JP2024060137A - 積層鉄心の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層鉄心の生産性を向上させること。【解決手段】積層鉄心の製造方法は、挿入工程と、注入工程と、エアブロー工程と、を含む。挿入工程は、複数の鉄心片を積層させた積層体を貫通するように柱状の磁石を挿入する。注入工程は、積層体と磁石との間に樹脂を注入する。エアブロー工程は、挿入工程と注入工程との間に、積層体の下方に位置する下治具に対して積層体を浮かせながら、積層体の上方および下方のうち少なくとも一方から積層体に対してエアブローを行う。【選択図】図4A

Description

開示の実施形態は、積層鉄心の製造方法に関する。
IPM(Interior Permanent Magnet)モータの回転子のような、積層鉄心の内部に永久磁石を埋め込んだ構造をもつ電機子が知られている。IPMモータは、回転子鉄心の内部に永久磁石が埋め込まれているので、モータの回転中に遠心力で磁石が飛び出すことがなく、機械的な安全性が高い。
また、IPMモータは、高効率で高トルクが得られる。そのため、IPMモータは、自動車用、鉄道車両用、その他産業用の動力源として、近年その利用が急速に拡大している。
IPMモータを構成する回転子では、積層鉄心に形成された磁石挿入孔のそれぞれに永久磁石が挿入され、その後、磁石挿入孔に樹脂が注入され、磁石挿入孔内で樹脂が固化されることで、永久磁石が積層鉄心に固定されていることがある。
特許第5469481号公報
一方で、この回転子の製造工程において、積層鉄心が載置される下治具の表面に異物が付着していた場合、かかる異物が積層鉄心と下治具との間に入りこむため、樹脂注入時の樹脂漏れの原因となる恐れがあった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、積層鉄心の生産性を向上させることができる積層鉄心の製造方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る積層鉄心の製造方法は、挿入工程と、注入工程と、エアブロー工程と、を含む。挿入工程は、複数の鉄心片を積層させた積層体を貫通するように柱状の磁石を挿入する。注入工程は、前記積層体と前記磁石との間に樹脂を注入する。エアブロー工程は、前記挿入工程と前記注入工程との間に、前記積層体の下方に位置する下治具に対して前記積層体を浮かせながら、前記積層体の上方および下方のうち少なくとも一方から前記積層体に対してエアブローを行う。
実施形態の一態様によれば、積層鉄心の生産性を向上させることができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
図1Aは、実施形態に係る積層鉄心の一例を示す模式図である。 図1Bは、図1Aに示すX-X線の矢視断面図である。 図2は、実施形態に係る積層鉄心の製造装置の一例を示す概略図である。 図3Aは、実施形態に係る積層鉄心の製造装置が実行する各製造工程の手順の一例を示すフローチャートである。 図3Bは、実施形態に係る挿入工程の一例について説明するための図である。 図4Aは、実施形態に係るエアブロー工程の一例について説明するための図である。 図4Bは、実施形態に係るエアブロー工程の別の一例について説明するための図である。 図4Cは、実施形態に係るエアブロー工程の別の一例について説明するための図である。 図4Dは、実施形態に係るエアブロー工程の別の一例について説明するための図である。 図5Aは、実施形態の変形例に係る積層鉄心の製造装置が実行する各製造工程の手順の一例を示すフローチャートである。 図5Bは、実施形態の変形例に係る検査工程およびエアブロー工程の一例について説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する積層鉄心の製造方法について説明する。なお、以下に示す実施形態により本開示が限定されるものではない。
また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
<積層鉄心>
最初に、実施形態に係る積層鉄心1の構成について、図1Aおよび図1Bを参照しながら説明する。図1Aは、実施形態に係る積層鉄心1の一例を示す模式図であり、図1Bは、図1Aに示すX-X線の矢視断面図である。
積層鉄心1は、たとえば、回転子積層鉄心であり、回転子(ロータ)の一部である。この回転子に固定子(ステータ)が組み合わされることによって、モータが構成される。
図1に示すように、積層鉄心1は、円筒形状を呈している。すなわち、積層鉄心1の中央部分には、中心軸Axに沿って延びる貫通孔1a(中心孔)が設けられている。貫通孔1a内には、下治具20(図3B参照)のポスト20b(図3B参照)が配置可能である。
積層鉄心1は、複数の鉄心片Wが積み重ねられた積層体である。鉄心片Wは、帯状の電磁鋼板MS(図2参照)が所定形状に打ち抜かれた板状体である。
なお、実施形態に係る積層鉄心1は、いわゆる転積によって構成されていてもよい。この「転積」とは、鉄心片W同士の角度を相対的にずらしつつ、複数の鉄心片Wを積層することをいう。転積は、主に積層鉄心1の板厚偏差を相殺することを目的に実施される。転積の角度は、任意の大きさに設定してもよい。
積層鉄心1は、円環部2と、複数の磁石3と、複数の樹脂4と、複数のカシメ部5とを含む。円環部2は、円環状を呈しており、中心軸Axを囲むように延びている。円環部2の径方向における幅、内径、外径および厚さはそれぞれ、モータの用途および性能に応じて種々の大きさに設定し得る。
磁石3は、柱状の永久磁石であり、たとえばネオジム磁石などの焼結磁石やボンド磁石などである。磁石3は、積層鉄心1の上面1dと下面1eとの間を貫通するように形成される磁石挿入孔1bに挿入されている。
また、積層鉄心1には、かかる磁石挿入孔1bに加えて、上面1dと下面1eとの間を貫通するように形成される孔部1cが設けられてもよい。かかる孔部1cは、たとえば、積層鉄心1の軽量化や冷却孔などを目的として形成される軽量孔や冷却孔などである。
樹脂4は、積層鉄心1の磁石挿入孔1bの内部において、かかる磁石挿入孔1bの内壁面と磁石3の側面との間に位置する。かかる樹脂4によって、磁石3が積層鉄心1の内部で固定される。
樹脂4としては、たとえば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが用いられる。熱硬化性樹脂の具体例としては、たとえば、エポキシ樹脂と、硬化開始剤と、添加剤とを含む樹脂組成物が挙げられる。添加剤としては、フィラー、難燃剤、応力低下剤などが挙げられる。
カシメ部5は、高さ方向において隣接する鉄心片W同士を締結する。具体的には、カシメ部5は、積層鉄心1の最下層以外をなす鉄心片Wに形成されたカシメと、積層鉄心1の最下層をなす鉄心片Wに形成されたカシメ貫通孔とを含む。
カシメの凸部は、隣り合う他のカシメの凹部またはカシメ貫通孔と接合される。カシメ貫通孔は、積層鉄心1を連続して製造する際、すでに製造された積層鉄心1に対し、続いて形成された鉄心片Wがカシメによって締結されるのを防ぐ機能を有する。
なお、実施形態に係る積層鉄心1において、複数の鉄心片W同士は、カシメ部5に代えて、種々の公知の方法にて締結されてもよい。たとえば、複数の鉄心片W同士が、接着剤または樹脂材料を用いて互いに接合されてもよいし、溶接によって互いに接合されてもよい。
あるいは、鉄心片Wに仮カシメを設け、仮カシメを介して複数の鉄心片Wを締結して積層体を得た後、仮カシメをこの積層体から除去することによって、積層鉄心1を得てもよい。なお、「仮カシメ」とは、複数の鉄心片Wを一時的に一体化させるのに使用され、かつ積層鉄心1を製造する過程において取り除かれるカシメを意味する。
なお、図1Aおよび図1Bに示した積層鉄心1の構成はあくまで一例であり、円環部2の形状や磁石3の配置や個数、孔部1cの配置や個数などは任意に設定されてもよい。
<製造装置>
つづいて、実施形態に係る積層鉄心1の製造装置100について、図2を参照しながら説明する。図2は、実施形態に係る積層鉄心1の製造装置100の一例を示す概略図である。実施形態に係る製造装置100は、帯状の電磁鋼板MSから鉄心片W(図1A参照)の積層体10を製造し、かかる積層体10から積層鉄心1(図1A参照)を製造するように構成される。
図2に示すように、製造装置100は、打ち抜き装置200と、磁石挿入装置300と、検査装置400と、エアブロー装置500と、予熱装置600と、樹脂注入装置700と、コントローラCtr(制御部)とを備える。
打ち抜き装置200は、アンコイラー210と、送出装置220と、プレス加工装置230とを備える。アンコイラー210は、コイル材211を回転自在に保持するように構成される。コイル材211は、電磁鋼板MSがコイル状(渦巻状)に巻回されたものである。
送出装置220は、電磁鋼板MSを上下から挟み込む一対のローラ221、222を含む。一対のローラ221、222は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて回転および停止し、電磁鋼板MSをプレス加工装置230に向けて間欠的に順次送り出すように構成されている。すなわち、一対のローラ221、222は、電磁鋼板MSを搬送するための搬送手段としての機能を有する。
プレス加工装置230は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて動作するように構成される。プレス加工装置230は、たとえば、送出装置220によって間欠的に送り出される金属板MSを順次打ち抜き加工して鉄心片Wを形成する機能と、打ち抜き加工によって得られた鉄心片Wを順次積層して積層体10を製造する機能とを有する。
積層体10は、複数の鉄心片Wがカシメ部5などにより互いに締結された状態で積み重ねられたものである。
磁石挿入装置300は、コントローラCtrからの指示に基づいて動作し、打ち抜き装置200からコンベアCvなどによって搬送された積層体10の磁石挿入孔1b(図1A参照)に磁石3(図1A参照)を挿入する機能を有する。この磁石挿入装置300での挿入工程の詳細については後述する。
検査装置400は、コントローラCtrからの指示に基づいて動作し、磁石挿入装置300から搬送された積層体10において、内部の磁石3が磁石挿入孔1bに正常に挿入されているか否かを検査する機能を有する。
エアブロー装置500は、コントローラCtrからの指示に基づいて動作し、検査装置400から搬送された積層体10にエアブローを行う機能を有する。このエアブロー装置500でのエアブロー工程の詳細については後述する。
予熱装置600は、コントローラCtrからの指示に基づいて動作し、エアブロー装置500から搬送された積層体10を加熱する機能を有する。
樹脂注入装置700は、コントローラCtrからの指示に基づいて動作し、予熱装置600から搬送された積層体10の磁石挿入孔1bに樹脂4(図1A参照)を注入する機能を有する。
コントローラCtrは、たとえば、記録媒体(図示せず)に記録されているプログラムまたはオペレータからの操作入力などに基づいて、製造装置100内の各装置を動作させるための指示信号を生成するように構成されている。コントローラCtrは、製造装置100内の各装置にこの指示信号を送信するように構成されている。
<製造工程>
つづいて、実施形態に係る積層鉄心1の製造工程について、図3A~図4Dを参照しながら説明する。図3Aは、実施形態に係る積層鉄心1の製造装置100が実行する各製造工程の手順の一例を示すフローチャートである。
図3Aに示すように、コントローラCtrは、まず、打ち抜き装置200を制御して、電磁鋼板MSに打ち抜き加工を行い、かかる打ち抜き加工で形成された鉄心片Wを積層して積層体10を形成する(ステップS101)。
次に、コントローラCtrは、磁石挿入装置300を制御して、積層体10の磁石挿入孔1bに磁石3を挿入する(ステップS102)。図3Bは、実施形態に係る挿入工程の一例について説明するための図である。
図3Bに示すように、挿入工程に先立って、積層体10は、下治具20にセットされる。下治具20は、ベース20aおよびポスト20bを有する。
ベース20aは、矩形状を有する板状部材である。ベース20aは、上面20a1に積層体10を載置可能に構成される。ポスト20bは、ベース20aの略中央部に位置し、ベース20aの上面20a1から上方に向けて突出している。ポスト20bは、円柱形状を有し、積層体10の貫通孔1a(図1A参照)に対応する外形を有する。
また、下治具20には、注入工程(ステップS106)において樹脂4の注入孔として用いられる樹脂注入孔20cがベース20aに形成される。すなわち、かかる樹脂注入孔20cは、平面視において、積層体10の磁石挿入孔1bに対応する位置に形成される。
そして、積層体10は、ポスト20bが貫通孔1aに挿入されるとともに、下面1e(図1A参照)がベース20aの上面20a1と接触するように、下治具20にセットされる。
さらに、磁石3の挿入工程は、図3Bに示すように、積層体10に形成された磁石挿入孔1bが水平状態となるように、積層体10を下治具20ごと傾けた状態で行われる。これにより、垂直状態の磁石挿入孔1bに磁石3を挿入する場合と比べて、挿入された磁石3が下治具20のベース20aに接触する際の衝撃が小さくなる。
したがって、実施形態によれば、挿入工程において発生する磁石3の破片が少なくなることから、積層鉄心1の品質が向上する。
また、実施形態に係る挿入工程では、積層体10を下治具20ごと傾ける際に、積層体10が下治具20から離間しないように積層体10を下治具20に固定してもよい。これにより、磁石3の挿入工程において発生した磁石3の破片が、積層体10の下面1eとベース20aの上面20a1との間に入りこむことを抑制できる。
したがって、実施形態によれば、磁石3の破片によって樹脂注入時の樹脂漏れが生じることを抑制できることから、積層鉄心1の生産性が向上する。また、実施形態によれば、磁石3の破片によって積層体10の下面1eに打痕が生じることを抑制できることから、積層鉄心1の品質が向上する。なお、磁石3の挿入工程が終了した積層体10は、下治具20ごと水平状態に戻る。
図3Aの説明に戻る。磁石3の挿入工程(ステップS102)につづいて、コントローラCtrは、検査装置400を制御して、積層体10の磁石挿入孔1bに磁石3が正常に挿入されているか否かを検査する(ステップS103)。
具体的には、コントローラCtrは、検査装置400において、積層体10の磁石挿入孔1bに挿入された磁石3の上面の高さ位置を測定する。そして、磁石3の上面の高さが所定の高さの範囲内である場合、コントローラCtrは、磁石3が磁石挿入孔1bに正常に挿入されていると判定する。
一方で、磁石3の上面の高さが所定の高さの範囲外である場合、コントローラCtrは、磁石3が磁石挿入孔1bに正常に挿入されていないと判定する。この場合、コントローラCtrは、たとえば、検査中の積層体10において磁石3が正常に挿入されていない旨を作業者等に報知してもよい。
この検査工程を実施することで、磁石3が正常に挿入されていない積層体10が以降の製造工程に流れることを抑制できるため、積層鉄心1の歩留まりが向上する。
検査工程(ステップS103)につづいて、コントローラCtrは、エアブロー装置500を制御して、積層体10に対してエアブローを行う(ステップS104)。図4Aは、実施形態に係るエアブロー工程の一例について説明するための図である。
図4Aに示すように、エアブロー工程では、まず、コントローラCtr(図2参照)が、下治具20のベース20aに対して、図示しないアームなどを用いて積層体10を浮かせる。すなわち、エアブロー工程では、まず、コントローラCtrが、ベース20aの上面20a1と積層体10の下面1eとの間を離間させる。
たとえば、実施形態では、コントローラCtrが、ベース20aの上面20a1と積層体10の下面1eとの間を2(mm)~50(mm)離間させるとよい。なおこの際、磁石3は特にアーム等で支持されていないため、ベース20a上に残る。
次に、コントローラCtrは、図示しないエア吐出機構を制御して、下治具20の樹脂注入孔20cを介してエアAを積層体10の下面1eに向けて吐出する。すなわち、コントローラCtrは、樹脂注入孔20cを介して積層体10の下方から積層体10をエアブローする。
これにより、積層体10の下面1eとベース20aの上面20a1との間に存在する磁石3の破片などの異物を、積層体10の下面1eとベース20aの上面20a1との間に形成された空間を介して外部に掃き出すことができる。
したがって、実施形態によれば、磁石3の破片などの異物によって樹脂注入時の樹脂漏れが生じることを抑制できることから、積層鉄心1の生産性が向上する。また、実施形態によれば、磁石3の破片などの異物によって積層体10の下面1eに打痕が生じることを抑制できることから、積層鉄心1の品質が向上する。
また、実施形態では、下治具20のベース20aに形成された孔部を介して、積層体10の下方から積層体10に対してエアブローを行ってもよい。これにより、積層体10と下治具20のベース20aとの間において磁石3の周辺に多く存在する磁石3の破片を、かかる破片の近くから効率よく外部に掃き出すことができる。
また、積層体10の下方から積層体10に対してエアブローを行うことで、積層体10の側方から積層体10とベース20aとの間に形成された空間に対してエアブローを行う場合と比べて、磁石3の破片などの異物を内側から外部に効率よく掃き出すことができる。
また、実施形態では、エアブローを行う下治具20の孔部として、ベース20aに形成された樹脂注入孔20cを用いてもよい。これにより、積層体10と下治具20のベース20aとの間において磁石3の周辺に多く存在する磁石3の破片を、かかる破片の近くに位置する樹脂注入孔20cから効率よく外部に掃き出すことができる。
また、ベース20aの樹脂注入孔20cを、エアブローを行う下治具20の孔部としても併用することで、下治具20に別の孔部を設ける必要がなくなることから、下治具20の製造コストを低減することができる。
なお、エアブローを行う下治具20の孔部として、ベース20aに形成された樹脂注入孔20cを必ずしも用いなくてもよい。たとえば、後述する樹脂4の注入工程において、積層体10の上方に位置する上治具から樹脂4を注入する場合には、下治具20には樹脂注入孔20cが設けられない。
この場合、たとえば、図4Bに示すように、下治具20に樹脂注入孔20cとは異なる孔部20dを形成し、かかる孔部20dを介して積層体10にエアブローを行ってもよい。図4Bは、実施形態に係るエアブロー工程の別の一例について説明するための図である。
図4Bの例では、孔部20dが、下治具20における中央部の下面側から上方に延びるように形成される。そして、孔部20dは、ポスト20bの基端部において分岐し、複数の水平方向に放射状に広がるように形成される。
これにより、積層体10の下面1eとベース20aの上面20a1との間に存在する磁石3の破片などの異物を、積層体10の下面1eとベース20aの上面20a1との間に形成された空間を介して、内側から外部に効率よく掃き出すことができる。
したがって、図4Bの例によれば、磁石3の破片などの異物によって樹脂注入時の樹脂漏れが生じることを抑制できることから、積層鉄心1の生産性が向上する。また、図4Bの例によれば、磁石3の破片などの異物によって積層体10の下面1eに打痕が生じることを抑制できることから、積層鉄心1の品質が向上する。
ここまで説明した図4Aおよび図4Bの例では、積層体10の下方から積層体10に対してエアブローを行う例について示したが、本開示はかかる例に限られない。図4Cは、実施形態に係るエアブロー工程の別の一例について説明するための図である。
この図4Cの例でも、上記の実施形態と同様に、まず、コントローラCtr(図2参照)が、下治具20のベース20aに対して、図示しないアームなどを用いて積層体10を浮かせる。
次に、コントローラCtrは、図示しないエア吐出機構を制御して、積層体10の孔部1cを介してエアAを積層体10の下面1eとベース20aの上面20a1との間の空間に向けて吐出する。すなわち、コントローラCtrは、積層体10の上方から積層体10の孔部1cを介して積層体10をエアブローする。
これにより、積層体10の下面1eとベース20aの上面20a1との間に存在する磁石3の破片などの異物を、積層体10の下面1eとベース20aの上面20a1との間に形成された空間を介して外部に掃き出すことができる。
したがって、図4Cの例によれば、磁石3の破片などの異物によって樹脂注入時の樹脂漏れが生じることを抑制できることから、積層鉄心1の生産性が向上する。また、図4Cの例によれば、磁石3の破片などの異物によって積層体10の下面1eに打痕が生じることを抑制できることから、積層鉄心1の品質が向上する。
図4Dは、実施形態に係るエアブロー工程の別の一例について説明するための図である。この図4Dの例でも、上記の実施形態と同様に、まず、コントローラCtr(図2参照)が、下治具20のベース20aに対して、図示しないアームなどを用いて積層体10を浮かせる。
次に、コントローラCtrは、図示しないエア吐出機構を制御して、下治具20の樹脂注入孔20cを介してエアAを積層体10の下面1eに向けて吐出する。さらに、コントローラCtrは、図示しないエア吐出機構を制御して、積層体10の孔部1cを介してエアAを積層体10の下面1eとベース20aの上面20a1との間の空間に向けて吐出する。
すなわち、図4Dの例では、コントローラCtrが、積層体10の下方および上方の両方から積層体10をエアブローする。
これにより、積層体10の下面1eとベース20aの上面20a1との間に存在する磁石3の破片などの異物を、積層体10の下面1eとベース20aの上面20a1との間に形成された空間を介して外部に掃き出すことができる。
したがって、図4Dの例によれば、磁石3の破片などの異物によって樹脂注入時の樹脂漏れが生じることを抑制できることから、積層鉄心1の生産性が向上する。また、図4Dの例によれば、磁石3の破片などの異物によって積層体10の下面1eに打痕が生じることを抑制できることから、積層鉄心1の品質が向上する。
また、上記の図4A~図4Dの例では、積層体10をベース20aから浮かせる際に、磁石3をベース20a上に残す例について示したが、本開示はかかる例に限られない。たとえば、積層体10をベース20aから浮かせる際に、磁石3をベース20aの上面20a1から同時に同じ程度浮かせてもよい。
これにより、積層体10および磁石3をベース20aから浮かせる際に、磁石3の側面と磁石挿入孔1bの内壁面との間で摩擦が生じないことで、磁石3の破片が生じることを抑制できる。したがって、実施形態によれば、エアブロー工程において発生する磁石3の破片が少なくなることから、積層鉄心1の生産性および品質が向上する。
なお、磁石3をベース20aの上面20a1から浮かせる手段としては、たとえば、ベース20aの樹脂注入孔20cに対して、下方から上方に向けて突出するリフトピンなどを用いることができる。
図3Aの説明に戻る。エアブロー工程(ステップS104)につづいて、コントローラCtrは、予熱装置600を制御して、エアブローされた積層体10を予熱する(ステップS105)。
予熱装置600は、たとえば加熱された気体またはヒーターを利用して、樹脂4の充填に適した温度となるように積層体10を加熱する。
このように、実施形態では、エアブロー工程の後に予熱工程を行ってもよい。すなわち、実施形態では、挿入工程と予熱工程との間に、エアブロー工程を行ってもよい。
これにより、予熱工程の後にエアブロー工程を行う場合と比べて、予熱された積層体10の温度が以降の注入工程までに大きく低下することを抑制できる。したがって、実施形態によれば、注入工程を円滑に実施することができる。
次に、コントローラCtrは、樹脂注入装置700を制御して、予熱された積層体10において、磁石3が挿入された磁石挿入孔1bに樹脂4を注入する(ステップS106)。これにより、一連の製造工程が終了する。
かかる注入工程は、たとえば、コントローラCtrが、上治具を積層体10の上面1dに載置して、かかる上治具と下治具20とで積層体10を押圧しながら、樹脂注入孔20cを介して磁石挿入孔1bに樹脂4を注入する。これにより、磁石3が積層鉄心1の内部で固定される。
なお、本開示の注入工程は上記の例に限られず、たとえば、上治具に形成される樹脂注入孔を介して、積層体10の磁石挿入孔1bに樹脂4を注入してもよい。
<変形例>
つづいて、実施形態の変形例について、図5Aおよび図5Bを参照しながら説明する。図5Aは、実施形態の変形例に係る積層鉄心1の製造装置100が実行する各製造工程の手順の一例を示すフローチャートである。
図5Aに示すように、コントローラCtrは、まず、電磁鋼板MSに打ち抜き加工を行い、かかる打ち抜き加工で形成された鉄心片Wを積層して積層体10を形成する(ステップS201)。
次に、コントローラCtrは、積層体10の磁石挿入孔1bに磁石3を挿入する(ステップS202)。かかるステップS201およびS202の工程は、上述のステップS101およびS102の工程と同様であるため、詳細な説明は省略する。
次に、コントローラCtrは、積層体10の磁石挿入孔1bに磁石3が正常に挿入されているか否かを検査する(ステップS203)。また、コントローラCtrは、このステップS203の工程と並行して、積層体10に対してエアブローを行う(ステップS204)。
図5Bは、実施形態の変形例に係る検査工程およびエアブロー工程の一例について説明するための図である。図5Bに示すように、変形例では、まず、コントローラCtr(図2参照)が、下治具20のベース20aに対して、図示しないアームなどを用いて積層体10を浮かせる。
次に、コントローラCtrは、図示しないエア吐出機構を制御して、下治具20の樹脂注入孔20cを介してエアAを積層体10の下面1eに向けて吐出する。
さらに、このエアブロー工程と並行して、コントローラCtrは、センサ410を制御して、積層体10の磁石挿入孔1bに挿入された磁石3の上面の高さ位置を測定する。これにより、コントローラCtrは、磁石3が磁石挿入孔1bに正常に挿入されているか否かを検査する。
このように、エアブロー工程と検査工程とを並行して実施することで、積層鉄心1の生産ラインを縮小化することができるとともに、積層鉄心1の生産性を向上させることができる。
なお、図5Bの例では、積層体10の下方からエアブローを行った例について示したが、本開示はかかる例に限られず、積層体10の上方からエアブローを行ってもよいし、積層体10の上方および下方の両方からエアブローを行ってもよい。
図5Aの説明に戻る。検査工程(ステップS203)およびエアブロー工程(ステップS204)につづいて、コントローラCtrは、積層体10を予熱する(ステップS205)。
次に、コントローラCtrは、予熱された積層体10において、磁石3が挿入された磁石挿入孔1bに樹脂4を注入する(ステップS206)。これにより、一連の製造工程が終了する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
複数の鉄心片を積層させた積層体を貫通するように柱状の磁石を挿入する挿入工程と、
前記積層体と前記磁石との間に樹脂を注入する注入工程と、
前記挿入工程と前記注入工程との間に、前記積層体の下方に位置する下治具に対して前記積層体を浮かせながら、前記積層体の上方および下方のうち少なくとも一方から前記積層体に対してエアブローを行うエアブロー工程と、
を含む積層鉄心の製造方法。
(2)
前記エアブロー工程は、前記下治具に形成された孔部を介して前記積層体の下方から行われる
前記(1)に記載の積層鉄心の製造方法。
(3)
前記注入工程は、前記下治具に形成された樹脂注入孔から前記積層体と前記磁石との間に樹脂を注入し、
前記エアブロー工程は、前記樹脂注入孔を介して前記積層体の下方から行われる
前記(2)に記載の積層鉄心の製造方法。
(4)
前記エアブロー工程は、前記積層体の上方から前記積層体を貫通するように形成された孔部に対して行われる
前記(1)~(3)のいずれか一つに記載の積層鉄心の製造方法。
(5)
前記挿入工程は、
前記積層体に形成された磁石挿入孔が水平状態となるように前記積層体を前記下治具ごと傾けた状態で行われ、
前記積層体を前記下治具ごと傾ける際に、前記積層体が前記下治具から離間しないように前記積層体を前記下治具に固定する
前記(1)~(4)のいずれか一つに記載の積層鉄心の製造方法。
(6)
前記挿入工程の後に、前記積層体に対する前記磁石の高さ位置を測定して前記磁石の挿入具合を検査する検査工程、をさらに含み、
前記エアブロー工程と前記検査工程とが同一工程で行われる
前記(1)~(5)のいずれか一つに記載の積層鉄心の製造方法。
(7)
前記注入工程の前に、前記磁石が挿入された前記積層体を予熱する予熱工程、をさらに含み、
前記エアブロー工程は、前記挿入工程と前記予熱工程との間に行われる
前記(1)~(6)のいずれか一つに記載の積層鉄心の製造方法。
1 積層鉄心
1b 磁石挿入孔
1c 孔部
1e 下面
3 磁石
4 樹脂
5 カシメ部
10 積層体
20 下治具
20a ベース
20a1 上面
20b ポスト
100 製造装置
200 打ち抜き装置
300 磁石挿入装置
400 検査装置
500 エアブロー装置
600 予熱装置
700 樹脂注入装置
W 鉄心片

Claims (7)

  1. 複数の鉄心片を積層させた積層体を貫通するように柱状の磁石を挿入する挿入工程と、
    前記積層体と前記磁石との間に樹脂を注入する注入工程と、
    前記挿入工程と前記注入工程との間に、前記積層体の下方に位置する下治具に対して前記積層体を浮かせながら、前記積層体の上方および下方のうち少なくとも一方から前記積層体に対してエアブローを行うエアブロー工程と、
    を含む積層鉄心の製造方法。
  2. 前記エアブロー工程は、前記下治具に形成された孔部を介して前記積層体の下方から行われる
    請求項1に記載の積層鉄心の製造方法。
  3. 前記注入工程は、前記下治具に形成された樹脂注入孔から前記積層体と前記磁石との間に樹脂を注入し、
    前記エアブロー工程は、前記樹脂注入孔を介して前記積層体の下方から行われる
    請求項2に記載の積層鉄心の製造方法。
  4. 前記エアブロー工程は、前記積層体の上方から前記積層体を貫通するように形成された孔部に対して行われる
    請求項1~3のいずれか一つに記載の積層鉄心の製造方法。
  5. 前記挿入工程は、
    前記積層体に形成された磁石挿入孔が水平状態となるように前記積層体を前記下治具ごと傾けた状態で行われ、
    前記積層体を前記下治具ごと傾ける際に、前記積層体が前記下治具から離間しないように前記積層体を前記下治具に固定する
    請求項1~3のいずれか一つに記載の積層鉄心の製造方法。
  6. 前記挿入工程の後に、前記積層体に対する前記磁石の高さ位置を測定して前記磁石の挿入具合を検査する検査工程、をさらに含み、
    前記エアブロー工程と前記検査工程とが同一工程で行われる
    請求項1~3のいずれか一つに記載の積層鉄心の製造方法。
  7. 前記注入工程の前に、前記磁石が挿入された前記積層体を予熱する予熱工程、をさらに含み、
    前記エアブロー工程は、前記挿入工程と前記予熱工程との間に行われる
    請求項1~3のいずれか一つに記載の積層鉄心の製造方法。
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