JP2024058160A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の加熱コイルを用いる場合に、それぞれの加熱コイルの駆動周波数を合わせにいく過渡状態において、ノイズの発生を防ぐ。【解決手段】被加熱物を誘導加熱する少なくとも2つの加熱コイル1A、1Bと、加熱コイル1A、1Bそれぞれに対応して設けられ、その対応する加熱コイルに電力を供給するインバータ装置2と、インバータ装置2を制御する制御機器3とを備え、インバータ装置2から一方の加熱コイル1Aに所定の駆動周波数の電力が供給されている状態において、インバータ装置2から他方の加熱コイル1Bに電力を供給し始める場合に、制御機器3が、双方の加熱コイル1A、1Bに、少なくとも所定の駆動周波数よりも高い初動周波数の電力を供給し、その後、一方の加熱コイル1Aの出力が目標出力に一致するまで、双方の加熱コイル1A、1Bに供給する電力の周波数を下げることを特徴とする誘導加熱装置。【選択図】図2

Description

本発明は、被加熱物を誘導加熱する誘導加熱装置に関するものである。
この種の誘導加熱装置としては、特許文献1に示すように、例えば調理用鍋などの被加熱物を加熱するIH調理器等に用いられており、複数の被加熱物を同時に誘導加熱できるようにするべく、複数の加熱コイルを備えたものがある。
複数の加熱コイルを同時に用いる場合、図9に示すように、それぞれの被加熱物の共振カーブが異なることから、各被加熱物の火力を調整した結果、各加熱コイルの駆動周波数がとある周波数差(例えば10kHz前後)になると、その周波数差によるノイズが発生する。
かかるノイズが発生した場合、火力を調整して周波数差を変えればノイズを解消することはできるが、この場合は、所望の火力を得ることができなくなるといった問題が生じる。
特開2021-103674号公報
そこで、本願発明者は、本発明の開発にあたり、以下の構成を中間的に考えた。
すなわち、例えば2つの加熱コイルを用いる場合、まずは、一方の加熱コイルの駆動周波数を、目標出力の得られている他方の加熱コイルの駆動周波数に合わせ、そこから、一方の加熱コイルの駆動周波数を維持しつつ、例えばデューティ比を変更することで目標出力を得る、といった構成である。
このような構成であれば、2つの加熱コイルの駆動周波数を合わせてから、一方の加熱コイルのデューティ比を変更することで目標出力を得ているので、周波数差によるノイズの発生を防ぎつつ、双方の加熱コイルそれぞれの火力を所望の大きさに調整することが可能となる。
ところが、単にこの構成を採用した場合、駆動周波数を合わせた後はノイズの発生を防ぐことができるものの、図10に示すように、駆動周波数を合わせにいく過程で、やはり周波数差が例えば10kHz前後になるタイミングがあり、そのタイミングでのノイズの発生を防ぐことができない。
そこで、本発明は、上述した問題を一挙に解決すべくなされたものであり、複数の加熱コイルを用いる場合に、それぞれの加熱コイルの駆動周波数を合わせにいく過渡状態において、ノイズの発生を防ぐことを課題とするものである。
すなわち本発明に係る誘導加熱装置は、被加熱物を誘導加熱する少なくとも2つの加熱コイルと、前記加熱コイルそれぞれに対応して設けられ、その対応する加熱コイルに電力を供給するインバータ装置と、前記インバータ装置を制御する制御機器とを備え、前記インバータ装置から一方の前記加熱コイルに所定の駆動周波数の電力が供給されている状態において、前記インバータ装置から他方の前記加熱コイルに電力を供給し始める場合に、前記制御機器が、双方の前記加熱コイルに、少なくとも前記所定の駆動周波数よりも高い初動周波数の電力を供給し、その後、一方の前記加熱コイルの出力が目標出力に一致するまで、双方の前記加熱コイルに供給する電力の周波数を下げることを特徴とするものである。
このように構成された誘導加熱装置によれば、ある加熱コイルに電力が供給されている状態から、別の加熱コイルに電力を供給し始める過渡状態のスタート時点において、双方の加熱コイルに所定の初動周波数の電力を供給するので、その初動周波数を例えば同期させながら下げていくことで、周波数差を生じさせることなく、過渡状態におけるノイズの発生を防ぐことができる。
ここで、一方の加熱コイルの出力が目標出力に一致した後の制御態様としては、その時点における駆動周波数を維持しつつ、例えばデューティ比を変更することで他方の加熱コイルの出力を目標出力に一致させる態様が考えられる。
しかしながら、用いられている鍋等の調理機器によっては、他方の加熱コイルの出力を目標出力に一致させるためにデューティ比をどの程度変更すれば良いかは予測できず、一方の加熱コイルの駆動周波数を維持した状態でデューティ比を増やしたとしても、確実に目標出力に到達するとは限らない。その結果、他方の加熱コイルの出力が目標出力に到達しなければ、その後の制御が煩雑になり兼ねない。
そこで、確実に双方の加熱コイルの出力を目標出力に一致させるためには、前記制御機器が、一方の前記加熱コイルの出力が目標出力に一致するまで、双方の前記加熱コイルに供給する電力の周波数を下げた後、他方の前記加熱コイルの出力が目標出力に一致するまで、双方の前記加熱コイルに供給する電力の周波数をさらに下げ続けることが好ましい。
このような構成であれば、他方の加熱コイルの出力が目標出力に一致した際の周波数は、それ以前に一方の加熱コイルの出力が目標出力となった後に得られたものであり、その状態か一方の加熱コイルの出力を再び目標出力に合わせることは、出力を絞る方向の制御となるので、その制御の煩雑化を避けられる。これにより、双方の加熱コイルの出力を、より確実に目標出力に制御することが可能となる。
より具体的な構成としては、前記制御機器が、他方の前記加熱コイルの出力が目標出力に一致するまで、双方の前記加熱コイルに供給する電力の周波数を下げ続けた後、一方の前記加熱コイルに対応する前記インバータ装置を、他方の前記加熱コイルに対応する前記インバータ制御装置とは異なる制御態様により制御する構成を挙げることができる。
このような構成であれば、例えば、他方の加熱コイルの出力が目標出力に一致するまでの過渡状態では、オンデューティ比を固定した制御態様としつつ、その後の定常状態では、他方の加熱コイルに供給する電力のみ非対称なオンデューティ比とした制御に切り替えれば良く、プログラムの簡素化を図れる。
前記制御機器が、双方の前記加熱コイルに供給する電力の周波数を同期させながら前記初動周波数から下げることが好ましい。
これならば、過渡状態におけるノイズをより確実に防ぐことができる。
前記初動周波数が、OFF状態にある前記加熱コイルをON状態に切り替えた場合に当該加熱コイルに供給される電力の既定周波数であることが好ましい。
これならば、制御プログラムを煩雑にすることなく、本願発明の作用効果を発揮させることができる。
このように構成した本発明によれば、複数の加熱コイルを用いる場合に、それぞれの加熱コイルの駆動周波数を合わせにいく過渡状態において、ノイズの発生を防ぐことができる。
本実施形態における誘導加熱装置の全体構成を示す模式図。 同実施形態における制御機器の動作を示すフローチャート。 同実施形態における第1制御態様を説明するための参考図。 同実施形態における加熱コイルの駆動周波数の変更範囲を示すグラフ。 同実施形態における第2制御態様を説明するための参考図。 同実施形態における第3制御態様を説明するための参考図。 同実施形態における駆動周波数の経時変化を示すグラフ。 同実施形態における出力(電力)の経時変化を示すグラフ。 共振カーブとノイズとの関係を説明するための参考図。 中間的に開発された構成における問題点を説明するための参考図。
以下、本発明に係る誘導加熱装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る誘導加熱装置100は、例えばIH調理器等に用いられるものであり、調理用鍋などの被加熱物を誘導加熱するものである。
具体的に誘導加熱装置100は、図1に示すように、被加熱物を誘導加熱する加熱コイル1と、加熱コイル1に電力を供給するインバータ装置2と、インバータ装置2を制御する制御機器3とを備えている。
さらに誘導加熱装置100は、同図1に示すように、加熱コイル1に直列接続された共振コンデンサ及び当該共振コンデンサに並列接続された共振コイル要素からなるLC並列共振回路4と、インバータ装置2に供給される電流を検出する電流検出部Iと、商用電源からインバータ装置2に供給される電圧を検出する電圧検出部Vとを備えている。
加熱コイル1は、調理用鍋などが載置されるトッププレート(不図示)の下に設けられ、当該トッププレートを介して調理用鍋を誘導加熱するものである。本実施形態では、2つの加熱コイル1が設けられている。ただし、加熱コイル1の数はこれに限らず、少なくとも2つ設けられていれば良い。
インバータ装置2は、加熱コイル1それぞれに対応して設けられており、具体的には、加熱コイル1に高周波電流を供給するインバータ回路21と、インバータ回路21を駆動する駆動回路22とから構成されている。
インバータ回路21は、商用電源から供給される電圧を高周波に変換して、加熱コイル1に高周波電流を供給するものであり、ここでは、スイッチング素子SWを用いたハーフブリッジ方式のものである。ただし、インバータ回路21の具体的な構成は、例えばフルブリッジ方式のものなど、適宜変更して構わない。
駆動回路22は、インバータ回路21を構成するスイッチング素子SWを動作させるものであり、後述する制御機器3からの制御信号に基づいてスイッチング素子SWのオン・オフを切り替えるものである。
制御機器3は、被加熱物を所望の火力により加熱するようにインバータ装置2を制御するものであり、インバータ装置2から加熱コイル1に供給される電力の周波数である駆動周波数を制御する。
本実施形態の制御機器3は、図1に示すように、それぞれのインバータ装置2を制御する個別制御部31としての機能と、これらの個別制御部31を統括制御するメイン制御部32としての機能とを備えている。
個別制御部31は、上述した電流検出部I及び電圧検出部Vにより検出される検出電流及び検出電圧に基づいて、実際の電力(すなわち、実際の出力)である実電力を算出する電力算出部311と、この実電力が目標電力(すなわち、目標出力)に近づくようにインバータ装置2を制御するインバータ制御部312としての機能を発揮するものである。
メイン制御部32は、ユーザにより操作されるコントローラであり、ユーザが設定した加熱コイルの火力に対応する電力(すなわち、出力)を目標電力としてインバータ制御部に出力する電力指令部321と、インバータ制御部312による制御態様を切り替える制御態様指令部322としての機能を発揮するものである。
以下では、制御機器3の具体的な制御動作について説明する。
なお、説明の便宜上、2つの加熱コイル1の一方を第1加熱コイル1Aと、他方を第2加熱コイル1Bと称し、第1加熱コイル1Aに電力を供給するインバータ装置2を第1インバータ装置2Aと、第2加熱コイル1Bに電力を供給するインバータ装置2を第2インバータ装置2Bと称する。また、各個別制御部31を区別する場合は、第1インバータ装置2Aを制御する個別制御部31を第1制御部3Aと称し、第2インバータ装置2Bを制御する個別制御部31を第2制御部3Bと称する。
本実施形態の制御機器3の動作を大まかに説明すると、まず、第1加熱コイル1Aに供給する電力の駆動周波数と、第2加熱コイル1Bに供給する電力の駆動周波数とを一致させ、その後、第1加熱コイル1A及び第2加熱コイル1Bの一方の出力が目標出力と一致するまで駆動周波数を下げ続ける(以下、この状態を過渡状態という)。
次いで、制御機器3は、第1加熱コイル1A及び第2加熱コイル1Bの他方の出力を目標出力に一致させる(以下、この状態を定常状態という)。
以下では、まず過渡状態における制御態様について図2~4を参照しながら説明した後、定常状態における制御態様について図5、6を参照しながら説明する。
<過渡状態における制御態様について>
ここでは、図2に示すように、第1加熱コイル1Aに対応する第1バーナが起動されており、第1加熱コイル1Aに所定の駆動周波数の電力が供給されるとともに、第1加熱コイル1Aの実出力(実電力)が目標出力(目標電力)に制御されている状態において(S1)、第2加熱コイル1Bに対応する第2バーナが起動されて、第2加熱コイル1Bに電力を供給し始める場合(S2)について説明する。
メイン制御部32の電力指令部321が、第2バーナの火力に対応する目標出力である目標電力(例えば、ワット数)を第2制御部3Bに指示すると、そのことを契機に、制御態様指令部322が、第1制御部3A及び第2制御部3Bを過渡状態における制御態様(以下、第1制御態様という)に切り替える。
これにより、第1制御部3Aは、第1インバータ装置2Aから第1加熱コイル1Aに供給される電力の駆動周波数を第1制御態様で調整し、第2制御部3Bは、第2インバータ装置2Bから第2加熱コイル1Bに供給される電力の駆動周波数を第1制御態様で調整する。
この第1制御態様は、図3に示すように、インバータ装置2を構成するスイッチング素子SWを固定デューティ比でオン・オフする制御であり、ここではオンデューティ比を50%に固定したPFM(パルス周波数変調)制御である。ただし、固定デューティ比は50%に限らず、例えばハイサイドを60%、ローサイドを40%にするなど、ハイサイドとローサイドとが補間関係であれば適宜変更しても良いし、具体的な制御態様は、PFM制御に限らずPWM(パルス幅変調)制御などであっても良い。
より具体的に説明すると、制御態様指令部322は、第1加熱コイル1Aに供給される電力の駆動周波数が所定の初動周波数となるよう、第1加熱コイル1Aに対応するインバータ制御部312に指令するとともに、第2加熱コイル1Bに供給される電力の駆動周波数が同じ初動周波数となるよう、第2加熱コイル1Bに対応するインバータ制御部312に指令する(S3)。
初動周波数は、第2バーナが起動される前に第1加熱コイル1Aに供給されている電力の駆動周波数よりは少なくとも高い周波数である。この実施形態では、初動周波数は、OFF状態にある加熱コイル1をON状態に切り替えた場合に、当該加熱コイル1に供給される電力の駆動周波数であり、予め設定されている既定周波数である。なお、この既定周波数は、加熱コイル1に供給され得る電力の駆動周波数の最大駆動周波数でもある。
その後、それぞれのインバータ制御部312は、第1加熱コイル1Aの駆動周波数と、第2加熱コイル1Bの駆動周波数とを、上述した初動周波数から連続的又は段階的に下げる(S4)。
より具体的に説明すると、第1制御部3A及び第2制御部3Bは、それぞれ電力算出部311の一方が算出した実出力が目標出力となるまで、第1加熱コイル1Aの駆動周波数と、第2加熱コイル1Bの駆動周波数を下げ続ける。
このように駆動周波数を下げ続けることにより、基本的には、第1加熱コイル1Aと第2加熱コイル1Bとのうち、まずは目標火力の小さい方の加熱コイルの実出力が、目標出力に一致することになる。ただし、目標火力の差が小さく、用いられる鍋等の被加熱物の大きさや材質によっては、目標火力の大きい方の加熱コイルの実出力の方が、先に目標出力に一致する場合も有り得る。
以下では、第1加熱コイル1A及び第2加熱コイル1Bのうち、実出力が先に目標出力に一致する方を高周波数側コイルと称し、もう一方を低周波数側コイルと称する。
本実施形態のインバータ制御部312は、高周波数側コイルの実出力と目標出力とを比較しながら、高周波数側コイルの実出力が目標出力に一致するまで、第1加熱コイル1Aの駆動周波数と、第2加熱コイル1Bの駆動周波数とを、同期させながら低下させていく(S4、S5)。
ただし、第1加熱コイル1Aの駆動周波数と、第2加熱コイル1Bの駆動周波数とは、必ずしも同期されている必要はなく、ややズレを伴いながら低下させても良い。ただし、このズレは、ノイズを発生させる周波数差であってはならず、少なくともノイズを発生させる周波数差よりも小さいズレである必要がある。
なお、実際のところは、第1加熱コイル1Aと第2加熱コイル1Bのどちらが高周波数側コイルであるかは分かっておらず、S5においては、第1加熱コイル1Aの実出力と目標出力とを比較するとともに、第2加熱コイル1Bの実出力と目標出力とを比較することになる。そして、先に目標出力に到達した方が高周波数側コイルであると分かる。
これにより、高周波数側コイルの駆動周波数と低周波数側コイルの駆動周波数とが等しくなるとともに(以下、この駆動周波数を過渡時周波数という)、高周波数側コイルの実出力が目標出力に一致する(S5においてYesとなった場合)。
本実施形態では、制御機器3が、高周波数側の実出力が目標出力に一致した後、低周波数側コイルの実出力が目標出力に一致するまで、第1加熱コイルの駆動周波数と第2加熱コイル駆動周波数との双方をさらに下げ続けるように構成されている(S6、S7)。
ここで、図4の左側に示すように、第1加熱コイル1A及び第2加熱コイル1Bの駆動周波数の調整可能な範囲がバラバラであると、高周波数側コイルの駆動周波数を低周波数側コイルの周波数に合わせた場合、高周波数側コイルの駆動周波数が共振カーブの頂点の周波数(図4における星印で示す周波数)よりも低くなることがあり、そうすると、ハードスイッチングによるスイッチング素子SWの破壊が懸念される。
そこで、本実施形態では、図4の右側に示すように、第1加熱コイル1Aの駆動周波数の調整可能な範囲が、第2加熱コイル1Bにより加熱される被加熱物の共振カーブの頂点の周波数よりも高くなり、且つ、第2加熱コイル1Bの駆動周波数の調整可能な範囲が、第1加熱コイル1Aにより加熱される被加熱物の共振カーブの頂点の周波数よりも高くなるように、それぞれの加熱コイル1の巻数や共振キャパシタを調整してある。
以上に述べた過渡状態における制御態様により、高周波数側コイルの駆動周波数と低周波数側コイルの駆動周波数とが等しくなるとともに(以下、この駆動周波数を第1駆動周波数という)、低周波数側コイルの実出力が目標出力に一致する(S7においてYesとなった場合)。
<定常状態における制御態様について>
次に、定常状態における制御態様について説明する。
上述した過渡状態の制御により、第1加熱コイル1A及び第2加熱コイル1Bの駆動周波数を等しくすると、高周波数側コイルの駆動周波数は、S5においてYesとなった場合における過渡時周波数から第1駆動周波数に下がることになる。
これにより、高周波数側コイルの火力は、所望の火力よりも大きくなるので、火力を落とすための制御が必要となる。
そこで、本実施形態の制御機器3は、低周波数側コイルに対応するインバータ装置2の制御を第1制御態様に維持しつつ、高周波数側コイルに対応するインバータ装置2の制御を第1制御態様とは異なる第2制御態様に切り替えるように構成されている。
この第2制御態様は、図5に示すように、インバータ装置2を構成するスイッチング素子SWを可変デューティ比でオン・オフする制御であり、ハイサイドのスイッチング素子SWのオンデューティ比と、ローサイドのスイッチング素子SWのオンデューティ比とを異ならせる(非対称な)制御である。
具体的にこの第2制御態様では、インバータ制御部312が、高周波数側コイルに供給されている実際の電力である実電力と、目標の火力に対応する目標電力とを比較するとともに、実電力が目標電力と一致するように、言い換えれば、高周波数側コイルの出力と目標出力とが一致するように、ハイサイドのスイッチング素子SWのオンデューティ比を下げていく。
ところが、かかる制御において、ハイサイドのスイッチング素子SWのオンデューティ比が、例えばこの実施形態では30%を下回ると、スイッチング素子SWの故障につながる恐れがある。なお、スイッチング素子SWの故障を招来し得るオンデューティ比の下限値は30%に限らず、装置構成に応じて変動する値である。
そこで、本実施形態では、ハイサイドのスイッチング素子SWのオンデューティ比を30%以上50%未満に変更可能にしてあり、これによりローサイドのスイッチング素子SWのオンデューティ比は100%からハイサイドのスイッチング素子SWのオンデューティ比を差し引いたものとなるようにしてある。
このように、ハイサイドのスイッチング素子SWのオンデューティ比を下げていき、高周波数側コイルの実電力が目標電力と一致した場合、高周波数側コイルの出力が目標出力と一致し、これにより、第1加熱コイル1A及び第2加熱コイル1Bそれぞれに対応するバーナの火力が所望の大きさに調整されたことになる。
一方、ハイサイドのスイッチング素子SWのオンデューティ比を変更可能な範囲の下限(ここでは、30%)まで下げたにも関わらず、高周波数側コイルの実電力が目標電力に達しない場合、すなわち、高周波数側コイルの出力が目標出力に達しない場合、高周波数側コイルに対応するバーナの火力が所望の大きさに調整できていないことになる。
そこで、この場合、本実施形態の制御態様指令部322はインバータ制御部312に指令を出し、高周波数側コイルに対応するインバータ装置2の制御を第2制御態様から別の第3制御態様に切り替える。
この第3制御態様は、図6に示すように、高周波数側コイルの駆動周波数を、上述した第1駆動周波数と、この第1駆動周波数に所定周波数を足し合わせた第2駆動周波数とに所定の周期で切り替える制御である。
この第3制御態様において、高周波数側コイルの駆動周波数が第1駆動周波数から第2駆動周波数に切り替わった場合、低周波数側コイルの駆動周波数は第1駆動周波数のままであるから、双方のコイルの駆動周波数に周波数差が生じることになる。
そして、仮にこの周波数差が例えば10kHz程度であると、この周波数差によるノイズの発生が懸念されることから、本実施形態では、上述した所定周波数を15kHz以上に設定してある。
この第3制御態様では、インバータ制御部312が、1周期に含まれる第1駆動周波数の駆動時間と第2駆動周波数の駆動時間との比率を変更するように構成されており、具体的には、高周波数側コイルの実電力が目標電力に一致するように、言い換えれば、高周波数側コイルの出力と目標出力とが一致するように、第2駆動周波数の駆動時間を延ばしていく。
このように、第2駆動周波数の駆動時間を延ばしていき、高周波数側コイルの実電力が目標電力と一致した場合、高周波数側コイルの出力が目標出力と一致し、これにより、第1加熱コイル1A及び第2加熱コイル1Bそれぞれに対応するバーナの火力が所望の大きさに調整されたことになる。
一方、この第3制御態様において、高周波数側コイルの実電力を目標電力に近づけようとした結果、第2駆動周波数による駆動時間が長くなり過ぎる場合がある。この場合は、低周波数側コイルの駆動周波数と高周波数側コイルの駆動周波数との周波数差が大きいはずであり、2つの加熱コイル1を互いに異なる駆動周波数で駆動させても、ノイズとして認識されにくいはずである。
そこで、第1駆動周波数での駆動時間に対する第2駆動周波数での駆動時間の比率が閾値を超えた場合、制御態様指令部322はインバータ制御部312に指令を出し、第3制御態様から、第1加熱コイル1A及び第2加熱コイル1Bを互いに異なる駆動周波数で駆動させる制御態様に切り替える。
この切り替え後の制御態様は、この実施形態では第1制御態様であり、第1インバータ装置2Aを構成するスイッチング素子SWと、第2インバータ装置2Bを構成するスイッチング素子SWとのそれぞれが、互いに同じ固定デューティ比でPFM制御される。
このように構成した誘導加熱装置100によれば、過渡状態のスタート時点で双方の加熱コイル1A、1Bに同じ初動周波数の電力を供給し、その初動周波数を同期させながら下げていくので、双方の加熱コイル1A、1Bに周波数差が生じず、ノイズの発生を防ぐことができる(図7参照)。
さらに、定常状態においては、高周波数側コイルに対応するインバータ装置2の制御態様を、低周波数側コイルに対応するインバータ装置2の第1制御態様とは異なる第2制御態様或いは第3制御態様に切り替えるので、結果として、双方の加熱コイル1それぞれの火力を所望の大きさに調整することが可能となる(図8参照)。
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、低周波数側コイルの実出力が目標出力に一致した後、高周波数側コイルの制御態様を第1制御態様から第2制御態様に切り替えていたが、高周波数側コイルの実出力が目標出力に一致した後、低周波数側コイルの制御態様を第1制御態様から第2制御態様に切り替えても良い。
この場合、第1制御態様としては、例えば固定デューティ比のハイサイドを50%よりも低く設定しておく(例えば30%など)態様を挙げることができ、第2制御態様としては、可変デューティ比を第1制御態様における固定デューティ比から50%に向けてハイサイドを徐々に上げていく態様を挙げることができる。
また、この第2制御態様において低周波数側コイルの実出力が目標出力に到達しない場合、第3制御態様としては、低周波数側コイルの駆動周波数を、高周波数側コイルの駆動周波数である第1駆動周波数と、この第1駆動周波数から所定周波数を差し引いた第2駆動周波数とに所定の周期で切り替える態様を挙げることができる。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・誘導加熱装置
1 ・・・加熱コイル
2 ・・・インバータ装置
21 ・・・インバータ回路
SW ・・・スイッチング素子
22 ・・・駆動回路
3 ・・・制御機器
31 ・・・個別制御部
311・・・電力算出部
312・・・インバータ制御部
32 ・・・メイン制御部
321・・・電力指令部
322・・・制御態様指令部

Claims (5)

  1. 被加熱物を誘導加熱する少なくとも2つの加熱コイルと、
    前記加熱コイルそれぞれに対応して設けられ、その対応する加熱コイルに電力を供給するインバータ装置と、
    前記インバータ装置を制御する制御機器とを備え、
    前記インバータ装置から一方の前記加熱コイルに所定の駆動周波数の電力が供給されている状態において、前記インバータ装置から他方の前記加熱コイルに電力を供給し始める場合に、
    前記制御機器が、
    双方の前記加熱コイルに、少なくとも前記所定の駆動周波数よりも高い初動周波数の電力を供給し、その後、一方の前記加熱コイルの出力が目標出力に一致するまで、双方の前記加熱コイルに供給する電力の周波数を下げることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記制御機器が、
    一方の前記加熱コイルの出力が目標出力に一致するまで、双方の前記加熱コイルに供給する電力の周波数を下げた後、他方の前記加熱コイルの出力が目標出力に一致するまで、双方の前記加熱コイルに供給する電力の周波数をさらに下げ続ける、請求項1記載の誘導加熱装置。
  3. 前記制御機器が、
    他方の前記加熱コイルの出力が目標出力に一致するまで、双方の前記加熱コイルに供給する電力の周波数を下げ続けた後、
    一方の前記加熱コイルに対応する前記インバータ装置を、他方の前記加熱コイルに対応する前記インバータ制御装置とは異なる制御態様により制御する、請求項2記載の誘導加熱装置。
  4. 前記制御機器が、双方の前記加熱コイルに供給する電力の周波数を同期させながら前記初動周波数から下げる、請求項1記載の誘導加熱装置。
  5. 前記初動周波数が、OFF状態にある前記加熱コイルをON状態に切り替えた場合に当該加熱コイルに供給される電力の既定周波数である、請求項1記載の誘導加熱装置。
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