JP2024048166A - 読取装置および画像形成装置 - Google Patents

Abstract

【課題】読取装置等において、読取装置の筐体の内部の上下方向においてモータを読取手段と重複しない状態で配置する場合に比べて、筐体の高さを低減する。【解決手段】読取装置１Ａは、読取対象物が載せられる透明平板１１を上面部に設けた筐体１０Ａと、筐体１０Ａの内部で、透明平板１１の下面に接触して前記読取対象物の情報を読み取る読取手段２０と、筐体１０Ａの内部で、読取手段２０を読み取り領域内で往復移動させる移動手段３０と、筐体１０Ａの内部で、移動手段３０に動力を与えるモータ４０と、を備え、モータ４０が筐体１０Ａの内部の上下方向Ｙ１，Ｙ２において読取手段２０と重複する状態で配置されている。【選択図】図４

Description

本発明は、読取装置および画像形成装置に関するものである。

下記特許文献１には、一方向に延び、該一方向と交差する交差方向に延びる円柱状で光がとおる貫通孔が複数形成された複数の遮光部であって、隣り合う該遮光部の端部が該遮光方向で重なるように前記一方向に並べられた複数の該遮光部と、前記交差方向に開口する開口部が形成された筐体に対して、前記開口部と前記貫通孔が前記交差方向で対抗する複数の前記遮光部を前記筐体に固定する固定材とを備える遮光部材と、前記遮光部材の前記貫通孔を通った光が入射するレンズが複数形成された光学部材と、前記光学部材のレンズを通過した光を受光する素子を備えた基板と、を備える読取装置が記載されている。

下記特許文献２には、副走査方向に移動し、画像を読み取る画像読み取り手段と、前記画像読み取り手段を収容する収容部と、前記収容部の下面に設けられ前記副走査方向と交差する方向で左右両側方に向かって先広がり形状で左右対称のハの字形に形成された傾斜面を有する支持部と、前記支持部と接触し、前記副走査方向に延びるように設けられ前記支持部を相対移動可能に案内する案内部と、を備えた画像読取装置が記載されている。

特開２０２１－１４５２６２号公報（請求項１、図２） 特開２０２０－１５５８４５号公報（請求項１、図２，図５）

本発明の解決しようとする課題は、読取装置等において、読取装置の筐体の内部の上下方向においてモータを読取手段と重複しない状態で配置する場合に比べて、筐体の高さを低減することにある。

本発明（１）は、
読取対象物が載せられる透明平板を上面部に設けた筐体と、
前記筐体の内部で、前記透明平板の下面に接触して前記読取対象物の情報を読み取る読取手段と、
前記筐体の内部で、前記読取手段を読み取り領域内で往復移動させる移動手段と、
前記筐体の内部で、前記移動手段に動力を与えるモータと、
を備え、
前記モータが前記筐体の内部の上下方向において前記読取手段と重複する状態で配置されている読取装置である。

本発明（２）は、上記発明（１）の読取装置において、前記移動手段が前記読取手段の下方に配置されており、前記モータが前記筐体の内部のうち前記移動手段を境にした上下方向において前記読取手段と同じ領域内に配置されているものである。

本発明（３）は、上記発明（１）の読取装置において、前記モータが前記筐体の内部のうち前記読み取り領域の外側に配置されているものである。

本発明（４）は、上記発明（１）の読取装置において、前記モータが前記筐体の内部のうち前記読取手段が往復移動する領域の外側に配置されているものである。

本発明（５）は、上記発明（１）の読取装置において、前記移動手段が、前記読取手段を前記往復移動する方向に沿うよう支持して案内する案内手段と、前記読取手段の一部に固定されるとともに前記案内手段に沿って配置されて移動する移動部材と、前記移動部材を移動可能に保持しつつ回転する回転保持体とで構成されており、
前記モータの駆動軸が前記回転保持体に直結されているものである。

本発明（６）は、上記発明（１）の読取装置において、前記移動手段が、前記読取手段を前記往復移動する方向に沿うよう支持して案内する案内手段と、前記読取手段の一部に固定されるとともに前記案内手段に沿って配置されて移動する移動部材と、前記移動部材を移動可能に保持しつつ回転する回転保持体とで構成されており、
前記モータの駆動軸が前記回転保持体に動力を中継して伝達する動力伝達手段に接続されているものである。

本発明（７）は、
上記発明（１）から（６）のいずれかの読取装置と、
前記読取装置で読み取った情報を記録媒体に画像として形成する像形成手段と、
備えた画像形成装置である。

上記発明（１）によれば、読取装置の筐体の内部の上下方向においてモータを読取手段と重複しない状態で配置する場合に比べて、筐体の高さを低減することができる。

上記発明（２）によれば、モータが筐体の内部のうち移動手段を境にした上下方向において読取手段と反対の領域内に配置されている場合に比べて、筐体の高さを低減することができる。

上記発明（３）によれば、モータが筐体の内部のうち読み取り領域の内側に配置されている場合に比べて、読取手段が往復移動して読み取る動作にモータが障害になることを回避することができる。

上記発明（４）によれば、モータが筐体の内部のうち読取手段が往復移動する領域の内側に配置されている場合に比べて、モータが往復移動する読取手段と干渉することを確実に回避することができる。

上記発明（５）によれば、モータの駆動軸が回転保持体に直結されていない場合に比べて、筐体の高さを簡易な構成で低減することができる。

上記発明（６）によれば、モータを読取領域内や読取手段の往復移動領域内に配置できない場合でも、筐体の高さを低減することができる。

上記発明（７）によれば、読取装置においてモータを読取装置の筐体の内部の上下方向において読取手段と重複しない状態で配置する場合に比べて、読取装置の筐体の高さを低減することができる。

実施の形態１に係る読取装置の概要図である。 図１の読取装置の概略上面図である。 （Ａ）は図１の読取装置の一部の拡大概要図、（Ｂ）は（Ａ）のＢ－Ｂ線に沿う断面概要図である。 図１の読取装置におけるモータ等の配置状態を示す概要図である。 図１の読取装置の開閉カバー等を取り外した状態の概略上面図である。 実施の形態２に係る読取装置の概要図である。 図６の読取装置の開閉カバー等を取り外した状態の概略上面図である。 実施の形態３に係る、読取装置を備えた画像形成装置の概要図である。 図８の画像形成装置における作像ユニットの拡大概要図である。 比較例の読取装置の概要図である。

以下、本発明を実施するための形態について説明する。

実施の形態１．
図１は、本発明の実施の形態１に係る読取装置１Ａの概略断面図である。図２は、図１の読取装置１Ａの開閉カバー等を取り外した状態の概略上面図である。
本明細書および図面では実質的に同一の構成要素に対して同一の符号を付し、本明細書ではその構成要素の重複説明を省略する。

読取装置１Ａは、図１や図２に示されるように、読取対象物９５が載せられる透明平板の一例である第一透明平板１１を上面部に設けた筐体１０Ａと、第一透明平板１１の下面１１ｂに接触して読取対象物９５の情報を読み取る読取手段２０と、読取手段２０を読み取り領域ＳＡ内で往復移動させる移動手段３０と、移動手段３０に動力を与えるモータ４０とを備えている。

読取対象物９５は、第一透明平板１１の上面１１ａに載せることが可能でかつ読取手段２０による読み取りが可能なものであればよい。読取対象物９５としては、例えば、シート状の原稿９５Ａ、書籍等が挙げられる。

筐体１０Ａは、ほぼ箱状の形状からなる構造体であり、内部に収容空間１０ｓを有している。収容空間１０ｓは、図１、図５等に分散して示されるように、上面部１０ａ、底面部１０ｂ、左側面部１０ｃ、右側面部１０ｄ、前方壁面部１０ｆおよび後方壁面部１０ｒに囲まれた空間になっている。

筐体１０Ａは、その上面部１０ａの一部に設けられた開口部に、読取対象物９５を載せる透明ガラス板等からなる第一透明平板１１が設置されている。平板は、その上面と下面が互いに平滑な面で平行した形態からなる板をいう。

第一透明平板１１は、原稿としての読取対象物９５を固定した状態で読み取る原稿固定読取モード時に使用される。このような第一透明平板１１は、プラテンガラスと称されることもある。
また、第一透明平板１１は、その平面が、読取装置１Ａの左右方向Ｘ１，Ｘ２（幅方向にも相当する）に沿う横の寸法ＳＡｘと読取装置１Ａの前後方向Ｚ１，Ｚ２（奥行方向にも相当する）に沿う奥行の寸法ＳＡｚ（図２参照）とからなる長方形状をなす。さらに、第一透明平板１１は、その平面領域が、原稿固定読取モード時における読み取り領域ＳＡにほぼ相当するよう構成されている。

また、筐体１０Ａは、その上面部１０ａの他の一部に設けられた開口部に、透明ガラス等からなる第二透明平板１２が配置されている。

第二透明平板１２は、読取対象物９５の一例であるシート状の原稿９５Ａを移動させた状態で読み取る原稿移動読取モード時に使用される。
また、第二透明平板１２は、その平面が、読取装置１Ａの左右方向Ｘ１，Ｘ２に沿う横の短い寸法ＳＡｘと読取装置１Ａの前後方向Ｚ１，Ｚ２に沿う奥行の寸法ＳＡｚとからなる細長い長方形状をなす。さらに、第一透明平板１１は、その平面領域が、原稿固定読取モード時における読み取り領域ＳＡにほぼ相当するよう構成されている。

さらに、筐体１０Ａは、その上面部１０ａに、第一透明平板１１と第二透明平板１２を覆う開閉カバー１４が設けられている。
実施の形態１における開閉カバー１４は、図１に示されるように、読取対象物９５の一例であるシート状の原稿９５Ａを第二透明平板１２に通過させるよう自動で搬送する自動原稿搬送装置１５が併設された開閉可能なカバーとして構成されている。
図２等における符号１４ｃ、１４ｄは、開閉カバー１４の後方側に配置される図示しないヒンジ部を取り付けるためのヒンジ取付け部である。

自動原稿搬送装置１５は、図１に示されるように、シート状の原稿９５Ａを所要の経路で搬送する原稿搬送路１７を有する装置本体１５０、シート状の原稿９５Ａが重ねて載せられる原稿載せ部１６、読み取り後の原稿９５Ａが排出されて収容される原稿収容部１８等を備えている。

装置本体１５０は、図示しない原稿導入口および原稿排出口が設けられた外装部と外装部の内部にある収容空間とを有する構造体である。装置本体１５０は、読取装置１Ａの正面側から見たときの左右方向Ｘ１，Ｘ２の端部のうちの一方の端部（本例では左側の端部）に片寄った状態で存在するよう配置されている。

原稿搬送路１７は、原稿載せ部１６に載せられたシート状の原稿９５Ａを少なくとも第二透明平板１２の上面等を接触通過させるとともに、最終的に原稿収容部１８に排出させるように搬送する。
原稿搬送路１７は、複数の搬送ロール対１７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄ，１７ｅ，１７ｆと図示しない搬送ガイド材、搬送ロール対１７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄ，１７ｅ，１７ｆを所要の方向および速度で回転させる動力を付与する図示しない駆動装置等を所要の位置に配置することで構成されている。

図１における符号１７ｇは、シート状の原稿９５Ａを第二透明平板１２の上面に接近させて通過させるよう誘導する接近誘導部材である。
また、図１や図２における符号１３は、第二透明平板１２を通過した後の原稿９５Ａを第二透明平板１２から剥がすように誘導する剥離誘導部材である。剥離誘導部材１３は、筐体１０Ａの上面部１０ａのうち第一透明平板１１と第二透明平板１２の境界部に配置されている。
さらに、図１や図２における符号１９は、第一透明平板１１と第二透明平板１２の間に配置される平板状の板材である。板材１９のうち筐体１０Ａの収容空間１０ｓにむく下面は、白色に着色されている。

原稿載せ部１６は、開閉カバー１４の装置本体１５０のない部分の上方に、装置本体１５０の片側から少し傾斜して突出するように存在する板状のトレイとして設けられている。
原稿収容部１８は、開閉カバー１４のうち装置本体１５０のない上面部に、例えば波状の収容曲面からなる台部分として設けられている。

読取手段２０は、筐体１０Ａの内部に配置され、読取対象物９５を照明したときに得られる反射光を受光して電気信号に変換する手段である。実施の形態１における読取手段２０は、ＣＩＳ（Ｃｏｎｔａｃｔ Ｉｍａｇｅ Ｓｅｎｓｏｒ）方式の機器で構成されている。

ＣＩＳからなる読取手段２０は、図３に示されるように、読取装置１Ａの前後方向Ｚ１，Ｚ２（奥行方向にも相当する）に長い直方体状の読取本体２１と、読取本体２１を収容する収容体２５とで構成されている。

読取本体２１は、読取装置１Ａの前後方向Ｚ１，Ｚ２に長く上面が開口した直方体状の図示しないケース内に、発光アレイ２２、受光基板２３、集光レンズアレイ２４等が配置されている。

発光アレイ２２は、読取対象物９５を（第一透明平板１１を介在させて）照明する光を発する機器である。受光基板２３は、読取対象物９５を発光アレイ２２で照明したときに得られる反射光を受光して電気信号に変換する受光素子、電子機器等の部品が配置された基板である。集光レンズアレイ２４は、読取対象物９５を発光アレイ２２で照明したときに得られる反射光を集光して受光基板２３に導く光学部品である。
読取本体２１における発光アレイ２２および受光基板２３は、図示しない制御部に接続されている。

収容体２５は、読取本体２１を上方から嵌め入れて収容する収容空間２５ｃを有する構造体である。

収容体２５の上面には、第一透明平板１１の下面１１ｂと接触して摺動する接触部２６が設けられている。
接触部２６は、例えば、長手方向（読取装置１Ａの前後方向Ｚ１，Ｚ２に相当する）の両端部の上面のうち第一透明平板１１の下面１１ｂと対峙する位置において、読取本体２１の上面と収容空間２５ｃの片側の壁面に接する支持板２７の上面に設けられている。また、接触部２６は、支持板２７の上面から所要の寸法だけ突出する形状で形成されている。

また、収容体２５は、その収容空間２５ｃの底面に、収容空間２５ｃ内に収容されて保持される読取本体２１を第一透明平板１１の下面１１ｂにむけて（上方向Ｙ１に）弾性的な付勢力Ｆで付勢する付勢部材２８が複数配置されている。付勢部材２８としては、例えばスプリングバネ等の部材が適用される。

さらに、収容体２５の下面には、移動手段３０の一部と接続するよう取り付けられる接続取付け部２９が設けられている。
接続取付け部２９は、図３（Ｂ）に示されるように、収容体２５の下面から下方に突出した状態で設けられている。また、接続取付け部２９は、その下部に、移動手段３０の後述する案内手段３１を受け入れて支持しつつ摺動可能に接続するよう取り付ける形状になっている。また、接続取付け部２９は、その上部の片側（例えば前側）に、移動手段３０の後述する移動部材３２の一部を固定して接続するよう取り付けるようになっている。
なお、接続取付け部２９は、案内手段３１を取り付ける第一接続取付け部と、移動部材３２の一部を取り付ける第二接続取付け部とに分割した構成のものであってもよい。

移動手段３０は、筐体１０Ａの内部に配置され、読取手段２０を往復移動する方向（往復移動方向）ＴＤに移動させる手段である。
実際の形態１における移動手段３０は、案内手段３１と、移動部材３２と、回転保持体３３，３４とで構成されている。また、この移動手段３０は、筐体１０Ａの内部において読取手段２０の下方に存在するよう配置されている。

案内手段３１は、読取手段２０を往復移動方向ＴＤに沿うよう支持して案内する手段である。
案内手段３１は、例えば、ほぼ丸棒状のガイドバーで構成され、筐体１０Ａの収容空間１０ｓの内部に往復移動方向ＴＤに沿う状態で配置される。
また、案内手段３１は、図３（Ｂ）に例示されるように、読取手段２０の収容体２５における接続取付け部２９に摺動可能に貫通した状態で接続するよう取り付けられている。

移動部材３２は、読取手段２０の一部に固定されるとともに案内手段３１に沿って配置されて移動する部材である。移動部材３２は、例えば無端状のベルト又はワイヤで構成されている。また、移動部材３２の一部は、図３（Ｂ）に例示されるように、読取手段２０の収容体２５における接続取付け部２９に固定された状態で接続するよう取り付けられている。

回転保持体３３，３４は、移動部材３２を移動可能に保持しつつ回転するものである。回転保持体３３，３４は、例えば、移動部材３２の一例である無端状のベルトを掛け回して回転可能に保持する２つのプーリで構成されている。

回転保持体３３，３４の一例であるプーリ（これ以後では第一プーリ３３，第二プーリ３４Ａと記載することもある）は、案内手段３１の長手方向の両端部にほぼ相当する近傍の位置に回転可能に配置されている。
より詳しくは、第一プーリ３３は、第一透明平板１１の左右方向Ｘ１，Ｘ２における右側端部１１ｄよりも外側（更に右側）の位置に、上方から見たときに右側端部１１ｄと少し重複した状態で配置されている。また、第二プーリ３４Ａは、第二透明平板１２の左右方向Ｘ１，Ｘ２における左側端部１２ｃよりも外側（更に左側）の位置に、上方から見たときに当該左側端部１２ｃと少し重複した状態で配置されている。

移動手段３０は、原稿固定読取モードが選択されたときには、図１に示されるように、読取手段２０を、第一透明平板１１の左右方向Ｘ１，Ｘ２における左側端部１１ｃにほぼ相当するホーム位置（Ｐ１）から第一透明平板１１の右側端部１１ｄにほぼ相当する折り返し停止位置（Ｐ２）までの間で１回往復させるように移動させる。
また、移動手段３０は、原稿移動読取モードが選択されたときには、図１に示されるように、読取手段２０を、第二透明平板１２のほぼ真下の読み取り停止位置（Ｐ３）に移動させてから停止させた状態に維持する。

モータ４０は、移動手段３０に動力を与える電動モータである。
モータ４０は、図１等に示されるように、モータ本体部４１、駆動軸４２等を備えている。モータ本体部４１は、駆動軸４２を回転させる部品が内部に収容されている本体である。駆動軸４２は、モータ本体部４１の一端部から突出した状態において回転動力を出力する軸である。

そして、モータ４０は、移動手段３０における回転保持体３３，３４の一方の回転保持体３３（例えば第一プーリ３３）に正逆方向の回転動力を切り換えつつ伝達して、最終的に回転保持体３３，３４の間で移動部材３２を所要の方向に回転させて移動させるようになっている。つまり、モータ４０は、回転保持体３３，３４の間において読取手段２０が往復移動方向ＴＤに所定の距離だけ移動するよう移動部材３２を移動させるための動力を付与している。

また、読取装置１Ａは、独立した読取装置として情報端末等に接続して使用される場合、筐体１０Ａの内部又は外部に、図示しない電源機器、操作部、制御部等の必要な構成機器が配置されている。
操作部は、電源スイッチ、操作選択ボタン、スタートボタン、停止ボタン等の操作部品が配置された部分である。操作部は、操作内容等の情報が表示される液晶パネル等の表示部を備えたものであってもよい。制御部は、読取手段２０、モータ４０等の駆動装置、電源機器等の動作を制御する。

・読取装置の動作
読取装置１Ａは、原稿固定読取モードによる読み取りと原稿移動読取モードによる読み取りが可能になっている。

読取装置１Ａは、原稿固定読取モードが選択された場合、次のように作動する。
この場合、読取装置１Ａにおいては、まず開閉カバー１４を開けた状態にしたうえで、第一透明平板１１の上面１１aに所望の読取対象物９５が載せられ、最後に開閉カバー１４を閉じた状態にされる。

続いて、読取装置１Ａでは、図示しない操作部等からの読み取り動作の開始指令を受けると、モータ４０が始動して移動手段３０が作動する。
これにより、読取手段２０は、第一透明平板１１の上面１１aに読取対象物９５が載せられたことの検知情報を受けた後、板材１９のほぼ真下になるホーム位置から、第一透明平板１１の左側端部１１ｃのほぼ真下である読取開始位置Ｐ１まで移動する。
しかる後、読取手段２０は、読取開始位置Ｐ１から往復移動方向ＴＤにおける往路方向Ｏｔに所要の速度で第一透明平板１１の直下を移動させられる。このときの読取手段２０は、第一透明平板１１の右側端部１１ｄのほぼ真下である折り返し停止位置Ｐ２まで移動して停止させられる。

読取装置１Ａでは、その往路方向Ｏｔへ移動するときに読取手段２０により読取対象物９５の情報が読み取られる。読取対象物９５の情報は、読取手段２０で読み取ることができる情報であり、例えば画像の一情報として使用される。

最後に、読取装置１Ａでは、モータ４０の反転駆動により移動手段３０を介して、読取手段２０が、折り返し停止位置Ｐ２から往復移動方向ＴＤにおける復路方向Ｒｔに所要の速度で移動させられて読取開始位置Ｐ１まで戻された後、ホーム位置に移動して停止させられる。
読取装置１Ａでは、以上のようにして原稿としての読取対象物９５を固定した状態での読み取りが行われる。

次に、読取装置１Ａは、原稿移動読取モードが選択された場合、次のように作動する。
この場合、読取装置１Ａにおいては、まず開閉カバー１４を閉じた状態にしたうえで、自動原稿搬送装置１５の原稿載せ部１６にシート状の原稿９５Ａが載せられる。

続いて、読取装置１Ａでは、図示しない操作部等からの読み取り動作の開始指令を受けると、モータ４０が始動して移動手段３０が作動する。これにより、読取手段２０は、原稿載せ部１６にシート状の原稿９５Ａが載せられたことの検知情報を受けた後、ホーム位置から第二透明平板１２のほぼ真下である読み取り停止位置Ｐ３まで移動して停止させられる。

続いて、読取装置１Ａでは、自動原稿搬送装置１５が始動し、これにより原稿載せ部１６にあるシート状の原稿９５Ａが原稿搬送路１７を経由させて第二透明平板１２を通過するように搬送させられる。
読取装置１Ａでは、読み取り停止位置Ｐ３で停止している読取手段２０により、第二透明平板１２を通過するように移動するシート状の原稿９５Ａの情報が読み取られる。読み取られたシート状の原稿９５Ａは、自動原稿搬送装置１５の原稿収容部１８に排出されて収容される。

最後に、読取装置１Ａでは、モータ４０の再駆動により移動手段３０を介して、読取手段２０が、読み取り停止位置Ｐ３からホーム位置まで戻され、ホーム位置で停止させられる。
読取装置１Ａでは、以上のようにして原稿を移動した状態での読み取りが行われる。

・モータの配置
そして、読取装置１Ａにおいては、図４に示されるように、モータ４０が、筐体１０Ａの内部の上下方向Ｙ１，Ｙ２において読取手段２０と重複する状態で配置されている。

実施の形態１におけるモータ４０は、そのモータ本体部４１の上下方向Ｙ１，Ｙ２における全部が読取手段２０の収容体２５（接続取付け部２９を除く部分）と高さｈ２でもって重複する状態で配置されている。

ちなみに、このモータ本体部４１の全部が読取手段２０の収容体２５と重複して配置される場合、上記高さｈ２は、モータ本体部４１の高さにほぼ相当する。
また、モータ４０のモータ本体部４１は、読取手段２０の収容体２５の上端を超えて上方に存在する部分がなく、その全体が収容体２５の上端よりも下方に存在するよう配置されている。これにより、モータ本体部４１は、上下方向Ｙ１，Ｙ２において読取手段２０の収容体２５の高さの範囲内に収まる状態になっている。

また、モータ４０は、換言すれば、図４に示されるように、筐体１０Ａの内部のうち移動手段３０、具体的には移動部材３２を境にして捉えた場合、上下方向Ｙ１，Ｙ２において読取手段２０が存在する領域と同じ領域内に配置されている。読取手段２０が存在する領域は、筐体１０Ａの収容空間１０ｓの上下方向Ｙ１，Ｙ２において、移動手段３０の移動部材３２よりも上方に存在する空間領域である。

したがって、読取装置１Ａは、図１０に例示されるように筐体１０Ｘの内部の上下方向Ｙ１，Ｙ２においてモータ４０を読取手段２０と重複しない状態で配置する比較例の読取装置１Ｘ（の筐体１０Ｘの高さｈｘ）に比べると、筐体１０Ａの高さｈ１を低減することができる。

ここで、筐体１０Ａの高さｈ１は、筐体１０Ａの収容空間１０ｓにおける内部高さであるが、筐体１０Ａの上面部１０ａと底面部１０ｂの高低差としてもよい。

また、比較例の読取装置１Ｘは、モータ４０を移動手段３０における第一プーリ３３の下方に配置されている。これは換言すると、モータ４０は、筐体１０Ｘの内部のうち移動手段３０、具体的には移動部材３２を境にして捉えた場合、上下方向Ｙ１，Ｙ２において読取手段２０が存在する領域と反対側の（異なる）領域内に配置されている。また、読取装置１Ｘでは、モータ４０の駆動軸４２を第一プーリ３３に直結（直付け）している。
以上により、比較例の読取装置１Ｘは、実施の形態１に係る読取装置１Ａ（の筐体１０Ａの高さｈ１）に比べると、筐体１０Ｘの高さｈｘが、モータ４０のモータ本体部４１の高さｈｍを追加した程度の寸法だけ増大することになる。

この点、実施の形態１に係る読取装置１Ａによれば、筐体１０Ａの高さｈ１を、比較例の読取装置１Ｘにおける筐体１０Ｘの高さｈｘよりも、モータ本体部４１の高さｈｍにほぼ相当する寸法だけ低減することが可能になる。
図１０における符号ｈｓは、読取手段２０の収容体２５（接続取付け部２９と接触部２６を除く部分）の高さである。

また、読取装置１Ａにおいては、このときのモータ４０は、図５に示されるように、筐体１０Ａの内部のうち読取手段２０の読み取り領域ＳＡの外側に配置されている。

実施の形態１では、読み取り領域ＳＡが第一透明平板１１の表面積の広さにほぼ相当する（少し狭い）領域として設定されている。また、実施の形態１では、第一透明平板１１や移動手段３０における第一プーリ３３が筐体１０Ａの右側面部１０ｄに接近した位置に配置されており、モータ４０を第一プーリ３３の近傍（例えば第一プーリ３３の上方側の空間領域）に配置することが難しい状況にある。

そこで、読取装置１Ａにおいては、図５に示されるように、モータ４０を、筐体１０Ａの収容空間１０ｓのうち読み取り領域ＳＡの後端辺ＳＡｒよりも後方になる外側の位置（空きスペース）に配置している。図５における符号４３は、モータ４０を、筐体１０Ａの底面部１０ｂから所要の高さに浮かせた状態で取り付けるためのブラケット（取付け板）である。

また、読取装置１Ａにおいては、図４や図５に示されるように、モータ４０が移動手段３０における第一プーリ３３と離れた位置に存在するため、モータ４０の駆動軸４２を第一プーリ３３に動力を中継して伝達する動力伝達手段３５に接続されている。
動力伝達手段３５は、例えば、下向きに配置したモータ４０の駆動軸４２に取り付ける駆動プーリ３６と、第一プーリ３３の下方に同軸状に固定して設ける第三プーリ３７と、駆動プーリ３６と第三プーリ３７に掛け回す無端状のベルト又はワイヤ３８とで構成されている。動力伝達手段３５は、モータ４０の動力をベルト又はワイヤ３８を介して第一プーリ３３に伝達する。

これにより、読取装置１Ａでは、モータ４０が筐体１０Ａの内部のうち読み取り領域ＳＡの内側に配置されている場合に比べると、モータ４０が読み取り領域ＳＡ内に存在することがないので、読取手段２０が往復移動して読み取る動作の際にモータ４０が障害になることが回避される。

さらに、このときのモータ４０は、図５に示されるように、筐体１０Ａの内部のうち読取手段２０が往復移動する領域ＴＡの外側に配置されているともいえる。

実施の形態１における読取手段２０の往復移動する領域ＴＡは、読取手段２０の最大である収容体２５が往復移動したときに占有する長方形の平面積に相当する領域として設定されている。また、実施の形態１における上記往復移動する領域ＴＡ（横領域ＴＡｘ）は、その右端辺ＴＡｄが、右端側に配置されている第一プーリ３３と一部重複するように入り込んだ領域になっている。
そこで、読取装置１Ａにおいては、図５に示されるように、モータ４０を、筐体１０Ａの収容空間１０ｓのうち読取手段２０の往復移動する領域ＴＡの後端辺ＴＡｒよりも後方になる外側の位置（空きスペース）に配置している。

これにより、読取装置１Ａでは、モータ４０が筐体１０Ａの内部のうち読取手段２０の往復移動する領域ＴＡの内側に配置されている場合に比べると、読取手段２０が往復移動する領域ＴＡ内に存在することがないので、モータ４０が往復移動する読取手段２０と干渉することが確実に回避される。

実施の形態２．
図６は実施の形態２に係る読取装置１Ｂの概要図であり、図７は読取装置１Ｂの開閉カバー１４等を取り外した状態の概略上面図である。
読取装置１Ｂは、モータ４０の配置等の一部の構成が変更されている以外は実施の形態１に係る読取装置１Ａと同じ構成になっている。

読取装置１Ｂは、移動手段３０における第一プーリ３３の上方であって折り返し停止位置Ｐ２に移動した読取手段２０と筐体１０Ｂの右側面部１０ｄおよび上面部１０ａとで囲まれる上部空間領域に、モータ４０を配置するスペースを確保することが可能になっている。これは、例えば、筐体１０Ｂの左右方向Ｘ１，Ｘ２の寸法が、実施の形態１における筐体１０Ａのそれよりも拡大されている場合が挙げられる。
このため、読取装置１Ｂにおいては、その上部空間領域にモータ４０を配置するとともに、その駆動軸４２を移動手段３０における第一プーリ３３に直結（直付け）している。つまり、モータ４０は、移動手段３０における第一プーリ３３を直接回転駆動させるようになっている。

このときのモータ４０は、実施の形態１におけるモータ４０の場合とほぼ同様に、そのモータ本体部４１の上下方向Ｙ１，Ｙ２における全部が読取手段２０の収容体２５（接続取付け部２９を除く部分）と高さｈ２でもって重複する状態で配置されている。

ちなみに、実施の形態２におけるモータ４０のモータ本体部４１も、実施の形態１におけるモータ４０の場合とほぼ同様に、読取手段２０の収容体２５の上端を超えて上方に存在する部分がなく、その全体が収容体２５の上端よりも下方に存在するよう配置されている。これにより、モータ本体部４１は、上下方向Ｙ１，Ｙ２において読取手段２０の収容体２５の高さ（ｈｓ：図１０を参照）の範囲内に収まる状態になっている。

また、このときのモータ４０も、換言すれば、図６に示されるように、筐体１０Ａの内部のうち移動手段３０、具体的には移動部材３２を境にして捉えた場合、上下方向Ｙ１，Ｙ２において読取手段２０が存在する領域と同じ領域内に配置されている。

したがって、読取装置１Ｂは、図１０に例示される比較例の読取装置１Ｘ（の筐体１０Ｘの高さｈｘ）に比べると、筐体１０Ｂの高さｈ２を低減することができる。
つまり、読取装置１Ｂによっても、筐体１０Ｂの高さｈ２を、比較例の読取装置１Ｘにおける筐体１０Ｘの高さｈｘよりも、モータ本体部４１の高さｈｍにほぼ相当する寸法だけ低減することが可能になる。

また、読取装置１Ｂでは、モータ４０の駆動軸４２を第一プーリ３３に直結しているので、実施の形態１における動力伝達手段３５（図４等を参照）を配置する必要がない。しかも、読取装置１Ｂでは、動力伝達手段３５を配置する必要がないため、移動手段３０における移動部材３２の下方に突出して配置される動力伝達手段３５の部品が存在すること（図４を参照）もないので、その突出して配置される部品が存在しない分だけ筐体１０Ｂの高さｈ２を更に低減させることが可能になる。

ちなみに、読取装置１Ｂにおいても、モータ４０が、図７に示されるように、筐体１０Ｂの内部のうち読取手段２０の読み取り領域ＳＡの外側に配置されている。
また、読取装置１Ｂにおいても、モータ４０が、図７に示されるように、筐体１０Ｂの内部のうち読取手段２０が往復移動する領域ＴＡの外側に配置されているともいえる。

実施の形態３．
図８は実施の形態３に係る、読取装置１を備えた画像形成装置５の概要図であり、図９は画像形成装置５における作像ユニット６０の拡大概要図である。
画像形成装置５は、図８に示されるように、筐体５０と、筐体５０の内部に配置される像形成手段６および媒体供給手段８と、筐体５０の上面部の上方に配置される読取装置１としての読取装置１Ａ又は１Ｂとを備えている。また、画像形成装置５は、少なくとも複写機およびプリンタとしての機能を有している。

筐体５０は、内部の骨組み部分と外部の外装部分を有する構造体である。
実施の形態１における筐体５０は、左右方向Ｘ１，Ｘ２に比べて上下方向Ｙ１，Ｙ２に少し長い直方体状の形状からなる構造体として形成されている。
また、筐体５０は、像形成手段６や媒体供給手段８等を収容して配置する内部の収容空間５０ｓと、画像が形成された記録媒体９を排出して収容する排出収容部５１等を有している。排出収容部５１は、例えば、筐体５０の上面部に斜めに窪んだ斜面として設けられている。

像形成手段６は、読取装置１Ａ又は１Ｂで読み取った読取対象物９５の情報を記録媒体９に画像として形成することも可能な構成部分である。
実施の形態３における像形成手段６は、電子写真方式を採用した手段であって、トナーからなるトナー像を形成する作像ユニット６０と、作像ユニット６０で形成されたトナー像を中継して記録媒体９に転写する中間転写ユニット７０と、記録媒体９に転写されたトナー像を記録媒体９に定着させる定着装置７８とで構成されている。像形成手段６は、記録媒体９を収容して供給する媒体供給手段８も含む手段として捉えることも可能である。

作像ユニット６０は、例えば、４つの色（イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック）のトナーからなる各色のトナー像をそれぞれ専用に形成する４つの作像ユニット６０Ａ，６０Ｂ，６０Ｃ，６０Ｄで構成されている。
４つの作像ユニット６０Ａ，６０Ｂ，６０Ｃ，６０Ｄは、筐体５０の収容空間５０ｓ内に直列状に配置されている。

また、作像ユニット６０Ａ，６０Ｂ，６０Ｃ，６０Ｄは、使用するトナーの色が上記４色の異なる色で相違するが、それ以外はいずれもほぼ同じ構成になっている。
すなわち、作像ユニット６０Ａ，６０Ｂ，６０Ｃ，６０Ｄは、図９に示されるように、像保持体の一例であるドラム状の感光体６１を有し、その感光体６１の周囲に、帯電装置６２、潜像形成装置（像露光装置）６３、現像装置６４Ａ，６４Ｂ，６４Ｃ，６４Ｄ、感光体６１の像保持面を清掃する清掃装置６６等の機器を配置して構成されている。

感光体６１は、感光層を有するとともに静電潜像やトナー像を保持する像保持面を有する像保持体であり、矢印で示す方向（回転方向Ｊ１）に回転する。
潜像形成装置６３は、感光体６１の帯電された後の像保持面に画像情報に基づく露光をして静電潜像を形成する装置である。また、潜像形成装置６３は、読取装置１Ａ又は１Ｂや外部から入力される画像に関する情報が図示しない画像処理手段等で所要の処理が施されることで生成される画像信号を受けて作動する。
現像装置６４Ａ，６４Ｂ，６４Ｃ，６４Ｄは、上記４色のいずれか１色のトナーをそれぞれ専用に使用する。トナーとしては、例えばトナーとキャリアを含む二成分現像剤のトナーが使用される。

中間転写ユニット７０は、無端ベルト状の中間転写体７１と、中間転写体７１を回転可能に支持する支持ロール７２，７３と、一次転写ロール７４と、二次転写ロール７５と、中間転写体７１の像保持面を清掃する清掃装置７６等の機器を配置して構成されている。
中間転写体７１は、作像ユニット６０Ａ，６０Ｂ，６０Ｃ，６０Ｄで形成される各色のトナー像を保持する像保持面を有した無端ベルトである。中間転写体７１は、矢印で示す方向（回転方向Ｊ２）に回転する支持ロール７２により、矢印で示す移動方向Ｊ３に循環して移動するよう回転する。

一次転写ロール７４は、中間転写体７１が作像ユニット６０Ａ，６０Ｂ，６０Ｃ，６０Ｄの各感光体６１と対峙する各位置（一次転写位置）で中間転写体７１を各感光体６１にそれぞれ押し付けて回転する方式の転写装置である。一次転写ロール７４は、各感光体６１に形成されたトナー像を中間転写体７１の像保持面にそれぞれ一次転写させる。
二次転写ロール７５は、中間転写体７１が支持ロール７３と対峙する位置（二次転写位置）で中間転写体７１を支持ロール７３に押し付けて回転する方式の転写装置である。二次転写ロール７５は、中間転写体７１に一次転写されたトナー像を記録媒体９に一括して二次転写させる。

定着装置７８は、中間転写ユニット７０の二次転写位置で二次転写されたトナー像を記録媒体９に定着させる装置である。
定着装置７８は、記録媒体９の導入口や排出口が設けられた筐体の内部空間に、加熱用回転体、加圧用回転体等の機器を配置して構成されている。また、定着装置７８は、加熱用回転体と加圧用回転体が圧接し合う部分が定着の処理を行う定着ニップ部になる。

媒体供給手段８は、中間転写ユニット７０における二次転写位置に供給すべき所要のサイズの記録媒体９を収容して送り出す装置である。媒体供給手段８は、記録媒体９を収容する媒体収容体８１と、媒体収容体８１内の記録媒体９を１つずつ送り出す送出装置８２等の機器を配置して構成されている。
記録媒体９は、筐体５０の内部での収容および搬送が可能でかつトナー像の転写および定着が可能なシート状の媒体であればよい。記録媒体９としては、普通紙、コート紙、厚紙、封筒等が挙げられるが、その材質、形態等については特に制約されるものでない。

図８における符号８５で示す一点鎖線は、筐体５０の内部で記録媒体９が搬送される主な搬送路である。搬送路８５は、記録媒体９を挟持して搬送する複数の搬送ロール８６ａ，８６ｂ，８６ｃ，８６ｄや、記録媒体９の搬送空間を確保して記録媒体９の搬送を案内する図示しない複数の案内部材等を配置して構成されている。

画像形成装置５では、読取装置１として実施の形態１に係る読取装置１Ａか又は実施の形態２に係る読取装置１Ｂが適用される。
読取装置１Ａ又は読取装置１Ｂは、図８に示されるように、その筐体１０Ａ又は筐体１０Ｂが筐体５０の上面部に対向して設置されるよう取り付けられている。また、読取装置１Ａ又は読取装置１Ｂは、筐体５０の排出収容部５１の上方を覆うように配置されている。さらに、読取装置１Ａ又は読取装置１Ｂは、筐体５０内等に配置される図示しない電源部、画像処理部、制御部等に接続されている。

画像形成装置５は、読取装置１Ａ又は読取装置１Ｂで読み取られる読取対象物９５の情報を記録媒体９に複写した画像として形成する複写機としての画像形成動作と、外部の端末機器等の接続機器から入力される画像に関する情報を記録媒体９に記録する画像として形成するプリンタとしての画像形成動作とを選択して行うことが可能である。

・画像形成動作
画像形成装置５による画像形成動作は、例えば、次のようにして行われる。
以下では、上記した複写機としての画像形成動作を代表して説明する。また、以下の説明で形成される画像は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの４色のトナーを組み合わせて構成される多色画像、いわゆるフルカラー画像になる。

はじめに、画像形成装置５では、はじめに読取装置１Ａ又は読取装置１Ｂにおいて所要の読取対象物９５の情報を原稿固定読取モードによる読み取り動作か又は原稿移動読取モードによる読み取り動作が行われる。

続いて、画像形成装置５では、図示しない制御手段が画像を形成する動作の指令を受けると、像形成手段６における作像ユニット６０Ａ，６０Ｂ，６０Ｃ，６０Ｄと中間転写ユニット７０において帯電動作、露光動作、現像動作、転写動作、清掃動作等がそれぞれ実行される。その一方で、画像形成装置５では、像形成手段６の一部にもなる媒体供給手段８において記録媒体９の二次転写位置への媒体供給動作が実行される。この際、露光動作では、読取装置１Ａ又は読取装置１Ｂにより読み取った読取対象物９５の情報に基づいて画像成分の露光が行われる。

これにより、画像形成装置５では、作像ユニット６０Ａ，６０Ｂ，６０Ｃ，６０Ｄにおけるドラム状の各感光体６１上に所定の色のトナー像がそれぞれ形成される。また、画像形成装置５では、その各色のトナー像が中間転写ユニット７０におけるベルト状の中間転写体７１を一次転写された後に、搬送路８５を経由して二次転写位置に供給される記録媒体９に重ね合わせられるように二次転写される。

続いて、画像形成装置５では、定着装置７８において、トナー像が二次転写された記録媒体９が加熱用回転体と加圧用回転体とが接触する定着ニップ部に導入されて通過させられる定着動作が実行される。
これにより、画像形成装置５では、未定着のトナー像が加圧下で加熱されて記録媒体９に定着させられる。定着後の記録媒体９は、搬送路８５を経由して排出収容部５１に排出されて収容される。

以上説明した動作により、画像形成装置５による１つの記録媒体９の片面に対する多色画像の基本的な形成動作が完了する。

そして、画像形成装置５は、モータ４０を読取装置の筐体の内部の上下方向において読取手段２０と重複しない状態で配置する比較例の読取装置１Ｘ（図１０を参照）を適用する画像形成装置に場合に比べると、読取装置１Ａの筐体１０Ａの高さｈ１又は読取装置１Ｂの筐体１０Ｂの高さｈ２が低減される。
この結果、画像形成装置５においては、装置全体の高さｈ５が、読取装置１Ａの筐体１０Ａの高さｈ１又は読取装置１Ｂの筐体１０Ｂの高さｈ２が低減される分だけ同様に低減される。

変形例．
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態１から３として例示した構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々の変形や実施が可能である。このため、本発明は、例えば、以下に示す変形例も含むものである。

読取装置１Ａ又は読取装置１Ｂにおいては、モータ４０又は動力伝達手段３５が移動手段３０における第二プーリ３４Ａに動力を与えて駆動するようにしてもよい。

また、読取装置１Ａ又は読取装置１Ｂにおいては、モータ４０を読取手段２０の読み取り領域ＳＡ又は往復移動の領域ＴＡの外側に配置する場合、読み取り領域ＳＡ又は往復移動の領域ＴＡの後方側の領域に配置する場合に限らず、例えば、読み取り領域ＳＡ又は往復移動の領域ＴＡの前方の領域に配置するようにしてもよい。

さらに、読取装置１Ａ又は読取装置１Ｂは、第二透明平板１２および自動原稿搬送装置１５を配置しないものであっても構わない。

画像形成装置５は、実施の形態３で例示した多色画像を形成する画像形成装置に限定されず、単色（例えば黒色）の単色画像を形成する形式の画像形成装置であってもよい。
また、画像形成装置５としては、読取装置１Ａ又は読取装置１Ｂで読み取る読取対象物９５の情報を記録媒体９にトナーからなる画像として形成する電子写真方式の像形成手段６に限らず、それ以外の像形成方式の像形成手段６を採用する画像形成装置であっても構わない。電子写真方式以外の画像形成方式としては、例えば、液滴噴射方式、感熱方式、印刷方式等が挙げられる。

（付記）
(((１)))
読取対象物が載せられる透明平板を上面部に設けた筐体と、
前記筐体の内部で、前記透明平板の下面に接触して前記読取対象物の情報を読み取る読取手段と、
前記筐体の内部で、前記読取手段を読み取り領域内で往復移動させる移動手段と、
前記筐体の内部で、前記移動手段に動力を与えるモータと、
を備え、
前記モータが前記筐体の内部の上下方向において前記読取手段と重複する状態で配置されている読取装置。
(((２)))
前記移動手段が前記読取手段の下方に配置されており、
前記モータが前記筐体の内部のうち前記移動手段を境にした上下方向において前記読取手段と同じ領域内に配置されている(((１)))に記載の読取装置。
(((３)))
前記モータが前記筐体の内部のうち前記読み取り領域の外側に配置されている(((１)))又は(((２)))に記載の読取装置。
(((４)))
前記モータが前記筐体の内部のうち前記読取手段が往復移動する領域の外側に配置されている(((１)))から(((３)))のいずれかに記載の読取装置。
(((５)))
前記移動手段が、前記読取手段を前記往復移動する方向に沿うよう支持して案内する案内手段と、前記読取手段の一部に固定されるとともに前記案内手段に沿って配置されて移動する移動部材と、前記移動部材を移動可能に保持しつつ回転する回転保持体とで構成されており、
前記モータの駆動軸が前記回転保持体に直結されている(((１)))から(((４)))のいずれかに記載の読取装置。
(((６)))
前記移動手段が、前記読取手段を前記往復移動する方向に沿うよう支持して案内する案内手段と、前記読取手段の一部に固定されるとともに前記案内手段に沿って配置されて移動する移動部材と、前記移動部材を移動可能に保持しつつ回転する回転保持体とで構成されており、
前記モータの駆動軸が前記回転保持体に動力を中継して伝達する動力伝達手段に接続されている(((１)))から(((４)))のいずれかに記載の読取装置。
(((７)))
(((１)))から(((６)))のいずれかに記載の読取装置と、
前記読取装置で読み取った情報を記録媒体に画像として形成する画像形成手段と、
備えた画像形成装置。

(((１)))に係る読取装置によれば、読取装置の筐体の内部の上下方向においてモータを読取手段と重複しない状態で配置する場合に比べて、筐体の高さを低減することができる。
(((２))) に係る読取装置によれば、モータが筐体の内部のうち移動手段を境にした上下方向において読取手段と反対の領域内に配置されている場合に比べて、筐体の高さを低減することができる。
(((３))) に係る読取装置によれば、モータが筐体の内部のうち読み取り領域の内側に配置されている場合に比べて、読取手段が往復移動して読み取る動作にモータが障害になることを回避することができる。
(((４))) に係る読取装置によれば、モータが筐体の内部のうち読取手段が往復移動する領域の内側に配置されている場合に比べて、モータが往復移動する読取手段と干渉することを確実に回避することができる。
(((５))) に係る読取装置によれば、モータの駆動軸が回転保持体に直結されていない場合に比べて、筐体の高さを簡易な構成で低減することができる。
(((６))) に係る読取装置によれば、モータを読取領域内や読取手段の往復移動領域内に配置できない場合でも、筐体の高さを低減することができる。
(((７))) に係る画像形成装置によれば、読取装置においてモータを読取装置の筐体の内部の上下方向において読取手段と重複しない状態で配置する場合に比べて、読取装置の筐体の高さを低減することができる。

１Ａ，１Ｂ…読取装置
５ …画像形成装置
６ …像形成手段
９ …記録媒体
１０Ａ，１０Ｂ…筐体（読取装置の筐体の一例）
１１…第一透明平板（透明平板の一例）
１１ｂ…下面
２０…読取手段
３０…移動手段
３１…案内手段
３２…移動部材
３３，３４…回転保持体
３３…第一プーリ（回転保持体の一例）
３４Ａ…第二プーリ（回転保持体の一例）
３５…動力伝達手段
９５…読取対象物
９５Ａ…シート状の原稿（読取対象物の一例）
Ｙ１，Ｙ２…上下方向
ＴＤ…往復移動方向（読取手段が往復移動する方向の一例）
ＳＡ…読み取り領域
ＴＡ…往復移動する領域

Claims (7)

1. 読取対象物が載せられる透明平板を上面部に設けた筐体と、
   前記筐体の内部で、前記透明平板の下面に接触して前記読取対象物の情報を読み取る読取手段と、
   前記筐体の内部で、前記読取手段を読み取り領域内で往復移動させる移動手段と、
   前記筐体の内部で、前記移動手段に動力を与えるモータと、
   を備え、
   前記モータが前記筐体の内部の上下方向において前記読取手段と重複する状態で配置されている読取装置。
2. 前記移動手段が前記読取手段の下方に配置されており、
   前記モータが前記筐体の内部のうち前記移動手段を境にした上下方向において前記読取手段と同じ領域内に配置されている請求項１に記載の読取装置。
3. 前記モータが前記筐体の内部のうち前記読み取り領域の外側に配置されている請求項１に記載の読取装置。
4. 前記モータが前記筐体の内部のうち前記読取手段が往復移動する領域の外側に配置されている請求項１に記載の読取装置。
5. 前記移動手段が、前記読取手段を前記往復移動する方向に沿うよう支持して案内する案内手段と、前記読取手段の一部に固定されるとともに前記案内手段に沿って配置されて移動する移動部材と、前記移動部材を移動可能に保持しつつ回転する回転保持体とで構成されており、
   前記モータの駆動軸が前記回転保持体に直結されている請求項１に記載の読取装置。
6. 前記移動手段が、前記読取手段を前記往復移動する方向に沿うよう支持して案内する案内手段と、前記読取手段の一部に固定されるとともに前記案内手段に沿って配置されて移動する移動部材と、前記移動部材を移動可能に保持しつつ回転する回転保持体とで構成されており、
   前記モータの駆動軸が前記回転保持体に動力を中継して伝達する動力伝達手段に接続されている請求項１に記載の読取装置。
7. 請求項１乃至６のいずれか１項に記載の読取装置と、
   前記読取装置で読み取った情報を記録媒体に画像として形成する像形成手段と、
   備えた画像形成装置。

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