JP2024060267A - マットレス - Google Patents

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Junichi Hino
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Abstract

【課題】マットレスの寝心地を向上させること。【解決手段】本発明では、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体(3)を有するマットレス(1)において、マットレス本体(3)に上下方向のフィラメントの平均密度が異なる複数の領域(12~26)を形成することにした。また、マットレス本体(3)の一部又は全部をフィラメントの密度が異なる複数の層(4,5,6)を上下に一体的に積層して形成するとともに、上下に積層したフィラメントの平均密度が他の領域(12,15,16)とは異なる領域(13,14)を形成することにした。また、マットレス本体(3)に、1層又は複数層からなる上部層(4)と、1層又は複数層からなる下部層(5)とを設けるとともに、上部層(4)と下部層(5)との間に中間層(6)を設け、上部層(4)及び下部層(5)よりも中間層(6)のフィラメントの密度を高くなるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体を有するマットレスに関するものである。
従来より、マットレスの内部のクッション材として、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体が用いられている(たとえば、特許文献1参照。)。
この従来のマットレスでは、溶融状態にある複数の熱可塑性樹脂繊維からなるフィラメントを上方から降下させてフィラメント同士を立体的なネット状に融着させた後に冷却することで形成して、上下方向のフィラメントの密度が一定となるようにしている。
特開2000-120743号公報
ところが、上記従来のマットレスでは、上下方向のフィラメントの密度が一定となっているために、横臥時における上下方向の伸縮が単調なものであり、寝心地が良好なものではなかった。
そこで、請求項1に係る本発明では、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体を有するマットレスにおいて、マットレス本体に上下方向のフィラメントの平均密度が異なる複数の領域を形成することにした。
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記マットレス本体の一部又は全部を、フィラメントの密度が異なる複数の層を上下に一体的に積層して形成するとともに、上下に積層したフィラメントの平均密度が他の領域とは異なる領域を形成することにした。
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項2に係る本発明において、前記マットレス本体は、1層又は複数層からなる上部層と、1層又は複数層からなる下部層とを設けるとともに、上部層と下部層との間に中間層を設け、上部層及び下部層よりも中間層のフィラメントの密度を高くなるようにした。
また、請求項4に係る本発明では、前記請求項3に係る本発明において、前記複数層からなる上部層又は複数層からなる下部層を形成する各層のフィラメントの密度を中間層へ向けて漸次高くなるようにした。
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
すなわち、本発明では、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体を有するマットレスにおいて、マットレス本体に上下方向のフィラメントの平均密度が異なる複数の領域を形成することにしているために、横臥時における上下方向のクッション性が部分的に変化したものとなり、寝心地を向上させることができる。
特に、マットレス本体の一部又は全部をフィラメントの密度が異なる複数の層を上下に一体的に積層して形成するとともに、上下に積層したフィラメントの平均密度が他の領域とは異なる領域を形成することにした場合や、また、マットレス本体に、1層又は複数層からなる上部層と、1層又は複数層からなる下部層とを設けるとともに、上部層と下部層との間に中間層を設け、上部層及び下部層よりも中間層のフィラメントの密度を高くなるようにした場合や、さらに、複数層からなる上部層又は複数層からなる下部層を形成する各層のフィラメントの密度を中間層へ向けて漸次高くなるようにした場合には、横臥時における上下方向のクッション性が荷重に応じて滑らかなものとなり、より一層寝心地を向上させることができる。
本発明に係るマットレスを示す斜視説明図。 マットレス本体の平面説明図。 マットレス本体の断面説明図((a)A-A断面図、(b)B-B断面図)。 マットレス本体の断面説明図((a)C-C断面図、(b)D-D断面図、(c)E-E断面図)。 マットレス本体の断面説明図((a)C-C断面拡大図、(b)D-D断面拡大図、(c)E-E断面拡大図)。
以下に、本発明に係るマットレスの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
図1~図4に示すように、マットレス1は、矩形箱型袋状の外装材2の内部にマットレス本体3を収容している。
マットレス本体3は、フィラメント三次元結合体によって、横臥する人の身長方向となる前後方向(図1では左右方向)とそれに直交する左右方向及び上下方向に伸延する矩形板形状に形成されている。ここで、フィラメント三次元結合体は、溶融状態にある複数の熱可塑性樹脂繊維からなるフィラメント同士を立体的なネット状に融着させた後に冷却することで形成される。フィラメントとしては、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂材料が用いられる。
このマットレス本体3は、左右端部をフィラメントの密度が均一な単層(一層)に形成するとともに、中央部分(横臥者が横臥する部分)をフィラメントの密度が異なる複数の層(多層)を上下に一体的に積層して形成している。なお、マットレス本体3の全体を多層に形成してもよい。
そして、マットレス本体3の多層に形成した部分では、上部側に形成される上部層4と下部側に形成される下部層5とを有するとともに、上部層4と下部層5との間に中間層6を一体的に密着させて形成している。なお、上部層4と下部層5は、1層で形成してもよく、複数層で形成してもよい。ここでは、3層からなる上部層4と、2層からなる下部層5との間に、1層からなる中間層6を設けている。
上部層4は、上から順に第1~第3上部層7~9で構成されており、第1上部層7のフィラメントの密度が上部層4の中で最も低く、第3上部層9のフィラメントの密度が上部層4の中で最も高く、第1~第3上部層7~9の順に中間層6に近くなるほどフィラメントの密度が漸次(段階的に順に)高くなるようにしている。
また、上部層4は、第1上部層7の上下方向の厚みが上部層4の中で最も薄く、第3上部層9の上下方向の厚みが上部層4の中で最も厚く、第1~第3上部層7~9の順に中間層6に近くなるほど上下方向の厚みが同一又は順に漸次(段階的に順に)厚くなるようにしている。
このように、上部層4を複数層(第1~第3上部層7~9)で形成した場合には、上部層4を形成する各層(第1~第3上部層7~9)のフィラメントの密度を中間層6側へ向けて漸次高くなるようにし、また、上部層4を形成する各層(第1~第3上部層7~9)の上下方向の厚み(高さ)を中間層6側へ向けて同一又は漸次厚くなるようにしている。
下部層5は、下から順に第1・第2下部層10,11で構成されており、第1下部層10のフィラメントの密度が下部層5の中で最も低く、第2下部層11のフィラメントの密度が下部層5の中で最も高く、第1・第2下部層10,11の順に中間層6に近くなるほどフィラメントの密度が漸次(段階的に順に)高くなるようにしている。
また、下部層5は、第1下部層10の上下方向の厚みが下部層5の中で最も薄く、第2下部層11の上下方向の厚みが下部層5の中で最も厚く、第1・第2下部層10,11の順に中間層6に近くなるほど上下方向の厚みが同一又は順に漸次(段階的に順に)厚くなるようにしている。
このように、下部層5を複数層(第1・第2下部層10,11)で形成した場合には、下部層5を形成する各層(第1・第2下部層10,11)のフィラメントの密度を中間層6側へ向けて漸次高くなるようにし、また、下部層5を形成する各層(第1・第2下部層10,11)の上下方向の厚み(高さ)を中間層6側へ向けて同一又は漸次厚くなるようにしている。
中間層6は、上部層4を形成する第1~第3上部層7~9や下部層5を形成する第1・第2下部層10,11よりも、フィラメントの密度を高くするとともに、上下方向の厚みを厚くしている。
そして、上記マットレス本体3では、平面視において多層に形成した中央の横臥者が横臥する部分を複数(ここでは、5個)の領域12~16に区画するとともに、単層に形成した両端部分をそれぞれ複数(ここでは5個)の領域17~21,22~26に区画している。
多層に形成したマットレス本体3の中央部分(主に横臥者の腰部を支持する部分)に形成した領域12は、第1~第3上部層7a~9aと、中間層6aと、第1・第2下部層10a,11aとで上下一体的に密着させて形成されている。また、マットレス本体3の前側部分(主に横臥者の上半身を支持する部分)と後側部分(主に横臥者の下半身を支持する部分)に形成した領域13,14は、第1~第3上部層7b~9bと、中間層6bと、第1・第2下部層10b,11bとで上下一体的に密着させて形成されている。さらに、マットレス本体3の前端部分と後端部分に形成した領域15,16は、第1~第3上部層7c~9cと、中間層6cと、第1・第2下部層10c,11cとで上下一体的に密着させて形成されている。
ここで、マットレス本体3は、第1~第3上部層7a~9aと中間層6aと第1・第2下部層10a,11aとで形成される領域12の上下方向の平均密度と、第1~第3上部層7b~9bと中間層6bと第1・第2下部層10b,11bとで形成される領域13,14の上下方向の平均密度と、第1~第3上部層7c~9cと中間層6cと第1・第2下部層10c,11cとで形成される領域15,16の上下方向の平均密度を異ならせている。たとえば、領域12,15,16の平均密度が最も高く、領域13,14の平均密度が最も低くなるようにしている。なお、多層に形成した全ての領域12~16のうちで一部の領域(ここでは、領域12,15,16)が他の領域(ここでは、領域13,14)と比べて上下方向のフィラメントの密度が異なっていればよく、全ての領域12~16がそれぞれ上下方向のフィラメントの密度が異なっていてもよい。
また、マットレス本体3は、各領域12~16の第1上部層7a,7b,7c、第2上部層8a,8b,8c、第3上部層9a,9b,9cを前後左右一体的に密着させて形成し、中間層6a,6b,6cを前後左右一体的に密着させて形成し、第1下部層10a,10b,10c、第2下部層11a,11b,11cを前後左右一体的に密着させて形成している。
ここで、マットレス本体3は、領域12の第1~第3上部層7a~9aと中間層6aと第1・第2下部層10a,11aの各密度と、領域13,14の第1~第3上部層7b~9bと中間層6bと第1・第2下部層10b,11bの各密度と、領域15,16の第1~第3上部層7c~9cと中間層6cと第1・第2下部層10c,11cの各密度を異ならせている。たとえば、領域12,15,16の各層の密度が最も高く、領域13,14の各層の密度が最も低くなるようにしている。
これにより、マットレス本体3は、横臥時における上下方向のクッション性が領域12~16(特に、横臥者が横臥する領域12,13,14)ごとに部分的に変化したものとなり、寝心地を向上させることができる。なお、領域12,13,14ごとのクッション性は、横臥者の身体や好みなどに応じて適宜設定することができる。たとえば、領域12の上下方向の平均密度を最も高くして領域12を最も硬くした場合には、横臥者の腰部を支持して容易に寝返りが打てるようになる。
また、単層に形成したマットレス本体3の中央部分の領域17,22とその前側部分の領域18,23や後側部分の領域19,24と前端部分の領域20,25や後端部分の領域21,26も上下方向の平均密度を異ならせている。たとえば、領域17,20,21,22,25,26の平均密度が最も高く、領域18,19,23,24の平均密度が最も低くなるようにしている。なお、単層に形成した全ての領域17~26のうちで一部の領域(ここでは、領域17,20,21,22,25,26)が他の領域(ここでは、領域18,19,23,24)と比べて上下方向のフィラメントの密度が異なっていればよく、全ての領域17~26がそれぞれ上下方向のフィラメントの密度が異なっていてもよい。
上記マットレス本体3では、領域17,22,20,21,25,26の平均密度が最も高くて硬くしており、領域13,14の平均密度が最も低くて柔らかくしており、領域12,16,18,19,23,24の平均密度がこれらの中間となるようにしている。これにより、横臥者が横臥する各領域12,13,14よりも各領域12,13,14に直接隣接する周囲の各領域15~26の平均密度が高くて硬くなるようにしている。たとえば、領域12よりも領域12に直接隣接する周囲の各領域17,18の平均密度が高くて硬くなるようにしている。しかも、マットレス本体3の四隅の領域20,21,25,26の平均密度が最も高くて硬くしている。そのため、マットレス本体3の周囲での沈み込みを防止している。
マットレス本体3は、以上に説明したように構成しており、上部層4の層数を下部層5の層数よりも多くし、また、上部層4の厚みを下部層5の厚みよりも厚くしており、マットレス1として使用される際には、横臥者からの荷重(体重)を上部層4で受けて上部層4が伸縮する一方、ベッド台からの荷重(反力)を下部層5で受けて下部層5伸縮することになる。
そのため、マットレス1では、横臥者からの荷重に応じて中間層6を挟んで上部層4と下部層5とが伸縮し、ポケットコイルと同様の荷重に応じて滑らかに変化するN値を示すクッション性を有することになり、横臥者の寝心地を向上させることができる。
また、マットレス本体3は、多層に形成した複数の領域12~16に区画するとともに、領域12~16の上下方向のフィラメントの平均密度を異ならせることでクッション性(硬さ)を異ならせている。なお、上記マットレス本体3では、各領域12~16の層数を同一にしているが、各領域12~16ごとに層数を異ならせてもよい。また、フィラメントの平均密度は、単位体積当たりのフィラメント(樹脂)の重量で求められ、フィラメントの径や素材を変えることで変化させてもよい。フィラメント三次元結合体では、フィラメントの上下方向の平均密度が高いほど上下方向の伸縮性が硬くなる。
以上に説明したように、上記マットレス1は、マットレス本体3に上下方向のフィラメントの平均密度が異なる複数の領域12~26を形成した構成となっている。
そのため、上記構成のマットレス1では、横臥時における上下方向のクッション性が部分的に変化したものとなり、寝心地を向上させることができる。
また、上記マットレス1は、マットレス本体3の一部(全部でもよい。)をフィラメントの密度が異なる複数の層(第1~第3上部層7~9及び中間層6並びに第1・第2下部層10,11を上下に一体的に積層して形成するとともに、マットレス本体3の一部に上下に積層したフィラメントの平均密度が異なる領域12~16を形成した構成となっている。
そのため、上記構成のマットレス1では、横臥時における上下方向のクッション性が部分的に変化したものとなり、寝心地を向上させることができる。
また、上記マットレス1は、上部層4及び下部層5よりも中間層6のフィラメントの密度を高くなるように構成している。
そのため、上記構成のマットレス1では、より一層、横臥時における上下方向のクッション性が荷重に応じて滑らかなものとなり、寝心地を向上させることができる。
さらに、上記マットレス1は、複数層からなる上部層4又は複数層からなる下部層5を形成する各層(第1~第3上部層7~9、第1・第2下部層10,11)のフィラメントの密度を中間層6へ向けて漸次高くなるように構成している。
そのため、上記構成のマットレス1では、さらに、横臥時における上下方向のクッション性が荷重に応じて滑らかなものとなり、寝心地を向上させることができる。
1 マットレス 2 外装材
3 マットレス本体 4 上部層
5 下部層 6 中間層
7~9 第1~第3上部層 10,11 第1・第2下部層
12~26 領域

Claims (4)

  1. 横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体を有するマットレスにおいて、
    マットレス本体に上下方向のフィラメントの平均密度が異なる複数の領域を形成したことを特徴とするマットレス。
  2. 前記マットレス本体の一部又は全部を、フィラメントの密度が異なる複数の層を上下に一体的に積層して形成するとともに、上下に積層したフィラメントの平均密度が他の領域とは異なる領域を形成したことを特徴とする請求項1に記載のマットレス。
  3. 前記マットレス本体は、1層又は複数層からなる上部層と、1層又は複数層からなる下部層とを設けるとともに、上部層と下部層との間に中間層を設け、上部層及び下部層よりも中間層のフィラメントの密度を高くなるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のマットレス。
  4. 前記複数層からなる上部層又は複数層からなる下部層を形成する各層のフィラメントの密度を中間層へ向けて漸次高くなるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のマットレス。
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