JP2024048547A - 化合物、ホスト材料、正孔障壁材料および有機発光素子 - Google Patents

化合物、ホスト材料、正孔障壁材料および有機発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】ホスト材料として有用な化合物の提供。【解決手段】下記一般式の化合物。Z1はNまたはC(R11);Z2はNまたはC(R12);R1~R12は水素原子、重水素原子または置換基;R1~R12の少なくとも1個はジベンゾフリル基等である。JPEG2024048547000066.jpg56169【選択図】なし

Description

本発明は、ホスト材料等として有用な化合物と、その化合物を用いた有機発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)などの有機発光素子に用いる材料の開発研究が盛んに行われている。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する電子輸送材料、ホール輸送材料、発光材料、ホスト材料などを新たに開発して組み合わせることにより、素子の特性を向上させようとする試みが種々なされてきている。ホスト材料については、これまで例えば下記の構造を有する化合物等が有用なホスト材料として広く認識されている(非特許文献1~3)。
J.Y.Lee et al.,Chem.Eur.J.2013,19(4),1194-1198 C.W.Lee et al.,Organic Electronics,14(2013),1009-1014 K.S.Yook et al.,Journal of Luminescence,143(2013),432-435
しかしながら、従来から知られているホスト材料を用いても、必ずしも優れた特性を有する有機発光素子を提供できない場合がある。例えば、遅延蛍光材料と組み合わせる場合には、有用とされているホスト材料をそのまま用いても、特性が優れた有機発光素子を製造できないことが多い。中でも有機エレクトロルミネッセンス素子に用いる場合には、駆動電圧の点で改善の余地がある。このため、優れたホスト材料を提供することにより、有機発光素子の特性を改善することを目的として本発明者らは検討を行った。
鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、特定の構造を有する化合物を有機発光素子に用いれば、特性を改善できることを見いだした。本発明は、こうした知見に基づいて提案されたものであり、具体的に以下の構成を有する。
[1] 下記一般式(1)で表される化合物。
[一般式(1)において、ZはNまたはC(R11)を表し、ZはNまたはC(R12)を表す。R~R12は各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。RとR、RとR、RとR11、R12とR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR10は、互いに結合して環状構造を形成していてもよいが、R11とR12が互いに結合して環状構造を形成することはない。ただし、R~R12の少なくとも1個は、下記一般式(2)で表される基である。
[一般式(2)において、R21およびR22は各々独立に重水素原子または置換基を表し、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。n1は0~4のいずれかの整数を表し、n2は0~3のいずれかの整数を表し、n3は0または1を表す。隣り合うR21同士、隣り合うR22同士は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。XはO、S、C(R23)(R24)またはN(R25)を表す。R23およびR24は各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表し、R25は置換基を表す。*は結合位置を表す。]
[2] n3が0である、[1]に記載の化合物。
[3] n3が1である、[1]に記載の化合物。
[4] Arがm-フェニレン基またはp-フェニレン基である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の化合物。
[5] ZがC(R11)であり、ZがC(R12)である、[1]~[4]のいずれか1つに記載の化合物。
[6] ZおよびZがNである、[1]~[4]のいずれか1つに記載の化合物。
[7] RとR、RとR、RとR11、R12とR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR10が、いずれも互いに結合して環状構造を形成していない、[1]~[6]のいずれか1つに記載の化合物。
[8] 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1a)で表される構造を有する、[1]に記載の化合物。
[一般式(1a)において、ZはNまたはC(R11)を表し、ZはNまたはC(R12)を表し、ZはNまたはC(R19)を表し、ZはNまたはC(R20)を表す。R~R、R11~R20は各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。RとR、RとR、RとR11、R12とR、RとR、RとR、R13とR14、R14とR15、R15とR19、R20とR16、R16とR17、R17とR18は、互いに結合して環状構造を形成していてもよいが、R11とR12が互いに結合して環状構造を形成することはなく、R19とR20が互いに結合して環状構造を形成することはない。ただし、R~R、R11、R12の少なくとも1個は、前記一般式(2)で表される基である。
[9] ZがC(R11)であり、ZがC(R12)であり、ZがC(R19)であり、ZがC(R20)である、[8]に記載の化合物。
[10] ZがC(R11)であり、ZがC(R12)であり、ZおよびZがNである、[8]に記載の化合物。
[11] 分子内に、前記一般式(2)で表される基が1個だけ含まれる、[1]~[10]のいずれか1つに記載の化合物。
[12] 分子内に、前記一般式(2)で表される基が2個だけ含まれる、[1]~[10]のいずれか1つに記載の化合物。
[13] R~R、R11、R12の少なくとも1つが前記一般式(2)で表される基である、[1]~[12]のいずれか1つに記載の化合物。
[14] R~R10の少なくとも1つが前記一般式(2)で表される基である、[1]~[13]のいずれか1つに記載の化合物。
[15] 前記一般式(2)で表される基が、下記一般式(2a)で表される構造を有する、[1]~[14]のいずれか1つに記載の化合物。
[一般式(2a)において、R21およびR22は各々独立に重水素原子または置換基を表し、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。n1は0~4のいずれかの整数を表し、n2は0~3のいずれかの整数を表し、n3は0または1を表す。隣り合うR21同士、隣り合うR22同士は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。XはO、S、C(R23)(R24)またはN(R25)を表す。R23およびR24は各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表し、R25は置換基を表す。*は結合位置を表す。]
[16] XがOである、[1]~[15]のいずれか1つに記載の化合物。
[17] R~R12が各々独立に、水素原子、重水素原子、または前記一般式(2)で表される基である、[1]~[16]のいずれか1つに記載の化合物。
[18] 対称化合物である、[1]~[17]のいずれか1つに記載の化合物。
[19] [1]~[18]のいずれか1つに記載の化合物を含むホスト材料。
[20] 遅延蛍光材料とともに用いるための[19]に記載のホスト材料。
[21] [1]~[18]のいずれか1つに記載の化合物を含む正孔障壁材料。
[22] [1]~[18]のいずれか1つに記載の化合物を含む有機発光素子。
[23] 前記化合物と遅延蛍光材料を含む発光層を有する[22]に記載の有機発光素子。
[24] 前記発光層が、前記一般式(1)で表されないホスト材料をさらに含む、[22]または[23]に記載の有機発光素子。
[25] 前記一般式(1)で表されないホスト材料が、下記一般式(3)で表される構造を有する、[24]に記載の有機発光素子。
[一般式(3)において、R31~R35は各々独立に重水素原子、アルキル基、アリール基、およびこれらを組み合わせた基からなる群より選択される。R31~R34は、他のR31~R34と結合して環状構造を形成することはないが、隣り合うR35同士は互いに結合してベンゾフロ骨格やベンゾチエノ骨格を形成してもよい。n31、n33、n34、n35は各々独立に0~4のいずれかの整数を表し、n32は0~3のいずれかの整数を表す。]
[26] 前記化合物を含む層を発光層に隣接する層として有する、[22]に記載の有機発光素子。
本発明の化合物を用いれば、特性が優れた有機発光素子を提供することができる。例えば、本発明の化合物を用いた有機発光素子の中には、駆動電圧が低い有機エレクトロルミネッセンス素子が含まれる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(一般式(1)で表される化合物)
本発明では、下記一般式(1)で表される化合物を用いる。
一般式(1)において、ZはNまたはC(R11)を表し、ZはNまたはC(R12)を表す。本発明の一態様では、ZはC(R11)で、ZはC(R12)である。本発明の一態様では、ZおよびZはNである。ZとZは同一であることが好ましいが、異なっていてもよい。
~R12は各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。ここでいう置換基は、例えばハメットのσp値が0.3以上の基および置換基群Aの中から選択してもよいし、ハメットのσp値が0.3以上の基および置換基群Bの中から選択してもよいし、ハメットのσp値が0.3以上の基および置換基群Cの中から選択してもよいし、ハメットのσp値が0.3以上の基および置換基群Dの中から選択してもよいし、ハメットのσp値が0.3以上の基および置換基群Eの中から選択してもよい。
本明細書において「置換基群A」とは、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシ基(例えば炭素数1~40)、アルキルチオ基(例えば炭素数1~40)、アリール基(例えば炭素数6~30)、アリールオキシ基(例えば炭素数6~30)、アリールチオ基(例えば炭素数6~30)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ヘテロアリールオキシ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ヘテロアリールチオ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、アシル基(例えば炭素数1~40)、アルケニル基(例えば炭素数1~40)、アルキニル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、アリールオキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、ヘテロアリールオキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、シリル基(例えば炭素数1~40のトリアルキルシリル基)およびニトロ基からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基を意味し、水素原子は一部または全部が重水素原子であってもよい。
本明細書において「置換基群B」とは、アルキル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシ基(例えば炭素数1~40)、アリール基(例えば炭素数6~30)、アリールオキシ基(例えば炭素数6~30)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ヘテロアリールオキシ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ジアリールアミノアミノ基(例えば炭素原子数0~20)からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基を意味し、水素原子は一部または全部が重水素原子であってもよい。
本明細書において「置換基群C」とは、アルキル基(例えば炭素数1~20)、アリール基(例えば炭素数6~22)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~20)、ジアリールアミノ基(例えば炭素原子数12~20)からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基を意味し、水素原子は一部または全部が重水素原子であってもよい。
本明細書において「置換基群D」とは、アルキル基(例えば炭素数1~20)、アリール基(例えば炭素数6~22)およびヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~20)からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基を意味し、水素原子は一部または全部が重水素原子であってもよい。
本明細書において「置換基群E」とは、アルキル基(例えば炭素数1~20)およびアリール基(例えば炭素数6~22)からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせた基を意味し、水素原子は一部または全部が重水素原子であってもよい。
本明細書において「置換基」や「置換もしくは無置換の」と記載されている場合の置換基は、例えば置換基群Aの中から選択してもよいし、置換基群Bの中から選択してもよいし、置換基群Cの中から選択してもよいし、置換基群Dの中から選択してもよいし、置換基群Eの中から選択してもよい。
「ハメットのσp値」は、L.P.ハメットにより提唱されたものであり、パラ置換ベンゼン誘導体の反応速度または平衡に及ぼす置換基の影響を定量化したものである。具体的には、パラ置換ベンゼン誘導体における置換基と反応速度定数または平衡定数の間に成立する下記式:
log(k/k0) = ρσp
または
log(K/K0) = ρσp
における置換基に特有な定数(σp)である。上式において、kは置換基を持たないベンゼン誘導体の速度定数、k0は置換基で置換されたベンゼン誘導体の速度定数、Kは置換基を持たないベンゼン誘導体の平衡定数、K0は置換基で置換されたベンゼン誘導体の平衡定数、ρは反応の種類と条件によって決まる反応定数を表す。本発明における「ハメットのσp値」に関する説明と各置換基の数値については、Hansch,C.et.al.,Chem.Rev.,91,165-195(1991)のσp値に関する記載を参照することができる。ハメットのσp値が負の基は電子供与性(ドナー性)を示し、ハメットのσp値が正の基は電子求引性(アクセプター性)を示す傾向がある。
ハメットのσp値が0.3以上の基として、シアノ基、ハロゲン化アルキル基、環骨格構成原子として窒素原子を含むヘテロアリール基を挙げることができ、好ましくは、シアノ基、フッ化アルキル基、置換もしくは無置換のトリアジニル基、置換もしくは無置換のピリミジニル基を挙げることができ、さらに好ましくはシアノ基、パーフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のジアリールトリアジニル基を挙げることができ、さらにより好ましくはシアノ基、トリフルオロメチル基、ジフェニルトリアジニル基を挙げることができる。本発明の好ましい一態様では、ハメットのσp値が0.3以上の基としてシアノ基を採用する。
一般式(1)において、RとR、RとR、RとR11、R12とR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR10は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。互いに結合して形成する環状構造は芳香環であっても脂肪環であってもよく、またヘテロ原子を含むものであってもよく、さらに環状構造は2環以上の縮合環であってもよい。ここでいうヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択されるものであることが好ましい。形成される環状構造の例として、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、イミダゾリン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環、シクロペンタエン環、シクロヘプタトリエン環、シクロヘプタジエン環、シクロヘプタエン環、フラン環、チオフェン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノリン環などを挙げることができる。例えばフェナントレン環やトリフェニレン環のように多数の環が縮合した環を形成してもよい。好ましい例として、ベンゼン環を例示することができる。形成される環状構造の水素原子は、重水素原子や置換基で置換されていてもよい。置換基としては、R~R12の置換基の説明と好ましい範囲を参照することができる。
互いに結合して形成される環の数は1~5であることが好ましく、1~3であることがより好ましく、例えば1であったり、2であったりしてもよい。形成される環の数が2以上であるとき、複数箇所に環が形成されていてもよいし、1箇所に多環が形成されていてもよい。本発明の一態様では、RとRが互いに結合して環状構造(好ましくはベンゼン環)を形成している。本発明の好ましい一態様では、RとR、RとR10が互いに結合して環状構造(好ましくはベンゼン環)を形成している。
なお、一般式(1)において、ZがC(R11)で、ZがC(R12)であるとき、R11とR12が互いに結合して環状構造を形成することはない。
一般式(1)におけるR~R12の少なくとも1個は、下記一般式(2)で表される基である。
一般式(2)において、R21およびR22は各々独立に重水素原子または置換基を表す。置換基としては、R~R12の置換基の説明と好ましい範囲を参照することができる。本発明の一態様では、R21およびR22は各々独立に、重水素原子、アルキル基、アリール基、およびこれらを組み合わせた基からなる群より選択される。本発明の好ましい一態様では、R21およびR22は各々独立に、重水素原子、炭素数1~4のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル基)、またはフェニル基でさらに置換されていてもよいフェニル基である。
一般式(2)において、n1は0~4のいずれかの整数を表し、n2は0~3のいずれかの整数を表す。本発明の一態様では、n1は0または1であり、n2は0または1である。本発明の一態様では、n1+n2が1である。本発明の一態様では、n1もn2も0である。n1が2以上であり、n2が2以上であるとき、隣り合うR21同士、隣り合うR22同士は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。本発明の好ましい一態様では、隣り合うR21同士、隣り合うR22同士は互いに結合して環状構造を形成していない。
一般式(2)において、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。アリーレン基を構成する芳香環の炭素数は1~20であり、好ましくは1~10であり、さらに好ましくは6である。アリーレン基の置換基としては、R~R12の置換基の説明と好ましい範囲を参照することができる。本発明の一態様では、アリーレン基の置換基は、重水素原子、アルキル基、アリール基、およびこれらを組み合わせた基からなる群より選択される。本発明の好ましい一態様では、アリーレン基の置換基は、重水素原子、炭素数1~4のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル基)、またはフェニル基で置換されていてもよいフェニル基であり、より好ましくは、重水素原子である。アリーレン基は無置換であることも好ましい。好ましいArとして、置換もしくは無置換のo-フェニレン基、置換もしくは無置換のm-フェニレン基、置換もしくは無置換のp-フェニレン基、置換もしくは無置換のナフタレン-1,8-ジイル基、置換もしくは無置換のナフタレン-1,5-ジイル基、置換もしくは無置換のナフタレン-2,6-ジイル基、置換もしくは無置換のナフタレン-2,7-ジイル基を挙げることができ、より好ましいArとして置換もしくは無置換のフェニレン基を挙げることができる。本発明の好ましい一態様では、Arは置換もしくは無置換のm-フェニレン基であり、例えば無置換のm-フェニレン基である。本発明の好ましい一態様では、Arは置換もしくは無置換のp-フェニレン基であり、例えば無置換のp-フェニレン基である。
一般式(2)において、n3は0または1である。本発明の一態様では、n3は1である。本発明の一態様では、n3は0である。
一般式(2)において、XはO、S、C(R23)(R24)またはN(R25)を表す。R23およびR24は各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表し、R23およびR24は互いに結合して環状構造(好ましくは重水素原子またはアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキル環)を形成していてもよく、R25は置換基を表す。置換基としては、R~R12の置換基の説明と好ましい範囲を参照することができる。本発明の一態様では、R23およびR24は各々独立に、水素原子、重水素原子、アルキル基、アリール基、およびこれらを組み合わせた基からなる群より選択される。本発明の一態様では、R25は、重水素原子やアルキル基で置換されていてもよいアリール基(好ましくはフェニル基)である。本発明の一態様では、XはO、SまたはC(R23)(R24)である。本発明の一態様では、XはO、SまたはN(R25)である。本発明の一態様では、XはOまたはSであり、好ましくはOである。本発明の一態様では、XはC(R23)(R24)である。本発明の一態様では、XはN(R25)である。
一般式(2)において、R23~R25のいずれか1つとR21が互いに結合して環状構造を形成することはなく、R23~R25のいずれか1つとR22が互いに結合して環状構造を形成することはなく、R22とArのアリーレン基に置換する置換基が互いに結合して環状構造を形成することはない。
一般式(2)において、*は結合位置を表す。
本発明の一態様では、一般式(2)のXがOまたはSであり、R21およびR22は各々独立に、重水素原子、アルキル基、アリール基、およびこれらを組み合わせた基からなる群より選択され、n3が1であり、Arは重水素原子で置換されていてもよいフェニレン基である。
本発明の一態様では、一般式(2)のXがOまたはSであり、R21およびR22は重水素原子であり、Arは重水素原子で置換されていてもよいフェニレン基であり、n3が1である。
本発明の一態様では、一般式(2)のXがOまたはSであり、R21およびR22は各々独立に、重水素原子、アルキル基、アリール基、およびこれらを組み合わせた基からなる群より選択され、n3が0である。
本発明の一態様では、一般式(2)のXがOまたはSであり、R21およびR22は重水素原子であり、n3が0である。
本発明の好ましい一態様では、一般式(2)で表される基は、下記一般式(2a)で表される構造を有する。
一般式(2a)において、R21およびR22は各々独立に重水素原子または置換基を表し、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。n1は0~4のいずれかの整数を表し、n2は0~3のいずれかの整数を表し、n3は0または1を表す。隣り合うR21同士、隣り合うR22同士は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。XはO、S、C(R23)(R24)またはN(R25)を表す。R23およびR24は各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表し、R25は置換基を表す。*は結合位置を表す。
X、R21~R25、Ar、n1~n3の説明と好ましい範囲については、一般式(2)の対応する記載を参照することができる。
以下において、一般式(2)で表される基の具体例を挙げる。ただし、本発明で採用することができる一般式(2)で表される基はこれらの具体例により限定的に解釈されることはない。なお、メチル基はCHの表記を省略している。このため、例えばX65~X80はジベンゾフリル基を構成するベンゼン環がメチル基で置換された構造を表している。
X1~X120は、一般式(2)のXがOである基の具体例である。X1~X120のOをSに置換した基を、それぞれX121~X240としてここに例示する。X1~X120のOをC(CHに置換した基を、それぞれX241~X360としてここに例示する。X1~X120のOをC(Cに置換した基を、それぞれX361~X480としてここに例示する。X1~X120のOをN(C)に置換した基を、それぞれX481~X600としてここに例示する。
X1~X600のすべての水素原子を重水素原子に置換した基を、順にX1(D)~X600(D)としてここに例示する。また、X5~X80、X85~X100、X105~X120、X125~X200、X205~X220、X225~X240、X245~X320、X325~X340、X345~X360、X365~X440、X445~X460、X465~X480、X485~X560、X565~X580、X585~X600の置換基であるフェニル基、ビフェニリル基、メチル基のすべての水素原子を重水素原子に置換した基を、順にX5(d)~X80(d)、X85(d)X100(d)、X105(d)~X120(d)、X125(d)~X200(d)、X205(d)~X220(d)、X225(d)~X240(d)、X245(d)~X320(d)、X325(d)~X340(d)、X345(d)~X360(d)、X365(d)~X440(d)、X445(d)~X460(d)、X465(d)~X480(d)、X485(d)~X560(d)、X565(d)~X580(d)、X585(d)~X600(d)としてここに例示する。
本発明の一態様では、R~R12の1~4個が一般式(2)で表される基であり、好ましくは1個または2個が一般式(2)で表される基である。
本発明の一態様では、Rだけが一般式(2)で表される基である。本発明の一態様では、Rだけが一般式(2)で表される基である。本発明の好ましい一態様では、Rだけが一般式(2)で表される基である。本発明の一態様では、R11だけが一般式(2)で表される基である。本発明の一態様では、Rだけが一般式(2)で表される基である。本発明の一態様では、R10だけが一般式(2)で表される基である。
本発明の一態様では、RとRだけが一般式(2)で表される基である。本発明の一態様では、RとRだけが一般式(2)で表される基である。本発明の好ましい一態様では、RとRだけが一般式(2)で表される基である。本発明の一態様では、R11とR12だけが一般式(2)で表される基である。本発明の一態様では、RとRだけが一般式(2)で表される基である。本発明の一態様では、RとR10だけが一般式(2)で表される基である。本発明の一態様では、R~R12の2個以上が一般式(2)で表される基であるとき、それらの基の構造は同一である。
本発明の一態様では、R~R12は各々独立に、水素原子、重水素原子、一般式(2)で表される基、アリール基(好ましくはフェニル基)、アルキル基(好ましくはメチル基)、またはハメットのσpが0.3以上の基(好ましくはシアノ基)である。本発明の一態様では、R~R12は各々独立に、水素原子、重水素原子、一般式(2)で表される基、フェニル基、またはハメットのσpが0.3以上の基(好ましくはシアノ基)である。本発明の一態様では、R~R12は、一般式(2)で表される基以外は水素原子または重水素原子である。
本発明の一態様では、RとR、RとR10が互いに結合して環状構造(好ましくはベンゼン環)を形成しており、R~R、R11、R12は、一般式(2)で表される基以外は水素原子または重水素原子である。本発明の一態様では、RとR、RとR10が互いに結合して環状構造(好ましくはベンゼン環)を形成しており、その環状構造はハメットのσpが0.3以上の基(好ましくはシアノ基)で置換されており、R~R、R11、R12は、一般式(2)で表される基以外は水素原子または重水素原子である。
本発明の一態様では、一般式(1)で表される化合物はシアノ基を有していない。本発明の一態様では、一般式(1)で表される化合物はシアノ基を1個または2個有している。例えばシアノ基を1個有している。例えばシアノ基を2個有している。
一般式(1)のRとR、RとR10が互いに結合して環状構造を形成しているとき、下記一般式(1a)で表される構造を有することが好ましい。
一般式(1a)において、ZはNまたはC(R11)を表し、ZはNまたはC(R12)を表し、ZはNまたはC(R19)を表し、ZはNまたはC(R20)を表す。R~R、R11~R20は各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。RとR、RとR、RとR11、R12とR、RとR、RとR、R13とR14、R14とR15、R15とR19、R20とR16、R16とR17、R17とR18は、互いに結合して環状構造を形成していてもよいが、R11とR12が互いに結合して環状構造を形成することはなく、R19とR20が互いに結合して環状構造を形成することはない。ただし、R~R、R11、R12の少なくとも1個は、一般式(2)で表される基である。
13~R20、Z、Zの説明と好ましい範囲については、一般式(1)のR~R12、Z、Zの対応する記載を参照することができる。
本願における「アルキル基」は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。また、直鎖部分と環状部分と分枝部分のうちの2種以上が混在していてもよい。アルキル基の炭素数は、例えば1以上、2以上、4以上とすることができる。また、炭素数は30以下、20以下、10以下、6以下、4以下とすることができる。アルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基を挙げることができる。本発明の一態様では、アルキル基の炭素数は1~4である。本発明の一態様では、アルキル基はメチル基である。本発明の一態様では、アルキル基はイソプロピル基である。本発明の一態様では、アルキル基はtert-ブチル基である。一般式(1)で表される分子内にアルキル基が複数存在するとき、それらのアルキル基は互いに同一であっても異なっていてもよい。本発明の一態様では、一般式(1)で表される分子内のアルキル基はすべて同一である。一般式(1)で表される分子内のアルキル基の数は0以上、1以上、2以上、4以上、8以上とすることができる。一般式(1)で表される分子内のアルキル基の数は、20以下、10以下、5以下、3以下としてもよい。一般式(1)で表される分子内のアルキル基の数は0であってもよい。
「アリール基」は、単環であってもよいし、2つ以上の環が縮合した縮合環であってもよい。単環であるとき、アリール基はフェニル基である。縮合環であるとき、アリール基はフェニル基にさらに1つ以上の環が縮合した基である。フェニル基に縮合する環は、芳香族炭化水素環、脂肪族炭化水素環のいずれであってもよく、また、これらが縮合した環であってもよい。好ましくは芳香族炭化水素環である。芳香族炭化水素環としてベンゼン環を挙げることができる。ベンゼン環にはさらに他のベンゼン環が縮合していてもよい。アリール基の具体例として、フェニル基、ナフタレン-1-イル基、ナフタレン-2-イル基を挙げることができる。具体例として挙げたこれらの基は、置換されていてもよい。
一般式(1)で表される化合物は、金属元素を含まない。本発明の一態様では、一般式(1)で表される化合物は、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される原子のみからなる。本発明の一態様では、一般式(1)で表される化合物は、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される原子のみからなる。
一般式(1)で表される化合物の分子量は、1500以下であることが好ましく、1200以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましい。例えば800以下の範囲内で選択してもよい。分子量の下限値は、一般式(1)で表される構造の最小分子量である。
一般式(1)で表される化合物は対称化合物であってもよい。本発明の一態様では、一般式(1)で表される化合物は線対称化合物である。本発明の一態様では、一般式(1)で表される化合物は非対称化合物である。
以下において、一般式(1)で表される化合物の具体例を示す。ただし、本発明で採用することができる一般式(1)で表される基はこれらの具体例により限定的に解釈されることはない。
まず、下記一般式(1b)で表される構造を有する化合物の具体例を示す。表1において、各化合物のR~R12の原子または基を特定することにより、化合物1~600の各構造を特定している。
表2において、R~R12の原子または基を特定することにより化合物1~26400の構造を特定している。表2の化合物1~600の段では、R~R12を水素原子(H)に固定し、RをX1~X600に変えた600種の化合物の構造を順に特定している。表2の化合物1~600は、表1の化合物1~600と同じものを特定している。表2の化合物601~1200の段では、R、R~R12を水素原子(H)に固定し、RをX1~X600に変えた600種の化合物の構造を順に特定している。表2の化合物1201~1800の段では、R、R、R~R12を水素原子(H)に固定し、RをX1~X600に変えた600種の化合物の構造を順に特定している。表2の化合物1801~2400の段では、R~R10、R12を水素原子(H)に固定し、R11をX1~X600に変えた600種の化合物の構造を順に特定している。表2の化合物2401~3000の段では、R~R、R~R12を水素原子(H)に固定し、RとRを同時にX1~X600に変えた600種の化合物の構造を順に特定している(RとRは常に同一構造の基である)。それ以降の表2の各段も同様にして構造を特定している。
表3~5では、それぞれ一般式(1c)、(1d)、(1e)で表される各化合物の構造を表2と同じ要領で特定している。
化合物1~50400のすべての水素原子が重水素原子に置換した化合物を、順に化合物1(D)~50400(D)としてここに例示する。また、化合物1~50400の一般式(2)で表される基に存在するすべての水素原子を重水素原子に置換した化合物を、順に化合物1(d)~50400(d)としてここに例示する。
本発明の一態様では、化合物1~26400、化合物1(D)~26400(D)、化合物1(d)~26400(d)の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物26401~43200、化合物26401(D)~43200(D)、化合物26401(d)~43200(d)の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物43201~45600、化合物43201(D)~45600(D)、化合物43201(d)~45600(d)の中から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物45601~50400、化合物45601(D)~50400(D)、化合物45601(d)~50400(d)の中から化合物を選択する。
一般式(1)で表される化合物は、発光材料をドープするためのホスト材料として有用である。特に遅延蛍光材料をドープするためのホスト材料として有用である。ドープする材料は1種のみならず、複数種であってもよい。ドープする材料は、一般式(1)で表される化合物よりも、最低励起一重項エネルギーが低いものの中から選択する。
一般式(1)で表される化合物は、キャリア障壁材料としても有用であり、例えば正孔障壁材料として有用である。有機エレクトロルミネッセンス素子などの有機発光素子において障壁層(例えば正孔障壁層)に効果的に用いることができる。
(遅延蛍光材料)
一般式(1)で表される化合物は、遅延蛍光材料とともに用いるためのホスト材料として有用である。
ここでいう「遅延蛍光材料」とは、励起状態において、励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差を生じ、その励起一重項状態から基底状態へ戻る際に遅延蛍光を放射する有機化合物である。本発明では、蛍光寿命測定システム(浜松ホトニクス社製ストリークカメラシステム等)により発光寿命を測定したとき、発光寿命が100ns(ナノ秒)以上の蛍光が観測されるものを遅延蛍光材料と言う。
一般式(1)で表される化合物と遅延蛍光材料を組み合わせて用いたとき、遅延蛍光材料は、励起一重項状態の一般式(1)で表される化合物からエネルギーを受け取って励起一重項状態に遷移する。また、遅延蛍光材料は、励起三重項状態の一般式(1)で表される化合物からエネルギーを受け取って励起三重項状態に遷移してもよい。遅延蛍光材料は励起一重項エネルギーと励起三重項エネルギーの差(ΔEST)が小さいことから、励起三重項状態の遅延蛍光材料は励起一重項状態の遅延蛍光材料へ逆項間交差しやすい。これらの経路により生じた励起一重項状態の遅延蛍光材料が発光に寄与する。
遅延蛍光材料は、最低励起一重項エネルギーと77Kの最低励起三重項エネルギーの差ΔESTが0.3eV以下であることが好ましく、0.25eV以下であることがより好ましく、0.2eV以下であることがより好ましく、0.15eV以下であることがより好ましく、0.1eV以下であることがさらに好ましく、0.07eV以下であることがさらにより好ましく、0.05eV以下であることがさらにまた好ましく、0.03eV以下であることがさらになお好ましく、0.01eV以下であることが特に好ましい。
ΔESTが小さければ、熱エネルギーの吸収によって励起一重項状態から励起三重項状態に逆項間交差しやすいため、熱活性化型の遅延蛍光材料として機能する。熱活性化型の遅延蛍光材料は、デバイスが発する熱を吸収して励起三重項状態から励起一重項へ比較的容易に逆項間交差し、その励起三重項エネルギーを効率よく発光に寄与させることができる。
本発明における、化合物の最低励起一重項エネルギー(ES1)と最低励起三重項エネルギー(ET1)は、下記の手順により求めた値である。ΔESTはES1-ET1を計算することにより求めた値である。
(1)最低励起一重項エネルギー(ES1
測定対象化合物の薄膜もしくはトルエン溶液(濃度10-5mol/L)を調製して試料とする。常温(300K)でこの試料の蛍光スペクトルを測定する。蛍光スペクトルは、縦軸を発光、横軸を波長とする。この発光スペクトルの短波側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値 λedge[nm]を求める。この波長値を次に示す換算式でエネルギー値に換算した値をES1とする。
換算式:ES1[eV]=1239.85/λedge
後述の実施例における発光スペクトルの測定は、励起光源にLED光源(Thorlabs社製、M300L4)を用いて検出器(浜松ホトニクス社製、PMA-12マルチチャンネル分光器 C10027-01)により行った。
(2)最低励起三重項エネルギー(ET1
最低励起一重項エネルギー(ES1)の測定で用いたのと同じ試料を、液体窒素によって77[K]に冷却し、励起光(300nm)を燐光測定用試料に照射し、検出器を用いて燐光を測定する。励起光照射後から100ミリ秒以降の発光を燐光スペクトルとする。この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を求める。この波長値を次に示す換算式でエネルギー値に換算した値をET1とする。
換算式:ET1[eV]=1239.85/λedge
燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
なお、スペクトルの最大ピーク強度の10%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
本発明では、公知の遅延蛍光材料を一般式(1)で表される化合物と適宜組み合わせて用いることができる。また、知られていない遅延蛍光材料であっても、用いることが可能である。
遅延蛍光材料として、WO2013/154064号公報の段落0008~0048および0095~0133、WO2013/011954号公報の段落0007~0047および0073~0085、WO2013/011955号公報の段落0007~0033および0059~0066、WO2013/081088号公報の段落0008~0071および0118~0133、特開2013-256490号公報の段落0009~0046および0093~0134、特開2013-116975号公報の段落0008~0020および0038~0040、WO2013/133359号公報の段落0007~0032および0079~0084、WO2013/161437号公報の段落0008~0054および0101~0121、特開2014-9352号公報の段落0007~0041および0060~0069、特開2014-9224号公報の段落0008~0048および0067~0076、特開2017-119663号公報の段落0013~0025、特開2017-119664号公報の段落0013~0026、特開2017-222623号公報の段落0012~0025、特開2017-226838号公報の段落0010~0050、特開2018-100411号公報の段落0012~0043、WO2018/047853号公報の段落0016~0044に記載される一般式に包含される化合物、特に例示化合物であって、遅延蛍光を放射するものを挙げることができる。また、特開2013-253121号公報、WO2013/133359号公報、WO2014/034535号公報、WO2014/115743号公報、WO2014/122895号公報、WO2014/126200号公報、WO2014/136758号公報、WO2014/133121号公報、WO2014/136860号公報、WO2014/196585号公報、WO2014/189122号公報、WO2014/168101号公報、WO2015/008580号公報、WO2014/203840号公報、WO2015/002213号公報、WO2015/016200号公報、WO2015/019725号公報、WO2015/072470号公報、WO2015/108049号公報、WO2015/080182号公報、WO2015/072537号公報、WO2015/080183号公報、特開2015-129240号公報、WO2015/129714号公報、WO2015/129715号公報、WO2015/133501号公報、WO2015/136880号公報、WO2015/137244号公報、WO2015/137202号公報、WO2015/137136号公報、WO2015/146541号公報、WO2015/159541号公報、WO2020/111205号公報の[0028]~[0056]、WO2019/191665号公報の62~159頁に記載される発光材料であって、遅延蛍光を放射するものを採用することもできる。なお、この段落に記載される上記の公報は、本明細書の一部としてここに引用している。
本発明で用いる遅延蛍光材料は金属原子を含まないことが好ましい。例えば、遅延蛍光材料として、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択することができる。例えば、遅延蛍光材料として、炭素原子、水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択することができる。例えば、遅延蛍光材料として、炭素原子、水素原子および窒素原子からなる化合物を選択することができる。
本発明の一態様では、フェナジン骨格を有する化合物、好ましくはジベンゾ[a,c]フェナジン骨格を有する化合物を遅延蛍光材料として採用する。
(組成物)
本発明は、一般式(1)で表される化合物と遅延蛍光材料を含む組成物も提供する。本発明の一態様では、組成物は、1種以上の一般式(1)で表される化合物と、1種以上の遅延蛍光材料だけで構成される。本発明の一態様では、組成物は、1種の一般式(1)で表される化合物と、1種の遅延蛍光材料だけで構成される。本発明の一態様では、組成物は一般式(1)で表される化合物と遅延蛍光材料以外に第3の成分を含む。ここでいう第3の成分は、一般式(1)で表される化合物ではなく、また、遅延蛍光材料でもない。例えば、第3の成分として、一般式(1)で表されないホスト材料や遅延蛍光を放射しない蛍光材料を挙げることができる。第3の成分は1種のみ含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。組成物における第3の成分がホスト材料ではない場合は、第3成分の含有量は、30質量%以下の範囲内で選択してもよいし、10質量%以下の範囲内で選択してもよいし、1質量%以下の範囲内で選択してもよいし、0.1質量%以下の範囲内で選択してもよい。組成物における第3の成分がホスト材料である場合は、第3成分の含有量は、80質量%以下の範囲内で選択してもよいし、60質量%以下の範囲内で選択してもよいし、1質量%以上の範囲内で選択してもよいし、10質量%以上の範囲内で選択してもよし、20質量%以上の範囲で選択してもよい。本発明の好ましい一態様では、本発明組成物からの発光の最大成分は蛍光(遅延蛍光を含む)である。
本発明の組成物において、一般式(1)で表される化合物は遅延蛍光材料よりも質量基準の含有量が多い。一般式(1)で表される化合物の含有量は、遅延蛍光材料の含有量の3質量倍以上の範囲内で選択してもよいし、10質量倍以上の範囲内で選択してもよい。また、例えば10000質量倍以下の範囲内で選択してもよいし、1000質量倍以下の範囲内で選択してもよい。
本発明の組成物では、一般式(1)で表される化合物の励起一重項エネルギーよりも小さい励起一重項エネルギーを有する遅延蛍光材料を選択することが好ましい。励起一重項エネルギーの差は、0.1eV以上としたり、0.3eV以上としたり、0.5eV以上としたりしてもよく、2eV以下としたり、1.5eV以下としたり、1.0eV以下としたりしてもよい。
本発明の組成物は、金属元素を含まないことが好ましい。本発明の一態様では、本発明の組成物は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ホウ素原子およびハロゲン原子からなる群より選択される原子のみからなる。本発明の一態様では、本発明の組成物は炭素原子、水素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選択される原子のみからなる。
また、本発明の一態様では、一般式(1)で表される化合物は、遅延蛍光材料および蛍光性化合物とともに用いるためのホスト材料として有用である。このため、本発明の一態様では、本発明の組成物は一般式(1)で表される化合物と遅延蛍光材料の他に蛍光性化合物も含む。
蛍光性化合物は、一般式(1)で表される化合物および遅延蛍光材料よりも最低励起一重項エネルギー(ES1)が小さいことが好ましい。蛍光性化合物は、励起一重項状態の一般式(1)で表される化合物および遅延蛍光材料と、励起三重項状態から逆項間交差して励起一重項状態になった遅延蛍光材料からエネルギーを受け取って一重項励起状態に遷移し、その後基底状態に戻るときに蛍光を放射する。蛍光性化合物としては、このように一般式(1)で表される化合物および遅延蛍光材料からエネルギーを受け取って蛍光を放射し得るものであれば特に限定されず、発光は蛍光であっても、遅延蛍光であっても構わない。中でも、蛍光性化合物として用いる発光体は、最低励起一重項エネルギー準位から基底エネルギー準位に戻るときに蛍光を放射するものであることが好ましい。蛍光性化合物は、2種以上を用いてもよい。例えば、発光色が異なる2種以上の蛍光性化合物を併用することにより、所望の色を発光させることが可能になる。
蛍光性化合物としては、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、クリセン誘導体、ルブレン誘導体、クマリン誘導体、ピラン誘導体、スチルベン誘導体、フルオレン誘導体、アントリル誘導体、ピロメテン誘導体、ターフェニル誘導体、ターフェニレン誘導体、フルオランテン誘導体、アミン誘導体、キナクリドン誘導体、オキサジアゾール誘導体、マロノニトリル誘導体、ピラン誘導体、カルバゾール誘導体、ジュロリジン誘導体、チアゾール誘導体、金属(Al,Zn)を有する誘導体、ジアザボラナフトアントラセン等の含ホウ素多環芳香族骨格を持つ化合物等の多重共鳴効果を有する化合物等を用いることが可能である。これらの例示骨格には置換基を有してもよいし、置換基を有していなくてもよい。また、これらの例示骨格どうしを組み合わせてもよい。
蛍光性化合物の具体例としては、遅延蛍光材料の具体例として挙げた化合物を挙げることができる。このとき、本発明の組成物には2種以上の遅延蛍光材料が含まれることになるが、最低励起一重項エネルギーがより高い方がアシストドーパントとして機能し、最低励起一重項エネルギーがより低い方が主として発光する蛍光性化合物として機能する。蛍光性化合物として用いられる化合物は、60%以上のPL発光量子収率を示すことが好ましく、80%以上であることがより好ましい。また、蛍光性化合物として用いられる化合物は、50ns以下の瞬時蛍光寿命を示すことが好ましく、20ns以下であることがより好ましい。この時の瞬時蛍光寿命とは、熱活性型遅延蛍光を示す化合物について、発光寿命測定を行った時に観測される複数の指数減衰成分のうち最も早く減衰する成分の発光寿命のことである。また、第3化合物として用いられる化合物は、最低励起一重項(S1)から基底状態への蛍光放射速度がS1から最低励起三重項(T1)への項間交差速度よりも大きいことが好ましい。化合物の速度定数の算出方法については、熱活性型遅延蛍光材料に関する公知の文献(H. Uoyama, et al., Nature 492, 234 (2012)やK. Masui, et al., Org. Electron. 14, 2721, (2013)等)を参照することができる。
以下に、遅延蛍光材料とともに用いる蛍光性化合物として用いることができる好ましい化合物を挙げるが、本発明で用いることができる蛍光性化合物はこれらの具体例により限定的に解釈されることはない。
また、WO2015/022974号公報の段落0220~0239に記載の化合物も、本発明の蛍光性化合物として、特に好ましく採用することができる。
また、本発明の一態様では、一般式(1)で表される化合物を他のホスト材料とともに用いて、複数のホスト材料を含む発光層(組成物)として用いることができる。すなわち、本発明の一態様では、本発明の組成物は一般式(1)で表されるホスト材料と一般式(1)で表されないホスト材料を含有する。
一般式(1)で表されないホスト材料として、例えば下記一般式(3)で表される化合物を挙げることができる。
一般式(3)において、R31~R35は各々独立に重水素原子、アルキル基、アリール基、およびこれらを組み合わせた基からなる群より選択される。R31~R34は、他のR31~R34と結合して環状構造を形成することはないが、隣り合うR35同士は互いに結合してベンゾフロ骨格やベンゾチエノ骨格を形成してもよい(フラン環またはチオフェン環で縮合する)。n31、n33、n34、n35は各々独立に0~4のいずれかの整数を表し、n32は0~3のいずれかの整数を表す。
アルキル基、アリール基の説明と好ましい範囲については、上記のアルキル基とアリール基の説明と好ましい範囲の記載を参照することができる。本発明の一態様では、R31~R35は各々独立に重水素原子、メチル基、フェニル基、o-ビフェニリル基、m-ビフェニリル基またはp-ビフェニリル基である。本発明の一態様では、R31~R35は各々独立に重水素原子、フェニル基、o-ビフェニリル基、m-ビフェニリル基またはp-ビフェニリル基である。本発明の一態様では、R31~R35は重水素原子である。本発明の一態様では、n31~n35は各々独立に0~2のいずれかの整数であり、例えば0または1である。本発明の一態様では、n31~n35の総和は0~5であり、例えば0~3であり、例えば0~2であり、例えば0であり、例えば1であり、例えば2である。
一般式(3)において、(R33n33が結合している中央のベンゼン環に対して結合しているカルバゾール環に対してジベンゾプラン環はメタ位またはパラ位で結合していることが好ましく、メタ位で結合していることがより好ましい。
一般式(3)において、隣り合うR35同士が互いに結合してベンゾフロ骨格またはベンゾチエノ骨格を形成している化合物を、下記一般式(3a)に示す。
一般式(3a)において、R31~R36は各々独立に重水素原子、アルキル基、アリール基、およびこれらを組み合わせた基からなる群より選択される。R31~R36は、他のR31~R36と結合して環状構造を形成することはない。n31、n33、n34、n36は各々独立に0~4のいずれかの整数を表し、n32は0~3のいずれかの整数を表し、n35は0~2のいずれかの整数を表す。XはO、SまたはN(R)を表す。Rは置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。
以下において、一般式(3)の(R33n33が結合している中央のベンゼン環に結合するカルバゾール環を有する基の具体例を例示する。ただし、これらの具体例によって、カルバゾール環を有する基が限定的に解釈されることはない。
一般式(3)の(R33n33が結合している中央のベンゼン環に結合するジベンゾフラン環を有する基の具体例として、上記のX3、X7、X11、X15、X19、X22、X26、X30、X34、X37、X41、X45、X49、X52、X56、X60、X64、X67、X71、X75、X79を挙げることができる。ただし、これらの具体例によって、ジベンゾフラン環を有する基が限定的に解釈されることはない。
以下において、一般式(3)で表される化合物の具体例を示す。ただし、本発明で採用することができる一般式(3)で表される化合物はこれらの具体例によって限定的に解釈されることはない。
まず、一般式(3b)で表される構造を有する化合物から具体例を挙げる。表6において、各化合物のXおよびDの原子または基を特定することにより、H1~H238の各構造を特定している。
表7において、XおよびDの原子または基を特定することによりH1~H2499の構造を特定している。表7のH1~H119の段では、XをX3に固定し、DをD1~D119に変えた119種の化合物の構造を順に特定している。表7のH1~H119は、表6のH1~H119と同じものを特定している。表7のH120~H238の段では、XをX7に固定し、DをD1~D119に変えた119種の化合物の構造を順に特定している。それ以降の表7の各段も同様にして構造を特定している。
表8では、それぞれ一般式(3c)で表される各化合物の構造を表7と同じ要領で特定している。
H1~H4998のすべての水素原子が重水素原子に置換した化合物を、順にH1(D)~H4998(D)としてここに例示する。
本発明の組成物の形態は特に制限されない。本発明の特に好ましい一態様では、本発明の組成物は膜(フィルム)状である。本発明の組成物からなる膜は湿式工程で形成してもよいし、乾式工程で形成してもよい。
湿式工程では、本発明の組成物を溶解した溶液を面に塗布し、溶媒の除去後に発光層を形成する。湿式工程として、スピンコート法、スリットコート法、インクジェット法(スプレー法)、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。湿式工程では、本発明の組成物を溶解することができる適切な有機溶媒を選択して用いる。ある実施形態では、本発明の組成物に含まれる化合物に、有機溶媒に対する溶解性を上げる置換基(例えばアルキル基)を導入することができる。
乾式工程としては真空蒸着法を好ましく採用することができる。真空蒸着法を採用する場合は、本発明の組成物を構成する各化合物を個別の蒸着源から共蒸着させてもよいし、全化合物を混合した単一の蒸着源から共蒸着させてもよい。単一の蒸着源を用いる場合は、全化合物の粉末を混合した混合粉を用いてもよいし、その混合粉を圧縮した圧縮成形体を用いてもよいし、各化合物を加熱溶融して混合した後に冷却した混合物を用いてもよい。ある実施形態では、単一の蒸着源に含まれる複数の化合物の蒸着速度(質量減少速度)が一致ないしほぼ一致する条件で共蒸着を行うことにより、蒸着源に含まれる複数の化合物の組成比に対応する組成比の膜を形成することができる。形成される膜の組成比と同じ組成比で複数の化合物を混合して蒸着源とすれば、所望の組成比を有する膜を簡便に形成することができる。ある実施形態では、共蒸着される各化合物が同じ質量減少率になる温度を特定して、その温度を共蒸着時の温度として採用することができる。膜を蒸着法により製膜する場合は、組成物を構成する各化合物の分子量は1500以下であることが好ましく、1200以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましく、900以下であることがさらにより好ましい。分子量の下限値は、例えば450であったり、500であったり、600であったりしてもよい。
(有機発光素子)
本発明の組成物からなる発光層を形成することにより、有機フォトルミネッセンス素子(有機PL素子)や有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)などの優れた有機発光素子を提供することができる。本発明の有機発光素子は蛍光発光素子であり、素子からの発光の最大成分は蛍光である(ここでいう蛍光には遅延蛍光が含まれる)。
発光層の厚さは例えば1~15nmとしたり、2~10nmとしたり、3~7nmとすることができる。
有機フォトルミネッセンス素子は、基材上に少なくとも発光層を形成した構造を有する。また、有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも陽極、陰極、および陽極と陰極の間に有機層を形成した構造を有する。有機層は、少なくとも発光層を含むものであり、発光層のみからなるものであってもよいし、発光層の他に1層以上の有機層を有するものであってもよい。そのような他の有機層として、正孔輸送層、正孔注入層、電子障壁層、正孔障壁層、電子注入層、電子輸送層、励起子障壁層などを挙げることができる。正孔輸送層は正孔注入機能を有した正孔注入輸送層でもよく、電子輸送層は電子注入機能を有した電子注入輸送層でもよい。
本発明の有機発光素子が多波長発光型の有機発光素子であるとき、最も短波長な発光が遅延蛍光を含むものとすることができる。また、最も短波長な発光が遅延蛍光を含まないものとすることもできる。
本発明の組成物を用いた有機発光素子は、熱的または電子的手段で励起されるとき、紫外領域、可視スペクトルのうち青色、緑色、黄色、オレンジ色、赤色領域(例えば420~500nm、500~600nmまたは600~700nm)または近赤外線領域で光を発することができる。例えば有機発光素子は赤色またはオレンジ色領域(例えば620~780nm)で光を発することができる。例えば有機発光素子はオレンジ色または黄色領域(例えば570~620nm)で光を発することができる。例えば有機発光素子は緑色領域(例えば490~575nm)で光を発することができる。例えば有機発光素子は青色領域(例えば400~490nm)で光を発することができる。例えば有機発光素子は紫外スペクトル領域(例えば280~400nm)で光を発することができる。例えば有機発光素子は赤外スペクトル領域(例えば780nm~2μm)で光を発することができる。
本発明の組成物を用いた有機発光素子からの発光の最大成分は、本発明の組成物に含まれる遅延蛍光材料からの発光であることが好ましい。一般式(1)で表される化合物からの発光は、有機発光素子からの発光の10%未満であることが好ましく、例えば1%未満、0.1%未満、0.01%未満、検出限界以下であってもよい。遅延蛍光材料からの発光は、有機発光素子からの発光の例えば50%超、90%超、99%超であってもよい。本発明の組成物を含む層(発光層)が第3成分として蛍光材料を含む場合は、有機発光素子からの発光の最大成分はその蛍光材料からの発光であってもよい。その場合は、発光材料からの発光は有機発光素子からの発光の例えば50%超、90%超、99%超であってもよい。
以下において、有機エレクトロルミネッセンス素子の各部材および発光層以外の各層について説明する。
基材:
いくつかの実施形態では、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は基材により保持され、当該基材は特に限定されず、有機エレクトロルミネッセンス素子で一般的に用いられる、例えばガラス、透明プラスチック、クォーツおよびシリコンにより形成されたいずれかの材料を用いればよい。
陽極:
いくつかの実施形態では、有機エレクトロルミネッセンス装置の陽極は、金属、合金、導電性化合物またはそれらの組み合わせから製造される。いくつかの実施形態では、前記の金属、合金または導電性化合物は高い仕事関数(4eV以上)を有する。いくつかの実施形態では、前記金属はAuである。いくつかの実施形態では、導電性の透明材料は、CuI、酸化インジウム・スズ(ITO)、SnOおよびZnOから選択される。いくつかの実施形態では、IDIXO(In-ZnO)などの、透明な導電性フィルムを形成できるアモルファス材料を使用する。いくつかの実施形態では、前記陽極は薄膜である。いくつかの実施形態では、前記薄膜は蒸着またはスパッタリングにより作製される。いくつかの実施形態では、前記フィルムはフォトリソグラフィー方法によりパターン化される。いくつかの実施形態では、パターンが高精度である必要がない(例えば約100μm以上)場合、当該パターンは、電極材料への蒸着またはスパッタリングに好適な形状のマスクを用いて形成してもよい。いくつかの実施形態では、有機導電性化合物などのコーティング材料を塗布しうるとき、プリント法やコーティング法などの湿式フィルム形成方法が用いられる。いくつかの実施形態では、放射光が陽極を通過するとき、陽極は10%超の透過度を有し、当該陽極は、単位面積あたり数百オーム以下のシート抵抗を有する。いくつかの実施形態では、陽極の厚みは10~1,000nmである。いくつかの実施形態では、陽極の厚みは10~200nmである。いくつかの実施形態では、陽極の厚みは用いる材料に応じて変動する。
陰極:
いくつかの実施形態では、前記陰極は、低い仕事関数を有する金属(4eV以下)(電子注入金属と称される)、合金、導電性化合物またはその組み合わせなどの電極材料で作製される。いくつかの実施形態では、前記電極材料は、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム-銅混合物、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-アルミニウム混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム-アルミニウム混合物および希土類元素から選択される。いくつかの実施形態では、電子注入金属と、電子注入金属より高い仕事関数を有する安定な金属である第2の金属との混合物が用いられる。いくつかの実施形態では、前記混合物は、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-アルミニウム混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム-アルミニウム混合物およびアルミニウムから選択される。いくつかの実施形態では、前記混合物は電子注入特性および酸化に対する耐性を向上させる。いくつかの実施形態では、陰極は、蒸着またはスパッタリングにより電極材料を薄膜として形成させることによって製造される。いくつかの実施形態では、前記陰極は単位面積当たり数百オーム以下のシート抵抗を有する。いくつかの実施形態では、前記陰極の厚は10nm~5μmである。いくつかの実施形態では、前記陰極の厚は50~200nmである。いくつかの実施形態では、放射光を透過させるため、有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極および陰極のいずれか1つは透明または半透明である。いくつかの実施形態では、透明または半透明のエレクトロルミネッセンス素子は光放射輝度を向上させる。
いくつかの実施形態では、前記陰極を、前記陽極に関して前述した導電性の透明な材料で形成されることにより、透明または半透明の陰極が形成される。いくつかの実施形態では、素子は陽極と陰極とを含むが、いずれも透明または半透明である。
注入層:
注入層は、電極と有機層との間の層である。いくつかの実施形態では、前記注入層は駆動電圧を減少させ、光放射輝度を増強する。いくつかの実施形態では、前記注入層は、正孔注入層と電子注入層とを含む。前記注入層は、陽極と発光層または正孔輸送層との間、並びに陰極と発光層または電子輸送層との間に配置することがきる。いくつかの実施形態では、注入層が存在する。いくつかの実施形態では、注入層が存在しない。
以下に、正孔注入材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
次に、電子注入材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
障壁層:
障壁層は、発光層に存在する電荷(電子または正孔)および/または励起子が、発光層の外側に拡散することを阻止できる層である。いくつかの実施形態では、電子障壁層は、発光層と正孔輸送層との間に存在し、電子が発光層を通過して正孔輸送層へ至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、正孔障壁層は、発光層と電子輸送層との間に存在し、正孔が発光層を通過して電子輸送層へ至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、障壁層は、励起子が発光層の外側に拡散することを阻止する。いくつかの実施形態では、電子障壁層および正孔障壁層は励起子障壁層を構成する。本明細書で用いる用語「電子障壁層」または「励起子障壁層」には、電子障壁層の、および励起子障壁層の機能の両方を有する層が含まれる。
正孔障壁層:
正孔障壁層は、電子輸送層として機能する。いくつかの実施形態では、電子の輸送の間、正孔障壁層は正孔が電子輸送層に至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、正孔障壁層は、発光層における電子と正孔との再結合の確率を高める。正孔障壁層に用いる材料は、電子輸送層について前述したのと同じ材料であってもよい。本発明の一態様では、一般式(1)で表される化合物を正孔障壁材料として正孔障壁層に用いる。
以下に、正孔障壁層に用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
電子障壁層:
電子障壁層は、正孔を輸送する。いくつかの実施形態では、正孔の輸送の間、電子障壁層は電子が正孔輸送層に至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、電子障壁層は、発光層における電子と正孔との再結合の確率を高める。電子障壁層に用いる材料は、正孔輸送層について前述したのと同じ材料であってもよい。
以下に電子障壁材料として用いることができる好ましい化合物の具体例を挙げる。
励起子障壁層:
励起子障壁層は、発光層における正孔と電子との再結合を通じて生じた励起子が電荷輸送層まで拡散することを阻止する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層は、発光層における励起子の有効な閉じ込め(confinement)を可能にする。いくつかの実施形態では、装置の光放射効率が向上する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層は、陽極の側と陰極の側のいずれかで、およびその両側の発光層に隣接する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層が陽極側に存在するとき、当該層は、正孔輸送層と発光層との間に存在し、当該発光層に隣接してもよい。いくつかの実施形態では、励起子障壁層が陰極側に存在するとき、当該層は、発光層と陰極との間に存在し、当該発光層に隣接してもよい。いくつかの実施形態では、正孔注入層、電子障壁層または同様の層は、陽極と、陽極側の発光層に隣接する励起子障壁層との間に存在する。いくつかの実施形態では、正孔注入層、電子障壁層、正孔障壁層または同様の層は、陰極と、陰極側の発光層に隣接する励起子障壁層との間に存在する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層は、励起一重項エネルギーと励起三重項エネルギーを含み、その少なくとも1つが、それぞれ、発光材料の励起一重項エネルギーと励起三重項エネルギーより高い。
正孔輸送層:
正孔輸送層は、正孔輸送材料を含む。いくつかの実施形態では、正孔輸送層は単層である。いくつかの実施形態では、正孔輸送層は複数の層を有する。
いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は、正孔の注入または輸送特性および電子の障壁特性のうちの1つの特性を有する。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は有機材料である。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は無機材料である。本発明で使用できる公知の正孔輸送材料の例としては、限定されないが、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導剤、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導剤、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリルアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導剤、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリンコポリマーおよび導電性ポリマーオリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)、またはその組合せが挙げられる。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料はポルフィリン化合物、芳香族三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物から選択される。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は芳香族三級アミン化合物である。以下に正孔輸送材料として用いることができる好ましい化合物の具体例を挙げる。
電子輸送層:
電子輸送層は、電子輸送材料を含む。いくつかの実施形態では、電子輸送層は単層である。いくつかの実施形態では、電子輸送層は複数の層を有する。
いくつかの実施形態では、電子輸送材料は、陰極から注入された電子を発光層に輸送する機能さえあればよい。いくつかの実施形態では、電子輸送材料はまた、正孔障壁材料としても機能する。本発明で使用できる電子輸送層の例としては、限定されないが、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アゾール誘導体、アジン誘導体またはその組合せ、またはそのポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態では、電子輸送材料はチアジアゾール誘導剤またはキノキサリン誘導体である。いくつかの実施形態では、電子輸送材料はポリマー材料である。以下に電子輸送材料として用いることができる好ましい化合物の具体例を挙げる。
さらに、各有機層に添加可能な材料として好ましい化合物例を挙げる。例えば、安定化材料として添加すること等が考えられる。
有機エレクトロルミネッセンス素子に用いることができる好ましい材料を具体的に例示したが、本発明において用いることができる材料は、以下の例示化合物によって限定的に解釈されることはない。また、特定の機能を有する材料として例示した化合物であっても、その他の機能を有する材料として転用することも可能である。
デバイス:
いくつかの実施形態では、発光層はデバイス中に組み込まれる。例えば、デバイスには、OLEDバルブ、OLEDランプ、テレビ用ディスプレイ、コンピューター用モニター、携帯電話およびタブレットが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、電子デバイスは、陽極、陰極、および当該陽極と当該陰極との間の発光層を含む少なくとも1つの有機層を有するOLEDを含む。
いくつかの実施形態では、本願明細書に記載の構成物は、OLEDまたは光電子デバイスなどの、様々な感光性または光活性化デバイスに組み込まれうる。いくつかの実施形態では、前記構成物はデバイス内の電荷移動またはエネルギー移動の促進に、および/または正孔輸送材料として有用でありうる。前記デバイスとしては、例えば有機発光ダイオード(OLED)、有機集積回線(OIC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光学検出装置、有機光受容体、有機磁場クエンチ(field-quench)装置(O-FQD)、発光燃料電池(LEC)または有機レーザダイオード(O-レーザー)が挙げられる。
バルブまたはランプ:
いくつかの実施形態では、電子デバイスは、陽極、陰極、当該陽極と当該陰極との間の発光層を含む少なくとも1つの有機層を含むOLEDを含む。
いくつかの実施形態では、デバイスは色彩の異なるOLEDを含む。いくつかの実施形態では、デバイスはOLEDの組合せを含むアレイを含む。いくつかの実施形態では、OLEDの前記組合せは、3色の組合せ(例えばRGB)である。いくつかの実施形態では、OLEDの前記組合せは、赤色でも緑色でも青色でもない色(例えばオレンジ色および黄緑色)の組合せである。いくつかの実施形態では、OLEDの前記組合せは、2色、4色またはそれ以上の色の組合せである。
いくつかの実施形態では、デバイスは、
取り付け面を有する第1面とそれと反対の第2面とを有し、少なくとも1つの開口部を画定する回路基板と、
前記取り付け面上の少なくとも1つのOLEDであって、当該少なくとも1つのOLEDが、陽極、陰極、および当該陽極と当該陰極との間の発光層を含む少なくとも1つの有機層を含む、発光する構成を有する少なくとも1つのOLEDと、
回路基板用のハウジングと、
前記ハウジングの端部に配置された少なくとも1つのコネクターであって、前記ハウジングおよび前記コネクターが照明設備への取付けに適するパッケージを画定する、少なくとも1つのコネクターと、を備えるOLEDライトである。
いくつかの実施形態では、前記OLEDライトは、複数の方向に光が放射されるように回路基板に取り付けられた複数のOLEDを有する。いくつかの実施形態では、第1方向に発せられた一部の光は偏光されて第2方向に放射される。いくつかの実施形態では、反射器を用いて第1方向に発せられた光を偏光する。
ディスプレイまたはスクリーン:
いくつかの実施形態では、本発明の発光層はスクリーンまたはディスプレイにおいて使用できる。いくつかの実施形態では、本発明に係る化合物は、限定されないが真空蒸発、堆積、蒸着または化学蒸着(CVD)などの工程を用いて基材上へ堆積させる。いくつかの実施形態では、前記基材は、独特のアスペクト比のピクセルを提供する2面エッチングにおいて有用なフォトプレート構造である。前記スクリーン(またマスクとも呼ばれる)は、OLEDディスプレイの製造工程で用いられる。対応するアートワークパターンの設計により、垂直方向ではピクセルの間の非常に急な狭いタイバーの、並びに水平方向では大きな広範囲の斜角開口部の配置を可能にする。これにより、TFTバックプレーン上への化学蒸着を最適化しつつ、高解像度ディスプレイに必要とされるピクセルの微細なパターン構成が可能となる。
ピクセルの内部パターニングにより、水平および垂直方向での様々なアスペクト比の三次元ピクセル開口部を構成することが可能となる。更に、ピクセル領域中の画像化された「ストライプ」またはハーフトーン円の使用は、これらの特定のパターンをアンダーカットし基材から除くまで、特定の領域におけるエッチングが保護される。その時、全てのピクセル領域は同様のエッチング速度で処理されるが、その深さはハーフトーンパターンにより変化する。ハーフトーンパターンのサイズおよび間隔を変更することにより、ピクセル内での保護率が様々異なるエッチングが可能となり、急な垂直斜角を形成するのに必要な局在化された深いエッチングが可能となる。
蒸着マスク用の好ましい材料はインバーである。インバーは、製鉄所で長い薄型シート状に冷延された金属合金である。インバーは、ニッケルマスクとしてスピンマンドレル上へ電着することができない。蒸着用マスク内に開口領域を形成するための適切かつ低コストの方法は、湿式化学エッチングによる方法である。
いくつかの実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、基材上のピクセルマトリックスである。いくつかの実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、リソグラフィー(例えばフォトリソグラフィーおよびeビームリソグラフィー)を使用して加工される。いくつかの実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、湿式化学エッチングを使用して加工される。更なる実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、プラズマエッチングを使用して加工される。
デバイスの製造方法:
OLEDディスプレイは、一般的には、大型のマザーパネルを形成し、次に当該マザーパネルをセルパネル単位で切断することによって製造される。通常は、マザーパネル上の各セルパネルは、ベース基材上に、活性層とソース/ドレイン電極とを有する薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、前記TFTに平坦化フィルムを塗布し、ピクセル電極、発光層、対電極およびカプセル化層、を順に経時的に形成し、前記マザーパネルから切断することにより形成される。
OLEDディスプレイは、一般的には、大型のマザーパネルを形成し、次に当該マザーパネルをセルパネル単位で切断することによって製造される。通常は、マザーパネル上の各セルパネルは、ベース基材上に、活性層とソース/ドレイン電極とを有する薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、前記TFTに平坦化フィルムを塗布し、ピクセル電極、発光層、対電極およびカプセル化層、を順に経時的に形成し、前記マザーパネルから切断することにより形成される。
本発明の他の態様では、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイの製造方法を提供し、当該方法は、
マザーパネルのベース基材上に障壁層を形成する工程と、
前記障壁層上に、セルパネル単位で複数のディスプレイユニットを形成する工程と、
前記セルパネルのディスプレイユニットのそれぞれの上にカプセル化層を形成する工程と、
前記セルパネル間のインタフェース部に有機フィルムを塗布する工程と、を含む。
いくつかの実施形態では、障壁層は、例えばSiNxで形成された無機フィルムであり、障壁層の端部はポリイミドまたはアクリルで形成された有機フィルムで被覆される。いくつかの実施形態では、有機フィルムは、マザーパネルがセルパネル単位で軟らかく切断されるように補助する。
いくつかの実施形態では、薄膜トランジスタ(TFT)層は、発光層と、ゲート電極と、ソース/ドレイン電極と、を有する。複数のディスプレイユニットの各々は、薄膜トランジスタ(TFT)層と、TFT層上に形成された平坦化フィルムと、平坦化フィルム上に形成された発光ユニットと、を有してもよく、前記インタフェース部に塗布された有機フィルムは、前記平坦化フィルムの材料と同じ材料で形成され、前記平坦化フィルムの形成と同時に形成される。いくつかの実施形態では、前記発光ユニットは、不動態化層と、その間の平坦化フィルムと、発光ユニットを被覆し保護するカプセル化層と、によりTFT層と連結される。前記製造方法のいくつかの実施形態では、前記有機フィルムは、ディスプレイユニットにもカプセル化層にも連結されない。
前記有機フィルムと平坦化フィルムの各々は、ポリイミドおよびアクリルのいずれか1つを含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記障壁層は無機フィルムであってもよい。いくつかの実施形態では、前記ベース基材はポリイミドで形成されてもよい。前記方法は更に、ポリイミドで形成されたベース基材の1つの表面に障壁層を形成する前に、当該ベース基材のもう1つの表面にガラス材料で形成されたキャリア基材を取り付ける工程と、インタフェース部に沿った切断の前に、前記キャリア基材をベース基材から分離する工程と、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記OLEDディスプレイはフレキシブルなディスプレイである。
いくつかの実施形態では、前記不動態化層は、TFT層の被覆のためにTFT層上に配置された有機フィルムである。いくつかの実施形態では、前記平坦化フィルムは、不動態化層上に形成された有機フィルムである。いくつかの実施形態では、前記平坦化フィルムは、障壁層の端部に形成された有機フィルムと同様、ポリイミドまたはアクリルで形成される。いくつかの実施形態では、OLEDディスプレイの製造の際、前記平坦化フィルムおよび有機フィルムは同時に形成される。いくつかの実施形態では、前記有機フィルムは、障壁層の端部に形成されてもよく、それにより、当該有機フィルムの一部が直接ベース基材と接触し、当該有機フィルムの残りの部分が、障壁層の端部を囲みつつ、障壁層と接触する。
いくつかの実施形態では、前記発光層は、ピクセル電極と、対電極と、当該ピクセル電極と当該対電極との間に配置された有機発光層と、を有する。いくつかの実施形態では、前記ピクセル電極は、TFT層のソース/ドレイン電極に連結している。
いくつかの実施形態では、TFT層を通じてピクセル電極に電圧が印加されるとき、ピクセル電極と対電極との間に適切な電圧が形成され、それにより有機発光層が光を放射し、それにより画像が形成される。以下、TFT層と発光ユニットとを有する画像形成ユニットを、ディスプレイユニットと称する。
いくつかの実施形態では、ディスプレイユニットを被覆し、外部の水分の浸透を防止するカプセル化層は、有機フィルムと無機フィルムとが交互に積層する薄膜状のカプセル化構造に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、前記カプセル化層は、複数の薄膜が積層した薄膜状カプセル化構造を有する。いくつかの実施形態では、インタフェース部に塗布される有機フィルムは、複数のディスプレイユニットの各々と間隔を置いて配置される。いくつかの実施形態では、前記有機フィルムは、一部の有機フィルムが直接ベース基材と接触し、有機フィルムの残りの部分が障壁層の端部を囲む一方で障壁層と接触する態様で形成される。
一実施形態では、OLEDディスプレイはフレキシブルであり、ポリイミドで形成された柔軟なベース基材を使用する。いくつかの実施形態では、前記ベース基材はガラス材料で形成されたキャリア基材上に形成され、次に当該キャリア基材が分離される。
いくつかの実施形態では、障壁層は、キャリア基材の反対側のベース基材の表面に形成される。一実施形態では、前記障壁層は、各セルパネルのサイズに従いパターン化される。例えば、ベース基材がマザーパネルの全ての表面上に形成される一方で、障壁層が各セルパネルのサイズに従い形成され、それにより、セルパネルの障壁層の間のインタフェース部に溝が形成される。各セルパネルは、前記溝に沿って切断できる。
いくつかの実施形態では、前記の製造方法は、更にインタフェース部に沿って切断する工程を含み、そこでは溝が障壁層に形成され、少なくとも一部の有機フィルムが溝で形成され、当該溝がベース基材に浸透しない。いくつかの実施形態では、各セルパネルのTFT層が形成され、無機フィルムである不動態化層と有機フィルムである平坦化フィルムが、TFT層上に配置され、TFT層を被覆する。例えばポリイミドまたはアクリル製の平坦化フィルムが形成されるのと同時に、インタフェース部の溝は、例えばポリイミドまたはアクリル製の有機フィルムで被覆される。これは、各セルパネルがインタフェース部で溝に沿って切断されるとき、生じた衝撃を有機フィルムに吸収させることによってひびが生じるのを防止する。すなわち、全ての障壁層が有機フィルムなしで完全に露出している場合、各セルパネルがインタフェース部で溝に沿って切断されるとき、生じた衝撃が障壁層に伝達され、それによりひびが生じるリスクが増加する。しかしながら、一実施形態では、障壁層間のインタフェース部の溝が有機フィルムで被覆されて、有機フィルムがなければ障壁層に伝達されうる衝撃を吸収するため、各セルパネルをソフトに切断し、障壁層でひびが生じるのを防止してもよい。一実施形態では、インタフェース部の溝を被覆する有機フィルムおよび平坦化フィルムは、互いに間隔を置いて配置される。例えば、有機フィルムおよび平坦化フィルムが1つの層として相互に接続している場合には、平坦化フィルムと有機フィルムが残っている部分とを通じてディスプレイユニットに外部の水分が浸入するおそれがあるため、有機フィルムおよび平坦化フィルムは、有機フィルムがディスプレイユニットから間隔を置いて配置されるように、相互に間隔を置いて配置される。
いくつかの実施形態では、ディスプレイユニットは、発光ユニットの形成により形成され、カプセル化層は、ディスプレイユニットを被覆するためディスプレイユニット上に配置される。これにより、マザーパネルが完全に製造された後、ベース基材を担持するキャリア基材がベース基材から分離される。いくつかの実施形態では、レーザー光線がキャリア基材へ放射されると、キャリア基材は、キャリア基材とベース基材との間の熱膨張率の相違により、ベース基材から分離される。
いくつかの実施形態では、マザーパネルは、セルパネル単位で切断される。いくつかの実施形態では、マザーパネルは、カッターを用いてセルパネル間のインタフェース部に沿って切断される。いくつかの実施形態では、マザーパネルが沿って切断されるインタフェース部の溝が有機フィルムで被覆されているため、切断の間、当該有機フィルムが衝撃を吸収する。いくつかの実施形態では、切断の間、障壁層でひびが生じるのを防止できる。
いくつかの実施形態では、前記方法は製品の不良率を減少させ、その品質を安定させる。
他の態様は、ベース基材上に形成された障壁層と、障壁層上に形成されたディスプレイユニットと、ディスプレイユニット上に形成されたカプセル化層と、障壁層の端部に塗布された有機フィルムと、を有するOLEDディスプレイである。
以下に合成例と実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下に示す材料、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、発光特性の評価は、ソースメータ(ケースレー社製:2400シリーズ)、半導体パラメータ・アナライザ(アジレント・テクノロジー社製:E5273A)、光パワーメータ測定装置(ニューポート社製:1930C)、光学分光器(オーシャンオプティクス社製:USB2000)、分光放射計(トプコン社製:SR-3)およびストリークカメラ(浜松ホトニクス(株)製C4334型)を用いて行った。
以下の合成例において、一般式(1)に含まれる化合物を合成した。
(合成例1)化合物1204の合成
窒素雰囲気下、3-ブロモジベンゾ[a,c]フェナジン(1.1g,3.06mmol)、1-ジベンゾフラニルボロン酸(636mg,3.00mmol)、テトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム(0)(346mg,0.299mmol)、炭酸カリウム(1.24g,8.97mmol)をテトラヒドロフランと水(100/50ml)の混合溶液に溶解し、75℃で12時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却し、固体をろ過したのち、得られた固体を酢酸エチルで2回洗浄した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)で精製、さらにトルエンで再結晶を行い、うす黄色固体の化合物1204を得た(1.08g,81%)。
1H NMR (400MHz, CDCl3, δ): 9.59 (d, J = 8 Hz, 1H), 9.48 (m, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.58 (m, 1H), 8.39 (m, 2H), 8.05 (d, J= 8 Hz, 1H), 7.90 (m, 2H), 7.79 (m, 2H),7.68-7.59 (m, 4H), 7.50 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 8 Hz, 1H), 7.09 (t, J = 8 Hz, 1H).
MS (ASAP): 447.40 (M+H+). Calcd for C32H18N2O: 446.14.
(合成例2)化合物30004の合成
3,6-ジブロモ-9,10-フェナンスレンジオン(3.66g,10mmol)、1-ジベンゾフラニルボロン酸(2.12g,10mmol)、テトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム(0)(1.16g,1mmol)、炭酸カリウム(5.52g,4mmol)をテトラヒドロフランと水(200/100ml)の混合溶液に溶解し、75℃で12時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却し、アセトンを加え、得られた固体をさらにアセトンで洗浄した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン)で精製、さらにトルエンで再結晶を行いオレンジ固体の中間体aを得た。(2.12g,39%)。
MS (ASAP): 541.37 (M+H+). Calcd for C38H20O4: 540.14.
中間体a(1.1g,2.03mmol)と9,10-ジアミノフェナンスレン(500mg,2.4mmol)を200mlの酢酸に溶解し、室温で12時間撹拌した。反応溶液にメタノールを加え、固体をろ過した。得られた固体を短いシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)で精製した。溶媒を除去後、得られた固体をクロロホルムで洗浄し、うす黄色の固体として化合物30004を得た。(0.59g,41%)
MS (ASAP):713.64 (M+H+). Calcd for C52H28N2O2: 712.22.
(合成例3)化合物30084の合成
合成例2と同じ合成法にしたがって、上記の反応式にしたがって化合物30084を合成する。
この化合物は正孔障壁材料として有用である。
(実施例1)有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
膜厚50nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)からなる陽極が形成されたガラス基材上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度5×10-5Paで積層した。まず、ITO上にHATCNを10nmの厚さに形成し、その上にNPDを30nmの厚さに形成した。次いで、その上にTrisPCzを10nmの厚さに形成し、さらにH1を5nmの厚さに形成した。次に、化合物1204とTADF1を異なる蒸着源から共蒸着し、40nmの厚さの発光層を形成した。化合物1204とTADF1の含有量は95質量%、5質量%とした。その上に、SF3TRZを10nmの厚さに形成し、さらにその上にSF3TRZとLiqを異なる蒸着源からそれぞれ70質量%、30質量%で共蒸着して30nmの厚さに形成した。さらに、Liqを2nmの厚さに形成し、次いでアルミニウム(Al)を100nmの厚さに蒸着することにより陰極を形成した。以上の手順により、素子1を作製した。
化合物1204の代わりにH1を用いた点だけを変更して、その他は同じ手順にしたがって比較素子1を作製した。
作製した各素子の電極に通電したところ、TADF1に由来する遅延蛍光が観測された。また、15.4mA/cmでの駆動電圧を測定したところ、本発明の素子1は比較素子1よりも駆動電圧が24.61V低く、一般式(1)の化合物をホスト材料として遅延蛍光材料と併用すると駆動電圧が低くなることが確認された。
化合物1204の代わりに化合物30004を用いた点だけを変更して、その他は同じ手順にしたがって素子2を作製した。同様に駆動電圧を測定したところ、比較素子1に対して駆動電圧が23.78V低く、一般式(1)の化合物をホスト材料として遅延蛍光材料と併用すると駆動電圧が低くなることが確認された。
(実施例2)有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
実施例1の発光層を、H1と化合物1204とTADF1を異なる蒸着源から60質量%、20質量%、20質量%で共蒸着して形成した点だけを変更して、その他は実施例1と同じ手順にしたがって素子3を作製した。
また、実施例1の発光層を、化合物1204とTADF1を異なる蒸着源から80質量%、20質量%で共蒸着して形成した点だけを変更して、その他は実施例1と同じ手順にしたがって素子4を作製した。
作製した各素子の電極に通電したところ、TADF1に由来する遅延蛍光が観測された。また、15.4mA/cmでの駆動電圧を測定したところ、本発明の素子3は素子4よりも駆動電圧が0.36V低かった。これにより、ホスト材料と一般式(1)の化合物を併用して合計2種類のホスト材料を遅延蛍光材料と組み合わせて発光層に用いることにより、駆動電圧がさらに低くなることが確認された。
化合物1204の代わりに化合物30004を用いた点だけを変更して、その他は同じ手順にしたがって素子5を作製した。同様に駆動電圧を測定したところ、素子4に対して駆動電圧が0.30V低かった。これにより、ホスト材料と一般式(1)の化合物を併用して合計2種類のホスト材料を遅延蛍光材料と組み合わせて発光層に用いることにより、駆動電圧がさらに低くなることが確認された。
一般式(1)で表される化合物は、ホスト材料等として有用である。一般式(1)で表される化合物を用いた有機発光素子は、優れた特性を有する。このため、本発明は産業上の利用可能性が高い。

Claims (26)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物。
    [一般式(1)において、ZはNまたはC(R11)を表し、ZはNまたはC(R12)を表す。R~R12は各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。RとR、RとR、RとR11、R12とR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR10は、互いに結合して環状構造を形成していてもよいが、R11とR12が互いに結合して環状構造を形成することはない。ただし、R~R12の少なくとも1個は、下記一般式(2)で表される基である。
    [一般式(2)において、R21およびR22は各々独立に重水素原子または置換基を表し、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。n1は0~4のいずれかの整数を表し、n2は0~3のいずれかの整数を表し、n3は0または1を表す。隣り合うR21同士、隣り合うR22同士は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。XはO、S、C(R23)(R24)またはN(R25)を表す。R23およびR24は各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表し、R25は置換基を表す。*は結合位置を表す。]
  2. n3が0である、請求項1に記載の化合物。
  3. n3が1である、請求項1に記載の化合物。
  4. Arがm-フェニレン基またはp-フェニレン基である、請求項3に記載の化合物。
  5. がC(R11)であり、ZがC(R12)である、請求項1に記載の化合物。
  6. およびZがNである、請求項1に記載の化合物。
  7. とR、RとR、RとR11、R12とR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR10が、いずれも互いに結合して環状構造を形成していない、請求項1に記載の化合物。
  8. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1a)で表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
    [一般式(1a)において、ZはNまたはC(R11)を表し、ZはNまたはC(R12)を表し、ZはNまたはC(R19)を表し、ZはNまたはC(R20)を表す。R~R、R11~R20は各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。RとR、RとR、RとR11、R12とR、RとR、RとR、R13とR14、R14とR15、R15とR19、R20とR16、R16とR17、R17とR18は、互いに結合して環状構造を形成していてもよいが、R11とR12が互いに結合して環状構造を形成することはなく、R19とR20が互いに結合して環状構造を形成することはない。ただし、R~R、R11、R12の少なくとも1個は、前記一般式(2)で表される基である。
  9. がC(R11)であり、ZがC(R12)であり、ZがC(R19)であり、ZがC(R20)である、請求項8に記載の化合物。
  10. がC(R11)であり、ZがC(R12)であり、ZおよびZがNである、請求項8に記載の化合物。
  11. 分子内に、前記一般式(2)で表される基が1個だけ含まれる、請求項1に記載の化合物。
  12. 分子内に、前記一般式(2)で表される基が2個だけ含まれる、請求項1に記載の化合物。
  13. ~R、R11、R12の少なくとも1つが前記一般式(2)で表される基である、請求項1に記載の化合物。
  14. ~R10の少なくとも1つが前記一般式(2)で表される基である、請求項1に記載の化合物。
  15. 前記一般式(2)で表される基が、下記一般式(2a)で表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
    [一般式(2a)において、R21およびR22は各々独立に重水素原子または置換基を表し、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。n1は0~4のいずれかの整数を表し、n2は0~3のいずれかの整数を表し、n3は0または1を表す。隣り合うR21同士、隣り合うR22同士は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。XはO、S、C(R23)(R24)またはN(R25)を表す。R23およびR24は各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表し、R25は置換基を表す。*は結合位置を表す。]
  16. XがOである、請求項1に記載の化合物。
  17. ~R12が各々独立に、水素原子、重水素原子、または前記一般式(2)で表される基である、請求項1に記載の化合物。
  18. 対称化合物である、請求項1に記載の化合物。
  19. 請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物を含むホスト材料。
  20. 遅延蛍光材料とともに用いるための請求項19に記載のホスト材料。
  21. 請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物を含む正孔障壁材料。
  22. 請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物を含む有機発光素子。
  23. 前記化合物と遅延蛍光材料を含む発光層を有する請求項22に記載の有機発光素子。
  24. 前記発光層が、前記一般式(1)で表されないホスト材料をさらに含む、請求項23に記載の有機発光素子。
  25. 前記一般式(1)で表されないホスト材料が、下記一般式(3)で表される構造を有する、請求項24に記載の有機発光素子。
    [一般式(3)において、R31~R35は各々独立に重水素原子、アルキル基、アリール基、およびこれらを組み合わせた基からなる群より選択される。R31~R34は、他のR31~R34と結合して環状構造を形成することはないが、隣り合うR35同士は互いに結合してベンゾフロ骨格やベンゾチエノ骨格を形成してもよい。n31、n33、n34、n35は各々独立に0~4のいずれかの整数を表し、n32は0~3のいずれかの整数を表す。]
  26. 前記化合物を含む層を発光層に隣接する層として有する、請求項22に記載の有機発光素子。
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