JP2024056399A - 単管式排水システムの再生工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期に亘ってその機能を維持できる新規な単管式排水システムの再生工法の提供。【解決手段】蓋10を除去して継手本体20内を開口し、その内面を研磨すると共に中仕切り板23を除去した後、その内面に樹脂を含浸させた芯材30を貼り付けた後、その芯材30をバルーン50で内面に圧着させ、その後、継手本体20の開口部に蓋ユニット10NNを取り付けてその蓋ユニット10NNに立管11を接続する。これによって、継手本体20の内面全体に耐食性に優れたピンホールのない樹脂内貼層30Aを十分な厚さで容易かつ確実に形成すると同時に枝管内部も再生することができるため、新設時と同等以上の長期に亘ってその機能を維持することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、高層建物向けの排水設備に多用されているソベント継手などの単管式排水システムの再生工法に関する。
ビルやマンションなどの高層建物の排水設備には、ソベント継手などの単管式排水システムが用いられている。この単管式排水システムは、各階ごとにその床スラブを貫通するように設けられており、高さ方向に延びる立管と横方向に延びる枝管を集合させてそれぞれから流れてきた排水を合流して順次階下に流すように機能している。
このような単管式排水システムを用いた排水設備は、老朽化に伴う腐食や地震などによる損傷によって漏水が発生した場合やそのおそれがある場合には、その箇所を適宜交換する必要があるが、単管式排水システムは各階の床スラブを貫通するように設けられていることが多いため、その交換には、床スラブをはつり(斫り)して解体する作業が生じてくる。しかも、通常1箇所の単管式排水システムで漏水が発生した場合は、他のすべての単管式排水システムでも同様な現象が起こる可能性が高い。そのため、通常は一斉にまとめて交換することとなり、その工事は大がかりなものとなってしまう。
そのため、例えば以下の特許文献1や2では、従来の配管更生方法であるいわゆるパイプ・イン・パイプ方式を用いてその内面にライナー層を形成することで既設状態のままでソベント継手を更生する方法が提案されている。また、既存のソベント継手は、特にその内部を仕切るプレートの腐食が問題となることから、以下の特許文献3には継手本体の天板に穴を開けてその近傍に新たな挿入プレートを組み込むことで再生する方法が提案されている。
ところで、前述したような従来の更生または再生方法は、あくまで単管式排水システムの部分的な補修であるため、当分の間(数年単位)は凌げるが、十年~数十年といった新設時と同等以上の長期に亘ってその機能を維持することが難しい。
そこで、本発明はこれらの課題を解決するために案出されたものであり、その目的は長期に亘ってその機能を維持できる新規な単管式排水システムの再生工法を提供することである。
前記課題を解決するために第1の発明は、継手本体の蓋に立管を接続してなる単管式排水システムの再生工法であって、前記蓋を除去して前記継手本体内を開口する工程と、前記継手本体内面を研磨すると共に中仕切り板を除去する工程と、前記継手本体の内面形状に倣った芯材を筒状に加工する工程と、前記芯材に樹脂を含浸させてこれを前記継手本体の内面形状に貼り付けた後、当該芯材の内側にバルーンを挿入してから当該バルーンを膨張させて前記芯材を前記継手本体の内面に圧着させる工程と、前記継手本体の開口部に、新たな中仕切り板と新たな蓋を取り付ける工程と、前記新たな蓋に前記立管を接続する工程と、を含むことを特徴とする単管式排水システムの再生工法である。
このような再生方法によれば、樹脂を含浸した筒状の芯材を継手本体に貼り付け、これをバルーンで圧着させるようにしたため、継手本体の内面全体に耐食性に優れた樹脂内貼層を十分な厚さで容易かつ確実に形成することができる。これによって、例えば十年~数十年といった新設時と同等以上の長期に亘ってその機能を維持することができる。また、床スラブをはつり(斫り)して解体するといった大がかりな工事も不要となるため、大幅な工期短縮と費用の削減が可能となる。
第2の発明は、第1の発明において、前記継手本体内面を研磨する工程に際しては、前記継手本体の側面に接続される枝管の内面を研磨し、前記樹脂内貼層を形成する工程に際しては、前記バルーンを挿入する前に、前記枝管の内面に前記継手本体内面から鍔付き枝管コアを挿着することを特徴とする単管式排水システムの再生工法である。このような工程によれば、継手本体内面だけでなく、これに取り付けられる枝管の内面にも樹脂内貼層に相当する鍔付き枝管コアを挿着して保護することができる。これによって、継手本体だけでなく、枝管の補修、補強することができる。なお、この鍔付き枝管コアの長さを補うためにこれと同径の短管コアをさらに用いてもよい。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記樹脂内貼層を形成する工程に際しては、前記バルーンの挿入前に、予め前記芯材とほぼ同じ大きさ、形状をしたハカマを装着してから前記バルーンを膨張させることを特徴とする単管式排水システムの再生工法である。このような工法によれば、ハカマを挟んでバルーンを膨張させることによって、膨張時にバルーンにしわ(皺)が生じていてもそれが芯材の表面に転写される現象を確実に防止することができる。
第4の発明は、第1または第2の発明において、前記継手本体の開口部に新たな中仕切り板と新たな蓋とを取り付ける工程に際しては、前記新たな蓋と、前記新たな中仕切り板と、前記立管と接続される曲がり管とを予め一体化した蓋ユニットを用いることを特徴とする単管式排水システムの再生工法である。このような工法によれば、従来別個に製造して組み付けられていた新たな蓋と新たな中仕切り板と曲がり管とを予め一体化した蓋ユニットとして纏めて組み付けることができるため、工期の短縮に貢献できると共にその全体の強度が向上する。また、後述するようにさらにその蓋ユニット全体をナイロン樹脂などでコーティングすれば、防錆効果や耐腐食性が大幅に向上する。
本発明によれば、各階の床スラブをはつり(斫り)して解体するといった、騒音や粉じんが発生する大がかりな工事が不要となるため、大幅な工期短縮と費用の削減が可能となる。しかも再生後は十年~数十年といった新設時と同等以上の長期に亘ってその機能を維持することができるといった優れた効果を発揮する。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る単管式排水システム100の再生工法の実施の一形態を示すフローチャート図である。図示するように本発明は、蓋開口工程(ステップS100)と、研磨・除去工程(ステップS200)と、芯材加工工程(ステップS300)と、枝管内貼工程(ステップS400)と、芯材圧着工程(ステップS500)と、蓋取付工程(ステップS600)と、配管取付工程(ステップS700)といった主に7つの工程から構成されている。以下、各工程を添付図を参照しながら説明する。
(蓋開口工程)
本発明の再生対象となる単管式排水システム100としては、例えば従来から多く用いられているソベント継手100であり、以下このソベント継手100を例に説明する。このソベント継手100は図2に示すように各階ごとにその床スラブSを貫通するように設けられているため、まずその蓋10から上階に延びる立管11をセーバーソーなどの工具を用いて上下2箇所で切断して切り離すと共に、そのソベント継手100の継手本体20の側面に接続される枝管(図では2本)21,22を図13に示すような位置K1またはK2で切断して切り離す。なお、この枝管21,22を切断できない場合やその作業スペースがない場合などは、この枝管21,22を切断せずにそのまま再利用する。
本発明の再生対象となる単管式排水システム100としては、例えば従来から多く用いられているソベント継手100であり、以下このソベント継手100を例に説明する。このソベント継手100は図2に示すように各階ごとにその床スラブSを貫通するように設けられているため、まずその蓋10から上階に延びる立管11をセーバーソーなどの工具を用いて上下2箇所で切断して切り離すと共に、そのソベント継手100の継手本体20の側面に接続される枝管(図では2本)21,22を図13に示すような位置K1またはK2で切断して切り離す。なお、この枝管21,22を切断できない場合やその作業スペースがない場合などは、この枝管21,22を切断せずにそのまま再利用する。
次に、図3に示すように立管11と継手本体20の蓋10と接続する曲がり管12を切断して除去した後、図4に示すように、その蓋10を継手本体20の側面側から切断して開口する。なお、側面から切断する作業スペースがない場合には、蓋10の上面側からその縁に沿って切断して開口する。
(研磨・除去工程)
継手本体20内を開口したならば、図5に示すようにその内部の中仕切り板23を切断して除去した後、その内壁面に付着しているヘドロ(スライム)をケレン工具などを用いてそぎ落としてその表面をウェスで拭き取る。次に、霧吹きなどを使用しながらその継手本体20の内壁面を電動ワイヤーブラシで研磨し、固着している古いコーティング層や錆こぶなどを除去して継手本体20を構成する鉄板の地肌を露出させる。また、この研磨作業は、枝管21,22の内面も同様に行う。
継手本体20内を開口したならば、図5に示すようにその内部の中仕切り板23を切断して除去した後、その内壁面に付着しているヘドロ(スライム)をケレン工具などを用いてそぎ落としてその表面をウェスで拭き取る。次に、霧吹きなどを使用しながらその継手本体20の内壁面を電動ワイヤーブラシで研磨し、固着している古いコーティング層や錆こぶなどを除去して継手本体20を構成する鉄板の地肌を露出させる。また、この研磨作業は、枝管21,22の内面も同様に行う。
(芯材加工工程)
内面研磨が完了したならば、次に図6および図7に示すように継手本体20の内面形状に合わせて裁断して縫製した筒状の芯材30を継手本体20内に入れ、それに枝管21,22の位置をマーキングした後、これを一旦取り出してそのマーキング部分をハサミで切り抜いて穴31,32を開ける。この芯材30は、例えばポリエステルなどの合成繊維から構成されており、工場などで事前に継手本体20の形状に倣うように筒状または袋状に縫製して製作しておく。なお、この継手本体20の形状は、設置するタイプや口径およびメーカーなどによって異なるが、一般的には図示するように上側の合流部分の内径が大きく、下方になるに従って徐々に細くなっていく漏斗状をしているものが多い。
内面研磨が完了したならば、次に図6および図7に示すように継手本体20の内面形状に合わせて裁断して縫製した筒状の芯材30を継手本体20内に入れ、それに枝管21,22の位置をマーキングした後、これを一旦取り出してそのマーキング部分をハサミで切り抜いて穴31,32を開ける。この芯材30は、例えばポリエステルなどの合成繊維から構成されており、工場などで事前に継手本体20の形状に倣うように筒状または袋状に縫製して製作しておく。なお、この継手本体20の形状は、設置するタイプや口径およびメーカーなどによって異なるが、一般的には図示するように上側の合流部分の内径が大きく、下方になるに従って徐々に細くなっていく漏斗状をしているものが多い。
その後、再びこの芯材30を継手本体20内に挿入し、枝管21,22と穴31,32とを位置決めしてからその穴31,32に、図8(A)に示すような鍔付き枝管コア40を入れ、浮きや隙間がないことを確認する。この鍔付き枝管コア40は、例えば枝管21、22の内径よりも僅かに小さい塩ビ形状記憶樹脂管の端部を鍔加工したものであり、予め工場などで枝管21,22の接続部を型板として製作しておく。
また、この鍔付き枝管コア40と共に、図8(B)に示すように、鍔付き枝管コア40と同径の塩ビ形状記憶樹脂管からなる短管コア41も用意しておく。なお、この鍔付き枝管コア40の他に短管コア41を用意したのは、鍔付き枝管コア40の長さに制限があるため、すなわち狭い継手本体20の内側から枝管21,22内に挿入するために短くせざるを得ないためだからであり、長くしても挿入可能なケースではこの短管コア41を省略することができる。
この鍔付き枝管コア40に浮きや隙間がないことを確認したならば、図9に示すようにその芯材30を仮止めしてからその継手本体20内にこれよりも大きく膨らむバルーン50を入れた後、エアーを注入してこれを膨張させて芯材30が継手本体20の内面全体に密着することを確認する。これで問題なければ、エアーを抜いてバルーン50、鍔付き枝管コア40、芯材30を一旦抜き取る。なお、このバルーン50は、例えば2枚重ねのポリエチレンチューブ50aの片方を空気が漏れなように紐で固く結束し、他方に空圧器(図示せず)から延びるホース52を挿入し、ステンレスバンドで結束したものを用いることができる。
次に、図10に示すように抜き取った芯材30をポリエチレン製袋60に入れてその中にエポキシ樹脂を注入してその袋60を閉じた後、その上からローラーRなどを転がして加圧することで、芯材30全体にまんべんなくエポキシ樹脂が浸透して行き渡るように含浸させる。エポキシ樹脂が芯材30全体に十分に含浸したならば、その袋60を開いて芯材30を取り出し、これを継手本体20内に入れ、その穴31,32が枝管21,22の位置と一致するように正確に位置決めしながらその内面に貼り付ける(図11)。
(枝管内貼工程)
次いで、図8に示した鍔付き枝管コア40と短管コア41を枝管21,22の長さに応じた長さに切断し、外側にエポキシ樹脂を塗布したものを枝管21、22内に挿入する。そして、鍔付き枝管コア40と短管コア41の間はそこからの漏れを防止するためにコーキングCを施す。枝管21,22の切り離しができない場合は、図13に示すようにそれらを継手本体20の内側から挿入し、鍔付き枝管コア40と短管コア41の間にコーキングCを施す。
次いで、図8に示した鍔付き枝管コア40と短管コア41を枝管21,22の長さに応じた長さに切断し、外側にエポキシ樹脂を塗布したものを枝管21、22内に挿入する。そして、鍔付き枝管コア40と短管コア41の間はそこからの漏れを防止するためにコーキングCを施す。枝管21,22の切り離しができない場合は、図13に示すようにそれらを継手本体20の内側から挿入し、鍔付き枝管コア40と短管コア41の間にコーキングCを施す。
(芯材圧着工程)
このようにして継手本体20に芯材30と鍔付き枝管コア40、短管コア41を継手本体20に装着したならば、図11に示すように芯材30とほぼ同じ大きさ、形状をした袋状のポリエチレンシートからなるハカマ(袴)51をその芯材30の内側に入れた後、さらにそのポリエチレンシートの内側に、バルーン50を入れてこれを膨張させる。これによって芯材30が内側から加圧されて膨らみ、継手本体20の内面に圧着する。このとき、ハカマ(袴)51を挟んでバルーン50を膨張させることによって、膨張時にバルーンにしわ(皺)が生じていてもそれが芯材30の表面に転写される現象を確実に防止することができる。この結果、圧着された芯材30の表面をしわのない滑らかな状態にすることができる。
このようにして継手本体20に芯材30と鍔付き枝管コア40、短管コア41を継手本体20に装着したならば、図11に示すように芯材30とほぼ同じ大きさ、形状をした袋状のポリエチレンシートからなるハカマ(袴)51をその芯材30の内側に入れた後、さらにそのポリエチレンシートの内側に、バルーン50を入れてこれを膨張させる。これによって芯材30が内側から加圧されて膨らみ、継手本体20の内面に圧着する。このとき、ハカマ(袴)51を挟んでバルーン50を膨張させることによって、膨張時にバルーンにしわ(皺)が生じていてもそれが芯材30の表面に転写される現象を確実に防止することができる。この結果、圧着された芯材30の表面をしわのない滑らかな状態にすることができる。
このような状態を所定時間、例えば2~3時間維持すると、芯材30に含浸したエポキシ樹脂が硬化して芯材30がその継手本体20の内面全体を覆うような形状を保ったまま固着する。これによって、図12および図14に示すように少なくとも従来のコーティング層よりも肉厚の樹脂内貼層30Aがその継手本体20の内面全体に形成される。また、同様に鍔付き枝管コア40と短管コア41の外側に塗布されたエポキシ樹脂も硬化して枝管21、22の内側にしっかりと固定される。その後、バルーン50とハカマ51を順次取り出してからその芯材30全体が確実にその継手本体20の内面全体に固着しているかを打音棒及びピンホール探知器で確認し、もし、浮きやピンホールが生じている場合には必要な補修を行う。
(蓋取付工程)
このようにして継手本体20の内面全体に樹脂内貼層30Aを形成すると共に、枝管21、22の内側に鍔付き枝管コア40と短管コア41が固着したならば、図15に示すように予め新たな曲がり管12Nと新たな蓋10Nと新たな中仕切り板23Nとを一体化した蓋ユニット10NNを用意し、これを継手本体20の開口部に被せ、固定ビスVおよびコーキングCなどを用いて取り付けてその内側を完全に塞ぐようにする。ここで、この新たな蓋ユニット10NNは、その全体をナイロン樹脂などでコーティングしたり、防錆塗装を施したり、あるいは塩ビ製、ステンレスなどの耐食性に優れた材料で形成すれば、より優れた耐食性を発揮することができる。また、この蓋ユニット10NNは、新たな中仕切り板23Nと新たな曲がり管12Nとが予め一体的に取り付けられているため、現場での作業工程が省略でき、作業の軽減や工期の短縮も達成できる。
このようにして継手本体20の内面全体に樹脂内貼層30Aを形成すると共に、枝管21、22の内側に鍔付き枝管コア40と短管コア41が固着したならば、図15に示すように予め新たな曲がり管12Nと新たな蓋10Nと新たな中仕切り板23Nとを一体化した蓋ユニット10NNを用意し、これを継手本体20の開口部に被せ、固定ビスVおよびコーキングCなどを用いて取り付けてその内側を完全に塞ぐようにする。ここで、この新たな蓋ユニット10NNは、その全体をナイロン樹脂などでコーティングしたり、防錆塗装を施したり、あるいは塩ビ製、ステンレスなどの耐食性に優れた材料で形成すれば、より優れた耐食性を発揮することができる。また、この蓋ユニット10NNは、新たな中仕切り板23Nと新たな曲がり管12Nとが予め一体的に取り付けられているため、現場での作業工程が省略でき、作業の軽減や工期の短縮も達成できる。
(配管取付工程)
そして、図16に示すようにこの蓋ユニット10NNの曲がり管12Nと、その上階の継手本体20との間を新しい立管11Nで連結すると共に、図13に示すように各枝管21、22にそれぞれ新たな配管Pを接続する。これによって、主な再生作業は終了して立管11Nおよび枝管21、22からの排水を集合させて階下に流すといったソベント継手本来の機能が復活する。なお、この新しい立管11Nの両端を接続するに際しては、例えば機械式の突合わせ継手70,70を用いれば接続作業が容易になるだけでなく、将来のメンテナンス時に配管を切断することなく取り外しができるというメリットがある。
そして、図16に示すようにこの蓋ユニット10NNの曲がり管12Nと、その上階の継手本体20との間を新しい立管11Nで連結すると共に、図13に示すように各枝管21、22にそれぞれ新たな配管Pを接続する。これによって、主な再生作業は終了して立管11Nおよび枝管21、22からの排水を集合させて階下に流すといったソベント継手本来の機能が復活する。なお、この新しい立管11Nの両端を接続するに際しては、例えば機械式の突合わせ継手70,70を用いれば接続作業が容易になるだけでなく、将来のメンテナンス時に配管を切断することなく取り外しができるというメリットがある。
このように本発明は、耐水性、耐薬品性、耐熱性、接着力などに優れたエポキシ樹脂を含浸した芯材30を継手本体20に貼り付け、これをバルーン50で圧着させるようにしたため、継手本体20の内面全体に耐食性に優れ、ピンホールのない樹脂内貼層30Aを十分な厚さで容易かつ確実に形成することができる。
また、錆こぶなどによって減少した継手本体20の板厚分をこの樹脂内貼層30Aが補うことになるため、継手本体20として要求される機械的強度や耐食性などを十分に発揮することができる。この結果、腐食だけでなく、地震に対しても十分な強度を発揮できるため、例えば十年~数十年といった新設時と同等以上の長期に亘ってその機能を維持することができる。また、鍔付き枝管コア40と短管コア41を用いて枝管21,22の内側も内貼りすることにより、枝管21,22の補修、補強も容易にできる。
さらに、樹脂内貼層30Aを形成するに際しては、バルーン50の挿入前に、予め芯材30とほぼ同じ大きさ、形状をしたハカマ51を装着し、このハカマ51を挟んでバルーン50を膨張させるようにしたため、膨張時にバルーン50にしわ(皺)が生じていてもそれが芯材30の表面、すなわちに樹脂内貼層30Aの表面に転写される現象を確実に防止することができる。
10、10N…蓋
10NN…蓋ユニット
11、11N…立管
12、12N…曲がり管
20…継手本体
21、22…枝管
23、23N…中仕切り板
30…芯材
30A…樹脂内貼層
31、32…穴
40…鍔付き枝管コア
41…短管コア
50…バルーン
51…ハカマ
60…ポリエチレン製袋
70…突合わせ継手
100…単管式排水システム(ソベント継手)
C…コーキング
P…配管
S…床スラブ
R…ローラー
V…ビス
10NN…蓋ユニット
11、11N…立管
12、12N…曲がり管
20…継手本体
21、22…枝管
23、23N…中仕切り板
30…芯材
30A…樹脂内貼層
31、32…穴
40…鍔付き枝管コア
41…短管コア
50…バルーン
51…ハカマ
60…ポリエチレン製袋
70…突合わせ継手
100…単管式排水システム(ソベント継手)
C…コーキング
P…配管
S…床スラブ
R…ローラー
V…ビス
Claims (4)
- 継手本体の蓋に立管を接続してなる単管式排水システムの再生工法であって、
前記蓋を除去して前記継手本体内を開口する工程と、
前記継手本体内面を研磨すると共に中仕切り板を除去する工程と、
前記継手本体の内面形状に倣った芯材を筒状に加工する工程と、
前記芯材に樹脂を含浸させてこれを前記継手本体の内面形状に貼り付けた後、当該芯材の内側にバルーンを挿入してから当該バルーンを膨張させて前記芯材を前記継手本体の内面に圧着させて樹脂内貼層を形成する工程と、
前記継手本体の開口部に、新たな中仕切り板と新たな蓋とを取り付ける工程と、
前記新たな蓋に前記立管を接続する工程と、を含むことを特徴とする単管式排水システムの再生工法。 - 請求項1に記載の単管式排水システムの再生工法において、
前記継手本体内面を研磨する工程に際しては、前記継手本体の側面に接続される枝管の内面を研磨し、
前記樹脂内貼層を形成する工程に際しては、前記バルーンを挿入する前に、前記枝管の内面に前記継手本体内面から鍔付き枝管コアを挿着することを特徴とする単管式排水システムの再生工法。 - 請求項1または2に記載の単管式排水システムの再生工法において、
前記樹脂内貼層を形成する工程に際しては、前記バルーンの挿入前に、予め前記芯材とほぼ同じ大きさ、形状をしたハカマを装着してから前記バルーンを膨張させることを特徴とする単管式排水システムの再生工法。 - 請求項1または2に記載の単管式排水システムの再生工法において、
前記継手本体の開口部に新たな中仕切り板と新たな蓋とを取り付ける工程に際しては、前記新たな蓋と、前記新たな中仕切り板と、前記立管と接続される曲がり管とを予め一体化した蓋ユニットを用いることを特徴とする単管式排水システムの再生工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022163243A JP2024056399A (ja) | 2022-10-11 | 2022-10-11 | 単管式排水システムの再生工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022163243A JP2024056399A (ja) | 2022-10-11 | 2022-10-11 | 単管式排水システムの再生工法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024056399A true JP2024056399A (ja) | 2024-04-23 |
Family
ID=90749278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022163243A Pending JP2024056399A (ja) | 2022-10-11 | 2022-10-11 | 単管式排水システムの再生工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024056399A (ja) |
-
2022
- 2022-10-11 JP JP2022163243A patent/JP2024056399A/ja active Pending
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