JP2024055283A - 電動作業機 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動作業機のスイッチ操作部材のロック部材の操作状態をより容易に認識可能とする。【解決手段】電動作業機は、モータと、スイッチと、スイッチ操作部材と、ロック部材と、ハウジングと、第1接触部と、第2接触部とを備える。ハウジングは、ロック部材の操作部を外部から押圧操作可能に露出させる開口を有する。第1接触部及び第2接触部は、開口に隣接して設けられている。操作部は、ロック部材がロックオフ位置にあるとき、第1接触部と第2接触部とに接する仮想的な平面よりも外側へ突出しており、ロック部材がロックオン位置にあるとき、平面よりも内側にある。ロック解除位置は、ロックオフ位置とロックオン位置の間に設定されている。第1接触部及び第2接触部は、使用者の指に接触することで、ロック部材がロック解除位置からロックオン位置に移動される押圧操作を規制するように構成されている。【選択図】 図8
Description
本開示は、電動作業機に関する。より詳細には、オフ位置からオン位置へのスイッチ操作部材の移動、及び、オン位置からオフ位置へのスイッチ操作部材の移動を規制可能なロック部材を備えた電動作業機に関する。
電動作業機は、モータの起動用のスイッチと、スイッチのオン・オフ切替のために、オフ位置とオン位置との間で移動可能なスイッチ操作部材(例えば、スイッチレバー、トリガ)とを備える。また、利便性の向上のために、オフ位置からオン位置へのスイッチ操作部材の移動、及び、オン位置からオフ位置へのスイッチ操作部材の移動を規制可能なロック機構を備えた電動作業機が知られている。例えば、特許文献1は、オフ位置からオン位置へのスイッチレバーの移動、及び、オン位置からオフ位置へのスイッチレバーの移動を規制可能なロックボタンを備えた芝生バリカンを開示する。
特許文献1の芝生バリカンの使用者は、ロックボタンの操作時に、ロックボタンがどの位置にあるのかを容易に認識することができない。よって、使用者は、ロックボタンにスイッチレバーをオン位置で保持させるためにロックレバーを慎重に操作しなければならなかった。
上述の状況に鑑み、本開示は、電動作業機のスイッチ操作部材のロック部材の操作状態をより容易に認識可能とすることを、非限定的な1つの目的とする。
本開示の非限定的な1つの態様によれば、モータと、スイッチと、スイッチ操作部材と、ロック部材と、ハウジングと、第1接触部と、第2接触部とを備えた電動作業機が提供される。
スイッチは、モータの起動用のスイッチである。スイッチ操作部材は、使用者の手動操作に応じて、スイッチをオフ状態とするオフ位置と、スイッチをオン状態とするオン位置との間で移動可能である。ロック部材は、操作部を有する。ロック部材は、操作部に対する使用者の押圧操作に応じて、ロック解除位置を経由して、ロックオフ位置からロックオン位置へ移動可能に支持されている。ロック部材は、ロック解除位置において、スイッチ操作部材のオフ位置とオン位置との間の移動を許容する。ロック部材は、ロックオフ位置において、スイッチ操作部材のオフ位置からオン位置への移動を規制することができる。ロック部材は、ロックオン位置において、スイッチ操作部材のオン位置からオフ位置への移動を規制することができる。
ハウジングは、ロック部材の操作部を外部から押圧操作可能に露出させる開口を有する。第1接触部と第2接触部とは、使用者が指で触れられるように、開口に隣接して設けられている。ロック部材がロックオフ位置にあるとき、操作部は、第1接触部と第2接触部とに接する仮想的な平面よりも外側へ突出している。ロック部材がロックオン位置にあるとき、操作部は、平面よりも内側にある。ロック解除位置は、ロックオフ位置とロックオン位置の間に設定されている。第1接触部及び2接触部は、使用者の指に接触することで、ロック部材がロック解除位置からロックオン位置に移動される押圧操作を規制するように構成されている。
本態様の電動作業機によれば、使用者は、開口に隣接配置された第1接触部及び第2接触部の少なくとも一方と、ロック部材の操作部に触れることで、ロック部材がロックオフ位置にあることを容易に認識することができる。また、使用者は、第1接触部及び第2接触部に指が当接した場合、ロック部材をロック解除位置からロックオン位置に移動させるには、指を移動させてロック部材を押圧操作する必要があることを容易に認識することができる。よって、使用者が無意識にロック部材をロックオン位置まで移動させてしまう可能性を低減することができる。このように、本態様の電動作業機は、使用者が触覚を通じてロック部材の操作状態を容易に認識することを可能とする。
本開示の非限定的な一実施形態において、ロック部材は、操作部の少なくとも一部が平面よりも内側に配置されるのに応じて、ロック解除位置に配置されるように構成されていてもよい。この実施形態によれば、使用者が第1接触部と第2接触部とに指が接触するまでロック部材を押圧するのに概ね対応して、ロック部材をロック解除位置に配置することができる。よって、使用者は、ロック部材がロック解除位置に配置されたことを、触覚を通じて容易に認識することができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1接触部及び第2接触部のうち少なくとも1つは、ハウジングの外表面から突出する突出部であってもよい。この実施形態によれば、使用者は、第1接触部及び前記第2接触部のうち少なくとも1つを視覚及び触覚を通じて容易に認識することができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1接触部は、突出部であり、第2接触部は、ハウジングの外表面の一部であってもよい。この実施形態によれば、使用者は、ハウジングの外表面のうち指を配置しやすい部分を第2接触部として利用することができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1接触部は、ハウジングと一体的に形成されていてもよい。この実施形態によれば、第1接触部がハウジングとは別個の部材で形成される場合に比べ、部品数を低減することができ、製造も容易である。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、ロック部材は、ハウジングによって支持されていてもよい。この実施形態によれば、ロック部材がハウジングとは別部材によって支持される場合に比べ、ロック部材の支持構造を簡素化することができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、電動作業機は、開口に隣接して設けられ、使用者が指の一部を配置可能な凹部を更に備えてもよい。この実施形態によれば、使用者は、凹部内に指を配置して操作部を押圧することで、ロック部材をロック解除位置からロックオン位置へ容易に移動させることができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、凹部は、ハウジングの外表面から凹んでおり、曲面によって規定されていてもよい。この実施形態によれば、指を導きやすく、触感のよい凹部が実現される。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1接触部の少なくとも一部と凹部とは、ロック部材の移動方向に直交する方向において、開口を挟んで対向していてもよい。この実施形態によれば、使用者が凹部内へ指をずらし、ロック部材を更に押圧操作することが容易となる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、ハウジングは、使用者によって把持されるように構成されたグリップ部を含んでもよい。スイッチ操作部材およびロック部材は、使用者がグリップ部を把持した状態で、人差し指および親指で夫々操作可能な位置に配置されていてもよい。この実施形態によれば、使用者は、グリップ部を把持した片手の人差し指と親指とでスイッチ操作部材とロック部材とを操作できるため、利便性が高い。
以下、図面を参照して、本開示の代表的且つ非限定的な第1実施形態に係るベルトサンダ1について、具体的に説明する。ベルトサンダ1は、電動作業機の一例であって、無端状のサンディングベルト27に押し付けられた被加工材を研磨するように構成された電動工具である。
まず、ベルトサンダ1の概略構成について説明する。図1~図4に示すように、ベルトサンダ1の外郭は、ハウジング10によって形成されている。ハウジング10は、本体ハウジング11と、ハンドルハウジング15とを含む。
本体ハウジング11は、中空の箱状体である。図4に示すように、本体ハウジング11は、電動式のモータ21と、動力伝達機構23と、コントローラ29とを収容する。動力伝達機構23は、モータ21の出力シャフト211と駆動ローラ25とに動作可能に連結されており、出力シャフト211の回転を、駆動ローラ25に伝達するように構成されている。コントローラ29は、ベルトサンダ1の動作を制御するように構成されている。
駆動ローラ25は、モータ21の駆動に伴って、軸A1周りに回転駆動されるように構成されている。サンディングベルト27は駆動ローラ25と、従動ローラ26との間に架け渡されている。従動ローラ26は、軸A1と平行な軸A2周りに回転可能に支持されている。駆動ローラ25と従動ローラ26とは、軸A1及び軸A2に直交する方向に離間配置されている。サンディングベルト27は、駆動ローラ25の回転駆動に応じて、一方向(図4の矢印Rの方向)に回転される。サンディングベルト27の一部は、本体ハウジング11から外部へ露出し、軸A1及び軸A2に概ね平行な面に沿って延びている。このサンディングベルト27の露出部分は、プレート113によって、被加工材に向けて(サンディングベルト27の環の外側方向)に押圧されている。
なお、以下では、説明の便宜上、駆動ローラ25と従動ローラ26とが並ぶ方向(つまり、軸A1及び軸A2に直交する方向)を、ベルトサンダ1の前後方向と規定する。前後方向において、駆動ローラ25側を後側、従動ローラ26側を前側と規定する。また、軸A1及び軸A2の延在方向を、ベルトサンダ1の左右方向と規定する。また、前後方向及び左右方向に直交する方向を、ベルトサンダ1の上下方向と規定する。上下方向において、サンディングベルト27の露出部分の側を下側と規定し、その反対側を上側と定義する。
図1~図4に示すように、ハンドルハウジング15は、全体としては概ねC状の筒状体である。ハンドルハウジング15の両端は、夫々、本体ハウジング11の上後端と下後端とに連結されており、ハンドルハウジング15と本体ハウジング11の後端部とは、ループを形成している。ハンドルハウジング15は、グリップ部151を含む。使用者は、サンディングベルト27を被加工材に接触させつつ、グリップ部151を把持してベルトサンダ1を移動させることで、被加工材を研磨することができる。なお、グリップ部151は、メイングリップとも称される。
以下、ベルトサンダ1の詳細構成について説明する。
まず、本体ハウジング11と、本体ハウジング11の内部に配置された要素について説明する。
図4に示すように、本体ハウジング11は、側面視L字状に形成されている。本体ハウジング11の後半部分14は、前半部分12よりも上方に突出している。
本体ハウジング11の前半部分12の上端部は、充電式のバッテリ120を取り外し可能に受けるように構成されたバッテリ装着部121を備えている。コントローラ29は、前半部分12内で、バッテリ装着部121の下方に配置されている。詳細な図示は省略するが、コントローラ29は、回路基板に搭載された制御回路を含む。コントローラ29は、ベルトサンダ1の動作(例えば、モータ21への通電)を制御する。
また、図1~図3に示すように、本体ハウジング11の前半部分12の前端部には、フロントハンドル13が連結されている。フロントハンドル13は概ねU字状である。フロントハンドル13の両端部は、前半部分12の側壁部に回動可能に支持されている。フロントハンドル13は、使用者によって把持されるように構成されたグリップ部131を含む。グリップ部131は、概ね左右方向に延在している。なお、グリップ部131は、通常、ハンドルハウジング15のグリップ部151(メイングリップ)と共に補助的に使用されることから、補助グリップとも称される。
図4に示すように、本体ハウジング11の後半部分14の上部は、モータ21を収容する。モータ21は、モータ21の出力シャフト211の回転軸が、軸A1及び軸A2と平行に(つまり左右方向に)延在するように配置されている。
動力伝達機構23は、モータ21の動力を駆動ローラ25に伝達することで、サンディングベルト27を回転させるように構成されている。詳細な説明及び図示は省略するが、動力伝達機構23は、第1プーリと、第2プーリを有する中間シャフトと、無端状のシンクロベルトと、減速ギヤ機構とを含む。第1プーリは、モータ21の出力シャフト211と一体的に回転する。中間シャフトは、モータ21の下方で、左右方向に延在する。シンクロベルトは、第1プーリと第2プーリに架け渡されている。中間シャフトは、減速ギヤ機構を介して駆動ローラ25に動作可能に連結されている。駆動ローラ25及び従動ローラ26は、本体ハウジング11の下端部に取り付けられた支持枠111(図1参照)によって、回転可能に支持されている。
以下、ハンドルハウジング15と、ハンドルハウジング15の内部に配置された要素について説明する。
図1~図4に示すように、ハンドルハウジング15は、グリップ部151と、上側連結部153と、下側連結部155とを含む。グリップ部151は、使用者によって把持されるように構成された長尺筒状の部分である。上側連結部153は、本体ハウジング11の上後端とグリップ部151の上端とを連結する。下側連結部155は、本体ハウジング11の下後端と、グリップ部151の下端とを連結する。グリップ部151は、上端から下端に向かって斜め後方に延びている。
図5に示すように、ハンドルハウジング15の内部には、第1スイッチ31と、第2スイッチ61とが配置されている。より詳細には、第1スイッチ31は、上側連結部153内に配置されている。第2スイッチ61は、グリップ部151内に配置されている。第1スイッチ31及び第2スイッチ61は、モータ21の起動用のスイッチである。第1スイッチ31及び第2スイッチ61は、モーメンタリスイッチであって、コントローラ29と電気的に接続されている。本実施形態では、コントローラ29は、第1スイッチ31及び第2スイッチ61が両方ともオン状態である間、バッテリ装着部121を介してバッテリ120から供給される電力をモータ21に供給し、モータ21を駆動するように構成されている。
また、ハンドルハウジング15は、スイッチレバー(トリガともいう)33と、ロックオフレバー63とを備える。スイッチレバー33は、第1スイッチ31のオン・オフを切り替えるための手動操作部材である。ロックオフレバー63は、第2スイッチ61のオン・オフを切り替えるための手動操作部材である。
スイッチレバー33は、グリップ部151の上端部のうち、本体ハウジング11の後端に対向する側(ループの内側)に配置されている。つまり、スイッチレバー33は、使用者がグリップ部151を把持したときに人差し指が置かれる位置に配置されている。スイッチレバー33は、回動式のレバーであって、ハンドルハウジング15によって、左右方向に延びる軸A3周りに回動可能に支持されている。スイッチレバー33は、図5に実線で示すオフ位置と、図5に破線で示すオン位置との間で回動可能である。スイッチレバー33は、付勢部材38によってオフ位置に向けて付勢されており、外力が付与されない初期状態では、オフ位置で保持されている。
スイッチレバー33は、長尺状の本体部34を備える。スイッチレバー33は、本体部34の第1端部341において、回動可能に支持されている。また、本体部34の第1端部341からは、作動突起345が、本体部34の長手方向に突出している。スイッチレバー33がオフ位置にあるときには、作動突起345は、上側連結部153内で、第1スイッチ31のアクチュエータ315から後方に離間した位置にある。このため、第1スイッチ31はオフ状態で維持される。スイッチレバー33の第2端部342は、グリップ部151に形成された開口から外部(グリップ部151の下側、ループ内)に突出しており、使用者の押圧操作(引き操作)を受けることができる。
スイッチレバー33が使用者の押圧操作に応じてオン位置に配置されると、作動突起345は、第1スイッチ31のアクチュエータ315を後方から押圧し、第1スイッチ31をオンとする。スイッチレバー33がオン位置にある間、第1スイッチ31はオン状態で維持される。
ロックオフレバー63は、グリップ部151の上端部のうち、上側(ループの外側)に配置されている。ロックオフレバー63は、回動式のレバーであって、ハンドルハウジング15によって、左右方向に延びる軸A4周りに回動可能に支持されている。ロックオフレバー63は、図5に実線で示すオフ位置と、図5に破で示すオン位置との間で回動可能である。ロックオフレバー63は、付勢部材64によってオフ位置に向けて付勢されており、外力が付与されない初期状態では、オフ位置で保持されている。
ロックオフレバー63は、第1端部631において回動可能に支持されている。ロックオフレバー63がオフ位置にあるときには、ロックオフレバー63の第2端部632は、グリップ部151内で、第2スイッチ61のアクチュエータ615から上方に離間した位置にある。このため、第2スイッチ61はオフ状態で維持される。ロックオフレバー63の大部分は、グリップ部151に形成された開口から外部(グリップ部151の上側)に突出しており、使用者の押圧操作を受けることができる。ロックオフレバー63が、使用者の押圧操作に応じてオン位置に配置されると、ロックオフレバー63の第2端部632は、第2スイッチ61のアクチュエータ615を上方から押圧し、第2スイッチ61をオンとする。ロックオフレバー63がオン位置にある間、第2スイッチ61はオン状態で維持される。
上述のように、本実施形態では、コントローラ29は、第1スイッチ31及び第2スイッチ61が両方ともオン状態である間、モータ21を駆動し、第1スイッチ31及び第2スイッチ61の少なくとも一方がオフになると、モータ21の駆動を停止する。言い換えると、コントローラ29は、スイッチレバー33及びロックオフレバー63が夫々のオン位置にある間、モータ21を駆動し、スイッチレバー33及びロックオフレバー63の少なくとも一方がオフ位置に移動するのに応じてモータ21の駆動を停止する。そこで、ベルトサンダ1は、モータ21の駆動を継続するために、使用者がグリップ部151を握り続ける必要をなくすべく、スイッチレバー33及びロックオフレバー63のオン位置からオフ位置への移動を規制する(オフ位置への移動を妨げる)機能(以下、ロックオン機能ともいう)を有する。
また、使用者が意図しないときにスイッチレバー33及びロックオフレバー63が押圧されると、モータ21の駆動に応じてサンディングベルト27が回転し、ベルトサンダ1が被加工材の表面上を移動してしまう可能性がある。そこで、ベルトサンダ1は、モータ21の不測の駆動を防止するために、スイッチレバー33のオフ位置からオン位置への移動を規制する(オン位置への移動を妨げる)機能(以下、ロックオフ機構ともいう)を有する。
より詳細には、図3に示すように、ベルトサンダ1は、スイッチレバー33のロックオン機能とロックオフ機能を発揮するように構成された第1ロックボタン4を備える。第1ロックボタン4は、ロックオフ・ロックオンボタンとも言い換えられる。また、ベルトサンダ1は、ロックオフレバー63のロックオン機能を発揮するように構成された第2ロックボタン7を備える。第2ロックボタン7は、ロックオンボタンとも言い換えられる。
以下、第1ロックボタン4と、第1ロックボタン4に対応するスイッチレバー33の構成について説明する。
第1ロックボタン4は、スイッチレバー33の上方において、ハンドルハウジング15によって左右方向に移動可能に支持されている。図5~図7に示すように、第1ロックボタン4は、本体部41と、2つのロックオン突起43と、バネ保持部45と、2つのロックオフ突起47とを含む。
本体部41は、全体としては長尺の円柱状に形成されている。本体部41の長軸方向の2つの端部410は、実質的に同一の径を有する。本体部41は、ハンドルハウジング15に支持され、左右方向に延在する。より詳細には、図8に示すように、ハンドルハウジング15(グリップ部151の上端部)の左と右の側壁部16の各々には、開口160が形成されている。つまり、ハンドルハウジング15は2つの開口160を有する。2つの開口160は、実質的に同一の形状を有し、ハンドルハウジング15の左右方向に延びる一直線上にある。より詳細には、開口160は、略円形の断面を有する貫通孔であって、本体部41の端部410の径よりも僅かに大きい径を有する。本体部41の2つの端部410は、夫々、開口160に挿通され、ハンドルハウジング15に対して左右方向に摺動可能に支持されている。
なお、以下の説明では、本体部41の2つの端部410の両方が言及される場合及び何れか一方が区別なく言及される場合、単に端部410と言及される。また、2つの端部410のうち、左側の一方が言及される場合、左端部410Lと言及され、右側の一方が言及される場合、右端部410Rと言及される。側壁部16及び開口160、並びに、以下で言及される左右一対の要素についても、同様の言及方法が採用される。
本体部41の各端部410は、使用者が指で操作可能な操作部を構成する。より詳細には、本体部41の長軸方向の端の面(以下、端面411という)は、使用者の指による押圧を受ける面である。端部410本体部41の長さは、本体部41の長軸方向(左右方向)の中心とハンドルハウジング15の左右方向の中心とが概ね一致する位置にあるとき、本体部41の両方の端部410が、夫々、ハンドルハウジング15から外部に突出するように設定されている。
図7に示すように、本体部41の左右方向の中央部には、スイッチレバー33に対向するように、凹部415が設けられている。凹部415は、本体部41を前後方向に横切る通路を形成する。2つのロックオン突起43は、凹部415の左端と右端とに配置され、スイッチレバー33に向かって突出している。
図5及び図6に示すように、バネ保持部45は、本体部41の左右方向の中央部から突出する直方体状の部分である。バネ保持部45は、上方に開放された凹部451を有する。凹部451内には、付勢部材453が保持されている。付勢部材453は圧縮コイルバネである。
一方、図9に示すように、ハンドルハウジング15の左と右の側壁部16の内面からは、夫々、リブ161が突出している。第1ロックボタン4が本体部41の左右方向の中心とハンドルハウジング15の左右方向の中心とが概ね一致する位置にあるとき、各リブ161は、凹部451の内側まで延びる。2つのリブ161の先端は、夫々、付勢部材453の両端に当接し、凹部451内で付勢部材453を圧縮状態で保持する。このため、第1ロックボタン4は、外力が付与されない初期状態では、付勢部材453の付勢力により、本体部41の左右方向の中心とハンドルハウジング15の左右方向の中心とが概ね一致する位置(後述のロックオフ位置)で保持されている。
図6及び図7に示すように、2つのロックオフ突起47は、左右方向に離間して配置され、バネ保持部45からスイッチレバー33に向かって突出している。なお、2つのロックオフ突起47は、ハンドルハウジング15の左右方向の中心から実質的に等距離にある。
上述のような第1ロックボタン4のロックオン突起43及びロックオフ突起47に対応して、スイッチレバー33には、1つのロックオン突起35と、2つのロックオフ突起36とが設けられている。
スイッチレバー33のロックオン突起35は、スイッチレバー33の本体部34の左右方向の中央部から第1ロックボタン4に向けて突出している。左右方向において、ロックオン突起35の幅は、第1ロックボタン4のロックオン突起43の間の距離よりも小さい。ロックオフ突起36は、スイッチレバー33の長手方向において、ロックオン突起35と第2端部342との間に配置されている。ロックオフ突起36は、スイッチレバー33の左端部及び右端部から、夫々、第1ロックボタン4に向けて突出している。
以下、第1ロックボタン4及びスイッチレバー33の位置と、ロックオフ機能及びロックオン機能との関係について説明する。
第1ロックボタン4は、使用者の手動操作に応じて、ハンドルハウジング15及びスイッチレバー33に対して左右方向に移動可能である。より詳細には、第1ロックボタン4は、図9に示すロックオフ位置と、図10に示すロック解除位置と、図11に示すロックオン位置との間で移動可能である。なお、図9~図11は、説明の簡単化のため、スイッチレバー33のロックオン突起35及びロックオフ突起36、第1ロックボタン4、並びにリブ161の位置関係を、模式的に示している。
第1ロックボタン4は、ロックオフ位置において、スイッチレバー33のオフ位置からオン位置への移動を規制することができる。第1ロックボタン4は、ロック解除位置において、スイッチレバー33に干渉することなく、スイッチレバー33のオフ位置とオン位置との間の移動を許容する。第1ロックボタン4は、ロックオン位置において、スイッチレバー33をオン位置で保持する(スイッチレバー33のオフ位置からオン位置への移動を規制する)ことができる。
より詳細には、図9に示すように、第1ロックボタン4のロックオフ突起47がスイッチレバー33のロックオフ突起36の移動経路上にあるときの第1ロックボタン4の位置が、第1ロックボタン4のロックオフ位置を規定する。本実施形態では、本体部41の左右方向の中心とハンドルハウジング15の左右方向の中心とが概ね一致するときの第1ロックボタン4の位置が、ロックオフ位置を規定する。
第1ロックボタン4がロックオフ位置にあり、且つ、スイッチレバー33がオフ位置(図5に実線で示す位置)にあるとき、スイッチレバー33のロックオフ突起36の先端部は、夫々、第1ロックボタン4のロックオフ突起47の移動経路上で、ロックオフ突起47の先端部に対向している。このため、使用者がスイッチレバー33を押圧操作すると、第1ロックボタン4のロックオフ突起47の先端部が、スイッチレバー33のロックオフ突起36の先端部に当接し、スイッチレバー33のオン位置への移動を妨げる。このように、ロックオフ突起47は、第1ロックボタン4がロックオフ位置にあるときに、ロックオフ機能を発揮する。
なお、第1ロックボタン4がロックオフ位置にあり、且つ、スイッチレバー33がオフ位置にあるとき、スイッチレバー33のロックオン突起35の先端部は、第1ロックボタン4の凹部415内に突出している。つまり、左右方向において、ロックオン突起35は、第1ロックボタン4の2つのロックオン突起43の間に配置されている。よって、第1ロックボタン4の2つのロックオン突起43は何れも、スイッチレバー33がオフ位置とオン位置との間で移動するときのロックオン突起35の移動経路上にはない。
使用者は、第1ロックボタン4を手動操作することで、第1ロックボタン4をロックオフ位置からロック解除位置へ移動させることができる。具体的には、第1ロックボタン4がロックオフ位置にあるとき、本体部41の左端部410L及び右端部410R(操作部)は、夫々、ハンドルハウジング15の左側壁部16Lの開口160L、右側壁部16Rの160Rから外部へ突出している(図8参照)。使用者は、左端部410L又は右端部410Rを指でハンドルハウジング15の内側へ向けて押し込むことで、第1ロックボタン4をロックオフ位置からロック解除位置へ移動させることができる。
図10に示すように、第1ロックボタン4のロックオフ突起47がスイッチレバー33のロックオフ突起36の移動経路上になく、且つ、第1ロックボタン4の2つのロックオン突起43が何れもスイッチレバー33のロックオン突起35の移動経路上にないときの第1ロックボタン4の位置が、ロック解除位置を規定する。なお、第1ロックボタン4のロックオン突起43の間の左右方向の距離及びスイッチレバー33のロックオン突起35の左右方向の幅は、第1ロックボタン4がロックオフ位置とロック解除位置の間で移動されるときに、ロックオン突起35が凹部451内を左右方向に自由に相対移動できるように設定されている。
なお、詳細な図示は省略するが、本実施形態では、第1ロックボタン4には、ロックオフ位置に対して右側と左側に、ロック解除位置が設定されている。つまり、使用者は、左端部410L及び右端部410Rのどちらを押し込んでも、第1ロックボタン4をロックオフ位置からロック解除位置で移動させることができる。
使用者は、第1ロックボタン4を手動操作することで、第1ロックボタン4をロック解除位置から更にロックオン位置まで移動させることができる。具体的には、使用者は、第1ロックボタン4がロック解除位置にある状態で、スイッチレバー33をオン位置に移動させた後、第1ロックボタン4をハンドルハウジング15の内側へ向けて更に押し込む。なお、使用者が、スイッチレバー33がオフ位置にある状態で、第1ロックボタン4をロック解除位置から更に押し込もうとしても、スイッチレバー33のロックオン突起35が、第1ロックボタン4の2つのロックオン突起43の何れか一方に当接し、第1ロックボタン4の移動を妨げる。
図11に示すように、本実施形態では、第1ロックボタン4の2つのロックオン突起43のうち一方がスイッチレバー33のロックオン突起35の移動経路上にあるときの第1ロックボタン4の位置が、ロックオン位置を規定する。つまり、第1ロックボタン4には、ロック解除位置と同様、ロックオフ位置に対して右側と左側に、ロックオン位置が設定されている。
第1ロックボタン4がロックオン位置にある状態で、使用者がオン位置にあるスイッチレバー33の押圧をやめると、スイッチレバー33は付勢部材38の付勢力でオフ位置へ向かって移動する。第1ロックボタン4のロックオン突起43は、スイッチレバー33がオフ位置へ到達する前に、スイッチレバー33のロックオン突起35に当接し、スイッチレバー33のオフ位置への移動を妨げる。このように、ロックオン突起43は、第1ロックボタン4がロックオン位置にあるときに、ロックオン機能を発揮する。よって、使用者がスイッチレバー33から手を離しても、第1スイッチ31がオン状態で維持される。
なお、第1ロックボタン4がロックオン位置にあり、且つ、スイッチレバー33がオン位置にあるとき、第1ロックボタン4のロックオフ突起47は、スイッチレバー33のロックオフ突起36の移動経路上にはない。
上述のように、第1ロックボタン4は、バネ保持部45に保持された付勢部材453によって、ロックオフ位置に向けて付勢されている。第1ロックボタン4がロックオン位置にあるとき、付勢部材453は、2つのリブ161の一方に押圧されて更に圧縮されている。よって、使用者が第1ロックボタン4によってオン位置で保持されているスイッチレバー33を更に押圧操作し、スイッチレバー33のロックオン突起35を第1ロックボタン4のロックオン突起43から離間させると、第1ロックボタン4は、付勢部材453の復元力により、ロックオフ位置に復帰する。
以下、第2ロックボタン7と、第2ロックボタン7に対応するロックオフレバー63の構成について説明する。
第2ロックボタン7は、ハンドルハウジング15のグリップ部151に左右方向に移動可能に支持されている。より詳細には、図3及び図4に示すように、第2ロックボタン7は、左側壁部16Lに形成された開口(貫通孔)に、左右方向に摺動可能に挿通されている。第2ロックボタン7は、グリップ部151の外部に配置された手動操作可能な操作部71と、グリップ部151の内部に配置された係合部75とを含む。
第2ロックボタン7の係合部75に対応して、ロックオフレバー63の左壁部には、開口633が設けられている。開口633は、係合部75が通過可能な大きさと形状を有する。詳細な図示は省略するが、第2ロックボタン7は、付勢部材によってグリップ部151の外側(左方)へ付勢され、初期位置に保持されている。第2ロックボタン7が初期位置にあるときには、係合部75はロックオフレバー63よりも左方にある。
ロックオフレバー63がオフ位置にあるときには、開口633と係合部75とは、互いからずれた位置にある。このため、使用者は、第2ロックボタン7を初期位置から右方(グリップ部151の内側)に向かって押し込むことはできない。一方、ロックオフレバー63がオン位置にあるときには、開口633と係合部75とが重なる。よって、使用者は、第2ロックボタン7を右方(グリップ部151の内側)に向かって押し込むことで、ロックオン位置まで移動させることができる。
第2ロックボタン7がロックオン位置にあるとき、係合部75は、開口633からロックオフレバー63の内部に挿入されている。この状態で使用者がロックオフレバー63の押圧をやめると、係合部75が開口633の周囲の壁部に係合し、ロックオフレバー63のオフ位置への移動を妨げる。このように、係合部75は、ロックオン機能を発揮する。よって、使用者がロックオフレバー63から手を離しても、第2スイッチ61がオン状態で維持される。
ところで、上述したように、本実施形態では、第1ロックボタン4は、初期状態では、付勢部材453の付勢力により、ロックオフ位置で保持されており、使用者の押圧操作に応じて、ロック解除位置を経由してロックオン位置に移動される。第1ロックボタン4は、左右方向に摺動可能に支持されているだけであるから、使用者は、第1ロックボタン4がロック解除位置にあるのか、ロックオン位置にあるのか認識しにくい。
そこで、図1~図3、図8に示すように、本実施形態のベルトサンダ1は、使用者が第1ロックボタン4の状態を触覚で認識することを容易にする第1接触部51及び第2接触部52を備えている。また、ベルトサンダ1は、第1ロックボタン4の操作を容易にする凹部55を備えている。なお、第1接触部51、第2接触部52、及び凹部55は、夫々、第1ロックボタン4をハンドルハウジング15の外部へ露出させる開口160に隣接して設けられている。なお、ここでいう「隣接」とは、互いに接する配置のみならず、互いの近傍に位置することも含む。上述のように、ハンドルハウジング15は、左側壁部16Lと右側壁部16Rとに夫々形成された2つの開口160L、160Rを有する。よって、第1接触部51、第2接触部52、及び凹部55は、開口160L、160Rの各々に対応して設けられている。
第1接触部51は、使用者が指で触れることができるように設けられる。本実施形態では、第1接触部51は、開口160の縁の一部に沿って、ハンドルハウジング15(側壁部16)の外表面150から突出する突出部として構成されている。より詳細には、第1接触部51は、開口160の縁に沿って、少なくとも開口160の前半部分を取り囲むように、円弧状に配置されている。また、第1接触部51は、ハンドルハウジング15と一体的に成形されている。言い換えると、第1接触部51は、ハンドルハウジング15の一部分で構成されている。
第2接触部52も、使用者が指で触れることができるように設けられる。本実施形態では、ハンドルハウジング15の外表面150のうち、開口160と第1接触部51とに隣接する部分(領域)が、第2接触部52として機能する。
第1接触部51の少なくとも一部と第2接触部52の少なくとも一部とは、使用者がハンドルハウジング15の外部から1つの指(例えば、親指又は人差し指)で同時に接触可能な位置にある。上述のように、本実施形態では、使用者は、通常、グリップ部151を把持しながらスイッチレバー33を人差し指で押圧操作(引き操作)する。よって、使用者は、親指で第1ロックボタン4を操作することも、グリップ部151を把持する手とは別の手の指で第1ロックボタン4を操作することも可能である。よって、一般的な使用者の指の大きさを考慮して、第1接触部51と第2接触部52との間の最短距離Wは、例えば、15mm以上30mm以下であると好ましく、20mm以上25mm以下であるとより好ましい。
凹部55は、使用者が指の一部を挿入することができるように構成されている。本実施形態では、凹部55は、ハンドルハウジング15の外表面150のうち、開口160と接する部分(領域)に形成されている。より詳細には、凹部55は、開口160の縁のうち、第1接触部51に取り囲まれていない部分(開口160の後半部分の縁)から後方に延びている。つまり、第1接触部51の一部と、凹部55とは、開口160を挟んで対向する位置にある。よって、左側又は右側からハンドルハウジング15をみたときに、第1接触部51(突出部)と、第1ロックボタン4の端部410と、凹部55とは、前後方向に延びる一直線上にある。また、凹部55は、指の形状に沿うように、全体が緩やかにカーブする曲面によって規定されている。また、凹部55は、開口160の縁に向かって(凹部55の後方から前方へ向かって)深くなるように形成されている。
以下、図12を参照して、第1接触部51、第2接触部52、及び凹部55の作用について説明する。なお、図12では、ロックオフ位置、ロック解除位置、ロックオン位置にある第1ロックボタン4が、夫々、実線、破線、一点鎖線で示されている。
図12に示すように、本実施形態では、第1ロックボタン4の長さは、第1ロックボタン4がロックオフ位置(実線で示す位置)にあるときに、各端部410が(詳細には、少なくとも端面411全体が)、第1接触部51の先端の少なくとの1点と第2接触部52の少なくとも1点とに接する仮想的な平面Pよりも外側に突出するように設定されている。よって、使用者は、端部410を視認することによっても、第1接触部51及び第2接触部52の少なくとも一方と端部410とに指で触れることによっても、第1ロックボタン4がロックオフ位置にあることを容易に認識することができる。
なお、第1ロックボタン4がロックオフ位置にあるときの、第1接触部51の先端からの端部410の突出量(第1ロックボタン4の移動方向(つまり左右方向)における第1接触部51の先端と端面411との間の距離:T)は、第1ロックボタン4がロックオフ位置にあることを、使用者が視覚及び触覚を通じて容易に認識できるように設定されると好ましい。突出量Tは、例えば、2.5mmから3.0mmまでの範囲内に設定されうる。
使用者が第1ロックボタン4をロックオフ位置から移動させたいときには、使用者は、第1ロックボタン4の端部410(端面411)を指で押圧することができる。第1ロックボタン4がある程度ハンドルハウジング15の内側へ押し込まれると、使用者の指は、第1接触部51及び第2接触部52に接触する。本実施形態では、第1ロックボタン4、第1接触部51、第2接触部52は、使用者の指が第1接触部51及び第2接触部52に当接する位置まで第1ロックボタン4が押し込まれるのに応じて、第1ロックボタン4がロック解除位置(破線で示す位置)に配置されるように構成されている。上述の平面Pは、使用者が第1接触部51及び第2接触部52に指を配置したときの指の表面に概ね対応するといえる。よって、第1ロックボタン4のロック解除位置は、押圧された端部410の端面411が平面Pの近傍に配置される位置(詳細には、端面411の少なくとも一部が平面Pの若干内側に配置される位置)に規定されている。
このように、第1接触部51及び第2接触部52は、使用者に、第1ロックボタン4がロック解除位置に配置されたこと(つまり、スイッチレバー33のロックオフ状態が解除されたこと)を容易に認識させることができる。なお、ハンドルハウジング15の外表面150からの第1接触部51の突出量(第1ロックボタン4の移動方向(つまり左右方向)における第1接触部51の先端と外表面150との間の距離:S)は、使用者の指が、外表面150から突出する第1接触部51と、外表面150の一部である第2接触部52とに同時に容易に触れることができるように設定されると好ましい。突出量Sは、例えば、0.5mmから1.5mmまでの範囲内に設定されうる。
更に、第1ロックボタン4のロックオン位置(一点鎖線で示す位置)は、押圧された端部410の端面411が完全に平面Pよりも内側に配置される位置に規定されている。本実施形態では、第1ロックボタン4がロックオン位置にあるとき、端面411の全体が平面Pから内側に完全に離間する。このため、使用者は、基本的に、指先を開口160の内部に挿入して、第1ロックボタン4をロックオン位置に移動させる必要がある。つまり、使用者の指が第1接触部51及び第2接触部に接触している状態では、第1ロックボタン4をロックオン位置まで移動させることは難しい。よって、使用者が無意識に第1ロックボタン4をロックオン位置まで移動させてしまう可能性を低減することができる。このように、第1接触部51及び第2接触部52は、使用者の指に接触することで、使用者が第1ロックボタン4をロックオン位置に移動させるのを規制し、ロックオン位置へ移動させるには、指を移動させて端面411を押圧する必要があることを認識させることができる。
本実施形態では、開口160に隣接して凹部55が設けられている。よって、使用者は、指の一部を凹部55内に配置した状態で端部410の端面411を押圧することで、第1ロックボタン4をロック解除位置からロックオン位置まで押し込むことができる。このように、凹部55は、使用者の指を受け入れることで、使用者が第1ロックボタン4をロックオン位置に移動しやすくする。なお、凹部55の最大の深さ(第1ロックボタン4の移動方向(つまり左右方向)における外表面150と凹部55の底との間の最大距離)は、使用者が指を凹部55内に配置した状態で、ロックオン位置にある第1ロックボタン4の端面411に容易に触れられるように設定されると好ましい。深さは、例えば、3.5mmから4.0mmまでの範囲内に設定されうる。
以上に説明したように、第1ロックボタン4の端部410を外部に露出させる開口160に隣接して設けられた第1接触部51及び第2接触部52は、使用者が触覚を通じて第1ロックボタン4の操作状態を容易に認識することを可能とする。
上記実施形態の各構成要素(特徴)と本開示又は発明の各構成要素(特徴)の対応関係を以下に示す。但し、実施形態の各構成要素は、単なる一例であって、本開示又は本発明の各構成要素を限定するものではない。
ベルトサンダ1は、「電動作業機」の一例である。モータ21は、「モータ」の一例である。第1スイッチ31は、「スイッチ」の一例である。スイッチレバー33は、「スイッチ操作部材」の一例である。第1ロックボタン4は、「ロック部材」の一例である。本体部41の端部410は、「操作部」の一例である。ハウジング10(詳細には、ハンドルハウジング15)は、「ハウジング」の一例である。開口160は、「開口」の一例である。第1接触部51は、「第1接触部」の一例である。第2接触部52は、「第2接触部」の一例である。外表面150は、「ハウジングの外表面」の一例である。凹部55は、「凹部」の一例である。グリップ部151は、「グリップ部」の一例である。
なお、上記実施形態は単なる例示であり、本開示に係る電動作業機は、例示されたベルトサンダ1に限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。また、これらの変更のうち少なくとも1つが、実施形態に例示されるベルトサンダ1、及び各請求項に記載された特徴の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
本開示に係る電動作業機は、電動モータの動力を用いて各種作業(例えば、被加工材の加工作業、農作業、ガーデニング等)を遂行可能な機械一般を指す。本開示は、モータの起動用のスイッチと、スイッチをオン・オフするスイッチ操作部材と、スイッチ操作部材をオン位置及びオフ位置で選択的に保持可能なロック部材を備えるいかなる電動作業機に適用されてもよい。
スイッチ操作部材やロック部材の構成、配置、支持態様、及び/又は動作態様は、上記実施形態で例示されたスイッチレバー33や第1ロックボタン4とは異なってもよい。また、第2スイッチ61やロックオフレバー63のような第2のスイッチ及び第2のスイッチ操作部材は、必ずしも採用される必要はない。
例えば、スイッチ操作部材やロック部材のロックオフ突起やロックオン突起の形状、数、及び/又は配置は、適宜選択されうる。ロック部材は、操作部がハウジングの開口から外部に露出するように、ハウジングとは別個の支持部材にハウジング内で支持されていてもよい。このような変形例では、第1接触部及び第2接触部は、ハウジングではなく、支持部材に設けられうる。
また、上記実施形態では、単一のロックオフ位置に対し、ロック解除位置及びロックオン位置は夫々2つ設定されている。よって、第1ロックボタン4は、ロックオフ位置から互いに反対の二方向(左方向と右方向)の何れに移動されても、ロック解除位置とロックオン位置に移動可能である。しかしながら、ロック部材には、ロックオフ位置、ロック解除位置及びロックオン位置は、何れも1つのみ設定されていてもよい。つまり、ロック部材は、ロックオフ位置からロック解除位置を経てロックオン位置まで、所定の一方向にのみ移動可能であってもよい。また、ロック部材は、直線状に移動可能なものに限られず、回動可能であってもよい。
本開示に係る第1接触部及び第2接触部の構成は、例示された第1接触部51(突出部)及び第2接触部52(ハンドルハウジング15の外表面150の一部)とは異なってもよい。例えば、第1接触部及び第2接触部は、夫々、ハウジング(例えば、グリップ部を含むハウジング)の外表面から突出する別個の突出部であってもよい。あるいは、第1接触部及び第2接触部は、1つの突出部の互いから離間した部分であってもよい。第1接触部及び第2接触部は、何れもハウジングの外表面一部であってもよい。また、ロック解除位置からロック位置への押圧操作を容易とするためには、凹部があることが好ましいが、凹部は省略されてもよい。
また、第1接触部、第2接触部、及び凹部は、ロック部材の操作部を外部に露出させる開口に隣接していれば足り、その配置は適宜設定されうる。図13~図15は、夫々、第1接触部51、第2接触部52、及び凹部55の配置の具体的な変形例を第2実施形態~第4実施形態として示す。これらの変形例によっても、上記実施形態の第1接触部51、第2接触部52、及び凹部55と同様の効果を得ることができる。
図13の第2実施形態では、グリップ部151の延在方向において、第1接触部51Aは、開口160に対してスイッチレバー33とは反対側に配置されている。第1接触部51Aは、上記実施形態の第1接触部51(図3参照)と同様、開口160の縁の一部に沿って設けられた円弧状の突出部である。また、第1接触部51Aと凹部55Aとは、開口160を挟んで対向している。第2接触部52Aは、第1接触部51と凹部55Aとに隣接する外表面150の一部である。
図14の第3実施形態では、第1接触部51Bは、開口160の上半分を取り巻くように配置されている。第1接触部51Bも、開口160の縁の一部に沿って設けられた円弧状の突出部である。また、第1接触部51Bと凹部55Bとは、開口160を挟んで対向している。第2接触部52Bは、第1接触部51Bと凹部55Bとに隣接する外表面150の一部である。
図15の第4実施形態では、グリップ部151の延在方向に直交する方向において、第1接触部51Cと凹部55Cとが、開口160を挟んで対向している。第1接触部51Cも、開口160の縁の一部に沿って設けられた円弧状の突出部である。第2接触部52Cは、第1接触部51Cと凹部55Cとに隣接する外表面150の一部である。
本発明及び上記実施形態の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち少なくとも1つが、実施形態及びその変形例の特徴、あるいは各請求項に記載された特徴の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記第1規制部と前記第2規制部とは、前記使用者の前記指が同時に接触できるように配置されている。
[態様2]
前記ロック部材は、前記使用者の前記指が前記開口の内部に挿入された状態で前記操作部が押圧されることで、前記ロックオン位置に到達するように構成されている。
[態様3]
前記ロック部材を前記ロックオフ位置へ向けて付勢するように構成された付勢部材を更に備え、
前記ロック部材は、初期状態では前記ロックオフ位置で保持されている。
[態様4]
前記スイッチ操作部材を前記オフ位置へ向けて付勢するように構成された付勢部材を更に備え、
前記スイッチ操作部材は、初期状態では前記オフ位置で保持されている。
[態様5]
前記スイッチ操作部材は、第1方向に移動可能であって、
前記ロック部材は、前記第1方向に交差する第2方向に移動可能である。
[態様6]
前記スイッチ操作部材は、前記第2方向に延びる軸周りに回動可能なレバーであって、
前記ロック部材は、前記第2方向に直線状に移動可能である。
[態様7]
前記電動作業機は、ベルトサンダであって、
前記モータの出力シャフトに動作可能に連結され、前記モータの駆動に応じて第1の軸周りに回転されるように構成された駆動ローラと、
前記第1の軸に平行な第2の軸周りに回転可能に支持された従動ローラと、
前記駆動ローラと前記従動ローラの間に架け渡された無端状のサンディングベルトとを更に備える。
[態様1]
前記第1規制部と前記第2規制部とは、前記使用者の前記指が同時に接触できるように配置されている。
[態様2]
前記ロック部材は、前記使用者の前記指が前記開口の内部に挿入された状態で前記操作部が押圧されることで、前記ロックオン位置に到達するように構成されている。
[態様3]
前記ロック部材を前記ロックオフ位置へ向けて付勢するように構成された付勢部材を更に備え、
前記ロック部材は、初期状態では前記ロックオフ位置で保持されている。
[態様4]
前記スイッチ操作部材を前記オフ位置へ向けて付勢するように構成された付勢部材を更に備え、
前記スイッチ操作部材は、初期状態では前記オフ位置で保持されている。
[態様5]
前記スイッチ操作部材は、第1方向に移動可能であって、
前記ロック部材は、前記第1方向に交差する第2方向に移動可能である。
[態様6]
前記スイッチ操作部材は、前記第2方向に延びる軸周りに回動可能なレバーであって、
前記ロック部材は、前記第2方向に直線状に移動可能である。
[態様7]
前記電動作業機は、ベルトサンダであって、
前記モータの出力シャフトに動作可能に連結され、前記モータの駆動に応じて第1の軸周りに回転されるように構成された駆動ローラと、
前記第1の軸に平行な第2の軸周りに回転可能に支持された従動ローラと、
前記駆動ローラと前記従動ローラの間に架け渡された無端状のサンディングベルトとを更に備える。
1:ベルトサンダ、10:ハウジング、11:本体ハウジング、111:支持枠、113:プレート、12:前半部分、120:バッテリ、121:バッテリ装着部、13:フロントハンドル、131:グリップ部、14:後半部分、15:ハンドルハウジング、150:外表面、151:グリップ部、153:上側連結部、155:下側連結部、16、16L、16R:側壁部、160、160L、160R:開口、161:リブ、21:モータ、23:動力伝達機構、25:駆動ローラ、26:従動ローラ、27:サンディングベルト、29:コントローラ、31:第1スイッチ、33:スイッチレバー、34:本体部、35:ロックオン突起、36:ロックオフ突起、38:付勢部材、4:第1ロックボタン、41:本体部、43:ロックオン突起、45:バネ保持部、47:ロックオフ突起、51、51A、51B、51C:第1接触部、52、52A、52B、52C:第2接触部、55、55A、55B、55C:凹部、61:第2スイッチ、63:ロックオフレバー、64:付勢部材、7:第2ロックボタン、71:操作部、75:係合部、211:出力シャフト、315:アクチュエータ、341:第1端部、342:第2端部、345:作動突起、410、410L、410R:端部、411:端面、415:凹部、451:凹部、453:付勢部材、615:アクチュエータ、631:第1端部、632:第2端部、633:開口、A1:軸、A2:軸、P:平面、
Claims (10)
- モータと、
前記モータの起動用のスイッチと、
使用者の手動操作に応じて、前記スイッチをオフ状態とするオフ位置と、前記スイッチをオン状態とするオン位置との間で移動可能なスイッチ操作部材と、
操作部を有するロック部材であって、前記操作部に対する前記使用者の押圧操作に応じて、前記スイッチ操作部材の前記オフ位置と前記オン位置との間の移動を許容するロック解除位置を経由して、前記スイッチ操作部材の前記オフ位置から前記オン位置への移動を規制可能なロックオフ位置から、前記スイッチ操作部材の前記オン位置から前記オフ位置への移動を規制可能なロックオン位置へ移動可能に支持されたロック部材と、
前記ロック部材の前記操作部を外部から押圧操作可能に露出させる開口を有するハウジングと、
前記使用者が指で触れられるように、前記開口に隣接して設けられた第1接触部と第2接触部とを備え、
前記ロック部材が前記ロックオフ位置にあるとき、前記操作部は、前記第1接触部と前記第2接触部とに接する仮想的な平面よりも外側へ突出しており、
前記ロック部材が前記ロックオン位置にあるとき、前記操作部は、前記平面よりも内側にあり、
前記ロック解除位置は、前記ロックオフ位置と前記ロックオン位置の間に設定されており、
前記第1接触部及び前記第2接触部は、前記使用者の前記指に接触することで、前記ロック部材が前記ロック解除位置から前記ロックオン位置に移動される押圧操作を規制するように構成されていることを特徴とする電動作業機。 - 請求項1に記載の電動作業機であって、
前記ロック部材は、前記操作部の少なくとも一部が前記平面よりも内側に配置されるのに応じて、前記ロック解除位置に配置されるように構成されていることを特徴とする電動作業機。 - 請求項1又は2に記載の電動作業機であって、
前記第1接触部及び前記第2接触部のうち少なくとも1つは、前記ハウジングの外表面から突出する突出部であることを特徴とする電動作業機。 - 請求項3に記載の電動作業機であって、
前記第1接触部は、前記突出部であり、
前記第2接触部は、前記ハウジングの前記外表面の一部であることを特徴とする電動作業機。 - 請求項4に記載の電動作業機であって、
前記第1接触部は、前記ハウジングと一体的に形成されていることを特徴とする電動作業機。 - 請求項5に記載の電動作業機であって、
前記ロック部材は、前記ハウジングによって支持されていることを特徴とする電動作業機。 - 請求項1~6の何れか1つに記載の電動作業機であって、
前記開口に隣接して設けられ、前記使用者が前記指の一部を配置可能な凹部を更に備えたことを特徴とする電動作業機。 - 請求項7に記載の電動作業機であって、
前記凹部は、前記ハウジングの外表面から凹んでおり、曲面によって規定されていることを特徴とする電動作業機。 - 請求項8に記載の電動作業機であって、
前記第1接触部の少なくとも一部と前記凹部とは、前記ロック部材の移動方向に直交する方向において、前記開口を挟んで対向していることを特徴とする電動作業機。 - 請求項1~9の何れか1つに記載の電動作業機であって、
前記ハウジングは、前記使用者によって把持されるように構成されたグリップ部を含み、
前記スイッチ操作部材および前記ロック部材は、前記使用者が前記グリップ部を把持した状態で、人差し指および親指で夫々操作可能な位置に配置されていることを特徴とする電動作業機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022162080A JP2024055283A (ja) | 2022-10-07 | 2022-10-07 | 電動作業機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2022162080A JP2024055283A (ja) | 2022-10-07 | 2022-10-07 | 電動作業機 |
Publications (1)
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ID=90716178
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2024055283A (ja) |
-
2022
- 2022-10-07 JP JP2022162080A patent/JP2024055283A/ja active Pending
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