JP2024051691A - ガラス基板、多層配線基板、およびガラス基板の製造方法 - Google Patents

ガラス基板、多層配線基板、およびガラス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2024051691000001
【課題】本発明では、良好な伝送特性を備えた貫通電極を形成することが可能なガラス基板およびそのようなガラス基板を備えた多層配線基板を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のガラス基板の一つは、第一面と第二面を有し、前記第一面から前記第二面まで貫通する少なくとも1つの貫通孔を備えるガラス基板であって、前記貫通孔の側面は、前記第一面から5%以上95%以下の区間の位置において、傾斜角度が7°以上15°以下の範囲となり、断面視において、前記貫通孔の側面を左側面および右側面とした場合、左側面の傾斜角度と右側面の傾斜角度の差が1.0°以下となる、ことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス基板、多層配線基板、およびガラス基板の製造方法に関する。
近年、回路基板を積層した三次元実装技術が用いられている。このような実装技術においては、回路基板に貫通電極を形成することが行われる。貫通電極は、絶縁体で構成された基板に貫通孔を形成し、この貫通孔に導電体を配置することによって形成される。回路基板の高集積化に伴い、貫通孔についても更なる微細化が必要となる。
例えば、特許文献1は、板状ガラスにエキシマレーザ光を照射して複数の貫通孔を有するガラス基板を提供する技術を開示している。特許文献2は、UVレーザビームによってガラス品の前面を照射する工程を含む、ガラスに孔の高密度アレイを作製する方法を開示する。また、特許文献3は、貫通孔を含む基板と、前記貫通孔の内側面に沿って配置された導電体と、を備え、前記貫通孔は、前記第1面から前記第2面までの区間のうち前記第1面から6.25%、18.75%、31.25%、43.75%、56.25%、68.75%、81.25%、93.75%の距離の位置における前記貫通孔の中心軸に対する内側面の傾斜角度(前記第1面側が拡がる角度を正の傾斜角度とする)の合計値が、8.0°以上である条件を満たす貫通孔の形状を開示する。特許文献4は、第1面13及び第1面の反対側に位置する第2面14を含むとともに貫通孔20が設けられた基板12と、基板の貫通孔に位置する貫通電極22と、を備える貫通電極基板を開示する。
国際公開第2010/087483号 特表2014-501686号公報 特許第6809511号公報 特許第6965589号公報
しかしながら、特許文献1から3に記載された内容で貫通孔は、貫通孔の側面粗さによる、貫通電極の伝送特性への影響については、検討されていない。このため、特許文献1から3に記載された側面は伝送特性から見た側面の平坦性が不十分であり、貫通孔側面の傾斜角度の均一性にも課題がある。
また、貫通電極を形成するためには、特許文献4において開示されているように、スパッタリングにて金属層を形成した後に、無電解めっき処理を実施し、貫通孔の側面に電解めっき処理を行うための金属層を形成する必要がある。特許文献4において開示されるように、無電解めっき処理では、適応可能な金属が限られ、例えばNiが選択される。Niが磁性体材料であること、また、難エッチング金属であることから貫通穴に配線を形成した後の除去工程にて、配線層部に影響し配線が粗化されること、並びに配線下部へのアンダーカットの発生することから、貫通電極の伝送特性が課題となっている。上記内容より容易に貫通電極の形成可能な貫通孔を有するガラス基板が求められている。
そこで、本発明では、良好な伝送特性を備えた貫通電極を形成することが可能なガラス基板およびそのようなガラス基板を備えた多層配線基板を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、代表的な本発明のガラス基板の一つは、第一面と第二面を有し、前記第一面から前記第二面まで貫通する少なくとも1つの貫通孔を備えており、前記貫通孔の側面は、前記第一面から5%以上95%以下の区間の位置において、傾斜角度が7°以上15°以下の範囲となり、断面視において、前記貫通孔の側面を左側面および右側面とした場合、左側面の傾斜角度と右側面の傾斜角度の差が1.0°以下となる。
本発明によれば、良好な伝送特性を備えた貫通電極を形成することが可能なガラス基板およびそのようなガラス基板を備えた多層配線基板を提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態における説明により明らかにされる。
図1は、円錐台形状の貫通孔の断面および傾斜角度の測定方法を示す図である。 図2は、貫通孔の側面粗さの測定方法を示す図である。 図3は、第一実施形態における実施例1の貫通孔の傾斜角度の測定結果を示す図である。 図4は、第一実施形態における実施例2の貫通孔の傾斜角度の測定結果を示す図である。 図5は、第一実施形態における実施例3の貫通孔の傾斜角度の測定結果を示す図である。 図6は、第一実施形態における比較例1の貫通孔の断面形状を示す図である。 図7は、第一実施形態における比較例1の貫通孔の傾斜角度の測定結果を示す図である。 図8は、第一実施形態における比較例2の貫通孔の断面形状を示す図である。 図9は、第一実施形態における比較例2の貫通孔の傾斜角度の測定結果を示す図である。 図10は、第一実施形態における比較例3の貫通孔の断面形状を示す図である。 図11は、第一実施形態における比較例3の貫通孔の傾斜角度の測定結果を示す図である。 図12Aは、表4をグラフにして示す図である。 図12Bは、貫通電極を形成した場合を示す模式的に示す図である。 図13Aは、第一実施形態における各実施例および各比較例の貫通孔の断面のSEM画像を示す図である。 図13Bは、第一実施形態における各実施例の貫通孔の稜線を説明する図である。 図13Cは、第一実施形態における貫通孔に貫通電極を形成した場合を示す図である。 図14は、実施形態における実施例1の貫通電極の伝送特性と、比較例1の貫通電極の伝送特性を示す図である。 図15は、第一実施形態に係る多層配線基板1の構成の一例を示す図である。 図16は、第一実施形態に係る多層配線基板1の構成の他の例を示す図である。 図17は、ガラス基板を第一支持体に張り合わせる工程を示す図である。 図18は、レーザ改質部を形成する工程を示す図である。 図19は、第一配線層を形成する工程を示す図である。 図20は、第二支持体を接着する工程を示す図である。 図21は、第一支持体を剥離する工程を示す図である。 図22は、貫通孔を形成する工程を示す図である。 図23は、貫通電極を形成する工程を示す図である。 図24は、絶縁樹脂層を形成する工程を示す図である。 図25は、第二支持体および第二接着層を剥離する工程を示す図である。 図26は、第一配線層および第二配線層を形成する工程を示す図である。 図27は、半導体素子とBGA基板のインターポーザ基板として、多層配線基板を用いる場合を示す図である。 図28は、図27の場合の断面を示す図である。 図29は、通信用の電子デバイスに多層配線基板および半導体素子が用いられる場合を示す図である。 図30は、図29の場合の断面を示す図である。 図31は、本開示において形成される貫通孔および貫通電極の特徴を説明する図である。
本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態及び実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、本開示における実施形態及び実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施形態及び実施例の構成の一部を他の実施形態及び実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態及び実施例の構成に他の実施形態及び実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態及び実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
さらに、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含むものである。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲なども、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
なお、本開示において、「面」とは、板状部材の面のみならず、板状部材に含まれる層について、板状部材の面と略平行な層の界面も指すことがある。また、「上面」、「下面」とは、板状部材や板状部材に含まれる層を図示した場合の、図面上の上方又は下方に示される面を意味する。なお、「上面」、「下面」については、「第一面」、「第二面」と称することもある。
また、「側面」とは、板状部材や板状部材に含まれる層における面や層の厚みの部分を意味する。さらに、面の一部及び側面を合わせて「端部」ということがある。
また、「貫通孔の側面」とは、物体に設けられた貫通孔について、貫通孔を形成している物体上の界面を意味する。
また、「上方」とは、板状部材又は層を水平に載置した場合の垂直上方の方向を意味する。さらに、「上方」及びこれと反対の「下方」については、これらを「Z軸プラス方向」、「Z軸マイナス方向」ということがあり、水平方向については、「X軸方向」、「Y軸方向」ということがある。
さらに、Z軸方向の距離を「高さ」と称し、X軸方向とY軸方向で規定されるXY平面上の距離を「幅」と称する。また、層状の物体に対して高さを言う場合、「厚み」とも称する。
また、「ガラス基板に設けた貫通電極」とは、ガラス基板を多層配線基板の一部として用いる場合に、ガラス基板の第1面及び第二面を電気的に導通するために設けた導電経路を意味し、必ずしも、ガラス基板を単一の導電材料で完全に貫通している必要はない。第1面からの導電通路と第二面からの導電通路が接続されていれば、貫通電極に含まれる。さらに、貫通電極の形態は、貫通孔(有底のものも、完全な貫通のものも、いずれの形態をも含む)を導電材料で埋め込んだフィルド型でもよいし、貫通孔の側壁部分のみを導電材料で覆ったコンフォーマルのいずれをも含む。
また、「平面形状」、「平面視」とは、上方から面又は層を視認した場合の形状を意味する。さらに、「断面形状」、「断面視」とは、板状部材又は層を特定の方向で切断した場合の水平方向から視認した場合の形状を意味する。
さらに、「中心部」とは、面又は層の周辺部ではない中心部を意味する。そして、「中心方向」とは、面又は層の周辺部から面又は層の平面形状における中心に向かう方向を意味する。
<測定方法>
本発明の第一実施形態に係るガラス基板に設けた貫通孔の形状を説明するために、まず、貫通孔12の傾斜角度の測定方法、側面粗さの測定方法を以下に示す。
ここで、ガラス基板貫通孔の側壁の位置による傾斜角を測定し、その値を記述するにあたっての注意点を示す。
貫通孔における特定の位置を、ガラス基板の片面からの深さ方向の位置で指定した場合、その位置での側面の角度は、その位置での側面表面の形状をどの程度のスケールにて観察するかに大きく依存する。
つまり、ガラス基板の貫通孔全体を俯瞰するようなスケールにて、側壁のある位置での側壁の傾斜角を観察した場合と、測定点付近の側壁を拡大し、その位置での側壁の微小な凹凸が明瞭となり、角度を指定した点が、その凹凸のどこに相当するかを厳密に判定して、その位置での接線の傾斜角をもって、目的の角度とする場合とでは、結果が大きく異なる可能性がある。
本開示におけるガラス基板貫通孔の傾斜角とは、前者にあたるものであり、側面表面の凹凸に過度に影響されることなく、貫通孔全体を俯瞰的に見た場合の傾向を反映した傾斜角を意味する。
測定法の一例として、貫通孔全体が俯瞰でき、かつ、側面の表面の微細な凹凸が目視できないスケール、解像度での断面写真において、測定点およびその近傍での傾斜の傾向をできるだけ反映するように測定点における接線を設定することが挙げられる。
(貫通孔の傾斜角度の測定方法)
図1に本発明の第一実施形態で得られる貫通孔12の形状を説明している。図1は、円錐台形状の貫通孔12の断面および傾斜角度の測定方法を示す図である。図1に示される貫通孔12の断面は、貫通孔12を第一面101側より、ガラス基板の厚さ方向においてスクライブにて割断(裁断)して断面(裁断面)を出し、SEM(Scanning Electron Microscope:走査電子顕微鏡)によって観察されたSEM画像を画像解析ソフトを使用して解析したものである。図1において、パターン模様で示した箇所がガラス基板10を示している。図1に示す貫通孔12の形状は円錐台形状をしており、貫通孔12は第一面側101に貫通孔の径が極小となる極小値を持つ。なお、図1に示される目盛り5%、10%、・・・95%は、ガラス基板10の第一面101から第二面102までの長さを割合で示している。
ガラス基板10の第一面側101の開口部の中心部に、第一面101と垂直になるように中心線TCを引く。次に、矢印に示されるように中心線TCを貫通孔12の両側のいずれか一方に向かって平行移動させ、平行移動させた中心線TCが貫通孔12の径が極小値を取る点と接触させ、接触させた点を基準点RPとする。そして、基準点RPから5%から100%のそれぞれの目盛り位置の高さの断面の位置に接線ssを引き、接線ssの傾斜角度を測定し、その傾斜角度を、5%から95%のそれぞれの断面の位置における傾斜角度であるとする。なお、傾斜角度は、貫通孔12の径が下方にむけて広がる方向を正とする。
上述のように、第一実施形態においては、傾斜角度の測定方法は、(1)貫通孔12の中心線を作成する、(2)中心線を開口部が極小値となる位置に水平移動し基準点を作成する、(3)基準点から貫通孔の特定の位置に接線を引き角度を測定する、という手順(1)から(3)を含む。特に(2)基準点を作成する手順を用いることにより、貫通孔全体を俯瞰するようなスケールでかつ側壁の微細な凹凸の影響を受けない信頼性の高い測定を行うことができる。
なお、具体的な傾斜角度測定では、貫通孔12を第一面101側より、スクライブおよび精密ブレイカーを使用し、貫通孔12を中央部で割断(裁断)して、貫通孔12の断面を表出させる。割断の方法としては、例えば3点曲げを適用することができる。その後、表出した断面についてSEM観察を実施し、断面のSEM画像を画像解析することによって、貫通孔12の角度測定を実施している。
(側面粗さの計測方法)
続いて、貫通孔12の側面粗さの測定方法について説明する。貫通孔12の側面粗さに測定については、側面角度の測定と同様に貫通孔12の断面をSEMによって観察し、観察されたSEM画像を画像解析ソフトを使用して解析する。貫通孔の側面粗さを計測するためには、通常は、貫通孔の第一面101から第二面102に至る範囲を測定範囲とする。ただし、仮に、貫通孔に凹凸が存在している場合には、当該凹凸部を除いた範囲を2つ以上の測定範囲として設定し、それらの測定範囲の結果を平均して側面粗さとする。また、側面粗さの算出に当たっては、同じ条件で作成した貫通孔5つ(サンプル数n=5)について、同様の測定を行い、これらの平均値を当該条件で作成した貫通孔の側面粗さとして規定する。
図2は、貫通孔の側面粗さの測定方法を示す図である。図2(a)は、貫通孔12の断面のSEM画像を示す。図2(b)は、貫通孔12の断面を観察したSEM画像より、貫通孔12の側面の輪郭を抽出した図を示す。抽出された輪郭データより平均分散粗さおよび凹凸巾の測定を実施する。図2(c)は、平均分散粗さの計算式および凹凸巾を模式的に示す図である。図2(b)において抽出された輪郭データに関し、第一面101を基準として設定した設定領域Lにおいて、輪郭の粗さを示す粗さ曲線f(x)を測定する。平均分散粗さ(以下、単に「分散粗さ」ともいう。)Raは、式(1)に示されるように、粗さ曲線f(x)の絶対値を2乗したものを、設定領域Lにわたって積分したうえで設定領域Lの長さで割ったものである。また、ラフネス幅(以下、「凹凸巾」ともいう。)aは、粗さ曲線f(x)のうち、粗さの最大値を示すピーク部と粗さの最小値を示すボトム部との差である。
なお、一つ貫通孔において、複数の粗さ曲線f(x)が設定された場合には、それらから算出された粗さの値の平均値によって当該貫通孔の平均粗さを算出することとなる。
(伝送特性の測定方法)
伝送特性の測定には、入力波に対する伝搬波の度合いの周波数依存性を示すSパラメータ(S21)を用いる。S21は電力比(透過波電力/入力波電力)の対数で表され、絶対値が小さいほうが伝送損失が小さいことを示す。
Sパラメータ(S21)の測定にはネットワークアナライザを用いた。測定サンプルとしては、ガラス基板に形成した貫通電極11の周辺を導体で囲み、導体を接地した状態としたものを作製し、これによって、貫通電極11の第一面101側から第二面102側の間におけるS21を測定した。
<第一実施形態に係る実施例および比較例>
第一実施形態における貫通孔12に実施形状について説明する。第一実施形態では、後述する図22に示されるように、レーザ改質部65が形成されたガラス基板10に対して、ガラス基板10の第二面102側からエッチングが行われる。このため、形成された貫通孔12は、第二面102から第一面101に向かって径が窄まる円錐台形状を有する。貫通孔12の側面の傾斜角度は、ガラス基板10に対するレーザ加工条件、エッチング条件によって変化する。
本発明の各実施例では、表1に示すパルス幅およびショット数の照射条件によってガラス基板にレーザ加工を行い、その後のエッチングにより貫通孔12を形成している。第一実施形態における実施例1においてはパルス幅が5psかつショット数が1、実施例2においてはパルス幅が15psかつショット数が1、実施例3においてはパルス幅が25psかつショット数が1である。
また、比較例は、第一実施形態に示した製造方法とレーザ加工方法を変更して作成した貫通孔である。つまり、比較例1においてはパルス幅が30psかつショット数が1、比較例2においてはパルス幅が30nsかつショット数が50、比較例3においてはパルス幅が50μsかつショット数が5である。
なお、各実施例および各比較例のいずれについても、ガラス基板10の第二面102側の開口径は平均80μmであり、この場合、計測値の平均値に標準偏差の3倍を加えた値である3σは4.5μm以下であった。また、形成されたレーザ改質部65の第二面102における開口径φについて、開口径φの最大値φMaxと最小値φMinの差は10μm以下であった。
Figure 2024051691000002
(貫通孔の傾斜角度)
以下を用いて、第一の実施形態における各実施例、比較例の貫通孔の形状、特性形状を説明する。
図3は、第一実施形態における実施例1の貫通孔の傾斜角度の測定結果を示す図である。
図4は、第一実施形態における実施例2の貫通孔の傾斜角度の測定結果を示す図である。
図5は、第一実施形態における実施例3の貫通孔の傾斜角度の測定結果を示す図である。
図6は、第一実施形態における比較例1となる貫通孔の断面形状を示す図である。
図7は、第一実施形態における比較例1の貫通孔の傾斜角度の測定結果を示す図である。
図8は、第一実施形態における比較例2の貫通孔の断面形状を示す図である。
図9は、第一実施形態における比較例2となる貫通孔の傾斜角度の測定結果を示す図である。
図10は、第一実施形態における比較例3となる貫通孔の断面形状を示す図である。
図11は、第一実施形態における比較例3となる貫通孔の傾斜角度の測定結果を示す図である。
表2は、各実施例および各比較例における貫通孔12の側面の傾斜角度を測定した結果を表形式に取りまとめたものである。第一実施形態に係る各実施例では、貫通孔12に側面角度が5%から95%の位置までほぼ一定となる。各比較例では、5%から95%の各位置で貫通孔12の側面の傾斜角度がばらつくことがわかる。表2に示されるように、貫通孔の側面は、前記第一面から5%以上95%以下の区間の位置において、傾斜角度が7°以上15°以下の範囲となる。また、断面視において、前記貫通孔の側面を左側面および右側面とした場合、左側面の傾斜角度と右側面の傾斜角度の差が1.0°以下となる。
また、各実施例では、第二面(100%)から95%距離までの傾斜角度と5%から95%距離の傾斜角度の間の差が+/-1.0°以下となる。第二面(100%)から95%距離までの傾斜角度は7°以上15°以下の範囲となり、また、5%から95%距離の傾斜角度は7°以上15°以下の範囲となる。
一方、各比較例では、第二面(100%)から95%距離までの傾斜角度と5%から95%距離の傾斜角度の間の差が+/-1.0°以上となる。
このように、本発明の各実施例と比較例では、貫通孔の側面の傾斜角度が変化する傾向が大きく異なることがわかる。
Figure 2024051691000003
これらのことから、良好な伝送特性を得るためには、貫通孔の形状は、側面の傾斜角度について、第一面から5%以上95%以下の区間の位置において、傾斜角度が7°以上かつ15°以下の範囲であり、断面視において、前記貫通孔の側面を左側面および右側面とした場合、左側面の傾斜角度と右側面の傾斜角度の差が1.0°以下であることが望ましいことが分かる。
(平均分散粗さおよび凹凸巾)
次に、表3を用いて実施形態における各実施例および各比較例に関し、貫通孔12の側面の平均分散粗さおよび凹凸巾について説明する。表3に示されるように、第一実施形態の各実施例では、分散粗さが1,000nm以下かつ凹凸巾が1,500nm以下となる。各比較例では、分散粗さが1,500nm以上かつ凹凸巾が1,500nm以上となり、貫通孔側面の粗さに差があることが確認されている。
Figure 2024051691000004
(開口径)
表4および図12Aを用いて、第一実施形態における貫通孔の第一面と第二面の開口径の関係性を説明する。表4は、実施例1の条件下でガラス基板10の厚さを100μmから200μmに変更した場合の貫通孔12の第一面101における開口部の径および第二面102における開口部の径を示す。図12Aは、表4をグラフにして示す図である。実施形態によれば、第二面102の開口径に関わらず、第二面102の開口径と第一面101の開口径の関係性は、第一面側開口径Φ1/第二面側開口径Φ2≧0.4となる。
Figure 2024051691000005
次に表5に、第一実施形態における各実施例および各比較例の第一面開口径と第二面開口径を示す。表5には、第一実施形態における各実施例および各比較例において計測された、貫通孔12の第一面101側の開口径Φ1と第二面102側の開口径Φ2の典型的な値が示される。
Figure 2024051691000006
ここで、図12Bを参照して、開口径と伝送特性の関係を説明する。図12Bは、貫通電極12を形成した場合を示す模式的に示す図である。貫通孔12の開口径は、Φ1/Φ2≧0.4という関係に示されるように、Φ2にくらべてΦ1を小さくすることができる。例えば、後述する通信用デバイスとして用いられる場合には貫通電極11を利用してコイルが形成されるところ、Φ1とΦ2の関係からコイルの設計自由度を確保することが可能となる。また、パッド間の距離Dpを確保できるため、コイルを含む回路を形成した場合にQ値を小さくすることができ、伝送損失を抑制することが可能である。上記内容より、貫通電極の信号を安定化(信号損失の低減)が可能となる。
(断面形状)
次に、貫通孔12の側面形状について説明する。図13Aから図13Cは、第一実施形態の各実施例および比較例に関し貫通孔の側面を説明する図である。図13Aから図13Cは、第一実施形態における各実施例および各比較例の貫通孔の断面のSEM画像を示す図である。
図13Aから図13Cに示されるSEM画像は、ガラス基板の厚さ方向における貫通孔の裁断面を撮影したものであり、倍率は1000倍である(SEM画像に含まれるスケールの1目盛りは5μmである)。
SEM画像において、コントラストが高く白色に見える箇所は、試料表面の傾斜面の角度が切り替わり、傾斜面の稜線となっている領域である。このため、白線で見える箇所は、試料表面の粗さのピークまたはボトムを示す箇所であり、これらの貫通孔の側面に形成されている稜線の存在状況や配置の程度によって、貫通電極の伝送特性に影響を与える貫通孔の側面の粗さを把握することができる。
図13Aに示す第一実施形態の各実施例では、ガラス基板10の第一面101に平行な方向や略平行な方向に延びる白線の稜線が現れ、帯状の縞模様が形成されている。
ここで、図13Bを参照して、貫通孔の断面の稜線について説明する。図13Bは、第一実施形態における各実施例の貫通孔の稜線を説明する図である。図13B(a)は図13Aの実施例3を拡大して示す図である。また、図13B(b)は、SEM画像において観察される貫通孔について、側面および断面の稜線を実線で示す図である。
図13B(b)に示される例では、略平行な稜線のうち、稜線の間隔がもっとも広くなる場合は、稜線Rl1と稜線Rl2の間である。図13B(b)に示される例では、第一面101と垂直な方向の側面上の稜線の間隔はRs以下である。図13B(a)に示されるように、実施例3においては、稜線の間隔は、15.5μm以下である。
同様の手法で、稜線の状況を観察すると、実施例1においては、第一面101と垂直な方向における稜線と稜線の間隔は、2μm以上3μm以下の範囲である。また、実施例2においては、ガラス基板10の第一面101と垂直な方向における稜線と稜線の間隔は、5μm以上6μm以下の範囲である。
また、図13Aから明らかなように、第一実施形態における実施例3から1に変化するにつれて、つまり、貫通孔の側面の平滑度である分散粗さが小さくなるにつれて、貫通孔12の側面において、ガラス基板10の第一面101に平行な方向に延びる稜線として視認できる白線が緻密になり、稜線と稜線の間隔が狭くなる。これとは反対に、分散粗さが大きくなるほど(すなわち、実施例1から実施例3に変化し、さらに、比較例1から3に変化するにつれて)、稜線と稜線との間隔が大きくなるとともに、第一面101と平行ではない方向に延びる稜線も増えてくる。そして、更には、第一面101と垂直な方向に延びる稜線や第一面101と平行な方向と垂直な方向との間の方向(以下、「斜方向」ともいう。)に延びる稜線の発生頻度が多くなることが分かる。これらは、分散粗さが小さくなるほど、垂直方向に延びる稜線および斜方向に延びる稜線の割合が少なくなることを示している。例えば、実施例2においては、平均分散粗さが500nmであって、凹凸巾が980nmの場合、第一面101に平行な方向と第一面101と垂直な方向の間の方向に延びる白線が視認可能になる。
一方、実施形態における比較例1から3のように貫通孔の側面が粗くなる(分散平均粗さ1,000nmより大きくかつ凹凸巾1,500nmより大きい)場合、ガラス基板10の第一面101に垂直な方向に、または第一面101と垂直な方向と第一面101に平行な方向の間の方向に、延びる白線の割合が増えてくる。すなわち、斜方向において、稜線が複数視認可能になる。このような貫通孔12側面の平滑性(粗さ)がSEM画像に表れ、また、貫通電極の伝送特性に影響することがわかる。
また、図13Cは、第一実施形態における貫通孔に貫通電極を形成した場合の断面のSEM画像を示す図である。ここに示されるように、矢印で差し示されて破線で囲まれた箇所は、端部が立つ形状を有している。言い換えると、貫通孔12の側面とガラス基板10の第二面102との間には、ゆるやかに変化する箇所がなく、断面視において角度が一変している。つまり、貫通孔12の側面とガラス基板10の第二面102とは、端部が立つ形状を有しており、1000倍のSEM画像において、側面と第二面の領域とが明確に識別できる形状となっている。
(伝送特性)
続いて、図14を用いて、第一実施形態における各実施例および各比較例の貫通電極の伝送特性について説明する。図14は、実施形態における実施例1の貫通電極の伝送特性と、比較例1の貫通電極の伝送特性を示す図である。図14では貫通電極における伝送特性として伝送損失S21を測定した結果を示す。なお、実施例1から3は伝送特性が同じ傾向を示したため、代表して実施例1を示している。また、比較例1から3についても伝送特性がほとんど同じ傾向を示したので、代表して比較例1を示している。電極を形成するためのシード層の形成およびめっき処理等の形成条件は、実施例および比較例のいずれも共通とした。図14に示されるように、いずれの周波数領域においても、実施例の伝送損失のほうが比較例の伝送損失よりも小さいことが示される。したがって、貫通孔の側面については、分散粗さ、凹凸巾の値が小さいほど、貫通孔に形成される貫通電極における損失が小さくなり、伝送特性が良いことが分かる。
(ガラス基板の厚みを変更した場合の伝送特性)
また、各実施例および各比較例について、ガラス基板10の厚みを変更した場合の伝送特性S21についても測定した。この結果を表6に示す。表6に示されるように、ガラス基板10の厚みを100μm、150μm、200μmに設定したうえで、各実施例および各比較例に基づく条件で貫通孔及び貫通電極を作成し、伝送特性を計測した。表6に示されるように、第一実施形態における各実施例では、各比較例に比べ伝送特性S21が良好な値を示していることが確認される。
なお、各比較例に示される貫通電極の形成条件は、先行技術文献4に示された貫通電極の形成条件と同様である。先行技術文献4に記載されるように、Niを含む電解めっき液を用いた無電解めっきの技術を用いて貫通電極を形成している。なお、メッキの厚みは各実施例および各比較例において共通である。
表6に示す伝送特性は、単一の貫通電極の伝送特性となっており、複数個の貫通電極を必要とする多層配線基板では、単一貫通電極の伝送特性の向上が大きな性能向上につながる。第一実施形態に係る各実施例を使用することで、既存技術と比較し、高周波数帯での貫通電極の良好な伝送特性を実現した多層配線基板を得ることが可能となる。
なお、伝送特性の観点から、実施例1から3に示される貫通電極が比較例1から3に示される貫通電極よりも良好な結果が得られている。実施例の中で比較すると、実施例1が最も好ましく、実施例2、実施例3の順に良好であるということができる。
Figure 2024051691000007
<第一実施形態に係る多層配線基板の構成>
図15は、第一実施形態に係る多層配線基板1の構成の一例を示す図である。また、図16は、第一実施形態に係る多層配線基板1の構成の他の例を示す図である。多層配線基板1は、ガラス基板10、第一配線層21、および第二配線層22を含む。ガラス基板10の第一面101側には第一配線層21、ガラス基板10の第二面102側には第二配線層22が配置されている。ガラス基板10は、第一面101側から第二面102側まで貫通する貫通孔12を備える。貫通電極11は、貫通孔12の側面に沿って形成された導電体によって構成される。貫通電極11は第一配線層21の一部と第二配線層22に一部とを電気的に接続する。第一配線層21および第二配線層22は絶縁樹脂層25を含む。第一配線層21および第二配線層22は複数の層が積層された構成でもよく、その層数は必要に応じて設定してよい。貫通電極11は、第一配線層21と第二配線層22の間に電気的な接続を確立するための電極である。導通電極31は、多層配線基板1において基板の厚さ方向に導通を確保するための電極である。また、半導体素子用接合パッド50は、多層配線基板1に搭載する半導体回路を接続するための部材である。基板用接合パッド54は、多層配線基板1と他の基板または他の半導体素子とを接合するための部材である。
なお、貫通電極は、ガラス基板10の第一面101側から第二面102側を電気的に接続が可能であれば、図15に示すように貫通孔12の側面のみに導電体を配置してもよいし、図16に示すように貫通孔12に導電体を埋め込んでも構わない。
なお、第一実施形態では、第一配線層21の貫通電極11のZ軸方向上に導通電極31配置することが可能となる。
なお、図15および図16において、貫通孔12の形状は詳細を省略して示している。図17から図26においても同様に省略してある。
また、多層配線基板1の厚みは、例えば、100μm以上200μm以下の範囲である。
<第一実施形態における多層配線基板の製造方法>
続いて、多層配線基板1の製造方法について、図17から図26を用いて説明する。まず、ガラス基板10に貫通孔12を形成する工程について説明する。
[第一支持体の接着工程]
図17は、ガラス基板10を第一支持体62に張り合わせる工程を示す図である。ガラス基板10の厚みは、エッチング後の厚みを考慮したうえ、用途に応じて適宜設定することができる。
図17に示されるように、第一接着層61において、ガラス基板10と第一支持体62が貼り合わされており、ガラス基板10、第一接着層61、第一支持体62を含む積層構造体63が形成される。
なお、ガラス基板10と第一支持体62は、第一接着層61によって仮固定されている。
ガラス基板10に第一支持体を貼り合わせるためには、例えば、ラミネーター、真空加圧プレス、減圧貼り合わせ機等を使用することができる。
第一支持体62は、例えば、ガラス基板10と同一の材料であることが望ましい。ガラス基板10のSiO比率が55質量%以上81質量%以下の範囲である無アルカリガラスである場合、第一支持体62も無アルカリガラスであることが望ましい。また第一支持体62の厚みについては、ガラス基板10の厚みに応じて、適宜設定することができる。ただし、製造工程中に搬送可能な厚みであることが望ましく、支持体の厚みは、例えば300μm以上1,500μm以下の範囲とする。
ガラス基板10については、例えばSiO比率が55質量%以上81質量%以下の範囲である無アルカリガラスを用いることができる。ガラス基板10のSiO比率が81質量%より大きい場合、エッチングの加工速度が低下し、貫通孔12の側面の角度の平坦性が低下し、後述する貫通電極11の形成時に付き回り不良が発生してしまう。また、SiO比率が55質量%より小さい場合、ガラス中にアルカリ金属が含まれる可能性が高くなり、電子デバイス搭載後の多層配線基板の信頼性に影響する。SiO比率が55質量%以上81質量%以下の無アルカリガラスであれば、適宜設定比率を設定して構わない。
[レーザ改質工程]
続いて、図18は、レーザ改質部を形成する工程を示す図である。ガラス基板10の貫通孔形成予定部にレーザを照射することによって、ガラス基板10にレーザ改質部65が形成される。レーザ改質部65は、ガラス基板10に対しΦ3μm以下の形状で加工されており、ガラス基板10の厚み方向に連続的に形成される。この時、レーザ改質部65の周辺(以下、レーザ照射周辺部」ともいう。)には、5μm以上の微小なクラック(以下、「マイクロクラック」ともいう。)が発生していないことが望ましい。レーザ改質部65の周辺に10μm以上のマイクロクラックが発生すると、エッチング加工後の貫通孔12に側面で分散粗さが1000nm以上となり、凹凸巾も1500nm以上となる。この結果、平滑な側面の貫通孔12を得ることが困難となる。
また、5μm以上のマイクロクラックが発生した場合、後述するように、エッチング後の貫通孔12の側面では、SEM画像において、ガラス基板10の第一面101平行な方向に延びる稜線以外にも、第一面101と垂直な方向に延びる稜線および、第一面101に平行な方向と第一面101と垂直な方向の間の方向に延びる稜線を視認可能になる。
レーザ改質部65の加工については、例えば、フェムト秒レーザまたはピコ秒レーザを用い、且つレーザ発振波長は1064nm、532nm、または355nmのうちのいずれかの波長を使用することが好ましい。レーザのパルス幅が25ピコ秒以上ではレーザ改質部65の周辺に5μm以上のマイクロクラックが発生し易くなることから、レーザパルス幅は25ピコ秒以下であることが望ましい。また、複数回のパルス照射による加工を行うとμクラックが発生し易くなることから、1パルスでレーザ改質部65を形成することが望ましい。レーザ改質部65の周辺に5μm以上のマイクロクラックが発生しない条件であれば、レーザ発振波長およびレーザ出力は、ガラス基板10の厚みに応じて、適宜設定して構わない。すなわち、レーザ改質工程(第1の工程)において、ガラス基板に対して、貫通孔形成予定部にレーザを照射し、レーザ照射周辺部に発生するマイクロクラックの最大長さが5μmである、ということもできる。
[第一配線層の形成]
続いて、図19は、第一配線層21を形成する工程を示す図である。図19に示されるように、積層構造体63のガラス基板10上の第一面101に導電層と絶縁樹脂層からなる第一配線層21の形成を行う。ここでは、ガラス基板10上には耐フッ酸金属層を含むシード層を形成した後に、セミアディティブ(SAP)工法で第一面101に貫通電極接続部41(または貫通電極間の配線)を形成する。不要となったシード層を除去した後に、絶縁樹脂層25を形成する。
なお、シード層の形成について、ガラス基板10上の耐フッ酸金属層は、クロム、ニッケル、または双方を含む合金層であり、スパッタ処理にて10nm以上1,000nmの範囲で形成することができる。その後、耐フッ酸金属上に導電金属皮膜を所望の厚みで形成する。導電金属皮膜は、例えば、Cu、Ni、Al、Ti、Cr、Mo、W、Ta、Au、Ir、Ru、Pd、Pt、AlSi、AlSiCu、AlCu、NiFe、ITO、IZO、AZO、ZnO、PZT、TiN、Cuから適宜設定することができる。
セミアディティブ工法においては、めっきによる配線パターンを形成するために、フォトレジストを使用して所望のパターンを形成する。一般的には、ドライフィルムレジストを用いるが、液体のレジストを使用しても構わない。所望のパターンを露光、現像しパターン形成した後に、電解めっきにてめっき被膜を形成し、不要となったレジストを剥離し、シード層をエッチングすることで配線形成を行うことができる。
[絶縁樹脂層]
次に絶縁樹脂層25の形成について、絶縁樹脂層25は熱硬化性樹脂であり、その材料は、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂の少なくとも一つを含み、かつシリカSiOフィラーを含む材料である。絶縁樹脂層25の材料は、必要に応じて適宜選択することができる。但し、感光性絶縁樹脂材料を用いる場合は、フォトリソグラフィ性を確保するためにシリカSiOフィラーの充填が困難となるため、感光性絶縁樹脂材料も使用可能であるが、熱硬化樹脂を用いる方がより好ましい。
[第二支持体の接着工程]
次に、図20は、第二支持体を接着する工程を示す図である。図20に示されるように、積層構造体63の第一配線層21上に第二接着層71を形成し、第二接着層71上に第二支持体70を配置し接着する。
第二支持体70については、例えばガラスを用いることができ、ガラス基板10と同一の材料であることが望ましい。ガラス基板10が無アルカリガラスである場合、第二支持体70も無アルカリガラスであることが望ましい。また第二支持体70の厚みについては、ガラス基板60の厚みに応じて、適宜設定することができる。ただし、搬送可能な厚みであることが望ましく、その範囲は、300μm以上1,500μm以下の範囲である。
[剥離工程]
次に、図21は、第一支持体を剥離する工程を示す図である。図21に示されるように、ガラス基板10と第一支持体62を第一接着層61において剥離する。
[貫通孔の形成]
続いて、図22は、貫通孔12を形成する工程を示す図である。
[エッチング工程]
レーザ改質部65が形成されたガラス基板10に対し、所定のエッチング液でエッチング処理を施すことで貫通孔12が形成される。また、同時に、ガラス基板10の第二面もエッチングされ、ガラス基板10の厚さが減少することとなる。
[エッチング液]
エッチング液は、フッ酸を0.2質量%以上20.0質量%以下の範囲とし、硝酸を4.0質量%以上25.0質量%以下の範囲とし、フッ酸および硝酸以外の無機酸を0.5質量%以上11.0質量%以下の範囲として含有するものが用いられる。フッ酸および硝酸以外の無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸等が挙げられ、ガラス基板10中に含まれるケイ素以外の成分の種類に応じて、少なくとも1つの無機酸を含有させる。望ましくは、塩酸および硫酸を含有させたエッチング液であり、ガラス基板10に対するエッチングレートとしては、0.1μm/分以上10μm/分以下の範囲になるように適宜調整される。ガラス基板10に対するエッチングレートは、望ましくは0.25μm/分以上4μm/分以下の範囲であり、より望ましくは0.25μm/分以上0.5μm/分以下の範囲である。エッチング温度としては、特に限定されず、適宜調整することができるが、例えば10℃以上30℃以下の範囲となる。
なお、エッチングによる貫通孔12の形成工程では、フッ酸の濃度を下げて複数回のエッチングを行うようにしてもよい。例えば、初回でのエッチング処理はガラス基板10に対するエッチングレートを4μm/分以上10μm/分以下の範囲とし、二回目のエッチング処理をガラス基板10に対するエッチングレートを0.5μm/分以上4μm/分以下の範囲とし、その後、三回目のエッチング処理をガラス基板10に対するエッチングレートを0.25μm/分以上0.5μm/分以下の範囲とすることが挙げられる。エッチングの処理回数については、貫通孔の側面の粗さが所望の範囲になるように適宜処理回数を設定してよい。
[貫通電極の形成]
次に、図23を参照して、貫通電極11の形成工程について説明する。図23は、貫通電極11を形成する工程を示す図である。
貫通孔12が形成されたガラス基板10に対し、第二面102から、電解めっき処理のための金属層を形成する。金属層については、電解めっき処理のシード層として機能する金属であればよく、例えば、Cu、Ti、Cr、W、Ni等を含む金属である。金属層には上記金属のうち少なくとも1つが用いられ、また金属層の最表面にCu層が形成されていることが望ましい。Ti、Cr、W、Niについては、Cu層の下部のガラス基板10との密着層として使用されることが望ましい。金属層の厚みは、貫通孔12の側面を覆うことができる範囲に適宜設定される。形成方法としては、例えばスパッタリングを用いた蒸着による形成方法を採用することが可能である。
続いて、上記金属層をシード層として用いる電解めっき処理によって、貫通電極11を形成する。貫通孔12内を選択的に成長させるために、ガラス基板10の第二面102において貫通孔12および貫通孔12の周りの所定の範囲にレジスト等の絶縁体でマスクを形成しておき、電解めっき処理を行う。電解めっき処理に用いる材料ついては、例えばCuを用いることが可能であり、他の金属としては、Au、Ag、Pt、Ni、Sn等を含む金属を用いることも可能である。多層配線基板の用途に応じて、上記金属の導電体で貫通孔12内が充填されるように電解めっき処理を行っても構わない。
[絶縁樹脂層の形成]
また、図24を参照して、絶縁樹脂層25の形成工程について説明する。図24は、絶縁樹脂層を形成する工程を示す図である。貫通電極を形成するための電解めっき処理をした後は、レジスト等の絶縁体を除去し、またガラス基板10の第一面101および第二面102に形成された金属膜を除去し、ガラス基板10に形成された複数の貫通電極11それぞれを電気的に独立させた後に、図25に示されるように、第二面側に絶縁樹脂層25の形成を行う。
[第二支持体の剥離]
続いて、図25を参照して、第二支持体70および第二接着層71の剥離工程について説明する。図25は、第二支持体70および第二接着層71を剥離する工程を示す図である。図25に示されるように、第一配線層21の上方に形成された第二接着層71および第二支持体70を、第一面101側の第一配線層21と第二接着層71の界面より剥離する。これによって、図25に示されるように、第一面101側に第一配線層21、第二面102側に第二配線層22が形成された状態のガラス基板10が得られる。
第二支持体70を第二配線層22から剥離するにあたっては、第二接着層71に使用した材料に応じて、UV光の照射、加熱処理、物理剥離等から使用材料に応じた剥離方式を適宜選択することができる。また、第一配線層21と第二接着層71との接合面に、第二接着層71の残差が生じる場合、プラズマ洗浄、超音波洗浄、水洗、アルコールを使用した溶剤洗浄などを行ってもよい。
[第一配線層および第二配線層の形成]
続いて、図26を参照して、ガラス基板10に形成される第一配線層21および第二配線層22の形成について説明する。図26は、第一配線層21および第二配線層22を形成する工程を示す図である。貫通電極11が形成されたガラス基板10に対し、第一面101に第一配線層21を形成し、第二面102に第二配線層22を形成する。第一配線層21および第二配線層22の形成工程においては、最初に、感光性のレジストまたはドライフィルムレジスト等によってパターンを有するマスクを形成した後に、電解めっき処理によって配線を形成する。その後、物理密着処理、もしくは、化学的な密着処理を施した後に、絶縁樹脂層25を積層する。導通電極31については、レーザ加工等によって絶縁樹脂層25に孔を形成した後に、無電解めっき、もしくは、スパッタリングによる蒸着処理によって金属皮膜を形成する。上記金属皮膜にレジストを用いてパターンを有するマスクを形成し、電解めっきによって形成した孔に導電体を充填する。その後、マスクおよび余分の金属皮膜を除去する。上記工程は必要な層数に応じて複数回繰り返すことで、第一配線層21および第二配線層22が形成される。なお、第一配線層21および第二配線層22は多層配線基板1の反りを抑制するために、同じ層数であることが望ましい。第一配線層21および第二配線層22の層厚が異なる場合は、第一配線層21と第二配線層22に層数を変えても構わない。多層配線基板に用途に応じて、第一配線層21の層数および第二配線層22の層数は適宜設定してよい。
<第二実施形態>
図27は、半導体素子100とBGA(Ball Grid Array:ボールグリッドアレイ)基板90のインターポーザ基板として、多層配線基板1を用いる場合を示す図である。図28は、図27の場合の断面を示す図である。また、図29は、通信用の電子デバイスに多層配線基板1および半導体素子100が用いられる場合を示す図である。図30は、図29の場合の断面を示す図である。電子デバイスとしては、層厚が800μm以下のものが用いられる。また
上記電子デバイスは、貫通電極の伝送特性の影響によって、適応用途が限られており、本発明のガラス基板を使用することで電子デバイスの高周波数帯領域での適応が可能となる。
(本開示の貫通孔および貫通電極の特徴)
図31は、本開示において形成される貫通孔および貫通電極の特徴を説明する図である。図31は、例えば、図26の領域Raを拡大して示す図である。図31に示されるように、貫通孔12(または貫通電極11)の直上に、導通電極31を形成することができる。これは、貫通孔12が所謂、有底形状であるためである。有底形状にすることで、貫通孔12上に直接に導通電極31を形成することが可能となる。このため、電極全体としての伝送距離が短縮され、伝送特性の向上および貫通孔12の微細化が可能となる。
また、実施形態において説明したように、本開示における貫通孔12の側面には側面形状が変化する変曲点がなく、表面が滑らかである。したがって、貫通孔12にめっき処理を行う場合、均一な金属膜等を形成することができるため、貫通孔12側面において寄生容量の発生を抑制することができる。貫通孔12の形状は、変曲点を有する形状や、ガラス基板の第一面から第二面まで径がほとんど変化しない所謂ストレート形状とすることも可能であるが、伝送特性の観点からは、寄生容量の発生を抑制することができる本開示に示す形状が望ましい。
<作用・効果>
本開示において形成される貫通孔は、円錐台形状を有している。貫通孔12に貫通電極11を形成する場合、シード層となる金属層を形成するためにスパッタを行う場合、複数の金属のなかから選択することが可能である。特許文献4においてはNiが選択されるところ、本開示においては必ずしもNiを用いなくとも貫通電極を形成することができるため、貫通電極を容易に形成することができる。
以上、本発明の実施形態、並びに本発明の実施形態に係る製造方法、実施例によれば、貫通孔の側面を平滑に形成することで可能であり、貫通電極の伝送特性を既存技術に対し向上させることが可能となる。本発明を使用することで、高周波帯で良好な伝送特性を備えた多層配線基板の提供が可能となる。
(他の実施態様)
本開示は次の態様も含む。
(態様1)
第一面と第二面を有し、前記第一面から前記第二面まで貫通する少なくとも1つの貫通孔を備えるガラス基板であって、
前記貫通孔の側面は、前記第一面から5%以上95%以下の区間の位置において、傾斜角度が7°以上15°以下の範囲となり、
断面視において、前記貫通孔の側面を左側面および右側面とした場合、左側面の傾斜角度と右側面の傾斜角度の差が1.0°以下となる、ガラス基板。
(態様2)
態様1に記載のガラス基板であって、
前記貫通孔の側面は、
前記第二面と距離95%の位置までの傾斜角度は7°以上15°以下の範囲となる、ガラス基板。
(態様3)
態様1または2に記載のガラス基板であって、
第二面側の開口径Φ2と、第一面側の開口径Φ1の関係が、Φ1/Φ2≧0.4以上となる、ガラス基板。
(態様4)
態様1から3のいずれか1つに記載のガラス基板であって、
前記ガラス基板の厚さ方向における前記貫通孔の裁断面における側面形状の
分散粗さが1,000nm以下かつ凹凸巾が1,500nm以下である、ことを特徴とするガラス基板。
(態様5)
態様1から4のいずれか1つに記載のガラス基板であって、
前記分散粗さは、前記側面の輪郭データに基づいて粗さ曲線を抽出し、前記粗さ曲線に設定区間を設定し、前記設定区間において式1によって算出された算術平均粗さであり、
前記凹凸巾は、前記設定区間において、最も高い部分と最も低い部の間の差である、ガラス基板。
Figure 2024051691000008
(態様6)
態様1から5のいずれか1つに記載のガラス基板であって、
前記ガラス基板のSiO比率は55質量%以上81質量%以下の範囲となる、ガラス基板。
(態様7)
態様1から6のいずれか1つに記載のガラス基板を含む多層配線基板であって、
前記多層配線基板に搭載される電子デバイスの層厚は800μm以下であり、
前記多層配線基板の厚みは100μm以上200μm以下の範囲となる、多層配線基板。
(態様8)
態様1から7のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法であって、
ガラス基板に対して、貫通孔形成予定部にレーザを照射する第1の工程、
レーザ照射された前記ガラス基板をエッチングし、貫通孔を形成する第2の工程
を有するガラス基板の製造方法。
(態様9)
態様8に記載のガラス基板の製造方法であって、
前記ガラス基板の前記第一面には耐フッ酸金属膜が形成されており、
前記第2の工程において、前記ガラス基板の前記第二面からエッチングが行われる、ガラス基板の製造方法。
(態様10)
態様8または9に記載のガラス基板の製造方法であって、
前記第1の工程において、照射されるレーザは、レーザ発振波長が1064nm、532nm、または355nmのうちのいずれかの波長でありかつパルス幅が25ピコ秒以下である、ガラス基板の製造方法。
(態様11)
態様8から10のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法であって、
前記第1の工程において、前記レーザ照射周辺部に発生するマイクロクラックの最大長さが5μmである、ガラス基板の製造方法。
(態様12)
態様8から11のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法であって、
前記第2の工程において、エッチングレートを変更した複数回のエッチングが行われる、ガラス基板の製造方法。
(態様13)
態様8から12のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法であって、
前記第2の工程において、フッ酸を0.2質量%以上20.0質量%以下の範囲とし、硝酸を4.0質量%以上25.0質量%以下の範囲とし、フッ酸および硝酸以外の無機酸を0.5質量%以上11.0質量%以下の範囲として含有するエッチング液が用いられる、ガラス基板の製造方法。
1:多層配線基板
10:ガラス基板
11:貫通電極
12:貫通孔
21:第一配線層
22:第二配線層
25:絶縁樹脂層
31:導通電極
50:半導体素子用接合パッド
54:基板用接合パッド
61:第一接着層
62:第一支持体
63:積層構造体
65:レーザ改質部
70:第二支持体
71:第二接着層
90:BGA基板
100:半導体素子
101:ガラス基板10の第一面
102;ガラス基板10の第二面
TC:貫通孔の中心線
ss:貫通孔の側面との接線

Claims (13)

  1. 第一面と第二面を有し、前記第一面から前記第二面まで貫通する少なくとも1つの貫通孔を備えるガラス基板であって、
    前記貫通孔の側面は、前記第一面から5%以上95%以下の区間の位置において、傾斜角度が7°以上15°以下の範囲となり、
    断面視において、前記貫通孔の側面を左側面および右側面とした場合、左側面の傾斜角度と右側面の傾斜角度の差が1.0°以下となる、ガラス基板。
  2. 請求項1に記載のガラス基板であって、
    前記貫通孔の側面は、
    前記第二面と距離95%の位置までの傾斜角度は7°以上15°以下の範囲となる、ガラス基板。
  3. 請求項1に記載のガラス基板であって、
    第二面側の開口径Φ2と、第一面側の開口径Φ1の関係が、Φ1/Φ2≧0.4以上となる、ガラス基板。
  4. 請求項1に記載のガラス基板であって、
    前記ガラス基板の厚さ方向における前記貫通孔の裁断面における側面形状の
    分散粗さが1,000nm以下かつ凹凸巾が1,500nm以下である、ことを特徴とするガラス基板。
  5. 請求項4に記載のガラス基板であって、
    前記分散粗さは、前記側面の輪郭データに基づいて粗さ曲線を抽出し、前記粗さ曲線に設定区間を設定し、前記設定区間において式1によって算出された算術平均粗さであり、
    前記凹凸巾は、前記設定区間において、最も高い部分と最も低い部の間の差である、ガラス基板。
    Figure 2024051691000009
  6. 請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス基板であって、
    前記ガラス基板のSiO比率は55質量%以上81質量%以下の範囲となる、ガラス基板。
  7. 請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス基板を含む多層配線基板であって、
    前記多層配線基板に搭載される電子デバイスの層厚は800μm以下であり、
    前記多層配線基板の厚みは100μm以上200μm以下の範囲となる、多層配線基板。
  8. 請求項1に記載のガラス基板の製造方法であって、
    ガラス基板に対して、貫通孔形成予定部にレーザを照射する第1の工程、
    レーザ照射された前記ガラス基板をエッチングし、貫通孔を形成する第2の工程
    を有するガラス基板の製造方法。
  9. 請求項8に記載のガラス基板の製造方法であって、
    前記ガラス基板の前記第一面には耐フッ酸金属膜が形成されており、
    前記第2の工程において、前記ガラス基板の前記第二面からエッチングが行われる、ガラス基板の製造方法。
  10. 請求項8に記載のガラス基板の製造方法であって、
    前記第1の工程において、照射されるレーザは、レーザ発振波長が1064nm、532nm、または355nmのうちのいずれかの波長でありかつパルス幅が25ピコ秒以下である、ガラス基板の製造方法。
  11. 請求項8に記載のガラス基板の製造方法であって、
    前記第1の工程において、前記レーザ照射周辺部に発生するマイクロクラックの最大長さが5μmである、ガラス基板の製造方法。
  12. 請求項8に記載のガラス基板の製造方法であって、
    前記第2の工程において、エッチングレートを変更した複数回のエッチングが行われる、ガラス基板の製造方法。
  13. 請求項8に記載のガラス基板の製造方法であって、
    前記第2の工程において、フッ酸を0.2質量%以上20.0質量%以下の範囲とし、硝酸を4.0質量%以上25.0質量%以下の範囲とし、フッ酸および硝酸以外の無機酸を0.5質量%以上11.0質量%以下の範囲として含有するエッチング液が用いられる、ガラス基板の製造方法。
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