JP2024055370A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性能が改善されたタイヤを提供すること。【解決手段】トレッド部を有するタイヤであって、トレッド部はゴム成分を含むゴム組成物により構成され、ゴム組成物の70℃におけるtanδが0.08以下であり、タイヤ重量をW(kg)、内圧600kPaで測定されたタイヤ体積をV(m3)としたとき、W/Vが210以下である、タイヤ。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤに関する。
近年では、トラックやバスなどのタイヤにおいても、等級制度に基づくラベリング制度が導入され、また、カーボンニュートラルを目指す観点から、タイヤへの低燃費性能要求がより一層高まっている。
特許文献1には、タイヤ強度を損ねることなく軽量化を図りうる重荷重用タイヤが開示されている。
特開2005-212742号公報
従来、最大負荷能力が大きいタイヤでは、タイヤの変形を抑制し、損傷せずに走行することができる耐久性能を確保する必要があった。一方で、そのようなタイヤでは発熱性が高くなり、耐摩耗性能が低下するという問題があった。
本発明は、耐摩耗性能が改善されたタイヤを提供することを目的とする。
鋭意検討した結果、タイヤ重量W(kg)およびタイヤ体積V(m3)が所定の関係式を満たし、トレッドを構成するゴム組成物の70℃におけるtanδを所定の値以下とすることにより、耐摩耗性能が改善されたタイヤが得られることが見出された。
本発明のタイヤによれば、耐摩耗性能が改善されたタイヤが提供される。
本発明の一実施形態に係るタイヤのトレッド部の横断面図である。 本発明の一実施形態に係る周方向溝の一部が示された拡大断面図である。 本発明の他の実施形態に係るタイヤのトレッド部の横断面図である。 タイヤの断面図において、タイヤ断面幅Wt、タイヤ断面高さHt、タイヤ外径Dtを示したものである。
本発明は、以下のタイヤに関する。
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部はゴム成分を含むゴム組成物により構成され、
前記ゴム組成物の70℃におけるtanδが0.08以下であり、
タイヤ重量をW(kg)、内圧600kPaで測定されたタイヤ体積をV(m3)としたとき、W/Vが210以下である、タイヤ。
理論に拘束されることは意図しないが、本発明において、耐摩耗性能が改善され得るメカニズムとしては、以下が考えられる。
すなわち、(1)タイヤ体積に対するタイヤ重量の比が210以下であることで、タイヤの仮想体積に対してタイヤの重量が小さくなり、タイヤの密度が低下する。タイヤの密度が低下することで、タイヤがしなやかになり、トレッド部にかかる負荷が軽減される。トレッド部に係る負荷が軽減されることで、タイヤの転動時ならびに制動時においてタイヤの慣性が小さくなり、トレッド部の歪みが小さくなる。そのため、タイヤの路面接地性が向上する。また、(2)トレッド部を構成するゴム組成物の70℃におけるtanδが0.08以下であることにより、トレッド部の変形によるゴム組成物の発熱を抑制することができる。発熱を抑制することで、走行時にタイヤが到達する温度を低くできるので、破壊強度が高い状態が維持される。そのため、トレッド部の変形を小さくし、かつ、トレッド部のゴム組成物の破壊強度が高い状態が維持される。そして、上記(1)および(2)が協働することによって、タイヤの耐摩耗性能が向上するという、特筆すべき効果が達成されると考えられる。
前記ゴム組成物は、フィラーおよびシランカップリング剤を含有し、前記フィラーがシリカを含むことが好ましい。
シリカおよびシランカップリング剤を含有することで、シリカとゴム成分中のポリマーが強固に結合し、ポリマーおよびシリカがゴム組成物内で固定され、エネルギーロスが小さくなるため、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。
前記フィラーはシリカおよびカーボンブラックを含み、シリカのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)は、カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)以上であることが好ましい。
シリカおよびカーボンブラックを含有することで、フィラーとゴム成分中のポリマーがさらに強固に結合し、ポリマーおよびフィラーがゴム組成物内で固定され、エネルギーロスが小さくなるため、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。また、シリカはカーボンブラックに比べ、ゴムの柔軟性を保ちつつ、補強性を得ることができるため、シリカの含有量をカーボンブラックの含有量以上にすることで、路面との間でタイヤの変形が生じた際にゴムが伸びて追従しやすくなるため、より耐摩耗性を向上させやすくすることができると考えられる。
前記ゴム成分は、スチレンブタジエンゴムを含むことが好ましい。
スチレンブタジエンゴムを含むことで、スチレンブタジエンゴムがシリカを取り込み、分散しやすくなるとともに、シリカとゴム成分中のポリマーがさらに強固に結合し、ポリマーおよびシリカがゴム組成物内で固定され、エネルギーロスが小さくなるため、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。
前記ゴム組成物は、樹脂成分を含むことが好ましい。
樹脂成分を含有することにより、低発熱性を維持したまま、ゴム成分同士の相溶性を高めることができ、破壊強度が向上し、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。
前記トレッド部には、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1本の周方向溝が設けられ、前記周方向溝の少なくとも一つの溝壁に、前記トレッド部の踏面に表れる溝縁よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられていることが好ましい。
上記のような溝を有することで、トレッド部内部に空洞が形成され、トレッドを構成するゴム組成物の剛性が低下し、トレッド部の路面への接地性が向上する。そのため、トレッド部表面にかかる力が小さくなり、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。
前記ゴム組成物中の硫黄量は1.2質量%以上であることが好ましい。
前記ゴム組成物の硫黄量が上記の値であることで、ゴム成分中のポリマーの架橋点が増加し、ポリマーの結合が強固になるため、エネルギーロスが減少し、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。
前記ゴム成分中の総スチレン量Sは12質量%以下であることが好ましい。
ゴム成分中の総スチレン量Sが上記の値であることで、スチレン部の大きな凝集が生じる破壊核となることを抑制しつつ、破壊特性を担保することができ、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。
前記ゴム組成物の0℃における複素弾性率(0℃E*)は8.0MPa超であることが好ましい。
0℃E*が上記の値であることで、加速時や制動時など高周波数領域でのトレッド変形を低減することでゴムの摩耗促進が抑制されるので、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。
前記ゴム組成物のゴム硬度Hsは68超であることが好ましい。
ゴム硬度が上記の値であることで、トレッド部のゴム組成物が良好な剛性を得ることができ、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。
前記ゴム組成物のガラス転移温度は-25℃未満であることが好ましい。
トレッドを構成するゴム組成物のガラス転移温度(Tg)が上記の値であることにより、加速時や制動時などの高周波数領域でもゴム状態を維持できるため、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。
前記ゴム成分100質量部に対するフィラーの合計含有量は10質量部超70質量部未満であることが好ましい。
フィラーの合計含有量が上記範囲であることにより、ゴム組成物の柔軟性および破壊特性が向上し、トレッド部にかかる負荷の軽減と摩耗が抑制されるため、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。
前記フィラーは、平均一次粒子径27nm以下のカーボンブラックを含むことが好ましい。
所定の粒子径のカーボンブラックを含むことで、ゴム成分が補強され、トレッド部のゴム組成物が良好な剛性を得ることができ、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。
Wに対する70℃tanδの比(70℃tanδ/W)が0.0009超0.0050未満であることが好ましい。
Wに対する70℃tanδの比を上記の範囲とすることにより、トレッド部の発熱が抑制され、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。
前記トレッド部には、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1本の周方向溝が設けられ、前記周方向溝の少なくとも一つの溝壁に、前記トレッド部の踏面に表れる溝縁よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられ、前記トレッド部の踏面に表れる溝縁よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられた周方向溝の最深部の溝深さが8.0mm超19.0mm未満であることが好ましい。
トレッド部の踏面に表れる溝縁よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられた周方向溝の最深部の溝深さを上記の範囲とすることにより、トレッド部内部に空間ができ、トレッド部が効率よく放熱できるため、トレッド部の発熱が抑制され、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。
前記タイヤは重荷重用タイヤであることが好ましい。
トラックやバスなどの積載量の多い重荷重用の車両の場合には、本発明の効果が顕著に表れるものと考えられる。
<定義>
「タイヤ重量」はW(kg)で表す。Wはリムの重量を含まないタイヤ単体の重量である。また、タイヤ内腔部に制音材、シーラント、センサーなどを取り付けた場合には、Wはこれらの重量を含む値である。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、JATMAであれば“標準リム”、ETRTOであれば“Measuring Rim”、TRAであれば“Design Rim”であり、JATMA、ETRTO、TRAの順に参照し、参照時に適用サイズがあればその規格に従う。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合は、そのタイヤにリム組可能であり、リム/タイヤの間でエア漏れを発生させない最小径のリムのうち、最も幅の狭いものを指すものとする。
「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”とする。なお、規格に定められていないタイヤの場合、前記正規リムが標準リムとして記載されている別のタイヤサイズ(規格に定められているもの)の正規内圧(ただし、250KPa以上)を指す。なお、250KPa以上の正規内圧が複数記載されている場合には、その中の最小値を指す。
「正規状態」は、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。なお、本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法は、前記正規状態で測定される。
「タイヤ断面幅」は、所定の内圧を充填した状態でのタイヤ側面に模様または文字などがある場合にはそれらを除いたものとしてのサイドウォール外面間の最大幅である。本明細書では、正規状態で測定されたタイヤ断面幅をWtN(mm)、600kPa充填時のタイヤ断面幅をWt(mm)で表す。
「タイヤ外径」は所定の内圧を充填した状態でのタイヤの外径である。本明細書では正規状態で測定されたタイヤ外径をDtN(mm)、600kPa充填時のタイヤ外径をDt(mm)で表す。
「タイヤ断面高さ」は、所定の内圧を充填し、無負荷の状態で測定されたタイヤ外径とリム径との差の1/2の長さである。本明細書では、正規状態で測定されたタイヤ断面高さをHtN(mm)、600kPa充填時のタイヤ断面高さをHt(mm)で表す。
本明細書において、「タイヤ体積」は、正規リムにリム組みされ、所定内圧を充填し、無負荷の状態で測定されたタイヤの外径、断面幅、断面高さから求めることができるタイヤの仮想的な体積を示し、後述の式(1)および(1’)により求めることができる。なお、本明細書では正規内圧充填時の体積をVN(mm3)、内圧600kPaで測定されたタイヤの体積をV(m3)で表す。
V={(Dt/2)2-(Dt/2-Ht)2}×π×Wt/109・・・(1)
N={(DtN/2)2-(DtN/2-HtN2}×π×WtN・・・(1’)
「正規荷重」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”とする。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合、正規荷重WLN(kg)は、正規状態で測定されたタイヤ体積VN(mm3)から下記式(2)により見積もることが可能である。
LN=0.000011×V+175 ・・・(2)
「周方向溝」とは、タイヤ周方向に連続して延びる溝のうち、後述の溝深さが4.0mm以上のものを指す。
「トレッド接地端(Te)」とは、タイヤが正規リムにリム組みされ、内圧600kPaが充填され、キャンバー角0度で平面に接地したときの、タイヤ幅方向最外側の接地位置である。
「陸部」とは、トレッド部において、トレッド接地端およびタイヤ周方向に連続して延びる周方向溝のうち、トレッド表面における開口幅が2.0mm以上のものによって仕切られた領域をいう。例えば、周方向溝が2つの場合、陸部は一対のショルダー陸部とそれらに挟まれたセンター陸部とに分けられ、周方向溝が3つの場合、センター陸部がさらに車両装着時に車両内側となる陸部と、同外側となる陸部とに分けられる。
「周方向溝の溝深さ」は、周方向溝のトレッド最表面の溝縁からの延長線と周方向溝の溝底からの延長線との距離によって求められる。なお、溝深さは、周方向溝が複数ある場合、周方向溝のトレッド最表面の溝縁からの延長線と周方向溝の溝底からの延長線との距離が最も長い周方向溝の溝深さとする。
「ゴム成分中の総スチレン量(S)」とは、ゴム成分100質量%中に含まれるスチレン部の合計含有量(質量%)であって、Σ(各スチレン含有ゴムのスチレン含量(質量%)×各スチレン含有ゴムのゴム成分中の含有量(質量%)/100)により計算される。例えば、ゴム成分が、第一のSBR(スチレン含量25質量%)30質量%、第二のSBR(スチレン含量27.5質量%)60質量%、およびBR10質量%からなる場合、ゴム成分100質量%中の総スチレン量(S)は、24.0質量%(=25×30/100+27.5×60/100)である。なお、スチレン含有ゴムのスチレン量は、1H-NMR測定により算出される。
<測定方法>
「70℃tanδ」は、GABO社製のイプレクサーシリーズを用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪10%、および、動歪±1%、伸長モードの条件下で測定する損失正接である。損失正接測定用サンプルは、長さ20mm×幅4mm×厚さ2mmの加硫ゴム組成物である。タイヤのトレッド部から切り出して作製する場合には、長さ方向はタイヤの周方向である。
「硫黄量」は、JIS K 6233:2016に準拠した酸素燃焼フラスコ法により測定される硫黄量(質量%)である。硫黄量測定用サンプルは、70℃tanδの場合と同様にして作製される。
「0℃E*」は、周波数10Hz、温度0℃、初期歪10%、動歪±0.25%の条件下で測定する複素弾性率である。複素弾性率測定用サンプルは70℃tanδの場合と同様にして作製される。
「ゴム組成物の硬度」は、試験タイヤの接地面を形成するトレッド部からタイヤ半径方向が厚さ方向となる様にトレッド部を切りだし、硬度測定サンプルを作成し、JIS K 6253に準拠して23℃でタイプAデュロメータを接地面側からサンプルに押し付けて硬度を測定する。
「ゴム組成物のガラス転移温度(Tg)」は、動的粘弾性測定装置(例えば、GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用い、周波数10Hz、初期歪10%、動歪±0.5%および昇温速度2℃/minの条件下で、tanδの温度分布曲線を測定し、得られた温度分布曲線の-60℃以上、40℃以下の範囲内における最も大きいtanδ値に対応する温度(tanδピーク温度)をガラス転移温度として決定する。なお、-60℃以上、40℃以下の範囲において、もっとも大きいtanδの値を示す点が2点以上存在する場合、最も温度が低い点をガラス転移温度とする。また、例えば、-60℃以上、40℃以下の範囲内において、温度上昇に伴いtanδの値が漸減もしくは漸増するなど、tanδの最大値が-60℃もしくは40℃となる場合、上記の定義によりガラス転移温度はそれぞれ-60℃、40℃として決定される。本測定用サンプルは、0℃tanδの場合と同様にして作製される。
「スチレン含量」は、1H-NMR測定により算出される。例えば、SBR等のスチレン含有ゴムに適用される。
「ビニル結合量(1,2-結合ブタジエン単位量)」は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定される。例えば、SBR、BR等に適用される。
「ゴム成分のガラス転移温度」は、JIS K 7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製の示差走査熱量計(Q200)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定される値である。例えば、SBR、BR等に適用される。
「シス1,4-結合含有率(シス含量)」は、赤外吸収スペクトル分析により算出される値である。例えば、BR等に適用される。
「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製のGPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTIPORE HZ-M)による測定値を基に、標準ポリスチレン換算により求めることができる。例えば、SBR、BR、樹脂、液状ポリマー等に適用される。
「カーボンブラックのN2SA」は、JIS K 6217-2「ゴム用カーボンブラック基本特性-第2部:比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法」に準じて測定される。
「シリカのN2SA」は、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される。
「軟化点」は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。例えば、樹脂成分等に適用される。
<タイヤ>
図1~図3に、本発明の一実施形態であるタイヤを例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1~図3には、タイヤ子午線による断面の一部が示されている。図1~図3において、上下方向がタイヤ半径方向であり、左右方向がタイヤ軸方向であり、紙面に垂直な方向がタイヤ周方向である。
[トレッドパターン]
図1および図3に示されるように、トレッド部2には、タイヤ周方向に連続して延びる周方向溝3が設けられている。図1では、タイヤ赤道Cと各トレッド端Teとの間に、計4本の周方向溝3が設けられているが、このような態様に限定されるものではない。トレッド部2は、タイヤ幅方向で、周方向溝3によって仕切られた陸部7を有している。
各周方向溝3の溝幅W1は、トレッド表面での開口幅が2.0mm以上である場合には、例えば、トレッド幅TWの3.0%以上15.0%以下とすることができる。なお、本明細書において、周方向溝3の溝幅とは、タイヤ子午線断面においてトレッド部2の踏面に表れる溝縁間の長さを意味する。トレッド幅TWは、トレッド端Teから他方のトレッド端Teまでのタイヤ軸方向の距離である。
周方向溝3の溝深さHは、周方向溝3のトレッド最表面の溝縁6からの延長線と周方向溝の溝底(最深部11)からの延長線との距離によって求められる。なお、溝深さHは、例えば、周方向溝3が複数ある場合、周方向溝のトレッド最表面の溝縁からの延長線と周方向溝の溝底からの延長線との距離が最も長い周方向溝の溝深さとする。
本発明において、周方向溝の溝深さHは、本発明の効果の観点から、8.0mm超が好ましく、10.0mm超がより好ましく、11.0mm超がさらに好ましく、12.0mm超が特に好ましい。また、周方向溝の溝深さは、耐久性能の観点から、19.0mm未満が好ましく、18.5mm未満がより好ましく、18.0mm未満がさらに好ましく、17.5mm未満が特に好ましい。
図1において、周方向溝3の溝壁には、前記トレッド部2の踏面に表れる溝縁6よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられている。トレッド部2には、周方向溝3の少なくとも一つの溝壁に、トレッド部2の踏面に表れる溝縁よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられることが好ましい。凹部が設けられた周方向溝最深部溝深さ(mm)も、周方向溝の溝深さHと同様に求められる。
図2では、周方向溝3は、両側の溝壁に、凹み量がタイヤ周方向に一定の凹部10が設けられている。凹部10は、例えば、最深部11と溝縁6との間に平面15が構成されているが、このような態様に限定されない。
周方向溝3の合計凹み量(図2ではc1+c2)は、周方向溝3の溝幅W1の0.10~5.00倍が好ましく、0.15~3.50倍がより好ましく、0.20~2.00倍がさらに好ましい。なお、当該凹部を有する周方向溝が複数存在する場合には、何れかの周方向溝の合計凹み量が上記の関係を満たしていればよく、全ての凹部を有する溝が上記関係を満たしていてもよい。
トレッド部2の踏面に表れる溝縁6よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられた周方向溝は、サイプと該サイプを通じてトレッド面と連通した隠れ溝を組み合わせた周方向溝であってもよい。
凹部10を有する周方向溝のトレッド踏面での開口幅が2.0mm以下である場合、タイヤ半径方向内側での溝幅は2.0mm超であることが好ましい。また、凹部10を有する周方向溝のトレッド踏面での開口幅が2.0mm以下である場合、タイヤ半径方向内側での溝幅は10.0mm以下であることが好ましい。
図3に示されるように、周方向溝3の間には、トレッド部2が摩耗すると出現する隠れ溝4が設けられている。図3において、隠れ溝4は、サイプ5を通じてトレッド面と連通しているが、このような態様に限定されず、ジグザグ状や湾曲して連通していてもよい。
なお、本明細書において、周方向溝、横溝を含めトレッド部最表面側における開口幅が2.0mm未満である切り込みを「サイプ」という。前記サイプのトレッド部最表面における開口幅は、0.5mm以上が好ましい。また、前記サイプのトレッド部最表面における開口幅は、2.0mm以下が好ましい。
図3において、周方向溝3の溝幅W1はタイヤ半径方向に一定であるが、このような態様に限定されない。例えば、周方向溝3の溝壁には、トレッド部2の踏面に表れる溝縁6よりも溝幅方向の外側に凹む凹部10が設けられていてもよい。
本発明において、トレッド部の踏面に表れる溝縁よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられた周方向溝(凹部が設けられた周方向溝)の最深部の溝深さは、トレッド部を変形しやすくし、接地性を向上させる観点から、8.0mm超が好ましく、9.0mm超がより好ましく、10.0mm超がさらに好ましく、11.0mm超がさらに好ましく、12.0mm超が特に好ましい。また、凹部が設けられた周方向溝の溝深さは、耐久性能の観点から、19.0mm未満が好ましく、18.5mm未満がより好ましく、18.0mm未満がさらに好ましく、17.5mm未満が特に好ましい。
本発明のタイヤにおいて、少なくとも1本の周方向溝の溝壁には、前記トレッド部の踏面に表れる溝縁よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられていることが好ましく、サイプを通じてトレッド面と連通しトレッド部が摩耗すると出現する隠れ溝とサイプからなる溝を有することがより好ましい。
本発明では、トレッド部2は少なくとも1つのゴム層を有する。本発明のトレッド部は、単一のゴム層からなるトレッド部であってもよく、外面がトレッド面を構成する第一のゴム層、および、前記第一のゴム層とベルト層との間に存在する1または2以上のゴム層を有するトレッド部であってもよい。
本発明に係るタイヤのタイヤ重量W(kg)は、20.0kg以上が好ましく、40.0kg以上がより好ましく、60.0kg以上がさらに好ましい。また、タイヤ重量W(kg)の上限値は特に制限されないが、通常100kg以下である。
≪W/V≫
本発明において、タイヤ体積V(m3)に対するタイヤ重量W(kg)の比は、210以下であり、208以下がより好ましく、205以下がさらに好ましく、200以下が特に好ましく、190以下が最も好ましい。また、W/Vの下限値は、100以上が好ましく、150以上がより好ましく、160以上がさらに好ましい。
タイヤ重量Wは常法により変動させることができる。すなわち、使用する材料の比重を大きくする、あるいは、タイヤの各部材の厚さを大きくすることにより大きくすることができ、その逆により小さくすることもできる。また、タイヤ体積Vは、常法により変動させることができる。すなわち、タイヤ断面幅Wt(mm)、タイヤ断面高さをHt(mm)およびタイヤ外径Dt(mm)を調節することにより、変動させることができる。
[ゴム組成物]
本発明のトレッド部を構成するゴム組成物(以下、断りのない限り本発明のゴム組成物という)について、以下詳細に説明する。本発明のゴム組成物は、トレッド部が2以上のゴム層を有する場合には、いずれかのゴム層であればよく、トレッド面を構成するゴム層であることが好ましい。
本発明のゴム組成物の70℃におけるtanδ(70℃tanδ)は、トレッド部の変形によるゴム組成物の発熱を抑制し、耐摩耗性能を向上させる観点から、0.08以下であり、0.07以下が好ましい。また、本発明のゴム組成物の70℃におけるtanδは、本発明の効果の観点から、0.02以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.04以上がさらに好ましい。
ゴム組成物の70℃tanδは、タイヤ工業における常法により、調節することができる。例えば、ガラス転移温度の高いゴム成分を用いること、フィラーの量を多くすること、粒子径を小さくすること、可塑剤成分として樹脂成分を多くすること、硫黄および促進剤の量を減らすことなどにより、70℃tanδを大きくすることができる。
本発明に係るタイヤにおいて、タイヤ重量W(kg)に対する70℃tanδの比(70℃tanδ/W)は、本発明の効果の観点から、0.0050未満が好ましく、0.0045未満がより好ましく、0.0040未満がさらに好ましい。また、70℃tanδ/Wは、耐摩耗性能の観点から、0.0009超が好ましく、0.0012超がより好ましく、0.0014超がさらに好ましい。
本発明のゴム組成物の硫黄量(質量%)は、ポリマーの架橋点を増やし、エネルギーロスを減少させて耐摩耗性能を向上させる観点から、1.2質量%以上が好ましく、1.3質量%以上がより好ましく、1.4質量%以上がさらに好ましく、1.6質量%以上が特に好ましい。また、ゴム成分中の硫黄量(質量%)は、本発明の効果の観点から、2.3質量%以下が好ましく、2.2質量%以下がより好ましく、2.1質量%以下がさらに好ましい。
ゴム組成物の硫黄量は、後記の硫黄の配合量により適宜調整することができる。
本発明のゴム組成物のゴム成分中の総スチレン量Sは、本発明の効果の観点から、1.0質量%超が好ましく、2.0質量%超がより好ましく、3.0質量%超がさらに好ましく、4.0質量%超がさらに好ましい。また、ゴム成分中の総スチレン量Sは、スチレン基によりゴム組成物の破壊特性を担保して耐摩耗性能を向上させる観点から、15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、8.0質量%以下がさらに好ましく、6.0質量%以下が特に好ましい。
本発明のゴム組成物の0℃における複素弾性率(0℃E*)(MPa)は、本発明の効果の観点から、8.0MPa超が好ましく、8.5MPa超がより好ましく、9.0MPa超がさらに好ましく、9.5MPa超が特に好ましい。また、0℃E*は、耐摩耗性能の観点から、35MPa未満が好ましく、30MPa未満がより好ましく、25MPa未満がさらに好ましく、20MPa未満が特に好ましい。
ゴム組成物の0℃E*は、タイヤ工業における常法により、調節することができ、具体的には、後記のゴム成分、フィラー、シランカップリング剤、樹脂成分、オイル等の種類や配合量により適宜調整することができる。例えば、ガラス転移温度の高いゴム成分を用いること、フィラーの量を多くすること、粒子径を小さくすること、可塑剤成分として樹脂成分多くすること、可塑剤の総量を減らすこと、硫黄および促進剤の量を増やすことにより、0℃E*を高めることが可能である。
本発明のゴム組成物のゴム硬度Hsは、本発明の効果の観点から、67超が好ましく、68超がより好ましく、69超がさらに好ましく、70超が特に好ましい。また、ゴム硬度Hsは、耐摩耗性能の観点から、80未満が好ましく、79未満がより好ましく、78MPa未満がさらに好ましく、77未満が特に好ましい。
ゴム組成物のゴム硬度は、タイヤ工業における常法により、調節することができ、具体的には、ゴム組成物に配合される薬品(例えば、ゴム成分、フィラー、樹脂成分、硫黄、加硫促進剤、シランカップリング剤等)の種類や量を変化させることにより調節することができる。例えば、オイルの含有量を多くすることにより、ゴム硬度を低くすることができ、反対に少なくすることにより、ゴム硬度を高くすることができる。したがって、当業者は、適宜、ゴム硬度を調節することができる。
本発明のゴム組成物のガラス転移温度(Tg)(℃)は、本発明の効果の観点から、-60℃超が好ましく、-57℃超がより好ましく、-54℃超がさらに好ましい。また、ガラス転移温度(Tg)(℃)は、耐摩耗性能の観点から、-25℃未満が好ましく、-28℃未満がより好ましく、-31℃未満がさらに好ましい。
<ゴム成分>
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分を含有する。ゴム成分としては、イソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、スチレンブタジエンゴムを含むことがより好ましい。ゴム成分は、イソプレン系ゴムおよびBRを含むゴム成分としても良く、イソプレン系ゴムおよびSBRを含むゴム成分としてもよく、イソプレン系ゴム、SBR、およびBRを含むゴム成分としてもよい。またゴム成分は、イソプレン系ゴムおよびBRのみからなるゴム成分としてもよく、イソプレン系ゴム、SBR、およびBRのみからなるゴム成分としてもよい。また、これらは後述のオイル、樹脂、液状ゴムなどの可塑剤成分により予め伸展された伸展ゴムを用いても良い。ゴム成分として、伸展ゴムを用いる場合、可塑剤成分のゴム固形分100質量部に対する含有量は、10質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
(イソプレン系ゴム)
イソプレン系ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)および天然ゴム等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。天然ゴムには、非改質天然ゴム(NR)の他に、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素化天然ゴム(HNR)、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴム等も含まれる。これらのイソプレン系ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
NRとしては、特に限定されず、タイヤ業界において一般的なものを用いることができ、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20等が挙げられる。
ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量は、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく50質量%以上が特に好ましい。一方、ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量は、95質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましく、85質量%以下が特に好ましい。
(SBR)
SBRとしては特に限定されず、溶液重合SBR(S-SBR)、乳化重合SBR(E-SBR)、これらの変性SBR(変性S-SBR、変性E-SBR)等が挙げられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)等が挙げられる。さらに、これらSBRの水素添加物(水素添加SBR)等も使用することができる。なかでもS-SBRが好ましく、変性S-SBRがより好ましい。
変性SBRとしては、通常この分野で使用される官能基が導入された変性SBRが挙げられる。上記官能基としては、例えば、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1~6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシシリル基)、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基)、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、アミノ基、アミド基、アルコキシシリル基、カルボキシル基、水酸基等の官能基が挙げられる。また、変性SBRとしては、水素添加されたもの、エポキシ化されたもの、スズ変性されたもの等を挙げることができる。
前記で列挙されたSBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記で列挙されたSBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)、ZSエラストマー(株)等により製造・販売されているSBRを使用することができる。
SBRのスチレン含量は、トレッド部でのスチレン部間の大きな凝集が生じ、破壊核となることを抑制しつつ、スチレン部間の相互作用により破壊特性を向上させる観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上より好ましい。また、SBRスチレン含量は、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。なお、SBRのスチレン含有量は、前記測定方法により算出される。
SBRのビニル結合量は、シリカとの反応性の担保、ゴム強度や耐摩耗性能の観点から10モル%以上が好ましく、13モル%以上がより好ましく、16モル%以上がさらに好ましい。また、SBRのビニル結合量は、温度依存性の増大防止、ウェットグリップ性能、破断伸び、および耐摩耗性能の観点から、70モル%以下が好ましく、65モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましい。なお、SBRのビニル結合量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、前記測定方法により算出される。
SBRの重量平均分子量(Mw)は、耐摩耗性能の観点から15万以上が好ましく、20万以上がより好ましく、25万以上がさらに好ましい。また、Mwは、架橋均一性等の観点から、250万以下が好ましく、200万以下がより好ましい。なお、Mwは、前記測定方法により測定される。
SBRを含有する場合のゴム成分100質量%中の含有量は、本発明の効果の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましい。また、イソプレン系ゴムとの相分離を防ぎ破壊特性を担保する観点からは、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、45質量%以下が特に好ましい。
(BR)
BRとしては特に限定されず、例えば、シス1,4結合含有率(シス含量)が90%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。変性BRとしては、上記SBRで説明したのと同様の官能基等で変性されたBRが挙げられる。
ハイシスBRとしては、例えば、日本ゼオン(株)製のもの、宇部興産(株)製のもの、JSR(株)製のもの等が挙げられる。ハイシスBRを含有することで低温特性および耐摩耗性能を向上させることができる。シス含量は、好ましくは、95%以上、より好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上である。シス含量は98%以上でも好ましい。なお、本明細書において、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析により算出される値である。
希土類系BRとしては、希土類元素系触媒を用いて合成され、ビニル結合量(1,2結合ブタジエン単位量)が好ましくは1.8モル%以下、より好ましくは1.0モル%以下、さらに好ましくは0.8%モル以下であり、シス含量(シス-1,4結合含有率)が好ましくは95モル%以上、より好ましくは96%モル以上、さらに好ましくは97%以上である。希土類系BRとしては、例えば、ランクセス(株)製のものなどを用いることができる。
SPB含有BRは、1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶が、単にBR中に結晶を分散させたものではなく、BRと化学結合したうえで分散しているものが挙げられる。このようなSPB含有BRとしては、宇部興産(株)製のものなどを用いることができる。
変性BRとしては、末端および/または主鎖がケイ素、窒素および酸素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む官能基によって変性された変性ブタジエンゴム(変性BR)が好適に用いられる。
その他の変性BRとしては、リチウム開始剤により1,3-ブタジエンの重合を行ったのち、スズ化合物を添加することにより得られ、さらに変性BR分子の末端がスズ-炭素結合で結合されているもの(スズ変性BR)等が挙げられる。また、変性BRは、水素添加されていないもの、水素添加されているもののいずれであってもよい。
前記で列挙されたBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
BRの重量平均分子量(Mw)は、耐摩耗性能の観点から、30万以上が好ましく、35万以上がより好ましく、40万以上がさらに好ましい。また、架橋均一性等の観点からは、200万以下が好ましく、100万以下がより好ましい。なお、Mwは、前記測定方法により測定される。
BRを含有する場合のゴム成分100質量%中の含有量は、耐摩耗性能の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。また、ウェットグリップ性能の観点からは、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
(その他のゴム成分)
本発明に係るゴム成分として、前記のイソプレン系ゴム、SBRおよびBR以外のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、ゴム工業で一般的に用いられる架橋可能なゴム成分を用いることができ、例えば、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合ゴム(SIBR)、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBS)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等が挙げられる。これらその他のゴム成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<フィラー>
本発明に係るゴム組成物は、フィラーを含む。フィラーとして、シリカを含むこと好ましく、シリカおよびカーボンブラックを含むことがより好ましい。またフィラーは、シリカおよびカーボンブラックのみからなるフィラーとしてもよい。
(シリカ)
シリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)等、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。なかでもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。これらのシリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ライフサイクルアセスメントの観点から、上記したシリカのほか、もみ殻などのバイオマス材料を原料としたバイオマスシリカを適宜、上記のシリカと等量置換して用いてもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、補強性およびトレッド部での減衰性の確保の観点から、140m2/g以上が好ましく、150m2/g以上がより好ましく、160m2/g以上がさらに好ましく、170m2/g以上が特に好ましい。また、発熱性および加工性の観点からは、350m2/g以下が好ましく、300m2/g以下がより好ましく、250m2/g以下がさらに好ましい。シリカのN2SAは、前記測定方法により測定される。
シリカの平均一次粒子径は、22nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、18nm以下がさらに好ましい。該平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、1nm以上が好ましく、3nm以上がより好ましく、5nm以上がさらに好ましい。シリカの平均一次粒子径が前記の範囲であることによって、シリカの分散性をより改善でき、補強性、破壊特性および耐摩耗性を改善できると考えられる。シリカの平均一次粒子径は、前記測定方法により求めることができる。
シリカを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、補強性の観点から、10質量部超が好ましく、15質量部超がより好ましく、18質量部超がさらに好ましく、20質量部超が特に好ましい。また、ゴムの比重を低減させ軽量化を図る観点、ゴムをしなやかにして耐摩耗性能を向上させる観点からは、80質量部未満が好ましく、75質量部未満がより好ましく、70質量部未満がさらに好ましく、65質量部未満がさらに好ましい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては特に限定されず、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、具体的にはN110、N115、N120、N125、N134、N135、N219、N220、N231、N234、N293、N299、N326、N330、N339、N343、N347、N351、N356、N358、N375、N539、N550、N582、N630、N642、N650、N660、N683、N754、N762、N765、N772、N774、N787、N907、N908、N990、N991等を好適に用いることができ、これ以外にも自社合成品等も好適に用いることができる。これらのカーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記した鉱物油などを原料としたカーボンブラック以外に、リグニンなどを燃焼させて得たバイオマス由来のカーボンブラック、タイヤなどのカーボンブラックを含むゴム製品を熱分解し、精製したリサイクルカーボンブラックを適宜これらと等量置換して用いてもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、耐候性や補強性の観点から、50m2/g以上が好ましく、80m2/g以上がより好ましく、100m2/g以上がさらに好ましい。また、分散性、低燃費性能、破壊特性および耐久性能の観点からは、250m2/g以下が好ましく、220m2/g以下がより好ましい。なお、本明細書におけるカーボンブラックのN2SAは、前記測定方法により求められる。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、27nm以下が好ましく、25nm以下がより好ましく、23nm以下がさらに好ましい。また、該平均一次粒子径は、10nm以上が好ましく、12nm以上がより好ましく、15nm以上がさらに好ましい。カーボンブラックの平均一次粒子径が前記の範囲であることによって、ゴム成分を補強し良好な剛性を得ることができ、耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。カーボンブラックの平均一次粒子径は、前記測定方法により求めることができる。
カーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴム成分を補強し良好な剛性を得る観点から、10質量部超が好ましく、20質量部超がより好ましく、30質量部超がさらに好ましい。また、トレッド部の発熱抑制の観点からは、80質量部未満が好ましく、70質量部未満がより好ましく、60質量部未満がさらに好ましい。
(その他のフィラー)
シリカおよびカーボンブラック以外のフィラーとしては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルク、バイオ炭(BIO CHAR)、セルロースナノファイバーなどの短繊維材料等、従来からタイヤ工業において一般的に用いられているものを配合することができる。
フィラーのゴム成分100質量部に対する合計含有量は、発熱を抑制し、耐摩耗性の向上効果を高める観点から、90質量部未満が好ましく、85質量部未満がより好ましく、75質量部未満がさらに好ましい。また、補強性の観点から、20質量部超が好ましく、25質量部超がより好ましく、30質量部超がさらに好ましく、35質量部超がさらに好ましい。
シリカおよびカーボンブラックの合計100質量%中のシリカの含有率は、10質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、50質量%超が特に好ましく、60質量%以上が最も好ましい。また、該シリカの含有率は、90質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。
(シランカップリング剤)
シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、Momentive社製のNXT-Z100、NXT-Z45、NXT等のメルカプト系シランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系シランカップリング剤;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系シランカップリング剤;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系シランカップリング剤等が挙げられ、スルフィド系シランカップリング剤が好ましい。これらのシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、シリカの分散性を高める観点から、1.0質量部超が好ましく、3.0質量部超がより好ましく、5.0質量部超がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の低下を防止する観点からは、30質量部未満が好ましく、20質量部未満がより好ましく、15質量部未満がさらに好ましい。
<可塑剤>
本発明に係るゴム組成物は、可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤とは、ゴム成分に可塑性を付与する材料であり、常温(25℃)で液体(液状)の可塑剤および常温(25℃)で固体の可塑剤の両方を含む概念である。可塑剤としては、具体的には、例えば、オイル、液状ポリマー、エステル系可塑剤、樹脂成分等が挙げられる。可塑剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において、可塑剤には、伸展ゴムに含まれる可塑剤も含まれる。
(オイル)
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂等が挙げられる。前記プロセスオイルとしてはパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。また、環境対策で多環式芳香族(polycyclic aromatic compound:PCA)化合物の含量の低いプロセスオイルが挙げられる。前記低PCA含量プロセスオイルとしては、オイル芳香族系プロセスオイルを再抽出したTreated Distillate Aromatic Extract(TDAE)、アスファルトとナフテン油の混合油であるアロマ代替オイル、軽度抽出溶媒和物(mild extraction solvates:MES)、および重ナフテン系オイル等が挙げられる。また、ライフサイクルアセスメントの観点から、ゴム混合機やエンジンなどで使用済みの潤滑油や、飲食店で使用された後の廃食用油を精製したものを適宜、等量置換して用いてもよい。
オイルを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、1質量部超が好ましく、2質量部超がより好ましく、3質量部超がさらに好ましい。また、低燃費性能および耐久性能の観点からは、80質量部未満が好ましく、60質量部未満がより好ましく、40質量部未満がさらに好ましい。なお、本明細書において、オイルの含有量には、油展ゴムに含まれるオイル量も含まれる。
(液状ポリマー)
液状ポリマーは、常温(25℃)で液体状態のポリマーであれば特に限定されないが、例えば、液状ブタジエンゴム(液状BR)、液状スチレンブタジエンゴム(液状SBR)、液状イソプレンゴム(液状IR)、液状スチレンイソプレンゴム(液状SIR)、液状ファルネセンゴム等が挙げられる。液状ポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(エステル系可塑剤)
エステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジブチル(DBA)、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アゼライン酸ジ2-エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジブチル(DBP)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリエチル(TEP)、リン酸トリメチル(TMP)、チミジントリリン酸(TTP)、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリキシレニル(TXP)等が挙げられる。エステル系可塑剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(樹脂成分)
本発明に係るゴム組成物は、樹脂成分を含有することが好ましい。樹脂成分としては、特に限定されないが、タイヤ工業で慣用される石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
石油樹脂としては、例えば、C5系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、C5C9系石油樹脂が挙げられる。これらの石油樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
C5系石油樹脂とは、C5留分を重合することにより得られる樹脂をいう。C5留分としては、例えば、シクロペンタジエン、ペンテン、ペンタジエン、イソプレン等の炭素数4~5個相当の石油留分が挙げられる。C5系石油樹脂しては、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)が好適に用いられる。
芳香族系石油樹脂とは、C9留分を重合することにより得られる樹脂をいい、それらを水素添加したものや変性したものであってもよい。C9留分としては、例えば、ビニルトルエン、アルキルスチレン、インデン、メチルインデン等の炭素数8~10個相当の石油留分が挙げられる。芳香族系石油樹脂の具体例としては、例えば、クマロンインデン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、および芳香族ビニル系樹脂が好適に用いられる。芳香族ビニル系樹脂としては、経済的で、加工しやすく、発熱性に優れているという理由から、α-メチルスチレンもしくはスチレンの単独重合体、またはα-メチルスチレンとスチレンとの共重合体が好ましく、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体がより好ましい。芳香族ビニル系樹脂としては、例えば、クレイトン社、イーストマンケミカル社等より市販されているものを使用することができる。
C5C9系石油樹脂とは、C5留分とC9留分を共重合することにより得られる樹脂をいい、それらを水素添加したものや変性したものであってもよい。C5留分およびC9留分としては、前記の石油留分が挙げられる。C5C9系石油樹脂としては、例えば、東ソー(株)、LUHUA社等より市販されているものを使用することができる。
テルペン系樹脂としては、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、ジペンテン等のテルペン化合物から選ばれる少なくとも1種からなるポリテルペン樹脂;前記テルペン化合物と芳香族化合物とを原料とする芳香族変性テルペン樹脂;テルペン化合物とフェノール系化合物とを原料とするテルペンフェノール樹脂;並びにこれらのテルペン系樹脂に水素添加処理を行ったもの(水素添加されたテルペン系樹脂)が挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂の原料となる芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエン等が挙げられる。テルペンフェノール樹脂の原料となるフェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。
ロジン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば天然樹脂ロジン、それを水素添加、不均化、二量化、エステル化等で変性したロジン変性樹脂等が挙げられる。
フェノール系樹脂としては、特に限定されないが、フェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールアセチレン樹脂、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
樹脂成分の軟化点は、ウェットグリップ性能の観点から、60℃以上が好ましく、65℃以上がより好ましい。また、加工性、ゴム成分とフィラーとの分散性向上という観点からは、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、軟化点は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度として定義され得る。
樹脂成分としては、耐摩耗性能、耐久性能およびウェットグリップ性能がバランスよく得られる観点から、芳香族系石油樹脂が好ましく、芳香族ビニル系樹脂がより好ましい。
樹脂成分を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、本発明の効果の観点から、1.0質量部超が好ましく、1.5質量部超がより好ましく、2.0質量部超がさらに好ましい。また、耐久性能の観点からは、50質量部未満が好ましく、40質量部未満がより好ましく、30質量部未満がさらに好ましく、20質量部未満が特に好ましい。
<その他の配合剤>
本発明に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で一般に使用される配合剤、例えば、ワックス、加工助剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等を適宜含有することができる。
ワックスを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐候性の観点から、0.5質量部超が好ましく、1質量部超がより好ましい。また、ブルームによるタイヤの白色化防止の観点からは、20質量部未満が好ましく、15質量部未満がより好ましい。
加工助剤としては、未加硫時におけるゴムの低粘度化や離型性の確保を目的とした脂肪酸金属塩や、ゴム成分のミクロな層分離を抑制する観点から広く相溶化剤として市販されているもの等を使用することができる。
加工助剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の改善効果を発揮させる観点から、0.5質量部超が好ましく、1質量部超がより好ましい。また、耐摩耗性および破壊強度の観点からは、10質量部未満が好ましく、8質量部未満がより好ましい。
老化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アミン系、キノリン系、キノン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩などの老化防止剤が挙げられる。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐オゾンクラック性の観点から、0.5質量部超が好ましく、1質量部超がより好ましい。また、耐摩耗性能やウェットグリップ性能の観点からは、10質量部未満が好ましく、5質量部未満がより好ましい。
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部超が好ましく、1質量部超がより好ましい。また、加硫速度の観点からは、10質量部未満が好ましく、5質量部未満がより好ましい。
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部超が好ましく、1.0質量部超がより好ましく、1.5質量部超がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10.0質量部未満が好ましく、5.0質量部未満がより好ましい。
(加硫剤)
加硫剤としては硫黄が好適に用いられる。硫黄としては、粉末硫黄、油処理硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。
加硫剤として硫黄を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫反応を確保する観点から、0.1質量部超が好ましく、0.3質量部超がより好ましく、0.5質量部超がさらに好ましい。また、劣化防止の観点からは、3.0質量部未満が好ましく、1.5質量部未満がより好ましく、1.25質量部以下がさらに好ましく、1質量部以下がさらに好ましい。なお、加硫剤として、オイル含有硫黄を使用する場合の加硫剤の含有量は、オイル含有硫黄に含まれる純硫黄分の合計含有量とする。
硫黄以外の加硫剤としては、例えば、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、1,6-ヘキサメチレン-ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン等が挙げられる。これらの硫黄以外の加硫剤は、田岡化学工業(株)、ランクセス(株)、フレクシス社等より市販されているものを使用することができる。
(加硫促進剤)
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系若しくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、またはキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系、グアニジン系、およびチアゾール系加硫促進剤からなる群から選ばれる1以上の加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤がより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。なかでも、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)が好ましい。
グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-ビフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられる。なかでも、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)が好ましい。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等が挙げられる。なかでも、2-メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1.0質量部超が好ましく、1.25質量部以上がより好ましい。また、加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、8.0質量部未満が好ましく、6.0質量部未満がより好ましく、3.0質量部未満がさらに好ましい。加硫促進剤の含有量を上記範囲内とすることにより、破壊強度および伸びが確保できる傾向がある。
<製造>
本発明に係るゴム組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、前記の各成分をオープンロール、密閉式混練機(バンバリーミキサー、ニーダー等)等のゴム混練装置を用いて混練りすることにより製造できる。
混練り工程は、例えば、加硫剤および加硫促進剤以外の配合剤および添加剤を混練りするベース練り工程と、ベース練り工程で得られた混練物に加硫剤および加硫促進剤を添加して混練りするファイナル練り(F練り)工程とを含んでなるものである。さらに、前記ベース練り工程は、所望により、複数の工程に分けることもできる。混練条件としては特に限定されるものではないが、例えば、ベース練り工程では、排出温度150~170℃で3~10分間混練りし、ファイナル練り工程では、70~110℃で1~5分間混練りする方法が挙げられる。
[タイヤ]
上記ゴム組成物から構成されるトレッドを備えたタイヤは、通常の方法により製造することができる。すなわち、ゴム成分に対して上記各成分を必要に応じて配合した未加硫のゴム組成物を、トレッドを構成する少なくとも1層のゴム層の形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。加硫条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、150~200℃で10~30分間加硫する方法が挙げられる。
[用途]
本発明に係るタイヤは、トレッドを有するタイヤであり、空気入りタイヤ、非空気入りタイヤを問わないが、空気入りタイヤとして、好適に使用することができる。また、本発明のタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バスなどの重荷重用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等さまざまな用途に使用することができ、特に重荷重用タイヤとして好適に使用される。なお、重荷重用タイヤとは、正規荷重が1400kg以上であるタイヤをいう。
以下では、実施をする際に好ましいと考えられる例(実施例)を示すが、本発明の範囲は実施例に限られない。
以下に示す各種薬品を用いて表1~6に従って得られるゴム組成物からなるトレッドを有するタイヤを検討して、下記の各種分析・評価方法評価方法に基づいて算出した結果を表1~6に示す。
NR:TSR20
SBR:VERSALIS社製のSOL R C2525(S-SBR、スチレン含量:26質量%、ビニル含量:24モル%、Tg-50℃、Mw60万)
BR:宇部興産(株)製のUBEPOL BR(登録商標)150B(シス含量:97%、Tg:-108℃、Mw:44万)
カーボンブラック1:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN134(N2SA:148m2/g、平均一次粒子径:18nm)
カーボンブラック2:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(N2SA:115m2/g、平均一次粒子径:22nm)
シリカ:エボニックデグサ社製のウルトラシルVN3(N2SA:175m2/g、平均一次粒子径:18nm)
シランカップリング剤:エボニックデグサ社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
樹脂成分:クレイトン社製のSylvares SA85(α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体、軟化点:85℃)
オイル:H&R(株)製のVivaTec500(TDAEオイル)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
硫黄:細井化学工業(株)製のHK-200-5(5%オイル含有粉末硫黄)
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS))
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(1,3-ジフェニルグアニジン(DPG))
(実施例および比較例)
表1~表6に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度150~160℃になるまで1~10分間混練りし、混練物を得る。次に、2軸オープンロールを用いて、該混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得る。該未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫することで、試験用ゴム組成物を作製する。
表1~表6に示す配合の未加硫ゴム組成物をトレッド部とし、所定の形状の口金を備えた押し出し機で、厚さ18mmとなるように押し出し成形し、トレッド以外のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で12分間プレス加硫することにより、試験用タイヤ1(サイズ:315/80R22.5 156/150L、リム:22.5×9.00J)、試験用タイヤ2(サイズ:225/80R17.5 123/122L、リム:17.5×6.00J)、試験用タイヤ3(サイズ:385/65R22.5 164K、リム:22.5×11.75J)をそれぞれ製造、準備する。
なお、表1~表6の「凹部が設けられた周方向溝の最深部溝深さ(mm)」は、凹部が設けられた周方向溝のトレッド最表面の溝縁からの延長線と、周方向溝の溝底(最深部)からの延長線との距離を表す。
試験用ゴム組成物および試験用タイヤについて下記の評価を行う。なお、各タイヤ重量W(kg)、および仮想体積V(m3)は、各タイヤに600kPaの空気を充填したときのタイヤ断面幅Wt(mm)、タイヤ断面高さHt(mm)、およびタイヤ外径Dt(mm)から算出される値である。
<70℃tanδの測定>
各試験用タイヤのトレッド部のから、タイヤ周方向が長辺となるように、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmで切り出して作製した各加硫ゴム試験片について、動的粘弾性測定装置(GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪±1%の条件下でtanδを測定する。
<0℃E*の測定>
70℃tanδと同様に作成した試験片について、動的粘弾性測定装置(GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用い、周波数10Hz、温度0℃、初期歪10%、動歪±2.5%の条件で、E*を測定する。
<ゴム硬度(Hs)の測定>
JIS K 6253-3:2012に準拠し、デュロメータータイプAを用いて、各ゴム試験片の温度23℃でのショア硬度(Hs)を測定する。なお、各ゴム試験片は、各試験用タイヤのトレッド部から切り出したものを用いる。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
70℃tanδと同様に作成した試験片について、動的粘弾性測定装置(GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用い、周波数10Hz、初期歪10%、動歪±0.5%および昇温速度2℃/minの条件下で損失正接tanδの温度分布曲線を測定し、得られる温度分布曲線における最も大きいtanδ値に対応する温度(tanδピーク温度)をガラス転移温度(Tg)とする。なお、サンプルの厚み方向はタイヤ半径方向とする。
<耐摩耗性能の評価>
各試験用タイヤに600kPaの空気を充填し、最大積載量10トン積みのトラック(2-D車)の全輪に装着し、アスファルトで舗装された路面を30000km走行後のタイヤトレッド部の溝深さを測定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を求める。結果は基準比較例(表1~2においては比較例7、表3~4においては比較例12、表5~6においては比較例16)のタイヤ溝が1mm減るときの走行距離を100とし、下記計算式による指数で示す。指数が大きいほど耐摩耗性が良好であることを示す。
(耐摩耗性指数)=(各配合例のタイヤ溝が1mm減るときの走行距離)/(比較例1のタイヤ溝が1mm減るときの走行距離)×100
Figure 2024055370000001
Figure 2024055370000002
Figure 2024055370000003
Figure 2024055370000004
Figure 2024055370000005
Figure 2024055370000006
<実施形態>
本発明の実施形態の例を以下に示す。
〔1〕トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部はゴム成分を含むゴム組成物により構成され、
前記ゴム組成物の70℃におけるtanδが0.08以下であり、
タイヤ重量をW(kg)、内圧600kPaで測定されたタイヤ体積をV(m3)としたとき、W/Vが210以下である、タイヤ。
〔2〕W/Vが200以下である、上記〔1〕記載のタイヤ。
〔3〕W/Vが190以下である、上記〔1〕または〔2〕記載のタイヤ。
〔4〕前記ゴム組成物がフィラーおよびシランカップリング剤を含有し、前記フィラーがシリカを含む、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔5〕前記フィラーがシリカおよびカーボンブラックを含み、前記シリカのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)が、前記カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)以上である、上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔6〕前記ゴム成分がスチレンブタジエンゴムを含む、上記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔7〕前記ゴム組成物が樹脂成分を含有する、上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔8〕前記トレッド部には、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1本の周方向溝が設けられ、前記周方向溝の少なくとも一つの溝壁に、前記トレッド部の踏面に表れる溝縁よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられた、上記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔9〕前記ゴム組成物の硫黄量が1.2質量%以上である、上記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔10〕前記ゴム成分中の総スチレン量Sが12質量%以下である、上記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔11〕前記ゴム組成物の0℃における複素弾性率(0℃E*)が8.0MPa超である、上記〔1〕~〔10〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔12〕前記ゴム組成物のゴム硬度Hsが68超である、上記〔1〕~〔11〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔13〕前記ゴム組成物のガラス転移温度が-25℃未満である、上記〔1〕~〔12〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔14〕前記ゴム成分100質量部に対する前記フィラーの合計含有量が10質量部超70質量部未満である、上記〔1〕~〔13〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔15〕前記フィラーが、平均一次粒子径27nm以下のカーボンブラックを含む、上記〔1〕~〔14〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔16〕Wに対する70℃tanδの比(70℃tanδ/W)が0.0009超0.0050未満である、上記〔1〕~〔15〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔17〕前記トレッド部には、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1本の周方向溝が設けられ、前記周方向溝の少なくとも一つの溝壁に、前記トレッド部の踏面に表れる溝縁よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられ、前記トレッド部の踏面に表れる溝縁よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられた周方向溝の最深部の溝深さが8.0mm超19.0mm未満である、上記〔1〕~〔16〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔18〕重荷重用タイヤである、上記〔1〕~〔17〕のいずれかに記載のタイヤ。
1・・・タイヤ
2・・・トレッド部
3・・・周方向溝
4・・・隠れ溝
5・・・サイプ
6・・・溝縁
7・・・陸部
10・・・凹部
11・・・最深部
15・・・平面
TW・・・トレッド幅
Te・・・トレッド端
W1・・・溝幅
Wt・・・タイヤ断面幅
Ht・・・タイヤ断面高さ
Dt・・・タイヤ外径

Claims (18)

  1. トレッド部を有するタイヤであって、
    前記トレッド部はゴム成分を含むゴム組成物により構成され、
    前記ゴム組成物の70℃におけるtanδが0.08以下であり、
    タイヤ重量をW(kg)、内圧600kPaで測定されたタイヤ体積をV(m3)としたとき、W/Vが210以下である、タイヤ。
  2. W/Vが200以下である、請求項1記載のタイヤ。
  3. W/Vが190以下である、請求項1または2記載のタイヤ。
  4. 前記ゴム組成物がフィラーおよびシランカップリング剤を含有し、前記フィラーがシリカを含む、請求項1~3いずれか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記フィラーがシリカおよびカーボンブラックを含み、前記シリカのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)が、前記カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記ゴム成分がスチレンブタジエンゴムを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のタイヤ。
  7. 前記ゴム組成物が樹脂成分を含有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のタイヤ。
  8. 前記トレッド部には、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1本の周方向溝が設けられ、前記周方向溝の少なくとも一つの溝壁に、前記トレッド部の踏面に表れる溝縁よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられた、請求項1~7のいずれか一項に記載のタイヤ。
  9. 前記ゴム組成物の硫黄量が1.2質量%以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載のタイヤ。
  10. 前記ゴム成分中の総スチレン量Sが12質量%以下である、請求項1~9のいずれか一項に記載のタイヤ。
  11. 前記ゴム組成物の0℃における複素弾性率(0℃E*)が8.0MPa超である、請求項1~10のいずれか一項に記載のタイヤ。
  12. 前記ゴム組成物のゴム硬度Hsが68超である、請求項1~11のいずれか一項に記載のタイヤ。
  13. 前記ゴム組成物のガラス転移温度が-25℃未満である、請求項1~12のいずれか一項に記載のタイヤ。
  14. 前記ゴム成分100質量部に対する前記フィラーの合計含有量が10質量部超70質量部未満である、請求項1~13のいずれか一項に記載のタイヤ。
  15. 前記フィラーが、平均一次粒子径27nm以下のカーボンブラックを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のタイヤ。
  16. Wに対する70℃tanδの比(70℃tanδ/W)が0.0009超0.0050未満である、請求項1~15のいずれか一項に記載のタイヤ。
  17. 前記トレッド部には、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1本の周方向溝が設けられ、前記周方向溝の少なくとも一つの溝壁に、前記トレッド部の踏面に表れる溝縁よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられ、前記トレッド部の踏面に表れる溝縁よりも溝幅方向の外側に凹む凹部が設けられた周方向溝の最深部の溝深さが8.0mm超19.0mm未満である、請求項1~16のいずれか一項に記載のタイヤ。
  18. 重荷重用タイヤである、請求項1~17のいずれか一項に記載のタイヤ。
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