JP2024061552A - ピッキングシステム、プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】カートロボットの自動運転時に、周囲を監視するセンサ群の死角をなくす。【解決手段】アーム62、64、66は、バスケット56のピッキング、カート間の受け渡し等の作業に基づき、三次元に移動するため、カートボディに設置された車体センサ群72の監視領域を横切ることがあり、車体センサ群72の何れかに死角が発生することがある。アーム62、64、66の先端部のアームセンサ群74により、カートボディの車体センサ群72の死角を無くすことができる。【選択図】図3
Description
本発明は、ピッキングシステム、プログラムに関する。
従来、倉庫のピッキング、工場での製造(部品組み立て)、パッキング作業等(以下、ピッキング作業等という)において、各作業員は異なるスピードで作業を行なっている。
このような作業環境の中に、自動制御されるカートロボット(以下、単にカートという場合がある。)が導入されている。カートロボットは、予め定められたプログラムに従い移動するが、移動時はカートロボット自身の車体(ボディ)に設置されたセンサ類、及び倉庫内に設置されたセンサ群による監視の下、相互の干渉(接触や衝突等)を回避することができる。センサ類とは、カメラやLiDARに代表される状況把握のためのセンサに加え、温度、湿度、振動、硬度等、自然現象や人工物の機械的、電磁気的、熱的、音響的、化学的性質、空間情報、時間情報等を、例えば電気信号に置き換えるデバイスを含む。
カートロボットは、複数のアーム(ピッキングアーム、パッシングアーム、及びレシービングアーム等)が取り付けられ、当該アームの姿勢を制御することで、荷物の受け渡しが実行される。
例えば、特許文献1には、工場の生産ラインにおいて、作業を自動で行うためのロボットの姿勢制御について記載されている。
しかしながら、カートロボットに設置されたセンサ類は、車体に取り付けるのが基本であり、自身の移動において障害物等の監視をするが、例えば、複数のアームの移動に伴って、死角が発生することがある。
アームは、指令プログラムに基づき、不規則に移動するため(特に、先端部に近いほどその移動軌跡量が大きい)、時系列で死角が変化し、従来の車体に取り付けたセンサ群では、十分な監視ができない場合がある。また、アームが荷物が収用されたバスケットの中からものをピッキングしようとした際は、バスケットの中はカートロボット本体のセンサからは死角である。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、カートロボットの自動運転時に、周囲を監視するセンサ群の死角をなくすことができるピッキングシステム、プログラムを得ることを目的とする。
本発明によるピッキングシステムは、荷物が収容されたバスケットを、ローカルレーンに沿って相対的に低速で移動する第1のカートロボットによってピックアップし、高速レーンに沿って相対的に高速で移動する第2のカートロボットへ受け渡す作業を、第1のカートロボット及び前記第2のカートロボットのそれぞれの車体に取り付けた車体センサ群の監視の下で処理するピッキングシステムであって、前記第1のカートロボットに取り付けられ、前記バスケットをピックアップするピックアップアームと、前記第1のカートロボットに取り付けられ、前記バスケットを前記第2のカートロボットへ送るパッシングアームと、前記第2のカートロボットに取り付けられ、前記バスケットを前記パッシングアームから受け取るレシービングアームと、前記ピックアップアーム、前記パッシングアーム、及び前記レシービングアームの少なくとも1つの先端部に取り付けられたアームセンサ群と、前記アームセンサ群で検出した情報に基づき、前記ピックアップアーム、前記パッシングアーム、及び前記レシービングアームの移動に伴う、前記車体センサ群の死角を補間する補間制御部と、を有している。
本発明によれば、補間制御部が、ピックアップアーム、パッシングアーム、及びレシービングアームの少なくとも1つの先端部にアームセンサ群を取り付ける。アームセンサ群で検出した情報に基づき、ピックアップアーム、パッシングアーム、及びレシービングアームの移動に伴う、前記車体センサ群の死角を補間する。
これにより、カートロボットの自動運転時に、周囲を監視するセンサ群の死角をなくすることができる。
本発明において、前記アームセンサ群が、多軸アーム構造の前記ピックアップアーム、前記パッシングアーム、及び前記レシービングアームの何れか1つの先端部に取り付けられる。
本発明において、前記アームセンサ群が、多軸アーム構造の前記ピックアップアーム、前記パッシングアーム、及び前記レシービングアームの何れか1つの、手首仕様の関節の内側に取り付けられる。
本発明によるピッキングシステムは、荷物が収容されたバスケットを、ローカルレーンに沿って相対的に低速で移動する第1のカートロボットによってピックアップし、高速レーンに沿って相対的に高速で移動する第2のカートロボットへ受け渡す作業を、第1のカートロボット及び前記第2のカートロボットのそれぞれの車体に取り付けた車体センサ群の監視の下で処理するピッキングシステムであって、前記ローカルレーンと前記高速レーンとの間に設けられ、前記第1のカートロボットから放出された前記バスケットを、少なくとも重力作用方向の落差を利用して移動可能な受け渡し経路を介して、前記第2のカートロボットへ受け渡す段差構造部を有している。
本発明によれば、第1のカートロボット及び第2のカートロボットの自動運転を前提としたピッキングシステムにおいて、段差構造部を設けることで、受け渡し時にカート同士が干渉する領域自体をなくすことができる。すなわち、実質的な死角領域を排除することができる。
本発明において、相対的に、前記ローカルレーンが高位で前記高速レーンが低位とされ、前記受け渡し経路が、前記ローカルレーンと前記高速レーンとを繋ぐ傾斜部であり、
前記第1のカートロボットから放出された前記バスケットが、前記傾斜部を滑落して、前記第2のカートロボットの捕捉位置へ移動することを特徴としている。
傾斜部を滑落させる領域を設けることで、ローカルレーンと高速レーンとの間に一定の間隔をもたせることができ、物理的に、第1のカートロボットと第2のカートロボットとの干渉を回避することができる。
本発明によるプログラムは、コンピュータを、上記のピッキングシステム、の前記補間制御部として機能させることを特徴としている。
以上説明した如く本発明では、カートロボットの自動運転時に、周囲を監視するセンサ群の死角をなくすことができるという効果を奏する。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係るピッキングシステムが適用された倉庫のフロア50の平面図である。
図1は、第1の実施の形態に係るピッキングシステムが適用された倉庫のフロア50の平面図である。
ピッキング作業とは、必要な品物を集める(ピックアップする)仕事のことである。ピッキングスタッフ(第1の実施の形態では、カートロボット52)は、倉庫内の品物を出荷するために欠かせない役割を持つため、あらゆるジャンルの倉庫に配置される。なお、カートロボットに限らず、人型ロボットであってもよい。
例えば、予め指示されたリストや注文書を基に、指定の品物を集め、まとめたものを検品担当者や梱包担当者へと受け流していくのが主な仕事であり、倉庫規模が大きいほど、保管されている品物の種類や数も膨大で、そのため、多数のピッキングスタッフがフロア50内を移動することになる。
図1に示されるフロア50には、貯蔵部(倉庫、棚等)54が設けられ、複数のバスケット56(図3参照)が、貯蔵されている。この貯蔵部54の周囲を、カートロボット52が移動するようになっている。カートロボット52は、バスケット56の授受が主たる役目であり、移動経路として、Fast Lane58(高速レーン58)に沿って移動するカートロボット52としての、Fast Track Cart52A(高速カート52A)と、Local Picking Lane60(ローカルレーン60)に沿って移動するカートロボット52としての、Local Track Cart52B(ローカルカート52B)とに分類される。
ローカルレーン60は、フロア50内の内側のレーンで、ローカルカート52Bが貯蔵部54に接近離間するように蛇行走行しながら、かつ、一時的に減速して、貯蔵部54からバスケット56のピックアップを行う。
図2に示される如く、ローカルカート52Bは、2本の内側に設けたピッキングアーム62(Picking Arm)で荷物の入ったバスケット56をピックアップ後、3本の外側に設けたパッシングアーム64(Passing Arm)で高速レーン58を移動する高速カート52Aへバスケット56を渡す。
なお、ローカルカート52Bは、転倒防止のカウンターバランスバッテリ(図示省略)を内蔵している。
高速レーン58は、フロア50内の外側のレーンで、例えば、時速20Kmで走行し、ローカルレーン60を移動するローカルカート52Bから、図3に示す、3本のレシービングアーム66(Receving Arm)でバスケット56を受け取る。
一連の作業としては、ローカルレーン60のローカルカート52Bは、バスケット56をピックアップ後、外側の高速レーン58と時速20Kmでリレーのバトン渡しの要領で、高速カート52Aと並走しながら、ローカルカート52Bの3本のパッシングアーム64(Passing Arm)と、高速カート52Aの3本のレシービングアーム66(Receving Arm)により、高速カート52Aへバスケット56を受け渡す。
フロア50には、貯蔵部54に対応して、Docking Station68(ドッキングステーション68)が設置されている。
ドッキングステーション68は、高速レーン58とローカルレーン60との結合点となっている。
ドッキングステーション68には、20本のアームを備え、高速レーン58からバスケット56を受け取る機能を有している。
ドッキングステーション68では、高速カート52Aが、一時的に、例えば、時速2Kmまで減速し、例えば、1分以内にバスケット56の受け渡しをして、再加速する。
フロア50には、カメラ、LiDARを含む倉庫内センサ群70が天井や壁に設置されている。
これらの倉庫内センサ群70は、常に、高速カート52A及びローカルカート52Bの車間距離、速度を計測し、相互にシンクロナイズするための情報として利用される。
また、高速カート52A及びローカルカート52Bにも、それぞれの車体(カートボディ)に、カメラ、LiDARを含む車体センサ群72が設置されており、車間距離がカート台数の割り算の等間隔となるように制御することで、必要な車間距離(例えば、3m以上)を空けるための予測が可能となっている。
上記ピッキングシステムでは、フロア50内の高速カート及びローカルカート52Bが完全にシンクロしたテンポで作業を行うため、干渉(接触や衝突)等の事故が起きることがない。また、ピッキング作業を行うため、時間的無駄を最大限なくすことができる。
ここで、第1の実施のカート(高速カート52A及びローカルカート52B)は、前述したように、それぞれの複数のアームを備えている。
ローカルカート52Bは、2本のピッキングアーム62(Picking Arm)と、3本のパッシングアーム64(Passing Arm)とを備え、高速カート52Aは、3本のレシービングアーム66(Receving Arm)を備えている。以下、総称する場合、アーム62、64、66という。
アーム62、64、66は、バスケット56のピッキング、カート間の受け渡し等の作業に基づき、三次元に移動するため、カートボディに設置された車体センサ群72の監視領域を横切ることになる。
この三次元の移動に伴い、車体センサ群72の何れかに死角が発生することがある。アーム62、64、66は、不規則に移動し、特に、先端部に近いほどその移動軌跡量が大きい。さらに、車体センサ群72の死角は、時系列で変化する。
そこで、第1の実施の形態では、各カート(高速カート52A及びローカルカート52B)のそれぞれのアーム62、64、66の先端部に、小型のカメラ、LiDAR等のアームセンサ群74を取り付けた。
アーム62、64、66の先端部のアームセンサ群74は、カートボディの車体センサ群72の死角を無くすことができる。
また、例えば、アーム62、64、66の先端部のアームセンサ群74の種類として、温度センサや硬度センサ等を付加することで、バスケット56の受け渡し(把持)の際の、把持強度等を設定することができる。把持強度等の設定により、バスケット56の変形や損傷が防止できる。
倉庫内センサ群70、車体センサ群72、及びアームセンサ群74としては、最高性能のカメラ、ソリッドステートLiDAR、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサ群が採用され得る。また他には、振動計、サーモカメラ、硬度計、レーダー、LiDAR、高画素・望遠・超広角・360度・高性能カメラ、ビジョン認識、微細音、超音波、振動、赤外線、紫外線、電磁波、温度、湿度、スポットAI天気予報、高精度マルチチャネルGPS、低高度衛星情報、又はロングテールインシデントAI data等が挙げられる。
なお、倉庫内センサ群70、車体センサ群72、及びアームセンサ群74は、上記の情報のほかに、画像、距離、振動、熱、匂い、色、音、超音波、紫外線、又は赤外線等を検知する。他に倉庫内センサ群70、車体センサ群72、及びアームセンサ群74が検知する情報としては、カートロボット52の重心移動、カートロボット52が設置される床の材質の検知、外気温度の検知、外気湿度の検知、床の上下横斜め傾き角度の検知、水分量の検知等が挙げられる。倉庫内センサ群70、車体センサ群72、及びアームセンサ群74は、これらの検知を例えばナノ秒毎に実施する。
図5は、カートロボット52に搭載される情報処理装置14の制御系ブロック図である。
情報処理装置14は、情報取得部140と、制御部142と、情報蓄積部144とを備えている。
情報取得部140は、車体センサ群72及びアームセンサ群74によって検知された物体の情報を取得する。
制御部142は、情報取得部140が取得した情報とAI(Artificial intelligence)とを用いて、連結部4の回動動作、上下方向の移動動作および腕部5、6の動作等を制御する。また、制御部142は、本発明の補間制御部として機能する。
例えば、制御部142は、以下の各処理を実行する。
(1)物体をつかむことが可能なようにアーム62、64、66およびその先端の把持部を駆動する。
(2)貯蔵部54等の作業台の高さに合うように、上下に駆動する。
(3)転倒を防ぐために、バランスを取る。
(4)移動時の車輪の駆動を制御する。
(1)物体をつかむことが可能なようにアーム62、64、66およびその先端の把持部を駆動する。
(2)貯蔵部54等の作業台の高さに合うように、上下に駆動する。
(3)転倒を防ぐために、バランスを取る。
(4)移動時の車輪の駆動を制御する。
以下に第1の実施の形態の作用を図4のフローチャートに従い説明する。
図4は、ローカルカート52Bによるバスケット56のピックアップ処理制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップ100では、バスケット56のピックアップ指令を受け付ける。次のステップ102では、ローカルレーン60に沿って、通常速度で目的地へ移動開始する。
次のステップ104では、目的のバスケット56を検出したか否かを判断し、肯定判定されると、ステップ106へ移行して、ピッキングアーム62によりバスケット56をピックアップし、ステップ108へ移行する。
ステップ108では、速度制御(例えば、20Km/h)で移動し、次いで、ステップ110へ移行して、高速レーン58方向に蛇行しながら、高速カート52Aとドッキングさせる。
次のステップ112では、ローカルカート52Bのパッシングアーム64(Passing Arm)と、高速カート52Aのレシービングアーム66(Receving Arm)とにより、バスケット56を、ローカルカート52Bから高速カート52Aへ受け渡し、ステップ114へ移行する。
ステップ114では、ローカルカート52Bを通常速度走行に復帰させ、次の指令を待つため、このルーチンは終了する。
ところで、アーム62、64、66は、バスケット56のピッキング、カート間の受け渡し等の作業に基づき、三次元に移動するため、カートボディに設置された車体センサ群72の監視領域を横切ることがあり、車体センサ群72の何れかに死角が発生することがある。
しかし、第1の実施の形態では、アーム62、64、66の先端部のアームセンサ群74により、カートボディの車体センサ群72の死角を無くすことができる。
アーム62、64、66の先端部のアームセンサ群74が、温度センサや硬度センサ等の場合、バスケット56の受け渡し(把持)の際に、把持強度等が調整でき、バスケット56の変形や損傷が防止できる。また、アーム62、64、66の先端部は、人間の手のように5本の指を有しているハンドロボット62HAでも良く(図7(A)及び(B)参照)、或いは、3本の指を有している簡易ハンドロボット62HBでも良い(図7(C)及び(D)参照)。その場合は、アームセンサ群74は、人間の手首の部分に相当する部位に取り付けてあっても良く(図7(A)及び(C)参照)、手の甲に相当する部分に取り付けてあっても良い(図7(B)及び(D)参照)。これをIntelligent Hand Systemと呼ぶ。
[第2の実施の形態]
以下に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付す。
以下に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付す。
本発明の目的は、カートロボットの自動運転時に、周囲を監視するセンサ群の死角をなくすことであり、このため、第1の実施の形態では、アーム62、64、66の先端部にアームセンサ群74を取り付けた。このアームセンサ群74の検出情報を利用することで、他のセンサの死角領域を補間して、死角の発生に起因する作業不具合(例えば、高速カート52Aと、ローカルカート52Bとの間の衝突、接触等を含む干渉)を回避することができる。
これに対して、第2の実施の形態の特徴は、上記高速カート52Aと、ローカルカート52Bとの間の干渉の回避に特化したものである。より詳しくは、カートロボット52の移動の際に発生する死角をなくすという概念のひとつとして、アームセンサ群74による死角領域の補間ではなく、高速カート52Aと、ローカルカート52Bとの間の干渉の要因となる死角自体の存在を排除する構成とした。
図8は、第2の実施の形態に係るピッキングシステムが適用された倉庫のフロアの平面図である。
図8に示されるフロア50では、貯蔵部54の周囲を、カートロボット52(52A、52B)が移動するようになっている。カートロボット52は、高速レーン58に沿って移動する高速カート52Aと、ローカルレーン60に沿って移動するローカルカート52Bとに分類される。
ローカルカート52Bは、2本の内側に設けたピッキングアーム62(図3参照)で荷物の入ったバスケット56をピックアップ後、3本の外側に設けたパッシングアーム64(図3参照)で高速レーン58を移動する高速カート52Aへバスケット56を渡す。
高速レーン58は、フロア50内の外側のレーンで、例えば、時速20Kmで走行し、ローカルレーン60を移動するローカルカート52Bから、3本のレシービングアーム66(図3参照)でバスケット56を受け取る。
上記ピッキングシステムでは、フロア50内の高速カート及びローカルカート52Bが完全にシンクロしたテンポで作業を行うため、干渉(接触や衝突)等の事故が起きることがないようにプログラミングされている。
しかし、ローカルカート52Bからからローカルカート52Aへ、バスケット56を受け渡す際、ローカルカート52Aとローカルカート52Bとは最接近することになる。
この最接近時のアーム62、64、66同士の干渉の回避をさらに確実にするべく、第2の実施の形態では、高速レーン58と、ローカルレーン60との間に、高さ方向の段差構造部76(Pass-Receive Slope)を設けている。
段差構造部76は、高速レーン58と、ローカルレーン60との間を連結する受け渡し経路として、傾斜部76Aが設けられている。
図9に示される如く、この段差構造部76により、相対的に、高速レーン58が低位となり、ローカルレーン60が高位となっており、その間に、傾斜部76Aが設けられている。
ローカルカート52Bが貯蔵部54に接近して、貯蔵部54に置かれたバスケット56を受け取ると(図9では、バスケット56Aとする)、蛇行走行により、段差構造部76に近寄り、受け取ったバスケット56Aを傾斜部76Aに向けて放出する(図9では、バスケット56Bとする)。この作業を「Pass作業」という。
放出されたバスケット56Bは、傾斜部76Aに沿って高速レーン58方向に滑落していき(図9では、バスケット56Bからバスケット56Cへの移動)、待機している高速カート52がこのバスケット56Cを受け取って、受け取ったバスケット56Cを高速カート52に収容する(図9では、バスケット56Dとする)。この作業を「Rceive作業」という。
このバスケット56の授受(Pass作業→Receive作業)動作は、高速カート52A及びローカルカート52Bが走行しながらでも可能である。
上記構成の段差構造部76を介して、ローカルカート52Bから高速カート52Aへ、バスケット56を受け渡すことで(バスケット56A→56B→56C→56Dの移行)、仮に、既存のセンサ群(倉庫内センサ群70、車体センサ群72)の検出情報の中に、死角領域が存在していたとしても、ローカルカート52Bから高速カート52Aの干渉(接触、衝突等)という、最悪の事態を回避することができ、実質的な死角をなくすことができる。
なお、第2の実施の形態では、傾斜部76Aが単純にスロープの傾斜に従って、バスケット56が重力で滑落させるようにしたが、傾斜部76Aにベルトコンベア等を設け、高速カート52Aとローカルカート52Bとが走行しながら授受を行う際の位置情報に基づいて、ベルトコンベアの搬送速度を制御し、ローカルカート52BのPass作業位置と、高速カート52AのReceive作業位置との誤差調整を行うようにしてもよい。
また、第2の実施の形態では、段差構造部763の傾斜部76Aによって、バスケット56を傾斜部76Aに沿って滑落させるようにしたが、高速レーン58とローカルレーン60との間に開口部を設け、バスケット56を開口部から落下させるようにしてもよい。
(カートロボット52の情報処理装置14の実施態様)
図6は、情報処理装置14として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、第1の実施形態及び第2の実施の形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、第1の実施形態及び第2の実施の形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、第1の実施形態及び第2の実施の形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
図6は、情報処理装置14として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、第1の実施形態及び第2の実施の形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、第1の実施形態及び第2の実施の形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、第1の実施形態及び第2の実施の形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
第1の実施形態及び第2の実施の形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本発明の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
第1の実施形態及び第2の実施の形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
14 情報処理装置、50 フロア、52 カートロボット、54 貯蔵部、52A 高速カート、52B ローカルカート、56 バスケット、58 高速レーン、60 ローカルレーン、62 ピッキングアーム、64 パッシングアーム、66 レシービングアーム、68 ドッキングステーション、70 倉庫内センサ群、72 車体センサ群、74 アームセンサ群、76 段差構造部、76A 傾斜部、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
Claims (6)
- 荷物が収容されたバスケットを、ローカルレーンに沿って相対的に低速で移動する第1のカートロボットによってピックアップし、高速レーンに沿って相対的に高速で移動する第2のカートロボットへ受け渡す作業を、第1のカートロボット及び前記第2のカートロボットのそれぞれの車体に取り付けた車体センサ群の監視の下で処理するピッキングシステムであって、
前記第1のカートロボットに取り付けられ、前記バスケットをピックアップするピックアップアームと、
前記第1のカートロボットに取り付けられ、前記バスケットを前記第2のカートロボットへ送るパッシングアームと、
前記第2のカートロボットに取り付けられ、前記バスケットを前記パッシングアームから受け取るレシービングアームと、
前記ピックアップアーム、前記パッシングアーム、及び前記レシービングアームの少なくとも1つの先端部に取り付けられたアームセンサ群と、
前記アームセンサ群で検出した情報に基づき、前記ピックアップアーム、前記パッシングアーム、及び前記レシービングアームの移動に伴う、前記車体センサ群の死角を補間する補間制御部と、を有するピッキングシステム。 - 前記アームセンサ群が、
多軸アーム構造の前記ピックアップアーム、前記パッシングアーム、及び前記レシービングアームの何れか1つの先端部に取り付けられる、請求項1記載のピッキングシステム。 - 前記アームセンサ群が、
多軸アーム構造の前記ピックアップアーム、前記パッシングアーム、及び前記レシービングアームの何れか1つの、手首仕様の関節の内側に取り付けられる、請求項1記載のピッキングシステム。 - 荷物が収容されたバスケットを、ローカルレーンに沿って相対的に低速で移動する第1のカートロボットによってピックアップし、高速レーンに沿って相対的に高速で移動する第2のカートロボットへ受け渡す作業を、第1のカートロボット及び前記第2のカートロボットのそれぞれの車体に取り付けた車体センサ群の監視の下で処理するピッキングシステムであって、
前記ローカルレーンと前記高速レーンとの間に設けられ、前記第1のカートロボットから放出された前記バスケットを、少なくとも重力作用方向の落差を利用して移動可能な受け渡し経路を介して、前記第2のカートロボットへ受け渡す段差構造部を有するピッキングシステム。 - 相対的に、前記ローカルレーンが高位で前記高速レーンが低位とされ、前記受け渡し経路が、前記ローカルレーンと前記高速レーンとを繋ぐ傾斜部であり、
前記第1のカートロボットから放出された前記バスケットが、前記傾斜部を滑落して、前記第2のカートロボットの捕捉位置へ移動する、請求項4記載のピッキングシステム。 - コンピュータを、
請求項1~請求項3の何れか1項記載のピッキングシステムの前記補間制御部として機能させるためのプログラム。
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