JP2024057581A - 開力軽減装置 - Google Patents

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【課題】開扉時に操作される扉ハンドル装置の運動を扉枠に対して扉を蹴り出す運動に変換する開力軽減装置において、扉の蹴り出し当初に受当てカムのトルクから開扉に有効な蹴り出し力への変換効率を良くして必要な開力の軽減を図る。【解決手段】扉3の戸先側に固定されるケース13の前後方向に延びるカム軸14を中心にケース13に対して回動可能に配置された受当てカム15と、カム軸14よりもケース13の左右方向一方側に寄った位置で前後方向に延びる回動軸16を介して受当てカム15と接続されかつケース13の上下方向に移動可能に配置された昇降部材17と、扉ハンドル装置4,5の運動をケース13に対する昇降部材17の上下方向動に変換するリンク機構18と、を備える。昇降部材17の上下方向動によって受当てカム15がカム軸14周りに扉3を蹴り出す方向へ回転させられる。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 1.第一の公開の事実 令和5年4月4日に株式会社タカノに納入 2.第二の公開の事実 令和5年4月21日に株式会社シブタニ内のイントラネットにて同社員向けに公開、これ以降、同社員の営業活動にて社外の不特定多数の者に公開可 3.第三の公開の事実 令和5年6月12日に株式会社シブタニのウェブサイトの下記アドレス(1)~(5)にてインターネット上に公開 (1)https://konishi-p.meclib.jp/clavisselection2023/book/#target/page_no=120 (2)https://konishi-p.meclib.jp/clavisselection2023/book/#target/page_no=218 (3)https://konishi-p.meclib.jp/clavisselection2023/book/pdf/0120.pdf (4)https://konishi-p.meclib.jp/clavisselection2023/book/pdf/0121.pdf (5)https://konishi-p.meclib.jp/clavisselection2023/book/pdf/0218.pdf
この発明は、開き戸の扉を開くのに必要な操作力(開力)を軽減するために扉の戸先側に設置される開力軽減装置に関する。
住宅、マンション等の開き戸の建付け構造として、扉枠と扉の吊元側をヒンジで連結し、扉の戸先側を扉枠の戸当たりで受ける構造が一般的である。この構造では、室内と室外間の気圧差によって扉が扉枠の戸当たりに強く押し付けられた状況のとき、扉を開けようとしても、容易に開くことはできない。この状況での開扉を容易にするため、開扉時の扉ハンドル装置の運動を扉枠に対して扉を蹴り出す運動に変換可能な開力軽減装置が利用されている。
この種の開力軽減装置として、プッシュプルハンドル、レバーハンドル等のハンドルと、ハンドル操作に対応した所定運動を行う伝達片とを有する扉ハンドル装置に連動させるものがある(特許文献1)。
特許文献1に開示された開力軽減装置は、扉の戸先側の内部に設置されるラッチ錠の錠箱からなるケースと、ケースの上下方向に延びるカム軸を中心にケースに対して揺動可能に配置された受当てカムと、ケースの前後方向に直線運動可能に配置されたスライダと、を有する。受当てカムとスライダは、上下方向の回動軸を介して接続されている。開扉時、扉ハンドル装置の伝達片が所定運動を行うと、スライダが伝達片から前方側へ押されて、スライダに推進力が与えられる。このスライダの前進直線運動で上下方向の回動軸を介して受当てカムが押されるため、受当てカムに上下方向のカム軸周りのトルクが与えられる。このトルクで回転させられる受当てカムが、扉枠の受け部を蹴ることによって扉を扉枠に対して蹴り出す。梃子の原理を利用した受当てカムの蹴り出し動作になるので、必要な開力が軽減される。扉の蹴り出しによって扉の戸先側が扉枠から少し離れてしまえば、これら両者間の隙間を通じて室内外の気圧差が急速に解消されるので、必要な開力も急速に軽減される。
特許第5806888号公報
しかしながら、特許文献1の開力軽減装置では、スライダを前方へ直線運動させることで受当てカムが上下方向のカム軸周りに扉を蹴り出すため、その蹴り出し当初、受当てカムが扉枠の受け部を蹴るキック方向はケースの左右方向(扉枠の見込み方向)に対して傾斜した方向になってしまう。このため、気圧差解消前のタイミングである蹴り出し当初、開力が最も必要であるにもかかわらず、受当てカムのトルクを開扉に有効な蹴り出し力に変換する効率がよくない問題がある。
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、開扉時に操作される扉ハンドル装置の運動を扉枠に対して扉を蹴り出す運動に変換する開力軽減装置において、扉の蹴り出し当初に受当てカムのトルクから開扉に有効な蹴り出し力への変換効率を良くして必要な開力の軽減を図ることにある。
上記の課題を達成するため、この発明は、開扉時に操作される扉ハンドル装置の運動を扉枠に対して扉を蹴り出す運動に変換可能な開力軽減装置において、前記扉の戸先側に固定されるケースと、前記ケースの前後方向に延びるカム軸を中心に前記ケースに対して回動可能に配置された受当てカムと、前記カム軸よりも前記ケースの左右方向一方側に寄った位置で前記前後方向に延びる回動軸を介して前記受当てカムと接続されかつ前記ケースの上下方向に移動可能に配置された昇降部材と、前記扉ハンドル装置の運動を前記ケースに対する前記昇降部材の上下方向動に変換するリンク機構と、を備え、前記昇降部材の上下方向動によって前記受当てカムが前記カム軸周りに前記扉を蹴り出す方向へ回転させられることを特徴とする開力軽減装置、という構成1を採用したものである。
上記構成1によれば、扉ハンドル装置の運動をリンク機構で昇降部材の上下方向動に変換し、この昇降部材の上下方向動を前後方向の回動軸に伝達し、この回動軸を介して受当てカムを前後方向のカム軸よりも左右一方側の位置で押して受当てカムにカム軸周りのトルクを与え、昇降部材と受当てカムの前後方向の回動軸周りの相対運動を許容しつつ受当てカムを前後方向のカム軸周りに回転させて、この受当てカムの回転により扉枠に対して扉を蹴り出すことが可能になる。したがって、その扉の蹴り出し当初、受当てカムで扉枠を左右方向に真っすぐ蹴ることが可能になり、これにより、受当てカムのトルクから開扉に有効な蹴り出し力への変換効率を良くして必要な開力を軽くすることが可能になる。
上記構成1において、前記リンク機構が、前記左右方向に延びる第一揺動軸を中心に前記ケースに対して揺動可能に配置された第一揺動部材と、前記左右方向に延びる第二揺動軸を中心に前記ケースに対して揺動可能に配置された第二揺動部材と、を有し、前記第一揺動部材が、前記左右方向に延びるジョイント軸を介して前記昇降部材と接続されており、前記リンク機構が、前記第一揺動部材の前記第一揺動軸周りの揺動を前記昇降部材の上下方向の往復移動に変換し、前記第一揺動部材の前記第一揺動軸周りの揺動と前記第二揺動部材の前記第二揺動軸周りの揺動を互いに相反する向きの揺動に変換する、という構成2を採用することができる。
上記構成2によると、室内側の扉ハンドル装置が開力軽減装置に伝達する運動の方向と、室外側の扉ハンドル装置が開力軽減装置に伝達する運動の方向とが互いに相反する方向であっても、室内側と室外側のいずれかの運動が第一揺動部材又は第二揺動部材に伝達すれば、昇降部材の上下方向の往復移動に変換し、受当てカムをカム軸周りに回動させることが可能になる。このため、室内側の扉ハンドル装置が開力軽減装置に伝達する運動の方向と室外側の扉ハンドル装置が開力軽減装置に伝達する運動の方向を同一にするための複雑な運動方向反転機構を室内側又は室外側の扉ハンドル装置に設けることが不要になる。
上記構成1又は2において、前記ケースが、前記ケースの前面に配置されたフロントパネルを前記前後方向に貫通した開口部を有し、前記受当てカムが、前記開口部を貫通して前方に突き出ており、前記扉ハンドル装置の非操作時に前記開口部と前記受当てカムとの間に形成される空間の大半を前記開口部の後方に隣接して覆い、かつ前記扉ハンドル装置の操作時に前記受当てカムの蹴り出し方向への回転に伴って退避するシャッターが設けられている、という構成3を採用することができる。
上記構成1又は2において、前記ケースが、前記ケースの前面に配置されたフロントパネルを前記前後方向に貫通した開口部を有し、前記受当てカムが、前記開口部を貫通して前方に突き出ており、開扉時に前記ケースから前方に突出しかつ閉扉時に前記ケースに没入するトリガー機構が設けられており、前記トリガー機構が、開扉時に前方に突出すると前記受当てカムの蹴り出し方向への回転を規制し、閉扉時に没入すると前記受当てカムの蹴り出し方向への回転を許す、という構成4を採用することができる。
上記構成3又は4のように、ケースが、ケースの前面に配置されたフロントパネルを前後方向に貫通した開口部を有し、受当てカムが、開口部を貫通して前方に突き出ていると、カム軸周りに受当てカムの突出部位をケースの前面よりも前方で回動させることができる。ここで、受当てカムで扉を蹴り出すためには、蹴り出すストローク分の空間が受当てカムと開口部との間に必要であるから、指が細い場合、開扉時に扉の戸先側小口に指を掛ける際、受当てカムと開口部間の空間に指先を差し込む可能性がある。その空間に指先が深く差し込まれた状態で扉ハンドル装置が操作されると、扉を蹴り出す方向に回転させられる受当てカムと開口部とで指が挟まれてしまい、指を怪我する虞れがある。
上記構成3のように、前記扉ハンドル装置の非操作時に前記開口部と前記受当てカムとの間に形成される空間の大半を前記開口部の後方に隣接して覆い、かつ前記扉ハンドル装置の操作時に前記受当てカムの蹴り出し方向への回転に伴って退避するシャッターが設けられていると、開扉時に指先を受当てカムと開口部間の空間に深く差し込むことができないため、前述のように受当てカムと開口部とで指が挟まれることを防止することができる。
上記構成4のように、開扉時に前記ケースから前方に突出しかつ閉扉時に前記ケースに没入するトリガー機構が設けられており、前記トリガー機構が、開扉時に前方に突出すると前記受当てカムの蹴り出し方向への回転を規制し、閉扉時に没入すると前記受当てカムの蹴り出し方向への回転を許すようになっていると、開扉時に扉ハンドル装置が操作されても受当てカムの回転が規制されるため、前述のように受当てカムと開口部とで指が挟まれることを防止することができる。
上記構成1から4のいずれか1つにおいて、前記ケースが、ラッチ錠の錠箱からなる、という構成5を採用することができる。
上記構成3に係るシャッター又は上記構成4に係るトリガー機構は、上記構成1に係る開力軽減装置以外でも採用することが可能である。具体的には、開扉時に操作される扉ハンドル装置の運動を扉枠に対して扉を蹴り出す運動に変換可能な開力軽減装置において、前記扉の戸先側に固定されるケースと、前記ケースの内部に設けられたカム軸を中心に前記ケースに対して回動可能に配置された受当てカムと、前記扉ハンドル装置の運動を前記受当てカムの回動に変換する変換機構と、を備え、開扉時の前記扉ハンドル装置の運動が前記変換機構に変換されることによって前記受当てカムが前記カム軸周りに前記扉を蹴り出す方向へ回転させられるようになっており、前記ケースが、前記ケースの前面に配置されたフロントパネルを前記ケースの前後方向に貫通した開口部を有し、前記受当てカムが、前記開口部を貫通して前方に突き出ている開力軽減装置であれば、受当てカムで扉を蹴り出すストローク分の空間が受当てカムと開口部との間に必要であるから、前述のように受当てカムと開口部とで指が挟まれる指詰め事故の虞れがある。
すなわち、開扉時に操作される扉ハンドル装置の運動を扉枠に対して扉を蹴り出す運動に変換可能な開力軽減装置において、前記扉の戸先側に固定されるケースと、前記ケースの内部に設けられたカム軸を中心に前記ケースに対して回動可能に配置された受当てカムと、前記扉ハンドル装置の運動を前記受当てカムの回動に変換する変換機構と、を備え、開扉時の前記扉ハンドル装置の運動が前記変換機構に変換されることによって前記受当てカムが前記カム軸周りに前記扉を蹴り出す方向へ回転させられるようになっており、前記ケースが、前記ケースの前面に配置されたフロントパネルを前記ケースの前後方向に貫通した開口部を有し、前記受当てカムが、前記開口部を貫通して前方に突き出ており、前記扉ハンドル装置の非操作時に前記開口部と前記受当てカムとの間に形成される空間の大半を前記開口部の後方に隣接して覆い、かつ前記扉ハンドル装置の操作時に前記受当てカムの蹴り出し方向への回転に伴って退避するシャッターが設けられていることを特徴とする開力軽減装置、という構成6の採用により、開扉時に指先を受当てカムと開口部間の空間に深く差し込むことができないため、前述のように受当てカムと開口部とで指が挟まれることを防止することができる。
また、開扉時に操作される扉ハンドル装置の運動を扉枠に対して扉を蹴り出す運動に変換可能な開力軽減装置において、前記扉の戸先側に固定されるケースと、前記ケースの内部に設けられたカム軸を中心に前記ケースに対して回動可能に配置された受当てカムと、前記扉ハンドル装置の運動を前記受当てカムの回動に変換する変換機構と、を備え、開扉時の前記扉ハンドル装置の運動が前記変換機構に変換されることによって前記受当てカムが前記カム軸周りに前記扉を蹴り出す方向へ回転させられるようになっており、前記ケースが、前記ケースの前面に配置されたフロントパネルを前記ケースの前後方向に貫通した開口部を有し、前記受当てカムが、前記開口部を貫通して前方に突き出ており、開扉時に前記ケースから前方に突出しかつ閉扉時に前記ケースに没入するトリガー機構が設けられており、前記トリガー機構が、開扉時に前方に突出すると前記受当てカムの蹴り出し方向への回転を規制し、閉扉時に没入すると前記受当てカムの蹴り出し方向への回転を許すことを特徴とする開力軽減装置、という構成7の採用により、開扉時に扉ハンドル装置が操作されても受当てカムの回転が規制されるため、前述のように受当てカムと開口部とで指が挟まれることを防止することができる。
このように、この発明は、上記構成1の採用により、開扉時に操作される扉ハンドル装置の運動を扉枠に対して扉を蹴り出す運動に変換する開力軽減装置において、扉の蹴り出し当初に受当てカムのトルクから開扉に有効な蹴り出し力への変換効率を良くして開力を軽くすることができる。
(a)はこの発明の第一実施形態に係る開力軽減装置を閉扉状態で示す断面図、(b)は閉扉状態のときの開力軽減装置の外観を示す前面図 図1に示す開力軽減装置と扉ハンドル装置の位置関係を示す模式図 (a)は第一実施形態に係る開力軽減装置で開扉する過程を示す断面図、(b)は開扉する過程における開力軽減装置の外観を示す前面図 (a)は図1の受当てカムと昇降部材とリンク機構を抜粋して示す部分拡大図、(b)は第一実施形態に係る受当てカムの前面図、(c)は図1の昇降部材付近をジョイント軸の中心軸線を含む切断面で示す拡大断面図 (a)は扉枠の受け部と受当てカムのキック部の位置関係を閉扉状態で示す断面図、(b)はキック部が扉枠の受け部を蹴り出す当初の位置関係を示す断面図、(c)はキック部が扉枠の受け部を蹴り切ったときの位置関係を示す断面図 (a)は受当てカムの変更例を示す部分断面図、(b)は前記変更例の要部を切り欠いて示す部分前面図 (a)はこの発明の第二実施形態に係る開力軽減装置の要部を示す断面図、(b)は同(a)図のB-B線の断面図 図7のシャッターの作用を示す模式図 (a)はこの発明の第三実施形態に係る開力軽減装置の要部を示す断面図、(b)は同(a)図のときの受当てカムの位相を示す図 (a)は図9の開力軽減装置が扉を蹴り出したときの位相を示す断面図、(b)は同(a)図のときの受当てカムの位相を示す図
この発明の一例としての第一実施形態に係る開力軽減装置を添付図面に基づいて説明する。
図1~図3に示す開力軽減装置1は、扉枠2に吊り込まれた扉3の戸先側に設置されている。扉3の室内側パネル上と室外側パネル上には、それぞれ扉ハンドル装置4,5が設置されている。扉ハンドル装置4,5は、それぞれハンドル6,7と、開扉時に操作されるハンドル6又は7の変位に対応した所定運動を行う伝達片8,9とを有する。開力軽減装置1は、図1、図3に示すように、開扉時の伝達片8又は9の所定運動を扉枠2に対して扉3を蹴り出す運動に変換するように構成されている。なお、図1(a)、図3(a)では、図1(b)のA-A線の切断面を概略的に示している。
なお、一般住宅等の建物では、玄関、通用口等の建物出入口に設置する扉を室外側へ開く片開き式の開き戸とし、扉枠の戸当たりを扉に対して室内側に設置し、扉枠の戸当たりにパッキン等のシール部を配置して閉扉時の扉枠と扉間の気密性を高めた建付け構造とされる。室内の気圧がエアコン、レンジフード等の使用によって室外の気圧よりも低圧になると、その気圧差で扉が扉枠の戸当たりに強く押し付けられた状況になる。この状況では、室外側に向かって扉を開くことが困難となる。このため、室外側に向かって扉を開く場合に開力軽減装置で開力を軽くすることが好ましい。
開力軽減装置1は、ラッチ錠10に併設されている。ラッチ錠10は、反転ラッチ11と、反転ラッチ11に対する係脱によって反転ラッチ11の反転を阻止する状態と反転ラッチ11の反転を許容する状態とに切り替わるロック機構12とを有する彫り込み箱錠になっている。
ハンドル6,7の一方は、プッシュハンドルになっており、他方は、プルハンドルになっている。一般に、プッシュハンドルは室内側に設置され、プルハンドルは室外側に設置される。
扉ハンドル装置4,5と、開力軽減装置1と、ラッチ錠10は、開力軽減機能付きプッシュプルハンドル空錠を構成している。
開力軽減装置1は、図1、図3、図4に示すように、扉3の戸先側に固定されるケース13と、カム軸14を中心にケース13に対して回動可能に配置された受当てカム15と、回動軸16を介して受当てカム15と接続されかつケース13の上下方向に昇降可能に配置された昇降部材17と、扉ハンドル装置4,5の伝達片8,9の所定運動を昇降部材17の上下方向動に変換するリンク機構18と、を備える。
ケース13は、ラッチ錠10の錠箱からなり、扉3の内部に配置されている。ケース13は、箱本体13aと、扉3の戸先側小口に取り付けられるフロントパネル13bとを有する。ケース13の前面は、フロントパネル13bからなり、扉3の戸先側小口において露出している。
ここで、ケース13の前後方向は、水平方向に沿って扉3の戸先側に向かう方を前方とし、扉3の吊元側に向かう方を後方とした方向のことをいう。また、ケース13の上下方向は、水平方向に対して直角な方向のことをいう。また、ケース13の左右方向は、ケース13の前後方向及び上下方向に対して直角な方向のことをいう。ケース13の前後方向は、扉枠2、扉3のそれぞれの横方向に対応し、ケース13の上下方向は、扉枠2、扉3のそれぞれの縦方向に対応し、ケース13の左右方向は、扉枠2の見込み方向、扉3の厚さ方向に対応する。以下、ケース13の前後方向、上下方向、左右方向をそれぞれ単に「前後方向」、「上下方向」、「左右方向」という。なお、これらの方向性は、各部の円滑な動作に必要な隙間の設定や各部の製造、建付けにおいて不可避の誤差を許容した実質的なものであり、幾何的に厳密な意味に限定されない。
カム軸14と回動軸16は、それぞれ断面円形状のピンからなる。カム軸14は、ケース13に固定されている。回動軸16は、受当てカム15に固定されている。
カム軸14の前方側の端部と後方側の端部は、それぞれ箱本体13aの軸支孔部に支持されている。この支持により、カム軸14は、前後方向に延びる姿勢に配置されている。
図1、図4に示すように、受当てカム15は、前後方向に延びるキック部15aと、キック部15aに対して後方側かつ上方側に位置する前後一対の対向壁部15b,15cとを一体に有する。
ケース13は、ケース13の前面に配置されたフロントパネル13bを前後方向に貫通した開口部13cを有する。受当てカム15のキック部15aは、開口部13cを前後方向に貫通して前方に突き出ている。すなわち、キック部15aは、ケース13のフロントパネル13bから前方に突出しており、扉枠2の受け部2aと左右方向に対向する位置に配置される。開口部13cは、カム軸14周りに延びる円孤孔状になっており、キック部15aをカム軸14周りに回動可能にするための空間gを受当てカム15との間に形成する。キック部15aと受け部2aは、前後方向に沿った平坦面状になっている。キック部15aと受け部2aは、互いの前後方向に沿った表面同士のみで接触可能になっている。
受当てカム15には、キック部15aよりも後方側かつ上方側の位置で受当てカム15を前後方向に貫通する第一ピン孔部15dが形成されている。この第一ピン孔部15dにカム軸14が挿通されている。カム軸14の挿通部位と第一ピン孔部15dの嵌め合いにより、受当てカム15は、カム軸14の前述の中心軸線周りにケース13に対して揺動可能に配置されている。
また、受当てカム15には、第一ピン孔部15dよりも左右方向の一方(図4(b)、(c)において右方)側に寄った位置で一対の対向壁部15b,15cを前後方向に貫通する第二ピン孔部15eが形成されている。この第二ピン孔部15eに回動軸16の前方側端部と後方側端部が支持されている。回動軸16と第二ピン孔部15eの嵌め合いにより、回動軸16は、前後方向に延びる姿勢に配置されている。
昇降部材17は上下方向及び前後方向に沿った平板部17aと、平板部17aから左右方向に回動軸16の方へ突き出た一対のガイド板部17bとを一体に有する。平板部17aは、前後方向を短手方向とし、上下方向を長手方向とした形状を有する。一対のガイド板部17bは、受当てカム15の一対の対向壁部15b,15c間のスリットに配置されている。一対のガイド板部17bは、一対の対向壁部15b,15cに対して上下方向に摺動自在になっている。この摺動により、昇降部材17が上下方向に移動するように案内される。
昇降部材17には、一対のガイド板部17bを前後方向に貫通しかつ受当てカム15の第二ピン孔部15eと前後方向に連通する切欠き溝17cが形成されている。回動軸16は、切欠き溝17cに挿通されている。切欠き溝17cは、回動軸16の左右方向の他方側半周を回動軸16周りに摺動自在に支持する。この支持により、昇降部材17は、上下方向に移動する際、受当てカム15に対して回動軸16を中心に相対回転するように回動軸16を介して受当てカム15と接続されている。
昇降部材17は、左右方向に殆ど移動せず、受当てカム15と左右方向に重ねて配置することができる。このため、昇降部材17を配置するために扉ハンドル装置4,5の伝達片8,9のバックセット(フロントパネル13bの前面から伝達片8,9までの距離の前後方向成分の長さ)を拡大する必要がない。
リンク機構18は、左右方向に延びる第一揺動軸19を中心にケース13に対して回動可能に配置された第一揺動部材20と、左右方向に延びる第二揺動軸21を中心にケース13に対して揺動可能に配置された第二揺動部材22と、を有する。第一揺動部材20と第二揺動部材22は、左右方向に延びる連結軸23を介して接続されている。
第一揺動軸19と第二揺動軸21は、それぞれ受当てカム15及び昇降部材17よりも後方側に寄った位置で箱本体13aに固定されている。連結軸23は、第一揺動軸19よりも後方側に寄った位置かつ第二揺動軸21よりも前方側に寄った位置にあり、ケース13に対して自由に移動することができる。第一揺動部材20は、第一揺動軸19よりも上方に寄った位置で室内側の伝達片8から前方側へ押されることにより、第一揺動軸19周りに図中反時計回りの方向に回転させられる。第二揺動部材22は、第二揺動軸21よりも上方に寄った位置で室外側の伝達片9から後方側へ押されることにより、図中時計回りの方向に回転させられる。
第一揺動部材20は、左右方向に延びるジョイント軸24を介して昇降部材17と遊びをもって接続されている。ジョイント軸24は、第一揺動軸19よりも前方側に寄った位置で第一揺動部材20に固定されている。ジョイント軸24は、昇降部材17に形成された伝達窓部17dに挿通されている。
第二揺動部材22の第二揺動軸21周りの揺動と、ラッチ錠10の施錠状態と解錠状態の切り替えとが連動するようになっている。図示例では、第二揺動部材22がロック機構12にロック解除軸27を介して接続されており、第二揺動部材22が第二揺動軸21周りに時計回り方向に回転させられると、ロック機構12が反転ラッチ11の反転を許容する状態に切り替えられ、第二揺動部材22が付勢ばね25,26の付勢力によって第二揺動軸21周りに反時計回り方向に回転させられると、ロック機構12が反転ラッチ11の反転を阻止する状態に切り替えられる。
ジョイント軸24と伝達窓部17d間に遊びが設けられている。この遊びは、開扉時に第一揺動部材20の揺動に連動してキック部15aが受け部2aに接触して蹴り出すよりも先に、第二揺動部材22に設けたロック解除軸27によりラッチ錠10を解錠状態とするためのものである。
図1、図4(a)、図5(a)に示す閉扉(施錠)状態から室内側のハンドル6が押されると、第一揺動部材20が室内側の伝達片8から前方側へ押され、第一揺動部材20に第一揺動軸19周りのトルクが与えられることにより、第一揺動部材20が第一揺動軸19周りに図中反時計回りの方向に回転させられると共に、第二揺動部材22が連結軸23から上方側へ押されて第二揺動部材22に第二揺動軸21周りのトルクが与えられることにより第二揺動部材22が図中時計回りの方向に回転させられると共に、昇降部材17の伝達窓部17dがジョイント軸24から下方側へ押され、昇降部材17が受当てカム15の対向壁部15b,15cの案内のもとで下方側へ上下方向動させられ、切欠き溝17cから回動軸16が下方側へ押され、受当てカム15の第二ピン孔部15eが回動軸16から下方側へ押されて、受当てカム15にカム軸14周りのトルクが与えられることにより、受当てカム15が、カム軸14周りにキック部15aで受け部2aを蹴って扉3を扉枠2に対して蹴り出す方向へ回転させられる。これにより、ラッチ錠10の解錠状態への切り替えが進むと共に、図4(b)、図5(b)に示すようにキック部15aが受け部2aに当接して受け部2aを左右方向に真っすぐに蹴り、扉3を扉枠2に対して蹴り出し始め、扉3が扉枠2の戸当たり2bから次第に離れていく。扉3と戸当たり2b間に隙間が生じると、室内外の気圧差が急激に解消されていく。室内側のハンドル6を押し切った開扉(解除時)状態になった図3、図5(c)に示す状態では、第一揺動部材20が前方側へ傾き切り、キック部15aが受け部2aを蹴り切った状態となる。その後、室内側のハンドル6から手を離すと、付勢ばね25,26の付勢力によってラッチ錠10、第一揺動部材20、第二揺動部材22、昇降部材17、受当てカム15の各部の逆運動が行われて図1等に示す閉扉(施錠)状態に復帰させられる。
一方、図1、図4(a)、図5(a)に示す閉扉(施錠)状態から室外側のハンドル7が引かれると、第二揺動部材22が室外側の伝達片9から後方側へ押され、第二揺動部材22に第二揺動軸21周りのトルクが与えられることにより、第二揺動部材22が第二揺動軸21周りに図中時計回りの方向に回転させられると共に、第一揺動部材20が連結軸23から上方側へ押されて第一揺動部材20に第一揺動軸19周りのトルクが与えられることにより第一揺動部材20が図中反時計回りの方向に回転させられると共に、昇降部材17の伝達窓部17dがジョイント軸24から下方側へ押され、昇降部材17が受当てカム15の対向壁部15b,15cの案内のもとで下方側へ上下方向動させられ、切欠き溝17cから回動軸16が下方側へ押され、受当てカム15の第二ピン孔部15eが回動軸16から下方側へ押されて、受当てカム15にカム軸14周りのトルクが与えられることにより、受当てカム15が、カム軸14周りにキック部15aで受け部2aを蹴って扉3を扉枠2に対して蹴り出す方向へ回転させられる。以降は、前述の室内側のハンドル6の操作時と同様である。
キック部15aは、前後方向のカム軸14周りに回転して受け部2aを蹴るため、受け部2aを左右方向に真っすぐに蹴ることになる。このため、この蹴り出し当初に受当てカム15のトルクを扉3の開扉に有効な蹴り出し力に変換する効率がよい。ここで、蹴り出し当初に扉3の開扉に有効な蹴り出し力は、閉扉位置の扉3を吊元側のヒンジ周りに開くのに有効な力、すなわち戸当たり2bと左右方向に接している扉3を左右方向に離す力である。
一方、特許文献1のように前後方向に直線運動するスライドと受当てカムを上下方向の回動軸で接続し、受当てカムを上下方向のカム軸周りに回転させる場合、受当てカムが受け部を左右方向に対して傾いた方向に蹴ることになるため、その傾き方向に作用するキック力と、その傾き方向に対応のcos値を乗じた大きさの蹴り出し力になってしまい、蹴り出し当初、受当てカムのトルクを開扉に有効な蹴り出し力に変換する効率に劣る。また、そのキック力は、回動軸の中心軸線からカム軸の中心軸線までの距離の左右方向成分の長さと、受当てカムと受け部の接触部からカム軸の中心軸線までの距離との比にスライダの推進力を乗じた値となるので、前述のcos値を乗じると、蹴り出し力は推進力の0.5倍程度になってしまう。回動軸とカム軸間の距離拡大で梃子比を大きくすれば変換効率を高めることは可能だが、ケースの左右方向の寸法には限界があるので、その梃子比を大きくすることが制限される。この点は、受当てカム15に係る長さC/Dの梃子比においても同様であるが、リンク機構18の第一揺動部材20に係る長さA/Bの梃子比により昇降部材17の上下方向動の推進力を強くすることが可能である。
ここで、第一揺動部材20と室内側の伝達片8の接触部から第一揺動軸19の中心軸線までの距離の上下方向成分の長さAは、ジョイント軸24と伝達窓部17dの接触部から第一揺動軸19の中心軸線までの距離の前後方向成分の長さBよりも大きい。また、カム軸14の中心軸線から回動軸16の中心軸線までの距離の左右方向成分の長さCは、前述の長さBよりも小さい。また、キック部15aと受け部2aの接触部からカム軸14の中心軸線までの距離の上下方向成分の長さDは、前述の長さCよりも大きい。第一揺動部材20と室内側の伝達片8の接触部に作用する前後方向の力をFiと、キック部15aと受け部2aの接触部に作用する左右方向の蹴り出し力をFoとすると、Fo=Fi×(A/B)×(C/D)で求まり、図示例の長さA~Dの場合、Fo=0.81Fiになる。このようにリンク機構18の採用により、ハンドル操作力に対応のFi(伝達片8の運動)から昇降部材17の上下方向動させる力を大きく得ることができ、ひいては受当てカム15に与えるトルクを大きくすることが可能であるため、長さC/Dの梃子比に制約があっても、開力を軽くすることができる。
開力軽減装置1は、上述のように開扉時に操作される扉ハンドル装置4,5の運動を扉枠2に対して扉3を蹴り出す運動に変換可能なものであって、扉3の戸先側に固定されるケース13と、ケース13の前後方向に延びるカム軸14を中心にケース13に対して回動可能に配置された受当てカム15と、カム軸14よりもケース13の左右方向一方側に寄った位置で前後方向に延びる回動軸16を介して受当てカム15と接続されかつケース13の上下方向に移動可能に配置された昇降部材17と、扉ハンドル装置4,5の運動をケース13に対する昇降部材17の上下方向動に変換するリンク機構18と、を備え、昇降部材17の上下方向動によって受当てカム15がカム軸14周りに扉3を蹴り出す方向へ回転させられるものである。
開力軽減装置1は、扉ハンドル装置4,5の運動をリンク機構18で昇降部材17の上下方向動に変換し、この昇降部材17の上下方向動を前後方向の回動軸16に伝達し、この回動軸16を介して受当てカム15を前後方向のカム軸14よりも左右一方側の位置で押して受当てカム15にカム軸14周りのトルクを与え、昇降部材17と受当てカム15の前後方向の回動軸16周りの相対運動を許容しつつ受当てカム15を前後方向のカム軸14周りに回転させて、この受当てカム15の回転により扉枠2に対して扉3を蹴り出すことが可能になるので、その扉3の蹴り出し当初、受当てカム15で扉枠2を左右方向に真っすぐ蹴り、これにより、受当てカム15のトルクから開扉に有効な蹴り出し力への変換効率を良くして必要な開力を軽くすることができる。
また、開力軽減装置1は、リンク機構18が、左右方向に延びる第一揺動軸19を中心にケース13に対して揺動可能に配置された第一揺動部材20と、左右方向に延びる第二揺動軸21を中心にケース13に対して揺動可能に配置された第二揺動部材22と、を有し、第一揺動部材20が、左右方向に延びるジョイント軸24を介して昇降部材17と接続されており、リンク機構18が、第一揺動部材20の第一揺動軸19周りの揺動を昇降部材17の上下方向の往復移動に変換し、第一揺動部材20の第一揺動軸19周りの揺動と第二揺動部材22の第二揺動軸21周りの揺動を互いに相反する向きの揺動に変換することにより、室内側の扉ハンドル装置4が開力軽減装置1に伝達する運動の方向と、室外側の扉ハンドル装置5が開力軽減装置1に伝達する運動の方向とが互いに相反する方向であっても、室内側と室外側のいずれかの運動が第一揺動部材20又は第二揺動部材22に伝達すれば、昇降部材17の上下方向の往復移動に変換し、受当てカム15をカム軸14周りに回動させることができる。このため、室内側の扉ハンドル装置4が開力軽減装置1に伝達する運動の方向と室外側の扉ハンドル装置5が開力軽減装置1に伝達する運動の方向を同一にするための複雑な運動方向反転機構を室内側又は室外側の扉ハンドル装置4,5に設けることが不要になる。
図1~5例では、ケース13に対する受当てカム15の前後方向の位置を固定したが、扉枠と扉の建付け誤差を吸収するため、ケースに対する受当てカムの前方への突出量を調整可能な開力軽減装置に構成することも可能である。この調整機能は、例えば、カム軸と受当てカムをユニット化し、このユニットの箱本体13aに対する取付位置を前後方向に変更可能な構造にしてもよいが、より簡単な構造として、受当てカムのキック部をカム本体とは別部材に設け、カム本体に対する別部材の前方側への突出量を変更可能な構造にすることも可能である。その一例としての変更例を図6に示す。なお、以下では、図1~5例との相違点を述べるに留める。
図6例では、受当てカム30が、カム本体31と、カム本体31の雌ねじ孔にねじ込まれた雄ねじ部を有するキック部材32とで構成されている。カム軸14及び回動軸16は、カム本体31に挿通されている。回動軸16は、カム軸14よりも図6中の左方に寄った位置に配置され、回動軸16の中心軸線はカム軸14の中心軸線よりも下方に寄った位置に配置されている。キック部材32は、カム軸14及び回動軸16よりも上方に寄った位置に配置されている。キック部材32は、カム本体31の丸棒状のねじ頭部32aを有する。ねじ頭部32aの軸径面は、前後方向に沿っており、ここで扉枠の受け部に接触することになる。ねじ頭部32aは、前後方向のねじ軸線周りにキック部材32にトルクを与えるねじ回し具(図示例ではマイナスドライバ)を接続するための凹部を有する。フロントパネル13bに対するねじ頭部32aの前方側への突出量は、カム本体31に対するキック部材32のねじ込み量を調整することによって変更することができる。
この発明の第二実施形態に係る開力軽減装置を図7、図8に基づいて説明する。なお、ここでは、第一実施形態との相違点を述べるに留める。
扉が開放した開扉状態において扉ハンドル装置4,5(図2参照。以下、同じ。)が操作されていないとき、ケース13(図1(a)参照。以下、同じ。)の前面に配置されたフロントパネル13bの開口部13cと、ここを貫通して前方に突き出たキック部15aとが扉の戸先側小口において露出し(図1(b)参照)、開口部13cとキック部15aとの間には、前方に開放した空間gが形成されている。このとき、空間gは、キック部15aで扉を蹴り出すのに必要なストローク分の左右方向の長さをもっている。また、キック部15aは扉の蹴り出しに耐え得る剛性を確保するため上下方向の幅が必要であるため、空間gもキック部15aに対応の幅をもっている。これらのことから、空間gは、幼児の指を差し込むことができる程度の前後方向の投影面積をもっている。開扉状態であっても、幼児、保護者等が扉ハンドル装置4,5を操作すると、キック部15aが扉の蹴り出し方向(図1(b)の矢線参照。以下、同じ。)に回転することになる。幼児の指を空間gに深く差し込むことができる場合、この差し込みに気づかない保護者等が扉ハンドル装置4,5を操作してしまうと、空間gに深く差し込まれた指をキック部15aと開口部13cとで挟み、指を怪我する指詰め事故に至る可能性がある。
図7に示す第二実施形態に係る開力軽減装置は、前述の指詰め事故が発生しないようにするため、シャッター40を追加したものである。
シャッター40は、フロントパネル13bの後方に配置されたシャッター軸41を中心として回動可能に設けられている。シャッター40は、略扇形の部材からなる。シャッター軸41は、シャッター40の略扇形の要に相当する位置でシャッター40から前後方向に突出している。シャッター軸41の前方側の端部は、箱本体13a(図1(a)参照。以下、同じ。)に形成されたピン孔部13dに支持されている。シャッター軸41の後方側の端部は、シャッターガイド42に形成されたピン孔部42aに支持されている。これら支持により、シャッター軸41は、前後方向に延びる姿勢に配置されている。シャッターガイド42は、箱本体13aの内部に固定されている。
シャッター40の前面は、箱本体13aの前壁に形成された切欠き空間にあり、開口部13cの後面側に隣接して配置されている。そして、シャッター40は、フロントパネル13bの後壁とシャッターガイド42の前面との間で、前後方向に対するシャッター40の傾きが所定以下となるように案内される。
シャッター40を常に受当てカム15に当接させる方向へ付勢するシャッターばね43が配置されている。シャッターばね43は、捩じりコイルばねになっており、シャッター軸41にコイル部を通した状態で一方のばね脚をシャッター40の凹部40aに掛け、他方のばね脚を箱本体13aに掛ける姿勢に配置されている。シャッターばね43の付勢により、シャッター40の上面テーパ部(略扇形の上面側縁部)が受当てカム15のキック部15aの付け根付近に当接する状態に維持される。
扉ハンドル装置4,5の非操作時、シャッター40は、シャッターばね43の付勢と受当てカム15に対する当接とにより、キック部15aと開口部13cとの間に形成される空間gの大半を後方から覆う状態で待機することができる(図7(b)参照)。これにより、開扉状態で、幼児の指先が空間gから深く差し込まれること(フロントパネル13bよりも後方に差し込まれること)を確実に防止することができる。
一方、扉ハンドル装置4,5が操作されて受当てカム15が回転すると、受当てカム15が回転するのに伴い、シャッター40の上面テーパ部が受当てカム15の回転トルクで押される。これにより、シャッター40が、シャッター軸41周りに下側へ回転(図7(b)中の矢線参照)させられるので、受当てカム15から退避していく。このため、キック部15aは、空間gを扉の蹴り出し方向(図1(b)の矢線参照。以下、同じ。)に進むことができる。
図8は、開扉状態で扉ハンドル装置4,5の非操作時にシャッター40が空間gの大半を後方から覆う状態で幼児の指が空間gに差し込まれたときを模式的に示す図である。ここでは、幼児の指は、直径Ws(=2Rs)の円柱であって、指先が半径Rsの球面で近似されたもの(同図において一点鎖線で示す。)としている。また、フロントパネル13bは、開口部13cに連続する面取り13eを有し、この面取り13eとの境界である開口部13cの前方側開口縁と指先の半径Rsの球面とが接触した状態にあるものとする。
図8の状態で、キック部15aが蹴り出し方向が同図の左方向に移動して指先の直径Wsの円筒面に当接すると、指先と開口部13cの前方側開口縁との接触部においては、この接触部の法線に沿って垂直抗力Nが作用し、これに直交する方向に摩擦力μNが作用する。ここで、その接触部とシャッター40の前面との距離をDとし、その接触部における法線が前後方向となす角度をθとすると、D=Rs(1-cosθ)と表されるから、これを解いてθ=arccos(1-D/Rs)となる。なお、arccosは余弦関数cosの逆関数である。さらに、摩擦角ψと摩擦係数μとの関係はμ=tanψであるから、摩擦力μNと垂直抗力Nの合力Fの方向は同図に示すように、前後方向に対して(θ+ψ)だけ傾斜した方向となる。ここで、(θ+ψ)>90°であると、合力Fの前後方向分力Ff(=Fcos(θ+ψ))は後方に向くため、指先が空間gに差し込まれた状態でキック部15aと開口部13cとで挟まれ、そのときにシャッター40が退避していくと、指先には後方に引き込まれる力が作用するので、指詰めによる怪我を生ずることになる。ここで半径Rsが小さいほど、角度θが大きくなり、指詰めしやすいことになる。すなわち大人よりも幼児の方が指詰めによる怪我を生じやすいことになる。
一方、幼児であっても(θ+ψ)<90°となるようにできれば、合力Fの前後方向分力Ffは前方に向くため、指先が空間gに差し込まれた状態でキック部15aと開口部13cとで指先が挟まれても、指先には前方に押し出される力が作用するから、指詰めによる怪我を生ずることはない。したがって、半径Rsが小さくとも(θ+ψ)<90°が成立するように、各部仕様を設定すればよい。具体的には、角度θを小さくするために距離Dを小さくし、摩擦角ψを小さくするために摩擦係数μを小さくすればよい。
ここで、距離Dを小さくするためには、フロントパネル13bに設ける開口部13c周りの面取り13eを大きくすることや、シャッター40とフロントパネル13bの後面との空隙を可能な限り狭くするとよい。なお、面取り13eは、フロントパネル13bのプレス成形時に面押し加工で形成することが可能である。
また、摩擦係数μを小さくするためには、開口部13cの表面に潤滑性能をもたせるとよい。例えば、受当てカム15の材質として焼結含油金属を用いれば、開扉時の開力軽減動作における受当てカム15と受け部2a(図5参照。以下、同じ。)との間での摩擦摩耗が抑制されるだけでなく、扉ハンドル装置4,5を操作したときにキック部15aが当接する開口部13cの端面に焼結含油金属からにじみ出た潤滑剤が転写付着するので、指先と前方側開口縁との摩擦係数μを小さくすることができる。
ここで、指の寸法については、著者:八藤後猛,「子どもの発達と住宅内安全計画」,バイオメカニズム学会誌Vol.33,No.1:8-9,2009によると、1歳児の小指の厚さの平均値は6.8mmであるから、直径Ws=6.8mmすなわち半径Rs=3.4mmと仮定する。また、開口部13cに潤滑剤が転写付着して摩擦係数μが0.1であったと仮定する。この場合、距離D≦3.0mmとすれば、(θ+ψ)<90°が成立するので、指詰め事故は生じないことになる。なお、ここまでの計算は指先が変形しないものとして導出したものだが、空間gに指を差し込んでキック部15aと開口部13cの前方側開口縁とで挟まれたときには、半径Rsはより小さくなり得る。念のため、半径Rsの値を2/3(Rs=2.27mm)まで潰れた状態を想定した場合、D≦2.0mmであれば(θ+ψ)<90°が成立するので、指詰めは生じないことがわかる。
なお、ハンドル非操作時において、空間gには後方からシャッター40で覆われてない領域が少し残っているが(図7(b)参照)、この領域は、幼児の指の厚みに対応の直径Wsよりも小さく、この領域から指を深く差し込むことは極めて困難であるから、この領域のために指詰め事故が起こる懸念はない。
また、扉ハンドル装置4,5を操作して受当てカム15が蹴り出した状態のとき(図3(b)参照)、シャッター40は図7の状態から退避して空間gを後方から覆うことができなくなるが、このとき、受当てカム15のキック部15a以外の前面において、開口部13cの後方側に隣接して空間gを後方から覆う部位があるため(図3(b)参照)、空間gのうち、受当てカム15で後方から覆われていない領域における前後方向の投影面積は幼児の指の断面よりも小さくなっており、したがって、この領域に幼児の指を深く差し込むことはできない。
仮に、図3(b)の状態で受当てカム15の前面が空間gを後方から覆う範囲を少なくし、幼児の指が前述の領域に深く差し込まれることを許容したとしても、図3(b)の状態から指がキック部15aと開口部13cとで挟まれるのは、扉ハンドル装置4,5が非操作状態に戻るときである。このとき、扉ハンドル装置4,5に非操作状態へ戻す操作が行われたとしても、その操作力は、揺動部材20,22(図1(a)、図3(a)参照)に加わらない。このとき、受当てカム15を図7、図1(b)の非操作状態まで戻す力は、付勢ばね25,26で生ずる弱い力に過ぎないので、キック部15aと開口部13c間に指が挟まれても指の怪我に至ることはない。
第二実施形態に係る開力軽減装置は、上述のようなものであり、特に、扉ハンドル装置4,5の非操作時に開口部13cと受当てカム15との間に形成される空間gの大半を開口部13cの後方に隣接して覆い、かつ扉ハンドル装置4,5の操作時に受当てカム15の蹴り出し方向への回転に伴って退避するシャッター40が設けられていることにより、開扉状態で幼児の指先を受当てカム15と開口部13c間の空間gに深く差し込むことができないため、受当てカム15と開口部13cとで指が挟まれる指詰め事故を防止することができる。
なお、第二実施形態では、シャッター軸41周りに回動するシャッター40を例示したが、並進スライド型のシャッター、例えば、昇降部材により上下方向に並進するシャッター、第一揺動部材により昇降するシャッター等を採用することも可能である。
この発明の第三実施形態に係る開力軽減装置を図9、図10に基づいて説明する。なお、ここでは、第一実施形態との相違点を述べるに留める。
第三実施形態に係る開力軽減装置は、前述の指詰め事故が発生しないようにするため、トリガー機構を追加したものである。
そのトリガー機構は、図9、図10に示すように、ケース13に対して前後方向に所定のストロークで直線往復運動を行うトリガー部材50と、後退したトリガー部材50を前方に向けて付勢するトリガーばね51とを有する。
箱本体13a(図1(a)参照。以下、同じ。)は、トリガー機構の収容空間を確保するため、第一実施形態のものに比して下側に拡張されている。ケース13(図1(a)参照。以下、同じ。)には、ケース13の前面からケース13の内部まで前後方向に貫通したトリガー口13fが形成されている。トリガー部材50は、トリガー口13fを貫通して前方に突き出た先端部50aを有する。
箱本体13aには、トリガー部材50との間にトリガーばね51を保持するばね受け部13gが設けられている。トリガーばね51は、コイルばねになっており、トリガー部材50の後端部50bと、ばね受け部13gとで前後方向に向けて配置されている。
箱本体13aは、トリガー部材50を前後方向に案内する。トリガー部材50の後進は、トリガーばね51及びばね受け部13gとで規制される。トリガー部材50のストロークの前端位置は、箱本体13aの前壁とトリガー部材50の前後の当接で規制される位置になっている。開扉状態で扉ハンドル装置4,5(図2参照。以下、同じ。)の非操作時、図9に示すように、トリガー部材50はストロークの前端位置に待機する。このストロークの前端位置において、トリガー部材50の頂上面50cは、第一揺動部材20の前方側アーム部の下方に位置しており、第一揺動部材20の左回りの回転(すなわち、受当てカム15を扉の蹴り出し方向に回転させる方向のリンク機構動作)を阻止する。このため、開扉状態では、扉ハンドル装置4,5が操作されても、受当てカム15が扉を蹴り出す方向へ回転させられない。なお、第一揺動部材20には、頂上面50cとの高低差を調整するための下向き突部20aが追加されている。
閉扉時、トリガー部材50は、図10(a)に示すように扉枠2と先端部50aとが当接すると、トリガーばね51の付勢に抗してケース13の内部側へ没入し、ストロークの後端位置に待機する。このストロークの後端位置において、トリガー部材50の上面凹部50dは、第一揺動部材20の下向き突部20aの下方に位置する。上面凹部50dは、第一揺動部材20の左回りの回転(すなわち、受当てカム15を扉の蹴り出し方向に回転させる方向のリンク機構動作)を許すための空間をトリガー部材50と第一揺動部材20との間に形成する。このため、閉扉状態で扉ハンドル装置4,5が操作されると、受当てカム15を扉の蹴り出し方向へ回転させることができる。
閉扉状態から扉を開くと、その扉の開放が進行するに伴いトリガー部材50の先端部50aが扉枠2から離れるに連れて、トリガーばね51の付勢によりトリガー部材50が前進させられていき、やがてトリガー部材50の先端部50aが扉枠2から離れると、トリガー部材50がストロークの前端位置に到達し、このまま図9に示すように開扉状態に待機することになる。
すなわち、トリガー機構は、開扉する際、トリガー部材50の先端部50aが突出して、トリガー部材50が扉ハンドル装置4,5の操作に対するリンク機構の動作を阻止する状態になる。このため、開扉状態で扉ハンドル装置4,5が操作されようとしても、トリガー機構により、受当てカム15の蹴り出し方向への回転(図9(b)の位置から図10(b)の位置への回転)そのものが阻害されるので、キック部15aと開口部13cとの間の空間g(図1(b)参照)に指が深く差し込まれても、指詰め事故が生じない。
第三実施形態に係る開力軽減装置は、上述のようなものであり、特に、開扉時にケース13から前方に突出しかつ閉扉時にケース13に没入するトリガー機構が設けられており、トリガー機構が、開扉時に前方に突出すると受当てカム15の蹴り出し方向への回転を規制し、閉扉時に没入すると受当てカム15の蹴り出し方向への回転を許すことにより、開扉状態で扉ハンドル装置4,5が操作されても受当てカム15の回転が規制されるため、前述のように受当てカム15と開口部13cとで指が挟まれることを防止することができる。
なお、シャッターとトリガー機構とを併用することも可能である。
また、上述の各実施形態では、受当てカムを前後方向のカム軸周りに回動させるため、扉ハンドル装置の運動を受当てカムの回動に変換する変換機構として、昇降部材とリンク機構とで構成された変換機構を採用しているが、シャッターやトリガー機構は、受当てカムのカム軸を前後方向以外の方向、例えば、特許文献1に開示された開力軽減装置や、特開2021-75892号公報に開示された開力軽減装置のように、上下方向のカム軸周りに設け、これに対応の変換機構を採用する場合にも、受当てカムのキック部を回動させるための開口部をケースに形成するので、シャッターとトリガー機構の少なくとも一方の採用により、指詰め事故を防止することが可能である。
また、シャッターは、カム軸が延びる方向やこれに対応の変換機構の構造に応じ、扉ハンドル装置の運動を受当てカムの回動に変換する変換機構に連動するものとして設ければよく、トリガー機構は、カム軸が延びる方向やこれに対応の変換機構の構造に応じ、閉扉状態に受当てカム、変換機構の正常動作を許し、開扉状態で受当てカム、変換機構の正常動作を阻止するものとして設ければよい。
また、上述の各実施形態では、室内側の扉ハンドル装置が開力軽減装置に伝達する運動の方向と室外側の扉ハンドル装置が開力軽減装置に伝達する運動の方向を同一にするための複雑な運動方向反転機構を不要にするためのリンク機構を例示したが、変換機構は、そのようなリンク機構に限定されるものではなく、例えば、特許第5813941号公報に開示されたような反転機構を設けたものであってもよい。
また、上述の各実施形態では、扉ハンドル装置としてプッシュプルハンドルを例示したが、レバーハンドルを採用することも可能である。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 開力軽減装置
2 扉枠
2a 受け部
3 扉
4,5 扉ハンドル装置
6,7 ハンドル
8,9 伝達片
10 ラッチ錠
13 ケース
13b フロントパネル
13c 開口部
14 カム軸
15,30 受当てカム
16 回動軸
17 昇降部材
18 リンク機構
19 第一揺動軸
20 第一揺動部材
21 第二揺動軸
22 第二揺動部材
23 連結軸
24 ジョイント軸
40 シャッター
43 シャッターばね
50 トリガー部材
51 トリガーばね
g 空間

Claims (7)

  1. 開扉時に操作される扉ハンドル装置の運動を扉枠に対して扉を蹴り出す運動に変換可能な開力軽減装置において、
    前記扉の戸先側に固定されるケースと、
    前記ケースの前後方向に延びるカム軸を中心に前記ケースに対して回動可能に配置された受当てカムと、
    前記カム軸よりも前記ケースの左右方向一方側に寄った位置で前記前後方向に延びる回動軸を介して前記受当てカムと接続されかつ前記ケースの上下方向に移動可能に配置された昇降部材と、
    前記扉ハンドル装置の運動を前記ケースに対する前記昇降部材の上下方向動に変換するリンク機構と、を備え、
    前記昇降部材の上下方向動によって前記受当てカムが前記カム軸周りに前記扉を蹴り出す方向へ回転させられることを特徴とする開力軽減装置。
  2. 前記リンク機構が、前記左右方向に延びる第一揺動軸を中心に前記ケースに対して揺動可能に配置された第一揺動部材と、前記左右方向に延びる第二揺動軸を中心に前記ケースに対して揺動可能に配置された第二揺動部材と、を有し、
    前記第一揺動部材が、前記左右方向に延びるジョイント軸を介して前記昇降部材と接続されており、
    前記リンク機構が、前記第一揺動部材の前記第一揺動軸周りの揺動を前記昇降部材の上下方向の往復移動に変換し、前記第一揺動部材の前記第一揺動軸周りの揺動と前記第二揺動部材の前記第二揺動軸周りの揺動を互いに相反する向きの揺動に変換する請求項1に記載の開力軽減装置。
  3. 前記ケースが、前記ケースの前面に配置されたフロントパネルを前記前後方向に貫通した開口部を有し、
    前記受当てカムが、前記開口部を貫通して前方に突き出ており、
    前記扉ハンドル装置の非操作時に前記開口部と前記受当てカムとの間に形成される空間の大半を前記開口部の後方に隣接して覆い、かつ前記扉ハンドル装置の操作時に前記受当てカムの蹴り出し方向への回転に伴って退避するシャッターが設けられている請求項1に記載の開力軽減装置。
  4. 前記ケースが、前記ケースの前面に配置されたフロントパネルを前記前後方向に貫通した開口部を有し、
    前記受当てカムが、前記開口部を貫通して前方に突き出ており、
    開扉時に前記ケースから前方に突出しかつ閉扉時に前記ケースに没入するトリガー機構が設けられており、
    前記トリガー機構が、開扉時に前方に突出すると前記受当てカムの蹴り出し方向への回転を規制し、閉扉時に没入すると前記受当てカムの蹴り出し方向への回転を許す請求項1に記載の開力軽減装置。
  5. 前記ケースが、ラッチ錠の錠箱からなる請求項1から4のいずれか1項に記載の開力軽減装置。
  6. 開扉時に操作される扉ハンドル装置の運動を扉枠に対して扉を蹴り出す運動に変換可能な開力軽減装置において、
    前記扉の戸先側に固定されるケースと、
    前記ケースの内部に設けられたカム軸を中心に前記ケースに対して回動可能に配置された受当てカムと、
    前記扉ハンドル装置の運動を前記受当てカムの回動に変換する変換機構と、を備え、
    開扉時の前記扉ハンドル装置の運動が前記変換機構に変換されることによって前記受当てカムが前記カム軸周りに前記扉を蹴り出す方向へ回転させられるようになっており、
    前記ケースが、前記ケースの前面に配置されたフロントパネルを前記ケースの前後方向に貫通した開口部を有し、
    前記受当てカムが、前記開口部を貫通して前方に突き出ており、
    前記扉ハンドル装置の非操作時に前記開口部と前記受当てカムとの間に形成される空間の大半を前記開口部の後方に隣接して覆い、かつ前記扉ハンドル装置の操作時に前記受当てカムの蹴り出し方向への回転に伴って退避するシャッターが設けられていることを特徴とする開力軽減装置。
  7. 開扉時に操作される扉ハンドル装置の運動を扉枠に対して扉を蹴り出す運動に変換可能な開力軽減装置において、
    前記扉の戸先側に固定されるケースと、
    前記ケースの内部に設けられたカム軸を中心に前記ケースに対して回動可能に配置された受当てカムと、
    前記扉ハンドル装置の運動を前記受当てカムの回動に変換する変換機構と、を備え、
    開扉時の前記扉ハンドル装置の運動が前記変換機構に変換されることによって前記受当てカムが前記カム軸周りに前記扉を蹴り出す方向へ回転させられるようになっており、
    前記ケースが、前記ケースの前面に配置されたフロントパネルを前記ケースの前後方向に貫通した開口部を有し、
    前記受当てカムが、前記開口部を貫通して前方に突き出ており、
    開扉時に前記ケースから前方に突出しかつ閉扉時に前記ケースに没入するトリガー機構が設けられており、
    前記トリガー機構が、開扉時に前方に突出すると前記受当てカムの蹴り出し方向への回転を規制し、閉扉時に没入すると前記受当てカムの蹴り出し方向への回転を許すことを特徴とする開力軽減装置。
JP2023145106A 2022-10-12 2023-09-07 開力軽減装置 Pending JP2024057581A (ja)

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