JP2024063742A - 操舵装置 - Google Patents

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JP2024063742A JP2023134374A JP2023134374A JP2024063742A JP 2024063742 A JP2024063742 A JP 2024063742A JP 2023134374 A JP2023134374 A JP 2023134374A JP 2023134374 A JP2023134374 A JP 2023134374A JP 2024063742 A JP2024063742 A JP 2024063742A
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篤志 生田
Atsushi Ikuta
茂雄 篠原
Shigeo Shinohara
彰伸 中村
Akinobu Nakamura
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Abstract

【課題】ステータと集磁ヨークとの軸方向距離が変化しにくいトルクセンサを備える操舵装置を提供すること。【解決手段】操舵装置80は、第1段差部210と第2段差部220とを有するハウジング200と、第3段差部230を有するシャフト300と、第1軸受70と、第2軸受77と、シャフト300に固定されるナット120と、シャフト300に固定されるステータ50と、ハウジング200に固定される集磁ヨーク43とを含むトルクセンサ10と、を備える。シャフト300をハウジング200に組み付けた状態で、シャフト300において、第1軸受70の内周側に位置する部位と第2軸受77の内周側に位置する部位との間の領域には、D方向に延びる引張力P1、P2が作用する。【選択図】図13

Description

本開示は、操舵装置に関する。
操舵装置は、ハウジングと、ハウジングの内側に配置され且つ軸方向に延びるシャフトと、シャフトに固定されるステータとハウジングに固定される集磁ヨークとを含むトルクセンサと、を備える。ステータは、フランジ部を有し、当該フランジ部は、集磁ヨークに対して、軸方向に隙間をおいて重なる。シャフトは、スタブシャフトと、ピニオン軸と、トーションバーとを備え、トーションバーを介してスタブシャフトとピニオン軸とが連結される。トルクセンサは、スタブシャフトとピニオン軸との相対的なねじれ角度を検出する。ECUは、トルクセンサで検出されたねじれ角度を、トーションバーのばね定数に基づいてトルクに換算する。
特開2016-179760号公報
特許文献1では、複数の軸受を介してシャフトがハウジングに対して回転可能に支持されるが、複数の軸受のうち軸方向の外力を受ける軸受は1つのみである。このため、シャフトを軸方向で支持する剛性が低く、シャフトに対して軸方向の外力が入力された時にシャフトが軸方向に変位しやすくなる。よって、シャフトに固定されるステータとハウジングに固定される集磁ヨークとの軸方向の距離が変化しやすいため、特許文献1の操舵装置では、トルクセンサの出力特性にバラツキが生じ、安定した検出トルクを得にくい可能性がある。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、ステータと集磁ヨークとの軸方向距離が変化しにくいトルクセンサを備える操舵装置を提供することを目的とする。
本開示の操舵装置は、第1方向に延びる内面を有し、当該内面は、第1内面部と当該第1内面部よりも小さい内径を有する第2内面部と前記第1内面部と前記第2内面部とを接続する接続部とをそれぞれ有し且つ第1方向の一方側に位置する第1段差部と第1方向の他方側に位置する第2段差部とを備えるハウジングと、前記ハウジングの内側に配置されて第1方向に沿った軸方向に延び、外周面は、第1外周面部と当該第1外周面部よりも大きい外径を有する第2外周面部と前記第1外周面部と前記第2外周面部とを接続する接続部とを有し且つ第1方向において前記第1段差部に対応する第3段差部を有するシャフトと、前記ハウジングの前記第1段差部と前記シャフトの前記第3段差部とに組み付けられ且つ前記シャフトを前記ハウジングに対して回転可能に支持する第1軸受と、前記ハウジングの前記第2段差部と前記シャフトの部位のうち第1方向において当該第2段差部に対応する部位とに組み付けられ且つ前記シャフトを前記ハウジングに対して回転可能に支持する第2軸受と、前記シャフトに固定され且つ前記第2軸受の軸方向への移動を阻止する固定部材と、前記シャフトの径方向外側に突出するフランジ部を有し且つ前記シャフトに固定されるステータと、前記ハウジングに固定され且つ第1方向に隙間をおいて前記ステータの前記フランジ部と重なる集磁ヨークと、を含むトルクセンサと、を備え、前記トルクセンサは、前記第1軸受よりも第1方向の一方側または前記第2軸受よりも第1方向の他方側に配置され、前記シャフトを前記ハウジングに組み付けた状態で、前記シャフトにおいて、前記第1軸受の内周側に位置する部位と前記第2軸受の内周側に位置する部位との間の領域には、第1方向に延びる引張力が作用する。
前述したように、特許文献1では、複数の軸受を介してシャフトがハウジングに対して回転可能に支持されているものの、軸方向の外力を受ける軸受は1つのみであるため、シャフトを軸方向で支持する剛性が低く、軸方向の外力が入力された時にシャフトが軸方向に変位し、シャフトに固定されるステータとハウジングに固定される集磁ヨークとの軸方向の距離が変化しやすい。
これに対して、本開示では、第1軸受および第2軸受がシャフトとハウジングとに組み付けられ、軸方向の外力に対しシャフトを2つの軸受で支持するため、特許文献1よりもシャフトを軸方向で支持する剛性が大きい。また、本開示では、シャフトに対して軸方向(第1方向)に引張力が作用しているため、シャフトの軸方向の剛性が特許文献1よりも大きい。以上より、特許文献1のように、シャフトに対して軸方向に引張力が作用しておらず、且つ、1つの軸受でシャフトの軸方向の支持を行う場合と比較すると、本開示のシャフトの方が、シャフトの回転時における軸方向の変位がより抑制されて軸方向に移動しにくくなる。ここで、トルクセンサにおけるステータは、シャフトに固定され、集磁ヨークはハウジングに固定される。従って、本開示の方が特許文献1よりも、シャフトの軸方向の変位が抑制され、ステータのフランジ部と集磁ヨークとの軸方向の距離が変化しにくくなり、トルクセンサでより安定した検出トルクを検出することができる。
望ましい形態として、前記シャフトを前記ハウジングに組み付ける前の状態において、前記第1軸受の第1方向の高さを第1距離とし、前記第2軸受の第1方向の高さを第2距離とし、前記ハウジングの前記第1段差部の前記接続部と前記第2段差部の前記接続部との第1方向に沿った距離を第3距離とし、前記シャフトの部位において、前記第3段差部の前記接続部と前記シャフトに固定される前記固定部材の位置との第1方向に沿った距離を第4距離とした場合、前記第1距離と前記第2距離と前記第3距離との合計距離は、前記第4距離よりも大きい。
シャフトをハウジングに組み付ける前の状態においては、第1距離と第2距離と第3距離との合計距離は、第4距離よりも大きい。これに対して、シャフトをハウジングに組み付けた後の状態においては、第1距離と第2距離と第3距離との合計距離に相当する距離は、第4距離に相当する距離と同一である。即ち、シャフトをハウジングに組み付けることにより、シャフトには、第1方向に延びる引張力が作用し、シャフトは、無負荷状態よりも第1方向に引き延ばされて弾性変形する。これに対して、ハウジングには、圧縮力が作用し、無負荷状態よりも第1方向に縮んで弾性変形する。このように、上記の寸法関係の構成部品で操舵装置を組み立てれば、シャフトに対して第1方向に延びる引張力が作用し、ハウジングには圧縮力が作用することにより、第1軸受および第2軸受のそれぞれにおける内輪、外輪および転動体等の構成部品が軸方向に外力を受けることで、外力の入力時における軸方向の変位がより抑制されて軸方向に移動しにくくなる。
本開示の操舵装置は、第1方向に延びる内面を有し、当該内面は、第1内面部と当該第1内面部よりも小さい内径を有する第2内面部と前記第1内面部と前記第2内面部とを接続する接続部とをそれぞれ有し且つ第1方向の一方側に位置する第1段差部と第1方向の他方側に位置する第2段差部とを備えるハウジングと、前記ハウジングの内側に配置されて第1方向に沿った軸方向に延び、外周面は、第1外周面部と当該第1外周面部よりも大きい外径を有する第2外周面部と前記第1外周面部と前記第2外周面部とを接続する接続部とを有し且つ第1方向において前記第1段差部に対応する第3段差部を有するシャフトと、前記ハウジングの前記第1段差部と前記シャフトの前記第3段差部とに組み付けられ且つ前記シャフトを前記ハウジングに対して回転可能に支持する第1軸受と、前記ハウジングの前記第2段差部と前記シャフトの部位のうち第1方向において当該第2段差部に対応する部位とに組み付けられ且つ前記シャフトを前記ハウジングに対して回転可能に支持する第2軸受と、前記シャフトに固定され且つ前記第2軸受の軸方向への移動を阻止する固定部材と、前記シャフトの径方向外側に突出するフランジ部を有し且つ前記シャフトに固定されるステータと、前記ハウジングに固定され且つ第1方向に隙間をおいて前記ステータの前記フランジ部と重なる集磁ヨークと、を含むトルクセンサと、を備え、前記トルクセンサは、前記第1軸受よりも第1方向の一方側または前記第2軸受よりも第1方向の他方側に配置され、前記シャフトを前記ハウジングに組み付ける前の状態において、前記第1軸受の第1方向の高さを第1距離とし、前記第2軸受の第1方向の高さを第2距離とし、前記ハウジングの前記第1段差部の前記接続部と前記第2段差部の前記接続部との第1方向に沿った距離を第3距離とし、前記シャフトの部位において、前記第3段差部の前記接続部と前記シャフトに固定される前記固定部材の位置との第1方向に沿った距離を第4距離とした場合、前記第1距離と前記第2距離と前記第3距離との合計距離は、前記第4距離よりも大きい。
このように、上記の寸法関係の構成部品で操舵装置を組み立てれば、シャフトに対して第1方向に延びる引張力が作用し、ハウジングには圧縮力が作用することにより、第1軸受および第2軸受のそれぞれで軸方向の外力を受けることにより、軸方向の外力の入力時におけるシャフトの軸方向の変位がより抑制されてシャフトが軸方向に移動しにくくなる。
望ましい形態として、前記第1軸受および前記第2軸受は、内輪と外輪と転動体とをそれぞれ備え、前記第1軸受の前記内輪における軸方向の一方側の端面は、前記第3段差部の前記接続部に当接し、前記第1軸受の前記外輪における軸方向の他方側の端面は、前記第1段差部の前記接続部に当接し、前記第2軸受の前記内輪における軸方向の他方側の端面は、前記固定部材に当接し、前記第2軸受の前記外輪における軸方向の一方側の端面は、前記第2段差部の前記接続部に当接する。従って、ナットをシャフトに締結すると、ナットが第2軸受を介してハウジングを第1方向の一方側に押圧するが、ハウジングは、第1軸受の反力によって第1方向の他方側にも押圧される。よって、ハウジングには、第1方向の圧縮力が作用し、第1軸受および第2軸受のそれぞれにおける内輪、外輪および転動体等の構成部品同士の軸方向隙間がより小さくなる。また、シャフトには、ナットの締結による引張力が第1方向の他方側に向けて作用する。また、第1軸受がシャフトを第1方向の一方側に押すため、シャフトには、引張力が第1方向の一方側に向けて作用する。このように、シャフトには、第1方向の引張力が作用する。
望ましい形態として、前記第1軸受は、前記シャフトにしまり嵌めの状態で取り付けられ、前記第2軸受は、前記シャフトにすきま嵌めの状態で取り付けられる。従って、例えば、シャフトに第1軸受を圧入した状態で、ハウジングに予め取り付けた第2軸受の内周側にシャフトの先端部を挿入することにより、シャフトをハウジングに組み付けることができる。
望ましい形態として、前記シャフトは、前記第2軸受の内周側に配置され且つ外周面が円筒状である軸部と、当該軸部に対して軸方向の他方側に位置し且つ前記軸部よりも径が小さい雄ねじ部と、前記軸部と前記雄ねじ部とを連結する連結部と、を備え、前記固定部材は、内周に、前記雄ねじ部と噛み合う雌ねじ部が設けられる締結部材であり、前記締結部材は、前記第2軸受の前記内輪と前記連結部とに当接する。このように、ナットが、内輪と連結部との双方に当接するため、ナットの締めすぎによる内輪への過度な押圧力を抑制することができる。
望ましい形態として、前記締結部材は、ナットと、弾性部材とを含み、当該弾性部材は、前記ナットと前記第2軸受の前記内輪との間に挟まれる。皿ばねは、ナットと内輪との双方を第1方向に押圧するため、仮に、ナットの締結が不十分の場合でも、内輪を第1方向の一方側に押すことができる。
望ましい形態として、前記締結部材は、ナットと、磨きワッシャとを含み、当該磨きワッシャは、前記ナットと前記第2軸受の前記内輪との間に挟まれる。通常のワッシャではプレス成型によるダレが発生し、平面度が磨きワッシャよりも大きいため、磨きワッシャを使用することが望ましい。
望ましい形態として、前記締結部材は、頭部と、外周に雄ねじ部が設けられる軸部とを有するボルトであり、前記シャフトの軸方向の他方側の端部には、第1方向に沿って延び且つ前記ボルトの前記雄ねじ部が噛み合う雌ねじ部が設けられる。従って、締結部材がナットの場合よりも、シャフトにおける軸方向端部の軸方向への突出長さをより短く設定することができる。
望ましい形態として、前記シャフトは、前記第2軸受の内周側に配置され且つ外周面が円筒状である軸部と、当該軸部に対して軸方向の他方側に位置し且つ前記軸部よりも径が小さい雄ねじ部と、前記軸部と前記雄ねじ部とを連結する連結部と、を備え、前記固定部材は、内周に、前記雄ねじ部と噛み合う雌ねじ部が設けられる締結部材であり、前記締結部材は、前記第2軸受の前記内輪に当接し、且つ、前記連結部に対して軸方向に間隙が設けられる。
従って、締結部材を締結したとき、締結部材からの力が第2軸受のみに伝達される。即ち、締結部材が、連結部と内輪との双方に当接する場合は、締結部材からの力が、連結部と内輪との双方に伝達される。しかし、締結部材が連結部に対して離隔する場合は、締結部材からの力が連結部に伝達されず、内輪にのみ伝達される。よって、締結部材から第2軸受に伝達される力がより大きくなる。
望ましい形態として、前記シャフトは、前記軸部と、当該軸部に対して第1方向の一方側に位置し且つ前記軸部よりも大きい外径を有する第3外周面部と、前記軸部と前記第3外周面部とを接続する接続部と、を有し、且つ、第1方向において前記第2段差部に対応する第4段差部を備え、当該第4段差部の前記接続部は、前記第2軸受の前記内輪に当接する。
従って、接続部と第2軸受の内輪との間に間隙が設けられる場合と比較すると、シャフトの第1方向の距離をより小さくすることができ、ひいては、操舵装置の小型化を図ることが可能となる。
本開示によれば、ステータと集磁ヨークとの軸方向距離が変化しにくいトルクセンサを備える操舵装置を提供することができる。
図1は、第1実施形態の操舵装置を説明するための模式図である。 図2Aは、第1実施形態に係る操舵装置の要部斜視図である。 図2Bは、図2Aを軸方向から見た操舵装置の平面図である。 図3は、図2BのIII-III断面図である。 図4は、図2BのIV-IV断面図である。 図5は、トルクセンサの模式図である。 図6は、図3のトルクセンサ周りの拡大部である。 図7は、図3のナット周りの拡大部である。 図8は、操舵装置を組み立てる工程の一部を示す模式図である。 図9は、操舵装置を組み立てる工程の一部を示す模式図である。 図10は、操舵装置を組み立てる工程の一部を示す模式図である。 図11は、操舵装置を組み立てる工程の一部を示す模式図である。 図12は、操舵装置を組み立てる工程の一部を示す模式図である。 図13は、操舵装置の構成部品に作用する力を概略的に示す模式図である。 図14は、変形例1に係る操舵装置のナット周りの拡大部である。 図15は、変形例2に係る操舵装置のナット周りの拡大部である。 図16は、変形例3に係る操舵装置のナット周りの拡大部である。 図17は、第2実施形態に係る操舵装置の一部の断面図であり、図3に対応する図である。 図18は、図17のナット周りの拡大部であり、図7に対応する図である。 図19は、図7と図18とを対比した図である。 図20は、第2実施形態に係る操舵装置の構成部品に作用する力を概略的に示す模式図であり、図13に対応する図である。
以下、本開示につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本開示が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態の操舵装置80を説明するための模式図である。図2Aは、第1実施形態に係る操舵装置80の要部斜視図である。図2Bは、図2Aを軸方向から見た操舵装置80の平面図である。なお、図2Aおよび図2Bは、ラックバー88bを図示するため電動モータ102と第2ピニオン軸88cの図示は省略している。図1に示すように、操舵装置80は、操作者から与えられる力が伝達する順に、ステアリングホイール81と、ステアリングシャフト82と、ユニバーサルジョイント84と、インタミシャフト85と、ユニバーサルジョイント86と、スタブシャフト87と、ステアリングギア88と、タイロッド89とを備える。また、操舵装置80は、制御装置(以下、ECU(Electronic Control Unit)という。)100と、トルクセンサ10と、電動モータ102を備える。車速センサ101は、車両に備えられ、CAN(Controller Area Network)通信により車速信号VをECU100に出力する。
ステアリングシャフト82は、一方の端部でステアリングホイール81に連結され、他方の端部でユニバーサルジョイント84に連結される。インタミシャフト85は、一方の端部でユニバーサルジョイント84に連結され、他方の端部でユニバーサルジョイント86に連結される。スタブシャフト87は、一方の端部がユニバーサルジョイント86に連結され、他方の端部が、トーションバー87a(図4参照)を介して第1ピニオン軸88aに連結される。トルクセンサ10は、スタブシャフト87に取り付けられる。
詳しくは、第1ピニオン軸88aは、スタブシャフト87に連結される側の反対側の端部に、後述するギア88ag(図3参照)が形成される軸状の部材である。ギア88agは、ラックバー88bと噛み合う(図3参照)。スタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとは、トーションバー87a(図4参照)を介して連結されている。トーションバー87aは、一端がスタブシャフト87に連結され、他端が第1ピニオン軸88aに連結され、トーションバー87aは、スタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとの間で回転トルクを伝達する。
トルクセンサ10は、スタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとの間で伝達される回転トルクを検出する。即ち、トーションバー87aを介して連結されるスタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとは、トルクセンサ10によってトルクを検出する際における検出対象のシャフトになっている。
ステアリングギア88は、第1ピニオン軸88aと、ラックバー88bと、第2ピニオン軸88cとを備える。第1ピニオン軸88aは、トーションバー87aを介してスタブシャフト87に連結される。ラックバー88bは、ラック歯88bg(図3参照)が第1ピニオン軸88aのギア88ag(図3参照)に噛み合う。また、ラックバー88bは、第1ピニオン軸88aとは異なる位置で第2ピニオン軸88cに噛み合う。
第2ピニオン軸88cには、図示しないウォーム減速装置を介して、電動モータ102が連結されている。第2ピニオン軸88cは、電動モータ102から伝達される駆動力により回転する。電動モータ102は、図示しないウォーム減速装置を介して、第2ピニオン軸88cを回転させる。電動モータ102は、例えばブラシレスモータであるが、ブラシ(摺動子)及びコンミテータ(整流子)を備えるモータであってもよい。
ステアリングギア88は、第1ピニオン軸88aや第2ピニオン軸88cに伝達された回転運動を、ラックハウジング90の内側に配置されるラックバー88bで直進運動に変換する。本実施形態に係る操舵装置80は、ラックバー88bが第1ピニオン軸88aや第2ピニオン軸88cから伝達される回転運動により直進運動を行うデュアルピニオンアシスト方式である。タイロッド89は、ラックバー88bに連結される。すなわち、操舵装置80は、ラックアンドピニオン式の電動パワーステアリング装置である。
トルクセンサ10は、ステアリングホイール81を介してステアリングシャフト82に伝達された運転者の操舵力を操舵トルクとして検出する。車速センサ101は、操舵装置80が搭載される車両の走行速度(車速)を検出する。電動モータ102と、トルクセンサ10と、車速センサ101とがECU100に、電気的に接続される。
ECU100は、電動モータ102の動作を制御する。また、ECU100は、トルクセンサ10及び車速センサ101のそれぞれから信号を取得する。すなわち、ECU100は、トルクセンサ10から操舵トルクTを取得し、かつ車速センサ101から車両の車速信号Vを取得する。ECU100は、イグニッションスイッチ103がオンの状態で、電源装置(例えば車載のバッテリ)104から電力が供給される。ECU100は、操舵トルクTと車速信号Vとに基づいてアシスト指令の補助操舵指令値を算出する。そして、ECU100は、その算出された補助操舵指令値に基づいて電動モータ102へ供給する電力値Xを調節する。ECU100は、電動モータ102から誘起電圧の情報又は電動モータ102に設けられたレゾルバ等の回転検出装置から出力される情報を動作情報Yとして取得する。
ステアリングホイール81に入力された操作者(運転者)の操舵力は、第1ピニオン軸88aに伝達される。第1ピニオン軸88aに伝達された操舵力は、ステアリングギア88を介してタイロッド89に伝達され、車輪を変位させる。
また、ステアリングホイール81に入力された操作者の操舵力は、ステアリングホイール81から第1ピニオン軸88aまでの操舵力の伝達経路に配置されるトルクセンサ10に伝わる。このとき、ECU100は、操舵トルクTをトルクセンサ10から取得し、かつ車速信号Vを車速センサ101から取得する。そして、ECU100は、電動モータ102の動作を制御する。電動モータ102が作り出した補助操舵トルクは、第2ピニオン軸88cに伝達される。
第2ピニオン軸88cに伝達された補助操舵トルクは、ステアリングギア88を介してタイロッド89に伝達され、車輪を変位させる。すなわち、操舵装置80は、第1ピニオン軸88aを介してラックバー88bに伝達された操作者の操舵力に加え、第2ピニオン軸88cを介してラックバー88bに伝達された電動モータ102の補助操舵トルクも用いて車輪を変位させる。
図1に示すように、操舵装置80は、第2ピニオン軸88cにアシスト力が付与されるデュアルピニオン方式であるがこれに限定されない。操舵装置80は、例えば、ステアリングシャフト82にアシスト力が付与されるコラムアシスト方式や、第1ピニオン軸88aにアシスト力が付与されるシングルピニオンアシスト方式の電動パワーステアリング装置でもよい。また、ボールねじによりラックバー88bにアシスト力を付与するボールねじ式など、ピニオンを介さずにラックバー88bにアシスト力を付与する種類のラックアシスト式の電動パワーステアリング装置でもよい。
図3は、図2BのIII-III断面図である。図4は、図2BのIV-IV断面図である。図5は、トルクセンサの模式図である。図6は、図3のトルクセンサ周りの拡大部である。図7は、図3のナット周りの拡大部である。
なお、以下の説明では、スタブシャフト87や第1ピニオン軸88aの軸方向Dを、トルクセンサ10においても軸方向Dとして説明する。即ち、スタブシャフト87、第1ピニオン軸88a、トルクセンサ10は、全て、同一の中心軸AXを有する。また、軸方向Dにおいて、他方側(D2側)は、第1ピニオン軸88a側であり、一方側(D1側)は、スタブシャフト87側である。つまり、第1ピニオン軸88aは、スタブシャフト87に対して軸方向の他方側(D2側)に位置する。軸方向Dは、第1方向とも称され、軸方向の一方側(D1側)は第1方向の一方側、および、軸方向の他方側(D2側)は第1方向の他方側とも称される。
なお、同様に、スタブシャフト87や第1ピニオン軸88aにおける中心軸AXの軸回りの周方向を、トルクセンサ10においても周方向として説明し、スタブシャフト87や第1ピニオン軸88aの中心軸AXを中心とする径方向を、トルクセンサ10においても径方向として説明する。
本実施形態に係るシャフト300は、スタブシャフト87と、トーションバー87aと、第1ピニオン軸88aと、を備える。スタブシャフト(シャフト)87におけるトーションバー(シャフト)87aとの嵌合部、および、第1ピニオン軸(シャフト)88aの外周側には、ハウジング200が配置されている。ハウジング200は、第1ハウジング20と、第2ハウジング30と、を備える。第1ハウジング20は、ハウジング200における軸方向(D方向)の他方側(D2側)に配置され、第2ハウジング30は、第1ハウジング20における軸方向の一方側(D1側)に配置される。即ち、第1ハウジング20は、主に第1ピニオン軸88aを収容する。第2ハウジング30は、主にスタブシャフト87とトーションバー87aとの嵌合部およびトルクセンサ10を収容する。第1ハウジング20は、軸方向の一方側(D1側)の端部にフランジ21を備える。フランジ21は、径方向外側に拡径する。フランジ21には、D方向に貫通する雌ねじ部21aが設けられる。第2ハウジング30は、軸方向の他方側(D2側)の端部にフランジ31を備える。フランジ31は、D方向に貫通孔31aが貫通する。フランジ31は、径方向外側に拡径する。貫通孔31aと雌ねじ部21aとは貫通して設けられ、取付けボルト37によってフランジ21とフランジ31とを結合する。具体的には、取付けボルト37の雄ねじ部37aは、雌ねじ部21aに噛み合っている。また、第2ハウジング30は、D2側に突出する環状のインロー凸部32を有する。インロー凸部32は、環状のインロー凹部22に嵌合する。
第1ハウジング20と第2ハウジング30は、車体に対して回転不可の状態で取り付けられ、軸受75、第1軸受70および第2軸受77によって、スタブシャフト87や第1ピニオン軸88aを回転可能に支持する。なお、本実施形態では、第1軸受70および第2軸受77は、深溝玉軸受を図示しているが、アンギュラ玉軸受を適用してもよい。また、図3等において、第1軸受70の転動体70cの中心付近、または、第2軸受77の転動体77cの中心付近を通り且つ斜め45°方向に延びる斜めの直線が図示されているが、これは、第1軸受70、第2軸受77が予圧されていることを示している。
即ち、第1ピニオン軸88aは、第1ハウジング20に回転可能に支持され、スタブシャフト87は、第2ハウジング30に回転可能に支持される。よって、トーションバー87aを介して連結される第1ピニオン軸88aとスタブシャフト87とは、一体となって第1ハウジング20と第2ハウジング30とに回転可能に支持される。
また、スタブシャフト87と第2ハウジング30との間には、シール部材76が配置されている。シール部材76は、軸方向において軸受75に対して第1ピニオン軸88aが位置する側の反対側の位置で、スタブシャフト87と第2ハウジング30との間に配置されている。シール部材76は、第2ハウジング30の上側から水等が第2ハウジング30内に入り込むことを抑制する。
第1ピニオン軸88aは、軸方向(第1方向、D方向)に延びる。第1ピニオン軸88aは、軸方向に沿って、大径部88aaと、ギア88agと、中径部88abと、小径部88acと、を備える。
大径部88aaの外周側には、第1軸受70が組み付けられる。第1軸受70は、内輪70aと、外輪70bと、転動体70cと、を有する。詳細には、図6に示すように、大径部88aaには、第3段差部230が設けられる。第3段差部230は、第1外周面部231と、第2外周面部232と、接続部233と、を有する。第2外周面部232は、第1外周面部231よりも大きい外径を有する。接続部233は、第1外周面部231と第2外周面部232とを接続する。接続部233は、中心軸AXに直交する平面部である。接続部233は、第1軸受70の内輪70aにおけるD1側の端面と当接する。第1外周面部231は、第1軸受70の内輪70aにおける内周面と当接する。換言すると、第1軸受70は、第1外周面部231にしまり嵌めの状態で嵌合される。
図6に示すように、第1ハウジング20の内面は、第3段差部230の径方向外側に第1段差部210を有する。第1段差部210は、第1内面部211と、第2内面部212と、接続部213と、を有する。第2内面部212は、第1内面部211よりも小さい内径を有する。接続部213は、第1内面部211と第2内面部212とを接続する。接続部213は、中心軸AXに直交する平面部である。第1内面部211は、外輪70bの外周面との間に間隙113を有する。接続部213は、外輪70bにおけるD2側の端面と当接する。
ギア88agは、ラックバー88bのラック歯88bgと噛み合う。第1ハウジング20の部位のうち、ギア88agの径方向外側には、ハウジング本体23が配置される。また、ハウジング本体23には、ラックバー88bにおける第1ピニオン軸88aのギア88agに噛み合う側の反対側の位置に、筒部26が設けられる。筒部26には、押圧部材91と、ばね92と、封止部材93とが収容されている。押圧部材91は、ラックバー88bにおける第1ピニオン軸88aが位置する側の反対側から、ラックバー88bに当接している。封止部材93は、筒部26の開口部に配置されて開口部を封止している。
ばね92は、圧縮ばねからなり、封止部材93と押圧部材91との間で押し縮められた状態で封止部材93と押圧部材91との間に配置されている。このため、押圧部材91は、ばね92からの付勢力によりラックバー88bに押し付けられており、ラックバー88bは、押圧部材91からの付勢力により、ラック歯88bgが形成される面が、第1ピニオン軸88aのギア88agに押し付けられている。これにより、ラックバー88bは、ラック歯88bgが第1ピニオン軸88aのギア88agに対して隙間なく噛み合う状態が維持される。
図7に示すように、中径部(軸部)88abは、ギア88agよりも径が小さい。ギア88agと中径部88abとは、接続部88aeを介して接続される。第1ハウジング20においては、中径部88abの径方向外側にハウジング端部24が配置される。ハウジング端部24には、第2段差部220が設けられる。第2段差部220は、第1内面部221と、第2内面部222と、接続部223と、を有する。第2内面部222は、第1内面部221よりも小さい内径を有する。第2内面部222は、第1内面部221に対してD1側に位置する。接続部223は、第1内面部221と第2内面部222とを接続する。接続部223は、中心軸AXに直交する平面部である。
ここで、第2軸受77は、内輪77aと、外輪77bと、転動体77cと、を有する。内輪77aにおけるD1側の端面と接続部88aeとは、軸方向に間隙112を有する。内輪77aの内周面と中径部88abの外周面とは、径方向に間隙111を有する。換言すると、第2軸受77は、中径部88abにすきま嵌めの状態で取り付けられる。また、外輪77bにおけるD1側の端面は、接続部223に当接する。外輪77bの外周面は、第1内面部221に当接する。
中径部(軸部)88abのD2側には、小径部88ac(雄ねじ部88af)が設けられる。中径部88abは、第2軸受77の内周側に配置され且つ外周面が円筒状である。小径部88ac(雄ねじ部88af)は、中径部88abよりも径が小さい。小径部88acの外周に雄ねじ部88afが設けられる。連結部88adは、中径部88abと小径部88acとを連結する。連結部88adは、中心軸AXに直交する平面部である。
また、小径部88acの外周側には、ナット(固定部材、締結部材)120が取り付けられる。詳細には、ナット120の径方向中央部には、軸方向に貫通する雌ねじ部120aが設けられる。雌ねじ部120aは、雄ねじ部88afに噛み合う。また、ナット120のD1側の端面121は、中心軸AXに直交する平面部である。端面121は、第2軸受77の内輪77aにおけるD2側の端面と、連結部88adとの双方に当接する。ハウジング端部24におけるD2側の開口は、キャップ130によって封止される。即ち、キャップ130における径方向外側の端部には、筒状の取付部131がD1側に向けて突出している。取付部131は、ハウジング端部24の内周面に嵌合する。ナット(固定部材、締結部材)120は、第2軸受77に対して軸方向の他方側(D2側)に隣接して配置されている。
次に、トルクセンサ10について説明する。図6に示すように、トルクセンサ10は、第2ハウジング30内に配置される。トルクセンサ10は、スタブシャフト87と、第1ピニオン軸88aの大径部88aaとに配置されている。スタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとは、いずれも中空となる部分を有する軸になっており、一方の軸の端部が、他方の軸の端部から当該軸の内側に入り込んでいる。本実施形態では、スタブシャフト87が、第1ピニオン軸88aの内側に入り込んでいる。
トーションバー87aは、スタブシャフト87の内側から第1ピニオン軸88aの内側に亘って配置されており、一端がスタブシャフト87に連結され、他端が第1ピニオン軸88aに連結されている。第1ピニオン軸88aのD1側の端部には、D2側に凹む凹部88ajが設けられる。この凹部88ajに、トーションバー87aのD2側の端部が嵌まることにより、トーションバー87aと第1ピニオン軸88aとが連結される。つまり、スタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとは、直接連結されておらず、軸状の部材であるトーションバー87aを介して連結されている。このため、スタブシャフト87と第1ピニオン軸88aは相対回転が可能になっており、トーションバー87aに捩じれが発生した際には、トーションバー87aの捩じれに伴って、スタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとは相対回転をする。
トルクセンサ10は、スタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとの相対回転の角度を検出することにより、スタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとの間で作用するトルクを検出することが可能になっている。
図5に示すように、トルクセンサ10は、マグネット55と、ステータ50と、集磁ヨーク43とを有している。マグネット55とステータ50とは、スタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとに分かれてそれぞれ取り付けられている。集磁ヨーク43は、集磁ヨークアッセンブリ40に含まれている。集磁ヨークアッセンブリ40が第2ハウジング30に固定されている。このように、ステータ50は、第1ピニオン軸88aに固定され、集磁ヨーク43は、ハウジング200に固定される。トルクセンサ10は、トーションバー87aが捩じれてスタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとが相対回転をした際における磁束の変化に基づいて、トルクの検出を行うことが可能になっている。
トルクセンサ10が有するマグネット55とステータ50とは、一方がスタブシャフト87に取り付けられており、他方が第1ピニオン軸88aに取り付けられる。本実施形態では、マグネット55は、スタブシャフト87に取り付けられており、ステータ50は、第1ピニオン軸88aに取り付けられている。このうち、マグネット55は、略円筒状の形状で形成されており、複数のN極とS極とが周方向に交互に配置された多極磁石になっている。
ステータ50は、フランジ部51と、ティース部52とを有している。フランジ部51は、厚み方向が軸方向となる、円環状の板状の形状で形成されている。ティース部52は、円環状のフランジ部51の内周部分からフランジ部51の軸方向に向かって延出し、板の厚み方向がフランジ部51の径方向となる向きとなる板状の形状で形成されている。また、ティース部52は、複数のティース部52が間隔をあけてフランジ部51の周方向に並んで配置されている。
このように形成されるステータ50は、同等の形状で形成される一対のステータ50である第1ステータ50aと第2ステータ50bとを有しており、第1ステータ50aと第2ステータ50bとは、それぞれフランジ部51とティース部52とを有している。即ち、第1ステータ50aは、円環状の第1フランジ部51aと複数の第1ティース部52aとを有しており、第2ステータ50bは、円環状の第2フランジ部51bと複数の第2ティース部52bとを有している。第1ステータ50aと第2ステータ50bとは、双方のフランジ部51が同軸上に位置し、且つ、フランジ部51が他方のステータ50から離れる方向に位置する向きで、いずれも同じ軸に取り付けられ、本実施形態ではいずれも第1ピニオン軸88aに取り付けられる。
つまり、第1ステータ50aは、第1ティース部52aが第1フランジ部51aから第2ステータ50b側に向かって延出する向きで配置される。第2ステータ50bは、第2ティース部52bが第2フランジ部51bから第1ステータ50a側に向かって延出する向きで配置される。その際に、第1ティース部52aと第2ティース部52bとは、いずれも複数が間隔をあけて第1フランジ部51aや第2フランジ部51bに設けられるため、第1ステータ50aと第2ステータ50bとは、周方向において他方のステータ50のティース部52が位置しない部分に、自己のステータ50のティース部52が位置するように組み合わされる。
スタブシャフト87に取り付けられるマグネット55は、このように組み合わされる第1ステータ50aと第2ステータ50bとの内側に配置される。また、マグネット55とステータ50とは、軸方向がスタブシャフト87や第1ピニオン軸88aの軸方向と一致する向きで配置される。これらのため、マグネット55とステータ50とは、マグネット55の外周面がステータ50のティース部52に対して対向する位置関係となる状態で、スタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとに取り付けられて配置される。マグネット55とステータ50とは、これらの位置関係で配置されることにより、スタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとの間でトーションバー87aを介してトルクが伝達されてスタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとが相対的に微小に回転をした際には、マグネット55とステータ50との相対的な位置関係が変化することに伴って、マグネット55からステータ50に作用する磁束が変化する。
また、ステータ50の近傍には、集磁ヨークアッセンブリ40が有する集磁ヨーク43が配置される。集磁ヨーク43は、マグネット55からステータ50に作用する磁束の変化を検出するための部材になっており、ステータ50が有するフランジ部51の近傍に配置される。ステータ50は、前述のように、第1ステータ50aと第2ステータ50bとが一対で設けられている。これに対応して集磁ヨーク43も、第1集磁ヨーク43aと第2集磁ヨーク43bとが一対で設けられている。即ち、集磁ヨーク43は、第1ステータ50aが有する第1フランジ部51aの近傍には第1集磁ヨーク43aが配置され、第2ステータ50bが有する第2フランジ部51bの近傍には第2集磁ヨーク43bが配置されている。
一対の集磁ヨーク43は、ステータ50が有する2箇所のフランジ部51同士の間に位置しており、軸方向において隙間を有してステータ50のフランジ部51と重なっている。つまり、第1集磁ヨーク43aは、第1フランジ部51aにおける第2フランジ部51b側に対向する。第2集磁ヨーク43bは、第2フランジ部51bにおける第1フランジ部51a側に対向する。このように、フランジ部51の近傍に集磁ヨーク43が位置することにより、集磁ヨーク43は、スタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとが相対的に微小に回転をした際における、マグネット55からステータ50に作用する磁束が変化を検出することが可能になっている。
さらに、2つの集磁ヨーク43の間には、ホールIC44が配置されている。ホールIC44は、集磁ヨーク43におけるステータ50のフランジ部51の近傍に位置する部分から離れた位置で、集磁ヨーク43同士の間に配置されている。ホールIC44は、2つの集磁ヨーク43に作用する磁束密度の変化を検出し、検出した磁束密度の変化を電気信号に変換して電気信号として出力することが可能になっている。なお、ホールICに代えて、磁気抵抗効果やトンネル磁気抵抗効果を応用した磁気センサを用いることができる。要するに、集磁ヨーク43の間に生じる磁束密度の変化を、電気信号として出力することができればよい。
次に、操舵装置80の組立て手順を簡単に説明する。まず、図3に示すトーションバー87aを第1ピニオン軸88aの凹部88ajに圧入(嵌合)した後、トーションバー87aにスタブシャフト87を挿入する。その後、スタブシャフト87を回転位置を、回転ストッパ87aa(図9参照)の中立位置に合わせる。回転ストッパ87aaは、スタブシャフト87と第1ピニオン軸88aとの相対的な回転方向(周方向)の位置決めを行う。そして、スタブシャフト87とトーションバー87aとの双方に貫通孔141を形成する。貫通孔141は、後述するピン140が挿入可能である。そして、スタブシャフト87を取り外して、スタブシャフト87にマグネット55を圧入する。
こののち、図8に示すように、第1ピニオン軸88aに第1軸受70を圧入した後、第1ピニオン軸88aにステータ50を取り付ける。そして、図9に示すように、スタブシャフト87をトーションバー87aに挿入する。ここで、図10に示すように、スタブシャフト87の貫通孔141とトーションバー87aの貫通孔141との軸心を合わせたのちピン140を圧入する。これにより、スタブシャフト87と、トーションバー87aと、第1ピニオン軸88aとを含むアセンブリ品が作製される。このアセンブリ品を、図11に示すように、第1ハウジング20に挿入する。なお、図3に示すように、第2軸受77は予め第1ハウジング20に組み付けられている。よって、図3に示す第1ピニオン軸88aの中径部88abを第2軸受77の内周に圧入したのち、図12に示すように、ナット120を小径部88acに締結し、キャップ130を第1ハウジング20のD2側の開口に嵌合する。なお、第2ハウジング30は、スタブシャフト87のD1側の先端部からD2側に向けて挿入し、図3に示す取付けボルト37を介して第1ハウジング20に取り付ける。これにより、操舵装置80の組立てが完了する。
次いで、操舵装置80の構成部品の寸法、当該構成部品に作用する力を説明する。図13は、操舵装置の構成部品に作用する力を概略的に示す模式図である。
まず、図13を参照して、構成部品の寸法を説明する。シャフト300をハウジング200に組み付ける前の状態における、第1距離Hb1、第2距離Hb2、第3距離Hh12、第4距離Hs12を以下のように設定する。
第1距離Hb1は、第1軸受70のD方向の高さである。第2距離Hb2は、第2軸受77のD方向の高さである。第3距離Hh12は、シャフト300をハウジング200に組み付ける前の状態において、第1ハウジング20(ハウジング200)の第1段差部210の接続部213(図6参照)と第2段差部220の接続部223(図7参照)とのD方向に沿った距離である。第4距離Hs12は、シャフト300をハウジング200に組み付ける前の状態において、第3段差部230の接続部233(図6参照)と第1ピニオン軸88aの連結部88ad(図7参照)とのD方向に沿った距離である。2つの軸受(第1軸受70および第2軸受77)のそれぞれにおいて転動体70c、77cが溝の中央に位置する場合に、第1距離Hb1と第2距離Hb2と第3距離Hh12との合計距離は、第4距離Hs12よりも大きい。
次に、操舵装置80の構成部品に作用する力を説明する。まず、大まかに説明すると、図13に示すように、第1ピニオン軸88aには、D方向(第1方向)に延びる引張力P1、P2が作用し、第1ハウジング20には、第1方向に縮む圧縮力P3、P4が作用する。そして、第1軸受70および第2軸受77のそれぞれには、D方向に縮む圧縮力が作用する。以下、詳細に説明する。
ナット120を小径部88acの雄ねじ部88afに締結すると、ナット120は、第2軸受77の内輪77aをD1側に押す。これにより、ナット120から内輪77aに力P10が加えられ、外輪77bから第1ハウジング20の接続部223に対して力P11が加えられる。即ち、第1ハウジング20には、力P11により圧縮力P3が作用する。
これにより、第1ハウジング20はD1側に移動しようとするが、第1軸受70の内輪70aが接続部233(図6参照)に当接しているため、第1軸受70の外輪70bからD2側に向けて力P12が第1ハウジング20に反力として作用する。この力P12により第1ハウジング20には、圧縮力P4が作用する。このように、第1ハウジング20には、D方向の圧縮力P3、P4が作用する。なお、図7に示すように、内輪77aと接続部88aeとは、D方向に間隙112を有するため、ナット120を締結する際に、内輪77aと接続部88aeとが当接しない。従って、第1ハウジング20への力P11の伝達を阻害しない。
これに対して、第1ピニオン軸88aには、ナット120が小径部88acに締結することによる引張力P1がD2側に向けて作用する。また、第1軸受70の内輪70aが接続部233をD1側に押すため、内輪70aにより、D1側に向けて力P13が第1ピニオン軸88aに作用する。この力P13により、第1ピニオン軸88aには、引張力P2がD1側に向けて作用する。このように、第1ピニオン軸88aには、D方向の引張力P1、P2が作用する。
以上説明したように、本実施形態に係る操舵装置80は、第1段差部210と第2段差部220とを有するハウジング200と、第3段差部230を有するシャフト300と、第1軸受70と、第2軸受77と、シャフト300に固定されるナット(固定部材)120と、シャフト300に固定されるステータ50とハウジング200に固定される集磁ヨーク43とを含むトルクセンサ10と、を備える。シャフト300をハウジング200に組み付けた状態で、シャフト300において、第1軸受70の内周側に位置する部位と第2軸受77の内周側に位置する部位との間の領域には、D方向に延びる引張力P1、P2が作用する。
前述したように、特許文献1では、複数の軸受を介してシャフトがハウジングに対して回転可能に支持されているものの、軸方向の外力を受ける軸受は1つのみであるため、シャフトの軸方向の剛性が低く、軸方向の外力が入力された時にシャフトが軸方向に変位し、シャフトに固定されるステータとハウジングに固定される集磁ヨークとの軸方向の距離が変化しやすい。
これに対して、本実施形態では、第1軸受70および第2軸受77の両方でシャフト300を軸方向で支持するため、特許文献1よりもシャフト300の軸方向の支持剛性が大きくなる。また、シャフト300に対して軸方向に引張力が作用しているため、本実施形態のシャフト300の方が引用文献1のシャフトよりもシャフト300の軸方向の剛性が大きくなり、シャフト300に対して軸方向の外力が作用した時におけるシャフト300の軸方向の変位がより抑制されて軸方向に移動しにくくなる。ここで、トルクセンサ10におけるステータ50は、シャフト300に固定され、集磁ヨーク43はハウジング200に固定される。従って、本実施形態の方が、シャフト300の軸方向の変位が抑制され、ステータ50のフランジ部51と集磁ヨーク43との軸方向の距離が変化しにくくなり、トルクセンサ10でより安定したトルクを検出することができる。
また、シャフト300をハウジング200に組み付ける前の状態において、第1軸受70のD方向の高さを第1距離Hb1とし、第2軸受77のD方向の高さを第2距離Hb2とし、ハウジング200の第1段差部210の接続部213と第2段差部220の接続部223とのD方向に沿った距離を第3距離Hh12とし、シャフト300の部位において、第3段差部230の接続部233とシャフト300の第1ピニオン軸88aの連結部88adとのD方向に沿った距離を第4距離Hs12とする。第1距離Hb1と第2距離Hb2と第3距離Hh12との合計距離は、第4距離Hs12よりも大きい。
シャフト300をハウジング200に組み付ける前の状態においては、第1距離Hb1と第2距離Hb2と第3距離Hh12との合計距離は、第4距離Hs12よりも大きい。これに対して、シャフト300をハウジング200に組み付けた後の状態においては、第1距離Hb1と第2距離Hb2と第3距離Hh12との合計距離に相当する距離は、第4距離Hs12に相当する距離と同一である。
即ち、シャフト300をハウジング200に組み付けることにより、シャフト300には、D方向に延びる引張力P1、P2が作用し、シャフト300は、無負荷状態よりもD方向に引き延ばされて弾性変形する。これに対して、ハウジング200には、圧縮力P3、P4が作用し、無負荷状態よりもD方向に縮んで弾性変形する。このように、上記の寸法関係の構成部品で操舵装置80を組み立てれば、シャフト300に対してD方向に延びる引張力P1、P2が作用し、ハウジング200には、D方向に縮む圧縮力P3、P4が作用し、ひいては第1軸受70および第2軸受77のそれぞれには、D方向に縮む圧縮力が作用する。これにより、第1軸受70および第2軸受77のそれぞれにおける内輪、外輪および転動体等の構成部品同士の軸方向隙間がより小さくなる。従って、シャフト300の軸方向変位が抑制され、トルクセンサでより安定した検出トルクを検出することができる。
第1軸受70の内輪70aは、第3段差部230の接続部233に当接し、第1軸受70の外輪70bは、第1段差部210の接続部213に当接し、第2軸受77の内輪77aは、ナット120に当接し、第2軸受77の外輪77bは、第2段差部220の接続部223に当接する。
従って、ナット120をシャフト300(小径部88acの雄ねじ部88af)に締結すると、ナット120が第2軸受77を介してハウジング200をD1側に押圧するが、ハウジング200は、第1軸受70の反力によってD2側にも押圧される。よって、ハウジング200には、D方向の圧縮力P3、P4が作用する。
また、シャフト300には、ナット120の締結による引張力P1がD2側に向けて作用する。また、第1軸受70がシャフト300をD1側に押すため、力P13により、シャフト300には、引張力P2がD1側に向けて作用する。このように、シャフト300(第1ピニオン軸88a)には、D方向の引張力P1、P2が作用する。
第1軸受70は、シャフト300にしまり嵌めの状態で取り付けられ、第2軸受77は、シャフト300にすきま嵌めの状態で取り付けられる。従って、例えば、シャフト300に第1軸受70を圧入した状態で、ハウジング200に予め取り付けた第2軸受77の内周側にシャフト300の先端部を挿入することにより、シャフト300をハウジング200に組み付けることができる。
シャフト300は、中径部(軸部)88abと、雄ねじ部88afと、連結部88adと、を備える。ナット120は、雄ねじ部88afと噛み合う雌ねじ部120aを有する。ナット120は、第2軸受77の内輪77aと連結部88adとに当接する。このように、ナット120が、内輪77aと連結部88adとの双方に当接するため、ナット120の締めすぎによる内輪77aへの過度な押圧力を抑制することができる。
[変形例1]
次に、変形例1を説明する。図14は、変形例1に係る操舵装置のナット周りの拡大部である。変形例1では、締結部材は、ナット120と皿ばね150とを含む。皿ばね150は、ナット120と第2軸受77の内輪77aとの間に挟まれる。
以上説明したように、変形例1では、締結部材は、ナット120と、皿ばね(弾性部材)150とを含み、皿ばね150は、ナット120と第2軸受77の内輪77aとの間に挟まれる。皿ばね150は、ナット120と内輪77aとの双方をD方向に押圧するため、仮に、ナット120の締結が不十分の場合でも、内輪77aをD1側に押すことができる。
[変形例2]
次に、変形例2を説明する。図15は、変形例2に係る操舵装置のナット周りの拡大部である。変形例2では、締結部材は、ナット120と磨きワッシャ160とを含む。磨きワッシャ160は、ナット120と第2軸受77の内輪77aとの間に挟まれる。磨きワッシャ160は、通常のプレス成形されたワッシャに対して平面度が小さいものである。例えば、ナット120の算術平均粗さRaが6.3um以上であり、磨きワッシャ160の算術平均粗さRaが3.2um以下である。
以上説明したように、変形例2では、締結部材は、ナット120と、磨きワッシャ160とを含み、磨きワッシャ160は、ナット120と第2軸受77の内輪77aとの間に挟まれる。磨きワッシャ160は、通常のプレス成形されたワッシャに対して平面度が小さい。従って、磨きワッシャ160が第2軸受77の内輪77aに与える押圧力のバラツキが小さくなる。
[変形例3]
次に、変形例3を説明する。図16は、変形例3に係る操舵装置のナット周りの拡大部である。実施形態では、固定部材または締結部材としてナット120を適用したが、変形例3では、固定部材または締結部材としてボルト170を適用する。
第1ピニオン軸88aは、D2側の端部に中径部88abを有する。中径部88abの外周側には、第2軸受77が配置される。中径部88abのD2側の端面には、D1側に凹む嵌合孔88ahが設けられる。嵌合孔88ahの内周面には、雌ねじ部88aiが設けられる。
ボルト170は、頭部171と、軸部172とを備える。軸部172の外周面には、雄ねじ部172aが設けられる。雄ねじ部172aは、嵌合孔88ahの雌ねじ部88aiに噛み合う。また、ボルト170の頭部171は、第2軸受77の内輪77aに当接する。
以上説明したように、変形例3では、締結部材は、頭部171と、外周に雄ねじ部が設けられる軸部172とを有するボルト170である。シャフト300のD2側の端部には、D方向に沿って延び且つボルト170の雄ねじ部172aが噛み合う雌ねじ部88aiが設けられる。従って、締結部材がナット120の場合よりも、シャフト300における軸方向端部の軸方向への突出長さをより短く設定することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図17は、第2実施形態に係る操舵装置の一部の断面図であり、図3に対応する図である。図18は、図17のナット周りの拡大部であり、図7に対応する図である。図19は、図7と図18とを対比した図である。図20は、第2実施形態に係る操舵装置の構成部品に作用する力を概略的に示す模式図であり、図13に対応する図である。第2実施形態においては、第2軸受77の内輪77aと、第1ピニオン軸(シャフト)88Aaと、ナット120と、の当接関係が第1実施形態と異なる。なお、第2実施形態においても、第1軸受70および第2軸受77は、深溝玉軸受およびアンギュラ玉軸受のいずれを適用してもよい。以下、詳細に説明する。
図17および図18に示すように、第2実施形態に係る第1ピニオン軸(シャフト)88AaにおけるD2側の端部においては、第1実施形態と同様に第2軸受77が配置される。第2軸受77における内輪77aは、D1側に端面77aaを有し、D2側に端面77abを有する。
図18に示すように、第1ピニオン軸88Aaは、第4段差部240を備える。第4段差部240は、D方向において第2段差部220に対応する。第4段差部240は、中径部(軸部)88abと、ギア(第3外周面部)88agと、中径部88abとギア88agとを接続する接続部88aeと、を有する。第2実施形態では、接続部88aeは、内輪77aの端面77aaに当接している。即ち、接続部88aeと端面77aaとの間に間隙はない。
また、前述のように、連結部88adは、中径部88abと小径部88acとを連結する。第2実施形態では、連結部88adと、ナット120におけるD1側の端面121とは、D方向(軸方向)に離隔する。即ち、連結部88adと端面121との間に間隙114が設けられる。そして、ナット120の端面121は、第1実施形態と同様に、内輪77aの端面77abに当接している。
また、図19に示すように、第1実施形態に係る操舵装置80と第2実施形態に係る操舵装置80Aとを比較すると、操舵装置80Aの方がD方向(軸方向)の長さが短くなる。以下、詳細に説明する。
キャップ130は、D2側に凸の湾曲状である。図19の左側に示す第1実施形態に係る操舵装置80においては、キャップ130のD2側の頂部130aと、第1ピニオン軸88aにおける接続部88aeとのD方向の距離は、距離L1である。図19の右側に示す第2実施形態に係る操舵装置80Aにおいては、キャップ130のD2側の頂部130aと、第1ピニオン軸88aにおける接続部88aeとのD方向の距離は、距離L2である。
ここで、第2実施形態では、第1実施形態の操舵装置80における第2段差部220の接続部223の位置をD1側に移動させて、操舵装置80における接続部88aeと同一の位置に設定している。これにより、接続部88aeは、内輪77aの端面77aaに当接する。従って、操舵装置80における間隙112の高さ分だけ、距離L2は距離L1よりも小さい。
次に、操舵装置80Aの構成部品に作用する力を説明する。まず、大まかに説明すると、図20に示すように、第1ピニオン軸88aには、D方向(第1方向)に延びる引張力P1、P2が作用し、第1ハウジング20には、第1方向に縮む圧縮力P3、P4が作用する。そして、第1軸受70および第2軸受77のそれぞれには、D方向に縮む圧縮力が作用する。このように、第2実施形態における基本的な力の作用関係は、第1実施形態と同様である。以下、詳細に説明する。
ナット120を小径部88acの雄ねじ部88afに締結すると、ナット120は、第2軸受77の内輪77aをD1側に押すと、ナット120から内輪77aに力P10が加えられる。
ここで、第2実施形態では、前述のように、第2軸受77の内輪77aが接続部88aeに当接している。従って、内輪77aが接続部88aeに対してD1側に押す力P11Aが作用する。また、外輪77bから第1ハウジング20の接続部223に対して力P11Bが加えられる。力P11Bは、力P11Aよりも大きいため、力P11Aが力P11Bによって相殺される。従って、第1ハウジング20には、力P11Bと力P11Aとの差に相当する力(力P11B-力P11A)により圧縮力P3が作用する。
これにより、第1ハウジング20はD1側に移動しようとするが、第1軸受70の内輪70aが接続部233(図6参照)に当接しているため、第1軸受70の外輪70bからD2側に向けて力P12が第1ハウジング20に反力として作用する。この力P12により第1ハウジング20には、圧縮力P4が作用する。このように、第1ハウジング20には、D方向の圧縮力P3、P4が作用する。
これに対して、第1ピニオン軸88aには、ナット120が小径部88acに締結することによる引張力P1がD2側に向けて作用する。また、第1軸受70の内輪70aが接続部233をD1側に押すため、内輪70aにより、D1側に向けて力P13が第1ピニオン軸88aに作用する。この力P13により、第1ピニオン軸88aには、引張力P2がD1側に向けて作用する。このように、第1ピニオン軸88aには、D方向の引張力P1、P2が作用する。
以上説明したように、第2実施形態では、シャフト300Aは、中径部(軸部)88abと、雄ねじ部88afと、連結部88adと、を備える。ナット120は、第2軸受77の内輪77aに当接し、且つ、連結部88adに対して軸方向に間隙が設けられる。従って、ナット120を締結したとき、ナット120からの力が第2軸受77のみに伝達される。即ち、第1実施形態のように、ナット120が、連結部88adと内輪77aとの双方に当接する場合は、ナット120からの力が、連結部88adと内輪77aとの双方に伝達される。しかし、第2実施形態のように、ナット120が連結部88adに対して離隔する場合は、ナット120からの力が連結部88adに伝達されず、内輪77aにのみ伝達される。よって、ナット120から第2軸受77に伝達される力が、第1実施形態よりも大きくなる。
また、接続部88aeは、内輪77aの端面77aaに当接している。従って、接続部88aeと端面77aaとの間に間隙が設けられる場合と比較すると、第1ピニオン軸88aのD方向の距離をより小さくすることができ、ひいては、操舵装置80Aの小型化を図ることが可能となる。
ここで、図20に示すように、第1軸受70のD1側の端と第2軸受77のD1側の端とのD方向に沿った距離を第5距離Xsとする。2つの軸受(第1軸受70および第2軸受77)のそれぞれにおいて転動体70c、77cが溝の中央に位置している場合に、第1距離Hb1と第3距離Hh12との合計距離は、第5距離Xsよりも大きい。これにより、第1軸受70および第2軸受77に予圧を付与することができる。また、第2実施形態では、第2距離Hb2は考慮しなくてよいため、寸法を管理しやすいというメリットも有する。
10 トルクセンサ
20 第1ハウジング
21 フランジ
21a 雌ねじ部
22 インロー凹部
23 ハウジング本体
24 ハウジング端部
26 筒部
30 第2ハウジング
31 フランジ
31a 貫通孔
32 インロー凸部
37 取付けボルト
37a 雄ねじ部
40 集磁ヨークアッセンブリ
43 集磁ヨーク
43a 第1集磁ヨーク
43b 第2集磁ヨーク
44 ホールIC
50 ステータ
50a 第1ステータ
50b 第2ステータ
51 フランジ部
51a 第1フランジ部
51b 第2フランジ部
52 ティース部
52a 第1ティース部
52b 第2ティース部
55 マグネット
70 第1軸受
70a 内輪
70b 外輪
70c 転動体
75 軸受
77 第2軸受
77a 内輪
77aa 端面
77ab 端面
77b 外輪
77c 転動体
76 シール部材
80 操舵装置
80A 操舵装置
81 ステアリングホイール
82 ステアリングシャフト
84 ユニバーサルジョイント
85 インタミシャフト
86 ユニバーサルジョイント
87 スタブシャフト(シャフト)
87a トーションバー(シャフト)
87aa 回転ストッパ
88 ステアリングギア
88a 第1ピニオン軸(シャフト)
88Aa 第1ピニオン軸(シャフト)
88aa 大径部
88ab 中径部(軸部)
88ac 小径部
88ad 連結部
88ae 接続部
88af 雄ねじ部
88ag ギア(第3外周面部)
88ah 嵌合孔
88ai 雌ねじ部
88aj 凹部
88b ラックバー
88bg ラック歯
88c 第2ピニオン軸
89 タイロッド
91 押圧部材
92 ばね
93 封止部材
100 ECU(制御装置)
101 車速センサ
102 電動モータ
103 イグニッションスイッチ
111 間隙
112 間隙
113 間隙
114 間隙
120 ナット(固定部材、締結部材)
120a 雌ねじ部
121 端面
130 キャップ
130a 頂部
131 取付部
140 ピン
141 貫通孔
150 皿ばね(弾性部材)
160 磨きワッシャ
170 ボルト(固定部材、締結部材)
171 頭部
172 軸部
172a 雄ねじ部
200 ハウジング
210 第1段差部
211 第1内面部
212 第2内面部
213 接続部
220 第2段差部
221 第1内面部
222 第2内面部
223 接続部
230 第3段差部
231 第1外周面部
232 第2外周面部
233 接続部
240 第4段差部
300 シャフト
Hb1 第1距離
Hb2 第2距離
Hh12 第3距離
Hs12 第4距離
Xs 第5距離

Claims (11)

  1. 第1方向に延びる内面を有し、当該内面は、
    第1内面部と当該第1内面部よりも小さい内径を有する第2内面部と前記第1内面部と前記第2内面部とを接続する接続部とをそれぞれ有し且つ第1方向の一方側に位置する第1段差部と第1方向の他方側に位置する第2段差部とを備えるハウジングと、
    前記ハウジングの内側に配置されて第1方向に沿った軸方向に延び、外周面は、第1外周面部と当該第1外周面部よりも大きい外径を有する第2外周面部と前記第1外周面部と前記第2外周面部とを接続する接続部とを有し且つ第1方向において前記第1段差部に対応する第3段差部を有するシャフトと、
    前記ハウジングの前記第1段差部と前記シャフトの前記第3段差部とに組み付けられ且つ前記シャフトを前記ハウジングに対して回転可能に支持する第1軸受と、
    前記ハウジングの前記第2段差部と前記シャフトの部位のうち第1方向において当該第2段差部に対応する部位とに組み付けられ且つ前記シャフトを前記ハウジングに対して回転可能に支持する第2軸受と、
    前記シャフトに固定され且つ前記第2軸受の軸方向への移動を阻止する固定部材と、
    前記シャフトの径方向外側に突出するフランジ部を有し且つ前記シャフトに固定されるステータと、前記ハウジングに固定され且つ第1方向に隙間をおいて前記ステータの前記フランジ部と重なる集磁ヨークと、を含むトルクセンサと、
    を備え、
    前記トルクセンサは、前記第1軸受よりも第1方向の一方側または前記第2軸受よりも第1方向の他方側に配置され、
    前記シャフトを前記ハウジングに組み付けた状態で、
    前記シャフトにおいて、前記第1軸受の内周側に位置する部位と前記第2軸受の内周側に位置する部位との間の領域には、第1方向に延びる引張力が作用する、
    操舵装置。
  2. 前記シャフトを前記ハウジングに組み付ける前の状態において、
    前記第1軸受の第1方向の高さを第1距離とし、
    前記第2軸受の第1方向の高さを第2距離とし、
    前記ハウジングの前記第1段差部の前記接続部と前記第2段差部の前記接続部との第1方向に沿った距離を第3距離とし、
    前記シャフトの部位において、前記第3段差部の前記接続部と前記シャフトに固定される前記固定部材と当接する位置との第1方向に沿った距離を第4距離とした場合、
    前記第1距離と前記第2距離と前記第3距離との合計距離は、前記第4距離よりも大きい、
    請求項1に記載の操舵装置。
  3. 第1方向に延びる内面を有し、当該内面は、
    第1内面部と当該第1内面部よりも小さい内径を有する第2内面部と前記第1内面部と前記第2内面部とを接続する接続部とをそれぞれ有し且つ第1方向の一方側に位置する第1段差部と第1方向の他方側に位置する第2段差部とを備えるハウジングと、
    前記ハウジングの内側に配置されて第1方向に沿った軸方向に延び、外周面は、
    第1外周面部と当該第1外周面部よりも大きい外径を有する第2外周面部と前記第1外周面部と前記第2外周面部とを接続する接続部とを有し且つ第1方向において前記第1段差部に対応する第3段差部を有するシャフトと、
    前記ハウジングの前記第1段差部と前記シャフトの前記第3段差部とに組み付けられ且つ前記シャフトを前記ハウジングに対して回転可能に支持する第1軸受と、
    前記ハウジングの前記第2段差部と前記シャフトの部位のうち第1方向において当該第2段差部に対応する部位とに組み付けられ且つ前記シャフトを前記ハウジングに対して回転可能に支持する第2軸受と、
    前記シャフトに固定され且つ前記第2軸受の軸方向への移動を阻止する固定部材と、
    前記シャフトの径方向外側に突出するフランジ部を有し且つ前記シャフトに固定されるステータと、前記ハウジングに固定され且つ第1方向に隙間をおいて前記ステータの前記フランジ部と重なる集磁ヨークと、を含むトルクセンサと、
    を備え、
    前記トルクセンサは、前記第1軸受よりも第1方向の一方側または前記第2軸受よりも第1方向の他方側に配置され、
    前記シャフトを前記ハウジングに組み付ける前の状態において、
    前記第1軸受の第1方向の高さを第1距離とし、
    前記第2軸受の第1方向の高さを第2距離とし、
    前記ハウジングの前記第1段差部の前記接続部と前記第2段差部の前記接続部との第1方向に沿った距離を第3距離とし、
    前記シャフトの部位において、前記第3段差部の前記接続部と前記シャフトに固定される前記固定部材と当接する位置との第1方向に沿った距離を第4距離とした場合、
    前記第1距離と前記第2距離と前記第3距離との合計距離は、前記第4距離よりも大きい、
    操舵装置。
  4. 前記第1軸受および前記第2軸受は、内輪と外輪と転動体とをそれぞれ備え、
    前記第1軸受の前記内輪における軸方向の一方側の端面は、前記第3段差部の前記接続部に当接し、
    前記第1軸受の前記外輪における軸方向の他方側の端面は、前記第1段差部の前記接続部に当接し、
    前記第2軸受の前記内輪における軸方向の他方側の端面は、前記固定部材に当接し、
    前記第2軸受の前記外輪における軸方向の一方側の端面は、前記第2段差部の前記接続部に当接する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の操舵装置。
  5. 前記第1軸受は、前記シャフトにしまり嵌めの状態で取り付けられ、前記第2軸受は、前記シャフトにすきま嵌めの状態で取り付けられる、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の操舵装置。
  6. 前記シャフトは、前記第2軸受の内周側に配置され且つ外周面が円筒状である軸部と、当該軸部に対して軸方向の他方側に位置し且つ前記軸部よりも径が小さい雄ねじ部と、前記軸部と前記雄ねじ部とを連結する連結部と、を備え、
    前記固定部材は、内周に、前記雄ねじ部と噛み合う雌ねじ部が設けられる締結部材であり、
    前記締結部材は、前記第2軸受の前記内輪と前記連結部とに当接する、
    請求項4に記載の操舵装置。
  7. 前記締結部材は、ナットと、弾性部材とを含み、
    当該弾性部材は、前記ナットと前記第2軸受の前記内輪との間に挟まれる、
    請求項6に記載の操舵装置。
  8. 前記締結部材は、ナットと、磨きワッシャとを含み、
    当該磨きワッシャは、前記ナットと前記第2軸受の前記内輪との間に挟まれる、
    請求項6に記載の操舵装置。
  9. 前記締結部材は、頭部と、外周に雄ねじ部が設けられる軸部とを有するボルトであり、
    前記シャフトの軸方向の他方側の端部には、第1方向に沿って延び且つ前記ボルトの前記雄ねじ部が噛み合う雌ねじ部が設けられる、
    請求項6に記載の操舵装置。
  10. 前記シャフトは、前記第2軸受の内周側に配置され且つ外周面が円筒状である軸部と、当該軸部に対して軸方向の他方側に位置し且つ前記軸部よりも径が小さい雄ねじ部と、前記軸部と前記雄ねじ部とを連結する連結部と、を備え、
    前記固定部材は、内周に、前記雄ねじ部と噛み合う雌ねじ部が設けられる締結部材であり、
    前記締結部材は、前記第2軸受の前記内輪に当接し、且つ、前記連結部に対して軸方向に間隙が設けられる、
    請求項4に記載の操舵装置。
  11. 前記シャフトは、
    前記軸部と、当該軸部に対して第1方向の一方側に位置し且つ前記軸部よりも大きい外径を有する第3外周面部と、前記軸部と前記第3外周面部とを接続する接続部と、を有し、且つ、第1方向において前記第2段差部に対応する第4段差部を備え、
    当該第4段差部の前記接続部は、前記第2軸受の前記内輪に当接する、
    請求項10に記載の操舵装置。
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