JP2024052333A - 電極用組成物、電極、及び蓄電デバイス - Google Patents

電極用組成物、電極、及び蓄電デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2024052333A
JP2024052333A JP2022158989A JP2022158989A JP2024052333A JP 2024052333 A JP2024052333 A JP 2024052333A JP 2022158989 A JP2022158989 A JP 2022158989A JP 2022158989 A JP2022158989 A JP 2022158989A JP 2024052333 A JP2024052333 A JP 2024052333A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
group
meth
acrylate
functional group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022158989A
Other languages
English (en)
Inventor
純也 山田
Junya Yamada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Soda Co Ltd
Original Assignee
Osaka Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Soda Co Ltd filed Critical Osaka Soda Co Ltd
Priority to JP2022158989A priority Critical patent/JP2024052333A/ja
Publication of JP2024052333A publication Critical patent/JP2024052333A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】現在では、電極材料においてはより優れた結着性が求められており、本発明は結着性の優れた電極用組成物、電極、及び蓄電デバイスを提供することを目的とする。【解決手段】側鎖に求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を有するバインダーポリマー(A)と、求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を分子内に2以上有し、求核攻撃を受ける官能基を少なくとも1有する化合物(B)とを含有する電極用組成物を用いることによりが課題を解決することを見出した。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池及びニッケル水素二次電池などの二次電池、電気化学キャパシタなどといった蓄電デバイス、特に電解質に有機溶媒などの非水電解質を用いた非水電解質系蓄電デバイスに用いる電極用組成物、該電極用組成物から得られる電極、並びに該電極を備える蓄電デバイスに関する。
リチウムイオン二次電池や電気化学キャパシタといった蓄電デバイスは、携帯電話やノートパソコン、カムコーダーなどの電子機器に用いられている。最近では環境保護への意識の高まりや関連法の整備により、電気自動車やハイブリッド電気自動車などの車載用途や家庭用電力貯蔵用の蓄電池としての応用も進んできている。
また、これらの応用が進むと同時に、蓄電デバイスに高性能化が求められており、電極等の部材の改良が進められている。このような蓄電デバイスに使用される電極は、通常、活物質と、導電助剤、バインダー、溶媒からなる電極材料を集電体上に塗布、乾燥して得られる。
そこで、近年では、電極に用いられるバインダーの改良が試みられている。バインダーを改良することにより、活物質同士の結着性、活物質と導電助剤との結着性、及び活物質と集電体との結着性を向上させ、電気的特性(例えば、サイクル特性、低温での出力特性、低抵抗化)を向上させたりすることが提案されている。
バインダーには、電極に用いられた際の結着性に優れ、蓄電デバイスに優れた電気的特性を付与できることが求められており、例えば特許文献1には新たなバインダーが提案されている。しかしながら、近年、特に結着性に優れるバインダーが求められており、更なる検討が必要となっている。
そこで、本出願人はより結着性に優れ、蓄電デバイスに用いた際に良好な特性を有するバインダーを開発すべく、特許文献2のような芳香族基を有するバインダーを開発してきたが、更なる検討が求められている。
国際公開第2013/180103号 国際公開第2019/131771号
現在では、電極材料においてはより優れた結着性が求められており、本発明は結着性の優れた電極用組成物、電極、及び蓄電デバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために検討を重ねた結果、側鎖に求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を有するバインダーポリマー(A)と、求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を分子内に2以上有し、求核攻撃を受ける官能基を少なくとも1有する化合物(B)とを含有する電極用組成物を用いることによりが課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に関する。
項1 側鎖に求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を有するバインダーポリマー(A)と、求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を分子内に2以上有し、求核攻撃を受ける官能基を少なくとも1有する化合物(B)とを含有する電極用組成物。
項2 化合物(B)が求核攻撃を受ける官能基を分子内に2以上有する項1記載の電極用組成物。
項3 化合物(B)が求核攻撃を受ける官能基と求核反応性官能基を有する項1記載の電極用組成物。
項4 バインダーポリマー(A)が求核攻撃を受ける官能基を有する項1記載の電極用組成物。
項5 バインダーポリマー(A)(100質量%)に対して、化合物(B)0.1~10質量%有する項1記載の電極用組成物。
項6 項1~5いずれかに記載の電極用組成物より得られる電極。
項7 項6に記載の電極を具備する蓄電デバイス。
本発明は、電極用組成物として、側鎖に求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を有するバインダーポリマー(A)と、求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を分子内に2以上有し、求核攻撃を受ける官能基を少なくとも1有する化合物(B)を含有させることにより、より優れた結着性を示している。この効果は、バインダーポリマーの求核性官能基または求核攻撃を受ける官能基に対して、化合物(B)が求核性官能基または求核攻撃を受ける官能基を2以上有することにより、バインダーポリマー(A)と化合物(B)、及び化合物(B)と集電箔との間で求核反応が共に進行し、強固な架橋構造を形成する効果と推測される。本発明の蓄電デバイスとしては、電気自動車やハイブリッド電気自動車などの車載用途や家庭用電力貯蔵用の蓄電池等の蓄電デバイスにおいて、有用に用いられる。
本明細書において、蓄電デバイスとは、二次電池(リチウムイオン二次電池及びニッケル水素二次電池等)、電気化学キャパシタを包含するものである。また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレートまたはメタクリレート」を意味し、これに類する表現についても同様である。また、本発明において、一つの官能基中に、求核攻撃を行う部分、求核攻撃を受ける部分の両方を有していてもよい。
<1.電極用組成物>
本発明の電極用組成物は、側鎖に求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を有するバインダーポリマー(A)と、求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を分子内に2以上有し、求核攻撃を受ける官能基を少なくとも1有する化合物(B)とを含有する。
側鎖に求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を有するバインダーポリマー(A)は、主鎖骨格としては、ブタジエン系、ウレタン系、ビニル系、ポリアルキレン系、ポリアミド・ポリイミド系、フッ素系、アクリレート系等が例示される。
ブタジエン系骨格としては、スチレン-ブタジエン系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリブタジエン系重合体、アクリロニトリル-ブタジエン系共重合体、メチルメタクリレート-ブタジエン系共重合体、カルボキシ変性スチレン-ブタジエン共重合体が挙げられる。
ウレタン系骨格としては、ポリウレタン系重合体が挙げられる。
ビニル系骨格としては、塩化ビニル系重合体、酢酸ビニル系重合体、酢酸ビニル-エチレン系共重合体が挙げられる。
ポリアルキレン系としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
ポリアミド・ポリイミド系骨格としては、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、芳香族ポリアミドが挙げられる。
フッ素系骨格としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)が挙げられる。
アクリレート系骨格としては、ポリメチルメタクリレート系重合体、ポリアクリレート系重合体が挙げられる。
バインダーポリマー(A)は、側鎖に求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を少なくとも一つ有するが、構造的にバインダーポリマー(A)が化合物(B)に対して求核攻撃するよりも、化合物(B)がバインダーポリマー(A)に対して、求核攻撃しやすいために、バインダーポリマー(A)は側鎖に求核攻撃を受ける官能基を有することが好ましい。官能基の導入は、重合成分のモノマー単位としての導入だけではなく、重合体に官能基として導入することも可能である。
求核攻撃を受ける官能基としては、エポキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、(ブロックト)イソシアネート基、アルコキシシリル基、イミン基、オキシム基、アルコキシシリル基、ハロゲン原子等の脱離基が結合したアルキル基等を例示することができ、エポキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、(ブロックト)イソシアネート基、アルコキシシリル基が好ましく、特に、エポキシ基、(ブロックト)イソシアネート基は求核攻撃を受けやすい官能基である。
求核反応性官能基としては、チオール基、ヒドロキシ基等を例示することができる。
バインダーポリマー(A)として、エポキシ基を有するモノマーに由来する構成単位の具体例としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等のモノマーに由来する構成単位を例示することができる。
バインダーポリマー(A)として、(ブロックト)イソシアネート基を有するモノマーに由来する構成単位の具体例としては、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルイソシアナート、2-[0-(1'-メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ]エチルメタクリラート、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート、1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、2-(2-メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアナート等のモノマーに由来する構成単位を例示することができる。
バインダーポリマー(A)として、カルボキシル基を有するモノマーに由来する構成単位の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸に由来する構成単位を例示することができる。尚、カルボキシル基は求核攻撃を行う部分、求核攻撃を受ける部分の両方を有する。
バインダーポリマー(A)として、アルコキシシリル基を有するモノマーに由来する構成単位の具体例としては、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ビニルモノマー、スチリルモノマーから選択される化合物に由来する構成単位を例示することができ、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のモノマーに由来する構成単位が挙げられる。
バインダーポリマー(A)として、水酸基を有するモノマーに由来する構成単位の具体例としては、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、およびポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、およびポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-プロピレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-テトラメチレングリコール-モノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上併用できる。これらの中でも、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
アクリレート系骨格ポリマーの具体例としては、以下の重合体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーに由来する構成単位(A)を有することが好ましく、炭素数1~22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーに由来する構成単位であることが好ましく、炭素数2~18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーに由来する構成単位であることがより好ましく、炭素数4~18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーに由来する構成単位であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーに由来する構成単位(A)の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、及び(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を例示することができる。構成単位(A)は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーに由来する構成単位(A)の比率の下限は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、上限は、95質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、75質量%以下であることが更に好ましく、65質量%以下であることがより更に好ましく、60質量%以下であることが特に好ましく、55質量%以下であることがより特に好ましい。
アクリレート系骨格の重合体としては、一般式(1)
(式中、Rは水素、又は炭素数1~4のアルキル基、Rは置換基を有していてもよい芳香族基である。)
に由来する構成単位(B)を含んでいてもよい。
一般式(1)に由来する構成単位(B)においては、Rは水素、又は炭素数1~4のアルキル基であり、水素、又は炭素数1~2のアルキル基であることが好ましく、水素、又はメチル基であることが特に好ましい。Rは置換基を有していてもよい芳香族基であり、置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基などのアルキル基、ビニル基などの不飽和炭化水素基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基などが挙げられる。尚、芳香環は2以上有していてもよい。
一般式(1)に由来する構成単位(B)は、より詳細には、下記一般式(2)
(式中、Rは水素、又は炭素数1~4のアルキル基、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12は水素、ヒドロキシル基、炭素数1~3のアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族基のいずれかであり、R13は炭素数1~3のアルキレン基、又はカルボニル基、R14は置換基を有していてもよい芳香族基、q、rは0~3の数であり、sは0~1の数である。)で表わされるモノマーに基づく構成単位であることが好ましい。
一般式(2)に由来する構成単位においては、Rは水素、又は炭素数1~4のアルキル基であり、水素、又は炭素数1~2のアルキル基であることが好ましく、水素、又はメチル基であることが特に好ましい。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12は水素、ヒドロキシル基、炭素数1~3のアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族基のいずれかであり、水素、ヒドロキシル基、炭素数1~2のアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族基のいずれかであることが好ましい。R13は炭素数1~3のアルキレン基、又はカルボニル基であり、炭素数1~2のアルキレン基、又はカルボニル基であることが好ましい。R14は置換基を有していてもよい芳香族基であり、芳香族基としては、アリール基、ベンジル基、フェノキシ基であることが好ましい。置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基などのアルキル基、ビニル基などの不飽和炭化水素基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基などが挙げられる。尚、芳香環は2以上有していてもよい。
q、rは0~3の数であり、0~2の数であることが好ましく、q+r≧1を満たすことが好ましい。sは0~1の数である。
一般式(1)に由来する構成単位の具体例としては、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシメチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール-(メタ)アクリル酸-安息香酸エステル、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-フタル酸等に基づく構成単位を例示することができる。一般式(1)に基づく構成単位は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
一般式(1)に由来する構成単位(B)の比率の下限は、5質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることが更に好ましく、30質量%以上であることが特に好ましい。また、一般式(1)に由来する構成単位の比率の上限は、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、45質量%以下であることが特に好ましい。この範囲とすることで電極に使用した際に、集電箔と活物質との親和性が向上する点で好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーに由来する構成単位と一般式(1)に由来する構成単位の合計が、70質量%以上有することが好ましく、75質量%以上有することがより好ましく、80質量%以上有することが特に好ましい。
バインダーポリマー(A)において、側鎖に求核攻撃を受ける官能基を与える構成単位(C)としては、反応性二重結合を有し、エポキシ基を有するモノマーに由来する構成単位、(ブロックト)イソシアネート基を有するモノマーに由来する構成単位、反応性二重結合を有し、アルコキシシリル基を有するモノマーに由来する構成単位、反応性二重結合を有し、カルボキシル基を有するモノマーに由来する構成単位を例示することができる。
側鎖に求核攻撃を受ける官能基を与える構成単位(C)の下限は、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、2質量%以上であることが特に好ましく、3質量%以上であることがあってよく、4質量%以上であることがあってよく、5質量%以上であることがあってよい。側鎖に求核攻撃を受ける官能基を与える構成単位(C) の上限は、15質量%以下であることが好ましく、12質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましく、8質量%以下であってよい。
エポキシ基を有するモノマーに由来する構成単位の具体例としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等を例示することができる。
(ブロックト)イソシアネート基を有するモノマーに由来する構成単位の具体例としては、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルイソシアナート、2-[0-(1'-メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ]エチルメタクリラート、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート、1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、2-(2-メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアナート等に由来する構成単位を例示することができる。
アルコキシシリル基を有するモノマーに由来する構成単位の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のモノマーに由来する構成単位が挙げられる。
反応性二重結合を有し、エポキシ基を有するモノマーに由来する構成単位、反応性二重結合を有し、(ブロックト)イソシアネート基を有するモノマーに由来する構成単位、反応性二重結合を有し、アルコキシシリル基を有するモノマーに由来する構成単位から選択される構成単位(C-1)の比率の下限は0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、2質量%以上であることが特に好ましい。また、反応性二重結合を有し、エポキシ基を有するモノマーに由来する構成単位、反応性二重結合を有し、(ブロックト)イソシアネート基を有するモノマーに由来する構成単位、反応性二重結合を有し、アルコキシシリル基を有するモノマーに由来する構成単位から選択される構成単位(C-1)の比率の上限は、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下であることが特に好ましい。
カルボキシル基を有するモノマーに由来する構成単位の具体例としては、(メタ)アクリル酸モノマーに由来する構成単位としては、アクリル酸、メタクリル酸から選択される化合物に由来する構成単位を例示することができ、1種類であってもよいし、2種類であってもよい。
カルボキシル基を有するモノマーに由来する構成単位(C-2)を含む場合、下限は3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが特に好ましい。上限は、15質量%以下であることが好ましく、12質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
水酸基を有するモノマーに由来する構成単位(D)の具体例としては、下記一般式(3):
(式中、R15は水素原子又は炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、xは2~8の整数であり、nは2~30の整数である。)
で表わされる水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含むことが電極に使用した際にイオン伝導性が向上する点で好ましい。
一般式(3)において、R15としては、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、およびイソブチル基などが挙げられる。好ましくは水素原子またはメチル基である。すなわち、構成単位(D)において、水酸基を有するモノマーは、(R15が水素原子又はメチル基である)(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。
一般式(3)において、(Cx2xO)としては、直鎖もしくは分岐のアルキルエーテル基であり、xは2~8の整数であり、好ましくは2~7の整数であり、より好ましくは2~6の整数である。
一般式(3)において、nは2~30の整数であり、好ましくは2~25の整数であり、より好ましくは2~20の整数である。
構成単位は、以下、一般式(4)で表わされる水酸基を有するモノマーに由来することが好ましい。
一般式(4)において、R15は水素原子又は炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、oは0~30の整数であり、pは0~30の整数であり、o+pは2~30である。ここで、o、およびpは、当該構成単位の構成比を表しているのみであって、(C24O)の繰り返し単位のブロックと(C36O)の繰り返し単位のブロックからなる化合物のみを意味するものではなく、(C24O)の繰り返し単位と、(C36O)の繰り返し単位が交互・ランダムに配置された、又はランダム部とブロック部が混在する化合物であってもよい。
一般式(4)において、R15としては、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、およびイソブチル基などが挙げられる。好ましくは水素原子またはメチル基である。すなわち、構成単位(D)において、水酸基を有するモノマーは、(R15が水素原子又はメチル基である)(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。
一般式(4)において、oは0~30の整数であり、pは0~30の整数であり、o+pは2~30であり、oは0~25の整数であり、pは0~25の整数であり、o+pは2~25であることが好ましく、oは0~20の整数であり、pは0~20の整数であり、o+pは2~20であることが特に好ましい。
一般式(3)で表わされる水酸基を有するモノマーの具体例としては、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、およびポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、およびポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-プロピレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-テトラメチレングリコール-モノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上併用できる。これらの中でも、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
水酸基を有するモノマーに基づく構成単位(D)の比率の下限は0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、1.5質量%以上であることが特に好ましい。重合体における水酸基を有するモノマーに基づく構成単位(D)の比率の上限は、15質量%以下であることが好ましく、12質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位(E)を含むことがバインダー粒子を安定化させる点で好ましい。構成単位(E)は、下記一般式(5)に由来する構成単位であることが好ましい。
一般式(5)において、R16は、それぞれ同一または異なって、水素原子又はメチル基であり、R17は、5価以下の炭素数2~100の有機基であり、mは5以下の整数である。
一般式(5)において、mは2~5(すなわち、構成単位(E)が2官能から5官能(メタ)アクリレートに由来する構成単位)であることが好ましく、2~4(すなわち、構成単位(E)が2官能から4官能(メタ)アクリレートに由来する構成単位)であることがより好ましく、2~3(すなわち、構成単位(E)が2官能から3官能(メタ)アクリレートに由来する構成単位)であることが特に好ましい。
構成単位(E)において、(メタ)アクリロイル基を2個有するモノマーに基づく構成単位の具体例としては、に由来する構成単位の具体例としては、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレートに由来する構成単位が挙げられる。
構成単位(E)において、(メタ)アクリロイル基を3個有するモノマーに基づく構成単位の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO付加トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2,2,2-トリス(メタ)アクリロイロキシメチルエチルコハク酸、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンEO付加トリ(メタ)アクリレート、グリセリンPO付加トリ(メタ)アクリレート及びトリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等の3官能(メタ)アクリレートに由来する構成単位が挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートから選択される3官能(メタ)アクリレートに由来する構成単位が好ましい。
構成単位(E)において、(メタ)アクリロイル基を4個有するモノマーに基づく構成単位の具体例としては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールEO付加テトラ(メタ)アクリレート等の4官能(メタ)アクリレートに由来する構成単位が挙げられる。
構成単位(E)において、(メタ)アクリロイル基を5個有するモノマーに基づく構成単位の具体例としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートに由来する構成単位が挙げられる。
重合体が構成単位(E)を含む場合、その比率の下限は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であってよく、5.2質量%以上であってよい。また、重合体における構成単位(E)の比率の上限は、15質量%以下であることが好ましく、12質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。この範囲とすることで電極に使用した際に、結着性が向上する点で好ましい。
重合体において、構成単位(A)、構成単位(B)、構成単位(C)の合計が、85質量%以上有することが好ましく、90質量%以上有することがより好ましく、95質量%以上有することが特に好ましく、97質量%以上有してよく、100質量%であってよい。
重合体において、構成単位(A)、構成単位(B)、構成単位(C)、構成単位(D)の合計が、85質量%以上有することが好ましく、90質量%以上有することがより好ましく、95質量%以上有することが特に好ましく、97質量%以上有してよく、100質量%であってよい。
重合体において、構成単位(A)、構成単位(B)、構成単位(C)、構成単位(D)、構成単位(E)の合計が、85質量%以上有することが好ましく、90質量%以上有することがより好ましく、95質量%以上有することが特に好ましく、97質量%以上有してよく、100質量%であってよい。
重合体において、構成単位(A)、構成単位(B)、構成単位(C-1)の合計が、85質量%以上有することが好ましく、90質量%以上有することがより好ましく、95質量%以上有することが特に好ましく、97質量%以上有してよく、100質量%であってよい。
重合体において、構成単位(A)、構成単位(B)、構成単位(C-1)、構成単位(D)の合計が、85質量%以上有することが好ましく、90質量%以上有することがより好ましく、95質量%以上有することが特に好ましく、97質量%以上有してよく、100質量%であってよい。
重合体において、構成単位(A)、構成単位(B)、構成単位(C-1)、構成単位(D)、構成単位(E)の合計が、85質量%以上有することが好ましく、90質量%以上有することがより好ましく、95質量%以上有することが特に好ましく、97質量%以上有してよく、100質量%であってよい。
重合体において、構成単位(A)、構成単位(B)、構成単位(C-2)、構成単位(D)の合計が、85質量%以上有することが好ましく、90質量%以上有することがより好ましく、95質量%以上有することが特に好ましく、97質量%以上有してよく、100質量%であってよい。
重合体において、構成単位(A)、構成単位(B)、構成単位(C-2)、構成単位(D)、構成単位(E)の合計が、85質量%以上有することが好ましく、90質量%以上有することがより好ましく、95質量%以上有することが特に好ましく、97質量%以上有してよく、100質量%であってよい。
重合体において、構成単位(A)、構成単位(B)、構成単位(C-1)、構成単位(C-2)、構成単位(D)、構成単位(E)の合計が、85質量%以上有することが好ましく、90質量%以上有することがより好ましく、95質量%以上有することが特に好ましく、97質量%以上有してよく、100質量%であってよい。
重合体としては、上記以外にも、その他のモノマー由来の構成単位として、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、α-エチルアクリロニトリル、α-シアノアクリレート、シアン化ビニリデン、フマロニトリル、ウレタン基を有するモノマーから選択されるモノマー由来の構成単位を有することできる。
ウレタン基を有するモノマーの具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー等を例示することができる。
重合体を得る方法としては、一般的な乳化重合法、ソープフリー乳化重合法等を使用することができる。具体的には、攪拌機、及び加熱装置付きの密閉容器に室温でモノマー、乳化剤、重合開始剤、水、必要に応じて分散剤、連鎖移動剤、pH調整剤等を含んだ組成物を不活性ガス雰囲気下で攪拌することでモノマー等を水に乳化させる。乳化の方法は撹拌、剪断、超音波等による方法等が適用でき、撹拌翼、ホモジナイザー等を使用することができる。次いで、攪拌しながら温度を上昇させて重合を開始させることで、重合体が水に分散した球形の重合体のラテックスを得ることができる。重合時のモノマーの添加方法は、一括仕込みの他に、モノマー滴下やプレエマルジョン滴下等でもよく、これらの方法を2種以上併用してもよい。尚、プレエマルジョン滴下とは先にモノマー、乳化剤、水等を予め乳化させておき、その乳液を滴下していく添加方法を指す。
本発明で用いられる乳化剤は特に限定されない。乳化剤は界面活性剤であり、この界面活性剤には反応性基を有する反応性界面活性剤が含まれる。乳化重合法おいて一般的に用いられるノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤等を使用することができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられ、反応性のノニオン性界面活性剤としては、ラテムルPD-420、430、450(花王社製)、アデカリアソープER(アデカ社製)、アクアロンRN(第一工業製薬社製)、アントックスLMA(日本乳化剤社製)、アントックスEMH(日本乳化剤社製)等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、硫酸エステル型、カルボン酸型、又はスルホン酸型の金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、リン酸エステル型の界面活性剤等を挙げることができる。硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型が好ましく、硫酸エステル型が特に好ましい。硫酸エステル型のアニオン性界面活性剤の代表例としてはドデシル硫酸等のアルキル硫酸金属塩、アンモニウム、又はアルキル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸金属塩、アンモニウム塩、又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられ、硫酸エステル型の反応性アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラテムルPD-104、105(花王社製)、アデカリアソープSR(アデカ社製)、アクアロンHS(第一工業製薬社製)、アクアロンKH(第一工業製薬社製)が挙げられる。好ましくは、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸アンモニウム、ドデシル硫酸トリエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラテムルPD-104等が挙げられる。
これらノニオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤は1種または2種以上用いてもよい。
反応性界面活性剤の反応性とは、反応性二重結合を含有し、重合時にモノマーと重合反応することを意味する。すなわち、反応性界面活性剤は、重合体を作製する重合の際にモノマーの乳化剤として働くと共に、重合後は重合体の一部に共有結合して取り込まれた状態となる。そのため、乳化重合及び作製した重合体の分散が良好であり、電極用バインダーとしての物性(屈曲性、結着性)が優れている。
乳化剤の構成単位の量は乳化重合法おいて一般的に用いられる量であればよい。具体的には、仕込みのモノマー量(100質量%)に対して、0.01~25質量%の範囲であり、好ましくは0.05~20質量%、更に好ましくは0.1~20質量%である。
本発明で用いられる重合開始剤は特に限定されず、乳化重合法、懸濁重合法おいて一般的に用いられる重合開始剤を使用することができる。好ましくは乳化重合法である。乳化重合法では水溶性の重合開始剤、懸濁重合法では油溶性の重合開始剤が使われる。
その水溶性の重合開始剤の具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩に代表される水溶性の重合開始剤、2-2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、またはその塩酸塩または硫酸塩、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2'-アゾビス(2-メチルプロパンアミジン)、又はその塩酸塩又は硫酸塩、3,3'-[アゾビス[(2,2-ジメチル-1-イミノエタン-2,1-ジイル)イミノ]]ビス(プロパン酸)、2,2'‐[アゾビス(ジメチルメチレン)]ビス(2‐イミダゾリン)などの水溶性のアゾ化合物の重合開始剤が好ましい。
油溶性の重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、アセチルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル) などの油溶性のアゾ化合物の重合開始剤、レドックス系開始剤が好ましい。これら重合開始剤は1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤の使用量は乳化重合法または懸濁重合法おいて一般的に用いられる量であればよい。具体的には、仕込みのモノマー量(100質量%)に対して、0.01~10質量%の範囲であり、好ましくは0.01~5質量%、更に好ましくは0.02~3質量%である。
連鎖移動剤は、必要に応じて用いることができる。連鎖移動剤の具体例としては、n-ヘキシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、t-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン、2,4-ジフェニル-4-メチル-2-ペンテン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物、ターピノレン、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α-ベンジルオキシスチレン、α-ベンジルオキシアクリロニトリル、α-ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2-エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上用いてもよい。これらの連鎖移動剤の量は特に限定されないが、通常、仕込みモノマー量100質量部に対して0~5質量部にて使用される。
重合体の製造においては、重合温度及び重合時間は特に限定されない。使用する重合開始剤の種類等から適宜選択できるが、一般的に、重合温度は20~100℃であり、重合時間は0.5~100時間である。
本発明の電極用組成物には、求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を分子内に2以上有し、求核攻撃を受ける官能基を少なくとも1有する化合物(B)を含有し、求核攻撃を受ける官能基を分子内に2以上有する化合物であることが好ましく、求核攻撃を受ける官能基と求核反応性官能基を有する化合物であることが特に好ましい。
求核反応性官能基としては、チオール基、ヒドロキシ基等を例示することができる。
求核攻撃を受ける官能基としては、エポキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、(ブロックト)イソシアネート基、イミン基、オキシム基、アルコキシシリル基、ハロゲン原子等の脱離基が結合したアルキル基等を例示することができる
求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を分子内に2以上有し、求核攻撃を受ける官能基を少なくとも1有する化合物(B)としては、モノマーであれば、下記式で示すこともできる。
R1-x-R2
(R1、R2は求核反応性官能基、又は求核攻撃を受ける官能基であり、同一の官能基であっても、異なる官能基であってもよく、チオール基、ヒドロキシ基、から選択される求核反応性官能基、エポキシ基、(ブロックト)イソシアネート基、カルボキシル基、イミン基、アルコキシシリル基から選択される求核攻撃を受ける官能基を例示することができる。アルコキシシリル基としては、-Si(R3)3-n(OR4)(nは1~3の整数、R3は炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~2のアルキル基であることがより好ましく、R4は炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~2のアルキル基であることがより好ましい)であることが好ましい。xは単結合又は2価の有機基である。)
xは、単結合又は2価の有機基であり、該2価の有機基としては、側鎖を有していてもよい、両端に結合手を有する直鎖状連結基であり、2つの結合手間の距離を原子数でカウントした場合、50以下である直鎖状連結基であることが好ましい。例えばエチレン基の場合、2つの結合手間の距離は「2」となる。2つの結合手間の距離は、40以下であることがより好ましく、30以下であることが更に好ましい。
両端に結合手を有する直鎖状連結基としては、直鎖アルキレン基、-NH-、-C(=O)-から選ばれる1種である、又は2種以上の組み合わせであることが好ましい。直鎖アルキレン基としては、炭素数1~20の直鎖アルキレン基であることが好ましく、炭素数1~10の直鎖アルキレン基であることがより好ましい。
前記直鎖状連結基が有していてもよい側鎖は、置換基又は置換基を有していてもよい炭化水素基であることが好ましい。該置換基としては、ヒドロキシ基;カルボキシル基;アミノ基等が挙げられる。
該炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基のいずれであってもよく、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基を組み合わせた基であってもよい。また、該炭化水素基が有する炭素-炭素結合の間に-S-又は-C(=O)-が挿入されていてもよい。
該脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基のいずれであってもよく、飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましい。飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族炭化水素基;シクロプロピル基、1-メチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1,2-ジメチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基等の環状の飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。
該芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を分子内に2以上有し、求核攻撃を受ける官能基を少なくとも1有する化合物(B)としては、ポリマーであれば、求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を分子内に2以上有し、求核攻撃を受ける官能基を少なくとも1有するビニル系ポリマーを例示することができ、ビニル系ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリスチレン等を例示することができる。
メルカプト基とアルコキシシリル基を有する求核性官能基を分子内に2以上有する化合物(B)の具体例としては、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルジエトキシメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルエトキシジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3-メルカプトプロピルジエトキシプロポキシシラン、3-メルカプトプロピルエトキシジプロポキシシラン、3-メルカプトプロピルジメトキシプロポキシシラン、3-メルカプトプロピルメトキシジプロポキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルジエトキシメトキシシラン、2-メルカプトエチルエトキシジメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2-メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2-メルカプトエチルエトキシジプロポキシシラン、2-メルカプトエチルジメトキシプロポキシシラン、2-メルカプトエチルメトキシジプロポキシシラン、4-メルカプトブチルトリメトキシシラン、4-メルカプトブチルトリエトキシシラン、4-メルカプトブチルトリプロポキシシラン等が挙げられる。
エポキシ基とアルコキシシリル基を有する求核性官能基を分子内に2以上有する化合物(B)の具体例としては、2-(3 ,4-エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン、2-(3 ,4-エポキシシクロヘキシル) エチルトリエトキシシラン、2-( 3,4-エポキシシクロヘキシル) エチルトリエトキシシラン、2-(3 ,4- エポキシシクロヘキシル) エチルメチルジメトキシシラン、2-(3 ,4 - エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン及び3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。
一分子中に2以上の(ブロックト)イソシアネート基を有する求核性官能基を分子内に2以上有する化合物(B)の具体例としては、ポリイソシアネート化合物が挙げられる。ポリイソシアネートとしては、ブタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の2以上のイソシアネート基を有する化合物、及びこれらのブロックト体が挙げられる。ブロックト体とするためのブロック剤としては、フェノール、チオフェノール、クレゾール、レゾルシノール等のフェノール、ジフェニルアミン、キシリジン等の芳香族第2級アミン、フタル酸イミド、カプロラクタム、バレロラクタムといったラクタム、アセトキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシムおよび酸性亜硫酸ソーダを挙げることができる。
イミン基を分子内に2以上有する化合物(B)の具体例としては、エポクロスWS300、エポクロスWS500、エポクロスWS700等を例示することができる。
本発明の電極用組成物は、 バインダーポリマー(A)(100質量%)に対して、求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を分子内に2以上有し、求核攻撃を受ける官能基を少なくとも1有する化合物(B)0.1~10質量%有することが好ましく、0.5~8質量%有することがより好ましく、1~6質量%有することが特に好ましい。
本発明の電極用組成物は、溶媒を含有していてもよく、バインダーポリマー(A)が溶媒に分散されたものであってよい。溶媒は、水、有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、アミルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)などのアミド系極性有機溶媒、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類を例示することができる。
本発明の電極用組成物が溶媒を含有する場合には。バインダーの含有量は特に限定されないが、バインダーポリマー(A)の固形分濃度が0.2~80質量%となるように含有することが好ましく、0.5~70質量%となるように含有することがより好ましく、0.5~60質量%となるように含有することが特に好ましい。
電極用組成物は、活物質、導電助剤、増粘剤等を含有していてもよい。具体的には、リチウムイオン電池においては、正極に用いる正極材料としては正極活物質、更に導電助剤を含有していてもよく、負極に用いる負極材料としては負極活物質、更に導電助剤を含有していてもよく、電気二重層キャパシタ(電気化学キャパシタ)においては、正極に用いる正極材料としては活物質として活性炭、更に導電助剤を含有していてもよく、負極に用いる負極材料としては活物質として活性炭、更に導電助剤を含有していてもよい。
リチウムイオン電池に用いる正極活物質は、AMO2、AM24、A2MO3、AMBO4のいずれかの組成からなるアルカリ金属含有複合酸化物である。Aはアルカリ金属、Mは単一または2種以上の遷移金属からなり、その一部に非遷移金属を含んでもよい。BはP、Siまたはその混合物からなる。なお正極活物質は粉末が好ましく、その粒子径には、好ましくは50ミクロン以下、より好ましくは20ミクロン以下のものを用いる。これらの活物質は、3V(vs. Li/Li+)以上の起電力を有するものである。
リチウムイオン電池に用いる正極活物質の好ましい具体例としては、LixCoO, LixNiO、LixMnO、LixCrO、LixFeO, LixCoaMn1-a, LixCoaNi1-a, LixCoaCr1-a, LixCoaFe1-a, LixCoaTi1-a, LixMnaNi1-a, LixMnaCr1-a, LixMnaFe1-a, LixMnaTi1-a, LixNiaCr1-a, LixNiaFe1-a2, LixNiaTi1-a2, LixCraFe1-a, LixCraTi1-a2, LixFeaTi1-a, LixCobMncNi1-b-C, LixNiaCobAlcO, LixCrbMncNi1-b-C, LixFebMncNi1-b-C, LixTibMncNi1-b-C, LixMn, LixMndCo2-d, LixMndNi2-d, LixMndCr2-d, LixMndFe2-d, LixMndTi2-d, LiyMnO, LiyMneCo1-e, LiyMneNi1-e, LiyMneFe1-e, LiyMneTi1-e, LixCoPO, LixMnPO, LixNiPO, LixFePO, LixCofMn1-fPO, LixCofNi1-fPO, LixCofFe1-fPO, LixMnfNi1-fPO, LixMnfFe1-fPO, LixNifFe1-fPO,LiyCoSiO, LiyMnSiO, LiyNiSiO, LiyFeSiO, LiyCogMn1-gSiO, LiyCogNi1-gSiO, LiyCogFe1-gSiO, LiyMngNi1-gSiO, LiyMngFe1-gSiO, LiyNigFe1-gSiO, LiyCoPhSi1-h, LiyMnPhSi1-h, LiyNiPhSi1-h, LiyFePhSi1-h, LiyCogMn1-gPhSi1-h, LiyCogNi1-gPhSi1-h, LiyCogFe1-gPhSi1-h, LiyMngNi1-gPhSi1-h, LiyMngFe1-gPhSi1-h, LiyNigFe1-gPhSi1-hなどのリチウム含有複合酸化物をあげることができる。(ここで、x=0.01~1.2, y=0.01~2.2, a=0.01~0.99, b=0.01~0.98, c=0.01~0.98但し、b+c=0.02~0.99, d=1.49~1.99, e=0.01~0.99, f=0.01~0.99, g=0.01~0.99, h=0.01~0.99である。)
また、リチウムイオン電池に用いる前記の好ましい正極活物質のうち、より好ましい正極活物質としては、具体的には、LixCoO, LixNiO, LixMnO, LixCrO, LixCoaNi1-a, LixMnaNi1-a, LixCobMncNi1-b-C, LixNiaCobAlcO, LixMn, LiyMnO, LiyMneFe1-e, LiyMneTi1-e, LixCoPO, LixMnPO, LixNiPO, LixFePO, LixMnfFe1-fPOを挙げることができる。(ここで、x=0.01~1.2, y=0.01~2.2, a=0.01~0.99, b=0.01~0.98, c=0.01~0.98但し、b+c=0.02~0.99, d=1.49~1.99, e=0.01~0.99, f=0.01~0.99である。なお、上記のx, yの値は充放電によって増減する。)
リチウムイオン電池に用いる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な構造(多孔質構造)を有する炭素材料(天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質炭素等)か、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なリチウム、アルミニウム系化合物、スズ系化合物、シリコン系化合物、ニオブチタン系酸化物等のチタン系化合物等の金属からなる粉末である。粒子径は10nm以上100μm以下が好ましく、更に好ましくは20nm以上20μm以下である。また、金属と炭素材料との混合活物質として用いてもよい。なお負極活物質にはその気孔率が、70%程度のものを用いるのが望ましい。
炭素材料としては、グラファイト、低結晶性カーボン(ソフトカーボン、ハードカーボン)、カーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック等)、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンフィブリル、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチ系炭素繊維、フェノール樹脂焼成体、ポリアクリロニトリル系炭素繊維などの炭素材料を例示することができ、グラファイトであることが好ましい。
シリコン系化合物としては、Si元素、Siとの合金、Siを含む酸化物、Siを含む炭化物等であり、Si、SiB、SiB、MgSi、NiSi、TiSi、MoSi、CoSi、NiSi、CaSi、CrSi、CuSi、FeSi、MnSi、NbSi、TaSi、VSi、WSi、ZnSi、SiC、Si、SiO、SiO(0<x≦2)、SnSiO、LiSiOを例示することができ、SiO(0<x≦2)であることが好ましく、一酸化ケイ素(SiO)等である。
活物質において、炭素材料とシリコン系化合物を併用する場合には、以下のように含有させることが好ましい。
活物質全量(100質量%)に対する炭素材料の含有量は、下限は20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが特に好ましく、70質量%以上であってよく、上限は99質量%以下であることが好ましく、98質量%以下であることがより好ましく、96質量%以下であることが特に好ましい。
活物質全量(100質量%)に対するシリコン系化合物の含有量は、下限は1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、4質量%以上であることが特に好ましく、上限は80質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが特に好ましく、30質量%以下であってよい。
電気二重層キャパシタ(電気化学キャパシタ)に用いる活物質としては活性炭を例示することができる。一般的には、活性炭とは賦活化された炭化物を指し、市販の活性炭を用いてもよく、公知の製法に従って製造された活性炭を用いてもよい。活性炭の製造法としては、木材、ヤシ殻、パルプ廃液、石炭、重質油、フェノール樹脂等の原料を炭化し、得られた炭化物を賦活化することにより得られる。
賦活化は、公知の賦活法であればよく、ガス賦活法または薬品賦活法等により行うことができる。ガス賦活法では、炭化物を、加熱下で、水蒸気、炭酸ガス、酸素などのガスと接触させることにより、賦活化させる。薬品賦活法では、炭化物を、公知の賦活薬品と接触させた状態で加熱することにより賦活化させる。賦活薬品としては、例えば、塩化亜鉛、燐酸、および/またはアルカリ化合物(水酸化ナトリウムなどの金属水酸化物など)などが挙げられる。水蒸気で賦活化した活性炭(本願においては水蒸気賦活性炭と記載する)、および/またはアルカリで賦活化した活性炭(本願においてはアルカリ賦活活性炭と記載する)を用いることが好ましい。
電極用組成物の活物質の含有量としては、特に制限されず、電極用組成物の溶媒を除いた成分100質量%に対して、例えば99.9~50質量%、より好ましくは99.5~70質量%、さらに好ましくは99~85質量%が挙げられる。活物質は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
活物質を用いた際の電極用組成物の本発明のバインダーポリマー(A)の含有量としては、特に制限されず、活物質100質量部に対して、例えば0.01~5質量部、より好ましくは0.05~3質量部、さらに好ましくは0.1~2.5質量部が挙げられる。
導電助剤を用いる場合には、公知の導電助剤を用いることができ、黒鉛、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)などの炭素繊維、または金属粉末等が挙げられる。これら導電助剤は1種または2種以上用いてもよい。
導電助剤を用いる場合には、導電助剤の含有量は特に制限されないが、活物質100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下が挙げられる。なお、正極材料中に導電助剤が含まれる場合、導電助剤の含有量の下限値としては、通常、0.05質量部以上、0.1質量部以上、0.2質量部以上、0.5質量部以上、2質量部以上を例示することができる。
本発明の電極材料は、必要に応じて増粘剤を含有させても良い。増粘剤の種類は、特に限定されないが、好ましくは、セルロース系化合物のナトリウム塩、アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸およびその塩等である。
セルロース系化合物のナトリウム塩もしくはアンモニウム塩としては、セルロース系高分子を各種誘導基により置換されたアルキルセルロースのナトリウム塩もしくはアンモニウム塩などが挙げられる。具体例としては、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)のナトリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩等が挙げられる。カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩もしくはアンモニウム塩が特に好ましい。これらの増粘剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
増粘剤を用いる場合には、増粘剤の含有量は特に制限されないが、活物質100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下が挙げられる。なお、増粘剤が含まれる場合、増粘剤の含有量の下限値としては、通常、0.05質量部以上、0.1質量部以上、0.2質量部以上、0.5質量部以上、1質量部以上を例示することができる。
電極用組成物の調製方法としては特に限定されず、正極活物質あるいは負極活物質、本発明の電極用バインダー、導電助剤、水等を通常の攪拌機、分散機、混練機、遊星型ボールミル、ホモジナイザーなど用いて分散させればよい。分散の効率を上げるために材料に影響を与えない範囲で加温してもよい。
<2.電極>
本発明の電極は、集電体上に電極材料層を備える。
本発明の電極については、公知の集電体を用いることができる。具体的には、正極としては、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、金、白金、チタン等の金属が使用される。負極としては、銅、ニッケル、ステンレス、金、白金、チタン、アルミニウム等の金属が使用される。使用される金属としては、酸化被膜を有することになる金属であることが好ましく、具体的には銅、アルミニウムであることが好ましい。
電極の作製方法は、特に限定されず一般的な方法が用いられる。「1.電極用組成物」の欄で説明した電極用組成物をドクターブレード法やアプリケーター法、シルクスクリーン法などにより集電体(金属電極基板)表面上に適切な厚さに均一に塗布することより行われる。
例えばドクターブレード法では、電極用スラリーを金属電極基板に塗布した後、所定のスリット幅を有するブレードにより適切な厚さに均一化する。電極は活物質塗布後、余分な有機溶剤及び水を除去するため、例えば、100℃の熱風や80℃真空状態で乾燥する。乾燥後の電極はプレス装置によってプレス成型することで電極材が製造される。プレス後に再度熱処理を施して水、溶剤、乳化剤等を除去してもよい。
<3.蓄電デバイス>
本発明の蓄電デバイスは、前述の「2.電極」の欄で説明した正極と、負極と、電解液とを備えることを特徴としている。すなわち、本発明の蓄電デバイスに用いられる電極は、本発明の電極用組成物を用いて得られる。尚、本発明の蓄電デバイスについては、正極と、負極の少なくとも一方に、「2.電極」の欄で説明した電極を使用していればよく、本発明の「2.電極」の欄で説明した電極を用いていない場合には、公知の電極を用いることができる。
電解液としては、特に制限されず、公知の電解液を用いることができる。電解液の具体例としては、電解質と溶媒とを含む溶液、又は常温溶融塩が挙げられる。電解質及び溶媒は、それぞれ、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
電解質としては、リチウム塩化合物を例示することができ、具体的には、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22,LiN(C25SO22,LiN[CF3SC(C25SO23]2などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
リチウム塩化合物以外の電解質としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルモノメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート等が挙げられる
電解液に用いる溶媒としては、有機溶剤を例示することができる。
有機溶剤としては、非プロトン性有機溶剤を挙げることができ、具体的にはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、γ-ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、ジプロピルカーボネート、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、アニソール、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、ジエチルエーテルなどの直鎖エーテルを使用することができ、2種類以上混合して使用してもよい。
常温溶融塩はイオン液体とも呼ばれており、イオンのみ(アニオン、カチオン)から構成される「塩」であり、特に液体化合物をイオン液体という。
本発明での常温溶融塩とは、常温において少なくとも一部が液状を呈する塩をいい、常温とは電池が一般的に作動すると想定される温度範囲をいう。電池が通常作動すると想定される温度範囲とは、上限が120℃程度、場合によっては80℃程度であり、下限は-40℃程度、場合によっては-20℃程度である。
常温溶融塩のカチオン種としては、ピリジン系、脂肪族アミン系、脂環族アミン系の4級アンモニウム有機物カチオンが知られている。4級アンモニウム有機物カチオンとしては、ジアルキルイミダゾリウム、トリアルキルイミダゾリウム、などのイミダゾリウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオンなどが挙げられる。特に、イミダゾリウムイオンが好ましい。
なお、テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、トリメチルエチルアンモニウムイオン、トリメチルエチルアンモニウムイオン、トリメチルプロピルアンモニウムイオン、トリメチルヘキシルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン、トリエチルメチルアンモニウムイオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、アルキルピリジニウムイオンとしては、N-メチルピリジウムイオン、N-エチルピリジニウムイオン、N-プロピルピリジニウムイオン、N-ブチルピリジニウムイオン、1-エチル-2メチルピリジニウムイオン、1-ブチル-4-メチルピリジニウムイオン、1-ブチル-2,4ジメチルピリジニウムイオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イミダゾリウムイオンとしては、1,3-ジメチルイミダゾリウムイオン、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムイオン、1-メチル-3-エチルイミダゾリウムイオン、1-メチル-3-ブチルイミダゾリウムイオン、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムイオン、1,2,3-トリメチルイミダゾリウムイオン、1,2-ジメチル-3-エチルイミダゾリウムイオン、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムイオン、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムイオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
常温溶融塩のアニオン種としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸イオン、硝酸イオン、AsF 、PF などの無機酸イオン、ステアリルスルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン、7,7,8,8-テトラシアノ-p-キノジメタンイオンなどの有機酸イオンなどが例示される。
なお、常温溶融塩は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
電解液には必要に応じて種々の添加剤を使用することができる。添加剤としては、難燃剤、不燃剤、正極表面処理剤、負極表面処理剤、過充電防止剤などが挙げられる。難燃剤、不燃剤としては、臭素化エポキシ化合物、ホスファゼン化合物、テトラブロムビスフェノールA、塩素化パラフィン等のハロゲン化物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸エステル、ポリリン酸塩、及びホウ酸亜鉛等が例示できる。正極表面処理剤としては、炭素や金属酸化物(MgОやZrO2等)の無機化合物やオルト-ターフェニル等の有機化合物等が例示できる。負極表面処理剤としては、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ポリエチレングリコールジメチルエーテル等が例示できる。過充電防止剤としては、ビフェニルや1-(p-トリル)アダマンタン等が例示できる。
本発明の蓄電デバイスの製造方法は、特に限定されず、正極、負極、電解液、必要に応じて、セパレータなどを用いて、公知の方法にて製造される。例えば、コイン型の場合、正極、必要に応じてセパレータ、負極を外装缶に挿入する。これに電解液を入れ含浸する。その後、封口体とタブ溶接などで接合して、封口体を封入し、カシメることで蓄電デバイスが得られる。蓄電デバイスの形状は限定されないが、例としてはコイン型、円筒型、シート型などが挙げられる。
セパレータは、正極と負極が直接接触して蓄電池内でショートすることを防止するものであり、公知の材料を用いることができる。セパレータとしては、具体的には、ポリオレフィンなどの多孔質高分子フィルム、紙等が挙げられる。多孔質高分子フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのフィルムが、電解液による影響が少ないため、好ましい。
本発明を実施するための具体的な形態を以下に実施例を挙げて説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例では、リチウムイオン二次電池負極で集電体として用いる銅箔上にバインダーポリマーAと化合物Bの混合フィルムを作製し、その剥離強度を評価した。
また、混合フィルム上にリチウムイオン二次電池負極組成物を塗工し、リチウムイオン二次電池負極を作製し、その剥離強度を以下の実験にて評価した。
〔平均粒子径の測定〕
重合体の平均粒子径は以下の条件で測定した。
(測定装置)
動的光散乱を用いた粒度分布測定装置:ゼータサイザーナノ(スペクトリス株式会社)
(測定条件)
1.合成したエマルジョン溶液50μLをサンプリングする。
2.サンプリングしたエマルジョン溶液にイオン交換水700μLを3回添加して希釈する。
3.希釈液から液を2100μL抜き取る。
4.残った50μLのサンプルに700μLイオン交換水を添加・希釈して測定する。
〔凝集物の測定〕
重合体の凝集物は以下のようにして測定した。
重合したエマルジョン溶液を150メッシュステンレス金網(関西金網株式会社製)で用いてろ過を行い、攪拌翼およびビーカーに付着している凝集物を掻き取る。その後、回収した凝集物をイオン交換水で洗浄し、24時間乾燥させ凝集物の質量を測定する。測定した凝集物量をエマルジョン収量で割り、凝集物量(質量%)とする。
〔バインダーポリマーA1の重合〕
ビーカーに、メタクリル酸ラウリル198g、メタクリル酸ベンジル137g、アクリル酸5.45g、メタクリル酸15.3g、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油製:ブレンマーPE-90)14.5g、トリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学製:ライトエステル TMP)21.1g、アリルグリシジルエーテル(大阪ソーダ製:ネオアリルG)10.0g、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム6.40g、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製ノイゲンEA-157)1.60g、イオン交換水201gを入れ、ホモミキサーを用いて、充分撹拌し乳液とした。攪拌機付き反応容器にイオン交換水342gを入れ2時間窒素曝気後、上記乳液の内42.7g、10%アスコルビン酸水溶液0.8g、10%t-ブチルハイドロパーオキサイド(日油製:パーブチルH-69)水溶液8.7gを、イオン交換水15gで共洗いし添加した。窒素雰囲気下、反応容器の内温を58℃に保持し、220分かけて上記乳液及び6%アスコルビン酸水溶液8.0gを添加した。乳液の添加後、イオン交換水15gで乳液を共洗いし、10%アスコルビン酸水溶液0.8gを後添加した。その後さらに1時間重合した後、室温まで冷却した。冷却後、28%アンモニア水溶液を用いて、重合液のpHを3.9から8.1に調整し、エマルジョン溶液であるバインダー組成物A1(重合転化率99%以上、固形分濃度40.0wt%、凝集量:0.0002wt%)を得た。得られた重合体の平均粒子径は0.186μmであった。
〔バインダーポリマーA2の重合〕
ビーカーに、メタクリル酸ラウリル208g、メタクリル酸ベンジル137g、アクリル酸5.45g、メタクリル酸15.3g、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油製:ブレンマーPE-90)14.5g、トリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学製:ライトエステル TMP)21.1g、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム6.40g、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製ノイゲンEA-157)1.60g、イオン交換水201gを入れ、ホモミキサーを用いて、充分撹拌し乳液とした。攪拌機付き反応容器にイオン交換水342gを入れ2時間窒素曝気後、上記乳液の内42.7g、10%アスコルビン酸水溶液0.8g、10%t-ブチルハイドロパーオキサイド(日油製:パーブチルH-69)水溶液8.7gを、イオン交換水15gで共洗いし添加した。窒素雰囲気下、反応容器の内温を58℃に保持し、220分かけて上記乳液及び6%アスコルビン酸水溶液8.0gを添加した。乳液の添加後、イオン交換水15gで乳液を共洗いし、10%アスコルビン酸水溶液0.8gを後添加した。その後さらに1時間重合した後、室温まで冷却した。冷却後、28%アンモニア水溶液を用いて、重合液のpHを3.9から8.1に調整し、エマルジョン溶液であるバインダー組成物A2(重合転化率99%以上、固形分濃度40.0wt%、凝集量:0.0002wt%)を得た。得られた重合体の平均粒子径は0.186μmであった。
比較例1
バインダー組成物A1(固形分濃度40.0wt%)5gをバイアル瓶にて秤量した後、波形回転攪拌器にて12時間以上攪拌してフィルム用液1を作製した。
フィルム用液1を銅箔に塗工し、80℃に加熱したオーブンで30分間予備乾燥を行った後、真空状態で110℃、10時間以上乾燥させ、組成物フィルム1(厚さ500μm)を作製した。
組成物フィルム1を、組成物側(銅箔とは逆側)に、セロハンテープの切り取り辺に沿うようにして、長辺60mm短辺10mmとなるように切り出して試験片を作製した。試験片一方の端に、セロハンテープ(ニチバン株式会社)を200mmに切り出し、切り取り辺で端を約10mm挟むようにし、残りの部分はセロハンテープ同士を張り合わせるようにして、約90mmの持ち手を取り付けた。
組成物側を、両面テープ(ナイスタック02、ニチバン株式会社)を用いてSUS板に固定し、万能試験機(株式会社東洋精機製作所)を用いて、持ち手を引っ張って銅箔を引き剥がす形で180度剥離試験を行った(移動距離100mm、50mm/分)。剥離強度は、測定開始直後から約10mmまでの測定値を除く区間平均を算出し、3回の試行の平均値として算出した。剥離強度の平均値は98.9N/mであった。
実施例1
バインダー組成物A1(固形分濃度40.0wt%)5gをバイアル瓶に秤量し、化合物(B) として求核攻撃を行う官能基と求核攻撃を受ける官能基を有する3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803。信越化学工業株式会社製)をバインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、0.5質量部を加え、波形回転攪拌器にて12時間以上攪拌してフィルム用液2を作製した。
フィルム用液2を銅箔に塗工し、80℃に加熱したオーブンで30分間予備乾燥を行った後、真空状態で110℃、10時間以上乾燥させ、組成物フィルム2(厚さ500μm)を作製した。
組成物フィルム2を、組成物側(銅箔とは逆側)に、セロハンテープの切り取り辺に沿うようにして、長辺60mm短辺10mmとなるように切り出して試験片を作製した。試験片一方の端に、セロハンテープ(ニチバン株式会社)を200mmに切り出し、切り取り辺で端を約10mm挟むようにし、残りの部分はセロハンテープ同士を張り合わせるようにして、約90mmの持ち手を取り付けた。
組成物側を、両面テープ(ナイスタック02、ニチバン株式会社)を用いてSUS板に固定し、万能試験機(株式会社東洋精機製作所)を用いて、持ち手を引っ張って銅箔を引き剥がす形で180度剥離試験を行った(移動距離100mm、50mm/分)。剥離強度は、測定開始直後から約10mmまでの測定値を除く区間平均を算出し、3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
実施例2
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部から2.5質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液3を作製し、組成物フィルム3(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
実施例3
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部から5質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液4を作製し、組成物フィルム4(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
実施例4
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部から10質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液5を作製し、組成物フィルム5(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
実施例5
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部から3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(KBM-802、信越化学工業株式会社製)2.5質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液6を作製し、組成物フィルム6(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
実施例6
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部から3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(KBE-403、信越化学工業株式会社製)0.25質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液7を作製し、組成物フィルム7(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
実施例7
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部から3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(KBE-403、信越化学工業株式会社製)2.5質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液8を作製し、組成物フィルム8(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
実施例8
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部から3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(KBE-403、信越化学工業株式会社製)7.5質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液9を作製し、組成物フィルム9(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
実施例9
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部からポリブロックイソシアネート(エラストロンBN-69 第一工業製薬株式会社製)0.125質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液10を作製し、組成物フィルム10(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
実施例10
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部からポリブロックイソシアネート(エラストロンBN-69 第一工業製薬株式会社製)0.25質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液11を作製し、組成物フィルム11(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
実施例11
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部からポリブロックイソシアネート(エラストロンBN-69 第一工業製薬株式会社製)0.75質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液12を作製し、組成物フィルム12(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
実施例12
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部からオキサゾリン系含有ポリマー(エポクロスWS-300 日本触媒株式会社製)0.8質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液13を作製し、組成物フィルム13(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
実施例13
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部からオキサゾリン系含有ポリマー(エポクロスWS-300 日本触媒株式会社製)4.1質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液14を作製し、組成物フィルム14(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
比較例2
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部からアリルグリシジルエーテル(AGE)(株式会社大阪ソーダ製)2.5質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液15を作製し、組成物フィルム15(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
比較例3
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部から1.4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン(カレンズBD1 昭和電工株式会社製)0.25質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液16を作製し、組成物フィルム16(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
比較例4
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部から1.4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン(カレンズBD1 昭和電工株式会社製)2.5質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液17を作製し、組成物フィルム17(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
比較例5
バインダー組成物A1の固形分量100質量部に対して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM-803、信越化学工業株式会社製)0.5質量部から1.4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン(カレンズBD1 昭和電工株式会社製)7.5質量部に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液18を作製し、組成物フィルム18(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
比較例6
バインダー組成物A1からバインダー組成物A2に変更した以外は実施例1と同様に、フィルム用液19を作製し、組成物フィルム19(厚さ500μm)を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、組成物フィルム1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表1に示す。
分子内に求核性反応基であるチオール基と、求核攻撃を受ける官能基であるアルコキシシリル基を共に有するKBM-803(実施例1~4)とKBM-802(実施例5)では、大きな剥離強度の上昇が見られた。これは、バインダーポリマーA1が持つ求核攻撃を受ける官能基であるエポキシ基にチオール基が求核反応すると共に、銅箔表面の酸化被膜に存在する水酸基とアルコキシシリル基が求核反応することで、バインダーポリマーA1と銅箔間に強固な架橋が形成されたためと考えられる。
KBE-403(実施例6~8)、エラストロンBN-69(実施例9~11)、エポクロスWS-300(実施例12~13)は求核攻撃を受ける官能基を二つ以上有する化合物である。これらの持つ求核攻撃を受ける官能基に対して、バインダーポリマーA1が持つ水酸基やカルボキシル基、銅箔表面の酸化被膜に存在する水酸基が求核反応することで、バインダーポリマーA1と銅箔間に架橋が形成され、剥離強度が上昇したと考えられる。
アリルグリシジルエーテル(比較例2)は、求核攻撃を受ける官能基であるグリシジル基を有するが、もう一方は求核反応に寄与しないアリル基であるため、バインダーポリマーA1と銅箔間に架橋が形成されず、逆に不純物として剥離強度を減少させてしまったと考えられる。
カレンズBD1(比較例3~5)は、求核攻撃をする官能基を二つ有する化合物である。ゆえに、バインダーポリマーA1とは求核反応するが銅箔とは求核反応を行わないため、バインダーポリマーA1と銅箔間に架橋が形成されず、バインダーポリマーA1の内部架橋による粘性低下の影響もあって、最も剥離強度が減少した。
求核攻撃を受ける官能基を有しないバインダーポリマーA2を用いた比較例6は逆に結着性という点で悪化した。これは、KBM-803のチオール基が攻撃するエポキシ基をバインダーポリマーA2が持たないため架橋形成がされず、KBM-803が不純物となったためと考えられる。
比較例7
リチウムイオン二次電池負極組成物の作製
負極活物質としてグラファイト85.4質量部、SiO10質量部に、導電助剤としてアセチレンブラック1質量部、単層CNT0.1質量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩2質量部を加え、さらにスラリーの固形分濃度が35質量%となるように水を加えてプラネタリーミキサー及びホモディスパーを用いて攪拌混合してマスターバッチを作製した。これに、バインダーポリマーA1をマスターバッチに対して1.5質量部となるように加え、自転公転式ミキサーを用いて攪拌混合してリチウムイオン二次電池負極組成物を作製した。
比較例1で作製したフィルム用液1を、ベーカー式アプリケーターを用いて銅箔に塗工し、風乾後、その上から上記のリチウムイオン二次電池負極組成物を、100μmギャップのベーカー式アプリケーターを用いて同様に塗工した。その後、80℃に加熱したオーブンで30分間予備乾燥を行った後、ロールプレス機(20kN、クリアランス:装置下限値、テスター産業株式会社)でプレス処理を行った。その後、真空オーブンにて110℃、10時間乾燥させ、リチウムイオン二次電池用負極1を作製した。
リチウムイオン二次電池負極1を、長辺60mm短辺10mmとなるように切り出して試験片を作製した。試験片一方の端に、セロハンテープ(ニチバン株式会社)を200mmに切り出し、切り取り辺で端を約10mm挟むようにし、残りの部分はセロハンテープ同士を張り合わせるようにして、約90mmの持ち手を取り付けた。
リチウムイオン二次電池負極合剤層側を、両面テープ(ナイスタック02、ニチバン株式会社)を用いてSUS板に固定し、万能試験機(株式会社東洋精機製作所)を用いて、持ち手を引っ張って銅箔を引き剥がす形で180度剥離試験を行った(移動距離100mm、50mm/分)。剥離強度は、測定開始直後から約10mmまでの測定値を除く区間平均を算出し、3回の試行の平均値として算出した。剥離強度の平均値は177N/mであった。
実施例14
比較例1で作製したフィルム用液1を、実施例1で作製したフィルム用液2に変更した以外は、比較例7と同様にリチウムイオン二次電池用負極2を作製し、剥離強度を3回の試行の平均値として算出した。結果としては、リチウムイオン二次電池用負極1の3回の試行の平均値とした算出した剥離強度(比較例7)を100%とした場合の評価(%)で行った。結果を表2に示す。
表2における実施例14と比較例7との比較においても、KBM-803を添加することにより、結着性の向上していることが示された。
本発明の電極用バインダーは、結着性に優れ、蓄電デバイスに用いた際には、電気自動車やハイブリッド電気自動車などの車載用途や家庭用電力貯蔵用の蓄電池等の蓄電デバイスにおいて、有用に用いられる。

Claims (7)

  1. 側鎖に求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を有するバインダーポリマー(A)と、求核攻撃を受ける官能基、及び求核反応性官能基から選択される官能基を分子内に2以上有し、求核攻撃を受ける官能基を少なくとも1有する化合物(B)とを含有する電極用組成物。
  2. 化合物(B)が求核攻撃を受ける官能基を分子内に2以上有する請求項1記載の電極用組成物。
  3. 化合物(B)が求核攻撃を受ける官能基と求核反応性官能基を有する請求項1記載の電極用組成物。
  4. バインダーポリマー(A)が側鎖に求核攻撃を受ける官能基を有する請求項1記載の電極用組成物。
  5. バインダーポリマー(A)(100質量%)に対して、化合物(B)0.1~10質量%有する請求項1記載の電極用組成物。
  6. 請求項1~5いずれかに記載の電極用組成物より得られる電極。
  7. 請求項6に記載の電極を具備する蓄電デバイス。
JP2022158989A 2022-09-30 2022-09-30 電極用組成物、電極、及び蓄電デバイス Pending JP2024052333A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022158989A JP2024052333A (ja) 2022-09-30 2022-09-30 電極用組成物、電極、及び蓄電デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022158989A JP2024052333A (ja) 2022-09-30 2022-09-30 電極用組成物、電極、及び蓄電デバイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024052333A true JP2024052333A (ja) 2024-04-11

Family

ID=90623145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022158989A Pending JP2024052333A (ja) 2022-09-30 2022-09-30 電極用組成物、電極、及び蓄電デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024052333A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3193397B1 (en) Binder composition for storage device electrode, slurry for storage device electrode, storage device electrode, and storage device
EP3758108B1 (en) Thermally crosslinkable binder aqueous solution for lithium-ion battery, thermally crosslinkable slurry for lithium-ion battery negative electrode, negative electrode for lithium-ion battery, lithium-ion battery negative electrode material, and lithium-ion battery and method for producing the same
JP7497979B2 (ja) 電極用バインダー、電極、及び蓄電デバイス
US9608273B2 (en) Binder for battery electrode and electrode and battery using same
JP6258215B2 (ja) 電極形成組成物
EP3396749A1 (en) Binder for battery electrode, electrode, and battery
EP3116054A1 (en) Binder for battery electrodes, and electrode and battery using same
EP3425707B1 (en) Binder composition for non-aqueous secondary battery electrode, conductive material paste composition for non-aqueous secondary battery electrode, slurry composition for non-aqueous secondary battery electrode, electrode for non-aqueous secondary battery, and non-aqueous secondary battery
KR102301238B1 (ko) 리튬이온전지용 열가교성 바인더 수용액, 리튬이온전지 부극용 열가교성 슬러리, 리튬이온전지용 부극 및 리튬이온전지
Bolloju et al. Vulcanized polyisoprene-graft-maleic anhydride as an efficient binder for silicon anodes in lithium-ion batteries
WO2018151122A1 (ja) 電極用バインダー
JP7215420B2 (ja) 電極用バインダー、電極用バインダー組成物、電極材料、電極、及び蓄電デバイス
JP2021022521A (ja) バインダー用組成物、バインダー、電極材料、電極及び蓄電デバイス
EP3879612B1 (en) Binder aqueous solution for lithium-ion battery electrode, slurry for lithium-ion battery negative electrode, negative electrode for lithium-ion battery, and lithium-ion battery
JP2024052333A (ja) 電極用組成物、電極、及び蓄電デバイス
JP7460335B2 (ja) 電極用バインダー、電極用バインダー組成物、電極材料、電極、及び蓄電デバイス
JP5821346B2 (ja) 電池電極用バインダ、電池電極用組成物、電池用電極及び二次電池
JPWO2018181772A1 (ja) 電極用バインダー、電極材料、電極、及び蓄電デバイス
JP2024052418A (ja) 蓄電デバイス負極用バインダ組成物、蓄電デバイス負極用スラリ組成物、蓄電デバイス負極用スラリ組成物の製造方法、蓄電デバイス負極および蓄電デバイス
WO2023053863A1 (ja) 電極用バインダー、電極、及び蓄電デバイス
JP2023051521A (ja) 電極用バインダー、電極、及び蓄電デバイス
JP2023051522A (ja) 電極用バインダー、電極、及び蓄電デバイス
JP2024146469A (ja) リチウムイオン二次電池負極用バインダー、リチウムイオン二次電池負極用スラリ組成物、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JP2022057031A (ja) 電極用バインダー、電極材料、電極及び蓄電デバイス
JP2022057030A (ja) バインダー用組成物、バインダー、電極材料、電極及び蓄電デバイス