JP2024049166A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学露光を利用して、より小さな開口幅を有するエッチング開口を形成する。
【解決手段】本開示に係る方法は、特定層12上にレジスト層14を形成する工程と、レジスト層14を露光および現像し、ダミー開口幅Ldを有するダミー開口14b,14cと、ダミー開口幅Ldよりも大きい第1開口幅L1を有し、ダミー開口14b,14cの間に設けられるメイン開口14aとをレジスト層14に形成する工程と、メイン開口14aおよびダミー開口14b,14cが形成されたレジスト層14を加熱して変形させ、メイン開口14aを第1開口幅L1よりも小さい第2開口幅L2に縮小させ、ダミー開口14b,14cを閉塞させる工程と、メイン開口14dにて露出する特定層12をエッチングして、第3開口幅L3を有するエッチング開口12aを特定層12に形成する工程と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】本開示に係る方法は、特定層12上にレジスト層14を形成する工程と、レジスト層14を露光および現像し、ダミー開口幅Ldを有するダミー開口14b,14cと、ダミー開口幅Ldよりも大きい第1開口幅L1を有し、ダミー開口14b,14cの間に設けられるメイン開口14aとをレジスト層14に形成する工程と、メイン開口14aおよびダミー開口14b,14cが形成されたレジスト層14を加熱して変形させ、メイン開口14aを第1開口幅L1よりも小さい第2開口幅L2に縮小させ、ダミー開口14b,14cを閉塞させる工程と、メイン開口14dにて露出する特定層12をエッチングして、第3開口幅L3を有するエッチング開口12aを特定層12に形成する工程と、を備える。
【選択図】図1
Description
本開示は、半導体装置の製造方法に関する。
5G移動体通信システムでは、ミリ波増幅器の利用が予定されている。ミリ波増幅器に用いられる電界効果トランジスタ(FET)では、スイッチ速度向上のためにゲート長を短くすることが好ましく、例えば、電子線露光を用いたプロセスによって0.15μm程度のゲート長が実現される。電子線露光は、スループットが低いため、低コストで大量生産が可能なi線ステッパなどの光学露光を用いて、微細なゲート構造を実現できれば好ましい。
i線ステッパの最小解像度は、0.4μm程度であるため、0.15μm程度の開口幅を有するレジスト層を露光および現像のみで形成することは非常に困難である。光学露光の解像度よりも小さい開口幅を有するレジスト層の形成方法として、露光および現像後のレジスト開口をサーマルリフローによって縮小させる方法が提案されている。例えば、リフロー後のレジスト開口を0.15μm程度に縮小させることにより、0.15μm程度のゲート長を実現する技術が提案されている。
Cheng-Guan Yuan et al., "0.15 micron gate 6-inch pHEMT technology by using i-line stepper," CS MANTECH Conference (May 18-21, 2009, Tampa, Florida, US).
サーマルリフローによって形成されるレジスト層は、開口の端部に向けてなだらかに厚みが徐々に小さくなる形状を有する。そのため、サーマルリフローによるレジスト開口を利用してレジスト層の下側層をエッチングしてエッチング開口を形成すると、レジスト開口の外側においても下側層がエッチングされ、レジスト開口に比べて大きな開口幅を有するエッチング開口が形成される。したがって、リフロー後のレジスト開口の開口幅が0.15μm程度であったとしても、エッチング開口の開口幅を0.15μm程度とすることは困難である。
本開示はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その例示的な目的の一つは、光学露光を利用して、より小さな開口幅を有するエッチング開口を形成する技術を提供することにある。
本開示のある態様は、半導体装置の製造方法である。この方法は、半導体基板上に半導体または絶縁体から構成される特定層を形成する工程と、特定層上に第1レジスト層を形成する工程と、第1レジスト層を露光および現像し、ダミー開口幅を有する第1ダミー開口および第2ダミー開口と、ダミー開口幅よりも大きい第1開口幅を有し、第1ダミー開口と第2ダミー開口の間に設けられるメイン開口とを第1レジスト層に形成する工程と、メイン開口、第1ダミー開口および第2ダミー開口が形成された第1レジスト層を加熱して変形させ、メイン開口を第1開口幅よりも小さい第2開口幅に縮小させ、第1ダミー開口および第2ダミー開口を閉塞させる工程と、メイン開口にて露出する特定層をエッチングして、第3開口幅を有するエッチング開口を特定層に形成する工程と、を備える。
本開示によれば、光学露光を利用して、より小さな開口幅を有するエッチング開口を形成できる。
以下、図面を参照しながら、本開示を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
本実施の形態の概要を説明する。本実施の形態は、半導体または絶縁体からなる特定層の一部領域をエッチングしてエッチング開口を形成する方法に関する。エッチング開口の形成に用いるレジスト層は、i線ステッパなどの光学露光によってパターニングされた後、サーマルリフローによって整形される。露光および現像後のレジスト層は、エッチング開口に対応するメイン開口に加えて、メイン開口の両側に形成される少なくとも二つのダミー開口を有する。したがって、メイン開口は、第1ダミー開口と第2ダミー開口の間に形成される。メイン開口は、サーマルリフローによって縮小し、第1ダミー開口および第2ダミー開口は、サーマルリフローによって閉塞される。本実施の形態によれば、メイン開口の両側にダミー開口を形成することにより、メイン開口の縮小量を増やすことができ、より小さい開口幅を有するレジスト開口を形成できる。このようなレジスト開口を用いて特定層をエッチングすることにより、より小さい開口幅を有するエッチング開口を形成できる。
(第1実施形態)
図1(a)~(e)は、第1実施形態に係るエッチング開口12aの形成方法を模式的に示す断面図である。まず、図1(a)に示されるように、半導体基板10を用意し、半導体基板10上に特定層12を形成する。つづいて、特定層12上にレジスト層14を形成する。
図1(a)~(e)は、第1実施形態に係るエッチング開口12aの形成方法を模式的に示す断面図である。まず、図1(a)に示されるように、半導体基板10を用意し、半導体基板10上に特定層12を形成する。つづいて、特定層12上にレジスト層14を形成する。
半導体基板10は、少なくとも一つの半導体層を含む基板である。半導体基板10に含まれる半導体層の材料は特に問わず、シリコン(Si)などの単元素半導体であってもよいし、III-V族半導体や炭化シリコン(SiC)などの化合物半導体であってもよい。半導体基板10に含まれる半導体層の材料の一例は、GaN系の窒化物半導体であり、AlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の化学式で表すことができる。
特定層12は、少なくとも半導体層または絶縁体層を含む層である。特定層12に含まれうる半導体層の材料は特に問わず、半導体基板10と同様、単元素半導体であってもよいし、化合物半導体であってもよい。特定層12に含まれる半導体層は、半導体基板10に含まれる半導体層上にエピタキシャル成長によって形成されるエピ層であってもよい。特定層12に含まれる半導体層の一例は、GaN系の窒化物半導体である。特定層12に含まれうる絶縁体層の材料も特に問わず、SiO2などの酸化物材料であってもよいし、SiNなどの窒化物材料であってもよい。特定層12は、有機金属化学気相成長(MOVPE)法やプラズマ励起化学気相成長(PECVD)などの公知の方法を用いて半導体基板10の上面に形成できる。
レジスト層14は、サーマルリフロー用のフォトレジストを特定層12の上面に塗布することによって形成される。レジスト層14の材料は特に限られないが、例えば、ノボラック系のフォトレジスト材料を用いることができる。レジスト層14は、露光した箇所が除去されるポジ型であってもよいし、露光した箇所が残存するネガ型であってもよい。図1(a)~(e)に示される例では、ポジ型のレジスト層14が使用される。
次に、図1(b)に示されるように、レジスト層14の上方にマスク16を配置し、マスク16の上から紫外光18を照射してレジスト層14を露光する。紫外光18の波長は300nm以上である。図1(b)の露光工程では、例えば、i線ステッパを用いることができる。i線ステッパで使用する紫外光18の波長は約365nmであり、最小解像度は約400nmである。マスク16は、メインマスク開口16aと、第1ダミーマスク開口16bと、第2ダミーマスク開口16cとを有する。レジスト層14は、メインマスク開口16a、第1ダミーマスク開口16bおよび第2ダミーマスク開口16cのそれぞれに対応する領域において紫外光18によって露光される。
次に、レジスト層14を現像する。レジスト層14を現像することにより、図1(c)に示されるように、露光された領域にあるレジスト層14が除去され、レジスト層14にメイン開口14a、第1ダミー開口14bおよび第2ダミー開口14cが形成される。メイン開口14aは、メインマスク開口16aに対応する箇所に形成される。第1ダミー開口14bは、第1ダミーマスク開口16bに対応する箇所に形成される。第2ダミー開口14cは、第2ダミーマスク開口16cに対応する箇所に形成される。
メイン開口14aは、第1開口幅L1を有する。第1開口幅L1は、メインマスク開口16aの開口幅と実質的に同じである。第1開口幅L1は、例えば、0.6μm以上1μm以下であり、好ましくは0.7μm以上0.9μm以下である。第1ダミー開口14bおよび第2ダミー開口14cは、ダミー開口幅Ldを有する。ダミー開口幅Ldは、第1ダミーマスク開口16bおよび第2ダミーマスク開口16cのそれぞれの開口幅と実質的に同じである。ダミー開口幅Ldは、第1開口幅L1よりも小さい。ダミー開口幅Ldは、例えば、0.4μm以上0.7μm以下である。メイン開口14aの中心位置から第1ダミーマスク開口16bおよび第2ダミーマスク開口16cのそれぞれの中心位置までの開口ピッチLpは、例えば、1μm以上2μm以下であり、好ましくは1.5μm以上2.0μm以下である。
図2は、現像後のレジスト層14に形成されるメイン開口14a、第1ダミー開口14bおよび第2ダミー開口14cを模式的に示す上面図である。メイン開口14aは、第1開口幅L1が短手方向となる細長い矩形状を有する。同様に、第1ダミー開口14bおよび第2ダミー開口14cは、ダミー開口幅Ldが短手方向となる細長い矩形状を有する。第1ダミー開口14bおよび第2ダミー開口14cは、メイン開口14aの短手方向の隣に配置される。つまり、メイン開口14a、第1ダミー開口14bおよび第2ダミー開口14cは、短手方向に一列に並ぶように配置される。
次に、レジスト層14を加熱して変形させる。言い換えれば、レジスト層14をサーマルリフローによって整形する。レジスト層14のサーマルリフローにより、図1(d)に示されるように、レジスト層14のメイン開口14aが縮小し、リフロー前の第1開口幅L1よりも小さい第2開口幅L2を有するメイン開口14dが形成される。第2開口幅L2は、例えば、0.2μm以下であり、好ましくは0.1μm以下である。レジスト層14の第1ダミー開口14bおよび第2ダミー開口14cは、レジスト層14のサーマルリフローによって閉塞し、開口が存在しない状態となる。つまり、サーマルリフロー後の第1ダミー開口14bおよび第2ダミー開口14cの開口幅は0となる。
次に、図1(e)に示されるように、リフロー後のレジスト層14をマスクとして特定層12をエッチングし、メイン開口14dにおいて露出する特定層12にエッチング開口12aを形成する。エッチング開口12aは、反応性イオンエッチング(RIE)などの公知のドライエッチング技術を用いて形成できる。エッチング開口12aは、ウェットエッチングによって形成されてもよい。エッチング開口12aは、第2開口幅L2よりも大きい第3開口幅L3を有する。第3開口幅L3は、例えば、0.3μm以下であり、好ましくは0.2μm以下である。
図1(e)に示されるエッチング開口12aは、例えば、エッチング開口12aに埋め込まれる埋込部を含むゲート電極を形成するために用いることができる。この場合、エッチング開口12aの第3開口幅L3がゲート長に相当する。したがって、第3開口幅L3を0.3μm以下にすることにより、埋込部におけるゲート長を0.3μm以下にできる。一例として、リフロー後のメイン開口14dの第2開口幅L2を0.1μm以下にすることにより、埋込部におけるゲート長を0.15μm程度にできる。
図3は、リフロー前の第1開口幅L1、リフロー後の第2開口幅L2およびエッチング後の第3開口幅L3の関係性の一例を示すグラフである。図3の例は、ダミー開口幅Ld=0.5μm、開口ピッチLp=1.5μm、リフロー温度T=150℃、リフロー時間t=240秒(4分)の場合を示す。特定層12の材料はSiNである。図3の例によれば、リフローによるメイン開口14aの縮小量、つまり、第1開口幅L1と第2開口幅L2の差ΔL=L1-L2を0.6μm以上とすることができる。例えば、第1開口幅L1が0.7μmの場合、リフロー後のメイン開口14dの第2開口幅L2を0.1μm以下にでき、エッチング後のエッチング開口12aの第3開口幅L3を0.15μm程度にできる。
(予備実験)
図4は、予備実験に用いたマスク20の開口パターンを模式的に示す平面図である。予備実験では、メイン開口とダミー開口を組み合わせるのではなく、複数のマスク開口22の開口幅Lmが共通であるマスク20を使用した。複数のマスク開口22の個数は10である。マスク20を使用したi線ステッパによる露光および現像によってレジスト層に複数の開口を形成し、リフロー前とリフロー後のレジスト層の開口幅を測定した。マスク開口22の開口幅Lmおよびピッチpが異なる複数のマスク20を使用し、開口幅Lmおよびピッチpの変化による影響を調べた。
図4は、予備実験に用いたマスク20の開口パターンを模式的に示す平面図である。予備実験では、メイン開口とダミー開口を組み合わせるのではなく、複数のマスク開口22の開口幅Lmが共通であるマスク20を使用した。複数のマスク開口22の個数は10である。マスク20を使用したi線ステッパによる露光および現像によってレジスト層に複数の開口を形成し、リフロー前とリフロー後のレジスト層の開口幅を測定した。マスク開口22の開口幅Lmおよびピッチpが異なる複数のマスク20を使用し、開口幅Lmおよびピッチpの変化による影響を調べた。
図5は、マスク開口幅Lmと、レジスト層のリフロー前後の開口幅L1,L2との関係性の一例を示すグラフである。図5の例は、複数のマスク開口22のピッチp=1.5μm、リフロー温度T=150℃、リフロー時間t=240秒の場合に、複数のマスク開口22のマスク開口幅Lmを変化させた結果を示す。レジスト層のリフロー前の開口幅L1は、マスク開口幅Lmとほぼ一致しており、マスク20の開口パターンがそのままレジスト層に現像されている。レジスト層のリフロー後の開口幅L2は、マスク開口幅Lmが0.7μm以下の場合に閉塞して0となり、マスク開口幅Lmが0.7μmを超える場合に閉塞せずに0より大きい値となった。
図6は、マスクの開口幅Lmおよびピッチpと、レジスト層のリフロー前後の開口幅の縮小量ΔLとの関係性の一例を示すグラフである。図6の例は、リフロー温度T=150℃、リフロー時間t=240秒の場合に、複数のマスク開口22のピッチp(μm)を1、1.5、2、3、4および7に変化させた結果を示す。図示されるように、ピッチpが1μm以上2μm以下の場合には、i線ステッパを利用可能な0.4μm以上のマスク開口を用いる条件下で、リフロー後にレジスト開口を閉塞できる条件が存在することが分かる。ここで、レジスト開口を閉塞できる条件とは、レジスト開口の縮小量ΔLがマスク開口幅Lm以上となる場合に相当し、図6の左上の斜線が付される領域に相当する。特に、ピッチpが1.5μm以上2μm以下の場合には、レジスト開口の縮小量ΔLを0.6μm以上とすることができ、リフローによるレジスト開口の好ましい縮小効果が得られる。一方、ピッチpが3μm以上の場合、0.4μm以上のマスク開口を用いる条件下において、リフロー後にレジスト開口を閉塞できる条件が存在しないことが分かる。
図7は、実施例に係るマスク24の開口パターンを模式的に示す平面図である。図7のマスク24は、メインマスク開口24aと、複数の第1ダミーマスク開口24bと、複数の第2ダミーマスク開口24cとを有する。複数の第1ダミーマスク開口24bは、メインマスク開口24aの一方の側(図7の右側)に所定のピッチpで等間隔に配置される。複数の第2ダミーマスク開口24cは、メインマスク開口24aの他方の側(図7の左側)に所定のピッチpで等間隔に配置される。複数の第1ダミーマスク開口24bおよび複数の第2ダミーマスク開口24cのダミーマスク開口幅Lm2は、メインマスク開口24aのメインマスク開口幅Lm1よりも小さい。図7のマスク24を用いることにより、片側のダミー開口が複数個Ndとなり、両側のダミー開口の合計個数が2Ndとなる場合におけるレジスト層のリフロー後のメイン開口の開口幅L2を測定した。
図8は、ダミー開口の個数Ndとリフロー後のレジスト開口幅L2との関係性の一例を示すグラフである。図8は、ダミーマスク開口幅Lm2=0.5μm、マスク開口のピッチp=1.5μm、リフロー温度T=150℃、リフロー時間t=240秒の場合に、片側のダミー開口の個数Ndを1、2、5に変化させ、メインマスク開口幅Lm1を0.7μm~1μmの範囲で変化させた結果を示す。図示されるように、片側のダミー開口の個数Nd=1の場合、つまり、図1(b)のマスク16を用いた場合、リフロー後のレジスト開口幅L2が最小となった。Nd=1の場合、メインマスク開口幅Lm1=0.85μmにて、リフロー後のレジスト開口幅L2=0.07μmとなった。
図8において、片側のダミー開口の個数Nd=2の場合、Nd=5の場合と同様の結果が得られた。片側のダミー開口の個数Ndが2以上の場合、Nd=1の場合に比べてレジスト開口幅のリフロー前後の縮小量ΔLが小さくなる傾向にある。なお、片側のダミー開口の個数Ndが複数(つまり、2以上)であっても、メインマスク開口幅Lm1を0.7μm程度とすることで、リフロー後のレジスト開口幅L2を0.1μm程度とすることができる。
図9は、露光量Dとリフロー後のレジスト開口幅L2との関係性の一例を示すグラフである。図9は、片側のダミー開口の個数Nd=1、ダミーマスク開口幅Lm2=0.5μm、マスク開口のピッチp=1.5μm、リフロー温度T=150℃、リフロー時間t=240秒の場合に、露光量D(mJ/cm2)を120、170および220に変化させた結果を示す。露光量Dが少ないほど、リフロー後のレジスト開口幅L2が小さくなる傾向となった。露光量D=120mJ/cm2、メインマスク開口幅Lm=0.8μmの場合に、リフロー後のレジスト開口幅L2が0.045μmとなった。
図10は、リフロー温度Tとリフロー後のレジスト開口幅L2との関係性の一例を示すグラフである。図10は、片側のダミー開口の個数Nd=1、ダミーマスク開口幅Lm2=0.5μm、マスク開口のピッチp=1.5μm、露光量D=170mJ/cm2、リフロー時間t=240秒の場合に、リフロー温度T(℃)を130、140および150に変化させた結果を示す。リフロー温度Tが高いほど、リフロー後のレジスト開口幅L2が小さくなる傾向となった。リフロー温度T=150℃、メインマスク開口幅Lm=0.85μmの場合に、リフロー後のレジスト開口幅L2が0.145μmとなった。
図11は、リフロー時間tとエッチング後のエッチング開口幅L3との関係性の一例を示すグラフである。図11は、片側のダミー開口の個数Nd=1、ダミーマスク開口幅Lm2=0.5μm、マスク開口のピッチp=1.5μm、リフロー温度T=150℃の場合に、リフロー時間tを240秒(つまり4分)または270秒(つまり4.5分)とした結果を示す。エッチングされる特定層の材料はSiNである。メインマスク開口幅Lmが0.85μm以下の場合、リフロー時間tが長い方がエッチング開口幅L3が小さくなった。例えば、メインマスク開口幅Lm=0.7μm、リフロー時間t=270秒の場合に、エッチング開口幅L3=0.105μmとなった。ただし、リフロー時間tを長くすると、エッチング開口幅L3のばらつきが増加する傾向にある。
以上の実験結果から、レジスト層14においてメイン開口14aの両側にダミー開口14b,14cを形成することにより、リフロー後のメイン開口14aの縮小量を増やすことができ、より小さい第2開口幅L2を有するレジスト開口を形成できることが分かる。このようなレジスト開口を用いて特定層12をエッチングすることにより、より小さい第3開口幅L3を有するエッチング開口12aを形成できる。本実施の形態の一例によれば、最小解像度が400nm程度のi線ステッパを用いて、150μm程度の第3開口幅L3を有するエッチング開口12aを形成できる。
(第2実施形態)
図12は、第2実施形態に係る半導体装置30の構造を模式的に示す断面図である。半導体装置30は、半導体基板32と、ソース電極34と、ドレイン電極36と、絶縁層38と、ゲート電極40とを備える。半導体装置30は、電界効果トランジスタ(FET)であり、より具体的には、高電子移動度トランジスタ(HEMT)である。
図12は、第2実施形態に係る半導体装置30の構造を模式的に示す断面図である。半導体装置30は、半導体基板32と、ソース電極34と、ドレイン電極36と、絶縁層38と、ゲート電極40とを備える。半導体装置30は、電界効果トランジスタ(FET)であり、より具体的には、高電子移動度トランジスタ(HEMT)である。
半導体基板32は、チャネル層50と、電子供給層52と、素子分離領域54とを含む。半導体基板32は、例えば、GaN系の窒化物半導体で構成される。チャネル層50は、例えばGaN層である。電子供給層52は、チャネル層50上に形成される。電子供給層52は、例えばAlGaN層である。素子分離領域54は、ソース電極34およびドレイン電極36の外側の位置に形成される。素子分離領域54は、チャネル層50および電子供給層52に比べて高抵抗の領域であり、ホウ素(B)、窒素(N)、アルゴン(Ar)、鉄(Fe)などのイオンを注入することにより形成される。
ソース電極34およびドレイン電極36は、半導体基板32の上に設けられる。ソース電極34およびドレイン電極36は、半導体基板32(例えば電子供給層52)とオーミック接触可能な金属材料で構成される。ソース電極34およびドレイン電極36は、例えば、Ti/Al/Ni/Au、Ti/Al/Nb/Au、または、Mo/Al/Mo/Auなどの積層構造を成膜した後、600℃~900℃の高温処理により合金化することで形成される。
絶縁層38は、半導体基板32の上面、ソース電極34およびドレイン電極36を被覆する。絶縁層38は、半導体基板32の上面を露出させるゲート開口42を有する。絶縁層38は、ゲート開口42を除いて、半導体基板32の上面を被覆する。絶縁層38は、ソース電極34およびドレイン電極36の全体を被覆してもよいし、一部領域のみを被覆してもよい。絶縁層38は、ソース電極34およびドレイン電極36を被覆しないように設けられてもよい。絶縁層38は、例えば、窒化シリコン(SiN)で構成される。
ゲート電極40は、フィールドプレート構造を有し、埋込部44と、フィールドプレート部46とを有する。埋込部44は、ゲート開口42を埋めるように形成され、半導体基板32(例えば電子供給層52)と接触する。フィールドプレート部46は、絶縁層38の上に設けられ、絶縁層38の上面と接触する。ゲート電極40は、半導体基板32(例えば電子供給層52)とショットキー接触する金属材料で構成され、例えば、Ni/Auの積層構造で構成される。
フィールドプレート構造では、ゲート電極40、絶縁層38およびチャネル層50からなるMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)接合がゲート端に形成される。このため、ゲート-ドレイン間の電界集中が緩和して半導体装置30のオフ耐圧が向上する効果が得られる。また、ゲート電極40に交流電圧を印加した場合には、フィールドプレート部46の直下におけるキャリア濃度が変調されるため、電流コラプスを抑制する効果も得られる。
ゲート電極40のゲート長Lgは、絶縁層38に形成されるゲート開口42の開口幅によって規定される。ゲート電極40のゲート長Lgは、例えば、0.15μm程度である。ゲート開口42は、上述の第1実施形態に係るエッチング開口12aと同様の方法で形成できる。以下、半導体装置30の製造方法について説明する。
図13(a)~(d)は、半導体装置30の製造工程を模式的に示す図であり、ゲート開口42を形成するまでの工程を示す。まず、図13(a)に示されるように、チャネル層50の上に電子供給層52を形成する。電子供給層52は、例えば、MOVPE法により形成できる。次に、電子供給層52の上にソース電極34およびドレイン電極36を形成する。ソース電極34およびドレイン電極36は、例えば、蒸着法やスパッタリング法により形成できる。次に、電子供給層52、ソース電極34およびドレイン電極36を被覆する絶縁層38を形成する。絶縁層38は、例えば、PECVD法により形成できる。
次に、図13(b)に示されるように、ソース電極34およびドレイン電極36の外側の位置にイオン56を注入し、チャネル層50および電子供給層52に素子分離領域54を形成する。
次に、図13(c)に示されるように、絶縁層38の上に第1レジスト層60を形成する。つづいて、第1レジスト層60を露光および現像することにより、第1レジスト層60にメイン開口、第1ダミー開口および第2ダミー開口を形成する。第1レジスト層60のメイン開口は、第1開口幅L1を有し、第1レジスト層60の第1ダミー開口および第2ダミー開口は、ダミー開口幅Ldを有する。第1レジスト層60の露光および現像工程は、上述の第1実施形態にて示した図1(b)~(c)と同様である。第1レジスト層60として、例えば、サーマルリフロー用のノボラック系ポジ型レジスト材料を用いることができる。第1レジスト層60の露光は、i線ステッパを用いることができる。
次に、図13(d)に示されるように、第1レジスト層60をサーマルリフローにより加熱して変形させ、第2開口幅L2に縮小したメイン開口60dを形成する。このサーマルリフロー工程は、上述の第1実施形態にて示した図1(d)と同様である。サーマルリフローにより、第1ダミー開口および第2ダミー開口は閉塞し、開口が存在しない状態となる。
つづいて、第1レジスト層60をマスクとして、メイン開口60dにて露出する絶縁層38をエッチングし、絶縁層38にゲート開口42を形成する。ゲート開口42の開口幅Lgは、エッチング前のメイン開口60dの第2開口幅L2よりも大きい。このエッチング工程は、上述の第1実施形態にて示した図1(e)と同様である。つまり、絶縁層38は特定層12に相当し、ゲート開口42はエッチング開口12aに相当する。
図14(a)~(b)は、半導体装置30の製造工程を模式的に示す断面図であり、ゲート電極40を形成する工程を示す。まず、図13(d)に示されるゲート開口42の形成後に第1レジスト層60を剥離して除去する。次に、図14(a)に示されるように、絶縁層38の上に第2レジスト層62を形成する。第2レジスト層62は、リフトオフ用のフォトレジストであり、オーバーハング形状を有する。第2レジスト層62は、ゲート形成領域Wgを除いて形成され、ゲート形成領域Wgに設けられる開口66を有する。ゲート形成領域Wgは、ゲート開口42を囲むように規定される外周を有し、ゲート開口42の全体がゲート形成領域Wgの内側に存在するように設定される。
次に、図14(b)に示されるように、第2レジスト層62をマスクとして電極層58を堆積する。これにより、ゲート形成領域Wgにおいて露出するゲート開口42内および絶縁層38上に電極層58が堆積され、ゲート開口42内に埋め込まれる埋込部44と、絶縁層38上に設けられるフィールドプレート部46とを含むゲート電極40が形成される。ゲート形成領域Wgは、フィールドプレート部46の形成範囲に相当する。その後、第2レジスト層62を剥離して除去することにより、図12に示す半導体装置30ができあがる。
第2実施形態によれば、ゲート電極40がフィールドプレート部46を含むため、ゲート端の電流集中を緩和してゲート耐圧を向上できるとともに、電流コラプスを抑制できる。また、ゲート電極40が埋込部44を含むため、ゲート電極40の機械的強度を高めることができ、ゲート電極40の製造歩留まりを向上できる。
図15は、半導体装置30のゲート長Lgのばらつきを示すヒストグラムである。図15は、図13(a)~図14(b)の製造工程により、4インチウェハ上に作成した複数の半導体装置30のゲート長Lgのばらつきを示す。第1レジスト層60の露光に使用したマスクのメインマスク開口幅Lmは0.7μmである。図15の例において、ゲート長Lgの平均値は0.187μmであり、標準偏差は0.03μmであった。
図16は、メインマスク開口幅Lmと半導体装置30の最大ドレイン電流IMAXの関係性の一例を示すグラフである。図示されるように、メインマスク開口幅Lmを小さくしてゲート長Lgを小さくすることにより、最大ドレイン電流IMAXを向上できた。この結果は、ゲート長Lgの短縮によって電子速度の向上が可能であることを示す。この理由として、チャネル層50を構成するGaNの電子速度が飽和する電界強度が約200kV/cmと高く、高電界まで速度飽和が生じにくいことが考えられる。
図17は、半導体装置30の逆方向耐圧特性の一例を示すグラフであり、メインマスク開口幅Lmを0.7μmおよび1.0μmとした場合を示す。図示されるように、メインマスク開口幅Lmを小さくしてゲート長Lgを小さくすることにより、ゲートリーク電流を小さくすることができた。また、メインマスク開口幅Lm=0.7μmの場合、ゲートリーク電流が10-4A/mm以上となる逆耐圧を200V以上にできた。
図18は、メインマスク開口幅Lmと半導体装置30のゲートリーク電流の関係性の一例を示すグラフである。図18は、ゲート-ドレイン電圧VGDを-100Vにした場合におけるゲートリーク電流を示す。図示されるように、メインマスク開口幅Lmを小さくしてゲート長Lgを小さくすることにより、ゲートリーク電流を小さくすることができ、ゲート耐圧を向上できた。この理由として、ゲート電極40のフィールドプレート部46の長さを固定する条件下でゲート長Lgを変化させたため、ゲート長Lgの縮小によってフィールドプレート部46の実効的な長さが増加し、ゲート耐圧が向上したと考えられる。
第2実施形態に係る半導体装置30について、ゲート長Lgを0.15μm、ゲート幅を50μm(フィンガー長25μm×2本)としたときのSパラメータをオンウェハで測定した。電流利得遮蔽周波数fTは、ドレイン電圧が10Vのときに19GHzであった。最大発振周波数fMAXは、ドレイン電圧が30Vのときに75GHzであった。電流利得遮蔽周波数fTおよび最大発振周波数fMAXが比較的低い理由として、半導体装置30の寄生ゲート容量が大きいことが考えられる。半導体装置30の寄生ゲート容量は、ゲート電極40が絶縁層38を介してチャネル層50と電気的に結合することによって生じる。
(第3実施形態)
図19は、第3実施形態に係る半導体装置30Aの構造を模式的に示す断面図である。第3実施形態では、ゲート電極40AがいわゆるT字型ゲートである点で、上述の第2実施形態と相違する。以下、第3実施形態について、第2実施形態との相違点を中心に説明し、共通点については説明を適宜省略する。
図19は、第3実施形態に係る半導体装置30Aの構造を模式的に示す断面図である。第3実施形態では、ゲート電極40AがいわゆるT字型ゲートである点で、上述の第2実施形態と相違する。以下、第3実施形態について、第2実施形態との相違点を中心に説明し、共通点については説明を適宜省略する。
半導体装置30Aは、半導体基板32と、ソース電極34と、ドレイン電極36と、絶縁層38と、ゲート電極40Aとを備える。ゲート電極40Aは、絶縁層38のゲート開口42に埋め込まれる埋込部44と、絶縁層38の上方に絶縁層38から離れて設けられるヘッド部48とを含む。
図20(a)~(c)は、半導体装置30Aの製造工程を模式的に示す断面図であり、ゲート電極40Aを形成する工程を示す。第3実施形態において、ゲート開口42を形成するまでの工程は、図13(a)~(d)に示した第2実施形態と共通である。
図13(d)に示されるゲート開口42の形成後、図20(a)に示されるように、第1レジスト層60を残したまま、ゲート開口42内および第1レジスト層60上に電極層58Aを堆積する。次に、図20(b)に示されるように、ゲート形成領域Wgに第2レジスト層62Aを形成する。ゲート形成領域Wgは、ゲート形成領域Wgは、ゲート開口42を囲むように規定される外周を有し、ゲート開口42の全体がゲート形成領域Wgの内側に存在するように設定される。したがって、第2レジスト層62Aは、少なくともゲート開口42の全体と重なるように配置される。
次に、図20(c)に示されるように、第2レジスト層62Aをマスクとして電極層58Aをエッチング除去する。これにより、ゲート開口42内に埋め込まれる埋込部44と、絶縁層38から離れて設けられるヘッド部48とを含むゲート電極40Aが形成される。ゲート電極40Aの形成後に、第1レジスト層60および第2レジスト層62Aを剥離して除去することにより、図19に示される半導体装置30Aができあがる。
第3実施形態によれば、ゲート電極40Aは、絶縁層38の上面から離れて設けられるため、第2実施形態に比べて寄生ゲート容量を小さくできる。その結果、第3実施形態では、第2実施形態に比べて、高周波利得を向上できる。一方、第3実施形態では、第2実施形態に比べて、ゲート電極40Aと絶縁層38が接触する面積が小さいため、ゲート電極40Aが剥離しやすく、ゲート電極40Aの製造歩留まりが低下する。
(第4実施形態)
図21は、第4実施形態に係る半導体装置30Bの構造を模式的に示す断面図である。第4実施形態では、ゲート電極40Bが埋込部44、フィールドプレート部46およびヘッド部48を含み、第2実施形態および第3実施形態のゲート電極40,40Aの特徴を併せ持つように構成される点で、上述の実施形態と相違する。以下、第4実施形態について、第2実施形態および第3実施形態との相違点を中心に説明し、共通点については説明を適宜省略する。
図21は、第4実施形態に係る半導体装置30Bの構造を模式的に示す断面図である。第4実施形態では、ゲート電極40Bが埋込部44、フィールドプレート部46およびヘッド部48を含み、第2実施形態および第3実施形態のゲート電極40,40Aの特徴を併せ持つように構成される点で、上述の実施形態と相違する。以下、第4実施形態について、第2実施形態および第3実施形態との相違点を中心に説明し、共通点については説明を適宜省略する。
半導体装置30Bは、半導体基板32と、ソース電極34と、ドレイン電極36と、絶縁層38と、ゲート電極40Bとを備える。ゲート電極40Bは、絶縁層38のゲート開口42に埋め込まれる埋込部44と、絶縁層38の上面に接触するフィールドプレート部46と、絶縁層38の上方に絶縁層38から離れて設けられるヘッド部48とを含む。
図22(a)~(d)は、半導体装置30Bの製造工程を模式的に示す断面図であり、ゲート電極40Bを形成する工程を示す。第3実施形態において、ゲート開口42を形成するまでの工程は、図13(a)~(d)に示した第2実施形態と共通である。
図13(d)に示されるゲート開口42の形成後、第1レジスト層60を剥離して除去する。次に、図22(a)に示されるように、絶縁層38の上に第2レジスト層62Bを形成する。第2レジスト層62Bは、サーマルリフロー用のフォトレジストである。第2レジスト層62Bは、第1ゲート形成領域Wg1を除いて形成され、第1ゲート形成領域Wg1に設けられる開口66Bを有する。第1ゲート形成領域Wgは、ゲート開口42を囲むように規定される外周を有し、ゲート開口42の全体が第1ゲート形成領域Wg1の内側に存在するように設定される。第1ゲート形成領域Wg1は、例えば、図14(a)に示されるゲート形成領域Wgよりも狭い範囲となるように設定される。
第2レジスト層62Bの開口66Bの開口幅は、ゲート長Lgよりも大きく、例えば、i線ステッパの最小解像度である400nmよりも大きい。そのため、第2レジスト層62Bの露光に用いるマスクは、開口66Bに対応するメインマスク開口のみを有すればよく、ダミーマスク開口を有しなくてもよい。つまり、従来の一般的な露光用マスクを用いて、第2レジスト層62Bをパターニングできる。なお、第2レジスト層62Bの露光に、メインマスク開口とダミーマスク開口とを有するマスクを用いてもよい。第2レジスト層62Bの露光および現像後に、第2レジスト層62Bをサーマルリフローすることにより、開口66Bの端部がなだらかな形状となる第2レジスト層62Bを形成できる。
次に、図22(b)に示されるように、第2レジスト層62Bをマスクとして電極層58Bを堆積する。これにより、第1ゲート形成領域Wg1において露出するゲート開口42内および絶縁層38上に電極層58Bが堆積され、第1ゲート形成領域Wg1の外側において第2レジスト層62Bの上に電極層58Bが堆積される。
次に、図22(c)に示されるように、第2ゲート形成領域Wg2に第3レジスト層64Bを形成する。第2ゲート形成領域Wg2は、ゲート開口42および第1ゲート形成領域Wg1を囲むように規定される外周を有し、ゲート開口42および第1ゲート形成領域Wg1の全体が第2ゲート形成領域Wg2の内側に存在するように設定される。したがって、第3レジスト層64Bは、少なくともゲート開口42および第1ゲート形成領域Wg1の全体と重なるように配置される。
次に、図22(d)に示されるように、第3レジスト層64Bをマスクとして電極層58Bをエッチング除去する。これにより、ゲート開口42内に埋め込まれる埋込部44と、絶縁層38の上面と接触するフィールドプレート部46と、絶縁層38から離れて設けられるヘッド部48とを含むゲート電極40Bが形成される。ゲート電極40Bの形成後に、第2レジスト層62Bおよび第3レジスト層64BAを剥離して除去することにより、図21に示される半導体装置30Bができあがる。
第4実施形態によれば、ゲート電極40Bのヘッド部48は、絶縁層38の上面から離れて設けられるため、第2実施形態に比べて寄生ゲート容量を小さくでき、高周波利得を向上できる。第4実施形態によれば、ゲート電極40Bのフィールドプレート部46は、絶縁層38の上面に接触して設けられるため、第3実施形態に比べて、ゲート電極40Bの機械的強度を向上でき、ゲート電極40Bの製造歩留まりを改善できる。
第4実施形態に係る半導体装置30Bについて、ゲート長Lgを0.15μm、ゲート幅を50μm(フィンガー長25μm×2本)としたときのSパラメータをオンウェハで測定した。電流利得遮蔽周波数fTは、ドレイン電圧が10Vのときに40GHzであった。最大発振周波数fMAXは、ドレイン電圧が30Vのときに106GHzであった。第4実施形態によれば、第2実施形態に比べて、電流利得遮蔽周波数fTおよび最大発振周波数fMAXが向上しており、寄生ゲート容量の低減効果を得ることができる。
上述の実施の形態では、第1実施形態に係るエッチング開口12aの形成方法を、プレーナ構造のHEMTにおけるゲート開口の形成に適用する場合について示した。本実施形態に係るエッチング開口12aの形成方法は、半導体装置の製造プロセスにおける任意のエッチング工程に適用することができる。
本実施の形態は、例えば、リセス構造のHEMTにおけるゲート開口の形成に適用できる。この場合、電子供給層にゲート埋込用の凹部(リセス)を形成するエッチング工程において、メインマスク開口16aとダミーマスク開口16b,16cを有するマスク16を用いて露光および現像した後にサーマルリフローによって整形したレジスト層14を利用できる。この場合、エッチング対象となる特定層12の少なくとも一部は、半導体層である電子供給層となる。
本実施の形態は、トレンチ構造のトランジスタにおけるゲートトレンチの形成に適用できる。この場合、半導体層にゲートトレンチを形成するエッチング工程において、メインマスク開口16aとダミーマスク開口16b,16cを有するマスク16を用いて露光および現像した後にサーマルリフローによって整形したレジスト層14を利用できる。この場合、エッチング対象となる特定層12の少なくとも一部は、半導体層となる。
以上、本開示を実施の形態にもとづいて説明した。本開示は上記実施の形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
10…半導体基板、12…特定層、12a…エッチング開口、14…レジスト層、14a…メイン開口、14b…第1ダミー開口、14c…第2ダミー開口、16…マスク、16a…メインマスク開口、16b…第1ダミーマスク開口、16c…第2ダミーマスク開口、20…マスク、30,30A,30B…半導体装置、32…半導体基板、34…ソース電極、36…ドレイン電極、52…電子供給層、38…絶縁層、40,40A,40B…ゲート電極、42…ゲート開口、44…埋込部、46…フィールドプレート、48…ヘッド部、50…チャネル層、52…電子供給層、54…素子分離領域、58,58A,58B…電極層、60…第1レジスト層、60d…メイン開口、62,62A,62B…第2レジスト層、64B…第3レジスト層。
Claims (9)
- 半導体基板上に半導体または絶縁体から構成される特定層を形成する工程と、
前記特定層上に第1レジスト層を形成する工程と、
前記第1レジスト層を露光および現像し、ダミー開口幅を有する第1ダミー開口および第2ダミー開口と、前記ダミー開口幅よりも大きい第1開口幅を有し、前記第1ダミー開口と前記第2ダミー開口の間に設けられるメイン開口とを前記第1レジスト層に形成する工程と、
前記メイン開口、前記第1ダミー開口および前記第2ダミー開口が形成された前記第1レジスト層を加熱して変形させ、前記メイン開口を前記第1開口幅よりも小さい第2開口幅に縮小させ、前記第1ダミー開口および前記第2ダミー開口を閉塞させる工程と、
前記メイン開口にて露出する前記特定層をエッチングして、第3開口幅を有するエッチング開口を前記特定層に形成する工程と、を備える半導体装置の製造方法。 - 前記メイン開口の中心位置から前記第1ダミー開口および前記第2ダミー開口のそれぞれの中心位置までの開口ピッチは、1μm以上2μm以下である、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ダミー開口幅は、0.4μm以上0.7μm以下である、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1開口幅は、0.6μm以上1μm以下である、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記露光の波長は、300nm以上であり、前記第3開口幅は、0.3μm以下である、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記エッチング開口内に埋め込まれる埋込部を含むゲート電極を形成する工程をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記エッチング開口の形成後に前記第1レジスト層を除去する工程と、
前記第1レジスト層が除去された前記特定層上に、前記エッチング開口を囲むように規定される外周を有するゲート形成領域を除いて、第2レジスト層を形成する工程と、
前記ゲート形成領域において露出する前記エッチング開口内および前記特定層上に電極層を堆積し、前記エッチング開口内に埋め込まれる埋込部と、前記特定層上に設けられるフィールドプレートとを含むゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の形成後に、前記第2レジスト層を除去する工程と、をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記エッチング開口の形成後に前記第1レジスト層を残したまま、前記エッチング開口内および前記第1レジスト層上に電極層を形成する工程と、
前記エッチング開口を囲むように規定される外周を有するゲート形成領域において、前記電極層上に第2レジスト層を形成する工程と、
前記第2レジスト層をマスクとして前記電極層をエッチング除去し、前記エッチング開口内に埋め込まれる埋込部と、前記特定層から離れて設けられるヘッド部とを含むゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の形成後に、前記第1レジスト層および前記第2レジスト層を除去する工程と、をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記エッチング開口の形成後に前記第1レジスト層を除去する工程と、
前記第1レジスト層が除去された前記特定層上に、前記エッチング開口を囲むように規定される外周を有するゲート形成領域を除いて、第2レジスト層を形成する工程と、
前記ゲート形成領域において露出する前記エッチング開口内および前記特定層上と、前記第2レジスト層上とに電極層を形成する工程と、
前記電極層上の前記ゲート形成領域に第3レジスト層を形成する工程と、
前記第3レジスト層をマスクとして前記電極層をエッチング除去し、前記エッチング開口内に埋め込まれる埋込部と、前記特定層上に設けられるフィールドプレートと、前記特定層から離れて設けられるヘッド部とを含むゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の形成後に、前記第2レジスト層および前記第3レジスト層を除去する工程と、をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
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