JP2024055190A - ベイパーチャンバー装置および電子機器 - Google Patents

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JP2024055190A JP2022161909A JP2022161909A JP2024055190A JP 2024055190 A JP2024055190 A JP 2024055190A JP 2022161909 A JP2022161909 A JP 2022161909A JP 2022161909 A JP2022161909 A JP 2022161909A JP 2024055190 A JP2024055190 A JP 2024055190A
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利彦 武田
貴之 太田
和範 小田
誠 山木
崇之 寺内
崇 網江
直大 高橋
伸哉 木浦
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Abstract

【課題】デバイスをより一層冷却できるベイパーチャンバー装置を提供する。【解決手段】本開示によるベイパーチャンバー装置は、厚さ方向に互いに対向して配置された複数のベイパーチャンバーと、熱伝導部材と、を備えている。熱伝導部材は、互いに隣り合う2つのベイパーチャンバーのうちの一方のベイパーチャンバーの熱を他方のベイパーチャンバーに伝導する。【選択図】図2

Description

本開示は、ベイパーチャンバー装置および電子機器に関する。
モバイル端末等の電子機器には、発熱を伴う電子デバイスが用いられている。この電子デバイスの例としては、中央演算処理装置(CPU)、発光ダイオード(LED)およびパワー半導体等が挙げられる。モバイル端末の例としては、携帯端末およびタブレット端末等が挙げられる。
このような電子デバイスは、ヒートパイプ等の放熱装置によって冷却されている(例えば、特許文献1参照)。近年では、電子機器の薄型化のために、放熱装置の薄型化が求められている。放熱装置として、ヒートパイプより薄くできるベイパーチャンバーの開発が進められている。ベイパーチャンバーは、封入された作動流体が電子デバイスの熱を吸収して内部で拡散することにより、電子デバイスを冷却する。
より具体的には、ベイパーチャンバー内の作動液は、電子デバイスに近接した部分(蒸発部)で電子デバイスから熱を受ける。熱を受けた作動液は蒸発して、作動蒸気になる。その作動蒸気は、ベイパーチャンバー内に形成された蒸気流路部内で、蒸発部から離れる方向に拡散する。拡散した作動蒸気は冷却されて凝縮し、作動液になる。ベイパーチャンバー内には、毛細管構造(ウィック)としての液流路部が設けられている。作動液は、液流路部を流れて、蒸発部に向かって輸送される。そして、蒸発部に輸送された作動液は、再び蒸発部で熱を受けて蒸発する。このようにして、作動流体が、相変化、すなわち蒸発と凝縮とを繰り返しながらベイパーチャンバー内を還流し、電子デバイスの熱を拡散して放出している。このようにして、電子デバイスを冷却しているが、電子デバイスをより一層冷却することが求められている。
国際公開第2022/050337号公報
本開示は、デバイスをより一層冷却できるベイパーチャンバー装置および電子機器を提供することを目的とする。
[1]本開示は、
厚さ方向に互いに対向して配置された複数のベイパーチャンバーと、
2つの前記ベイパーチャンバーのうちの一方の前記ベイパーチャンバーの熱を他方の前記ベイパーチャンバーに伝導する熱伝導部材と、
を備えた、ベイパーチャンバー装置であってもよい。
[2]本開示は、
前記熱伝導部材は、隣り合う2つの前記ベイパーチャンバーの間に配置されている、
[1]に記載のベイパーチャンバー装置であってもよい。
[3]本開示は、
前記厚さ方向で見たときに、前記熱伝導部材は、冷却対象であるデバイスに重なる位置に配置されている、
[1]または[2]に記載のベイパーチャンバー装置であってもよい。
[4]本開示は、
互いに隣り合う2つの前記ベイパーチャンバーの間隔を保つスペーサを備えた、
[1]~[3]のいずれかに記載のベイパーチャンバー装置であってもよい。
[5]本開示は、
各々の前記ベイパーチャンバーを保持する装置保持部材を備えた、
[1]~[3]のいずれかに記載のベイパーチャンバー装置であってもよい。
[6]本開示は、
前記装置保持部材は、各々の前記ベイパーチャンバーの端部に接続された一対の側壁と、各々の前記側壁を接続した接続板と、を含む、
[5]に記載のベイパーチャンバー装置であってもよい。
[7]本開示は、
熱を輸送するヒートパイプと、
厚さ方向に互いに対向して配置された複数のベイパーチャンバーであって、前記ヒートパイプから熱を受けて放出する複数のベイパーチャンバーと、
を備えた、ベイパーチャンバー装置であってもよい。
[8]本開示は、
前記ヒートパイプは、前記ベイパーチャンバーの各々を貫通している、
[7]に記載のベイパーチャンバー装置であってもよい。
[9]本開示は、
前記ベイパーチャンバーは、ベイパーチャンバー本体と、熱放射層と、を含み、
前記ベイパーチャンバー本体は、前記厚さ方向における一方の側に位置する第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、を含み、
少なくとも1つの前記ベイパーチャンバーの前記ベイパーチャンバー本体に、前記熱放射層が設けられ、
前記熱放射層は、前記第1面および前記第2面のうちの少なくとも一方に設けられている、
前記熱放射層の熱放射率は、0.9以上である、
[1]~[8]のいずれかに記載のベイパーチャンバー装置であってもよい。
[10]本開示は、
前記熱放射層は、前記熱放射層が設けられている面の一部に設けられている、
[9]に記載のベイパーチャンバー装置であってもよい。
[11]本開示は、
前記ベイパーチャンバーは、ベイパーチャンバー本体と、放熱構造と、を含み、
前記ベイパーチャンバー本体は、前記厚さ方向における一方の側に位置する第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、を含み、
少なくとも1つの前記ベイパーチャンバーの前記ベイパーチャンバー本体に、前記放熱構造が設けられ、
前記放熱構造は、前記第1面および前記第2面のうちの少なくとも一方に設けられ、
前記放熱構造は、複数の放熱凸部を含む、
[1]~[8]のいずれかに記載のベイパーチャンバー装置であってもよい。
[12]本開示は、
前記放熱構造は、前記放熱構造が設けられている面の一部に設けられている、
[11]に記載のベイパーチャンバー装置であってもよい。
[13]本開示は、
ハウジングと、
前記ハウジング内に収容されたデバイスと、
前記デバイスに熱的に接触した、[1]から[12]のいずれかに記載のベイパーチャンバー装置と、
を備えた、電子機器であってもよい。
本開示によれば、デバイスをより一層冷却できる。
図1は、本開示の第1の実施の形態による電子機器を説明する模式斜視図である。 図2は、本開示の第1の実施の形態によるベイパーチャンバー装置を示す図である。 図3は、図1に示すベイパーチャンバーを示す平面図である。 図4は、図3のA-A線断面図である。 図5は、図4に示すウィックシートの第1本体面を示す平面図である。 図6は、図5に示すウィックシートの第2本体面を示す平面図である。 図7は、図4の部分拡大断面図である。 図8は、図5に示す液流路部の部分拡大平面図である。 図9は、図2に示すベイパーチャンバー装置の変形例を示す図である。 図10は、図2に示すベイパーチャンバー装置の他の変形例を示す図である。 図11は、図2に示すベイパーチャンバー装置の他の変形例を示す図である。 図12は、図2に示すベイパーチャンバー装置の他の変形例を示す図である。 図13は、本開示の第2の実施の形態によるベイパーチャンバー装置を示す図である。 図14は、図13に示すベイパーチャンバー装置の変形例を示す図である。 図15は、本開示の第3の実施の形態によるベイパーチャンバー装置を示す図である。 図16は、図15に示す放熱凸部の平面図である。 図17は、図15に示すベイパーチャンバー装置の変形例を示す図である。 図18は、本開示の第4の実施の形態によるベイパーチャンバー装置を示す斜視図である。 図19は、本開示の第5の実施の形態によるベイパーチャンバー装置を示す図である。 図20は、図19に示すベイパーチャンバー装置の平面図である。
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本明細書において用いる、幾何学的条件と、物理的特性と、幾何学的条件または物理的特性の程度を特定する用語と、幾何学的条件または物理的特性を示す数値等については、厳密な意味に縛られることなく解釈してもよい。そして、これらの幾何学的条件、物理的特性、用語、および数値などについては、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈してもよい。幾何学的条件を特定する用語の例としては、「長さ」、「角度」、「形状」、「平行」、「直交」および「同一」等が挙げられる。さらに、図面を明瞭にするために、同様の機能を期待し得る複数の部分の形状を、規則的に記載している。しかしながら、厳密な意味に縛られることなく、当該機能を期待できる範囲内で、当該部分の形状は互いに異なっていてもよい。図面においては、部材同士の接合面などを示す境界線を、便宜上、単なる直線で示しているが、厳密な直線であることに縛られることはなく、所望の接合性能を期待できる範囲内で、当該境界線の形状は任意である。
(第1の実施の形態)
図1~図8を用いて、本開示の第1の実施の形態によるベイパーチャンバー装置および電子機器について説明する。本実施の形態によるベイパーチャンバー装置100は、複数のベイパーチャンバー1を備えている。ベイパーチャンバー装置100は、発熱を伴う電子デバイスDとともに電子機器EのハウジングHに収容されており、電子デバイスDを冷却するための装置である。電子機器Eの例としては、携帯端末およびタブレット端末等のモバイル端末等が挙げられる。電子デバイスDの例としては、中央演算処理装置(CPU)、発光ダイオード(LED)およびパワー半導体等が挙げられる。電子デバイスDは、デバイスの一例であって、ベイパーチャンバー装置100の冷却対象であり、被冷却装置と称する場合もある。
ここではまず、本実施の形態によるベイパーチャンバー装置100が搭載される電子機器Eについて、タブレット端末を例にとって説明する。図1に示すように、電子機器Eは、ハウジングHと、ハウジングH内に収容された電子デバイスDと、ベイパーチャンバー装置100と、を備えていてもよい。図1に示す電子機器Eでは、ハウジングHの前面にタッチパネルディスプレイTDが設けられている。ベイパーチャンバー装置100は、ハウジングH内に収容されて、電子デバイスDに熱的に接触するように配置される。ベイパーチャンバー装置100は、電子機器Eの使用時に電子デバイスDで発生する熱を受ける。ベイパーチャンバー装置100が受けた熱は、各ベイパーチャンバー1に密封された後述する作動流体2a、2bを介してベイパーチャンバー1の外部に放出し、電子デバイスDは効果的に冷却される。電子機器Eがタブレット端末である場合、電子デバイスDは、中央演算処理装置等に相当する。電子デバイスDは、図2に示すように、基板Sに実装されている。
次に、本実施の形態によるベイパーチャンバー装置100について説明する。
図2に示すように、ベイパーチャンバー装置100は、複数のベイパーチャンバー1と、熱伝導部材110と、を備えている。ベイパーチャンバー1は、厚さ方向に互いに対向して配置されている。厚さ方向は、後述するZ方向に相当している。まず、ベイパーチャンバー1について詳細に説明する。
図3および図4に示すように、ベイパーチャンバー1は、作動流体2a、2b(図5参照)が封入された密封空間3を有している。密封空間3内の作動流体2a、2bが相変化を繰り返すことにより、上述した電子デバイスDが冷却される。作動流体2a、2bは、水を含んでいる。作動流体2a、2bの例としては、純水、およびその混合液が挙げられる。
本実施の形態によるベイパーチャンバー1は、ベイパーチャンバー本体5を備えている。ベイパーチャンバー本体5は、Z方向における一方の側に位置する第1面と、第1面とは反対側に位置する第2面と、を含んでいてもよい。ベイパーチャンバー本体5は、第1シート10、第2シート20およびウィックシート30を含んでおり、3層で構成されていてもよい。この場合、第1シート10が第1面をなしており、第1面は、後述する第1シート外面10aに対応する。第2シート20が第2面をなしており、第2面は、後述する第2シート外面20bに対応する。
より具体的には、本実施の形態によるベイパーチャンバー本体5は、第1シート10と、第2シート20と、ウィックシート30と、蒸気流路部50と、液流路部60と、を備えている。第2シート20は、ウィックシート30に対して第1シート10とは反対側に位置している。ウィックシート30は、本体シートの一例であり、第1シート10と第2シート20との間に位置している。本実施の形態によるベイパーチャンバー本体5は、第1シート10、ウィックシート30および第2シート20が、この順番で重ねられている。
図3に示すベイパーチャンバー1は、概略的に薄い平板状に形成されている。ベイパーチャンバー1の平面形状は任意であるが、図3に示すような矩形形状であってもよい。ベイパーチャンバー1の平面形状は、例えば、1辺が1cmで他の辺が3cmの長方形であってもよく、1辺が15cmの正方形であってもよい。ベイパーチャンバー1の平面寸法は任意である。本実施の形態では、ベイパーチャンバー1の平面形状が、後述するX方向を長手方向とする矩形形状である例について説明する。この場合、第1シート10、第2シート20およびウィックシート30は、ベイパーチャンバー1と同様の平面形状を有していてもよい。ベイパーチャンバー1の平面形状は、矩形形状に限られることはなく、円形形状、楕円形形状、L字形状またはT字形状等、任意の形状であってもよい。
図3に示すように、ベイパーチャンバー1は、作動液2bが蒸発する蒸発領域SRと、作動蒸気2aが凝縮する凝縮領域CRと、を有している。作動蒸気2aは、気体状態の作動流体であり、作動液2bは、液体状態の作動流体である。
蒸発領域SRは、平面視において電子デバイスDと重なる領域であり、電子デバイスDと接触する領域である。蒸発領域SRの位置は任意である。本実施の形態においては、ベイパーチャンバー1のX方向およびY方向における中央部に、電子デバイスDが配置されて蒸発領域SRが形成されている。蒸発領域SRに電子デバイスDからの熱が移動し、この熱によって作動液2bが蒸発して、作動蒸気2aが生成される。電子デバイスDからの熱は、平面視において電子デバイスDに重なる領域だけではなく、電子デバイスDが重なる領域の周辺にも移動し得る。このため、蒸発領域SRは、平面視において、電子デバイスDに重なっている領域とその周辺の領域とを含んでいてもよい。
凝縮領域CRは、平面視において電子デバイスDと重ならない領域であって、主として作動蒸気2aが熱を放出して凝縮する領域である。本実施の形態による凝縮領域CRは、主として、ベイパーチャンバー1のX方向における両端部(図3における左端部および右端部)に比較的近い位置に形成されていてもよい。これに加えて、凝縮領域CRは、図3において、蒸発領域SRよりも上側の位置、および蒸発領域SRよりも下側の位置に形成されていてもよい。凝縮領域CRは、蒸発領域SRの周囲の領域であってもよい。凝縮領域CRにおいて作動蒸気2aからの熱が放出される。作動蒸気2aは冷却されて凝縮し、作動液2bが生成される。
ここで平面視とは、ベイパーチャンバー1が電子デバイスDから熱を受ける面および受けた熱を放出する面に直交する方向から見た状態である。熱を受ける面とは、第1シート10の後述する第1シート外面10aに相当する。熱を放出する面とは、第2シート20の後述する第2シート外面20bに相当する。第1シート10が下側に位置するとともに第2シート20が上側に位置するようにベイパーチャンバー1を配置した場合に、図3に示すように、ベイパーチャンバー1を上側から見た状態、または下側から見た状態が、平面視に相当している。
図4に示すように、第1シート10は、ウィックシート30とは反対側に位置する第1シート外面10aと、ウィックシート30に対向する第1シート内面10bと、を含んでいる。第1シート外面10aは、第1面の一例である。第1シート外面10aに、上述した1つの電子デバイスDが接触してもよい。第1シート外面10aと電子デバイスDとの間に、TIM(Thermal Interface Material)シートが介在されていてもよい。第1シート内面10bに、ウィックシート30の後述する第1本体面30aが接している。第1シート10は、実質的に平坦状に形成されていてもよい。第1シート10は、実質的に一定の厚さを有していてもよい。
図4に示すように、第2シート20は、ウィックシート30に対向する第2シート内面20aと、ウィックシート30とは反対側に位置する第2シート外面20bと、を含んでいる。第2シート外面20bは、第2面の一例である。第2シート内面20aに、ウィックシート30の後述する第2本体面30bが接している。第2シート20は、実質的に平坦状に形成されていてもよい。第2シート20は、実質的に一定の厚さを有していてもよい。
次に、ウィックシート30について説明する。
図4に示すように、ウィックシート30は、第1本体面30aと、第1本体面30aとは反対側に位置する第2本体面30bと、を含んでいる。第1本体面30aに、第1シート10の第1シート内面10bが接している。第2本体面30bに、第2シート20の第2シート内面20aが接している。第1シート10の第1シート内面10bとウィックシート30の第1本体面30aとは、互いに恒久的に接合されていてもよい。同様に、第2シート20の第2シート内面20aとウィックシート30の第2本体面30bとは、互いに恒久的に接合されていてもよい。「恒久的に接合」という用語は、厳密な意味に縛られることはなく、ベイパーチャンバー1の動作時に、密封空間3の密封性を維持可能な程度に接合されていることを意味する用語として用いている。
ウィックシート30は、後述する蒸気流路部50を画定している。より具体的には、図4~図6に示すように、ウィックシート30は、枠体部32と、複数のランド部33と、を含んでいてもよい。
枠体部32は、平面視においてX方向およびY方向に沿って矩形枠形状に形成されている。ランド部33は、平面視において枠体部32の内側に位置している。ランド部33の周囲に、蒸気流路部50が位置している。枠体部32およびランド部33は、後述するエッチング工程においてエッチング処理されることなく、ウィックシート30の材料が残る部分である。枠体部32およびランド部33は、第1本体面30aおよび第2本体面30bを含んでおり、第1本体面30aから第2本体面30bに延びている。枠体部32と隣り合うランド部33との間に、作動蒸気2aが流れる後述の第1蒸気通路51が形成されている。互いに隣り合うランド部33の間に、作動蒸気2aが流れる後述の蒸気通路52が形成されている。
ランド部33は、平面視において、X方向を長手方向として細長状に延びていてもよい。ランド部33の平面形状は、細長の矩形形状になっていてもよい。各ランド部33は、互いに平行に位置していてもよい。ランド部33は、図5および図6に示すように枠体部32から離間していてもよく、または枠体部32に接続されていてもよい。X方向は、第1方向の一例であり、図5および図6における左右方向に相当する。Y方向は、第2方向の一例であり、平面視でX方向に直交する方向である。Y方向は、図5および図6における上下方向に相当する。X方向およびY方向に直交する方向をZ方向とする。Z方向は、図4における上下方向に相当しており、ベイパーチャンバー1の厚さ方向に相当している。
図7に示すように、ランド部33の幅w1は、例えば、100μm~1500μmであってもよい。ここで、ランド部33の幅w1は、ランド部33のY方向寸法である。幅w1は、第1本体面30aおよび第2本体面30bにおけるランド部33の寸法である。
枠体部32およびランド部33は、第1シート10に拡散接合されていてもよく、第2シート20に拡散接合されていてもよい。このことにより、ベイパーチャンバー1の機械的強度を向上させている。ウィックシート30の第1本体面30aおよび第2本体面30bは、枠体部32および各ランド部33にわたって、平坦状に形成されていてもよい。
次に、蒸気流路部50について説明する。
図4に示すように、蒸気流路部50は、作動流体2a、2bが封入された空間部の一例である。蒸気流路部50は、主として、作動蒸気2aが通る流路であってもよい。蒸気流路部50に、作動液2bも通ってもよい。
図4~図6に示すように、本実施の形態による蒸気流路部50は、第1蒸気通路51と、複数の第2蒸気通路52と、を含んでいてもよい。第1蒸気通路51および第2蒸気通路52はそれぞれ、空間通路の一例である。第1蒸気通路51は、互いに隣り合う枠体部32とランド部33との間に形成されている。第1蒸気通路51の平面形状は、X方向およびY方向に沿って矩形枠形状になっていてもよい。第2蒸気通路52は、互いに隣り合うランド部33の間に形成されている。第2蒸気通路52は、Y方向に並んでいてもよい。第2蒸気通路52の平面形状は、細長の矩形形状になっていてもよい。
図4に示すように、第1蒸気通路51および第2蒸気通路52はそれぞれ、第1本体面30aから第2本体面30bに延びていてもよく、ウィックシート30を貫通していてもよい。第1蒸気通路51および第2蒸気通路52はそれぞれ、第1本体面30aにおいて第1シート10で覆われていてもよく、第2本体面30bにおいて第2シート20で覆われていてもよい。
図4に示すように、蒸気通路51、52は、第1本体面30aに設けられた第1蒸気流路凹部53と、第2本体面30bに設けられた第2蒸気流路凹部54と、を含んでいてもよい。第1蒸気流路凹部53と第2蒸気流路凹部54とは接続されて連通している。
第1蒸気流路凹部53は、後述するエッチング工程において、ウィックシート30の第1本体面30aをエッチング処理することによって形成されていてもよい。第1蒸気流路凹部53は、第1本体面30aに凹状に形成されている。第1蒸気流路凹部53の壁面は、湾曲状に形成されていてもよい。図7に示すように、第1蒸気流路凹部53の幅w2は、例えば、100μm~5000μmであってもよい。幅w2は、Y方向寸法であって、第1本体面30aにおける第1蒸気流路凹部53の寸法である。
第2蒸気流路凹部54は、後述するエッチング工程において、ウィックシート30の第2本体面30bをエッチング処理することによって形成されていてもよい。第2蒸気流路凹部54は、第2本体面30bに凹状に形成されている。第2蒸気流路凹部54の壁面は、湾曲状に形成されていてもよい。図7に示すように、第2蒸気流路凹部54の幅w3は、上述した第1蒸気流路凹部53の幅w2と同様に、例えば、100μm~5000μmであってもよい。幅w3は、Y方向寸法であって、第2本体面30bにおける第2蒸気流路凹部54の寸法である。
図7に示すように、本実施の形態では、蒸気通路51、52の断面形状が、貫通部34を含むように形成されている。貫通部34は、蒸気流路凹部53、54の壁面が内側に張り出すように形成された稜線によって画定されている。貫通部34の先端位置は、第1本体面30aと第2本体面30bとの中間位置に位置していてもよい。あるいは、貫通部34の先端位置は、第2本体面30bよりも第1本体面30aに近い位置に位置していてもよく、または、第1本体面30aよりも第2本体面30bに近い位置に位置していてもよい。蒸気通路51、52の断面形状は、これに限られることはない。例えば、蒸気通路51、52の断面形状は、台形形状や平行四辺形形状であってもよく、あるいは樽形形状になっていてもよい。このように構成された蒸気通路51、52を含む蒸気流路部50は、上述した密封空間3の一部を構成している。各蒸気通路51、52は、作動蒸気2aが通るように比較的大きな流路断面積を有している。図7は、図面を明瞭にするために、第1蒸気通路51および第2蒸気通路52を拡大して示している。蒸気通路51、52の個数若しくは位置、および後述する主流溝61などの個数若しくは位置は、図4と図7とでは、便宜上、異なっている。
図示しないが、各蒸気通路51、52内に、ランド部33を枠体部32に支持する支持部が複数設けられていてもよい。互いに隣り合う2つのランド部33を支持する支持部が設けられていてもよい。支持部は、蒸気流路部50を拡散する作動蒸気2aの流れを妨げないように形成されていてもよい。
図3に示すように、ベイパーチャンバー1は、密封空間3に作動液2bを注入する注入部4を備えていてもよい。注入部4は、第1蒸気通路51に連通した注入流路36を含んでいる。注入部4の位置は任意である。図5および図6に示すように、注入流路36は、ウィックシート30の第1本体面30aに凹状に形成されていてもよい。あるいは、注入流路36は、第2本体面30bに凹状に形成されていてもよい。なお、後述する液流路部60と同様な液流路部が枠体部32に形成されている場合には、この液流路部に注入流路36が接続されて連通していてもよい。
次に、液流路部60について説明する。液流路部60は、溝流路部の一例である。液流路部60は、上述した第1蒸気通路51および第2蒸気通路52に連通している。
図4に示すように、液流路部60は、第2シート外面20bよりも第1シート外面10aに近い位置に位置していてもよい。液流路部60は、第1シート10とウィックシート30との間に形成されていてもよい。液流路部60は、ランド部33の第1本体面30aに形成されていてもよい。この場合、第1シート10は、液流路部60に対向していてもよい。液流路部60は、主として作動液2bが通る流路を含んでいてもよい。液流路部60の流路には、上述した作動蒸気2aが通ってもよい。液流路部60は、上述した密封空間3の一部を構成しており、第1蒸気通路51および第2蒸気通路52に連通している。液流路部60は、作動液2bを蒸発領域SRに輸送するための毛細管構造として構成されている。液流路部60は、ウィックと称する場合もある。図5等では図示していないが、枠体部32の第1本体面30aのうちの内側部分に、液流路部60と同様な液流路部が形成されていてもよい。図示しないが、ランド部33の第2本体面30bに液流路部が形成されていてもよく、枠体部32の第2本体面30bに液流路部が形成されていてもよい。
図8に示すように、液流路部60は、複数の主流溝61と、複数の連絡溝65と、を含んでいてもよい。主流溝61および連絡溝65は、作動液2bが通る流路である。連絡溝65は、主流溝61と接続されて連通している。
主流溝61および連絡溝65は、ランド部33の第1本体面30aに位置していてもよい。主流溝61および連絡溝65は、蒸気通路51、52に連通していてもよい。主流溝61および連絡溝65は、第1シート10の第1シート内面10bに覆われていてもよい。第1シート内面10bは、主流溝61および連絡溝65に対向していてもよい。
各主流溝61は、図8に示すように、X方向に延びている。主流溝61は、Y方向に並んでいる。主流溝61は、主として、作動液2bが毛細管作用によって流れるように小さな流路断面積を有している。主流溝61の流路断面積は、蒸気通路51、52の流路断面積よりも小さい。主流溝61は、作動蒸気2aから凝縮した作動液2bを蒸発領域SRに輸送するように構成されている。
主流溝61は、後述するエッチング工程において、ウィックシート30の第1本体面30aをエッチング処理することによって形成されていてもよい。図7および図8に示すように、主流溝61の幅w4は、第1蒸気流路凹部53の幅w2よりも小さくてもよい。幅w4は、例えば、5μm~400μmであってもよい。幅w4は、第1本体面30aにおける主流溝61の寸法を意味している。幅w4は、主流溝61のY方向寸法に相当している。主流溝61の深さd1は、例えば、3μm~300μmであってもよい。深さd1は、主流溝61のZ方向寸法に相当している。
図8に示すように、各連絡溝65は、X方向とは異なる方向に延びている。本実施の形態においては、各連絡溝65はY方向に延びており、主流溝61に垂直に形成されている。連絡溝65は、主として、作動液2bが毛細管作用によって流れるように、小さな流路断面積を有している。連絡溝65の流路断面積は、蒸気通路51、52の流路断面積よりも小さい。
連絡溝65は、主流溝61と同様に、後述するエッチング工程において、ウィックシート30の第1本体面30aをエッチング処理することによって形成されていてもよい。図8に示すように、連絡溝65の幅w5は、第1蒸気流路凹部53の幅w2よりも小さくてもよい。幅w5は、主流溝61の幅w4と等しくてもよく、または異なっていてもよい。幅w5は、第1本体面30aにおける連絡溝65の寸法を意味している。幅w5は、連絡溝65のX方向寸法に相当している。連絡溝65の深さは、主流溝61の深さd1と等しくてもよく、または異なっていてもよい。連絡溝65の深さは、連絡溝65のZ方向寸法に相当している。
図8に示すように、液流路部60は、ランド部33の第1本体面30aに位置する複数の凸部64を含んでいてもよい。凸部64は、主流溝61と連絡溝65によって画定されていてもよく、または、主流溝61と連絡溝65と蒸気通路51、52とによって画定されていてもよい。凸部64は、平面視において、X方向が長手方向となるように矩形形状に形成されていてもよく、丸みを帯びた矩形形状に形成されていてもよい。凸部64は、後述するエッチング工程においてエッチング処理されることなく、ウィックシート30の材料が残る部分である。凸部64は、第1シート10の第1シート内面10bに接合されていてもよい。凸部64は、千鳥状に位置していてもよい。より具体的には、Y方向において互いに隣り合う凸部64が、X方向において互いにずれていてもよい。このずれ量は、X方向における凸部64の配列ピッチの半分であってもよい。凸部64の幅は、主流溝61の幅w4と等しくてもよく、または異なっていてもよい。凸部64の幅は、第1本体面30aにおけるY方向寸法に相当している。
第1シート10、第2シート20およびウィックシート30を構成する材料は、ベイパーチャンバー1としての放熱性能を確保できる程度に熱伝導率が良好な材料であれば、特に限られることはない。例えば、各シート10、20、30は、金属材料で構成されていてもよい。例えば、各シート10、20、30は、銅または銅合金を含んでいてもよい。銅および銅合金は、良好な熱伝導率と、作動流体として純水を使用する場合の耐腐食性と、を有している。銅の例としては、純銅および無酸素銅(C1020)等が挙げられる。銅合金の例としては、錫を含む銅合金、チタンを含む銅合金(C1990等)、並びに、ニッケル、シリコンおよびマグネシウムを含む銅合金であるコルソン系銅合金(C7025等)などが挙げられる。錫を含む銅合金は、例えば、りん青銅(C5210等)である。第1シート10および第2シート20は、ウィックシート30と異なる材料を用いてもよい。
図4に示すベイパーチャンバー本体5の厚さt1は、例えば、100μm~500μmであってもよい。厚さt1を100μm以上にすることにより、蒸気通路51、52を適切に確保できる。このため、ベイパーチャンバー1は、適切に機能できる。一方、厚さt1を500μm以下にすることにより、厚さt1が厚くなることを抑制できる。このため、ベイパーチャンバー本体5を薄くできる。
ウィックシート30の厚さは、第1シート10の厚さよりも厚くてもよい。同様に、ウィックシート30の厚さは、第2シート20の厚さよりも厚くてもよい。本実施の形態においては、第1シート10の厚さと第2シート20の厚さが等しい例を示している。しかしながら、このことに限られることはなく、第1シート10の厚さと第2シート20の厚さは、異なっていてもよい。
第1シート10の厚さt2は、例えば、6μm~100μmであってもよい。第1シート10の厚さt2を6μm以上にすることにより、第1シート10の機械的強度および長期信頼性を確保できる。一方、第1シート10の厚さt2を100μm以下にすることにより、ベイパーチャンバー本体5の厚さt1が厚くなることを抑制できる。第2シート20の厚さt3は、第1シート10の厚さt2と等しくてもよく、または異なっていてもよい。
ウィックシート30の厚さt4は、例えば、50μm~400μmであってもよい。ウィックシート30の厚さt4を50μm以上にすることにより、蒸気流路部50を適切に確保できる。この場合、ベイパーチャンバー1は、適切に機能できる。一方、400μm以下にすることにより、ベイパーチャンバー本体5の厚さt1が厚くなることを抑制できる。このため、ベイパーチャンバー本体5を薄くできる。なお、ウィックシート30の厚さt4は、第1本体面30aと第2本体面30bとの距離である。
本実施の形態によるベイパーチャンバー装置100について、より具体的に説明する。ベイパーチャンバー装置100は、上述の構成を有する複数のベイパーチャンバー1と、熱伝導部材110と、を備えていてもよい。
図2に示すように、複数のベイパーチャンバー1は、Z方向に互いに対向しており、離間している。Z方向で見たときに、複数のベイパーチャンバー1は重なり合っている。ベイパーチャンバー装置100を構成するベイパーチャンバー1の個数は任意であるが、図2には、2つのベイパーチャンバー1と、熱伝導部材110で、ベイパーチャンバー装置100が構成されている。冷却対象である電子デバイスDに接触しているベイパーチャンバー1を第1ベイパーチャンバー1Aと称し、電子デバイスDに接触していないベイパーチャンバー1を第2ベイパーチャンバー1Bと称して、以下説明する。第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bとの間には熱伝導部材110が配置されているが、電子デバイスDは配置されていない。
第1ベイパーチャンバー1Aの第1シート外面10aに、電子デバイスDが熱的に接触していてもよい。電子デバイスDは、蒸発領域SRに位置している。第1シート外面10aと電子デバイスDとの間に、TIMシートが介在されていてもよい。第1ベイパーチャンバー1Aの第2シート外面20bに、第2ベイパーチャンバー1Bの第1シート外面10aが対向している。この場合、第1ベイパーチャンバー1Aの内部層構成の順番と第2ベイパーチャンバー1Bの内部層構成の順番は等しくなっている。第2ベイパーチャンバー1Bは、ハウジング部材Haに対向していてもよい。ハウジング部材Haは、ハウジングHを構成する部材である。
熱伝導部材110は、2つのベイパーチャンバー1A、1Bのうちの一方のベイパーチャンバーの熱を他方のベイパーチャンバーに伝導させるように構成されている。本実施の形態においては、熱伝導部材110は、第1ベイパーチャンバー1Aの熱を第2ベイパーチャンバー1Bに伝導させるように構成されている。熱伝導部材110は、隣り合う第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bとの間に配置されている。熱伝導部材110は、第1ベイパーチャンバー1Aの第2シート外面20bに接しているとともに、第2ベイパーチャンバー1Bの第1シート外面10aに接している。しかしながら、第1ベイパーチャンバー1Aの第2シート外面20bに、第2ベイパーチャンバー1Bの第2シート外面20bが対向していてもよい。この場合、熱伝導部材110は、第1ベイパーチャンバー1Aの第2シート外面20bに接しているとともに、第2ベイパーチャンバー1Bの第2シート外面20bに接していてもよい。
熱伝導部材110は、Z方向で見たときに、電子デバイスDに重なる位置に配置されていてもよい。電子デバイスDと同様に、本実施の形態による熱伝導部材110は、X方向およびY方向における中央部に配置されていてもよい。図2に示すように、Z方向で見たときに、熱伝導部材110の周囲には、空間層140が形成されていてもよい。より具体的には、熱伝導部材110の平面形状は、ベイパーチャンバー1A、1Bの平面形状よりも小さくてもよい。この場合、第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bとの間に、空間層140が形成されていてもよい。
このような構成により、電子デバイスDから受けた熱によって、第1ベイパーチャンバー1Aの蒸発領域SRにおける作動液2bが蒸発して作動蒸気2aが生成される。生成された作動蒸気2aは第1ベイパーチャンバー1A内で拡散する。熱伝導部材110は、第1ベイパーチャンバー1Aから熱を受けて第2ベイパーチャンバー1Bに移動させる。熱伝導部材110から受けた熱によって、第2ベイパーチャンバー1Bの蒸発領域SRにおける作動液2bが蒸発して作動蒸気2aが生成される。生成された作動蒸気2aは第2ベイパーチャンバー1B内で拡散する。
熱伝導部材110の厚さは、Z方向の寸法に相当する。図2に示すように、熱伝導部材110の厚さt6は、ベイパーチャンバー本体5の厚みt1(図4参照)と等しくてもよく、厚みt1よりも大きくてもよい。厚さt6は、例えば、100μm~10000μmであってもよく、500μm~5000μmであってもよい。厚さt6を100μm以上にすることにより、第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bとの間隔を確保することができる。このため、第1ベイパーチャンバー1Aおよび第2ベイパーチャンバー1Bの空間層140を確保でき、電子デバイスDをより一層冷却できる。厚さt6を10000μm以下にすることにより、第1ベイパーチャンバー1Aから第2ベイパーチャンバー1Bへの熱抵抗の増大を抑制できる。このため、第1ベイパーチャンバー1Aの熱を、第2ベイパーチャンバー1Bに効果的に移動でき、電子デバイスDをより一層冷却できる。ベイパーチャンバー装置100の薄型化を図ることもできる。
熱伝導部材110は、第1ベイパーチャンバー1Aから第2ベイパーチャンバー1Bへの熱伝導性能を確保できる程度に熱伝導率が良好な材料で構成されていれば、特に限られることはない。
例えば、熱伝導部材110は、金属板で構成されていてもよい。例えば、金属板の材料は、上述したベイパーチャンバー1A、1Bの各シート10、20、30と同様に、銅または銅合金であってもよい。例えば、金属板の材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であってもよい。熱伝導部材110が金属板で構成される場合、熱伝導部材110は、ロウ付け、はんだ付け、摩擦圧接、常温圧接、または拡散接合などで、第1ベイパーチャンバー1Aおよび第2ベイパーチャンバー1Bに接合されてもよい。
熱伝導部材110は、金属ペーストの硬化物で構成されていてもよい。金属ペーストの材料は、銅または銀を含んでいていてもよい。金属ペーストは、塗布時に流動性を有しているため、ベイパーチャンバー1A、1Bの表面の微小な凹凸に入り込むことができる。このため、熱伝導部材110とベイパーチャンバー1A、1Bとの間に、断熱として作用する空隙が介在されることを抑制でき、熱抵抗を低減できる。
熱伝導部材110は、半田材料で構成されていてもよい。半田材料は、加熱することにより溶融して流動性を有するため、金属ペーストと同様にして熱抵抗を低減できる。
熱伝導部材110は、上述したTIMシートで構成されていてもよい。この場合においても、ベイパーチャンバー1A、1Bの表面の微小な凹凸に入り込むことができる。このため、熱伝導部材110とベイパーチャンバー1A、1Bとの間に、断熱として作用する空隙が介在されることを抑制でき、熱抵抗を低減できる。また、第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bとを容易に接合でき、ベイパーチャンバー装置100の製造効率を向上できる。
次に、このような構成からなる本実施の形態によるベイパーチャンバー1の製造方法について説明する。
まず、準備工程として、第1シート10、第2シート20およびウィックシート30を準備する。準備工程は、ウィックシート30をエッチング処理により形成するエッチング工程を含んでいてもよい。エッチング工程において、ウィックシート30は、フォトリソグラフィー技術によるパターン状のレジスト膜(図示せず)を用いて、エッチング処理によって形成されてもよい。
仮止め工程として、第1シート10、ウィックシート30および第2シート20が仮止めされる。例えば、各シート10、20、30は、スポット溶接またはレーザ溶接で仮止めされてもよい。この際、各シート10、20、30に形成された図示しないアライメント孔を用いて、各シート10、20、30が位置合わせされてもよい。
次に、接合工程として、第1シート10と、ウィックシート30と、第2シート20とが、恒久的に接合される。各シート10、20、30は、拡散接合によって接合されてもよい。
接合工程の後、注入工程として、密封空間3が真空引きされるとともに、注入部4(図3参照)から密封空間3に作動液2bが注入される。
注入工程の後、封止工程として、上述した注入流路36が封止される。このことにより、密封空間3と外部との連通が遮断され、密封空間3が密封される。作動液2bが封入された密封空間3が得られ、密封空間3内の作動液2bが外部に漏洩することが防止される。
以上のようにして、本実施の形態によるベイパーチャンバー1が得られる。
次に、このような構成からなる本実施の形態のベイパーチャンバー装置100の製造方法について説明する。
まず、準備工程として、上述のようにして、第1ベイパーチャンバー1Aおよび第2ベイパーチャンバー1Bを準備する。
準備工程の後、組立工程として、第1ベイパーチャンバー1Aおよび第2ベイパーチャンバー1Bが、熱伝導部材110を介在させて組み立てられる。例えば、熱伝導部材110が金属板で構成される場合、第1ベイパーチャンバー1Aの第2シート外面20bと、第2ベイパーチャンバー1Bの第1シート外面10aとの間に、熱伝導部材110が介在される。その後、第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bと熱伝導部材110が、恒久的に接合される。第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bと熱伝導部材110は、拡散接合によって接合されてもよい。
このようにして、本実施の形態によるベイパーチャンバー装置100が得られる。
次に、ベイパーチャンバー装置100の動作方法、すなわち、電子デバイスDの冷却方法について説明する。
上述のようにして得られたベイパーチャンバー装置100は、モバイル端末等のハウジングH内に設置される。電子デバイスDが発熱すると、第1ベイパーチャンバー1Aの蒸発領域SRに存在する作動液2bが、電子デバイスDから熱を受ける。受けた熱は潜熱として吸収されて作動液2bが蒸発し、作動蒸気2aが生成される。生成された作動蒸気2aは、図5に示す実線矢印で示されているように、密封空間3を構成する第1蒸気通路51および第2蒸気通路52内で拡散する。
第1ベイパーチャンバー1Aの各蒸気通路51、52内の作動蒸気2aは、蒸発領域SRから離れ、比較的温度の低い凝縮領域CRに拡散する。凝縮領域CRにおいて、作動蒸気2aは、第1シート10および第2シート20に放熱して冷却される。第1シート10および第2シート20が作動蒸気2aから受けた熱は、第1ベイパーチャンバー1Aの周囲に放出される。作動蒸気2aの熱は、第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bとの間の空間層140にも放出される。
作動蒸気2aは、凝縮領域CRにおいて第1シート10および第2シート20に放熱することにより、蒸発領域SRにおいて吸収した潜熱を失う。このことにより、作動蒸気2aは凝縮し、作動液2bが生成される。一方、蒸発領域SRでは作動液2bが蒸発し続けている。このため、凝縮した作動液2bは、図5に示す破線矢印に示すように、主流溝61の毛細管作用により、蒸発領域SRに向かって輸送される。
蒸発領域SRに達した作動液2bは、電子デバイスDから再び熱を受けて蒸発する。そして、作動蒸気2aは、各蒸気通路51、52内で拡散する。このようにして、作動流体2a、2bが、相変化、すなわち蒸発と凝縮とを繰り返しながら密封空間3内を還流する。このことにより、図2の太矢印で示すように、電子デバイスDの熱は、第1ベイパーチャンバー1A内の作動蒸気2aの拡散によって凝縮領域CRに輸送されて、放出される。
第1ベイパーチャンバー1Aの熱は、熱伝導部材110を通って、第2ベイパーチャンバー1Bにも移動する。第2ベイパーチャンバー1Bの蒸発領域SRに存在する作動液2bは、熱伝導部材110から熱を受ける。受けた熱は、潜熱として吸収されて作動液2bが蒸発し、作動蒸気2aが生成される。生成された作動蒸気2aは、第1ベイパーチャンバー1Aと同様にして拡散し、凝縮領域CRにて放熱する。第2ベイパーチャンバー1Bの第1シート10および第2シート20が作動蒸気2aから受けた熱は、第2ベイパーチャンバー1Bの周囲に放出されるとともにハウジング部材Haに放出される。作動蒸気2aの熱は、第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bとの間の空間層140にも放出される。
第1ベイパーチャンバー1Aと同様にして、放熱した作動蒸気2aは凝縮して、作動液2bが生成される。作動液2bは、蒸発領域SRに向かって輸送され、熱伝導部材110から再び熱を受けて蒸発する。そして、作動蒸気2aは、各蒸気通路51、52内で拡散する。このようにして、第2ベイパーチャンバー1Bにおいても、作動流体2a、2bが、密封空間3内を環流する。このことにより、図2の太矢印で示すように、電子デバイスDの熱は、第2ベイパーチャンバー1B内の作動蒸気2aの拡散によって凝縮領域CRに輸送されて、放出される。
このようにして、本実施の形態によるベイパーチャンバー装置100が電子デバイスDの熱を放出して、電子デバイスDを冷却する。
このように本実施の形態によれば、Z方向に互いに対向して2つのベイパーチャンバー1A、1Bが配置されており、第1ベイパーチャンバー1Aの熱が、熱伝導部材110を通って第2ベイパーチャンバー1Bに移動する。このことにより、電子デバイスDの熱を、第1ベイパーチャンバー1Aだけでなく、第2ベイパーチャンバー1Bからも放出できる。このため、ベイパーチャンバー装置100の放熱面積を増大でき、ベイパーチャンバー装置100の放熱性能を向上できる。この結果、電子デバイスDをより一層冷却できる。
また、本実施の形態によれば、熱伝導部材110は、隣り合う第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bとの間に配置されている。このことにより、第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bとの間隔を確保でき、第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bとの間に空間層140を形成できる。このため、第1ベイパーチャンバー1Aおよび第2ベイパーチャンバー1Bの放熱面積を確保でき、電子デバイスDをより一層冷却できる。
また、本実施の形態によれば、Z方向で見たときに、熱伝導部材110は、冷却対象である電子デバイスDに重なる位置に配置されている。このことにより、電子デバイスDと第2ベイパーチャンバー1Bとの間の熱抵抗を低減できる。このため、第1ベイパーチャンバー1Aが電子デバイスDから受けた熱を、第2ベイパーチャンバー1Bに効果的に移動でき、電子デバイスDをより一層冷却できる。
上述した本実施の形態においては、ベイパーチャンバー装置100が、2つのベイパーチャンバー1A、1Bを備えている例について説明した。しかしながら、本開示はこのことに限られることはない。例えば、ベイパーチャンバー装置100は、3つ以上のベイパーチャンバー1を備えていてもよい。この場合、ベイパーチャンバー1と熱伝導部材110が交互に配置されてもよい。このことにより、各ベイパーチャンバー1から熱を放出することができ、ベイパーチャンバー装置100の放熱面積を増大できる。
上述した本実施の形態においては、図9に示すように、ベイパーチャンバー装置100が、スペーサ120を備えていてもよい。スペーサ120は、互いに隣り合う2つのベイパーチャンバー1A、1Bの間隔を保つように構成されている。スペーサ120は、2つのベイパーチャンバー1A、1Bを支持している。図9に示す例では、スペーサ120は、Z方向で見たときに、熱伝導部材110とは異なる位置に配置されている。ベイパーチャンバー1A、1BのうちのX方向における両端部に配置されている。図9に示す例によれば、第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bとの間隔を確保できる。このため、第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bとの間の空間層140を確保でき、電子デバイスDをより一層冷却できる。スペーサ120を構成する材料は、2つのベイパーチャンバー1A、1Bの間隔を確保できれば任意であるが、例えば、熱伝導部材110と同じ材料であってもよい。
上述した本実施の形態においては、電子デバイスDが、ベイパーチャンバー1のX方向およびY方向における中央部に配置されている例について説明した。しかしながら、本開示はこのことに限られることはない。電子デバイスDの位置は任意であり、例えば、図10に示すように、ベイパーチャンバー1のX方向における一方の端部に配置されていてもよい。この場合、熱伝導部材110は、Z方向で見たときに、電子デバイスDに重なる位置に配置されていてもよい。図10に示す例によれば、作動蒸気2aを、蒸発領域SRから遠くに拡散でき、電子デバイスDの熱を遠くに輸送できる。このため、電子デバイスDをより一層冷却できる。
上述した本実施の形態においては、第1ベイパーチャンバー1Aの第1シート外面10aに、ベイパーチャンバー装置100の冷却対象である1つの電子デバイスDが熱的に接触している例について説明した。しかしながら、本開示はこのことに限られることはない。例えば、図11に示すように、第1ベイパーチャンバー1Aの第1シート外面10aに、2つ以上の電子デバイスDが熱的に接触していてもよい。図11に示す例では、電子デバイスDは、ベイパーチャンバー1A、1BのうちのX方向における両端部に配置されている。ベイパーチャンバー装置100は、電子デバイスDと同じ個数の熱伝導部材110を備えていてもよい。各熱伝導部材110は、対応する電子デバイスDに、Z方向で見たときに重なる位置に配置されていてもよい。図11に示す例では、熱伝導部材110は、ベイパーチャンバー1A、1BのうちのX方向における両端部に配置されている。図11に示す例によれば、1つのベイパーチャンバー装置100で、2つの電子デバイスDを冷却でき、電子機器Eの製造コストを低減できる。
図12に示すように、2つの電子デバイスDが近づいて配置されている場合、1つの熱伝導部材110が、2つの電子デバイスDに重なる位置に配置されていてもよい。この場合、熱伝導部材110が、Z方向で見たときに、2つの電子デバイスDに重なることができる大きさを有していてもよい。図12に示す例によれば、ベイパーチャンバー装置100の製造効率を向上できる。
上述した本実施の形態においては、ベイパーチャンバー本体5は、第1シート10、第2シート20およびウィックシート30を含んでおり、3層で構成されている例について説明した。しかしながら、本開示はこのことに限られることはない。例えば、ベイパーチャンバー本体5は、2層で構成されていてもよい。この場合、蒸気通路51、52および液流路部60は、いずれか一方のシートに形成されていてもよく、両方のシートに跨がって形成されていてもよく、内部構成は任意である。蒸気通路51、52がいずれか一方のシートに形成される場合、液流路部60は、同じシートに形成されていてもよく、他方のシートに形成されていてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、液流路部60が、複数の主流溝61と、複数の連絡溝65と、を含んでいる例について説明した。しかしながら、本開示はこのことに限られることはない。例えば、液流路部60は、図示しないウィック部材で構成されていてもよい。ウィック部材は、毛細管作用を発揮する部材であれば、金属メッシュまたは多孔質焼結体により形成されていてもよい。ウィック部材が金属メッシュで形成される場合、銅線またはステンレス線を、平織、綾織、平畳織または綾畳織等の形状で金属メッシュを形成してもよい。
また、上述した本実施の形態においては、ウィックシート30が、1つのシートで構成されている例について説明した。しかしながら、本開示はこのことに限られることはない。例えば、ウィックシート30は、複数のシートで構成されていてもよい。この場合、蒸気通路51、52および液流路部60の構成は任意である。
(第2の実施の形態)
次に、図13および図14を用いて、本開示の第2の実施の形態によるベイパーチャンバー装置および電子機器について説明する。
図13および図14に示す第2の実施の形態においては、ベイパーチャンバーは、熱放射層を含んでいる点が主に異なる。他の構成は、図1~図12に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図13および図14において、図1~図12に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図13に示すように、本実施の形態によるベイパーチャンバー装置100を構成する各ベイパーチャンバー1A、1Bは、上述したベイパーチャンバー本体5と、熱放射層70と、をそれぞれ含んでいる。熱放射層70は、少なくとも1つのベイパーチャンバー1A、1Bのベイパーチャンバー本体5に設けられている。熱放射層70は、ベイパーチャンバー本体5の第1シート外面10aおよび第2シート外面20bのうちの少なくとも一方に設けられている。図13に示す例では、熱放射層70は、第1ベイパーチャンバー1Aのベイパーチャンバー本体5および第2ベイパーチャンバー1Bのベイパーチャンバー本体5のそれぞれに設けられている。各ベイパーチャンバー1A、1Bの第1シート外面10aおよび第2シート外面20bのそれぞれに、熱放射層70が設けられている。図13に示す例では、熱放射層70は、各ベイパーチャンバー1A、1Bの第1シート外面10aに部分的に形成されている。熱放射層70は、第1ベイパーチャンバー1Aの第2シート外面20bに部分的に形成され、第2ベイパーチャンバー1Bの第2シート外面20bの全体に形成されている。
熱放射層70の熱放射率は、0.9以上であってもよい。熱放射率は、放射率とも称され、物体からの熱放射の程度を、同温度の黒体からの熱放射を1とした場合の比率として表す指標である。熱放射率は、25℃で、2μm~22μmの波長域における放射率の測定値とする。熱放射率の測定装置には、ジャパンセンサー製のTSS-5Xが用いられる。
熱放射層70には、0.9以上の熱放射率を有することができれば、任意の材料が用いられてもよい。熱放射層70に用いる材料は、熱放射特性だけでなく、他の特性を加味して選定されてもよい。
例えば、熱放射層70に用いる材料は、上述した熱放射特性を有するとともに、熱伝導率が比較的大きい材料であってもよい。この場合の熱放射層70の例としては、グラファイトシート、グラフェンシートおよびTIM(Thermal Interface Material)シートが挙げられる。熱伝導率が比較的大きい材料で熱放射層70を形成する場合、ベイパーチャンバー1の熱輸送性能を向上できる。あるいは、熱放射層70に用いる材料は、上述した熱放射特性を有するとともに、熱伝導率が比較的小さい材料であってもよい。この場合の熱放射層70の例としては、黒体テープおよびカプトンテープが挙げられる。熱伝導率が比較的小さい材料で熱放射層70を形成する場合、ベイパーチャンバー本体5の均熱性能のバランスが、熱放射層70によって崩れることを抑制できる。黒体テープは、四フッ化エチレン(PTFE)で作製されていてもよい。カプトンテープは、ポリイミドで作製されていてもよい。
例えば、熱放射層70に用いる材料は、上述した熱放射特性を有するとともに、電気絶縁特性が強い材料であってもよい。この場合の熱放射層70の例としては、黒体テープ、カプトンテープおよびシリコンシートが挙げられる。電気絶縁特性が強い材料で熱放射層70を形成する場合、電子機器Eに搭載されたベイパーチャンバー1が、周辺の他の機器からの電気的な影響を受けることを抑制できるとともに、周辺の他の機器に電気的な影響を与えることを抑制できる。
例えば、熱放射層70に用いる材料は、上述した熱放射特性を有するとともに、磁性が強い材料であってもよい。この場合の材料の例としては、フェライト系のステンレス鋼、フェライト系のSUS430、マルテンサイト系のSUS410が挙げられる。これらの材料は、予めシート状に形成されていてもよい。磁性が強い材料で熱放射層70を形成する場合、磁石を用いることにより、電子機器E内でベイパーチャンバー1を磁力で固定できる。
例えば、熱放射層70に用いる材料は、上述した熱放射特性を有するとともに、比較的硬い材料であってもよい。この場合の熱放射層70の例としては、チタンおよびセラミックが挙げられる。これらの材料は、予めシート状に形成されていてもよい。比較的硬い材料で熱放射層70を形成する場合、外部からの力でベイパーチャンバー1が変形することを抑制できる。このため、上述した蒸気通路51、52および液流路部60が潰れることを抑制でき、熱輸送性能の低下を抑制できる。あるいは、熱放射層70に用いる材料は、上述した熱放射特性を有するとともに、比較的柔らかい材料であってもよい。この場合の熱放射層70の例としては、黒体テープおよびカプトンテープが挙げられる。これ以外に知られた放熱シートを熱放射層70に用いることもできる。比較的柔らかい材料で熱放射層70を形成する場合、熱放射層70をベイパーチャンバー本体5に取り付けた後であっても、ベイパーチャンバー1を容易に屈曲できる。ベイパーチャンバー本体5を屈曲させた後に熱放射層70をベイパーチャンバー本体5に容易に取り付けることもできる。
例えば、熱放射層70に用いる材料は、上述した熱放射特性を有するとともに、耐熱性を有していてもよい。この場合、熱放射層70は、ベイパーチャンバー本体5の第1シート外面10aおよび第2シート外面20bに塗料を塗布して形成されたコーティング層であってもよい。塗料は、揮発性の高い溶剤に樹脂材料を溶かしたラッカーであってもよい。塗料には、グラファイトの粉末若しくは粒子が含まれていてもよく、窒化アルミの粉末若しくは粒子が含まれていてもよく、フェライトの粉末若しくは粒子が含まれていてもよい。耐熱性を有する材料で熱放射層70を形成する場合、熱放射層70を容易に形成でき、ベイパーチャンバー1の製造コストの増大を抑制できる。
熱放射層70が、上述したテープで構成されている場合には、テープが有する粘着層で、熱放射層70がベイパーチャンバー本体5の第1シート外面10aおよび第2シート外面20bに貼り付けられてもよい。熱放射層70が、上述したシートで構成されている場合には、粘着剤を用いて、熱放射層70がベイパーチャンバー本体5の第1シート外面10aおよび第2シート外面20bに貼り付けられてもよい。熱放射層70が、上述した金属材料のシートで構成されている場合には、ロウ付け、はんだ付けまたは拡散接合などで、ベイパーチャンバー本体5の第1シート外面10aおよび第2シート外面20bに接合されてもよい。
熱放射層70は、熱放射層70が設けられている面の一部に設けられていてもよい。熱放射層70が設けられている面の他の一部には、熱放射層70は設けられていなくてもよい。より具体的には、熱放射層70が設けられている面に、熱放射層70が形成されていない非熱放射層領域71、73が設けられていてもよい。図13に示すように、各ベイパーチャンバー1A、1Bの第1シート外面10aに、熱放射層70が形成されていない第1非熱放射層領域71が設けられていてもよい。第1非熱放射層領域71から、第1シート外面10aが露出される。第1シート外面10aに設けられた熱放射層70は、第1シート外面10aを露出する第1開口部72を含んでおり、第1開口部72によって、第1非熱放射層領域71が画定されていてもよい。第1ベイパーチャンバー1Aの第1非熱放射層領域71は、電子デバイスDの平面形状を包含可能な大きさおよび形状を有していてもよい。このことにより、電子デバイスDを、第1非熱放射層領域71内に配置でき、電子デバイスDと第1シート10との間に熱放射層70が介在されることを防止できる。第2ベイパーチャンバー1Bの第1非熱放射層領域71は、熱伝導部材110の平面形状を包含可能な大きさおよび形状を有していてもよい。このことにより、熱伝導部材110を、第1非熱放射層領域71内に配置でき、熱伝導部材110と第1シート10との間に熱放射層70が介在されることを防止できる。
図13に示すように、第1ベイパーチャンバー1Aの第2シート外面20bに、熱放射層70が形成されていない第2非熱放射層領域73が設けられていてもよい。第2非熱放射層領域73から、第2シート外面20bが露出される。第2シート外面20bに設けられた熱放射層70は、第2シート外面20bを露出する第2開口部74を含んでおり、第2開口部74によって、第2非熱放射層領域73が画定されていてもよい。第1ベイパーチャンバー1Aの第2非熱放射層領域73は、熱伝導部材110の平面形状を包含可能な大きさおよび形状を有していてもよい。このことにより、熱伝導部材110を、第2非熱放射層領域73内に配置でき、熱伝導部材110と第2シート20との間に熱放射層70が介在されることを防止できる。
熱放射層70の熱放射率は、第1シート外面10aおよび第2シート外面20bのうち熱放射層70から露出されている部分の熱放射率よりも大きくてもよい。上述したように、本実施の形態においては、各ベイパーチャンバー1A、1Bの熱放射層70は第1シート外面10aに部分的に設けられており、第1シート外面10aの一部および側面6には、熱放射層70は設けられていない。第1ベイパーチャンバー1Aの熱放射層70は第2シート外面20bに部分的に設けられており、第2シート外面20bの一部には、熱放射層70は設けられていない。このため、熱放射層70の熱放射率は、第1シート外面10aの露出された部分または第2シート外面20bの露出された部分の熱放射率よりも大きくてもよく、側面6の熱放射率よりも大きくてもよい。この場合、熱放射層70の熱放射率は、0.9未満であってもよい。
熱放射層70の厚さt5は、例えば、10μm~200μmであってもよい。図13には、代表的に、第2ベイパーチャンバー1Bの第2シート外面20bに設けられた熱放射層70に、符号t5を示している。熱放射層70の厚さt5を10μm以上にすることにより、熱放射特性を向上できる。一方、熱放射層70の厚さt5を200μm以下にすることにより、ベイパーチャンバー1の全体の厚さが厚くなることを抑制できる。このため、ベイパーチャンバー1を薄くできる。
このように本実施の形態によれば、第1ベイパーチャンバー1Aおよび第2ベイパーチャンバー1Bのそれぞれに、熱放射層70が設けられている。熱放射層70は、熱放射率が0.9以上である熱放射層70を含んでいる。このことにより、作動蒸気2aから第1シート10および第2シート20に移動した熱を、熱放射層70から熱放射によって効率良く放出できる。このため、各ベイパーチャンバー1A、1Bの放熱性能を向上できる。この結果、電子デバイスDをより一層冷却できる。
また、本実施の形態によれば、熱放射層70は、各ベイパーチャンバー1A、1Bの第1シート外面10aおよび第2シート外面20bに設けられている。このことにより、各ベイパーチャンバー1A、1Bの放熱性能をより一層向上できる。このため、電子デバイスDをより一層冷却できる。
また、本実施の形態によれば、熱放射層70が、熱放射層70が設けられている第1シート外面10aの一部に設けられている。このことにより、電子デバイスDまたは熱伝導部材110が、熱放射層70を介在させて第1シート10に接続されることを防止できる。
上述した本実施の形態においては、熱放射層70は、第1ベイパーチャンバー1Aおよび第2ベイパーチャンバー1Bのそれぞれに設けられている例について説明した。しかしながら、本開示はこのことに限られることはない。例えば、熱放射層70は、第1ベイパーチャンバー1Aおよび第2ベイパーチャンバー1Bのうちの一方に設けられて他方に設けられていなくてもよい。
上述した本実施の形態においては、熱放射層70が、第1シート外面10aおよび第2シート外面20bのそれぞれに設けられている例について説明した。しかしながら、本開示はこのことに限られることはない。例えば、熱放射層70は、第1シート外面10aおよび第2シート外面20bのうちの一方に設けられて他方に設けられていなくてもよい。熱放射層70は、ベイパーチャンバー本体5の側面6に設けられていてもよい。
上述した本実施の形態においては、熱放射層70は、第2ベイパーチャンバー1Bの第2シート外面20bの全体に形成されている例について説明した。しかしながら、本開示はこのことに限られることはない。図14に示すように、熱放射層70は、第2ベイパーチャンバー1Bの第2シート外面20bに部分的に形成されていてもよい。より具体的には、第2ベイパーチャンバー1Bの第2シート外面20bに、熱放射層70が形成されていない第2非熱放射層領域73が設けられていてもよい。第2非熱放射層領域73から、第2シート外面20bが露出される。第2シート外面20bに設けられた熱放射層70は、第2シート外面20bを露出する第2開口部74を含んでおり、第2開口部74によって、第2非熱放射層領域73が画定されていてもよい。第2ベイパーチャンバー1Bの第2非熱放射層領域73内に、ID等の情報を表示する光学的識別部が位置していてもよい。このことにより、第2ベイパーチャンバー1Bの第2シート外面20bに設けられた光学的識別部を、外部から容易に視認できる。
(第3の実施の形態)
次に、図15~図17を用いて、本開示の第3の実施の形態によるベイパーチャンバー装置および電子機器について説明する。
図15~図17に示す第3の実施の形態においては、ベイパーチャンバーは、放熱構造としての複数の放熱凸部を含んでいる点が主に異なる。他の構成は、図1~図12に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図15~図17において、図1~図12に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図15に示すように、本実施の形態によるベイパーチャンバー装置100を構成する各ベイパーチャンバー1A、1Bは、上述したベイパーチャンバー本体5と、放熱構造80と、をそれぞれ含んでいる。放熱構造80は、少なくとも1つのベイパーチャンバー1A、1Bのベイパーチャンバー本体5に設けられている。放熱構造80は、ベイパーチャンバー本体5の第1シート外面10aおよび第2シート外面20bのうちの少なくとも一方に設けられている。図15に示す例では、放熱構造80は、第1ベイパーチャンバー1Aのベイパーチャンバー本体5および第2ベイパーチャンバー1Bのベイパーチャンバー本体5のそれぞれに設けられている。各ベイパーチャンバー1A、1Bの第1シート外面10aおよび第2シート外面20bのそれぞれに、放熱構造80が設けられている。図15に示す例では、放熱構造80は、各ベイパーチャンバー1A、1Bの第1シート外面10aに部分的に形成されている。放熱構造80は、第1ベイパーチャンバー1Aの第2シート外面20bに部分的に形成され、第2ベイパーチャンバー1Bの第2シート外面20bの全体に形成されている。
図15に示すように、本実施の形態による放熱構造80、複数の放熱凸部81を含んでいてもよい。放熱凸部81は、第1シート外面10aおよび第2シート外面20bのそれぞれに形成されている。放熱凸部81の横断面で見たときに、放熱凸部81は、矩形形状で形成されていてもよい。放熱凸部81は、第1シート10および第2シート20とは別体に作製されて、第1シート外面10aおよび第2シート外面20bのそれぞれに接合されていてもよい。例えば、放熱凸部81は、ロウ付け、はんだ付け、摩擦圧接、常温圧接、または拡散接合などで、第1シート外面10aおよび第2シート外面20bのそれぞれに接合されていてもよい。あるいは、放熱凸部81は、第1シート10と一体に作製されていてもよく、第2シート20と一体に作製されていてもよい。この場合、例えば、エッチング処理することによって、第1シート10と一体に放熱凸部81を形成できるとともに、第2シート20と一体に放熱凸部81を形成できる。
放熱凸部81を構成する材料は、ベイパーチャンバー1としての放熱性能を確保できる程度に熱伝導率が良好な材料であれば、特に限られることはない。例えば、放熱凸部81は、金属材料で構成されていてもよい。例えば、放熱凸部81の金属材料は、銅、銅合金、ニッケルまたはステンレスを含んでいてもよい。放熱凸部81の金属材料がニッケルまたはステンレスを含んでいる場合には、放熱凸部81の機械的強度を向上でき、放熱凸部81が潰れることを抑制できる。
放熱凸部81の幅は、例えば、50μm~5000μmであってもよい。放熱凸部81の厚さは、例えば、50μm~30000μmであってもよい。
図15および図16に示すように、平面視で、放熱凸部81は、Y方向を長手方向として細長状に延びていてもよい。この場合、Y方向に沿って整流された気流が形成され、第1シート10および第2シート20からの放熱効率を向上できる。放熱凸部81の横断面は、放熱凸部81の長手方向に直交する断面であってもよい。
図15および図16に示すように、放熱凸部81は、X方向に並んでいてもよい。放熱凸部81は、等間隔で並んでいてもよい。
放熱構造80は、放熱構造80が設けられている面の一部に設けられていてもよい。放熱構造80が設けられている面の他の一部には、放熱構造80は設けられていなくてもよい。より具体的には、放熱構造80が設けられている面に、放熱構造80が形成されていない非凹凸領域82、83が設けられていてもよい。図15に示すように、各ベイパーチャンバー1A、1Bの第1シート外面10aに、放熱構造80が形成されていない第1非凹凸領域82が設けられていてもよい。第1非凹凸領域82から、第1シート外面10aが露出される。第1ベイパーチャンバー1Aの第1非凹凸領域82は、電子デバイスDの平面形状を包含可能な大きさおよび形状を有していてもよい。このことにより、電子デバイスDを、第1非凹凸領域82内に配置でき、電子デバイスDと第1シート10との間に放熱凸部81が介在されることを防止できる。第2ベイパーチャンバー1Bの第1非凹凸領域82は、熱伝導部材110の平面形状を包含可能な大きさおよび形状を有していてもよい。このことにより、熱伝導部材110を、第1非凹凸領域82内に配置でき、熱伝導部材110と第1シート10との間に放熱凸部81が介在されることを防止できる。
図15に示すように、第1ベイパーチャンバー1Aの第2シート外面20bに、放熱構造80が形成されていない第2非凹凸領域83が設けられていてもよい。第2非凹凸領域83から、第2シート外面20bが露出される。第1ベイパーチャンバー1Aの第2非凹凸領域83は、熱伝導部材110の平面形状を包含可能な大きさおよび形状を有していてもよい。このことにより、熱伝導部材110を、第2非凹凸領域83内に配置でき、熱伝導部材110と第2シート20との間に放熱凸部81が介在されることを防止できる。
このように本実施の形態によれば、第1ベイパーチャンバー1Aおよび第2ベイパーチャンバー1Bのそれぞれに、放熱構造80が設けられている。放熱構造80は、複数の放熱凸部81を含んでいる。このことにより、各ベイパーチャンバー1A、1Bの放熱面積を増大できる。このため、作動蒸気2aから第1シート10および第2シート20に移動した熱を、放熱構造80から熱伝達によってベイパーチャンバー1A、1Bの周囲に効率良く放出できる。また、第2ベイパーチャンバー1Bにおいて作動蒸気2aから第2シート20に移動した熱を、放熱構造80から熱放射によって第2ベイパーチャンバー1Bの近傍に位置するハウジング部材Ha(図2参照)に放出できる。このため、各ベイパーチャンバー1A、1Bの放熱性能を向上できる。この結果、電子デバイスDをより一層冷却できる。
また、本実施の形態によれば、放熱構造80は、放熱構造80が設けられている第1シート外面10aの一部に設けられている。このことにより、電子デバイスDまたは熱伝導部材110が、放熱凸部81を介在させて第1シート10に接続されることを防止できる。
上述した本実施の形態においては、放熱凸部81は、平面視で、Y方向を長手方向として細長状に延びている例について説明した。しかしながら、本開示はこのことに限られることはない。放熱凸部81は、平面視で、X方向を長手方向として細長状に延びていてもよい。あるいは、放熱凸部81は、細長状に延びていなくてもよく、矩形状または円形形状などでもよく、任意である。
上述した本実施の形態においては、複数の放熱凸部81を含む放熱構造80は、第1ベイパーチャンバー1Aおよび第2ベイパーチャンバー1Bのそれぞれに設けられている例について説明した。しかしながら、本開示はこのことに限られることはない。例えば、放熱構造80は、第1ベイパーチャンバー1Aおよび第2ベイパーチャンバー1Bのうちの一方に設けられて他方に設けられていなくてもよい。
上述した本実施の形態においては、複数の放熱凸部81を含む放熱構造80が、第1シート外面10aおよび第2シート外面20bのそれぞれに設けられている例について説明した。しかしながら、本開示はこのことに限られることはない。例えば、放熱構造80は、第1シート外面10aおよび第2シート外面20bのうちの一方に設けられて他方に設けられていなくてもよい。放熱構造80は、ベイパーチャンバー本体5の側面6に設けられていてもよい。
上述した本実施の形態においては、図17に示すように、第2ベイパーチャンバー1Bの第2シート外面20bに、放熱構造80が形成されていない第2非凹凸領域83が設けられていてもよい。第2非凹凸領域83から、第2シート外面20bが露出される。第2ベイパーチャンバー1Bの第2非凹凸領域83内に、ID等の情報を表示する光学的識別部が位置していてもよい。このことにより、第2ベイパーチャンバー1Bの第2シート外面20bに設けられた光学的識別部を、外部から容易に視認できる。
(第4の実施の形態)
次に、図18を用いて、本開示の第4の実施の形態によるベイパーチャンバー装置および電子機器について説明する。
図18に示す第4の実施の形態においては、複数のベイパーチャンバーを保持する装置保持部材を備えた点が主に異なる。他の構成は、図1~図12に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図18において、図1~図12に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図18に示すように、本実施の形態によるベイパーチャンバー装置100は、複数のベイパーチャンバー1を保持する装置保持部材90を備えている。
図18には、ベイパーチャンバー装置100は、3つのベイパーチャンバー1と、2つの熱伝導部材110で構成されている例が示されている。以下の説明では、冷却対象である電子デバイスDに熱的に接触しているベイパーチャンバー1を第1ベイパーチャンバー1Aと称して行う。第1ベイパーチャンバー1Aに対向するベイパーチャンバー1を第2ベイパーチャンバー1Bと称し、第2ベイパーチャンバー1Bに対向するベイパーチャンバー1を第3ベイパーチャンバー1Cと称する。第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bとの間に配置された熱伝導部材110を熱伝導部材110Aと称し、第2ベイパーチャンバー1Bと第3ベイパーチャンバー1Cとの間に配置された熱伝導部材110を熱伝導部材110Bと称する。第2ベイパーチャンバー1Bおよび第3ベイパーチャンバー1Cに、電子デバイスDは接触していない。
Z方向で見たときに、3つのベイパーチャンバー1A~1Cは、重なり合っている。第1ベイパーチャンバー1Aの第1シート外面10aに、電子デバイスDが熱的に接触している。第1ベイパーチャンバー1Aの第2シート外面20bに、第2ベイパーチャンバー1Bの第1シート外面10aが対向し、第2ベイパーチャンバー1Bの第2シート外面20bに、第3ベイパーチャンバー1Cの第1シート外面10aが対向している。第1ベイパーチャンバー1A、第2ベイパーチャンバー1Bおよび第3ベイパーチャンバー1Cが、この順番で重ね合わされている。ベイパーチャンバー装置100を構成するベイパーチャンバー1の個数は、3つであることに限られることはなく、任意である。
熱伝導部材110Aは、第1ベイパーチャンバー1Aの熱を第2ベイパーチャンバー1Bに移動させる。この熱伝導部材110Aは、第1ベイパーチャンバー1Aの第2シート外面20bに接しているとともに、第2ベイパーチャンバー1Bの第1シート外面10aに接している。第1ベイパーチャンバー1Aと第2ベイパーチャンバー1Bとの間には熱伝導部材110Aが配置されているが、電子デバイスDは配置されていない。熱伝導部材110Bは、第2ベイパーチャンバー1Bの熱を第3ベイパーチャンバー1Cに移動させる。この熱伝導部材110Bは、第2ベイパーチャンバー1Bの第2シート外面20bに接しているとともに、第3ベイパーチャンバー1Cの第1シート外面10aに接している。第2ベイパーチャンバー1Bと第3ベイパーチャンバー1Cとの間には熱伝導部材110Bが配置されているが、電子デバイスDは配置されていない。各々の熱伝導部材110A、110Bは、Z方向で見たときに、電子デバイスDに重なる位置に配置されていてもよい。Z方向で見たときに、熱伝導部材110Aの周囲および熱伝導部材110Bの周囲には、空間層140が形成されている。
装置保持部材90は、各々のベイパーチャンバー1A~1Cの端部に接続された一対の側壁91と、各々の側壁91を接続した接続板92と、を含んでいてもよい。ベイパーチャンバー1A~1CのX方向における一対の端部が、対応する側壁91に接続されていてもよい。一対の側壁91と接続板92とにより、ベイパーチャンバー1A~1Cを収容する収容空間94が画定されていてもよく、装置保持部材90は、筐体として構成されていてもよい。収容空間94に収容された各々のベイパーチャンバー1A~1Cは、一対の側壁91によって保持されてもよい。
側壁91は、ベイパーチャンバー1A~1Cの端部が挿入された側壁凹部95を含んでいてもよい。側壁凹部95に挿入される端部は、ベイパーチャンバー1A~1CのX方向における端部であってもよい。各々のベイパーチャンバー1A~1Cの端部は、対応する側壁凹部95に挿入されて、保持されている。このようにして、ベイパーチャンバー1A~1Cの端部が、対応する側壁91に接続されている。ベイパーチャンバー1A~1Cは、側壁凹部95から抜き出し可能になっていてもよい。ベイパーチャンバー1A~1Cの端部と側壁91との間に、金属ペーストが介在されていてもよい。この場合、ベイパーチャンバー1A~1Cの端部と側壁91との間に、断熱として作用する空隙が介在されることを抑制でき、熱抵抗を低減できる。
接続板92は、電子デバイスDから最も遠い位置に配置されている第3ベイパーチャンバー1Cに対向している。接続板92は、第3ベイパーチャンバー1Cと離間している。接続板92は、Z方向で見たときに、第3ベイパーチャンバー1Cに重なっている。接続板92は、第3ベイパーチャンバー1Cの第2シート外面20bに対向する第1接続板面92aと、第1接続板面92aとは反対側に位置する第2接続板面92bと、を含んでいる。
装置保持部材90を構成する材料は、ベイパーチャンバー1A~1Cを保持することができる程度に機械的強度を有する材料であれば、特に限られることはない。装置保持部材90は、熱伝導率が良好な材料であってもよい。例えば、装置保持部材90は、金属材料で構成されていてもよい。例えば、装置保持部材90の材料は、上述したベイパーチャンバー1の各シート10、20、30と同様に、銅または銅合金を含んでいてもよい。このことにより、装置保持部材90の機械的強度を確保できるとともに装置保持部材90の熱伝導率を高めることができ、装置保持部材90の放熱効率を向上できる。例えば、装置保持部材90の材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であってもよい。このことにより、装置保持部材90の機械的強度を確保できるとともに装置保持部材90の熱伝導率を高めることができ、装置保持部材90の放熱効率を向上できる。装置保持部材90の材料が、アルミニウムまたはアルミニウム合金である場合、装置保持部材90は、アルマイト処理されていてもよい。このことにより、装置保持部材90の熱放射率を高めることができ、装置保持部材90の放熱効率を向上できる。
装置保持部材90の接続板92の第2接続板面92bに、ID等の情報を表示する光学的識別部が位置していてもよい。このことにより、光学的識別部を外部から容易に視認できる。
このような構成により、電子デバイスDから受けた熱によって、第1ベイパーチャンバー1Aの蒸発領域SRにおける作動液2bが蒸発して作動蒸気2aが生成される。生成された作動蒸気2aは第1ベイパーチャンバー1A内で拡散する。このことにより、図18の太矢印で示すように、電子デバイスDの熱は、第1ベイパーチャンバー1A内の作動蒸気2aの拡散によって凝縮領域CRに輸送される。
熱伝導部材110Aは、第1ベイパーチャンバー1Aから熱を受けて第2ベイパーチャンバー1Bに移動させる。熱伝導部材110Aから受けた熱によって、第2ベイパーチャンバー1Bの蒸発領域SRにおける作動液2bが蒸発して作動蒸気2aが生成される。生成された作動蒸気2aは第2ベイパーチャンバー1B内で拡散する。このことにより、図18の太矢印で示すように、電子デバイスDの熱は、第2ベイパーチャンバー1B内の作動蒸気2aの拡散によって凝縮領域CRに輸送される。
熱伝導部材110Bは、第2ベイパーチャンバー1Bから熱を受けて第3ベイパーチャンバー1Cに移動させる。熱伝導部材110Bから受けた熱によって、第3ベイパーチャンバー1Cの蒸発領域SRにおける作動液2bが蒸発して作動蒸気2aが生成される。生成された作動蒸気2aは第3ベイパーチャンバー1C内で拡散する。このことにより、図18の太矢印で示すように、電子デバイスDの熱は、第3ベイパーチャンバー1C内の作動蒸気2aの拡散によって凝縮領域CRに輸送される。
各々のベイパーチャンバー1A~1Cの端部は、上述した凝縮領域CRに位置している。凝縮領域CRに輸送された熱は、空間層140を含むベイパーチャンバー1A~1Cの周囲に放出されるとともに、ベイパーチャンバー1A~1Cの端部から、装置保持部材90の側壁91に熱が移動する。側壁91に移動した熱は、側壁91および接続板92に拡散され、装置保持部材90の周囲に放出される。装置保持部材90は、ベイパーチャンバー装置100の放熱面積を増大させるように機能する。
このようにして、本実施の形態によるベイパーチャンバー装置100が電子デバイスDの熱を放出して、電子デバイスDを冷却する。
このように本実施の形態によれば、各々のベイパーチャンバー1A~1Cが装置保持部材90に保持される。このことにより、各々のベイパーチャンバー1A~1Cを保持できる。この場合、各々のベイパーチャンバー1A~1Cを、間隔を空けて保持でき、各々のベイパーチャンバー1A~1Cの放熱面積を確保できる。このため、ベイパーチャンバー装置100の放熱性能を向上でき、電子デバイスDをより一層冷却できる。
また、本実施の形態によれば、装置保持部材90が放熱性を有している場合には、熱を放出できる。より具体的には、各々のベイパーチャンバー1A~1Cにおいて作動蒸気2aから第1シート10および第2シート20に移動した熱を、装置保持部材90から放出できる。このため、ベイパーチャンバー装置100の放熱面積を増大でき、ベイパーチャンバー装置100の放熱性能を向上できる。この結果、電子デバイスDをより一層冷却できる。
また、本実施の形態によれば、装置保持部材90は、各々のベイパーチャンバー1A~1Cの端部に接続された一対の側壁91と、各々の側壁91を接続した接続板92と、を含んでいる。このことにより、各々のベイパーチャンバー1A~1Cの端部から対応する側壁91に熱は移動できる。側壁91に移動した熱は、接続板92に移動できる。このため、各々のベイパーチャンバー1A~1Cの放熱効率を向上でき、ベイパーチャンバー装置100の放熱性能を向上できる。
上述した本実施の形態においては、各ベイパーチャンバー1A~1Cの少なくとも1つに、図13等に示す熱放射層70、または図15等に示す放熱構造80が設けられていてもよい。
(第5の実施の形態)
次に、図19および図20を用いて、本開示の第5の実施の形態によるベイパーチャンバー装置および電子機器について説明する。
図19および図20に示す第5の実施の形態においては、複数のベイパーチャンバーが、ヒートパイプから熱を受けて放出する点が主に異なる。他の構成は、図1~図12に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図19および図20において、図1~図121に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図19に示すように、本実施の形態によるベイパーチャンバー装置100は、ヒートパイプ130と、複数のベイパーチャンバー1と、を備えている。本実施の形態によるベイパーチャンバー装置100は、熱伝導部材110を備えていなくてもよい。
図19には、ベイパーチャンバー装置100が、ヒートパイプ130と、5つのベイパーチャンバー1で構成されている例が示されている。しかしながら、本実施の形態によるベイパーチャンバー装置100を構成するベイパーチャンバー1の個数は、5つに限られることはなく、任意である。
ヒートパイプ130は、冷却対象である電子デバイスDに熱的に接触している。ヒートパイプ130は、電子デバイスDから熱を受けて、熱を輸送するように構成されている。ヒートパイプ130は、ベイパーチャンバー1と同様に、封入された作動流体が電子デバイスDの熱を吸収して内部で拡散することにより、電子デバイスDを冷却する。より具体的には、電子デバイスDからの熱を受けて作動液が蒸発して作動蒸気となって、ヒートパイプ130内で拡散する。ヒートパイプ130内には、毛細管構造(ウィック)が形成されており、電子デバイスDから遠い領域で凝縮した作動液が毛細管作用で移動して、電子デバイスDから熱を受ける。このようにして、作動流体がヒートパイプ130内を環流し、電子デバイスDの熱を拡散して放出している。
ヒートパイプ130は、円筒状に形成されていてもよい。ヒートパイプ130は、電子デバイスDに熱的に接触している蒸発部131と、ベイパーチャンバー1に熱的に接触している放熱部132と、を含んでいてもよい。蒸発部131は、X方向に延びており、ベイパーチャンバー1に対向するように形成されていてもよい。放熱部132は、X方向において蒸発部131の両側に位置しており、ベイパーチャンバー1を貫通している。放熱部132は、Z方向に延びるように形成されていてもよい。各放熱部132と蒸発部131は、屈曲部133を介在させて接続されていてもよい。このようなヒートパイプ130は、全体としてU字状に形成されていてもよい。
本実施の形態によるベイパーチャンバー1は、ヒートパイプ130に熱的に接触されており、ヒートパイプ130から熱を受けて放出するように構成されている。各ベイパーチャンバー1は、ヒートパイプ130を通って電子デバイスDから熱を受ける。本実施の形態においては、電子デバイスDは、ベイパーチャンバー1に直接的には接触していない。
ベイパーチャンバー1にヒートパイプ130が貫通していてもよい。Z方向で見たときに、ヒートパイプ130の周囲に空間層140が形成されていてもよい。空間層140は、隣り合う2つのベイパーチャンバー1の間に形成されている。図20に示すように、各ベイパーチャンバー1に、ヒートパイプ130の放熱部132が貫通する2つの貫通孔7が形成されていてもよい。各貫通孔7の周囲に、各ベイパーチャンバー1の蒸気流路部50および液流路部60が形成されていてもよい。貫通孔7は、Z方向で見たときに、電子デバイスDと重ならない位置に位置していてもよい。貫通孔7は、Z方向で見たときに、X方向における電子デバイスDの両側に位置していてもよい。貫通孔7は、ベイパーチャンバー1のY方向における中央部に位置していてもよい。
このような構成により、図19に示すように、電子デバイスDから受けた熱によって、ヒートパイプ130の蒸発部131における作動液が蒸発して作動蒸気となってヒートパイプ130内で拡散する。各ベイパーチャンバー1は、ヒートパイプ130の放熱部132内を拡散する作動蒸気から熱を受ける。このことにより、図19の太矢印で示すように、電子デバイスDの熱は、ヒートパイプ130内で拡散して、各ベイパーチャンバー1に輸送される。各ベイパーチャンバー1の蒸発領域SRにおける作動液2bが蒸発して作動蒸気2aが生成される。生成された作動蒸気2aは、各ベイパーチャンバー1内で拡散する。このことにより、図19の太矢印で示すように、電子デバイスDの熱は、各ベイパーチャンバー1内の作動蒸気2aの拡散によって凝縮領域CRに輸送され、空間層140を含む各ベイパーチャンバー1の周囲に放出される。
このようにして、本実施の形態によるベイパーチャンバー装置100が電子デバイスDの熱を放出して、電子デバイスDを冷却する。
このように本実施の形態によれば、複数のベイパーチャンバー1が、ヒートパイプ130から熱を受けて放出する。このことにより、ヒートパイプ130の熱を、各ベイパーチャンバー1から放出でき、ベイパーチャンバー装置100の放熱面積を増大できる。また、ヒートパイプ130は、電子デバイスDの熱を素早く拡散できるため、各ベイパーチャンバー1に熱を素早く分散させながら移動できる。ヒートパイプ130が熱を素早く移動できるため、ヒートパイプ130から熱を受けるベイパーチャンバー1の個数を増やすこともできる。このようにして、ベイパーチャンバー装置100の放熱性能を向上できる。この結果、電子デバイスDをより一層冷却できる。
また、本実施の形態によれば、ヒートパイプ130は、各ベイパーチャンバー1を貫通している。このことにより、ヒートパイプ130の熱を各ベイパーチャンバー1に効率良く移動できる。このため、ベイパーチャンバー装置100の放熱性能を向上できる。
上述した本実施の形態においては、各ベイパーチャンバー1の少なくとも1つに、図13等に示す熱放射層70、または図15等に示す放熱構造80が設けられていてもよい。
本開示は上記各実施の形態および各変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施の形態および各変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。各実施の形態および各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
1、1A、1B、1C ベイパーチャンバー
5 ベイパーチャンバー本体
10a 第1シート外面
20b 第2シート外面
70 熱放射層
80 放熱構造
81 放熱凸部
90 装置保持部材
91 側壁
92 接続板
100 ベイパーチャンバー装置
110 熱伝導部材
120 スペーサ
130 ヒートパイプ

Claims (13)

  1. 厚さ方向に互いに対向して配置された複数のベイパーチャンバーと、
    2つの前記ベイパーチャンバーのうちの一方の前記ベイパーチャンバーの熱を他方の前記ベイパーチャンバーに伝導する熱伝導部材と、
    を備えた、ベイパーチャンバー装置。
  2. 前記熱伝導部材は、隣り合う2つの前記ベイパーチャンバーの間に配置されている、
    請求項1に記載のベイパーチャンバー装置。
  3. 前記厚さ方向で見たときに、前記熱伝導部材は、冷却対象であるデバイスに重なる位置に配置されている、
    請求項1または2に記載のベイパーチャンバー装置。
  4. 互いに隣り合う2つの前記ベイパーチャンバーの間隔を保つスペーサを備えた、
    請求項1または2に記載のベイパーチャンバー装置。
  5. 各々の前記ベイパーチャンバーを保持する装置保持部材を備えた、
    請求項1または2に記載のベイパーチャンバー装置。
  6. 前記装置保持部材は、各々の前記ベイパーチャンバーの端部に接続された一対の側壁と、各々の前記側壁を接続した接続板と、を含む、
    請求項5に記載のベイパーチャンバー装置。
  7. 熱を輸送するヒートパイプと、
    厚さ方向に互いに対向して配置された複数のベイパーチャンバーであって、前記ヒートパイプから熱を受けて放出する複数のベイパーチャンバーと、
    を備えた、ベイパーチャンバー装置。
  8. 前記ヒートパイプは、前記ベイパーチャンバーの各々を貫通している、
    請求項7に記載のベイパーチャンバー装置。
  9. 前記ベイパーチャンバーは、ベイパーチャンバー本体と、熱放射層と、を含み、
    前記ベイパーチャンバー本体は、前記厚さ方向における一方の側に位置する第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、を含み、
    少なくとも1つの前記ベイパーチャンバーの前記ベイパーチャンバー本体に、前記熱放射層が設けられ、
    前記熱放射層は、前記第1面および前記第2面のうちの少なくとも一方に設けられている、
    前記熱放射層の熱放射率は、0.9以上である、
    請求項1または7に記載のベイパーチャンバー装置。
  10. 前記熱放射層は、前記熱放射層が設けられている面の一部に設けられている、
    請求項9に記載のベイパーチャンバー装置。
  11. 前記ベイパーチャンバーは、ベイパーチャンバー本体と、放熱構造と、を含み、
    前記ベイパーチャンバー本体は、前記厚さ方向における一方の側に位置する第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、を含み、
    少なくとも1つの前記ベイパーチャンバーの前記ベイパーチャンバー本体に、前記放熱構造が設けられ、
    前記放熱構造は、前記第1面および前記第2面のうちの少なくとも一方に設けられ、
    前記放熱構造は、複数の放熱凸部を含む、
    請求項1または7に記載のベイパーチャンバー装置。
  12. 前記放熱構造は、前記放熱構造が設けられている面の一部に設けられている、
    請求項11に記載のベイパーチャンバー装置。
  13. ハウジングと、
    前記ハウジング内に収容されたデバイスと、
    前記デバイスに熱的に接触した、請求項1または7に記載のベイパーチャンバー装置と、
    を備えた、電子機器。
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