JP2024056684A - 置換フェニル又はピリジニル部分を有するserd三環化合物の製造方法 - Google Patents

置換フェニル又はピリジニル部分を有するserd三環化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】置換フェニル又はピリジニル部分を含む、GDC-9545などの縮合三環化合物を調製するための有用な方法を提供する。【解決手段】下式等の反応を用いる。TIFF2024056684000172.tif44170【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年6月30日に出願された米国仮特許出願第63/046216号(その全内容は本明細書に参照により援用される)の利益を主張する。
発明の分野
[0002] 本明細書で提供されるのは、(R)-1-(1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン及び(R)-3-((1-(1H-インドール-3-イル)プロパン-2-イル)アミノ)-2,2-ジフルオロプロパン-1-オールの大規模製造に関連するGDC-9545と中間体との合成方法である。
[0003] 本開示の範囲内の置換フェニル又はピリジニル部分を含む縮合三環化合物は、エストロゲン受容体(「ER」)標的剤として有用である。
[0004] ERは、内因性エストロゲンとの相互作用を通じて、様々な生物学的効果の誘導を媒介するリガンド活性化転写制御タンパク質である。内因性エストロゲンは、17β(ベータ)-エストラジオール及びエストロンを含む。ERは、2つのアイソフォーム、ER-α(アルファ)及びER-β(ベータ)を有することが発見されている。エストロゲン及びエストロゲン受容体は、乳がん、肺がん、卵巣がん、結腸がん、前立腺がん、子宮内膜がん、子宮がんなどの多くの疾患又は状態及びその他の疾患又は状態に関与している。ER-α標的剤は、転移性疾患及び獲得耐性設定で特有の活性を有する。ER-α標的剤は、米国特許出願公開第2016/0175289号に開示されている。
[0005] 置換フェニル又はピリジニル部分を含む、GDC-9545などの縮合三環化合物を調製するための有用な方法は、米国特許第9,980,947号及び米国特許出願公開第2020/0002331号に開示されている。しかし、化学プロセスのスケールアップは、例えば不純物の増加又は収率の低下などの予期せぬ状態を引き起こす可能性があることが知られている。したがって、収率を増加させ、且つ/又は不純物を減少させる、GDC-9545の合成のための改善された方法が必要である。現在知られている方法と比較して、本開示の方法は、有利には、例えば、工程条件、試薬選択、単位操作の複雑さ、スケーラビリティなどの改善を提供する。
[0006] 本明細書で提供されるのは、これらの問題に対するソリューションである。
[0007] 一態様では、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の式(II)の化合物の調製方法であって、(a)本明細書に記載の式(II)の化合物をスルホン酸と接触させて、本明細書に記載の式(IIIa)の化合物を形成することと;(b)式(IIIa)の化合物を塩基と接触させて、本明細書に記載の式(IV)の化合物を形成すること;式(IV)の化合物を水素化して、本明細書に記載の式(V)の化合物を形成すること;及び式(V)の化合物を本明細書に記載の式(VI)の化合物と接触させて、それにより式(II)の化合物を合成することを含む方法である。
[0008] 別の態様において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の式(II)の化合物の調製方法であって、(a)本明細書に記載の式(VII)の化合物を本明細書に記載の式(VI)の化合物と接触させて、本明細書に記載の式(VIIa)の化合物を作製すること;(b)式(VIIa)の化合物を酸と接触させて、それにより本明細書に記載の式(VIIb)の化合物を合成すること;式(VIIb)の化合物を1,1’-カルボニルジイミダゾールと接触させて、それにより本明細書に記載の式(VIIc)の化合物を合成すること;式(VIIc)の化合物を本明細書に記載の式(VIII)の化合物と接触させて、本明細書に記載の式(Va)の化合物を作製すること;及び式(Va)の化合物を塩基、続いて酸と接触させて、それにより式(II)の化合物を作製することを含む方法である。
[0009] 別の態様において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の式(V)の化合物を本明細書に記載の式(VI)の化合物と接触させることを含む、本明細書に記載の式(II)の化合物の調製方法であり、ここで、式(V)の化合物は、(a)本明細書に記載の式(VIIp)の化合物を本明細書に記載の式(VIII)の化合物と接触させて、本明細書に記載の式(Vb)の化合物を作製すること;及び(b)式(Vb)の化合物を酸と接触させて、それにより式(V)の化合物を作製することによって、調製される。
[0010] 別の態様では、本明細書で提供されるのは、式(II)の化合物の調製方法であって、(a)アラニンを本明細書に記載の式(IX)の化合物と接触させて、本明細書に記載の式(XI)の化合物を形成することと;b)式(XI)の化合物を塩素化剤、式
Figure 2024056684000001
の化合物、及び有機アルミニウム化合物と接触させて、本明細書に記載の式(Vc)の化合物を形成することと;(c)式(Vc)の化合物を還元剤と接触させ、それにより式(II)の化合物を形成することとを含む方法である。
[0011] 別の態様では、本明細書で提供されるのは、式(1)の化合物の合成方法であって、式(2)の化合物(本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成されたもの)を式(10)の化合物と接触させることを含む方法である。
[0012] 一態様では、本明細書で提供されるのは、がんを有する患者に、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することによってがんを処置する方法である。
[0013] 別の態様では、本明細書で提供されるのは、肺がん、卵巣がん、子宮内膜がん、前立腺がん、子宮がん又は乳がんを有する患者に、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することにより前記がんを処置する方法である。
[0014] 別の態様では、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することによる、乳がんを有する患者において乳がんを処置する方法である。
[0015] 別段の定めがない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。例えば、Singletonら,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY 第2編,J.Wiley & Sons(New York,NY 1994);Sambrookら,MOLECULAR CLONING,A LABORATORY MANUAL,Cold Springs Harbor Press(Cold Springs Harbor,NY 1989)参照。本明細書に記載のものと類似又は同等の任意の方法、装置、及び材料を本発明の実施に使用することができる。
[0016] 以下の定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。本明細書で言及されているすべての参照文献は、その全体が参照により援用される。
[0017] 本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、1~20の炭素(C1-20)原子を有する脂肪族直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素部分を指す。特定の実施態様では、アルキルは1~10個の炭素(C1-10)原子を有する。特定の実施態様では、アルキルは1~6個の炭素(C1-6)原子を有する。特定の実施態様では、アルキルは1~4個の炭素(C1-4)原子を有する。特定の実施態様では、アルキルは1~3個の炭素(C1-3)原子を有する。アルキル基は、独立して、本明細書に記載の1又は複数の置換基で置換されていてもよい。
[0018] 本明細書で使用される場合、用語「置換(されている)」は、化合物又は部分の少なくとも1つの水素原子が別の置換基又は部分で置き換えられていることを指す。そのような置換基の例には、限定されないが、ハロゲン、-OH、-CN、オキソ、アルコキシ、アルキル、アルキレン、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキル、及び複素環が含まれる。一実施態様において、本明細書で使用される置換は、本明細書に記載の化合物又は部分の少なくとも1つの水素原子がハロゲン又はアルキルで置き換えられていることを指すことができる。
[0019] 本明細書で使用される場合、用語「アルコキシ」は、R’がアルキル基である式-O-R’の基を指す。アルコキシ基は、独立して、本明細書に記載の1つ又は複数の置換基で置換されていてもよい。アルコキシ部分の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、及びtert-ブトキシが含まれる。
[0020] 本明細書で使用される場合、用語「ハロアルキル」は、アルキル基の水素原子の1又は複数が同じか又は異なるハロゲン原子、特にフッ素原子及び/又は塩素原子により置き換えられたアルキル基を指す。ハロアルキルの例には、モノフルオロ-、ジフルオロ-又はトリフルオロ-メチル、-エチル又は-プロピル、例えば3,3,3-トリフルオロプロピル、2-フルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルが含まれる。
[0021] 本明細書で使用される場合、用語「ハロ」及び「ハロゲン」は、互換的であり、置換基であるフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。
[0022] 本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、単環式、二環式(架橋二環式を含む)又は三環式環及び環内に3~10個の炭素原子を有する飽和又は部分的に不飽和の炭素環部分を意味する。シクロアルキル部分は、1又は複数の置換基で置換されていてもよい。特定の実施態様では、シクロアルキルは、3~8個の炭素原子を含有する(すなわち、(C-C)シクロアルキル)。他の特定の実施態様では、シクロアルキルは、3~6個の炭素原子を含有する(すなわち、(C-C)シクロアルキル)である。シクロアルキル部分の例には、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びそれらの部分的に不飽和の(シクロアルケニル)誘導体(例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、及びシクロヘプテニル)、ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、ビシクロ[3.1.0]ヘキセニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、及びビシクロ[3.1.1]ヘプテニルが含まれる。シクロアルキル部分は、「スピロシクロプロピル」:
Figure 2024056684000002
のような「スピロシクロアルキル」様式で結合することができる。
[0023] 本明細書で使用される「処置すること(treating)」とは、障害、疾患若しくは状態の、又は障害、疾患若しくは状態に関連する1若しくは複数の症状の全体的又は部分的な緩和、或いはそれらの症状の更なる進行又は悪化を遅らせるか停止させること、或いは障害、疾患又は状態の原因自体を緩和又は根絶することを意味する。一実施態様において、障害は、がんである。
[0024] 用語「有効量」又は「治療的有効量」とは、本開示に記載の障害、疾患又は症状を処置又は予防することができる本明細書に記載の化合物の量を指す。
[0025] 本明細書で「患者」又は「対象」は、霊長類(例えばヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、サル、ニワトリ、七面鳥、ウズラ又はモルモットなどを含むがこれらに限定されない哺乳類などの動物を含むと定義され、ある実施態様では哺乳類、別の実施態様ではヒトである。ある実施態様では、対象は、がんを有するか又はがんのリスクがあるヒトである。
[0026] 本明細書で使用される場合、用語「部分」及び「置換基」という用語は、1又は複数の化学結合によって別の原子又は分子に結合し、それにより分子の一部を形成する、化学的に結合した原子又は原子群を指す。
[0027] 「無機酸」とは、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸、ホウ酸、リン酸などの酸、及びこれらの組み合わせを指す。
[0028] 「有機酸」とは、限定されないが、酢酸;トリフルオロ酢酸;フェニル酢酸;プロピオン酸;ステアリン酸;乳酸;アスコルビン酸;マレイン酸;ヒドロキシマレイン酸;イセチオン酸;コハク酸;バレリン酸;フマル酸;マロン酸;ピルビン酸;シュウ酸;グリコール酸;サリチル酸;オレイン酸;パルミチン酸;ラウリン酸;グルクロン酸又はガラクツロン酸などのピラノシジル酸(pyranosidyl acid);マンデル酸、クエン酸又は酒石酸などのアルファ-ヒドロキシ酸;システインスルフィン酸;アスパラギン酸、グルタル酸又はグルタミン酸などのアミノ酸;安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、ナフトエ酸又は桂皮酸などの芳香族酸;ラウリルスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はエタンスルホン酸などのスルホン酸;システインスルホン酸;及びこれらの組み合わせを指す。
[0029] 「無機塩基」及び「水酸化物塩基」という用語は互換的に使用され、限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの塩基、及びこれらの組み合わせを指す。特定の実施態様では、無機塩基は、アルカリ金属塩基(例えばNaOH、KOH又はLiOH)である。
[0030] 「有機塩基」とは、1つ以上の窒素原子を含有する有機化合物で、塩基として作用するものを指す。有機塩基の例には、限定されないが、第三級アミン塩基が含まれる。有機塩基の例には、限定されないが、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(「DBU」)、N-メチル-モルホリン(NMM)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、トリエチルアミン(TEA)、t-ブトキシド(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム又はマグネシウムブトキシドtert-ブトキシド)が含まれる。
[0031] 本明細書に記載の化合物は、薬学的に許容される塩と薬学的に許容されない塩を包含する塩の形態で存在し得る。本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される塩」は、遊離塩基又は遊離酸の生物学的有効性と特性を保持する塩を指し、生物学的にもその他の点でも望ましくないものではない。薬学的に許容される塩の他に、本開示の化合物は、前記化合物を単離又は精製するための中間体として有用な薬学的に許容されない塩の形態でもよい。
[0032] 本開示の化合物の例示的な塩には、限定されないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩「メシル酸塩」、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩(すなわち、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸))塩が含まれる。薬学的に許容される塩は、酢酸イオン、コハク酸イオン又は他の対イオンなどの別の分子の包含を伴ってもよい。対イオンは、親化合物の電荷を安定化する任意の有機又は無機部分であり得る。更に、薬学的に許容される塩は、その構造内に複数の荷電原子を有することができる。複数の荷電原子が薬学的に許容される塩の一部である場合、複数の対イオンを有することができる。したがって、薬学的に許容される塩は、1若しくは複数の荷電原子及び/又は1若しくは複数の対イオンを有することができる。
[0033] 本開示の化合物の例示的な塩基性塩には、限定されないが、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、及びアルミニウムカチオンから形成される無機塩が含まれる。第一級、第二級、及び第三級アミン;天然の置換アミンを含む置換アミン;環状アミン;塩基性イオン交換樹脂;イソプロピルアミン;トリメチルアミン;ジエチルアミン;トリメチルアミン;トリプロピルアミン;エタノールアミン;2-ジエチルアミノエタノール;トリメタミン;ジシクロヘキシルアミン;リシン;アルギニン;ヒスチジン;カフェイン;プロカイン;ヒドラバミン;コリン;ベタイン;エチレンジアミン;グルコサミン;メチルグルカミン;テオブロミン;プリン;ピペラジン;ピペリジン;N-エチルピペリジン;並びにポリアミン樹脂を含むカチオンから形成される有機塩。
[0034] 分子式は同じだが、原子の結合の性質若しくは順序又は空間内での原子の配置が異なる化合物を「異性体」という。空間内の原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。ジアステレオマーとは、1つ又は複数のキラル中心で反対の配置を持つ立体異性体のことで、エナンチオマーではない。互いの重ね合わせることのできない鏡像である1又は複数の不斉中心を持つ立体異性体を「エナンチオマー」という。化合物が不斉中心を持つ場合、例えば、炭素原子が4つの異なる基に結合している場合、一対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置により特徴付けることができ、カーン・インゴルド・プレローグのR及びS順位側により記述されるか、又は分子が偏光面を回転させる、右旋性又は左旋性(すなわち、それぞれ(+)又は(-)異性体)と呼ばれる方式で記述される。キラル化合物は、個々のエナンチオマーとしても、その混合物としても存在し得る。等比率のエナンチオマーを含む混合物を「ラセミ混合物」と呼ぶ。特定の実施態様では、化合物は、単一のジアステレオマー又はエナンチオマーで少なくとも約90重量%濃縮されている。他の実施態様では、化合物は、単一のジアステレオマー又はエナンチオマーで少なくとも約95重量%、98重量%又は99重量%濃縮されている。
[0035] 本明細書に記載の特定の化合物とその薬学的に許容される塩は、不斉炭素原子(光学中心)又は二重結合を有しており;ラセミ体、ジアステレオマー、位置異性体、及び個々の異性体(例えば、別個のエナンチオマー)はすべて、本開示の範囲内に包含されることが意図されている。
[0036] 本明細書に記載の化合物とその薬学的に許容される塩は、不斉中心又はキラル中心を含むことができ、したがって様々な立体異性体形態で存在し得る。限定されないが、ジアステレオマー、エナンチオマー、及びアトロプ異性体、並びにこれらの混合物(例えばラセミ混合物)を含め、本発明の化合物のすべての立体異性体形態が本発明の一部を形成することが意図される。場合によっては、立体化学が決定されていないか又は一時的に割り当てられている。多くの有機化合物は、光学的に活性な形態で存在する、すなわち、それらは平面偏光面を回転させる能力を有する。光学的に活性な化合物を記載する際に、接頭語DとL又はRとSが使用され、そのキラル中心の周りでの分子の絶対配置を表す。接頭語dとl又は(+)と(-)は、化合物による平面偏光の回転の符号を表すために使用され、(-)又は1はその化合物が左旋性であることを意味する。接頭語(+)又はDを有する化合物は、右旋性である。所与の化学構造において、これらの立体異性体は、互いの鏡像であることを除いて同一である。また、特定の立体異性体はエナンチオマーと呼ばれることもあり、そのような異性体の混合物をしばしばエナンチオマー混合物と呼ぶこともある。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物又はラセミ体と称され、これは、化学反応又はプロセスにおいて立体選択又は立体特異性がなかった場合に生じ得る。用語「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」は、2つのエナンチオマー種の等モル混合物を指し、光学活性がないものをいう。エナンチオマーは、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)などのキラル分離法によってラセミ混合物から分離することができる。X線結晶データなどから立体化学は確定しているのに対し、分離されたエナンチオマーにおけるキラル中心での配置の割り当ては、暫定的である。
[0037] 本明細書で提供されるのは、がんの処置において有用な化合物の調製方法である。化合物1と化合物Aを含めた式(I)の化合物は、例えば米国特許第9,980,947号及び米国特許出願公開第2020/0002331号に例示されている。本明細書に記載の方法は、最終生成物及びその合成における主要な中間体の生成物純度と収率を改善する。
[0038] 本明細書で提供されるのは、式(II)の化合物
Figure 2024056684000003
(式中、
1a及びR1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、無置換C1-3アルキル、無置換C1-3アルコキシ-CN、無置換C3-6シクロアルキル又は無置換C3-6スピロシクロアルキルであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、無置換C1-3アルキル、無置換C1-3ハロアルキル又は無置換C1-3アルコキシであり;
mは、0、1又は2であり;且つ
nは、1、2又は3である)
又はその塩の調製方法である。
[0039] 一態様において、本明細書で提供されるのは、式(II)の化合物又はその塩の調製方法(P1)であって、該方法は、以下の工程を含む:
(a)式(III)の化合物
Figure 2024056684000004
又はその塩をスルホン酸と接触させて、式(IIIa)の化合物
Figure 2024056684000005
又はその塩を形成する工程;
(b)式(IIIa)の化合物又はその塩を塩基と接触させて、式(IV)の化合物
Figure 2024056684000006
又はその塩を形成する工程;
(c)式(IV)の化合物又はその塩を水素化して、式(V)の化合物
Figure 2024056684000007
又はその塩を形成する工程;及び
(d)式(V)の化合物又はその塩を式(VI)の化合物
Figure 2024056684000008
(式中、R1a及びR1bは本明細書に記載されているとおりである)と接触させ、それにより式(II)の化合物を形成する工程。
[0040] 本明細書に記載の方法(P1)の一実施態様において、式(III)の化合物は、式:
Figure 2024056684000009
の塩である。
[0041] そのような実施態様では、塩はメシレート(MeSO)塩である。
[0042] 本明細書に記載の方法(P1)の一実施態様において、式(III)の化合物は、式:
Figure 2024056684000010
又はその立体異性体若しくは塩を有する。
[0043] 本明細書に記載の方法(P1)の一実施態様において、式(III)の化合物は、式:
Figure 2024056684000011
又はその立体異性体若しくは塩を有する。
[0044] 本明細書に記載の方法(P1)の一実施態様において、式(IIIa)の化合物は、式:
Figure 2024056684000012
又はその立体異性体若しくは塩を有する。
[0045] 本明細書に記載の方法(P1)の一実施態様において、式(IV)の化合物は、式:
Figure 2024056684000013
又はその立体異性体若しくは塩を有する。
[0046] 本明細書に記載の方法(P1)の一実施態様において、式(IV)の化合物は、式:
Figure 2024056684000014
を有する。
[0047] 本明細書に記載の方法(P1)の一実施態様において、スルホン酸は、HSO又はClSOHである。別の実施態様において、スルホン酸は、HSOである。更に別の実施態様では、スルホン酸は、ClSOHである。
[0048] 本明細書に記載の方法(P1)の一実施態様において、塩基は、アルカリ金属水酸化物塩基である。一実施態様において、塩基は、水酸化物塩基である。一実施態様では、塩基は、KOH、NaOH又はLiOHである。一実施態様では、塩基は、NaOH又はKOHである。一実施態様では、塩基は、NaOHである。
[0049] 本明細書に記載の方法(P1)の実施態様において、工程(c)の水素化は、Pd、Pt又はNiを含む触媒を使用して実施される。そのような実施態様では、触媒は、Pd/C、Pt/C又はラネーNiである。別のそのような実施態様では、触媒は、Pd(OH)、Pd(OAc)、PdCl、PdCl(MeCN)、Pd(dba)、Pd(dba)、Pd(TFA)、[Pd(アリル)Cl]、[Pd(シナミル)Cl]、及び(η3-Allyl)(η5-シクロペンタジエニル)パラジウム(II)から成る群より選択されるPd触媒である。一実施態様において、Pd触媒は、Pd(OH)である。
[0050] 本明細書に記載の方法(P1)の別の実施態様において、工程(c)の水素化は、イソプロパノール、ギ酸、ギ酸塩又はアンモニウムの存在下での触媒移動水素化を用いて実施される。
[0051] 本明細書に記載の方法(P1)の別の実施態様において、式(V)の化合物は、式:
Figure 2024056684000015
又はその立体異性体若しくは塩を有する。
[0052] P1の方法の別のそのような実施態様では、式(III)の化合物は、式(3)の化合物であり;式(IIIa)の化合物は、式(3a)の化合物であり;式(IV)の化合物は、式(4)の化合物であり;式(V)の化合物は、式(5)の化合物である。
[0053] P1の方法の別のそのような実施態様では、式(III)の化合物は、式(3x)の化合物であり;式(IIIa)の化合物は、式(3a1)の化合物であり;式(IV)の化合物は、式(4a)の化合物であり;式(V)の化合物は、式(5x)の化合物である。
[0054] P1の方法の別のそのような実施態様では、式(III)の化合物は、式(3y)の化合物であり;式(IIIa)の化合物は、式(3a2)の化合物であり;式(IV)の化合物は、式(4b)の化合物であり;式(V)の化合物は、式(5y)の化合物である。
[0055] P1の方法の別のそのような実施態様では、式(III)の化合物は、式(3z)の化合物であり;式(IIIa)の化合物は、式(3a3)の化合物であり;式(IV)の化合物は、式(4c)の化合物であり;式(V)の化合物は、式(5z)の化合物である。
[0056] 本明細書で更に提供されるのは、式(II)の化合物の調製方法(P2)であり、該方法は、以下の工程を含む:
(a)式(VII)の化合物
Figure 2024056684000016
(式中、各Zは、独立して、C1-3アルキル又はフェニルである)又はその立体異性体若しくは塩を、式(VI)の化合物
Figure 2024056684000017
(式中、R1a及びR1bは本明細書に記載されているとおりである)と接触させて、それにより式(VIIa)の化合物
Figure 2024056684000018
又はその塩を合成する工程;
(b)式(VIIa)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を酸と接触させて、それにより式(VIIb)の化合物
Figure 2024056684000019
又はその塩を合成する工程;
(c)式(VIIb)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を1,1’-カルボニルジイミダゾールと接触させて、それにより式(VIIc)の化合物
Figure 2024056684000020
又はその塩を合成する工程;
(d)式(VIIc)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を式(VIII)の化合物
Figure 2024056684000021
(式中、R及びmは本明細書に記載されているとおりである),又はその塩と接触させて、式(Va)の化合物
Figure 2024056684000022
又はその塩を作製する工程;及び
(e)式(Va)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を塩基、続いて酸と接触させて、それにより式(II)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を作製する工程。
[0057] 本明細書に記載の方法の一実施態様では、Rはハロゲンであり、mは1である。別の実施態様において、RはFであり、mは1である。好ましい一実施態様において、mは0である。
[0058] 本明細書に記載の方法(P2)の一実施態様では、工程(a)は、式
Figure 2024056684000023
の化合物又はその立体異性体若しくは塩を脱保護して、式(VII)の化合物又はその塩を作製することを更に含む。
[0059] 本明細書に記載の方法(P2)の一実施態様では、式(Va)の化合物は、式:
Figure 2024056684000024
又はその塩を有する。
[0060] 本明細書に記載の方法(P2)の一実施態様では、式(Va)の化合物は、式:
Figure 2024056684000025
又はその塩を有する。
[0061] 本明細書に記載の方法(P2)の一実施態様では、各Zは、独立して、C1-4アルキルである。別の実施態様では、各Zはメチルであり、各Zはエチルであり、各Zはイソプロピルであるか、又はSiZはSi(PhMe)若しくはSi(t-BuMe)である。別の実施態様では、各Zはエチルである。
[0062] 本明細書に記載の方法(P2)の一実施態様では、式(VII)の化合物は、式:
Figure 2024056684000026
又はその塩を有する。
[0063] 本明細書に記載の方法(P2)の一実施態様では、式(VIIIa)の化合物は、式:
Figure 2024056684000027
又はその塩を有する。
[0064] 本明細書に記載の方法(P2)の一実施態様では、式(VIIb)の化合物は、式:
Figure 2024056684000028
又はその塩を有する。
[0065] 本明細書に記載の方法(P2)の一実施態様では、式(VIIc)の化合物は、式:
Figure 2024056684000029
又はその塩を有する。
[0066] 本明細書に記載の方法(P2)の一実施態様では、式(VIII)の化合物は、式:
Figure 2024056684000030
又はその塩を有する。
[0067] 本明細書に記載の方法(P2)の一実施態様では、工程(b)の酸は、無機酸である。そのような一実施態様では、酸は、HSOである。
[0068] 本明細書に記載の方法(P2)の一実施態様では、工程(e)の塩基は、NaOH、KOH又はLiOHなどの無機塩基である。そのような一実施態様では、工程(e)の塩基は、LiOHである。本明細書に記載の方法(P2)の一実施態様では、工程(e)の酸は、無機酸である。そのような一実施態様において、酸は、HClである。
[0069] 本明細書に記載の方法(P2)のある実施態様では、工程(d)は、パラジウム触媒を更に含む。そのような一実施態様において、パラジウム触媒は、Pd(dppf)Cl・DCMである。本明細書に記載の方法(P2)の一実施態様では、酸は、HClである。
[0070] 本明細書に記載の方法(P2)の一実施態様では、該方法は式(2)の化合物又はその塩を合成することを含み、該方法は、
(a)式(7)の化合物又はその塩を式(6)の化合物と接触させて、式(7a)の化合物又はその塩を作製する工程;
(b)式(7a)の化合物又はその塩を本明細書に記載の酸と接触させて、それにより式(7b)の化合物又はその塩を合成する工程;
(c)式(7b)の化合物又はその塩を1,1’-カルボニルジイミダゾールと接触させて、それにより式(7c)の化合物又はその塩を合成する工程;
(d)式(7c)の化合物又はその塩を、本明細書に記載のPd触媒の存在下で、式(8)の化合物又はその塩と接触させて、それにより式(5a)の化合物又はその塩を合成する工程;及び
(e)式(5a)の化合物又はその塩を本明細書に記載の塩基、続いて本明細書に記載の酸と接触させて、それにより式(2)の化合物又はその塩を合成する工程
を含む。
[0071] 本明細書で更に提供されるのは、式(II)の化合物又はその塩の調製方法(P3)であって、該方法は、式(V)の化合物
Figure 2024056684000031
又はその塩
(上式中、R及びmは、本明細書に記載のとおりである)を式(VI)の化合物
Figure 2024056684000032
(式中、R1a及びR1bは、本明細書に記載のとおりである)と接触させることを含み、ここで、式(V)の化合物又はその塩は、
(a)式(VIIp)の化合物
Figure 2024056684000033
又はその立体異性体若しくは塩(上式中、各Zは、本明細書に記載のとおりである)を式(VIII)の化合物
Figure 2024056684000034
又はその塩と接触させて、それにより式(Vb)の化合物を合成する工程;及び
Figure 2024056684000035
(b)式(Vb)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を酸と接触させて、それにより式(V)の化合物又はその塩を作製する工程
により調製される。
[0072] 本明細書に記載の方法(P3)の一実施態様では、各Zは、エチルである。本明細書に記載の方法(P3)の一実施態様では、mは、0である。本明細書に記載の方法(P3)の一実施態様では、工程bの酸は、無機酸である。そのような一実施態様において、酸は、HClである。
[0073] 一実施態様において、式(VIIp)の化合物は、式;
Figure 2024056684000036
を有する。
[0074] 本明細書に記載の方法(P3)の一実施態様では、工程(a)は、パラジウム触媒を更に含む。そのような一実施態様において、パラジウム触媒は、Pd(dppf)Cl・DCMである。
[0075] 本明細書に記載の方法(P3)の一実施態様では、式(Vb)の化合物は、式:
Figure 2024056684000037
又はその塩を有する。
[0076] 本明細書に記載の方法(P3)の一実施態様では、式(Vb)の化合物は、式:
Figure 2024056684000038
又はその塩を有する。
[0077] 本明細書に記載の方法(P1)、(P2)、及び(P3)の一実施態様では、式(VI)の化合物は、式:
Figure 2024056684000039
、又はその立体異性体である。
[0078] 本明細書に記載の方法(P1)、(P2)、及び(P3)の一実施態様では、式(VI)の化合物は、式(6)、(6a)又は(6b)である。本明細書に記載の方法(P1)、(P2)、及び(P3)の一実施態様では、式(VI)の化合物は、式(6c)、(6d)又は(6e)である。本明細書に記載の方法(P1)、(P2)、及び(P3)の一実施態様では、式(VI)の化合物は、式(6f)、(6g)、(6h)、(6i)又は(6j)である。本明細書に記載の方法(P1)、(P2)、及び(P3)の一実施態様では、式(VI)の化合物は、式(6)である。
[0079] 本明細書で更に提供されるのは、式(II)の化合物又はその塩の調製方法(P4)であって、該方法は、以下の工程を含む:
(a)アラニンを式(IX)の化合物
Figure 2024056684000040
(式中、R1a、R1b、及びnは本明細書に記載のとおりである)と接触させて、式(XI)の化合物
Figure 2024056684000041
又はその塩を形成する工程;
(b)式(XI)の化合物又はその塩を(i)塩素化剤、(ii)式
Figure 2024056684000042
の化合物(式中、R及びmは本明細書に記載のとおりである)、及び(iii)有機アルミニウム化合物と接触させて、式(Vc)の化合物
Figure 2024056684000043
又はその塩を形成する工程;並びに
(c)式(Vc)の化合物又はその塩を還元剤と接触させて、それにより式(II)の化合物又はその塩を形成する工程。
[0080] 本明細書に記載の方法(P4)の一実施態様では、有機アルミニウム化合物は、式XAlを有し、式中、Xは、独立して、Cl又はC1-4アルキルである。そのような一実施態様において、Xは、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル又はイソブチルである。本明細書に記載の方法(P4)の別の実施態様では、有機アルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド又はエチルアルミニウムジクロリドである。そのような一実施態様において、有機アルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウムである。
[0081] 本明細書に記載の方法(P4)の一実施態様では、還元剤は、水素化アルミニウムナトリウム又は二水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである。そのような一実施態様において、還元剤は、水素化アルミニウムナトリウムである。そのような一実施態様において、還元剤は、メタノールの存在下での水素化アルミニウムナトリウムである。
[0082] 本明細書に記載の方法(P4)の一実施態様では、塩素化剤は、SOCl、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル、塩化ピバロイル又は塩化オキサリルである。そのような一実施態様において、塩素化剤は、塩化オキサリルである。そのような別の実施態様において、塩素化剤は、N-ホルミルピロリジン又はN,N-ジメチルホルムアミドの存在下にある塩化オキサリルである。
[0083] 本明細書に記載の方法(P4)の一実施態様では、式(IX)の化合物は、式:
Figure 2024056684000044
又はその塩を有する。
[0084] 本明細書に記載の方法(P4)の一実施態様では、式(Xi)の化合物は、式:
Figure 2024056684000045
又はその塩を有する。
[0085] 本明細書に記載の方法(P4)の一実施態様では、工程b)のインドールは、式:
Figure 2024056684000046
又はその塩を有する。
[0086] 本明細書に記載の方法(P4)の一実施態様では、式(Vc)の化合物は、式:
Figure 2024056684000047
又はその塩を有する。
[0087] 本明細書に記載の方法の一実施態様において、R1a及びR1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、無置換C1-3アルキル、無置換C1-3ハロアルキル又は無置換C1-3アルコキシである。
[0088] 本明細書に記載の方法の一実施態様において、R1a及びR1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン又は無置換C1-3アルキルである。
[0089] 本明細書に記載の方法の一実施態様において、R1a及びR1bは、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、無置換C1-3アルキル、又はシクロプロピルである。本明細書に記載の方法の別の実施態様において、R1a及びR1bは、独立して、水素、ハロゲン又はメチルである。本明細書に記載の方法の別の実施態様において、R1aは水素であり、R1bはハロゲン、メチル、シアノ又はシクロプロピルである。本明細書に記載の方法の更に別の実施態様において、R1aは水素であり、R1bはハロゲンである。本明細書に記載の方法の更に別の実施態様において、R1aは水素であり、R1bはメチルである。本明細書に記載の方法の更に別の実施態様において、R1aはメチルであり、R1bはハロゲン、メチル、シアノ又はシクロプロピルである。本明細書に記載の方法の別の実施態様において、R1aはハロゲンであり、R1bはハロゲン、メチル、シアノ又はシクロプロピルである。
[0090] 本明細書に記載の方法一実施態様において、R1a及びR1bは、独立して、ハロゲン又はメチルである。本明細書に記載の方法の別の実施態様において、R1aはハロゲンであり、R1bはメチルである。本明細書に記載の方法の好ましい実施態様において、R1aはハロゲンであり、R1bはハロゲンである。本明細書に記載の方法の好ましい実施態様において、R1a及びR1bはFである。
[0091] 本明細書に記載の方法の一実施態様において、R1a及びR1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、無置換C1-3アルキル、無置換C1-3ハロアルキル又は無置換C1-3アルコキシである。
[0092] 本明細書に記載の方法の一実施態様において、R1a及びR1bの各々は、無置換C3-6シクロアルキル又は無置換C3-6スピロシクロアルキルである。本明細書に記載の方法の更に別の実施態様において、Rはハロゲンであり、mは1である。
[0093]
本明細書に記載の方法の好ましい実施態様では、mは、0である。
[0094] 本明細書に記載の方法の一実施態様において、各Rは、独立して、ハロゲン又は無置換C1-3アルキルである。本明細書に記載の方法の更に別の実施態様において、Rはハロゲン又はC1-3アルキルであり、mは1である。
[0095] 本明細書に記載の方法の別の実施態様において、各Rは、独立して、無置換C1-3ハロアルキル又は無置換C1-3アルコキシである。
[0096] 本明細書に記載の方法の一実施態様において、nは、1又は2である。本明細書に記載の方法の好ましい実施態様では、nは、3である。そのような一実施態様において、nは3であり、各R1a及びR1bは、独立して、水素、ハロゲン、メチル、シアノ又はシクロプロピルである。本明細書に記載の方法の別の実施態様において、nは3であり、各R1a及びR1bは、独立して、水素又はハロゲンである。本明細書に記載の方法のそのような別の実施態様において、nは3であり、各R1a及びR1bは、独立して、水素又はメチルである。本明細書に記載の方法のそのような別の実施態様において、nは3であり、各R1a及びR1bは、独立して、水素又はシクロプロピルである。
[0097] 本明細書に記載の方法の一実施態様において、方法P1、P2、P3又はP4に従って調製された式(II)の化合物は、式:
Figure 2024056684000048
又はその立体異性体若しくは塩を有する。
[0098] 本明細書に記載の方法の一実施態様において、方法P1、P2、P3又はP4に従って調製された式(II)の化合物又はその立体異性体若しくは塩は、式(2)、(2a)又は(2b)を有する。本明細書に記載の方法の別の実施態様において、方法P1、P2、P3又はP4に従って調製された式(II)の化合物は、式(2c)又は(2d)を有する。本明細書に記載の方法の別の実施態様において、方法P1、P2、P3又はP4に従って調製された式(II)の化合物又はその立体異性体若しくは塩は、式(2e)又は(2f)を有する。本明細書に記載の方法の更に別の実施態様において、方法P1、P2、P3又はP4に従って調製された式(II)の化合物又はその立体異性体若しくは塩は、式(2g)を有する。
[0099] 本明細書に記載の方法の好ましい実施態様では、方法P1、P2、P3又はP4に従って調製された式(II)の化合物又はその立体異性体若しくは塩は、式:
Figure 2024056684000049
又はその塩を有する。
[0100] 一実施態様では、式(2)の化合物は、本明細書に記載の方法P1に従って調製される。別の実施態様では、式(2)の化合物は、本明細書に記載の方法P2に従って調製される。別の実施態様では、式(2)の化合物は、本明細書に記載の方法P3に従って調製される。別の実施態様では、式(2)の化合物は、本明細書に記載の方法P4に従って調製される。
[0101] 本明細書で更に提供されるのは、式(I):
Figure 2024056684000050
の化合物又はその薬学的に許容される塩の調製方法(P5)であり,
上式中、R1a、R1b、及びnは、本明細書に記載されているとおりであり、
該方法は、本明細書に記載の方法P1、P2、P3又はP4に従って調製された式(II)の化合物又はその立体異性体若しくは塩、又は本明細書に記載のその塩を式(X)の化合物:
Figure 2024056684000051
又はその立体異性体若しくは塩と接触させることを含み、上式中、
環Aは、フェニル又はピリジニルであり;
各Rは、独立して、水素、ハロゲン又はC1-3アルキルであり;
は、ハロゲン又は-CNであり;且つ
pは、1又は2である。
[0102] 本明細書に記載の方法(P5)の一実施態様では、該方法は、酒石酸の存在を更に含む。
[0103] 本明細書に記載の方法(P5)の一実施態様では、式Xの化合物は、式:
Figure 2024056684000052
Figure 2024056684000053
、又はその塩を有する。
[0104] そのような一実施態様において、その塩は、酒石酸塩である。
[0105] 本明細書に記載の方法(P5)の一実施態様では、式Xの化合物又はその塩は、式(10)、(10a)又は(10b)を有する。本明細書に記載の方法(P5)の別の実施態様では、式Xの化合物又はその塩は、式(10c)、(10d)又は(10e)を有する。本明細書に記載の方法(P5)の別の実施態様では、式Xの化合物又はその塩は、式(10f)~(10m)を有する。本明細書に記載の方法(P5)の別の実施態様では、式Xの化合物又はその塩は、式(10n)~(10w)を有する。
[0106] 本明細書に記載の方法(P5)の一実施態様では、式(I)の化合物Iは、式:
Figure 2024056684000054
Figure 2024056684000055
Figure 2024056684000056
又はその薬学的に許容される塩を有する。
[0107] そのような一実施態様では、その薬学的に許容される塩は、酒石酸塩である。
[0108] 本明細書に記載の方法(P5)の一実施態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、式(1)、(1a)、(1b)又は(1d)を有する。本明細書に記載の方法(P5)の別の実施態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、式(1c)又は(1e)~(1j)を有する。本明細書に記載の方法(P5)の別の実施態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、式(1k)を有する。本明細書に記載の方法(P5)の別の実施態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、式(1l)~(1n)を有する。本明細書に記載の方法(P5)の別の実施態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、式(1o)~(1t)を有する。本明細書に記載の方法(P5)の別の実施態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、式(1u)を有する。本明細書に記載の方法(P5)の別の実施態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、式(1v)~(1y)を有する。
[0109] 一実施態様において、式(I)の化合物は、式:
Figure 2024056684000057
又はその薬学的に許容される塩を有する。
[0110] 別の実施態様において、式(I)の化合物は、式:
Figure 2024056684000058
を有する。
[0111] 別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、式(1)を有する化合物:
Figure 2024056684000059
又はその薬学的に許容される塩を合成するための方法(P6)であって、該方法は、
(a)式(2)の化合物
Figure 2024056684000060
(ここで、式(2)の化合物は、本明細書に記載の方法P1、P2、P3又はP4に従って合成される)又はその塩を
(b)式(10)の化合物
Figure 2024056684000061
又はその塩と接触させることにより、式(1)の化合物又はその薬学的に許容される塩を作製する工程を含む。
[0112] 本明細書に記載の方法(P6)の好ましい実施態様において、式(2)の化合物又はその塩は、方法P2又はP3を用いて調製される。
[0113] 別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、式(A)を有する化合物:
Figure 2024056684000062
を合成するための方法(P7)であって、該方法は、
(a)式(2)の化合物
Figure 2024056684000063
又はその塩(ここで、式(2)の化合物又はその塩は、本明細書に記載の方法P1、P2、P3又はP4に従って合成される)を
(b)酒石酸の存在下で式(10)の化合物
Figure 2024056684000064
又はその塩と接触させることにより、式(A)の化合物を作製する工程を含む。
[0114] 本明細書に記載の方法(P7)の一実施態様では、工程(b)は、EtOHを含む。そのような一実施態様では、反応は、約70℃で行われる。
[0115] 本明細書に記載の方法(P6)及び(P7)の一実施態様において、式(2)の化合物又はその塩は、本明細書に記載の方法P1、P2、P3又はP4に従って調製される。本明細書に記載の方法(P6)及び(P7)の一実施態様において、式(2)の化合物又はその塩は、本明細書に記載の方法P1、P2、P3又はP4に従って調製される。本明細書に記載の方法(P6)及び(P7)の一実施態様において、式(2)の化合物又はその塩は、本明細書に記載の方法P2又はP3に従って調製される。本明細書に記載の方法(P6)及び(P7)の一実施態様において、式(2)の化合物又はその塩は、本明細書に記載の方法P1に従って調製される。本明細書に記載の方法(P6)及び(P7)の別の実施態様において、式(2)の化合物又はその塩は、本明細書に記載の方法P2に従って調製される。本明細書に記載の方法(P6)及び(P7)の別の実施態様において、式(2)の化合物又はその塩は、本明細書に記載の方法P3に従って調製される。本明細書に記載の方法(P6)及び(P7)の別の実施態様において、式(2)の化合物又はその塩は、本明細書に記載の方法P4に従って調製される。
[0116] 本明細書に記載の方法(P6)及び(P7)の一実施態様では、式(6)の化合物は、
(a)式(12a)
Figure 2024056684000065
の化合物をHSOと接触させて、式
Figure 2024056684000066
の化合物を作製する工程;
(b)式(12b)の化合物を還元して、式
Figure 2024056684000067
の化合物を作製する工程;
(c)SOClの存在下で上記式の化合物を環化させて、式
Figure 2024056684000068
の化合物を作製する工程;及び
(d)式(12d)の化合物をFeCl、NaOCl、及び塩基と接触させて、それにより式(6)の化合物を作製する工程
によって、調製される。
[0117] そのような一実施態様では、工程(d)の塩基は、NaOH、KOH又はLiOHである。そのような一実施態様では、工程(d)の塩基は、NaOHである。一実施態様では、工程(d)は、DCM及び水中で実行される。
[0118] 本明細書に記載の方法(P6)及び(P7)の別の実施態様では、該方法は、独立して、下記のスキームA又はBによる再結晶化を更に含む。
[0119] スキームA:
Figure 2024056684000069
[0120] スキームB:
Figure 2024056684000070
[0121] 本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩は、がんを処置するための有効量(例えば、本明細書に記載の量)で投与することができる。
[0122] ある態様では、本明細書で提供されるのは、がんを有する患者に、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することによってがんを処置する方法である。一実施態様では、化合物は、式(I)又は式(A)の化合物である。
[0123] 別の態様では、本明細書で提供されるのは、肺がん、卵巣がん、子宮内膜がん、前立腺がん、子宮がん又は乳がんを有する患者に、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することにより前記がんを処置する方法である。一実施態様において、がんは、卵巣がん又は子宮内膜がんである。一実施態様において、がんは、乳がんである。
[0124] 本明細書で更に提供されるのは、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することにより、乳がんを有する患者において乳がんを処置する方法である。そのような一実施態様では、該化合物は、本明細書に記載の化合物(1)又は化合物(A)である。
[0125] 本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載の乳がんの処置での使用のための医薬の製造に使用することができる。
[0126] 本明細書で提供される乳がんの処置方法は、乳がんがホルモン受容体陽性乳がん(例えば、ER+乳がん)、HER2陽性乳がん、HER2陰性乳がん又はトリプルネガティブ乳がん(TNBC)であり得る場合の処置を含む。
[0127] 一実施態様において、乳がんは、HER2陰性乳がんである。HER2陰性乳がんは、本明細書では、例えば、HER2 IHCスコアが0若しくは1+、又はHER2遺伝子増幅がないことを示す陰性の蛍光、発色若しくは銀in situハイブリダイゼーション試験を伴うIHCスコアが2+、又はHER2/CEP17比が<2.0、又は地域の臨床ガイドラインとして定義される。一実施態様では、乳がんは、ER+/HER2-乳がんである。当技術分野で理解されているように、乳がんは、ステージ0、I、II、III又はIVであり得る。
[0128] 別の実施態様では、乳がんは、局所進行性又は転移性乳がん(mBC)である。
[0129] 一実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、アジュバント療法の成分として投与することができる。別の実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、ネオアジュバント療法の成分として投与することができる。
[0130] 本明細書に記載の乳がん患者は、本明細書に記載の化合物又は固形形態による処置の前に閉経前であってもよい。本明細書に記載の乳がん患者は、本明細書に記載の化合物又は固形物による処置の前に閉経後であってもよい。
[0131] 本明細書で提供される方法は、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量を、本明細書に記載された量で患者に投与することを含む。有効量は、例えば、約10mg、30mg、50mg、90mg、100mg、125mg又は250mgの量であり得る。本明細書で提供される方法の一実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、経口投与される。一実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、錠剤(例えば、コーティング錠又は非コーティング錠)として投与される。別の実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、カプセルとして投与される。したがって、本明細書で提供されるのは、乳がん患者への投与に適した組成物であって、そのような組成物は、本明細書に記載の錠剤又はカプセルに約10mg、30mg、50mg、90mg、100mg、125mg又は250mgの量の、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含んでいる。
[0132] 全身化学療法は、mBCを有する患者に対する1つの標準治療(SOC)と考えられているが、標準的なレジメン又はシーケンスは存在しない。本明細書に記載の方法の患者は、1つ又は複数の抗がん剤又は放射線療法で前処置を受けたことがあってもよい。例えば、一実施態様において患者は、ドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、エピルビシン、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、ドセタキセル、5-フルオロウラシル、シクロホスファミド、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、ゲムシタビン、イキサベピロン、エリブリン、オラパリブ、メトトレキセート、アナストロゾ-ル、エキセメスタン、トレミフェン、レトロゾール、タモキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェン、ドロキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、フタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ラパチニブ、ビンブラスチン、ゴセレリン、リュープロリド、ペグフィルグラスチム、フィルグラスチム又はベネトクラクスで以前に処置を受けた(例えば、1L、2L、3L又はそれ以上のライン療法で)ことがあってもよい。
[0133] 別の実施態様では、患者は、AKT阻害剤、CDK4/6阻害剤、PARP阻害剤又はアロマターゼ阻害剤で以前に処置を受けた(例えば、1L、2L、3L又はそれ以上のライン療法で)ことがあってもよい。一実施態様において、AKT阻害剤は、イパタセルチブ(GDC-0068)である。一実施態様では、CDK4/6阻害剤は、アベマシクリブ、リボシクリブ又はパルボシクリブである。特定の例では、患者は、(1)アベマシクリブ、リボシクリブ若しくはパルボシクリブ;(2)イパタセルチブ;(3)エベロリムス若しくはフルベストラント;(4)トラスツズマブエムタンシン、トラスツズマブ、ペルツズマブ若しくはアテゾリズマブ;又は(5)アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、或いはこれらの組み合わせで以前に処置を受けたことがあってもよい。本明細書に記載の患者は、化合物(A)又はその固形形態による処置の前に外科的処置を受けたことがあってもよい。
[0134] 本明細書に記載の方法の一実施態様では、本明細書に記載の患者は、本明細書に記載の併用療法の投与の前に、例えば、乳房温存手術(すなわち、辺縁を有する原発腫瘍を除去することに焦点を合わせる乳腺腫瘍摘出術)又はより広範囲の手術(すなわち、乳房組織のすべてを完全に除去することを目的とした乳房切除術)などの外科的処置を受けていてもよい。別の実施態様では、本明細書に記載の患者は、本明細書に記載の併用療法による処置後に外科的処置を受けることができる。
[0135] また、術後に残った微小ながん細胞を死滅させる目的で、乳房/胸壁及び/又は所属リンパ節に対して放射線療法が投与される。乳房温存手術の場合、放射線は残りの乳房組織に、時には所属リンパ節(腋窩リンパ節を含む)に照射される。乳房切除術の場合でも、局所再発のリスクが高いと予測される因子があれば、放射線が照射されることがある。本明細書で提供される方法のいくつかの実施態様では、本明細書に記載の患者は、本明細書に記載の併用療法の投与前に放射線療法を受けていてもよい。本明細書で提供される方法の他の実施態様では、本明細書に記載の患者は、本明細書に記載の併用療法の投与後に放射線療法を受けていてもよい。
[0136] 別の実施態様では、本明細書の患者は、1つ又は複数の抗がん剤療法に抵抗性である場合がある。例えば、本明細書の患者は、アロマターゼ阻害剤に抵抗性であってもよい。別の例では、本明細書の患者は、例えばフルベストラントなどの選択的エストロゲン受容体分解剤(SERD)に抵抗性であってもよい。更に別の例では、患者は、クロミフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、アノルドリン、バゼドキシフェン、ブロパレストロル、シクロフェニル、ラソフォキシフェン、オルメロキシフェン、アコルビフェン、エラセストラント、ブリラネストラント、クロミフェンオキシド、ドロロキシフェン、エタクスチル(etacstil)又はオスペミフェンなどの1つ又は複数の内分泌療法に抵抗性であってもよい。別の実施態様では、患者は、アベマシクリブ、アナストロゾール、エキセメスタン、フルベストラント、ゴセレリン、レトロゾール、リュープロレリン、メゲストロール、パルボシクリブ、タモキシフェン又はトレミフェンに抵抗性であってもよい。別の例では、患者は、トラスツズマブエムタンシン、トラスツズマブ、ペルツズマブ、アテゾリズマブ、ペムブロリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ又はニボルマブによる処置に抵抗性であってもよい。
[0137] また、本明細書で提供されるのは、ER+、HER2-laBC又はmBCを、そのようながんを有する患者において処置する方法である。一実施態様では、本方法は、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を28日サイクルでER+、HER2-laBC又はmBCを有する患者に投与することによって、ER+、HER2-laBC又はmBCを、そのようながんを有する患者において処置することを含む。
[0138] また、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、患者においてERアルファを阻害することを含む方法に使用することができる。これらの方法は、ある量のそのような化合物を該患者に投与することを含む。
[0139] 本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、1又は複数の抗がん剤と組み合わせて投与することができる。本明細書に記載の「組み合わせ」投与には、本明細書に記載の化合物と1つ又は複数の抗がん剤療法との(任意の順序での)逐次投与のほか、同時投与も含まれる。したがって、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を、1つ又は複数の追加の抗がん療法と組み合わせて投与することを含む、乳がんを有する患者において乳がんを処置する方法である。一実施態様では、抗がん療法は、ドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、エピルビシン、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、ドセタキセル、5-フルオロウラシル、シクロホスファミド、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、ゲムシタビン、イキサベピロン、エリブリン、オラパリブ、メトトレキセート、アナストロゾ-ル、エキセメスタン、トレミフェン、レトロゾール、タモキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェン、ドロキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、フタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ラパチニブ、ビンブラスチン、ゴセレリン、リュープロリド、ペグフィルグラスチム、フィルグラスチム又はベネトクラクスを含む。
[0140] 一実施態様において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量を、ドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、エピルビシン、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、ドセタキセル、5-フルオロウラシル、シクロホスファミド、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、ゲムシタビン、イキサベピロン、エリブリン、オラパリブ、メトトレキセート、アナストロゾ-ル、エキセメスタン、トレミフェン、レトロゾール、タモキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェン、ドロキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、フタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ラパチニブ、ビンブラスチン、ゴセレリン、リュープロリド、ペグフィルグラスチム、フィルグラスチム又はベネトクラクスと組み合わせて投与することによって、乳がんを有する患者において乳がんを処置する方法である。
[0141] 別の態様において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量を、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、メトトレキセート、アナストロゾール、エキセメスタン、トレミフェン、レトロゾール、タモキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン又はベネトクラクスと組み合わせて投与することによって、乳がんを有する患者において乳がんを処置する方法である。更に別の態様において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量を、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、クロミフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、アノルドリン、バゼドキシフェン、ブロパレストロール、シクロフェニル、ラソフォキシフェン、オルメロキシフェン、アコルビフェン、エラセストラント、ブリランストラント、クロミフェノキシド、ドロロキシフェン、エタクスチル又はオスペミフェンと組み合わせて投与することによって、乳がんを有する患者において乳がんを処置する方法である。
[0142] 更に別の態様において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量を、CDK4/6阻害剤、PARP阻害剤又はアロマターゼ阻害剤と組み合わせて投与することによって、乳がんを有する患者において乳がんを処置する方法である。
[0143] 更に別の態様において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量をCDK4/6阻害剤と組み合わせて投与することを含む、乳がんを有する患者において乳がんを処置する方法であって、CDK4/6阻害剤は、アベマシクリブ、リボシクリブ又はパルボシクリブである。一実施態様において、該方法は、化合物(A)をパルボシクリブと組み合わせて投与することを含む。更に別の実施態様において、該方法は、化合物(A)をアベマシクリブ又はリボシクリブと組み合わせて投与することを含む。別の態様において、本明細書で提供されるのは、(i)本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩と;(ii)第2の単位剤形のCDK4/6阻害剤(例えばパルボシクリブ)と;各剤形を収容する容器とを含む、キットである。
[0144] アベマシクリブの用量は、1日50mg~500mg又は1日150mg~450mgであり、投与は、28日サイクルで毎日行うか、又は28日サイクルあたり21日若しくは28日サイクルあたり14日若しくは28日サイクルあたり7日など、28日サイクルあたり28日未満でもよい。一実施態様では、アベマシクリブは、1日1回、又は好ましくは1日2回、経口投与される。1日2回投与の場合、投与は4時間間隔、8時間間隔又は12時間間隔とすることができる。特定の実施態様では、アベマシクリブが、150mgを1日2回、12時間間隔で経口投与される。特定の実施態様では、アベマシクリブの用量は、添付文書に従って投与される。
[0145] リボシクリブの用量は、1日200mg~1,000mg;又は1日250mg~750mgであり、投薬は、28日サイクルで毎日か、又は28日サイクルあたり21日若しくは28日サイクルあたり14日若しくは28日サイクルあたり7日など、28日サイクルあたり28日未満でもよい。一実施態様では、リボシクリブは、1日1回経口投与される。特定の実施態様では、リボシクリブの用量は、添付文書に従って投与される。
[0146] パルボシクリブの用量は、1日あたり25mg~250mg又は1日あたり50mg~125mg又は1日あたり75mg~125mg又は1日あたり75mg~100mg又は1日あたり125mgであり得る。投薬は、28日サイクルで毎日、又は28日サイクルあたり21日、28日サイクルあたり14日若しくは28日サイクルあたり7日など、28日サイクルあたり28日未満でもよい。一実施態様では、パルボシクリブは、1日1回経口投与される。特定の実施態様では、パルボシクリブの用量は、添付文書に従って投与される。
[0147] 本明細書で更に提供されるのは、ER+、HER2-laBC又はmBCを、そのようながんを有する患者において処置する方法であり、ここで該方法は、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩とパルボシクリブとを含む併用療法を該患者に投与することを含み、ここで前記併用療法は、1又は複数の28日サイクルで投与される。
[0148] 本明細書で更に提供されるのは、ER+、HER2-laBC又はmBCを、そのようながんを有する患者において処置する方法であり、ここで該方法は、(i)本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を最初の28日サイクルの1~28日目にQD投与すること;及び(ii)パルボシクリブを最初の28日サイクルの1~21日目にQD投与することを含む投与レジメンを含む、本明細書に記載の併用療法を該患者に投与することを含む。
[0149] 一実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、一定用量又はQD投与として投与される。別のそのような実施態様では、該投与は経口(PO)であり、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、錠剤又はカプセルとして製剤化される。別のそのような実施態様では、該化合物は、約1mg~100mg、1mg~50mg、1mg~30mg、10mg~100mg、10mg~50mg又は10mg~30mgの量でQD投与される。別のそのような実施態様では、該化合物は、約10、30、50又は100mgの量で投与される。更に別のそのような実施態様では、パルボシクリブは、添付文書に従って投与される。好ましい実施態様において、パルボシクリブは、125mgの量で投与される。
[0150] 本明細書で提供される乳がんの処置方法は、本明細書に記載の併用療法の投与を投与レジメンの一部として含むことができる。一実施態様において、投与レジメンは、1つ又は複数のサイクルを含む。別の実施態様では、投与レジメンは、少なくとも2つのサイクルを含む。別の態様において、本明細書で提供されるのは、投与レジメンは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、30、36、42、48、54、60、66又は72サイクルから構成される。更に別の実施態様では、投与レジメンは、約2~72、2~66、2~60、2~54、2~48、2~42、2~36、2~30、2~24、2~18又は2~12サイクルから構成される。
[0151] 本明細書で提供される別の態様では、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量をアロマターゼ阻害剤(AI)と組み合わせて投与することを含み、ここでAIは、レトロゾール、アナストロゾ-ル、エキセメスタン又はテストラクトンである。
[0152] 更に別の態様では、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量をがん免疫療法(例えば抗体)と組み合わせて投与することによって、乳がんを有する患者において乳がんを処置する方法である。一実施態様において、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、トラスツズマブエムタンシン、トラスツズマブ、ペルツズマブ、アテゾリズマブ、ペムブロリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ若しくはニボルマブ又はこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。一実施態様において、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、PD-1又はPD-L1阻害剤を含むがん免疫療法と組み合わせて投与され、ここで、がん免疫療法は、アテゾリズマブ、ペムブロリズマブ又はニボルマブである。
[0153] また、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することによって、本明細書に記載の患者において腫瘍成長を阻害するか又は腫瘍縮小を生じさせる方法である。そのような一実施態様では、該方法は、パルボシクリブなどの第2の薬剤を投与することを含む。
[0154] 一実施態様において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することによって、本明細書に記載のmBCを有する患者において腫瘍縮小を生じさせるか又は改善する方法である。そのような一実施態様では、該方法は、パルボシクリブなどの第2の薬剤を投与することを含む。
薬学的製剤
[0155] 本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、例えば、経口、筋肉内、皮下、静脈内、皮内、経皮、動脈内、腹腔内、病変内、頭蓋内、関節内、前立腺内、胸膜内、気管内、髄腔内、鼻腔内、膣内、直腸内、局所、腫瘍内、腹膜内、結膜下、膀胱内、粘膜、心膜内、臍内、眼内、眼窩内、硝子体内(例えば硝子体内注射による)、点眼、局所、経皮、非経口、吸入、注射、移植、注入、持続注入、標的細胞を直接浸す局所灌流、カテーテル、洗浄、クリーム状又は液状組成物で投与され得る。本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、経口投与に適した本明細書に記載の薬学的組成物に配合することができる。別の実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、筋肉内投与され得る。好ましい一実施態様では、化合物は、化合物(A)である。
[0156] 一実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、対象に経口又は非経口で投与可能な薬学的組成物として投与される。本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、例えばカプセル、マイクロカプセル、錠剤(コーティング錠及び非コーティング錠)、顆粒、粉末、丸薬又は坐剤などの経口剤形として調製され得る。本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、注射液、懸濁液、シロップ剤、クリーム、軟膏、ゲル、スプレー、溶液及びエマルジョンに適した溶液に化合物が溶解又は懸濁される局所又は非経口使用のために製剤化され得る。好ましい一実施態様では、化合物は、化合物(A)である。
[0157] 本明細書に記載の薬学的組成物は、1又は複数の薬学的に許容される添加剤、限定されないが、例えばスクロース、スターチ、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム又は炭酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール(PEG)、スターチ、重炭酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、クエン酸、クエン酸ナトリウム又は酢酸、ポリビニルピロリクロン(pyrroliclone)、ステアリン酸アルミニウム、水、及びカカオ脂を含む。例えば希釈剤、結合剤、潤滑剤、及び崩壊剤としてのこれらの添加剤の使用が、当技術分野でよく知られている。
[0158] 本明細書に記載の薬学的組成物は、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量を含む。本明細書に記載の化合物(例えば化合物(A))の用量は、化合物の特定の量(例えば標準的な投与量)を尺度とすることも、又は(例えば患者の体重の)関数として測定することもできる。一実施態様では、本明細書に記載の化合物は、約0.1、0.5、0.75、1、2、3、4、5、10、15、20、30、50、75、100、200又は250mg/kgに相当する量で投与される。別の実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物(例えば化合物(A))又はその薬学的に許容される塩は、約0.1mg/kg~約1mg/kg;約0.5mg/kg~約2mg/kg;約1mg/kg~約5mg/kg;約3mg/kg~約10mg/kg;約8mg/kg~約15mg/kg;又は約15mg/kg~約30mg/kgの量で投与される。更に別の実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、約100mg/kg未満、約50mg/kg未満、約30mg/kg未満、約10mg/kg未満又は約1mg/kg未満の量で投与される。
[0159] 一実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))は、約1、5、10、20、25、30、50、60、75、90、100、120、150又は250mgの量で投与される。別の実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))は、約10mgの量で投与される。更に別の実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))は、約30mgの量で投与される。更に別の実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))は、約90mgの量で投与される。一実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))は、1日1回(QD)、上に規定した量で投与される。
[0160] 別の実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))は、約1mg~約10mg;約10mg~約30mg;約10mg~約90mg;約30mg~約90mg;又は約90mg~約250mgの量で投与される。一実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))は、約1、10、30、50、90、100又は150mgの量で投与される。本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))の用量は、単一用量(例えば、所与の投与量の単一の錠剤又はカプセル)として提供することができ、又は一定期間にわたって与えられる複数回用量として提供することができる(例えば、投与量に等しい2つ以上の錠剤又はカプセル)。一実施態様では、化合物は、化合物(1)又は化合物(A)である。
[0161] 本明細書に記載の薬学的組成物は、1日1回(QD);1日2回(BID)、1日3回(TID)、1日おき(Q2D)、3日おき(Q3D)又は1週間に1回投与することができる。更に、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))を含む本明細書で提供される薬学的組成物_の用量は、食前(ac)、食後(pc)又は食べ物と一緒に投与することができる。一実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))は、治療期間(本明細書に記載の患者に該薬物が投与される期間)に続いて休止期間(本明細書に記載の患者に該薬物が投与されない期間)にQD投与される。休止期間は、本明細書に記載の化合物以外の抗がん剤の投与を含んでもよい。一実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))は、本明細書に記載のように経口投与用に製剤化され、20~28日間QD投与された後、3~10日間の休止期間がそれに続く。別の実施態様では、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))は、休止期間なしでQD投与される。
[0162] 好ましくは、本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))は、経口投与用に製剤化される。経口投与は、化合物(例えば、薬学的組成物として製剤化されたもの)を服用する際の患者のコンプライアンスを促進し、それによってコンプライアンスと有効性を高めることができる。経口投与は、化合物(例えば、医薬組成物として製剤化されたもの)を服用する際の患者のコンプライアンスを促進し、それによってコンプライアンスと有効性を高めることができる。本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))を含む経口薬学的組成物には、錠剤(例えば、コーティングされたもの、コーティングされていないもの、及び噛むことができるもの)とカプセル(例えば、ハードゼラチンカプセル、ソフトゼラチンカプセル、腸溶性コーティングカプセル、及び徐放性カプセル)が含まれるが、これらに限定されない。錠剤は、直接打錠、湿式造粒法又は乾式造粒法により調製することができる。本明細書に記載の方法のいずれかに従って合成された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば化合物(A))を含む経口薬学的組成物は、遅延放出又は長期放出のために当技術分野で理解されているように製剤化することができる。
実施態様
[0163] 以下に、本明細書に記載の発明の例示的な実施態様を示す。
[0164] 実施態様1. 式(II)の化合物:
Figure 2024056684000071
又はその立体異性体若しくは塩の調製方法であって、
(上式中、R1a及びR1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、無置換C1-3アルキル、無置換C1-3ハロアルキル、無置換C1-3アルコキシ、-CN、無置換C3-6シクロアルキル又は無置換C3-6スピロシクロアルキルであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、無置換C1-3アルキル、無置換C1-3ハロアルキル又は無置換C1-3アルコキシであり;
mは、0、1又は2であり;且つ
nは、1、2又は3である)
以下の工程:
(a)式(III)の化合物
Figure 2024056684000072
又はその立体異性体若しくは塩をスルホン酸と接触させて、式(IIIa)の化合物
Figure 2024056684000073
又はその立体異性体若しくは塩を形成する工程;
(b)式(IIIa)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を塩基と接触させて、式(IV)の化合物
Figure 2024056684000074
又はその立体異性体若しくは塩を形成する工程;
(c)式(IV)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を水素化して、式(V)の化合物
Figure 2024056684000075
又はその立体異性体若しくは塩を形成する工程;及び
(d)式(V)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を式(VI)の化合物
Figure 2024056684000076
と接触させて、
それにより式(II)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を形成する工程
を含む、方法。
[0165] 実施態様1a. 式(III)の化合物が、式(III)の化合物である、実施態様1に記載の方法。
[0166] 実施態様1b. 式(III)の化合物が式(3、3x、3y又は3z)の化合物である、実施態様1に記載の方法。
[0167] 実施態様2. スルホン酸がHSO又はClSOHである、実施態様1、1a又は1bに記載の方法。
[0168] 実施態様3. 塩基が水酸化物塩基である、実施態様1、1a又は1bに記載の方法。
[0169] 実施態様4. 塩基がKOH、NaOH又はLiOHである、実施態様3に記載の方法。
[0170] 実施態様5. 水素化が、Pd、Pt又はNiを含む触媒を使用して実施される、実施態様1~4のいずれか一項に記載の方法。
[0171] 実施態様6. 触媒がPd/C、Pt/C又はラネーNiである、実施態様5に記載の方法。
[0172] 実施態様7. 水素化が、イソプロパノール、ギ酸、ギ酸塩又はアンモニウムの存在下での触媒移動水素化を用いて実施される、実施態様1~4のいずれか一項に記載の方法。
[0173] 実施態様8. 式(II)の化合物:
Figure 2024056684000077
又はその立体異性体若しくは塩の調製方法であって、
(上式中、R1a及びR1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、無置換C1-3アルキル、無置換C1-3ハロアルキル、無置換C1-3アルコキシ、-CN、無置換C3-6シクロアルキル又は無置換C3-6スピロシクロアルキルであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキル、C1-3アルコキシであり;
mは、0、1又は2であり;且つ
nは、1、2又は3である)
以下の工程:
(a)式(VII)の化合物
Figure 2024056684000078
又はその立体異性体若しくは塩(上式中、各Zは、独立して、C1-3アルキル又はフェニルである)を式(VI)の化合物
Figure 2024056684000079
(式中、R1a及びR1bは本明細書に記載されているとおりである)と接触させて、それにより式(VIIa)の化合物
Figure 2024056684000080
又はその立体異性体若しくは塩を合成する工程;
(b)式(VIIa)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を酸と接触させて、それにより式(VIIb)の化合物
Figure 2024056684000081
又はその立体異性体若しくは塩を合成する工程;
(c)式(VIIb)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を1,1’-カルボニルジイミダゾールと接触させて、それにより式(VIIc)の化合物
Figure 2024056684000082
又はその立体異性体若しくは塩を合成する工程;
(d)式(VIIc)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を式(VIII)の化合物
Figure 2024056684000083
又はその立体異性体若しくは塩と接触させて、
式(Va)の化合物
Figure 2024056684000084
又はその立体異性体若しくは塩を作製する工程:及び
(e)式(Va)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を塩基、続いて酸と接触させて、それにより式(II)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を作製する工程
を含む、方法。
[0174] 実施態様9. 式(II)の化合物:
Figure 2024056684000085
又はその立体異性体若しくは塩の調製方法において、
(上式中、R1a及びR1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、無置換C1-3アルキル、無置換C1-3ハロアルキル、無置換C1-3アルコキシ、-CN、無置換C3-6シクロアルキル又は無置換C3-6スピロシクロアルキルであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキル、C1-3アルコキシであり;
mは、0、1又は2であり;且つ
nは、1、2又は3である)
式(V)の化合物
Figure 2024056684000086
又はその立体異性体若しくは塩を、式(VI)の化合物
Figure 2024056684000087
又はその立体異性体若しくは塩と接触させる工程を含む方法であって、式(V)の化合物が、以下の工程:
(a)式(VIIp)の化合物
Figure 2024056684000088
又はその立体異性体若しくは塩(上式中、各Zは、独立して、C1-3アルキル又はフェニルである)を式(XII)の化合物
Figure 2024056684000089
又はその塩と接触させて、式(Vb)の化合物
Figure 2024056684000090
又はその立体異性体若しくは塩を作製する工程;及び
(b)式(Vb)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を酸と接触させて、それにより式(V)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を作製する工程
を含む、方法。
[0175] 実施態様10. 各Zが、独立して、C1-4アルキルである、実施態様8又は9に記載の方法。
[0176] 実施態様11. 各Zがメチルであり、各Zがエチルであり、各Zがイソプロピルであるか、又はSiZがSi(PhMe)若しくはSi(t-BuMe)である、実施態様8又は9に記載の方法。
[0177] 実施態様12. 各Zがエチルである、実施態様8又は9に記載の方法。
[0178] 実施態様13. 式(VI)の化合物が、
Figure 2024056684000091
(その立体異性体も含む)である、実施態様1~12のいずれか一項に記載の方法。
[0179] 実施態様14. 式(II)の化合物:
Figure 2024056684000092
又はその立体異性体若しくは塩の調製方法であって、
(上式中、R1a及びR1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、無置換C1-3アルキル、無置換C1-3ハロアルキル、無置換C1-3アルコキシ、-CN、無置換C3-6シクロアルキル又は無置換C3-6スピロシクロアルキルであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキル、C1-3アルコキシであり;
mは、0、1又は2であり;且つ
nは、1、2又は3である)
以下の工程:
(a)アラニンを式(IX)の化合物
Figure 2024056684000093
又はその立体異性体若しくは塩と接触させて、式(XI)の化合物
Figure 2024056684000094
又はその立体異性体若しくは塩を形成する工程と;
(b)式(XI)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を塩素化剤、式
Figure 2024056684000095
の化合物、及び有機アルミニウム化合物と接触させて、式(Vc)の化合物
Figure 2024056684000096
又はその立体異性体若しくは塩を形成する工程と;
(c)式(Vc)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を還元剤と接触させて、それにより式(II)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を形成する工程と
を含む、方法。
[0180] 実施態様15. 有機アルミニウム化合物が、式XAlを有し、式中、Xは、独立して、Cl又はC1-4アルキルである、実施態様14に記載の方法。
[0181] 実施態様16. Xが、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル又はイソブチルである、実施態様14に記載の方法。
[0182] 実施態様17. 有機アルミニウム化合物が、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド又はエチルアルミニウムジクロリドである、実施態様14~16のいずれか一項に記載の方法。
[0183] 実施態様18. 有機アルミニウム化合物がトリメチルアルミニウムである、実施態様14~17のいずれか一項に記載の方法。
[0184] 実施態様19. 還元剤が水素化アルミニウムナトリウムである、実施態様14~18のいずれか一項に記載の方法。
[0185] 実施態様20. 塩素化剤がSOCl、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル、塩化ピバロイル又は塩化オキサリルである、実施態様14~19のいずれか一項に記載の方法。
[0186] 実施態様21. 塩素化剤が塩化オキサリルである、実施態様20に記載の方法。
[0187] 実施態様22. 塩素化剤が、N-ホルミルピロリジン又はN,N-ジメチルホルムアミドの存在下にある、実施態様21に記載の方法。
[0188] 実施態様23. R1a及びR1bが、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、無置換C1-3アルキル、又はシクロプロピルである、実施態様1~22のいずれか一項に記載の方法。
[0189] 実施態様24. R1a及びR1bが、独立して、水素、ハロゲン又はメチルである、実施態様1~22のいずれか一項に記載の方法。
[0190] 実施態様25. R1aが水素であり、R1bがハロゲン、メチル、シアノ又はシクロプロピルである、実施態様1~22のいずれか一項に記載の方法。
[0191] 実施態様26. R1aが水素であり、R1bがハロゲンである、実施態様1~22のいずれか一項に記載の方法。
[0192] 実施態様27. R1aが水素であり、R1bがメチルである、実施態様1~22のいずれか一項に記載の方法。
[0193] 実施態様28. R1aがメチルであり、R1bがハロゲン、メチル、シアノ又はシクロプロピルである、実施態様1~22のいずれか一項に記載の方法。
[0194] 実施態様29. R1aがハロゲンであり、R1bがハロゲン、メチル、シアノ又はシクロプロピルである、実施態様1~22のいずれか一項に記載の方法。
[0195] 実施態様30. R1a及びR1bが、独立して、ハロゲン又はメチルである、実施態様1~22のいずれか一項に記載の方法。
[0196] 実施態様31. R1aがハロゲンであり、R1bがメチルである、実施態様1~22のいずれか一項に記載の方法。
[0197] 実施態様32. R1aがハロゲンであり、R1bがハロゲンである、実施態様1~22のいずれか一項に記載の方法。
[0198] 実施態様33. R1a及びR1bがFである、実施態様1~22のいずれか一項に記載の方法。
[0199] 実施態様34. 各Rが、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN又はC1-3アルキルである、実施態様1~33のいずれか一項に記載の方法。
[0200] 実施態様35. mが0である、実施態様1~34のいずれか一項に記載の方法。
[0201] 実施態様36. mが1である、実施態様1~34のいずれか一項に記載の方法。
[0202] 実施態様37. Rがハロゲン又はC1-3アルキルであり、mが1である、実施態様1~34のいずれか一項に記載の方法。
[0203] 実施態様38. Rがハロゲンであり、mが1である、実施態様1~34のいずれか一項に記載の方法。
[0204] 実施態様39. 式(II)の化合物が、
Figure 2024056684000097
又はその立体異性体若しくは塩である、実施態様1~38のいずれか一項に記載の方法。
[0205] 実施態様40. 式(II)の化合物が、
Figure 2024056684000098
又はその塩である、実施態様1~35のいずれか一項に記載の方法。
[0206] 実施態様41. 式(II)の化合物又はその立体異性体若しくは塩が、式(X)を有する化合物:
Figure 2024056684000099
又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩と接触して、
(上式中、環Aは、フェニル又はピリジニルであり;
各Rは、独立して、水素、ハロゲン又はC1-3アルキルであり、
は、ハロゲン又は-CNであり;且つ
pは、1又は2である);
式(I)の化合物:
Figure 2024056684000100
又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩を形成する、実施態様1~40のいずれか一項に記載の方法。
[0207] 実施態様42. 式(X)の化合物が、
Figure 2024056684000101
Figure 2024056684000102
又は
その塩である、実施態様41に記載の方法。
[0208] 実施態様43. 式(1)を有する化合物
Figure 2024056684000103
又はその薬学的に許容される塩の合成方法であって、以下の工程:
(a)式(2)の化合物
Figure 2024056684000104
又はその塩(ここで、式(2)の化合物は実施態様1、8又は12に記載の方法に従って合成され、式(V)の化合物は式(5)
Figure 2024056684000105
又はその塩を有し、式(VI)の化合物は式(6):
Figure 2024056684000106
を有する)を、
(b)式(10)の化合物
Figure 2024056684000107
又はその塩と接触させることによって、式(1)の化合物又はその薬学的に許容される塩を作製する工程
を含む、方法。
[0209] 実施態様44. 式(6)の化合物が、
(a)式(12a)
Figure 2024056684000108
の化合物をHSOと接触させて、式
Figure 2024056684000109
の化合物を作製する工程;
(b)式(12b)の化合物を還元して、式
Figure 2024056684000110
の化合物を作製する工程;
(c)SOClの存在下で上記式の化合物を環化させて、式
Figure 2024056684000111
の化合物を作製する工程;及び
(d)式(12d)の化合物をFeCl、NaOCl、及び塩基と接触させて、それにより式(6)の化合物を作製する工程
によって、調製される、実施態様43に記載の方法。
[0210] 以下の実施例は、例示を目的として提示されているのであって、限定を目的としているのではない。
[0211] 本明細書に記載の化合物の合成すべての試薬と溶媒は、商業的供給業者から購入し、追加の精製なしで使用した。無水溶媒(ジクロロメタン)を使用した。市販の溶媒は、更に精製されなかった。
[0212] 実施例1:
Figure 2024056684000112
[0213] 工程1:(S)-2-アンモニオ-3-(1H-インドール-3-イル)プロピルスルフェート 化合物3a
[0214] アセトニトリルとTHFを反応器に投入し、温度を-5~5℃に設定した。化合物3(1当量)とClSO3H(1.13当量)を交互に5回に分けて-5~5℃で反応物に投入し、反応物を少なくとも30分間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、フィルターケーキをTHFで洗浄した。反応は、化合物3の30g及び75kgスケールで実施された。
[0215] 工程2:(S)-3-(アジリジン-2-イルメチル)-1H-インドール 化合物4
THF湿生成物3aを3.1当量の水性NaOH(10%-w/w)に溶解させ、アニソール(3に対して4V)を加え、93~97℃の温度になるまでTHFを留去した。二相反応混合物を93~97℃で5時間撹拌して、アジリジン4の形成をもたらした。各相に分離させ、水層を廃棄した。有機層に(3に対して)1Vブタノールを加え、有機層を65~75℃の水で2回洗浄した。有機層に(3に対して)3Vのブタノールを加え、溶液を20~30℃に冷却してから工程3にテレスコーピングした。或いは、相の分離後、有機層を30℃で1回洗浄する。
[0216] 工程3:(R)-1-(1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン 化合物5
Figure 2024056684000113
[0217] アニソール/1-ブタノール(1:1v/v)中で工程2からテレスコーピングされた化合物4及びPd(OH)/C触媒(3に対して5%w/w)がアニソール/1-ブタノールに懸濁された。不活性化(inertisation)して雰囲気を水素に変えた後、温度を75~85℃に設定し、14~16barの水素圧をかけた。水素化は、完了するまで75~85℃で約2時間続けられた。或いは、12barの水素圧をかけて、水素化を5~6時間実施した。温度を20~30℃に設定し、触媒を濾別した。フィルターケーキをブタノールで洗浄し、その濾液を更なる処理に使用する。
[0218] その後、工程3の生成物をアルファ-メチルトリプタミンメシレートとして結晶化し、これが、二量体副生成物を含む主要な不純物をパージする。生成物の溶液を濃縮して残留水を除去した後、メタンスルホン酸(アミン塩基の総量を基準にして1.05当量)を75~85℃で少なくとも1時間にわたって加えた。懸濁液を75~85℃で少なくとも1時間放置し、少なくとも2時間かけて20~30℃に冷却し、最後に20~30℃で少なくとも1時間放置した。この懸濁液を濾過し、フィルターケーキをアニソール/1-ブタノール(1:1v/v)で洗浄した。水を加えた後、90~100℃、大気圧で共沸蒸留した。その後、溶液を15~25℃に冷却してからプロパノールを加え、水/プロパノールの4:1v/vの混合液を得た。水酸化ナトリウム溶液(30%水溶液)をpH>11になるように添加し、懸濁液を15~25℃で少なくとも1時間放置した。懸濁液を濾過し、フィルターケーキを4:1v/vの水/プロパノールで洗浄し、続いて水でスラリー洗浄した。生成物を35~45℃で真空乾燥させ、最終生成物を白色からわずかに黄色の固体として得た。
[0219] (R)-3-((1-(1H-インドール-3-イル)プロパン-2-イル)アミノ)-2,2-ジフルオロプロパン-1-オール 化合物2
Figure 2024056684000114
[0220] 化合物5(25g、0.4mol)を、化合物6(27.0g、0.16mol、1.10当量)及び(化合物5に対して)5容積のアセトニトリルと15~25℃の内部温度で混合した。混合物を75~85℃の内部温度に加熱した。炭酸カリウム(13.8g、0.10mol、0.7当量)をこの温度で1時間にわたって4回に分けて加え、混合物を更に2時間撹拌した。中程度のガス発生が観察された。変換を確認した。その後、混合物を30~40℃の内部温度に冷却し、濾過した。フィルターケーキをそれぞれ25mLのアセトニトリルで置換洗浄した。その後、混合物を75~85℃の内部温度に加熱し、29.8g(0.16mol、1.1当量)のp-トルエンスルホン酸を1容積の脱イオン水に溶解した溶液を1時間かけて加え、二相混合物を2時間撹拌した。変換が完全に行われたかどうかを確認した。
[0221] その後、混合物を0~10℃の内部温度に冷却し、8容積の精製水で10分かけてクエンチした。0~10℃の内部温度の精製水中に3.5容積の飽和炭酸ナトリウム水溶液を加えることにより、pHを9に調整した。その後、混合物を0~10℃の内部温度で30分間撹拌した。わずかなガスの発生が観察された。続いて、混合物を15~25℃の内部温度に温め、炭酸ナトリウム溶液を使用してpHを9に再調整した。その後、混合物をそれぞれ15~25℃の内部温度で5容積の酢酸イソプロピルで2回抽出し、その後、合わせた有機相を5容積の脱イオン水で洗浄して残留塩を除去した。生成物は、有機相に留まっていた。有機相を内部温度35~45℃、200~300mbarで約5容積まで濃縮した後、16容積のメタノールを蒸留と並行して加えた。約17容積の蒸留液を蒸留した後、溶媒の入れ替えが完了したことを確認した。その後、3容積の精製水を35~45℃の内部温度で少なくとも1時間かけて加え、褐色の溶液を播種した。結晶化をモニターした。結晶化が始まった後、更に5容積の精製水を35~45℃の内部温度で少なくとも1時間かけて加え、懸濁液を0~10℃の内部温度まで少なくとも2時間かけて冷却し、この温度で少なくとも1時間撹拌した。湿生成物を濾過により収集し、それぞれ2容積の精製水で2回スラリー洗浄し、55~65℃の内部温度で真空乾燥させた。
[0222] 実施例2:
Figure 2024056684000115
[0223] 工程1:(R)-5-(トリメチルシリル)ペンタ-4-イン-2-アミン 化合物7
Figure 2024056684000116
[0224] 出発物質のtert-ブチル (R)-(5-(トリメチルシリル)ペンタ-4-イン-2-イル)カルバメート(28.6g、91.4A%、84wt%、94.2mmol、1.0当量)を、DCM(140mL、5容積)及びEA(28mL、1容積)に溶解した。溶液を0℃に冷却した後、TFA(64.4g、565.2mmol、6.0当量)を0~5℃で滴下した。添加完了後、混合物を周囲温度に温め、更に16時間撹拌した。反応混合物を真空下、38℃で1時間濃縮して、約80.5gの粗化合物7(約51w%)を収率89%(補正済み)で得た。粗生成物は、更なる精製なしに次の工程に使用した。
[0225] 工程2: (R)-2,2-ジフルオロ-3-((5-トリメチルシリル)ペンタ-4-イン-2-イル)アミノ)プロピル水素スルフェート 化合物7a
Figure 2024056684000117
[0226] トルエン(70mLx3)を粗化合物7(約67.0g。88.6mmol、1.0当量)に加えた。得られた溶液を、真空下、38℃で30分間濃縮し、約37.6gの粗生成物を得た。粗生成物をMeCN/トルエン(210mL、10容積)に溶解した。混合物を45~50℃で撹拌した。KCO(30.5g、221.5mmol、2.5当量)を混合物に少しずつ加えた。化合物6(15.8g、93.0mmol、1.05当量)を加えた。添加完了後、混合物を75~80℃に加熱し、更に4時間撹拌した。
[0227] 10%クエン酸(約500mL)を加えてpH=3~4に調整し、混合物をEtOAcで抽出した(200mL×2)。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、その後NaSOで乾燥させた。濾過し、ケーキをEAで洗浄し、合わせた濾液及び洗浄液を真空下、38℃で30分間濃縮して、粗生成物(約26.0g、69.4wt%)を得た。
[0228] 粗生成物をEtOAc/n-ヘプタン(2容量(vol.):2容量、100mL)に0~5℃で1時間スラリー化した。濾過してケーキをEtOAc/n-ヘプタン(1:1、2容量、約50mL)で洗浄し、ケーキを38℃で2時間真空下で乾燥させた後、高真空乾燥させ、15.1gの化合物7aを淡黄色の固体として、3段階の補正収率50%で得た。
[0229] 工程3:(R)-2,2-ジフルオロ-3-((5-(トリメチルシリル)ペンタ-4-イン-2-イル)アミノ)プロパン-1-オール 化合物7b
Figure 2024056684000118
[0230] 化合物7a(0754144、26.0g、79.0mmol、1.0当量)をTHF(260mL、10容積)に溶解し、その後HO(17.0g、948.0mmol、12.0当量)を加えた。HSO(7.75g、79.0mmol、1.0当量)を滴下した。反応混合物を20~25℃で16時間撹拌した。
[0231] NaCO(固体、5.3g、1.5当量)を加え、得られた混合物を約25℃で10分間攪拌した。NaSO(15.0g)を加えた。懸濁液を濾過し、ケーキをTHF(30mL)で洗浄し、濾液を減空下で濃縮して、19.4gの化合物7bを灰色のゼリーとして単離収率98%で得た。
[0232] 工程4:5,5-ジフルオロ-3-(5-(トリメチルシリル)ペンタ-4-イン-2-イル)-1,3-オキサジナン-2-オン 化合物7c
Figure 2024056684000119
[0233] 化合物7b(3.5g、14.0mmol、1.0当量)をN下でTHF(35mL、10容積)に溶解した。CDI(2.64g、15.4mmol、1.1当量)、DMAP(175mg、1.4mmol、0.1当量)を加えた。反応混合物を加熱還流し、16時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、その後、混合物を飽和NHCl溶液で洗浄した(50mLx2)。
[0234] 相分離後、有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を真空下で濃縮して、約5.0gの粗生成物を得た。この粗生成物をカラムで精製して(n-ヘプタン/EA=1:0から20:1)、約3.4gの化合物7cを収率90%(未補正)で得た。
[0235] 工程5:(R)-5,5-ジフルオロ-3-(1-(2-(トリメチルシリル)-1H-インドール-3-イル)プロパン-2-イル)-1,3-オキサジナン-2-オン 化合物5a
Figure 2024056684000120
[0236] 化合物7c(400mg、1.45mmol、1.0当量)をN下でDMF(8.0mL、20容積)に溶解した。NaCO(307mg、2.9mmol、2.0当量)、LiCl(60mg、1.45mmol、1.0当量)、Pd(dppf)Cl(88mg、0.12mmol、8mol%)及び2-ブロモアニリン(300mg、1.74mmol、1.2当量)を素早く加えた。反応混合物をNで4~5回パージし、その後100℃に加熱し、3時間撹拌した。IPC1。
[0237] 反応混合物を約25℃まで徐々に冷却した。EA(50mL)及びブライン(50mL)を加え、2相に分離させた。水相をEA(50mL)で抽出し、その後有機相をNaSO上で乾燥させ、濾液を濃縮乾固させた。粗生成物をカラムで精製し、約320mgの化合物5a(純度92A%)を収率約60%(未補正)で得た。
[0238] 工程6:(R)-3-((1-(1H-インドール-3-イル)プロパン-2-イル)アミノ)-2,2-ジフルオロプロパン-1-オール 化合物2
Figure 2024056684000121
[0239] 粗生成物5a(50mg、0.14mmol、1当量)、LiOH.HO(15.4mg、0.35mmol、2.5当量)及びHO(0.5mL)/EtOH(0.5mL)をバイアル(10mL)に加えた。得られた混合物を50~55℃に加熱し、2時間撹拌した。HCl水溶液(6N、0.5mL)を上記混合物に加え、得られた混合物を1時間攪拌した。この混合物を約20℃まで冷却した。濾過し、ケーキを35~40℃の高真空下で1時間乾燥させ、約38mgの粗生成物(約80A%)を収率100%で得た。
[0240] 実施例3:
Figure 2024056684000122
[0241] 工程1:tert-ブチル (4R)-4-メチル-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート 2-オキシド
[0242] イミダゾール(437g、6.4mol、1.5当量)のDCM(5.5L、7.5容積)溶液に、SOCl(763g、6.4mol、1.5当量)をN下、-5~0℃で2時間滴下した。反応混合物を-5~0℃で0.5時間攪拌した。出発物質tert-ブチル (R)-(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)カルバメート(740g、4.3mol、1.0当量)を含むDCM(5.5L、7.5容積)を-5~0℃で2時間滴下した。この反応混合物を-2~0℃で0.5時間撹拌した。EtN(865g、8.6mol、2当量)を-5~0℃で滴下し、その後、混合物を2時間撹拌した。
[0243] 反応完了後、0~20℃で水(6L)を加え、2相に分離させた。水相をDCM(5L)で抽出した。合わせた有機層を、10w%クエン酸(5L)、NaHCO水溶液(5L)、及びブライン(5L)で洗浄した。有機相を0~10℃に冷却した。
[0244] 工程2:tert-ブチル (R)-4-メチル-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート 2,2-ジオキシド
[0245] HO(13L)とRuCl.xHO(9.6g)を連続して添加し、その後オキソン(4.0kg、6.4mol、1.5当量)を加えた。反応混合物を徐々に30~33℃に温め、反応物を4時間撹拌した。反応混合物を、500gのセライトで濾過し、ケーキをDCM(5L)で洗浄し、2相(濾液)に分離させた。
[0246] その後、水相をDCMで抽出し、合わせた有機相を飽和Na(5Lx3)とブライン(5Lx2)で洗浄し、その後NaSO(1kg)で乾燥させた。濾過し、ケーキをDCM(3L)で洗浄し、合わせた濾液と洗浄液を30℃の真空下で濃縮し、qNMRで約850gのtert-ブチル (R)-4-メチル-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート 2,2-ジオキシドを単離収率98wt%で得た。
[0247] 工程3:tert-ブチル (R)-(5-(トリエチルシリル)ペンタ-4-イン-2-イル)カルバメート
Figure 2024056684000123
[0248] トリエチル(エチニル)シラン(92.6g、0.66mol、1.3当量)をTHF(150mL)に溶解した後、溶液を-5~0℃に冷却した。n-BuLi(265mL、2.5M、1.3当量)を1時間かけて滴下した。反応混合物を-5~0℃で30分間撹拌した。
[0249] tert-ブチル (R)-4-メチル-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート 2,2-ジオキシド(120g、0.51mol、1.0当量)を、N下でTHF(600mL)に溶解した。反応混合物を-10℃~0℃冷却した。調製したTESCLi(約500mL、0.66mol、1.3当量)を、-10℃~0℃で1時間かけて滴下した。反応混合物を-5℃~0℃で2時間撹拌した。
[0250] 反応物を飽和NHCl(300mL)で-10℃~0℃でクエンチした。混合物を分離し、水相をEtOAcで抽出した(約500mL×2)。有機相合わせ、ブラインで洗浄した(500mLx2)。有機相を、NaSO(約30g)で乾燥させ、その後濾過した。
[0251] ケーキをEtOAcですすいだ(約50mLx2)。濾液を真空下35℃で約2時間濃縮し、約180gの粗製のtert-ブチル (R)-(5-(トリエチルシリル)ペンタ-4-イン-2-イル)カルバメートを得た。粗製のtert-ブチル (R)-(5-(トリエチルシリル)ペンタ-4-イン-2-イル)カルバメートを、EtOAc/n-ヘプタン(0~10%)を用いてカラム(シリカゲル、200~300メッシュ、6w)で精製した。所望の画分を約14L収集した。35~40℃の真空下での濃縮後、約105gの純粋なtert-ブチル (R)-(5-(トリエチルシリル)ペンタ-4-イン-2-イル)カルバメート(化合物7p)を98A%で、単離収率70%で得た。
[0252] 工程4:(R)-1-(1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン 化合物5
Figure 2024056684000124
[0253] 工程4a:tert-ブチル (R)-(1-(2-(トリエチルシリル)-1H-インドール-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
[0254] NaCO(4.5g、42mmol、2.5当量)、Pd(dba)(0.77g、0.84mmol、0.05当量)、P(tBu)HBF(0.48g、1.68mmol、0.1当量)、2-ブロモアニリン(4.3g、25.2mmol、1.5当量)、及び化合物7p(6.27g、16.8mmol、1.0当量)をNでMe-THF(50mL、10容量)に投入した。反応混合物をNで4~5回パージし、加熱還流して、24時間撹拌した。反応混合物を約25℃に冷却し、100mLのDCMと100mLのHOを加えた。
[0255]
2相に分離させ、水相をDCM(約50mL)で抽出した。合わされた有機相を、HO(50mL)とブライン(50mL)で洗浄し、NaSO(5g)で乾燥させた。濾過し、ケーキをDCMで洗浄し、合わせた洗浄液と濾液を35~40℃の真空下で濃縮して、24.1gの粗生成物(20.4w%)を収率75%(補正済み)で得た。
[0256] 工程4b:(R)-1-(1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン 化合物5
[0257] DCM(50mL)に溶解した粗化合物(20.4w%)を、約30mLのHCl溶液(1M)で4回洗浄した。有機相をフラスコに投入し、室温(約20℃)で1時間かけてHClガスをバブリングした。約30mLの水を加えて2相に分離させ、水相をDCMで抽出した(15mL×2)。水相を固体NaOHでpH=7~8に調整した後、DCM(10mL)で抽出した。
[0258] 水(4mL)に溶解したNaOH(1.5g)の溶液を、室温(約20℃)で撹拌しながら上記の水相に滴下した。水相をDCM(50mL)で抽出し、有機相を35℃の真空下で濃縮し、約2.0gの化合物5を96A%で、単離収率90%(未補正)で得た。
[0259] 化合物2は、本明細書に記載の実施例1の方法に従って、工程2から作製することができる。
[0260] 実施例4:2,2-ジフルオロマロネート 化合物12b
Figure 2024056684000125
[0261] PTFE底部反応器に2Kgの化合物12aを投入し、2.1Kgの濃硫酸を加えた。その後、混合物を45~55℃で約4時間撹拌しながら加熱した(反応で発生したHFを吸収するために30%NaOH水溶液スクラバーを使用した)。その後、混合物を氷水(5kg/5kg)に滴下した。クエンチ温度は0℃に維持した。有機相を分離し、水層をDCM(2L、1V)で1回抽出した。有機層を合わせて、真空下でDCMを除去した。粗試料を真空蒸留により精製した。化合物12bの主要画分は、62~66℃/20mmHgで収集された。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 3.89 ppm (s, 6H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 53.95 ppm (-CH3), 105.98 ppm (-CF2-, 1JCF259.1 Hz), 160.94 ppm (-CO-, 2JCF 30.9 Hz); 19F NMR (188 MHz, CDCl3): δ = -112.05 ppm (s, 2F).
[0262] 実施例5:
Figure 2024056684000126
[0263] 工程1:
Figure 2024056684000127
[0264] マグネティックスターラーを備えた丸底フラスコに、アラニン(100g、1.122mol、1.00当量)とメタノール(150ml)を投入した。得られた懸濁液にナトリウムメトキシド(メタノール中30w%、1.235mol、1.10当量)を2分以内に加えた。トランスファーラインをメタノール(10ml)ですすいだ。完全に溶解するまで反応物を撹拌し、3分以内にメチル 2,2,3,3-テトラフルオロ-3-メトキシプロパノエート(173ml、1.235mol、1.10当量)を添加した。撹拌を20分間続けた後、反応混合物を真空下で蒸発させ、黄色の透明な油を得た。この油を水で希釈し、続いて2MのHCl水溶液(75ml、0.15mol、0.13当量)を加えてpHを約7にした。
[0265] この溶液を添加漏斗に移し、フラスコに105.0gの濃HCl水溶液(37%)(89ml、1.066mol、0.95当量)を投入した。添加漏斗の内容物を、周囲温度で30分以内に撹拌しながらHCl水溶液に加えた。生成物の懸濁液が濃くなるため、添加中に水を加えて磁気撹拌を行った。白色の懸濁液を周囲温度で1時間撹拌した後、濾過した。フィルターケーキをWBIで洗浄し、10mbar/70℃で一晩乾燥させた。収量:266g(収率95.9%)の白色固体の生成物。1H NMR (600 MHz, CDCl3): δ 6.98 - 6.77 (m, 1H), 4.74 - 4.65 (m, 1H), 3.71 (s, 3H), 1.56 (d, J = 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (151 MHz, CDCl3): δ 175.6, 158.8, 117.4, 108.0, 51.5, 48.3, 17.8.
[0266] 工程2:
Figure 2024056684000128
[0267] メカニカルスターラー、添加漏斗、及びアルゴンバブラーを備えた1000mlの硫化フラスコに、インドール(338.3mmo、1.045当量)を投入し、トルエン(120ml)を添加した。混合物を氷浴中で冷却し、15分以内に内部温度<14℃のトリメチルアルミニウム(トルエン中2M、161.8ml、323.7mmol、1.04当量)を添加し、添加が終了した後、白い懸濁液が形成されるまで<25℃で撹拌した。
[0268] 350mlの硫化フラスコに、メカニカルスターラー、添加漏斗、及びアルゴンバブラーを装着した。フラスコに化合物11(323.7mmol、1.0当量)を投入し、続いてトルエン(80ml)とN-ホルミルピロリジン(1.15ml、12.1mmol、0.037当量)を投入した。25℃で塩化オキサリル(29.2ml、333.4mmol、1.03当量)を40分以内に撹拌しながら加えた。得られた緑/黄色の濁った溶液(約145ml)をガス放散が止まるまで25分間撹拌し、内容物を添加漏斗に移した。
[0269] 上記で調製したジメチルアルミニウムインドレートの懸濁液を-30~-40℃に冷却し、混合物の温度が-30℃を超えないように、撹拌しながら10~15分以内に酸性塩化物水溶液を添加した。添加終了後、トリメチルアルミニウム(トルエン中2M、194ml、388mmol、1.2当量)を-30~-40℃の間で23分以内に添加し、得られた暗溶液をこの温度で2時間撹拌した。トリメチルアルミニウム(トルエン中2M、20ml、40mmol、0.12当量)を加え、2時間撹拌を続けた。反応混合物を、15℃未満でt-アミルアルコール(181ml、1651mmol、5.1当量)を含む1000mlフラスコに15分でカニューレ挿入した。得られた生成物懸濁液を25℃で撹拌し、65℃に加熱した。ヘプタン(160ml)を加え、混合物を65℃で数分間撹拌した。混合物を40℃まで冷却し、20分以内に900n-プロパノール(31.8ml、mmol、当量)を加えた。混合物を10℃に冷却し、10分間撹拌した。
[0270] この混合物を、上をアルゴン流が流れるフィルターにカニューレ挿入した。濾過後、フィルターケーキを圧縮し、手短に母液を吸い出した(-150ml)。フィルターケーキをトルエン(80ml)で洗浄し、残留母液をヘプタン(80ml)を用いて押し出した。フィルターケーキを15分間乾燥させ(66.9g)、50℃で減圧乾燥させ、65.4g(収率58.3%)の生成物をオレンジ色がかった固体として得た(純度98%)。 1H NMR (600 MHz, DMSO-d6): δ 12.07 (br s, 1H), 9.31 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.42 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 8.19 - 8.15 (m, 1H), 7.50 - 7.47 (m, 1H), 7.25 - 7.22 (m, 1H), 7.22 - 7.18 (m, 1H), 5.28 - 5.20 (m, 1H), 3.65 (s, 3H), 1.41 (d, J = 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (151 MHz, DMSO-d6): δ 192.3, 157.8, 136.5, 134.0, 125.7, 123.0, 121.9, 121.3, 117.5, 113.1, 112.2, 108.0, 51.7, 51.2, 18.0.
[0271] 工程3:
Figure 2024056684000129
[0272] メカニカルスターラーとアルゴンバブラーを装備した100mlのEasymax反応器に水素化アルミニウムナトリウムを投入し、25℃でTHF(35ml)を加えた。混合物を15分間撹拌した後、メタノール(7.04ml、173.3mmol、123当量)のTHF(10ml)溶液を、反応器の壁に沿って、45℃未満のITで30分以内に加えた。得られたオフホワイトの懸濁液を5分間撹拌した後、(R)-N-(1-(1H-インドール-3-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロ-3-メトキシプロパンアミド(14.44mmol、1.00当量、化合物5c))のTHF(20ml)溶液を<35℃で30分以内に5回添加した。得られた黄色がかった懸濁液を30分以内に45℃に加熱し、19時間撹拌した。
[0273] 硫酸ナトリウム(36.1ミリモル、2.50当量)を反応混合物に加え、続いて水(6.50ml、361mmol、25.0当量)のTHF(13.5ml)溶液を400rpmで撹拌しながら20分以内に加えて温度を上昇させた。得られた灰色の懸濁液を加熱還流し、溶媒を雰囲気圧力及び定容でトルエン(50ml)に部分的に交換した。交換が完了した後、懸濁液を50分以内に25℃まで冷却し、濾過し、フィルターケーキを酢酸エチル(20ml)で洗浄した。
[0274] 得られた水相のpHが2.1になるまで10%硫酸水溶液(6.0ml、6.54mmol、0.45当量)を加えた。有機相を水(8ml)で洗浄し、10%硫酸水溶液を、pH2.1になるまで数滴滴下して、その水を酸性化した。合わせた水相を酢酸エチルで2回(各20ml)、ヘプタン(20ml)で1回洗浄した。水相に2MのNaOH水溶液(7.22ml、14.44mmol、1.00当量)をpH5.3になるまで加えた。5分間撹拌した後、得られた黄色がかった懸濁液のpHが少なくとも30分間pH6.5で一定に保たれるまで、NaOHの添加を少なくとも2時間続けた。懸濁液を4℃に冷却し15、1時間撹拌し、濾過し、フィルターケーキを冷水(5ml)16及び冷水/MeOH=10/1(5ml)で圧縮した後に洗浄した。フィルターケーキを減圧下で一晩乾燥させて、オフホワイトの固体(2.685g、収率69.3%、純度99.3%)を得た。 1H NMR (600 MHz, CDCl3): δ 8.06 (br s, 1H), 7.58 (dd, J = 7.9, 0.9 Hz, 1H), 7.38 (dt, J = 8.2, 0.9 Hz, 1H), 7.21 (ddd, J = 8.1, 7.1, 1.1 Hz, 1H), 7.13 (ddd, J = 7.9, 7.0, 1.0 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.93 - 3.74 (m, 2H), 3.26 - 3.15 (m, 1H), 3.15 - 3.02 (m, 2H), 2.95 - 2.78 (m, 2H), 1.17 (d, J = 6.3 Hz, 3H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ = 136.41, 127.58, 122.88, 122.57, 122.23, 120.46, 119.51, 118.84, 118.03, 112.62, 111.28, 65.12 (t, J = 31.7 Hz, 1C), 53.46, 50.59 (t, J = 29.0 Hz, 1C), 32.85, 20.39.
[0275] 実施例6:
Figure 2024056684000130
[0276] 不活性化された反応器に化合物10(25.0g、91.8mmol、1.00当量)を投入し、化合物2(30.8g、114.8mmol、1.25当量)、続いてL-(+) -酒石酸(20.67g、137.7mmol、1.50当量)を加えた。エタノールを加え、反応混合物を69~72℃に加熱した。約2時間撹拌した後、化合物A種晶(308.8mg)を加えた。混合物を約46時間撹拌した。
[0277] EtOH(95.8mL)を加え、15分間撹拌した。混合物を約1時間で15~25℃に冷却し、この温度で約2時間撹拌した。懸濁液を濾過し、EtOH(95.8mL)を使用してスプレーボールで反応器をすすぎ、EtOHで2回フィルターケーキを洗浄した。フィルターケーキを真空下50℃で乾燥させた。化合物Aが淡褐色の粉末として約80%の収率で単離された。

Claims (47)

  1. 式(II)の化合物
    Figure 2024056684000131
    又はその立体異性体若しくは塩の調製方法であって、
    (上式中、R1a及びR1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、無置換C1-3アルキル、無置換C1-3ハロアルキル、無置換C1-3アルコキシ、-CN、無置換C3-6シクロアルキル又は無置換C3-6スピロシクロアルキルであり;
    各Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、無置換C1-3アルキル、無置換C1-3ハロアルキル又は無置換C1-3アルコキシであり;
    mは、0、1又は2であり;且つ
    nは、1、2又は3である)
    以下の工程:
    (a)式(III)の化合物
    Figure 2024056684000132
    又はその立体異性体若しくは塩をスルホン酸と接触させて、式(IIIa)の化合物
    Figure 2024056684000133
    又はその立体異性体若しくは塩を形成する工程;
    (b)式(IIIa)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を塩基と接触させて、式(IV)の化合物
    Figure 2024056684000134
    又はその立体異性体若しくは塩を形成する工程;
    (c)式(IV)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を水素化して、式(V)の化合物
    Figure 2024056684000135
    又はその立体異性体若しくは塩を形成する工程;及び
    (d)式(V)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を式(VI)の化合物
    Figure 2024056684000136
    と接触させて、それにより式(II)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を形成する工程
    を含む、方法。
  2. 式(III)の化合物が式(III)の化合物である、請求項1に記載の方法。
  3. 式(III)の化合物が式(3)、(3x)、(3y)又は(3z)の化合物である、請求項2に記載の方法。
  4. 式(III)の化合物が式(3)の化合物である、請求項2に記載の方法。
  5. スルホン酸がHSO又はClSOHである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 塩基が水酸化物塩基である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 塩基がKOH、NaOH又はLiOHである、請求項6に記載の方法。
  8. 水素化が、Pd、Pt又はNiを含む触媒を使用して実施される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 触媒がPd/C、Pt/C又はラネーNiである、請求項8に記載の方法。
  10. 水素化が、イソプロパノール、ギ酸、ギ酸塩又はアンモニウムの存在下での触媒移動水素化を用いて実施される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 式(II)の化合物
    Figure 2024056684000137
    又はその立体異性体若しくは塩の調製方法であって、
    (上式中、R1a及びR1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、無置換C1-3アルキル、無置換C1-3ハロアルキル、無置換C1-3アルコキシ、-CN、無置換C3-6シクロアルキル又は無置換C3-6スピロシクロアルキルであり;
    各Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキル、C1-3アルコキシであり;
    mは、0、1又は2であり;且つ
    nは、1、2又は3である)
    以下の工程:
    (a)式(VII)の化合物
    Figure 2024056684000138
    又はその立体異性体若しくは塩(上式中、各Zは、独立して、C1-3アルキル又はフェニルである)を式(VI)の化合物
    Figure 2024056684000139
    (式中、R1a及びR1bは本明細書に記載されているとおりである)と接触させて、それにより式(VIIa)の化合物
    Figure 2024056684000140
    又はその立体異性体若しくは塩を合成する工程;
    (b)式(VIIa)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を酸と接触させて、それにより式(VIIb)の化合物
    Figure 2024056684000141
    又はその立体異性体若しくは塩を合成する工程;
    (c)式(VIIb)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を1,1’-カルボニルジイミダゾールと接触させて、それにより式(VIIc)の化合物
    Figure 2024056684000142
    又はその立体異性体若しくは塩を合成する工程;
    (d)式(VIIc)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を式(VIII)の化合物
    Figure 2024056684000143
    又はその塩と接触させて、式(Va)の化合物
    Figure 2024056684000144
    又はその立体異性体若しくは塩を作製する工程;及び
    (e)式(Va)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を塩基、続いて酸と接触させて、それにより式(II)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を作製する工程
    を含む、方法。
  12. 式(II)の化合物
    Figure 2024056684000145
    又はその立体異性体若しくは塩の調製方法であって、
    (上式中、R1a及びR1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、無置換C1-3アルキル、無置換C1-3ハロアルキル、無置換C1-3アルコキシ、-CN、無置換C3-6シクロアルキル又は無置換C3-6スピロシクロアルキルであり;
    各Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキル、C1-3アルコキシであり;
    mは、0、1又は2であり;且つ
    nは、1、2又は3である)
    前記方法が、式(V)の化合物
    Figure 2024056684000146
    又はその立体異性体若しくは塩を、式(VI)の化合物
    Figure 2024056684000147
    と接触させる工程を含み、
    式(V)の化合物が、
    (a)式(VIIp)の化合物
    Figure 2024056684000148
    又はその立体異性体若しくは塩(上式中、各Zは、独立して、C1-3アルキル又はフェニルである)を式(XII)の化合物
    Figure 2024056684000149
    又はその塩と接触させて、式(Vb)の化合物
    Figure 2024056684000150
    又はその立体異性体若しくは塩を作製する工程;及び
    (b)式(Vb)の化合物を酸と接触させて、それにより式(V)の化合物を作製する工程
    によって調製される、方法。
  13. 各Zが、独立して、C1-4アルキルである、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 各Zがメチルであり、各Zがエチルであり、各Zがイソプロピルであるか、又はSiZがSi(PhMe)若しくはSi(t-BuMe)である、請求項11又は12に記載の方法。
  15. 各Zがエチルである、請求項11又は12に記載の方法。
  16. 式(VI)の化合物が、
    Figure 2024056684000151
    (その立体異性体も含む)である、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 式:
    Figure 2024056684000152
    の化合物又はその立体異性体若しくは塩の調製方法であって、
    (上式中、R1a及びR1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、無置換C1-3アルキル、無置換C1-3ハロアルキル、無置換C1-3アルコキシ、-CN、無置換C3-6シクロアルキル又は無置換C3-6スピロシクロアルキルであり;
    各Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキル、C1-3アルコキシであり;
    mは、0、1又は2であり;
    nは、1、2又は3である)
    以下の工程:
    (a)アラニンを式(IX)の化合物
    Figure 2024056684000153
    又はその立体異性体若しくは塩と接触させて、式(XI)の化合物
    Figure 2024056684000154
    又はその立体異性体若しくは塩を形成する工程;
    (b)式(VIII)の化合物を塩素化剤、式
    Figure 2024056684000155
    の化合物、及び有機アルミニウム化合物と接触させて、式(Vc)の化合物
    Figure 2024056684000156
    又はその立体異性体若しくは塩を形成する工程;及び
    (c)式(Vc)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を還元剤と接触させて、それにより式(II)の化合物又はその立体異性体若しくは塩を形成する工程
    を含む、方法。
  18. 有機アルミニウム化合物が式XAlを有し、式中、Xは、独立して、Cl又はC1-4アルキルである、請求項17に記載の方法。
  19. Xが、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル又はイソブチルである、請求項17に記載の方法。
  20. 有機アルミニウム化合物が、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド又はエチルアルミニウムジクロリドである、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 有機アルミニウム化合物がトリメチルアルミニウムである、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 還元剤が水素化アルミニウムナトリウムである、請求項17~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 塩素化剤がSOCl2、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル、塩化ピバロイル又は塩化オキサリルである、請求項17~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 塩素化剤が塩化オキサリルである、請求項23に記載の方法。
  25. 塩素化剤が、N-ホルミルピロリジン又はN,N-ジメチルホルムアミドの存在下にある、請求項24に記載の方法。
  26. 1a及びR1bが、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、無置換C1-3アルキル、又はシクロプロピルである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 1a及びR1bが、独立して、水素、ハロゲン又はメチルである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  28. 1aが水素であり、R1bがハロゲン、メチル、シアノ又はシクロプロピルである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  29. 1aが水素であり、R1bがハロゲンである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  30. 1aが水素であり、R1bがメチルである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  31. 1aがメチルであり、R1bがハロゲン、メチル、シアノ又はシクロプロピルである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  32. 1aがハロゲンであり、R1bがハロゲン、メチル、シアノ又はシクロプロピルである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  33. 1a及びR1bが、独立して、ハロゲン又はメチルである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  34. 1aがハロゲンであり、R1bがメチルである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  35. 1aがハロゲンであり、R1bがハロゲンである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  36. 1a及びR1bがFである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  37. 各Rが、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN又はC1-3アルキルである、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. mが0である、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. mが1である、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
  40. がハロゲン又はC1-3アルキルであり、mは1である、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
  41. がハロゲンであり、mが1である、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
  42. 式(II)の化合物が
    Figure 2024056684000157
    又はその立体異性体若しくは塩である、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 式(II)の化合物が
    Figure 2024056684000158
    又はその塩である、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
  44. 式(II)の化合物が、式(X)を有する化合物:
    Figure 2024056684000159
    又はその立体異性体若しくは塩と接触して、
    (上式中、環Aは、フェニル又はピリジニルであり;
    各Rは、独立して、水素、ハロゲン又はC1-3アルキルであり、
    は、ハロゲン又は-CNであり;且つ
    pは、1又は2である);
    式(I)の化合物:
    Figure 2024056684000160
    又はその立体異性体若しくは薬学的に許容される塩を形成する、請求項1~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 式(X)の化合物が、
    Figure 2024056684000161
    Figure 2024056684000162
    又はその塩である、請求項44に記載の方法。
  46. 式(1)を有する化合物
    Figure 2024056684000163
    又はその薬学的に許容される塩の合成方法であって、以下の工程:
    (a)式(2)の化合物
    Figure 2024056684000164
    又はその塩(ここで、式(2)の化合物は請求項1、11又は12に記載の方法に従って合成され、式(V)の化合物は式(5)
    Figure 2024056684000165
    又はその塩を有し、式(VI)の化合物は式(6):
    Figure 2024056684000166
    を有する)を、
    (b)式(10)の化合物
    Figure 2024056684000167
    又はその塩と接触させて、それにより式(1)の化合物又はその薬学的に許容される塩を作製する工程
    を含む、方法。
  47. 式(6)の化合物が、
    (a)式(12a)
    Figure 2024056684000168
    の化合物をHSOと接触させて、式
    Figure 2024056684000169
    の化合物を作製する工程;
    (b)式(12b)の化合物を還元して、式
    Figure 2024056684000170
    の化合物を作製する工程;
    (c)SOClの存在下で前記式の化合物を環化させて、式
    Figure 2024056684000171
    の化合物を作製する工程;及び
    (d)式(12d)の化合物をFeCl、NaOCl、及び塩基と接触させて、それにより式(6)の化合物を作製する工程
    によって、調製される、請求項46に記載の方法。
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