JP2024058717A - 包装用フィルムおよび包装体 - Google Patents

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【課題】手切れ性に優れた包装用フィルムおよびこの包装フィルムを使用した包装体を提供する。【解決手段】ヒートシール性を有する第一ポリエチレンテレフタレートフィルム11と、第一ポリエチレンテレフタレートフィルム11に積層された、手切れ性に優れる第二ポリエチレンテレフタレートフィルム12と、第一ポリエチレンテレフタレートフィルム11と第二ポリエチレンテレフタレートフィルム12とを接着する接着剤20と、を有しており、第二ポリエチレンテレフタレートフィルム12が易引裂性を有するフィルムであり、接着剤20がポリエステル系接着剤である。【選択図】図1

Description

本発明は、包装用フィルムおよび包装体に関する。さらに詳しくは、化粧品など包装に使用される包装用フィルムおよびこの包装用フィルムを使用した包装体に関する。
化粧水などの化粧品や医薬品、食料品を収容する包装材には、太陽光等の透過を防ぐ機能や酸素ガスや湿度等による化粧品の劣化を防ぐ機能等が求められている。具体的には、遮光性やガスバリア性等の機能が求められており、かかる機能を満たす包装材の材料として、複数層のシートを積層した積層シートが種々開発されており、かかる積層シートでは、単独の層によってまたは複数層によって遮光性やガスバリア性を維持している。
近年、環境に対する負荷を小さくするために、包装材についても使用後の再資源化ができるものが求められており、再資源化を容易にするために、積層シートの素材を単一素材で形成するモノマテリアル化が進められている。例えば、シーラント層も含めて耐熱性や耐溶剤性、また、低吸着性等に優れるポリエチレンテレフタレート(PET)のみで形成したフィルムも開示されている(例えば特許文献1参照)。
特開2020-196253号公報 特開2022-049773号公報 特開2022-089780号公報
ところで、小分けにされて包装材に封入されている化粧品等の場合、包装材の封を切る際に、ハサミなどを使用せずに手で包装材の封を切ることが求められており、かかる包装材として手切れ性に優れたフィルムも開発されている(特許文献2、3参照)。
しかし、ポリエチレンテレフタレートで形成した層を有するフィルム、とくに、シーラント層をヒートシール性を有するポリエチレンテレフタレートで形成したフィルムでは手切れ性が低下するという問題があり、かかる問題を解決したフィルムが求められている。
本発明は上記事情に鑑み、手切れ性に優れた包装用フィルムおよびこの包装フィルムを使用した包装体を提供することを目的とする。
第1発明の包装用フィルムは、ヒートシール性を有する第一ポリエチレンテレフタレートフィルムと、前記第一ポリエチレンテレフタレートフィルムに積層された、手切れ性に優れる第二ポリエチレンテレフタレートフィルムと、前記第一ポリエチレンテレフタレートフィルムと前記第二ポリエチレンテレフタレートフィルムとを接着する接着剤と、を有しており、前記第二ポリエチレンテレフタレートフィルムが易引裂性を有するフィルムであり、前記接着剤がポリエステル系接着剤であることを特徴とする。
第2発明の包装用フィルムは、第1発明において、前記第一ポリエチレンテレフタレートフィルムと第二ポリエチレンテレフタレートフィルムとの間に、ガスバリア性を有する第三ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられており、該包装用フィルムは、JIS K 7129Bで測定される水蒸気透過率が0.08g/m・day以下であり、JIS K 7126Bで測定される酸素透過率が3.0ml/m・day・MPa以下であることを特徴とする。
第3発明の包装用フィルムは、第2発明において、前記第三ポリエチレンテレフタレートフィルムは、JIS K 7129Bで測定される水蒸気透過率が0.05~0.1g/m・day、かつ、JIS K 7126Bで測定される酸素透過率が2.0~4.0ml/m・day・MPaのフィルムであることを特徴とする。
第4発明の包装用フィルムは、第2発明において、前記第三ポリエチレンテレフタレートフィルムと前記第二ポリエチレンテレフタレートフィルムとの間に、アルミ蒸着層またはアルミ蒸着層を有する第四ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられていることを特徴とする。
第5発明の包装用フィルムは、第1発明において、前記第一ポリエチレンテレフタレートフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムの含有割合が80~90%であることを特徴とする。
<包装体>
第6発明の包装体は、第1、第2、第3、第4または第5発明のいずれかに記載の包装用フィルムで形成されたことを特徴とする。
第7発明の包装体は、スタンディングパウチであることを特徴とする。
<包装用フィルム>
第1発明によれば、包装用フィルムの手切れ性を良好なものとすることができる。また、ポリエチレンテレフタレートのみで形成されたフィルムであるので、再利用が容易になる。
第2~第4発明によれば、ガスバリア性を高くできるので、包装用フィルムで包装した物質の変質を防止する効果を高くできる。
第5発明によれば、第一ポリエチレンテレフタレートのヒートシール性を高くしつつ、再利用性も向上できる。
<包装体>
第6、第7発明によれば、開封がしやすく、被包装物の品質の劣化も防止できる。
本実施形態の包装フィルムの概略説明図であり、(A)は3枚のPETフィルム11~13を積層した3層の積層フィルム10の概略説明図であり、(B)は2枚のPETフィルム11、12を積層した2層の積層フィルム10の概略説明図である。 4層の積層フィルム10の概略説明図であって、(A)は第四PETフィルム14を有する積層フィルム10の概略説明図であり、(B)はアルミ蒸着層13aを有する積層フィルム10の概略説明図である。 (A)手で開封した後の実施例の包装フィルムの写真と(B)手で開封した後の比較例の包装フィルム10の写真である。
本実施形態の包装用フィルムは、被包装物を包装するために使用されるフィルムであって、包装体とした場合に、開封がしやすく、被包装物の品質の劣化も防止できるという特徴を有するものである。
<本実施形態の包装体>
本実施形態の包装用フィルムは、化粧品などの薬品や食品、雑貨などの被包装物を包装する包装体の素材として使用される。本実施形態の包装用フィルムによって形成される包装体の形状や大きさ、構造はとくに限定されない。例えば、2枚のシートの周囲を張り合わせて形成された一般的な平パウチや、底部に折り込みを入れることにより自立性を持たせたスタンディングパウチ、左右にマチを設けたガゼットパウチなど、種々の構造を有する包装体の素材として、本実施形態の包装用フィルムを採用することができる。かかる本実施形態の包装用フィルムを採用して形成された包装体が、本実施形態の包装体になる。
<本実施形態の包装用フィルム>
本実施形態の包装用フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET、以下、単にPETという場合がある)によって形成された複数のフィルムを積層して形成された積層フィルムである。つまり、本実施形態の包装用フィルムは、同一材料で製造されたPETフィルムで形成された積層フィルムである。しかも、本実施形態の包装用フィルムは、包装体を形成する際に内側に位置するフィルム(以下最内層フィルムという場合がある)にヒートシール性を有するものを採用している。つまり、本実施形態の包装用フィルムは、最内層フィルムとして、最内層フィルム同士を合わせて熱を加えると最内層フィルム同士が融着する性質を有するフィルムを採用している。
このため、本実施形態の包装用フィルムを使用すれば、最内層フィルム同士を合わせて熱を加えることで最内層フィルムによって囲まれた空間を有する包装体を形成することができる。つまり、本実施形態の包装用フィルムを使用すれば、外部から密閉した状態で内部に被包装物を収容できる包装体を形成することができる。しかも、本実施形態の包装用フィルムは、同一材料で製造されたPETフィルムで形成されているので、使用後の包装体の処理(例えば再利用や廃棄処理等)が行いやすくなる。
また、PETフィルムは、単体フィルムでも、耐熱性、アルコール、ケトン溶媒などの有機溶剤に対するバリア性、保香性(香り成分の透過を防ぐ機能)、耐溶剤性(有機溶媒に対して変化しない性質)を有しており、PETフィルムを製造する際に使用される材料などを調整することによってPETフィルムの性質を調整することができる。したがって、複数のPETフィルムを積層した積層PETフィルムとした場合には、PETフィルムの組み合わせを調整することによって、所定の機能を発揮する積層PETフィルムとすることができる。つまり、積層PETフィルムである本実施形態の包装用フィルムを包装体の材料として使用すれば、所定の機能を有する包装体を形成することができる。
本明細書において「同一材料で製造されたPETフィルム」とは、PETフィルムを製造する際に使用される材料がほぼ同じ材料であることを意味している。PETはエチレングリコールとテレフタル酸の脱水縮合により得られたものであるが、製膜剤や着色料、フィルムを成形する際に使用する成形助剤などを含んでいる場合がある。本明細書において「同一材料で製造されたPETフィルム」には製膜剤が含まれるものも含まれており、製膜剤の材料や配合量が異なるものも「同一材料で製造されたPETフィルム」に含まれる。また、PETフィルムの表面に特定の物質(例えば、アルミニウムや二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ポリビニルアルコール系コート剤等)が蒸着や塗布されている(つまり蒸着層や塗布層を有している)ものは、その蒸着量や塗布量が少ない場合(例えば、特定の物質の重量がPETフィルム全重量の5%以下、好ましくは3%以下の場合)には、「同一材料で製造されたPETフィルム」に含まれる。
<本実施形態の包装用フィルムの製造方法>
本実施形態の包装用フィルムは、表面に接着剤が塗布されたPETフィルムを重ねあわせて加圧することによって重ね合わせたPETフィルム同士を接着して形成されている。PETフィルムに接着剤を塗布する方法や接着剤が塗布されたPETフィルム同士を重ね合わせる方法はとくに限定されず、一般的な積層フィルムを製造する方法を採用することができる。
なお、2枚以上のPETフィルムを積層する場合には、PETフィルムを順次積層していくことになる。
例えば、図1(A)に示すように、3枚のPETフィルム11~13を積層して3層の積層フィルム10とする場合には、まず、第一PETフィルム11の表面(図1(A)では上側の面)に接着剤21を塗布し、接着剤21が塗布された第一PETフィルム11の表面に第三PETフィルム13を積層し両者を接着する。ついで、第三PETフィルム13の表面(図1(A)では上側の面)に接着剤22を塗布し、接着剤22が塗布された第三PETフィルム13の表面に第二PETフィルム12を積層し両者を接着する。すると、3枚のPETフィルム11~13を積層した3層の積層フィルム10(本実施形態の包装フィルム)とすることができる。
また、図1(A)に示すように、3枚のPETフィルム11~13を積層して3層の積層フィルム10とする場合には、以下の方法を採用してもよい。まず、第二PETフィルム12の表面(図1(A)では下側の面)に接着剤22を塗布し、接着剤22が塗布された第二PETフィルム12の表面に第三PETフィルム13を積層し両者を接着する。ついで、第三PETフィルム13の表面(図1(A)では下側の面)に接着剤21を塗布し、接着剤21が塗布された第三PETフィルム13の表面に第一PETフィルム11を積層し両者を接着する。すると、3枚のPETフィルム11~13を積層した3層の積層フィルム10とすることができる。
以上のような方法でPETフィルムを積層すれば、3枚以上のPETフィルムが積層された積層フィルム10も製造することができる。つまり、最外層に位置するPETフィルムの表面に接着剤を塗布しPETフィルムを積層して接着していけば、3枚以上のPETフィルムが積層された積層フィルム10も製造することができる。
<各PETフィルムの説明>
本実施形態の包装用フィルムは、複数枚のPETフィルムを積層して形成された積層フィルムであり、積層されるPETフィルムには上述した「同一材料で製造されたPETフィルム」に該当するものであれば種々のPETフィルムを採用することができる。
例えば、図1(A)に示すように、3枚のPETフィルム11~13を積層して3層の積層フィルム10とする場合には、3枚のPETフィルム11~13、つまり、第一PETフィルム11、第二PETフィルム12、第三PETフィルム13として以下のようなPETフィルムを採用すれば、手切れ性や水蒸気透過率、酸素透過率に優れた積層フィルム10を形成することができる。
<第一PETフィルム11>
第一PETフィルム11は、ヒートシール性を有するPETフィルムである。この第一PETフィルム11は、ヒートシール性を有するPETフィルムであれば採用することができる。例えば、日生化学株式会社製のヒートシール性を有するPETフィルム(製品名:HS-PET(C))を第一PETフィルム11として使用すれば、第一PETフィルム11のヒートシール性を高くしつつ、積層フィルム10によって形成された包装体の再利用性も向上できる。また、ポリエチレンテレフタレート100質量部に対し、スチレン-(メタ)アクリル酸メチル-メタクリル酸グルシジル共重合体1~3質量部および製膜滑剤0.05~1.5質量部を含む樹脂組成物をフィルム状としたPETフィルム(高性能ヒートシールPETフィルム)を使用しても、第一PETフィルム11のヒートシール性を高くしつつ、積層フィルム10によって形成された包装体の再利用性も向上できる。
また、第一PETフィルム11は、上述した性質に加えて、低吸着性や保香性を有しているものが望ましい。上述したHS-PET(C)を使用すれば、ヒートシール性に加えて、低吸着性や保香性も良好な状態とすることができる。
第一PETフィルム11の厚さはとくに限定されない。例えば、20~50μmの厚さを有する第一PETフィルム11、好ましくは、20~40μmの厚さを有する第一PETフィルム11、さらに好ましくは30~40μmの厚さを有する第一PETフィルム11を使用することができる。
<第二PETフィルム12>
第二PETフィルム12は、手切れ性に優れるPETフィルム、つまり、易引裂性を有するPETフィルムである。例えば、JIS C2318で測定される端裂抵抗が100N以下、好ましくは50N以下、より好ましくは45N以下のPETフィルムを第二PETフィルム12として使用することができる。例えば、二軸延伸ポリエステルフィルム(製品名:ティアファイン 東洋紡株式会社製)を第二PETフィルム12として使用することができる。
なお、第二PETフィルム12の易引裂性は、JIS C2318で測定される端裂抵抗に限らず、JIS K7128-1測定される引裂伝播抵抗で評価してもよい。
また、JIS C2318で測定される端裂抵抗とJIS K7128-1測定される引裂伝播抵抗が所定の条件を満たすものを第二PETフィルム12として使用してもよい。すると、いずれか一方を満たすが他方を満たさないPETフィルムよりも、易引裂性が高いものとすることができる。
また、第二PETフィルム12の厚さはとくに限定されない。例えば、12~25μmの厚さを有する第二PETフィルム12を使用することができる。
<第三PETフィルム13>
第三PETフィルム13は、ガスバリア性を有するPETフィルムである。この第三PETフィルム13は、水蒸気透過率および酸素透過率に優れたものである。例えば、第三PETフィルム13には、JIS K 7129Bで測定される水蒸気透過率が0.08g/m・day、かつ、JIS K 7126Bで測定される酸素透過率が3.0ml/m・day・MPaのPETフィルムを採用することができる。
なお、第三PETフィルム13の水蒸気透過率は上記値に限られず、JIS K 7129Bで測定される水蒸気透過率が、0.05~0.1g/m・dayであればよく、好ましくは0.07~0.09g/m・dayであればよい。
また、JIS K 7126Bで測定される酸素透過率上記値に限られず、2.0~4.0ml/m・day・MPa、好ましくは2.5~3.5ml/m・day・MPaであればよい。
また、第三PETフィルム13の厚さはとくに限定されない。例えば、12~25μmの厚さを有する第三PETフィルム13を使用することができる。
また、第三PETフィルム13として上記性能を有しかつ透明なフィルムとする場合には、透明蒸着層が設けられる。
<接着剤層20>
接着剤層20は、第一PETフィルム11と第三PETフィルム13とを接着する第一接着剤層21と、第二PETフィルム12と第三PETフィルム13とを接着する第二接着剤層22とを有している。この第一接着剤層21および第二接着剤層22は、いずれもポリエステル系接着剤で形成された層である。例えば、包装フィルム10を、化粧品を包装する包装フィルムとして使用する場合には、第一接着剤層21および第二接着剤層22を形成する接着剤は、アルコール耐性を有するポリエステル系接着剤を使用することが望ましい。
なお、接着剤層20における第一接着剤層21および第二接着剤層22を形成する接着剤は同じ接着剤であってもよいし、異なる接着剤であっでもよい。接着するPETフィルムに合わせて適切な接着剤を採用すればよい。
上述した第一~第三PETフィルム11~13を上述した接着剤20によって接着して形成された積層フィルム10、つまり、本実施形態の包装用フィルムであれば、JIS K 7129Bで測定される水蒸気透過率が0.8g/m・day以下、かつ、JIS K 7126Bで測定される酸素透過率が3.0ml/m・day・MPa以下を満たすフィルムとなる。
しかも、積層フィルム10の手切れ性を良好な状態とすることができる。つまり、積層フィルム10によって形成された包装体を、女性などの力の弱い人でも容易に手で切ることができるし、きれいな切断端縁とすることができる。
なお、本明細書では、手切れ性は、積層フィルム10を手で切ったときに、小さい力で切れる性質に加えて、手で切った場合における切断端縁が直線状(例えば凹凸が小さい状態)となるように切断できる性質を意味している。
<他の積層フィルム10>
積層フィルム10は、第三PETフィルム13を有しないものであってもよい。つまり、第一PETフィルム11、第二PETフィルム12だけで形成されていてもよい(図1(B)参照)。この場合でも、上記のような第一PETフィルム11および第二PETフィルムを採用し、上述した接着剤20によって両者を接着して形成すれば、手切れ性に優れた積層フィルム10とすることができる。
また、積層フィルム10は、アルミ蒸着層13aを設けて四層の積層フィルムとしてもよい(図2(B)参照)。例えば、第二PETフィルム12と第三PETフィルム13との間にアルミ蒸着層13aを設ければ、積層フィルム10のガスバリア性を向上できるし、積層フィルム10に遮光性を追加することができる。例えば、第三PETフィルム13として、アルミ蒸着層13aを有するPETフィルムを使用すれば、ガスバリア性および遮光性の高い積層フィルム10とすることができる。
なお、積層フィルム10は、第三PETフィルム13とは別に、アルミ蒸着層を有する第四PETフィルム14を有していてもよい。つまり、第二PETフィルム12と第三PETフィルム13との間にPETフィルムの表面にアルミ蒸着層14aを有する第四PETフィルム14を設けてもよい。かかる第四PETフィルム14を設ければ、第三PETフィルム13にアルミ蒸着層13aを設けた場合と同様に、積層フィルム10のガスバリア性を向上できるし、積層フィルム10に遮光性を追加することができる。この場合、第二PETフィルム12と第四PETフィルム14とが第二接着剤層22で接着され、第三PETフィルム13と第四PETフィルム14とが第三接着剤層23で接着されることになる。
なお、第四PETフィルム14のPETフィルムには、一般的なアルミ蒸着PETフィルムを使用することができる。
また、第四PETフィルム14の厚さはとくに限定されない。例えば、12~25μmの厚さを有する第四PETフィルム14を使用することができる。
本発明の包装用フィルムが手切れ性に優れていることを確認した。
実験で使用した実施例の包装用フィルムは、第一PETフィルムとして厚さ30μmのHS-PET(C)(日生化学株式会社製)、第二PETフィルムとして厚さ14μmのティアファイン(東洋紡株式会社製)、第三PETフィルムとして厚さ12μmの透明PETフィルム、第四PETフィルムとしてアルミ蒸着層を有する厚さ12μmのPETフィルム(東レフィルム加工株式会社製 製品名1310)を使用し、これらのPETフィルムをアルコール耐性を有するポリエステル系接着剤で接着したものである。
なお、第三PETフィルムのJIS K 7129Bで測定される水蒸気透過率は0.08g/m・dayであり、JIS K 7126Bで測定される酸素透過率は3.0ml/m・day・MPaである。
実験で使用した比較例の包装用フィルムは、実施例の包装用フィルムのうち、第一PETフィルムの厚さを50μmに変更し、第二PETフィルムを厚さ12μmのフタムラ化学株式会社製 製品名FE2201に変更したものである。
上記実施例の包装用フィルムと比較例の包装用フィルムを用いて平パウチの包装体を形成し、手切れ性を確認した。
図3に示すように、実施例、比較例のいずれも手で切断することはできたが、実施例の包装用フィルムでは切断に必要とする力が小さく、しかも、切断した端縁が直線上となるように切断できていることが確認できる(図3(A)参照)。
一方、比較例の包装用フィルムでは、切断の際にフィルムが伸びる現象が生じ、実施例の包装用フィルムよりも切断に必要とする力が大きくなった。しかも、フィルムが伸びる現象に起因して、切断した端縁はギザギザになることが確認された(図3(B)参照)。
以上のように、本発明の包装用フィルムは手切れ性に優れており、平パウチとして包装体を形成した場合に、開封が容易であり、しかも、開封した端縁をきれいな形状とすることが確認された。
本発明の包装用フィルムは、化粧品などの薬品や食品、雑貨などの被包装物を包装する包装体を形成するフィルムに適している。
10 積層フィルム
11 第一PETフィルム
12 第二PETフィルム
13 第三PETフィルム
13a アルミ蒸着層
14 第四PETフィルム
14a アルミ蒸着層
20 接着剤
21 第一接着剤層
22 第二接着剤層
23 第三接着剤層

Claims (7)

  1. ヒートシール性を有する第一ポリエチレンテレフタレートフィルムと、
    前記第一ポリエチレンテレフタレートフィルムに積層された、手切れ性に優れる第二ポリエチレンテレフタレートフィルムと、
    前記第一ポリエチレンテレフタレートフィルムと前記第二ポリエチレンテレフタレートフィルムとを接着する接着剤と、を有しており、
    前記第二ポリエチレンテレフタレートフィルムが易引裂性を有するフィルムであり、
    前記接着剤がポリエステル系接着剤である
    ことを特徴とする包装用フィルム。
  2. 前記第一ポリエチレンテレフタレートフィルムと第二ポリエチレンテレフタレートフィルムとの間に、ガスバリア性を有する第三ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられており、
    該包装用フィルムは、
    JIS K 7129Bで測定される水蒸気透過率が0.08g/m・day以下であり、
    JIS K 7126Bで測定される酸素透過率が3.0ml/m・day・MPa以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の包装用フィルム。
  3. 前記第三ポリエチレンテレフタレートフィルムは、
    JIS K 7129Bで測定される水蒸気透過率が0.05~0.1g/m・day、かつ、
    JIS K 7126Bで測定される酸素透過率が2.0~4.0ml/m・day・MPaのフィルムである
    ことを特徴とする請求項2記載の包装用フィルム。
  4. 前記第三ポリエチレンテレフタレートフィルムと前記第二ポリエチレンテレフタレートフィルムとの間に、アルミ蒸着層またはアルミ蒸着層を有する第四ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられている
    ことを特徴とする請求項2記載の包装用フィルム。
  5. 前記第一ポリエチレンテレフタレートフィルムが、
    ポリエチレンテレフタレート100質量部に対し、スチレン-(メタ)アクリル酸メチル-メタクリル酸グルシジル共重合体1~3質量部および製膜滑剤0.05~1.5質量部を含む樹脂組成物である
    ことを特徴とする請求項1記載の包装用フィルム。
  6. 請求項1、2,3、4または5記載の包装用フィルムで形成された
    ことを特徴とする包装体。
  7. スタンディングパウチである
    ことを特徴とする請求項6記載の包装体。
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