JP2024048609A - 捺染方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発色性と洗濯堅牢性を両立する捺染方法を提供することである。【解決手段】本発明の捺染方法は、布帛を染色する捺染方法であって、前記布帛が天然繊維又は合成セルロース繊維を含有し、無機性値と有機性値との比の値(I/O値)が3.0以下である溶剤と芳香族複素環式化合物とを含有する前処理液を前記布帛に付与する工程と、昇華色材を前記布帛に付与する工程と、水を含有する後処理液を前記布帛に付与する工程とを、この順で有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、捺染方法に関する。より詳しくは、本発明は、発色性と洗濯堅牢性を両立する捺染方法に関する。
従来、昇華色材を含有する捺染用インクを用いて布帛を染色する捺染方法が知られている(特許文献1及び2参照。)。また、捺染において、発色性向上のために、疎水性が高く昇華色材を溶解して単分子状態にしやすい溶剤を布帛の前処理に使用すると良いことが知られている。しかし、疎水性の高い溶剤を布帛の前処理に使用した場合、昇華色材が布帛中に単分子状態のまま存在しやすくなることによって、洗濯堅牢性は悪くなりやすい。具体的には、布帛の洗濯時に昇華色材が布帛から溶出しやすくなり、色落ちや、一緒に洗濯している他の物の汚染が生じやすくなる。特に水による膨潤性の高い繊維(例えば天然繊維、合成セルロース繊維)を含有する布帛を用いた場合は、昇華色材の布帛からの溶出が起きやすくなるため、洗濯堅牢性がより悪くなりやすい。
特開2021-042514号公報 中国特許第110130129号明細書
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものである。本発明の解決課題は、発色性と洗濯堅牢性を両立する捺染方法を提供することである。
本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.布帛を染色する捺染方法であって、
前記布帛が天然繊維又は合成セルロース繊維を含有し、
無機性値と有機性値との比の値(I/O値)が3.0以下である溶剤と芳香族複素環式化合物とを含有する前処理液を前記布帛に付与する工程と、
昇華色材を前記布帛に付与する工程と、
水を含有する後処理液を前記布帛に付与する工程とを、この順で有する
ことを特徴とする捺染方法。
2.前記溶剤が、ジメチルスルホキシドを含む
ことを特徴とする第1項に記載の捺染方法。
3.前記芳香族複素環式化合物が、下記一般式(1)で表される構造を有する
ことを特徴とする第1項に記載の捺染方法。
Figure 2024048609000001
(式中、Aはピラゾール環を表す。Ar及びArはそれぞれ芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、置換基を有してもよい。Rは水素原子、アルキル基、アシル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、又はアリールオキシカルボニル基を表す。qは1~2の整数を表す。m及びnは1~3の整数を表す。)
4.前記後処理液の温度が、20℃以下である
ことを特徴とする第1項に記載の捺染方法。
5.25℃における前記後処理液の前記昇華色材に対する溶解力が、5質量ppm以下である
ことを特徴とする第1項に記載の捺染方法。
6.染色方式が、昇華転写方式である
ことを特徴とする第1項に記載の捺染方法。
本発明の上記手段により、発色性と洗濯堅牢性を両立する捺染方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の捺染方法では、I/O値が3.0以下である溶剤と、芳香族複素環式化合物とが、前処理工程で布帛に付与される。I/O値が3.0以下である溶剤は、その疎水性の高さから、昇華色材を溶解しやすい。そのため、当該溶剤を前処理工程で布帛に付与しておくことによって、昇華色材が単分子状態で布帛の繊維中に浸透しやすくなり、昇華色材の定着性及び発色性が向上する。
芳香族複素環式化合物は、天然繊維又は合成セルロース繊維を含有する布帛との間ではCH-π相互作用が働き、昇華色材との間ではπ-π相互作用が働く。そのため、芳香族複素環式化合物を前処理工程で布帛に付与しておくことによって、昇華色材が芳香族複素環式化合物を介して布帛に定着しやすくなる。
本発明の捺染方法では、さらに、水を含有する後処理液が、後処理工程で布帛に付与される。この水によって、水溶性の低い昇華色材と芳香族複素環式化合物との間の相互作用が強くなる。これによって、洗濯時に昇華色材が溶出しにくくなり、発色性と洗濯堅牢性が両立できる。
本発明の捺染方法は、布帛を染色する捺染方法であって、前記布帛が天然繊維又は合成セルロース繊維を含有し、無機性値と有機性値との比の値(I/O値)が3.0以下である溶剤と芳香族複素環式化合物とを含有する前処理液を前記布帛に付与する工程と、昇華色材を前記布帛に付与する工程と、水を含有する後処理液を前記布帛に付与する工程とを、この順で有することを特徴とする。
この特徴は、下記実施形態に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の捺染方法の実施形態としては、前記溶剤が、ジメチルスルホキシドを含むことが好ましい。ジメチルスルホキシドは、昇華色材を溶解して単分子状態にしやすく、昇華色材の定着性及び発色性を向上させやすい。
本発明の捺染方法の実施形態としては、前記芳香族複素環式化合物が、上記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。上記一般式(1)で表される構造を有する化合物は、昇華色材の捕捉力が高く、昇華色材の定着性、発色性、及び洗濯堅牢性を向上させやすい。
本発明の捺染方法の実施形態としては、前記後処理液の温度が、20℃以下であることが好ましい。これによって、昇華色材と芳香族複素環式化合物との相互作用が促され、洗濯堅牢性が向上する。
本発明の捺染方法の実施形態としては、25℃における前記後処理液の前記昇華色材に対する溶解力が、5質量ppm以下であることが好ましい。これによって、布帛の繊維に定着した昇華色材が後処理液に溶出してしまうことを抑制でき、発色性の低下を防ぐことができる。また、一度後処理液に溶出した昇華色材は、乾燥後に布帛中に残存したとしても、洗濯時に溶出しやすい状態となる。そのため、昇華色材の後処理液への溶出の抑制は、洗濯堅牢性の向上にも寄与する。
本発明の捺染方法の実施形態としては、染色方式が、昇華転写方式であることが、本発明の効果発現の観点から好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
本発明の捺染方法は、布帛を染色する捺染方法であって、前記布帛が天然繊維又は合成セルロース繊維を含有し、無機性値と有機性値との比の値(I/O値)が3.0以下である溶剤と芳香族複素環式化合物とを含有する前処理液を前記布帛に付与する工程(以下、「前処理工程」ともいう。)と、昇華色材を前記布帛に付与する工程(以下、「染色工程」ともいう。)と、水を含有する後処理液を前記布帛に付与する工程(以下、「後処理工程」ともいう。)とを、この順で有することを特徴とする。
<1.布帛>
本発明に係る布帛は、天然繊維又は合成セルロース繊維を含有することを特徴とする。天然繊維や合成セルロース繊維のような水による膨潤性の高い繊維を含有する布帛を用いた場合に、布帛からの昇華色材の溶出が起きやすくなり、洗濯堅牢性がより悪くなる。本発明は、このような問題を解決する捺染方法である。
天然繊維の例として、天然セルロース繊維、麻、羊毛、絹等が挙げられる。合成セルロース繊維の例として、レーヨン等の再生セルロース繊維、及びアセテート等の半合成セルロース繊維が挙げられる。
布帛における天然繊維又は合成セルロース繊維の含有量が高い程、本発明の効果が顕著に発現する。具体的には、天然繊維又は合成セルロース繊維の含有量が30質量%以上である場合に、本発明の効果が顕著に発現する。
布帛に含まれ得る他の繊維の例としては、ビニロン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維等が挙げられる。
布帛は、これらの繊維を、織布、不織布、編布等、いずれの形態にしたものであってもよい。また、布帛は、二種類以上の繊維の混紡織布又は混紡不織布であってもよい。
<2.前処理工程>
本発明の捺染方法において、前処理工程では、前処理液を布帛に付与する。
<2-1.前処理液の成分>
前処理液は、無機性値と有機性値との比の値(I/O値)が3.0以下である溶剤と芳香族複素環式化合物とを含有することを特徴とする。
I/O値が3.0以下である溶剤は、その疎水性の高さから、昇華色材を溶解しやすい。そのため、当該溶剤を前処理工程で布帛に付与しておくことによって、昇華色材が単分子状態で布帛の繊維中に浸透しやすくなり、発色性が向上する。
「I/O値」とは、無機性値(I)と有機性値(O)との比(無機性値/有機性値)の値である。I/O値は、IOB(Inorganic Organic Balance)値とも称されるものであり、化合物又は部材の極性の大小を示す指標の一つである。
I/O値は、有機概念図(甲田善生著、三共出版(1984年));KUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN,第1号、第1~16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719~725項(1957年)などの文献に詳細な説明がある。
「無機性値(I)」とは、有機化合物が有している種々の置換基又は結合等の沸点への影響力の大小を、ヒドロキシ基を基準に数値化したものである。具体的には、直鎖アルコールの沸点曲線と直鎖パラフィンの沸点曲線との距離を炭素数5の付近で取れば約100℃となるので、ヒドロキシ基1個の影響力を数値で100と定める。この数値を基準として各種の置換基又は各種の結合などの沸点への影響力を数値化した値が、無機性値(I)となる。例えば、カルボキシ基(-COOH)の無機性値(I)は150であり、二重結合の無機性値(I)は2である。ある種の有機化合物の無機性値(I)とは、その有機化合物が有している各種置換基又は結合等の無機性値(I)の総和を意味する。
「有機性値(O)」とは、分子内のメチレン基を単位とし、そのメチレン基を代表する炭素原子の沸点への影響力を基準にして定めたものである。具体的には、直鎖飽和炭化水素化合物の炭素数5~10付近で炭素1個が加わることによる沸点上昇の平均値は20℃であるから、これを基準に炭素原子1個の有機性値を20と定める。この数値を基準として各種の置換基又は各種の結合などの沸点への影響力を数値化した値が、有機性値(O)となる。例えば、ニトロ基(-NO)の有機性値(O)は70である。ある種の有機化合物の有機性値(O)とは、その有機化合物が有している各種置換基又は結合等の有機性値(O)の総和を意味する。
一般に、I/O値は、値が小さいほど非極性である(疎水性が大きい、有機性が大きい)ことを示し、値が大きいほど極性である(親水性が大きい、無機性が大きい)ことを示す。
I/O値が3.0以下である溶剤としては、2-ピロリドン(I/O値:1.15)、エチレングリコールモノエチレンエーテル(I/O値:1.5)、ジメチルスルホキシド(I/O値:1.75)、酪酸(I/O値:1.875)、ポリエチレングリコール(I/O値:2.0)、イソ酪酸(I/O値:2.143)、2,3-ブタンジオール(I/O値:2.5)、トリメチロールエタン(I/O値:3.0)等が挙げられる。
当該溶剤のI/O値の下限値は、特に限定されないが、布帛に含まれる繊維の内部を膨潤しやすくする観点から、1.0以上であることが好ましい。
上記の溶剤の中でも、昇華色材を溶解して単分子状態にしやすく、昇華色材の定着性及び発色性を向上させやすい観点から、ジメチルスルホキシドが特に好ましい。
当該溶剤の含有量は、前処理液の全体に対して50~99質量%の範囲内であることが好ましく、70~99質量%の範囲内であることがより好ましい。
芳香族複素環式化合物は、布帛との間ではCH-π相互作用が働き、昇華色材との間ではπ-π相互作用が働く。そのため、芳香族複素環式化合物を前処理工程で布帛に付与しておくことによって、昇華色材が芳香族複素環式化合物を介して布帛に定着しやすくなる。また、芳香族複素環式化合物は、後処理工程で付与される水の作用により、昇華色材との相互作用が強まり、洗濯堅牢性を向上させる。
本発明において、「芳香族複素環式化合物」とは、芳香族環を構成する元素として、炭素と炭素以外のヘテロ原子からなる芳香族性を有する化合物のことをいう。芳香族環を構成する元素が炭素のみで、ヘテロ原子が芳香族環に置換する置換基を構成する化合物は、芳香族複素環式化合物に含まれない。
前処理液が含有する芳香族複素環式化合物は、昇華色材の捕捉力が高い点から、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物であることがより好ましい。
Figure 2024048609000002
(式中、Aはピラゾール環を表し、Ar及びArはそれぞれ芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、置換基を有してもよい。Rは水素原子、アルキル基、アシル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、又はアリールオキシカルボニル基を表し、qは1~2の整数を表し、m及びnは1~3の整数を表す。)
Ar及びArで表される芳香族炭化水素環又は芳香族複素環の例としては、ベンゼン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,3-トリアゾール環、1,2,4-トリアゾール環、テトラゾール環、フラン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、イソオキサジアゾール環、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、イソチアジアゾール環等が挙げられる。
Ar及びArが有する置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルキル基(メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4-n-ドデシルシクロヘキシル基等)、アルケニル基(ビニル基、アリル基等)、シクロアルケニル基(2-シクロペンテン-1-イル、2-シクロヘキセン-1-イル基等)、アルキニル基(エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素環基(フェニル基、p-トリル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(2-ピロール基、2-フリル基、2-チエニル基、ピロール基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、2-ベンゾチアゾリル基、ピラゾリノン基、ピリジル基、ピリジノン基、2-ピリミジニル基、トリアジン基、ピラゾール基、1,2,3-トリアゾール基、1,2,4-トリアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、1,2,4-オキサジアゾール基、1,3,4-オキサジアゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、1,2,4-チオジアゾール基、1,3,4-チアジアゾール基等)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert-ブトキシ基、n-オクチルオキシ基、2-メトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、2-メチルフェノキシ基、4-tert-ブチルフェノキシ基、3-ニトロフェノキシ基、2-テトラデカノイルアミノフェノキシ基等)、アシルオキシ基(ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p-メトキシフェニルカルボニルオキシ基等)、アミノ基(アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N-メチル-アニリノ基、ジフェニルアミノ基等)、アシルアミノ基(ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5-トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p-メチルフェニルスルホニルアミノ基等)、メルカプト基、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、n-ヘキサデシルチオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基、p-クロロフェニルチオ基、m-メトキシフェニルチオ基等)、スルファモイル基(N-エチルスルファモイル基、N-(3-ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N-アセチルスルファモイル基、N-ベンゾイルスルファモイル基、N-(N’-フェニルカルバモイル)スルファモイル基等)、スルホ基、アシル基(アセチル基、ピバロイルベンゾイル基等)、カルバモイル基(カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジ-n-オクチルカルバモイル基、N-(メチルスルホニル)カルバモイル基等)等が挙げられる。
の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルキル基(メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基等)、アシル基(アセチル基、ピバロイルベンゾイル基等)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)等が挙げられる。
qは1~2の整数を表し、m及びnは1~3の整数を表す。
芳香族複素環式化合物の具体例として、以下の例示化合物(1)~(11)が挙げられる。これらのうち、例示化合物(1)及び(3)は、一般式(1)で表される構造を有する化合物に該当する。
Figure 2024048609000003
Figure 2024048609000004
芳香族複素環式化合物は、低分子量であることが、布帛の繊維内部で昇華色材を捕捉できる点で好ましい。具体的には、分子量が、200~1000の範囲内であることが好ましい。
芳香族複素環式化合物は、昇華色材の捕捉力の観点から、下記の条件によるペーパークロマトグラフィー法で求められるRf(Retention factor)値が0.7以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.3以下であることがさらに好ましく、0.2以下であることが特に好ましい。
〔ペーパークロマトグラフィー法の条件〕
手順1:芳香族複素環式化合物の10%溶液を、セルロース濾紙に含侵後、乾燥させ、担体を作製する。
手順2:昇華色材のテトラヒドロフラン0.1%溶液を、前記担体にスポット後、乾燥させ、展開試料を作製する。
手順3:25℃の下、前記展開試料をアセトニトリルで3分間展開させる。
手順4:下記式からRf値を求める。
(式)Rf値=昇華色材の展開距離/アセトニトリルの展開距離
当該ペーパークロマトグラフィー法では、セルロース濾紙に芳香族複素環式化合物を定着させたものを担体として用いて、昇華色材を展開させる。この方法においては、セルロース濾紙に芳香族複素環式化合物を定着させたものを担体として用いる。これよって、セルロース繊維又はセルロース繊維に類似する繊維を含有する布帛と芳香族複素環式化合物との間で働くと想定されるCH-π相互作用の強さを、測定結果であるRf値に反映させることができる。また、展開対象として昇華色材を用いることによって、昇華色材と芳香族複素環式化合物との間で働くと想定されるπ-π相互作用の強さも、測定結果であるRf値に反映させることができる。すなわち、当該ペーパークロマトグラフィー法で求められるRf値は、上記CH-π相互作用及び上記π-π相互作用の総合的な強さを表す値である。換言すると、Rf値は、芳香族複素環式化合物の色材捕捉力(布帛に昇華色材を定着させる強さ)の指標となる値である。Rf値は、値が小さいほど、色材捕捉力が大きいことを示す。
以下、ペーパークロマトグラフィー法の各手順の詳細を説明する。
(手順1)
芳香族複素環式化合物の10%溶液を、JIS P 3801:1995に規定される5種Cのセルロース濾紙に含侵後、乾燥させ、担体を作製する。芳香族複素環式化合物の10%溶液に用いる溶剤は、芳香族複素環式化合物を溶解させることができる溶剤であれば特に限定されず、前処理液に含有され得る溶剤等を用いることができる。セルロース濾紙の形状は、特に限定されず、例えば短冊状とすることができる。セルロース濾紙の大きさは、特に限定されないが、手順3における展開が十分に行える大きさである必要がある。溶液のセルロース濾紙への含侵は、溶液中にセルロース濾紙を1分間浸漬させることで行う。乾燥は、25℃・50%RH環境下において担体の質量が安定する程度まで十分に乾燥できれば、条件は特に限定されない。
(手順2)
捺染に用いる昇華色材のテトラヒドロフラン0.1%溶液を、前記担体にスポット後、乾燥させ、展開試料を作製する。溶液のスポットは、キャピラリーを用いて行うことができる。スポットする溶液の量は、0.5~2μLであることが好ましく、1μLであることがより好ましい。スポットの位置は、セルロース濾紙の下端から1cmの位置とする。乾燥は、25℃・50%RH環境下において展開試料の質量が安定する程度まで十分に乾燥できれば、条件は特に限定されない。
(手順3)
25℃の下、前記展開試料をアセトニトリルで3分間展開させる。具体的には、アセトニトリルを入れた展開槽に、展開試料を、手順2でスポットした部分がアセトニトリルに浸らないようにして立てかける。展開槽に蓋をし、展開させる。展開時間は、セルロース濾紙をアセトニトリルに着液させてから3分間とする。
(手順4)
下記式からRf値を求める。
(式)Rf値=昇華色材の展開距離/アセトニトリルの展開距離
「昇華色材の展開距離」は、手順2でスポットした部分の中心から、展開後のスポットの中で最も色が濃い位置までの距離とする。最も色が濃い位置の判別が難しい場合は、手順2でスポットした部分の中心から、スポットの先端と後端の中心までの距離とする。
「アセトニトリルの展開距離」は、手順2でスポットした部分の中心から、展開後のアセトニトリルの先端までの距離とする。
Rf値は、測定の精度を考慮し、複数回測定した平均値としてもよい。
芳香族複素環式化合物の含有量は、昇華色材の捕捉力の観点から、前処理液の全体に対して1~30質量%の範囲内であることが好ましい。
前処理液は、必要に応じて上記以外の他の成分を更に含有していてもよい。他の成分の例には、水、界面活性剤、防腐剤、pH調整剤等が含まれる。
水の例には、イオン交換水、蒸留水、純水等が含まれる。水の含有量は、前処理液の全体に対して0~95質量%の範囲内であることが好ましく、0~50質量%の範囲内であることより好ましい。
界面活性剤は、特に制限なく用いることができるが、捺染用インクの構成成分にアニオン性の化合物を含有するときは、界面活性剤のイオン性はアニオン、ノニオン又はベタイン型が好ましい。具体的には、静的な表面張力の低下能が高いフッ素系又はシリコーン系の界面活性剤や、動的な表面張力の低下能が高いジオクチルスルホサクシネートや、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアニオン界面活性剤、比較的低分子量のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アセチレングリコール類、プルロニック型界面活性剤(プルロニックは登録商標)、ソルビタン誘導体などのノニオン界面活性剤が好ましく用いられる。フッ素系又はシリコーン系界面活性剤と、動的な表面張力の低下能が高い界面活性剤を併用することも好ましい。
防腐剤の例には、芳香族ハロゲン化合物(例えば、PreventolCMK)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(例えば、PROXELGXL)等が含まれる。
pH調整剤の例には、クエン酸、クエン酸ナトリウム、塩酸、水酸化ナトリウム等が含まれる。
<2-2.前処理液の物性>
前処理液の、25℃における粘度は、布帛への付与方法に応じて適宜調整され得る。例えば前処理液をインクジェット方式で付与する場合、前処理液の粘度は、4~20mPa・sの範囲内であることが好ましい。前処理液の粘度は、E型粘度計により、25℃で測定することができる。
<2-3.前処理液の布帛への付与>
前処理工程においては、布帛に対して、前処理液を付与する。布帛への前処理液の付与は、布帛の表面全体に行ってもよいし、印捺される画像に応じて昇華色材で染色する領域のみに選択的に行ってもよい。
布帛に前処理液を付与する方法としては、公知の方法が、特に制限なく使用できる。具体的には、スプレー方式、マングル方式(パッド方式又はディッピング方式)、コーティング方式、インクジェット方式等が使用できる。例えば、所定の領域にのみ前処理液を付与したい場合や、後述の染色工程でダイレクト昇華方式を採用して前処理液と捺染用インクの付与を連続的に行いたい場合は、インクジェット方式が好ましい。短時間で所定量の前処理液を付与する観点では、マングル方式やコーター方式が好ましい。
マングル方式の場合、浴槽中に貯めた前処理液に布帛を浸漬した後、絞りを行うことで、前処理液の付与量を調整できる。
インクジェット方式の場合、インクジェット記録装置を用いて、インクジェット記録ヘッドから前処理液の液滴を布帛に向けて吐出する。前処理液の付与量は、1液の液滴量やドット密度で調整できる。
前処理液の温度は、特に制限されないが、例えば15~30℃とすることができる。
前処理液の付与量は、特に制限されず、前処理液中の芳香族複素環式化合物の含有量や、染色工程における昇華色材の付与量などに応じて調整され得る。
前処理液を布帛に付与した後、布帛を乾燥する工程を行ってもよいが、溶剤が残っている方が好ましい。乾燥する場合、例えば温風、ホットプレート、ヒートローラー等による加熱乾燥を採用できる。乾燥温度は、例えば100~130℃の範囲内とすることができる。
<3.染色工程>
本発明の捺染方法において、染色工程では、昇華色材を含有する染色用インクを布帛に付与することで、昇華色材を布帛に付与する。
<3-1.捺染用インクの成分>
捺染用インクは、少なくとも昇華色材を含有し、他に、水、有機溶剤、分散剤等を含有し得る。
本発明において、「昇華色材」とは、加熱により昇華する性質を有する色材のことをいう。
昇華色材は、水に不溶又は難溶な染料である分散性染料であることが好ましい。ここで、水に不溶又は難溶であるとは、25℃における水への溶解度が、10mg/L以下、好ましくは5mg/L以下、より好ましくは1mg/L以下であることを意味する。
昇華色材の化学構造は、特に制限されないが、芳香族環を複数有することが好ましい。芳香族環を複数有することによって、前処理液由来の芳香族複素環式化合物との間でπ-π相互作用が強く働き、昇華色材が布帛により定着しやすくなる。
昇華色材のうち分散性染料の例には、以下の染料が含まれる。
C.I.Disperse Yellow 3、4、5、7、9、13、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224等、
C.I.Disperse Orange 1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142等、
C.I.Disperse Red 1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、289、298、302、303、310、311、312、320、324、328等、
C.I.Disperse Violet 1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77等、
C.I.Disperse Green 9等、
C.I.Disperse Brown 1、2、4、9、13、19等、
C.I.Disperse Blue 3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、359、360等、
C.I.Disperse Black 1、3、10、24等。
昇華色材の分子量は、特に制限されないが、昇華色材を昇華させやすくする観点では、分子量は小さいこと(例えば、200~350)が好ましい。一方、布帛に浸透した昇華色材を抜けにくくする観点では、分子量は適度に大きいこと(例えば、350~500)が好ましい。
捺染用インクに含有される昇華色材は、結晶化されていても、結晶化されていなくてもよい。
捺染用インク中の昇華色材の平均粒子径は、特に制限されないが、インクジェット方式で付与する場合の射出安定性の観点では、300nm以下が好ましい。平均粒子径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機により求めることができる。粒径測定装置としては、例えばマルバーン社製ゼータサイザー1000等を使用できる。
捺染用インクにおける昇華色材の含有量は、特に制限されないが、捺染用インク全体に対して、2~10質量%の範囲内であることが好ましい。昇華色材の含有量が2質量%以上であると、高濃度の画像を形成しやすく、10質量%以下であると、捺染用インクの粘度が高くなりすぎないため、インクジェット方式で付与する場合の射出安定性が損なわれにくい。昇華色材の含有量は、同様の観点から、捺染用インク全体に対して5~10質量%の範囲内であることがより好ましい。
捺染用インクが含有し得る水の例には、イオン交換水、蒸留水、純水等が含まれる。捺染用インクにおける水の含有量は、捺染用インク全体に対して、40~98質量%の範囲内であることが好ましく、50~70質量%の範囲内であることがより好ましい。
捺染用インクが含有し得る有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好ましい。
水溶性有機溶剤の含有量は、捺染用インク全体に対して、20~70質量%の範囲内であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が捺染用インク全体に対して20質量%以上であると、昇華色材の分散性や射出性をより高めやすく、70質量%以下であると、捺染用インクの乾燥性が損なわれにくい。
水と水溶性有機溶剤の合計含有量は、捺染用インク全体に対して、90~98質量%の範囲内であることが好ましく、90~95質量%の範囲内であることがより好ましい。
水溶性有機溶剤の例には、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、下記一般式(2)で表される化合物)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、モルホリン、N-エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド)、複素環類(例えば、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、2-オキサゾリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジン)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)、スルホン類(例えば、スルホラン)が含まれる。
Figure 2024048609000005
(式中、R11は、いずれもエチレングリコール基(-OCHCH-)又はプロピレングリコール基(-OCH(CH)CH-)を表す。x、y及びzは、いずれも正の整数であり、x+y+z=3~30である。)
布帛が天然繊維又は合成セルロース繊維のような親水性繊維を含有する場合、捺染用インクの布帛への浸透を促進する観点、及びインクジェット方式での射出安定性を損なわれにくくする観点では、捺染用インクが乾燥により増粘しにくいことが好ましい。したがって、捺染用インクは、水溶性有機溶剤の中でも、沸点が200℃以上である高沸点溶剤を含有することが好ましい。
沸点が200℃以上である高沸点溶剤としては、ポリオール類やポリアルキレンオキサイド類を挙げることができる。沸点が200℃以上のポリオール類の例には、1,3-ブタンジオール(沸点208℃)、1,6-ヘキサンジオール(沸点223℃)、ポリプロピレングリコール等の2価のアルコール類;グリセリン(沸点290℃)、トリメチロールプロパン(沸点295℃)等の3価以上のアルコール類が含まれる。沸点が200℃以上のポリアルキレンオキサイド類の例には、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点202℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点245℃)、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点305℃)、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点256℃);及びポリプロピレングリコール等の2価のアルコール類のエーテルや、グリセリン(沸点290℃)、ヘキサントリオール等の3価以上のアルコール類のエーテルが含まれる。
捺染用インクが含有し得る分散剤は、昇華色材の種類に応じて選択することができる。分散剤の例には、クレオソート油スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸ナトリウムと2-ナフトール-6-スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、フェノールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、β-ナフトールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、β-ナフタリンスルホン酸ナトリウム及びβ-ナフトールスルホン酸ナトリウムを含むホルマリン縮合物、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを含むアルキレンオキシド、脂肪アルコール、脂肪アミン、脂肪酸、フェノール類、アルキルフェノール及びカルボン酸アミンを含むアルキル化可能な化合物、リグニンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸ナトリウム、α-オレフィンと無水マレイン酸の共重合物、並びに公知のくし型ブロックポリマーが含まれる。
くし型ブロックポリマーの例には、ビックケミー社製のDISPERBYK-190、DISPERBYK-194N、DISPERBYK-2010、DISPERBYK-2015、及びBYK-154(「DISPERBYK」及び「BYK」は同社の登録商標)が含まれる。
分散剤の含有量は、特に制限されないが、昇華色材に対して、20~200質量%の範囲内であることが好ましい。分散剤の含有量が昇華色材の質量に対して20質量%以上であると、昇華色材の分散性がより高まりやすい。分散剤の含有量が昇華色材に対して200質量%以下であると、分散剤による射出性の低下を抑制しやすい。
捺染用インクは、必要に応じて他の成分を更に含み得る。他の成分の例には、界面活性剤、防腐剤、pH調整剤等が含まれる。これらには、前処理液が含有し得る界面活性剤、防腐剤、pH調整剤と同様のものを使用できる。
<3-2.捺染用インクの物性>
捺染用インクの25℃における粘度は、インクジェット方式で付与する場合の射出性の観点からは、3~20mPa・sの範囲内であることが好ましく、4~12mPa・sの範囲内であることがより好ましい。インクの粘度は、E型粘度計により、25℃で測定することができる。
<3-3.捺染用インクの布帛への付与(染色)>
染色工程においては、前処理工程後の布帛に対して、昇華色材を布帛に付与する。
前処理工程で布帛に付与された前処理液は、染色工程において未乾燥状態であることが好ましい。具体的には、前処理工程前の布帛質量に対して、前処理液が、20質量%以上残っていることが好ましい。これによって、布帛の繊維内部が膨潤した状態になるため、昇華色材の定着性や発色性が向上する。
染色工程における染色方式としては、昇華転写方式とダイレクト昇華方式が挙げられ、本発明の効果発現の観点からは、昇華転写方式が好ましい。
(昇華転写方式)
昇華転写方式は、捺染用インクを転写媒体に付与した後、当該転写媒体から捺染用インクを布帛に転写して染色を行う方式である。
昇華転写方式による染色では、まず、転写媒体上に捺染用インクを付与した後、乾燥させて、印捺画像に対応するインク層(転写用画像)を形成する。捺染用インクの付与方法は、特に限定されないが、高精度な印捺が可能であることから、インクジェット方式を用いることが好ましい。
転写媒体としては、その転写媒体の表面にインク層を形成でき、さらに、そのインク層を布帛に転写可能なものであれば、特に制限されない。転写媒体は、シリカなどの無機微粒子でインク受容層が表面上に形成されている紙が好ましい。転写媒体の例として、インクジェット用の専用紙や転写紙が挙げられる。
次いで、転写媒体上の転写用画像の表面を、布帛の表面と接触させて、熱プレスをする。これにより、転写媒体上に形成された転写用画像中の昇華色材を布帛に昇華転写させて、布帛を染色する。
プレス温度は、昇華色材の昇華温度にもよるが、例えば、180~210℃の範囲内であることが好ましい。プレス圧力は、平型の場合は200~500g/cmの範囲内、連続式の場合は2~6kg/cmの範囲内であることが好ましい。プレス時間は、プレス温度及びプレス圧力にもよるが、30~180秒間の範囲内であることが好ましい。
(ダイレクト昇華方式)
ダイレクト昇華方式は、捺染用インクを布帛に直接付与して染色を行う方式である。
ダイレクト昇華方式による染色では、印捺画像に応じて、捺染用インクを布帛に直接付与する。捺染用インクの付与方法は、特に限定されないが、高精度な印捺が可能であることから、インクジェット方式が好ましい。インクジェット方式では、具体的には、インクジェット記録装置を用いて、インクジェット記録ヘッドから捺染用インクの液滴を布帛に向けて吐出する。
捺染用インクの液滴が着弾するときの布帛の表面の温度は、特に限定されないが、発色前の画像の滲み抑制などの観点から、35~70℃の範囲内が好ましい。
着弾後のインク塗膜を加熱することで、昇華色材を昇華させて、布帛を染色する。加熱方法は、従来公知の方法でよく、布帛の種類、前処理液の成分、捺染用インクの成分などに応じて適宜選択される。加熱方法の例としては、蒸気によるスチーミング方式、乾熱によるベーキング方式、サーモゾル方式、過熱蒸気によるHTスチーマー方式、熱プレス方式などが挙げられる。中でも、スチーミング方式、ベーキング方式、熱プレス方式が好ましい。加熱温度は、特に限定されないが、例えば95℃以上220℃未満とすることができる。
<4.後処理工程>
本発明の捺染方法において、後処理工程では、後処理液を布帛に付与する。
<4-1.後処理液の成分>
後処理液は、水を含有することを特徴とする。水を含有する後処理液が染色後の布帛に付与されることによって、水溶性の低い昇華色材と芳香族複素環式化合物との間の相互作用が強まる。これによって、洗濯時に昇華色材が溶出しにくくなり、洗濯堅牢性が向上する。
後処理液に含有される水の例には、イオン交換水、蒸留水、純水等が含まれる。後処理液における水の含有量は、特に限定されないが70~100質量%の範囲内であることが好ましく、90~100質量%の範囲内であることがより好ましく、99.5~100質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
後処理液は、水の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、有機溶剤等の他の成分を含有していてもよい。
<4-2.後処理液の溶解力>
後処理液は、染色工程で付与する昇華色材に対する溶解力が低いことが好ましい。具体的には、後処理液の25℃における昇華色材に対する溶解力が、5質量ppm以下であることが好ましく、3質量ppm以下であることがより好ましく、1質量ppm以下であることがさらに好ましい。
後処理液の昇華色材に対する溶解力が低いことによって、布帛の繊維に定着した昇華色材が後処理液に溶出してしまうことを抑制できる。これによって、発色性の低下を防ぐことができる。また、一度後処理液に溶出した昇華色材は、乾燥後に布帛中に残存したとしても、洗濯時に溶出しやすい状態となりやすい。そのため、昇華色材の後処理液への溶出の抑制は、洗濯堅牢性の向上にも寄与する。
後処理液の昇華色材に対する溶解力は、昇華色材の種類を考慮して、後処理液の成分で調整できる。例えば界面活性剤は昇華色材に対する溶解力を高める傾向があるため、後処理液における界面活性剤の含有量を低くすることで、後処理液の昇華色材に対する溶解力を低くできる。この観点から、後処理液は界面活性剤を含有しないことが好ましい。
<4-3.後処理液の布帛への付与>
後処理工程においては、染色工程後の布帛に対して、後処理液を付与する。
後処理工程は、染色工程の後、12時間以内に行うことが好ましい。これは、染色工程後の布帛中で分子状態にある昇華色材が、後処理工程の前に空気中の水分によって過剰に結晶成長してしまうことを防ぐためである。空気中の水分による非制御下での結晶成長は、発色性低下の原因となり得る。
布帛に後処理液を付与する方法としては、公知の方法を、特に制限なく採用できる。具体的には、スプレー方式、マングル方式(パッド方式又はディッピング方式)、コーティング方式、インクジェット方式等を採用できる。同時に大量の布帛に対して後処理液を付与できる観点では、マングル方式が好ましい。昇華色材の後処理液への溶出を抑える観点では、インクジェット方式が好ましい。
後処理液の付与量は、前処理工程前の布帛の質量に対して30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、100質量%以上であることがさらに好ましい。
後処理液の温度は、昇華色材と芳香族複素環式化合物との相互作用を促す観点から、低いことが好ましい。具体的には、後処理液の温度は、20℃以下であることが好ましく、10℃以下であることがより好ましく、5℃以下であることがさらに好ましい。
後処理工程後の布帛の乾燥方法は、特に限定されない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」、「ppm」及び「部」は、それぞれ、「質量%」、「質量ppm」及び「質量部」を意味する。
[前処理液の調製]
表Iに記載の含有率で各成分を混合し、前処理液1~5を調製した。
Figure 2024048609000006
芳香族複素環式化合物として使用した化合物の構造を以下に示す。
Figure 2024048609000007
表I中に記載の有機溶剤のI/O値は、上記方法で算出した値である。
表I中に記載の芳香族複素環式化合物のRf値は、下記の条件によるペーパークロマトグラフィー法で求めた値である。
〔ペーパークロマトグラフィー法の条件〕
手順1:芳香族複素環式化合物の10%溶液を、JIS P 3801:1995に規定される5種Cのセルロース濾紙に含侵後、乾燥させ、担体を作製した。芳香族複素環式化合物の10%溶液の溶剤には、前処理液が含有する有機溶剤を用いた。セルロース濾紙は、縦5cm×横3cmの短冊状に裁断したものを用いた。溶液のセルロース濾紙への含侵は、溶液中にセルロース濾紙を1分間浸漬させることで行った。含侵後の乾燥は、キムタオルで挟み余分な量を除去した後、180℃のホットプレスで1分間乾燥させて行った。
手順2:C.I. Disperse Blue 359のテトラヒドロフラン0.1%溶液を、前記担体にスポット後、乾燥させ、展開試料を作製した。溶液のスポットは、キャピラリーを用いて行った。スポットする溶液の量は1μLとし、スポットの直径は2mm程度とした。スポットの位置は、セルロース濾紙の下端から1cmの位置とした。スポット後の乾燥は、温風で十分に乾燥させて行った。
手順3:25℃の下、前記展開試料をアセトニトリルで3分間展開させた。具体的には、アセトニトリルを5mm程度の高さまで入れた展開槽に、展開試料を、手順2でスポットした部分がアセトニトリルに浸らないように、できるだけ垂直にして立てかけた。次いで、展開槽に蓋をし、展開させた。展開時間は、セルロース濾紙をアセトニトリルに着液させてから3分間とした。
手順4:下記式からRf値を求めた。
(式)Rf値=前記昇華色材の展開距離/アセトニトリルの展開距離
「前記昇華色材の展開距離」は、手順2でスポットした部分の中心から、展開後のスポットの中で最も色が濃い位置までの距離とした。最も色が濃い位置の判別が難しい場合は、手順2でスポットした部分の中心から、スポットの先端と後端の中心までの距離とした。
「アセトニトリルの展開距離」は、手順2でスポットした部分の中心から、展開後のアセトニトリルの先端までの距離とした。
各芳香族複素環式化合物について、当該測定を3回行い、その平均値をRf値として採用した。
[捺染用インクの調製]
分散剤としてDisperbyk-190(ビックケミー・ジャパン社製、酸価10mgKOH/g)とイオン交換水とを均一になるまで撹拌混合した後、昇華色材(分散性染料)としてC.I. Disperse Blue 359を加えて、予備混合し、動的光散乱法によって測定されるZ-平均粒子径が150~200nmの範囲内になるまで分散させて、昇華色材濃度が20質量%の分散液を調製した。このとき、昇華色材の含有量が分散液の全質量に対して20質量%となり、分散剤の固形分の量が昇華色材の全質量に対して30%になるよう、分散剤、イオン交換水及び昇華色材の量を調整した。動的光散乱法によるZ-平均粒子径の測定は、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーで、ゼータサイザー1000、Malvern社製(「ゼータサイザー」は同社の登録商標)を使用して行った。
得られた分散液30質量%、有機溶剤としてグリセリン10質量%、エチレングリコール25質量%、防腐剤としてプロキセルGXL、及びpH調整剤としてクエン酸Na水和物を各適量添加し、イオン交換水で合計100質量%となるように混合した。次いで、混合液を1μmメッシュのフィルターでろ過した。これにより、C.I. Disperse Blue 359を6質量%含有する捺染用インク(ブルー昇華インク)を調製した。
[後処理液の調製]
表IIに記載の含有率で各成分を混合し、後処理液1~3を調製した。
Figure 2024048609000008
表II中に記載の溶解力は、以下の方法で求めた。
1.25℃の後処理液50gに、粉体の昇華色材(C.I. Disperse Blue 359)50mgを混合した。
2.混合液を30分間撹拌した。
3.混合液を0.8μmメンブレンフィルターでフィルタリングした。
4.分光光度測定により、混合液中の昇華色材の吸光度ピーク(600nm付近)の吸光度を求めた。
5.求めた吸光度を、吸光度と昇華色材の溶解量[質量ppm](後処理液に対する、後処理液に溶解している昇華色材の濃度[質量ppm])との関係を表す検量線に当てはめることで、昇華色材の溶解量[質量ppm]を求めた。この昇華色材の溶解量[質量ppm]を、後処理液の昇華色材に対する溶解力[質量ppm]とした。
[捺染]
(1)前処理工程
布帛には、布帛1として綿ブロード40(綿100%)を、布帛2としてビスコース100(レーヨン100%)を用いた。各捺染方法において用いた布帛の種類は、表IIIに示すとおりである。
上記調製した各前処理液を、主走査540dpi×副走査720dpiにて、布帛へ付与し、前処理液のベタ画像を形成した。付与領域は、200mm×200mmとし、付与量は40g/mとした。前処理液の付与には、インクジェット用ヘッド(コニカミノルタヘッド KM1024iMAE)を有するインクジェットプリンターを用いた。
(2)染色工程
上記調製した捺染用インクを、主走査540dpi×副走査720dpiにて、転写紙に付与し、転写紙上に200mm×200mmのベタ画像(インク層)を形成した。転写紙には、A4昇華転写紙糊付(システムグラフィ社製)を用いた。捺染用インクの付与には、インクジェット用ヘッド(コニカミノルタヘッド KM1024iMAE)を有するインクジェットプリンターを用いた。吐出周波数は22.4kHzとした。その後、捺染用インクを付与した転写紙を、乾燥機にて70℃で30秒間乾燥させた。
転写紙上に形成した捺染用インクのベタ画像と、布帛上に形成した未乾燥状態の前処理液のベタ画像とを接触させて、熱プレスを行った。熱プレスには、転写装置(ヒートプレス機)を用いた。熱プレスの条件は、プレス温度:180℃、プレス時間:3分間、プレス圧力:300g/cmとした。これにより、転写紙上の捺染用インクを布帛に昇華転写させることで、布帛へ昇華色材を付与し、布帛を発色させた。
(3)後処理工程
染色工程の2時間後に、発色させた布帛に、後処理液を付与した。各捺染方法において採用した付与方法は、表IIIに示すとおり、マングル方式又はインクジェット方式のいずれかである。付与時の後処理液の温度は、表IIIに示すとおりである。
マングル方式では、布帛を後処理液に5秒間含侵させ、ピックアップ率が100質量%となるようにマングルで絞って、後処理液を付与した。ピックアップ率とは、下記式で求められる値である。
ピックアップ率[質量%]=後処理液の質量[g]/前処理工程前の布帛の質量[g]×100
インクジェット方式では、付与量60g/mとなるように、後処理液を付与した。このとき、前処理工程前の布帛の質量に対する後処理液の付与量は、60質量%であった。
次いで、布帛を130℃で乾燥させた。
[発色性の評価]
各布帛に形成されたベタ画像における色濃度について、分光測色機CM-25d(コニカミノルタ社製)を用いて、D65光源、視野角2°、ステータスIの条件で、各布帛の620nmにおける反射率Rλを測色し、K/S値を算出した。
K/S値は、下記のクベルカ-ムンク式で定義される表面色濃度の指数である。K/S値が、大きいほど色濃度が高く、発色性が良好であることを意味する。
K/S=(1-Rλ/2Rλ (クベルカ-ムンク式)
K:光の吸収係数
S:光の散乱係数
λ:表面反射率
各布帛に形成された200mm×200mmのベタ画像内の5点においてK/S値を算出した。ベタ画像内の5点は、ベタ画像における対角線の交点である中央点、及び四隅それぞれと中央点との中点の計5点とした。
K/S値の算術平均値を、以下の基準で評価し、ランク3以上を合格とした。評価結果は表IIIに示すとおりである。
5:K/S値の算術平均値が15以上
4:K/S値の算術平均値が10以上15未満
3:K/S値の算術平均値が7以上10未満
2:K/S値の算術平均値が4以上7未満
1:K/S値の算術平均値が4未満
[洗濯堅牢性の評価]
JIS L 0844 A-2号に準じて、洗濯堅牢性試験を実施した。複合試験片(各種繊維を縫い合わせたもの)の内、ナイロン繊維への汚染について調べた。具体的には、分光測色機CM-25d(コニカミノルタ社製)を用いて、洗濯前と洗濯後のL値をそれぞれ測定した。次いで、L、a、bの洗濯前後の差であるΔL、Δa、Δbをそれぞれ算出した。次いで、下記式で、洗濯前後の色変化ΔEを算出した。ΔEの値が小さいほど変色が少なく、洗濯堅牢性が良好であることを意味する。
ΔE=[(ΔL+(Δa+(Δb1/2
ΔEを、以下の基準で評価し、ランク3以上を合格とした。評価結果は表IIIに示すとおりである。ランク3以上は、明確に改善効果が見られた。
5:ΔEが15未満
4:ΔEが15以上20未満
3:ΔEが20以上25未満
2:ΔEが25以上30未満
1:ΔEが30以上
Figure 2024048609000009
表III中に記載のI/O値は、前処理液が含有する有機溶剤のI/O値を示す。表III中に記載のRf値は、前処理液が含有する芳香族複素環式化合物のRf値を示す。
上記結果から、本発明の捺染方法は、発色性と洗濯堅牢性を両立できることが確認できた。

Claims (6)

  1. 布帛を染色する捺染方法であって、
    前記布帛が天然繊維又は合成セルロース繊維を含有し、
    無機性値と有機性値との比の値(I/O値)が3.0以下である溶剤と芳香族複素環式化合物とを含有する前処理液を前記布帛に付与する工程と、
    昇華色材を前記布帛に付与する工程と、
    水を含有する後処理液を前記布帛に付与する工程とを、この順で有する
    ことを特徴とする捺染方法。
  2. 前記溶剤が、ジメチルスルホキシドを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の捺染方法。
  3. 前記芳香族複素環式化合物が、下記一般式(1)で表される構造を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の捺染方法。
    Figure 2024048609000010
    (式中、Aはピラゾール環を表す。Ar及びArはそれぞれ芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、置換基を有してもよい。Rは水素原子、アルキル基、アシル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、又はアリールオキシカルボニル基を表す。qは1~2の整数を表す。m及びnは1~3の整数を表す。)
  4. 前記後処理液の温度が、20℃以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の捺染方法。
  5. 25℃における前記後処理液の前記昇華色材に対する溶解力が、5質量ppm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の捺染方法。
  6. 染色方式が、昇華転写方式である
    ことを特徴とする請求項1に記載の捺染方法。
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