pdf>
上記一定量はCO分離膜の表面積に依存し、CO分離膜の表面積の増大につれて増大する。故に、CO分離膜の表面積を増大させれば、より多くのCOを分離することができる。但し、CO分離膜の表面積の増大はCO分離膜を含むCO分離装置の大型化を招く。限られたスペースの中で、高効率でのCO分離を実現する技術の開発が期待される。
本発明は、熱機関からの排ガスよりCOを高効率で分離できる排ガス処理用の制御装置及び方法並びにCO回収システムを提供することを目的とする。
本発明に係る排ガス処理用の制御装置は、対象機器に設けられた熱機関からの排ガスをCO分離膜を含むCO分離装置に導く制御を行う処理部を備え、前記対象機器において、前記熱機関と前記CO分離装置との間に、前記排ガスを貯めるタンクが複数設けられるとともに前記排ガスの流入先を前記複数のタンク間で切り替える切り替え弁が設けられ、前記処理部は、前記切り替え弁を制御することで前記排ガスを前記切り替え弁を通じて前記複数のタンクの何れかに導く切り替え制御と、各タンクに対して設けられた出力弁の状態を制御する出力弁制御と、を実行し、対応する出力弁が開状態に制御されたタンク内の蓄積ガスが前記CO分離装置に導かれ、前記処理部は、前記複数のタンクの何れかを対象タンクに設定して前記対象タンクに対して単位動作を実行し、前記単位動作において、前記処理部は、前記切り替え制御により前記排ガスを前記切り替え弁を通じて前記対象タンクに導き、これによって前記対象タンク内に前記排ガスを貯めた後、前記対象タンクに対する前記排ガスの流入を停止しつつ前記出力弁制御により前記対象タンクの出力弁を閉状態から開状態に切り替え、前記処理部は、前記複数のタンクに対する前記単位動作の実行タイミングを互いに異ならせつつ前記単位動作を各タンクに対して実行する。
本発明によれば、熱機関からの排ガスよりCOを高効率で分離できる排ガス処理用の制御装置及び方法並びにCO回収システムを提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る車両及び車両内部の概略的な平面図である。 本発明の第1実施形態に係り、貯留制御が行われる場合の排ガスの流れを示す図である。 本発明の第1実施形態に係り、CO分離装置の概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係り、直接排出制御が行われる場合の排ガスの流れを示す図である。 本発明の第1実施形態に係り、切り替え弁における複数の状態の説明図である。 本発明の第1実施形態に係り、制御装置の内部構成図である。 本発明の第1実施形態に係り、制御装置の機能ブロック図である。 一般的なCO分離膜における供給ガス流量と透過ガス流量との関係図である。 本発明の第1実施形態に係り、CO回収システムの動作フローチャートである。 本発明の第1実施形態に係り、CO回収システムにて実行されるガス放出動作のフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係り、CO回収システムの動作の流れの説明図である。 本発明の第1実施形態に係り、CO回収システムの動作の流れの説明図である。 本発明の第1実施形態に係り、CO回収システムの動作の流れの説明図である。 本発明の第1実施形態に係り、CO回収システムの動作の流れの説明図である。 本発明の第1実施形態に係り、CO回収システムの動作の流れの説明図である。 本発明の第1実施形態に係り、CO回収システムの動作の流れの説明図である。 本発明の第1実施形態に係り、CO回収システムの動作の流れの説明図である。 本発明の第1実施形態に係り、CO回収システムの動作の流れの説明図である。 本発明の第3実施形態に係り、CO回収システムの一部構成図である。 本発明の第4実施形態に係り、CO回収システムの一部構成図である。
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等の名称を省略又は略記することがある。
<<第1実施形態>>
本発明の第1実施形態を説明する。図1は本実施形態に係る車両1の概略的な平面図である。車両1にはCO回収システムが搭載される。COは二酸化炭素を指す。尚、本明細書においてCOとCO2は同じものを指す。車両1は例えば路面上を走行可能な自動車であるが、車両1の種類は任意である。
車両1には、内燃機関11、排気マニホールド12、排気管13、浄化装置14、三方弁15、貯留用接続路16、排気用接続路17、マフラ18及び切り替え弁20が設けられる。
車両1には更に2つのガス貯留ブロックが設けられる。2つのガス貯留ブロックを第1及び第2ガス貯留ブロックと称する。第1ガス貯留ブロックの構成と第2ガス貯留ブロックの構成とは互いに同じである。各ガス貯留ブロックは、タンク21、入力路24、出力路25、外圧センサ26、内圧センサ27及び送風機28を備える。以下、第iガス貯留ブロックにおけるタンク21、入力路24、出力路25、外圧センサ26、内圧センサ27及び送風機28を、夫々、記号21[i]、24[i]、25[i]、26[i]、27[i]及び28[i]にて参照する。iは任意の整数を表す。タンク21におけるガスの入り口を入力口22と称する。タンク21におけるガスの出口を出力口と称する。タンク21の出力口には出力弁23が取り付けられる。以下、タンク21[i]における入力口22及び出力弁23を、夫々、記号22[i]及び23[i]にて参照する。
車両1には更に、CO分離装置30、分離ガス路36、残ガス排出路37、CO貯留装置40及び制御装置100が設けられる。CO回収システムは、内燃機関11からの排ガス中のCOをCO貯留装置40にて貯留(換言すれば回収)する。以下、各部の構成及び機能を説明する。
内燃機関11は、熱機関の例であり、燃料を内部で燃焼させることによって車両1を駆動するための駆動力を発生させる。内燃機関11に加えて電動機(不図示)が車両1に設けられていて良い。この場合、内燃機関11と電動機を併用して車両1を駆動するための駆動力を発生させる。
内燃機関11内での燃料の燃焼によって生じた排ガス(排気ガス)は排気マニホールド12を通じて排気管13に流入する。排気管13に対して浄化装置14が設けられる。換言すれば、排気管13にて形成される排ガスの流路に浄化装置14が挿入される。排気管13は、排気マニホールド12と浄化装置14との間に設けられる連結路13aと、浄化装置14と三方弁15との間に設けられる連結路13bと、を有する。連結路13aは排気マニホールド12と浄化装置14とを連結する。内燃機関11から送出された排ガスは連結路13aを通って浄化装置14に流れ込む。
浄化装置14は自身に流入した排ガスを浄化する。当該浄化において、浄化装置14は自身に流入した排ガス中の浄化対象物質を除去する。浄化対象物質はNO、SO、HC(炭化水素)及びCO(一酸化炭素)を含む。NOは窒化酸化物を指し、例えばNO、NO、N、N又はNOである。SOは硫黄酸化物を指し、例えばSO又はSOである。浄化装置14は浄化対象物質の除去に適した触媒にて構成される。浄化装置14は、酸化触媒による浄化装置、排ガス中の粒子状物質(主にスス)を除去するフィルタ装置、及び、尿素を還元剤として使用した選択還元型触媒装置(いわゆる尿素SCR)を含んでいて良い。尚、除去対象物質が完全に浄化装置14にて除去されるとは限らず、除去対象物質の濃度等に依存して、除去対象物質の幾らかは浄化装置14を通過し得る。
連結路13bは浄化装置14と三方弁15とを連結する。浄化装置14による浄化後の排ガスは連結路13bの内部を通って三方弁15に流れ込む。三方弁15に対して貯留用接続路16及び排気用接続路17が連結される。三方弁15は三方性の電磁弁である。三方弁15は、連結路13bを通じて自身に流れ込む排ガスを、制御装置100の制御の下で、貯留用接続路16及び排気用接続路17の何れか一方に送り出す。尚、浄化装置14より下流側の部位(符号13b、15~18、20~28、30、36、37及び40にて参照される部位)に関して記述される排ガスは、内燃機関11からの排ガスであって且つ浄化装置14による浄化後の排ガスを指す。
制御装置100は以下の貯留制御と直接排出制御を切り替え実行できる。
図2に貯留制御が行われる場合の排ガスの流れを概略的に示す。貯留制御では、連結路13bを通じて三方弁15に流れ込む排ガスが三方弁15から貯留用接続路16に送り出される。貯留制御において、三方弁15から貯留用接続路16に送り出された排ガスは切り替え弁20を通じて何れかのタンク21に導かれた後、CO分離装置30に供給される。
図3にCO分離装置30の構造を示す。CO分離装置30は、CO分離膜31、入力空間32及び出力空間33を備える。入力空間32と出力空間33との間にCO分離膜31が設けられる。即ち、CO分離装置30内の空間はCO分離膜31を境界に入力空間32と出力空間33に分離される。何れかのタンク21からCO分離装置30に対して供給された排ガスは入力空間32に入る。
CO分離膜31は、入力空間32中の排ガスの内、気体の二酸化炭素のみを選択的に通過させる膜である。CO分離膜31を通過したガス(即ち気体の二酸化炭素)は出力空間33に入る。貯留制御において、CO分離膜31を通過したガスは分離ガスとして分離ガス路36を通じCO貯留装置40に送られる。貯留制御において、CO分離膜31を通過しなかったガスは残ガスとして残ガス排出路37に送られる。残ガス排出路37はマフラ18に連結されており、残ガスはマフラ18を介して車外に排出される。車外とは車両1の外部を指す。
図4に直接排出制御が行われる場合の排ガスの流れを示す。直接排出制御では、連結路13bを通じて三方弁15に流れ込む排ガスが三方弁15から排気用接続路17に送り出される。直接排出制御において、三方弁15から排気用接続路17に送り出された排ガスは、切り替え弁20、各ガス貯留ブロック及びCO分離装置30を経由することなくマフラ18を介して車外に排出される。
マフラ18は排ガスの排気口である。尚、残ガスは排ガスの一部である。マフラ18は排気用接続路17及び残ガス排出路37に連結される。マフラ18は排気用接続路17内の排ガス又は残ガス排出路37内の残ガスにおける温度及び圧力を低下させて排気騒音を低減させる機能を持つ。
CO貯留装置40は、分離ガス路36に連結され、CO分離膜31を通過した分離ガス中のCOを捕捉して貯留する。CO貯留装置40におけるCOの捕捉及び貯留の方法として、公知の方法を含む任意の方法を利用することができる。例えば、COの捕捉及び貯留の方法として、物理吸着法、物理吸収法、化学吸収法又は深冷分離法を利用できる。一例として、物理吸着法を採用される場合のCO貯留装置40の構造及び機能を説明する。この場合、CO貯留装置40は、活性炭又はゼオライト等から成り且つCOの吸着に適したCO吸着剤と、CO吸着剤を収容する容器と、を備える。CO吸着剤に対しCOを含んだガス(上述の分離ガス)を接触させることによりCOをCO吸着剤に吸着させることができる。
貯留制御が行われるとき、出力空間33内のガスを引き込んでCO貯留装置40に送る真空ポンプ(不図示)が作動する。貯留制御において、当該真空ポンプが作動することで出力空間33内のCOの分圧が入力空間32内のCOの分圧よりも低く維持される。入力空間32と出力空間33との間におけるCOの分圧差に基づき、入力空間32から出力空間33に向けてCOがCO分離膜31を通過する。
尚、CO分離膜31を通過した分離ガスの主成分はCOであるが、CO以外の成分も不純物として分離ガスに含まれ得る。CO貯留装置40に送られた分離ガスの内、CO貯留装置40にて捕捉及び貯留されなかったガス(上記不純物を含む)は、マフラ18又は図示されない排出口を介して車外に排出される。
切り替え弁20は貯留用接続路16に連結される。貯留制御が行われるとき、三方弁15から貯留用接続路16を通じて排ガスが切り替え弁20に流入する。貯留制御が行われるとき、切り替え弁20は、制御装置100の制御の下、自身に流入した排ガスをタンク21[1]及び21[2]の何れかに送る。即ち、貯留制御が行われるとき、切り替え弁20は排ガスの流入先をタンク21[1]及び21[2]間で切り替える。
図5(a)~(c)に、切り替え弁20がとり得る3つの状態である第1開通状態、第2開通状態及び非開通状態を示す。切り替え弁20は、ガスの流入路としての貯留用接続路16に連結されると共にガスの流出路として入力路24[1]及び24[2]に連結される。切り替え弁20において、貯留用接続路16及び入力路24[1]間に電磁弁20v[1]が設けられ、貯留用接続路16及び入力路24[2]間に電磁弁20v[2]が設けられる。電磁弁20v[1]及び20v[2]は制御装置100により個別に開状態又は閉状態に制御される。電磁弁20v[1]が開状態であるときにのみ、切り替え弁20に流入した排気ガスが入力路24[1]に送られる。電磁弁20v[2]が開状態であるときにのみ、切り替え弁20に流入した排気ガスが入力路24[2]に送られる。
図5(a)に示す如く、第1開通状態では電磁弁20v[1]が開状態であって且つ電磁弁20v[2]が閉状態である。故に、切り替え弁20の第1開通状態において切り替え弁20に流入した排気ガスは入力路24[1]に送られる。図5(b)に示す如く、第2開通状態では電磁弁20v[1]が閉状態であって且つ電磁弁20v[2]が開状態である。故に、切り替え弁20の第2開通状態において切り替え弁20に流入した排気ガスは入力路24[2]に送られる。図5(c)に示す如く、非開通状態では電磁弁20v[1]及び20v[2]が共に閉状態である。故に、切り替え弁20の非開通状態において排ガスは入力路24[1]及び24[2]の何れにも送られない。内燃機関11の作動中において、切り替え弁20が非開通状態とされるときには、直接排出制御(図4参照)が行われる。
図1を再度参照し、各タンク21は排ガスを貯める容器である。タンク21[i]において入力口22[i]から排ガスが流入する。各タンク21において出力弁23は、制御装置100の制御の下、開状態及び閉状態の何れかの状態をとる。出力弁23[i]が開状態であるときにのみ、タンク21[i]内の排ガスが開状態の出力弁23[i]を通じてCO分離装置30に送られる。出力弁23[i]が閉状態であるとき、タンク21[i]に流入した排ガスはタンク21[i]に蓄積(貯留)される。
入力路24[i]は切り替え弁20とタンク21[i]とを連結する配管である。切り替え弁20からの排ガスは入力路24[i]及び入力口22[i]を通じてタンク21[i]内に入る。出力路25[i]はタンク21[i]とCO分離装置30とを連結する配管である。タンク21[i]内の排ガスは、開状態の出力弁23[i]と出力路25[i]とを通じてCO分離装置30に送られる。
外圧センサ26[i]は入力路24[i]内の排ガスの圧力を検出する。内圧センサ27[i]はタンク21[i]内の排ガスの圧力を検出する。各外圧センサ26及び各内圧センサ27の検出結果は制御装置100に伝達される。
送風機28[i]は出力弁23[i]が開状態であるときに、制御装置100の制御の下で作動する。送風機28[i]の作動時において、送風機28[i]はタンク21[i]内のガスを吸い込み、吸い込んだガスをCO分離装置30に向けて吐き出す。この際、送風機28[i]はタンク21[i]から出力路25[i]を通じてCO分離装置30に向かうガスにエネルギを与える。タンク21[i]からCO分離装置30に向かうガスは、タンク21[i]に貯められた排ガス(即ちタンク21[i]内の蓄積ガス)であり、CO分離装置30の入力空間32(図3参照)に供給される。送風機28[i]はタンク21[i]に取り付けられて良い。或いは、送風機28[i]はタンク21[i]とCO分離装置30との間に設置されても良い(従って出力路25[i]に設置されても良い)。送風機28はファン又はブロアである。送風機28における圧縮比は任意である。送風機28はコンプレッサ(圧縮機)であっても良い。
図6に制御装置100の内部構成図を示す。制御装置100は、ハードウェア資源として演算処理部110、メモリ120及びインターフェース130を備える。演算処理部110は、MPU(Micro Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等を含む。制御装置100にて実行される任意の制御、動作及び処理は、演算処理部110にて実行される制御、動作及び処理であると解されて良い。演算処理部110においてMPUとGPUが一体に形成されていても良い(例えばMPUにGPUが内蔵されていても良い)。
メモリ120は、ROM(Read only memory)又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、及び、RAM(Random access memory)等の揮発性メモリを含む。メモリ120に格納されたプログラムを演算処理部110にて実行することで、制御装置100の各機能が実現されて良い。ここにおけるプログラムは複数のプログラムを含んでいて良い。演算処理部110に複数のMPUを設けておき、当該複数のMPUにて複数のプログラムが実行されることで、制御装置100の各機能が実現されても良い。制御装置100は1以上のECU(Electronic Control Unit)にて構成されていて良い。2以上のECUにおける2以上のMPUにより演算処理部110が構成されていても良い。
インターフェース130は相手側装置と通信を行う。通信は双方向通信又は一方向通信である。車両1においてCAN(Controller Area Network)を含む通信網が形成される。相手側装置は車両1に設置され且つ上記通信網に接続された任意の装置を含む。制御装置100及び相手側装置は上記通信網を介して任意の情報及び信号の送受信が可能である。本実施形態において、相手側装置は、三方弁15、切り替え弁20、各出力弁23、各外圧センサ26、各内圧センサ27及び各送風機28を含む。インターフェース130にとっての相手側装置は、車両1の外部に設けられた外部装置(サーバ装置等)を含み得る。制御装置100及び相手側装置間の通信は、インターフェース130を用いて実現されるが、以下では、インターフェース130の記述が省略されることがある。
図7に制御装置100の機能ブロック図を示す。制御装置100には機能ブロックF1~F4が設けられる。演算処理部110において、単一のプログラム又は複数のプログラムが実行されることで機能ブロックF1~F4が実現されて良い。演算処理部110に複数のMPUを設けておき、当該複数のMPUにて複数のプログラムが個別に実行されることで任意の複数の機能ブロックが実現されて良い。機能ブロックF1、F2、F3、F4は、夫々、弁制御部、送風機制御部、圧力監視部、条件判断部である。
弁制御部F1は、三方弁15に第1制御信号を送ることで、三方弁15の状態を制御及び設定する。弁制御部F1による三方弁15の状態制御により、上述の貯留制御又は直接排出制御が切り替え実行される(図2、図4参照)。また弁制御部F1は、切り替え弁20に第2制御信号を送ることで、切り替え弁20の状態を第1開通状態、第2開通状態及び非開通状態の何れかに制御及び設定する(図5(a)~(c)参照)。更に弁制御部F1は、出力弁23[1]及び23[2]に対して個別に第3制御信号を送ることで、出力弁23[1]及び23[2]の状態を個別に開状態又は閉状態に制御及び設定する。弁制御部F1は、三方弁15の状態制御を行う三方弁制御部、切り替え弁20の状態制御を行う切り替え弁制御部、及び、各出力弁23の状態制御を行う出力弁制御部を有する、と考えても良い。
送風機制御部F2は送風機28[1]及び28[2]の動作を個別に制御する。即ち、送風機制御部F2は送風機28[1]及び28[2]を個別に作動させる又は停止させる。
圧力監視部F3に対して各外圧センサ26の検出結果を示す信号及び各内圧センサ27の検出結果を示す信号が入力される。圧力監視部F3は、入力された信号に基づき、各入力路24内の排ガスの圧力及び各タンク21内の排ガスの圧力を認識及び監視する。圧力監視部F3の認識内容は演算処理部110内の任意の機能ブロックに共有される。以下、入力路24[i]内の排ガスの圧力を外圧P[i]と称する。外圧P[i]は外圧センサ26[i]により検出される。外圧とは、タンク21の外側の圧力を指し、タンク21に排ガスが流入する前の排ガスの圧力を指す。外圧は内燃機関11が送出する排ガスの圧力に相当する。一方、タンク21[i]内の排ガスの圧力を内圧P[i]と称する。内圧P[i]は内圧センサ27[i]により検出される。内圧はタンク21内において排ガスを貯め込む空間の圧力を指す。図7には、外圧P[1]及びP[2]並びに内圧P[1]及びP[2]を示す信号が圧力監視部F3に入力される様子が図示されている。
条件判断部F4は各種条件の成否を判断する。条件判断部F4の機能の詳細は後述の内容から明らかとなる。
ここで、図8を参照し一般的なCO分離膜の特性を説明する。図8に、一定濃度のCOを含むガスをCO分離膜に供給したときにおける、供給ガス流量と透過ガス流量との関係を概略的に示す。透過ガス流量が十分に小さい領域では、供給ガス流量の増大につれて透過ガス流量も十分に大きな傾きをもって増大してゆく。しかしながら、CO分離膜の特性上、透過ガス流量が或る一定量にまで高まると供給ガス流量が増大に対して透過ガス流量が殆ど増大しなくなる(非特許文献1参照)。上記一定量はCO分離膜の表面積に依存し、CO分離膜の表面積の増大につれて増大する。故に、CO分離膜の表面積を増大させれば、より多くのCOを分離することができる。但し、CO分離膜の表面積の増大はCO分離装置の大型化を招く。限られたスペースの中で、高効率でCOの分離及び回収を実現するには、排ガスを適正流量でCO分離装置に供給することが肝要である。
第1仮想構成について検討する。第1仮想構成では、車両に排ガスを貯めるためのタンクが設けられず、内燃機関からの排ガスがCO分離装置に直接供給される。但し、車両の状態に応じて内燃機関から送出される排ガスの流量は様々に変化する。このため、第1仮想構成では、CO分離装置に供給される流量が、適正流量に対して過小になることもあるし、過大になることもある。故に、第1仮想構成ではCO分離装置を高効率で動作させることが難しい。また、過大な流量の排ガスをCO分離装置に与えたとき、CO分離装置の劣化が促進するおそれもある。過大な流量の排ガスをCO分離装置に与えたとき、CO分離膜に加わる圧力が過大となってCO分離膜がダメージを受ける可能性がある(最悪の場合にはCO分離膜が破損するおそれもある)。
第2仮想構成について検討する。第2仮想構成では、車両に排ガスを貯めるためのタンクが1つ設けられる。そして、内燃機関からの排ガスをタンクに貯めてから、タンクの出力弁を開放することでタンク内の排ガスをCO分離装置に供給する。第2仮想構成を用いれば、タンクの出力弁の開放時において大きな流量(適正流量であり得る)の排ガスをCO分離装置に供給することが可能となる。但し、第2仮想構成では、内燃機関からの排ガスをタンクに貯めている期間においてCO分離装置へのガス供給が途絶えるため、COの回収効率が悪くなる。第2仮想構成において、仮にタンクの出力弁を常時開放したとすれば、第1仮想構成と同様、適正流量の排ガスをCO分離装置に供給することが難しくなる。出力弁の常時開放によって供給ガス流量が過小となればCOの分離及び回収の効率が低くなる。出力弁の常時開放によって供給ガス流量が過大となればCO分離装置の劣化促進のおそれを生む。
これらを総合勘案し、本実施形態に係るCO回収システムでは、上述の如く、車両1に排ガスを貯めるためのタンク21を複数設ける。本実施形態ではタンク21の総数が2である。そして、タンク21に排ガスを適量貯めてからタンク21内のガスをCO分離装置30に送る動作を、2つのタンク21を用いて交互に行う。この際、一方のタンク21内の排ガスをCO分離装置30に供給する動作と、他方のタンク21に排ガスを貯めてゆく動作と、を並行して行うことができる。これにより、内燃機関11の作動期間の全体において又は大部分において、CO分離装置を高効率で機能させることができる。つまり、本実施形態によれば、単位時間当たりのCOの分離及び回収量を、第1及び第2仮想構成よりも高めることが可能である。また、第1又は第2仮想構成について上述したようなCO分離装置の劣化促進も抑制される。
尚、本実施形態で用いるCO分離膜31の特性も図8に示したものと同様の特性を有する。例えば、CO分離膜31として8インチサイズのCO分離膜を用いることができ、この場合、透過ガス流量の収束値(上記一定量)は標準状態(STP)の換算値で約6.0m/hである。標準状態は0℃且つ1気圧の状態を指す。
図9に本実施形態に係るCO回収システムの動作フローチャートを示す。図9を参照して、CO回収システムの動作の流れを説明する。まずステップS11にて内燃機関11が作動開始する。するとステップS12にて内燃機関11からの排ガスの送出が開始され、続くステップS13にて浄化装置14による排ガスの浄化が開始される。その後、ステップS14にて、演算処理部110にて管理される変数iに“1”が代入される。尚、ステップS14の段階において、切り替え弁20における電磁弁20v[1]及び20v[2]の内、一方が開状態であっても良いが、ここでは電磁弁20v[1]及び20v[2]の双方が閉状態であるとする。ステップS14の段階において出力弁23[1]及び23[2]は閉状態である。また、ステップS14の後、特に記述無き限り、連結路13bを通じて三方弁15に流れ込む排ガスが三方弁15から貯留用接続路16に送り出されるものとする(即ち図2の貯留制御が行われる)。ステップS14の後、ステップS15に進む。
ステップS15において演算処理部110によりタンク21[i]が対象タンクに設定される。ステップS15に続くステップS16において、弁制御部F1は対象タンク21[i]に対応する電磁弁20v[i]を開状態に設定することで、対象タンク21[i]のガス充填動作を開始する。対象タンク21[i]のガス充填動作では、弁制御部F1により、電磁弁20v[1]及び20v[2]の内、電磁弁20v[i]のみが開状態に維持される(即ち切り替え弁20は第i開通状態に維持される)。加えて対象タンク21[i]のガス充填動作では、弁制御部F1により出力弁23[i]が閉状態に維持される。このため、対象タンク21[i]のガス充填動作の実行期間において、対象タンク21[i]に対し入力路24[i]を介して排ガスが流入し、流入した排ガスが対象タンク21[i]に貯め込まれてゆく(蓄積されてゆく)。
ステップS16に続くステップS17において、演算処理部110は内燃機関11が停止したか否かをチェックする。内燃機関11の停止とは内燃機関11の作動が停止することを意味し、内燃機関11の停止により内燃機関11からの排ガスの送出が停止される。内燃機関11が停止した場合には(ステップS17のY)図9の動作を終了する。内燃機関11が停止していない場合には(ステップS17のN)、ステップS18に進む。
ステップS18において、条件判断部F4は所定の充填終了条件が成立したかを判断する。充填終了条件が成立しているとき(ステップS18のY)、ステップS18からステップS19に進む。充填終了条件が非成立であるとき(ステップS18のN)、ステップS17に戻る。ステップS19において、弁制御部F1は対象タンク21[i]に対応する電磁弁20v[i]を開状態から閉状態に切り替えることで、対象タンク21[i]のガス充填動作を終了する。電磁弁20v[i]が閉状態とされることで、対象タンク21[i]に対する排ガスの流入は停止する。
対象タンク21[i]のガス充填動作の開始後、当該ガス充填動作が終了するまで、時間経過と共に対象タンク21[i]に貯め込まれる排ガスの量が増えてゆき、対象タンク21[i]内の圧力(従って内圧P[i])も増えてゆく。対象タンク21[i]の内圧P[i]が高まり過ぎると、内燃機関11からの排ガスの送出が阻害されるおそれ(排ガスの詰まりが生じるおそれ)がある、或いは、対象タンク21[i]の劣化が進むおそれがある。このため、対象タンク21[i]のガス充填動作の開始後、条件判断部F4は、対象タンク21[i]の内圧P[i]に基づき充填終了条件の成否を判断する。これにより、排ガスの詰まりを抑制できる又は内圧P[i]が過大になることによる対象タンク21[i]の劣化を抑制できる。充填終了条件の成立を契機に対象タンク21[i]のガス充填動作が終了するので、充填終了条件の成否の判断により、対象タンク21[i]のガス充填動作の終了タイミングが決定されることになる。
充填終了条件は、例えば、対象タンク21[i]の内圧P[i]が外圧P[i]に達したときに成立する。仮に、内圧P[i]が外圧P[i]に達した後においても電磁弁20v[i]を開状態にて維持した場合、内燃機関11からの排ガスの送出が阻害されるおそれ(排ガスの詰まりが生じるおそれ)がある。このため、内圧P[i]が外圧P[i]に達した時点で対象タンク21[i]のガス充填動作を終了させると良い。或いは、排ガスの詰まりの余裕度を考慮し、対象タンク21[i]の内圧P[i]が外圧P[i]を元に定まる基準圧力PREFに達したときに、充填終了条件が成立しても良い。基準圧力PREFは外圧P[i]から所定値ΔPだけ低い圧力であって良い(即ち、“PREF=P[i]-ΔP”であって良い)。或いは、基準圧力PREFは外圧P[i]のk倍であっても良い。kは1未満の正の所定値(例えば0.9)を持つ。何れにせよ、排ガスの詰まりを抑制することができる。尚、充填終了条件にて参照される外圧P[i]は、内燃機関11からの排ガスが対象タンク21[i]に流入する過程において当該排ガスが通過する位置における当該排ガスの圧力に相当する。
或いは、対象タンク21[i]の内圧P[i]が所定の閾圧力PTHに達したときに充填終了条件が成立しても良い。閾圧力PTHを適正に設定しておけば、排ガスの詰まりを抑制できる又は内圧P[i]が過大になることによる対象タンク21[i]の劣化を抑制できる。
ステップS19の後、ステップS20に進む。ステップS20において、演算処理部110は対象タンク21[i]のガス放出動作を開始する。対象タンク21[i]のガス放出動作は、対象タンク21[i]内の排ガスをCO分離装置30(詳細にはCO分離装置30の入力空間32)に放出する動作である。対象タンク21[i]のガス放出動作の詳細は後述されるが、対象タンク21[i]のガス放出動作は相応の時間をかけて継続実行される。ステップS20にて対象タンク21[i]のガス放出動作が開始された後、対象タンク21[i]のガス放出動作が終了するのを待たずに、即時、ステップS21にて演算処理部110は“i=1”の成否を判断する。“i=1”が成立している場合には(ステップS21のY)ステップS22にて変数iに“2”を代入してからステップS15に戻る。“i=1”が不成立の場合には(ステップS21のN)ステップS23にて変数iに“1”を代入してからステップS15に戻る。
図10は対象タンク21[i]のガス放出動作のフローチャートである。ガス放出動作は弁制御部F1及び送風機制御部F2の協働により実現される。図9の動作の中で対象タンク21はタンク21[1]及び21[2]間で切り替えられる。つまり、対象タンク21[1]のガス放出動作の開始後、上述のステップS22を経て対象タンクがタンク21[1]からタンク21[2]に切り替えられる(偶数回目のステップS15)。また、対象タンク21[2]のガス放出動作の開始後、上述のステップS23を経て対象タンクがタンク21[2]からタンク21[1]に切り替えられる(3回目以降であって且つ奇数回目のステップS15)。しかしながら、対象タンク21[i]のガス放出動作の説明における変数iは、ステップS20の時点における変数iであると解される。つまり、タンク21[1]が対象タンクであるときに図9のステップS20に至った場合、その後の図9の処理に依らず“i=1”とみなした上でタンク21[1]に対し図10のステップS31~S33の処理が実行される。同様に、タンク21[2]が対象タンクであるときに図9のステップS20に至った場合、その後の図9の処理に依らず“i=2”とみなした上でタンク21[2]に対し図10のステップS31~S33の処理が実行される。
対象タンク21[i]のガス放出動作では、まずステップS31において弁制御部F1により出力弁23[i]が閉状態から開状態に切り替えられ且つ送風機制御部F2により送風機28[i]の作動が開始される。ステップS31にて対象タンク21[i]のガス放出動作が開始される。ステップS31に続くステップS32において、条件判断部F4は所定の放出終了条件が成立したかを判断する。放出終了条件が成立しているとき(ステップS32のY)、ステップS32からステップS33に進む。放出終了条件が非成立であるとき(ステップS32のN)、ステップS32の判断処理が繰り返される。ステップS33において、弁制御部F1は出力弁23[i]を開状態から閉状態に切り替える。加えてステップS33において、送風機制御部F2は送風機28[i]を停止させる(送風機28[i]の作動を停止させる)。送風機制御部F2は、対象タンク21[i]のガス放出動作の実行期間においてのみ送風機28[i]を作動させれば良い。
対象タンク21[i]のガス放出動作が開始されると、対象タンク21[i]内に貯められた排ガスが、開状態の出力弁23[i]及び出力路25[i]を通じてCO分離装置30(詳細には入力空間32)に送られる。ステップS33にて出力弁23[i]が閉状態に切り替えられることで、対象タンク21[i]からCO分離装置30への排ガスの流れが停止し、対象タンク21[i]のガス放出動作が終了する。
条件判断部F4は、ステップS31にて出力弁23[i]が閉状態から開状態に切り替えられた時刻からの経過時間Tを計測する。そして、経過時間Tが所定の放出規定時間に達した時点で、条件判断部F4は放出終了条件が成立したと判断して良い。即ち、経過時間Tが所定の放出規定時間に達した時点で、弁制御部F1は出力弁23[i]を閉状態に戻して良く、これによって対象タンク21[i]のガス放出動作を終了させて良い。対象タンク21[i]に貯められた排ガスをCO分離装置30に対して適正な流量で供給可能な時間を、対象タンク21[i]の容積等に基づきCO回収システムの設計段階で見積もることができる。この見積もりの結果に基づき上記放出規定時間を定めておけば良い。これにより、対象タンク21[i]のガス放出動作において、適正流量の排ガスを継続的にCO分離装置30に供給することが可能となる。
或いは条件判断部F4は、対象タンク21[i]の内圧P[i]に基づき放出終了条件の成否を判断するようにしても良い。この場合、弁制御部F1は対象タンク21[i]の内圧P[i]に基づき対象タンク21[i]の出力弁23[i]を閉状態に戻すタイミング(従って対象タンク21[i]のガス放出動作の終了タイミング)を決定することになる。内圧P[i]が過小であると対象タンク21[i]から適正流量で排ガスをCO分離装置30に供給することができない。逆に言えば、内圧P[i]が一定以上あると、対象タンク21[i]から適正流量で排ガスをCO分離装置30に供給することができる。このため、内圧P[i]に基づく放出終了条件の成否判断により、対象タンク21[i]のガス放出動作において、適正流量の排ガスを継続的にCO分離装置30に供給することが可能となる。
より具体的には、条件判断部F4は、内圧P[i]が所定の放出下限圧以下にまで低下したとき、放出終了条件が成立したと判断して良い。この場合、弁制御部F1は内圧P[i]が所定の放出下限圧以下にまで低下したとき、出力弁23[i]を閉状態に戻し、これによって対象タンク21[i]のガス放出動作を終了させることになる。
また対象タンク21[i]の出力弁23[i]が開状態に制御される期間において、送風機制御部F2により送風機28[i]が作動される(ステップS31及びS33)。送風機28[i]の作動により、対象タンク21[i]から出力路25[i]を通じてCO分離装置30に向かう排ガスにエネルギが与えられる。従って、対象タンク21[i]のガス放出動作では、送風機28[i]の作動により、対象タンク21[i]からCO分離装置30に向かう排ガスの流量を増大させることができる。そうすると、送風機28[i]の作動条件の適正化を通じ、対象タンク21[i]のガス放出動作において、適正流量の排ガスを継続的にCO分離装置30に供給することが可能となる。
対象タンク21[i]からCO分離装置30に向かう排ガスの流量は、対象タンク21[i]の内圧P[i]に依存する。このため、対象タンク21[i]のガス放出動作において、送風機制御部F2は内圧P[i]に基づき送風機28[i]の作動条件を調整すると良い。これにより、対象タンク21[i]のガス放出動作において、CO分離装置30に対する適正流量の排ガスの継続的な供給を実現して良い。
適正流量とは、透過効率CCを最大化させる供給ガス流量AAを指す。透過効率CCとは、供給ガス流量AAに対する透過ガス流量BBの比を指す。供給ガス流量AAは、対象タンク21[i]のガス放出動作の実行期間において、対象タンク21[i]から対象CO分離装置30に供給される排ガスの流量を指す。透過ガス流量BBとは、対象タンク21[i]のガス放出動作の実行期間において、CO分離膜31を通過するガスの流量を指す。透過効率CCの最大値はCO分離装置30に供給される排ガス中のCO濃度に依存する。適正流量は透過効率CCを最大化させる供給ガス流量から若干ずれていても良い。
対象タンク21[i]のガス放出動作の実行期間において、送風機制御部F2は、送風機28[i]の作動条件の適正化を通じ、供給ガス流量AAを所定流量に保つ又は所定流量範囲に保つと良い。ここにおける所定流量は適正流量と一致する又は適正流量に近い。所定流量範囲は適正流量を含む範囲であって、最大の透過効率CC又は最大に近い透過効率CCが得られる範囲であると良い。尚、本実施形態において任意の流量は単位時間当たりにおける気体の移動量を指す。本実施形態において任意の気体の流量は標準状態における気体の流量換算値を表す。標準状態は一気圧且つ所定温度(例えば0℃)の状態である。
図11~図18を参照しつつ、図9及び図10の動作に沿った排ガスの流れを具体的に説明する。図11~図18は、図9及び図10の動作の流れの中におけるCO回収システムの一部状態を表す。図9において、ステップS15~S23から成る一連の処理は変数iの値を変えながら繰り返し実行されることになるが、今、1回目のステップS15から始まる動作を検討する。尚、内燃機関11は継続作動しているものとする。1回目のステップS15から始まる動作において対象タンクはタンク21[1]である。1回目のステップS16にてタンク21[1]のガス充填動作が開始される。
図11は、1回目のステップS16から1回目のステップS19に至る直前までの状態を表す。1回目のステップS16から1回目のステップS19に至る直前までの期間では、タンク21[1]のガス充填動作が実行される。
図12は、1回目のステップS19にて電磁弁20v[1]が閉状態とされた直後の状態を表す。図13は、1回目のステップS20にてタンク21[1]のガス放出動作が開始された直後の状態を表す。図14は、2回目のステップS16にてタンク21[2]のガス充填動作が開始された直後の状態を表す。図12~図14において、タンク21[1]に対するハッチングはタンク21[1]内に相応量の排ガスが貯留されていることを表す。2回目のステップS16にてタンク21[2]のガス充填動作が開始された直後では、タンク21[1]のガス放出動作が実行中である。
図15は、2回目のステップS16から2回目のステップS19に至る直前までの期間の内、タンク21[1]のガス放出動作が終了した後の期間における状態を表す。2回目のステップS16から2回目のステップS19に至る直前までの期間では、タンク21[2]のガス充填動作が実行される。
図16は、2回目のステップS19にて電磁弁20v[2]が閉状態とされた直後の状態を表す。図17は、2回目のステップS20にてタンク21[2]のガス放出動作が開始された直後の状態を表す。図18は、3回目のステップS16にてタンク21[1]のガス充填動作が開始された直後の状態を表す。図16~図18において、タンク21[2]に対するハッチングはタンク21[1]内に相応量の排ガスが貯留されていることを表す。3回目のステップS16にてタンク21[1]のガス充填動作が開始された直後では、タンク21[2]のガス放出動作が実行中である。タンク21[2]のガス放出動作が終了すると、図11の状態に戻り、以後、同様の動作が繰り返される。
尚、電磁弁20v[1]及び20v[2]を共に閉状態とされる期間においては、弁制御部F1が三方弁15を制御することで一時的に貯留制御が中断されて直接排出制御が実行される。但し、図9の動作において、電磁弁20v[1]及び20v[2]の内、一方の電磁弁の開状態から閉状態へ切り替えと、他方の電磁弁の閉状態の開状態からの切り替えを同時に行うようにしても良い。この場合、図9の動作の中で、電磁弁20v[1]及び20v[2]を共に閉状態とされる期間が生じないため、貯留制御の中断は不要である。
但し、タンク21[1]のガス放出動作が終了する前にタンク21[2]のガス充填動作における充填終了条件が成立する第1ケースも生じ得る。図14の状態を起点に、タンク21[1]のガス放出動作が終了する前にタンク21[2]のガス充填動作における充填終了条件が成立するケースが第1ケースに該当する。第1ケースにおいては、電磁弁20v[1]及び20v[2]を共に閉状態とし、その後、タンク21[1]のガス放出動作の終了を待ってから出力弁23[2]を開状態に切り替えてタンク21[2]のガス放出動作を開始すれば良い。或いは第1ケースにおいて、タンク21[2]のガス充填動作における充填終了条件の成立を契機にタンク21[1]のガス放出動作を終了させ、その後、速やかにタンク21[2]のガス放出動作を開始しても良い。
同様に、タンク21[2]のガス放出動作が終了する前にタンク21[1]のガス充填動作における充填終了条件が成立する第2ケースも生じ得る。図18の状態を起点に、タンク21[2]のガス放出動作が終了する前にタンク21[1]のガス充填動作における充填終了条件が成立するケースが第2ケースに該当する。第2ケースにおいては、電磁弁20v[1]及び20v[2]を共に閉状態とし、その後、タンク21[2]のガス放出動作の終了を待ってから出力弁23[1]を開状態に切り替えてタンク21[1]のガス放出動作を開始すれば良い。或いは第2ケースにおいて、タンク21[1]のガス充填動作における充填終了条件の成立を契機にタンク21[2]のガス放出動作を終了させ、その後、速やかにタンク21[1]のガス放出動作を開始しても良い。
本実施形態における特徴的な動作について説明を加える。演算処理部110は内燃機関11からの排ガスをCO分離装置30に導く制御(貯留制御)を行う。演算処理部110が行う制御の内、弁制御部F1が行う制御には切り替え制御及び出力弁制御が含まれる。切り替え制御は切り替え弁20を制御することで実現される制御である。切り替え制御は、切り替え弁20に流入する排ガスを切り替え弁20を通じて複数のタンク21(ここではタンク21[1]及び21[2])の何れかに導く制御である。出力弁制御は各出力弁23の状態の制御を指す。出力弁23[1]が開状態に制御されたとき、タンク21[1]内に蓄積された排ガスがCO分離装置30に導かれる(即ちタンク21[1]内の蓄積ガスがCO分離装置30に送出される)。出力弁23[2]が開状態に制御されたとき、タンク21[2]内に蓄積された排ガスがCO分離装置30に導かれる(即ちタンク21[2]内の蓄積ガスがCO分離装置30に送出される)。
演算処理部110は、複数のタンク21(本実施形態では2つのタンク21)の何れか対象タンクに設定する(ステップS15)。ここで設定される対象タンクは図9の動作フローチャートにおいて、記号“21[i]”にて参照される。弁制御部F1は、上述の切り替え制御により内燃機関11からの排ガスを切り替え弁20を通じて対象タンク21[i]に導く。内燃機関11からの排ガスを切り替え弁20を通じて対象タンク21[i]に導く動作は、対象タンク21[i]のガス充填動作に相当する。対象タンク21[i]のガス充填動作により対象タンク21[i]内に排ガスが貯まってゆく。その後、充填終了条件が成立すると(ステップS18のY)、電磁弁20v[i]の開状態から閉状態への切り替えにより対象タンク21[i]に対する排ガスの流入が停止する(ステップS19)。そして、弁制御部F1は、対象タンク21[i]に対する排ガスの流入を停止しつつ、上述の出力弁制御により対象タンク21[i]の出力弁23[i]を閉状態から開状態に切り替える(ステップS31)。出力弁23[i]が開状態とされることで対象タンク21[i]のガス放出動作が行われる。その後、放出終了条件の成立を契機に出力弁23[i]が閉状態に戻されることで対象タンク21[i]のガス放出動作が終了する。
1つのタンク21に対して実行されるガス充填動作及びガス放出動作を含む一連の動作を単位動作と称する。上述の説明から明らかなように、演算処理部110は各タンク21に対して単位動作を実行する。この際、演算処理部110は複数のタンク21(本実施形態では2つのタンク21)に対する単位動作の実行タイミングを互いに異ならせる。
このため、一方のタンク21内の排ガスをCO分離装置30に供給する動作と、他方のタンク21に排ガスを貯めてゆく動作と、を並行して行うことができる。これにより、内燃機関11の作動期間の全体において又は大部分において、適正流量の排ガスをCO分離装置30に供給し続けることが可能となる。結果、本実施形態では、単位時間当たりのCOの分離及び回収量を、上記第1及び第2仮想構成よりも高めることが可能である。また、第1又は第2仮想構成について上述したようなCO分離装置30の劣化促進が回避される。
図9~図18を参照して説明した事項から理解されるよう、タンク21[1]及び21[2]の内、一方のタンク21のガス放出動作の実行期間と、他方のタンク21のガス充填動作の実行期間と、は互いに重複する期間を有する。つまり、一方のタンク21内の排ガスをCO分離装置30に供給する動作と、他方のタンク21に排ガスを貯めてゆく動作と、が並行して行われる。故に、内燃機関11の作動期間の全体において又は大部分において適正流量の排ガスをCO分離装置30に供給し続けることが可能となる。図14の状態が属する期間は、タンク21[1]のガス放出動作の実行期間とタンク21[2]のガス充填動作の実行期間とが互いに重複する期間である。図18の状態が属する期間は、タンク21[2]のガス放出動作の実行期間とタンク21[1]のガス充填動作の実行期間とが互いに重複する期間である。
<<第2実施形態>>
本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態及び後述の第3~第5実施形態は第1実施形態を基礎とする実施形態であり、第2~第5実施形態において特に述べない事項に関しては、矛盾の無い限り、第1実施形態の記載が第2~第5実施形態にも適用される。但し、第2実施形態の記載を解釈するにあたり、第1及び第2実施形態間で矛盾する事項については第2実施形態の記載が優先されて良い(後述の第3~第5実施形態についても同様)。矛盾の無い限り、第1~第5実施形態の内、任意の複数の実施形態を組み合わせても良い。
第1実施形態では車両1に設置されるタンク21の総数が2である。しかしながら、車両1に設置されるタンク21の総数は2以上あれば任意である。即ち、車両1に設けられるガス貯留ブロックの総数は2以上あれば任意である。第1実施形態で述べたように、各ガス貯留ブロックは、タンク21、入力路24、出力路25、外圧センサ26、内圧センサ27及び送風機28を備える。各タンク21の出力口には出力弁23が取り付けられる。
車両1に設けられるガス貯留ブロックの総数を“n”で表す。nは2以上の任意の整数である。第i番目のガス貯留ブロックにおけるタンク21はタンク21[i]と称される。演算処理部110は各タンク21に対して単位動作を実行する。更に、演算処理部110はタンク21[1]~21[n]に対する単位動作の実行タイミングを互いに異ならせる。
n=3である場合、図9のステップS20の後の処理を以下のように変形すれば良い。即ち、ステップS20にて対象タンク21[i]のガス放出動作を開始した後、ステップS21にて演算処理部110は“i=1”、“i=2”及び“i=3”の何れが成立するかを判断する。そして、“i=1”の成立時には変数iに“2”を代入してからステップS15に戻る。“i=2”の成立時には変数iに“3”を代入してからステップS15に戻る。“i=3”の成立時には変数iに“1”を代入してからステップS15に戻る。これにより、タンク21[1]~21[3]に対する単位動作が実行期間を違えながら循環的に反復実行される。
“n=3”である場合、切り替え弁20は排ガスの流入先をタンク21[1]~21[3]間で切り替える構成を持つ。即ち、“n=3”にて貯留制御が行われるとき、切り替え弁20は、制御装置100の制御の下、自身に流入した排ガスをタンク21[1]、21[2]及び21[3]の何れかに送る。タンク21[i]のガス充填動作が行われるとき、弁制御部F1は、切り替え弁20に流入した排ガスがタンク21[i]に送られるよう切り替え弁20を制御すれば良い。“n≧4”である場合も同様に変形すれば良い。
<<第3実施形態>>
本発明の第3実施形態を説明する。各タンク21における排ガスの入り口部分にも送風機(以下、追加送風機と称する)が設けられていても良い。“n=2”であることを想定して追加送風機の設置位置等を説明する。
図19を参照する。第3実施形態に係る車両1には、第1実施形態の構成を基準に追加送風機29[1]及び29[2]が更に設けられる。追加送風機29[i]は上述の送風機28[i]と同等の構成を持つものであって良い。追加送風機29[i]は入力路24[1]を設置される。但し、追加送風機29[i]はタンク21[i]に取り付けられるものであっても良い。
送風機制御部F2が追加送風機29[1]及び29[2]の動作を制御する。送風機制御部F2は、タンク21[i]のガス充填動作の実行期間において追加送風機29[i]を作動させる。送風機制御部F2は、タンク21[i]のガス充填動作の非実行期間において追加送風機29[i]を非作動にすると良い。タンク21[i]のガス充填動作の実行期間において追加送風機29[i]が作動するとき、追加送風機29[i]は切り替え弁20から送られる排ガスを吸い込んで、吸い込んだ排ガスをタンク21[i]に向けて吐き出す。この際、追加送風機29[i]は切り替え弁20からタンク21[i]に向かうガスにエネルギを与える。
外圧センサ26[i]は追加送風機29[i]とタンク21[i]との間の排ガスの圧力を検出する。但し、切り替え弁20と追加送風機29[i]との間の排ガスの圧力が、外圧センサ26[i]にて検出されても良い。
追加送風機29[i]の設置により、内燃機関11からの排ガスの送出が阻害されにくくなる(排ガスの詰まりが生じにくくなる)。また、追加送風機29[i]の設置により、タンク21[i]に貯留される排ガスの圧力を高めることもできる。これは、ガス放出動作におけるCO分離装置30への供給ガス流量の向上又は適正化に繋がる。
<<第4実施形態>>
本発明の第4実施形態を説明する。図20を参照する。タンク21[i]のガス放出動作の実行期間において、演算処理部110は、CO分離装置30から残ガス排出路37に送られた残ガスの一部又は全部を貯留用接続路16に戻す動作(以下、ガス戻し動作と称する)を行っても良い。ガス戻し動作の実現のため車両1に配管60が設けられる。図20では配管60の機能が概念的に示される。
演算処理部110は、CO分離装置30でのCOの分離が不十分であると推定されるときに、ガス戻し動作を行う。演算処理部110は、CO分離装置30でのCOの分離が不十分であると推定されないときには、ガス戻し動作を非実行として良い。ガス戻し動作が行われるときのみ、残ガス排出路37を配管60を通じて貯留用接続路16に連結する機構が車両1に設けられる。尚、配管60中にタンクに相当する比較的大きな空間を設けておくようにしても良い。
演算処理部110は、車両1に設置された車載センサ群(不図示)から出力される車両状態情報に基づき、CO分離装置30でのCOの分離が不十分であるか否かを推定する。演算処理部110は、車両状態情報に基づき、内燃機関11が送出する排ガス中のCOの量が相当に大きいと判断されるときに、CO分離装置30でのCOの分離が不十分であると推定する。ガス戻し動作により、分離しきれなかったCOを含む排ガスを、再度、CO分離装置30に送ることが可能となる。
車両状態情報は、回転数情報、車速情報、ギア情報、アクセル情報及びブレーキ情報を含む。回転数情報は内燃機関11であるエンジンの回転数を表す。車速情報は車両1の速度を表す。ギア情報は車両1に設けられた変速機のギア比を表す。アクセル情報は車両1に設けられたアクセルペダルへの操作量(運転手による操作量)を表す。ブレーキ情報は車両1に設けられたブレーキペダルへの操作量(運転手による操作量)を表す。
車両状態情報は、内燃機関11の空燃比を表す空燃比情報を含んでいても良い。車載センサ群に含まれる空燃比センサ(不図示)は、連結路13a又は13b内の排ガス中の酸素濃度を測定することを通じて空燃比情報を取得する。
<<第5実施形態>>
第5実施形態を説明する。第5実施形態では、上述した各事項に対する変形技術又は補足事項等を説明する。
CO貯留装置40にて貯留されたCOは、例えば、ガソリンスタンド又は車庫等に設置された回収機器(不図示)に対してCO貯留装置40が接続されたときに、CO貯留装置40から回収機器に放出される。或いは、CO貯留装置40全体又はCO貯留装置40内のカートリッジを車両1から取り外すことで、CO貯留装置40に貯留されたCOが車外に取り出されても良い。
排ガスに関わる装置として、上述の各図面に示されない装置(以下、追加装置と称する)が車両1に設けられていても良い。追加装置として排ガス冷却装置が車両1に設置されて良い。排ガス冷却装置は、排ガスの流路においてCO分離装置30の上流側に配置され、CO分離装置30に流入する排ガスの温度を低下させる。排ガス冷却装置の設置により、熱によるCO分離装置30の劣化(特にCO分離膜31の劣化)を抑制することができる。追加装置としてエネルギ変換装置が車両1に設置されて良い。エネルギ変換装置は、排ガスが有する熱エネルギを他のエネルギ(電気エネルギ等)に変換する。変換により得られた他のエネルギ(電気エネルギ等)を車両1にて利用することができる。排ガスをエネルギ変換装置に通すことで排ガスの温度が低下する。このため、エネルギ変換装置は排ガス冷却装置の一種であるともいえる。排ガスの流路においてエネルギ変換装置をCO分離装置30の上流側に配置し、CO分離装置30に流入する排ガスの温度をエネルギ変換装置にて低下させて良い。
図1に示す構造では貯留制御(図2参照)が行われるとき、排ガスの一部はCO分離装置30を経由してからマフラ18に送られる。しかしながら、貯留制御が行われるとき、三方弁15を通過した排ガスを分離前マフラ(不図示)に供給し、分離前マフラの経由後の排ガスをタンク21等を経由してCO分離装置30に供給する変形構成が採用されても良い。分離前マフラは、車両1に対しマフラ18とは別に設置されたマフラであって良い。当該変形構成では、CO分離装置30に流入する排ガスの温度を分離前マフラにより下げることができるため、熱によるCO分離膜31の劣化を抑制することができる。分離前マフラは上述の排ガス冷却装置の一種であると解しても良い。
本実施形態に係るCO回収システムは、少なくとも制御装置100、切り替え弁20、複数のガス貯留ブロック、CO分離装置30及びCO貯留装置40を備えて構成される。但し、車両1に搭載されるものとして上述した任意の部品は、CO回収システムの構成要素に含まれ得る。CO回収システムを排ガス処理装置と読み替えても良い。制御装置100は排ガス処理用の制御装置として機能する又は排ガス処理用の制御装置を内包する。
車両1は内燃機関11を用いて発生した駆動力にて移動する移動体の例である。本発明において、移動体は車両に分類されないもの(例えばロボット、ドローン)であっても良い。
車両1は、本発明に係る排ガス処理用の制御装置及びCO回収システムが適用される対象機器の例である。本発明に係る排ガス処理用の制御装置及びCO回収システムを、車載用途とは異なる任意の用途に適用することも可能である。即ち、対象機器は車両に限定されず、本発明に係る排ガス処理用の制御装置及びCO回収システムを任意の対象機器に適用及び搭載できる。また、上述の車両1に設けられる熱機関は内燃機関(11)であるが、対象機器に設けられる熱機関は内燃機関及び外燃機関の何れであっても良いし、内燃機関及び外燃機関の組み合わせであっても良い。熱機関の作動により熱機関からCOを含む排ガスが送出される。
具体的には、対象機器は化石燃料(石油又はガス等)を燃焼させる装置又は設備であっても良い。化石燃料を燃焼させる装置又は設備の例として、火力発電を行う装置又は設備、溶炉を備えた装置又は設備、コジェネレーションを行う装置又は設備、及び、暖房装置が挙げられる。閉鎖環境の換気システムに対して、本発明に係る排ガス処理用の制御装置及びCO回収システムを適用及び搭載しても良い。閉鎖環境として、宇宙空間に形成された居住施設(宇宙ステーション等)、及び、深海に形成された居住施設が挙げられる。
本発明の実施形態にて述べた任意の方法をコンピュータに実行させるプログラム、及び、そのプログラムを記録した記録媒体であって且つコンピュータ読み取り可能な不揮発性の記録媒体は、本発明の実施形態の範囲に含まれる。本発明の実施形態における任意の処理は、半導体集積回路等のハードウェア、上記プログラムに相当するソフトウェア、又は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現されて良い。ここにおけるソフトウェア及びハードウェアは夫々に複数あっても良い。
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
1 車両
11 内燃機関
12 排気マニホールド
13、排気管
13a、13b 連結路
14 浄化装置
15 三方弁
16 貯留用接続路
17 排気用接続路
18 マフラ
20 切り替え弁
20v[1]、20v[2] 電磁弁
21[1]、21[2] タンク
22[1]、22[2] 入力口
23[1]、23[2] 出力弁
24[1]、24[2] 入力路
25[1]、25[2] 出力路
26[1]、26[2] 外圧センサ
27[1]、27[2] 内圧センサ
28[1]、28[2] 送風機
29[1]、28[2] 追加送風機
30 CO分離装置
31 CO分離膜
32 入力空間
33 出力空間
36 分離ガス路
37 残ガス排出路
40 CO貯留装置
100 制御装置
110 演算処理部
120 メモリ
130 インターフェース
F1 弁制御部
F2 送風機制御部
F3 圧力監視部
F4 条件判断部

Claims (10)

  1. 対象機器に設けられた熱機関からの排ガスをCO分離膜を含むCO分離装置に導く制御を行う処理部を備え、
    前記対象機器において、前記熱機関と前記CO分離装置との間に、前記排ガスを貯めるタンクが複数設けられるとともに前記排ガスの流入先を前記複数のタンク間で切り替える切り替え弁が設けられ、
    前記処理部は、前記切り替え弁を制御することで前記排ガスを前記切り替え弁を通じて前記複数のタンクの何れかに導く切り替え制御と、各タンクに対して設けられた出力弁の状態を制御する出力弁制御と、を実行し、
    対応する出力弁が開状態に制御されたタンク内の蓄積ガスが前記CO分離装置に導かれ、
    前記処理部は、前記複数のタンクの何れかを対象タンクに設定して前記対象タンクに対して単位動作を実行し、
    前記単位動作において、前記処理部は、前記切り替え制御により前記排ガスを前記切り替え弁を通じて前記対象タンクに導き、これによって前記対象タンク内に前記排ガスを貯めた後、前記対象タンクに対する前記排ガスの流入を停止しつつ前記出力弁制御により前記対象タンクの出力弁を閉状態から開状態に切り替え、
    前記処理部は、前記複数のタンクに対する前記単位動作の実行タイミングを互いに異ならせつつ前記単位動作を各タンクに対して実行する
    、排ガス処理用の制御装置。
  2. 前記複数のタンクは少なくとも一組の第1タンク及び第2タンクを含み、前記第1タンクに対する前記単位動作において前記第1タンクの出力弁を開状態に制御する期間と、前記第2タンクに対する前記単位動作において前記排ガスを前記第2タンクに対して導く期間と、は互いに重複する期間を有する
    、請求項1に記載の排ガス処理用の制御装置。
  3. 前記単位動作において、前記処理部は、前記対象タンク内に前記排ガスを貯めてゆくガス充填動作を開始した後、前記対象タンクの内圧に基づき前記ガス充填動作の終了タイミングを決定する
    、請求項1に記載の排ガス処理用の制御装置。
  4. 前記単位動作において、前記処理部は、前記ガス充填動作を開始した後、前記排ガスが前記対象タンクに流入する過程において前記排ガスが通過する位置における前記排ガスの圧力と、前記対象タンクの内圧と、を監視し、前記対象タンクの内圧が前記位置における前記排ガスの圧力に達したとき、又は、前記対象タンクの内圧が前記位置における前記排ガスの圧力を元に定まる基準圧力に達したとき、前記ガス充填動作を終了する
    、請求項3に記載の排ガス処理用の制御装置。
  5. 前記単位動作において、前記処理部は、前記ガス充填動作を開始した後、前記対象タンクの内圧が所定の閾圧力に達したとき、前記ガス充填動作を終了する
    、請求項3に記載の排ガス処理用の制御装置。
  6. 前記単位動作において、前記処理部は、前記対象タンクの出力弁を閉状態から開状態に切り替えた後、所定時間が経過すると、前記対象タンクの出力弁を閉状態に戻す
    、請求項1に記載の排ガス処理用の制御装置。
  7. 前記単位動作において、前記処理部は、前記対象タンクの出力弁を閉状態から開状態に切り替えた後、前記対象タンクの内圧に基づき、前記対象タンクの出力弁を閉状態に戻すタイミングを決定する
    、請求項1に記載の排ガス処理用の制御装置。
  8. 前記対象機器において前記タンクごと、前記タンクから前記CO分離装置に向かうガスにエネルギを与える送風機が設けられ、
    前記単位動作において、前記処理部は、前記対象タンクの出力弁を開状態に制御する期間にて前記対象タンクに対応する送風機を作動させる
    、請求項1~7の何れかに記載の排ガス処理用の制御装置。
  9. 請求項1~7の何れかに記載の排ガス処理用の制御装置と、
    前記切り替え弁と、
    前記複数のタンクと、
    前記CO分離装置と、
    各タンクから前記CO分離装置に送られたガスの内、前記CO分離膜を通過したCOを貯留するCO貯留装置と、を備えた
    、CO回収システム。
  10. 対象機器に設けられた熱機関からの排ガスをCO分離膜を含むCO分離装置に導く排ガス処理用の制御方法であって、
    前記対象機器において、前記熱機関と前記CO分離装置との間に、前記排ガスを貯めるタンクが複数設けられるとともに前記排ガスの流入先を前記複数のタンク間で切り替える切り替え弁が設けられ、
    当該制御方法は、前記切り替え弁を制御することで前記排ガスを前記切り替え弁を通じて前記複数のタンクの何れかに導く切り替え制御と、各タンクに対して設けられた出力弁の状態を制御する出力弁制御と、を実行し、
    対応する出力弁が開状態に制御されたタンク内の蓄積ガスが前記CO分離装置に導かれ、
    当該制御方法は、前記複数のタンクの何れかを対象タンクに設定して前記対象タンクに対して単位動作を実行し、
    前記単位動作において、前記切り替え制御により前記排ガスを前記切り替え弁を通じて前記対象タンクに導き、これによって前記対象タンク内に前記排ガスを貯めた後、前記対象タンクに対する前記排ガスの流入を停止しつつ前記出力弁制御により前記対象タンクの出力弁を閉状態から開状態に切り替え、
    前記複数のタンクに対する前記単位動作の実行タイミングを互いに異ならせつつ前記単位動作を各タンクに対して実行する
    、排ガス処理用の制御方法。
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