JP2024061011A - 鉄筋結束ロボット、および鉄筋結束装置によって鉄筋交差箇所を結束する方法 - Google Patents

鉄筋結束ロボット、および鉄筋結束装置によって鉄筋交差箇所を結束する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】昇降装置の動作過程において、鉄筋結束装置の複雑な動きを実現可能な技術を提供する。【解決手段】本明細書が開示する鉄筋結束ロボットは、複数の第1鉄筋と、複数の第1鉄筋と交差する複数の第2鉄筋について、複数の第1鉄筋と複数の第2鉄筋の上を移動する動作と、複数の第1鉄筋と複数の第2鉄筋が交差する鉄筋交差箇所を結束する動作と、を実行可能である。鉄筋結束ロボットは、ワイヤを用いて鉄筋交差箇所を結束する鉄筋結束装置と、鉄筋結束装置が設置される台座と、台座を移動させる移動装置と、台座に直接的または間接的に支持されており、台座に対して鉄筋結束装置を上昇または下降させる昇降装置と、を備えている。昇降装置は、鉄筋結束装置を上昇または下降させる過程において、台座に対する鉄筋結束装置の姿勢を変化させる。【選択図】図22

Description

本明細書で開示する技術は、鉄筋結束ロボット、および鉄筋結束装置によって鉄筋交差箇所を結束する方法に関する。
特許文献1には、複数の第1鉄筋と、前記複数の第1鉄筋と交差する複数の第2鉄筋について、前記複数の第1鉄筋と前記複数の第2鉄筋の上を移動する動作と、前記複数の第1鉄筋と前記複数の第2鉄筋が交差する鉄筋交差箇所を結束する動作と、を実行可能な鉄筋結束ロボットが開示されている。前記鉄筋結束ロボットは、ワイヤを用いて前記鉄筋交差箇所を結束する鉄筋結束装置と、前記鉄筋結束装置が設置される台座と、前記台座を移動させる移動装置と、前記台座に直接的または間接的に支持されており、前記台座に対して前記鉄筋結束装置を上昇または下降させる昇降装置と、を備えている。
特開2020-076253号公報
特許文献1の昇降装置は、台座(または鉄筋交差箇所)に対する鉄筋結束装置の姿勢を一定の姿勢に保持したまま、鉄筋結束装置を上昇または下降させる。このため、昇降装置の動作過程における鉄筋結束装置の動きは比較的単調である。しかしながら、昇降装置の動作過程では、鉄筋結束装置の複雑な動き(例えば、ユーザに把持されて使用される時の鉄筋結束装置の動き)を実現したい場合がある。本明細書では、昇降装置の動作過程において、鉄筋結束装置の複雑な動きを実現可能な技術を提供する。
本明細書が開示する鉄筋結束ロボットは、複数の第1鉄筋と、前記複数の第1鉄筋と交差する複数の第2鉄筋について、前記複数の第1鉄筋と前記複数の第2鉄筋の上を移動する動作と、前記複数の第1鉄筋と前記複数の第2鉄筋が交差する鉄筋交差箇所を結束する動作と、を実行可能である。前記鉄筋結束ロボットは、ワイヤを用いて前記鉄筋交差箇所を結束する鉄筋結束装置と、前記鉄筋結束装置が設置される台座と、前記台座を移動させる移動装置と、前記台座に直接的または間接的に支持されており、前記台座に対して前記鉄筋結束装置を上昇または下降させる昇降装置と、を備えている。前記昇降装置は、前記鉄筋結束装置を上昇または下降させる過程において、前記台座に対する前記鉄筋結束装置の姿勢を変化させる。
本明細書が開示する、鉄筋結束装置によって鉄筋交差箇所を結束する方法は、前記鉄筋結束装置を上昇または下降させることが可能な昇降装置が、前記鉄筋交差箇所に対して前記鉄筋結束装置を下降させる、下降ステップと、前記鉄筋結束装置が、ワイヤを用いて前記鉄筋交差箇所を結束する、結束ステップと、前記昇降装置が、前記鉄筋交差箇所に対して前記鉄筋結束装置を上昇させる、上昇ステップと、前記下降ステップと前記上昇ステップの少なくとも一方の途中で、前記昇降装置が、前記鉄筋交差箇所に対する前記鉄筋結束装置の姿勢を変化させる、姿勢変化ステップと、を含む。
上記の構成によれば、昇降装置は、鉄筋結束装置を上昇または下降させる過程において、台座(または鉄筋交差箇所)に対する鉄筋結束装置の姿勢を変化させることができる。このため、昇降装置の動作過程における鉄筋結束装置の動きを比較的複雑にできる。したがって、昇降装置の動作過程において、鉄筋結束装置の複雑な動きを実現できる。さらに上記の構成によれば、鉄筋結束装置の昇降軌道上に障害物がある場合に、鉄筋結束装置の姿勢を変化させることで、鉄筋結束装置と障害物との衝突を回避することができる。
実施例1に係る鉄筋結束ロボット100を後方左方上方から見た斜視図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100の概略構成を示すブロック図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100で使用される鉄筋結束装置2を後方左方上方から見た斜視図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100で使用される鉄筋結束装置2の内部構造を後方右方上方から見た斜視図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100で使用される鉄筋結束装置2の前方部分の断面図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100で使用される鉄筋結束装置2が切断機構18によってワイヤWを切断する様子を概略的に示す図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100で使用される鉄筋結束装置2が鉄筋交差箇所RCを結束した直後の鉄筋交差箇所RC周辺の様子を概略的に示す図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100で使用される鉄筋結束装置2の内部構造を前方左方上方から見た斜視図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100を前方右方下方から見た斜視図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100のサイドステッパ196を後方右方上方から見た斜視図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100の前側クランク機構276を後方から見た断面図(または後側クランク機構277を前方から見た断面図)である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100のサイドステッパ196の後方の部分を前方右方上方から見た斜視図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100において、ステップバー272、274が上昇した状態を前方から見た正面図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100において、ステップバー272、274が下降した状態を前方から見た正面図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100において、動力伝達機構402の内部構造を前方右方上方から見た斜視図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100の昇降装置130を前方上方から見た斜視図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100の昇降装置130の、回転ピン150周辺の構成を示す図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100において、昇降装置130が鉄筋結束装置2を上限位置に保持する様子を前方右方から見た図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100において、昇降装置130が鉄筋結束装置2を下降させる様子を前方右方から見た図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100において、昇降装置130が鉄筋結束装置2を下限位置に保持する様子を前方右方から見た図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100において、昇降装置130が鉄筋結束装置2を上昇させる様子を前方右方から見た図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100において、昇降装置130が鉄筋結束装置2を上昇させながら鉄筋結束装置2の姿勢を変化させる様子を前方右方から見た図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100において、昇降装置130が備えるカム166、第1フォトセンサ168、および第2フォトセンサ170の位置関係を示す図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100において、ロボット制御装置126が行う処理を示すフローチャートである。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100の動作を概略的に示す上面図である。 実施例1に係る鉄筋結束ロボット100の別の動作を概略的に示す上面図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700を後方左方上方から見た斜視図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700の概略構成を示すブロック図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700で使用される鉄筋結束装置602を後方左方上方から見た斜視図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700で使用される鉄筋結束装置602の内部構造を後方右方上方から見た斜視図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700で使用される鉄筋結束装置602の内部構造を前方左方上方から見た斜視図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700を前方右方下方から見た斜視図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700のサイドステッパ796を後方右方上方から見た斜視図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700の前側クランク機構876を後方から見た断面図(または後側クランク機構877を前方から見た断面図)である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700のサイドステッパ796の後方の部分を前方右方上方から見た斜視図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700の昇降装置730を後方左方上方から見た斜視図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700の把持装置950を後方右方下方から見た斜視図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700において、昇降装置730が鉄筋結束装置602を上限位置に保持する様子を前方左方から見た図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700において、昇降装置730が鉄筋結束装置602を下降させる様子を前方左方から見た図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700において、昇降装置730が鉄筋結束装置602を下限位置に保持する様子を前方左方から見た図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700において、昇降装置730が鉄筋結束装置602を上昇させる様子を前方左方から見た図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700において、昇降装置730が鉄筋結束装置602を上昇させながら鉄筋結束装置602の姿勢を変化させる様子を前方左方から見た図である。 実施例2に係る鉄筋結束ロボット700において、昇降装置730が鉄筋結束装置602を上昇させながら鉄筋結束装置602の姿勢を基本姿勢に復帰させる様子を前方左方から見た図である。 実施例に係る鉄筋結束ロボット700において、ロボット制御装置726が行う処理を示すフローチャートである。
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された鉄筋結束ロボット、および鉄筋結束装置によって鉄筋交差箇所を結束する方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記昇降装置は、前記鉄筋結束装置を上昇または下降させる過程において、前記鉄筋結束装置の上昇または下降を中断することなく、前記鉄筋結束装置の前記姿勢を変化させてもよい。
昇降装置が鉄筋結束装置の姿勢を変化させる度に鉄筋結束装置の昇降動作を中断するような構成では、昇降装置が鉄筋結束装置の昇降動作を完了するまでに掛かる時間が長くなる。上記の構成によれば、昇降装置は、鉄筋結束装置の昇降動作を中断することなく、鉄筋結束装置の姿勢を変化させる。このため、昇降装置が鉄筋結束装置の昇降動作を完了するまでに掛かる時間を短縮できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記鉄筋結束装置は、前記ワイヤを送り出す送り機構と、前記送り機構によって送られた前記ワイヤを案内して前記鉄筋交差箇所の周りに周回させるための案内溝が規定された案内部材と、を備えてもよい。前記昇降装置は、前記鉄筋結束装置を上昇させる過程において、前記案内部材を前記案内溝が開放する方向とは反対の方向に移動させるように、前記鉄筋結束装置の前記姿勢を変化させてもよい。
通常、昇降装置は、鉄筋結束装置による鉄筋交差箇所の結束が行われた後、鉄筋結束装置を鉄筋交差箇所から離反させるように鉄筋結束装置を上昇させる。ここで、鉄筋結束装置による鉄筋交差箇所の結束が行われる過程では、切断されたワイヤの端部(切断端とも呼ぶ。)が案内溝に残ることがある。仮に、昇降装置が、鉄筋結束装置の姿勢を変えることなく鉄筋結束装置を上昇させるように構成されていると、案内溝に残る切断端が、案内溝の底部等に引きずられ得る。場合によっては、切断端が案内部材に引っ掛かることがある。上記の構成によれば、昇降装置が、鉄筋結束装置を上昇させる過程において、案内部材を案内溝が開放する方向とは反対の方向に移動させるように、鉄筋結束装置の姿勢を変化させる。すなわち、案内溝に残る切断端が、案内溝が開放する方向から抜け出ていくように、鉄筋結束装置の姿勢が変化する。これにより、案内溝に残る切断端が案内溝の底部等に引きずられることを抑制でき、切断端が案内部材に引っ掛かることを抑制できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記昇降装置は、前記鉄筋結束装置を下降させる過程において、前記鉄筋結束装置の前記姿勢を変化させなくてもよい。
切断端が案内部材に引っ掛かることを抑制する観点では、鉄筋結束装置を上昇させる過程において鉄筋結束装置の姿勢を変化させることができれば事足りる。また、鉄筋結束装置の姿勢を無闇に変化させると、昇降装置や鉄筋結束装置に余計な負荷が掛かることがある。上記の構成によれば、鉄筋結束装置を上昇させる過程では鉄筋結束装置の姿勢を変化させるものの、鉄筋結束装置を下降させる過程では鉄筋結束装置の姿勢を変化させない。これにより、昇降装置や鉄筋結束装置に余計な負荷が掛かることを抑制できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記昇降装置は、前記鉄筋結束装置を前記台座に対して直線的に移動させることにより、前記鉄筋結束装置を上昇または下降させてもよい。前記昇降装置は、前記鉄筋結束装置を、前記鉄筋結束装置に対して位置が固定された装置回転軸周りに回転させることにより、前記鉄筋結束装置の前記姿勢を変化させてもよい。
鉄筋結束装置の昇降動作に掛かる時間を短縮する観点では、鉄筋結束装置を直線的に動かすことが好ましい。上記の構成によれば、鉄筋結束装置を直線的に昇降させることができる。必要に応じて、鉄筋結束装置を回転させることにより、鉄筋結束装置の姿勢を変化させることができる。このため、鉄筋結束装置の昇降動作に掛かる時間を最小限に抑制しつつ、鉄筋結束装置の複雑な動きを実現できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記昇降装置は、第1アクチュエータと、前記鉄筋結束装置を前記装置回転軸周りに回転可能に保持する保持部材と、前記第1アクチュエータからの動力によって動作され、前記保持部材を前記台座に対して直線的に上昇または下降させる直動機構と、を備えてもよい。前記直動機構が動作して前記鉄筋結束装置が上昇または下降される過程において、前記直動機構の動力が前記装置回転軸周りの回転力として前記鉄筋結束装置に伝達されることで、前記鉄筋結束装置が前記装置回転軸周りに回転してもよい。
昇降装置では、鉄筋結束装置を上昇または下降させるためのアクチュエータと、鉄筋結束装置の姿勢を変化させるためのアクチュエータと、を別個に設けることもある。しかしながら、昇降装置に設けるアクチュエータの数が増えると、昇降装置の製造コストが増大する可能性がある。上記の構成によれば、第1アクチュエータからの動力が、鉄筋結束装置を上昇または下降させるための動力として用いられるだけでなく、鉄筋結束装置の姿勢を変化させるための動力としても用いられる。このため、鉄筋結束装置を上昇または下降させるためのアクチュエータと、鉄筋結束装置の姿勢を変化させるためのアクチュエータと、を別個に設ける必要がないので、昇降装置に設けるアクチュエータの数を削減できる。これにより、昇降装置の製造コストを削減できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記昇降装置は、前記保持部材に対して、前記鉄筋結束装置を前記装置回転軸周りの周方向に付勢する付勢部材を備えてもよい。前記鉄筋結束装置は、前記付勢部材の付勢力に抗して回転してもよい。
鉄筋結束装置を回転させるとき、鉄筋結束装置が慣性によって回転し過ぎるおそれがある。上記の構成によれば、付勢部材が、鉄筋結束装置の回転に逆らう向きに、鉄筋結束装置を付勢する。このため、鉄筋結束装置が慣性によって回転し過ぎることを抑制できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記昇降装置は、前記鉄筋結束装置に固定される干渉部材を備えてもよい。前記直動機構は、前記第1アクチュエータからの動力によって回転するクランクシャフトと、前記保持部材に相当するスライダと、前記クランクシャフトと前記スライダを互いに連結するリンク機構と、を含むスライダクランク機構であってもよい。前記スライダクランク機構が動作して前記鉄筋結束装置が上昇または下降される過程において、前記リンク機構が揺動して前記干渉部材を前記装置回転軸の周方向に押すことで、前記鉄筋結束装置が前記装置回転軸周りに回転してもよい。
上記の構成によれば、スライダクランク機構を用いて鉄筋結束装置の昇降動作を行う昇降装置において、台座(または鉄筋交差箇所)に対する鉄筋結束装置の姿勢を変化させることができる。さらに上記の構成によれば、鉄筋結束装置を上昇または下降させるためのアクチュエータと、鉄筋結束装置の姿勢を変化させるためのアクチュエータと、を別個に設ける必要がないので、昇降装置の製造コストを削減できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記クランクシャフトは、前記第1アクチュエータからの動力によって、所定の回転方向に回転してもよい。前記干渉部材は、前記スライダが上昇する際の前記リンク機構の揺動範囲内であって、前記スライダが下降する際の前記リンク機構の揺動範囲外に配置されているか、または、前記スライダが上昇する際の前記リンク機構の揺動範囲外であって、前記スライダが下降する際の前記リンク機構の揺動範囲内に配置されていてもよい。
鉄筋結束装置の姿勢を無闇に変化させると、昇降装置や鉄筋結束装置に余計な負荷が掛かることがある。このため、鉄筋結束装置を上昇させる過程と鉄筋結束装置を下降させる過程のいずれか一方の過程でのみ、鉄筋結束装置の姿勢を変化させたい場合がある。上記の構成によれば、鉄筋結束装置を上昇させる過程と鉄筋結束装置を下降させる過程のうち一方の過程では、リンク機構が干渉部材を押すことで、鉄筋結束装置の姿勢が変化する。鉄筋結束装置を上昇させる過程と鉄筋結束装置を下降させる過程のうち他方の過程では、リンク機構は干渉部材に干渉しないため、鉄筋結束装置の姿勢は変化しない。これにより、鉄筋結束装置を上昇させる過程と鉄筋結束装置を下降させる過程のいずれか一方の過程でのみ、鉄筋結束装置の姿勢を変化させることができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記昇降装置は、前記鉄筋結束装置に設けられる第1当接部材と、前記台座に設けられる第2当接部材と、を備えてもよい。前記直動機構が動作して前記鉄筋結束装置が上昇または下降される過程において、前記第1当接部材と前記第2当接部材が当接して、前記第1当接部材が前記第2当接部材によって前記装置回転軸の周方向に押されることで、前記鉄筋結束装置が前記装置回転軸周りに回転してもよい。
上記の構成によれば、鉄筋結束装置を回転させるための機構が比較的簡素なものであるため、従来の様々な昇降装置に対して適用することができる。このため、既設の昇降装置を利用することができるので、昇降装置の製造コストを削減できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記昇降装置は、前記第1当接部材と前記第2当接部材の一方を、前記第1当接部材と前記第2当接部材の他方に対して当接可能な第1位置と、前記第1当接部材と前記第2当接部材の前記他方に対して当接不可能な第2位置と、の間で移動させる第2アクチュエータを備えてもよい。前記鉄筋結束装置が上昇される際、前記第1当接部材と前記第2当接部材の前記一方は、前記第2アクチュエータによって前記第1位置および前記第2位置の一方に保持されてもよい。前記鉄筋結束装置が下降される際、前記第1当接部材と前記第2当接部材の前記一方は、前記第2アクチュエータによって前記第1位置および前記第2位置の他方に保持されてもよい。
鉄筋結束装置の姿勢を無闇に変化させると、昇降装置や鉄筋結束装置に余計な負荷が掛かることがある。このため、鉄筋結束装置を上昇させる過程と鉄筋結束装置を下降させる過程のいずれか一方の過程でのみ、鉄筋結束装置の姿勢を変化させたい場合がある。上記の構成によれば、鉄筋結束装置を上昇させる過程と鉄筋結束装置を下降させる過程のうち一方の過程では、第1当接部材と第2当接部材が当接することで、鉄筋結束装置の姿勢が変化する。鉄筋結束装置を上昇させる過程と鉄筋結束装置を下降させる過程のうち他方の過程では、第1当接部材と第2当接部材は当接しないため、鉄筋結束装置の姿勢は変化しない。これにより、鉄筋結束装置を上昇させる過程と鉄筋結束装置を下降させる過程のいずれか一方の過程でのみ、鉄筋結束装置の姿勢を変化させることができる。
(実施例1;鉄筋結束ロボット100;図1から図26)
図1に示すように、鉄筋結束ロボット100は、水平方向に沿って互いに平行に配筋された複数の第1鉄筋R1と、水平方向に沿って互いに平行に配筋された第2鉄筋R2の上を移動しながら、第1鉄筋R1と第2鉄筋R2が交差する箇所を、鉄筋結束装置2を使用して結束するロボットである。第1鉄筋R1と第2鉄筋R2を上方から見た時に、第2鉄筋R2が延びる方向は第1鉄筋R1が延びる方向に対して直交している。また、第2鉄筋R2は第1鉄筋R1の上方に配置されている。第1鉄筋R1は、例えば、100mm-300mmの間隔で配筋されており、第2鉄筋R2は、例えば、100mm-300mmの間隔で配筋されている。鉄筋結束ロボット100は、前後方向の寸法が、例えば、900mm程度であり、左右方向の寸法が、例えば、600mm程度である。
図1、図2に示すように、鉄筋結束ロボット100は、主に、鉄筋結束装置2と、電源装置102と、搬送装置106と、昇降装置130と、ロボット制御装置126と、車台190と、独立リール500と、ワイヤ中継機構550を備えている。なお、図2以外の図面では、簡略化のため、電源装置102とロボット制御装置126の図示を省略している。このため図示されないが、電源装置102とロボット制御装置126は、例えば、車台190の上に設置される。
(電源装置102の構成)
図2に示す電源装置102は、鉄筋結束ロボット100の各電気部品に電気的に接続されている。電源装置102には、例えば、複数のバッテリパック(図示せず)が着脱可能に取り付けられている。このため、電源装置102は、複数のバッテリパックからの電力を各電気部品に供給可能である。
(ロボット制御装置126の構成)
ロボット制御装置126は、CPU、メモリ、および通信インタフェース等を含んでいる。ロボット制御装置126は、鉄筋結束ロボット100の各電気部品の動作を制御するように構成されている。例えば、ロボット制御装置126のメモリには、複数の第1鉄筋R1および複数の第2鉄筋R2の位置関係を示すマップ情報(本実施例では、「鉄筋マップ」と呼ぶ。)が記憶されている。また、ロボット制御装置126は、下方を向くように車台190に設置された図示しない鉄筋検出センサ(例えば、TOFセンサ)を用いて、鉄筋検出センサから被写体(複数の第1鉄筋R1および複数の第2鉄筋R2)までの距離を示す距離画像データを取得している。ロボット制御装置126は、この距離画像データに基づいて、鉄筋マップにおける鉄筋結束ロボット100の現在位置を特定することができる。また、ロボット制御装置126は、鉄筋結束装置2による結束作業が行われる度に、鉄筋結束ロボット100の現在位置と一致する鉄筋交差箇所RCを結束済みの箇所として記憶することができる。これにより、ロボット制御装置126は、結束済みの鉄筋交差箇所RCと未結束の鉄筋交差箇所RCを、鉄筋マップ上で区別することができる。
(独立リール500およびワイヤ中継機構550の構成)
図1に示すように、独立リール500は、車台190に固定されている。独立リール500には、鉄筋結束作業に用いられるワイヤWが予め巻回されている。本実施例の独立リール500に巻回可能なワイヤWの最大長は、600mから1000mの範囲内であって、例えば800mである。ワイヤ中継機構550は、ベース部552と、ガイドローラ554と、送りローラ556、557と、挿通部材558を備えている。ワイヤ中継機構550は、ベース部552を介して、車台190に固定されている。独立リール500から引き出されたワイヤWは、挿通部材558を通過して、送りローラ556、557の間に挟持されるとともに、ガイドローラ554によって鉄筋結束装置2に向けてガイドされる。独立リール500は、鉄筋結束ロボット100におけるワイヤWの供給源ということができる。
(鉄筋結束装置2の構成)
以下では、図3から図8を参照して、鉄筋結束装置2の構成について説明する。なお、図3から図8の説明における前後方向、左右方向および上下方向は、鉄筋結束ロボット100を基準とした前後方向、左右方向および上下方向ではなく、鉄筋結束装置2を基準とした前後方向、左右方向および上下方向を意味することに留意されたい。
図3に示すように、鉄筋結束装置2は、鉄筋交差箇所RCを、ワイヤWによって結束する。鉄筋結束装置2は、ハウジング3を備えている。ハウジング3は、昇降装置130のベース部材154(図16参照)を嵌合するための嵌合部3aを備えている。図4に示すように、ハウジング3の後部には、独立リール500から引き出されたワイヤWを受け入れるための貫通孔3bが設けられている。図1に示すように、貫通孔3bは、ワイヤ中継機構550に向かって開口している。
図4に示すように、ハウジング3の後方上部には、ガイドリール10が収容されている。ガイドリール10は、ハウジング3に対して回転可能に保持されている。貫通孔3bを通じてハウジング3内に導かれたワイヤWは、ガイドリール10の周りに数回巻き付けられた上で、ガイドリール10の前方に向けて供給される。
図4から図8に示すように、鉄筋結束装置2は、送り機構12と、案内機構14と、ブレーキ機構16と、切断機構18と、捩り機構20と、制御装置80を備えている。制御装置80は、CPU、メモリ、および通信インタフェース等を含んでいる。制御装置80は、メモリに記憶された所定のプログラムに従って、鉄筋結束装置2の動作を制御する。
図4に示すように、送り機構12は、ガイドリール10から供給されるワイヤWを、前方の案内機構14へと送り出す。送り機構12は、挿通部材21と、送りモータ22と、主動ローラ24と、従動ローラ26を備えている。ガイドリール10から供給されるワイヤWは、挿通部材21を通って、主動ローラ24と従動ローラ26の間に挟持される。送りモータ22は、例えば直流ブラシ付きモータである。送りモータ22の動作は、制御装置80(図8参照)によって制御される。送りモータ22は、主動ローラ24を回転させる。送りモータ22が主動ローラ24を回転させると、従動ローラ26が逆方向に回転するとともに、主動ローラ24と従動ローラ26により挟持されたワイヤWが案内機構14へと送り出される。なお、ワイヤWが送り出される際、ワイヤWはガイドリール10の外周面に沿って摺動する。この際、ガイドリール10とワイヤWの間の摺動摩擦によって、ガイドリール10を回転させるような力が生じる。ガイドリール10は、ワイヤWの送り出しに伴って回転するように構成されている。
図5に示すように、案内機構14は、送り機構12から送られたワイヤWを円環状に案内する。案内機構14は、案内パイプ28と、上側カールガイド30と、下側カールガイド32を備えている。案内パイプ28の後方側の端部は、主動ローラ24と従動ローラ26の間の空間に向けて開口している。送り機構12から送られたワイヤWは、案内パイプ28の内部へと送り込まれる。案内パイプ28の前方側の端部は、上側カールガイド30の内部に向けて開口している。上側カールガイド30には、案内パイプ28から送られるワイヤWを案内するための第1案内通路34と、下側カールガイド32から送られるワイヤWを案内するための第2案内通路(図示せず)が設けられている。
上側カールガイド30には、ワイヤWに下向きの巻きぐせをつけるようにワイヤWを案内する案内溝38が規定されている。また、案内溝38の後方には、後述する切断機構18のカッタ40が配置されている。カッタ40と案内溝38は、いずれも第1案内通路34の一部を構成している。このため、案内パイプ28から送られたワイヤWは、カッタ40と案内溝38を通過して、上側カールガイド30の前端から下側カールガイド32に向けて送り出される。
下側カールガイド32には、送り返し板42が設けられている。送り返し板42は、上側カールガイド30の前端から送られたワイヤWを案内して、上側カールガイド30の第2案内通路の後端に向けて送り返す。
上側カールガイド30の第2案内通路は、第1案内通路34に隣接して配置されている。第2案内通路は、下側カールガイド32から送られたワイヤWを案内して、上側カールガイド30の前端から下側カールガイド32に向けて送り出す。
上側カールガイド30と下側カールガイド32によって、送り機構12から送られたワイヤWは、鉄筋交差箇所RC(図3参照)の周囲に円環状に巻回される。鉄筋交差箇所RCの周囲でのワイヤWの巻き数は、ユーザが予め設定しておくことができる。送り機構12は、設定された巻き数に対応する送り量のワイヤWを送り出すと、送りモータ22を停止してワイヤWの送り出しを停止する。
図4に示すブレーキ機構16は、送り機構12がワイヤWの送り出しを停止するのと連動して、ガイドリール10の回転を停止する。ブレーキ機構16は、プルソレノイド46と、リンク48と、ブレーキアーム50を備えている。プルソレノイド46の動作は、制御装置80(図8参照)によって制御される。ガイドリール10には、ブレーキアーム50が係合する係合部10aが、周方向に所定の角度間隔で形成されている。プルソレノイド46への通電がされていない状態では、ブレーキアーム50がガイドリール10の係合部10aから離反している。プルソレノイド46への通電がされた状態では、リンク48を介してブレーキアーム50が駆動されて、ブレーキアーム50がガイドリール10の係合部10aに係合する。制御装置80は、送り機構12がワイヤWの送り出しを行なう際には、プルソレノイド46へ通電せずに、ブレーキアーム50をガイドリール10の係合部10aから離反させている。これにより、ガイドリール10は自由に回転することができる。一方で、制御装置80は、送り機構12がワイヤWの送り出しを停止すると、プルソレノイド46へ通電して、ブレーキアーム50をガイドリール10の係合部10aに係合させる。これにより、ガイドリール10の回転が禁止される。これによって、送り機構12がワイヤWの送り出しを停止した後、ガイドリール10が慣性により回転し続け、ガイドリール10と送り機構12の間でワイヤWが弛んでしまうことを防ぐことができる。
図5に示す切断機構18は、ワイヤWを鉄筋交差箇所RCの周囲に巻回した状態で、ワイヤWを切断する。切断機構18は、カッタ40と、リンク52を備えている。カッタ40は、固定カッタ部材40aと、可動カッタ部材40bを備えている。固定カッタ部材40aは、上側カールガイド30に固定されている。可動カッタ部材40bは、リンク52に連結するとともに、固定カッタ部材40aの周りに回転可能に設けられている。リンク52は、後述する捩り機構20と連動して、可動カッタ部材40bを回転させる。
固定カッタ部材40aは、固定ワイヤ通路40cを備えている。可動カッタ部材40bは、可動ワイヤ通路40dを備えている。固定ワイヤ通路40cと可動ワイヤ通路40dは、第1案内通路34の一部を構成している。また、可動カッタ部材40bは、可動ワイヤ通路40dに面するワイヤ保持壁40eを備えている。
図6に示すように、可動カッタ部材40bが回転すると、固定カッタ部材40aと可動カッタ部材40bによって、ワイヤWがせん断される。ワイヤWがせん断される過程では、ワイヤWに作用するせん断力等により、ワイヤWが曲げられる。可動カッタ部材40bのワイヤ保持壁40eは、このように曲げられたワイヤWを上方に押し上げる。この時、ワイヤWは、案内溝38の底壁38aに押し当てられる。この状態では、ワイヤWが、ワイヤ保持壁40eから受ける反力と、案内溝38の底壁38aから受ける反力と、によって拘束される。すなわち、ワイヤWが、ワイヤ保持壁40eと底壁38aによって保持される。図7に示すように、可動カッタ部材40bが初期姿勢に復帰すると、ワイヤ保持壁40eと底壁38aによって保持されていたワイヤWは解放される。
図8に示す捩り機構20は、鉄筋交差箇所RCの周囲に巻回されたワイヤWを捩ることで、鉄筋交差箇所RCをワイヤWで結束する。捩り機構20は、捩りモータ54と、減速機構56と、スクリューシャフト58(図5参照)と、スリーブ60と、プッシュプレート61と、一対のフック62を備えている。
捩りモータ54は、例えば直流ブラシレスモータである。捩りモータ54の動作は、制御装置80によって制御される。捩りモータ54の回転は、減速機構56を介して、スクリューシャフト58に伝達される。捩りモータ54は、順方向および逆方向に回転可能であり、それに応じて、スクリューシャフト58も、順方向および逆方向に回転可能である。スリーブ60はスクリューシャフト58の周囲を覆うように配置されている。スリーブ60の回転が禁止されている状態では、スクリューシャフト58が順方向に回転すると、スリーブ60が前方に向けて移動し、スクリューシャフト58が逆方向に回転すると、スリーブ60が後方に向けて移動する。プッシュプレート61は、スリーブ60の前後方向の移動に応じて、スリーブ60と一体的に前後方向に移動する。また、スリーブ60の回転が許容されている状態で、スクリューシャフト58が回転すると、スリーブ60はスクリューシャフト58と共に回転する。一対のフック62はスリーブ60の前端に設けられており、スリーブ60の前後方向の位置に応じて開閉する。
制御装置80は、鉄筋交差箇所RCの周囲にワイヤWが巻回された状態で、捩りモータ54を回転させる。この際、スリーブ60の回転は禁止されており、スクリューシャフト58の回転によってスリーブ60が前進するとともにプッシュプレート61と一対のフック62が前進する。スリーブ60が初期位置から第1所定位置まで前進すると、プッシュプレート61が切断機構18のリンク52を駆動して、可動カッタ部材40b(図6参照)を回転させる。これにより、ワイヤWが切断されるとともに、切断されたワイヤWの端部が、ワイヤ保持壁40eと底壁38a(図6参照)によって保持される。スリーブ60が第1所定位置よりも前方の第2所定位置まで前進すると、一対のフック62が閉じて、ワイヤWを把持する。その後、スリーブ60の回転が許容され、スクリューシャフト58の回転によってスリーブ60が回転するとともに一対のフック62が回転する。これによって、ワイヤWが捩られて、鉄筋交差箇所RCが結束される。ワイヤWによって結束された状態の鉄筋交差箇所RCは、図7に示す通りである。
図8に示す制御装置80は、ワイヤWの捩りが終了すると、捩りモータ54を逆方向に回転させる。この際、スリーブ60の回転は禁止されており、スクリューシャフト58の回転によってスリーブ60が後退して一対のフック62が開いてワイヤWが解放される。その後、スクリューシャフト58の回転によってスリーブ60がさらに後退するとともにプッシュプレート61と一対のフック62が後退する。プッシュプレート61が後退することによって、リンク52および可動カッタ部材40bが初期姿勢に復帰していく。これにより、ワイヤ保持壁40eと底壁38a(図6参照)によって保持されたワイヤWの端部が解放される。その後、スリーブ60が初期位置まで後退すると、スリーブ60の回転が許容されて、スクリューシャフト58の回転によってスリーブ60と一対のフック62が回転して、初期角度に復帰する。
図1に示す鉄筋結束ロボット100には、スイッチやボタン等を備える操作パネル(図示せず)が設けられている。例えば、操作パネルは搬送装置106に設けられている。ユーザは、操作パネルを介して、鉄筋交差箇所RCへのワイヤWの巻き数や、ワイヤWを捩る際のトルクしきい値等を設定することができる。操作パネルには、鉄筋交差箇所RCへのワイヤWの巻き数や、ワイヤWを捩る際のトルクしきい値を設定する設定スイッチ(図示せず)や、現在の設定内容を表示する表示用LED(図示せず)等が設けられている。操作パネルは、図8に示す制御装置80に電気的に接続されている。
制御装置80は、ロボット制御装置126(図2参照)に電気的に接続されており、ロボット制御装置126から送信される信号を受信可能となっている。制御装置80は、ロボット制御装置126からの結束指示信号を受信すると、送り機構12、案内機構14、およびブレーキ機構16によってワイヤWを鉄筋交差箇所RCの周囲に巻回するとともに、切断機構18および捩り機構20によってワイヤWを切断して、鉄筋交差箇所RCに巻回されたワイヤWを捩る、一連の動作を実行する。
(車台190の構成)
図9に示すように、車台190は、ベースプレート204と、右側プレート210と、左側プレート212と、複数のベースフレーム214と、前側連結フレーム215と、後側連結フレーム216を備えている。ベースプレート204は、前後方向および左右方向(すなわち、水平方向)に沿って配置されている。ベースプレート204には、鉄筋結束装置2が略上下方向に沿って通過可能な貫通孔204aが形成されている。複数のベースフレーム214は、ベースプレート204の下面に固定されている。右側プレート210は、複数のベースフレーム214のうち、ベースプレート204の右端に沿って前後方向に延びるものの右面に固定されている。右側プレート210は、前後方向および上下方向に沿って配置されている。左側プレート212は、複数のベースフレーム214のうち、ベースプレート204の左端に沿って前後方向に延びるものの左面に固定されている。左側プレート212は、前後方向および上下方向に沿って配置されている。上下方向に関して、右側プレート210の上端と、左側プレート212の上端は、ベースプレート204の下面と同じ位置にある。前後方向に関して、右側プレート210の前端と、左側プレート212の前端は、ベースプレート204の前端よりも前方に突出しており、右側プレート210の後端と、左側プレート212の後端は、ベースプレート204の後端よりも後方に突出している。前側連結フレーム215は、ベースプレート204の前端よりも前方で、右側プレート210の前端近傍と左側プレート212の前端近傍を連結している。後側連結フレーム216は、ベースプレート204の後端よりも後方で、右側プレート210の後端近傍と左側プレート212の後端近傍を連結している。前側連結フレーム215と後側連結フレーム216は、左右方向に延びている。上下方向に関して、前側連結フレーム215と後側連結フレーム216は、複数のベースフレーム214よりも下方に配置されている。
(搬送装置106の構成)
図1、図9に示すように、搬送装置106は、右側クローラ192と、左側クローラ194と、サイドステッパ196と、兼用モータ400と、動力伝達機構402を備えている。右側クローラ192と、左側クローラ194と、サイドステッパ196と、兼用モータ400と、動力伝達機構402は、それぞれ車台190に支持されている。
(右側クローラ192の構成)
図9に示すように、右側クローラ192は、前側プーリ218と、後側プーリ220と、複数の補助プーリ222と、テンショナプーリ224と、ゴムベルト226と、右側クローラモータ228と、ギヤボックス230を備えている。前側プーリ218の外面と、後側プーリ220の外面と、複数の補助プーリ222の外面と、テンショナプーリ224の外面には、それぞれ、ゴムベルト226と噛み合う歯形が形成されている。ゴムベルト226は、前側プーリ218と、後側プーリ220と、複数の補助プーリ222と、テンショナプーリ224に掛け渡されている。前側プーリ218は、右側プレート210の前端近傍において、ベアリング232を介して右側プレート210に回転可能に支持されている。後側プーリ220は、右側プレート210の後端近傍において、ベアリング234を介して右側プレート210に回転可能に支持されている。複数の補助プーリ222は、前側プーリ218と後側プーリ220の間で、対応するベアリング236を介して右側プレート210に回転可能に支持されている。複数の補助プーリ222は、前後方向に並んで配置されている。前側プーリ218の外径と後側プーリ220の外径は略同じであり、複数の補助プーリ222の外径は、前側プーリ218および後側プーリ220の外径よりも小さい。上下方向に関して、前側プーリ218の下端と、後側プーリ220の下端と、複数の補助プーリ222の下端は、略同じ位置にある。テンショナプーリ224は、可動ベアリング237に回転可能に支持されている。可動ベアリング237は、上下方向に移動可能に、右側プレート210に支持されている。ゴムベルト226がテンショナプーリ224に掛け渡されている状態で、可動ベアリング237の右側プレート210に対する上下方向の位置を調整することで、ゴムベルト226の張り具合いを調整することができる。右側クローラモータ228は、ベアリング232と、ギヤボックス230を介して、右側プレート210に支持されている。右側クローラモータ228は、例えば直流ブラシレスモータである。右側クローラモータ228は、ギヤボックス230に内蔵された減速ギヤ(図示せず)を介して、前側プーリ218に連結されている。右側クローラモータ228が順方向または逆方向に回転すると、前側プーリ218が順方向または逆方向に回転し、それによってゴムベルト226が前側プーリ218と、後側プーリ220と、複数の補助プーリ222と、テンショナプーリ224の外側で順方向または逆方向に回転する。
(左側クローラ194の構成)
左側クローラ194は、前側プーリ244と、後側プーリ246と、複数の補助プーリ248と、テンショナプーリ250と、ゴムベルト252と、左側クローラモータ254と、ギヤボックス256を備えている。前側プーリ244の外面と、後側プーリ246の外面と、複数の補助プーリ248の外面と、テンショナプーリ250の外面には、それぞれ、ゴムベルト252と噛み合う歯形が形成されている。ゴムベルト252は、前側プーリ244と、後側プーリ246と、複数の補助プーリ248と、テンショナプーリ250に掛け渡されている。前側プーリ244は、左側プレート212の前端近傍において、ベアリング258を介して左側プレート212に回転可能に支持されている。後側プーリ246は、左側プレート212の後端近傍において、ベアリング260を介して左側プレート212に回転可能に支持されている。複数の補助プーリ248は、前側プーリ244と後側プーリ246の間で、対応するベアリング262を介して左側プレート212に回転可能に支持されている。複数の補助プーリ248は、前後方向に並んで配置されている。前側プーリ244の外径と後側プーリ246の外径は略同じであり、複数の補助プーリ248の外径は、前側プーリ244および後側プーリ246の外径よりも小さい。上下方向に関して、前側プーリ244の下端と、後側プーリ246の下端と、複数の補助プーリ248の下端は、略同じ位置にある。テンショナプーリ250は、可動ベアリング264に回転可能に支持されている。可動ベアリング264は、上下方向に移動可能に、左側プレート212に支持されている。ゴムベルト252がテンショナプーリ250に掛け渡されている状態で、可動ベアリング264の左側プレート212に対する上下方向の位置を調整することで、ゴムベルト252の張り具合いを調整することができる。左側クローラモータ254は、ベアリング258と、ギヤボックス256を介して、左側プレート212に支持されている。左側クローラモータ254は、例えば直流ブラシレスモータである。左側クローラモータ254は、ギヤボックス256に内蔵された減速ギヤ(図示せず)を介して、前側プーリ244に連結されている。左側クローラモータ254が順方向または逆方向に回転すると、前側プーリ244が順方向または逆方向に回転し、それによってゴムベルト252が前側プーリ244と、後側プーリ246と、複数の補助プーリ248と、テンショナプーリ250の外側で順方向または逆方向に回転する。
(サイドステッパ196の構成)
図10に示すように、サイドステッパ196は、ステップバー272、274と、前側クランク機構276と、後側クランク機構277を備えている。ステップバー272、274は、断面が略矩形の棒状部材であって、前後方向に延びている。図9に示すように、左右方向に関して、ステップバー272はベースプレート204の中央と右端の間に配置されており、ステップバー274はベースプレート204の中央と左端の間に配置されている。
図10に示すように、前側クランク機構276は、支持プレート278と、プーリ280、282と、テンショナプーリ283と、ベルト284と、クランクアーム286、288と、クランクピン290、292(図11参照)と、クランクプレート294と、ローラ296、298と、ガイドプレート300を備えている。支持プレート278は、ベースプレート204の前端近傍で、ベースプレート204の下面に固定されている。支持プレート278は、左右方向および上下方向に沿って配置されている。プーリ280は、支持プレート278の右端近傍で、支持プレート278よりも後方に配置されている。プーリ282は、支持プレート278の左端近傍で、支持プレート278よりも後方に配置されている。プーリ280、282は、それぞれ、支持プレート278に回転可能に支持されている。プーリ280の径は、プーリ282の径と略同じである。ベルト284は、プーリ280、282に掛け渡されている。このため、プーリ280、282は、一方が順方向または逆方向に回転した時に、他方も順方向または逆方向に略同じ回転数で回転する。また、テンショナプーリ283は、上下方向に移動可能に設けられた可動ベアリング(図示せず)を介して、ベースプレート204(図9参照)に回転可能に支持されている。テンショナプーリ283は、上方からベルト284に当接するように配置されている。このため、テンショナプーリ283を支持する可動ベアリングの、ベースプレート204に対する上下方向の位置を調整することで、ベルト284の張り具合いを調整することができる。
クランクアーム286、288と、クランクピン290、292(図11参照)と、クランクプレート294と、ローラ296、298と、ガイドプレート300は、支持プレート278よりも前方に配置されている。図11に示すように、クランクアーム286、288は、プーリ280、282の軸280a、282aが嵌め込まれる嵌合孔286a、288aと、クランクアーム286、288の長手方向に延びる長孔286b、288bを備えている。クランクアーム286、288は、プーリ280、282が回転する時に、軸280a、282aを中心としてプーリ280、282と一体となって回転する。長孔286b、288bには、クランクピン290、292が摺動可能に挿入されている。クランクピン290、292は、クランクプレート294を貫通した状態で、クランクプレート294に固定されている。クランクプレート294は、クランクアーム286、288よりも前方側に配置されている。クランクプレート294は、左右方向および上下方向に沿って延びている。ローラ296、298(図10参照)は、クランクプレート294よりも前方側で、クランクピン290、292に取り付けられている。図10に示すように、ローラ296、298は、ガイドプレート300の後面に形成されたガイド溝302、304に入り込んでいる。ガイドプレート300は、クランクプレート294よりも前方で、ベースプレート204の下面に固定されている。ガイドプレート300は、左右方向および上下方向に沿って延びている。図11に示すように、ガイドプレート300のガイド溝302、304は、角部が丸められた略矩形の形状に形成されている。ガイド溝302、304は、図11に破線で示すサイドステップ軌道S1を規定している。サイドステップ軌道S1は、角部が丸められた略矩形の形状を有しており、左右方向に沿った上辺および下辺と、上下方向に沿った右辺および左辺を有する。
前側クランク機構276において、プーリ280、282が回転すると、クランクアーム286、288の回転によって、クランクピン290、292がクランクアーム286、288の回転方向に移動する。この際に、ローラ296、298がガイド溝302、304に入り込んでいるため、クランクピン290、292は、長孔286b、288bの内部を摺動しつつ、ガイド溝302、304によって規定されるサイドステップ軌道S1に沿って移動する。これによって、クランクピン290、292が固定されたクランクプレート294も、ガイド溝302、304によって規定されるサイドステップ軌道S1に沿って移動する。
図12に示すように、後側クランク機構277は、支持プレート306と、プーリ308、310と、テンショナプーリ311と、ベルト312と、クランクアーム314、316と、クランクピン318、320(図11参照)と、クランクプレート322と、ローラ324、326と、ガイドプレート328を備えている。支持プレート306は、ベースプレート204の後端近傍で、ベースプレート204の下面に固定されている。支持プレート306は、左右方向および上下方向に沿って配置されている。プーリ308は、支持プレート306の右端近傍で、支持プレート306よりも前方に配置されている。プーリ310は、支持プレート306の左端近傍で、支持プレート306よりも前方に配置されている。プーリ308、310は、それぞれ、支持プレート306に回転可能に支持されている。プーリ308の径は、プーリ310の径と略同じであり、前側クランク機構276のプーリ280、282の径と略同じである。ベルト312は、プーリ308、310に掛け渡されている。このため、プーリ308、310は、一方が順方向または逆方向に回転した時に、他方も順方向または逆方向に略同じ回転数で回転する。また、テンショナプーリ311は、上下方向に移動可能に設けられた可動ベアリング(図示せず)を介して、ベースプレート204(図9参照)に回転可能に支持されている。テンショナプーリ311は、上方からベルト312に当接するように配置されている。このため、テンショナプーリ311を支持する可動ベアリングの、ベースプレート204に対する上下方向の位置を調整することで、ベルト312の張り具合いを調整することができる。
クランクアーム314、316と、クランクピン318、320(図11参照)と、クランクプレート322と、ローラ324、326と、ガイドプレート328は、支持プレート306よりも後方に配置されている。図11に示すように、クランクアーム314、316は、プーリ308、310の軸308a、310aが嵌め込まれる嵌合孔314a、316aと、クランクアーム314、316の長手方向に延びる長孔314b、316bを備えている。クランクアーム314、316は、プーリ308、310が回転する時に、軸308a、310aを中心としてプーリ308、310と一体となって回転する。長孔314b、316bには、クランクピン318、320が摺動可能に挿入されている。クランクピン318、320は、クランクプレート322を貫通した状態で、クランクプレート322に固定されている。クランクプレート322は、クランクアーム314、316よりも後方側に配置されている。クランクプレート322は、左右方向および上下方向に沿って延びている。ローラ324、326(図12参照)は、クランクプレート322よりも後方側で、クランクピン318、320に取り付けられている。図12に示すように、ローラ324、326は、ガイドプレート328の前面に形成されたガイド溝330、332に入り込んでいる。ガイドプレート328は、クランクプレート322よりも後方で、ベースプレート204の下面に固定されている。ガイドプレート328は、左右方向および上下方向に沿って延びている。図11に示すように、ガイドプレート328のガイド溝330、332は、角部が丸められた略矩形の形状に形成されている。ガイド溝330、332は、図11に破線で示すサイドステップ軌道S1を規定している。サイドステップ軌道S1は、角部が丸められた略矩形の形状を有しており、左右方向に沿った上辺および下辺と、上下方向に沿った右辺および左辺を有する。ガイド溝330、332によって規定されるサイドステップ軌道S1は、ガイド溝302、304によって規定されるサイドステップ軌道S1と同一である。
後側クランク機構277において、プーリ308、310が回転すると、クランクアーム314、316の回転によって、クランクピン318、320がクランクアーム314、316の回転方向に移動する。この際に、ローラ324、326がガイド溝330、332に入り込んでいるため、クランクピン318、320は、長孔314b、316bの内部を摺動しつつ、ガイド溝330、332によって規定されるサイドステップ軌道S1に沿って移動する。これによって、クランクピン318、320が固定されたクランクプレート322も、ガイド溝330、332によって規定されるサイドステップ軌道S1に沿って移動する。
図9に示すように、ステップバー272、274は、それぞれ、前端が前側クランク機構276のクランクプレート294に固定されており、後端が後側クランク機構277のクランクプレート322に固定されている。図10に示すように、前側クランク機構276のプーリ282と後側クランク機構277のプーリ310のそれぞれは、動力伝達機構402の回転伝達シャフト428に連結されている。このため、回転伝達シャフト428が回転する場合、前側クランク機構276のプーリ280、282と後側クランク機構277のプーリ308、310は、互いに同期して回転するとともに、前側クランク機構276のクランクプレート294と後側クランク機構277のクランクプレート322は、互いに同期して動作する。すなわち、回転伝達シャフト428が順方向または逆方向に回転すると、プーリ280、282、308、310が順方向または逆方向に回転し、それによってクランクプレート294、322がサイドステップ軌道S1に沿って右回りまたは左回りに移動し、ステップバー272、274もサイドステップ軌道S1に沿って右回りまたは左回りに移動する。なお、前側クランク機構276および後側クランク機構277の一方(例えば前側クランク機構276)には、ゼロ点検知センサ(図示せず)が設けられている。ゼロ点検知センサは、例えば、クランクプレート294に固定された永久磁石(図示せず)と、ガイドプレート300に固定されたホール素子(図示せず)を備えている。ゼロ点検知センサは、サイドステップ軌道S1の上辺の左右方向の中央をゼロ点位置として、クランクプレート294、322がゼロ点位置にあるか否かを検出することができる。
図13に示すように、クランクプレート294、322がサイドステップ軌道S1(図11参照)の上辺にあり、ステップバー272、274が上方に移動している状態では、クランクプレート294、322やステップバー272、274は、第1鉄筋R1や第2鉄筋R2から離反している。この状態では、右側クローラ192と左側クローラ194が、第1鉄筋R1や第2鉄筋R2に当接しているので、鉄筋結束ロボット100は、右側クローラ192と左側クローラ194を駆動して、車台190を前後方向に移動させることができる。また、鉄筋結束ロボット100は、右側クローラ192と左側クローラ194に速度差を与えることで、第1鉄筋R1や第2鉄筋R2に対する車台190の向きを変えることもできる。
図13に示す状態から、回転伝達シャフト428(図10参照)が回転すると、クランクプレート294、322がサイドステップ軌道S1(図11参照)に沿って移動し、それに伴ってステップバー272、274が下方に移動することで、クランクプレート294、322とステップバー272、274が第2鉄筋R2に当接する。この状態からさらに回転伝達シャフト428が回転すると、クランクプレート294、322とステップバー272、274がさらに下方に移動することで、図14に示すように、右側クローラ192と左側クローラ194は第2鉄筋R2から離反する。そのまま回転伝達シャフト428が回転すると、サイドステップ軌道S1の左右方向の幅に相当するステップ幅だけ、車台190が右方向または左方向に移動した後、クランクプレート294、322とステップバー272、274が上方に向けて移動し、右側クローラ192と左側クローラ194が再び第1鉄筋R1や第2鉄筋R2に当接するとともに、クランクプレート294、322とステップバー272、274が第2鉄筋R2から離反する。上記のように、鉄筋結束ロボット100は、サイドステッパ196を駆動することによって、車台190を、右方向または左方向に、所定のステップ幅だけ移動させることができる。
なお、ガイド溝302、304、330、332(図11参照)によって規定されるサイドステップ軌道S1は、上記のような略矩形の形状に限らず、種々の形状とすることができる。サイドステップ軌道S1は、ステップバー272、274がサイドステップ軌道S1に沿って移動する際に、ステップバー272、274の下端が右側クローラ192および左側クローラ194の下端よりも下方に移動し、その後にステップバー272、274の下端が左右方向に移動し、その後にステップバー272、274の下端が右側クローラ192および左側クローラ194の下端よりも上方に移動するものであれば、どのような形状であってもよい。例えば、サイドステップ軌道S1は、円形状としてもよいし、楕円形状としてもよいし、下方に底辺を有する三角形状としてもよいし、五角形以上の多角形状としてもよい。
(動力伝達機構402の構成)
図15に示すように、動力伝達機構402は、遊星歯車機構406と、第1出力シャフト414と、第2出力シャフト416と、第1平歯車418と、第2平歯車420と、第3平歯車422と、ウォームシャフト424と、ウォームホイール426と、回転伝達シャフト428と、ユニバーサルジョイント430と、切換アクチュエータ432を備えている。遊星歯車機構406と、第1出力シャフト414と、第2出力シャフト416と、第1平歯車418と、第2平歯車420と、第3平歯車422と、ウォームシャフト424と、ウォームホイール426は、ギヤボックス438(図10参照)に収容されている。
遊星歯車機構406には、左方から兼用モータ400が連結されている。兼用モータ400は、遊星歯車機構406の太陽歯車(図示せず)に連結されている。兼用モータ400は、例えば直流ブラシレスモータである。また、遊星歯車機構406の遊星キャリヤ410は、第1出力シャフト414とユニバーサルジョイント430を介して、昇降装置130のウォームシャフト136(図16参照)に連結されている。遊星歯車機構406の内歯車412は、第1平歯車418、第2出力シャフト416、第2平歯車420、第3平歯車422、ウォームシャフト424、ウォームホイール426、回転伝達シャフト428を順に介して、サイドステッパ196に連結されている。
遊星キャリヤ410の外側面には、内側係合凹部440が形成されている。内側係合凹部440は、周方向に並んで配置されており、径方向外側から径方向内側に向けて陥凹する複数の内側陥凹溝440aを有する。また、内歯車412の内側面には、外側陥凹溝442aが形成されている。外側陥凹溝442aは、周方向に並んで配置されており、径方向内側から径方向外側に向けて陥凹する複数の外側陥凹溝442aを有する。
切換アクチュエータ432は、係止部材434と、位置検出機構436と、プルソレノイド452と、キャップ456を備えている。係止部材434は、前端近傍において、左右方向に沿って延びるように配置された係止ピン446を備えている。係止部材434は、キャップ456によって前後方向にスライド可能に保持されている。係止部材434は、キャップ456内において、プルソレノイド452の出力軸に連結されている。また、キャップ456内には、プルソレノイド452の出力軸を前方向に付勢する圧縮バネ(図示せず)が設けられている。ロボット制御装置126(図2参照)は、プルソレノイド452を通電状態と非通電状態の間で切り換えることができる。
図15に示す状態では、プルソレノイド452は通電状態である。プルソレノイド452の出力軸は、プルソレノイド452の吸引力によって、圧縮バネの付勢力に抗して後方向に移動されている。係止部材434は、プルソレノイド452の出力軸に連動して後方向に移動されている。この際、係止部材434の係止ピン446は、内歯車412の外側係合凹部442に係合し、内歯車412の回転を禁止している。この状態では、兼用モータ400の動力は、遊星歯車機構406、第1出力シャフト414、ユニバーサルジョイント430を順に介して、昇降装置130(図16参照)に伝達される。本実施例では、兼用モータ400の動力が昇降装置130に伝達される状態を、「第1伝達状態」と呼ぶことがある。
図15に示す状態から、プルソレノイド452を非通電状態に切り換えると、係止部材434は、圧縮バネの付勢力によって前方向に移動される。係止部材434は、プルソレノイド452の出力軸に連動して前方向に移動される。これにより、係止部材434の係止ピン446は、遊星キャリヤ410の内側係合凹部440に係合する。係止ピン446が内側係合凹部440に係合した状態では、遊星キャリヤ410の回転が禁止される。この状態では、兼用モータ400の動力は、遊星歯車機構406、第1平歯車418、第2出力シャフト416、第2平歯車420、第3平歯車422、ウォームシャフト424、ウォームホイール426、回転伝達シャフト428を順に介して、サイドステッパ196に伝達される。本実施例では、兼用モータ400の動力がサイドステッパ196に伝達される状態を、「第2伝達状態」と呼ぶことがある。
位置検出機構436は、キャップ456の上方に取り付けられている。位置検出機構436は、係止部材434の移動に連動するスライドスイッチであり、係止部材434の位置を検出することができる。このため、ロボット制御装置126(図2参照)は、位置検出機構436から送信される信号に基づいて、動力伝達機構402が第1伝達状態となっていることや、動力伝達機構402が第2伝達状態となっていることを検出できる。
(昇降装置130の構成)
図16に示すように、昇降装置130は、ウォームギヤケース132と、昇降アーム134と、スライダクランク機構138を備えている。ウォームギヤケース132は、ベースプレート204(図9参照)に固定されている。昇降アーム134は、ネジによってウォームギヤケース132に固定されている。昇降アーム134は、ウォームギヤケース132から前方左方上方に向かって延びている。ウォームギヤケース132は、ウォームシャフト136を備えている。スライダクランク機構138は、クランクシャフト142と、クランクアーム144と、クランクピン146と、クランクロッド148と、回転ピン150と、スライダ152と、レール153と、ベース部材154を備えている。本実施例では、クランクアーム144、クランクピン146、およびクランクロッド148を総称して「リンク機構140」と呼ぶことがある。
クランクシャフト142は、ウォームギヤケース132に内蔵されたウォームギヤ(図示せず)を介して、ウォームシャフト136に連結されている。クランクアーム144は、クランクシャフト142に固定されている。クランクピン146は、クランクアーム144およびクランクロッド148のそれぞれに回転可能に保持されている。回転ピン150は、クランクロッド148に回転可能に保持されている。回転ピン150は、スライダ152に固定されている。スライダ152は、昇降アーム134に設けられたレール153によって、スライド可能に保持されている。ベース部材154は、回転ピン150に回転可能に設けられている。ベース部材154は、鉄筋結束装置2のハウジング3の嵌合部3a(図3参照)に嵌合した状態で、ネジ(図示せず)によってハウジング3に固定される。すなわち、昇降装置130のスライダ152は、回転ピン150およびベース部材154を介して鉄筋結束装置2を回転可能に保持している。
ウォームシャフト136が順方向または逆方向に回転すると、クランクシャフト142およびクランクアーム144が順方向または逆方向に回転し、クランクピン146がクランクシャフト142の回転軸を中心とした円周上を移動する。この時、クランクシャフト142とクランクロッド148は、クランクピン146の中心軸周りに相対的に回転する。また、クランクロッド148とスライダ152は、回転ピン150の中心軸周りに相対的に回転する。これにより、スライダ152がレール153に沿って上方または下方にスライドし、鉄筋結束装置2が車台190に対して上昇または下降される。すなわち、鉄筋結束装置2が第1鉄筋R1および第2鉄筋R2に対して上昇または下降される。
本実施例では、クランクシャフト142の回転軸を「回転軸A1」と呼ぶ。クランクシャフト142とクランクロッド148の相対的な回転の軸(すなわち、クランクピン146の中心軸)を「回転軸A2」と呼ぶ。クランクロッド148とスライダ152の相対的な回転の軸(すなわち、回転ピン150の中心軸)を「回転軸A3」と呼ぶ。また、スライダクランク機構138が上死点位置にある時の鉄筋結束装置2の位置を「上限位置」と呼ぶ。スライダクランク機構138が下死点位置にある時の鉄筋結束装置2の位置を「下限位置」と呼ぶ。
本実施例のロボット制御装置126(図2参照)は、鉄筋結束装置2を上昇させる場合と、鉄筋結束装置2を下降させる場合の両方において、クランクシャフト142を回転軸A1の第3周方向CD3に回転させる。このため、鉄筋結束装置2が上昇される場合、リンク機構140は、クランクピン146がクランクシャフト142の下方を通過するように揺動する。鉄筋結束装置2が下降される場合、リンク機構140は、クランクピン146がクランクシャフト142の上方を通過するように揺動する。
スライダ152は、回転軸A3に沿ってベース部材154に向かって突出した第1干渉ピン156と、回転軸A3の周方向に沿って規定された長孔158を備えている。ベース部材154は、回転軸A3に沿ってスライダ152に向かって突出するとともに、長孔158に挿入される第2干渉ピン160を備えている。長孔158は、第2干渉ピン160を回転軸A3の周方向にスライド可能に受け入れている。長孔158は、第2干渉ピン160(すなわち、ベース部材154および鉄筋結束装置2)が回転軸A3周りに回転する際の可動範囲を規定する。また、回転ピン150には、捩りバネ162が取り付けられている。捩りバネ162は、第1干渉ピン156(すなわち、スライダ152)に対して第2干渉ピン160(すなわち、ベース部材154および鉄筋結束装置2)を回転軸A3の第1周方向CD1に付勢する。通常、第2干渉ピン160は、捩りバネ162の付勢力等によって、長孔158の端部側面に当接した状態で保持される。これにより、鉄筋結束装置2は、例えば図18に示すような基本姿勢に保持される。ここでいう基本姿勢とは、鉄筋結束装置2を基準とした前方向(図3等参照)が、鉄筋結束ロボット100を基準とした下方向に向くような姿勢である。
鉄筋結束装置2が基本姿勢をとっている場合、上側カールガイド30は、先端に向かうにつれて水平方向(後方右方)に漸近するように湾曲している。下側カールガイド32は、先端に向かって略一直線に延びている。また、鉄筋結束装置2が基本姿勢をとっている場合、鉄筋結束装置2は、捩りバネ162(図16参照)の付勢力に抗して第1周方向CD1の反対方向である第2周方向CD2に回転可能となっている。
図17に示すように、クランクロッド148は、幅方向に張り出した張出部148aを備えている。張出部148aは、第2干渉ピン160と向かい合うように設けられている。張出部148aを設けたことにより、第2干渉ピン160は、鉄筋結束装置2が上昇される場合のリンク機構140の揺動範囲内に配置される。このため、鉄筋結束装置2が上昇される過程では、張出部148aと第2干渉ピン160が互いに対して摺動可能に当接する。これにより、第2干渉ピン160(すなわち鉄筋結束装置2)が第2周方向CD2に押されて、鉄筋結束装置2の姿勢が基本姿勢から変化することがある。ただし、第2干渉ピン160は、鉄筋結束装置2が下降される場合のリンク機構140の揺動範囲外に配置される。このため、鉄筋結束装置2が下降される過程では、張出部148aと第2干渉ピン160が互いに当接しないので、第2干渉ピン160(すなわち鉄筋結束装置2)が第2周方向CD2に押されることはない。これにより、鉄筋結束装置2に外乱が干渉する場合を除いて、鉄筋結束装置2の姿勢が変化することはない。ここでいう外乱の干渉とは、例えば、鉄筋結束装置2が障害物に衝突することである。本実施例では、特に記載しない限り、外乱の干渉を考慮しないものとする。
以下では、図18から図22を用いて、昇降装置130によって鉄筋結束装置2が昇降される際の、鉄筋結束装置2の挙動を詳細に説明する。
図18に示す状態では、鉄筋結束装置2は上限位置にある。この状態では、鉄筋結束装置2は、第1鉄筋R1および第2鉄筋R2から離反した位置で保持される。また、この状態では、張出部148a(図17参照)と第2干渉ピン160(図17参照)は互いに当接しない位置にあるので、鉄筋結束装置2は基本姿勢をとっている。昇降装置130は、図18に示す状態から、図19に示す状態を経て、図20に示す状態に至るように、鉄筋結束装置2を下降させる。鉄筋結束装置2が下降される過程では、張出部148a(図17参照)と第2干渉ピン160(図17参照)が互いに当接することはない。このため、鉄筋結束装置2は基本姿勢をとっている。
図20に示す状態では、鉄筋結束装置2は下限位置にある。この状態では、鉄筋結束装置2は、鉄筋交差箇所RCの結束が可能となる位置で保持される。また、この状態では、張出部148a(図17参照)と第2干渉ピン160(図17参照)は互いに当接しない位置にあるので、鉄筋結束装置2は基本姿勢をとっている。詳細は後述するが、この状態で、鉄筋結束装置2による鉄筋交差箇所RCの結束が行われる。その後、昇降装置130は、図20に示す状態から、図21、図22に示す状態を経て、図18に示す状態に至るように、鉄筋結束装置2を上昇させる。
鉄筋結束装置2が上昇される過程のうち、図20に示す状態から図21に示す状態に至るまでは、張出部148a(図17参照)と第2干渉ピン160(図17参照)は互いに当接しない。このため、鉄筋結束装置2は、基本姿勢をとったまま上昇する。図21に示す状態に至ると、張出部148a(図17参照)が第2干渉ピン160(図17参照)に当接する。そして、図21に示す状態から図22に示す状態に至るまでは、張出部148aが、第2干渉ピン160を介して鉄筋結束装置2を第2周方向CD2に押すように動く。これにより、鉄筋結束装置2は、上昇するにつれて、第2周方向CD2に回転する。すなわち、鉄筋結束装置2の姿勢が、基本姿勢から徐々に変化していく。図22に示す状態から図18に示す状態に至るまでは、張出部148aが、第2干渉ピン160から離れるように動く。この時、鉄筋結束装置2は、第2干渉ピン160を介して張出部148aに支持されながら、捩りバネ162の付勢力等によって、第1周方向CD1に押し戻される。これにより、鉄筋結束装置2は、上昇するにつれて、第1周方向CD1に回転する。すなわち、鉄筋結束装置2の姿勢が、徐々に基本姿勢に復帰していく。また、第2干渉ピン160が長孔158の端部側面に当接した後(すなわち、鉄筋結束装置2の姿勢が基本姿勢となった後)は、鉄筋結束装置2は、基本姿勢をとったまま上昇する。
図16に示すように、本実施例のスライダクランク機構138は、クランクシャフト142の回転軸A1がスライダ152の移動線に対してオフセットして配置された、いわゆるオフセットクランクとなっている。これにより、鉄筋結束装置2を上昇させる場合のクランクアーム144のストロークが、鉄筋結束装置2を下降させる場合のクランクアーム144のストロークよりも大きくなっている。
鉄筋結束装置2を上昇させる場合、鉄筋結束装置2に作用する重力に抗してクランクシャフト142を回転させることになるため、兼用モータ400にかかる負荷トルクは比較的大きくなる。本実施例では、兼用モータ400に比較的大きなトルク負荷がかかる鉄筋結束装置2の上昇時に、クランクアーム144のストロークを増大させて、兼用モータ400にかかる負荷トルクを低減している。さらに、兼用モータ400にかかる負荷トルクが比較的小さい鉄筋結束装置2の下降時には、クランクアーム144のストロークを低減させて、鉄筋結束装置2の下降速度を向上させている。
図23に示すように、昇降装置130は、クランクシャフト142(図16参照)に固定されたカム166をさらに備えている。カム166は、クランクシャフト142と一体となって、回転軸A1周りに回転する。カム166は、クランクシャフト142の径方向外側に突出した第1フィン163および第2フィン164を備えている。第1フィン163の一端と第2フィン164の一端は、回転軸A1の周方向において、互いに重なり合っている。一方で、第1フィン163の他端と第2フィン164の他端は、回転軸A1の周方向において、互いに離間している。このため、第1フィン163の他端と第2フィン164の他端の間には、回転軸A1の周方向に幅を有する隙間が形成されている。また、昇降装置130は、それぞれが発光部と受光部を有する第1フォトセンサ168と第2フォトセンサ170をさらに備えている。第1フォトセンサ168と第2フォトセンサ170のそれぞれは、発光部と受光部の間が遮られていない場合に、ロボット制御装置126(図2参照)にオン信号を送信し、発光部と受光部の間が遮られている場合に、ロボット制御装置126にオフ信号を送信する。第1フォトセンサ168と第2フォトセンサ170は、回転軸A1に沿って並んだ状態で、ウォームギヤケース132に固定されている。
図示しないが、鉄筋結束装置2(図3参照)が下限位置にある場合、第1フォトセンサ168における発光部と受光部の間は第1フィン163によって遮られ、第2フォトセンサ170における発光部と受光部の間は第2フィン164よって遮られる。このため、ロボット制御装置126(図2参照)には、第1フォトセンサ168と第2フォトセンサ170の両方からオフ信号が送信される。また、鉄筋結束装置2が上限位置にある場合、第1フォトセンサ168における発光部と受光部の間は遮られず、第2フォトセンサ170における発光部と受光部の間も遮られない。このため、ロボット制御装置126には、第1フォトセンサ168と第2フォトセンサ170の両方からオン信号が送信される。また、鉄筋結束装置2が上昇中である場合、第1フォトセンサ168における発光部と受光部の間は遮られないが、第2フォトセンサ170における発光部と受光部の間は第2フィン164よって遮られる。鉄筋結束装置2が下降中である場合、第1フォトセンサ168における発光部と受光部の間第1フィン163によって遮られるが、第2フォトセンサ170における発光部と受光部の間は遮られない。このため、鉄筋結束装置2が上昇中または下降中である場合、ロボット制御装置126には、第1フォトセンサ168および第2フォトセンサ170の一方からオン信号が送信され、第1フォトセンサ168および第2フォトセンサ170の他方からオフ信号が送信される。ロボット制御装置126は、第1フォトセンサ168および第2フォトセンサ170から送信される信号に基づいて、鉄筋結束装置2が上限位置に達したことや、鉄筋結束装置2が下限位置に達したこと等を検出することができる。
(ロボット制御装置126が実行する一連の処理)
図示しない動作実行ボタン等を介して、鉄筋結束ロボット100(図1参照)の動作の実行が指示されると、ロボット制御装置126(図2参照)は、図24に示す処理を実行する。以下では、説明の簡略化のため、鉄筋結束ロボット100における車台190(図1参照)の移動を、鉄筋結束ロボット100の移動とみなして説明を行っている。また、全ての鉄筋交差箇所RCのうち、鉄筋結束ロボット100による鉄筋結束作業の対象とされる鉄筋交差箇所RCを「鉄筋交差箇所RC’」と記載している。
S2では、ロボット制御装置126は、移動切換処理を実行する。移動切換処理では、ロボット制御装置126は、プルソレノイド452(図15参照)が通電状態となっている場合には、プルソレノイド452を通電状態から非通電状態へ切り換える。これによって、動力伝達機構402(図15参照)が第2伝達状態となり、兼用モータ400(図15参照)の駆動によるサイドステッパ196(図9参照)の駆動が可能となる。S2の後、処理はS4へ進む。
S4では、ロボット制御装置126は、右側クローラ192(図9参照)、左側クローラ194(図9参照)、およびサイドステッパ196(図9参照)のうち少なくとも1つを駆動して、鉄筋結束ロボット100(図1参照)を複数の第1鉄筋R1および複数の第2鉄筋R2の上で移動させる。ロボット制御装置126は、鉄筋結束作業の対象とする鉄筋交差箇所RC’を目標地点として、鉄筋結束ロボット100を移動させる。この時、ロボット制御装置126は、鉄筋検出センサ(図示せず)で検出される第1鉄筋R1および第2鉄筋R2の相対的な配置や、鉄筋マップに基づいて、右側クローラ192、左側クローラ194、およびサイドステッパ196の動作を制御する。S4の後、処理はS6へ進む。
S6では、ロボット制御装置126は、鉄筋交差箇所RC’について、鉄筋検出センサ(図示せず)で検出される位置が、基準位置に対して所定位置範囲内にあるか否かを判断する。ここでいう基準位置とは、下限位置にある鉄筋結束装置2(図20参照)が鉄筋結束作業を行う際に、鉄筋交差箇所RC’が存在すべき位置のことをいう。例えば、基準位置は、前後方向および左右方向におけるベースプレート204(図1参照)の中央の位置である。また、ここでいう所定位置範囲とは、例えば、基準位置を中心とし、サイドステッパ196(図9参照)のステップ幅を半径とした円に相当する範囲である。鉄筋交差箇所RC’の位置が、所定位置範囲内にない場合(NOの場合)、処理はS4に戻る。鉄筋交差箇所RC’の位置が所定位置範囲内にある場合(YESの場合)、処理はS8へ進む。
S8では、ロボット制御装置126は、鉄筋トレース処理を実行する。鉄筋トレース処理が開始されると、図25に示すように、ロボット制御装置126は、右側クローラ192と左側クローラ194に速度差を与えた状態で鉄筋結束ロボット100を前進または後退させる。これにより、ロボット制御装置126は、鉄筋検出センサ(図示せず)で検出される第1鉄筋R1の角度を基準角度に近づけていく。ここでいう基準角度とは、下限位置にある鉄筋結束装置2(図3参照)が鉄筋結束作業を行う際に、第1鉄筋R1が取るべき角度のことをいう。本実施例では、第1鉄筋R1の角度が基準角度に一致する場合、鉄筋結束ロボット100の前後方向が第1鉄筋R1の延在方向に一致するように構成されている。また、第1鉄筋R1の角度が基準角度に一致すると、図26に示すように、ロボット制御装置126は、右側クローラ192と左側クローラ194に速度差を与えることなく鉄筋結束ロボット100を前進または後退させる。これにより、ロボット制御装置126は、第1鉄筋R1の角度を基準角度に維持したまま、鉄筋交差箇所RC’の位置を基準位置に近づけていく。鉄筋交差箇所RC’の位置が基準位置に一致すると、鉄筋トレース処理は終了する。なお、図25、図26においては、鉄筋結束ロボット100の基準位置と基準角度を、十字カーソルCで表している。図24に示すように、S8の後、処理はS10へ進む。
S10では、ロボット制御装置126は、昇降切換処理を行う。昇降切換処理では、ロボット制御装置126は、プルソレノイド452(図15参照)が非通電状態となっている場合には、プルソレノイド452を非通電状態から通電状態へ切り換える。これによって、動力伝達機構402(図15参照)が第1伝達状態となり、兼用モータ400(図15参照)の駆動による昇降装置130(図16参照)の駆動が可能となる。S10の後、処理はS12へ進む。
S12では、ロボット制御装置126は、昇降装置130(図16参照)を駆動して鉄筋結束装置2(図3参照)を下限位置まで下降させる。これにより、鉄筋交差箇所RC’に鉄筋結束装置2がセットされる。S12の後、処理はS14へ進む。
S14では、ロボット制御装置126は、鉄筋結束装置2の制御装置80(図8参照)に結束指示信号を送信する。これにより、鉄筋結束装置2による鉄筋交差箇所RC’の結束作業が行われる。S14の後、処理はS16へ進む。
S16では、ロボット制御装置126は、昇降装置130(図16参照)を駆動して鉄筋結束装置2(図3参照)を上限位置まで上昇させる。これにより、鉄筋結束装置2が鉄筋交差箇所RC’から遠ざけられる。S16の後、処理はS18へ進む。
S18では、ロボット制御装置126は、鉄筋マップを参照して、全ての鉄筋交差箇所RCが結束済みとなったか否かを判断する。全ての鉄筋交差箇所RCが結束済みである場合(YESの場合)、図24の処理は終了する。未結束の鉄筋交差箇所RCが存在する場合(NOの場合)、処理はS20へ進む。
S20では、ロボット制御装置126は、鉄筋結束作業の対象とする鉄筋交差箇所RC’を、未だ鉄筋結束作業が終了していない別の鉄筋交差箇所RCに変更する。S20の後、処理はS2に戻る。
(対応関係)
1つまたはそれ以上の実施形態において、鉄筋結束ロボット100は、複数の第1鉄筋R1と、複数の第1鉄筋R1と交差する複数の第2鉄筋R2について、複数の第1鉄筋R1と複数の第2鉄筋R2の上を移動する動作と、複数の第1鉄筋R1と複数の第2鉄筋R2が交差する鉄筋交差箇所RCを結束する動作と、を実行可能である。鉄筋結束ロボット100は、ワイヤWを用いて鉄筋交差箇所RCを結束する鉄筋結束装置2と、鉄筋結束装置2が設置される車台190(台座の例)と、車台190を移動させる搬送装置106(移動装置の例)と、車台190に直接的または間接的に支持されており、車台190に対して鉄筋結束装置2を上昇または下降させる昇降装置130と、を備えている。昇降装置130は、鉄筋結束装置2を上昇または下降させる過程において、車台190に対する鉄筋結束装置2の姿勢を変化させる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、鉄筋結束装置2によって鉄筋交差箇所RCを結束する方法は、鉄筋結束装置2を上昇または下降させることが可能な昇降装置130が、鉄筋交差箇所RCに対して鉄筋結束装置2を下降させる、下降ステップと、鉄筋結束装置2が、ワイヤWを用いて鉄筋交差箇所RCを結束する、結束ステップと、昇降装置130が、鉄筋交差箇所RCに対して鉄筋結束装置2を上昇させる、上昇ステップと、下降ステップと上昇ステップの少なくとも一方の途中で、昇降装置130が、鉄筋交差箇所RCに対する鉄筋結束装置2の姿勢を変化させる、姿勢変化ステップと、を含む。
上記の構成によれば、昇降装置130は、鉄筋結束装置2を上昇または下降させる過程において、車台190(または鉄筋交差箇所RC)に対する鉄筋結束装置2の姿勢を変化させることができる。このため、昇降装置130の動作過程における鉄筋結束装置2の動きを比較的複雑にできる。したがって、昇降装置130の動作過程において、鉄筋結束装置2の複雑な動きを実現できる。さらに上記の構成によれば、鉄筋結束装置2の昇降軌道上に障害物がある場合に、鉄筋結束装置2の姿勢を変化させることで、鉄筋結束装置2と障害物との衝突を回避することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、昇降装置130は、鉄筋結束装置2を上昇または下降させる過程において、鉄筋結束装置2の上昇または下降を中断することなく、鉄筋結束装置2の姿勢を変化させる。
昇降装置130が鉄筋結束装置2の姿勢を変化させる度に鉄筋結束装置2の昇降動作を中断するような構成では、昇降装置130が鉄筋結束装置2の昇降動作を完了するまでに掛かる時間が長くなる。上記の構成によれば、昇降装置130は、鉄筋結束装置2の昇降動作を中断することなく、鉄筋結束装置2の姿勢を変化させる。このため、昇降装置130が鉄筋結束装置2の昇降動作を完了するまでに掛かる時間を短縮できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、鉄筋結束装置2は、ワイヤWを送り出す送り機構12と、送り機構12によって送られたワイヤWを案内して鉄筋交差箇所RCの周りに周回させるための案内溝38が規定された上側カールガイド30(案内部材の例)と、を備える。昇降装置130は、鉄筋結束装置2を上昇させる過程において、上側カールガイド30を案内溝38が開放する方向とは反対の方向に移動させるように、鉄筋結束装置2の姿勢を変化させる。
通常、昇降装置130は、鉄筋結束装置2による鉄筋交差箇所RCの結束が行われた後、鉄筋結束装置2を鉄筋交差箇所RCから離反させるように鉄筋結束装置2を上昇させる。ここで、鉄筋結束装置2による鉄筋交差箇所RCの結束が行われる過程では、ワイヤWの切断端が案内溝38に残ることがある。仮に、昇降装置130が、鉄筋結束装置2の姿勢を変えることなく鉄筋結束装置2を上昇させるように構成されていると、案内溝38に残る切断端が、案内溝38の底部等に引きずられ得る。場合によっては、切断端が上側カールガイド30に引っ掛かることがある。上記の構成によれば、昇降装置130が、鉄筋結束装置2を上昇させる過程において、上側カールガイド30を案内溝38が開放する方向とは反対の方向に移動させるように、鉄筋結束装置2の姿勢を変化させる。すなわち、案内溝38に残る切断端が、案内溝38が開放する方向から抜け出ていくように、鉄筋結束装置2の姿勢が変化する。これにより、案内溝38に残る切断端が案内溝38の底部等に引きずられることを抑制でき、切断端が上側カールガイド30に引っ掛かることを抑制できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、昇降装置130は、鉄筋結束装置2を下降させる過程において、鉄筋結束装置2の姿勢を変化させない。
切断端が上側カールガイド30に引っ掛かることを抑制する観点では、鉄筋結束装置2を上昇させる過程において鉄筋結束装置2の姿勢を変化させることができれば事足りる。また、鉄筋結束装置2の姿勢を無闇に変化させると、昇降装置130や鉄筋結束装置2に余計な負荷が掛かることがある。上記の構成によれば、鉄筋結束装置2を上昇させる過程では鉄筋結束装置2の姿勢を変化させるものの、鉄筋結束装置2を下降させる過程では鉄筋結束装置2の姿勢を変化させない。これにより、昇降装置130や鉄筋結束装置2に余計な負荷が掛かることを抑制できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、昇降装置130は、鉄筋結束装置2を車台190に対して直線的に移動させることにより、鉄筋結束装置2を上昇または下降させる。昇降装置130は、鉄筋結束装置2を、鉄筋結束装置2に対して位置が固定された回転軸A3(装置回転軸の例)周りに回転させることにより、鉄筋結束装置2の姿勢を変化させる。
鉄筋結束装置2の昇降動作に掛かる時間を短縮する観点では、鉄筋結束装置2を直線的に動かすことが好ましい。上記の構成によれば、鉄筋結束装置2を直線的に昇降させることができる。必要に応じて、鉄筋結束装置2を回転させることにより、鉄筋結束装置2の姿勢を変化させることができる。このため、鉄筋結束装置2の昇降動作に掛かる時間を最小限に抑制しつつ、鉄筋結束装置2の複雑な動きを実現できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、昇降装置130は、兼用モータ400(第1アクチュエータの例)と、鉄筋結束装置2を回転軸A3周りに回転可能に保持するスライダ152(保持部材の例)と、兼用モータ400からの動力によって動作され、スライダ152を車台190に対して直線的に上昇または下降させるスライダクランク機構138(直動機構の例)と、を備える。スライダクランク機構138が動作して鉄筋結束装置2が上昇または下降される過程において、リンク機構140が第2干渉ピン160を介して鉄筋結束装置2を回転軸A3の第2周方向CD2に押す(直動機構の動力が装置回転軸周りの回転力として鉄筋結束装置に伝達されることの例)ことで、鉄筋結束装置2が回転軸A3周りに回転する。
昇降装置130では、鉄筋結束装置2を上昇または下降させるためのアクチュエータと、鉄筋結束装置2の姿勢を変化させるためのアクチュエータと、を別個に設けることもできる。しかしながら、昇降装置130に設けるアクチュエータの数が増えると、昇降装置130の製造コストが増大する可能性がある。上記の構成によれば、アクチュエータである兼用モータ400からの動力が、鉄筋結束装置2を上昇または下降させるための動力として用いられるだけでなく、鉄筋結束装置2の姿勢を変化させるための動力としても用いられる。このため、鉄筋結束装置2を上昇または下降させるためのアクチュエータと、鉄筋結束装置2の姿勢を変化させるためのアクチュエータと、を別個に設ける必要がないので、昇降装置130に設けるアクチュエータの数を削減できる。これにより、昇降装置130の製造コストを削減できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、昇降装置130は、スライダ152に対して、鉄筋結束装置2を回転軸A3周りの第1周方向CD1に付勢する捩りバネ162(付勢部材の例)を備える。鉄筋結束装置2は、捩りバネ162の付勢力に抗して第2周方向CD2に回転する。
鉄筋結束装置2を回転させるとき、鉄筋結束装置2が慣性によって回転し過ぎるおそれがある。上記の構成によれば、捩りバネ162が、鉄筋結束装置2の回転に逆らう向きに、鉄筋結束装置2を付勢する。このため、鉄筋結束装置2が慣性によって回転し過ぎることを抑制できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、昇降装置130は、鉄筋結束装置2に固定される第2干渉ピン160(干渉部材の例)を備える。スライダクランク機構138は、兼用モータ400からの動力によって回転するクランクシャフト142と、スライダ152と、クランクシャフト142とスライダ152を互いに連結するリンク機構140と、を含む。スライダクランク機構138が動作して鉄筋結束装置2が上昇または下降される過程において、リンク機構140が揺動して第2干渉ピン160を回転軸A3の第2周方向CD2に押すことで、鉄筋結束装置2が回転軸A3周りに回転する。
上記の構成によれば、スライダクランク機構138を用いて鉄筋結束装置2の昇降動作を行う昇降装置130において、車台190(または鉄筋交差箇所RC)に対する鉄筋結束装置2の姿勢を変化させることができる。さらに上記の構成によれば、鉄筋結束装置2を上昇または下降させるためのアクチュエータと、鉄筋結束装置2の姿勢を変化させるためのアクチュエータと、を別個に設ける必要がないので、昇降装置130の製造コストを削減できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、クランクシャフト142は、兼用モータ400からの動力によって、第3周方向CD3(所定の回転方向の例)に回転する。第2干渉ピン160は、スライダ152が上昇する際のリンク機構140の揺動範囲内であって、スライダ152が下降する際のリンク機構140の揺動範囲外に配置されている。
鉄筋結束装置2の姿勢を無闇に変化させると、昇降装置130や鉄筋結束装置2に余計な負荷が掛かることがある。このため、鉄筋結束装置2を上昇させる過程と鉄筋結束装置2を下降させる過程のいずれか一方の過程でのみ、鉄筋結束装置2の姿勢を変化させたい場合がある。上記の構成によれば、鉄筋結束装置2を上昇させる過程(鉄筋結束装置を上昇させる過程と鉄筋結束装置を下降させる過程のうち一方の過程の例)では、リンク機構140が第2干渉ピン160を押すことで、鉄筋結束装置2の姿勢が変化する。鉄筋結束装置2を下降させる過程(鉄筋結束装置を上昇させる過程と鉄筋結束装置を下降させる過程のうち他方の過程の例)では、リンク機構140は第2干渉ピン160に干渉しないため、鉄筋結束装置2の姿勢は変化しない。これにより、鉄筋結束装置2を上昇させる過程と鉄筋結束装置2を下降させる過程のいずれか一方の過程でのみ、鉄筋結束装置2の姿勢を変化させることができる。
(実施例2;鉄筋結束ロボット700;図27から図43)
鉄筋結束ロボット700は、実施例1の鉄筋結束ロボット100と同様に、複数の第1鉄筋R1と複数の第2鉄筋R2の上に配置して使用される。鉄筋結束ロボット700の寸法は、鉄筋結束ロボット100の寸法と同程度である。
図27、図28に示すように、鉄筋結束ロボット700は、主に、鉄筋結束装置602と、電源装置702と、搬送装置706と、昇降装置730と、ロボット制御装置726と、車台790と、把持装置950を備えている。なお、図28以外の図面では、簡略化のため、電源装置702とロボット制御装置726の図示を省略している。このため図示されないが、電源装置702とロボット制御装置726は、例えば、車台790の上に設置される。
(電源装置702の構成)
図28に示す電源装置702は、鉄筋結束ロボット700の各電気部品に電気的に接続されている。電源装置702には、例えば、複数のバッテリパック(図示せず)が着脱可能に取り付けられている。このため、電源装置702は、複数のバッテリパックからの電力を各電気部品に供給可能である。
(ロボット制御装置726の構成)
ロボット制御装置726は、CPU、メモリ、および通信インタフェース等を含んでいる。ロボット制御装置726は、鉄筋結束ロボット700の各電気部品の動作を制御するように構成されている。例えば、ロボット制御装置726のメモリには、複数の第1鉄筋R1および複数の第2鉄筋R2の位置関係を示すマップ情報(本実施例では、「鉄筋マップ」と呼ぶ。)が記憶されている。また、ロボット制御装置726は、下方を向くように車台790に設置された図示しない鉄筋検出センサ(例えば、TOFセンサ)を用いて、鉄筋検出センサから被写体(複数の第1鉄筋R1および複数の第2鉄筋R2)までの距離を示す距離画像データを取得している。ロボット制御装置726は、この距離画像データに基づいて、鉄筋マップにおける鉄筋結束ロボット700の現在位置を特定することができる。また、ロボット制御装置726は、鉄筋結束装置602による結束作業が行われる度に、鉄筋結束ロボット700の現在位置と一致する鉄筋交差箇所RCを結束済みの箇所として記憶することができる。これにより、ロボット制御装置726は、結束済みの鉄筋交差箇所RCと未結束の鉄筋交差箇所RCを、鉄筋マップ上で区別することができる。
(鉄筋結束装置602の構成)
以下では、図29から図31を参照して、鉄筋結束装置602の構成について説明する。なお、図29から図31の説明における前後方向、左右方向および上下方向は、鉄筋結束ロボット700を基準とした前後方向、左右方向および上下方向ではなく、鉄筋結束装置602を基準とした前後方向、左右方向および上下方向を意味することに留意されたい。
図29に示すように、鉄筋結束装置602は、鉄筋交差箇所RCを、ワイヤWによって結束する。鉄筋結束装置602は、鉄筋結束ロボット700(図27参照)から取り外してユーザが手に持って使用することもできるし、鉄筋結束ロボット700に取り付けて使用することもできる。鉄筋結束装置602は、ハウジング603を備えている。ハウジング603は、本体部604と、本体部604の下部に設けられた把持部606と、把持部606の下部に設けられたバッテリ取付部608を備えている。本体部604と、把持部606と、バッテリ取付部608は、一体的に形成されている。バッテリ取付部608の下部には、バッテリパックBを取り付けることができる。バッテリパックBは、例えばリチウムイオン電池セル等の二次電池セル(図示せず)を内蔵しており、充電器(図示せず)によって充電可能である。また、バッテリ取付部608の下部には、図27に示すように、バッテリアダプタ708を取り付けることもできる。バッテリアダプタ708は、鉄筋結束装置602と電源装置702を電気的に接続するためのアダプタである。
図30に示すように、本体部604の後方上部には、ワイヤWが巻回されたリール610が着脱可能に収容されている。リール610は、鉄筋結束ロボット700におけるワイヤWの供給源ということができる。図29に示すように、ハウジング603は、リール610の上方を覆う形状のリールカバー605を備えている。リールカバー605は、本体部604に回動可能に保持されている。リールカバー605は、本体部604に対して回動することで開閉する。
図30、図31に示すように、鉄筋結束装置602は、送り機構12と、案内機構14と、ブレーキ機構16と、切断機構18と、捩り機構20と、制御装置680を備えている。制御装置680は、メモリに記憶された所定のプログラムに従って、鉄筋結束装置602の動作を制御する。なお、送り機構12、案内機構14、ブレーキ機構16、切断機構18、および捩り機構20は、実施例1の送り機構12、案内機構14、ブレーキ機構16、切断機構18、および捩り機構20と同一である。このため、送り機構12、案内機構14、ブレーキ機構16、切断機構18、および捩り機構20に係る詳細な説明は、実施例1を参照されたい。
図29に示すように、本体部604の上部には、第1操作部664が設けられている。第1操作部664には、主電源のオン/オフを切り換えるメインスイッチ674、主電源のオン/オフの状態を表示する主電源LED676等が設けられている。第1操作部664は、制御装置680に接続されている。
バッテリ取付部608の前方上面には、第2操作部690が設けられている。ユーザは、第2操作部690を介して、鉄筋交差箇所RCへのワイヤWの巻き数や、ワイヤWを捩る際のトルクしきい値等を設定することができる。第2操作部690には、鉄筋交差箇所RCへのワイヤWの巻き数や、ワイヤWを捩る際のトルクしきい値を設定する設定スイッチ698、現在の設定内容を表示する表示用LED696等が設けられている。第2操作部690は、制御装置680に接続されている。
鉄筋結束装置602が鉄筋結束ロボット700(図27参照)から取り外された状態では、ユーザは、把持部606を把持した状態で鉄筋結束装置602を使用することができる。把持部606の前方上部には、ユーザが引き操作可能なトリガ684が設けられている。図31に示すように、把持部606の内部には、トリガ684のオン/オフを検出するトリガスイッチ686が設けられている。トリガスイッチ686は、制御装置680に接続されている。ユーザがトリガ684を引き操作して、トリガスイッチ686がオンとなると、鉄筋結束装置602は、送り機構12、案内機構14、およびブレーキ機構16によってワイヤWを鉄筋交差箇所RCの周囲に巻回するとともに、切断機構18および捩り機構20によってワイヤWを切断して、鉄筋交差箇所RCに巻回されたワイヤWを捩る、一連の動作を実行する。
(車台790の構成)
図32に示すように、車台790は、ベースプレート804と、右側プレート810と、左側プレート812と、複数のベースフレーム814と、前側連結フレーム815と、後側連結フレーム816を備えている。ベースプレート804は、前後方向および左右方向(すなわち、水平方向)に沿って配置されている。ベースプレート804には、鉄筋結束装置602が略上下方向に沿って通過可能な貫通孔804aが形成されている。複数のベースフレーム814は、ベースプレート804の下面に固定されている。右側プレート810は、複数のベースフレーム814のうち、ベースプレート804の右端に沿って前後方向に延びるものの右面に固定されている。右側プレート810は、前後方向および上下方向に沿って配置されている。左側プレート812は、複数のベースフレーム814のうち、ベースプレート804の左端に沿って前後方向に延びるものの左面に固定されている。左側プレート812は、前後方向および上下方向に沿って配置されている。上下方向に関して、右側プレート810の上端と、左側プレート812の上端は、ベースプレート804の下面と同じ位置にある。前後方向に関して、右側プレート810の前端と、左側プレート812の前端は、ベースプレート804の前端よりも前方に突出しており、右側プレート810の後端と、左側プレート812の後端は、ベースプレート804の後端よりも後方に突出している。前側連結フレーム815は、ベースプレート804の前端よりも前方で、右側プレート810の前端近傍と左側プレート812の前端近傍を連結している。後側連結フレーム816は、ベースプレート804の後端よりも後方で、右側プレート810の後端近傍と左側プレート812の後端近傍を連結している。前側連結フレーム815と後側連結フレーム816は、左右方向に延びている。上下方向に関して、前側連結フレーム815と後側連結フレーム816は、複数のベースフレーム814よりも下方に配置されている。
(搬送装置706の構成)
搬送装置706は、右側クローラ792と、左側クローラ794と、サイドステッパ796を備えている。なお、搬送装置706は、実施例1の兼用モータ400および動力伝達機構402に相当する構成を備えていない。
(右側クローラ792の構成)
右側クローラ792は、前側プーリ818と、後側プーリ820と、複数の補助プーリ822と、テンショナプーリ824と、ゴムベルト826と、右側クローラモータ828と、ギヤボックス830を備えている。前側プーリ818の外面と、後側プーリ820の外面と、複数の補助プーリ822の外面と、テンショナプーリ824の外面には、それぞれ、ゴムベルト826と噛み合う歯形が形成されている。ゴムベルト826は、前側プーリ818と、後側プーリ820と、複数の補助プーリ822と、テンショナプーリ824に掛け渡されている。前側プーリ818は、右側プレート810の前端近傍において、ベアリング832を介して右側プレート810に回転可能に支持されている。後側プーリ820は、右側プレート810の後端近傍において、ベアリング834を介して右側プレート810に回転可能に支持されている。複数の補助プーリ822は、前側プーリ818と後側プーリ820の間で、対応するベアリング836を介して右側プレート810に回転可能に支持されている。複数の補助プーリ822は、前後方向に並んで配置されている。前側プーリ818の外径と後側プーリ820の外径は略同じであり、複数の補助プーリ822の外径は、前側プーリ818および後側プーリ820の外径よりも小さい。上下方向に関して、前側プーリ818の下端と、後側プーリ820の下端と、複数の補助プーリ822の下端は、略同じ位置にある。テンショナプーリ824は、可動ベアリング837に回転可能に支持されている。可動ベアリング837は、上下方向に移動可能に、右側プレート810に支持されている。ゴムベルト826がテンショナプーリ824に掛け渡されている状態で、可動ベアリング837の右側プレート810に対する上下方向の位置を調整することで、ゴムベルト826の張り具合いを調整することができる。右側クローラモータ828は、ベアリング832と、ギヤボックス830を介して、右側プレート810に支持されている。右側クローラモータ828は、例えば直流ブラシレスモータである。右側クローラモータ828は、ギヤボックス830に内蔵された減速ギヤ(図示せず)を介して、前側プーリ818に連結されている。右側クローラモータ828が順方向または逆方向に回転すると、前側プーリ818が順方向または逆方向に回転し、それによってゴムベルト826が前側プーリ818と、後側プーリ820と、複数の補助プーリ822と、テンショナプーリ824の外側で順方向または逆方向に回転する。
(左側クローラ794の構成)
左側クローラ794は、前側プーリ844と、後側プーリ846と、複数の補助プーリ848と、テンショナプーリ850と、ゴムベルト852と、左側クローラモータ854と、ギヤボックス856を備えている。前側プーリ844の外面と、後側プーリ846の外面と、複数の補助プーリ848の外面と、テンショナプーリ850の外面には、それぞれ、ゴムベルト852と噛み合う歯形が形成されている。ゴムベルト852は、前側プーリ844と、後側プーリ846と、複数の補助プーリ848と、テンショナプーリ850に掛け渡されている。前側プーリ844は、左側プレート812の前端近傍において、ベアリング858を介して左側プレート812に回転可能に支持されている。後側プーリ846は、左側プレート812の後端近傍において、ベアリング860を介して左側プレート812に回転可能に支持されている。複数の補助プーリ848は、前側プーリ844と後側プーリ846の間で、対応するベアリング862を介して左側プレート812に回転可能に支持されている。複数の補助プーリ848は、前後方向に並んで配置されている。前側プーリ844の外径と後側プーリ846の外径は略同じであり、複数の補助プーリ848の外径は、前側プーリ844および後側プーリ846の外径よりも小さい。上下方向に関して、前側プーリ844の下端と、後側プーリ846の下端と、複数の補助プーリ848の下端は、略同じ位置にある。テンショナプーリ850は、可動ベアリング864に回転可能に支持されている。可動ベアリング864は、上下方向に移動可能に、左側プレート812に支持されている。ゴムベルト852がテンショナプーリ850に掛け渡されている状態で、可動ベアリング864の左側プレート812に対する上下方向の位置を調整することで、ゴムベルト852の張り具合いを調整することができる。左側クローラモータ854は、ベアリング858と、ギヤボックス856を介して、左側プレート812に支持されている。左側クローラモータ854は、例えば直流ブラシレスモータである。左側クローラモータ854は、ギヤボックス856に内蔵された減速ギヤ(図示せず)を介して、前側プーリ844に連結されている。左側クローラモータ854が順方向または逆方向に回転すると、前側プーリ844が順方向または逆方向に回転し、それによってゴムベルト852が前側プーリ844と、後側プーリ846と、複数の補助プーリ848と、テンショナプーリ850の外側で順方向または逆方向に回転する。
(サイドステッパ796の構成)
図33に示すように、サイドステッパ796は、ステップバー872、874と、前側クランク機構876と、後側クランク機構877と、ステッパモータ879と、ギヤボックス881と、ウォームギヤケース883と、回転伝達シャフト885を備えている。ステップバー872、874は、断面が略矩形の棒状部材であって、前後方向に延びている。図32に示すように、左右方向に関して、ステップバー272はベースプレート804の中央と右端の間に配置されており、ステップバー274はベースプレート804の中央と左端の間に配置されている。
図33に示すように、前側クランク機構876は、支持プレート878と、プーリ880、882と、ベルト884と、クランクアーム886、888と、クランクピン890、892(図34参照)と、クランクプレート894と、ローラ896、898と、ガイドプレート900を備えている。支持プレート878は、ベースプレート804の前端近傍で、ベースプレート804の下面に固定されている。支持プレート878は、左右方向および上下方向に沿って配置されている。プーリ880は、支持プレート878の右端近傍で、支持プレート878よりも後方に配置されている。プーリ882は、支持プレート878の左端近傍で、支持プレート878よりも後方に配置されている。プーリ880、882は、それぞれ、支持プレート878に回転可能に支持されている。プーリ880の径は、プーリ882の径と略同じである。ベルト884は、プーリ880、882に掛け渡されている。このため、プーリ880、882は、一方が順方向または逆方向に回転した時に、他方も順方向または逆方向に略同じ回転数で回転する。
クランクアーム886、888と、クランクピン890、892(図34参照)と、クランクプレート894と、ローラ896、898と、ガイドプレート900は、支持プレート878よりも前方に配置されている。図34に示すように、クランクアーム886、888は、プーリ880、882の軸880a、882aが嵌め込まれる嵌合孔886a、888aと、クランクアーム886、888の長手方向に延びる長孔886b、888bを備えている。クランクアーム886、888は、プーリ880、882が回転する時に、軸880a、882aを中心としてプーリ880、882と一体となって回転する。長孔886b、888bには、クランクピン890、892が摺動可能に挿入されている。クランクピン890、892は、クランクプレート894を貫通した状態で、クランクプレート894に固定されている。クランクプレート894は、クランクアーム886、888よりも前方側に配置されている。クランクプレート894は、左右方向および上下方向に沿って延びている。ローラ896、898(図33参照)は、クランクプレート894よりも前方側で、クランクピン890、892に取り付けられている。図33に示すように、ローラ896、898は、ガイドプレート900の後面に形成されたガイド溝902、904に入り込んでいる。ガイドプレート900は、クランクプレート894よりも前方で、ベースプレート804の下面に固定されている。ガイドプレート900は、左右方向および上下方向に沿って延びている。図34に示すように、ガイドプレート900のガイド溝902、904は、角部が丸められた略矩形の形状に形成されている。ガイド溝902、904は、図34に破線で示すサイドステップ軌道S2を規定している。サイドステップ軌道S2は、角部が丸められた略矩形の形状を有しており、左右方向に沿った上辺および下辺と、上下方向に沿った右辺および左辺を有する。
前側クランク機構876において、プーリ880、882が回転すると、クランクアーム886、888の回転によって、クランクピン890、892がクランクアーム886、888の回転方向に移動する。この際に、ローラ896、898がガイド溝902、904に入り込んでいるため、クランクピン890、892は、長孔886b、888bの内部を摺動しつつ、ガイド溝902、904によって規定されるサイドステップ軌道S2に沿って移動する。これによって、クランクピン890、892が固定されたクランクプレート894も、ガイド溝902、904によって規定されるサイドステップ軌道S2に沿って移動する。
図35に示すように、後側クランク機構877は、支持プレート906と、プーリ908、910と、ベルト912と、クランクアーム914、916と、クランクピン918、920(図34参照)と、クランクプレート922と、ローラ924、926と、ガイドプレート928を備えている。支持プレート906は、ベースプレート804の後端近傍で、ベースプレート804の下面に固定されている。支持プレート906は、左右方向および上下方向に沿って配置されている。プーリ908は、支持プレート906の右端近傍で、支持プレート906よりも前方に配置されている。プーリ910は、支持プレート906の左端近傍で、支持プレート906よりも前方に配置されている。プーリ908、910は、それぞれ、支持プレート906に回転可能に支持されている。プーリ908の径は、プーリ910の径と略同じであり、前側クランク機構876のプーリ880、882の径と略同じである。ベルト912は、プーリ908、910に掛け渡されている。このため、プーリ908、910は、一方が順方向または逆方向に回転した時に、他方も順方向または逆方向に略同じ回転数で回転する。
クランクアーム914、916と、クランクピン918、920(図34参照)と、クランクプレート922と、ローラ924、926と、ガイドプレート928は、支持プレート906よりも後方に配置されている。図34に示すように、クランクアーム914、916は、プーリ908、910の軸908a、910aが嵌め込まれる嵌合孔914a、916aと、クランクアーム914、916の長手方向に延びる長孔914b、916bを備えている。クランクアーム914、916は、プーリ908、910が回転する時に、軸908a、910aを中心としてプーリ908、910と一体となって回転する。長孔914b、916bには、クランクピン918、920が摺動可能に挿入されている。クランクピン918、920は、クランクプレート922を貫通した状態で、クランクプレート922に固定されている。クランクプレート922は、クランクアーム914、916よりも後方側に配置されている。クランクプレート922は、左右方向および上下方向に沿って延びている。ローラ924、926(図35参照)は、クランクプレート922よりも後方側で、クランクピン918、920に取り付けられている。図35に示すように、ローラ924、926は、ガイドプレート928の前面に形成されたガイド溝930、932に入り込んでいる。ガイドプレート928は、クランクプレート922よりも後方で、ベースプレート804の下面に固定されている。ガイドプレート928は、左右方向および上下方向に沿って延びている。図34に示すように、ガイドプレート928のガイド溝930、932は、角部が丸められた略矩形の形状に形成されている。ガイド溝930、932は、図34に破線で示すサイドステップ軌道S2を規定している。サイドステップ軌道S2は、角部が丸められた略矩形の形状を有しており、左右方向に沿った上辺および下辺と、上下方向に沿った右辺および左辺を有する。ガイド溝930、932によって規定されるサイドステップ軌道S2は、ガイド溝902、904によって規定されるサイドステップ軌道S2と同一である。
後側クランク機構877において、プーリ908、910が回転すると、クランクアーム914、916の回転によって、クランクピン918、920がクランクアーム914、916の回転方向に移動する。この際に、ローラ924、926がガイド溝930、932に入り込んでいるため、クランクピン918、320は、長孔914b、916bの内部を摺動しつつ、ガイド溝930、932によって規定されるサイドステップ軌道S2に沿って移動する。これによって、クランクピン918、920が固定されたクランクプレート922も、ガイド溝930、932によって規定されるサイドステップ軌道S2に沿って移動する。
図33に示すように、ステップバー872、874は、それぞれ、前端が前側クランク機構876のクランクプレート894に固定されており、後端が後側クランク機構877のクランクプレート922に固定されている。また、前側クランク機構876のプーリ880と、後側クランク機構877のプーリ908は、回転伝達シャフト885によって連結されている。このため、前側クランク機構876のプーリ880、882と後側クランク機構877のプーリ908、910は、互いに同期して回転するとともに、前側クランク機構876のクランクプレート894と後側クランク機構877のクランクプレート922は、互いに同期して動作する。なお、前側クランク機構876および後側クランク機構877の一方(例えば前側クランク機構876)には、ゼロ点検知センサ(図示せず)が設けられている。ゼロ点検知センサは、例えば、クランクプレート894に固定された永久磁石(図示せず)と、ガイドプレート900に固定されたホール素子(図示せず)を備えている。ゼロ点検知センサは、サイドステップ軌道S2の上辺の左右方向の中央をゼロ点位置として、クランクプレート894、922がゼロ点位置にあるか否かを検出することができる。
図33に示すように、ウォームギヤケース883は、前側クランク機構876のプーリ882よりも後方に配置されている。ウォームギヤケース883は、前側クランク機構876の支持プレート878に固定されている。ギヤボックス881は、ウォームギヤケース883よりも右側に配置されており、ウォームギヤケース883に固定されている。ステッパモータ879は、ギヤボックス881よりも右側に配置されており、ギヤボックス881に保持されている。ステッパモータ879は、例えば直流ブラシ付きモータである。ステッパモータ879は、ギヤボックス881に内蔵された減速ギヤ(図示せず)と、ウォームギヤケース883に内蔵されたウォームギヤ(図示せず)を介して、プーリ882に連結されている。ステッパモータ879が順方向または逆方向に回転すると、プーリ880、882、908、910が順方向または逆方向に回転し、それによってクランクプレート894、922がサイドステップ軌道S2に沿って右回りまたは左回りに移動し、ステップバー872、874もサイドステップ軌道S2に沿って右回りまたは左回りに移動する。なお、図27に示すように、ベースプレート804には、ステッパモータ879、ギヤボックス881、ウォームギヤケース883との干渉を回避するための貫通孔804bが形成されている。
図33に示すサイドステッパ796は、実施例1のサイドステッパ196と同様に、鉄筋結束ロボット700を、右方向または左方向に所定のステップ幅だけ移動させることができる。
(昇降装置730の構成)
図36に示すように、昇降装置730は、送りネジ機構732と、下側ベース部材734と、上側ベース部材736と、モータ連結部746と、昇降モータ748と、センサ支持部材750と、上限検知センサ752と、下限検知センサ754を備えている。送りネジ機構732は、支持パイプ738、740と、昇降台742と、スクリューシャフト744を備えている。
下側ベース部材734は、ベースプレート804(図27参照)に固定されている。支持パイプ738、740の下端は、下側ベース部材734に固定されている。支持パイプ738、740の上端は、上側ベース部材736に固定されている。支持パイプ738、740は、互いに平行に配置されている。支持パイプ738、740は、鉄筋結束ロボット700の上下方向に対して、前後方向および左右方向に傾斜して配置されている。昇降台742には、支持パイプ738、740のそれぞれが貫通する貫通孔742a、742bが形成されている。貫通孔742a、742bには、支持パイプ738、740を摺動可能に保持する部材(例えば、リニアブッシュ)が固定されている。昇降台742は、支持パイプ738、740によって、下側ベース部材734と上側ベース部材736の間で摺動可能に支持されている。
スクリューシャフト744は、支持パイプ738、740の間に配置されている。スクリューシャフト744の下端は、下側ベース部材734に回転可能に保持されている。スクリューシャフト744の上端近傍は、上側ベース部材736に回転可能に保持されている。スクリューシャフト744は、支持パイプ738、740に対して平行に配置されている。スクリューシャフト744の下側ベース部材734と上側ベース部材736の間の箇所の外面には、雄ネジ(図示せず)が形成されている。昇降台742には、スクリューシャフト744が貫通する貫通孔742cが形成されている。貫通孔742cには、ナット760が固定されている。ナット760には、スクリューシャフト744の雄ネジに対応する雌ネジ(図示せず)が形成されている。スクリューシャフト744は、雄ネジがナット760の雌ネジに螺合した状態で、昇降台742を貫通している。スクリューシャフト744の上端は、モータ連結部746を介して、昇降モータ748に連結している。昇降モータ748は、例えば直流ブラシ付きモータである。昇降モータ748が順方向に回転すると、スクリューシャフト744の回転により昇降台742が上側ベース部材736から下側ベース部材734へ向けて下降する。一方、昇降モータ748が逆方向に回転すると、スクリューシャフト744の回転により昇降台742が下側ベース部材734から上側ベース部材736に向けて上昇する。
センサ支持部材750は、下端が下側ベース部材734に固定されており、上端が上側ベース部材736に固定されている。上限検知センサ752と下限検知センサ754は、それぞれ、センサ支持部材750に固定されている。上限検知センサ752は、通常時はオフであり、昇降台742が上側ベース部材736の近傍まで上昇した時に、昇降台742に当接してオンとなる。下限検知センサ754は、通常時はオフであり、昇降台742が下側ベース部材734の近傍まで下降した時に、昇降台742に当接してオンとなる。ロボット制御装置726(図28参照)は、鉄筋結束装置602を下降させる際には、昇降モータ748を順方向に回転させ、下限検知センサ754がオンとなると、昇降モータ748を停止する。なお、ロボット制御装置726は、鉄筋結束装置602を下降させる際に、鉄筋結束装置602が第1鉄筋R1、第2鉄筋R2またはその他の障害物に衝突して、昇降モータ748の負荷が急激に増加した場合にも、昇降モータ748を停止する。昇降モータ748の負荷は、例えば昇降モータ748の電流値から特定することができる。また、ロボット制御装置726は、鉄筋結束装置602を上昇させる際には、昇降モータ748を逆方向に回転させ、上限検知センサ752がオンとなると、昇降モータ748を停止する。
本実施例では、上限検知センサ752がオンとなる時の鉄筋結束装置602の位置を「上限位置」と呼ぶ。下限検知センサ754がオンとなる時の鉄筋結束装置602の位置を「下限位置」と呼ぶ。
図37に示すように、昇降装置730は、第1支持プレート762と、第2支持プレート764と、第3干渉ピン762bと、連結シャフト766、768と、回転ピン770と、捩りバネ772と、第4干渉ピン774をさらに備えている。第1支持プレート762は、鉄筋結束装置602の把持部606の一方の外面に対向して配置されている。第2支持プレート764は、鉄筋結束装置602の把持部606の他方の外面に対向して配置されている。第1支持プレート762と第2支持プレート764は、鉄筋結束装置602の把持部606を挟持した状態で、連結シャフト766、768を介して互いに固定されている。第1支持プレート762の把持部606に対向する面と、第2支持プレート764の把持部606に対向する面には、それぞれ、鉄筋結束装置602の把持部606の外面に形成された複数の凹部606a(図29参照)に嵌合する複数の突出部764a(図36参照)が形成されている。このため、鉄筋結束装置602の把持部606は、第1支持プレート762と第2支持プレート764に対して、位置が固定される。
第1支持プレート762は、回転ピン770を介して昇降装置730の昇降台742(図36参照)に連結している。回転ピン770の一端は、昇降台742に固定されている。回転ピン770の他端は、第1支持プレート762に回転可能に保持されている。このため、第1支持プレート762および第2支持プレート764によって保持された鉄筋結束装置602は、昇降台742の昇降に応じて昇降するとともに、昇降台742に対して回転ピン770の中心軸周りに回転可能である。本実施例では、昇降台742に対する鉄筋結束装置602の回転の軸(すなわち、回転ピン770の中心軸)を「回転軸A4」と呼ぶ。
第4干渉ピン774は、昇降台742に固定されており、昇降台742から第1支持プレート762に向けて延びている。第1支持プレート762には、第4干渉ピン774が挿入される長孔762aと、昇降台742に向けて突出する第3干渉ピン762bが形成されている。長孔762aは、第1支持プレート762および鉄筋結束装置602が回転軸A4周りに回転する際の可動範囲を規定する。捩りバネ772は、回転ピン770に取り付けられている。捩りバネ772は、第4干渉ピン774に対して第3干渉ピン762b(すなわち、第1支持プレート762および鉄筋結束装置602)を回転軸A4の第5周方向CD5に付勢する。鉄筋結束装置602は、捩りバネ772の付勢力等によって、例えば図38に示すような基本姿勢に保持される。ここでいう基本姿勢とは、鉄筋結束装置602を基準とした前方向(図29等参照)が、鉄筋結束ロボット700を基準とした下方向に向くような姿勢である。
鉄筋結束装置602が基本姿勢をとっている場合、上側カールガイド30は、先端に向かうにつれて水平方向(後方左方)に漸近するように湾曲している。下側カールガイド32は、先端に向かって略一直線に延びている。また、鉄筋結束装置602が基本姿勢をとっている場合、鉄筋結束装置602は、捩りバネ772の付勢力に抗して第5周方向CD5の反対方向である第6周方向CD6に回転可能となっている。
図36に示すように、第1支持プレート762の外面(昇降台742に対向する側の面)には、ガイド溝782が設けられている。ガイド溝782は、上側平行溝782aと、上側傾斜溝782bと、上側当接壁782cと、下側当接壁782dと、下側傾斜溝782eと、下側平行溝782fを備える。上側平行溝782aの上端は、第1支持プレート762の上方に開口している。上側平行溝782aは、鉄筋結束装置602の昇降方向に対して略平行に延びている。上側傾斜溝782bは、上側平行溝782aの下端から下方に向かって、鉄筋結束装置602の昇降方向に対して上方に傾斜して延びている。上側当接壁782cは、上側傾斜溝782bの下側の壁面に相当する部分である。下側傾斜溝782eは、上側傾斜溝782bの下端から下方に向かって、鉄筋結束装置602の昇降方向に対して下方に傾斜して延びている。下側当接壁782dは、下側傾斜溝782eの下側の壁面に相当する部分である。下側平行溝782fは、下側傾斜溝782eの下端から下方に向かって、鉄筋結束装置602の昇降方向に対して略平行に延びている。下側平行溝782fの下端は、第1支持プレート762の下方に開口している。
昇降装置730は、プルソレノイド776と、リンク778と、スライドピン780をさらに備えている。プルソレノイド776とリンク778は、下側ベース部材734の一部である支持台734aに配置されている。支持台734aは、回転軸A4およびスクリューシャフト744の回転軸の両方に対して略平行に配置されている。プルソレノイド776は、支持台734aに固定されている。リンク778は、L字形状を有している。リンク778は、L字形状の屈曲部分において、支持台734aに対して揺動可能に支持されている。スライドピン780は、支持台734aによって、回転軸A4に沿った方向にスライド可能に支持されている。プルソレノイド776の出力軸とスライドピン780は、リンク778を介して連結されている。
プルソレノイド776への通電がされた状態では、スライドピン780が支持台734aの外側に向けて押し出される。この状態では、スライドピン780が、鉄筋結束装置602が上昇または下降される過程においてガイド溝782(具体的には、上側平行溝782aと下側平行溝782f)に進入可能な位置にある。この時のスライドピン780の位置を「進入位置」と呼ぶ。一方、プルソレノイド776への通電がされない状態では、スライドピン780が支持台734aの内側に引き戻される。この状態では、スライドピン780が、鉄筋結束装置602が上昇または下降される過程においてガイド溝782に進入不可能な位置にある。このスライドピン780の位置を「退避位置」と呼ぶ。
ロボット制御装置726(図28参照)は、鉄筋結束装置602が上昇される過程では、プルソレノイド776を通電状態とし、スライドピン780を進入位置に保持する。ロボット制御装置726は、鉄筋結束装置602が下降される過程では、プルソレノイド776を非通電状態とし、スライドピン780を退避位置に保持する。
以下では、図38から図43を用いて、昇降装置730によって鉄筋結束装置602が昇降される際の、鉄筋結束装置602の挙動を詳細に説明する。
図38に示す状態では、鉄筋結束装置602は上限位置にある。昇降装置730は、図38に示す状態から、図39に示す状態を経て、図40に示す状態に至るように、鉄筋結束装置602を下降させる。鉄筋結束装置602が下降される過程では、スライドピン780(図36参照)が退避位置に保持されるので、スライドピン780と第1支持プレート762(図36参照)が互いに当接することはない。したがって、鉄筋結束装置602に外乱が干渉する場合を除いて、鉄筋結束装置602は基本姿勢をとっている。ここでいう外乱の干渉とは、例えば、鉄筋結束装置602が障害物に衝突することである。本実施例では、特に記載しない限り、外乱の干渉を考慮しないものとする。
図40に示す状態では、鉄筋結束装置602は下限位置にある。詳細は後述するが、この状態で、鉄筋結束装置602による鉄筋交差箇所RCの結束が行われる。その後、昇降装置730は、図40に示す状態から、図41、図42、図43に示す状態を経て、図38に示す状態に至るように、鉄筋結束装置602を上昇させる。鉄筋結束装置602が上昇される過程では、スライドピン780(図36参照)が進入位置に保持される。
鉄筋結束装置602が上昇される過程では、第1支持プレート762(図36参照)がスライドピン780(図36参照)に対して上昇する。第1支持プレート762に設けられたガイド溝782(図36参照)の上端(すなわち、上側平行溝782aの上端)は、進入位置にあるスライドピン780と位置合わせされている。このため、上側平行溝782aにスライドピン780が進入していく。スライドピン780は、上側平行溝782aの壁面に当接することなく、上側平行溝782aを上方から下方に通過していく。このため、スライドピン780が上側平行溝782aを通過する間、鉄筋結束装置602は基本姿勢をとったまま上昇する。図41に示す状態では、スライドピン780は上側平行溝782aの下端(すなわち、上側傾斜溝782bの上端)に位置する。その後、スライドピン780が上側傾斜溝782bに進入すると、上側当接壁782cがスライドピン780に当接する。スライドピン780は、上側当接壁782cに沿って摺動しながら、上側傾斜溝782bを上方から下方に通過していく。スライドピン780は車台790に対して位置が固定されているので、上側当接壁782c(すなわち第1支持プレート762)は、スライドピン780から受ける反力によって第6周方向CD6に押し出される。これにより、図42に示すように、第1支持プレート762に固定された鉄筋結束装置602は、上昇するにつれて第6周方向CD6に回転していく。すなわち、鉄筋結束装置602の姿勢が、基本姿勢から徐々に変化していく。なお、図42に示す状態では、スライドピン780は上側傾斜溝782bの中腹部分に位置している。このため、図42に示す状態の後、鉄筋結束装置602はさらに第6周方向CD6に回転していく。スライドピン780が上側傾斜溝782bの下端(すなわち、下側傾斜溝782eの上端)に達すると、鉄筋結束装置602の回転が停止する。その後は、スライドピン780が下側傾斜溝782eに進入していく。この状態では、捩りバネ772の付勢力等によって、下側当接壁782dがスライドピン780に当接する。スライドピン780は、下側当接壁782dに沿って摺動しながら、下側傾斜溝782eを上方から下方に通過していく。この時、第1支持プレート762は、下側当接壁782dにおいてスライドピン780に支持されながら、捩りバネ772の付勢力等によって第5周方向CD5に押し戻される。これにより、図43に示すように、第1支持プレート762に固定された鉄筋結束装置602は、上昇するにつれて、第5周方向CD5に回転していく。すなわち、鉄筋結束装置602の姿勢が、徐々に基本姿勢に復帰していく。なお、図43に示す状態では、スライドピン780は下側傾斜溝782eの中腹部分に位置している。このため、図43に示す状態の後、鉄筋結束装置602はさらに第5周方向CD5に回転していく。スライドピン780が下側傾斜溝782eの下端(すなわち、下側平行溝782fの上端)に達すると、鉄筋結束装置602の回転が停止する。図示しないが、この時、鉄筋結束装置602は、基本姿勢をとっている。さらにその後は、スライドピン780が下側平行溝782fに進入していく。スライドピン780は、下側平行溝782fの壁面に当接することなく、下側平行溝782fを上方から下方に通過していく。このため、スライドピン780が下側平行溝782fを通過する間、鉄筋結束装置602は基本姿勢をとったまま上昇する。また、スライドピン780が下側平行溝782fから抜け出た後も、鉄筋結束装置602は基本姿勢をとったまま上昇する。
(把持装置950の構成)
図37に示すように、把持装置950は、リンク952と、プランジャ954と、アクチュエータ956と、捩りバネ958を備えている。
リンク952は、第2支持プレート764に保持されている。リンク952は、第2支持プレート764に対して、回転軸A4と平行な軸周りに回転可能である。リンク952は、押圧部952aと操作部952bを備えている。押圧部952aは、鉄筋結束装置602のトリガ684に対向して配置されている。操作部952bは、プランジャ954を介してアクチュエータ956に連結されている。アクチュエータ956は、例えばプルソレノイドである。アクチュエータ956の動作は、ロボット制御装置726(図28参照)によって制御される。捩りバネ958は、押圧部952aがトリガ684から離れる方向に、リンク952を第2支持プレート764に対して付勢する。アクチュエータ956がオフの場合には、捩りバネ958の付勢力によって、押圧部952aはトリガ684から離反している。アクチュエータ956がオンになると、操作部952bがアクチュエータ956に近づく方向にリンク952が回転することで、押圧部952aがトリガ684を押圧する。これによって、鉄筋結束装置602のトリガ684に対する引き操作が行われる。
(ロボット制御装置726が実行する一連の処理)
図示しない動作実行ボタン等を介して、鉄筋結束ロボット700(図27参照)の動作の実行が指示されると、ロボット制御装置726(図28参照)は、図44に示す処理を実行する。以下では、説明の簡略化のため、鉄筋結束ロボット700における車台790(図27参照)の移動を、鉄筋結束ロボット700の移動とみなして説明を行っている。また、全ての鉄筋交差箇所RCのうち、鉄筋結束ロボット700による鉄筋結束作業の対象とされる鉄筋交差箇所RCを「鉄筋交差箇所RC’」と記載している。
S52では、ロボット制御装置726は、右側クローラ792(図32参照)、左側クローラ794(図32参照)、およびサイドステッパ796(図32参照)のうち少なくとも1つを駆動して、鉄筋結束ロボット700(図27参照)を複数の第1鉄筋R1および複数の第2鉄筋R2の上で移動させる。ロボット制御装置726は、鉄筋結束作業の対象とする鉄筋交差箇所RC’を目標地点として、鉄筋結束ロボット700を移動させる。この時、ロボット制御装置726は、鉄筋検出センサ(図示せず)で検出される第1鉄筋R1および第2鉄筋R2の相対的な配置や、鉄筋マップに基づいて、右側クローラ792、左側クローラ794、およびサイドステッパ796の動作を制御する。S52の後、処理はS54へ進む。
S54では、ロボット制御装置726は、鉄筋交差箇所RC’について、鉄筋検出センサ(図示せず)で検出される位置が、基準位置に対して所定位置範囲内にあるか否かを判断する。ここでいう基準位置とは、下限位置にある鉄筋結束装置602(図40参照)が鉄筋結束作業を行う際に、鉄筋交差箇所RC’が存在すべき位置のことをいう。例えば、基準位置は、前後方向および左右方向におけるベースプレート804(図27参照)の中央の位置である。また、ここでいう所定位置範囲とは、例えば、基準位置を中心とし、サイドステッパ796(図32参照)のステップ幅を半径とした円に相当する範囲である。鉄筋交差箇所RC’の位置が、所定位置範囲内にない場合(NOの場合)、処理はS52に戻る。鉄筋交差箇所RC’の位置が所定位置範囲内にある場合(YESの場合)、処理はS56へ進む。
S56では、ロボット制御装置726は、鉄筋トレース処理を実行する。鉄筋トレース処理が実行されると、ロボット制御装置726は、鉄筋結束装置602(図29参照)が鉄筋交差箇所RC’を結束可能となるように、鉄筋交差箇所RC’に対する鉄筋結束ロボット700の位置および角度を調整する。S56の後、処理はS58へ進む。
S58では、ロボット制御装置726は、昇降装置730(図36参照)を駆動して鉄筋結束装置602(図29参照)を下限位置まで下降させる。これにより、鉄筋交差箇所RC’に鉄筋結束装置602がセットされる。S58の後、処理はS60へ進む。
S60では、ロボット制御装置726は、把持装置950(図37参照)を駆動して、鉄筋結束装置602のトリガ684(図37参照)に対する引き操作を行う。これにより、鉄筋結束装置602による鉄筋交差箇所RC’の結束作業が行われる。S60の後、処理はS62へ進む。
S62では、ロボット制御装置726は、昇降装置730(図36参照)を駆動して鉄筋結束装置602(図29参照)を上限位置まで上昇させる。これにより、鉄筋結束装置602が鉄筋交差箇所RC’から遠ざけられる。S62の後、処理はS64へ進む。
S64では、ロボット制御装置726は、鉄筋マップを参照して、全ての鉄筋交差箇所RCが結束済みとなったか否かを判断する。全ての鉄筋交差箇所RCが結束済みである場合(YESの場合)、図44の処理は終了する。未結束の鉄筋交差箇所RCが存在する場合(NOの場合)、処理はS66へ進む。
S66では、ロボット制御装置726は、鉄筋結束作業の対象とする鉄筋交差箇所RC’を、未だ鉄筋結束作業が終了していない別の鉄筋交差箇所RCに変更する。S66の後、処理はS52に戻る。
(対応関係)
1つまたはそれ以上の実施形態において、鉄筋結束ロボット700は、複数の第1鉄筋R1と、複数の第1鉄筋R1と交差する複数の第2鉄筋R2について、複数の第1鉄筋R1と複数の第2鉄筋R2の上を移動する動作と、複数の第1鉄筋R1と複数の第2鉄筋R2が交差する鉄筋交差箇所RCを結束する動作と、を実行可能である。鉄筋結束ロボット700は、ワイヤWを用いて鉄筋交差箇所RCを結束する鉄筋結束装置602と、鉄筋結束装置602が設置される車台790(台座の例)と、車台790を移動させる搬送装置706(移動装置の例)と、車台790に直接的または間接的に支持されており、車台790に対して鉄筋結束装置602を上昇または下降させる昇降装置730と、を備えている。昇降装置730は、鉄筋結束装置602を上昇または下降させる過程において、車台790に対する鉄筋結束装置602の姿勢を変化させる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、鉄筋結束装置602によって鉄筋交差箇所RCを結束する方法は、鉄筋結束装置602を上昇または下降させることが可能な昇降装置730が、鉄筋交差箇所RCに対して鉄筋結束装置602を下降させる、下降ステップと、鉄筋結束装置602が、ワイヤWを用いて鉄筋交差箇所RCを結束する、結束ステップと、昇降装置730が、鉄筋交差箇所RCに対して鉄筋結束装置602を上昇させる、上昇ステップと、下降ステップと上昇ステップの少なくとも一方の途中で、昇降装置730が、鉄筋交差箇所RCに対する鉄筋結束装置602の姿勢を変化させる、姿勢変化ステップと、を含む。
上記の構成によれば、昇降装置730は、鉄筋結束装置602を上昇または下降させる過程において、車台790(または鉄筋交差箇所RC)に対する鉄筋結束装置602の姿勢を変化させることができる。このため、昇降装置730の動作過程における鉄筋結束装置602の動きを比較的複雑にできる。したがって、昇降装置730の動作過程において、鉄筋結束装置602の複雑な動きを実現できる。さらに上記の構成によれば、鉄筋結束装置602の昇降軌道上に障害物がある場合に、鉄筋結束装置602の姿勢を変化させることで、鉄筋結束装置602と障害物との衝突を回避することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、昇降装置730は、鉄筋結束装置602を上昇または下降させる過程において、鉄筋結束装置602の上昇または下降を中断することなく、鉄筋結束装置602の姿勢を変化させる。
昇降装置730が鉄筋結束装置602の姿勢を変化させる度に鉄筋結束装置602の昇降動作を中断するような構成では、昇降装置730が鉄筋結束装置602の昇降動作を完了するまでに掛かる時間が長くなる。上記の構成によれば、昇降装置730は、鉄筋結束装置602の昇降動作を中断することなく、鉄筋結束装置602の姿勢を変化させる。このため、昇降装置730が鉄筋結束装置602の昇降動作を完了するまでに掛かる時間を短縮できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、鉄筋結束装置602は、ワイヤWを送り出す送り機構12と、送り機構12によって送られたワイヤWを案内して鉄筋交差箇所RCの周りに周回させるための案内溝38が規定された上側カールガイド30(案内部材の例)と、を備える。昇降装置730は、鉄筋結束装置602を上昇させる過程において、上側カールガイド30を案内溝38が開放する方向とは反対の方向に移動させるように、鉄筋結束装置602の姿勢を変化させる。
通常、昇降装置730は、鉄筋結束装置602による鉄筋交差箇所RCの結束が行われた後、鉄筋結束装置602を鉄筋交差箇所RCから離反させるように鉄筋結束装置602を上昇させる。ここで、鉄筋結束装置602による鉄筋交差箇所RCの結束が行われる過程では、ワイヤWの切断端が案内溝38に残ることがある。仮に、昇降装置730が、鉄筋結束装置602の姿勢を変えることなく鉄筋結束装置602を上昇させるように構成されていると、案内溝38に残る切断端が、案内溝38の底部等に引きずられ得る。場合によっては、切断端が上側カールガイド30に引っ掛かることがある。上記の構成によれば、昇降装置730が、鉄筋結束装置602を上昇させる過程において、上側カールガイド30を案内溝38が開放する方向とは反対の方向に移動させるように、鉄筋結束装置602の姿勢を変化させる。すなわち、案内溝38に残る切断端が、案内溝38が開放する方向から抜け出ていくように、鉄筋結束装置602の姿勢が変化する。これにより、案内溝38に残る切断端が案内溝38の底部等に引きずられることを抑制でき、切断端が上側カールガイド30に引っ掛かることを抑制できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、昇降装置730は、鉄筋結束装置602を下降させる過程において、鉄筋結束装置602の姿勢を変化させない。
切断端が上側カールガイド30に引っ掛かることを抑制する観点では、鉄筋結束装置602を上昇させる過程において鉄筋結束装置602の姿勢を変化させることができれば事足りる。また、鉄筋結束装置602の姿勢を無闇に変化させると、昇降装置730や鉄筋結束装置602に余計な負荷が掛かることがある。上記の構成によれば、鉄筋結束装置602を上昇させる過程では鉄筋結束装置602の姿勢を変化させるものの、鉄筋結束装置602を下降させる過程では鉄筋結束装置602の姿勢を変化させない。これにより、昇降装置730や鉄筋結束装置602に余計な負荷が掛かることを抑制できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、昇降装置730は、鉄筋結束装置602を車台790に対して直線的に移動させることにより、鉄筋結束装置602を上昇または下降させる。昇降装置730は、鉄筋結束装置602を、鉄筋結束装置602に対して位置が固定された回転軸A4(装置回転軸の例)周りに回転させることにより、鉄筋結束装置602の姿勢を変化させる。
鉄筋結束装置602の昇降動作に掛かる時間を短縮する観点では、鉄筋結束装置602を直線的に動かすことが好ましい。上記の構成によれば、鉄筋結束装置602を直線的に昇降させることができる。必要に応じて、鉄筋結束装置602を回転させることにより、鉄筋結束装置602の姿勢を変化させることができる。このため、鉄筋結束装置602の昇降動作に掛かる時間を最小限に抑制しつつ、鉄筋結束装置602の複雑な動きを実現できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、昇降装置730は、昇降モータ748(第1アクチュエータの例)と、鉄筋結束装置602を回転軸A4周りに回転可能に保持する昇降台742(保持部材の例)と、昇降モータ748からの動力によって動作され、昇降台742を車台790に対して直線的に上昇または下降させる送りネジ機構732(直動機構の例)と、を備える。送りネジ機構732が動作して鉄筋結束装置602が上昇または下降される過程において、上側当接壁782cがスライドピン780から受ける反力によって第6周方向CD6に押し出される(直動機構の動力が装置回転軸周りの回転力として鉄筋結束装置に伝達されることの例)ことで、鉄筋結束装置602が回転軸A4周りに回転する。
昇降装置730では、鉄筋結束装置602を上昇または下降させるためのアクチュエータと、鉄筋結束装置602の姿勢を変化させるためのアクチュエータと、を別個に設けることもできる。しかしながら、昇降装置730に設けるアクチュエータの数が増えると、昇降装置730の製造コストが増大する可能性がある。上記の構成によれば、アクチュエータである昇降モータ748からの動力が、鉄筋結束装置602を上昇または下降させるための動力として用いられるだけでなく、鉄筋結束装置602の姿勢を変化させるための動力としても用いられる。このため、鉄筋結束装置602を上昇または下降させるためのアクチュエータと、鉄筋結束装置602の姿勢を変化させるためのアクチュエータと、を別個に設ける必要がないので、昇降装置730に設けるアクチュエータの数を削減できる。これにより、昇降装置730の製造コストを削減できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、昇降装置730は、昇降台742に対して、鉄筋結束装置602を回転軸A4周りの第5周方向CD5に付勢する捩りバネ772(付勢部材の例)を備える。鉄筋結束装置602は、捩りバネ772の付勢力に抗して第6周方向CD6に回転する。
鉄筋結束装置602を回転させるとき、鉄筋結束装置602が慣性によって回転し過ぎるおそれがある。上記の構成によれば、捩りバネ772が、鉄筋結束装置602の回転に逆らう向きに、鉄筋結束装置602を付勢する。このため、鉄筋結束装置602が慣性によって回転し過ぎることを抑制できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、昇降装置730は、鉄筋結束装置602に設けられる第1支持プレート762(第1当接部材の例)と、車台790に設けられるスライドピン780(第2当接部材の例)と、を備える。送りネジ機構732が動作して鉄筋結束装置602が上昇または下降される過程において、第1支持プレート762(具体的には、第1支持プレート762の上側当接壁782cまたは下側当接壁782d)とスライドピン780が当接して、第1支持プレート762がスライドピン780によって回転軸A4の周方向に押されることで、鉄筋結束装置602が回転軸A4周りに回転する。
上記の構成によれば、鉄筋結束装置602を回転させるための機構が比較的簡素なものであるため、従来の様々な昇降装置に対して適用することができる。このため、既設の昇降装置を利用することができるので、昇降装置730の製造コストを削減できる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、昇降装置730は、スライドピン780(第1当接部材と第2当接部材の一方の例)を、第1支持プレート762(第1当接部材と第2当接部材の他方の例)に対して当接可能な進入位置(第1位置の例)と、第1支持プレート762に対して当接不可能な退避位置(第2位置の例)と、の間で移動させるプルソレノイド776(第2アクチュエータの例)を備える。鉄筋結束装置602が上昇される際、スライドピン780は、プルソレノイド776によって進入位置(第1位置および第2位置の一方の例)に保持される。鉄筋結束装置602が下降される際、スライドピン780は、プルソレノイド776によって退避位置(第1位置および第2位置の他方の例)に保持される。
鉄筋結束装置602の姿勢を無闇に変化させると、昇降装置730や鉄筋結束装置602に余計な負荷が掛かることがある。このため、鉄筋結束装置602を上昇させる過程と鉄筋結束装置602を下降させる過程のいずれか一方の過程でのみ、鉄筋結束装置602の姿勢を変化させたい場合がある。上記の構成によれば、鉄筋結束装置602を上昇させる過程(鉄筋結束装置を上昇させる過程と鉄筋結束装置を下降させる過程のうち一方の過程の例)では、第1支持プレート762とスライドピン780が当接することで、鉄筋結束装置602の姿勢が変化する。鉄筋結束装置602を下降させる過程(鉄筋結束装置を上昇させる過程と鉄筋結束装置を下降させる過程のうち他方の過程の例)では、第1支持プレート762とスライドピン780は当接しないため、鉄筋結束装置602の姿勢は変化しない。これにより、鉄筋結束装置602を上昇させる過程と鉄筋結束装置602を下降させる過程のいずれか一方の過程でのみ、鉄筋結束装置602の姿勢を変化させることができる。
(変形例)
上記の実施例では、鉄筋結束装置2(602)と昇降装置130(730)を搬送装置106(706)によって複数の第1鉄筋R1と複数の第2鉄筋R2の上で移動させながら、鉄筋交差箇所RCの結束を行う例について説明した。別の実施例では、鉄筋結束装置2(602)と昇降装置130(730)を所定の位置に固定して、複数の第1鉄筋R1と複数の第2鉄筋R2を、例えばローラコンベヤによって移動させながら、鉄筋交差箇所RCの結束を行ってもよい。
上記の実施例において、電源装置102(702)およびロボット制御装置126(726)は、車台190(790)に支持されていなくてもよい。また、上記の実施例において、ロボット制御装置126(726)は、鉄筋結束装置2(602)と、電源装置102(702)と、搬送装置106(706)のそれぞれと無線通信可能に設けられていてもよい。この場合、ロボット制御装置126(726)は、ユーザが操作する外部コントローラ(例えば、専用のコントローラ、スマートフォン、またはタブレット端末など)に設けられていてもよい。
上記の実施例において、鉄筋結束ロボット100(700)には、電源装置102(702)の代わりに、外部電源から電力を供給するための電源コードが設けられてもよい。この場合、鉄筋結束装置2(602)と、搬送装置106(706)と、ロボット制御装置126(726)のそれぞれに対し、外部電源から電力が供給されてもよい。
上記の実施例において、鉄筋結束ロボット100(700)は、昇降装置130(730)の代わりに、いわゆるロボットアームを備えていてもよい。この場合、ロボットアームによって、鉄筋結束装置2(602)が種々の姿勢を取るように構成されてもよい。また、鉄筋結束ロボット700は、把持装置950を備えていなくてもよい。ロボットアームが、鉄筋結束装置602のトリガ684を引き操作をしてもよい。
上記の実施例において、鉄筋結束装置2が第2干渉ピン160を介してリンク機構140に押されることで、鉄筋結束装置2の姿勢が変化する構成について説明した。別の実施例では、昇降装置130は、第2干渉ピン160を備える代わりに、鉄筋結束装置2に回転軸A3周りの回転力を付与するアクチュエータ(例えば、ソレノイド、サーボモータ)を備えていてもよい。ロボット制御装置126(726)がアクチュエータを駆動することにより、鉄筋結束装置2の姿勢が変化されてもよい。
上記の実施例では、昇降装置130(730)が、上側カールガイド30を案内溝38が開放する方向とは反対の方向に移動させるように、鉄筋結束装置2(602)の姿勢を変化させる構成について説明した。すなわち、昇降装置130(730)が、鉄筋結束装置2(602)を回転軸A3(A4)周りの第2周方向CD2(第6周方向CD6)に回転させる構成について説明した。別の実施例では、昇降装置130(730)は、これとは異なる様々な態様で、鉄筋結束装置2(602)の姿勢を変化させてもよい。例えば、昇降装置130(730)は、鉄筋結束装置2(602)を第1周方向CD1(第5周方向CD5)に回転させてもよい。あるいは、昇降装置130(730)は、鉄筋結束装置2(602)を回転軸A3(A4)とは異なる回転軸(例えば、上下方向に沿った軸)周りに回転させてもよい。
上記の実施例において、スライダクランク機構138の各構成要素の配置・形状は、適宜変更されてもよい。これにより、鉄筋結束装置2の昇降動作に対して鉄筋結束装置2の回転動作が開始・停止されるタイミングや、鉄筋結束装置2が姿勢を変更する際の鉄筋結束装置2の回転量は、適宜変更されてもよい。例えば、クランクロッド148の幅方向における張出部148aの幅は、増加または減少されてもよい。
上記の実施例において、ガイド溝782の形状は、適宜変更されてもよい。これにより、鉄筋結束装置602の昇降動作に対して鉄筋結束装置602の回転動作が開始・停止されるタイミングや、鉄筋結束装置602が姿勢を変更する際の鉄筋結束装置602の回転量は、適宜変更されてもよい。例えば、ガイド溝782は、直線的な形状だけでなく、曲線的な形状を有していてもよい。
上記の実施例では、昇降装置130(730)が、鉄筋結束装置2(602)を上昇させる過程においてのみ、鉄筋結束装置2(602)の姿勢を変化させる構成について説明した。別の実施例では、昇降装置130(730)は、鉄筋結束装置2(602)を上昇させる過程と鉄筋結束装置2(602)を下降させる過程の両方において、鉄筋結束装置2(602)の姿勢を変化させてもよい。具体的には、昇降装置130は、鉄筋結束装置2を上昇させる場合、クランクシャフト142を第3周方向CD3に回転させ、鉄筋結束装置2を下降させる場合、クランクシャフト142を第4周方向CD4に回転させてもよい。昇降装置730は、鉄筋結束装置602を上昇させる場合と鉄筋結束装置602を下降させる場合の両方において、スライドピン780を進入位置に保持してもよい。さらに別の実施例では、昇降装置130(730)は、鉄筋結束装置2(602)を下降させる過程においてのみ、鉄筋結束装置2(602)の姿勢を変化させてもよい。具体的には、昇降装置130は、鉄筋結束装置2を上昇させる場合と鉄筋結束装置2を下降させる場合の両方において、クランクシャフト142を第4周方向CD4に回転させてもよい。昇降装置730は、鉄筋結束装置602を上昇させる場合、スライドピン780を退避位置に保持し、鉄筋結束装置602を下降させる場合、スライドピン780を進入位置に保持してもよい。
上記の実施例では、昇降装置730が、プルソレノイド776を用いて、スライドピン780を、ガイド溝782に進入可能な位置(進入位置)と、ガイド溝782に進入不可能な位置(退避位置)と、の間で移動させる構成について説明した。別の実施例では、昇降装置730は、プルソレノイド776の代わりに、ガイド溝782(第1支持プレート762)を移動させるためのアクチュエータを備えていてもよい。昇降装置730は、当該アクチュエータを用いて、ガイド溝782(第1支持プレート762)を、スライドピン780が進入可能な位置と、スライドピン780が進入不可能な位置と、の間で移動させてもよい。
上記の実施例において、昇降装置130(730)の回転ピン150(770)に、捩りバネ162(772)が取り付けられてなくてもよい。
2 :鉄筋結束装置
3 :ハウジング
3a :嵌合部
3b :貫通孔
10 :ガイドリール
10a :係合部
12 :送り機構
14 :案内機構
16 :ブレーキ機構
18 :切断機構
20 :捩り機構
21 :挿通部材
22 :送りモータ
24 :主動ローラ
26 :従動ローラ
28 :案内パイプ
30 :上側カールガイド
32 :下側カールガイド
34 :第1案内通路
38 :案内溝
40 :カッタ
40a :固定カッタ部材
40b :可動カッタ部材
40c :固定ワイヤ通路
40d :可動ワイヤ通路
40e :ワイヤ保持壁
42 :送り返し板
46 :プルソレノイド
48 :リンク
50 :ブレーキアーム
52 :リンク
54 :捩りモータ
56 :減速機構
58 :スクリューシャフト
60 :スリーブ
61 :プッシュプレート
62 :一対のフック
80 :制御装置
100 :鉄筋結束ロボット
102 :電源装置
106 :搬送装置
126 :ロボット制御装置
130 :昇降装置
132 :ウォームギヤケース
134 :昇降アーム
136 :ウォームシャフト
138 :スライダクランク機構
140 :リンク機構
142 :クランクシャフト
144 :クランクアーム
146 :クランクピン
148 :クランクロッド
148a :張出部
150 :回転ピン
152 :スライダ
153 :レール
154 :ベース部材
156 :第1干渉ピン
158 :長孔
160 :第2干渉ピン
162 :捩りバネ
163 :第1フィン
164 :第2フィン
166 :カム
168 :第1フォトセンサ
170 :第2フォトセンサ
190 :車台
192 :右側クローラ
194 :左側クローラ
196 :サイドステッパ
204 :ベースプレート
204a :貫通孔
210 :右側プレート
212 :左側プレート
214 :ベースフレーム
215 :前側連結フレーム
216 :後側連結フレーム
218 :前側プーリ
220 :後側プーリ
222 :補助プーリ
224 :テンショナプーリ
226 :ゴムベルト
228 :右側クローラモータ
230 :ギヤボックス
232 :ベアリング
234 :ベアリング
236 :ベアリング
237 :可動ベアリング
244 :前側プーリ
246 :後側プーリ
248 :補助プーリ
250 :テンショナプーリ
252 :ゴムベルト
254 :左側クローラモータ
256 :ギヤボックス
258 :ベアリング
260 :ベアリング
262 :ベアリング
264 :可動ベアリング
272 :ステップバー
274 :ステップバー
276 :前側クランク機構
277 :後側クランク機構
278 :支持プレート
280 :プーリ
280a :軸
282 :プーリ
282a :軸
283 :テンショナプーリ
284 :ベルト
286 :クランクアーム
286a :嵌合孔
286b :長孔
288 :クランクアーム
288a :嵌合孔
288b :長孔
290 :クランクピン
292 :クランクピン
294 :クランクプレート
296 :ローラ
298 :ローラ
300 :ガイドプレート
302 :ガイド溝
304 :ガイド溝
306 :支持プレート
308 :プーリ
308a :軸
310 :プーリ
310a :軸
311 :テンショナプーリ
312 :ベルト
314 :クランクアーム
314a :嵌合孔
314b :長孔
316 :クランクアーム
316a :嵌合孔
316b :長孔
318 :クランクピン
320 :クランクピン
322 :クランクプレート
324 :ローラ
326 :ローラ
328 :ガイドプレート
330 :ガイド溝
332 :ガイド溝
400 :兼用モータ
402 :動力伝達機構
406 :遊星歯車機構
410 :遊星キャリヤ
412 :内歯車
414 :第1出力シャフト
416 :第2出力シャフト
418 :第1平歯車
420 :第2平歯車
422 :第3平歯車
424 :ウォームシャフト
426 :ウォームホイール
428 :回転伝達シャフト
430 :ユニバーサルジョイント
432 :切換アクチュエータ
434 :係止部材
436 :位置検出機構
438 :ギヤボックス
440 :内側係合凹部
440a :内側陥凹溝
442 :外側係合凹部
442a :外側陥凹溝
446 :係止ピン
452 :プルソレノイド
456 :キャップ
500 :独立リール
550 :ワイヤ中継機構
552 :ベース部
554 :ガイドローラ
556 :送りローラ
557 :送りローラ
558 :挿通部材
602 :鉄筋結束装置
603 :ハウジング
604 :本体部
605 :リールカバー
606 :把持部
606a :凹部
608 :バッテリ取付部
610 :リール
664 :第1操作部
674 :メインスイッチ
676 :主電源LED
680 :制御装置
684 :トリガ
686 :トリガスイッチ
690 :第2操作部
696 :表示用LED
698 :設定スイッチ
700 :鉄筋結束ロボット
702 :電源装置
706 :搬送装置
708 :バッテリアダプタ
726 :ロボット制御装置
730 :昇降装置
732 :送りネジ機構
734 :下側ベース部材
734a :支持台
736 :上側ベース部材
738 :支持パイプ
740 :支持パイプ
742 :昇降台
742a :貫通孔
742b :貫通孔
742c :貫通孔
744 :スクリューシャフト
746 :モータ連結部
748 :昇降モータ
750 :センサ支持部材
752 :上限検知センサ
754 :下限検知センサ
760 :ナット
762 :第1支持プレート
762a :長孔
762b :第3干渉ピン
764 :第2支持プレート
764a :突出部
766 :連結シャフト
768 :連結シャフト
770 :回転ピン
772 :捩りバネ
774 :第4干渉ピン
776 :プルソレノイド
778 :リンク
780 :スライドピン
782 :ガイド溝
782a :上側平行溝
782b :上側傾斜溝
782c :上側当接壁
782d :下側当接壁
782e :下側傾斜溝
782f :下側平行溝
790 :車台
792 :右側クローラ
794 :左側クローラ
796 :サイドステッパ
804 :ベースプレート
804a :貫通孔
804b :貫通孔
810 :右側プレート
812 :左側プレート
814 :ベースフレーム
815 :前側連結フレーム
816 :後側連結フレーム
818 :前側プーリ
820 :後側プーリ
822 :補助プーリ
824 :テンショナプーリ
826 :ゴムベルト
828 :右側クローラモータ
830 :ギヤボックス
832 :ベアリング
834 :ベアリング
836 :ベアリング
837 :可動ベアリング
844 :前側プーリ
846 :後側プーリ
848 :補助プーリ
850 :テンショナプーリ
852 :ゴムベルト
854 :左側クローラモータ
856 :ギヤボックス
858 :ベアリング
860 :ベアリング
862 :ベアリング
864 :可動ベアリング
872 :ステップバー
874 :ステップバー
876 :前側クランク機構
877 :後側クランク機構
878 :支持プレート
879 :ステッパモータ
880 :プーリ
880a :軸
881 :ギヤボックス
882 :プーリ
882a :軸
883 :ウォームギヤケース
884 :ベルト
885 :回転伝達シャフト
886 :クランクアーム
886a :嵌合孔
886b :長孔
888 :クランクアーム
888a :嵌合孔
888b :長孔
890 :クランクピン
892 :クランクピン
894 :クランクプレート
896 :ローラ
898 :ローラ
900 :ガイドプレート
902 :ガイド溝
904 :ガイド溝
906 :支持プレート
908 :プーリ
908a :軸
910 :プーリ
910a :軸
912 :ベルト
914 :クランクアーム
914a :嵌合孔
914b :長孔
916 :クランクアーム
916a :嵌合孔
916b :長孔
918 :クランクピン
920 :クランクピン
922 :クランクプレート
924 :ローラ
926 :ローラ
928 :ガイドプレート
930 :ガイド溝
932 :ガイド溝
950 :把持装置
952 :リンク
952a :押圧部
952b :操作部
954 :プランジャ
956 :アクチュエータ
958 :捩りバネ
B :バッテリパック
R1 :第1鉄筋
R2 :第2鉄筋
RC :鉄筋交差箇所
W :ワイヤ

Claims (12)

  1. 複数の第1鉄筋と、前記複数の第1鉄筋と交差する複数の第2鉄筋について、前記複数の第1鉄筋と前記複数の第2鉄筋の上を移動する動作と、前記複数の第1鉄筋と前記複数の第2鉄筋が交差する鉄筋交差箇所を結束する動作と、を実行可能な鉄筋結束ロボットであって、
    ワイヤを用いて前記鉄筋交差箇所を結束する鉄筋結束装置と、
    前記鉄筋結束装置が設置される台座と、
    前記台座を移動させる移動装置と、
    前記台座に直接的または間接的に支持されており、前記台座に対して前記鉄筋結束装置を上昇または下降させる昇降装置と、を備えており、
    前記昇降装置は、前記鉄筋結束装置を上昇または下降させる過程において、前記台座に対する前記鉄筋結束装置の姿勢を変化させる、鉄筋結束ロボット。
  2. 前記昇降装置は、前記鉄筋結束装置を上昇または下降させる過程において、前記鉄筋結束装置の上昇または下降を中断することなく、前記鉄筋結束装置の前記姿勢を変化させる、請求項1の鉄筋結束ロボット。
  3. 前記鉄筋結束装置は、
    前記ワイヤを送り出す送り機構と、
    前記送り機構によって送られた前記ワイヤを案内して前記鉄筋交差箇所の周りに周回させるための案内溝が規定された案内部材と、を備えており、
    前記昇降装置は、前記鉄筋結束装置を上昇させる過程において、前記案内部材を前記案内溝が開放する方向とは反対の方向に移動させるように、前記鉄筋結束装置の前記姿勢を変化させる、請求項1または2の鉄筋結束ロボット。
  4. 前記昇降装置は、前記鉄筋結束装置を下降させる過程において、前記鉄筋結束装置の前記姿勢を変化させない、請求項3の鉄筋結束ロボット。
  5. 前記昇降装置は、
    前記鉄筋結束装置を前記台座に対して直線的に移動させることにより、前記鉄筋結束装置を上昇または下降させ、
    前記鉄筋結束装置を、前記鉄筋結束装置に対して位置が固定された装置回転軸周りに回転させることにより、前記鉄筋結束装置の前記姿勢を変化させる、請求項1から4の何れか一項の鉄筋結束ロボット。
  6. 前記昇降装置は、
    第1アクチュエータと、
    前記鉄筋結束装置を前記装置回転軸周りに回転可能に保持する保持部材と、
    前記第1アクチュエータからの動力によって動作され、前記保持部材を前記台座に対して直線的に上昇または下降させる直動機構と、を備えており、
    前記直動機構が動作して前記鉄筋結束装置が上昇または下降される過程において、前記直動機構の動力が前記装置回転軸周りの回転力として前記鉄筋結束装置に伝達されることで、前記鉄筋結束装置が前記装置回転軸周りに回転する、請求項5の鉄筋結束ロボット。
  7. 前記昇降装置は、前記保持部材に対して、前記鉄筋結束装置を前記装置回転軸周りの周方向に付勢する付勢部材を備えており、
    前記鉄筋結束装置は、前記付勢部材の付勢力に抗して回転する、請求項6の鉄筋結束ロボット。
  8. 前記昇降装置は、前記鉄筋結束装置に固定される干渉部材を備えており、
    前記直動機構は、前記第1アクチュエータからの動力によって回転するクランクシャフトと、前記保持部材に相当するスライダと、前記クランクシャフトと前記スライダを互いに連結するリンク機構と、を含むスライダクランク機構であり、
    前記スライダクランク機構が動作して前記鉄筋結束装置が上昇または下降される過程において、前記リンク機構が揺動して前記干渉部材を前記装置回転軸の周方向に押すことで、前記鉄筋結束装置が前記装置回転軸周りに回転する、請求項6または7の鉄筋結束ロボット。
  9. 前記クランクシャフトは、前記第1アクチュエータからの動力によって、所定の回転方向に回転し、
    前記干渉部材は、前記スライダが上昇する際の前記リンク機構の揺動範囲内であって、前記スライダが下降する際の前記リンク機構の揺動範囲外に配置されているか、または、前記スライダが上昇する際の前記リンク機構の揺動範囲外であって、前記スライダが下降する際の前記リンク機構の揺動範囲内に配置されている、請求項8の鉄筋結束ロボット。
  10. 前記昇降装置は、
    前記鉄筋結束装置に設けられる第1当接部材と、
    前記台座に設けられる第2当接部材と、を備えており、
    前記直動機構が動作して前記鉄筋結束装置が上昇または下降される過程において、前記第1当接部材と前記第2当接部材が当接して、前記第1当接部材が前記第2当接部材によって前記装置回転軸の周方向に押されることで、前記鉄筋結束装置が前記装置回転軸周りに回転する、請求項6または7の鉄筋結束ロボット。
  11. 前記昇降装置は、前記第1当接部材と前記第2当接部材の一方を、前記第1当接部材と前記第2当接部材の他方に対して当接可能な第1位置と、前記第1当接部材と前記第2当接部材の前記他方に対して当接不可能な第2位置と、の間で移動させる第2アクチュエータを備えており、
    前記鉄筋結束装置が上昇される際、前記第1当接部材と前記第2当接部材の前記一方は、前記第2アクチュエータによって前記第1位置および前記第2位置の一方に保持されており、
    前記鉄筋結束装置が下降される際、前記第1当接部材と前記第2当接部材の前記一方は、前記第2アクチュエータによって前記第1位置および前記第2位置の他方に保持されている、請求項10の鉄筋結束ロボット。
  12. 鉄筋結束装置によって鉄筋交差箇所を結束する方法であって、
    前記鉄筋結束装置を上昇または下降させることが可能な昇降装置が、前記鉄筋交差箇所に対して前記鉄筋結束装置を下降させる、下降ステップと、
    前記鉄筋結束装置が、ワイヤを用いて前記鉄筋交差箇所を結束する、結束ステップと、
    前記昇降装置が、前記鉄筋交差箇所に対して前記鉄筋結束装置を上昇させる、上昇ステップと、
    前記下降ステップと前記上昇ステップの少なくとも一方の途中で、前記昇降装置が、前記鉄筋交差箇所に対する前記鉄筋結束装置の姿勢を変化させる、姿勢変化ステップと、を含む方法。
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